説明

中継装置およびケーブル接続構造

【課題】構成および組み付け作業が容易な中継装置を提供する。
【解決手段】第一ケーブル11と第二ケーブル12を繋ぐ中継装置10。中継装置10にそれらのケーブルを連結したケーブル接続構造。中継装置10は略円錐筒状のロック部材14と、そのロック部材を収容する連結部材13とからなる。ロック部材14は上端35から下端36にわたって拡縮変形を許す縦方向のスリット38を有する。連結部材13は間隔をあけて配置される第一端壁16と第二端壁17を備えた筒状である。第一端部16には第一ケーブルエンド19を軸方向に挿入するケーブルエンド挿入孔20が形成される。連結部材13の内部空間37のうち第一端壁16に隣接する部位はロック部材14を収容するロック部材収容部27である。第二端壁17には第二ケーブル12を半径方向に挿入することができるスリット22が形成され、第二端壁17の内面は第二ケーブルエンド係合部24である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2本のケーブルを接続し、一方の操作を他方に中継する中継装置およびその中継装置を用いたケーブル接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれ導管と該導管に挿通される内索とからなる2組のコントロールケーブルを中継し接続するコントロールケーブル中継接続装置が開示されている。このような中継接続装置は、自動車の車内でのコントロールケーブルの配索作業を容易にし、メンテナンスのための交換作業を容易にするために用いられる。特許文献1の装置では、一方のコントロールケーブルおよび他方のコントロールケーブルがそれぞれ結合ケースおよび結合ピースを備えており、当該それぞれの結合ケースには導管の端部が固定され、当該それぞれの結合ピースには内索の端部が係合している。前記一方のコントロールケーブルは、前記結合ケースに隣接するシリンダ部をさらに有し、前記他方のコントロールケーブルの結合ケースが前記一方のコントロールケーブルの結合ケースと嵌着可能であり、前記一方のコントロールケーブルの結合ピースと前記他方の結合ピースが、前記一方および他方のコントロールケーブルが同軸状に配置されるように係合し、前記一方および他方のコントロールケーブルの結合ピースが、前記一方のコントロールケーブルの結合ケースのシリンダ内をスライド可能である。そして前記一方のコントロールケーブルの結合ケースが、前記一方および他方のコントロールケーブルの結合ピースのスライド動作を規制する規制手段を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−38217
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の中継装置は、装置構成が複雑であり、組み付け作業にも手間がかかる。また、バネが中継装置の外側に向けて設けられているので、他の部材にバネが引っかかり易い。本発明は装置構成が簡単であり、組み付けも容易で、また、バネを用いる必要がないため、他の部材にバネが引っかかることがなく、作業性に優れている中継装置を提供することを技術課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の中継装置は、第一ケーブルと第二ケーブルを繋ぐ中継装置であって、上端と下端とを連通させる内部空間を有し、上端および下端がそれぞれ上面および下面を備え、上端から下端にわたって外周から前記内部空間へと繋がる縦方向のスリットを有し、外周面に係合爪を備えたロック部材と、長手方向に配置される2つの端部を備え、第一端部に第一ケーブルのケーブルエンドが挿入されるケーブルエンド挿入孔と前記ロック部材を収容するロック部材収容部が設けられ、第二端部に第二ケーブルのケーブルエンドと係合する第二端部係合部が設けられた連結部材とを備え、前記ロック部材収容部には第一端部係合部および係合孔が設けられ、前記ロック部材が前記ロック部材収容部に収容された際に、前記ロック部材の下面が前記第一端部係合部と係合し、前記係合爪が前記係合孔と係合するようにされてなり、前記ロック部材が、第一ケーブルのケーブルエンドを前記ロック部材の内部空間へ押し入れた際に前記スリットの幅が拡張し、前記内部空間の径が該ケーブルエンドの外径と同径以上となるように、拡径可能な可撓性を有し、前記第一ケーブルのケーブルエンドを前記ケーブルエンド挿入孔より連結部材の内部へ押し入れることにより
、前記第一ケーブルのケーブルエンドが前記内部空間を通って前記ロック部材を通過してロック部材の上面と係合することにより第一ケーブルが前記中継装置と接続され、前記第二ケーブルのケーブルエンドが前記連結部材の内部に収容されて第二ケーブルのケーブルエンドの近位端が第二端部係合部と係合することにより第二ケーブルと前記中継装置とが接続されてなることを特徴としている。ここにいう「端部」とは、端部係合部とその端部係合部に隣接してケーブルエンドを収容する空間を含む概念である。また「係合孔」は、切り欠き溝や貫通していない穴を含む。
【0006】
本発明のケーブル接続構造は、第一ケーブル、第二ケーブルおよび前述の中継装置を備えたケーブル接続構造であって、前記第一ケーブルが前記ロック部材を介して接続され、前記第二ケーブルが前記連結部材に接続されて、前記中継装置を介して前記第一ケーブルと第二ケーブルとが繋がれ、前記第一ケーブルまたは第二ケーブルが、ブレーキ、トランスミッションまたは車両用シートのロック解除の被操作装置に繋がる操作ケーブルであり、前記ロック部材は、前記第一ケーブルのケーブルエンドにより押圧された際の変形が、被操作装置の操作に影響がない程度の変形であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
(1)本発明の中継装置は、装置構成が簡単であり、組み付け作業も容易である。また、ロック部材がバネ作用を奏するため、他にバネを用いる必要がない。そのため、従来品のように他の部材にバネが引っかかることがなく、作業性に優れている。
【0008】
(2)前記ロック部材が略円錐状である場合は、ロック部材の下端の開口から内部空間に第一ケーブルのケーブルエンドを挿入していくとき、スムーズに拡径していくため組み付け作業が一層容易である。
【0009】
(3)前記ロック部材が、前記第一ケーブルのケーブルエンドにより1000Nの縦方向の押圧力で押圧された際に被操作装置の操作に影響がない程度の変形以下となる合成樹脂製である場合は、ケーブルに強い張力が加わっても縦方向に実質的に変形せず、安全である。
【0010】
(4)本発明のケーブル接続構造は、前述の本発明の中継装置を備えているので、ブレーキ、トランスミッションまたは車両用シートのロック解除の被操作装置に繋がる操作ケーブルとして採用することにより、連結部の着脱操作が容易であるため自動車の車内での配索作業およびメンテナンス作業が容易になる。しかも連結持には確実に操作を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の中継装置の一実施形態を連結するケーブルと共に示す平面図である。
【図2】図2aおよび図2bはそれぞれ図1の中継装置の組み立て前の側面図および正面図である。
【図3】図1の中継装置の側面図である。
【図4】本発明のケーブル接続構造の一実施形態を示す縦断面図である。
【図5】図1のV-V線断面図である。
【図6】図1の中継装置の組み立て前の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す中継装置10は、第一ケーブル11の端部と第二ケーブル12の端部同士を繋ぎ、いずれかに加えられた操作を他方に中継するためのものである。この中継装置10は、略筒状の連結部材(ジョイントピース)13と、その内部に収容された略円錐状ない
し筒状のロック部材(ロックピース)14とからなる。
【0013】
連結部材13は、略筒状で、両端に厚い円板状の第一端壁16および第二端壁17を有し、それらを略円筒状の周壁18で連結している。第一端壁16とそれに隣接する部位により第一端部が構成され、第二端壁17とそれに隣接する部位により第二端部が構成される。第一端壁16の中心には第一ケーブル11のケーブルエンド19を通すケーブルエンド挿入孔20が形成されている。第一端壁16の内面は第一ケーブルのケーブルエンド(以下、第一ケーブルエンドという)19がロック部材14を介して係合する第一端部係合部21である。第二端壁17には、第二ケーブル12を通すスリット22が上端から中心に達するように形成されている(図3参照)。第二端壁17の内面は第二ケーブル12のケーブルエンド(以下、第二ケーブルエンドという)23が係合する第二端部係合部24である。
【0014】
図2aおよび図2bに示すように、周壁18の上部が切り欠かれ、内部空間は開口25によって上方に開放された略U字状断面の空洞とされている。この上部の開口25は、ロック部材14を連結部材13に入れるため、および第二ケーブルエンド23を連結部材13に出し入れするために使用する。なお、この連結部材13では、軸方向中間位置に中心軸と交差する隔壁26を設け、内部空間を第一端部側と第二端部側に仕切っている。第一端部側の空間はロック部材14を収容するロック部材収容部27であり、第二端部側の空間は第二ケーブルエンド23を収容する第二ケーブルエンド収容部28である。隔壁26は連結部材13を補強するリブの作用を奏する。
【0015】
図1および図4に示すように、隔壁26には第一ケーブルエンド19の先端が当接するU字状の溝30が形成されている。溝30は上方に開放され、その内面は第一ケーブルエンド19の形状に合わせて先端側が狭くなるテーパ状としている。それにより第一ケーブル11の位置決めが容易であり、往復操作によっても確実に中心位置を維持できる。さらに第一ケーブルエンド19を中継装置10に連結するため、第一ケーブルエンド19をロック部材14の内面に押圧して拡径する際に、ロック部材14が第二端部側に逃げないように支える機能を有する。溝30に代えて貫通孔または有底の穴とすることもできる。ただし成型が煩雑になるので上に開放した溝が好ましい。連結部材13は合成樹脂で成形することができる。また、連結部材13を合成樹脂製にすると、金属材に比べて軽量化と操作時の摺動音の軽減ができる。
【0016】
図2aに示すように、周壁18のロック部材収容部27に対応する部位には、略L字状の溝31が形成されている。このL字状の溝31は上縁まで連続する縦溝31aと、その縦溝の下端から軸線と平行に第二端部側に延びる横溝31bとからなる。それにより上縁、縦溝31aおよび横溝31bで囲まれる略矩形状の係止片32が形成される。横溝31bは図4に示すように、ロック部材14に設けた係止爪33と係合してロック部材14の位置を支持する。ロック部材14はロック部材収容部27に入れた状態ではその内部で動きやすいが、係止爪33と横溝31bの係合により、第一ケーブルエンド19をロック部材14に押し入れるときにロック部材14を動かないように保持する。また、一旦収容したロック部材14の抜け止め作用をも奏する。
【0017】
ロック部材14は、図2a、図2bに示すように略円錐状、とくに薄板を円錐状に丸めた形態を有し、上端35から下端36まで連通する内部空間37を有する。円柱状あるいは円筒状とすることもできる。上端35および下端36はそれぞれ平坦な上面および下面とされている。上面を平坦にしているのは第一ケーブルエンド19との係合を確実にするためであり、下面を平坦にしているのは連結部材13の内面との係合を確実にするためである(図4参照)。ロック部材14はさらに上端35から下端36にわたって外周から前記内部空間37へと繋がる縦方向のスリット38を有する。このスリット38はロック部
材14に対し、拡径および縮径の弾性変形を可能にするためのものである。そして拡径および縮径を容易にするため、スリット38の両脇に一対の摘み片38aを突設している。スリット38については第一ケーブルエンド19を押入れることができるものであれば特に限定されるものではない。
【0018】
さらにロック部材14の外周面には前述の係止爪33が左右に突出するように設けられている。ロック部材14は斜めにして係止爪33を片側ずつ横溝31bに挿入することにより、ロック部材収容部27に挿入することができる。なお、図1からわかるように、係止爪33と係止片32との重なりはわずかであるので、ロック部材14はスリット38を利用して縮径させることによってもロック部材収容部27に収容させることができる。係止爪33および/または係止片32は可撓性を有する形状とし、ロック部材14を連結部材13に挿入するときに撓ませるようにしてもよい。
【0019】
ロック部材14はポリオキシメチレン(POM)などの強度が高く、弾力性を有する合成樹脂で成形することができるが、ケーブルの張力に抗するため、少なくとも1000Nの押圧力により縦方向での変形が実質的に生じないものが好ましい。その場合も径方向に拡縮する弾性変形は必要である。
【0020】
図1に示すように、第一ケーブルエンド19は第一ケーブル11の端部に同心状に固着される略円柱状の部品である。第一ケーブルエンド19は、後端面39で係合するのではなく、先端から少し後退した部位にロック部材14の先端面と係合する係合段部40を有する(図4参照)。そして係合段部より先端側の領域(以下、先端領域という)41はロック部材14の内部に陥入させるときにロック部材14を拡げるため、先端に向かって細くなるテーパ状ないし滑らかな砲弾状の形態を有する(図4参照)。係合段部40の近辺42は略円筒状にしている。後端面39の近辺は中継装置のケーブルエンド挿入孔20と嵌合するべく円柱形状にしている。
【0021】
その円柱形状の部分(以下、円柱部分という)43と係合段部40の間の領域44のうち係合段部40に続く先端側の領域44aは、ロック部材14の内面と嵌合するテーパ面としている。また領域44のうち後端側の領域44bは、先端側の領域44aと円柱部分43とを結合する部位である。この部位はロック部材14の後端面と連結部材の第一端部との境界に対応するため、円柱部分43よりいくらか小径の略円柱状としている。
【0022】
第二ケーブルエンド23は従来公知の略円柱状の形態を備え、第二ケーブル12と同心状に設けられる。第一ケーブル11および第二ケーブル12はそれぞれは金属線を撚り合わせたものであり、プルコントロールケーブルのインナーケーブルが用いられる。第一ケーブルエンド19および第二ケーブルエンド23は、それぞれ第一ケーブル11および第二ケーブル12の端部に亜鉛合金などでダイカスト成形して設けることができる。
【0023】
上記のように構成される連結部材13とロック部材14は、図2a、図2bおよび図4に示すように、ロック部材14を連結部材13の上部開口25からロック部材収容部27に挿入することにより中継装置10が得られる。なお、ロック部材14はロック部材収容部27の内部では遊びがあり、係止爪33が横溝31b内に入っていても、その位置および姿勢ははっきりとは定まらない。そして第一ケーブルエンド19を中継装置10に連結したときに、第一ケーブルエンド19の先端領域41が隔壁26の溝30の下端と係合することにより初めて定まる(図4参照)。
【0024】
上記のようにして得られた中継装置10に対し、第一ケーブル11を連結するには、まず、第一ケーブル11を中継装置10と同心状に配置し、第一ケーブルエンド19をケーブルエンド挿入孔20に嵌入する。それにより第一ケーブルエンド19の先端領域41の
テーパ面がロック部材14の内面を押圧して拡径する。このとき隔壁26がロック部材14を支える。
【0025】
そして先端領域41がロック部材14の内部空間37を通過すると、図4に示すように、第一ケーブルエンド19の係合段部がロック部材14の上端35と係合する。同時に第一ケーブルエンド19の先端領域41が隔壁26の溝30の下端と当接する。それによりロック部材14のロック部材収容部27内での位置が定まる。ついで第二ケーブル12の根元部を第二端部17のスリット22に通しながら、第二ケーブルエンド23を第二ケーブルエンド収容部28に収容し、第二ケーブルエンド23の近位端(先端の反対側)23aを第二端部係合部24に係合させる。この状態で中継装置10の全体を、たとえば図4に想像線で示す筒状のアウターケース45内に摺動自在に収容する。収容した状態では第二ケーブル12がスリット22から抜け出すおそれがない。またロック部材14もロック部材収容部27から抜け出すおそれがない。
【0026】
このようにして得られる接続構造50は、本発明のケーブル接続構造の一実施形態である。この接続構造50によれば、第一ケーブル11がロック部材14を介して連結部材13に接続され、第二ケーブル12の近位端23aが連結部材13の第二端壁17の内面(第二端部係合部24)に係合して接続される。したがって中継装置10を介して第一ケーブル11と第二ケーブル12が互いに繋がれる。すなわち、第一ケーブル11を矢印P1方向に引き操作すると第二ケーブル12も矢印P1方向に引き操作され、第二ケーブル12を矢印P2方向に引き操作すると第一ケーブル11も矢印P2方向に引き操作される。第一ケーブル11を中継装置10から外す場合は、中継装置10をアウターケース45から抜き出し、ロック部材14の摘み片38aを摘み、スリット38を利用して拡径させる。それにより第一ケーブルエンド19をロック部材14から抜き取ることができ、第一ケーブル11を中継装置10から外すことができる。
【0027】
このような接続構造50では、第一ケーブル11または第二ケーブル12は、自動車のブレーキ、トランスミッションまたは車両用シートのヘッドレストの被操作装置に繋がる操作ケーブルとすることができる。第一ケーブル11および第二ケーブル12はプルコントロールケーブルに用いられる可撓性を有するアウターケーシング(導管)でガイドすることができる。その場合はいずれかのケーブルのアウターケーシングの一端を操作レバーなどの操作機器の近辺に固定し、他端を中継装置10の近辺に固定する。そして他方のケーブルのアウターケーシングは、一端を中継装置10の近辺に固定し、他端をブレーキやトランスミッション、ヘッドレストなどの被操作機器の近辺に固定する。アウターケーシングを中継装置10の近辺に固定する場合、たとえば図4のアウターケース45の端部、あるいはその端部を塞ぐキャップに固定することができる。
【0028】
アウターケーシングとしては、金属線の螺旋管の周囲に合成樹脂被覆を設けたもの、さらに内部に合成樹脂チューブからなるライナを設けたものなどが用いられる。本発明の接続構造を特許文献1に記載されている自動車のシートのロックを解除する機構の操作ケーブルに介在させる場合は、第一ケーブルを軸心方向から押し込むだけで中継装置に連結できるので、組み立てが容易であるという利点がある。
【0029】
前記実施形態ではロック部材14に一対の摘み片38aを設けている。これらはあれば取り扱いが楽になるが、必ずしも必須の要素ではなく、省略することもできる。また、前記実施形態ではロック部材14を先端が狭くなっている円錐状のものとして説明したが、外周が円筒状あるいは外内周がぞれぞれ円筒状をとするなど、筒状であってもよい。その場合でも第一ケーブルエンド19の先端あるいはロック部材の後端にテーパ面を設けるのが好ましく、それにより容易に嵌入させることができる。なお、円柱状とし、内部にテーパ状の空洞を設けてもよい。さらに前記実施形態では連結部材10を円柱状のものとして
説明したが、角柱状であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 中継装置
11 第一ケーブル
12 第二ケーブル
13 連結部材
14 ロック部材
16 第一端壁
17 第二端壁
18 周壁
19 第一ケーブルエンド
20 ケーブルエンド挿入孔
21 第一端部係合部
22 スリット
23 第二ケーブルエンド
24 第二端部係合部
25 開口
26 隔壁
27 ロック部材収容部
28 第二ケーブルエンド収容部
30 (隔壁のU字状の)溝
31 (周壁のL字状の)溝
31a 縦溝
31b 横溝
32 係止片
33 係止爪
35 上端
36 下端
37 内部空間
38 スリット
38a 摘み片
39 後端面
40 係合段部
41 先端領域
42 (係合段部の)近辺
43 円柱部分
44 間の領域
44a 先端側の領域
44b 後端側の領域
45 アウターケース
50 接続構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ケーブルと第二ケーブルを繋ぐ中継装置であって、
上端と下端とを連通させる内部空間を有し、上端および下端がそれぞれ上面および下面を備え、上端から下端にわたって外周から前記内部空間へと繋がる縦方向のスリットを有し、外周面に係合爪を備えたロック部材と、
長手方向に配置される2つの端部を備え、第一端部に第一ケーブルのケーブルエンドが挿入されるケーブルエンド挿入孔と前記ロック部材を収容するロック部材収容部が設けられ、第二端部に第二ケーブルのケーブルエンドと係合する第二端部係合部が設けられた連結部材とを備え、
前記ロック部材収容部には第一端部係合部および係合孔が設けられ、
前記ロック部材が前記ロック部材収容部に収容された際に、前記ロック部材の下面が前記第一端部係合部と係合し、前記係合爪が前記係合孔と係合するようにされてなり、
前記ロック部材が、第一ケーブルのケーブルエンドを前記ロック部材の内部空間へ押し入れた際に前記スリットの幅が拡張し、前記内部空間の径が該ケーブルエンドの外径と同径以上となるように、拡径可能な可撓性を有し、
前記第一ケーブルのケーブルエンドを前記ケーブルエンド挿入孔より連結部材の内部へ押し入れることにより、前記第一ケーブルのケーブルエンドが前記内部空間を通って前記ロック部材を通過してロック部材の上面と係合することにより第一ケーブルが前記中継装置と接続され、
前記第二ケーブルのケーブルエンドが前記連結部材の内部に収容されて第二ケーブルのケーブルエンドの近位端が第二端部係合部と係合することにより第二ケーブルと前記中継装置とが接続されてなる中継装置。
【請求項2】
前記ロック部材が略円錐状である請求項1記載の中継装置。
【請求項3】
前記ロック部材が、前記第一ケーブルのケーブルエンドにより1000Nの縦方向の押圧力で押圧された際に被操作装置の操作に影響がない程度の変形以下となる合成樹脂製である請求項1または2記載の中継装置。
【請求項4】
第一ケーブル、第二ケーブルおよび請求項1〜3のいずれかに記載の中継装置を備えたケーブル接続構造であって、
前記第一ケーブルが前記ロック部材を介して接続され、前記第二ケーブルが前記連結部材に接続されて、前記中継装置を介して前記第一ケーブルと第二ケーブルとが繋がれ、前記第一ケーブルまたは第二ケーブルが、ブレーキ、トランスミッションまたは車両用シートのロック解除の被操作装置に繋がる操作ケーブルであり、
前記ロック部材は、前記第一ケーブルのケーブルエンドにより押圧された際の変形が、被操作装置の操作に影響がない程度の変形であるケーブル接続構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−226548(P2011−226548A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96389(P2010−96389)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(390000996)株式会社ハイレックスコーポレーション (362)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】