説明

中間レセプターへのアブレーション転写

【課題】バッキングによって担持される情報のコントラストパターンを最終レセプターベースエレメントと統合する方法を提供する。
【解決手段】(a)そのような情報のパターンに従って、LAT画像形成フィルムを、中間レセプターエレメントの上に上記画像形成フィルムのレーザー照射アブレーション物質の画像形成するように暴露された領域の容量のアブレーション物質移動をもたらすために十分な強度で、画像形成するようにレーザー照射する工程、および(b)それから、いずれかの好ましい最終レセプターベースエレメント上にこのようにして画像形成された上記中間レセプターを画像側でラミネートする工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の最終基板への画像及び、有利には、そのための保護オーバーコーティングの両方の第2又は下流総括的(downstream blaketwise)ラミネーションに大変適応した特別の中間レセプターエレメントの上へのレーザーアブレーション転写(ablation transfer)(「LAT」)画像形成の独特の変形に関する。
【0002】
本発明によるそのような「LATデカルコマニア(転写法)」技術の代表的応用は、光沢のない又は光沢のあるフルカラー印刷又は校正刷り(proofs)、及び好ましい単色画フォトマスキングフィルムを含む。
【背景技術】
【0003】
本出願人に譲渡され、その記載内容を引用により明示的に本明細書の一部とし、本発明がその記載内容に準拠しているDiane M.Foleyの米国特許第5,156,938号は、従来技術のレーザーアブレーション転写画像形成科学(「LATIS」)を詳説しており、アブレーション転写画像形成媒体上の対比情報パターンの作成と、該媒体から該媒体に接触して位置合わせされているレセプターエレメントへの該パターンの転写とを同時に実現する新規な方法/システムを開示している。該方法/システムは、画像形成光線、典型的にはレーザー光線の吸収を要する対比画像形成材料に依存せず、例えば、コンピューターによる堅牢なカラープリント版の作製、種々の文書の機密符号の作製、機械読取り可能な項目または診断項目の作製、グラフィックアートのマスクの作製及びプリント回路産業などの用途に適している。アブレーション転写画像形成媒体自体は、支持基板と、該支持体基板と本質的に同一平面上にあり画像形成光線、好ましくはレーザー光線にアブレーション性のトップコートとを含み、このようなアブレーション性トップコートは、画像非形成性アブレーション増感剤と、画像形成量の非アブレーション性かつ感光性の対比画像形成物質(「CIM」)とを含む。
【0004】
同じく本出願人に譲渡され、その記載内容を引用により明示的に本明細書の一部とし、本発明がその記載内容に準拠しているEllis et alの米国特許第5,171,650号は、感度が向上し、増感剤及び閾値エネルギーの必要量が減少した(従って転写可能な原画の範囲が拡大された)改良されたアブレーション転写画像形成媒体を記載している。更に、この媒体は反応速度論的により迅速に反応し、実質的に任意の種類の対比画像形成物質(増感性であるか否かにかかわりなく)を含有する画像形成光線アブレーション性トップコートのレセプターエレメントへのアブレーション転写を容易にする。
【0005】
’650号のEllis et al特許のこのような方法/システムは、複合アブレーション転写画像形成媒体上の対比情報パターンの作成と該媒体から該媒体に接触して位置合わせされたレセプターエレメントへの該パターンの転写とを同時に行うものであり、光線感度性及び多用性が改良されており、反応速度論的に迅速に反応し、また増感されたアブレーション性トップコートに依存せず、同じくコンピューターによる堅牢なカラープリント版の作製、種々の文書の機密符号の作製、機械読み取り可能な項目または診断項目の作製、グラフィックアートのマスクの作製及びプリント回路産業などの用途に極めて適している。Ellis et alの複合アブレーション転写画像形成媒体自体は、支持基板(i)と、該支持基板と本質的に同一平面上にある少なくとも1つの中間「動的剥離層」(ii)と、レーザー吸収剤/増感剤を含有するか否かにかかわりなく画像形成量の対比画像形成物質を含有する画像形成光線にアブレーション性のキャリャートップコート(iii)とを含む。上記の少なくとも1つの動的剥離層(ii)は、このような画像形成光線、典型的にはレーザー光線を、少なくとも前記キャリャートップコート(iii)を像通りのアブレーション原画転写を行うために十分な割合で吸収する。
【0006】
「動的剥離層」なる用語は、少なくともキャリャートップコートを、レセプターエレメントに該層が存在しない場合に必要とされるよりも少ないエネルギー/作用で像通りにアブレーション転写するために画像形成光線と相互作用するべき中間層を意味する。動的剥離層(「DRL」)は、キャリャートップコートを支持基板に接着または結合させる接着力を効果的に除去することによってキャリャートップコートを剥離させると考えられている。好ましくは、同じ条件下で同時に、画像形成光線との相互作用、例えば動的剥離層自体のアブレーションを生じさせることによって剥離を更に推進し、全キャリャートップコートからレセプターエレメントへの像通りのアブレーション転写を更に容易に進行させる。Ellis et alによる代表的なDRLは、金属、金属合金、金属酸化物、金属硫化物の薄膜など、及び有機物である。
【0007】
従って、例えば上記のFoley et al及びEllis et alのLATISに使用されるLAT画像形成フィルムは本質的に、既存の商品目録から得られる「恒久性」フィルム、即ち、半製品の形態またはプレコートされたフィルムに限定されており、このような既存の商品目録は典型的には、特定の用途に必要なLAT画像形成フィルムの完全スペクトルを十分に供給できない。例えば、通常は、必要なすべての色彩、色彩濃度、フィルムの膜厚などを通常の既存の商品目録から得ることは必ずしもできない。
【0008】
従って、従来はこの技術と相容れなかったある程度の融通性及び多用性を最終使用者に提供するLATIS画像形成フィルムをオンデマンドまたはオンラインで作製または生成するための新規な手段が開発され、1992年11月18日出願のEllisの米国特許出願第07/978,482号に記載されている。該特許出願も本発明の出願人に譲渡された。
【0009】
このようなLAT画像形成フィルムのオンデマンド作製/生成は、本質的に無限の数の対比画像形成物質のいずれか1つ以上を随意に選択でき、また、本質的に無限の数の膜厚及びCIM濃度のいずれか1つ以上を任意に選択できる。
【0010】
また、LATIS画像形成フィルムのオンデマンド作製/生成に適したこのような新規な手段は、慣用の液体もしくはドライトナー、または、特定の要望またはLATIS用途に適合するように特に変性または注文製造された液体もしくはドライトナーを使用する慣用の調色(toning)技術を要する。実際、経済的な見地及び/または環境上の見地から、画像ドナーフィルムの画像非形成領域から未使用のトナーを再利用するような選択肢を提供する慣用のまたは注文製造されたトナーが使用される。
【0011】
’482Ellis出願に記載の複合LAT画像形成フィルムは、不連続なまたは「調色された(toned)」アブレーション性トップコートを含み、従って、レーザー光線感度が改良されている(その理由は、耐久的に接着した永久的な連続アブレーション性トップコートを含むLAT画像形成フィルムと対照的に、不連続なアブレーション性トップコートはDRLを含むか否かにかかわりなくいかなる基板に対しても接着力が低下しているからである)。
【0012】
要約すると、’482Ellis出願の特徴は、所望のLATフィルムを最終的に含む適当な基板をオンデマンドに供給し、次いで、実際の画像形成工程の直前または直ぐ上流で所望の膜厚または密度で所望の色彩または画像形成機能を有する新規な複合フィルムを提供するために上記のごとき基板をオンサイトで調色することである。
【0013】
しかしながら、公知のLAT技術は本質的に特定の1つのレセプターエレメントへの画像転写に限定され、このレセプターエレメント自体が最終画像密度、製品形態、転写所要エネルギー量、最終製品の図面の寸法、などを厳密に支配するので、LATIS技術の融通性がある程度欠如しているのが現状である。
【特許文献1】米国特許第5,156,938号明細書
【特許文献2】米国特許第5,171,650号明細書
【特許文献3】米国特許出願第07/978,482号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明は、従来LAT画像形成技術では知られていない可転性と可撓性の選択性を与える中間レセプターエレメントの上へのレーザーアブレーション転写画像形成のための改良された技術を提供することを目的とする。
【0015】
すなわち、従来のLAT画像形成科学(LATIS)では相いれない可撓性と可転性の選択性を提供する独特のレーザーアブレーション転写(「LAT」)画像形成技術であって、特別の又は常用中間レセプターエレメントの上への、特にその上の接着剤表面へのLAT画像形成、及び次いで、種々の最終レセプター基板のいずれか1つの上へのこのように画像形成した中間レセプターのラミネーション、特に加圧下でのホットラミネーション、を含み、このように形成されたものは、フルカラー印刷又は校正刷り、フォトマスク、単色又は多色透明画等であり、平滑又は光沢のない保護耐久性オーバーコートを有する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
簡単には、本発明は、非常に広範囲の最終レセプター基板への、画像及び、好ましくはそのための保護オーバーコーティングの両方の、特に、総括的熱接着を介した第2の、総括的ラミネーションに有用な特別の中間レセプターエレメントの上へのレーザーアブレーション転写画像形成に特徴がある。
【0017】
本発明は、バッキングによって担持される情報のコントラストパターンを最終レセプターベースエレメントと統合する方法に関し、この方法は、(a)そのような情報のパターンに従って、LAT画像形成フィルムを、中間レセプターエレメントの上に上記画像形成フィルムのレーザー照射アブレーション物質の画像形成するように暴露された領域の容量のアブレーション物質移動をもたらすために十分な強度で、画像形成するようにレーザー照射する工程、および(b)それから、いずれかの好ましい最終レセプターベースエレメント上にこのようにして画像形成された上記中間レセプターを画像側でラミネートする工程を含む。
【0018】
1つの実施形態において、上記中間レセプターエレメントは、接着剤層、および上記LAT画像用の接着的にコーティングされた保護オーバーコートを含み、かつ上記アブレーション物質移動がそのような中間レセプターエレメントの接着剤層の表面上に生じる。
【0019】
1つの実施形態において、上記中間レセプターエレメントは、接着的にコーティングされたLAT画像保護オーバーコート及びその上に重ねたベース基板を含む。
【0020】
1つの実施形態において、上記方法は、上記最終レセプターベースエレメント上に同様にラミネートする工程のダウンストリームで、上記中間レセプターエレメントから上記ベース基板を除去する工程をさらに含む。
【0021】
1つの実施形態において、上記方法は、上記中間レセプターエレメントが上記保護オーバーコートと上記ベース基板との間に剥離層を含む。
【0022】
1つの実施形態において、上記接着剤コーティングは、視覚的に透明な接着剤を含む。
【0023】
1つの実施形態において、上記接着剤コーティングは、熱的に活性化される接着剤を含む。
【0024】
1つの実施形態において、上記接着剤コーティングは、感圧接着剤を含む。
【0025】
1つの実施形態において、上記最終レセプターベースエレメントは、プラスチックシートを含む。
【0026】
1つの実施形態において、上記最終レセプターベースエレメントは、紙、ガラス又は金属の基板を含む。
【0027】
1つの実施形態において、上記最終レセプターベースエレメントは、反射基板を含む。
【0028】
1つの実施形態において、上記保護オーバーコート、上記最終レセプターベースエレメント及び上記接着剤コーティングのそれぞれは、視覚的に透明である。
【0029】
1つの実施形態において、上記保護オーバーコートは、反射基板を含む。
【0030】
1つの実施形態において、上記保護オーバーコートは、透明なポリマーフィルムを含む。
【0031】
1つの実施形態において、上記保護オーバーコートは、セルロース性ポリマーを含む。
【0032】
1つの実施形態において、上記保護オーバーコートは、光沢のない又は光沢のある耐磨耗性かつ耐水性の外表面を含む。
【0033】
1つの実施形態において、上記最終レセプターベースエレメントは、不規則な又は起伏のある表面を有する。
【0034】
1つの実施形態において、上記ベース基板は、ポリマー製及び/又は有孔性のシート材料を含む。
【0035】
また本発明は、接着的にコーティングされた保護ベース基板を含む製造複合物品に関し、上記ベース基板は、その接着剤表面に情報のコントラストLAT画像パターンを有し、かつ上記接着剤表面は最終ベースエレメントにラミネートされている。
【0036】
1つの実施形態において、上記製造複合物品は、接着的にコーティングされた保護ベース基板を含み、上記ベース基板は、その接着剤表面に情報のコントラストLAT画像パターンを有し、かつその他方の表面上に重ねたベース基板を有し、かつ上記接着剤表面は最終ベースエレメントにラミネートされている。
【0037】
1つの実施形態において、上記最終ベースエレメントは、不規則な又は起伏のある表面を有する。
【0038】
さらに本発明は、上記方法の製造物である複合物品に関する。
【0039】
そしてさらに本発明は、上記製造複合物品を含む、フルカラー印刷又は校正刷り、フォトマスク、単色又は多色透明画、ラベル又はバーコードに関する。
【0040】
本発明は、非常に広範囲のそのための支持基板への、レーザーアブレーション転写フィルム及び、有利には熱的結合を介した、その次の中間画像のラミネーションを画像形成するに有用な中間レセプターエレメント、但し、同時にかつ有利には、その最終レセプター基板上の画像層(類)を保護する光沢のないまたは光沢のある耐磨耗性オーバーコートを有する、を提供する。
【0041】
本発明は、広範囲の表面特性を有する耐久性のあるフルカラー印刷又は校正刷りを製造する新規な手段も提供する。
【0042】
さらに、フォトマスク及び裏蓋(back−lid)ディスプレーやプロジェクション画像を含む耐久性単色又は多色透明画を製造する新規な手段も提供する。
【0043】
本発明によるLAT転写法の1つの好ましい態様は、適当なドナーフィルム、例えば前記Foley et al/Ellis et alの’938及び’650特許、又は上記Ellis et alのコペンディングの出願07/978,482、1992年11月18日出願、に記載のものを、同様に上記’938及び’650特許に記載のレーザーアブレーション転写条件下で、特別な中間レセプターエレメントの典型的熱活性化受容層上に画像形成される。画像形成された中間レセプターエレメントは次いで最終レセプター基板に熱ラミネートされる。上記好ましい態様において、中間レセプターのベース基板の剥離(peeling off)は、最終レセプター基板上のポリマー保護ミラー画像に暴露される。そのような最終基板は反射性、半透明又は透明であることができる。画像の保護オーバーコート/オーバーコーティングは好ましくは光沢のない又は光沢のある耐磨耗性及び耐水性である。
【0044】
特に図面を参照して、第1図の、支持基板又はベース1、それと実質的に同じ空間を占める少なくとも1つの中間ダイナミック剥離層2、及び同様にそれと実質的に同じ空間を占めるレーザー照射アブレーションキャリアートップコート3(例えば、’650エリスら特許に記載のように)を含むLATアブレーション転写複合画像形成媒体、又はドナーは、上記画像形成媒体の少なくともレーザー照射アブレーションキャリアートップコート3の画像形成暴露領域の容量の画像形成アブレーション物質移動を行うに十分な強度で、いずれかの特定の情報パターンに従い、画像形成するように、上記中間レセプターエレメントの上に確実にレーザー照射し、かつそれにより、上記移動したコントラスト画像形成物質が情報パターンをその上に描く。
【0045】
第1図では、中間レセプターエレメントは熱接着剤4とそのための保護オーバーコート5を含む。
【0046】
画像形成後に、画像形成中間レセプターエレメントは次いで最終レセプターベース8に熱ラミネートされ、保護画像アセンブリが提供される。そのような目的に適当な装置は、イメージ・テクノロジーズ・コーポレーションから市販されているモデルIT−6000ラミネーターやブリス・コーポレーションから市販されているブラザーDHCラミネーターがある。
【0047】
第2図において、同様のLATアブレーション転写複合画像形成媒体は、上記画像形成媒体の少なくともレーザー照射アブレーショントップコート3の画像形成暴露領域の容量の画像形成アブレーション物質移動を行うに十分な強度で、いずれかの特定の情報パターンに従い、画像形成するように、上記中間レセプターエレメントの上に確実にレーザー照射し、かつそれにより、上記移動したコントラスト画像形成物質が再度情報パターンをその上に描く。
【0048】
しかし、第2図の好ましい態様においては、中間レセプターエレメントは、熱接着剤層4、最終画像の保護を目的とする保護オーバーコート層5、所望により剥離層6及びベース基板7を含む。
【0049】
画像形成後、画像形成した中間レセプターエレメントは、次いで第1図のように、最終レセプターベース8に熱ラミネートされる。
【0050】
上記中間レセプターの所望により設けられる剥離層6とベース基板7との剥離は、最終レセプター基板又はベース8上の「中間」画像の保護された、典型的にはポリマー保護された、ミラー画像を提供する。
【0051】
上記のように、最終基板又はベース8は、反射性、半透明、透明又は不透明であることができる。そのための保護オーバーコーティング5は、有利には、光沢のない又は光沢のある耐磨耗性及び耐水性である。
【0052】
従って、本発明によるLAT転写法は、単一物質(中間レセプターエレメント)上へのレーザーアブレーション転写の選択可能性を提供し、それにより、(各特定の例に応じて、広範囲の基板に適合するように、LAT法パラメーターの調整をしなければならないというよりは)そのような単一の中間レセプターに対する全てのLATパラメーターの最適化を可能にすることが理解される。
【0053】
特に中間レセプターエレメント自身に関しては多くの変形があり得る。例えば、第1図の態様における保護ベース基板5及び第2図の態様における対応する保護オーバーコート5は、例えば、ガラス、ポリマー等の実質的にいずれの保護物質であることができるが、好ましくは、耐久性で、耐摩擦性、耐磨耗性及び耐水性である。
【0054】
熱接着剤層4は有利には非粘着性(たぶんLATシーケンスの間を除けば)、ホットメルト型、であり、静電的に電荷を与えることもできる。同様に、感圧及び光活性化接着剤も考えられる。勿論、接着剤はLAT画像形成フィルムの非画像形成領域の除去をするためにそれほど強くすべきではない。
【0055】
付加的な剥離層6に適した材料は、そのような目的のために当該分野で良く知られたものであり、特に、典型的なシリコン系剥離剤、フルオロカーボン、「スリップ」コーティング類、等を含む。勿論、もしも保護オーバーコート5とベース基板7(第2図に態様を示す)が賢明にも選択され、分離が、例えば剥離により自然に行えるならば、剥離層は必要ない。第2図の態様では、同様に、ベース基板7は実質的にいずれの物質でも良く、複合体に構造的完全性を加えることのみ主に意図される。
【0056】
本発明による第2図の実施態様によれば、中間レセプターエレメントとして適当な特に例示される複合体は、ここに参照として含まれる、譲受人に譲渡された「転写性保護カバー層」という名称の1993年7月22日に出願された、ハイメルライトとチャヒルの同時係属中の出願番号(代理人整理番号GTI−006)に記載の転写エレメントである。これらは、(A)一時的キャリアー層、即ち、ポリマー性シート物質、例えば、PET又はポリオレフィン、有孔性シート物質、又はそれらの複合体、(B)上記一時的キャリアー層に除去可能に接着され、かつ架橋セルロースエステル、例えば、セルロースアセテートプロピオネート及び/又はセルロースアセテートブチレートを含む保護層、及び(C)上記保護層に永久的に結合した、例えば、実質的に透明の熱可塑性ポリウレタン、ポリカプロラクトン、アクリル共重合体、又はその組み合わせである接着剤層を含む。
【0057】
第1図の態様による代表的な中間レセプターエレメントは、市販の種々の台紙(mounting)及びラミネーティング物質、例えば、「サレンキャップ(Sallencap)」及び「サレンキャップフレキシグロス(Sallencap Flexigloss)」光沢のある熱ラミネーティングフィルム、並びにサルメタルから市販されている感圧製品、シール・プロダクツ社から市販の「シーレズ(Sealeze)」製品、さらにそのようなものとして「スコッチ」テープをも含む。
【0058】
最終レセプターは、紙、ガラス、金属、磁器、プラスチック、繊維、木、板、フィルム等の本質的にいずれのベースであることもできる。さらに、平坦である必要はなく、非常に不規則または起伏があっても良い。従って、画像形成中間レセプターは、自動車、オートバイ等の、平坦又は不規則、一元又は複合であろうと、実質的にいずれの基板又は予め存在する製造物品に「転写される」ことができるので、本発明によるLAT画像形成は、真の転写法(デカルコマニア)を包含する。従って、例えば、短時間操業印刷応用、ラベル又はバーコード、校正刷り等に良く適応する。
【0059】
同様に、中間レセプターエレメントを構成する各層の厚みは、第1図又は第2図に示すように、全く臨界的ではない。例えば、保護層5は、理想的には可能な限り薄く、有利には、過酷な扱い及び使用、環境への暴露及びその他の汚染等から画像を「保護」しながら、約0.3〜2μmの厚みの範囲である。接着剤画像受容層は厚くても薄くても良く、かつ好ましくは、最終基板に画像形成された中間レセプターをラミネートするに必要なように存在するなら十分な接着剤である。
【0060】
従って、本発明によるLAT転写法は、画像形成された最終製品の製造の選択可能性を提供し、それにより、「転写された」画像は、中間レセプターエレメントに設けられた画像の見え方と向かい合った後ろ側から見えることも分かるであろう。後ろ側から見えることの利点は、最適化した予め決められた表面(それは非常に平坦かつ平滑(紙の表面に比べて))を確実にすることであり、従って、最終画像の質は、改良された被覆力とそれにより与えられる密度制御の結果として強化される。また、後ろ側から見たとき、潜在的なまだらは、回折接着剤表面の画像形成の理由により前からの見え方上に見えるまだらに対して、非常に限定される。
【0061】
通常の添加剤及び助剤も本発明による製造複合物品に含めることができ、例えば、接着剤コーティングと保護オーバーコート等のいずれか又は両者にLAT画像用にUV保護剤又はUV安定剤を含められる。
【0062】
さらに、例えば、最終レセプターベースへの画像形成中間レセプターのホットラミネーションは、しばしば転写画像又はその中の絵画素のフラクションを、第1、2図に示されているように、特質上いずれの横方向への拡張なしに、物理的に圧縮することから、その正味の効果は、転写された物質の同様の量からより良好な被覆力を有するより高い固体領域密度である。同様に、与えられた密度を有する画像を製造するために転写が必要となる物質が少ないので、LAT法にはより少ないエネルギーが必要である。
【0063】
さらに、最終レセプターベースにラミネートされた画像は、有利には、ホットラミネーションにより、又は上記最終画像をオーバーコートすることによる保護コーティングを有するので、非常に平滑な高い固体密度表面が提供され、まだらのない外見に貢献する。
【0064】
従って、本発明のLAT転写法の本体は、可転性と可撓性の選択性、即ち、中間レセプターエレメントへの接着の程度のような可変性を与え、同様の最終レセプターベースが意図される場合であっても、全方法においてより良くかつより正確な制御を可能にする。
【0065】
例として最終レセプター/画像形成中間レセプターコンビネーションを第3図に示す。第3図(A)において、後方から見ることを目的として、画像形成された中間レセプターは透明であり、最終ベースは反射性である。そのような態様において、最終ラミネート中間面の光学的透明度を、光拡散性がなく最終製品にどのような不透明性も与えない接着剤を使用することにより最適化する。好適な反射層は、被覆されているか、または被覆されていない、例えば二酸化チタン又は酸化亜鉛を含有する様々な紙、及びさらに金属層等を含む。
【0066】
第3図(B)において、画像形成された中間レセプター及び最終ベースの両方は、視覚的に透明であり、前方及び後方から見ることを可能とする。
【0067】
第3図(C)において、第3図(A)の構造とは逆に、前方から見ることを目的として、画像形成された中間レセプターは反射性であり、最終ベースは透明である。
【0068】
第3図(D)〜3(F)は、図2に示す本発明の様々な態様を表している。
【0069】
第3図(D)において、画像形成された中間レセプターの保護オーバーコート及びベース基板の両方は透明であり、最終ベースは反射性であり、ベース基板がそこから取り除かれるか否かにかかわらず、また前方から見えるようにする。
【0070】
第3図(E)は、最終ベースが透明であり、保護オーバーコートも同様であるが、画像形成された中間レセプターのベース基板は、透明か反射性のいずれかである、という構造を表す。前者の例では、画像形成された中間レセプターのベース基板がそこから取り除かれるか否かにかかわらず、最終的なラミネートは、前方又は後方から見るのに適している。後者の場合、後方から見るということは、反射性のベース基板をそこから取り除いた後にのみ理解される。
【0071】
さらに、第3図(F)において、最終ベースは透明であり、保護オーバーコートは反射性であり、画像形成された中間レセプターのベース基板は透明又は反射性のいずれかである。そのような例において、画像形成された中間レセプターのベース基板をそこから剥離するか否かにかかわらず、前方から見ることのみを目的とする。
【0072】
本発明及びそれらの利点をさらに説明するために以下の具体的な実施例を示したが、それらは、本発明及びそれらの利点を説明しようとすることのみを目的としており、それらに限定しようとするものではないことと理解されるべきである。
【実施例】
【0073】
(実施例1)
(a)中間レセプターエレメントの製造
実質的に酢酸プロピオン酸セルロース(「CAP」)からなる薄い(0.3〜3.0μm)保護層を透明の1mil厚のポリエステル基体フィルム上にメイヤーロッドでコーティングすることにより、二層中間レセプターエレメントを製造した。
【0074】
この製造物のCAP側に、Elvax 40W(Du Pontより市販されているエチレン/酢酸ビニルコポリマー、1g)、粘着剤のFloral 105(Herculesより市販されている改質ロジンエステル、1g)、及び溶媒混合物(トルエン/イソプロパノール、90:10、8g)の混合物からなる薄い(0.3〜2.0μm)非粘着性の熱接着、即ちホットメルト接着層を#10メイヤーロッドによりオーバーコートし、その後空気乾燥させた。
【0075】
(b)レーザーアブレーション転写画像形成
段階(a)において形成された中間レセプターエレメントで、Crosfield Datrax 765ファクシミリシステムを使用してLAT画像形成した。このシステムの描画エンジンは16ワットNd/YAGレーザー(1064nmで発光)を有し、画像形成照射を与えるものであった(25ミクロンの直径のスポットについてフィルム平面において約6〜8ワット、200m/秒で走査)。
【0076】
次いで、例えば前記のEllis et alの’650特許に記載されたドナーシートを、Datrax画像輸送トラック上に設置された段階(a)の中間レセプターシートに対してコート面を向けて面と面とが直接接触するように置いた。ドナー及びレセプターシートを共に真空中(Hgで約26)において、1ワット(フィルム平面において)及びインチあたり1200ラインでレーザー描画を行った。
【0077】
色分解ハーフトーンフィルムをCrosfield Datraxリーダーで読み取り、色分解デジタル画像データファイルを作成し、これを次いで種々のカラードナーとマッチしたときにレーザー描画を調整するのに使用し、最終的に中間レセプターシート上にフルカラー画像を形成した。
(c)「保護された」画像の熱転写/ラミネーション
段階(b)において画像形成された中間レセプターを、上質非コート事務用紙と画像側で合わせ、加圧下(500 Ib/in2)で加熱(125℃)ロールラミネーターを通した。中間レセプターポリエステルの裏打ちを剥離すると、無地用紙上に保護された光沢のある画像が得られた。
【0078】
コート紙(Consolidatedにより市販されている「Reflections」系の艷紙)の最終レセプターを使用して前記の工程を繰り返し、同等の結果を得た。
【0079】
この実施例は、図2に示した態様に対応する。
【0080】
(実施例2)
中間レセプターエレメント上への単一のブラックドナーのレーザーアブレーション転写により実施例1の手順を繰り返し、それを4mil厚のポリエステルフィルム上にラミネートし、中間レセプターポリエステル基体を剥離することによりモノクロームの透明画像を形成した。
【0081】
(実施例3)
中間レセプターエレメントが、Sallmetallにより5mil厚のSallencap光沢熱ラミネートフィルムとして市販されている熱ラミネート材料であることを除いて、同じドナーフィルム及び同じ透明ポリエステルフィルム最終レセプターを使用して実施例2の手順を繰り返す。図1に示した態様に対応するこの実施例においては、ポリエステル基体は中間レセプターエレメントから剥離されない。
【0082】
種々の好ましい態様について本発明を記載したが、当業者であればその概念を逸脱することなく種々の改変、置換、省略、及び変更を加えることが可能であることを理解するであろう。従って、本発明の範囲は以下の請求の範囲のみによって限定され、その均等物も包含されることを意図するものである。
【0083】
本発明において、従来LAT画像形成技術では知られていない可転性と可撓性の選択性を与える中間レセプターエレメントの上へのレーザーアブレーション転写画像形成のための改良された技術が提供された。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1図は、中間レセプターエレメント及び最終レセプターベースへ画像形成された基板の下流ラミネーション上へのLAT画像形成、又は、本発明による「LAT転写法」の1つの態様のブロック図/模式図であり、但し、中間レセプターは完全なままであり、次いでラミネーションされる。
【図2】第2図は、本発明による中間複合レセプターエレメント及び最終レセプターベースへ画像形成された基板の下流ラミネーション上へのLAT画像形成の他の態様のブロック図/模式図であるが、但し、複合中間レセプターの少なくとも1つの成分又は構成層がラミネートされた画像アセンブリから除去又は剥離されている。
【図3】図3は、一連の本発明による最終画像形成中間レセプター/最終レセプターの組み合わせであり、但し、最終ラミネートされた画像は、表側から、又は裏側から、又は両側から見ることが予め企てられ又は意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッキングによって担持される情報のコントラストパターンを最終レセプターベースエレメント(8)と統合する方法であって、
(a)そのような情報のパターンに従って、LAT画像形成フィルムを、中間レセプターエレメントの上に該画像形成フィルムのレーザー照射アブレーション物質(3)の画像形成するように暴露された領域の容量のアブレーション物質移動をもたらすために十分な強度で、画像形成するようにレーザー照射する工程であって、該中間レセプターエレメントが接着剤層(4)を備え、そして該レーザー照射アブレーション物質(3)の移動が該接着剤層(4)上にもたらされる工程、および
(b)それから、いずれかの好ましい最終レセプターベースエレメント(8)上にこのようにして画像形成された該中間レセプターを画像側で熱ラミネートする工程であって、該中間レセプターエレメントの接着剤層(4)が最終レセプターベースエレメント(8)と接触している工程、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−327212(P2006−327212A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221343(P2006−221343)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【分割の表示】特願2004−35828(P2004−35828)の分割
【原出願日】平成6年8月8日(1994.8.8)
【出願人】(501236490)ラトラン テクノロジーズ エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】