説明

中間層を備えたレーザーアドレス可能な熱転写像形成要素

【課題】画像または解像度を犠牲にすることなく、レーザーアドレス可能なシステムの速度と効率との利点を利用する熱転写システムを可能にする熱転写要素を提供する。
【解決手段】(a)光−熱変換層、
(b)150℃より低い温度で化学的に分解しない中間層であって、無機化合物、架橋された有機ポリマー、Tgが150℃より高い熱可塑性有機ポリマー及びそれらの混合物からなる群より選ばれる材料を含む中間層、および、
(c)熱転写層、
がこれらの順序で付着されてなる基材を含んでなる熱転写要素。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、熱転写像形成要素、特に輻射線−吸収/熱変換層と転写可能な層との間に中間層を有するレーザーアドレス可能な熱転写像形成要素に関する。さらに、本発明は、レーザーアドレス可能な装置などの熱転写システムにおいて上記熱転写要素を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
電子像形成情報の容量および使用の増大に伴って、種々の電子線源によってアドレスすることが可能な像形成システムに対する必要性も増大している。このような像形成システムの例には、熱転写像形成、融蝕(または透明化)像形成、および融蝕−転写像形成が含まれる。これらの像形成システムは、カラープルーフ、液晶ディスプレイ装置のためのカラーフィルターアレイ、印刷版、および複写用マスクなどの多種多様な用途において有用であることが示されている。
【0003】
熱転写像形成媒体を用いる従来の電子情報記録方法は、エネルギー源としてサーマルプリントヘッドを利用する。これらの情報は、熱転写ドナーシートの局部加熱を引き起こすプリントヘッドに電気エネルギーとして伝達され、このシートは次に画像データに対応して材料を受容体シートに転写する。熱転写ドナーシートの2つの主たるタイプとしては、染料昇華(または染料拡散転写)によるものおよび熱質量転写によるものがある。これらのタイプの像形成システムの代表的な例は、米国特許第4,839,224号および第4,822,643号において見出すことができる。エネルギー源として熱プリントヘッドを使用する場合には、プリントヘッドの大きさの限度、低画像記録速度(数ミリ秒)、限定された解像度、限定されたアドレス可能性、およびプリントヘッドとの媒体の好ましくない接触による画像上のアーチファクトなどの幾つかの欠点がある。
【0004】
電磁スペクトルの紫外領域、可視光領域で、特に近赤外領域および赤外領域で輻射する、より高出力の小型レーザー、半導体光源、レーザーダイオード、およびその他の輻射線源の入手可能性および使用頻度が増すにつれて、エネルギー源としての熱プリントヘッドの使用可能な代替品として、これらの輻射線源を使用することが可能になってきている。像形成源としてレーザーまたはレーザーダイオードなどの輻射線源を使用することは、電子情報を画像記録媒体上に転写するための主たる好ましい手段の1つである。媒体を露光するために輻射線を使用すると、従来のサーマルプリントヘッド像形成システムよりも、最終的な画像の解像度がより高まり、最終的な画像のフォーマットサイズの柔軟性も増すこととなる。さらに、レーザーやレーザーダイオードなどの輻射線源は、熱源との媒体の接触による好ましくない影響を排除できる利点を提供する。結果として、これらの輻射線源によって効率的に露光される能力を有し、高い解像度および改良されたエッジ鮮鋭度を有する画像を形成する能力を有する媒体に対する要求が存在する。
【0005】
熱転写構成において光-熱変換部として作用するように光-吸収層を組み込んで、エネルギー源としてレーザーやレーザーダイオードなどの輻射線源を使用して非接触式像形成を可能とすることは当該技術分野では良く知られている。これらのタイプの要素の代表的な例は、米国特許第5,308,737号、第5,278,023号、第5,256,506号、および第5,156,938号において見出すことができる。この転写層は、転写層それ自体が光-熱変換層として機能するように光吸収材料を含有していても良い。あるいは、この光-熱変換層は、別個の層(例えば、基材と転写層との間の別個の層)であっても良い。
【0006】
この転写層それ自体が光-熱変換層として機能する構成においては、入射輻射線の吸収を増し、受容体への転写をもたらすための添加剤の添加が必要とされる場合がある。これらの場合では、転写された画像内に吸収剤が存在するために、像形成された対象物の性能に不都合な影響を及ぼす可能性がある(例えば、転写された画像における色の光学的純度を低減する可視吸収、転写された画像の安定性の低減、像形成層内に存在する吸収剤と他の成分との間の不適合性など)。
【0007】
この光-熱変換層それ自体による転写された画像への汚染は、別個の光-熱変換層を有するドナー構成を使用する場合にしばしば観察される。そのような光-熱変換層の意図しない転写による転写された画像への汚染が起き、この光-熱変換層が、転写された画像の性能の妨げとなる光学的吸収性を有する場合には(例えば、黒体光-熱変換層の一部のカラーフィルターアレイまたはカラープルーフへの転写)、光-熱変換層の受容体への偶発的な転写は、像形成された物品の品質に特に有害である。同様に、像形成時の光-熱変換層の機械的または熱的な歪みは、よくあることであり、転写されたコーティングの品質に悪影響を与える。
【0008】
米国特許第5,171,650号は、「融蝕-転写」技法を使用する熱的な像形成のための方法および材料を開示している。像形成過程で使用されるこのドナー要素は、支持体、中間動的剥離層、および着色剤を含有している融蝕性キャリヤートップコートを含んでなる。動的剥離層と着色剤のキャリヤー層との両方とも赤外線-吸収(光-熱変換)染料または顔料を含有していても良い。着色された画像は、受容体と密接に接触するようにドナー要素を設置して、次に干渉性光源を用いてドナーを画像パターン様に輻射することによって生成される。この着色されたキャリヤー層は、受容体上に着色された画像を生成する露光領域の動的剥離層から剥離され、かつ遠ざけられる。
【0009】
1992年3月23日に出願された同時係属中の米国特許第07/855,799号は、輻射線吸収剤と組み合わせられたグリシジルアジ化物重合体を含むエネルギー感受性層でその一部分が被覆されている基材を含んでなる融蝕性像形成要素を開示している。示されている像形成用の光源には、赤外線、可視光線、および紫外線のレーザーが含まれる。固体レーザーが露光源として開示されているが、レーザーダイオードは具体的には挙げられていない。この出願は、主に、エネルギー感受性層の融蝕による凸版印刷版や石版印刷版の形成に関する。熱質量転写の利用に関する具体的な言及はなされていない。
【0010】
米国特許第5,308,737号は、輻射されたときに比較的高体積の気体を発生させる気体-生成重合体層を有する高分子基材上にブラックメタル層を使用することを開示している。このブラックメタル(例えば、ブラックアルミニウム)は、輻射線を効率的に吸収し、それを気体発生材料のための熱に変換する。場合により、ブラックメタルが基材から除去されて、基材上にポジ画像を残したことが、実施例において観察されている。
【0011】
米国特許第5,278,023号は、カラープルーフ、印刷版、フィルム、プリント回路基板、および他の媒体を製造するためのレーザーアドレス可能な熱転写材料を開示している。これらの材料は、好ましくは約300℃未満の温度で窒素(N2)ガスを生成することが可能な材料、輻射線吸収剤、および熱質量転写材料を含有する発射薬層がその上に被覆されている基材を含有している。この熱質量転写材料は、この発射薬層に、またはその発射薬層上に被覆される追加層に、組み込まれていても良い。この輻射線吸収剤は、レーザーなどの電磁エネルギー源による局部加熱を達成するために、上述の層の内の1つ、または別個の層において用いられていても良い。レーザー誘導加熱時に、この転写材料は、気体の急速な膨張によって受容体へと送られる。この熱質量転写材料は、例えば、顔料、トナー粒子、樹脂、金属粒子、単量体、重合体、染料、またはそれらの組合せを含有していても良い。画像を形成する方法並びにその方法によって製造される像形成物品もまた開示されている。
【0012】
プリントヘッドを加熱して、その熱をドナーに伝達するのに必要とされる停滞時間(数ミリ秒)がより長いために、従来の熱質量転写法が比較的遅いのに対して、レーザー誘導質量転写法は、非常に短い加熱時間(ナノ秒〜マイクロ秒)という利点を有する。レーザー誘導融蝕像形成条件下で生成される転写画像は、しばしば断片状となる(粒子または断片として表面から発射される)。熱溶融粘着転写システムによる画像は、転写される材料の表面上で異常な形状を示す傾向がある。故に、画質または解像度を犠牲にすること無くレーザーアドレス可能なシステムの速度と効率との利点を利用する熱転写システムに対する要求がある。
【発明の開示】
【0013】
本発明の要約
本発明は、(a)光-熱変換層、(b)中間層、および(c)熱転写層が、記載されている順序で、その上に付着されている基材を含んでなる熱転写要素に関する。この熱転写層は、架橋性材料をさらに含んでなっていても良い。
【0014】
本発明は、上述の熱転写要素を使用して受容体上に画像を生成させる方法をも提供する。画像は、(a)受容体と上述の熱転写要素とを密着させて配置し、(b)輻射線源を用いて熱転写要素を像様パターン様に露光させ、(c)光-熱変換層の転写を問題にならない程度または皆無に保ちつつ、画像パターンに対応して熱転写層を受容体に転写させることによって、受容体上に転写される。この熱転写層が架橋性材料を含有している場合、転写された画像が、熱もしくは輻射線への暴露、または化学的硬化剤による処理によって、後に架橋される、追加的な硬化工程を行っても良い。
【0015】
「密着して」という語句は、材料の移行が像形成過程中に達成されて熱的にアドレスされる領域内の材料が十分に転写されるような2つの表面間での十分な接触を指す。換言すれば、転写される画像が目的とする用途において機能しないものとなるような空隙は、像形成領域に全く存在しない。
【0016】
本発明の他の態様、利点、および利益は、詳細な説明、例、および請求の範囲から明らかである。
【0017】
本発明の詳細な説明
光-熱変換(LTHC)層、熱安定中間層、および熱転写層が、記載されている順序で、その上に付着されている光透過性基材を含んでなる熱転写要素が提供される。この基材は概してポリエステルフィルムである(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)またはポリ(エチレンナフタレート))。しかしながら、適当な光学特性および十分な機械的安定性を有する任意のフィルムを使用することができる。
【0018】
光-熱変換層
露光源のエネルギーを像形成構成に伝えるために、この構成内に光-熱変換(LTHC)層を組み込むことが特に望ましい。このLTHC層は、少なくとも輻射線の波長で吸収して、入射輻射線の一部を、熱転写層のドナーから受容体への転写を可能とするのに十分な熱に変換する材料を含んでなる。概して、LTHC層は、電磁スペクトルの赤外線領域において吸収性であるけれども、場合によっては可視光線または紫外線の吸収を選んでも良い。一般に、輻射線吸収剤が像形成輻射線に関して高度に吸収性であり、使用されるべき輻射線吸収剤の最少量を使用して像形成輻射線の波長において0.2〜3.0の範囲の光学濃度を達成可能であるのが望ましい。
【0019】
LTHC層内の輻射線吸収剤として使用するのに好適な染料は、粒子状で、または好ましくは実質上分子分散体で存在しても良い。特に好ましいのは、スペクトルのIR領域で吸収する染料である。そのような染料の例は、マツオカ(Matsuoka)、MのInfrared Absorbing Materials、Plenum Press、ニューヨーク、1990年、およびマツオカ(Matsuoka)、MのAbsorption Spectra of Dyes for Diode Lasers、Bunshin Publishing Co.、東京、1990年において見出すことができる。フロリダ州、レークランドのAmerican Cyanamid社またはGlendale Protective Technologies, Inc.,社によりCYASORB IR-99、IR-126、およびIR-165の商標名で市販されているIR吸収剤を使用しても良い。そのような染料は、特定の重合体および問題の塗布溶剤内での溶解性や、それらとの適合性が優れたものが選択される。
【0020】
顔料性材料が、輻射線吸収剤として使用するために、LTHC層内に分散されていても良い。例には、カーボンブラックおよびグラファイト並びにフタロシアニン、ニッケルジチオレン、および米国特許第5,166,024号および第5,351,617号に記載されている他の顔料が含まれる。さらに、例えば、ピラゾロンイエロー、ジアニシジンレッド、およりニッケルアゾイエローなどの銅またはクロム錯体をベースとするブラックアゾ顔料が有用である。無機顔料も有用である。例には、アルミニウム、ビスマス、錫、インジウム、亜鉛、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、ジルコニウム、鉄、鉛、またはテルルなどの金属の酸化物および硫化物が含まれる。金属ホウ化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、青銅構造酸化物、および構造的に青銅族に関する酸化物(例えば、WO2.9)も利用できるものである。
【0021】
分散粒子輻射線吸収剤が使用される場合、その粒径は約10マイクロメートル未満であるのが好ましく、その粒径は約1マイクロメートル未満であるのが特に好ましい。金属それら自体を、例えば米国特許第4,252,671号に記載されているように粒子の状態で、または米国特許第5,256,506号において開示されているようにフィルムとして、いずれの状態で用いても良い。好適な金属には、アルミニウム、ビスマス、錫、インジウム、テルル、および亜鉛が含まれる。
【0022】
LTHC層において使用するのに好適な結合剤には、例えば、フェノール系樹脂(すなわち、ノボラック樹脂およびレゾール樹脂)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、セルロースエーテルおよびセルロースエステル、ニトロセルロース、およびポリカーボネートなどのフィルム形成重合体が含まれる。吸収剤対結合剤の比率は、どのようなタイプの吸収剤および結合剤が使用されるかによるけれども、一般に、重量で5:1〜1:100である。界面活性剤および分散助剤などの従来の塗布助剤を添加して、塗布工程を容易にしても良い。このLTHC層は、当該技術分野において知られている種々の塗布方法を使用して基材上に塗布することができる。このLTHC層は、0.001〜20.0マイクロメートル、好ましくは0.01〜5.0マイクロメートルの厚みに塗布される。このLTHC層の望ましい厚みは、その層の組成に依存する。
【0023】
好適なLTHC層は、顔料/結合剤層である。特に好ましい顔料系LTHC層は、有機高分子結合剤内に分散されたカーボンブラックである。あるいは、他の好ましいLTHC層には、金属/金属酸化物層(例えば、黒色の外観を有する部分的に酸化されたアルミニウムであるブラックアルミニウム)が含まれる。
【0024】
中間層
この中間層は、有機および/または無機物質を含んでいても良い。結果として得られる転写画像の損傷や汚染を最小限に抑えるためには、この中間層は、高い耐熱性を有するべきである。好ましくは、この層は、150℃より低い温度で肉眼で分かるほど歪んだり、化学的に分解したりしてはならない。これらの性質は、高分子フィルム(熱可塑性層または熱硬化性層)、金属層(例えば、蒸着金属層)、無機物層(例えば、ゾル-ゲル付着層、無機酸化物の蒸着層[例えば、金属酸化物を含むシリカ、チタニア等])、および有機無機複合材料層(熱可塑性層または熱硬化性層)によって容易に提供することができる。中間層材料として好適な有機材料には、熱硬化性(架橋される)および熱可塑性の両方の材料が含まれる。いずれの場合においても、中間層のために選択される材料は、フィルム形成可能であるべきであり、像形成過程において実質的に無傷のままであるべきである。これは、それらの熱的および/または機械的特性に基づいて材料を正しく選択することによって達成することができる。ガイドラインとして、熱可塑性物質のTgは、150℃よりも高く、より好ましくは180℃よりも高い。この中間層は、像形成輻射線波長において透過性、吸収性、反射性のあるもの、またはそれらの幾つかの組合せのいずれのものであっても良い。
【0025】
この中間層の表面特性は、像形成された物品が使用される用途に応じて異なる。しばしば、熱転写された層の表面に好ましくないテクスチャーを与えないように「平滑な」表面を有する中間層であることが望ましい。これは、液晶ディスプレイ用のカラーフィルター要素のためなど、厳密な寸法的公差が求められる用途においては特に重要となる。しかしながら、他の用途においては、表面「粗さ」または「表面パターン」が許容される場合もあり、望まれる場合さえある。
【0026】
この中間層は多数の望ましい利益を提供する。この中間層は、本質的に、光-熱変換層からの材料の移動に対する障壁となる。この中間層は、転写された熱転写層材料の歪みを防止することもできる。それは、熱的により不安定な材料を転写させることができるように熱転写層内での到達温度を調整することもでき、転写された材料におけるプラスチックメモリーを改良することもできる。本発明の中間層は、LTHC層の上に配置される場合、この中間層が、LTHC層からの押し上げ力が熱転写層に作用するのを防止する障壁として働くので、米国特許第5,156,938号、第5,171,650号、および第5,256,506号のものなどの膨張融蝕システムと不適合であることにも留意されるべきである。これらの特許において開示されている気体発生層は、これらの層が像形成温度において熱的に不安定であって、分解して気体を発生させて、その表面から物質を押し上げなければならないので、本発明に係る中間層としては適格ではないと考えられる。
【0027】
好適な熱硬化性樹脂には、これらに限定されるものではないが、架橋されたポリ(メト)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンなどを含む、熱処理、輻射線処理、または化学的処理によって架橋され得る物質が含まれる。適用し易いように、これらの熱硬化性材料は、通常は、熱可塑性先駆物質として光-熱変換層上に塗布され、続いて架橋されて所望の架橋中間層を形成する。
【0028】
熱可塑性材料の場合、上述の機能的基準を満たす任意の材料を中間層の材料として用いても良い。従って、好ましい材料は、像形成条件下で化学的安定性と機械的一体性とを有する。好ましい熱可塑性材料の種類には、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミドなどが含まれる。これらの熱可塑性有機材料は、従来の塗布技法(溶剤コーティングなど)によって光-熱変換層に適用することができる。
【0029】
有機材料を含んでなる中間層の場合、これらの中間層は、例えば、光開始剤、界面活性剤、顔料、可塑剤、塗布助剤などの適切な添加剤をも含有しても良い。有機中間層の最適厚みは、材料依存であり、一般に、光-熱変換層の転写および転写される層の歪みが目的とする用途に許容可能なレベル(一般に0.05μm〜10μmである)まで低減される最小限の厚みとなる。
【0030】
中間層の材料として好適な無機材料は、像形成レーザー波長において高度に透過性または反射性であるものなどの、金属、金属酸化物、金属硫化物、無機炭素コーティングなどが含まれる。これらの材料は、従来の技法(例えば、真空スパッタリング、真空蒸着、プラズマジェットなど)によって光-熱変換層に適用することができる。無機中間層の最適厚みは、やはり材料依存であろう。この最適厚みは、一般に、光-熱変換層の転写および転写される層の歪みが許容可能なレベル(一般に0.01μm〜10μmである)まで低減される最小限の厚みとなろう。
【0031】
反射性中間層の場合、この中間層は、アルミニウムまたはTiO2系インクの塗膜などの、高反射性材料を含んでなる。この反射性材料は、上に重なる着色剤層のための画像剥離表面を形成することが可能であるべきであり、かつ、着色剤塗布過程において無傷のままであるべきである。この中間層は、像形成条件下では溶融または転写してはならない。像形成がドナー側からの輻射によって行われる場合には、反射性中間層は、中間層を透過する像形成輻射線のレベルを減衰させ、それによって転写層および/または受容体との、透過輻射線の相互作用から起こり得る結果として得られる画像へのいかなる損傷をも低減する。これは、受容体が像形成輻射線に関して高度に吸収性である場合に起こり得る転写画像への熱的損傷を低減するのに特に有益である。任意選択的に、熱転写ドナー要素は、例えば、反射性および透過性の両方の中間層などの、幾つかの中間層を含んでなっていても良い(それらの順序は、像形成要求条件および最終用途の要求条件に依存する)。
【0032】
好適な高反射性金属フィルムには、アルミニウム、クロム、および銀が含まれる。好適な顔料系インクには、結合剤と組み合わせて使用される二酸化チタン、炭酸カルシウム、および硫酸バリウムなどの標準的な白色顔料が含まれる。この結合剤は、熱可塑性、または熱硬化性のいずれの材料であっても良い。好ましい結合剤には、例えば、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリーレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、およびポリアミドイミド(熱可塑性樹脂)、およびポリエステル、エポキシ、ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール−ホルムアルデヒド、ユリア−ホルムアルデヒド、およびメラミン−ホルムアルデヒド(熱硬化性)などの高Tg樹脂が含まれる。
【0033】
重合性または架橋性の単量体、オリゴマー、プレポリマー、および重合体を結合体として使用して、塗布工程後に架橋させて、所望の耐熱性反射性中間層を形成させることができる。この用途に好適な単量体、オリゴマー、プレポリマー、および重合体には、耐熱性高分子層を形成することができる既知の化学薬品が含まれる。この層は、架橋剤、界面活性剤、コーティング助剤、および顔料などの添加剤をさらに含有していても良い。
【0034】
この反射層の厚みは、像形成性能、感度、および表面平滑度に関して最適化することができる。普通は、中間層の厚みは、0.005〜5ミクロン、好ましくは0.01〜2.0ミクロンである。任意選択的に、この反射性中間層が、カラー画像の良好な剥離が可能となるように、非着色高分子中間層でオーバーコートされていても良い。
【0035】
熱転写層
この転写層は、対応する像形成用途(例えば、カラープルーフ、印刷版、カラーフィルターなど)に適するように配合される。この転写層は、それ自体が、熱可塑性材料および/または熱硬化性材料を含んでなっていても良い。多くの製品用途において(例えば、印刷版やカラーフィルターの用途において)、これらの転写層材料は、像形成される物品の性能を改良するために、レーザー転写後に架橋されるのが好ましい。この転写層に含まれる添加剤は、やはり最終用途に対して特有のものであり(例えば、カラープルーフやカラーフィルターの用途には着色剤、光-架橋された転写層または光-架橋性転写層には光開始剤など)、当業者にはよく知られている。
【0036】
上記中間層は熱転写層における到達温度を調整できるので、本発明の方法を使用すれば、典型的な顔料よりも感熱性が高い材料を、損傷を低減しつつ、転写させることができる。例えば、医療診断化学薬品を結合剤に含ませ、その医療用化学薬品に対する損傷および診断結果への悪影響の可能性をより少なく維持しつつ、本発明を使用して医療診断カードに転写させることができる。化学指示薬または酵素指示薬は、中間層を備えた本発明を使用すれば、従来の感熱ドナー要素から転写される同じ材料と比較して、損傷をより受けにくい。
【0037】
この熱転写層は、これらに限定されるものではないが、例えば、染料(例えば、可視染料、紫外線染料、蛍光染料、輻射線偏光染料、IR染料など)、光学的活性材料、顔料(例えば、透明顔料、着色顔料、黒体吸収剤など)、磁性粒子、導電性粒子または絶縁性粒子、液晶材料、親水性材料または疎水性材料、開始剤、増感剤、発光体(phosphors)、高分子結合剤、酵素などの材料の種類を含んでなっていても良い。
【0038】
カラープルーフやカラーフィルター要素などの多くの用途において、この熱転写層は着色剤を含む。好ましくは、この熱転写層は、少なくとも1種の有機着色剤または無機着色剤(すなわち、顔料または染料)と熱可塑性結合剤とを含んでなる。IR吸収剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、可塑剤、架橋剤、およびコーティング助剤などの他の添加剤も含まれても良い。カラーフィルター要素などの用途以外には任意の顔料を使用することができ、好ましい顔料は、良好な色耐久性と透明性とを有するものとしてNPIRI Raw Materials Data Handbook、4巻(Pigments)またはW. HerbstのIndustrial Organic Pigments, VCH, 1993年に列挙されているものである。非水性または水性のいずれの顔料分散体を使用しても良い。これらの顔料は、一般に、結合剤と共に分散され、溶剤または溶剤の混合物中に懸濁されている顔料を含んでなる練り顔料の形で色調合物中に導入される。この顔料のタイプおよび色は、色コーティングが、産業界によって設定される予め指定された色目標または仕様に合致するように選択される。分散樹脂のタイプおよび顔料対樹脂の比は、その練り顔料を生成するのに使用される顔料のタイプ、その顔料に対する表面処理、分散溶剤、および練り過程に依存する。好適な分散樹脂には、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ(酢酸ビニル)/クロトン酸共重合体、ポリウレタン、スチレン無水マレイン酸半エステル樹脂、(メト)アクリレートの重合体および共重合体、ポリ(ビニルアセタール)、無水物およびアミンで改質されたポリ(ビニルアセタール)、ヒドロキシアルキルセルロース樹脂、スチレンアクリル系樹脂が含まれる。好ましい色転写コーティング組成物は、30〜80重量%の顔料、15〜60重量%の樹脂、並びに0〜20重量%の分散剤および添加剤を含んでなる。
【0039】
この色転写層内に存在する結合剤の量は、色転写層内での過剰な凝集力に起因する画像解像度および/または像形成感度の損失を回避するために最小限に保たれる。顔料対結合剤の比は、典型的に、使用される顔料および結合剤のタイプにより重量で10:1〜1:10である。この結合剤系は、重合性材料および/または架橋性材料(すなわち、単量体、オリゴマー、プレポリマー、および/または重合体)および任意選択的に開始剤系をも含んでいても良い。単量体またはオリゴマーを使用すると、色転写層内の結合剤凝集力を低減し易くなるので、像形成感度および/または転写される画像の解像度を改良することができる。架橋性組成物を色転写層に導入すると、より耐久性および耐溶剤性のある画像を生成することができる。高度に架橋された画像は、最初に画像を受容体に転写し、次に転写された画像を輻射線、熱、および/または化学的硬化剤に暴露して重合性材料を架橋することによって形成される。輻射線を用いてこの組成物を架橋させる場合には、転写された画像によって吸収されるいずれの輻射線源をも使用することができる。好ましくは、この組成物は、紫外線輻射源を用いて架橋させることができる組成物を含んでなる。
【0040】
この色転写層は、当該技術分野において知られているいずれの従来の塗布方法によっても塗布することができる。均一なコーティングを提供するには、界面活性剤や分散剤などのコーティング助剤を添加するのが望ましい場合がある。好ましくは、その層は、約0.05〜10.0マイクロメートル、より好ましくは0.5〜2.0マイクロメートルの厚みを有する。
【0041】
受容体
この画像受容基材は、これらに限定されるものではないが、例えば、種々の紙、透明フィルム、LCDブラックマトリックス、LCDディスプレイのアクティブ部分、金属などの用途に好適ないずれの基材であっても良い。好適な受容体は当業者には良く知られている。本発明において使用することができる受容体の非限定的な例には、陽極酸化されたアルミニウムおよび他の金属、透明プラスチックフィルム(例えば、PET)、ガラス、および種々の異なるタイプの紙(例えば、充填剤入りの紙または非充填紙、カレンダーペーパー、コート紙など)が含まれる。種々の層(例えば、接着剤層)を画像受容基材上に塗布して、受容体への転写層の転写を容易にしても良い。
【0042】
像形成方法
本発明の方法は、まったく単純な工程によって行うことができる。像形成時、ドナーシートを、加圧または減圧の条件下で受容体シートと密着させる。次に、輻射線源を使用して、(例えば、デジタル方式で、またはマスクなどを通してアナログ式に露光させて)LTHC層を像様加熱するか、またはドナーから受容体への熱転写層の像様転写を行う。
【0043】
上記中間層は、受容体へのLTHC層の転写、および/または転写された層内の歪みを低減する。輻射線源によってアドレスされる熱質量転写過程において、この中間層が無い場合、光-熱変換層に由来する転写表面の形状的特徴が著しく変化する場合がある。ゆがみやしわのかなりの形状的特徴が形成される場合もある。この形状的特徴は、転写されるドナー材料上に刻印される場合がある。画像のこの刻印は、転写される画像の反射率を変え(意図していたよりも低い反射率にする)、他の望ましくない視覚的効果を生ずる場合がある。像形成条件下で、LTHC層への中間層の接着力は、熱転写層への中間層の接着力よりも大きいことが好ましい。像形成がドナー側からの輻射によって行われる場合には、反射性中間層が、中間層を透過する像形成輻射線のレベルを減衰させ、それによって転写層および/または受容体との透過輻射線の相互作用から生じ得る、転写画像の如何なる損傷をも低減する。これは、受容体が像形成輻射線に関して高度に吸収性がある場合に、転写される画像に生じ得る熱的損傷を低減するのに特に有益である。
【0044】
様々な発光源が本発明で利用できる。赤外線、可視光線、および紫外線レーザーは、デジタル像形成技術を利用する場合には特に有用となる。アナログ技術が使用される場合(例えば、マスクを通しての露光)、高出力光源(例えば、キセノンフラッシュランプなど)も有用となる。本発明で使用するのに好適なレーザーには、高出力(>100mW)シングルモードレーザーダイオード、ファイバー結合型レーザーダイオード、およびダイオードポンプ固体レーザー(例えば、Nd:YAGおよびNd:YLF)が含まれる。レーザー露光ドエル時間は約0.1〜5マイクロ秒で、レーザーフルエンスは約0.01〜約1ジュール/cm2でなければならない。
【0045】
レーザー露光中、像形成される材料からの多重反射に起因する干渉パターンの形成を最小限に抑えることが望まれる。これは、様々な方法によって達成できる。最も一般的な方法は、米国特許第5,089,372号に記載されるように入射輻射線のスケールでドナー材料の表面を効率的に粗くすることである。これは、入射輻射線の空間的コヒーレンスを乱す効果を有するので、自己干渉を最小限に抑えることができる。代わりの方法は、入射照明光が衝突する第2の界面上に反射防止コーティングを使用する方法を採用することである。反射防止コーティングの使用は、当該技術分野では良く知られており、米国特許第5,171,650号に記載されているように、1/4波長の厚みのフッ化マグネシウムなどのコーティングから成っても良い。コストおよび製造上の制約のため、表面を粗くする方法は多くの用途で好ましい。
【0046】
以下の非限定的例により、本発明をさらに説明する。
【0047】

以下の例で使用される材料は、特に指定されない限りAldrich Chemical Co.(Milwaukee, WI)などの標準的な商業的な供給業者から入手できる。例2で使用されるヒダントインヘキサクリレートの調製は、米国特許第4,249,011号および同4,262,072号のCompound(化合物)Aについて記載されている。
【0048】
レーザー像形成手順A
熱転写ドナーの着色剤コーティング面を、レーザーがドナーの基材(PET)面上にドナー/受容体表面と直角をなして入射するように真空チャック内で75mm×50mm×1mmガラススライド(受容体)と密着させて保持した。この真空チャックを、ドナー/受容体表面の面を走査して、全表面をレーザー露光できるようにX-Y平行移動台に取り付けた。フィルム面において1,064nmで14.5ワットまで提供できるCW(連続波)Nd:YAGレーザーシステムを露光のために使用した。このレーザーは、外部光学素子を使用して調整されたスポットサイズを有するガウス空間プロフィールを有していた。音響光学変調器により、0〜80%のレーザー出力、および20ns〜CWのレーザーパルス幅の制御を可能とした。X-Y台およびレーザー出力、パルス幅、および繰り返し数をコンピューター制御して、プログラムされたパターンを像形成することを可能とした。
【0049】
レーザー像形成手順B
熱転写ドナーの着色剤コーティング面を、レーザーがドナーの基材(PET)面上に入射するように真空チャック内の75mm×50mm×1mmガラススライド(受容体)と密着させて保持した。この真空チャックを、ドナー/受容体表面の面を走査して、全表面をレーザー露光できるように1次元平行移動台に取り付けた。CW Nd:YAGレーザー、音響光学変調器、光線をコリメーティングおよび拡大するための光学素子、オプトアイソレーター、線形検流計、f−θ走査レンズから構成された光学システムを使用した。このNd:YAGレーザーをTEM 00モードで動作させ、画像面上に7.5ワットの総出力を生成させた。走査は、高精度線形Cambridge Technology 社製 Galvanometerを用いて行った。上記レーザーを、直径の測定値が140ミクロンのガウススポットに集束させて、1/e2強度レベルとした。このスポットを、f−θ走査レンズを利用することによって走査幅にわたって一定に保持した。このレーザースポットを、7.92メートル/秒の速度で画像表面上を走査させた。これらのf−θレンズにより、走査速度を0.1%以内に一様に、且つスポットサイズも±3ミクロン以内に一定となるように保持した。
【0050】
例1(比較例)
この例は、中間層を備えていない熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
1,060nmで0.53の透過光学濃度(TOD=-log T、ここでTは実測分数透過度である)を有するブラックアルミニウム(部分的に酸化されたAl、AlOx)光-熱変換層を、米国特許第4,430,366号の教示に従って連続真空コーター内のAr/O2雰囲気中でのAlの反応スパッタリングによって4ミル(0.010cm)のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)基材上に被覆した。次に、このAlOx光-熱変換層に、#5塗布棒を用いて、全不揮発性物質含有率が26.5重量%の赤色インク(商標名CRY-S089で入手可能。Fuji-Hunt Electronics Technology Co., LTD社(東京、日本)製)を上塗りし、乾燥して熱転写ドナーを製造した。
【0051】
次に、このドナーを、ビニルアクリル共重合体(NC、Research Triangle ParkのReichhold Chemicals, Inc.社の商標名Wallpol 40148-00で入手できる)で下塗りされたガラススライド受容体への熱転写層の転写について試験した。上述のレーザー像形成手順Aを用いて、レーザースポットサイズの直径(1/e2)を100μm とし、フィルム面での出力を8.4ワットとし、そして4、6、8、10マイクロ秒のパルス幅で露光を行った。
【0052】
これらの結果は、カラー画像が4種の異なるパルス幅で受容体上に形成されたが、それらの画像は変色したことを示した。これらの画像の顕微鏡検査により、上記赤色画像が、ドナーから転写されたブラックアルミニウム光-熱変換層で汚染されたことが明らかとなった。
【0053】
例2
この例は、熱硬化性中間層を備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
例1において参照されているものと同じブラックアルミニウム光-熱変換層に、#5塗布棒を用いて、2−ブタノン中のヒダントインヘキサアクリレート(49重量部)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(49重量部)、および2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(2重量部)の5重量%溶液を塗布し、乾燥し、次にRadiation Polymer Corporation (IL、プレインフィールド) 社製UV Processor Model No. QC1202AN3TR(中圧紫外線ランプ、総露光量約100ミリジュール/cm2、N2雰囲気)における露光によって輻射線架橋させて中間層を製造した。硬化された中間層は、滑らかで非粘着性であり、2−ブタノンを含む多くの有機溶剤に対する耐性を有していた。次に、この硬化された中間層に、例1に記載されているものと同じ塗布手順を用いて、同じ赤色インクを上塗りした。
【0054】
得られたドナーを、例1に記載されているものと同一のレーザー像形成条件を用いて、ガラススライド受容体への熱転写層の転写について試験した。
受容体上の画像の顕微鏡検査により、赤色画像にはブラックアルミニウムによる汚染が無かったことが明らかに示された。ドナーの像形成された領域についての同じ顕微鏡検査により、中間層およびブラックアルミニウム光-熱変換層が熱転写ドナー上で無傷のままであったことが示された。
【0055】
例3
この例は、熱可塑性中間層を備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
例1において参照されているものと同じブラックアルミニウム光-熱変換層に、#12塗布棒を用いて、1,1,2−トリクロロエタン中のポリスルホン樹脂(GA、アルファレッタのAmoco Performance Products, Inc.社から商標名Radel A-100で入手できる)の10重量%溶液を塗布した。次に、このRadel A-100中間層を、例1に記載されているものと同一の塗布手順を用いて、同じ赤色インクを上塗りした。
【0056】
得られたドナーを、例1に記載されているものと同一のレーザー像形成条件を用いて、ガラススライド受容体への熱転写層の転写について試験した。それらの結果は、再び、カラー画像が4種の異なるパルス幅で受容体上に形成されたことを示した。受容体上の画像の顕微鏡検査により、赤色画像にはブラックアルミニウムによる汚染が無かったことが明らかに示された。ドナーの像形成された領域についての同じ顕微鏡検査により、再び、中間層およびブラックアルミニウム光-熱変換層が熱転写ドナー上で無傷のままであったことが示された。
【0057】
例4
この例は、無機中間層を備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
ブラックアルミニウム(AlOx)コーティングを、米国特許第4,430,366号の教示に従って、部分O2雰囲気中でのAlの蒸発によって4ミル(0.010cm)のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)基材上に蒸着した。PET上に得られたコーティングの透過スペクトルおよび反射スペクトルを、積分球を備えたShimadzu MPC-3100分光光度計(MD、コロンビアのShimadzu Scientific Instruments, Inc.社)を使用してブラックアルミニウムコーティング面と基材(PET)面との両方から測定した。1,060nmにおける透過光学濃度(TOD=-logT、ここでTは実測分数透過率である)と反射光学濃度(ROD=-logR、ここでRは実測分数反射率である)とを、表1に列挙する。ブラックアルミニウムコーティングの厚みは、コーティングの一部をマスキングし、20重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液を用いてエッチングした後の表面粗さ測定法によって1,100Åとなるようにした。
【0058】
表1
入射ビームの面 TOD ROD
(1060 nmにおいて) (1060 nmにおいて)
コーティング 1.047 0.427
基材 1.050 0.456
【0059】
アルミナ中間層(約1,000Åの厚み)を、真空コーター内でのAl2O3の蒸発によってブラックアルミニウム表面上に被覆した。
【0060】
着色剤コーティング溶液は、2グラムの10重量% Lot 3F2299 PG 7無結合剤顔料分散液(PA、フェエアレスヒルズの Heucotech, Ltd.社からHeucotech GW3451の商標名で入手できる)、0.917グラムの脱イオン H2O、0.833グラムの18重量%樹脂(DE州ウィルミントンのICI Acrylics社から Elvacite 2776の商標名で入手できる)水溶液(0.8gの25%アンモニア溶液、22gの水、および5gの Elvacite 2776を混合することによって作成された)、およびフルオロケミカルの界面活性剤(MN、セントポールの3M Company社から FC-170Cの商標名で入手できる)の1重量%溶液10滴を組合せ、混合することによって作成された。この緑色のコーティング溶液を、#4塗布棒を用いて、アルミナ表面上に塗布した。得られた緑色ドナー媒体を、50℃で2分間乾燥した。同じ緑色溶液を、#4塗布棒を用いて、アルミナ中間層を有していない光-熱変換フィルムのブラックアルミニウム(AlOx)表面上に塗布した。得られた緑色ドナー媒体を50℃で2分間乾燥した。
【0061】
一方がアルミナ中間層を備え、他方は備えていない、これらの2種のドナーを用いて、上述のレーザー像形成手順Aを利用して、レーザー誘導熱転写像形成法(LITI)によって、液晶ディスプレイ用カラーフィルター素子を製造するためのガラス受容体上に像形成した。これらの実験においては、レーザースポット直径サイズ(1/e2)を100μm、フィルム面における出力を4.2ワット、パルス幅を8μsecとした。次に、対応するカラーフィルターの顕微鏡写真をデジタル化し、その後、IPLAB Spectrum-NV(VA州のヴィーンのSignal Analytics Corp.社) を用いて画像解析を行うことによって、得られたカラーフィルターのブラックアルミニウム汚染量を定量化した。この分析により、像形成されたスポット当たりの受容体に転写されたブラックアルミニウム光-熱変換層の平均面積が、アルミナ中間層を備えたサンプルではスポット当たり4μm2のブラックアルミニウム汚染であったのに対して、中間層を備えていないサンプルでは125μm2であったことが示された。
【0062】
これらの結果は、転写画像の品質改善および光-熱変換層による画像汚染の防止における中間層の効力を実証している。
【0063】
例5
この例は、熱硬化性中間層と架橋性転写層とを備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
カーボンブラック光-熱変換層を、線インチ当たり90ヘリカルセルのマイクログラビアロールを使用するYasui Seiki Lab Coater, Model CAG-150(IN、ブルーミントンのYasui Seiki Co.社)を用いて、2ミル(0.005cm)のPET基材上に輻射線硬化性樹脂中のカーボンブラックの水性分散体を塗布することによって調製した。続いて、このコーティングを、巻上げ前に、コーター上でインライン乾燥し、紫外線硬化させた。このコーティング溶液は、16.78重量%のウレタン−アクリレート低重合体(MA、ウィルミントンのZeneca Resins社からNeorad NR-440の商標名で入手できる)、0.84重量%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤(NY、ホーソーンのCiba-Geigy社、Darocur 1173)、2.38重量%のカーボンブラック(OH、アメリアのSun Chemical社、Sunsperse Black 7の商標名で入手できる)、および80重量%の、約8.5のpHを有する水から成っていた。
【0064】
次に、上記光-熱変換層に、線インチ当たり110ヘリカルセルのマイクログラビアロールを備えた上述のコーターを利用して、中間層コーティングを上塗りした。この中間層を塗布した後に、この中間層をインライン乾燥し、紫外線硬化させた。この中間層コーティング溶液は、19.8重量%のウレタン−アクリレート低重合体(MA、ウィルミントンのZeneca Resins社からNeorad NR-440の商標名で入手できる)、1.0重量%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン光開始剤(NY、ホーソーンのCiba-Geigy社、Darocur 1173の商標名で入手できる)、および79.2重量%の、8.5のpHを有する水から成っていた。
【0065】
着色剤転写層は、PA、ドイルズタウンのPen Color社により調製された、不揮発性物質含有率が15重量%の水性分散体であり、3:2の顔料/結合剤比率のPigment Green 7およびジメチルエタノールアミンで中和されたElvacite 2776(DE、ウィルミントンのICI Acrylics, Inc.社)から成り、重合体に対して4重量%のPrimid XL-552(SC、サムターのEMS American Grilon社)、および全不揮発性物質含有量に対して1重量%のTriton X-100を含有していた。この分散体を、#3塗布棒を使用して、中間層上に塗布し、得られた塗膜を80℃で3分間乾燥した。
【0066】
次に、上記着色剤層を、レーザー像形成手順Bを用いる像形成条件を使用して2枚のガラススライドに転写させて、LCDカラーフィルター素子を製造した。この着色剤は、カーボンブラック層の汚染を伴わずに、これらのガラススライドに(線間隔が約150マイクロメートルで線幅が約90マイクロメートルで)転写した。ドナーシートの顕微鏡検査により、カーボンブラック複合光-熱変換層と保護透明中間層とが無傷であったことが示された。次に、これらのカラーフィルター素子の一方を、Primid XL552とElvacite 2776との間での化学的架橋作用を活性化するために炉内に入れ、窒素雰囲気内で200℃において1時間加熱した。他方のカラーフィルター素子は加熱せず、周囲温度で維持した。次に、得られたカラーフィルター素子の各々を、3つの約25mm×37mmのセクションに切断した。次に、これらのカラーフィルター要素の各々から得られたこれらのセクションの1つを、10mLの1−メチル−2−ピロリジノン中に10分間浸した。次に、カラーフィルター素子を、浸漬溶剤から取り出した。次に、Shimadzu MPC-3100分光光度計により、1cmの経路長を有する石英キュベット中での、これらのカラーフィルター素子の抽出によって得られる溶液の可視スペクトルを得た。これらのスペクトルは、カラーセルアレイ抽出物のlmaxが約629nmにあり、各々のカラーセルアレイ素子の優れた耐薬品性が629nmにおける1−メチル−2−ピロリジノン抽出物の低い吸光度に対応することを示した。架橋および非架橋のカラーフィルター素子の耐薬品性試験の対応する結果を表2に提供する。
【0067】
表2
カラーフィルター素子名称 対応する1-メチル-2-ピロリジノン
抽出物の吸光度(629nm)
非架橋カラーアレイ 0.53
架橋カラーアレイ 0.04
正味溶剤(1-メチル-2-ピロリジノン) 0.04
【0068】
上記結果は、転写された画像の品質の改善における中間層の効力と、転写されたコーティングを架橋させて、対応する耐溶剤性を改善することの効果とを実証している。
【0069】
例6(比較例)
この例は、中間層を備えていない熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
1,064nmにおいて1.35の吸光度を有するカーボンブラック光-熱変換フィルムを、線インチ当たり90ヘリカルセルのマイクログラビアロールを使用するYasui Seiki Lab Coater, Model CAG-150(IN、ブルーミントンのYasui Seiki Co.社)を用いて、2ミル(0.005cm)PET基材上に輻射線硬化性樹脂中のカーボンブラックの水性分散体を塗布することによって調製した。続いて、このコーティングを、巻き上げ前に、コーター上でインライン乾燥し、紫外線硬化させた。このコーティング溶液は、水中で35wt%の全固形分で、1部のカーボンブラック(OH、アメリアのSun Chemical社のSunsperse black)、7部のNR-440(MA、ウィルミントンのZeneca Resins社製架橋性ウレタンアクリレート低重合体)、および0.35部の光開始剤(NY、ホーソーンのCiba-Geigy社製Darocur 1173)から成り、4.5μmの乾燥厚みを有する光-熱変換塗膜となった。
【0070】
この光-熱変換層に、透明中間層を、次に着色剤層を上塗りした。#5塗布棒を使用して、12.5wt%のNR-440と0.6wt%のDarocur 1173とを含有している水溶液を塗布し、80℃において2分間乾燥し、UV架橋させて熱安定性平滑剥離表面を備えたカラートップコートとした。#5塗布棒を使用して15wt%の全固形分で例5の緑色インクを塗布し、60℃において3分間乾燥することによって色転写層を適用して、厚みが1μmの着色剤層とした。
【0071】
このように調製されたドナーを、ブラッククロム被覆ガラス受容体への熱転写層の像様転写について試験した。このドナーは、1,064nmにおいて2.8の吸光度を有していた。この色ドナーシートを、ラインパターンで像形成させ、ガラス受容体(75mm×50mm×1.1mm)上に転写させた。像形成は、140μmのレーザースポットサイズ(1/e2)を有する、ドナーフィルム面上で7.5Wで作動するNd:YAGレーザーを使用して、平台像形成装置で行った。このレーザー走査速度は4.5m/sであった。画像データを、大容量記憶システムから転送し、レーザ−の像様変調を行う音響光学変調器に供給した。この像形成過程において、このドナーシートおよび受容体を真空を利用して密着状態に保持した。
【0072】
受容体上に得られた画像の顕微鏡検査により、像形成されたライン群が89μmの均一なライン幅を有することが示された。損傷(例えば、粗くなった表面、亀裂、泡、変色など)が、転写された着色剤のラインの各々の中心部分に存在することが観察された。
【0073】
例7
この例は、架橋された有機結合剤中に分散されたカーボンブラックを含んでなるLTHC層上に被覆された蒸着アルミニウム反射性中間層を備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
この例において使用されたドナーは、蒸着アルミニウム反射性中間層が光-熱変換層上に被覆されたことを除いて、例6において使用されたものと同じであった。
【0074】
例8
この例は、白色反射性中間層を備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
この例において使用されたドナーは、白色反射性中間層が、他のコーティングの前に光-熱変換層上に被覆されたことを除いて、例6において使用されたものと同じであった。この白色反射層は、#3塗布棒を用いて、17.3wt%の全固形分の白色修正インク(Pentel Correction Pen Ink)を塗布し、続いて80℃において2分間乾燥させることによって調製した。このコーティングを測定したところ、1,064nmにおいて22.5%の反射率を有していた。
【0075】
このドナーを、例6に記載されているものと同じ方法を使用して、ブラッククロムで被覆されたガラス受容体への熱転写層の像様転写について試験した。
【0076】
得られた画像の顕微鏡検査により、画像ラインが82μmの均一なライン幅を有する全体的品質が良好なものであることが示された。熱的損傷についての明白な兆候は転写されたラインの中心部分でもまったく観察されなかった。
【0077】
例9
この例において使用された複数のドナーは、1,060nmにおいて0.94の吸光度を有するカーボンブラック光-熱変換層が使用されたことを除いて、例6〜8において使用されたものと同じであった。この光-熱変換層は、コーティング溶液が35wt%の代わりに27wt%の全固形分を含有したことを除いて、例6に記載されているものと同じ方法によって調製した。
【0078】
これらのドナーを、例6に記載されているものと同じ方法を使用して、ブラッククロムで被覆されたガラス受容体への熱転写層の像様転写性について試験した。
受容体上に得られた画像の顕微鏡検査の結果を表3に要約する。
【0079】
表3 反射性中間層の画質への影響(走査速度 = 5.3 m/sec)
ドナー ライン幅(μm) 転写されたラインへの損傷
対照標準 90 若干有り
Al中間層 97 若干有り
白色中間層 100 無し
【0080】
これらの結果は、白色中間層(22.5%R、46%T)を備えたドナーから転写された画像が最小限の損傷しか受けなかったことを示している。
これらの結果は、転写された画像の品質の改善および転写された材料の熱的損傷の防止における反射性中間層の効果を実証している。
【0081】
例10
この例は、ブラックアルミニウムLTHC層上に被覆した反射性アルミニウム中間層を備えた熱転写ドナーの調製および使用を実証する。
約800Åのブラックアルミニウム(部分的に酸化されたAl、AlOx)光-熱変換層を、米国特許第4,430,366号の教示に従って連続真空コーター中でのAr/O2雰囲気におけるAlの反応スパッタリングによって、4ミル(0.010cm)のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)基材上に被覆した。次に、約100ÅのAlを、同じ連続真空コーターを用いてAr雰囲気中で上記AlOx光-熱変換層上にスパッタした。次に、得られた反射性アルミニウム中間層を含む材料に、#4塗布棒を使用して、表4に示されている組成の水性緑色インクを上塗りし、60℃で乾燥して、熱転写ドナーを製造した。
【0082】
表4: 水性緑色インクコーティング溶液の組成
コーティング成分 重量パーセント
PG-7 顔料* 9.1
ICI Elvacite 2776* 5.3
トリエチル-O-アセチル-シトレート 0.3
ジメチルエタノールアミン 1.1
3M FC-430 界面活性剤 0.04
H2O 84.2
* Elvacite 2776内のPG-7顔料の分散体は、PA、ドイルズタウンのPenn Color社から得た。
【0083】
次に、このドナーを、液晶ディスプレイ用のカラーフィルターを製造するためのガラススライド受容体への熱転写性について試験した。上述のレーザー像形成手順Aを用いて、レーザースポット径を100μm (1/e2)とし、フィルム面での出力を8.4ワットとし、そして4、6、8ミリ秒のパルス幅で露光を行った。それらの結果は、転写された画像には、上述の像形成条件下では、ブラックアルミニウムによる汚染が殆ど無かったことを示した。
【0084】
請求の範囲に記載されている本発明の趣旨または範囲のいずれからも逸脱すること無く、前述の開示から合理的な変更や修正が可能である。
【0085】
実施形態
(1)(a)光−熱変換層と、
(b)中間層と、
(c)熱転写層と、をこれらの順序で付着されてなる基材を含む熱転写要素。
(2)前記中間層が熱安定性高分子有機材料および金属層の1つを含む、形態(1)に記載の熱転写要素。
(3)前記光−熱変換層が金属、金属/金属酸化物、および黒体吸収剤および結合剤の1つを含む、形態(1)に記載の熱転写要素。
(4)前記黒体吸収剤がカーボンブラックを含む、形態(3)に記載の熱転写要素。
(5)前記熱転写層が顔料を含む、形態(1)に記載の熱転写要素。
(6)前記熱転写層が架橋性材料をさらに含む、形態(1)に記載の熱転写カラー要素。
(7)画像を受容体上に転写する方法であって、
a)(i)光−熱変換層と、
(ii)中間層と、
(iii)熱転写層と、をこれらの順序で付着されてなる基材を含む熱転写要素と前記受容体とを密着させて配置し、前記熱転写層を前記受容体の表面と接触させ、
b)輻射線源を用いて前記熱転写要素を像様パターンに露光させ、
c)前記像様パターンに対応する前記熱転写層を前記受容体に転写させ、実質的に中間層の転写もなく前記受容体上に転写された画像を形成する、という工程を含む方法。
(8)前記光−熱変換層が金属、金属/金属酸化物、および黒体吸収剤および結合剤の1つを含む、形態(7)に記載の方法。
(9)前記黒体吸収剤がカーボンブラックを含む、形態(8)に記載の方法。
(10)前記熱転写層が顔料を含む、形態(7)に記載の方法。
(11)前記熱転写層が架橋性材料をさらに含む、形態(7)に記載の方法。
(12)d)前記転写された画像を架橋する工程をさらに含む、形態(11)に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)光−熱変換層、
(b)150℃より低い温度で肉眼で分かるほど歪んだりまたは化学的に分解したりしない中間層であって、無機化合物、架橋された有機ポリマー、Tgが150℃より高い熱可塑性有機ポリマー及びそれらの混合物からなる群より選ばれる材料を含む中間層、および、
(c)熱転写層、
がこれらの順序で付着されてなる基材を含んでなる熱転写要素。
【請求項2】
前記中間層は白色顔料をさらに含む、請求項1記載の熱転写要素。
【請求項3】
前記光−熱変換層はカーボンブラック又は顔料及びバインダーを含む、請求項1記載の熱転写要素。
【請求項4】
前記熱転写層は染料、光学的活性材料、顔料、磁性粒子、導電性粒子または絶縁性粒子、液晶材料、親水性材料または疎水性材料、開始剤、増感剤、発光体、高分子結合剤及び酵素からなる群より選ばれる材料を含む、請求項1記載の熱転写要素。
【請求項5】
画像を受容体上に転写する方法であって、
a)(i)光−熱変換層、
(ii)150℃より低い温度で肉眼で分かるほど歪んだりまたは化学的に分解したりしない中間層であって、無機化合物、架橋された有機ポリマー、Tgが150℃より高い熱可塑性有機ポリマー及びそれらの混合物からなる群より選ばれる材料を含む中間層、および、
(iii)熱転写層、
をこれらの順序で付着されてなる基材を含む熱転写要素と、前記受容体とを密着させて配置し、前記熱転写層を前記受容体の表面と接触させ、
b)輻射線源を用いて前記熱転写要素を像様パターンに露光させ、
c)前記像様パターンに対応する前記熱転写層を前記受容体に転写させ、実質的に中間層の転写もなく前記受容体上に転写された画像を形成する、
という工程を含む方法。
【請求項6】
前記輻射線源は赤外線レーザーである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記光−熱変換層はカーボンブラック又は顔料及びバインダーを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
d)転写された画像を架橋させる工程をさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記熱転写層は染料、光学的活性材料、顔料、磁性粒子、導電性粒子または絶縁性粒子、液晶材料、親水性材料または疎水性材料、開始剤、増感剤、発光体、高分子結合剤及び酵素からなる群より選ばれる材料を含む、請求項5記載の方法。

【公開番号】特開2008−162292(P2008−162292A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61676(P2008−61676)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【分割の表示】特願2006−335555(P2006−335555)の分割
【原出願日】平成9年3月13日(1997.3.13)
【出願人】(590000422)スリーエム カンパニー (144)
【Fターム(参考)】