串抜き装置
【課題】 竹輪から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができ、又は竹輪を串棒から軸方向に確実に引き抜くことができ、又、設置スペースを狭くでき、又、一端部にフランジを形成させていない鍔無串棒の使用を可能にした串抜装置の提供。
【解決手段】 ストレート状の鍔無串棒8に竹輪を付着させた串付食品を串抜きの対象とする。縦移送装置に一定間隔毎に設けたレール枠に、竹輪の横方向への移動を規制させる食品規制板35が固定されると共に、串棒を着脱可能に保持させる串保持装置4が横方向に移動可能に設けられ、横移送装置には横方向に一定間隔で押板23が取り付けられ、縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の竹輪を食品規制板に当接させると共に、串保持装置により串棒を保持させた状態で、この串保持装置を横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより竹輪から串棒を引き抜く。
【解決手段】 ストレート状の鍔無串棒8に竹輪を付着させた串付食品を串抜きの対象とする。縦移送装置に一定間隔毎に設けたレール枠に、竹輪の横方向への移動を規制させる食品規制板35が固定されると共に、串棒を着脱可能に保持させる串保持装置4が横方向に移動可能に設けられ、横移送装置には横方向に一定間隔で押板23が取り付けられ、縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の竹輪を食品規制板に当接させると共に、串保持装置により串棒を保持させた状態で、この串保持装置を横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより竹輪から串棒を引き抜く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串棒に筒状食品(竹輪やキリタンポ)を付着させた串付食品を対象とした串抜装置に関し、筒状食品から串棒を軸方向に、又は筒状食品を串棒から軸方向に、引き抜くための串抜技術に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状食品としての竹輪を製造する場合、串棒に摺り身を付着させて竹輪を成形させ、この串付竹輪を搬送させながら竹輪を焼き上げ、その後に串棒を竹輪から引き抜くようになっている。
【0003】
従来、串付竹輪の搬送コンベヤに対して斜め方向に引抜コンベヤを設け、この引抜コンベヤに形成した係止板に串棒の一端部に形成したフランジを係合させ、この状態で引抜コンベヤを搬送コンベヤから次第に遠ざけることにより串棒を軸方向に引き抜くようにした串抜装置が知られている(特許文献1、2参照)。
【0004】
このように、串付竹輪の搬送コンベヤに対して斜め方向に引抜コンベヤを設けた串抜装置では、串棒のフランジに引抜コンベヤの係止板を係合させるタイミングが取り難く、串抜き不良や機械に噛み込む等のトラブルが発生していた。
又、従来の串抜装置では、引抜コンベヤを串付竹輪の搬送コンベヤに対して斜め方向に設けるため、機構が複雑になるし、広い設置スペースが必要になるという問題があった。
【0005】
又、従来の串棒は、その一端部に係合用のフランジを設けた鍔付串棒に形成されているため、製作に手間とコストがかかるし、串棒を重ねた際にフランジ側端部の嵩が高くなるため取り出し難く、また、左右の入れ違いによるトラブル等が発生するという問題があった。
また、串棒は軽量化やコスト面でパイプ材を使用して形成されるが、フランジを形成する関係でフランジ側端部のパイプ孔が塞がってしまい、このためパイプ孔にゴミ等が入った場合、これを取り出すのが困難になるなど衛生面での問題もあった。
【特許文献1】特開昭57−150367号公報
【特許文献2】特開平8−187063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、筒状食品(竹輪等)から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができ、又は筒状食品(竹輪等)を串棒から軸方向に確実に引き抜くことができると共に、設置スペースを狭くできる串抜装置を提供し、また、その一端部にフランジを形成させていない鍔無串棒の使用を可能にした串抜装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の串抜装置は、
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒を着脱可能に保持させる串保持装置(4)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串保持装置により串棒を保持させた状態で、この串保持装置を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されている。
【0008】
又、本発明(請求項2)の串抜装置は、
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品を串棒から引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、串棒を着脱可能に保持して横方向移動を規制させる串保持装置(4)が固定されると共に、筒状食品に着脱可能に係合する食品係止板(38)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付き食品の串棒を前記串保持装置により保持させると共に、前記食品係止板を筒状食品に係合させた状態で、この食品係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品を串棒から引き抜くように形成されている。
【0009】
請求項1又は2記載の串抜き装置において、串保持装置(4)は串棒(8)の挿通溝(41)が形成された保持板(40)を備え、前記挿通溝に挿通させた串棒に対して挿通溝の角部が当接するように前記保持板が傾斜動作して串棒を保持させるように形成されている構成とした。
【0010】
又、本発明(請求項4)の串抜装置は、
一端にフランジ(80)が形成された鍔付串棒(8a)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒のフランジに着脱可能に係合する串係止板(6)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串係止板を串棒のフランジに係合させた状態で、この串係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の串抜装置(請求項1)は、串付食品を、その串棒の軸方向を横方向にして縦移送装置により移送させ、その移送途中において、筒状食品の横方向への移動を食品規制板により規制させた状態で、串棒を保持させた串保持装置を横方向に移動させるもので、これにより筒状食品から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができる。
【0012】
本発明の串抜装置(請求項2)は、串付食品を、その串棒の軸方向を横方向にして縦移送装置により移送させ、その移送途中において、串棒の横方向への移動を串保持装置により規制させた状態で、筒状食品に係合させた食品係止板を横方向に移動させるもので、これにより筒状食品を串棒から軸方向に確実に引き抜くことができる。
【0013】
本発明の串抜装置(請求項4)は、串付食品を、その串棒の軸方向を横方向にして縦移送装置により移送させ、その移送途中において、筒状食品の横方向への移動を食品規制板により規制させた状態で、串棒のフランジに係合させた串係止板を横方向に移動させるもので、これにより筒状食品から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができる。
【0014】
本発明の串抜装置(請求項1、2)は、一端部にフランジが形成されていないストレート状の鍔無串棒に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、この鍔無串棒を串保持装置によって保持させるようにしている。
このように、ストレート状の鍔無串棒を用いて筒状食品から串棒を引き抜くことも(請求項1)、逆に筒状食品を串棒から引き抜くこともできる(請求項2)。
【0015】
又、パイプ材を所定の長さに切断させるという簡単な加工で、かつ安価に鍔無串棒を製作できる。
又、フランジが無い分だけ串棒を短くできるし、串棒を重ねた際にも両側の嵩が均一になるため取り出し易くなり、また、左右の入れ違いによるトラブル等を防止できる。
【0016】
また、パイプ材を使用した鍔無串棒は、そのパイプ孔が貫通しているため、パイプ孔にゴミ等が入った場合でも、これを簡単に取り出すことができ、衛生的に使用できる。
【0017】
前記鍔無串棒を使用した場合、串保持装置により串棒を保持させるものであるが、引き抜いた後の串棒をこの串保持装置により保持させたまま次の工程に搬送できるため、串棒の乗り移りに際し、串棒の動きを安定させることができ、串棒の乗せ位置がズレたり串棒が落ちたりするトラブルを防止できる。
【0018】
又、串保持装置として、串棒の挿通溝が形成された保持板を用いると(請求項3)、挿通溝の角部が串棒に当接するように保持板を傾斜動作させるだけの簡単な構造でありながら確実に串棒を保持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図6は本発明の請求項1に対応した第1実施例の串抜装置を示し、図1は串抜装置の平面図、図2は縦搬送装置を一部切欠した串抜装置の平面図、図3は串抜装置の横方向断面図、図4は串抜装置の縦方向断面図、図5は串抜装置の動作を説明するための斜視図である。又、図6は串保持装置の動作を説明するための平面図、図7は他の串保持装置の動作を説明するための平面図である。
【0020】
第1実施例の串抜装置1は、串棒としてパイプを切断して形成した鍔無串棒8を用い、この串棒8に筒状食品として2個の竹輪7,7を付着させた串付竹輪を串抜きの対象とし、竹輪7,7から串棒8を引き抜く構造になっている。
【0021】
串抜装置1は、鍔無串棒8の軸方向を横方向(図1及び図3において矢印A方向)とし、串棒8の軸方向と直交する方向を縦方向(図1及び図4において矢印B方向)とし、前記横方向に移動する横移送装置2と、前記縦方向に移動する縦移送装置3とを備えている。
【0022】
前記縦移送装置3は、串棒8の軸方向を横方向として串付竹輪を縦方向に移送させるもので、フレーム30,30に軸支した前側スプロケット31,31と後側スプロケット32,32の間に掛け回した左右の無端循環チェーン33,33を有し、この無端循環チェーン33,33間に一定間隔毎にレール枠34が架設されたチェーンコンベヤに形成されている。
前記レール枠34は断面略コ字状に形成され、縦移送装置3の上側移行部3aにおいて上向きに開口し、下側移行部3bにおいて下向きに開口するように取り付けられている。
【0023】
前記各レール枠34には、図5に示すように、竹輪7の両端面に対向する位置で串棒8を支える共に、竹輪7の横方向移動を規制するための食品規制板35が固定されている。
前記食品規制板35には縦移送装置3の上側移行部3aにおいて上向きに開口するように略U字状の切欠溝35aが形成され、この切欠溝35a内に串棒8を落し込むことにより、串棒8を支える共に、竹輪7の横方向移動を規制させている。
【0024】
又、前記各レール枠34にはスライドレール36が取り付けられ、このスライドレール36内に串棒8を着脱可能に保持させる串保持装置4が横方向に移動可能に設けられている。
【0025】
前記串保持装置4は、図6に示すように横方向に対向する1対の保持板40,40を備え、この保持板40には、縦移送装置3の上側移行部3aにおいて上向きに開口すると共に、串棒8をガタ付きが生じるように挿通させる略U字状の挿通溝41が形成されている。
保持板40は横方向に傾斜動作が可能になるようにそれぞれその前後端部が横軸42,43にガタ付きを持って支持されると共に、その前端部の間にスプリング44が装着されている。
前記スプリング44により両保持板40,40の前端部が離反方向に開くように付勢されて常時は両保持板40,40が傾斜動作し(図6−ロ、ハ)、これにより挿通溝41の溝方向が串棒8の軸方向に対して傾斜するため挿通溝41の角部が串棒8に対して当接し、串棒8を保持させることができる。
【0026】
又、前記保持板40の後端部にはローラ45が取り付けられ、縦移送装置3の前端部に設けた板部材46が前記ローラ45,45間に入り込むことで、両保持板40,40の前端部がスプリング44の付勢に抗して対向方向に閉じて保持板40が串棒に対して直角姿勢になる(図6−イ)。
これにより、挿通溝41の溝方向と串棒8の軸方向が平行になるため挿通溝41の角部が串棒8から離反し、串棒8に対する保持を解除させることができる。
【0027】
なお、図7は他例の串保持装置4の動作を説明するための平面図である。
この串保持装置4はエアシリンダ47によって保持板40を傾斜動作させるようにしたものである。
エアシリンダ47を進出させることにより保持板40を串棒8に対して傾斜させ(図7−ロ、ハ)、エアシリンダ47を退入させることにより保持板40を串棒8に対して直角姿勢にさせ(図7−イ)、これにより串棒8を着脱可能に保持させることができる。
【0028】
なお、エアシリンダ47に代えてソレノイド等の進退手段を用いることができるもので、このようにエアシリンダ47やソレノイドを用いると、前記した板部材46を省略することができる。
【0029】
前記横移送装置2は、左側スプロケット20と右側スプロケット21の間に掛け回した前後の無端循環チェーン22,22を有し、この無端循環チェーン22,22間に一定間隔毎に押板23が取り付けられている。
【0030】
この横移送装置2は、図3に示すように、前記縦移送装置2の上側移行部3aと下側移行部3bとの空間Sにおいて、縦移送装置3の横方向幅内に納まるように形成されている。
このように、横移送装置2が縦移送装置3の内部に完全に納まるため串抜装置1がコンパクトになり、狭いスペースに設置することができる。
【0031】
次に、串抜装置1の動作を説明する。
串付竹輪は、その串棒8の両端部が1対のコイル9,9に乗せ掛けられ、この1対のコイル9,9の回転に伴い串抜装置1に搬送されてくる。
1対のコイル9,9の終端から取り下された串付竹輪は、前記縦移送装置3の前端部(始端部)において、受け渡しガイド90(図4に示す)によりガイドされて縦移送装置3のレール枠34上に乗り移る。
【0032】
この場合、前記串付竹輪は、その串棒8が食品規制板35の切欠溝35a及び串保持装置4の保持板40に形成した挿通溝41内に落し込まれた状態で支持される。
なお、前記串保持装置4は、ローラ45,45間に板部材46が入り込むことで保持板40が串棒8に対して直角姿勢になっているため、串棒8を保持板40の挿通溝41内に落し込むことができる。
【0033】
串付竹輪が縦移送装置3に乗り移った後、前記串保持装置4はローラ45,45が板部材46から離れることに伴いスプリング44による付勢で保持板40が傾斜動作し、串棒8を保持させる。
【0034】
次に、串付竹輪を載置させたレール枠34が縦移送装置3の上側移行部3aを移行しながらその途中において、前記横移送装置2の押板23が上側移行部2aを横方向(図3では右方向)に移動して串保持装置4のローラ45に当接する。
なお、縦移送装置3と横移送装置2はかさ歯車にて連結されており、串保持装置4のローラ45は常に同じタイミングで押板23に押されている。
これにより串棒8を保持したまま串保持装置4が横方向に移動するもので、このとき竹輪7は、その端面が食品規制板35に当接して横方向への移動が規制されるため串棒8を竹輪7から引き抜くことができる。
【0035】
このようにして縦移送装置3により串付竹輪を順次縦方向に移送させながら竹輪7から串棒8を引き抜いていくもので、串棒8が引き抜かれた竹輪7はレール枠34上に載置され、縦移送装置3の後端部において排出コンベヤ91上に取り下される。
【0036】
又、引き抜いた串棒8は、串保持装置4により保持されたまま縦移送装置3の下側移行部3bを移行し、その移行途中において、前記横移送装置2の押板23が下側移行部2bを横方向(図3では左方向)に移動して串保持装置のローラに当接する。
これにより串保持装置が当初の位置(図5−イの位置)に戻って縦移送装置3の前端部においてローラ45,45間に板部材46が入り込み、保持板40が串棒8に対して直角姿勢になることで串棒8に対する保持が解除され、串棒搬送コンベヤ92上に取り下される。
なお、図4において、93は串棒支持バーであり、縦移送装置3の後端部から下側移行部3aを移行する串棒8が脱落するのを防止している。
【0037】
次に、図8〜図10は本発明の請求項2に対応した第2実施例の串抜装置を示し、図8は串抜装置の平面図、図9は串抜装置の横方向断面図、図10は串抜装置の縦方向断面図である。
【0038】
第2実施例の串抜装置1は、串棒として鍔無串棒8を用い、この串棒8に筒状食品として2個の竹輪7,7を付着させた串付竹輪を串抜きの対象とし、串棒8から竹輪7,7を引き抜く構造になっている。
【0039】
この場合、縦移送装置3のレール枠34に串保持装置4が固定され、この串保持装置4によって串棒8を着脱可能に保持すると共に、横方向への移動を規制させるようにしている。
この串保持装置4の構造及び動作は前記第1実施例の串保持装置4と同様である。
【0040】
又、レール枠34に設けたスライドレール36内に基板37が横方向に移動可能に設けられ、この基板37上に竹輪7の両端面に対向する位置で串棒8を支える共に、竹輪7の端面(図9では左端面)に着脱可能に係合する食品係止板38が取り付けられている。
この食品係止板38には、前記第1実施例の食品規制板35に形成した切欠溝35aと同様の切欠溝38a(図10に示す)が形成されている。
【0041】
従って、串付竹輪が縦移送装置3に乗り移った後、串保持装置4によって串棒8の一端部(左端部)が保持される。
その後、串付竹輪を載置させたレール枠34が縦移送装置3の上側移行部3aを移行しながら、その途中において、前記横移送装置2の押板23が上側移行部2aを横方向(図9では右方向)に移動して基板37に設けたローラ37aに当接する。
【0042】
これにより食品係止板38が竹輪7の端面(左端面)に係合して横方向(図9では右方向)に移動するもので、このとき串棒8は串保持装置4によって横方向への移動が規制されているため、竹輪7を串棒8から引き抜くことができる。
この第2実施例において、その他の構成及び作用は前記第1実施例と同様である。
【0043】
引き抜いた竹輪7は、基板37上に載置され、縦移送装置3の後端部において排出コンベヤ91上に取り下される。
又、串棒8は、縦移送装置3後端部において、串保持装置4のローラ45,45間に前記板部材46と同様の板部材46aが入り込むことで串保持装置4による保持が解除され、串棒搬送コンベヤ92上に取り下される。
【0044】
次に、図11は本発明の請求項4に対応した第3実施例の串抜装置の動作を説明するための斜視図である。
【0045】
第3実施例の串抜装置1は、串棒として一端にフランジ80が形成された鍔付串棒8aを用い、この串棒8aに筒状食品として2個の竹輪7,7を付着させた串付竹輪を串抜きの対象とし、この竹輪7から串棒8aを引き抜く構造になっている。
【0046】
この場合、前記第1実施例で用いた串保持装置4の代わりに串棒8aのフランジ80に着脱可能に係合する串係止板6が設けられ、この串係止板6がレール枠34に設けたスライドレール36内に横方向に移動可能に設けられている。
【0047】
従って、縦移送装置3に乗り移った串付竹輪を載置させたレール枠34が縦移送装置3の上側移行部3aを移行する途中において横移送装置2の上側移行部2aを横方向に移動する押板23が前記串係止板6に設けたローラ60に当接する。
【0048】
これにより串係止板6が串棒8aに形成したフランジ80に係合して横方向に移動するもので、このとき竹輪7は食品規制板35によって横方向への移動が規制されているため、串棒8aを竹輪7から引き抜くことができる。
この第3実施例において、その他の構成及び作用は前記第1実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】請求項1に対応した第1実施例の串抜装置の平面図。
【図2】縦搬送装置を一部切欠した串抜装置の平面図。
【図3】串抜装置の横方向断面図。
【図4】串抜装置の縦方向断面図。
【図5】串抜装置の動作を説明するための斜視図。
【図6】串保持装置の動作を説明するための平面図。
【図7】他の串保持装置の動作を説明するための平面図。
【図8】請求項2に対応した第2実施例の串抜装置の平面図。
【図9】串抜装置の横方向断面図。
【図10】串抜装置の縦方向断面図。
【図11】請求項4に対応した第3実施例の串抜装置の動作を説明するための斜視図。
【符号の説明】
【0050】
1 串抜装置
2 横移送装置
23 押板
3 縦移送装置
34 レール枠
35 食品規制板
38 食品係止板
4 串保持装置
40 保持板
41 挿通溝
6 串係止板
7 竹輪
8 鍔無串棒
8a 鍔付串棒
80 フランジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、串棒に筒状食品(竹輪やキリタンポ)を付着させた串付食品を対象とした串抜装置に関し、筒状食品から串棒を軸方向に、又は筒状食品を串棒から軸方向に、引き抜くための串抜技術に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状食品としての竹輪を製造する場合、串棒に摺り身を付着させて竹輪を成形させ、この串付竹輪を搬送させながら竹輪を焼き上げ、その後に串棒を竹輪から引き抜くようになっている。
【0003】
従来、串付竹輪の搬送コンベヤに対して斜め方向に引抜コンベヤを設け、この引抜コンベヤに形成した係止板に串棒の一端部に形成したフランジを係合させ、この状態で引抜コンベヤを搬送コンベヤから次第に遠ざけることにより串棒を軸方向に引き抜くようにした串抜装置が知られている(特許文献1、2参照)。
【0004】
このように、串付竹輪の搬送コンベヤに対して斜め方向に引抜コンベヤを設けた串抜装置では、串棒のフランジに引抜コンベヤの係止板を係合させるタイミングが取り難く、串抜き不良や機械に噛み込む等のトラブルが発生していた。
又、従来の串抜装置では、引抜コンベヤを串付竹輪の搬送コンベヤに対して斜め方向に設けるため、機構が複雑になるし、広い設置スペースが必要になるという問題があった。
【0005】
又、従来の串棒は、その一端部に係合用のフランジを設けた鍔付串棒に形成されているため、製作に手間とコストがかかるし、串棒を重ねた際にフランジ側端部の嵩が高くなるため取り出し難く、また、左右の入れ違いによるトラブル等が発生するという問題があった。
また、串棒は軽量化やコスト面でパイプ材を使用して形成されるが、フランジを形成する関係でフランジ側端部のパイプ孔が塞がってしまい、このためパイプ孔にゴミ等が入った場合、これを取り出すのが困難になるなど衛生面での問題もあった。
【特許文献1】特開昭57−150367号公報
【特許文献2】特開平8−187063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、筒状食品(竹輪等)から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができ、又は筒状食品(竹輪等)を串棒から軸方向に確実に引き抜くことができると共に、設置スペースを狭くできる串抜装置を提供し、また、その一端部にフランジを形成させていない鍔無串棒の使用を可能にした串抜装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の串抜装置は、
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒を着脱可能に保持させる串保持装置(4)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串保持装置により串棒を保持させた状態で、この串保持装置を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されている。
【0008】
又、本発明(請求項2)の串抜装置は、
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品を串棒から引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、串棒を着脱可能に保持して横方向移動を規制させる串保持装置(4)が固定されると共に、筒状食品に着脱可能に係合する食品係止板(38)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付き食品の串棒を前記串保持装置により保持させると共に、前記食品係止板を筒状食品に係合させた状態で、この食品係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品を串棒から引き抜くように形成されている。
【0009】
請求項1又は2記載の串抜き装置において、串保持装置(4)は串棒(8)の挿通溝(41)が形成された保持板(40)を備え、前記挿通溝に挿通させた串棒に対して挿通溝の角部が当接するように前記保持板が傾斜動作して串棒を保持させるように形成されている構成とした。
【0010】
又、本発明(請求項4)の串抜装置は、
一端にフランジ(80)が形成された鍔付串棒(8a)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒のフランジに着脱可能に係合する串係止板(6)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串係止板を串棒のフランジに係合させた状態で、この串係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の串抜装置(請求項1)は、串付食品を、その串棒の軸方向を横方向にして縦移送装置により移送させ、その移送途中において、筒状食品の横方向への移動を食品規制板により規制させた状態で、串棒を保持させた串保持装置を横方向に移動させるもので、これにより筒状食品から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができる。
【0012】
本発明の串抜装置(請求項2)は、串付食品を、その串棒の軸方向を横方向にして縦移送装置により移送させ、その移送途中において、串棒の横方向への移動を串保持装置により規制させた状態で、筒状食品に係合させた食品係止板を横方向に移動させるもので、これにより筒状食品を串棒から軸方向に確実に引き抜くことができる。
【0013】
本発明の串抜装置(請求項4)は、串付食品を、その串棒の軸方向を横方向にして縦移送装置により移送させ、その移送途中において、筒状食品の横方向への移動を食品規制板により規制させた状態で、串棒のフランジに係合させた串係止板を横方向に移動させるもので、これにより筒状食品から串棒を軸方向に確実に引き抜くことができる。
【0014】
本発明の串抜装置(請求項1、2)は、一端部にフランジが形成されていないストレート状の鍔無串棒に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、この鍔無串棒を串保持装置によって保持させるようにしている。
このように、ストレート状の鍔無串棒を用いて筒状食品から串棒を引き抜くことも(請求項1)、逆に筒状食品を串棒から引き抜くこともできる(請求項2)。
【0015】
又、パイプ材を所定の長さに切断させるという簡単な加工で、かつ安価に鍔無串棒を製作できる。
又、フランジが無い分だけ串棒を短くできるし、串棒を重ねた際にも両側の嵩が均一になるため取り出し易くなり、また、左右の入れ違いによるトラブル等を防止できる。
【0016】
また、パイプ材を使用した鍔無串棒は、そのパイプ孔が貫通しているため、パイプ孔にゴミ等が入った場合でも、これを簡単に取り出すことができ、衛生的に使用できる。
【0017】
前記鍔無串棒を使用した場合、串保持装置により串棒を保持させるものであるが、引き抜いた後の串棒をこの串保持装置により保持させたまま次の工程に搬送できるため、串棒の乗り移りに際し、串棒の動きを安定させることができ、串棒の乗せ位置がズレたり串棒が落ちたりするトラブルを防止できる。
【0018】
又、串保持装置として、串棒の挿通溝が形成された保持板を用いると(請求項3)、挿通溝の角部が串棒に当接するように保持板を傾斜動作させるだけの簡単な構造でありながら確実に串棒を保持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図6は本発明の請求項1に対応した第1実施例の串抜装置を示し、図1は串抜装置の平面図、図2は縦搬送装置を一部切欠した串抜装置の平面図、図3は串抜装置の横方向断面図、図4は串抜装置の縦方向断面図、図5は串抜装置の動作を説明するための斜視図である。又、図6は串保持装置の動作を説明するための平面図、図7は他の串保持装置の動作を説明するための平面図である。
【0020】
第1実施例の串抜装置1は、串棒としてパイプを切断して形成した鍔無串棒8を用い、この串棒8に筒状食品として2個の竹輪7,7を付着させた串付竹輪を串抜きの対象とし、竹輪7,7から串棒8を引き抜く構造になっている。
【0021】
串抜装置1は、鍔無串棒8の軸方向を横方向(図1及び図3において矢印A方向)とし、串棒8の軸方向と直交する方向を縦方向(図1及び図4において矢印B方向)とし、前記横方向に移動する横移送装置2と、前記縦方向に移動する縦移送装置3とを備えている。
【0022】
前記縦移送装置3は、串棒8の軸方向を横方向として串付竹輪を縦方向に移送させるもので、フレーム30,30に軸支した前側スプロケット31,31と後側スプロケット32,32の間に掛け回した左右の無端循環チェーン33,33を有し、この無端循環チェーン33,33間に一定間隔毎にレール枠34が架設されたチェーンコンベヤに形成されている。
前記レール枠34は断面略コ字状に形成され、縦移送装置3の上側移行部3aにおいて上向きに開口し、下側移行部3bにおいて下向きに開口するように取り付けられている。
【0023】
前記各レール枠34には、図5に示すように、竹輪7の両端面に対向する位置で串棒8を支える共に、竹輪7の横方向移動を規制するための食品規制板35が固定されている。
前記食品規制板35には縦移送装置3の上側移行部3aにおいて上向きに開口するように略U字状の切欠溝35aが形成され、この切欠溝35a内に串棒8を落し込むことにより、串棒8を支える共に、竹輪7の横方向移動を規制させている。
【0024】
又、前記各レール枠34にはスライドレール36が取り付けられ、このスライドレール36内に串棒8を着脱可能に保持させる串保持装置4が横方向に移動可能に設けられている。
【0025】
前記串保持装置4は、図6に示すように横方向に対向する1対の保持板40,40を備え、この保持板40には、縦移送装置3の上側移行部3aにおいて上向きに開口すると共に、串棒8をガタ付きが生じるように挿通させる略U字状の挿通溝41が形成されている。
保持板40は横方向に傾斜動作が可能になるようにそれぞれその前後端部が横軸42,43にガタ付きを持って支持されると共に、その前端部の間にスプリング44が装着されている。
前記スプリング44により両保持板40,40の前端部が離反方向に開くように付勢されて常時は両保持板40,40が傾斜動作し(図6−ロ、ハ)、これにより挿通溝41の溝方向が串棒8の軸方向に対して傾斜するため挿通溝41の角部が串棒8に対して当接し、串棒8を保持させることができる。
【0026】
又、前記保持板40の後端部にはローラ45が取り付けられ、縦移送装置3の前端部に設けた板部材46が前記ローラ45,45間に入り込むことで、両保持板40,40の前端部がスプリング44の付勢に抗して対向方向に閉じて保持板40が串棒に対して直角姿勢になる(図6−イ)。
これにより、挿通溝41の溝方向と串棒8の軸方向が平行になるため挿通溝41の角部が串棒8から離反し、串棒8に対する保持を解除させることができる。
【0027】
なお、図7は他例の串保持装置4の動作を説明するための平面図である。
この串保持装置4はエアシリンダ47によって保持板40を傾斜動作させるようにしたものである。
エアシリンダ47を進出させることにより保持板40を串棒8に対して傾斜させ(図7−ロ、ハ)、エアシリンダ47を退入させることにより保持板40を串棒8に対して直角姿勢にさせ(図7−イ)、これにより串棒8を着脱可能に保持させることができる。
【0028】
なお、エアシリンダ47に代えてソレノイド等の進退手段を用いることができるもので、このようにエアシリンダ47やソレノイドを用いると、前記した板部材46を省略することができる。
【0029】
前記横移送装置2は、左側スプロケット20と右側スプロケット21の間に掛け回した前後の無端循環チェーン22,22を有し、この無端循環チェーン22,22間に一定間隔毎に押板23が取り付けられている。
【0030】
この横移送装置2は、図3に示すように、前記縦移送装置2の上側移行部3aと下側移行部3bとの空間Sにおいて、縦移送装置3の横方向幅内に納まるように形成されている。
このように、横移送装置2が縦移送装置3の内部に完全に納まるため串抜装置1がコンパクトになり、狭いスペースに設置することができる。
【0031】
次に、串抜装置1の動作を説明する。
串付竹輪は、その串棒8の両端部が1対のコイル9,9に乗せ掛けられ、この1対のコイル9,9の回転に伴い串抜装置1に搬送されてくる。
1対のコイル9,9の終端から取り下された串付竹輪は、前記縦移送装置3の前端部(始端部)において、受け渡しガイド90(図4に示す)によりガイドされて縦移送装置3のレール枠34上に乗り移る。
【0032】
この場合、前記串付竹輪は、その串棒8が食品規制板35の切欠溝35a及び串保持装置4の保持板40に形成した挿通溝41内に落し込まれた状態で支持される。
なお、前記串保持装置4は、ローラ45,45間に板部材46が入り込むことで保持板40が串棒8に対して直角姿勢になっているため、串棒8を保持板40の挿通溝41内に落し込むことができる。
【0033】
串付竹輪が縦移送装置3に乗り移った後、前記串保持装置4はローラ45,45が板部材46から離れることに伴いスプリング44による付勢で保持板40が傾斜動作し、串棒8を保持させる。
【0034】
次に、串付竹輪を載置させたレール枠34が縦移送装置3の上側移行部3aを移行しながらその途中において、前記横移送装置2の押板23が上側移行部2aを横方向(図3では右方向)に移動して串保持装置4のローラ45に当接する。
なお、縦移送装置3と横移送装置2はかさ歯車にて連結されており、串保持装置4のローラ45は常に同じタイミングで押板23に押されている。
これにより串棒8を保持したまま串保持装置4が横方向に移動するもので、このとき竹輪7は、その端面が食品規制板35に当接して横方向への移動が規制されるため串棒8を竹輪7から引き抜くことができる。
【0035】
このようにして縦移送装置3により串付竹輪を順次縦方向に移送させながら竹輪7から串棒8を引き抜いていくもので、串棒8が引き抜かれた竹輪7はレール枠34上に載置され、縦移送装置3の後端部において排出コンベヤ91上に取り下される。
【0036】
又、引き抜いた串棒8は、串保持装置4により保持されたまま縦移送装置3の下側移行部3bを移行し、その移行途中において、前記横移送装置2の押板23が下側移行部2bを横方向(図3では左方向)に移動して串保持装置のローラに当接する。
これにより串保持装置が当初の位置(図5−イの位置)に戻って縦移送装置3の前端部においてローラ45,45間に板部材46が入り込み、保持板40が串棒8に対して直角姿勢になることで串棒8に対する保持が解除され、串棒搬送コンベヤ92上に取り下される。
なお、図4において、93は串棒支持バーであり、縦移送装置3の後端部から下側移行部3aを移行する串棒8が脱落するのを防止している。
【0037】
次に、図8〜図10は本発明の請求項2に対応した第2実施例の串抜装置を示し、図8は串抜装置の平面図、図9は串抜装置の横方向断面図、図10は串抜装置の縦方向断面図である。
【0038】
第2実施例の串抜装置1は、串棒として鍔無串棒8を用い、この串棒8に筒状食品として2個の竹輪7,7を付着させた串付竹輪を串抜きの対象とし、串棒8から竹輪7,7を引き抜く構造になっている。
【0039】
この場合、縦移送装置3のレール枠34に串保持装置4が固定され、この串保持装置4によって串棒8を着脱可能に保持すると共に、横方向への移動を規制させるようにしている。
この串保持装置4の構造及び動作は前記第1実施例の串保持装置4と同様である。
【0040】
又、レール枠34に設けたスライドレール36内に基板37が横方向に移動可能に設けられ、この基板37上に竹輪7の両端面に対向する位置で串棒8を支える共に、竹輪7の端面(図9では左端面)に着脱可能に係合する食品係止板38が取り付けられている。
この食品係止板38には、前記第1実施例の食品規制板35に形成した切欠溝35aと同様の切欠溝38a(図10に示す)が形成されている。
【0041】
従って、串付竹輪が縦移送装置3に乗り移った後、串保持装置4によって串棒8の一端部(左端部)が保持される。
その後、串付竹輪を載置させたレール枠34が縦移送装置3の上側移行部3aを移行しながら、その途中において、前記横移送装置2の押板23が上側移行部2aを横方向(図9では右方向)に移動して基板37に設けたローラ37aに当接する。
【0042】
これにより食品係止板38が竹輪7の端面(左端面)に係合して横方向(図9では右方向)に移動するもので、このとき串棒8は串保持装置4によって横方向への移動が規制されているため、竹輪7を串棒8から引き抜くことができる。
この第2実施例において、その他の構成及び作用は前記第1実施例と同様である。
【0043】
引き抜いた竹輪7は、基板37上に載置され、縦移送装置3の後端部において排出コンベヤ91上に取り下される。
又、串棒8は、縦移送装置3後端部において、串保持装置4のローラ45,45間に前記板部材46と同様の板部材46aが入り込むことで串保持装置4による保持が解除され、串棒搬送コンベヤ92上に取り下される。
【0044】
次に、図11は本発明の請求項4に対応した第3実施例の串抜装置の動作を説明するための斜視図である。
【0045】
第3実施例の串抜装置1は、串棒として一端にフランジ80が形成された鍔付串棒8aを用い、この串棒8aに筒状食品として2個の竹輪7,7を付着させた串付竹輪を串抜きの対象とし、この竹輪7から串棒8aを引き抜く構造になっている。
【0046】
この場合、前記第1実施例で用いた串保持装置4の代わりに串棒8aのフランジ80に着脱可能に係合する串係止板6が設けられ、この串係止板6がレール枠34に設けたスライドレール36内に横方向に移動可能に設けられている。
【0047】
従って、縦移送装置3に乗り移った串付竹輪を載置させたレール枠34が縦移送装置3の上側移行部3aを移行する途中において横移送装置2の上側移行部2aを横方向に移動する押板23が前記串係止板6に設けたローラ60に当接する。
【0048】
これにより串係止板6が串棒8aに形成したフランジ80に係合して横方向に移動するもので、このとき竹輪7は食品規制板35によって横方向への移動が規制されているため、串棒8aを竹輪7から引き抜くことができる。
この第3実施例において、その他の構成及び作用は前記第1実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】請求項1に対応した第1実施例の串抜装置の平面図。
【図2】縦搬送装置を一部切欠した串抜装置の平面図。
【図3】串抜装置の横方向断面図。
【図4】串抜装置の縦方向断面図。
【図5】串抜装置の動作を説明するための斜視図。
【図6】串保持装置の動作を説明するための平面図。
【図7】他の串保持装置の動作を説明するための平面図。
【図8】請求項2に対応した第2実施例の串抜装置の平面図。
【図9】串抜装置の横方向断面図。
【図10】串抜装置の縦方向断面図。
【図11】請求項4に対応した第3実施例の串抜装置の動作を説明するための斜視図。
【符号の説明】
【0050】
1 串抜装置
2 横移送装置
23 押板
3 縦移送装置
34 レール枠
35 食品規制板
38 食品係止板
4 串保持装置
40 保持板
41 挿通溝
6 串係止板
7 竹輪
8 鍔無串棒
8a 鍔付串棒
80 フランジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒を着脱可能に保持させる串保持装置(4)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串保持装置により串棒を保持させた状態で、この串保持装置を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されていることを特徴とする串抜装置。
【請求項2】
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品を串棒から引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、串棒を着脱可能に保持して横方向移動を規制させる串保持装置(4)が固定されると共に、筒状食品に着脱可能に係合する食品係止板(38)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付き食品の串棒を前記串保持装置により保持させると共に、前記食品係止板を筒状食品に係合させた状態で、この食品係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品を串棒から引き抜くように形成されていることを特徴とする串抜き装置。
【請求項3】
前記串保持装置(4)は串棒(8)の挿通溝(41)が形成された保持板(40)を備え、前記挿通溝に挿通させた串棒に対して挿通溝の角部が当接するように前記保持板が傾斜動作して串棒を保持させるように形成されている請求項1又は2記載の串抜き装置。
【請求項4】
一端にフランジ(80)が形成された鍔付串棒(8a)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒のフランジに着脱可能に係合する串係止板(6)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串係止板を串棒のフランジに係合させた状態で、この串係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されていることを特徴とする串抜き装置。
【請求項1】
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒を着脱可能に保持させる串保持装置(4)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串保持装置により串棒を保持させた状態で、この串保持装置を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されていることを特徴とする串抜装置。
【請求項2】
ストレート状の鍔無串棒(8)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品を串棒から引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に、串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、串棒を着脱可能に保持して横方向移動を規制させる串保持装置(4)が固定されると共に、筒状食品に着脱可能に係合する食品係止板(38)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付き食品の串棒を前記串保持装置により保持させると共に、前記食品係止板を筒状食品に係合させた状態で、この食品係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品を串棒から引き抜くように形成されていることを特徴とする串抜き装置。
【請求項3】
前記串保持装置(4)は串棒(8)の挿通溝(41)が形成された保持板(40)を備え、前記挿通溝に挿通させた串棒に対して挿通溝の角部が当接するように前記保持板が傾斜動作して串棒を保持させるように形成されている請求項1又は2記載の串抜き装置。
【請求項4】
一端にフランジ(80)が形成された鍔付串棒(8a)に筒状食品を付着させた串付食品を串抜きの対象とし、筒状食品から串棒を引き抜くための串抜装置であって、
串棒の軸方向を横方向とし、串棒の軸方向と直交する方向を縦方向とし、前記横方向に移動する横移送装置(2)と、前記縦方向に移動する縦移送装置(3)とを備え、
前記縦移送装置に串棒の軸方向を横方向として一定間隔毎に前記串付食品を載置させるレール枠(34)が設けられ、
前記レール枠に、筒状食品の横方向への移動を規制させる食品規制板(35)が固定されると共に、串棒のフランジに着脱可能に係合する串係止板(6)が横方向に移動可能に設けられ、
前記横移送装置には横方向に一定間隔で押板(23)が取り付けられ、
前記縦移送装置のレール枠上に載置されて縦方向に移動する串付食品の筒状食品を前記食品規制板に当接させると共に、前記串係止板を串棒のフランジに係合させた状態で、この串係止板を前記横移送装置の押板によって横方向に移動させることにより筒状食品から串棒を引き抜くように形成されていることを特徴とする串抜き装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−112221(P2009−112221A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287189(P2007−287189)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000138288)株式会社ヤナギヤ (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000138288)株式会社ヤナギヤ (15)
【Fターム(参考)】
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