説明

丸ビレット鋳片の連続鋳造方法及び継目無パイプの製造方法

【課題】γ単相凝固の、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは高合金鋼の丸ビレットを用いた継目無パイプの製管において、直接パイプ製管圧延を実施してもパイプ外面疵の少ない丸ビレット鋳片の供給を可能とする。
【解決手段】γ単相凝固の、20.0質量%以上のNiを含有するステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼を、直径が360mm以下の丸断面ビレット鋳型4に鋳込んで丸ビレット鋳片9を連続鋳造する。該丸ビレット鋳片9の中心固相率が0.6以上、1.0以下の連続鋳造機内の位置にて、ビレット鋳型直径に対して5%以上の圧下歪を加えることで、内部割れを防止しつつ、鋳片表層30mm以内の結晶粒径を220μm以下とする。
【効果】連続鋳造した丸ビレット鋳片を直接熱間押出し或いは熱間穿孔圧延等を行っても外面疵の少ない継目無パイプを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、γ単相凝固の、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは高合金鋼の丸ビレット鋳片の連続鋳造方法、及びこの丸ビレット鋳片を使用した継目無パイプの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、丸ビレットを用いた継目無パイプの製造において、連続鋳造時に丸ビレット鋳片の表層部に加工歪を加えて再結晶させることで、パイプ外面表層部に発生し易い割れの低減を可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
継目無パイプは、連続鋳造した鋳片を分塊圧延して丸ビレットにしたものか、連続鋳造した丸ビレット鋳片を、マンネスマン穿孔又は押出し穿孔等を行って中空素管とした後、プラグミル、マンドレルミル等の圧延機により延伸、定径化して製品とする。
【0003】
上記工程において、連続鋳造法で丸ビレットを製造し、鋳片分塊工程を経ることなく、直接熱間押出し又は熱間穿孔圧延等により継目無パイプを製造する場合、ステンレス鋼を鋳造したままの鋳片では、粗大な柱状晶組織によりパイプの表面肌が劣化する。
【0004】
この傾向は、Niを含有しないCr系ステンレス鋼よりNiを含有する2相ステンレス鋼、或いは合金元素含有量の高い高合金鋼において顕著である。Ni含有量の高いステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼は、γ単相凝固組織であるため、凝固組織のままであると結晶粒径が大きく、加工時において加工応力が粒界近傍に集中し易く、割れが発生するためと考えられていた。
【0005】
そこで、従来は、パイプ製造前に、ステンレス鋼ビレットの組織微細化を目的に、圧延等により鋳片を加工し、組織を再結晶させる方法が一般的となっている。
【0006】
しかしながら、従来方法では、パイプ加工前に加熱工程および分塊圧延工程が必要であり、生産工期の長期化、および工程増によるコストアップと歩留り低下が問題となっていた。
【0007】
ステンレス鋼の丸ビレットを製造する方法に関しては、例えば特許文献1〜4に開示された技術がある。
【0008】
このうち、特許文献1は、内部が凝固完了前である固相率0.5〜0.9の位置で未凝固厚さの50〜100%を圧下して中心部を負偏析となした鋳片を加熱した後、熱間圧延して得たビレットの穿孔による造管時にδフェライトの生成を抑制してパイプの内面疵発生を防止するものである。しかしながら、この特許文献1で開示された技術は、Cr: 8〜18質量%、Ni:2.5質量%以下を含有するCr系ステンレス鋼を対象とするものであるため、本願発明で対象としているNi含有ステンレス鋼や高合金鋼に適用することは出来ない。
【0009】
また、特許文献2は、丸ビレットを製造するための角鋳片の鋳造鋳型について規定した技術であるため、本願発明で対象としている丸ビレット鋳片を鋳造する際に適用する技術ではない。
【0010】
また、特許文献3は、連続鋳造時における冷却水の水量密度を制御することにより丸ビレット鋳片を使用して製造した継目無パイプの内質面の疵を低減する方法に関する技術であるため、本願発明が課題とする外表面での疵低減方法として適用することは出来ない。
【0011】
また、特許文献4は、鋳造後の冷却方法と加熱方法を規定することで、フェライト系ステンレス鋼の凝固後の鋳片表面の引張応力や、マルテンサイト系ステンレス鋼のマルテンサイト変態に伴う変態応力を起因とする表面割れを防止する技術である。従って、本願発明で対象とするγ単相凝固であるオーステナイト系ステンレス鋼や高合金鋼で変態のない鋼種に適用することは出来ない。
【0012】
一方、特許文献5及び6では、凝固完了後の連続鋳造鋳片を所定長さに切断した後、鋳片に加工を加えて丸ビレットにする方法を提案しているが、凝固後の圧下のため内部割れ改善には結びつかず、また、連続鋳造機の直後に新たな圧延設備が必要であるため設備投資費用及び設置場所が必要である。
【0013】
また、特許文献7では、連続鋳造中の鋳片の凝固完了点近傍に設置したロールで鋳片を楕円状に圧下する方法を提案しているが、圧下するロール形状が鞍型ロールであることから、本願が対象とする丸断面や、角断面の鋳型を有する連続鋳造への適用が出来ない。
【0014】
また、特許文献8では、Crを7〜16質量%含有するビレット或いは7質量%以下のNiを含有するビレット等において、圧延工程を経ることなくマンネスマン穿孔を行う場合に、成分式を満足するビレット加熱温度を提案している。しかしながら、本願発明で対象とするNi含有量の高いステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼では、γ単相凝固組織であるために凝固組織のままであると結晶粒径が大きく、マンネスマン穿孔時において粒界近傍で割れが発生するため適用が出来ない。
【0015】
また、これら特許文献5〜8は、鋳片の中心欠陥を改善する方法についての提案である。しかも、これらの方法には、γ単相凝固である、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼に関する継目無パイプ用丸ビレットの連続鋳造方法における結晶粒の微細化方法の知見がなく、パイプ製管工程前に連続鋳造した鋳片の分塊ビレットへの加工工程が必要となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平4−305350号公報
【特許文献2】特公平4−57401号公報
【特許文献3】特開平10−128510号公報
【特許文献4】特許第3661460号公報
【特許文献5】特許第3533831号公報
【特許文献6】特許第3533834号公報
【特許文献7】特許第3646417号公報
【特許文献8】特許第3460608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする問題点は、従来方法は、γ単相凝固である、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼に関する継目無パイプ用丸ビレットの連続鋳造方法における結晶粒の微細化方法の知見がなく、パイプ製管工程前に連続鋳造した鋳片の分塊ビレットへの加工工程が必要であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の丸ビレット鋳片の連続鋳造方法は、
γ単相凝固の、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは高合金鋼の丸ビレットを用いた継目無パイプの製管において、直接パイプ製管圧延を実施してもパイプ外面疵の少ない丸ビレット鋳片の供給を可能とするために、
γ単相凝固の、20.0質量%以上のNiを含有するステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼を、直径が360mm以下の丸断面ビレット鋳型に鋳込んで丸ビレット鋳片を連続鋳造し、該丸ビレット鋳片の中心固相率が0.6以上、1.0以下の連続鋳造機内の位置にて、ビレット鋳型直径に対して5%以上の圧下歪を加えることで、内部割れを防止しつつ、鋳片表層30mm以内の結晶粒径を220μm以下とすることを最も主要な特徴としている。
【0019】
上記の本発明では、内部割れを防止しつつ、鋳片表層の結晶粒を微細化することにより、連続鋳造した丸ビレット鋳片を直接熱間押出し或いは熱間穿孔圧延等を行っても外面疵の少ない継目無パイプを製造することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、γ単相凝固の、20.0質量%以上のNiを含有するステンレス鋼或いは高合金鋼を連続鋳造した丸ビレット鋳片を、直接熱間押出し或いは熱間穿孔圧延等を行うことで、外面疵の少ない継目無パイプを製造することが可能となる。
【0021】
その際、連続鋳造で得られた丸ビレット鋳片を直接熱間押出し或いは熱間穿孔圧延等を行って継目無パイプを製造でき、表層組織微細化に要する分塊圧延工程を省略できるので、生産工期の短縮、及びエネルギー、作業費低減、歩留り向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】丸ビレット鋳片の連続鋳造設備を側面方向から見た縦断面の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の条件で連続鋳造した丸ビレット鋳片の横断面の圧下模式図であり、(a)は鋳造後の圧下前、(b)は鋳造後の圧下後、(c)は成形後を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、γ単相凝固の、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは高合金鋼の丸ビレットを用いた継目無パイプの製管において、直接パイプ製管圧延を実施してもパイプ外面疵の少ない丸ビレット鋳片の供給を可能とすることを目的とするものである。
【0024】
そして、前記目的を、直径が360mm以下の丸断面ビレット鋳型に鋳込んで丸ビレット鋳片を連続鋳造し、該丸ビレット鋳片の中心固相率が0.6以上、1.0以下の連続鋳造機内の位置にて、ビレット鋳型直径に対して5%以上の圧下歪を加えることで実現した。
【実施例】
【0025】
以下、本発明について、添付図面を用いて説明する。
先ず、本発明の新しい着想から課題解決に至るまでの経過について説明する。
【0026】
γ単相凝固である、Ni含有量の高いステンレス鋼或いは高合金鋼において、発明者らが鋳片表層下の組織について鋭意調査した結果、結晶粒が粗大であると継目無パイプ外面の疵の原因となるということを知見した。
【0027】
そこで、発明者らは、内部割れを防止しつつ、鋳片表層の結晶粒を微細化すれば、連続鋳造した丸ビレット鋳片を直接熱間押出し或いは熱間穿孔圧延等しても外面疵の少ない継目無パイプを製造することができると考え、以下の実験を行った。
【0028】
実験は、パイプ用素材として用いられる丸ビレット鋳片を連続鋳造することにより行った。図1は、実験に使用した丸ビレット鋳片の連続鋳造設備を側面方向から見た縦断面の概略構成を示す図である。
【0029】
図1に示すように、連続鋳造設備は、タンディッシュ1、浸漬ノズル3、鋳型4、その直下の鋳造用ロール5群、同じく二次冷却スプレー帯6、およびピンチロール8を備えている。
【0030】
通常の連続鋳造では、取鍋(図1では図示していない)からタンディッシュ1に注がれた溶鋼2が浸漬ノズル3を介して鋳型4に注湯される。鋳型4に注湯された溶鋼2は、ピンチロール8の回転駆動により鋳造用ロール5群に沿って引き抜かれながら、二次冷却スプレー帯6で冷却されて凝固シェル7が進行し、丸ビレット鋳片9が製造される。
【0031】
この時の丸ビレット鋳片9に対するピンチロール8の圧下力(または保持力)は、鋳片自体の自重落下及び湾曲して引抜かれてきた丸ビレット鋳片9を真直ぐに矯正するに際して、必要最小限の圧下量にて丸ビレット鋳片9を保持するもので、この圧下力に設定された引抜き速度にて回転駆動される。
【0032】
発明者らは、ピンチロール8による丸ビレット鋳片9に対する圧下量を、鋳型4の直径に対し圧下歪が5%以上となる圧下を与えながら丸ビレット鋳片9の引抜きを行うことにより鋳片表層30mm以内の結晶粒径組織を再結晶させ、微細化させた。
【0033】
その際、発明者らによる鋭意調査の結果、中心固相率が0.6以上、1.0以下の位置で圧下をした場合に、圧下による歪の内部への進行が抑制され、表層部への圧下応力となって圧下を付与した部位以外の周方向へも結晶粒微細化することが判明した。
【0034】
そこで、実験では、前記圧下位置は、丸ビレット鋳片9の中心固相率が0.6以上、1.0以下となる位置で、圧下後の鋳片表面温度が700℃以上となるように引抜き速度を調整して実施した。
【0035】
図2は、上記条件で連続鋳造した丸ビレット鋳片9の、横断面の圧下模式図を示したものである。丸断面の鋳型4にて連続鋳造した丸ビレット鋳片9(図2(a))は、中心固相率が0.6以上、1.0以下の位置にて、ピンチロール8によって上部より丸ビレット鋳片9の直径に対し、圧下歪が5%以上の圧下量を加える(図2(b))。
【0036】
その後、楕円状に変形した丸ビレット鋳片9を、整形工程での整形ロールにおいて円形に圧延整形した後(図2(c))、継目無パイプ用の素材とする。なお、このときの成型工程での加工は、楕円から円形への成形加工だけで、従来技術の問題点で説明した微細化のための「分塊ビレットへの加工工程」ではない。
【0037】
下記表1に、上記条件で連続鋳造した実施例1〜5と、上記条件を外れた比較例6〜10の鋳造条件、及び鋳片圧下条件と圧延前の丸ビレット鋳片の表層30mm以内の結晶粒径と丸ビレット鋳片、製管成績を示す。連続鋳造したステンレス鋼のNi含有量は、20.1〜59.8質量%の範囲の溶鋼を使用した。連続鋳造試験は、鋳型直径が225mm〜360mmの範囲として実施した。
【0038】
【表1】

【0039】
表1中の結晶粒径は、鋳片中心から外径表層に対して鉛直方向で10mmピッチにて深さ30mmまで採取した後、観察面を酸洗し、光学顕微鏡にて測定した値である。
【0040】
また、表1における連続鋳造の圧下時における中心固相率は、連続鋳造時の引抜き速度を調整し、圧下歪を変化させた条件で実施した。連続鋳造した丸ビレット鋳片は、それぞれ分塊工程での整形圧延或いは外削による整形を行った後、ユジーン製管圧延とマンネスマン製管圧延を実施した。表1中の「圧延整形の有無」はこれを意味する。
【0041】
丸ビレット鋳片の品質における内部割れは、丸ビレット鋳片を横断面方向に切断したサンプル板を染色浸透探傷検査(ダイ・チェック (dye check))で評価し、内部割れ幅が5mm以上のものを内部割れ有りと断定した。
【0042】
また、製管成績は、4.5m〜14.0mにパイプ製管した後のパイプ外面及び内面を目視観察し、疵発生率(疵発生本数/検査パイプ全本数)が2%以下のものを○、2%を超えるものを×とした。
【0043】
表1より、実施例1〜5では、丸ビレット鋳片の内部割れもなく、良好な製管成績が得られていることが分かる。一方、比較例6〜9のうち、中心固相率が0.6未満で圧下した比較例7,9は、丸ビレット鋳片に内部割れが発生し、製管成績でも疵が残留した。また、中心固相率が0.6以上であっても、圧下歪が5%未満の比較例6,8は、丸ビレット鋳片の内部割れはないものの、パイプ外面に熱間加工性の疵が発生した。
【0044】
表1の結果より、上記の条件で連続鋳造すれば、連続鋳造した丸ビレット鋳片を直接熱間押出し(ユジーン・セジュルネ製管)、或いは、熱間穿孔圧延(マンネスマン製管)等による継目無パイプを製造しても外面疵の少ない丸ビレット鋳片の供給が可能であることが分かる。
【0045】
また、発明者らは、上記の実施結果以外でも、継目無パイプ用素材として用いられる、20.0質量%以上のNiを含有するγ単相凝固のステンレス鋼や高合金鋼であれば、同様の効果を得ることを確認している。
【0046】
本発明の丸ビレット鋳片の連続鋳造方法は、上記実験の結果より得られた知見を基に成立したものである。
【0047】
すなわち、本発明の丸ビレット鋳片の連続鋳造方法は、γ単相凝固の、20.0質量%以上のNiを含有するステンレス鋼或いは合金元素の含有量の多い高合金鋼を、直径が360mm以下の丸断面ビレット鋳型に鋳込んで丸ビレット鋳片を連続鋳造する。
【0048】
そして、該丸ビレット鋳片の中心固相率が0.6以上、1.0以下の連続鋳造機内の位置にて、ビレット鋳型直径に対して5%以上の圧下歪を加えることで、内部割れを防止しつつ、鋳片表層30mm以内の結晶粒径を220μm以下とするのである。
【0049】
本発明の丸ビレット鋳片の連続鋳造方法において、使用する丸断面ビレット鋳型の直径を360mm以下とするのは、本願で対象とする変形抵抗の大きなNi含有量の高いステンレス鋼或いは高合金鋼の場合、必要とする圧下力が大きくなって既設の設備で対応が出来ないからである。また、新たな設備投資費が増加するためである。
【0050】
本発明で、対象とするステンレス鋼のNi含有量を20.0質量%以上としたのは、γ単相凝固組織を得るためには20.0質量%以上のNi含有量が必要であるためである。
【0051】
また、本発明では、中心部に未凝固部が存在する丸ビレット鋳片を圧下した際に内部割れが発生することを防止するために、丸ビレット鋳片の中心固相率が0.6以上、1.0以下の連続鋳造機内の位置で丸ビレット鋳片を圧下することとした。
【0052】
さらに、本発明では、前記実施例において、内部割れを防止しつつ、鋳片表層30mm以内の結晶粒径を220μm以下とできた場合に加えたビレット鋳型直径に対する圧下歪が5.0%であったことから、5.0%以上と規定した。
【0053】
上記本発明方法で連続鋳造した丸ビレット鋳片を、圧延により所定の丸ビレット鋳片に整形すれば、直接パイプ製管圧延が可能となる丸ビレット鋳片とするのに有効である。
【0054】
圧下した丸ビレット鋳片を整形工程における整形ロールによる圧延で所定の丸ビレット鋳片に整形する方法は、連続鋳造機の下流側、もしくは所定の長さにビレット鋳片を切断した後のいずれかでもよい。
【0055】
上記の本発明方法で連続鋳造した丸ビレット鋳片は、直接熱間押出し或いは熱間穿孔圧延等を行って継目無パイプを製造しても、パイプ外面疵の少ない継目無パイプを得ることができる。
【0056】
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
2 溶鋼
4 鋳型
8 ピンチロール
9 丸ビレット鋳片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ単相凝固の、20.0質量%以上のNiを含有するステンレス鋼或いは合金元素含有量の高い高合金鋼を、直径が360mm以下の丸断面ビレット鋳型に鋳込んで丸ビレット鋳片を連続鋳造し、該丸ビレット鋳片の中心固相率が0.6以上、1.0以下の連続鋳造機内の位置にて、ビレット鋳型直径に対して5%以上の圧下歪を加えることで、内部割れを防止しつつ、鋳片表層30mm以内の結晶粒径を220μm以下とすることを特徴とする丸ビレット鋳片の連続鋳造方法。
【請求項2】
前記丸ビレット鋳片を、圧延により所定の丸ビレット鋳片に整形することを特徴とする請求項1に記載の丸ビレット鋳片の連続鋳造方法。
【請求項3】
前記丸ビレット鋳片を用いて継目無パイプを製造することを特徴とする請求項1又は2に記載の継目無パイプの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−43217(P2013−43217A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183804(P2011−183804)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】