乗員サポートシステム
ユーザの安全性、利便性、及び快適性のうちの一つ以上を支援するヒューマンサポートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許出願第11/639088号(一部継続出願)、第60/928040号、第60/962077号、第60/960067号、第60/960620号(2007年12月17日に出願された仮特許出願)を参照により本書に援用する。
【0002】
図面群は、複数の乗員サポートシステムの実施例を示し、それらの多くは、特に動的荷重条件の下で乗り物における安全性及び実用性を提供する。本発明の重要な特性は、その乗員サポートにおけるその乗員の慣性荷重が、その乗員を安定させ且つその乗員を保護するためにその乗員サポートに新しい向きを与える点にある。それはまた通常、その乗員のサポートのためのより大きな表面積の配置を促進し、それにより、その乗員の表面における局部荷重を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】通常条件下でフラットベッド位置であるエアスリーパーの実施例を示す。
【図2】通常条件下でフラットベッド位置であるエアスリーパーの実施例を示す。
【図3】リクライニング位置である。
【図4】リクライニング位置の際の衝撃状態を示す。
【図5】リクライニング位置の際の衝撃状態を示す。
【図6】明確化のために除外されていたいくつかの要素を示す。
【図7】明確化のために除外されていたいくつかの要素を示す。
【図8】ダイナミックチャイルドシートの図を示す。
【図9】ダイナミックチャイルドシートの図を示す。
【図10】アウターシェルのないダイナミックチャイルドシートの図を示す。
【図11】ダイナミックチャイルドシートの荷重下の動きを図解する。
【図12】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図12A】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図13】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図14】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図15】横方向のスプリングダンパ又はショックアブソーバの実施例であるフレックスプレートを示す。
【図16】横方向のスプリングダンパ又はショックアブソーバの実施例であるフレックスプレートを示す。
【図17】可動インナーシェル上のスライドプレート、及び、インナーシェルに取り付けられるスライドの位置を示す。
【図18】インナーシェル上のスライドプレートを示す。
【図19】前面衝突に対するいくつかの実施例の配置を示す。
【図20】図7〜図10の実施例に関連する特徴を示す。
【図21】子供の質量中心の位置に起因する結合を無効にし、且つサポート群に関連してサポートするのに必要な傾斜を有する圧縮ショックアブソーバ群をその背部に備えた、更に別の実施例を示す底面図である。
【図22】子供の質量中心の位置に起因する結合を無効にし、且つサポート群に関連してサポートするのに必要な傾斜を有する圧縮ショックアブソーバ群をその背部に備えた、更に別の実施例を示す背面図である。
【図23】その背部における、図21及び図22におけるような圧縮ショックアブソーバの代わりの、傾斜を有する伸長ショックアブソーバ群を示す底面図である。
【図24】その背部における、図21及び図22におけるような圧縮ショックアブソーバの代わりの、傾斜を有する伸長ショックアブソーバ群を示す背面図である。
【図25】図21及び図22における圧縮ショックアブソーバの実装を示す。
【図26】前面衝突に対するバンジースリングの実施例(衝撃吸収要素を備えた追加的な接続手段)を示す。
【図27】乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【図28】乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【図29】乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【図35】ダイナミックチャイルドシートの実施例を示す。
【図36】印が付けられたテザー取り付け具を備えたダイナミックチャイルドシートの実施例を示す。
【図37】ダイナミックチャイルドシートのフレームを示す。
【図38】側面衝突に続くそのフレームの回転の際に、そのスプリングダンパアセンブリのための反応面を提供する上部チャネルの端部を示す。
【図39】テザーサポートの延長である金属強化材のための空洞を示す。
【図40】ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドレスト高さ調節アームを示す。
【図41】ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドアセンブリサポートストークを示す。
【図42】ダイナミックチャイルドシートのシートシェルアセンブリを示す。
【図43】ダイナミックチャイルドシートのベースを示す。
【図44】ダイナミックチャイルドシートのベースを示す。
【図45】ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリを示す。
【図46】ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリを示す。
【図47】ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングを示す。
【図48】ダイナミックチャイルドシートのバンジースロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[エアスリーパーの実施例―航空機及び宇宙船]
図1及び図2は、通常条件下でフラットベッド位置であるエアスリーパーの実施例を示す。図3は、リクライニング位置である。図4及び図5は、リクライニング位置の際の衝撃状態を示す。
【0005】
以下のキーは、このエアスリーパーの実施例における部品を説明する。
【0006】
A:ヘッドレスト取り付けレール。このレールは、そのシートの上部セクションが上方にスライドするとそのヘッドレストがその乗員の頭に近づくように、傾斜している。それにより、サポートを提供すべくその頭に隣接してそのヘッドレストを位置付けるためのそのヘッドレストの細かな位置調節が可能となる。一方で、その乗員が横になると、そのヘッドレストは、そのスリーパー面の縁のところに来るように、その傾斜レールに沿ってスライドする。ショックアブソーバ群が、そのスリーパーの位置を説明するためにそれらの抵抗パラメータに適応されてもよい。
【0007】
B:ヘッドレスト。そのヘッドレストは、乗り物が減速する場合に、乗員の頭に対して横向きに移動できるショックアブソーバ群の上にある。それらショックアブソーバ群は、線形であってもよく、回転式であってもよく、或いは、その両方であってもよい。それらショックアブソーバ群は、実施例によっては、傾斜したレール上に取り付けられ、その乗員が横になっているときにそのヘッドレストがそのスリーパーの側部にあるようにし、一方で、その乗員が真っ直ぐに座っているときに、その頭にサポートを提供し且つその頭に隣接するようにする。当然ながら、そのショックアブソーバ及びその取り付けレールの位置にかかわらず、そのヘッドレストの表面の動きを許容する位置調節手段があってもよい。
【0008】
C:エアスリーパーの縁の下にあるエアスリーパーの縁に沿ったサポートレールであり、その航空機の動きに関してそのエアスリーパーの後方となるよう位置付けられるサポートレール。
【0009】
D:そのエアスリーパーの下部セクション。フラット位置において水平となる。
【0010】
E:そのエアスリーパーの中央セクション。著しい減速のときにその乗員をサポートするサイドウイングを有する。
【0011】
F:娯楽用スクリーン。使用しないときに折り畳まれ得るようその中央セクションのサイドウイングに取り付けられ得る。そのエアスリーパーの力学は、その航空機の減速のときにその乗員がそのスクリーンで頭をぶつけることがないようになっている。そのスクリーンは、実施例によっては、その中央セクションのサイドウイング内に折り畳まれてもよい。また、そのスクリーンは、そのエアスリーパーに直交する位置を超えた前方への回転を防止するよう回転止めを有していてもよい。
【0012】
G:クロススライド。この実施例では、(その乗員の)右側でそのエアスリーパーの中央セクションをサポートする。
【0013】
H:上半身側部サポート。
【0014】
I:そのスクリーンの旋回軸サポート。急減速のときにその展開された視聴位置にあるスクリーンのサポートが切り離され、そのスクリーンがこの旋回軸上で回り、それにより、その乗員から遠ざかるように動くことを保証する。
【0015】
J:テレスコーピングサポートレール(それらの穴を通じてその乗員の軸方向に延在するが明確化のため図示されていない)。そのスリーパーをその真っ直ぐに立った位置から平坦にするため或いはその逆を行うためにその軸に沿って動くクロススライド群をサポートする。そのテレスコーピング動作は、そのエアスリーパーの下部セクション及びその乗員の脚がその航空機の減速のときに横に動くのを妨げるそのレールを引っ込める。Jiは、テレスコーピングサポートレールJのテレスコーピングセクションであり、スライダQがそのエアスリーパーの頭の方にスライドするときに引っ込められる。その引き込みは、そのフットレスト及びその乗員の脚がそのレールJと接触することなくその側方に揺動できることを保証するのに十分となるよう設計される。
【0016】
Qは、そのレールJ上をスライドする二つのクロススライドの端部に取り付けられるスライダを示す。
【0017】
図6及び図7は、明確化のために除外されていた(しかしながら、それらの位置に留置された識別子がそれらの位置を明らかにしている。)いくつかの要素を示す。
【0018】
ダブルスライダは、そのエアスリーパーのフレームの一部であるサポートスライドL及びMに取り付けられている。そのダブルスライダの他端は、そのエアスリーパーが姿勢を変えるときに、水平レールN上をスライドする。同様に、スライダPは、そのエアスリーパーにおける慣性荷重の際に、クロススライドG上をスライドする。それらスライドG自身は、その乗員が姿勢を変えるときに、それらの端部で、レールC及びレールJ上をスライドする。スライダRは、そのエアスリーパーのバックレストの上端に取り付けられ、そのエアスリーパーのフレームの一部であるスライドS上をスライドする。
[ダイナミックチャイルドシートの実施例]
図8及び図9は、それぞれ異なる図を示し、図10は、アウターシェルのない図を示す。図11は、荷重下の動きを図解する。
【0019】
1A:上部ショックアブソーバと下部ショックアブソーバとの間の断面差を示す。その幅は、むち打ち、後方衝突、又は、加速度荷重をシート内で受けるための剛性を示す(それらは、異なる材料又は構造であってもよい。)。
【0020】
1B:前部ショックアブソーバと後部ショックアブソーバとの間の断面差を示す。その幅は、側面衝突荷重を受けるための剛性を示す(それらは、異なる材料又は構造であってもよい。)。
【0021】
特に、加速方向に対して実質的に横向きに配置されたスリーパーの場合のフラット位置では、“側面”がその乗員に関する配置を参照するところでは、“側面”衝突、又は加速度荷重に関して同じ原理が保持される。
【0022】
1C:シート又はスリーパーの背部における幅狭セクション又はより柔らかいショックアブソーバの実施例。
1D:体に隣接するインナーシェル。ショックアブソーバが変形すると動く。耐貫通材料であってもよい。
1E:シートの前部におけるより幅広のセクション又はより硬いショックアブソーバの実施例。
1F−アウターシェル。そのインナーシェルのための垂直サポートを提供するための底部を有する。多くの実施例は、インナーシェルとアウターシェルとをスライド可能に、その底部で直接的に或いはショックアブソーバ群を通じて、取り付ける。そのアウターシェルは、剛体であってもよく、荷重に応じた制御された変形を呈してもよい。
図12、図12A、図13、及び図14は、ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。これは、一対のヘッドパッドとサポート構造とを含む。
そのシートが前向きに或いは後ろ向きに位置付けられる乗り物における側面衝突の際にそれらヘッドパッドに大きな横力が掛かることを考えると、かなりの強度が必要である。背景技術における今までの設計は、静的な幅広の構造を用いている。そのような構造は、その乗員である子供の視界及び聞くことを妨げ、更に、静的であるので、その内面に配置されたパッドの程度までしか変形できない。対照的に、本発明は、ほとんどの場合、その子供の目の高さより低くなるように位置付けられる幅狭のヘッドレストサポートを有し、それにより、図示されるように視界の妨げとなるものを極小化するよう、そのヘッドパッドが設計され得るので、その乗員サポートからの妥協のない視界を可能にする。更に、その構造はまた、その子供が座っている間のその子供の聞き損ねを極小化するために、そのヘッドパッドが穴を有することを可能にする。
【0023】
衝撃の際にその部材に掛かるせん断負荷をサポートできる幅広の断面のために、目立たないヘッドレストサポートが実現可能である。これは、今までの全ての設計に対して対照的である。
それらヘッドバッド及びヘッドレストサポートは、側面衝突の際にそのヘッドレストサポートの方にそのパッドが動けるよう、これらの図面で示され得るように設計される。図示されるそのような動きは、その頭を安定させ且つ別の表面に当たろうとその頭が飛び出すことを防止すべく内方に回転するパッドをもたらす。多くの実施例におけるそれらヘッドパッドとそのヘッドレストサポートとの間の領域は、スプリングダンパ構造を有する。それら実施例のうちのいくつかでは、これは、収縮する発泡体パッドの形を取る。それらヘッドパッドの前部は、旋回させられてもよく、或いは単にそのヘッドレストサポートによって比較的堅固にサポートされるだけでもよい。
最後に、そのヘッドレストサポートは、そのシートが、衝突の際にその頭をより良好に受けるべく限定的な傾斜を許容する場合、その背部に旋回サポートを有していてもよい。そうでなければ、そのヘッドレストサポートは、その背部で、その乗員サポート(この場合チャイルドシートである。)に対して堅固に取り付けられる。
【0024】
2A:それらヘッドパッドとヘッドパッドサポートの側部との間の空間を示す。そのヘッドパッドサポートは、発泡体、又は、それらパッドがそのサポートの凹み内に後退できるようにし、それによってその頭を回転させ且つ安定させる、スプリングダンパ特性を持つ他の圧縮性の衝撃吸収材料を有していてもよい。図12Aは、その動きを示す。
【0025】
2B:その横力に抵抗するためのそのサポートの幅広プロファイルを示す。更に、この幅広サポートは、その子供の視界及び聞くことを妨げ得る背の高いサポートの必要性を低減させる。構造的に、その幅広サポートは、そのサポートの質量及びその材料の重さの点でより効果的であり、それ故に、より軽いヘッドサポートをもたらす。
【0026】
2C:ヘッドパッドを示す。通常、コンフォートフォーム又はエアサポートのための空気圧式空気袋で覆われている。
【0027】
2D:そのヘッドパッドの前縁に向かうそのヘッドパッドの旋回サポート又はより堅いサポートである。
【0028】
2E:ヘッドパッドでの聞き損ねを低減させる穴。特に、それらヘッドパッドは、そのヘッドパッドサポートによってサポートされ、それ故に構造強度における決定的な必要条件を有さないので、薄くなるように製造され得る。そのヘッドパッドとそのサポートとの間の空間は、音の伝達を許容する。
【0029】
2F:そのヘッドパッドの上縁。視界の妨げとなるものを極小化するためにその乗員の目の下となるように形成される。
以下の図面は、その乗員のための可動インナーシェルの動きを制御するための代替的な実施例を示す。
【0030】
図15及び図16は、横方向のスプリングダンパ又はショックアブソーバの実施例である“フレックスプレート”を示す。
【0031】
それらは、側面衝突の際に、その可動インナーシェルからのエネルギーを吸収するために曲がるよう設計される。それらフレックスプレートは、その一端において、そのアウターシェル(この実施例では、そのアウターシェルの骨組み)に堅く取り付けられ、また、その他端において、そのインナーシェルに堅く取り付けられるスライド上をスライドするスライダに取り付けられる。
【0032】
図面群は、その固定されたアウターシェル及びその可動インナーシェルにそれぞれ取り付けられる固定スライドプレート及び可動スライドプレートを示す。それらは、スライド動作を許容すべくそのシートの前端で旋回可能に取り付けられる。そのシートの前部での旋回は、側面衝突の際に、その頭、胸郭、及び骨盤の横変位を最大化すべく、そのシートが回転できるようにする。特に、それらスライドプレートは、そのシートにモーメントと横力とを適用し、それにより、そのシートの高さに沿ったフレックスプレートによって適用される力をバランスさせる。背景技術は、スライド装置を用いたこの必須の補償による前部ピボットを備えた実施例を有しない。
【0033】
図16は、インナーシェルに取り付けられるスライドA、B、C、Dを示す。これらは、そのシートが回転できるように、且つ、衝突荷重の際にそのシートが側方に動く場合にバックできるように、そのフレックスプレート上のそれらスライダと係合する。
【0034】
図16はまた、側面衝突の際に肩を安定させる肩支持具を示す。
【0035】
図17は、その可動インナーシェル上のスライドプレートを示し、また、そのインナーシェルに取り付けられるそれらスライドの位置を示す。
【0036】
図18は、そのインナーシェル上のスライドプレートを示す。
【0037】
特に、上述の図面群で示されるそれらスライドプレートは、前面衝突の場合に、そのピボットの回り(横軸の回り)で曲がり或いは撓むように設計され、それによって、そのシートのヘッドが前進できるようにする。
【0038】
2G:フレックスプレートを示す。それらは、スプリングダンパ特性を有する可撓性材料でできている。いくつかの実施例は、エネルギーを吸収するために、可撓性で変形する材料を有する複数の層を有し得る。それらフレックスプレートは、そのアウターシェルに堅く取り付けられ、そのインナーシェルにスライド可能に取り付けられる。
【0039】
2H:固定スライドプレートを示す。それら可動シェルは、その上でスライドする。
【0040】
2I:そのシートのピボット又は軸である。その荷重が実質的にそのピボット点の位置より上にあるので、この軸だけでは、そのシートの角運動をもたらすことはできない。そのピボットは、実施例によっては、ベアリングスリーブにおけるボルトとなり得る。
【0041】
2J:そのインナーシェルに堅く取り付けられるスライド群。
【0042】
2K:肩支持具
2L:それらフレックスプレートに取り付けられるスライダコンタクトサポート。
【0043】
2M:その固定シェル上にあるフレックスプレートのための剛体マウント。
【0044】
2N:その可動インナーシェル上にあるスライドプレート。
図19は、前面衝突に対するいくつかの実施例の配置を示す。そのチャイルドシート/乗員シートにおけるその子供の頭及び上半身のピーク加速度がより低いことが好適であることを考えると、“バンジースリング(Bunge sling)”は、前面衝突の際にエネルギーを吸収し且つピーク加速度を低減させるために曲がり或いは撓むように設計される。これは、それぞれのピボットの回りで曲がり或いは撓むスライドプレート群と共に、衝撃の際にそのシート並びにその子供の胸郭及び頭が前方に突出できるようにし、それによって、そのピーク加速度を低減させる。可撓性材料又は制振材によって取り付けられる可動インナーシェルを用いたそのような設計は、これが最初である。そのバンジースリングは、変形する材料から成る複数の層で作られていてもよく、スプリングダンパ特性のための適切な組み合わせを得るべく曲がるもので作られていてもよい。本書で述べられたように、他の実施例もまたそのバンジースリングを用いるようにしてもよい。
2P:固定アウターシェル。
2Q:可動インナーシェル。
2R:バンジースリング(衝突の場合に開かれる。)。
そのバンジースリングは、適切なスプリングダンパ特性を得るために、複数片の可撓性材料、塑性状態を超えて曲がる材料、又は、それらの組み合わせで作られていてもよい。
図20は、図7〜図10の実施例に関連する特徴を示す。ここで、“インナーシェルのためのサポート”は、発泡体のような柔らかい材料で作られていてもよいが、通常動作の際にはそのアウターシェルに対してそのインナーシェルをサポートし、衝突の際には必要に応じてそのインナーシェルが動けるように曲がり或いは分離されるように設計される。実施例によっては、それらサポートが分離され且つ倒れた場合にそのインナーシェルとそのアウターシェルとの間の空間をそれらサポートが促進できるように、それらサポートは、幅(w)よりも大きな長さ(l)を有し得る。
図21及び図22はそれぞれ、その子供の質量中心の位置に起因する結合を無効にし、且つそれらサポートに関連してサポートするのに必要な傾斜を有する圧縮ショックアブソーバ群をその背部に備えた、更に別の実施例を示す底面図及び背面図である。それはまた、その底部にスライド要素群を備えた接続手段と、少なくとも一つのピボット及び剛体要素又は衝撃吸収要素を備えた接続手段と、を示す。
同様に、図23及び図24は、その背部における、図21及び図22におけるような圧縮ショックアブソーバの代わりの、傾斜を有する伸長ショックアブソーバ群を示す。
【0045】
図25は、図21及び図22における圧縮ショックアブソーバの実装を示し、また、図26は、前面衝突に対するバンジースリングの実施例(衝撃吸収要素を備えた追加的な接続手段)を示す。
【0046】
3A:少なくとも一つのピボット端を有する接続手段、及び、それらの間にある剛体接続部又は衝撃吸収接続部。一端において可動インナーシェルに接続され、他端において固定アウターシェルに接続されている。これは、スプリング留めされたピボットの形を取ってもよく、或いは、単なるピボットの形を取ってもよい。
【0047】
3B:固定アウターシェルと可動インナーシェルとの間のスライド接触部。
【0048】
3C:アウターシェル又はフレーム。
【0049】
3D:インナーシェル。
【0050】
3E:可動インナーシェルに固定される後部スパイン。
【0051】
3F:固定アウターシェルに固定される後部スパイン。
【0052】
3G:圧縮ショックアブソーバ(スプリングダンパ)。
【0053】
3H:伸長ショックアブソーバ(スプリングダンパ)。
【0054】
3I:圧縮ショックアブソーバを固定アウターシェルに取り付けるブラケット。
【0055】
3J:圧縮ショックアブソーバを可動インナーシェルに取り付けるスパイン。
【0056】
3K:固定フレーム又はシェルに対するバンジースリングの接続部。
【0057】
3L:可動インナーシェルに対するバンジースリングの接続部。
図27〜図29は、乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【0058】
注釈は、その部品の動作及び用途を説明する。
【0059】
4A:前面衝突の際にそのシートが前進できるようにするバンジースリング。一方の側部がそのフレームにしっかりと取り付けられ、他方の側部が、図示されるように垂直推力ベアリングのサポートに取り付けられる。
【0060】
4B:可動シート
4C:ベアリングに固定された可動シートガイド上の反応面。その面は、その可動シートがスライドするときにその可動シートの限定的な垂直“リフト”が存在することを保証するために、スライドピンを受け入れる溝を有していてもよい。
【0061】
4D:側面衝突における(質量中心を通過する)慣性荷重のベクトルに近づくよう位置付けられるベアリング。
【0062】
4E:シート底部のスライド面。
【0063】
4F:後ろ向き配置を可能にする、背部にピボットを備えたベース。サポートフランジ(4M)は、そのシートの傾斜を変更するために様々なレベルに設定され得る。
【0064】
4G:固定シェル又はフレームのための横ピボット軸。
【0065】
4H:テザーループ
4I:ベアリング(4K)の動きを制御可能なスプリングダンパを備えたスロット。
【0066】
4J:衝撃時のパルス荷重を受けるためのスロット及びスプリング荷重を備えた垂直反応ベアリングサポート。
【0067】
4K:(可動シートの背部にある溝上を走る)ベアリング。
【0068】
4L:反応ベアリングをサポートする横支柱。
【0069】
4M:所要の角度の後ろ向き配置のためにベース上にあるギア(図示せず。)上の様々な位置でロックされ得るサポートフランジ。
図35は、ダイナミックチャイルドシートの実施例を示す。そのシートシェルの位置は、衝突の際のものであり、側面衝突方向から遠ざかるよう回転したものが示される。それはまた、そのベース上のフレーム、及び、横安定のためにそのフレームと係合するノッチの配置を示す。頭を横方向からサポートするピローパッドと後部ヘッドレストとは図示されていないが、そのシートシェルの回転させられた位置は、衝突状況において頭を安定させるそのヘッドアセンブリの左サイドアームを示している。
図36は、印が付けられたテザー取り付け具を備えたダイナミックチャイルドシートの実施例を示し、衝突回転軸の回りの回転を許容すべくそのシートシェル上のスライド面と係合する一以上のピンを備えたスライドバーを示す。(スプリング留めされ得る)それらピン群(図示せず。)は、そのシートシェルの垂直運動を制限する。それはまた、そのフレームを前部の両側でサポートする脚部対を示す。横方向バー(図示せず。)は、図示されるスロットと係合し、通常はそのベースに取り付けられる二つのタワーにおける複数のスロットの一つを解放すべくそのスロットの前に手動で前方に引っ張られ得るものが、そのスロットの後方の位置となるようスプリング留めされ、それによってそのフレームの前部の高さ、及び結果として得られる傾斜を変更する。また、そのピボットは、そのシートフレームを特に後ろ向きの位置に傾斜させるためのものである。
図37は、ダイナミックチャイルドシートのフレームを示す。図示される上部チャネル及び下部チャネルは、スプリングダンパアセンブリを、各側に一つ、収容する。
【0070】
そのスプリングダンパアセンブリをサポートする一方又は双方のチャネルの上縁は、より低い前縁を備えた僅かに傾斜する上面を有し、そのシートに取り付けられるピン又はフランジであってそのスプリングダンパアセンブリをサポートするピン又はフランジが、衝突から遠ざかるようにその側部で上昇するときに、そのシートの揺動を防止し且つそのエネルギーをほぼ垂直の軸の回りの回転に向かわせるスロットによってそれが捕捉されるようにする。また、スライド面を有する前支柱を収容するスロットと、図示される衝突回転ピボットと同軸であるスライド面上を走るピンとが示されている。そのピンは、衝撃の際にその縁でそのシートの垂直運動を防止するために、そのスライド面におけるスロットと係合する。このピンは、その衝突エネルギーが増大した場合にその衝突エネルギーをそのシートに、その回転のために、戻すべくスプリング留めされていてもよい。また、水平軸回りにそのシートを回転させる傾向にある当初衝突荷重を再配置するための僅かな軸方向変位を許容するためのスプリングマウントを有していてもよいピボット−衝突回転軸が示されている。
図38は、側面衝突に続くそのフレームの回転の際に、そのスプリングダンパアセンブリのための反応面を提供する上部チャネルの端部を示す。
【0071】
図39は、テザーサポートの延長である金属強化材のための空洞を示す。その金属ストリップは、この実施例では、下部ピボットヒンジを包むように延在する。これは、そのテザーとラッチに接続される底部のピボットロッドとの間の剛結合をもたらす。
【0072】
図40は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドレスト高さ調節アームを示す。
【0073】
ケース1:通常位置にある作動レバーは、ヘッドアセンブリサポートストークの背部から遠ざけられ、ピンを解放してヘッドレストを動かすためにそのヘッドレストサポートストークの方に押し下げられる。
【0074】
ケース2:他の実施例では、その作動レバーとそのピボットとの間に位置付けられたピンを備え、その作動レバーの通常位置は、そのヘッドアセンブリサポートストークに隣接し、それらピンを解放するために引き出される。
【0075】
上記のケース1では、(そのストークとそのレバーとの中間に位置するそのストーク又はそのレバーに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられる、安全のためにその位置が色又はマークで示される)セーフティキャッチが創出され得る。
【0076】
ケース2では、セーフティキャッチは、その安全位置のためのレバーを(環状のものを用いて)捉えるべくそのストークに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられ得る。コードは、目に見えるところにある。
【0077】
その高さ調節アームのためのピボットは、通常、その通常位置でソケット穴と係合するようスプリング留めされている。この実施例におけるピボットは、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある。しかしながら、それはまた、様々な高さを許容すべく、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある複数組の穴を用いてそのシートシェル上でサポートされていてもよい。
【0078】
作動レバーが図示されている。
【0079】
ピンは、その高さ調節アームが取り付けられるところであるそのヘッドレストサポートストークにある対応する穴と係合する。それはまた、そのヘッドアセンブリサポートストークを包含するシートシェルのシース上にあるそのような複数組の穴と係合し、それによって、そのシートシェル上におけるそのシートサポートストークの高さのための複数の位置を可能にする。
【0080】
図41は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドアセンブリサポートストークであり、ヘッドレスト高さ調節アームの取り付けのためのピボット、及び、後部ヘッドレストの取り付けのためのピボットサポートを図示する。その後部ヘッドレストは、頭及び首の後ろに対するより良好な適合を可能にすべく旋回させられる。
【0081】
サイドアームの端部は、子供の頭及び顔のための側部サポートを提供するピローパッド(図示せず。)をサポートする。多くの実施例は、側面衝突の際にそれが後ろに傾斜しそれにより頭を包含できるよう、その取り付け具がほぼ垂直な軸の回りを旋回できるようにする。
【0082】
ピン穴(図示せず。)は、そのヘッドレスト高さ調節アーム上のピンを受けるべく、一列に配置される。これらの同じピン穴は、そのシートシェル上におけるそのヘッドアセンブリサポートストークの複数の位置を可能にすべく、そのシートシェルの背部で、そのシース上にある複数組の穴と係合する。
図42は、ダイナミックチャイルドシートのシートシェルアセンブリであり、
そのヘッドアセンブリサポートストークを収容するそのシートシェル上のシースの一方の側又は双方の側と係合するピンと、
そのシートシェルに固定されるスプリングダンパアセンブリの内縁と(いくつかの実施例は、僅かな隙間を持つフレーム上のスロットと係合するフランジを有する。)、
ヘッドレスト高さ調節アームと、
いくつかの実施例における右側スプリングダンパアセンブリの位置と(同様のアセンブリは、そのフレーム上で示されるように左側の位置及びより低い位置に来る。)、
ヘッドアセンブリサポートストークと、を図示する。
【0083】
図43及び図44は、ダイナミックチャイルドシートのベースであり、
(前向きの)最低位置でフレームを捉えるノッチと、
シートが後ろ向きの位置にあるときにそのフレームを傾斜させるためのピボットと、
そのベース上におけるそのフレームの様々な傾斜のためにそのフレーム上にある横方向バーと係合するノッチを備えた一対のタワーと(そのフレームはその後部ピボットで旋回する。)、
カーシート形状のために面取りされた側部と、を図示する。
【0084】
図45は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際に加速度を減衰させるべく広がるバンジースリングと(バンジースリングの後部中央は、そのフレームに取り付けられる。)、
シートシェルに取り付けられるバンジーピンスロット内をスライドするバンジーピンと、を有する。側面衝突の際にはそのピンはスライドアウトする。前面衝突の際にはそのピンは反力を提供すべくそのスロットと係合する。そのスロットのいくつかの実施例は、前面衝突の際にそのスロットが前方へ動くときにそのピンが進入するところであるそのスロットの内面に凹みを有し、それによって、そのピンをそのスロット内にさらにしっかりと固定する。
【0085】
図46は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際にはバンジーピンと係合し、また、側面衝突の際にはそのバンジーピンがその側部からスライドアウトできるようにするバンジースロットを図示する。
【0086】
バンジースロットは、そのヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止するための切り欠きを有する。
【0087】
そのシートシェルに対するそのバンジースロットのサポートは、ヘッドレストアセンブリサポートストーク及びそのシートシェル上のそのハウジングを跨ぐ。
【0088】
図47は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングであり、
二つの側部のそれぞれであり、その中央でフレーム及びシートシェルのそれぞれに取り付けられる二つの側部のそれぞれと、
バンジースリングを固定するための一以上のポイントであり、いくつかの実施例は穴及び固定ピンを用いるところのポイントと、を示す。
【0089】
そのバンジースリングの側部は、それら二つのサポートポイントが引き離されたときに広がる。それらの材料は、乗員の負傷を最小限にするためのエネルギー吸収特性及び弾性特性を提供するよう設計される。
【0090】
図48は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースロットであり、
凹みであり、この実施例では前面衝突の際にそのバンジーピンをよりしっかりと固定するためにそのバンジーピンと係合する凹みと(そのバンジーピンは、通常位置において、その凹みと係合していない。)、
シェル上のサポートポイント群と、を示す。バンジースロットは、そのヘッドアセンブリサポートストークを跨ぐポイント群で固定される。他の実施例では、そのヘッドアセンブリサポートストークにスロットが創出される場合には、その中央により近いところで固定され得る。
【0091】
切り欠きは、ヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止する。
[発明の詳細な説明]
本発明は、分散させるべき反力のためのより大きな表面積を提示するために乗り物サポートにおける乗員を再配置するための構造を提供し、それによって、負傷をより小さなものとし、且つ、適度の荷重の場合にはより大きな快適性をもたらす。その構造は、シート位置、スリーパー位置、及びそれら二つの間の全ての位置においても等しく有効に働く。それはまた、スリープ位置から着座位置までの様々な姿勢を有する構造に適用される。それは、車両における幼児サポート及び小児サポートで用いられ、また、航空機を含む乗り物におけるスリーパーでも用いられ得る。
[乗員サポート−エアスリーパー]
提示されるエアスリーパーの実施例は、フレーム上でサポートされる。このフレームは、大抵は衝突の場合に、そのエアスリーパーの乗員が横方向の慣性荷重又はほぼ横方向の(角度のある)慣性荷重を受けたときに、傾斜するよう設計される。そのエアスリーパーの配置が航空機の軸に直交する場合、その傾斜を生じさせる、その乗員サポートに対する直接の慣性荷重が存在する。そのエアスリーパーがその航空機の軸に対して角度を有する場合、その慣性荷重のその二つのスライドの平面における力の成分は、移動を生じさせる。それらスライドは、通常、この移動においてその乗員が受ける加速度を最適化するためのスプリングダンパを有する。
【0092】
この傾斜は、そのエアスリーパーの(その航空機の運動に対する)後縁を(その航空機の運動に対する)前方に再配置するクロススライド群G上にあるスライダ群Pと、そのエアスリーパーのフレームに取り付けられるスライドL、Mであり、スライダ群Kがその上を走るところであるスライドL、Mとによって実現される。特に、スライダ群K及びクロススライド群Gは、その乗員が、真っ直ぐに立った着座位置からリクライニング位置そしてフラットベッドスリープ位置まで動くときに、様々な位置を取る必要がある。これは、以下を有することによって実現される。
1.その乗員の軸に沿ったレールC及びJに沿ってスライド可能なスライダ群Qに取り付けられるクロススライド群G(特に、スライダ群QがレールJを進むときにつぶれる(入れ子になる(telescoping))セクションJ1としてのレールJ。これは、横慣性荷重の際にその乗員の脚及びそのエアスリーパーのフットレストがそのレールに接触することなく横に傾けられるようにするのに必要である。)。
2.その乗員の軸に沿ってレールN上をもスライド可能なダブルスライド群であるスライダ群K(多くの実施例は、それらダブルスライダ群のうちの一つのみを必要する。図示された実施例では、その乗員の頭のところにあるスライダKは、単に点支持で旋回するのみである。)。
3.その乗員の加速度を制御するためのそれらの連結の一以上におけるスプリングダンパの組み合わせ。
その乗員の任意に決定できる位置は、水平レール群上のスライダ群Qのスライドと、そのエアスリーパーのフレームの一部であるスライド群S上のスライダ群Rのスライドとによって制御される。スライド群Sは、そのエアスリーパーの通常位置においてほぼ垂直となるよう示されているが、それらは、それらが互いに局所的に平行である限り、任意の傾斜を有するようにしてもよい。それらスライド群の局所的な傾斜は、その乗員が選ぶことができる任意に決定できる姿勢を定義する。
図示された実施例における側部サポートヘッドレスト群は(実施例によってはそのようなヘッドレスト群を有していないものがある。)、傾斜スライド群上をスライドし、また、横スライダは、シートバックの頂部にある横スライド上を走る。これらの機構は、それら側部サポートヘッドレスト群のそれぞれが、その着座位置における頭の方に移動し、また、フラットベッド位置におけるそのエアスリーパーの縁の方に移動できるようにする。
【0093】
そのエアスリーパーのサポート面群は、(その航空機の運動に対する)その前側部の下でその前側部に接している。
【0094】
そのエアスリーパーの配置は、その航空機に対して横向きであってもよく、或いは、その航空機の軸に対して角度が付けられていてもよい。角度が付けられた位置で、その乗員の頭がその脚の(その航空機の運動方向における)前方にある場合、その乗員は、衝突荷重の際に、そのエアスリーパーに押し込められる。
【0095】
そのスクリーンは、(その乗員の通常位置、すなわち、慣性荷重がない場合において)垂直ピボットを有するよう示されている。特に、その配置は、衝突又は急減速の場合にそのスクリーンがその乗員から遠ざかるように揺動することを保証する。これは、その横配置を超えて前方に揺動するのを防止する回転ロックを有することによって保証され得る。衝突荷重の際にその乗員の脚がその頭の(その航空機の運動方向における)前方に来るようそのエアスリーパーが配置された場合、そのスクリーンは、その乗員から遠ざかるように揺動する。その乗員の頭がその脚の前方に来る場合、そのスクリーンは、その乗員の方に前方に揺動するのを防止するためのストップを有することができる。
[乗員サポート−ダイナミックチャイルドシート]
本発明のダイナミックチャイルドシートバージョンの多くの代替的な実施例が存在する。本発明の第一組の実施例は、US10/109674及びEP1325836の発明に関する。それらは、その乗員の慣性荷重及びその乗員の実質的に横に位置するそのサポートに関し、その乗員の制御された再配置により負傷を低減させるための解決策を提供する。この実施例ファミリーは、乗員サポートシェルをサポートするための複数の接続手段を用いる。それら複数の接続手段のそれぞれは、その乗員サポート又はその乗員サポートの付属品に取り付けられる第一端を有する。それら複数の接続手段は、複数の方向にそれら第一端を再配置するよう設計され、それによって、乗り物の加速によって引き起こされる慣性荷重の下で、その乗員サポート内の乗員を再配置する。それら第一端群の変位の距離及び方向は、それら複数の接続手段の間で異なり得る。
【0096】
サポートのためのこのパラダイムは、慣性荷重の予想される範囲の条件下でその乗員の回転及び再配置を制御することができる位置における制御された反力を提供するための機構をもたらす。
そのような実施例のいくつかは、60/962077で開示されるようなものであってもよく、そこでは、複数のサポート手段は、発泡体の可撓性“フィンガー群”であり、或いは、一部の例では、それらフィンガー群の端部群のうちの一つでスライド装置を含む接続手段を備えた他の変形可能材料である。それらの実施例は、それら“フィンガー群”の長さに直交する接続手段の第一端群を再配置すべく、一部の例では、(その圧縮及びその結果として生じる変位を変えるための差別的特性及び/又は断面を有し得る)その発泡体の圧縮及びその発泡体の変形を許容する。フィンガー群の概念が視覚化に役立つ限りにおいて、これらの実施例において別のフィンガーを有することに制限はない。例えば、発泡体のセクションのそれぞれが、複数の方向に再配置されたそれぞれの第一端により、そのサポートシェル及び乗員に異なって作用するように、複数の接続手段を効果的に提供する様々な特性を有する連続的な発泡体サポートがあってもよい。
実施例の別のグループは、60/960067で開示されるようなものであってもよい。これらの実施例は、多数のスライド接続手段を有し、それらのいくつかは、適切な位置におけるその乗員サポートシェルからの制御された反力の下でそれらの第一端群を再配置する衝撃吸収手段を備え、その乗員及びその乗員サポートが慣性荷重の下で適切に再配置されるようにする。
この発明における実施例の別のグループは、制御された態様で慣性荷重を相殺すべく、その乗員サポート上の適切な位置において、制御された反力を提供することにより、複数の方向にその乗員サポートを再配置する第一端群を備えた複数の接続手段を有する。これらの実施例において、個々の要素は、その一端又は両端で旋回させられ、また、その(圧縮又は伸長の)接続手段の第一端と第二端との間の方向に反力が適用される。これらの接続手段は、それぞれ、伸長又は圧縮の衝撃吸収要素を有していてもよい。本発明の構造は、単一の旋回端を備えた接続手段が二以上存在する場合は常に、それらが同じ単一の旋回軸を有していなければならないということを必要とする。
実施例の更に別のグループは、第一端群を複数の方向に再配置するための二以上の上述のタイプの接続手段の組み合わせを有し得る。
適切な乗員サポートを設計するときの課題の一つは、その乗員の回転及び再配置のための瞬間的な軸を定義するために、その接続手段の二つの第一端を位置付けることである。当然ながら、その乗員の体内にあるサポートポイントにアクセスことはできず、また、多くの場合、その乗員の前部と側部の大部分とは空いている必要がある。従って、その接続手段のために、その乗員サポートとの利用可能な接触面と共に、力及び力のモーメントを創出する必要がある。また、それらの接続手段によって適用される力の方向は、所望の回転軸と直交してその乗員を回転させる傾向にある慣性荷重力のモーメントを無効にする必要がある。
特にチャイルドシートにおける第二の課題は、その乗員を移動或いは再配置可能な機構のための空間の深刻な不足である。この空間は、通常、シート面と大人用シートの表面上のマウントとの間にあり、1インチ未満から約3インチまでとなり得る。
本発明は、これらの課題を解決するための、いくつかの独特なアプローチを有する。例えば、子供の前にあるそのチャイルドシートの開放側が衝突の際に衝突から見て外方を向くようにそのチャイルドシートを再配置する、(単一の旋回端を備えた少なくとも一つの)旋回端群と一組のスライド可能な接続手段とを備えた、複数の圧縮ショックアブソーバを用いる一つの実施例がある。この実施例では、単一ピボットを備えたその接続手段ができるだけ前方の遠いところに位置付けられ、ほぼ垂直な軸の回りのその乗員の頭及び胴の動きがこのピボットを通じて極小化されるようにする。これは、そのシートの底部でのみ可能であるので、これは、所望の軸に沿った、重心からのこのサポートポイント(その接続手段のための第一端)の距離の問題をもたらす。この距離はかなりのものであり、そのようなピボットは、理論上、壊れることなく、(背景技術において想定されるように)通常のトルクをサポートすることが可能であるが、実際には、そのピボットは、重荷重下でボールジョイントのように作用し、それによって、力のモーメントは、そのピボットの所望の軸又は軸群の回りで長い時間にわたってそのシートを回転させ続けるために補われる必要がある。この実施例は、この課題を解決するために二種類の接続手段を用いる。第一のものは、シート底部の前端を向く接続ポイントのところでピボットを備えた、圧縮の、伸長の、或いは剛体の接続手段である。その接続手段の他端は、固定されていてもよく、或いは、垂直軸の回りで旋回可能にサポートされていてもよい。別の接続手段は、そのシートの中央後部スパインに取り付けられる第一端を有し、僅かに下方に且つ/或いは僅かに後方に傾けられる(これは、通常、そのスパインから後方に突出するサポートによってのみ実現可能である。)圧縮ショックアブソーバである。その第二端は、乗り物に堅く取り付けられるそのチャイルドシートのアウターシェル又はフレームに取り付けられる。更に、この実施例は、そのシートの底部に位置付けられるスライド可能な要素群を備えた接続手段であり、それらの第一端群が、その第一の圧縮/伸長/剛体接続手段の後ろ、及び、その両側で、そのシート底部に取り付けられ、その前方には有意な面が存在しないところの接続手段を有する。接続手段のこの組み合わせは、所望の軸に直交してそのシートを回転させる傾向にある偶力モーメントを相殺するための反力をもたらす圧縮接続手段及びスライド接続手段を用いて、側面衝突の際にそのチャイルドシートを再配置する。
別の関連実施例は、その接続手段において、そのシートの背部における圧縮ショックアブソーバの代わりに、伸長ショックアブソーバを用いる。これらは、それらの第一端群が、そのシート背部の両側において、そのアウターシェル又はシートフレームへのそれら第二端群のその構造の後部スパインに沿った取り付け位置よりも僅かに前方で且つ高いところに取り付けられるよう、位置付けられる。
上述の実施例の何れの場合においても、それらショックアブソーバの配置角度は、所望の軸(この場合、ほぼ垂直である。)に直交してそのシートを回転させる傾向にある偶力モーメントを相殺するためにそれらが適用する反力を決定する。更に、ショックアブソーバ対は、両側からの衝突のためにも用いられ得る。一方の側の衝突の際、不使用のショックアブソーバは、本発明のいくつかの実施例においては、そのシェルの再配置のためのより大きな空間を提供するために切り離され得る。
更に、上述の実施例の何れの場合においても、複数の圧縮/伸長ショックアブソーバが、(スペースが許せば)そのシートの両側に配置されてもよい。
【0097】
圧縮又は伸長ショックアブソーバを用いるこれらの実施例に対して、別の追加的な実施例は、それらショックアブソーバ群の第二端群と係合するスライダ又は回転ダイアルを有し、それにより、様々な年齢の子供に対してそれらが適用する合力を変化させる。ダイアル又はスライダによるショックアブソーバ群のそのような係合に用いられる機構は、背景技術において周知であり、一以上のショックアブソーバの端部の自由運動を可能にし、その結果それらを解放する、ダイアル又はスライダの背部における単なる切り欠きであってもよい。しかしながら、それらは、衝撃の際に砕ける弱い分離ジョイントと共にそのまま残されてもよい。
チャイルドシートに対する更に別の関連実施例は、スライド要素を備えた接続手段を、単独で用い、或いは、そのシートの中央前部のところに少なくとも一つの旋回端を備えた接続手段の一つと共に用いる。上述の二つの実施例におけるようなそのシートの底部にスライド要素群を備えた接続手段に加え、この実施例は、そのシートの側部にもスライド可能な接続手段を有する。それは、そのシートの前部の近くにおける所望の瞬間的な回転軸に直交する偶力モーメントを相殺するための所望の反力をもたらす。60/960067における開示は、この例を含む。
最後に、別の関連実施例は、そのシートの前部の近くで一端又は両端で旋回させられるオプションの接続手段を備えた圧縮可能で且つ変形可能な発泡体の“フィンガー”を用いる。その発泡体“フィンガー”はまた、スライド要素群に取り付けられるそれらの端部の一方を、そのチャイルドシート又はアウターシェル/フレームに取り付けられる接続手段の一部として有していてもよい。
図8〜図11に開示された装置は、荷重から見て遠くを向くようにその乗員を移動させ、或いはその体を安定させ、それにより、その乗員サポートとのより大きな接触面積を提供する。これは、二つの利点をもたらす。第一に、単位面積当たりの荷重が低減される。第二に、その回転再配置は、その体がその乗員サポートから出るのを防止するようその体を安定させる。これは、深刻な衝突荷重の条件下ではよくあることである。
その装置は、その乗員サポートの前部により堅い衝撃吸収要素群を有し、その乗員サポートの後部により柔らかい衝撃吸収要素を有する。荷重下におけるそれらショックアブソーバ群のこの差別的抵抗は、図面群で示されるような、同じ材料ではあるが異なる断面を持つショックアブソーバ群を有することによっても実現され得る。同様に、同じ断面ではあるが異なる性質を持つ材料、及び、その中間の全ての組み合わせが用いられてもよい。
ショックアブソーバ要素群のそれぞれは、そのショックアブソーバの軸に対するインナーシェルの横運動を可能にすべく、その一端がスライド可能に取り付けられていてもよい。これは、実施例によっては実用的でない場合があるので、それら衝撃吸収要素群の横方向の変形は、両端が堅く固定される場合には、そのような横荷重が考慮されなければならない。スライド可能な取り付けが選択された場合、それらの要素群は、場合によっては、伸長荷重に関与することなく、圧縮荷重のみに関与するようにしてもよい。実施例によっては、特に、それらショックアブソーバが発泡体及びアルミニウムのようなつぶれる材料で作られている場合には、それらショックアブソーバのための端部ストップが用いられてもよく、或いは、他の六角形セルのコアを持つ材料が用いられてもよい。
ヘッドサポートは、実施例によっては、頭の質量及び関連の慣性荷重に合わせた同じ構造の縮図を有するサイドウイングを備えた個別のヘッドレストを有していてもよい。これは、側方からの衝撃に対する保護のために、そのサポートによって頭が安定させられるよう、頭の側部のそれぞれにおいて、そのウイング群の前部でより堅いショックアブソーバを必要とし、そのウイング群の後部に向かってより柔らかいショックアブソーバを必要とする。そのヘッドサポートは、インナーシェル又はアウターシェルの何れに取り付けられていてもよい。インナーシェルに取り付けられる場合、そのショックアブソーバ機構は、そのインナーシェルに作用する主要ショックアブソーバシステムによって引き起こされる運動を増大させる。
インナーシェルの後部スパインに沿ったアウターシェルに対するアンカーは、前面衝突の際のサポートのために、そのインナーシェルの横運動を許容するが、前進運動を制限する。
シート群において、むち打ち症を最小限とするためにその同じ装置が使用され得る。幅狭セクション又はより柔らかいショックアブソーバの実施例は、むち打ち防止のために、その頂端部でより大きな運動を可能にする。
幅広セクション又はより堅いショックアブソーバの実施例は、後面衝突に対するサポートのためのより堅いサポートを提供する。
それらショックアブソーバ要素群の間の間隔が近い場合、また、実際にはそれらが差別的な性質を持って互いに隣接している場合、実施例によっては、それらの内面としてのインナーシェルを有してさえいない場合がある。ショックアブソーバ群は、その乗員と接触する面を提供する。別の実施例では、それらショックアブソーバ要素群の内端群における、織物、又は他の薄い可撓性のカバーがあってもよい。
その乗員スペースへの侵入が存在し得る適用例において、そのインナーシェルは、貫通及び穿通に耐性を示すケブラー又は他の材料で構成されていてもよい。これはアウターシェルに対しても為されうるが、実施例によっては、その乗員の変位が制限されるよう、そのアウターシェルにおける貫通を許容するのが好適である場合もある。
アウターシェルは、従来の方法を用いて乗り物に取り付けられ得る。
図12〜図14は、側面衝突に対するヘッドサポートのためのいくつかの特徴を示す。 ヘッドサポートは、実施例によっては、頭の質量及び関連の慣性荷重に合わせた同じ構造の縮図を有するサイドウイングを備えた個別のヘッドレストを有していてもよい。これは、側方からの衝撃に対する保護のために、そのサポートによって頭が安定させられるよう、頭の側部のそれぞれにおいて、そのウイング群の前部でより堅いショックアブソーバを必要とし、そのウイング群の後部に向かってより柔らかいショックアブソーバを必要とする。そのヘッドサポートは、インナーシェル又はアウターシェルの何れに取り付けられていてもよい。インナーシェルに取り付けられる場合、そのショックアブソーバ機構は、そのインナーシェルに作用する主要ショックアブソーバシステムによって引き起こされる運動を増大させる。
【0098】
図15及び図16におけるフレックスプレートの構造は、側面衝突に対するショックアブソーバのための更に別のアプローチを提供する。
【0099】
これらは、そのチャイルドシートの底部にスライド装置を備えた実施例においては、(実施例によってはスプリング留めされる)回転のためのピボット装置で補完されてもよい。
(バンジースリングの実施例におけるような)インナーシェルの後部スパインに沿ったアウターシェルに対するアンカーは、前面衝突の際のサポートのため、そのインナーシェルの横運動を許容するが、前進運動を制限する(図19参照。)。
ここで開示される本発明の別の態様は、乗員の背部でその第一端がインナーシェルに取り付けられ且つその他端がアウターシェル又は乗り物に取り付けられるスプリングダンパの組み合わせを有する上述の接続手段の特殊形態である“バンジースリング”である。前面衝突の際、このバンジースリングは、その乗員サポート及びハーネスで拘束されたその乗員の限定的な前進運動を許容し、それにより、その乗り物の正面衝突の際の、胸郭及び頭のピーク加速度を低減させる。その他の接続手段は、この運動の間、作用し続けてもよく、或いは、切り離されてもよい。
この発明に係るダイナミックチャイルドシートの別の一連の実施例群は、衝突の際に子供を再配置すべくそのダイナミックシェル又は可動シェルを所望の方向に案内するために、そのダイナミックシェル又は可動シェル上の背面及び側面群の双方における反応ベアリングを用いる。
【0100】
後部ベアリングは、衝突の際の垂直の衝撃を受けるために、図示されるようにスプリングマウントされるが、その後すぐに、その衝撃のエネルギーを減衰させることによって、そのシートを所望の方向に保持する。また、側部ベアリング群も、長いスプリングアクスル群であり、側部ベアリング群がその上に取り付けられるところの長いスプリングアクスル群によって、スプリング留めされている。
それらは、その乗員のピーク加速度を低減させ且つ側面衝突のときにその乗員を再配置することによってそのような側面衝突の状態を和らげるために用いられる基本的な対策である。
【0101】
そのシートの背部におけるバンジースリングは、前面衝突の際に、そのシートの頂部が前進できるように変形することによって機能する。そのベースの下にあるそのシートの底部は、この運動を許容するピボットに固定される。その結果、前面衝突荷重の減衰がもたらされる。
[好適な実施例−ダイナミックチャイルドシート]
側面衝突の際に実質的に垂直な軸の回りを回転し、また、前面衝突の際に前進するダイナミックチャイルドシートの実施例は、バンジースリングによって制御される。図面群は、衝突の際のそのシートシェルの位置を示し、また、その側面衝突の方向から遠ざかるように回転することを示す。それはまた、そのベース上のフレームの配置、及び、横安定のためにそのフレームと係合するノッチを示す。横方向で頭をサポートするピローパッド群、及び後部ヘッドレストは図示されていないが、そのシートシェルの回転位置は、衝突の際にその頭を安定させるそのヘッドアセンブリの左サイドアームを示している。
図36は、印が付けられたテザー取り付け具を備えたダイナミックチャイルドシートの実施例を示し、衝突回転軸の回りの回転を許容すべくそのシートシェル上のスライド面と係合する一以上のピンを備えたスライドバーを示す。(スプリング留めされ得る)それらピン群(図示せず。)は、そのシートシェルの垂直運動を制限する。それはまた、そのフレームを前部の両側でサポートする脚部対を示す。横方向バー(図示せず。)は、図示されるスロットと係合し、通常はそのベースに取り付けられる二つのタワーにおける複数のスロットの一つを解放すべくそのスロットの前に手動で前方に引っ張られ得るものが、そのスロットの後方の位置となるようスプリング留めされ、それによってそのフレームの前部の高さ、及び結果として得られる傾斜を変更する。また、そのピボットは、そのシートフレームを特に後ろ向きの位置に傾斜させるためのものである。
図37は、ダイナミックチャイルドシートのフレームを示す。図示される上部チャネル及び下部チャネルは、スプリングダンパアセンブリを、各側に一つ、収容する。
【0102】
そのスプリングダンパアセンブリをサポートする一方又は双方のチャネルの上縁は、より低い前縁を備えた僅かに傾斜する上面を有し、そのシートに取り付けられるピン又はフランジであってそのスプリングダンパアセンブリをサポートするピン又はフランジが、衝突から遠ざかるようにその側部で上昇するときに、そのシートの揺動を防止し且つそのエネルギーをほぼ垂直の軸の回りの回転に向かわせるスロットによってそれが捕捉されるようにする。また、スライド面を有する前支柱を収容するスロットと、図示される衝突回転ピボットと同軸であるスライド面上を走るピンとが示されている。そのピンは、衝撃の際にその縁でそのシートの垂直運動を防止するために、そのスライド面におけるスロットと係合する。このピンは、その衝突エネルギーが増大した場合にその衝突エネルギーをそのシートに、その回転のために、戻すべくスプリング留めされていてもよい。また、水平軸回りにそのシートを回転させる傾向にある当初衝突荷重を再配置するための僅かな軸方向変位を許容するためのスプリングマウントを有していてもよいピボット−衝突回転軸が示されている。特に、そのピボットは、前面衝突の際にその軸が前方に曲がり或いは傾斜し、前面衝突の際のその乗員の動きを制御するためにそのバンジースリングと連動して動作するよう、設計される。
図38は、側面衝突に続くそのフレームの回転の際に、そのスプリングダンパアセンブリのための反応面を提供する上部チャネルの端部を示す。
【0103】
図39は、テザーサポートの延長である金属強化材のための空洞を示す。その金属ストリップは、この実施例では、下部ピボットヒンジを包むように延在する。これは、そのテザーとラッチに接続される底部のピボットロッドとの間の剛結合をもたらす。
【0104】
図40は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドレスト高さ調節アームを示す。
【0105】
ケース1:通常位置にある作動レバーは、ヘッドアセンブリサポートストークの背部から遠ざけられ、ピンを解放してヘッドレストを動かすためにそのヘッドレストサポートストークの方に押し下げられる。
【0106】
ケース2:他の実施例では、その作動レバーとそのピボットとの間に位置付けられたピンを備え、その作動レバーの通常位置は、そのヘッドアセンブリサポートストークに隣接し、それらピンを解放するために引き出される。
【0107】
上記のケース1では、(そのストークとそのレバーとの中間に位置するそのストーク又はそのレバーに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられる、安全のためにその位置が色又はマークで示される)セーフティキャッチが創出され得る。
【0108】
ケース2では、セーフティキャッチは、その安全位置のためのレバーを(環状のものを用いて)捉えるべくそのストークに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられ得る。コードは、目に見えるところにある。
【0109】
その高さ調節アームのためのピボットは、通常、その通常位置でソケット穴と係合するようスプリング留めされている。この実施例におけるピボットは、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある。しかしながら、それはまた、様々な高さを許容すべく、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある複数組の穴を用いてそのシートシェル上でサポートされていてもよい。
【0110】
作動レバーが図示されている。
【0111】
ピンは、その高さ調節アームが取り付けられるところであるそのヘッドレストサポートストークにある対応する穴と係合する。それはまた、そのヘッドアセンブリサポートストークを包含するシートシェルのシース上にあるそのような複数組の穴と係合し、それによって、そのシートシェル上におけるそのシートサポートストークの高さのための複数の位置を可能にする。
【0112】
図41は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドアセンブリサポートストークであり、ヘッドレスト高さ調節アームの取り付けのためのピボット、及び、後部ヘッドレストの取り付けのためのピボットサポートを図示する。その後部ヘッドレストは、頭及び首の後ろに対するより良好な適合を可能にすべく旋回させられる。
【0113】
サイドアームの端部は、子供の頭及び顔のための側部サポートを提供するピローパッド(図示せず。)をサポートする。多くの実施例は、側面衝突の際にそれが後ろに傾斜しそれにより頭を包含できるよう、その取り付け具がほぼ垂直な軸の回りを旋回できるようにする。
【0114】
ピン穴(図示せず。)は、そのヘッドレスト高さ調節アーム上のピンを受けるべく、一列に配置される。これらの同じピン穴は、そのシートシェル上におけるそのヘッドアセンブリサポートストークの複数の位置を可能にすべく、そのシートシェルの背部で、そのシース上にある複数組の穴と係合する。
図42は、ダイナミックチャイルドシートのシートシェルアセンブリであり、
そのヘッドアセンブリサポートストークを収容するそのシートシェル上のシースの一方の側又は双方の側と係合するピンと、
そのシートシェルに固定されるスプリングダンパアセンブリの内縁と(いくつかの実施例は、僅かな隙間を持つフレーム上のスロットと係合するフランジを有する。)、
ヘッドレスト高さ調節アームと、
いくつかの実施例における右側スプリングダンパアセンブリの位置と(同様のアセンブリは、そのフレーム上で示されるように左側の位置及びより低い位置に来る。)、
ヘッドアセンブリサポートストークと、を図示する。
【0115】
図43及び図44は、ダイナミックチャイルドシートのベースであり、
(前向きの)最低位置でフレームを捉えるノッチと、
シートが後ろ向きの位置にあるときにそのフレームを傾斜させるためのピボットと、
そのベース上におけるそのフレームの様々な傾斜のためにそのフレーム上にある横方向バーと係合するノッチを備えた一対のタワーと(そのフレームはその後部ピボットで旋回する。)、
カーシート形状のために面取りされた側部と、を図示する。
【0116】
図45は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際に加速度を減衰させるべく広がるバンジースリングと(バンジースリングの後部中央は、そのフレームに取り付けられる。)、
シートシェルに取り付けられるバンジーピンスロット内をスライドするバンジーピンと、を有する。側面衝突の際にはそのピンはスライドアウトする。前面衝突の際にはそのピンは反力を提供すべくそのスロットと係合する。そのスロットのいくつかの実施例は、前面衝突の際にそのスロットが前方へ動くときにそのピンが進入するところであるそのスロットの内面に凹みを有し、それによって、そのピンをそのスロット内にさらにしっかりと固定する。
【0117】
図46は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際にはバンジーピンと係合し、また、側面衝突の際にはそのバンジーピンがその側部からスライドアウトできるようにするバンジースロットを図示する。
【0118】
バンジースロットは、そのヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止するための切り欠きを有する。
【0119】
そのシートシェルに対するそのバンジースロットのサポートは、ヘッドレストアセンブリサポートストーク及びそのシートシェル上のそのハウジングを跨ぐ。
【0120】
図47は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングであり、
二つの側部のそれぞれであり、その中央でフレーム及びシートシェルのそれぞれに取り付けられる二つの側部のそれぞれと、
バンジースリングを固定するための一以上のポイントであり、いくつかの実施例は穴及び固定ピンを用いるところのポイントと、を示す。
【0121】
そのバンジースリングの側部は、それら二つのサポートポイントが引き離されたときに広がる。それらの材料は、乗員の負傷を最小限にするためのエネルギー吸収特性及び弾性特性を提供するよう設計される。
【0122】
図48は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースロットであり、
凹みであり、この実施例では前面衝突の際にそのバンジーピンをよりしっかりと固定するためにそのバンジーピンと係合する凹みと(そのバンジーピンは、通常位置において、その凹みと係合していない。)、
シェル上のサポートポイント群と、を示す。バンジースロットは、そのヘッドアセンブリサポートストークを跨ぐポイント群で固定される。他の実施例では、そのヘッドアセンブリサポートストークにスロットが創出される場合には、その中央により近いところで固定され得る。
【0123】
切り欠きは、ヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止する。
[追加的な実施例]
11/639088の実施例を参照すると、この実施例は、その乗り物サポート機構の近くにおける、その乗り物への侵入の際に、衝撃から遠ざかるようにその乗員サポートを再配置するよう設計された追加的な特徴を有する。そのような実施例の一つは、プッシュロッドであり、主要な侵入がそのプッシュロッドを押し下げるよう、その侵入に直面するそのシートの外側にあるサブベースの側部から突出する一端を持つプッシュロッドを有する。また、そのプッシュロッドの他端は、ショックアブソーバの取り付け具を、その出願の図43におけるその端部239Bから切り離すよう設計される。そのプッシュロッドは、サブベースボディによってサポートされる。そのプッシュロッドの端部を押し下げる侵入の際に、そのショックアブソーバは、そのクラッシュバーと共に切り離され、また、その乗員と共にそのシェルは、そのサブベース上にある横方向バー群の端まで必要な程度だけ、そのスライド群上を自由にスライドする。そのクラッシュバー又はそのプッシュロッド単独の押し下げはまた、挫滅外傷を低減すべくその再配置を可能にする。
11/639088の実施例を参照すると、この実施例は、ピローパッドがそのサポート軸上で旋回し、且つその運動のためにスプリングダンパ留めされるという追加的な特徴を有する。これは、二つのピローパッドがその頭をサポートし、その頭が後頭顆及び首の脊椎関節の辺りで下方に動き、それによって、そのスプリングダンパ留めされたピローパッド群をそれらと共に回転させるので、正面衝突での頭のための追加的な衝撃吸収をもたらす。
11/639088の実施例を参照すると、この実施例は、ピローパッドがそのサポート軸に沿ってスプリングダンパ留めされるという追加的な特徴を有する。それにより、それらピローパッド群はまた、側面衝突の際に横方向に動き、ピーク加速度及びその結果として起こり得る負傷を低減させるように構成される。
[成果、効果、及び範囲]
提示された本発明が、ユーザにとってのより大きな利便性、快適性、及び安全性のための新たな構造を提供することは明らかであろう。実施例のそれぞれは、独特の利点を有し、この発明における新たなパラダイムを提供する。
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許出願第11/639088号(一部継続出願)、第60/928040号、第60/962077号、第60/960067号、第60/960620号(2007年12月17日に出願された仮特許出願)を参照により本書に援用する。
【0002】
図面群は、複数の乗員サポートシステムの実施例を示し、それらの多くは、特に動的荷重条件の下で乗り物における安全性及び実用性を提供する。本発明の重要な特性は、その乗員サポートにおけるその乗員の慣性荷重が、その乗員を安定させ且つその乗員を保護するためにその乗員サポートに新しい向きを与える点にある。それはまた通常、その乗員のサポートのためのより大きな表面積の配置を促進し、それにより、その乗員の表面における局部荷重を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】通常条件下でフラットベッド位置であるエアスリーパーの実施例を示す。
【図2】通常条件下でフラットベッド位置であるエアスリーパーの実施例を示す。
【図3】リクライニング位置である。
【図4】リクライニング位置の際の衝撃状態を示す。
【図5】リクライニング位置の際の衝撃状態を示す。
【図6】明確化のために除外されていたいくつかの要素を示す。
【図7】明確化のために除外されていたいくつかの要素を示す。
【図8】ダイナミックチャイルドシートの図を示す。
【図9】ダイナミックチャイルドシートの図を示す。
【図10】アウターシェルのないダイナミックチャイルドシートの図を示す。
【図11】ダイナミックチャイルドシートの荷重下の動きを図解する。
【図12】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図12A】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図13】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図14】ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。
【図15】横方向のスプリングダンパ又はショックアブソーバの実施例であるフレックスプレートを示す。
【図16】横方向のスプリングダンパ又はショックアブソーバの実施例であるフレックスプレートを示す。
【図17】可動インナーシェル上のスライドプレート、及び、インナーシェルに取り付けられるスライドの位置を示す。
【図18】インナーシェル上のスライドプレートを示す。
【図19】前面衝突に対するいくつかの実施例の配置を示す。
【図20】図7〜図10の実施例に関連する特徴を示す。
【図21】子供の質量中心の位置に起因する結合を無効にし、且つサポート群に関連してサポートするのに必要な傾斜を有する圧縮ショックアブソーバ群をその背部に備えた、更に別の実施例を示す底面図である。
【図22】子供の質量中心の位置に起因する結合を無効にし、且つサポート群に関連してサポートするのに必要な傾斜を有する圧縮ショックアブソーバ群をその背部に備えた、更に別の実施例を示す背面図である。
【図23】その背部における、図21及び図22におけるような圧縮ショックアブソーバの代わりの、傾斜を有する伸長ショックアブソーバ群を示す底面図である。
【図24】その背部における、図21及び図22におけるような圧縮ショックアブソーバの代わりの、傾斜を有する伸長ショックアブソーバ群を示す背面図である。
【図25】図21及び図22における圧縮ショックアブソーバの実装を示す。
【図26】前面衝突に対するバンジースリングの実施例(衝撃吸収要素を備えた追加的な接続手段)を示す。
【図27】乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【図28】乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【図29】乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【図35】ダイナミックチャイルドシートの実施例を示す。
【図36】印が付けられたテザー取り付け具を備えたダイナミックチャイルドシートの実施例を示す。
【図37】ダイナミックチャイルドシートのフレームを示す。
【図38】側面衝突に続くそのフレームの回転の際に、そのスプリングダンパアセンブリのための反応面を提供する上部チャネルの端部を示す。
【図39】テザーサポートの延長である金属強化材のための空洞を示す。
【図40】ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドレスト高さ調節アームを示す。
【図41】ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドアセンブリサポートストークを示す。
【図42】ダイナミックチャイルドシートのシートシェルアセンブリを示す。
【図43】ダイナミックチャイルドシートのベースを示す。
【図44】ダイナミックチャイルドシートのベースを示す。
【図45】ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリを示す。
【図46】ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリを示す。
【図47】ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングを示す。
【図48】ダイナミックチャイルドシートのバンジースロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[エアスリーパーの実施例―航空機及び宇宙船]
図1及び図2は、通常条件下でフラットベッド位置であるエアスリーパーの実施例を示す。図3は、リクライニング位置である。図4及び図5は、リクライニング位置の際の衝撃状態を示す。
【0005】
以下のキーは、このエアスリーパーの実施例における部品を説明する。
【0006】
A:ヘッドレスト取り付けレール。このレールは、そのシートの上部セクションが上方にスライドするとそのヘッドレストがその乗員の頭に近づくように、傾斜している。それにより、サポートを提供すべくその頭に隣接してそのヘッドレストを位置付けるためのそのヘッドレストの細かな位置調節が可能となる。一方で、その乗員が横になると、そのヘッドレストは、そのスリーパー面の縁のところに来るように、その傾斜レールに沿ってスライドする。ショックアブソーバ群が、そのスリーパーの位置を説明するためにそれらの抵抗パラメータに適応されてもよい。
【0007】
B:ヘッドレスト。そのヘッドレストは、乗り物が減速する場合に、乗員の頭に対して横向きに移動できるショックアブソーバ群の上にある。それらショックアブソーバ群は、線形であってもよく、回転式であってもよく、或いは、その両方であってもよい。それらショックアブソーバ群は、実施例によっては、傾斜したレール上に取り付けられ、その乗員が横になっているときにそのヘッドレストがそのスリーパーの側部にあるようにし、一方で、その乗員が真っ直ぐに座っているときに、その頭にサポートを提供し且つその頭に隣接するようにする。当然ながら、そのショックアブソーバ及びその取り付けレールの位置にかかわらず、そのヘッドレストの表面の動きを許容する位置調節手段があってもよい。
【0008】
C:エアスリーパーの縁の下にあるエアスリーパーの縁に沿ったサポートレールであり、その航空機の動きに関してそのエアスリーパーの後方となるよう位置付けられるサポートレール。
【0009】
D:そのエアスリーパーの下部セクション。フラット位置において水平となる。
【0010】
E:そのエアスリーパーの中央セクション。著しい減速のときにその乗員をサポートするサイドウイングを有する。
【0011】
F:娯楽用スクリーン。使用しないときに折り畳まれ得るようその中央セクションのサイドウイングに取り付けられ得る。そのエアスリーパーの力学は、その航空機の減速のときにその乗員がそのスクリーンで頭をぶつけることがないようになっている。そのスクリーンは、実施例によっては、その中央セクションのサイドウイング内に折り畳まれてもよい。また、そのスクリーンは、そのエアスリーパーに直交する位置を超えた前方への回転を防止するよう回転止めを有していてもよい。
【0012】
G:クロススライド。この実施例では、(その乗員の)右側でそのエアスリーパーの中央セクションをサポートする。
【0013】
H:上半身側部サポート。
【0014】
I:そのスクリーンの旋回軸サポート。急減速のときにその展開された視聴位置にあるスクリーンのサポートが切り離され、そのスクリーンがこの旋回軸上で回り、それにより、その乗員から遠ざかるように動くことを保証する。
【0015】
J:テレスコーピングサポートレール(それらの穴を通じてその乗員の軸方向に延在するが明確化のため図示されていない)。そのスリーパーをその真っ直ぐに立った位置から平坦にするため或いはその逆を行うためにその軸に沿って動くクロススライド群をサポートする。そのテレスコーピング動作は、そのエアスリーパーの下部セクション及びその乗員の脚がその航空機の減速のときに横に動くのを妨げるそのレールを引っ込める。Jiは、テレスコーピングサポートレールJのテレスコーピングセクションであり、スライダQがそのエアスリーパーの頭の方にスライドするときに引っ込められる。その引き込みは、そのフットレスト及びその乗員の脚がそのレールJと接触することなくその側方に揺動できることを保証するのに十分となるよう設計される。
【0016】
Qは、そのレールJ上をスライドする二つのクロススライドの端部に取り付けられるスライダを示す。
【0017】
図6及び図7は、明確化のために除外されていた(しかしながら、それらの位置に留置された識別子がそれらの位置を明らかにしている。)いくつかの要素を示す。
【0018】
ダブルスライダは、そのエアスリーパーのフレームの一部であるサポートスライドL及びMに取り付けられている。そのダブルスライダの他端は、そのエアスリーパーが姿勢を変えるときに、水平レールN上をスライドする。同様に、スライダPは、そのエアスリーパーにおける慣性荷重の際に、クロススライドG上をスライドする。それらスライドG自身は、その乗員が姿勢を変えるときに、それらの端部で、レールC及びレールJ上をスライドする。スライダRは、そのエアスリーパーのバックレストの上端に取り付けられ、そのエアスリーパーのフレームの一部であるスライドS上をスライドする。
[ダイナミックチャイルドシートの実施例]
図8及び図9は、それぞれ異なる図を示し、図10は、アウターシェルのない図を示す。図11は、荷重下の動きを図解する。
【0019】
1A:上部ショックアブソーバと下部ショックアブソーバとの間の断面差を示す。その幅は、むち打ち、後方衝突、又は、加速度荷重をシート内で受けるための剛性を示す(それらは、異なる材料又は構造であってもよい。)。
【0020】
1B:前部ショックアブソーバと後部ショックアブソーバとの間の断面差を示す。その幅は、側面衝突荷重を受けるための剛性を示す(それらは、異なる材料又は構造であってもよい。)。
【0021】
特に、加速方向に対して実質的に横向きに配置されたスリーパーの場合のフラット位置では、“側面”がその乗員に関する配置を参照するところでは、“側面”衝突、又は加速度荷重に関して同じ原理が保持される。
【0022】
1C:シート又はスリーパーの背部における幅狭セクション又はより柔らかいショックアブソーバの実施例。
1D:体に隣接するインナーシェル。ショックアブソーバが変形すると動く。耐貫通材料であってもよい。
1E:シートの前部におけるより幅広のセクション又はより硬いショックアブソーバの実施例。
1F−アウターシェル。そのインナーシェルのための垂直サポートを提供するための底部を有する。多くの実施例は、インナーシェルとアウターシェルとをスライド可能に、その底部で直接的に或いはショックアブソーバ群を通じて、取り付ける。そのアウターシェルは、剛体であってもよく、荷重に応じた制御された変形を呈してもよい。
図12、図12A、図13、及び図14は、ダイナミックチャイルドシートの別の実施例におけるヘッドサポートのための実施例を図解する。これは、一対のヘッドパッドとサポート構造とを含む。
そのシートが前向きに或いは後ろ向きに位置付けられる乗り物における側面衝突の際にそれらヘッドパッドに大きな横力が掛かることを考えると、かなりの強度が必要である。背景技術における今までの設計は、静的な幅広の構造を用いている。そのような構造は、その乗員である子供の視界及び聞くことを妨げ、更に、静的であるので、その内面に配置されたパッドの程度までしか変形できない。対照的に、本発明は、ほとんどの場合、その子供の目の高さより低くなるように位置付けられる幅狭のヘッドレストサポートを有し、それにより、図示されるように視界の妨げとなるものを極小化するよう、そのヘッドパッドが設計され得るので、その乗員サポートからの妥協のない視界を可能にする。更に、その構造はまた、その子供が座っている間のその子供の聞き損ねを極小化するために、そのヘッドパッドが穴を有することを可能にする。
【0023】
衝撃の際にその部材に掛かるせん断負荷をサポートできる幅広の断面のために、目立たないヘッドレストサポートが実現可能である。これは、今までの全ての設計に対して対照的である。
それらヘッドバッド及びヘッドレストサポートは、側面衝突の際にそのヘッドレストサポートの方にそのパッドが動けるよう、これらの図面で示され得るように設計される。図示されるそのような動きは、その頭を安定させ且つ別の表面に当たろうとその頭が飛び出すことを防止すべく内方に回転するパッドをもたらす。多くの実施例におけるそれらヘッドパッドとそのヘッドレストサポートとの間の領域は、スプリングダンパ構造を有する。それら実施例のうちのいくつかでは、これは、収縮する発泡体パッドの形を取る。それらヘッドパッドの前部は、旋回させられてもよく、或いは単にそのヘッドレストサポートによって比較的堅固にサポートされるだけでもよい。
最後に、そのヘッドレストサポートは、そのシートが、衝突の際にその頭をより良好に受けるべく限定的な傾斜を許容する場合、その背部に旋回サポートを有していてもよい。そうでなければ、そのヘッドレストサポートは、その背部で、その乗員サポート(この場合チャイルドシートである。)に対して堅固に取り付けられる。
【0024】
2A:それらヘッドパッドとヘッドパッドサポートの側部との間の空間を示す。そのヘッドパッドサポートは、発泡体、又は、それらパッドがそのサポートの凹み内に後退できるようにし、それによってその頭を回転させ且つ安定させる、スプリングダンパ特性を持つ他の圧縮性の衝撃吸収材料を有していてもよい。図12Aは、その動きを示す。
【0025】
2B:その横力に抵抗するためのそのサポートの幅広プロファイルを示す。更に、この幅広サポートは、その子供の視界及び聞くことを妨げ得る背の高いサポートの必要性を低減させる。構造的に、その幅広サポートは、そのサポートの質量及びその材料の重さの点でより効果的であり、それ故に、より軽いヘッドサポートをもたらす。
【0026】
2C:ヘッドパッドを示す。通常、コンフォートフォーム又はエアサポートのための空気圧式空気袋で覆われている。
【0027】
2D:そのヘッドパッドの前縁に向かうそのヘッドパッドの旋回サポート又はより堅いサポートである。
【0028】
2E:ヘッドパッドでの聞き損ねを低減させる穴。特に、それらヘッドパッドは、そのヘッドパッドサポートによってサポートされ、それ故に構造強度における決定的な必要条件を有さないので、薄くなるように製造され得る。そのヘッドパッドとそのサポートとの間の空間は、音の伝達を許容する。
【0029】
2F:そのヘッドパッドの上縁。視界の妨げとなるものを極小化するためにその乗員の目の下となるように形成される。
以下の図面は、その乗員のための可動インナーシェルの動きを制御するための代替的な実施例を示す。
【0030】
図15及び図16は、横方向のスプリングダンパ又はショックアブソーバの実施例である“フレックスプレート”を示す。
【0031】
それらは、側面衝突の際に、その可動インナーシェルからのエネルギーを吸収するために曲がるよう設計される。それらフレックスプレートは、その一端において、そのアウターシェル(この実施例では、そのアウターシェルの骨組み)に堅く取り付けられ、また、その他端において、そのインナーシェルに堅く取り付けられるスライド上をスライドするスライダに取り付けられる。
【0032】
図面群は、その固定されたアウターシェル及びその可動インナーシェルにそれぞれ取り付けられる固定スライドプレート及び可動スライドプレートを示す。それらは、スライド動作を許容すべくそのシートの前端で旋回可能に取り付けられる。そのシートの前部での旋回は、側面衝突の際に、その頭、胸郭、及び骨盤の横変位を最大化すべく、そのシートが回転できるようにする。特に、それらスライドプレートは、そのシートにモーメントと横力とを適用し、それにより、そのシートの高さに沿ったフレックスプレートによって適用される力をバランスさせる。背景技術は、スライド装置を用いたこの必須の補償による前部ピボットを備えた実施例を有しない。
【0033】
図16は、インナーシェルに取り付けられるスライドA、B、C、Dを示す。これらは、そのシートが回転できるように、且つ、衝突荷重の際にそのシートが側方に動く場合にバックできるように、そのフレックスプレート上のそれらスライダと係合する。
【0034】
図16はまた、側面衝突の際に肩を安定させる肩支持具を示す。
【0035】
図17は、その可動インナーシェル上のスライドプレートを示し、また、そのインナーシェルに取り付けられるそれらスライドの位置を示す。
【0036】
図18は、そのインナーシェル上のスライドプレートを示す。
【0037】
特に、上述の図面群で示されるそれらスライドプレートは、前面衝突の場合に、そのピボットの回り(横軸の回り)で曲がり或いは撓むように設計され、それによって、そのシートのヘッドが前進できるようにする。
【0038】
2G:フレックスプレートを示す。それらは、スプリングダンパ特性を有する可撓性材料でできている。いくつかの実施例は、エネルギーを吸収するために、可撓性で変形する材料を有する複数の層を有し得る。それらフレックスプレートは、そのアウターシェルに堅く取り付けられ、そのインナーシェルにスライド可能に取り付けられる。
【0039】
2H:固定スライドプレートを示す。それら可動シェルは、その上でスライドする。
【0040】
2I:そのシートのピボット又は軸である。その荷重が実質的にそのピボット点の位置より上にあるので、この軸だけでは、そのシートの角運動をもたらすことはできない。そのピボットは、実施例によっては、ベアリングスリーブにおけるボルトとなり得る。
【0041】
2J:そのインナーシェルに堅く取り付けられるスライド群。
【0042】
2K:肩支持具
2L:それらフレックスプレートに取り付けられるスライダコンタクトサポート。
【0043】
2M:その固定シェル上にあるフレックスプレートのための剛体マウント。
【0044】
2N:その可動インナーシェル上にあるスライドプレート。
図19は、前面衝突に対するいくつかの実施例の配置を示す。そのチャイルドシート/乗員シートにおけるその子供の頭及び上半身のピーク加速度がより低いことが好適であることを考えると、“バンジースリング(Bunge sling)”は、前面衝突の際にエネルギーを吸収し且つピーク加速度を低減させるために曲がり或いは撓むように設計される。これは、それぞれのピボットの回りで曲がり或いは撓むスライドプレート群と共に、衝撃の際にそのシート並びにその子供の胸郭及び頭が前方に突出できるようにし、それによって、そのピーク加速度を低減させる。可撓性材料又は制振材によって取り付けられる可動インナーシェルを用いたそのような設計は、これが最初である。そのバンジースリングは、変形する材料から成る複数の層で作られていてもよく、スプリングダンパ特性のための適切な組み合わせを得るべく曲がるもので作られていてもよい。本書で述べられたように、他の実施例もまたそのバンジースリングを用いるようにしてもよい。
2P:固定アウターシェル。
2Q:可動インナーシェル。
2R:バンジースリング(衝突の場合に開かれる。)。
そのバンジースリングは、適切なスプリングダンパ特性を得るために、複数片の可撓性材料、塑性状態を超えて曲がる材料、又は、それらの組み合わせで作られていてもよい。
図20は、図7〜図10の実施例に関連する特徴を示す。ここで、“インナーシェルのためのサポート”は、発泡体のような柔らかい材料で作られていてもよいが、通常動作の際にはそのアウターシェルに対してそのインナーシェルをサポートし、衝突の際には必要に応じてそのインナーシェルが動けるように曲がり或いは分離されるように設計される。実施例によっては、それらサポートが分離され且つ倒れた場合にそのインナーシェルとそのアウターシェルとの間の空間をそれらサポートが促進できるように、それらサポートは、幅(w)よりも大きな長さ(l)を有し得る。
図21及び図22はそれぞれ、その子供の質量中心の位置に起因する結合を無効にし、且つそれらサポートに関連してサポートするのに必要な傾斜を有する圧縮ショックアブソーバ群をその背部に備えた、更に別の実施例を示す底面図及び背面図である。それはまた、その底部にスライド要素群を備えた接続手段と、少なくとも一つのピボット及び剛体要素又は衝撃吸収要素を備えた接続手段と、を示す。
同様に、図23及び図24は、その背部における、図21及び図22におけるような圧縮ショックアブソーバの代わりの、傾斜を有する伸長ショックアブソーバ群を示す。
【0045】
図25は、図21及び図22における圧縮ショックアブソーバの実装を示し、また、図26は、前面衝突に対するバンジースリングの実施例(衝撃吸収要素を備えた追加的な接続手段)を示す。
【0046】
3A:少なくとも一つのピボット端を有する接続手段、及び、それらの間にある剛体接続部又は衝撃吸収接続部。一端において可動インナーシェルに接続され、他端において固定アウターシェルに接続されている。これは、スプリング留めされたピボットの形を取ってもよく、或いは、単なるピボットの形を取ってもよい。
【0047】
3B:固定アウターシェルと可動インナーシェルとの間のスライド接触部。
【0048】
3C:アウターシェル又はフレーム。
【0049】
3D:インナーシェル。
【0050】
3E:可動インナーシェルに固定される後部スパイン。
【0051】
3F:固定アウターシェルに固定される後部スパイン。
【0052】
3G:圧縮ショックアブソーバ(スプリングダンパ)。
【0053】
3H:伸長ショックアブソーバ(スプリングダンパ)。
【0054】
3I:圧縮ショックアブソーバを固定アウターシェルに取り付けるブラケット。
【0055】
3J:圧縮ショックアブソーバを可動インナーシェルに取り付けるスパイン。
【0056】
3K:固定フレーム又はシェルに対するバンジースリングの接続部。
【0057】
3L:可動インナーシェルに対するバンジースリングの接続部。
図27〜図29は、乗り物内の子供のための乗員サポートの別の実施例を示す。
【0058】
注釈は、その部品の動作及び用途を説明する。
【0059】
4A:前面衝突の際にそのシートが前進できるようにするバンジースリング。一方の側部がそのフレームにしっかりと取り付けられ、他方の側部が、図示されるように垂直推力ベアリングのサポートに取り付けられる。
【0060】
4B:可動シート
4C:ベアリングに固定された可動シートガイド上の反応面。その面は、その可動シートがスライドするときにその可動シートの限定的な垂直“リフト”が存在することを保証するために、スライドピンを受け入れる溝を有していてもよい。
【0061】
4D:側面衝突における(質量中心を通過する)慣性荷重のベクトルに近づくよう位置付けられるベアリング。
【0062】
4E:シート底部のスライド面。
【0063】
4F:後ろ向き配置を可能にする、背部にピボットを備えたベース。サポートフランジ(4M)は、そのシートの傾斜を変更するために様々なレベルに設定され得る。
【0064】
4G:固定シェル又はフレームのための横ピボット軸。
【0065】
4H:テザーループ
4I:ベアリング(4K)の動きを制御可能なスプリングダンパを備えたスロット。
【0066】
4J:衝撃時のパルス荷重を受けるためのスロット及びスプリング荷重を備えた垂直反応ベアリングサポート。
【0067】
4K:(可動シートの背部にある溝上を走る)ベアリング。
【0068】
4L:反応ベアリングをサポートする横支柱。
【0069】
4M:所要の角度の後ろ向き配置のためにベース上にあるギア(図示せず。)上の様々な位置でロックされ得るサポートフランジ。
図35は、ダイナミックチャイルドシートの実施例を示す。そのシートシェルの位置は、衝突の際のものであり、側面衝突方向から遠ざかるよう回転したものが示される。それはまた、そのベース上のフレーム、及び、横安定のためにそのフレームと係合するノッチの配置を示す。頭を横方向からサポートするピローパッドと後部ヘッドレストとは図示されていないが、そのシートシェルの回転させられた位置は、衝突状況において頭を安定させるそのヘッドアセンブリの左サイドアームを示している。
図36は、印が付けられたテザー取り付け具を備えたダイナミックチャイルドシートの実施例を示し、衝突回転軸の回りの回転を許容すべくそのシートシェル上のスライド面と係合する一以上のピンを備えたスライドバーを示す。(スプリング留めされ得る)それらピン群(図示せず。)は、そのシートシェルの垂直運動を制限する。それはまた、そのフレームを前部の両側でサポートする脚部対を示す。横方向バー(図示せず。)は、図示されるスロットと係合し、通常はそのベースに取り付けられる二つのタワーにおける複数のスロットの一つを解放すべくそのスロットの前に手動で前方に引っ張られ得るものが、そのスロットの後方の位置となるようスプリング留めされ、それによってそのフレームの前部の高さ、及び結果として得られる傾斜を変更する。また、そのピボットは、そのシートフレームを特に後ろ向きの位置に傾斜させるためのものである。
図37は、ダイナミックチャイルドシートのフレームを示す。図示される上部チャネル及び下部チャネルは、スプリングダンパアセンブリを、各側に一つ、収容する。
【0070】
そのスプリングダンパアセンブリをサポートする一方又は双方のチャネルの上縁は、より低い前縁を備えた僅かに傾斜する上面を有し、そのシートに取り付けられるピン又はフランジであってそのスプリングダンパアセンブリをサポートするピン又はフランジが、衝突から遠ざかるようにその側部で上昇するときに、そのシートの揺動を防止し且つそのエネルギーをほぼ垂直の軸の回りの回転に向かわせるスロットによってそれが捕捉されるようにする。また、スライド面を有する前支柱を収容するスロットと、図示される衝突回転ピボットと同軸であるスライド面上を走るピンとが示されている。そのピンは、衝撃の際にその縁でそのシートの垂直運動を防止するために、そのスライド面におけるスロットと係合する。このピンは、その衝突エネルギーが増大した場合にその衝突エネルギーをそのシートに、その回転のために、戻すべくスプリング留めされていてもよい。また、水平軸回りにそのシートを回転させる傾向にある当初衝突荷重を再配置するための僅かな軸方向変位を許容するためのスプリングマウントを有していてもよいピボット−衝突回転軸が示されている。
図38は、側面衝突に続くそのフレームの回転の際に、そのスプリングダンパアセンブリのための反応面を提供する上部チャネルの端部を示す。
【0071】
図39は、テザーサポートの延長である金属強化材のための空洞を示す。その金属ストリップは、この実施例では、下部ピボットヒンジを包むように延在する。これは、そのテザーとラッチに接続される底部のピボットロッドとの間の剛結合をもたらす。
【0072】
図40は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドレスト高さ調節アームを示す。
【0073】
ケース1:通常位置にある作動レバーは、ヘッドアセンブリサポートストークの背部から遠ざけられ、ピンを解放してヘッドレストを動かすためにそのヘッドレストサポートストークの方に押し下げられる。
【0074】
ケース2:他の実施例では、その作動レバーとそのピボットとの間に位置付けられたピンを備え、その作動レバーの通常位置は、そのヘッドアセンブリサポートストークに隣接し、それらピンを解放するために引き出される。
【0075】
上記のケース1では、(そのストークとそのレバーとの中間に位置するそのストーク又はそのレバーに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられる、安全のためにその位置が色又はマークで示される)セーフティキャッチが創出され得る。
【0076】
ケース2では、セーフティキャッチは、その安全位置のためのレバーを(環状のものを用いて)捉えるべくそのストークに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられ得る。コードは、目に見えるところにある。
【0077】
その高さ調節アームのためのピボットは、通常、その通常位置でソケット穴と係合するようスプリング留めされている。この実施例におけるピボットは、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある。しかしながら、それはまた、様々な高さを許容すべく、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある複数組の穴を用いてそのシートシェル上でサポートされていてもよい。
【0078】
作動レバーが図示されている。
【0079】
ピンは、その高さ調節アームが取り付けられるところであるそのヘッドレストサポートストークにある対応する穴と係合する。それはまた、そのヘッドアセンブリサポートストークを包含するシートシェルのシース上にあるそのような複数組の穴と係合し、それによって、そのシートシェル上におけるそのシートサポートストークの高さのための複数の位置を可能にする。
【0080】
図41は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドアセンブリサポートストークであり、ヘッドレスト高さ調節アームの取り付けのためのピボット、及び、後部ヘッドレストの取り付けのためのピボットサポートを図示する。その後部ヘッドレストは、頭及び首の後ろに対するより良好な適合を可能にすべく旋回させられる。
【0081】
サイドアームの端部は、子供の頭及び顔のための側部サポートを提供するピローパッド(図示せず。)をサポートする。多くの実施例は、側面衝突の際にそれが後ろに傾斜しそれにより頭を包含できるよう、その取り付け具がほぼ垂直な軸の回りを旋回できるようにする。
【0082】
ピン穴(図示せず。)は、そのヘッドレスト高さ調節アーム上のピンを受けるべく、一列に配置される。これらの同じピン穴は、そのシートシェル上におけるそのヘッドアセンブリサポートストークの複数の位置を可能にすべく、そのシートシェルの背部で、そのシース上にある複数組の穴と係合する。
図42は、ダイナミックチャイルドシートのシートシェルアセンブリであり、
そのヘッドアセンブリサポートストークを収容するそのシートシェル上のシースの一方の側又は双方の側と係合するピンと、
そのシートシェルに固定されるスプリングダンパアセンブリの内縁と(いくつかの実施例は、僅かな隙間を持つフレーム上のスロットと係合するフランジを有する。)、
ヘッドレスト高さ調節アームと、
いくつかの実施例における右側スプリングダンパアセンブリの位置と(同様のアセンブリは、そのフレーム上で示されるように左側の位置及びより低い位置に来る。)、
ヘッドアセンブリサポートストークと、を図示する。
【0083】
図43及び図44は、ダイナミックチャイルドシートのベースであり、
(前向きの)最低位置でフレームを捉えるノッチと、
シートが後ろ向きの位置にあるときにそのフレームを傾斜させるためのピボットと、
そのベース上におけるそのフレームの様々な傾斜のためにそのフレーム上にある横方向バーと係合するノッチを備えた一対のタワーと(そのフレームはその後部ピボットで旋回する。)、
カーシート形状のために面取りされた側部と、を図示する。
【0084】
図45は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際に加速度を減衰させるべく広がるバンジースリングと(バンジースリングの後部中央は、そのフレームに取り付けられる。)、
シートシェルに取り付けられるバンジーピンスロット内をスライドするバンジーピンと、を有する。側面衝突の際にはそのピンはスライドアウトする。前面衝突の際にはそのピンは反力を提供すべくそのスロットと係合する。そのスロットのいくつかの実施例は、前面衝突の際にそのスロットが前方へ動くときにそのピンが進入するところであるそのスロットの内面に凹みを有し、それによって、そのピンをそのスロット内にさらにしっかりと固定する。
【0085】
図46は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際にはバンジーピンと係合し、また、側面衝突の際にはそのバンジーピンがその側部からスライドアウトできるようにするバンジースロットを図示する。
【0086】
バンジースロットは、そのヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止するための切り欠きを有する。
【0087】
そのシートシェルに対するそのバンジースロットのサポートは、ヘッドレストアセンブリサポートストーク及びそのシートシェル上のそのハウジングを跨ぐ。
【0088】
図47は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングであり、
二つの側部のそれぞれであり、その中央でフレーム及びシートシェルのそれぞれに取り付けられる二つの側部のそれぞれと、
バンジースリングを固定するための一以上のポイントであり、いくつかの実施例は穴及び固定ピンを用いるところのポイントと、を示す。
【0089】
そのバンジースリングの側部は、それら二つのサポートポイントが引き離されたときに広がる。それらの材料は、乗員の負傷を最小限にするためのエネルギー吸収特性及び弾性特性を提供するよう設計される。
【0090】
図48は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースロットであり、
凹みであり、この実施例では前面衝突の際にそのバンジーピンをよりしっかりと固定するためにそのバンジーピンと係合する凹みと(そのバンジーピンは、通常位置において、その凹みと係合していない。)、
シェル上のサポートポイント群と、を示す。バンジースロットは、そのヘッドアセンブリサポートストークを跨ぐポイント群で固定される。他の実施例では、そのヘッドアセンブリサポートストークにスロットが創出される場合には、その中央により近いところで固定され得る。
【0091】
切り欠きは、ヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止する。
[発明の詳細な説明]
本発明は、分散させるべき反力のためのより大きな表面積を提示するために乗り物サポートにおける乗員を再配置するための構造を提供し、それによって、負傷をより小さなものとし、且つ、適度の荷重の場合にはより大きな快適性をもたらす。その構造は、シート位置、スリーパー位置、及びそれら二つの間の全ての位置においても等しく有効に働く。それはまた、スリープ位置から着座位置までの様々な姿勢を有する構造に適用される。それは、車両における幼児サポート及び小児サポートで用いられ、また、航空機を含む乗り物におけるスリーパーでも用いられ得る。
[乗員サポート−エアスリーパー]
提示されるエアスリーパーの実施例は、フレーム上でサポートされる。このフレームは、大抵は衝突の場合に、そのエアスリーパーの乗員が横方向の慣性荷重又はほぼ横方向の(角度のある)慣性荷重を受けたときに、傾斜するよう設計される。そのエアスリーパーの配置が航空機の軸に直交する場合、その傾斜を生じさせる、その乗員サポートに対する直接の慣性荷重が存在する。そのエアスリーパーがその航空機の軸に対して角度を有する場合、その慣性荷重のその二つのスライドの平面における力の成分は、移動を生じさせる。それらスライドは、通常、この移動においてその乗員が受ける加速度を最適化するためのスプリングダンパを有する。
【0092】
この傾斜は、そのエアスリーパーの(その航空機の運動に対する)後縁を(その航空機の運動に対する)前方に再配置するクロススライド群G上にあるスライダ群Pと、そのエアスリーパーのフレームに取り付けられるスライドL、Mであり、スライダ群Kがその上を走るところであるスライドL、Mとによって実現される。特に、スライダ群K及びクロススライド群Gは、その乗員が、真っ直ぐに立った着座位置からリクライニング位置そしてフラットベッドスリープ位置まで動くときに、様々な位置を取る必要がある。これは、以下を有することによって実現される。
1.その乗員の軸に沿ったレールC及びJに沿ってスライド可能なスライダ群Qに取り付けられるクロススライド群G(特に、スライダ群QがレールJを進むときにつぶれる(入れ子になる(telescoping))セクションJ1としてのレールJ。これは、横慣性荷重の際にその乗員の脚及びそのエアスリーパーのフットレストがそのレールに接触することなく横に傾けられるようにするのに必要である。)。
2.その乗員の軸に沿ってレールN上をもスライド可能なダブルスライド群であるスライダ群K(多くの実施例は、それらダブルスライダ群のうちの一つのみを必要する。図示された実施例では、その乗員の頭のところにあるスライダKは、単に点支持で旋回するのみである。)。
3.その乗員の加速度を制御するためのそれらの連結の一以上におけるスプリングダンパの組み合わせ。
その乗員の任意に決定できる位置は、水平レール群上のスライダ群Qのスライドと、そのエアスリーパーのフレームの一部であるスライド群S上のスライダ群Rのスライドとによって制御される。スライド群Sは、そのエアスリーパーの通常位置においてほぼ垂直となるよう示されているが、それらは、それらが互いに局所的に平行である限り、任意の傾斜を有するようにしてもよい。それらスライド群の局所的な傾斜は、その乗員が選ぶことができる任意に決定できる姿勢を定義する。
図示された実施例における側部サポートヘッドレスト群は(実施例によってはそのようなヘッドレスト群を有していないものがある。)、傾斜スライド群上をスライドし、また、横スライダは、シートバックの頂部にある横スライド上を走る。これらの機構は、それら側部サポートヘッドレスト群のそれぞれが、その着座位置における頭の方に移動し、また、フラットベッド位置におけるそのエアスリーパーの縁の方に移動できるようにする。
【0093】
そのエアスリーパーのサポート面群は、(その航空機の運動に対する)その前側部の下でその前側部に接している。
【0094】
そのエアスリーパーの配置は、その航空機に対して横向きであってもよく、或いは、その航空機の軸に対して角度が付けられていてもよい。角度が付けられた位置で、その乗員の頭がその脚の(その航空機の運動方向における)前方にある場合、その乗員は、衝突荷重の際に、そのエアスリーパーに押し込められる。
【0095】
そのスクリーンは、(その乗員の通常位置、すなわち、慣性荷重がない場合において)垂直ピボットを有するよう示されている。特に、その配置は、衝突又は急減速の場合にそのスクリーンがその乗員から遠ざかるように揺動することを保証する。これは、その横配置を超えて前方に揺動するのを防止する回転ロックを有することによって保証され得る。衝突荷重の際にその乗員の脚がその頭の(その航空機の運動方向における)前方に来るようそのエアスリーパーが配置された場合、そのスクリーンは、その乗員から遠ざかるように揺動する。その乗員の頭がその脚の前方に来る場合、そのスクリーンは、その乗員の方に前方に揺動するのを防止するためのストップを有することができる。
[乗員サポート−ダイナミックチャイルドシート]
本発明のダイナミックチャイルドシートバージョンの多くの代替的な実施例が存在する。本発明の第一組の実施例は、US10/109674及びEP1325836の発明に関する。それらは、その乗員の慣性荷重及びその乗員の実質的に横に位置するそのサポートに関し、その乗員の制御された再配置により負傷を低減させるための解決策を提供する。この実施例ファミリーは、乗員サポートシェルをサポートするための複数の接続手段を用いる。それら複数の接続手段のそれぞれは、その乗員サポート又はその乗員サポートの付属品に取り付けられる第一端を有する。それら複数の接続手段は、複数の方向にそれら第一端を再配置するよう設計され、それによって、乗り物の加速によって引き起こされる慣性荷重の下で、その乗員サポート内の乗員を再配置する。それら第一端群の変位の距離及び方向は、それら複数の接続手段の間で異なり得る。
【0096】
サポートのためのこのパラダイムは、慣性荷重の予想される範囲の条件下でその乗員の回転及び再配置を制御することができる位置における制御された反力を提供するための機構をもたらす。
そのような実施例のいくつかは、60/962077で開示されるようなものであってもよく、そこでは、複数のサポート手段は、発泡体の可撓性“フィンガー群”であり、或いは、一部の例では、それらフィンガー群の端部群のうちの一つでスライド装置を含む接続手段を備えた他の変形可能材料である。それらの実施例は、それら“フィンガー群”の長さに直交する接続手段の第一端群を再配置すべく、一部の例では、(その圧縮及びその結果として生じる変位を変えるための差別的特性及び/又は断面を有し得る)その発泡体の圧縮及びその発泡体の変形を許容する。フィンガー群の概念が視覚化に役立つ限りにおいて、これらの実施例において別のフィンガーを有することに制限はない。例えば、発泡体のセクションのそれぞれが、複数の方向に再配置されたそれぞれの第一端により、そのサポートシェル及び乗員に異なって作用するように、複数の接続手段を効果的に提供する様々な特性を有する連続的な発泡体サポートがあってもよい。
実施例の別のグループは、60/960067で開示されるようなものであってもよい。これらの実施例は、多数のスライド接続手段を有し、それらのいくつかは、適切な位置におけるその乗員サポートシェルからの制御された反力の下でそれらの第一端群を再配置する衝撃吸収手段を備え、その乗員及びその乗員サポートが慣性荷重の下で適切に再配置されるようにする。
この発明における実施例の別のグループは、制御された態様で慣性荷重を相殺すべく、その乗員サポート上の適切な位置において、制御された反力を提供することにより、複数の方向にその乗員サポートを再配置する第一端群を備えた複数の接続手段を有する。これらの実施例において、個々の要素は、その一端又は両端で旋回させられ、また、その(圧縮又は伸長の)接続手段の第一端と第二端との間の方向に反力が適用される。これらの接続手段は、それぞれ、伸長又は圧縮の衝撃吸収要素を有していてもよい。本発明の構造は、単一の旋回端を備えた接続手段が二以上存在する場合は常に、それらが同じ単一の旋回軸を有していなければならないということを必要とする。
実施例の更に別のグループは、第一端群を複数の方向に再配置するための二以上の上述のタイプの接続手段の組み合わせを有し得る。
適切な乗員サポートを設計するときの課題の一つは、その乗員の回転及び再配置のための瞬間的な軸を定義するために、その接続手段の二つの第一端を位置付けることである。当然ながら、その乗員の体内にあるサポートポイントにアクセスことはできず、また、多くの場合、その乗員の前部と側部の大部分とは空いている必要がある。従って、その接続手段のために、その乗員サポートとの利用可能な接触面と共に、力及び力のモーメントを創出する必要がある。また、それらの接続手段によって適用される力の方向は、所望の回転軸と直交してその乗員を回転させる傾向にある慣性荷重力のモーメントを無効にする必要がある。
特にチャイルドシートにおける第二の課題は、その乗員を移動或いは再配置可能な機構のための空間の深刻な不足である。この空間は、通常、シート面と大人用シートの表面上のマウントとの間にあり、1インチ未満から約3インチまでとなり得る。
本発明は、これらの課題を解決するための、いくつかの独特なアプローチを有する。例えば、子供の前にあるそのチャイルドシートの開放側が衝突の際に衝突から見て外方を向くようにそのチャイルドシートを再配置する、(単一の旋回端を備えた少なくとも一つの)旋回端群と一組のスライド可能な接続手段とを備えた、複数の圧縮ショックアブソーバを用いる一つの実施例がある。この実施例では、単一ピボットを備えたその接続手段ができるだけ前方の遠いところに位置付けられ、ほぼ垂直な軸の回りのその乗員の頭及び胴の動きがこのピボットを通じて極小化されるようにする。これは、そのシートの底部でのみ可能であるので、これは、所望の軸に沿った、重心からのこのサポートポイント(その接続手段のための第一端)の距離の問題をもたらす。この距離はかなりのものであり、そのようなピボットは、理論上、壊れることなく、(背景技術において想定されるように)通常のトルクをサポートすることが可能であるが、実際には、そのピボットは、重荷重下でボールジョイントのように作用し、それによって、力のモーメントは、そのピボットの所望の軸又は軸群の回りで長い時間にわたってそのシートを回転させ続けるために補われる必要がある。この実施例は、この課題を解決するために二種類の接続手段を用いる。第一のものは、シート底部の前端を向く接続ポイントのところでピボットを備えた、圧縮の、伸長の、或いは剛体の接続手段である。その接続手段の他端は、固定されていてもよく、或いは、垂直軸の回りで旋回可能にサポートされていてもよい。別の接続手段は、そのシートの中央後部スパインに取り付けられる第一端を有し、僅かに下方に且つ/或いは僅かに後方に傾けられる(これは、通常、そのスパインから後方に突出するサポートによってのみ実現可能である。)圧縮ショックアブソーバである。その第二端は、乗り物に堅く取り付けられるそのチャイルドシートのアウターシェル又はフレームに取り付けられる。更に、この実施例は、そのシートの底部に位置付けられるスライド可能な要素群を備えた接続手段であり、それらの第一端群が、その第一の圧縮/伸長/剛体接続手段の後ろ、及び、その両側で、そのシート底部に取り付けられ、その前方には有意な面が存在しないところの接続手段を有する。接続手段のこの組み合わせは、所望の軸に直交してそのシートを回転させる傾向にある偶力モーメントを相殺するための反力をもたらす圧縮接続手段及びスライド接続手段を用いて、側面衝突の際にそのチャイルドシートを再配置する。
別の関連実施例は、その接続手段において、そのシートの背部における圧縮ショックアブソーバの代わりに、伸長ショックアブソーバを用いる。これらは、それらの第一端群が、そのシート背部の両側において、そのアウターシェル又はシートフレームへのそれら第二端群のその構造の後部スパインに沿った取り付け位置よりも僅かに前方で且つ高いところに取り付けられるよう、位置付けられる。
上述の実施例の何れの場合においても、それらショックアブソーバの配置角度は、所望の軸(この場合、ほぼ垂直である。)に直交してそのシートを回転させる傾向にある偶力モーメントを相殺するためにそれらが適用する反力を決定する。更に、ショックアブソーバ対は、両側からの衝突のためにも用いられ得る。一方の側の衝突の際、不使用のショックアブソーバは、本発明のいくつかの実施例においては、そのシェルの再配置のためのより大きな空間を提供するために切り離され得る。
更に、上述の実施例の何れの場合においても、複数の圧縮/伸長ショックアブソーバが、(スペースが許せば)そのシートの両側に配置されてもよい。
【0097】
圧縮又は伸長ショックアブソーバを用いるこれらの実施例に対して、別の追加的な実施例は、それらショックアブソーバ群の第二端群と係合するスライダ又は回転ダイアルを有し、それにより、様々な年齢の子供に対してそれらが適用する合力を変化させる。ダイアル又はスライダによるショックアブソーバ群のそのような係合に用いられる機構は、背景技術において周知であり、一以上のショックアブソーバの端部の自由運動を可能にし、その結果それらを解放する、ダイアル又はスライダの背部における単なる切り欠きであってもよい。しかしながら、それらは、衝撃の際に砕ける弱い分離ジョイントと共にそのまま残されてもよい。
チャイルドシートに対する更に別の関連実施例は、スライド要素を備えた接続手段を、単独で用い、或いは、そのシートの中央前部のところに少なくとも一つの旋回端を備えた接続手段の一つと共に用いる。上述の二つの実施例におけるようなそのシートの底部にスライド要素群を備えた接続手段に加え、この実施例は、そのシートの側部にもスライド可能な接続手段を有する。それは、そのシートの前部の近くにおける所望の瞬間的な回転軸に直交する偶力モーメントを相殺するための所望の反力をもたらす。60/960067における開示は、この例を含む。
最後に、別の関連実施例は、そのシートの前部の近くで一端又は両端で旋回させられるオプションの接続手段を備えた圧縮可能で且つ変形可能な発泡体の“フィンガー”を用いる。その発泡体“フィンガー”はまた、スライド要素群に取り付けられるそれらの端部の一方を、そのチャイルドシート又はアウターシェル/フレームに取り付けられる接続手段の一部として有していてもよい。
図8〜図11に開示された装置は、荷重から見て遠くを向くようにその乗員を移動させ、或いはその体を安定させ、それにより、その乗員サポートとのより大きな接触面積を提供する。これは、二つの利点をもたらす。第一に、単位面積当たりの荷重が低減される。第二に、その回転再配置は、その体がその乗員サポートから出るのを防止するようその体を安定させる。これは、深刻な衝突荷重の条件下ではよくあることである。
その装置は、その乗員サポートの前部により堅い衝撃吸収要素群を有し、その乗員サポートの後部により柔らかい衝撃吸収要素を有する。荷重下におけるそれらショックアブソーバ群のこの差別的抵抗は、図面群で示されるような、同じ材料ではあるが異なる断面を持つショックアブソーバ群を有することによっても実現され得る。同様に、同じ断面ではあるが異なる性質を持つ材料、及び、その中間の全ての組み合わせが用いられてもよい。
ショックアブソーバ要素群のそれぞれは、そのショックアブソーバの軸に対するインナーシェルの横運動を可能にすべく、その一端がスライド可能に取り付けられていてもよい。これは、実施例によっては実用的でない場合があるので、それら衝撃吸収要素群の横方向の変形は、両端が堅く固定される場合には、そのような横荷重が考慮されなければならない。スライド可能な取り付けが選択された場合、それらの要素群は、場合によっては、伸長荷重に関与することなく、圧縮荷重のみに関与するようにしてもよい。実施例によっては、特に、それらショックアブソーバが発泡体及びアルミニウムのようなつぶれる材料で作られている場合には、それらショックアブソーバのための端部ストップが用いられてもよく、或いは、他の六角形セルのコアを持つ材料が用いられてもよい。
ヘッドサポートは、実施例によっては、頭の質量及び関連の慣性荷重に合わせた同じ構造の縮図を有するサイドウイングを備えた個別のヘッドレストを有していてもよい。これは、側方からの衝撃に対する保護のために、そのサポートによって頭が安定させられるよう、頭の側部のそれぞれにおいて、そのウイング群の前部でより堅いショックアブソーバを必要とし、そのウイング群の後部に向かってより柔らかいショックアブソーバを必要とする。そのヘッドサポートは、インナーシェル又はアウターシェルの何れに取り付けられていてもよい。インナーシェルに取り付けられる場合、そのショックアブソーバ機構は、そのインナーシェルに作用する主要ショックアブソーバシステムによって引き起こされる運動を増大させる。
インナーシェルの後部スパインに沿ったアウターシェルに対するアンカーは、前面衝突の際のサポートのために、そのインナーシェルの横運動を許容するが、前進運動を制限する。
シート群において、むち打ち症を最小限とするためにその同じ装置が使用され得る。幅狭セクション又はより柔らかいショックアブソーバの実施例は、むち打ち防止のために、その頂端部でより大きな運動を可能にする。
幅広セクション又はより堅いショックアブソーバの実施例は、後面衝突に対するサポートのためのより堅いサポートを提供する。
それらショックアブソーバ要素群の間の間隔が近い場合、また、実際にはそれらが差別的な性質を持って互いに隣接している場合、実施例によっては、それらの内面としてのインナーシェルを有してさえいない場合がある。ショックアブソーバ群は、その乗員と接触する面を提供する。別の実施例では、それらショックアブソーバ要素群の内端群における、織物、又は他の薄い可撓性のカバーがあってもよい。
その乗員スペースへの侵入が存在し得る適用例において、そのインナーシェルは、貫通及び穿通に耐性を示すケブラー又は他の材料で構成されていてもよい。これはアウターシェルに対しても為されうるが、実施例によっては、その乗員の変位が制限されるよう、そのアウターシェルにおける貫通を許容するのが好適である場合もある。
アウターシェルは、従来の方法を用いて乗り物に取り付けられ得る。
図12〜図14は、側面衝突に対するヘッドサポートのためのいくつかの特徴を示す。 ヘッドサポートは、実施例によっては、頭の質量及び関連の慣性荷重に合わせた同じ構造の縮図を有するサイドウイングを備えた個別のヘッドレストを有していてもよい。これは、側方からの衝撃に対する保護のために、そのサポートによって頭が安定させられるよう、頭の側部のそれぞれにおいて、そのウイング群の前部でより堅いショックアブソーバを必要とし、そのウイング群の後部に向かってより柔らかいショックアブソーバを必要とする。そのヘッドサポートは、インナーシェル又はアウターシェルの何れに取り付けられていてもよい。インナーシェルに取り付けられる場合、そのショックアブソーバ機構は、そのインナーシェルに作用する主要ショックアブソーバシステムによって引き起こされる運動を増大させる。
【0098】
図15及び図16におけるフレックスプレートの構造は、側面衝突に対するショックアブソーバのための更に別のアプローチを提供する。
【0099】
これらは、そのチャイルドシートの底部にスライド装置を備えた実施例においては、(実施例によってはスプリング留めされる)回転のためのピボット装置で補完されてもよい。
(バンジースリングの実施例におけるような)インナーシェルの後部スパインに沿ったアウターシェルに対するアンカーは、前面衝突の際のサポートのため、そのインナーシェルの横運動を許容するが、前進運動を制限する(図19参照。)。
ここで開示される本発明の別の態様は、乗員の背部でその第一端がインナーシェルに取り付けられ且つその他端がアウターシェル又は乗り物に取り付けられるスプリングダンパの組み合わせを有する上述の接続手段の特殊形態である“バンジースリング”である。前面衝突の際、このバンジースリングは、その乗員サポート及びハーネスで拘束されたその乗員の限定的な前進運動を許容し、それにより、その乗り物の正面衝突の際の、胸郭及び頭のピーク加速度を低減させる。その他の接続手段は、この運動の間、作用し続けてもよく、或いは、切り離されてもよい。
この発明に係るダイナミックチャイルドシートの別の一連の実施例群は、衝突の際に子供を再配置すべくそのダイナミックシェル又は可動シェルを所望の方向に案内するために、そのダイナミックシェル又は可動シェル上の背面及び側面群の双方における反応ベアリングを用いる。
【0100】
後部ベアリングは、衝突の際の垂直の衝撃を受けるために、図示されるようにスプリングマウントされるが、その後すぐに、その衝撃のエネルギーを減衰させることによって、そのシートを所望の方向に保持する。また、側部ベアリング群も、長いスプリングアクスル群であり、側部ベアリング群がその上に取り付けられるところの長いスプリングアクスル群によって、スプリング留めされている。
それらは、その乗員のピーク加速度を低減させ且つ側面衝突のときにその乗員を再配置することによってそのような側面衝突の状態を和らげるために用いられる基本的な対策である。
【0101】
そのシートの背部におけるバンジースリングは、前面衝突の際に、そのシートの頂部が前進できるように変形することによって機能する。そのベースの下にあるそのシートの底部は、この運動を許容するピボットに固定される。その結果、前面衝突荷重の減衰がもたらされる。
[好適な実施例−ダイナミックチャイルドシート]
側面衝突の際に実質的に垂直な軸の回りを回転し、また、前面衝突の際に前進するダイナミックチャイルドシートの実施例は、バンジースリングによって制御される。図面群は、衝突の際のそのシートシェルの位置を示し、また、その側面衝突の方向から遠ざかるように回転することを示す。それはまた、そのベース上のフレームの配置、及び、横安定のためにそのフレームと係合するノッチを示す。横方向で頭をサポートするピローパッド群、及び後部ヘッドレストは図示されていないが、そのシートシェルの回転位置は、衝突の際にその頭を安定させるそのヘッドアセンブリの左サイドアームを示している。
図36は、印が付けられたテザー取り付け具を備えたダイナミックチャイルドシートの実施例を示し、衝突回転軸の回りの回転を許容すべくそのシートシェル上のスライド面と係合する一以上のピンを備えたスライドバーを示す。(スプリング留めされ得る)それらピン群(図示せず。)は、そのシートシェルの垂直運動を制限する。それはまた、そのフレームを前部の両側でサポートする脚部対を示す。横方向バー(図示せず。)は、図示されるスロットと係合し、通常はそのベースに取り付けられる二つのタワーにおける複数のスロットの一つを解放すべくそのスロットの前に手動で前方に引っ張られ得るものが、そのスロットの後方の位置となるようスプリング留めされ、それによってそのフレームの前部の高さ、及び結果として得られる傾斜を変更する。また、そのピボットは、そのシートフレームを特に後ろ向きの位置に傾斜させるためのものである。
図37は、ダイナミックチャイルドシートのフレームを示す。図示される上部チャネル及び下部チャネルは、スプリングダンパアセンブリを、各側に一つ、収容する。
【0102】
そのスプリングダンパアセンブリをサポートする一方又は双方のチャネルの上縁は、より低い前縁を備えた僅かに傾斜する上面を有し、そのシートに取り付けられるピン又はフランジであってそのスプリングダンパアセンブリをサポートするピン又はフランジが、衝突から遠ざかるようにその側部で上昇するときに、そのシートの揺動を防止し且つそのエネルギーをほぼ垂直の軸の回りの回転に向かわせるスロットによってそれが捕捉されるようにする。また、スライド面を有する前支柱を収容するスロットと、図示される衝突回転ピボットと同軸であるスライド面上を走るピンとが示されている。そのピンは、衝撃の際にその縁でそのシートの垂直運動を防止するために、そのスライド面におけるスロットと係合する。このピンは、その衝突エネルギーが増大した場合にその衝突エネルギーをそのシートに、その回転のために、戻すべくスプリング留めされていてもよい。また、水平軸回りにそのシートを回転させる傾向にある当初衝突荷重を再配置するための僅かな軸方向変位を許容するためのスプリングマウントを有していてもよいピボット−衝突回転軸が示されている。特に、そのピボットは、前面衝突の際にその軸が前方に曲がり或いは傾斜し、前面衝突の際のその乗員の動きを制御するためにそのバンジースリングと連動して動作するよう、設計される。
図38は、側面衝突に続くそのフレームの回転の際に、そのスプリングダンパアセンブリのための反応面を提供する上部チャネルの端部を示す。
【0103】
図39は、テザーサポートの延長である金属強化材のための空洞を示す。その金属ストリップは、この実施例では、下部ピボットヒンジを包むように延在する。これは、そのテザーとラッチに接続される底部のピボットロッドとの間の剛結合をもたらす。
【0104】
図40は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドレスト高さ調節アームを示す。
【0105】
ケース1:通常位置にある作動レバーは、ヘッドアセンブリサポートストークの背部から遠ざけられ、ピンを解放してヘッドレストを動かすためにそのヘッドレストサポートストークの方に押し下げられる。
【0106】
ケース2:他の実施例では、その作動レバーとそのピボットとの間に位置付けられたピンを備え、その作動レバーの通常位置は、そのヘッドアセンブリサポートストークに隣接し、それらピンを解放するために引き出される。
【0107】
上記のケース1では、(そのストークとそのレバーとの中間に位置するそのストーク又はそのレバーに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられる、安全のためにその位置が色又はマークで示される)セーフティキャッチが創出され得る。
【0108】
ケース2では、セーフティキャッチは、その安全位置のためのレバーを(環状のものを用いて)捉えるべくそのストークに旋回可能に或いはスライド可能に取り付けられ得る。コードは、目に見えるところにある。
【0109】
その高さ調節アームのためのピボットは、通常、その通常位置でソケット穴と係合するようスプリング留めされている。この実施例におけるピボットは、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある。しかしながら、それはまた、様々な高さを許容すべく、そのヘッドアセンブリサポートストーク上にある複数組の穴を用いてそのシートシェル上でサポートされていてもよい。
【0110】
作動レバーが図示されている。
【0111】
ピンは、その高さ調節アームが取り付けられるところであるそのヘッドレストサポートストークにある対応する穴と係合する。それはまた、そのヘッドアセンブリサポートストークを包含するシートシェルのシース上にあるそのような複数組の穴と係合し、それによって、そのシートシェル上におけるそのシートサポートストークの高さのための複数の位置を可能にする。
【0112】
図41は、ダイナミックチャイルドシートにおけるヘッドアセンブリサポートストークであり、ヘッドレスト高さ調節アームの取り付けのためのピボット、及び、後部ヘッドレストの取り付けのためのピボットサポートを図示する。その後部ヘッドレストは、頭及び首の後ろに対するより良好な適合を可能にすべく旋回させられる。
【0113】
サイドアームの端部は、子供の頭及び顔のための側部サポートを提供するピローパッド(図示せず。)をサポートする。多くの実施例は、側面衝突の際にそれが後ろに傾斜しそれにより頭を包含できるよう、その取り付け具がほぼ垂直な軸の回りを旋回できるようにする。
【0114】
ピン穴(図示せず。)は、そのヘッドレスト高さ調節アーム上のピンを受けるべく、一列に配置される。これらの同じピン穴は、そのシートシェル上におけるそのヘッドアセンブリサポートストークの複数の位置を可能にすべく、そのシートシェルの背部で、そのシース上にある複数組の穴と係合する。
図42は、ダイナミックチャイルドシートのシートシェルアセンブリであり、
そのヘッドアセンブリサポートストークを収容するそのシートシェル上のシースの一方の側又は双方の側と係合するピンと、
そのシートシェルに固定されるスプリングダンパアセンブリの内縁と(いくつかの実施例は、僅かな隙間を持つフレーム上のスロットと係合するフランジを有する。)、
ヘッドレスト高さ調節アームと、
いくつかの実施例における右側スプリングダンパアセンブリの位置と(同様のアセンブリは、そのフレーム上で示されるように左側の位置及びより低い位置に来る。)、
ヘッドアセンブリサポートストークと、を図示する。
【0115】
図43及び図44は、ダイナミックチャイルドシートのベースであり、
(前向きの)最低位置でフレームを捉えるノッチと、
シートが後ろ向きの位置にあるときにそのフレームを傾斜させるためのピボットと、
そのベース上におけるそのフレームの様々な傾斜のためにそのフレーム上にある横方向バーと係合するノッチを備えた一対のタワーと(そのフレームはその後部ピボットで旋回する。)、
カーシート形状のために面取りされた側部と、を図示する。
【0116】
図45は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際に加速度を減衰させるべく広がるバンジースリングと(バンジースリングの後部中央は、そのフレームに取り付けられる。)、
シートシェルに取り付けられるバンジーピンスロット内をスライドするバンジーピンと、を有する。側面衝突の際にはそのピンはスライドアウトする。前面衝突の際にはそのピンは反力を提供すべくそのスロットと係合する。そのスロットのいくつかの実施例は、前面衝突の際にそのスロットが前方へ動くときにそのピンが進入するところであるそのスロットの内面に凹みを有し、それによって、そのピンをそのスロット内にさらにしっかりと固定する。
【0117】
図46は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングアセンブリであり、
前面衝突の際にはバンジーピンと係合し、また、側面衝突の際にはそのバンジーピンがその側部からスライドアウトできるようにするバンジースロットを図示する。
【0118】
バンジースロットは、そのヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止するための切り欠きを有する。
【0119】
そのシートシェルに対するそのバンジースロットのサポートは、ヘッドレストアセンブリサポートストーク及びそのシートシェル上のそのハウジングを跨ぐ。
【0120】
図47は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースリングであり、
二つの側部のそれぞれであり、その中央でフレーム及びシートシェルのそれぞれに取り付けられる二つの側部のそれぞれと、
バンジースリングを固定するための一以上のポイントであり、いくつかの実施例は穴及び固定ピンを用いるところのポイントと、を示す。
【0121】
そのバンジースリングの側部は、それら二つのサポートポイントが引き離されたときに広がる。それらの材料は、乗員の負傷を最小限にするためのエネルギー吸収特性及び弾性特性を提供するよう設計される。
【0122】
図48は、ダイナミックチャイルドシートのバンジースロットであり、
凹みであり、この実施例では前面衝突の際にそのバンジーピンをよりしっかりと固定するためにそのバンジーピンと係合する凹みと(そのバンジーピンは、通常位置において、その凹みと係合していない。)、
シェル上のサポートポイント群と、を示す。バンジースロットは、そのヘッドアセンブリサポートストークを跨ぐポイント群で固定される。他の実施例では、そのヘッドアセンブリサポートストークにスロットが創出される場合には、その中央により近いところで固定され得る。
【0123】
切り欠きは、ヘッドレスト高さ調節アームとの接触を防止する。
[追加的な実施例]
11/639088の実施例を参照すると、この実施例は、その乗り物サポート機構の近くにおける、その乗り物への侵入の際に、衝撃から遠ざかるようにその乗員サポートを再配置するよう設計された追加的な特徴を有する。そのような実施例の一つは、プッシュロッドであり、主要な侵入がそのプッシュロッドを押し下げるよう、その侵入に直面するそのシートの外側にあるサブベースの側部から突出する一端を持つプッシュロッドを有する。また、そのプッシュロッドの他端は、ショックアブソーバの取り付け具を、その出願の図43におけるその端部239Bから切り離すよう設計される。そのプッシュロッドは、サブベースボディによってサポートされる。そのプッシュロッドの端部を押し下げる侵入の際に、そのショックアブソーバは、そのクラッシュバーと共に切り離され、また、その乗員と共にそのシェルは、そのサブベース上にある横方向バー群の端まで必要な程度だけ、そのスライド群上を自由にスライドする。そのクラッシュバー又はそのプッシュロッド単独の押し下げはまた、挫滅外傷を低減すべくその再配置を可能にする。
11/639088の実施例を参照すると、この実施例は、ピローパッドがそのサポート軸上で旋回し、且つその運動のためにスプリングダンパ留めされるという追加的な特徴を有する。これは、二つのピローパッドがその頭をサポートし、その頭が後頭顆及び首の脊椎関節の辺りで下方に動き、それによって、そのスプリングダンパ留めされたピローパッド群をそれらと共に回転させるので、正面衝突での頭のための追加的な衝撃吸収をもたらす。
11/639088の実施例を参照すると、この実施例は、ピローパッドがそのサポート軸に沿ってスプリングダンパ留めされるという追加的な特徴を有する。それにより、それらピローパッド群はまた、側面衝突の際に横方向に動き、ピーク加速度及びその結果として起こり得る負傷を低減させるように構成される。
[成果、効果、及び範囲]
提示された本発明が、ユーザにとってのより大きな利便性、快適性、及び安全性のための新たな構造を提供することは明らかであろう。実施例のそれぞれは、独特の利点を有し、この発明における新たなパラダイムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物における乗員サポートシステムであって、
該乗員の慣性荷重に応じて、当該乗員サポートシステムによる該慣性荷重に対する反力が該乗員のより大きな表面積に分配されるよう、該乗員を再配置し、それによって、該乗員の負傷を低減させるよう構成される、
乗員サポートシステム。
【請求項2】
前記乗員の再配置は、該乗員の生体構造の少なくとも一部に直接的に或いは間接的に取り付けられる少なくとも一つの可動シェルにおいて生じ、
前記再配置は、前記乗り物に取り付けられた静的シェルに対して生じる、
請求項1に記載の乗員サポートシステム。
【請求項3】
前記再配置は、それぞれ二つの端部を有する複数のサポート要素の少なくとも一つの変形によって実現され、第一の該端部は、前記可動シェルの一つに取り付けられ、第二の該端部は、前記乗り物に取り付けられる前記静的シェルに取り付けられる、
請求項1又は2に記載の乗員サポートシステム。
【請求項4】
前記複数のサポート要素の一つは、ピボットを含む、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項5】
前記複数のサポート要素の一つは、可動シェルに取り付けられる少なくとも一つの面を有する一対のスライド面又は転がり面を含む、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項6】
前記再配置は、前記複数のサポート要素の少なくとも二つの変形によって実現される、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項7】
前記二つのサポート要素の相対的な変形は、差別的な材料特性によって実現される、
請求項6に記載の乗員サポートシステム。
【請求項8】
前記二つのサポート要素の相対的な変形は、該要素の差別的な形状によって実現される、
請求項6に記載の乗員サポートシステム。
【請求項9】
前記変形するサポート要素の一つは、バンジースリングである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項10】
前記変形するサポート要素の一つは、圧縮ショックアブソーバである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項11】
前記変形するサポート要素の一つは、伸長ショックアブソーバである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項12】
前記変形するサポート要素の一つは、フレックスプレートである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項13】
フレームである可動シェルの一つを含み、
前記フレームは、上部胴、上部脚、及び下部脚に取り付けられる要素を含み、
前記要素は、前記乗員の任意に決定できる位置に、互いに関連して移動するよう構成される、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項14】
前記バンジースリングの固定シェル及び可動シェルのうちの一つに対する取り付けは、剛体的であり、該取り付けの他方は、側面衝突の際に横運動を許容するが、前面衝突の際に係合するスライド装置によるものである、
請求項9に記載の乗員サポートシステム。
【請求項15】
可動シェルは、前記乗員の頭の側部のそれぞれに取り付けられ、前記サポート要素は、前記乗員の胴体に取り付けられる可動シェルに取り付けられ、それにより、横慣性荷重の際に前記乗員の頭と胴体との間の相対移動を可能にする、
請求項1乃至14の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項16】
前記乗員の頭の二つの側部のそれぞれにおける前記可動シェルは、前記乗員の胴体に取り付けられる前記可動シェルにスライド可能に接続される単一のスライド要素に取り付けられ、それによって、前記乗員の頭の側部に取り付けられる前記可動シェルの高さの変動を可能にする、
請求項15に記載の乗員サポートシステム。
【請求項17】
前記単一のスライド要素に旋回可能に取り付けられるピボットアームと、
前記スライド要素にある一連の穴、及び、前記乗員の胴体をサポートする前記可動シェルにある複数の対応する一連の穴と係合するピンと、を更に有し、
それによって、前記乗員の頭の両側で前記可動シェルの高さを設定すべく、前記乗員の胴体に取り付けられる前記可動シェルの前記一連の穴の一つにおける前記ピンとの係合を可能にする、
請求項16に記載の乗員サポートシステム。
【請求項1】
乗り物における乗員サポートシステムであって、
該乗員の慣性荷重に応じて、当該乗員サポートシステムによる該慣性荷重に対する反力が該乗員のより大きな表面積に分配されるよう、該乗員を再配置し、それによって、該乗員の負傷を低減させるよう構成される、
乗員サポートシステム。
【請求項2】
前記乗員の再配置は、該乗員の生体構造の少なくとも一部に直接的に或いは間接的に取り付けられる少なくとも一つの可動シェルにおいて生じ、
前記再配置は、前記乗り物に取り付けられた静的シェルに対して生じる、
請求項1に記載の乗員サポートシステム。
【請求項3】
前記再配置は、それぞれ二つの端部を有する複数のサポート要素の少なくとも一つの変形によって実現され、第一の該端部は、前記可動シェルの一つに取り付けられ、第二の該端部は、前記乗り物に取り付けられる前記静的シェルに取り付けられる、
請求項1又は2に記載の乗員サポートシステム。
【請求項4】
前記複数のサポート要素の一つは、ピボットを含む、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項5】
前記複数のサポート要素の一つは、可動シェルに取り付けられる少なくとも一つの面を有する一対のスライド面又は転がり面を含む、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項6】
前記再配置は、前記複数のサポート要素の少なくとも二つの変形によって実現される、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項7】
前記二つのサポート要素の相対的な変形は、差別的な材料特性によって実現される、
請求項6に記載の乗員サポートシステム。
【請求項8】
前記二つのサポート要素の相対的な変形は、該要素の差別的な形状によって実現される、
請求項6に記載の乗員サポートシステム。
【請求項9】
前記変形するサポート要素の一つは、バンジースリングである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項10】
前記変形するサポート要素の一つは、圧縮ショックアブソーバである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項11】
前記変形するサポート要素の一つは、伸長ショックアブソーバである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項12】
前記変形するサポート要素の一つは、フレックスプレートである、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項13】
フレームである可動シェルの一つを含み、
前記フレームは、上部胴、上部脚、及び下部脚に取り付けられる要素を含み、
前記要素は、前記乗員の任意に決定できる位置に、互いに関連して移動するよう構成される、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項14】
前記バンジースリングの固定シェル及び可動シェルのうちの一つに対する取り付けは、剛体的であり、該取り付けの他方は、側面衝突の際に横運動を許容するが、前面衝突の際に係合するスライド装置によるものである、
請求項9に記載の乗員サポートシステム。
【請求項15】
可動シェルは、前記乗員の頭の側部のそれぞれに取り付けられ、前記サポート要素は、前記乗員の胴体に取り付けられる可動シェルに取り付けられ、それにより、横慣性荷重の際に前記乗員の頭と胴体との間の相対移動を可能にする、
請求項1乃至14の何れか一項に記載の乗員サポートシステム。
【請求項16】
前記乗員の頭の二つの側部のそれぞれにおける前記可動シェルは、前記乗員の胴体に取り付けられる前記可動シェルにスライド可能に接続される単一のスライド要素に取り付けられ、それによって、前記乗員の頭の側部に取り付けられる前記可動シェルの高さの変動を可能にする、
請求項15に記載の乗員サポートシステム。
【請求項17】
前記単一のスライド要素に旋回可能に取り付けられるピボットアームと、
前記スライド要素にある一連の穴、及び、前記乗員の胴体をサポートする前記可動シェルにある複数の対応する一連の穴と係合するピンと、を更に有し、
それによって、前記乗員の頭の両側で前記可動シェルの高さを設定すべく、前記乗員の胴体に取り付けられる前記可動シェルの前記一連の穴の一つにおける前記ピンとの係合を可能にする、
請求項16に記載の乗員サポートシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【公表番号】特表2011−517303(P2011−517303A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507435(P2010−507435)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/005810
【国際公開番号】WO2008/137156
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500132731)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/005810
【国際公開番号】WO2008/137156
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500132731)
【Fターム(参考)】
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