説明

乗客コンベアの移動手摺取替方法

【課題】 新旧の移動手摺を取り替える際、交換用の移動手摺の挟圧駆動装置が不要で、かつ移動手摺のドラムが1個で済むなど、現地での作業効率の向上や作業時間の短縮が図れる乗客コンベアの移動手摺取替方法を得る。
【解決手段】 先ず工場で接続する両端部の端面加工をして、現地での加工時間を極力減らし、しかる後現地で、乗降口近傍で既設移動手摺10を切断し、この切断した既設移動手摺の一端10Aを、両端が未接続の新規移動手摺20の一端20Aと仮接続した後、既設移動手摺を他端側から牽引して該既設移動手摺を乗客コンベアの架台1内から引き出すことにより、新規移動手摺を架台内へと送り込んでいき、この新規移動手摺の一端で既設移動手摺と仮接続されている部位が架台内を通過して引き出されたなら、その仮接続部を解体した後、新規移動手摺の両端を接続して無端状にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアの既設移動手摺(ハンドレールともいう)を新しい移動手摺に取り替える乗客コンベアの移動手摺取替方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乗客コンベアでは、図1および図7に示すように、無端状に連結された踏板3と同期して駆動される無端状の移動手摺10が装備されているが、乗客コンベアが長期間稼働されると、経年劣化等により損傷した移動手摺10を新規のものと交換する必要が生じる。このような場合、従来は、無端状の新規移動手摺を乗客コンベア設置現場へ搬入して取り替えるという手法が一般的であった。
すなわち、まず移動手摺製造工場において直尺状の移動手摺を製造してから、これを無端状に接続し、この無端状の新規移動手摺を乗客コンベア設置現場へ搬入する。
そして、乗客コンベア設置現場において、既設移動手摺10を撤去した後、無端状の新規移動手摺を組み込むうえで障害となる乗客コンベア構成部品を取り外してから、この新規移動手摺の組み込み作業を行い、組み込み作業終了後に、取り外してあった前記乗客コンベア構成部品をそれぞれ元の位置に取り付けると共に、これら構成部品の動作寸法を再調整したり動作確認試験を行って、新旧の移動手摺の取替作業が完了する。
なお、無端状の新規移動手摺を組み込む際に障害となる乗客コンベア構成部品とは、具体的には、複数枚の踏板3と、上階および下階の乗降口に設けられているインレットガード40と、上階から下階に亘るすべてのデッキカバー41と、スカートガード42と、インレットガード40に子供が手を入れた場合などに乗客コンベアの運転を停止させるインレットガード安全スイッチ(図示せず)と、乗降口付近でスカートガード42と踏板3間に異物が強く挟まれた場合などに乗客コンベアの運転を停止させるスカートガード安全スイッチ(図示せず)等である。なお、図7中、43は内側板、44はデッキボード、45はランディングプレートである。
【0003】
上述したように従来の乗客コンベアの移動手摺取替方法では、無端状の新規移動手摺を組み込む際に、複数枚の踏板3等多数の乗客コンベア構成部品を取り外した後、再度取り付けて動作寸法の再調整や動作確認試験を行わねばならないので、新旧の移動手摺の取替作業に付随するこれら数多くの煩雑な現地作業により、作業効率の低下や作業時間の増大を余儀なくされていた。
【0004】
そこで、乗降口近傍で既設移動手摺を切断し、この切断した既設移動手摺の一端を、両端が未接続の新しい移動手摺の一端と仮接続した後、前記既設移動手摺を他端側から牽引して該既設移動手摺を乗客コンベアの架台内から引き出すことにより、前記新設移動手摺を前記架台内へと送り込んでいき、この新設移動手摺の前記一端で前記既設移動手摺と仮接続されている部位が前記架台内を通過して引き出されたなら、その仮接続を解体した後、前記新設移動手摺の両端を接続して無端状にする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−86137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1記載のものでは、新規移動手摺を工場でドラムに巻いた形態のものを現地に搬入し、かつ既設移動手摺を巻き取る別のドラムが必要であった。更に移動手摺を架台内に送り込むための挟圧駆動装置も必要で、交換のための設備が大掛かりになるという欠点があった。
【0007】
この発明はかかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、新旧の移動手摺を取り替える際に多くの乗客コンベア構成部品を取り外す必要がなく、また交換用の移動手摺の挟圧駆動装置が不要で、かつ移動手摺のドラムが1個で済むなど、現地での作業効率の向上や作業時間の短縮が図れる乗客コンベアの移動手摺取替方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る乗客コンベアの移動手摺接続装置は、上述した目的を達成するために、先ず工場で接続する両端部の端面加工をして、現地での加工時間を極力減らし、しかる後現地で、乗降口近傍で既設移動手摺を切断し、この切断した既設移動手摺の一端を、両端が未接続の新規移動手摺の一端と仮接続した後、既設移動手摺を他端側から牽引して該既設移動手摺を乗客コンベアの架台内から引き出すことにより、新規移動手摺を架台内へと送り込んでいき、この新規移動手摺の一端で既設移動手摺と仮接続されている部位が架台内を通過して引き出されたなら、その仮接続部を解体した後、新規移動手摺の両端を接続して無端状にすることとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、新規移動手摺の一端と既設移動手摺の一端を仮接続して、既設移動手摺を架台内から引き出すことによって新規移動手摺が架台内へ送り込まれるようにしておけば、乗客コンベア構成部品を最小限取り外すだけで新旧の移動手摺を取り替えることができるので、現地作業を効率よく短時間で完了させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明による乗客コンベアの移動手摺取替方法の実施の形態1を、図1〜図7を参照しつつ説明する。
図1は、この発明の実施の形態1における移動手摺取替作業の途中の状態を示す乗客コンベアの側面図である。同図に示すように、乗客コンベアは、すべての構成物を支えるように形鋼等で枠組みされ上部トラス1Aと中部トラス1Cと下部トラス1Bとからなる架台1と、上部トラス1A内に設置された駆動機4および上部踏板鎖歯車5と、下部トラス1B内に設置された下部踏板鎖歯車8と、無端状に連結されて前記駆動機4および上部踏板鎖歯車5により駆動される踏板3と、架台1内に設置され前記駆動機4および上部踏板鎖歯車5により駆動される挟圧式移動手摺駆動装置6と、この挟圧式移動手摺駆動装置6により駆動される無端状の既設移動手摺10とを備えて概略構成されている。
【0011】
前記駆動機4は、駆動チェーン4Aを介して前記上部踏板鎖歯車5を駆動し、この上部踏板鎖歯車5は、ステップリンク5Aを介して踏板3を駆動すると共に、移動手摺駆動チェーン11を介して挟圧式移動手摺駆動装置6を駆動する。
挟圧式移動手摺駆動装置6は、移動手摺10を駆動する駆動ローラ110と、圧接ローラ111が移動手摺10を帰路側で挟圧して駆動するようになっている。駆動ローラ110はチェーン113によってローラ112に巻き掛けられている。ローラ112はチェーン111によって上部踏板鎖歯車5から駆動される。
これらの踏板3と既設移動手摺10は同期して移動するようになっている。
【0012】
このような乗客コンベアが長期間稼働されると、経年劣化等により既設移動手摺10が損傷する。すなわち、既設移動手摺10が長年使用されると、図3に示すスライド布10Cの摩耗による帆布切れといった損傷が発生しやすくなる。また、その他の理由として化粧層10Fの表面が汚れたために交換される場合も多い。そして、既設移動手摺10を新規のものと交換する必要が生じたとき、この実施の形態1では次のような手順で新旧の移動手摺を取り替える。
【0013】
まず、工場での端末加工について説明する。
図3は新旧の移動手摺10、20の端末を示す斜視図である。移動手摺10(20)はC字型の一番内層のスライド布10C(20C)が熱可塑性エラストマーからなる芯体層10D(20D)で被覆されていて、この芯体層10D(20D)の内部に金属テープ等からなる抗張体10E(20E)が埋め込まれている。移動手摺10(20)の最外装は客先仕様の色に着色された熱可塑性エラストマーからなる化粧層10F(20F)で覆われている。
新規移動手摺20の端末は、図3のごとく加工され、金属テープ等からなる抗張体20Eの先端部には、予め仮接続用穴20Gが穿設されている。
【0014】
次に、現地での移動手摺取替方法を、図2を用いて説明する。
まず、既設移動手摺10を、上階の乗降口で切断するという切断工程を行い、次いで、この切断により生じた既設移動手摺10の両端部のうち、帰路側の一端部10Aを、新規移動手摺20の一端部20Aと接続金具20Bで仮接続する。この新規移動手摺20は予め、上階の乗降口近傍に設置したドラム30に巻き付けて収納しておいたもので、図2においては下側から引き出される。また、既設移動手摺10のうち新規移動手摺20に仮接続される側とは逆側の他端部10Bは、同じドラム30の上側の新規移動手摺20Aが繰り出された後に巻き込まれるようにして巻回される。
なお、新規移動手摺20はドラム30に平巻きに巻回されている。ドラム30は、平巻きなので、重ね巻きよりも横幅寸法Lが大きくなるが、十分実用の範囲である。
このようにすると、新規移動手摺20を繰り出したドラム30の後に、既設移動手摺10が巻き込まれるようにして巻回されることになるので、1個のドラム30で済むものである。この時既設移動手摺10がドラム30にキチンと平巻きされるように、後述する整列装置50を用いる。
【0015】
次に新旧の移動手摺10、20の接続方法について説明する。既設移動手摺10の切断部の一端部10Aは、新規移動手摺20の接続金具20Bが取り付けられるように、現地で仮接続用穴10Gを穿つ。予め工場で端末加工された新規移動手摺20には、仮接続金具用の穴20Gが既に穿設されているので、既設移動手摺10の一端部10Aと、新規移動手摺20の一端部20Aを接続金具20Bで仮接続する。この接続金具20Bは平板をボルトで止める形式でもよいし、バインド線でもよい。
【0016】
次に、移動手摺引き出し工程を行い、既設移動手摺10を挟圧式移動手摺駆動装置6により牽引してドラム30に巻き付けていくことにより、架台1内にあった既設移動手摺10を上階の乗降口へ引き出していくと共に、新規移動手摺20を上階の乗降口から架台1内へ送り込み組み込んでいく。かかる引き出し作業を、この実施の形態1では、乗客コンベア本体の挟圧式移動手摺駆動装置6を用いて行う。すなわち、既設移動手摺10を架台1外へ引き出すための牽引力が必要であるが、この発明では乗客コンベア本体の挟圧式移動手摺駆動装置6を用いて新旧の移動手摺10、20の繰り出し・繰り込みを行うことができる。
【0017】
図4は、乗客コンベアの駆動機4の電動機を制御する乗客コンベアの制御装置である。
図4において、U、V、Wは三相交流電源、100はダイオード101で構成されたコンバータ、102はトランジスタ103で構成されたインバータ、104はコンデンサ、105は回生電力消費用抵抗、106は回生電力制御トランジスタ、107は制御回路であって、図示しないマイクロコンピュータを内蔵する。108は電流センサ、R、S、Tはインバータ102からの出力の三相交流であって、駆動用誘導電動機109に給電される。
周知のように、図4はいわゆる可変電圧可変周波数(VVVF)制御装置の構成であって、三相交流R、S、Tの電圧・周波数を変えることにより、誘導電動機109の速度を任意に変えうる。
【0018】
この発明の実施の形態1の乗客コンベアでは、例えば起動時に緩やかに起動するいわゆる緩起動や、混雑時乗客コンベアの速度を上げて輸送能力を上げる等のために、この可変電圧可変周波数制御を用いている。そして、移動手摺交換時は特に細心の注意を払って行う必要があり、移動手摺繰り込み速度も、通常運転時よりも低くする必要がある。図示しないが、制御回路107の速度指令値を下げれば、駆動電動機109の回転数は任意に下げられる。
【0019】
移動手摺引き出し工程についてより詳しく説明すると、新規移動手摺20が挟圧式移動手摺駆動装置6を通過するとき、新旧の移動手摺10、20の接続部20Bが引っ掛かって牽引力が所定値以上に増大したときには、速やかに移動手摺引き出し作業を停止する必要がある。図4の電流センサ108は誘導電動機109に流れる電流を制御回路107にフィードバックして、制御回路107のマイクロコンピュータが電動機109のトルクを演算し、所定値以上になったら電動機109を停止させるものである。
【0020】
図5は、可変電圧可変周波数制御を使用していない乗客コンベアの制御装置にも適用できる移動手摺交換のための乗客コンベアの制御装置を示すものである。
図5において、移動手摺交換時は端子A、端子Bの通常使用時の結線を外し、その代わりに端子A、B間に仮設の速度制御装置200を接続して、乗客コンベアの速度を調整するものである。仮設の速度制御装置200としては、可変電圧可変周波数(VVVF)制御装置でもよいし、サイリスタを用いた一次電圧制御装置でもよい。
この場合の仮設の速度制御装置200の電源容量としては、移動手摺を繰り出すためのトルクと、無負荷の乗客コンベアを駆動するだけでよいので、極めて小さい容量で済む。
このようにして駆動機4を起動すると、それに伴って挟圧式移動手摺駆動装置6が作動し、既設移動手摺10はドラム30に平巻きに巻き付けられていくので、それに伴い、ドラム30に巻回されている新規移動手摺20が、上階の乗降口の移動手摺入込口から架台1内へ送り込まれていく。
【0021】
図6は乗客コンベアから引き出された既設移動手摺10の他端部10Bをドラム30に平巻きに巻き込んで行くための整列装置50の構造を示すものである。
図6において、51はドラム30の中心軸と平行になるように配置された棒ねじ、52a、52bはこの棒ねじ51の回転によって駆動される雌ねじが切られた駆動部材、53はドラム30側に上記棒ねじ51と平行になるように配置された丸棒、54a、54bはその中に穿たれた穴によって、丸棒53に沿って移動可能なスライダーである。駆動部材52aとスライダー54aは連結部55aによって連結され、同じく駆動部材52bとスライダー54bは連結部55bによって結合されている。棒ねじ51は、左右両端部を取付台56a、56bに回転自在に取り付けられていて、その左側先端部にはハンドル57が取り付けられている。また、丸棒53は取付台56a、56bに固定されている。ハンドル57を回すと、棒ねじ51の回転に応じて、駆動部材52a、52bが左右に同一間隔で移動する。この駆動部材52a、52bの間隔は既設移動手摺10の幅より若干広く取られている。
乗客コンベアから引き出された既設移動手摺10をドラム30に平巻きに巻き込んでいくためには、既設移動手摺10の引き出し速度に合せてハンドル57を適宜回転させる。そして、新規移動手摺20が架台1内を通過して下階の乗降口を経由して全周分引き出されたなら、この新規移動手摺20の一端部20Aと既設移動手摺10の一端部10Aとの仮接続部位20Bの仮接続を解体した後、新規移動手摺20の両端部同士を、公知の手法で接続して成形し、無端状にする。
【0022】
成形は、加熱加圧釜にて行い、成形後、新設移動手摺20を移動手摺ガイド(図示せず)に組み込み、最後に、ドラム30を搬出すると共に、取り外してあったデッキカバー41等を元の位置に取り付けて、移動手摺取替作業が完了する。
【0023】
なお、上述した実施の形態1では既設移動手摺10を上階の乗降口付近で切断したとして説明したが、下階の乗降口付近で切断してもよいことは勿論である。
【0024】
この発明による乗客コンベアの移動手摺取替方法は以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
新しい移動手摺の一端部と既設移動手摺の一端部を仮接続して、既設移動手摺を架台内から引き出すと新しい移動手摺が架台内へ送り込まれるようにした乗客コンベアの移動手摺接続方法で、移動手摺の引き出しに既設の乗客コンベアの挟圧式移動手摺駆動装置を用いるので、手摺交換時新しい駆動機構を持ち込む必要がなく、また乗客コンベアが可変速の場合には低速で挟圧式移動手摺駆動装置を制御し安全に新規移動手摺を繰り込み、また乗客コンベアが可変速で無い場合は小容量の仮設の可変速度制御装置を乗客コンベアの電源側に仮接続して低速にするので、安全で容易に新旧移動手摺を交換することができる。
上記では新旧手摺の繰り込み、繰り出しは挟圧式移動手摺駆動装置を用いたが、人力で実施する事も可能である。
また、新規移動手摺を巻いたドラムに既設移動手摺を巻き取るので、現地に運び込む物量が減り、現地作業を効率よく短時間で完了させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施の形態1における移動手摺取替作業の途中の状態を示す乗客コンベアの側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの移動手摺取替方法を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの移動手摺の端末構造を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1における乗客コンベアの駆動電動機を制御する乗客コンベアの制御装置を示す回路図である。
【図5】可変電圧可変周波数制御を使用していない乗客コンベアの制御装置にも適用できる移動手摺交換のための乗客コンベアの制御装置を示す回路図である。
【図6】この発明の実施の形態1における乗客コンベアから引き出された既設移動手摺をドラムに平巻きに巻き込んで行くための整列装置の構造を示す平面図である。
【図7】一般的な乗客コンベアの外観構造を部分的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 架台
1A 上部トラス
1B 下部トラス
1C 中部トラス
3 踏板
4 駆動機
4A 駆動チェーン
5 上部踏板鎖歯車
5A ステップリンク
6 挟圧式移動手摺駆動装置
8 下部踏板鎖歯車
10 既設移動手摺
10A 既設移動手摺の帰路側の一端部
10B 既設移動手摺の仮接続側とは逆側の他端部
10C、20C 移動手摺のスライド布
10D、20D 移動手摺の芯体層
10E、20E 移動手摺の抗張体(金属テープ)
10F、20F 移動手摺の化粧層
10G、20G 移動手摺の仮接続用穴
11 移動手摺駆動チェーン
20 新規移動手摺
20A 新規移動手摺の一端部
20B 接続金具
30 ドラム
50 整列装置
51 棒ねじ
52a、52b 駆動部材
53 丸棒
54a、54b スライダー
55a、55b 連結部
56a、56b 取付台
57 ハンドル
100 コンバータ
101 ダイオード
102 インバータ
103 トランジスタ
104 コンデンサ
105 回生電力消費用抵抗
106 回生電力制御トランジスタ
107 制御回路
108 電流センサ
109 駆動用誘導電動機
110 駆動ローラ
111 圧接ローラ
112 ローラ
113 チェーン
200 仮設の速度制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台内に設置された駆動手段により、無端状に連結された踏板と同期して駆動される無端状の既設移動手摺を、新規移動手摺に取り替える時、乗降口近傍で前記既設移動手摺を切断し、この切断した既設移動手摺の一端を、両端が未接続の前記新規移動手摺の一端と仮接続した後、前記既設移動手摺を、前記架台内に設置され前記駆動手段により駆動される挟圧式移動手摺駆動装置により牽引して該既設移動手摺を前記架台内から引き出すことにより、前記新規移動手摺を前記架台内へと送り込むと同時に前記既設移動手摺を前記架台内を通過して引き出し、前記仮接続部を解体した後、前記新規移動手摺の両端を接続して無端状にすることを特徴とする乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項2】
無端状の既設移動手摺を、ドラムに巻かれた新規移動手摺に取り替える時、乗降口近傍で前記既設移動手摺を切断し、この切断した既設移動手摺の一端を、両端が未接続の前記新規移動手摺の一端と仮接続した後、前記新規移動手摺を前記ドラムから繰り出して前記架台内へと送り込むと同時に前記既設移動手摺を前記架台内を通過して引き出し前記新規移動手摺が繰り出された後の前記ドラムに巻きつけて行き、前記仮接続部を解体した後、前記新規移動手摺の両端を接続して無端状にすることを特徴とする乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項3】
架台内に設置された駆動手段により、無端状に連結された踏板と同期して駆動される無端状の既設移動手摺を、ドラムに巻かれた新規移動手摺に取り替える時、乗降口近傍で前記既設移動手摺を切断し、この切断した既設移動手摺の一端を、両端が未接続の前記新規移動手摺の一端と仮接続した後、前記既設移動手摺を、前記架台内に設置され前記駆動手段により駆動される挟圧式移動手摺駆動装置により牽引して該既設移動手摺を前記架台内から引き出すことにより、前記新規移動手摺を前記ドラムから繰り出して前記架台内へと送り込むと同時に前記既設移動手摺を前記架台内を通過して引き出し前記新規移動手摺が繰り出された後の前記ドラムに巻きつけて行き、前記仮接続部を解体した後、前記新規移動手摺の両端を接続して無端状にすることを特徴とする乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項4】
切断した既設移動手摺の一端を、両端が未接続の新規移動手摺の一端と仮接続する工程に先立ち、前記新規移動手摺の両端を工場で加工し、現地加工を不要にしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項5】
仮接続される新規移動手摺の一端の金属テープからなる抗張体に、既設移動手摺との接続具取付用穴を予め加工しておくことを特徴とする請求項4記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項6】
移動手摺牽引時、挟圧式移動手摺駆動装置の速度を低くすることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項7】
駆動手段として、乗客コンベアの駆動機を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項8】
移動手摺交換時に、仮設の速度制御装置を接続して乗客コンベアの駆動電動機を制御することを特徴とする請求項6記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項9】
新規移動手摺を予め、架台外に設置した新規移動手摺の繰り出しドラムに平巻きしておき、その一端を仮接続工程で既設移動手摺に仮接続し、前記既設移動手摺のうち前記新規移動手摺に仮接続される側とは逆側の移動手摺を、前記架台外に設置した移動手摺送り出しドラムの新規移動手摺繰り出しによってできた空きスペースが埋まるように、前記移動手摺引き出し工程で、このドラムに前記既設移動手摺の残余の部分を巻き付けていくことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。
【請求項10】
既設移動手摺がドラムに平巻きされるようにする整列装置を更に設けたことを特徴とする請求項9記載の乗客コンベアの移動手摺取替方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−36517(P2006−36517A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222749(P2004−222749)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(591040122)株式会社トーカン (15)
【Fターム(参考)】