乗客コンベア
【課題】乗客コンベアに生じた異常の原因を究明する上で有用な情報を保守作業者が容易に確認できるよにして、非常停止時における復旧作業を効率的に行えるようにする。
【解決手段】乗客コンベアの運転を制御する制御装置10に、各種安全スイッチ11a〜11cの作動履歴や、乗客コンベアの起動回数、乗客コンベアの運転時間を記憶する機能を持たせる。また、制御装置10にタッチパネル型表示装置20を接続し、このタッチパネル型表示装置20に、制御装置10に記憶された各種安全スイッチ11a〜11cの作動履歴、乗客コンベアの起動回数、乗客コンベアの運転時間の情報を、操作者の操作入力に応じて選択的に表示する機能と、操作者による乗客コンベアの運転制御の指示入力を受け付けて制御装置10へと伝達する機能とを設ける。
【解決手段】乗客コンベアの運転を制御する制御装置10に、各種安全スイッチ11a〜11cの作動履歴や、乗客コンベアの起動回数、乗客コンベアの運転時間を記憶する機能を持たせる。また、制御装置10にタッチパネル型表示装置20を接続し、このタッチパネル型表示装置20に、制御装置10に記憶された各種安全スイッチ11a〜11cの作動履歴、乗客コンベアの起動回数、乗客コンベアの運転時間の情報を、操作者の操作入力に応じて選択的に表示する機能と、操作者による乗客コンベアの運転制御の指示入力を受け付けて制御装置10へと伝達する機能とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアは、無端状のチェーンにより多数のステップを連結し、モータでチェーンを駆動してこれら多数のステップを循環移動させることで、ステップ上に搭乗した利用者を乗り口から降り口へと搬送するものである。この種の乗客コンベアでは、乗客の安全確保のために、異常時に作動して乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチ(例えば、インレットスイッチ、スカートガードスイッチ等)が設けられている。
【0003】
このような安全スイッチが作動して乗客コンベアが非常停止した場合、保守作業者が乗客コンベアの設置現場に赴いて復旧作業を行うが、この際、乗客コンベアに設けられている各種安全スイッチのうちのどのスイッチが作動して非常停止に至ったかの特定が難しく、復旧作業に時間がかかってしまう場合が多かった。
【0004】
そこで、例えば特許文献1においては、乗客コンベアのスカートガード等に設置した操作盤に、保守作業者が操作するキースイッチとともにLED7セグメント式の表示器を設け、この表示器に、作動した安全スイッチに対応する番号などを表示することで、保守作業者が作動した安全スイッチを確認しやすくすることが提案されている。
【特許文献1】特開2006−176284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、乗客コンベアの非常停止時に保守作業者が復旧作業を効率的に行うためには、どの安全スイッチが作動したかを特定できるようにするだけでは十分とは言えず、異常の原因を究明する上で有用な情報も保守作業者が容易に確認できるようにすることが望まれる。例えば、安全スイッチの誤作動により乗客コンベアが非常停止した場合には、当該安全スイッチが過去に頻繁に作動しているかなどを示す安全スイッチの作動履歴の情報が、異常の原因を究明する上で重要な情報となる。また、用品の磨耗により異常が発生した場合には、乗客コンベアの起動回数や運転時間など、用品の磨耗度合いを推定するための情報が、異常の原因を究明する上で重要な情報となる。
【0006】
このように、保守作業者による作業を効率化して復旧作業に要する時間を短縮するには、これら多様な情報を保守作業者が容易に確認できるようにすることが望まれるが、特許文献1に記載の技術のように、情報の表示にLED7セグメント式の表示器を用いるようにしたのでは、多様な情報を表示することは難しい。また、多様な情報を表示できるようにするためにはLEDの数を増やす必要があり、表示器が大型化して設置スペースの確保が難しくなる。さらに、このような表示器をキースイッチとともに操作盤に設けるようにすると、操作盤のサイズがさらに大型化するため実用的でない。
【0007】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、乗客コンベアに生じた異常の原因を究明する上で有用な情報を保守作業者が容易に確認できるよにして、非常停止時における復旧作業を効率的に行えるようにした乗客コンベアを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る乗客コンベアは、乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチと、乗客コンベアの運転を制御する制御装置と、タッチパネル型表示装置とを備える。そして、制御装置に、乗客コンベアの運転を制御する機能のほかに、少なくとも各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを記憶する機能を付加するとともに、タッチパネル型表示装置には、制御装置に記憶された各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを操作者による操作入力に応じて選択的に表示する機能と、操作者による乗客コンベアの運転制御の指示入力を受け付けて制御装置に伝達する機能とを持たせるようにしている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る乗客コンベアよれば、保守作業者がタッチパネル型表示装置を操作することで、異常の原因を究明する上で有用な各種情報を確認できるとともに、乗客コンベアの運転制御の指示も行うことができるので、非常停止時における復旧作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、本発明を適用した乗客コンベアの例として、多数のステップが連続して階段状に上下に移動することで乗客を上下階に亘って搬送するエスカレータを例示するが、本発明は、多数のステップが連続して水平に移動することで乗客を搬送する動く歩道(オートロード)に対しても有効に適用可能である。
【0011】
図1は、本発明を適用したエスカレータの全体構成を示す模式図である。このエスカレータは、隙間なく連結された多数のステップ1を建物の下階と上階とに亘って循環移動させることで、ステップ1上の乗客を下階から上階、或いは上階から下階へと搬送するものである。多数のステップ1は、無端状のチェーン2によって連結されており、建物の上下階に跨って設置されたトラスと呼ばれる主枠3に配置されている。
【0012】
主枠3の上階側端部には機械室が設けられており、この上階側の機械室内部に、駆動装置4やこれに連結された駆動スプロケット5a、制御盤6などが配設されている。また、主枠3の下階側端部にも機械室が設けられており、この下階側の機械室内部には、駆動スプロケット5aと対をなす従動スプロケット5bなどが配設されている。
【0013】
多数のステップ1を連結する無端状のチェーン2は、駆動スプロケット5aと従動スプロケット5bとの間に巻き掛けられている。そして、制御盤6に内蔵された制御装置(図1では図示を省略している)による制御のもとで駆動装置4が動作し、これに連結された駆動スプロケット5aが回転することにより、チェーン2が駆動スプロケット5aと従動スプロケット5bとの間で送り動作され、このチェーン2の送り動作に伴って、チェーン2によって連結された多数のステップ1が、図示しない案内レールにガイドされながら下階と上階との間を循環移動する構造となっている。
【0014】
主枠3上には、循環移動するステップ1の左右両端側に位置してそれぞれスカートガードパネル7が設置され、このスカートガードパネル7上に欄干8が立設されている。この欄干8の周囲には、ベルト状のハンドレール9が装着されている。ハンドレール9は、ステップ1上の乗客が把持する手摺であり、例えば上述した駆動装置4の駆動力が伝達されることで、ステップ1の移動と同期して欄干8の周囲を周回する。
【0015】
また、本発明を適用したエスカレータには、例えば、ハンドレール9の入込口に乗客の手や足先が挟まれた場合に作動して乗客コンベアを非常停止させるインレットスイッチや、移動するステップ1とスカートガードパネル7との間に乗客の足先が挟まれた場合に作動して乗客コンベアを非常停止させるためのスカートガードスイッチなど、乗客の安全確保のために乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチ(図1では図示を省略している)が設けられている。
【0016】
さらに、本発明を適用したエスカレータには、例えば図2に示すように、乗降口近傍のスカートガードパネル7など、エスカレータ本体の確認しやすい位置に、各種の情報を表示するとともに各種の操作入力を受け付けるタッチパネル型表示装置20が設置されている。このタッチパネル型表示装置20は、後述する安全スイッチの操作履歴や、エスカレータの起動回数、エスカレータの運転時間など、保守作業者にとって有用な情報を選択的に表示する機能と、従来は保守作業者が操作する操作盤のキースイッチなどで実現していたエスカレータの運転制御、すなわちエスカレータの起動や停止、ブザーの鳴動などを指示するための操作入力を受け付ける機能とを合わせ持つものであり、例えば、液晶表示器にタッチパネルを組み合わせて構成される。なお、このタッチパネル型表示装置20に用いるタッチパネルとしては、操作者が画面に触れたときに反応するものだけでなく、操作者が指を画面に近づけた際に反応するものも含まれる。
【0017】
図3は、本実施形態のエスカレータにおける要部となる制御装置10、各種の安全スイッチ11a〜11c、タッチパネル型表示装置20の繋がりを示す簡易回路図である。
【0018】
図3に示すように、各種の安全スイッチ11a〜11cやタッチパネル型表示装置20は、制御盤6内の制御装置10に接続されている。また、制御装置10には、制御盤6内に設けられた運転開始用のUコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bも接続されている。なお、図3において、Uコンタクタ12aに接続されているSU接点13aおよびDコンタクタ12bに接続されているSD接点13b、ブザー14に接続されているSBZ接点15は、タッチパネル型表示装置20での操作に応じてON/OFFが切換えられる仮想的な接点であり、実際には制御装置10の内部で実現されるものである。
【0019】
安全スイッチ11a〜11cは、非作動時は閉、作動時に開となる常閉のスイッチである。これら安全スイッチ11a〜11cの状態は常に制御装置10に入力されている。制御装置10は、これら安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動すると、SU接点13aとSD接点13bのうちONされている接点をOFFに切り換えて、エスカレータを非常停止させる。また、制御装置10は、安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動したときに、その作動日時の情報を取得して、作動した安全スイッチを特定するための情報と作動日時の情報とを関連付けて、作動履歴として内部メモリに記憶する。
【0020】
Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bは、タッチパネル型表示装置20での操作に応じてSU接点13aとSD接点13bのうちの何れかがONされることにより、選択的にON状態とされる。Uコンタクタ12aがON状態とされた場合はエスカレータが上昇運転を開始し、Dコンタクタ12bがON状態とされた場合はエスカレータが下降運転を開始する。また、Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bは、安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動して、制御装置10によりSU接点13aとSD接点13bのうちONされている接点がOFFに切り換えられることで双方がOFF状態となる。Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bの双方がOFF状態となることにより、エスカレータは停止する。
【0021】
Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bがON状態に切り換えられた回数、つまりエスカレータの起動回数や、Uコンタクタ12aやDコンタクタ12bがON状態とされている時間、つまりエスカレータの運転時間は、制御装置10によってカウントされている。制御装置10は、これらエスカレータの起動回数や運転時間の情報を、上述した安全スイッチ11a〜11cの作動履歴とともに、内部メモリに記憶するようにしている。また、制御装置10は、記憶したエスカレータの起動回数の情報と運転時間の情報との少なくとも何れかに基づいてエスカレータの各種用品の交換時期を判断する機能を有しており、交換時期が近付いている用品があれば、その用品の名称などを内部メモリに合わせて記憶する。
【0022】
制御装置10の内部メモリに記憶された以上の情報は、必要に応じてタッチパネル型表示装置20へと伝送され、操作者の操作入力に応じて、タッチパネル型表示装置20に表示可能とされている。また、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者によるエスカレータの運転制御の指示入力、例えば運転方向を指定したエスカレータの起動やエスカレータの停止、ブザー14の鳴動などの指示入力を受け付ける機能を有しており、このような保守作業者によるエスカレータの運転制御の指示入力があると、その指示の内容がタッチパネル型表示装置20から制御装置10へと伝送され、制御装置10により保守作業者の指示に応じたエスカレータの運転制御が行われる。
【0023】
ここで、タッチパネル型表示装置20の具体的な表示画面の例を挙げながら、タッチパネル型表示装置20による動作の具体例について説明する。
【0024】
タッチパネル型表示装置20は、例えば、メイン画面として図4に示すような画面を表示する。この図4に示すメイン画面は、点検モードと運転制御モードの何れかを保守作業者(操作者)に選択させるための画面である。この図4のメイン画面上で、保守作業者により「点検」ボタンが押されて点検モードが選択されると、タッチパネル型表示装置20は、安全スイッチ11a〜11cの作動履歴を表す画面、エスカレータの起動回数を表す画面、エスカレータの運転時間を表す画面などを、保守作業者による操作入力に応じて選択的に表示する。一方、図4のメイン画面上で、保守作業者により「運転/停止」ボタンが押されて運転制御モードが選択されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータの運転制御の指示を保守作業者に入力させるための画面を表示する。
【0025】
図5は、エスカレータの運転停止中に保守作業者によって図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。エスカレータの運転停止中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図5(a)に示すように、エスカレータの運転開始の指示を確認するための画面を表示する。そして、この図5(a)の画面上で「Yes」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図5(b)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。
【0026】
この図5(b)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行い、正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、図5(c)に示すように、ブザー14の鳴動を促す画面を表示する。そして、この図5(c)の画面上で「ブザー鳴動」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、ブザー14の鳴動を指示する指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってブザー14に接続されているSBZ接点15がONされて、ブザー14が鳴動する。
【0027】
次に、タッチパネル型表示装置20は、図5(d)に示すように、エスカレータの運転方向を選択させるための画面を表示する。そして、この図5(d)の画面上で「UP」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータを上昇運転させる指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってSU接点13aがONされてUコンタクタ12aがON状態となり、エスカレータが上昇運転を開始する。一方、図5(d)の画面上で「DOWN」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータを下降運転させる指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってSD接点13bがONされてDコンタクタ12bがON状態となり、エスカレータが下降運転を開始する。エスカレータが上昇運転または下降運転を開始すると、その後、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0028】
図6は、エスカレータの運転中に保守作業者によって図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合にタッチパネル型表示装置20に表示される画面の一例を示している。エスカレータの運転中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図6に示すように、エスカレータ停止の指示入力を受け付ける画面を表示する。そして、この図6の画面上で「STOP」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータを停止させる指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってSU接点13aとSD接点13bのうちでONされている接点がOFFに切り換えられ、Uコンタクタ12aとDコンタクタ12bの双方がOFF状態となり、エスカレータが停止する。エスカレータが停止すると、その後、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0029】
図7は、保守作業者によって図4のメイン画面上で「点検」ボタンが押された場合にタッチパネル型表示装置20に表示される画面の一例を示している。図4のメイン画面上で「点検」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図7に示すように、表示する情報の種別などを保守作業者に選択させるための画面を表示する。そして、タッチパネル型表示装置20は、この図7の画面上での保守作業者の入力操作に応じて、その後の表示内容を切り換える。なお、この図7の画面上で「戻る」ボタンが押された場合には、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0030】
図8は、保守作業者によって図7の画面上で「安全スイッチ作動履歴」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「安全スイッチ作動履歴」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図8(a)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図8(a)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に記憶されている安全スイッチの作動履歴の情報を取得して、図8(b)に示すように、安全スイッチの作動履歴を表す画面を表示する。その後、保守作業者により安全スイッチの作動履歴が確認されて、図8(b)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0031】
図9は、保守作業者によって図7の画面上で「運転時間計」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「運転時間計」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図9(a)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図9(a)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に記憶されているエスカレータの運転時間の情報を取得して、図9(b)に示すように、エスカレータの運転時間を表す画面を表示する。また、このとき、制御装置10に交換時期が近付いている用品に関する情報が記憶されていれば、タッチパネル型表示装置20は、この交換時期が近付いている用品の情報も取得して、図9(b)の画面上でこの用品の交換時期が近付いている旨のメッセージを合わせて表示する。その後、保守作業者によりエスカレータの運転時間および用品交換のメッセージが確認されて、図9(b)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0032】
図10は、保守作業者によって図7の画面上で「起動回数計」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「起動回数計」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図10(a)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図10(a)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に記憶されているエスカレータの起動回数の情報を取得して、図10(b)に示すように、エスカレータの起動回数を表す画面を表示する。また、このとき、制御装置10に交換時期が近付いている用品に関する情報が記憶されていれば、タッチパネル型表示装置20は、この交換時期が近付いている用品の情報も取得して、図10(b)の画面上でこの用品の交換時期が近付いている旨のメッセージを合わせて表示する。その後、保守作業者によりエスカレータの起動回数および用品交換のメッセージが確認されて、図10(b)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0033】
図11は、保守作業者によって図7の画面上で「オールクリア」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「オールクリア」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図11(a)に示すように、制御装置10が記憶している安全スイッチの作動履歴などの各種情報(運転データ)を消去するかどうかを確認するための画面を表示する。そして、この図11(a)の画面上で「Yes」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図11(b)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図11(b)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に対して、安全スイッチの作動履歴、エスカレータの運転時間や起動回数などの各種情報を消去する旨の指令を出力する。これにより、制御装置10によって内部メモリに記憶されている各種情報が消去される。制御装置10の内部メモリに記憶されている各種情報が消去されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図11(c)に示すように、制御装置10が記憶している各種情報(運転データ)を消去した旨を報知する画面を表示する。そして、この図11(c)の画面上で「メインメニューに戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0034】
図12は、保守作業者によって図7の画面上で「照明ON」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「照明ON」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図12(a)に示すように、エスカレータの照明ON動作を確認するための画面を表示する。そして、この図12(a)の画面上で「Yes」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図12(b)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図12(b)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に対して、エスカレータの照明を点灯させる旨の指令を出力する。これにより、制御装置10によってエスカレータの照明を点灯させるためのスイッチがONに切り換えられて、エスカレータの照明が点灯する。エスカレータの照明が点灯すると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図12(c)に示すように、エスカレータの照明OFFの指示入力を受け付ける画面を表示する。そして、この図12(c)の画面上で「OFF」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に対して、エスカレータの照明を消灯させる旨の指令を出力する。これにより、制御装置10によってエスカレータの照明を点灯させるためのスイッチがOFFに切り換えられて、エスカレータの照明が消灯する。また、図12(c)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0035】
なお、以上説明したタッチパネル型表示装置20の表示画面は、表示画面の具体的な一例を例示したものであり、各表示画面の構成や画面遷移の順序などは、様々な変形が可能である。例えば、以上の例では、エスカレータの運転状態に拘わらず最初に図4に示したようなメイン画面を表示させるようにしているが、エスカレータが非常停止した場合には、図4に示したようなメイン画面を表示せずに、図7に示したような点検モードの画面を最初に表示させるようにしてもよい。
【0036】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態によれば、各種安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動してエスカレータが非常停止した場合などに、保守作業者がタッチパネル型表示装置20を操作することで、エスカレータに生じた異常の原因を究明する上で有用な各種情報をタッチパネル型表示装置20の表示画面で確認することができるとともに、このタッチパネル型表示装置20の表示画面上でエスカレータの運転制御の指示も行うことができる。したがって、エスカレータの非常停止時における保守作業者の復旧作業を効率的に行わせることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、エスカレータに生じた異常の原因を究明する上で有用な各種情報を、保守作業者の操作入力に応じて、タッチパネル型表示装置20上で選択的に表示させるようにしているので、タッチパネル型表示装置20のサイズを小型に構成することができ、このタッチパネル型表示装置20を例えば乗降口近傍のスカートガードパネル7など、保守作業者にとって確認しやすい位置に適切に設置することができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、エスカレータの各種用品のうちで交換時期が近付いた用品についての情報もタッチパネル型表示装置20の表示画面上で確認することができるので、エスカレータが非常停止した場合以外の通常の点検時における保守作業者の作業効率も向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、保守作業者がタッチパネル型表示装置20を操作する際に、パスワード照合による認証処理を行うようにしているので、保守作業者以外の者がいたずら等でタッチパネル型表示装置20を不正に操作することを未然に防止することができる。
【0040】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の一適用例を具体的に説明したものであり、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態の説明で開示した技術事項に限定されるものではなく、以上の開示内容をもとに一般的な技術常識も鑑みて当然に導かれる変形例、応用例も含まれるものである。例えば、以上説明した実施形態では、エスカレータ本体の乗降口近傍のスカートガードパネル7にタッチパネル型表示装置20を設置するようにしているが、タッチパネル型表示装置20は、スカートガードパネル7以外でも、例えば欄干8や、ローデッキタイプのエスカレータであれば内デッキ、誘導柵のあるエスカレータであれば誘導柵など、保守作業者(操作者)が確認しやすい位置であれば、どのような位置に設置してもよい。また、複数のタッチパネル型表示装置20を複数の位置に各々設置するようにしてもよい。
【0041】
また、以上説明した実施形態では、タッチパネル型表示装置20の不正操作を防止するためにパスワード照合による認証処理を行うようにしているが、それ以外にも、例えば指紋認証や静脈認証などの生体認証による認証処理を行って、タッチパネル型表示装置20の不正操作を防止するようにしてもよい。また、例えば図13に示すように、タッチパネル型表示装置20にキーロック式のカバー21を設け、保守作業者が操作するとき以外はこのカバー21を閉じてキーロックすることで、不正操作を防止するようにしてもよい。
【0042】
また、以上説明した実施形態におけるタッチパネル型表示装置20の機能は、タッチパネルの代わりに、あるいはタッチパネルと併用して音声認識装置を用いることでも実現できる。この場合には、音声認識装置を用いて音声による認証処理を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を適用したエスカレータの全体構成を示す模式図。
【図2】タッチパネル型表示装置が設置されたスカートガードパネル近傍の拡大図。
【図3】制御装置と各種の安全スイッチおよびタッチパネル型表示装置との繋がりを示す簡易回路図。
【図4】タッチパネル型表示装置の具体的な表示画面の一例を示す図であり、メイン画面を示す図。
【図5】エスカレータの停止中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図6】エスカレータの運転中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合の画面表示例を示す図。
【図7】図4のメイン画面上で「点検」ボタンが押された場合の画面表示例を示す図。
【図8】図7の画面上で「安全スイッチ作動履歴」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図9】図7の画面上で「運転時間計」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図10】図7の画面上で「起動回数計」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図11】図7の画面上で「オールクリア」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図12】図7の画面上で「照明ON」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図13】キーロック式のカバーが設けられたタッチパネル型表示装置20を示す図。
【符号の説明】
【0044】
6 制御盤
10 制御装置
11a〜11c 安全スイッチ
12a Uコンタクタ
12b Dコンタクタ
20 タッチパネル型表示装置
21 カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアは、無端状のチェーンにより多数のステップを連結し、モータでチェーンを駆動してこれら多数のステップを循環移動させることで、ステップ上に搭乗した利用者を乗り口から降り口へと搬送するものである。この種の乗客コンベアでは、乗客の安全確保のために、異常時に作動して乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチ(例えば、インレットスイッチ、スカートガードスイッチ等)が設けられている。
【0003】
このような安全スイッチが作動して乗客コンベアが非常停止した場合、保守作業者が乗客コンベアの設置現場に赴いて復旧作業を行うが、この際、乗客コンベアに設けられている各種安全スイッチのうちのどのスイッチが作動して非常停止に至ったかの特定が難しく、復旧作業に時間がかかってしまう場合が多かった。
【0004】
そこで、例えば特許文献1においては、乗客コンベアのスカートガード等に設置した操作盤に、保守作業者が操作するキースイッチとともにLED7セグメント式の表示器を設け、この表示器に、作動した安全スイッチに対応する番号などを表示することで、保守作業者が作動した安全スイッチを確認しやすくすることが提案されている。
【特許文献1】特開2006−176284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、乗客コンベアの非常停止時に保守作業者が復旧作業を効率的に行うためには、どの安全スイッチが作動したかを特定できるようにするだけでは十分とは言えず、異常の原因を究明する上で有用な情報も保守作業者が容易に確認できるようにすることが望まれる。例えば、安全スイッチの誤作動により乗客コンベアが非常停止した場合には、当該安全スイッチが過去に頻繁に作動しているかなどを示す安全スイッチの作動履歴の情報が、異常の原因を究明する上で重要な情報となる。また、用品の磨耗により異常が発生した場合には、乗客コンベアの起動回数や運転時間など、用品の磨耗度合いを推定するための情報が、異常の原因を究明する上で重要な情報となる。
【0006】
このように、保守作業者による作業を効率化して復旧作業に要する時間を短縮するには、これら多様な情報を保守作業者が容易に確認できるようにすることが望まれるが、特許文献1に記載の技術のように、情報の表示にLED7セグメント式の表示器を用いるようにしたのでは、多様な情報を表示することは難しい。また、多様な情報を表示できるようにするためにはLEDの数を増やす必要があり、表示器が大型化して設置スペースの確保が難しくなる。さらに、このような表示器をキースイッチとともに操作盤に設けるようにすると、操作盤のサイズがさらに大型化するため実用的でない。
【0007】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、乗客コンベアに生じた異常の原因を究明する上で有用な情報を保守作業者が容易に確認できるよにして、非常停止時における復旧作業を効率的に行えるようにした乗客コンベアを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る乗客コンベアは、乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチと、乗客コンベアの運転を制御する制御装置と、タッチパネル型表示装置とを備える。そして、制御装置に、乗客コンベアの運転を制御する機能のほかに、少なくとも各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを記憶する機能を付加するとともに、タッチパネル型表示装置には、制御装置に記憶された各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを操作者による操作入力に応じて選択的に表示する機能と、操作者による乗客コンベアの運転制御の指示入力を受け付けて制御装置に伝達する機能とを持たせるようにしている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る乗客コンベアよれば、保守作業者がタッチパネル型表示装置を操作することで、異常の原因を究明する上で有用な各種情報を確認できるとともに、乗客コンベアの運転制御の指示も行うことができるので、非常停止時における復旧作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、本発明を適用した乗客コンベアの例として、多数のステップが連続して階段状に上下に移動することで乗客を上下階に亘って搬送するエスカレータを例示するが、本発明は、多数のステップが連続して水平に移動することで乗客を搬送する動く歩道(オートロード)に対しても有効に適用可能である。
【0011】
図1は、本発明を適用したエスカレータの全体構成を示す模式図である。このエスカレータは、隙間なく連結された多数のステップ1を建物の下階と上階とに亘って循環移動させることで、ステップ1上の乗客を下階から上階、或いは上階から下階へと搬送するものである。多数のステップ1は、無端状のチェーン2によって連結されており、建物の上下階に跨って設置されたトラスと呼ばれる主枠3に配置されている。
【0012】
主枠3の上階側端部には機械室が設けられており、この上階側の機械室内部に、駆動装置4やこれに連結された駆動スプロケット5a、制御盤6などが配設されている。また、主枠3の下階側端部にも機械室が設けられており、この下階側の機械室内部には、駆動スプロケット5aと対をなす従動スプロケット5bなどが配設されている。
【0013】
多数のステップ1を連結する無端状のチェーン2は、駆動スプロケット5aと従動スプロケット5bとの間に巻き掛けられている。そして、制御盤6に内蔵された制御装置(図1では図示を省略している)による制御のもとで駆動装置4が動作し、これに連結された駆動スプロケット5aが回転することにより、チェーン2が駆動スプロケット5aと従動スプロケット5bとの間で送り動作され、このチェーン2の送り動作に伴って、チェーン2によって連結された多数のステップ1が、図示しない案内レールにガイドされながら下階と上階との間を循環移動する構造となっている。
【0014】
主枠3上には、循環移動するステップ1の左右両端側に位置してそれぞれスカートガードパネル7が設置され、このスカートガードパネル7上に欄干8が立設されている。この欄干8の周囲には、ベルト状のハンドレール9が装着されている。ハンドレール9は、ステップ1上の乗客が把持する手摺であり、例えば上述した駆動装置4の駆動力が伝達されることで、ステップ1の移動と同期して欄干8の周囲を周回する。
【0015】
また、本発明を適用したエスカレータには、例えば、ハンドレール9の入込口に乗客の手や足先が挟まれた場合に作動して乗客コンベアを非常停止させるインレットスイッチや、移動するステップ1とスカートガードパネル7との間に乗客の足先が挟まれた場合に作動して乗客コンベアを非常停止させるためのスカートガードスイッチなど、乗客の安全確保のために乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチ(図1では図示を省略している)が設けられている。
【0016】
さらに、本発明を適用したエスカレータには、例えば図2に示すように、乗降口近傍のスカートガードパネル7など、エスカレータ本体の確認しやすい位置に、各種の情報を表示するとともに各種の操作入力を受け付けるタッチパネル型表示装置20が設置されている。このタッチパネル型表示装置20は、後述する安全スイッチの操作履歴や、エスカレータの起動回数、エスカレータの運転時間など、保守作業者にとって有用な情報を選択的に表示する機能と、従来は保守作業者が操作する操作盤のキースイッチなどで実現していたエスカレータの運転制御、すなわちエスカレータの起動や停止、ブザーの鳴動などを指示するための操作入力を受け付ける機能とを合わせ持つものであり、例えば、液晶表示器にタッチパネルを組み合わせて構成される。なお、このタッチパネル型表示装置20に用いるタッチパネルとしては、操作者が画面に触れたときに反応するものだけでなく、操作者が指を画面に近づけた際に反応するものも含まれる。
【0017】
図3は、本実施形態のエスカレータにおける要部となる制御装置10、各種の安全スイッチ11a〜11c、タッチパネル型表示装置20の繋がりを示す簡易回路図である。
【0018】
図3に示すように、各種の安全スイッチ11a〜11cやタッチパネル型表示装置20は、制御盤6内の制御装置10に接続されている。また、制御装置10には、制御盤6内に設けられた運転開始用のUコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bも接続されている。なお、図3において、Uコンタクタ12aに接続されているSU接点13aおよびDコンタクタ12bに接続されているSD接点13b、ブザー14に接続されているSBZ接点15は、タッチパネル型表示装置20での操作に応じてON/OFFが切換えられる仮想的な接点であり、実際には制御装置10の内部で実現されるものである。
【0019】
安全スイッチ11a〜11cは、非作動時は閉、作動時に開となる常閉のスイッチである。これら安全スイッチ11a〜11cの状態は常に制御装置10に入力されている。制御装置10は、これら安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動すると、SU接点13aとSD接点13bのうちONされている接点をOFFに切り換えて、エスカレータを非常停止させる。また、制御装置10は、安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動したときに、その作動日時の情報を取得して、作動した安全スイッチを特定するための情報と作動日時の情報とを関連付けて、作動履歴として内部メモリに記憶する。
【0020】
Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bは、タッチパネル型表示装置20での操作に応じてSU接点13aとSD接点13bのうちの何れかがONされることにより、選択的にON状態とされる。Uコンタクタ12aがON状態とされた場合はエスカレータが上昇運転を開始し、Dコンタクタ12bがON状態とされた場合はエスカレータが下降運転を開始する。また、Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bは、安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動して、制御装置10によりSU接点13aとSD接点13bのうちONされている接点がOFFに切り換えられることで双方がOFF状態となる。Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bの双方がOFF状態となることにより、エスカレータは停止する。
【0021】
Uコンタクタ12aおよびDコンタクタ12bがON状態に切り換えられた回数、つまりエスカレータの起動回数や、Uコンタクタ12aやDコンタクタ12bがON状態とされている時間、つまりエスカレータの運転時間は、制御装置10によってカウントされている。制御装置10は、これらエスカレータの起動回数や運転時間の情報を、上述した安全スイッチ11a〜11cの作動履歴とともに、内部メモリに記憶するようにしている。また、制御装置10は、記憶したエスカレータの起動回数の情報と運転時間の情報との少なくとも何れかに基づいてエスカレータの各種用品の交換時期を判断する機能を有しており、交換時期が近付いている用品があれば、その用品の名称などを内部メモリに合わせて記憶する。
【0022】
制御装置10の内部メモリに記憶された以上の情報は、必要に応じてタッチパネル型表示装置20へと伝送され、操作者の操作入力に応じて、タッチパネル型表示装置20に表示可能とされている。また、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者によるエスカレータの運転制御の指示入力、例えば運転方向を指定したエスカレータの起動やエスカレータの停止、ブザー14の鳴動などの指示入力を受け付ける機能を有しており、このような保守作業者によるエスカレータの運転制御の指示入力があると、その指示の内容がタッチパネル型表示装置20から制御装置10へと伝送され、制御装置10により保守作業者の指示に応じたエスカレータの運転制御が行われる。
【0023】
ここで、タッチパネル型表示装置20の具体的な表示画面の例を挙げながら、タッチパネル型表示装置20による動作の具体例について説明する。
【0024】
タッチパネル型表示装置20は、例えば、メイン画面として図4に示すような画面を表示する。この図4に示すメイン画面は、点検モードと運転制御モードの何れかを保守作業者(操作者)に選択させるための画面である。この図4のメイン画面上で、保守作業者により「点検」ボタンが押されて点検モードが選択されると、タッチパネル型表示装置20は、安全スイッチ11a〜11cの作動履歴を表す画面、エスカレータの起動回数を表す画面、エスカレータの運転時間を表す画面などを、保守作業者による操作入力に応じて選択的に表示する。一方、図4のメイン画面上で、保守作業者により「運転/停止」ボタンが押されて運転制御モードが選択されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータの運転制御の指示を保守作業者に入力させるための画面を表示する。
【0025】
図5は、エスカレータの運転停止中に保守作業者によって図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。エスカレータの運転停止中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図5(a)に示すように、エスカレータの運転開始の指示を確認するための画面を表示する。そして、この図5(a)の画面上で「Yes」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図5(b)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。
【0026】
この図5(b)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行い、正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、図5(c)に示すように、ブザー14の鳴動を促す画面を表示する。そして、この図5(c)の画面上で「ブザー鳴動」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、ブザー14の鳴動を指示する指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってブザー14に接続されているSBZ接点15がONされて、ブザー14が鳴動する。
【0027】
次に、タッチパネル型表示装置20は、図5(d)に示すように、エスカレータの運転方向を選択させるための画面を表示する。そして、この図5(d)の画面上で「UP」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータを上昇運転させる指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってSU接点13aがONされてUコンタクタ12aがON状態となり、エスカレータが上昇運転を開始する。一方、図5(d)の画面上で「DOWN」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータを下降運転させる指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってSD接点13bがONされてDコンタクタ12bがON状態となり、エスカレータが下降運転を開始する。エスカレータが上昇運転または下降運転を開始すると、その後、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0028】
図6は、エスカレータの運転中に保守作業者によって図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合にタッチパネル型表示装置20に表示される画面の一例を示している。エスカレータの運転中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図6に示すように、エスカレータ停止の指示入力を受け付ける画面を表示する。そして、この図6の画面上で「STOP」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、エスカレータを停止させる指令を制御装置10へと伝送する。これにより、制御装置10によってSU接点13aとSD接点13bのうちでONされている接点がOFFに切り換えられ、Uコンタクタ12aとDコンタクタ12bの双方がOFF状態となり、エスカレータが停止する。エスカレータが停止すると、その後、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0029】
図7は、保守作業者によって図4のメイン画面上で「点検」ボタンが押された場合にタッチパネル型表示装置20に表示される画面の一例を示している。図4のメイン画面上で「点検」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図7に示すように、表示する情報の種別などを保守作業者に選択させるための画面を表示する。そして、タッチパネル型表示装置20は、この図7の画面上での保守作業者の入力操作に応じて、その後の表示内容を切り換える。なお、この図7の画面上で「戻る」ボタンが押された場合には、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0030】
図8は、保守作業者によって図7の画面上で「安全スイッチ作動履歴」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「安全スイッチ作動履歴」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図8(a)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図8(a)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に記憶されている安全スイッチの作動履歴の情報を取得して、図8(b)に示すように、安全スイッチの作動履歴を表す画面を表示する。その後、保守作業者により安全スイッチの作動履歴が確認されて、図8(b)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0031】
図9は、保守作業者によって図7の画面上で「運転時間計」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「運転時間計」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図9(a)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図9(a)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に記憶されているエスカレータの運転時間の情報を取得して、図9(b)に示すように、エスカレータの運転時間を表す画面を表示する。また、このとき、制御装置10に交換時期が近付いている用品に関する情報が記憶されていれば、タッチパネル型表示装置20は、この交換時期が近付いている用品の情報も取得して、図9(b)の画面上でこの用品の交換時期が近付いている旨のメッセージを合わせて表示する。その後、保守作業者によりエスカレータの運転時間および用品交換のメッセージが確認されて、図9(b)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0032】
図10は、保守作業者によって図7の画面上で「起動回数計」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「起動回数計」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図10(a)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図10(a)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に記憶されているエスカレータの起動回数の情報を取得して、図10(b)に示すように、エスカレータの起動回数を表す画面を表示する。また、このとき、制御装置10に交換時期が近付いている用品に関する情報が記憶されていれば、タッチパネル型表示装置20は、この交換時期が近付いている用品の情報も取得して、図10(b)の画面上でこの用品の交換時期が近付いている旨のメッセージを合わせて表示する。その後、保守作業者によりエスカレータの起動回数および用品交換のメッセージが確認されて、図10(b)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0033】
図11は、保守作業者によって図7の画面上で「オールクリア」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「オールクリア」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図11(a)に示すように、制御装置10が記憶している安全スイッチの作動履歴などの各種情報(運転データ)を消去するかどうかを確認するための画面を表示する。そして、この図11(a)の画面上で「Yes」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図11(b)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図11(b)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に対して、安全スイッチの作動履歴、エスカレータの運転時間や起動回数などの各種情報を消去する旨の指令を出力する。これにより、制御装置10によって内部メモリに記憶されている各種情報が消去される。制御装置10の内部メモリに記憶されている各種情報が消去されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図11(c)に示すように、制御装置10が記憶している各種情報(運転データ)を消去した旨を報知する画面を表示する。そして、この図11(c)の画面上で「メインメニューに戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図4に示したメイン画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0034】
図12は、保守作業者によって図7の画面上で「照明ON」ボタンが押された場合のタッチパネル型表示装置20の画面遷移例を示している。図7の画面上で「照明ON」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、まず、図12(a)に示すように、エスカレータの照明ON動作を確認するための画面を表示する。そして、この図12(a)の画面上で「Yes」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図12(b)に示すように、パスワード入力のための画面を表示する。そして、この図12(b)の画面上のテンキーボタンで保守作業者によりパスワードが入力され、「決定」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、保守作業者により入力されたパスワードの照合を行う。そして、保守作業者により入力されたパスワードが正規のパスワードとして登録されているものと一致すると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に対して、エスカレータの照明を点灯させる旨の指令を出力する。これにより、制御装置10によってエスカレータの照明を点灯させるためのスイッチがONに切り換えられて、エスカレータの照明が点灯する。エスカレータの照明が点灯すると、タッチパネル型表示装置20は、次に、図12(c)に示すように、エスカレータの照明OFFの指示入力を受け付ける画面を表示する。そして、この図12(c)の画面上で「OFF」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、制御装置10に対して、エスカレータの照明を消灯させる旨の指令を出力する。これにより、制御装置10によってエスカレータの照明を点灯させるためのスイッチがOFFに切り換えられて、エスカレータの照明が消灯する。また、図12(c)の画面上で「戻る」ボタンが押されると、タッチパネル型表示装置20は、図7に示した画面を再度表示して、保守作業者による次の入力待ちの状態となる。
【0035】
なお、以上説明したタッチパネル型表示装置20の表示画面は、表示画面の具体的な一例を例示したものであり、各表示画面の構成や画面遷移の順序などは、様々な変形が可能である。例えば、以上の例では、エスカレータの運転状態に拘わらず最初に図4に示したようなメイン画面を表示させるようにしているが、エスカレータが非常停止した場合には、図4に示したようなメイン画面を表示せずに、図7に示したような点検モードの画面を最初に表示させるようにしてもよい。
【0036】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態によれば、各種安全スイッチ11a〜11cの何れかが作動してエスカレータが非常停止した場合などに、保守作業者がタッチパネル型表示装置20を操作することで、エスカレータに生じた異常の原因を究明する上で有用な各種情報をタッチパネル型表示装置20の表示画面で確認することができるとともに、このタッチパネル型表示装置20の表示画面上でエスカレータの運転制御の指示も行うことができる。したがって、エスカレータの非常停止時における保守作業者の復旧作業を効率的に行わせることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、エスカレータに生じた異常の原因を究明する上で有用な各種情報を、保守作業者の操作入力に応じて、タッチパネル型表示装置20上で選択的に表示させるようにしているので、タッチパネル型表示装置20のサイズを小型に構成することができ、このタッチパネル型表示装置20を例えば乗降口近傍のスカートガードパネル7など、保守作業者にとって確認しやすい位置に適切に設置することができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、エスカレータの各種用品のうちで交換時期が近付いた用品についての情報もタッチパネル型表示装置20の表示画面上で確認することができるので、エスカレータが非常停止した場合以外の通常の点検時における保守作業者の作業効率も向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、保守作業者がタッチパネル型表示装置20を操作する際に、パスワード照合による認証処理を行うようにしているので、保守作業者以外の者がいたずら等でタッチパネル型表示装置20を不正に操作することを未然に防止することができる。
【0040】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の一適用例を具体的に説明したものであり、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態の説明で開示した技術事項に限定されるものではなく、以上の開示内容をもとに一般的な技術常識も鑑みて当然に導かれる変形例、応用例も含まれるものである。例えば、以上説明した実施形態では、エスカレータ本体の乗降口近傍のスカートガードパネル7にタッチパネル型表示装置20を設置するようにしているが、タッチパネル型表示装置20は、スカートガードパネル7以外でも、例えば欄干8や、ローデッキタイプのエスカレータであれば内デッキ、誘導柵のあるエスカレータであれば誘導柵など、保守作業者(操作者)が確認しやすい位置であれば、どのような位置に設置してもよい。また、複数のタッチパネル型表示装置20を複数の位置に各々設置するようにしてもよい。
【0041】
また、以上説明した実施形態では、タッチパネル型表示装置20の不正操作を防止するためにパスワード照合による認証処理を行うようにしているが、それ以外にも、例えば指紋認証や静脈認証などの生体認証による認証処理を行って、タッチパネル型表示装置20の不正操作を防止するようにしてもよい。また、例えば図13に示すように、タッチパネル型表示装置20にキーロック式のカバー21を設け、保守作業者が操作するとき以外はこのカバー21を閉じてキーロックすることで、不正操作を防止するようにしてもよい。
【0042】
また、以上説明した実施形態におけるタッチパネル型表示装置20の機能は、タッチパネルの代わりに、あるいはタッチパネルと併用して音声認識装置を用いることでも実現できる。この場合には、音声認識装置を用いて音声による認証処理を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を適用したエスカレータの全体構成を示す模式図。
【図2】タッチパネル型表示装置が設置されたスカートガードパネル近傍の拡大図。
【図3】制御装置と各種の安全スイッチおよびタッチパネル型表示装置との繋がりを示す簡易回路図。
【図4】タッチパネル型表示装置の具体的な表示画面の一例を示す図であり、メイン画面を示す図。
【図5】エスカレータの停止中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図6】エスカレータの運転中に図4のメイン画面上で「運転/停止」ボタンが押された場合の画面表示例を示す図。
【図7】図4のメイン画面上で「点検」ボタンが押された場合の画面表示例を示す図。
【図8】図7の画面上で「安全スイッチ作動履歴」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図9】図7の画面上で「運転時間計」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図10】図7の画面上で「起動回数計」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図11】図7の画面上で「オールクリア」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図12】図7の画面上で「照明ON」ボタンが押された場合の画面遷移例を示す図。
【図13】キーロック式のカバーが設けられたタッチパネル型表示装置20を示す図。
【符号の説明】
【0044】
6 制御盤
10 制御装置
11a〜11c 安全スイッチ
12a Uコンタクタ
12b Dコンタクタ
20 タッチパネル型表示装置
21 カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチと、
少なくとも前記各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを記憶する機能と、乗客コンベアの運転を制御する機能とを有する制御装置と、
前記制御装置に記憶された前記各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを操作者による操作入力に応じて選択的に表示する機能と、操作者による乗客コンベアの運転制御の指示入力を受け付けて前記制御装置に伝達する機能とを有するタッチパネル型表示装置と、を備えることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記タッチパネル型表示装置は、メイン画面として、点検モードと運転制御モードの何れかを操作者に選択させる画面を表示し、操作者により点検モードが選択されたときに、前記各種安全スイッチの作動履歴を表す画面と乗客コンベアの起動回数を表す画面と乗客コンベアの運転時間を表す画面とを操作者による操作入力に応じて選択的に表示し、操作者により運転制御モードが選択されたときに、乗客コンベアの運転制御の指示を操作者に入力させるための画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記制御装置は、乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間との少なくとも何れかに基づいて、乗客コンベアの各種用品の交換時期を判断する機能をさらに有し、
前記タッチパネル型表示装置は、前記制御装置によって交換時期が近付いていると判断された用品を報知する機能をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記タッチパネル型表示装置は、パスワード照合による認証処理機能をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記タッチパネル型表示装置は、生体認証による認証処理機能をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記タッチパネル型表示装置は、キーロック式のカバーを有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項1】
乗客コンベアを非常停止させる各種安全スイッチと、
少なくとも前記各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを記憶する機能と、乗客コンベアの運転を制御する機能とを有する制御装置と、
前記制御装置に記憶された前記各種安全スイッチの作動履歴と乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間とを操作者による操作入力に応じて選択的に表示する機能と、操作者による乗客コンベアの運転制御の指示入力を受け付けて前記制御装置に伝達する機能とを有するタッチパネル型表示装置と、を備えることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記タッチパネル型表示装置は、メイン画面として、点検モードと運転制御モードの何れかを操作者に選択させる画面を表示し、操作者により点検モードが選択されたときに、前記各種安全スイッチの作動履歴を表す画面と乗客コンベアの起動回数を表す画面と乗客コンベアの運転時間を表す画面とを操作者による操作入力に応じて選択的に表示し、操作者により運転制御モードが選択されたときに、乗客コンベアの運転制御の指示を操作者に入力させるための画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記制御装置は、乗客コンベアの起動回数と乗客コンベアの運転時間との少なくとも何れかに基づいて、乗客コンベアの各種用品の交換時期を判断する機能をさらに有し、
前記タッチパネル型表示装置は、前記制御装置によって交換時期が近付いていると判断された用品を報知する機能をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記タッチパネル型表示装置は、パスワード照合による認証処理機能をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記タッチパネル型表示装置は、生体認証による認証処理機能をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記タッチパネル型表示装置は、キーロック式のカバーを有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の乗客コンベア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−137746(P2009−137746A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318537(P2007−318537)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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