説明

乗客コンベヤーの移動手摺接続装置

【課題】 簡易な構成の装置によって乗客コンベヤーの設置現場において、移動手摺を無端状に容易に接続することができる乗客コンベヤーの移動手摺接続装置を得る。
【解決手段】 移動手摺1の接続箇所の長手端部相互を囲んで下型2及び上型3の両者を配置して締結し、高周波誘電加熱装置により上記両者を加熱して接続箇所を熱融着して移動手摺1を無端状に形成する。そして、上記両者の熱容量が極めて小さいため接続終了後に短時間で移動手摺の接続箇所の温度が低下する。
したがって、大型の加熱加圧装置、また接続完了後に上記両者の冷却のための冷却設備が不要になる。また、接続加工後に短時間で上記両者を撤去でき、設置現場での移動手摺1を無端状接続を容易化し、移動手摺1の乗客コンベヤーへの装着作業費を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エスカレーター、移動歩道等の欄干に設けられて移動する踏み板と同期して移動する移動手摺の長手端を相互に接続して無端状体を形成する乗客コンベヤーの移動手摺接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長期間使用された乗客コンベヤーの移動手摺は、汚損発生、損傷発生、経年劣化等のために更新される。このような場合に、工場において更新される移動手摺の長手端を相互に接続して無端状に形成した新規移動手摺を乗客コンベヤーの設置現場へ搬入して、次に述べる交換作業が行われる。すなわち、既設移動手摺を乗客コンベヤーから撤去して、その後に無端状に形成した新規移動手摺を装着するうえで障害となる乗客コンベヤーの部材が取り外される。
【0003】
そして、新規移動手摺を装着する作業が行われ、その後に前述の撤去した障害部材が再装着されて所要の調整、動作確認が行われる。したがって、移動手摺の更新のために余計な作業を実施することなり煩雑な手数が掛かることになる。このような手数を省くため、無端状の既設移動手摺を切断して、その一端に無端状に形成されていない新規移動手摺の一端を仮連結する。
【0004】
この状態で既設移動手摺の他端を引き出すともに、新規移動手摺の一端を乗客コンベヤーの主枠内に送り込む。この作業によって、新規移動手摺が主枠内、欄干を一巡した状態で新規移動手摺の一端を既設移動手摺の一端から切り離す。次いで、乗客コンベヤーの設置現場において新規移動手摺の長手端の相互を接続して無端状体を形成する移動手摺の更新作業が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−226177号公報(要約、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の乗客コンベヤーの移動手摺接続装置では、移動手摺がウレタン等の熱可塑性エラストマーを使用したものである場合に、移動手摺を熱融着によって接続して無端状体にするために大型の加熱加圧装置が必要となる。また、接続完了後の接続用金型の冷却のために、冷却水を供給する等の大掛かりな冷却設備が必要となる。
【0007】
さらに、接続完了後において接続用金型の冷却に長時間がかかるので、乗客コンベヤーの設置現場における新規移動手摺の無端状接続作業は容易でなく、実施が制約されるという問題点があった。
なお、新設される乗客コンベヤーについても、設置現場で移動手摺を無端状に接続して乗客コンベヤーに装着すると据付工程上で有利になる場合がある。しかし、このときにも移動手摺の無端状接続作業は前述のように困難である。
【0008】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、簡易に構成された装置によって設置現場において、移動手摺を無端状に容易に接続することができる乗客コンベヤーの移動手摺接続装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る乗客コンベヤーの移動手摺接続装置においては、横断面C字状をなし接続される長手端部を互いに対向して配置された粘弾性材製の移動手摺、この移動手摺のC字開口部側の外面に対応し、かつ移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される非金属製の下型と、移動手摺の反C字開口部側の外面に対応し、かつ下型と対向して配置される非金属製の上型と、下型及び上型の相互を着脱自在に締結する締結具と、下型及び上型の少なくとも一方に設けられて移動手摺外面と対面して配置された金属製電極と、金属製電極を付勢する高周波誘電加熱装置とが設けられる。
【発明の効果】
【0010】
この発明による乗客コンベヤーの移動手摺接続装置は、移動手摺を乗客コンベヤーに装着する場合に、次に述べるようにして移動手摺の長手端部相互が接続される。すなわち、移動手摺の長手の一端と他端が互いに対向して配置され、移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで下型及び上型が配置される。そして、相互に対向した下型及び上型が締結具によって締結され、高周波誘電加熱装置が動作して加熱部によって金属製電極が付勢される。
【0011】
これによって、移動手摺の長手の一端と他端、すなわち移動手摺の接続箇所が加熱されて熱融着されて無端状の移動手摺が形成される。そして、移動手摺における接続箇所の温度が低下して移動手摺の表面に形成される化粧面が固化した後に、締結具による締結を解除して、下型及び上型を分離し移動手摺から取り外して、移動手摺の無端接続加工が終了する。そして、この接続加工において下型及び上型の熱容量が極めて小さいため短時間で移動手摺の接続箇所の温度が低下する。
【0012】
したがって、移動手摺を無端状に接続するために大型の加熱加圧装置、また接続完了後の接続用金型の冷却に冷却水を供給する等の大掛かり冷却設備が不要になる。さらに、接続加工後に短時間で下型及び上型を取り外すことができ、乗客コンベヤーの設置現場において更新する移動手摺を無端状に容易に接続することができる。このため、乗客コンベヤーの設置現場において、新設又は更新する移動手摺を簡易な作業によって、また少ない費用で装着することができ、移動手摺の装着作業を能率化し、また乗客コンベヤーへの装着作業費を低減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態を示す図で、図1は移動手摺の長手端部相互に配置される接続型の配置を示す図、図2は図1の電極を付勢する高周波誘電加熱装置における機器の配置を示す図である。図において、横断面C字状をなし粘弾性材製の移動手摺1が、接続される長手端部(図示しない)を互いに対向させて配置される。そして、セラミック等の断熱材からなる非金属製の下型2が移動手摺1のC字開口部側の外面に対応し、かつ移動手摺1における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される。
【0014】
また、セラミック等の断熱材からなる非金属製の上型3が移動手摺1の反C字開口部側の外面に対応すると共に下型2と対向して配置される。また、下型2及び上型3に挿通されたボルト及びこのボルトの挿通端にねじ込まれたナットによって構成された締結具4によって下型2及び上型3の相互が着脱自在に締結される。そして、セラミック等の断熱材からなる非金属製であって移動手摺1のC字開口部側の内面に対応した中型5が設けられる。
【0015】
なお、中型5は移動手摺1の横断面においてC字開口部幅方向に図1に示すように三分割されて配置される。また、分割片それぞれの一側が下型2の凹部6に嵌合されて支持され、これらの分割片は他側が移動手摺1のC字開口部からC字開口部内に挿入状態に配置される。また、それぞれの分割片の他側は移動手摺1のC字開口部内面に対面して配置される。そして、下型2に下側金属製電極7a,7bが設けられて対応した移動手摺1外面と対面して配置される。
【0016】
また、上型3に上側金属製電極7cが設けられて対応した移動手摺1外面と対面して配置される。そして、中型5に中側金属製電極が設けられて対応した移動手摺1内面と対面して配置される。なお、中側金属製電極は移動手摺1のC字開口部の間口方向の一側に中側金属製電極8a、C字開口部の間口方向の中間に中側金属製電極8b及び移動手摺1のC字開口部の間口方向の他側に中側金属製電極8cによって形成される。
【0017】
また、次に述べる高周波誘電加熱装置9が設けられて、要時に下側金属製電極7a,7b、上側金属製電極7c、中側金属製電極8a〜8cを付勢する。すなわち、高周波電源部10、真空管を用いた自励発振部11、整合部12及び前述の下側金属製電極7a等が設けられた加熱部13によって構成される。なお、自励発振部11は真空管の陽極、フィラメント電源の他、各部への制御電源やリレー等からなる発振管、共振回路によって構成される。
【0018】
そして、整合部12は自励発振部11で発生した高周波電力を効率よく加熱部13に伝達すると共に、負荷インピーダンスの変化により発振周波数への影響を最小限にとどめるネットワークで、LCの回路素子を組み合わせたπ型やT型回路を用いている。また、L又はCの値を変えてインピーダンス整合を取ると共に、加熱部13への電力供給の調整を行っている。そして、高周波誘電加熱装置9による加熱には周波数が3〜100MHzが使用される。
【0019】
上記のように構成された乗客コンベヤーの移動手摺接続装置において、次に述べるようにして移動手摺1の長手端部相互が接続される。すなわち、移動手摺1の長手の一端と他端が互いに対向して配置され、移動手摺1における接続箇所の長手端部相互を囲んで中型5が配置される。そして、移動手摺1の横断面におけるC字開口部内部の幅方向の両側にそれぞれ中型5の側部片が挿入され、また側部片の相互の間に中型5の中部片が挿入される。
【0020】
また、中型5の分割片それぞれの一側が下型2の凹部6に嵌合されると共に、下型2が移動手摺1のC字開口部側の外面に対応し、かつ移動手摺1における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される。そして、上型3が移動手摺1の反C字開口部側の外面に対応すると共に下型2と対向して配置され、また下型2及び上型3が締結具4によって締結されて図1に示す状態となる。
【0021】
次いで図1に示す状態において、高周波誘電加熱装置9が動作し加熱部13によって、下側金属製電極7a,7b、上側金属製電極7c及び中側金属製電極8a〜8cが付勢される。これによって、移動手摺1の長手の一端と他端、すなわち移動手摺1の接続箇所が加熱されて熱融着されて無端状の移動手摺1が形成される。そして、移動手摺1における接続箇所の温度が低下して移動手摺1の外面、すなわち表面に形成される化粧面が固化した後に締結具4による下型2及び上型3の締結が解除される。
【0022】
そして、下型2、上型3及び中型5を分離して移動手摺1から取り外して、移動手摺1の無端接続加工が終了する。この接続加工において、下型2、上型3及び中型5の熱容量が極めて小さく短時間で移動手摺1の接続箇所の温度が低下する。したがって、移動手摺1を無端状に接続するために大型の加熱加圧装置、また接続完了後の接続用金型の冷却に冷却水を供給する等の大掛かり冷却設備が不要になる。
【0023】
さらに、接続加工後に短時間で下型2等を取り外すことができ、乗客コンベヤーの設置現場において更新する移動手摺1を無端状に容易に接続することができる。このため、乗客コンベヤーの設置現場において、新設又は更新する移動手摺1を簡易な作業によって、また少ない費用で装着することができる。これにより、移動手摺1の乗客コンベヤーへの装着作業を能率化し、また乗客コンベヤーへの装着作業費を低減することができる。
【0024】
なお、熱可塑性エラストマーを使用した移動手摺1は、ゴム製の移動手摺1に比べて乗客コンベヤーの設置現場での熱融着が容易である。このため、図1及び図2の実施の形態を熱可塑性エラストマー製の移動手摺1に適用することにより、移動手摺1の一層良好な接続作用を得ることができる。なお、図1及び図2の実施の形態は下型2と中型5を分離して構成したものとしたが、中型5の一部を下型2と一体化することも可能であり、このように構成された乗客コンベヤーの移動手摺接続装置であっても、図1及び図2の実施の形態における作用を得ることができる。
【0025】
次に、高周波誘電加熱装置9による高周波加熱の原理を説明する。すなわち、誘電体に電磁波の高周波電界が加えられると誘電体は分極を生じる。この分極は誘電体中のイオンや電子のような荷電物体が、電界の作用により移動するために生じるもので、Maxwell の電磁方程式における電気変位がこれにあたる。そして、電気変位Dは電界Eに比例するので、
D=εE
と表され、この比例定数εが誘電率である。
【0026】
なお、誘電率に寄与する分極の種類は周波数によって異なり、その分極を生じる荷電体の移動が電界の時間的変化に追随できなくなると、変位電流が電界に対して遅れを生じて電力損失が発生する。この遅れを生じる固有周波数は分極の種類により異なり、配向分極では1011Hz以下、いわゆるマイクロ波領域で起こる。そして、固有周波数以上の周波数では、その種類の分極は外部電界の変化に追随できなくなり、その作用を受けなくなるので誘電率の寄与がなくなり誘電率が低下していく。
【0027】
なお、この乗客コンベヤーの移動手摺接続装置による高周波加熱は配向分極を利用している。すなわち配向分極とは、誘電体構成分子中の誘電双極子が電界の方向に配向するために回転・振動などを行うことによって生じるもので、この時の激しい分子内摩擦によって熱が発生する。
【0028】
実施の形態2.
図3及び図4は、この発明の他の実施の形態を示す図で、図3は移動手摺の長手端部相互に配置される接続型の配置を示す図、図4は高周波電流により図3の電磁コイルを付勢する誘導加熱の原理を説明する図である。図において、前述の図1〜図2と同符号は相当部分を示し、横断面C字状をなし粘弾性材製の移動手摺101が接続される長手端部(図示しない)を互いに対向させて配置される。また、移動手摺101にはスチールテープ等であって金属製の抗張体114が内蔵されている。
【0029】
そして、金属製の下金型201が移動手摺101のC字開口部側の外面に対応し、かつ移動手摺101における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される。また、金属製の上金型301が移動手摺101の反C字開口部側の外面に対応すると共に下金型201と対向して配置される。また、下金型201及び上金型301に挿通されたボルト及びこのボルトの挿通端にねじ込まれたナットによって構成された締結具401によって下金型201及び上金型301の相互が着脱自在に締結される。
【0030】
また、金属製であって移動手摺101のC字開口部側の内面に対応した中金型501が設けられ、この中金型501は移動手摺101の横断面においてC字開口部幅方向に図3に示すように三分割されて形成される。そして、分割片それぞれの一側が下金型201の凹部601に嵌合されて支持され、これらの分割片は他側が移動手摺101のC字開口部からC字開口部内に挿入状態に配置される。また、それぞれの分割片の他側は移動手摺101のC字開口部内面に対面して配置される。
【0031】
また、上金型301における移動手摺101横断面のC字開口部幅方向の両側にそれぞれ電熱ユニット115が設けられる。そして、三分割された中金型501の分割片それぞれの相互間にセラミック等によって形成された絶縁体116が介装され、また絶縁体116における移動手摺101の抗張体114と対向した端部内に電磁コイル117が設けられている。
【0032】
そして、電磁コイル117に輪状に巻かれたコイル118a,118bが設けられ、図4に示す方向にそれぞれ高周波電流が流れて、それぞれ磁束119a,119bが図4に示す方向に発生する。これにより、移動手摺101の抗張体114に渦電流120a,120bがそれぞれ発生して、渦電流120a,120bが抗張体114を流れるときの高周波電流による誘導加熱、すなわちジュール熱によって移動手摺101が内部から加熱される。
【0033】
上記のように構成された乗客コンベヤーの移動手摺接続装置においても、前述の図1及び図2の実施の形態と同様な作業によって移動手摺101の長手端部相互が接続される。すなわち、移動手摺101の長手の一端と他端が互いに対向して配置され、移動手摺101における接続箇所の長手端部相互を囲んで下金型201、上金型301及び中金型501が配置される。そして、下金型201及び上金型301が締結具401によって締結されて図3に示す状態となる。
【0034】
次いで図3に示す状態において下金型201及び上金型301に加圧力が付与されて、この状態で電熱ユニット115を発熱させて移動手摺101の接続箇所を加熱して熱融着することによって無端状の移動手摺101を形成する。そして、電熱ユニット115を発熱させると共に電磁コイル117に、高周波電流発生装置(図示しない)の高周波インバータにより高周波電流を供給する。
【0035】
これによって、電磁コイル117が高周波磁束を作り、セラミック等からなる絶縁体116を透過して移動手摺101の抗張体114に渦電流120a,120bが発生する。そして、渦電流120a等は金属製の抗張体114の中でジュール熱によって移動手摺101を内部から加熱する。このように、下金型201及び上金型301による外部からの加熱の他に、抗張体114を利用して内部からも移動手摺101が加熱される。
【0036】
そして、移動手摺101における接続箇所の温度が低下して移動手摺101の外面、すなわち表面に形成される化粧面が固化した後に締結具401による締結が解除される。そして、前述の図1及び図2の実施の形態と同様に下金型201等を移動手摺101から取り外して、移動手摺1の無端接続加工が終了する。このような接続加工においても、下金型201等の熱容量が極めて小さく短時間で移動手摺1の接続箇所の温度が低下する。したがって、詳細な説明を省略するが図3及び図4の実施の形態においても図1及び図2の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0037】
また、図3及び図4の実施の形態において、下金型201及び上金型301による外部からの加熱の他に、抗張体114を利用して内部からも移動手摺101を加熱する。このため、下金型201及び上金型301の熱容量を必要最小限まで小さくすることができる。したがって、乗客コンベヤーの移動手摺接続装置を小型化でき、また移動手摺101の長手端部相互の接続後における冷却時間をさらに短縮することができる。したがって、移動手摺101の装着作業を一層能率化し、また乗客コンベヤーへの装着作業費をさらに低減することができる。
【0038】
また、図3及び図4の実施の形態において、上金型301に電熱ユニット115を装着するものとしたが、電熱ユニット115を下金型201に設けたり、また下金型201及び上金型301の両方に設けたりすることも可能である。また、下金型201と中金型501を分離した構成としたが、中金型501の一部を下金型201と一体化することも可能であり、このように構成された乗客コンベヤーの移動手摺接続装置であっても、図3及び図4の実施の形態における作用を得ることができる。
【0039】
また、図3及び図4の実施の形態において、非金属及び金属のいずれかからなる下金型201とし、また下金型201が非金属であるときは金属製であり、下金型201が金属であるときは非金属製である上金型301とし、また非金属製である下金型201及び上金型301の一方に電磁コイル117を設ける。このように構成された乗客コンベヤーの移動手摺接続装置であっても、図3及び図4の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、移動手摺の長手端部相互に配置される接続型の配置を示す図。
【図2】図1の電極を付勢する高周波誘電加熱装置における構成機器の配置を示す図。
【図3】この発明の実施の形態2を示す図で、移動手摺の長手端部相互に配置される接続型の配置を示す図。
【図4】高周波電流により図3の電磁コイルを付勢する誘導加熱の原理を説明する図。
【符号の説明】
【0041】
1 移動手摺、2 下型、3 上型、4 締結具、5 中型、7a,7b 下側金属製電極、7c 上側金属製電極、8a,8b,8c 中側金属製電極、9 高周波誘電加熱装置、101 移動手摺、114 抗張体、115 電熱ユニット、116 絶縁体、117 電磁コイル、120a,120b 渦電流、201 下金型(下型)、301 上金型(上型)、401 締結具、501 中金型(中型)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面C字状をなし接続される長手端部を互いに対向して配置された粘弾性材製の移動手摺、この移動手摺のC字開口部側の外面に対応し、かつ上記移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される非金属製の下型と、上記移動手摺の反C字開口部側の外面に対応し、かつ上記下型と対向して配置される非金属製の上型と、上記下型及び上型の相互を着脱自在に締結する締結具と、上記下型及び上型の少なくとも一方に設けられて上記移動手摺外面と対面して配置された金属製電極と、上記金属製電極を付勢する高周波誘電加熱装置とを備えた乗客コンベヤーの移動手摺接続装置。
【請求項2】
横断面C字状をなし接続される長手端部を互いに対向して配置された粘弾性材製の移動手摺、この移動手摺のC字開口部側の外面に対応し、かつ上記移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される非金属製の下型と、上記移動手摺の反C字開口部側の外面に対応し、かつ上記下型と対向して配置される非金属製の上型と、一側が上記下型に保持されて他側は上記移動手摺のC字開口部内に挿入されて、上記C字開口部内面に対面して配置された中型と、上記下型及び上型の相互を着脱自在に締結する締結具と、上記下型、上型及び中型の少なくとも一つに設けられて対向した上記移動手摺面と対面して配置された金属製電極と、上記金属製電極を付勢する高周波誘電加熱装置とを備えた乗客コンベヤーの移動手摺接続装置。
【請求項3】
移動手摺を、熱可塑性エラストマー製のものとしたことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の乗客コンベヤーの移動手摺接続装置。
【請求項4】
横断面C字状をなし金属製の抗張体が設けられて、接続される長手端部を互いに対向して配置された粘弾性材製の移動手摺、非金属及び金属のいずれかからなり上記移動手摺のC字開口部側の外面に対応し、かつ上記移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される下型と、この下型が非金属であるときは金属製であり上記下型が金属であるときは非金属製であり、上記移動手摺の反C字開口部側の外面に対応し、かつ上記下型と対向して配置される上型と、上記下型及び上型の両者相互を着脱自在に締結する締結具と、非金属製である上記両者の一方に設けられた電磁コイルと、この電磁コイルを付勢して上記移動手摺の抗張体に発生する渦電流によって上記移動手摺の長手端部相互を加熱する高周波電流発生装置とを備えた乗客コンベヤーの移動手摺接続装置。
【請求項5】
横断面C字状をなし金属製の抗張体が設けられて、接続される長手端部を互いに対向して配置された粘弾性材製の移動手摺、この移動手摺のC字開口部側の外面に対応し、かつ上記移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される金属製の下型と、上記移動手摺の反C字開口部側の外面に対応し、かつ上記下型と対向して配置される金属製の上型と、一側が上記下型に保持されて他側は上記移動手摺のC字開口部内に挿入されて、上記C字開口部内面に対面して配置された中型と、上記下型及び上型の両者相互を着脱自在に締結する締結具と、上記中型の絶縁体に設けられた電磁コイルと、この電磁コイルを付勢して上記移動手摺の抗張体に発生する渦電流によって上記移動手摺の長手端部相互を加熱する高周波電流発生装置とを備えた乗客コンベヤーの移動手摺接続装置。
【請求項6】
横断面C字状をなし金属製の抗張体が設けられて、接続される長手端部を互いに対向して配置された粘弾性材製の移動手摺、この移動手摺のC字開口部側の外面に対応し、かつ上記移動手摺における接続箇所の長手端部相互を囲んで配置される金属製の下型と、上記移動手摺の反C字開口部側の外面に対応し、かつ上記下型と対向して配置される金属製の上型と、一側が上記下型に保持されて他側は上記移動手摺のC字開口部内に挿入されて、上記C字開口部内面に対面して配置された中型と、上記下型及び上型の両者相互を着脱自在に締結する締結具と、上記両者の少なくとも一方を加熱する電熱ユニットと、上記中型の絶縁体に設けられた電磁コイルと、この電磁コイルを付勢して上記移動手摺の抗張体に発生する渦電流によって上記移動手摺の長手端部相互を加熱する高周波電流発生装置とを備えた乗客コンベヤーの移動手摺接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−1712(P2006−1712A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180556(P2004−180556)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(591040122)株式会社トーカン (15)
【Fターム(参考)】