説明

乳酸精製方法

【課題】
乳酸の製造コストを下げることにより、ポリ乳酸の価格を低廉にし、ポリ乳酸の利用拡大を図ることができ、さらに、環境への悪影響を抑えることができる。
【解決手段】
pH調整剤としてアンモニアを用いて乳酸アンモニウムを生じる乳酸発酵を行い、得られた粗製乳酸を精製して乳酸を製造する乳酸製造方法であって、粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去した後にイオン交換または電気透析を行う。溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンの除去は、乳酸発酵後のアンモニアを含んだ粗製乳酸を100kPa以下好ましくは50kPa以下の減圧状態において、充填物を詰めた気液分離塔に通液して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、pH調整剤としてアンモニアを用いて乳酸アンモニウムを生じる乳酸発酵を行い、得られた粗製乳酸をイオン交換により精製して乳酸を製造する乳酸製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、米などの澱粉質と糖質とを含む農産物を原料として乳酸発酵により乳酸の製造を行っている。乳酸発酵によって得られた粗製乳酸は、精製により乳酸にする。精製した乳酸は、現在普及しつつある生分解性プラスチックであるポリ乳酸の原料となる。
【0003】
このような乳酸発酵工程を主体にした製造方法には、乳酸カルシウムから乳酸に精製する方法と、乳酸発酵によって得られたアンモニア型の粗製乳酸から乳酸に精製する方法とがある。前者は、一般的に糖類原料を用いて乳酸発酵を経て得られた粗製乳酸を、カルシウム塩を用いて沈殿させて乳酸カルシウムとして回収し、その後、酸たとえば硫酸と反応させて乳酸に精製する方法である。後者は、乳酸発酵によって得られたアンモニア型の粗製乳酸を電気透析法あるいは陽イオン交換法によって乳酸に化学変化させて精製する方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−155191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の方法では、乳酸発酵後のアンモニア型の粗製乳酸(以下、「粗製乳酸」と呼ぶ)をろ過により清澄化して、それを電気透析あるいは陽イオン交換する技術によって乳酸を精製している。ところが、こうした精製技術における精製装置やその運転コストは高額であるために、乳酸の製造コストが高くなり、ポリ乳酸自体の価格に影響することから、ポリ乳酸の利用拡大がなかなか進まないという課題があった。また、イオン交換操作には、大量の再生薬剤を使用するため、処理コストが嵩むうえ、再生薬剤による環境への影響が懸念される。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、乳酸の製造コストを下げることにより、ポリ乳酸の価格を低廉にし、ポリ乳酸の利用拡大を図ることができ、さらに、環境への悪影響を抑えることができる乳酸製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、乳酸の精製過程における電気透析によって消費している電気エネルギーの削減や、イオン交換操作にともなう再生薬剤の添加およびその処理コストの低減のための方法を鋭意検討してきた。
【0008】
そして、本発明者は、乳酸発酵の際に用いるpH調整剤としてのアンモニウムイオンの作用に注目した。乳酸発酵の際には、アンモニア水をpH調整剤(中和剤を含む)として、乳酸の生成濃度に相当する量、注入している。アンモニアの水への溶解度は高く、25℃にて46gも100mlの純水に溶解する。したがって、精製工程においてイオン交換または電気透析の負荷に大きく影響しているのは、乳酸発酵後の粗製乳酸中のアンモニウムイオンであるといえる。その存在状況を化学式で示すと、以下の通りである。

このアンモニウムイオンを省エネルギー的に除去すれば、乳酸の製造コストを下げることができる。
【0009】
従来の方法では、pH 調整のために加えたアンモニア水は粗製乳酸液中にて、アンモニウムイオンとしてpH を上げることに機能しており、そこには乳酸アンモニウムの形成にあたらない遊離アンモニウムイオンが存在する。こうした余剰のアンモニウムイオンまでもが精製工程におけるイオン交換の対象イオンになっており、その分、イオン負荷が高くなっている。
つまり、こうしたアンモニウムイオンのために、イオン交換のための再生薬剤量が増えたり、あるいは電気透析のための電気エネルギーを不必要に消費したりしていることになる。
【0010】
また、これまでの方法では、粗製乳酸液中では乳酸がほぼアンモニア型乳酸になると想定して精製処理を行っているが、実際には上記化学式に示すとおり、乳酸イオン、アンモニウムイオン、水素イオン、水酸イオンなどが混在しており、そこでの結合と解離を繰り返している状態に過ぎない。
そこで、本発明者は、アンモニアをイオンでない形で取り除くための手段と条件について検討し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明に係る乳酸製造方法は、pH調整剤としてアンモニアを用いて乳酸アンモニウムを生じる乳酸発酵を行い、得られた粗製乳酸を精製して乳酸を製造する乳酸製造方法であって、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去した後にイオン交換または電気透析を行うことを特徴とする。
本発明に係る乳酸製造方法では、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを減圧脱気により除去した後にイオン交換または電気透析を行うことができる。減圧脱気は、100kPa以下好ましくは50kPa以下の減圧状態にして行うことが好ましい。このように、減圧状態のみの条件であっても、粗製乳酸液中のアンモニアの除去が気液分離により可能である。
【0012】
溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを減圧脱気により除去する場合、同時に、pHの調整や加温を行うことでその処理効率を向上させることができる。但し、加温することは、電気以外の方法によれば電気エネルギーを削減することはできるが、熱エネルギーを追加することになる。
【0013】
また、本発明に係る乳酸製造方法では、前記粗製乳酸の水溶液を気液分離手段に通すことにより、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去した後にイオン交換または電気透析を行うことができる。
この場合、主に乳酸発酵後のアンモニアを含んだ粗製乳酸を100kPa以下好ましくは50kPa以下の減圧状態において、ラシヒリング、テラレットパッキングあるいは繊維状の空隙材料のような充填物を詰めた気液分離塔に通液して、その液中に溶解しているアンモニアあるいは遊離しているアンモニウムイオンの一部を減圧脱気除去することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る乳酸製造方法では、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを曝気により除去した後にイオン交換または電気透析を行うことができる。
この場合、乳酸発酵後のアンモニアを含んだ粗製乳酸を、ラシヒリング、テラレットパッキングあるいは繊維状の空隙材料のような充填物を詰めた気液分離塔に通液しつつ下方部から曝気することが好ましい。処理の効果は減圧脱気による除去法には及ばないが、曝気により、粗製乳酸液中に溶解しているアンモニアあるいは遊離しているアンモニウムイオンの一部を除去することができる。
【0015】
また、本発明に係る乳酸製造方法では、前記粗製乳酸の水溶液のpHを10以上に調整した状態で、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去することができる。
この場合、乳酸発酵後のアンモニアを含んだ粗製乳酸を減圧状態において、ラシヒリングやテラレットパッキングあるいは繊維状の空隙材料のような充填物を詰めた気液分離塔に通液して、その液中に溶解しているアンモニアあるいは遊離しているアンモニウムイオンの一部を除去する際に、アルカリ剤を添加して、pHを10以上好ましくは11以上12以下に調整することが好ましい。これにより、さらに多くのアンモニアを遊離させて除去することができる。また、pHを10以上好ましくは11以上12以下に調整することで、アルカリ剤をアンモニウムイオン量以上に添加せずに、アンモニアを遊離させて除去することができる。なお、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの溶液が好ましい。
【0016】
また、本発明に係る乳酸製造方法では、前記粗製乳酸の水溶液のpHを10以上に維持する反応剤を用いることができる。
この場合、乳酸発酵後のアンモニアを含んだ粗製乳酸を減圧状態において、ラシヒリングやテラレットパッキングあるいは繊維状の空隙材料のような充填物を詰めた気液分離塔に通液して、その液中に溶解しているアンモニアあるいは遊離しているアンモニウムイオンの一部を除去する際に、pHを10以上に維持することが可能な反応剤を充填剤の上方に設置することが好ましい。これにより、さらに多くのアンモニアを遊離させて除去することができる。反応剤としては、例えば、再生型の陰イオン交換樹脂を用いることができる。
【0017】
また、本発明に係る乳酸製造方法では、前記粗製乳酸の水溶液の温度を60℃以上80℃以下にした状態で、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去することができる。
この場合、乳酸発酵後のアンモニアを含んだ粗製乳酸を減圧状態において、ラシヒリングやテラレットパッキングあるいは繊維状の空隙材料のような充填物を詰めた気液分離塔に通液して、その液中に溶解しているアンモニアあるいは遊離しているアンモニウムイオンの一部を除去する際に、粗製乳酸液を加温して液温を60℃以上80℃以下に調整することが好ましい。これにより、さらに多くのアンモニアを遊離させて除去することができる。加温条件を60℃以上80℃以下の範囲に限定するならば、エネルギー的に大きな消費にならないといえる。
【0018】
なお、乳酸発酵の原料としては、米などの澱粉質と糖質とを含む農産物が好ましい。
精製した乳酸はポリ乳酸の原料であり、ポリ乳酸は環境にやさしい生分解性プラスチックとして現在普及しつつある。ポリ乳酸の普及のためには、製造コストの削減が望まれている。こうした環境によい素材の生産過程において、電気エネルギーを大量に使ったり、イオン交換のための再生薬剤を大量に用いて排出したりすることは望ましくない。
【0019】
本発明によれば、粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去した後にイオン交換または電気透析を行うので、余剰のアンモニウムイオンをイオン交換する無駄を省いて、乳酸の製造コストを下げ、それにより、ポリ乳酸の価格を低廉にし、ポリ乳酸の利用拡大を図るとともに、環境への悪影響を抑えることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、乳酸の製造コストを下げることにより、ポリ乳酸の価格を低廉にし、ポリ乳酸の利用拡大を図ることができ、さらに、環境への悪影響を抑えることができる乳酸製造方法を提供することができる。
【実施例】
【0021】
以下に実施例によって、本発明をさらに具体的に説明する。
但し、本発明は以下の実施例によってその技術的な範囲を限定されるものではない。
【0022】
[試験1]
(試験装置の説明)
粗製乳酸の発酵液1を気液分離塔2に通し、アンモニア吸収槽3を介して吸気ポンプ4で気液分離塔2内を減圧脱気し、処理液5を得た。気液分離塔2の内部には、充填材6と触媒7が設けられた。
気液分離除去塔2の仕様はφ40×H200 (充填層高さ150mm)であり、充填材6にはポリエステル製の綿を用いた。吸気ポンプ4には、18L/min、40KPa 減圧能力の真空ポンプ(脱気ポンプ)を用いた。試験の通液条件は、LV(線流速)で20、つまり4.2ml/min に固定した。pHを10以上に維持する触媒7は、充填高さ20mmにし、前記の充填剤6の上層に袋詰めにしてのせた。
【0023】
試験する原液(発酵液)1には、米を原料にし、アンモニアをpH調整剤に用いて乳酸発酵させ、生産した粗製乳酸を濾紙5Aによって濾過して得られた濾液20ml(乳酸濃度2.5%)を用いた。処理ごとに、各アンモニウムイオン濃度、pHと導電率を計測して、処理効果はアンモニウムイオン濃度の減少率をもって評価した。
実施例1は原液のまま、無処理で気液分離脱気塔2に上記の条件にて通液処理した。
実施例2は苛性ソーダを原液に加えて、pHを10以上に調整してから、通液処理した。
実施例3は原液を60℃以上に加温してから、通液処理した。
実施例4は反応剤を気液分離脱気塔2にのせてから、原液のまま通液処理した。
これらの試験は、図1に示す試験装置にて実施した。
【0024】
[試験2]
(試験装置の説明)
粗製乳酸の発酵液11を気液分離塔12に通し、曝気ブロワー13により気液分離塔12の内部で曝気を行い、処理液14を得た。気液分離塔12の内部には、充填材15が設けられた。気液分離塔12から排出されたガスは、アンモニア吸収槽16に通してから放出した。
気液分離除去塔12の仕様はφ40×H200 (充填層高さ150mm)であり、充填材15にはポリエステル製の綿を用いた。曝気ブロワー13には,18L/min能力のものを用いた。試験の通液条件は、LV(線流速)で20、つまり4.2ml/min に固定した。
【0025】
試験する原液(発酵液)11には、米を原料にし、アンモニアをpH調整剤に用いて乳酸発酵させ、生産した粗製乳酸を濾紙5Aによって濾過して得られた濾液20ml(14)を用いた。処理ごとに、各アンモニウムイオン濃度、pHと導電率を計測して、処理効果はアンモニウムイオン濃度の減少率をもって評価した。
実施例5は苛性ソーダを原液に加えて、pHを10以上に調整してから、気液分離曝気塔12に上記の条件にて通液処理した。
実施例5の試験は図2に示す試験装置にて実施した。
【0026】
実施例1乃至5の試験結果を表1に示す。
【表1】

【0027】
表1に示す結果から、以下のことがわかる。
実施例1では、粗製乳酸液を気液分離脱気塔において通液処理することによって、原液中の12%のアンモニア成分の除去が可能であった。ここで除去された部分は、遊離した(フリーな)形で原液中に存在していたアンモニアであると考えられる。
実施例2では、原液のpHを10以上にするだけで、76%のアンモニア成分の除去が可能であった。この例では、原液中のアンモニウムイオンがpHの変化にともなって、アンモニアの形に変化しつつ気体として除去された部分が大きいと考えられる。
実施例3では、原液の液温度を60℃以上にするだけで、37%のアンモニア成分の除去が可能であった。この例では、原液中のアンモニウムイオンが水温の変化にともなってアンモニアの形に変化しつつ気体として除去された部分が大きいと考えられる。
実施例4では、原液のpHを10以上にする触媒の作用によって、86%のアンモニア成分の除去が可能であった。この例では、原液中のアンモニウムイオンがpHの変化にともなって、アンモニアの形に変化しつつ気体として除去されたと考えられる。
実施例5では、減圧脱気の方法の場合の76%の除去に比較して効果は落ちるものの、曝気法によって66%のアンモニア成分の除去が可能であった。
【0028】
次に、本実施例と従来法の電気透析法におけるエネルギー消費量およびイオン交換法によって発生する廃液量などについての比較検討を行なった結果を示す。
この比較に当たって、乳酸アンモニアを乳酸に変換するために2室式のバイポーラ膜電気透析法を定電圧方式にて実施し、基準処理必要電気量として0.83Kwh/kg乳酸、電流効率として0.90を適用した(月刊「フードケミカル」1996年6月号「塩をその酸と塩基に変換するバイポーラ膜電気透析法」参照)。
また、イオン交換には陽イオン交換樹脂(ローム&ハース社製、商品名「AmberliteIR-120B」を用い、その交換容量は1.9mgeq/ml、有機酸処理での容量係数を0.70、5%硫酸による再生と考えて算定した。
【0029】
実施例4の条件にしたがって粗製乳酸20mlの精製を行なった場合のエネルギー消費量と廃液量について、従来法である電気透析法およびイオン交換法との比較検討を行なった。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】

【0031】
表2に示すように、実施例4では、従来法である電気透析法に比較して極めて小さなエネルギー消費量であり、またイオン交換法のような廃液も出ることがない。よって、精製の方法としては、環境に対して負荷が小さいばかりか、製造コストの面からも優れた方法であるといえる。
本実施例1乃至5により、従来法における乳酸の精製過程の電気透析法によって消費していた電気エネルギーや、イオン交換法によって使用する再生薬剤やその廃液処理コストなどを低減するために有効な手段を提供できる。その結果、現在普及しつつある生分解性プラスチックであるポリ乳酸の原料となる精製した乳酸の製造コストを低減して、環境に良い生分解性プラスチック素材の利用拡大に貢献することにつながる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1乃至4に用いた試験装置を示す概略説明図である。
【図2】本発明の実施例5に用いた試験装置を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1,11 発酵液
2,12 気液分離塔
3,16 アンモニア吸収槽
4 吸気ポンプ
5,14 処理液
6,15 充填材
7 触媒
13 曝気ブロワー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH調整剤としてアンモニアを用いて乳酸アンモニウムを生じる乳酸発酵を行い、得られた粗製乳酸を精製して乳酸を製造する乳酸製造方法であって、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去した後にイオン交換または電気透析を行うことを特徴とする乳酸製造方法。
【請求項2】
前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを減圧脱気により除去した後にイオン交換または電気透析を行うことを特徴とする請求項1記載の乳酸製造方法。
【請求項3】
前記粗製乳酸の水溶液を気液分離手段に通すことにより、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去した後にイオン交換または電気透析を行うことを特徴とする請求項1または2記載の乳酸製造方法。
【請求項4】
前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを曝気により除去した後にイオン交換または電気透析を行うことを特徴とする請求項1,2または3記載の乳酸製造方法。
【請求項5】
前記粗製乳酸の水溶液のpHを10以上に調整した状態で、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の乳酸製造方法。
【請求項6】
前記粗製乳酸の水溶液のpHを10以上に維持する反応剤を用いることを特徴とする請求項5記載の乳酸製造方法。
【請求項7】
前記粗製乳酸の水溶液の温度を60℃以上80℃以下にした状態で、前記粗製乳酸の水溶液に溶存するアンモニアまたは遊離アンモニウムイオンを除去することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の乳酸製造方法。



【図1】
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【図2】
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