説明

乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法

【課題】微粉末状の乾燥粉末食品全体をナノメーターサイズにまで超微粉末化することにより、乾燥粉末食品の有効成分の劣化を防止して、乾燥粉末食品中の有効成分を抽出して飲料物とする。
【解決手段】微粉末状の乾燥粉末食品と、水道水、または天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水とを混合した流状物を超微粉末化装置に投入して、前記電解還元水の作用により、乾燥粉末食品の有効成分を劣化させることなく、超微粉末化すると共に、乾燥粉末食品中の有効成分を前記電解還元水中に抽出して、該流状物をそのまま飲料物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、じゃがいもやさつまいも等の塊根類、なす、トマトやピーマン等の果菜類、きゅうりやかぼちゃ等のうり類、大根や人参等の直根類、白菜、キャベツやブロッコリー等の菜類、セロリやレタス等の生菜、ほうれんそうやアスパラガス等の柔菜類、ねぎやたまねぎ等のねぎ類等の野菜の外、麦若葉、桑葉、茶葉、しその葉等の植物の葉を含む野菜類、またはりんご、みかん、梅等の果物類、昆布等の海藻類、または豆、とうもろこし等の穀物類を従来公知の方法で乾燥粉末に加工された乾燥粉末野菜類、乾燥粉末果物類、乾燥粉末海藻類、または乾燥粉末穀物類、更には乾燥粉末コラーゲン、あるいは乾燥粉末ヒアルロンサン等の乾燥粉末食品を、水道水または天然水を電解して得られた電解還元水中、または、塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に添加混合して、前記乾燥粉末食品と前記電解還元水、または前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して超微粉末化装置に圧送して、該流状物中の乾燥粉末食品を超微粉末化して、前記水中における分散性と親水性化を図ると共に、乾燥粉末食品の有効成分を、該水中に抽出して飲料物とする乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、じゃがいもやさつまいも等の塊根類、なす、トマトやピーマン等の果菜類、きゅうりやかぼちゃ等のうり類、大根や人参等の直根類、白菜、キャベツやブロッコリー等の菜類、セロリやレタス等の生菜、ほうれんそうやアスパラガス等の柔菜類、ねぎやたまねぎ等のねぎ類等の野菜の外、麦若葉、桑葉、茶葉、しその葉等の植物の葉を含む野菜類、またはりんご、みかん、梅等の果物類、昆布等の海藻類、または豆、とうもろこし等の穀物類を従来公知の方法で乾燥粉末に加工された乾燥粉末野菜類、乾燥粉末果物類、乾燥粉末海藻類、または乾燥粉末穀物類、更には乾燥粉末コラーゲン、あるいは乾燥粉末ヒアルロンサン等の乾燥粉末食品が市販されている。そして、現在多くの人が前記乾燥粉末食品を水に溶かして液状にし、あるいは粉末状のまま飲食している。
【0003】
前記乾燥粉末食品を水に溶かして飲料物とする場合、経時的に多量の沈殿物が発生して、飲料容器の底に前記沈殿物が残留し、人体が充分に乾燥粉末食品の有効成分を摂取することができない。そして、前記沈殿物が残留しない乾燥粉末食品を原料とする飲料物につき、過去の特許文献を遡及検索しても、公知文献は全く存在せず、単に、野菜、麦若葉および桑葉を乾燥粉末とする方法につき、過去の特許文献を遡及検索してみると、下記の特許文献1〜3が公知である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−231502号公報
【特許文献2】特許第2544302号公報
【特許文献3】特許第3437542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記じゃがいもやさつまいも等の塊根類、なす、トマトやピーマン等の果菜類、きゅうりやかぼちゃ等のうり類、大根や人参等の直根類、白菜、キャベツやブロッコリー等の菜類、セロリやレタス等の生菜、ほうれんそうやアスパラガス等の柔菜類、ねぎやたまねぎ等のねぎ類等の野菜の外、麦若葉、桑葉、茶葉、しその葉等の植物の葉を含む野菜類、またはりんご、みかん、梅等の果物類、昆布等の海藻類、または豆、とうもろこし等の穀物類を従来公知の方法で乾燥粉末に加工された乾燥粉末野菜類、乾燥粉末果物類、乾燥粉末海藻類、または乾燥粉末穀物類、更には乾燥粉末コラーゲン、あるいは乾燥粉末ヒアルロンサン等の乾燥粉末食品としたものを原料とする飲料物は経時的に多量の沈殿物が発生して、飲料容器の底に前記沈殿物が残留するので、人体が充分に乾燥粉末食品のビタミン等の有効成分の吸収性が悪いという課題があった。
【0006】
更に、前記特許文献1に開示されたものは、アブラナ科植物およびその加工品の製造方法に関し、油菜、大根、わさび等のアブラナ科植物を乾燥粉末にする旨の記載はあるが、前記アブラナ科植物の乾燥粉末が、例えばナノメーターサイズにまで超微粒子化されていないため、該アブラナ科の植物の粉末を食しても、アブラナ科植物が保有するビタミン等の有効成分の人体への吸収性が悪いという課題があった。
【0007】
また、前記特許文献2に開示されたものは、麦若葉粉末の製造方法に関し、麦若葉を乾燥粉末にする旨の記載はあるが、前記麦若葉の乾燥粉末が、例えばナノメーターサイズにまで超微粒子化されていないため、該麦若葉の乾燥粉末を食しても、麦若葉を保有するビタミン等の有効成分の人体への吸収性が悪いという課題があった。
【0008】
また更に、前記特許文献3に開示されたものは、桑葉粉末の製造方法に関し、桑葉を乾燥粉末にする旨の記載はあるが、前記桑葉の乾燥粉末が、例えばナノメーターサイズにまで超微粒子化されていないため、該桑葉の乾燥粉末を食しても、桑葉を保有するビタミン等の有効成分の人体への吸収性が悪いという課題があった。
【0009】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、じゃがいもやさつまいも等の塊根類、なす、トマトやピーマン等の果菜類、きゅうりやかぼちゃ等のうり類、大根や人参等の直根類、白菜、キャベツやブロッコリー等の菜類、セロリやレタス等の生菜、ほうれんそうやアスパラガス等の柔菜類、ねぎやたまねぎ等のねぎ類等の野菜の外、麦若葉、桑葉、茶葉、しその葉等の植物の葉を含む野菜類、またはりんご、みかん、梅等の果物類、昆布等の海藻類、または豆、とうもろこし等の穀物類を従来公知の方法で乾燥粉末に加工された乾燥粉末野菜類、乾燥粉末果物類、乾燥粉末海藻類、または乾燥粉末穀物類、更には乾燥粉末コラーゲン、あるいは乾燥粉末ヒアルロンサン等の乾燥粉末食品を、水道水または天然水を電解して得られた電解還元水中、または塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に添加混合して、前記乾燥粉末食品と前記電解還元水、または前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、該流状物を超微粉末化装置に投入して、該水中において、前記乾燥粉末食品をナノメーターサイズにまで超微粉末化して、乾燥粉末食品の有効成分を前記水中に抽出すると共に、該水中における分散性と親水性化を図り、該乾燥粉末食品が水中において継粉の状態で残るのを阻止して、水中にほぼ完全に分散させて飲料とすることにより、沈殿物がなく、且つ人体への吸収性のよい乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、水道水、または天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記電解還元水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記電解還元水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕して、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記電解還元水中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記電解還元水中に抽出して飲料物とする手段、
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、水道水、または天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記電解還元水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記電解還元水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕する超微粉末化工程を、所定の粒径に達するまで、複数回、必要であれば、前記流状物中に新たに前記電解還元水2〜10重量%を追加混入して繰返して行い、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記電解還元水中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記電解還元水中に抽出して飲料物とする手段、
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕して、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記水中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記水中に抽出して飲料物とする手段、
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕する超微粉末化工程を、所定の粒径に達するまで、複数回、必要であれば、前記流状物中に新たに前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水2〜10重量%を追加混入して繰返して行い、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記水分中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記水中に抽出して飲料物とする手段、
のいずれかを採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0011】
本発明の乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法によれば、微粉末状の乾燥粉末食品と、水道水、または天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水、または塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水とを混合した流状物を超微粉末化装置に投入して、乾燥粉末食品の有効成分を劣化させることなく超微粉末化して、乾燥粉末食品中の有効成分を前記水中に抽出する一方、該水中における分散性と親水性化を図ることにより、沈殿物を生ずることなく、該流状物をそのまま飲料物とすることができる。そして、前記超微粉末化されて水中に抽出された乾燥粉末食品の有効成分を含む流状物を飲料物として摂取することができるので、人体への吸収性がよく、健康増進に寄与することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明は、じゃがいもやさつまいも等の塊根類、なす、トマトやピーマン等の果菜類、きゅうりやかぼちゃ等のうり類、大根や人参等の直根類、白菜、キャベツやブロッコリー等の菜類、セロリやレタス等の生菜、ほうれんそうやアスパラガス等の柔菜類、ねぎやたまねぎ等のねぎ類等の野菜の外、麦若葉、桑葉、茶葉、しその葉等の植物の葉を含む野菜類、またはりんご、みかん、梅等の果物類、昆布等の海藻類、または豆、とうもろこし等の穀物類を従来公知の方法で乾燥粉末に加工された乾燥粉末野菜類、乾燥粉末果物類、乾燥粉末海藻類、または乾燥粉末穀物類、更には乾燥粉末コラーゲン、あるいは乾燥粉末ヒアルロンサン等の乾燥粉末食品を、水道水または天然水を電解して得られた電解還元水中、または塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に添加混合して、乾燥粉末食品と前記電解還元水、または前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、前記流状物を超微粉末化装置に高圧で圧送して、該微粉末状の乾燥粉末食品を更に粉砕して超微粉末化して、前記水中における分散性と親水性化を図ると共に、乾燥粉末食品の有効成分を前記水中に抽出して、該乾燥粉末食品の有効成分を抽出した流状物を飲料物とする乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法である。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例1は、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水を使用する乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法である。そして、本発明実施例1による乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法の第1工程は、流状物化工程である。すなわち、第1工程は、前記従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品から、特に限定する必要はないが、好ましくは、粒径50μm以下の微粉末状の乾燥粉末食品を、例えば、ふるいにかけて取出し、然る後、前記乾燥粉末食品2〜10重量%、好ましくは5重量%を、水道水、または、天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水90〜98重量%、好ましくは95重量%中に添加混入して混合攪拌し、該混合液の調整を行ない、前記乾燥粉末食品が、前記電解還元水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記電解還元水との流状物とする工程である。
【0014】
なお、本発明において、前記電解還元水を使用するのは、特に水道水の場合、水道水に含まれている塩素によって酸化されて、乾燥粉末食品の有効成分が劣化するのを防止すると共に、不純物の混入を防止するためであり、更にまた、乾燥粉末食品の衝突時に発生する活性酸素を、水道水、または、天然水を電解して得られた電解還元水が保有する活性水素で除去することにより、乾燥粉末食品の有効成分の劣化を防止して、高品質の乾燥粉末食品の有効成分を抽出できるようにするためである。
【0015】
本発明で使用する電解還元水としては、特に限定する必要はないが、好ましくは、例えば日本トリム株式会社製の電解還元水整水器である「トリムイオンTI−8000」を使用して水道水を電解して生成された、電解酸性水と電解還元水のうち、電解還元水を使用する。前記「トリムイオンTI−8000」により生成された電解還元水は、pH9.6程度のアルカリ性で、酸化還元電位が−274mV程度で、且つ活性水素を含んでいることが知られている。
【0016】
前記「電解還元水」は、チタンに白金焼成した電極板を用いて水道水を電気分解して得られた水であって、還元力を持つ活性水素を豊富に含む水で、その結果さまざまな活性酸素を消去する力を持った水である。
【0017】
通常、水素原子(H)が2個結合して水素分子(H)として存在しているのが普通であるが、水素が分子として存在せず、原子で存在しているのが活性水素である。
【0018】
一方、活性酸素は、様々な病気を引き起こすと考えられ、その強い酸化力から清浄な細胞を破壊し、病気や老化の原因となる。活性酸素は通常の酸素より電子が1つ少ない電気的に不安定な状態となり、正常な細胞から電子を奪おう(酸化)とする。このように、電子を奪われた細胞は、酸化され死滅する。
【0019】
そして、活性水素は、前記のように、水素が原子状態となることによって、電気的に不安定であるが、該活性水素が様々な病気の原因となる電気的に不安定な活性酸素と結びつき、無害な(H+O=HO)となって体外へ排出されることとなる。すなわち、活性水素は活性酸素を消去する能力がある。
【0020】
本発明の第2工程は、前記乾燥粉末食品と前記電解還元水との流状物を、超高圧で加圧して超微粉末化装置に圧送して、該超微粉末化装置により前記流状物中の乾燥粉末食品全体を、ナノメーターサイズにまで超微粉末化して、乾燥粉末食品中の有効成分を前記水中に抽出して飲料物とする工程である。
【0021】
前記超微粉末化装置としては、特に限定する必要はないが、例えば特許第2788010号「乳化装置」を、または特許第3151706号「噴流衝合装置」を、本発明の乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法の超微粉末化装置として使用することが推奨される。前記装置はいずれも超高圧での流体同士の衝突を利用して乳化や微細な粒子の分散などの流体の均質化及び/又は粉砕による流体の微粒子化を行うものである。本発明においては、これら装置を、乾燥粉末食品の超微粉末化装置として使用する。すなわち、超微粉末化装置は、前記流状物を超高圧に加圧して前記超微粉末化装置に圧送して、前記流状物を高圧のもとで衝突させて乾燥粉末食品を粉砕して、乾燥粉末食品全体をナノメーターサイズにまで超微粉末化する。
【0022】
また更に、前記超微粉末化装置としては、前記2件の特許の流体同士の衝突によるものの外、例えば株式会社スギノマシン(富山県魚津市本江2410番地)の販売している粉砕・分散・乳化用の「アルティマイザーシステム」の「スリットチャンバー方式」のものを使用することもできる。この「スリットチャンバー方式」の超微粉末化装置は、超高圧で加圧した乾燥粉末食品が、ダイヤモンドとダイヤモンドの隙間(スリット)を通過する際の圧縮、せん断、乱流により超微粉末化されるものである。
【0023】
すなわち、前記超微粉末化装置内へ圧送された前記流状物は、圧送方向が対向する前記流状物の2つの流れが激しく衝突すると共に、該流状物中の乾燥粉末食品同士が衝突して、流状物に瞬時に強大なエネルギーが加わり、このエネルギーにより、前記流状物中の乾燥粉末食品全体をナノメーターサイズにまで超微粉末化して、乾燥粉末食品の有効成分を前記電解還元水中に抽出する。
【0024】
前記乾燥粉末食品同士が高圧で衝突して、流状物に瞬時に強大なエネルギーが加わると、水分子が分解してOHラジカルのような強力な活性酸素が発生し、該活性酸素が乾燥粉末食品の有効成分と反応して乾燥粉末食品の有効成分が劣化してしまう。そこで、本発明においては、活性水素を含む電解還元水を使用しているので、前記超微粉末化作業で発生した活性酸素を活性水素で消去することにより、乾燥粉末食品の有効成分の劣化を防止している。
【0025】
前記超微粉末化装置に投入された乾燥粉末食品の超微粉末化が所定の粒径、例えばナノメーターサイズにまで達しない場合は、一旦貯留槽等に貯留された流状物を、複数回超微粉末化装置に高圧で圧送して、超微粉末化工程を繰返すことにより、所定の粒径にまで超微粉末化された乾燥粉末食品を得ることができる。
【0026】
そして、前記複数回に亘って超微粉末化工程を繰返す場合、超微粉末化されて行くに従って乾燥粉末食品全体の表面積が大きくなることにより、水分比率が減少するため、必要であれば、新たに前記電解還元水を少量、例えば2〜10重量%、好ましくは5重量%程度を前記流状物中に追加混入して、水分比率を高めて前記超微粉末化装置へのスムーズな圧送を図ると共に、新たに追加混入された電解還元水の活性水素で、新たな超微粉末化工程により再度発生した活性酸素を消去するようにして超微粉末化してもよい。
【0027】
なお、前記流状物の高圧による衝突により、該流状物中の水分子間のクラスターと呼ばれる水素結合が一瞬解かれ、クラスターの小さい水が生成されるが、該クラスターの小さい水は前記衝突後、瞬時に再び元の水に戻る。しかしながら、本発明においては、流状物の衝突、すなわち前記流状物中の水分子の衝突と、乾燥粉末食品との衝突を同時に行うことにより、前記クラスターの小さい水が生成されると同時に、該クラスターの小さくなった水に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品が瞬間的に取り込まれて、分散性と親水性が促進され、本来なら瞬時に再び元の水に戻るのが、前記超微粉末化された乾燥粉末食品のために元の水に戻るのが阻止され、結果的にはクラスターの小さい水の状態が保持されることになるのではないかと、本発明者は推測した。
【0028】
前記本発明者の推測が正しいことを立証するため、本発明者はねじ付きキャップを備えた容器に、前記超微粉末化装置を用いて超微粉末化された10重量%の乾燥粉末食品を含有する飲料物を入れ、該容器を強く数回に亘って振盪したところ、前記キャップが雌・雄ねじによって強く締め付けられたにも拘らず、該飲料物が、前記雌・雄ねじ間の超微細な隙間を通って容器外へ漏出してきた。一方、乾燥粉末食品の飲料物を入れた容器の振盪テスト後、該容器から前記飲料物を排出し、然る後、前記容器に新たに水道水を入れ、該容器を強く数回に亘って振盪しても、該水道水の漏出は認められなかった。この振盪テストにより、超微粉末化された乾燥粉末食品を取り込んだ水は、その水分子が小さいままの状態であると推測できた。なお、前記振盪テストは数回繰返したが、すべて前記と同一結果であった。
【0029】
更に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品は、前記電解還元水がpH8〜10程度のアルカリ性である場合、更に乾燥粉末食品の有効成分の抽出効率が高められ、前記乾燥粉末食品中の有効成分を前記水中に抽出して飲料物とする。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明の実施例2は、前記実施例1において使用する電解還元水に代えて、塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水を使用するものである。水道水のように塩素を含んだ水を使用すると、該塩素によって有効成分が酸化されて劣化するので、これを防止すると共に、不純物の混入を防止して、高品質の乾燥粉末食品の飲料物を得るために、前記塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水を使用するのである。
【0031】
前記アルカリイオン水は、一般に市販されているアルカリイオン水生成器を使用して、水道水を電気分解して生成されたマイナス側の水で、好ましくはpH9〜10程度のアルカリ性であることが推奨され、これを使用することにより、有効成分の抽出効率が高められる。また、ミネラルウォーターは市販されているものを使用し、更に、純水は純水製造装置により製造されたものを使用する。
【0032】
そして、実施例2による乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法としては、実施例1の乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法とは、第1工程が少し異なるだけで、その他の工程は同一である。すなわち、実施例2における第1工程は、実施例1の電解還元水が、水道水、または天然水を電解して得られた塩素を含まず、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む水であるのに対し、実施例2において使用するアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水は、活性水素を含まない水であるため、微粉末状の乾燥粉末食品を含む流状物の衝突時に発生する活性酸素を実施例1におけるように消去する作用がないが、品質的には実施例1のものに比して多少劣るだけで、飲料として使用しても何等遜色がない。
【0033】
なお、実施例2においても、前記実施例1と同様に、所定の粒径の乾燥粉末食品を得るまで、複数回に亘って第2工程を繰返す場合、超微粉末化されて行くに従って乾燥粉末食品全体の表面積が大きくなることにより、水分比率が減少するため、スムーズに前記超微粉末化装置に圧送できず目詰まりを起こす虞れもあるので、必要であれば、新たに前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水を少量、例えば2〜10重量%、好ましくは5重量%程度を前記流状物中に追加混入して、水分比率を高めて前記超微粉末化装置へのスムーズな圧送を図り、超微粉末化してもよい。
【0034】
前記実施例1および実施例2により乾燥粉末食品の有効成分を抽出して得られた流状物を、そのまま飲料物として摂取することにより、乾燥粉末食品が超微粉末化されているため、容器内に微粉末の状態で残ることなく、また継粉の状態にもならず、前記流状物中に完全に分散されることにより沈殿せず、均等に分散して浮遊するため、振盪することなく、飲用に供され、且つ人体への吸収性も高く、然も乾燥粉末食品が超微粉末化されているため、乾燥粉末食品全体の表面積が大きくなり、少ない乾燥粉末食品でも濃度の濃い飲料物が得られる。
【0035】
なお、前記飲料物には、香料、甘味料等の添加物を加えてもよいし、また、1種、または複数種類の乾燥粉末食品を適宜割合で混合して複合化された飲料物とすることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、水道水、または天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記電解還元水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記電解還元水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕して、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記電解還元水中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記電解還元水中に抽出して飲料物とすることを特徴とする乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法。
【請求項2】
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、水道水、または天然水を電解して得られた、塩素を含まず、pH8〜10程度のアルカリ性で、酸化還元電位が200mV以下であって、且つ活性水素を含む特性を有する電解還元水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記電解還元水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記電解還元水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕する超微粉末化工程を、所定の粒径に達するまで、複数回、必要であれば、前記流状物中に新たに前記電解還元水2〜10重量%を追加混入して繰返して行い、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記電解還元水中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記電解還元水中に抽出して飲料物とすることを特徴とする乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法。
【請求項3】
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕して、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記水中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記水中に抽出して飲料物とすることを特徴とする乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法。
【請求項4】
従来公知の方法によって微粉末状に加工された乾燥粉末食品2〜10重量%を、塩素を含まないアルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水90〜98重量%中に添加混入して混合攪拌し、混合液の調整を行い、前記乾燥粉末食品が、前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水中に均等に分散するよう調整して、乾燥粉末食品と前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水との流状物とし、然る後、前記流状物を超高圧で加圧して、超微粉末化装置に圧送して、該乾燥粉末食品を更に粉砕する超微粉末化工程を、所定の粒径に達するまで、複数回、必要であれば、前記流状物中に新たに前記アルカリイオン水、ミネラルウォーターあるいは純水のいずれかの水2〜10重量%を追加混入して繰返して行い、前記乾燥粉末食品全体を超微粉末化することにより、前記水分中における分散性と親水性化を図ると共に、前記超微粉末化された乾燥粉末食品の有効成分を前記水中に抽出して飲料物とすることを特徴とする乾燥粉末食品を原料とする飲料物の製造方法。