説明

乾燥装置及び印刷機

【課題】乾燥装置及び印刷機において、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ると共に製品コスト増加を抑制可能とする。
【解決手段】乾燥装置14にて、給紙部11と印刷部12と排紙部13を直列に配置し、印刷部12における印刷用紙Sの搬送方向における下流側に乾燥装置14を配置し、乾燥装置14として、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置51と、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて第1紫外線照射装置51による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置51による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置52を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷シートに転写されたインキやコーティング材などの塗工材を乾燥する乾燥装置、並びに、この乾燥装置が搭載された印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフセット枚葉印刷機の印刷装置は、給紙部と印刷部と排紙部とから構成されている。従って、給紙台上に積み重ねられた印刷シートは、給紙部により吸引されて前方へ送り出され、印刷部で所定の印刷が施された後、排紙部により排紙台上に積み重ねられて排紙される。
【0003】
このオフセット枚葉印刷機にて、印刷部では、印刷シートの印刷面に対してインキが転写されるが、このインキを乾燥させる乾燥装置として、紫外線を照射する紫外線照射装置が用いられている。この場合、消費電力量、発熱、寿命、コンパクト製などの観点から、発光ダイオード(LED)を用いた紫外線照射装置が各種提案されている。ところが、発光ダイオードにより紫外線照射装置、つまり、乾燥装置を構成する場合、複数の発光ダイオードを印刷シートの幅方向に直線状に配列することとなる。1個の発光ダイオードは、有効な照度が得られる照射領域(照射角度)が狭い範囲となることから、直線状に並べるだけでは、幅方向に照射エネルギがばらつき、UVインキが乾燥しにくくなり、乾燥ムラが発生するおそれがある。特に、インキ膜厚が厚い領域や印刷速度が速い場合には、このような現象が発生しやすくなる。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献に記載されたものが提案されている。特許文献1に記載されたインクジェット式記録装置では、インクジェットヘッドにおけるインク吐出部の両側にユニットケースを配置し、このユニットケース内に発光ダイオードを記録紙の移動方向に沿って千鳥状に配置している。また、特許文献2に記載された紫外線照射装置では、インクジェットプリンタにて、素子支持手段に半導体発光素子を印刷用紙の幅方向に沿って3列配置している。更に、特許文献3に記載された印刷機では、UV乾燥装置にて、複数のUV発光ダイオードを、それらの照射領域が相互に関連するように組み合わせされ、幅方向に略均一な照射領域を形成するように配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−104108号公報
【特許文献2】特開2006−027235号公報
【特許文献3】特開2008−207369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紫外線硬化性インキに対して紫外線を照射してこれを乾燥させる場合、この照射する紫外線には、インキが硬化するのに必要な光エネルギを必要とする。そのため、発光ダイオードを印刷シートにおける印刷面に対して、できるだけ接近して配置することが望ましい。しかし、発光ダイオードは、照射領域(照射角度)が狭いことから、幅方向に照射エネルギがばらつき、乾燥ムラが発生する。上述した各特許文献のように、複数の発光ダイオードを千鳥状に配置したり、複数列配置したりすることで、十分な照射エネルギが確保される照射領域を得られるものの、大変に多数の発光ダイオードが必要となり、高コスト化を招いてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、塗工材の乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ると共に製品コスト増加を抑制可能とする乾燥装置及び印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の乾燥装置は、印刷シートの印刷面に転写された紫外線硬化性塗工材に紫外線を照射して硬化させる乾燥装置において、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射手段と、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて前記第1紫外線照射手段による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を該第1紫外線照射手段による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の乾燥装置では、前記第1紫外線照射手段及び前記第2紫外線照射手段は、印刷シートの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオードが直線状に配列されて構成され、前記第1紫外線照射手段は、前記第2紫外線照射手段より印刷シートの搬送方向における上流側に配置されることを特徴としている。
【0010】
本発明の乾燥装置では、前記第1紫外線照射手段は、印刷シートの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオードが直線状に配列されて構成され、前記第2紫外線照射手段は、前記第1紫外線照射手段を構成する前記発光ダイオードの周囲に発光ダイオードがリング状に配列されて構成されることを特徴としている。
【0011】
本発明の乾燥装置では、前記第1紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードと、前記第2紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードは、同じ発光エネルギを有する一方、前記第1紫外線照射手段は、前記第2紫外線照射手段より印刷シートに接近して配置されることを特徴としている。
【0012】
本発明の乾燥装置では、前記第1紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードは、前記第2紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードより、大きな発光エネルギを有する一方、前記第1紫外線照射手段と前記第2紫外線照射手段は、印刷シートから同距離に配置されることを特徴としている。
【0013】
本発明の乾燥装置では、前記第1紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードは、印刷シートの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列されることを特徴としている。
【0014】
本発明の印刷機は、給紙部と印刷部と排紙部が直列に配置され、印刷部における印刷シートの搬送方向における下流側に乾燥装置が配置される印刷機において、前記乾燥装置は、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射手段と、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて前記第1紫外線照射手段による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を該第1紫外線照射手段による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射手段と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の乾燥装置によれば、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射手段と、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて第1紫外線照射手段による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射手段による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射手段とを設けている。従って、第1紫外線照射手段からの紫外線の光エネルギが印刷シートの紫外線硬化性塗工材に対してスポット的に作用することで、インキの硬化が開始され、第2紫外線照射手段からの紫外線の光エネルギが印刷シートの紫外線硬化性塗工材に対して全体的に作用することで、全ての領域のインキが硬化することとなり、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができると共に、製品コスト増加を抑制可能とすることができる。
【0016】
本発明の乾燥装置によれば、第1紫外線照射手段及び第2紫外線照射手段を、印刷シートの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオードを直線状に配列して構成し、第1紫外線照射手段を、第2紫外線照射手段より印刷シートの搬送方向における上流側に配置するので、第1紫外線照射手段からの高い光エネルギによりインキの硬化が開始され、第2紫外線照射手段からの広範囲に広がる光エネルギによりインキが全体的に硬化することとなり、インキの乾燥ムラを適正に抑制することができる。
【0017】
本発明の乾燥装置によれば、第1紫外線照射手段を、印刷シートの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオードを直線状に配列して構成し、第2紫外線照射手段を、第1紫外線照射手段の発光ダイオードの周囲に発光ダイオードをリング状に配列して構成するので、2つの紫外線照射手段として、複数の発光ダイオードを2列配置する必要はなく、装置の小型化を可能とすることができる。
【0018】
本発明の乾燥装置によれば、第1紫外線照射手段を構成する複数の発光ダイオードと、第2紫外線照射手段を構成する複数の発光ダイオードを、同じ発光エネルギを有するものとし、第1紫外線照射手段を第2紫外線照射手段より印刷シートに接近して配置するので、各発光ダイオードを同一のものとすることで、部品の共通化により低コスト化を可能とすることができる。
【0019】
本発明の乾燥装置によれば、第1紫外線照射手段を構成する複数の発光ダイオードを、第2紫外線照射手段を構成する複数の発光ダイオードより大きな発光エネルギを有するものとし、第1紫外線照射手段と第2紫外線照射手段を印刷シートから同距離に配置するので、各発光ダイオードを印刷シートから同距離に配置することで、装置のコンパクト化を可能とすることができる。
【0020】
本発明の乾燥装置によれば、第1紫外線照射手段を構成する複数の発光ダイオードを、印刷シートの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列するので、印刷シートの搬送方向に直交する方向における各発光ダイオード間の距離を短くすることができ、複数の発光ダイオードの配置を簡素化することができる。
【0021】
本発明の印刷機によれば、給紙部と印刷部と排紙部を直列に配置し、印刷部における印刷シートの搬送方向における下流側に乾燥装置を配置して構成し、乾燥装置として、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射手段と、印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて第1紫外線照射手段による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を該第1紫外線照射手段による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射手段を設けている。従って、第1紫外線照射手段からの紫外線の光エネルギが印刷シートの紫外線硬化性塗工材に対してスポット的に作用することで、インキの硬化が開始され、第2紫外線照射手段からの紫外線の光エネルギが印刷シートの紫外線硬化性塗工材に対して全体的に作用することで、全ての領域のインキが硬化することとなり、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができると共に、製品コスト増加を抑制可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るオフセット枚葉印刷機を表す概略構成図である。
【図2】図2は、実施例1のオフセット枚葉印刷機の排紙部を表す概略図である。
【図3】図3は、実施例1の乾燥装置を表す概略図である。
【図4】図4は、実施例1の乾燥装置を表す正面図である。
【図5】図5は、実施例1の乾燥装置を表す側面図である。
【図6】図6は、実施例1の乾燥装置における紙長さ方向の積算光量を表すグラフである。
【図7】図7は、実施例1の乾燥装置における紙幅方向の積算光量を表すグラフである。
【図8】図8は、本発明の実施例2に係る乾燥装置を表す概略図である。
【図9】図9は、実施例2の乾燥装置を表す正面図である。
【図10】図10は、本発明の実施例3に係る乾燥装置を表す正面図である。
【図11】図11は、本発明の実施例4に係る乾燥装置を表す概略図である。
【図12】図12は、本発明の実施例5に係る乾燥装置を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る乾燥装置及び印刷機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例1に係るオフセット枚葉印刷機を表す概略構成図、図2は、実施例1のオフセット枚葉印刷機の排紙部を表す概略図、図3は、実施例1の乾燥装置を表す概略図、図4は、実施例1の乾燥装置を表す正面図、図5は、実施例1の乾燥装置を表す側面図、図6は、実施例1の乾燥装置における紙長さ方向の積算光量を表すグラフ、図7は、実施例1の乾燥装置における紙幅方向の積算光量を表すグラフである。
【0025】
実施例1のオフセット枚葉印刷機は、図1に示すように、給紙部11と印刷部12と排紙部13が印刷用紙(印刷シート)Sの搬送方向に直列に配置されてなり、排紙部13に乾燥装置14が配置されている。この場合、印刷部12は、5つの印刷ユニット12a,12b,12c,12d,12eにより構成されている。
【0026】
上述した構造の印刷機では、給紙部11から印刷部12に印刷用紙Sが供給されると、この印刷部12にて、5色のインキ(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ゴールド)が、印刷ユニット12a,12b,12c,12d,12eごとに、版胴及びブランケット胴を介して印刷面となる印刷用紙Sの表面に対して転写される。そして、表に印刷が施された印刷用紙Sが、排紙部13にて排出される。この場合、インキは、紫外線が照射されることで乾燥して固化する紫外線硬化性インキ(紫外線硬化性塗工材)、所謂、UVインキである。
【0027】
このように構成された実施例1のオフセット枚葉印刷機における排紙部13は、図2に示すように、印刷部12で印刷された印刷用紙Sを搬送し、整列した状態で積み重ねるものである。この排紙部13は、印刷用紙Sの先端を保持して搬送可能な第1排紙胴21及び第2排紙胴22と、各排紙胴21,22の上方に配設されて第2排紙胴22から受け取った印刷用紙Sの先端を保持して搬送可能なチェーングリッパ機構(搬送機構)23と、チェーングリッパ機構23により搬送される印刷用紙Sが積み上げられる排紙台24とを有している。
【0028】
第1排紙胴21は、印刷部12における圧胴(印刷胴)20における印刷シートSの搬送方向の下流側に位置し、この圧胴20と対接して配置されている。そして、この第1排紙胴21は、図示しない駆動装置により、図2にて時計回り方向に回転可能であると共に、外周部に印刷シートSの前端部を保持可能な2つの咥え爪21a,21bが周方向に等間隔で設けられている。一方、第2排紙胴22は、第1排紙胴21における印刷シートSの搬送方向の下流側に位置し、この第1排紙胴21と対接して配置されている。そして、この第2排紙胴22は、図示しない駆動装置により、図2にて反時計回り方向に回転可能であると共に、外周部に印刷シートSの前端部を保持可能な2つの咥え爪22a,22bが周方向に等間隔で設けられている。
【0029】
なお、圧胴20は、図示しない駆動装置により、図2にて反時計回り方向に回転可能であると共に、外周部に印刷シートSの前端部を保持可能な2つの咥え爪20a,20bが周方向に等間隔で設けられている。この場合、圧胴20と第1排紙胴21と第2排紙胴22は、軸端部が図示しないフレームに回転自在に支持され、同一の駆動装置により印刷作業に合わせて上述の回転方向に回転可能となっている。但し、作業の種類に応じて、駆動装置により圧胴20と第1排紙胴21と第2排紙胴22を逆方向に回転することもできる。
【0030】
チェーングリッパ機構23は、第2排紙胴22から排紙台24にかけて、その上方に掛け渡されるように配置されている。即ち、第2排紙胴22の上方に第1スプロケット25が駆動回転可能に支持され、排紙台24の上方に第1スプロケット25より小径の第2スプロケット26が回転自在に支持されており、各スプロケット25,26には、無端のチェーン27が掛け回されている。そして、このチェーン27は、チェーンガイド28に支持されると共に、その長手方向に所定の間隔で複数のグリッパ29が装着されている。このグリッパ29は、チェーン27に連結された咥え棒29aと、咥え棒29aとで印刷用紙Sの前端部を挟持する爪部29bを有しており、挟持した印刷用紙Sが排紙台24の上方に来たときに、爪部29bを解放する。
【0031】
排紙部13には、印刷用紙Sの搬送方向に沿って走行してチェーングリッパ機構23により搬送される印刷用紙Sを案内するベルトガイド機構31と、排紙台24の上方にて下降気流を形成するファン装置32と、排紙台24より上流側にてチェーングリッパ機構23により搬送された印刷用紙Sの速力を落とす真空吸引車装置33が設けられている。
【0032】
ベルトガイド機構31は、チェーングリッパ機構23の下方であって、第2排紙胴22と排紙台24との間に配置されている。このベルトガイド機構31は、回転駆動可能な駆動ローラ41と、この駆動ローラ41に従動して回転可能に設けられた複数の従動ローラ42と、駆動ローラ41及び複数の従動ローラ42に張設される無端ベルト43とを有している。無端ベルト43は、印刷用紙Sの幅よりも大きい幅をなし、チェーングリッパ機構23に対向する部位では、印刷用紙Sの搬送方向に沿ってチェーングリッパ機構23により搬送される印刷用紙Sの速度と同速度で循環移動可能に設けられている。
【0033】
ファン装置32は、略矩形状に配置された複数のファンを有し、排紙台24の上方でチェーングリッパ機構23により搬送された印刷用紙Sを気流によって鉛直方向下方へ押し付けるものである。真空吸引車装置33は、ベルトガイド機構31と排紙台24との間に配置され、チェーングリッパ機構23が印刷用紙Sを解放した後に、印刷用紙Sの後端部に吸引力を作用させて印刷用紙Sを制動し、姿勢を制御するものである。
【0034】
この場合、第1排紙胴21と第2排紙胴22とチェーングリッパ機構23(第1スプロケット25)は、下方から上方へ向かって直列配置されている。
【0035】
従って、図1及び図2に示すように、印刷部12で印刷が施された印刷用紙Sは、前端部が印刷ユニット12eにおける圧胴20の咥え爪20a(20b)により保持された状態で、排紙部13まで搬送される。排紙部13では、まず、第1排紙胴21の咥え爪21a(21b)が、圧胴20により搬送された印刷用紙Sを受け取って搬送し、次に、第2排紙胴22の咥え爪22a(22b)が、第1排紙胴21により搬送された印刷用紙Sを受け取って搬送し、チェーングリッパ機構23に受け渡される。このチェーングリッパ機構23では、グリッパ29が第2排紙胴22により搬送された印刷用紙Sを受取り、このグリッパ29が印刷用紙Sの前端部を保持した状態でチェーン27が移動することで、この印刷用紙Sを排紙台24まで搬送し、グリッパ29による印刷用紙Sの保持を解除して排紙台24上に積み重ねていく。このとき、ベルトガイド機構31において循環する無端ベルト43が、チェーングリッパ機構23の下方で印刷用紙Sの搬送方向に沿う走行方向に走行することにより、グリッパ29で前端部が狭持された状態の印刷用紙Sを下側から支えてその搬送を案内する。
【0036】
このように構成された排紙部13にて、第2排紙胴22の外周面に対向して紫外線を照射して印刷用紙Sに転写されたUVインキを乾燥させる乾燥装置14が配設されている。この乾燥装置14は、圧胴20から予め設定された所定距離だけ離間して配置される第2排紙胴22に対向して配置されている。そして、この乾燥装置14は、印刷用紙SのUVインキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置51と、印刷用紙SのUVインキに向けて第1紫外線照射装置51による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置51による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置52から構成されている。
【0037】
この乾燥装置14において、図3乃至図5に示すように、第2排紙胴22の外周面に対向して断面がコ字形状をなすハウジング53が、第2排紙胴22の軸方向に沿ってほぼ同じ長さにわたって配置されており、このハウジング53は、取付ブラケット54を介して排紙部13の図示しないフレームに支持されている。そして、このハウジング53には、第1紫外線照射装置51と第2紫外線照射装置52が装着されている。本実施例では、第1紫外線照射装置51は、第2紫外線照射装置52より印刷用紙Sの搬送方向における上流側に配置されている。
【0038】
第1紫外線照射装置51にて、ハウジング53に固定されるケース55には、印刷用紙Sの搬送方向に交差(本実施例では、直交)する方向に沿って、複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)56が1列をなす直線状に配列されて構成されている。この発光ダイオード56は、紫外線(UV:Ultraviolet)を照射可能であり、第2排紙胴22の軸方向、つまり、印刷用紙Sの幅方向における全域に対応して設けられている。そして、この第1紫外線照射装置51を構成する各発光ダイオード56は、印刷用紙Sの印刷面に対して所定距離L1だけ離間して配置されており、紫外線のもつ比較的高い光エネルギを印刷用紙SのUVインキに向けて、所定領域に向けてスポット的に照射することができる。
【0039】
一方、第2紫外線照射装置52にて、ハウジング53に固定されるケース57には、印刷用紙Sの搬送方向に交差(本実施例では、直交)する方向に沿って、複数の発光ダイオード(LED)58が1列をなす直線状に配列されて構成されている。この発光ダイオード58は、紫外線(UV)を照射可能であり、第2排紙胴22の軸方向、つまり、印刷用紙Sの幅方向における全域に対応して設けられている。そして、この第2紫外線照射装置52を構成する各発光ダイオード58は、印刷用紙Sの印刷面に対して所定距離L2だけ離間して配置されており、紫外線のもつ比較的低い光エネルギを印刷用紙SのUVインキに向けて、所定領域に向けて拡散して照射することができる。
【0040】
即ち、本実施例では、第1紫外線照射装置51を構成する各発光ダイオード56と、第2紫外線照射装置52を構成する各発光ダイオード58は、同じ発光エネルギを有するものに設定されている。そして、第1紫外線照射装置51(発光ダイオード56)は、第2紫外線照射装置52(発光ダイオード58)より、距離L2−L1だけ印刷用紙Sに接近して配置されている。その結果、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置51の発光ダイオード56からは、高い光エネルギを有する紫外線を狭い範囲で受ける。一方、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58が印刷用紙Sから遠く、紫外線が所定の照射角度で拡散することから、印刷用紙SのUVインキは、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58からは、低い光エネルギを有する紫外線を広い範囲で受けることとなる。
【0041】
なお、第1紫外線照射装置51の各発光ダイオード56の位置と、第2紫外線照射装置52の各発光ダイオード58の位置とは、印刷用紙Sの幅方向に所定距離だけずれて配置されている。つまり、印刷用紙Sの幅方向にて、各発光ダイオード56の間に各発光ダイオード58が位置するように、千鳥状に配置されている。この場合、各発光ダイオード56,58は、ケース55,57に収容されるものであるが、例えば、5個の発光ダイオード56,58単位でブロック形成されており、ブロック単位で組み付けることが可能となっている。
【0042】
具体的に説明すると、図6に示すように、印刷用紙Sの搬送方向の上流側に第1紫外線照射装置51が配置され、下流側に第2紫外線照射装置52が配置されることから、図6の横軸が印刷用紙Sの長手方向(時間)であり、図6の右側が下流側である。この図6のグラフからわかるように、印刷用紙SのUVインキは、印刷用紙Sの長手方向におけるA位置で、第1紫外線照射装置51の発光ダイオード56から、高い光エネルギEaを有する紫外線を狭い照射領域Waで受ける。その後、印刷用紙Sの長手方向におけるB位置で、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58から、低い光エネルギEbを有する紫外線を広い照射領域Wbで受ける。
【0043】
また、図7に示すように、この図7の横軸が印刷用紙Sの幅方向である。この図7のグラフからわかるように、印刷用紙SのUVインキは、印刷用紙Sの長手方向におけるA位置(図7の上図)で、第1紫外線照射装置51の発光ダイオード56から、高い光エネルギEaを有する紫外線をスポット的に受ける。その後、印刷用紙Sの長手方向におけるB位置(図7の下図)で、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58から、低い光エネルギEbを有する紫外線を広い範囲にわたって受ける。この場合、印刷用紙Sの幅方向にて、発光ダイオード56と発光ダイオード58がずれて配置されていることから、各発光ダイオード56のピーク位置A1,A2・・・と、発光ダイオード58のピーク位置B1,B2・・・がずれている。
【0044】
このように印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置51の発光ダイオード56と、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58とから、時間的にずれて、光エネルギ及び照射範囲の異なる紫外線を受けることとなる。その結果、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置51の発光ダイオード56からの紫外線の光エネルギにより、UVインキに含有する光開始材が活性化されて反応開始点ができ、インキ成分の二重結合が活性化され、化学結合して硬化皮膜となる。但し、発光ダイオード56からの紫外線照射がスポット的であることから、ピーク位置A1,A2・・・の周辺では硬化が不十分である。しかし、続いて、印刷用紙SのUVインキは、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58からの広範囲にわたった紫外線の光エネルギにより、ピーク位置A1,A2・・・の周辺におけるUVインキの硬化が促進され、全ての印刷領域で硬化皮膜が形成される。
【0045】
一般に、UVインキを硬化させて乾燥するには、紫外線における照射時間と光エネルギから求められる積算光量(図6及び図7における斜線部の面積)が重視され、この積算光量が所定量以上必要であると考えられている。しかし、UVインキを硬化させるためには、所定以上の光エネルギによりUVインキに含有する光開始材を活性化して反応開始点を形成する必要がある。本実施例では、第1紫外線照射装置51によりUVインキの硬化を開始させ、第2紫外線照射装置52によりこのUVインキ全体を硬化させるようにしている。
【0046】
この場合、第1紫外線照射装置51にて、発光ダイオード56と印刷用紙Sとの距離L1は、発光ダイオード56の発光エネルギに応じて設定されるが、この発光エネルギにより印刷用紙S上のUVインキが反応開始点を形成できる距離よりも短い距離に設定されている。
【0047】
ここで、実施例1のオフセット枚葉印刷機による印刷作業について説明する。
【0048】
実施例1のオフセット枚葉印刷機において、図1及び図2に示すように、給紙部11は、印刷用紙Sを1枚ずつ所定間隔で供給し、印刷部12は、給紙部11から供給された印刷用紙Sに対して、各印刷ユニット12a,12b,12c,12d,12eにより5色の印刷を行う。この場合、必要に応じて1〜4色印刷としてもよい。
【0049】
印刷部12で印刷が施された印刷用紙Sは、排紙部13に搬送される。即ち、印刷用紙Sは、圧胴20から第1排紙胴21に搬送され、この第1排紙胴21から第2排紙胴22に搬送される。このとき、乾燥装置14は、第2排紙胴22の回転により搬送される印刷用紙Sの表面にある画像(UVインキ)に対して、紫外線を照射する。すると、印刷用紙Sの表面にある画像(UVインキ)が紫外線を受けて乾燥し、固化する。その後、印刷用紙Sは、チェーングリッパ機構23により搬送され、排紙台24上に積み上げられる。
【0050】
この印刷用紙Sが第2排紙胴22上を搬送されるとき、図3に示すように、印刷用紙Sの表面に付着しているUVインキに対して、まず、第1紫外線照射装置51の各発光ダイオード56から紫外線が照射される。この場合、各発光ダイオード56が印刷用紙Sの印刷面(UVインキ)に接近した位置にあることから、紫外線の有する高い光エネルギが、UVインキに対してスポット的に付与される。その結果、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置51の発光ダイオード56から受ける紫外線の高い光エネルギにより、UVインキの硬化が開始される。
【0051】
次に、印刷用紙Sの表面に付着しているUVインキに対して、第2紫外線照射装置52の各発光ダイオード58から紫外線が照射される。この場合、各発光ダイオード58が印刷用紙Sの印刷面(UVインキ)から所定距離だけ離れた位置にあることから、紫外線の低い光エネルギが、UVインキに対して広範囲にわたって付与される。その結果、印刷用紙SのUVインキは、第2紫外線照射装置52の発光ダイオード58から受ける広範囲の紫外線の低い光エネルギにより、全ての印刷領域におけるUVインキが硬化する。
【0052】
即ち、本実施例では、第1紫外線照射装置51からの高い光エネルギによりUVインキの硬化を開始させ、第2紫外線照射装置52からの低いが広範囲にわたる光エネルギにより効果が不十分である領域のUVインキを確実に硬化させている。この場合、2つの紫外線照射装置51,52を用いることで、紫外線の十分な積算光量を確保することができる。
【0053】
このように実施例1のオフセット枚葉印刷機に適用された乾燥装置14にあっては、給紙部11と印刷部12と排紙部13を直列に配置し、印刷部12における印刷用紙Sの搬送方向における下流側に乾燥装置14を配置し、乾燥装置14として、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置51と、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて第1紫外線照射装置51による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置51による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置52を設けている。
【0054】
従って、第1紫外線照射装置51からの紫外線の光エネルギが印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに対してスポット的に作用することで、インキの硬化が開始され、第2紫外線照射装置52からの紫外線の光エネルギが印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに対して全体的に作用することで、全ての領域のインキが硬化することとなり、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができると共に、製品コスト増加を抑制可能とすることができる。
【0055】
また、実施例1の乾燥装置14では、第1紫外線照射装置51及び第2紫外線照射装置51を、印刷用紙Sの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオード56,58を直線状に配列して構成し、第1紫外線照射装置51を、第2紫外線照射装置52より印刷用紙Sの搬送方向における上流側に配置している。従って、まず、第1紫外線照射装置51からの高い光エネルギにより印刷用紙S上のUVインキの硬化が開始され、第2紫外線照射装置52からの広範囲に広がる低い光エネルギにより印刷用紙S上のUVインキが全体的に硬化することとなり、UVインキの乾燥ムラを適正に抑制することができる。
【0056】
また、実施例1の乾燥装置14では、第1紫外線照射装置51を構成する複数の発光ダイオード56と、第2紫外線照射装置52を構成する複数の発光ダイオード58を、同じ発光エネルギを有するものとし、第1紫外線照射装置51を第2紫外線照射装置52より印刷用紙Sに接近して配置している。従って、各紫外線照射装置51,52の各発光ダイオード56,58を同一のものとすることで、部品の共通化により低コスト化を可能とすることができる。
【0057】
なお、上述した実施例1の乾燥装置14では、第1紫外線照射装置51を構成する各発光ダイオード56と、第2紫外線照射装置52を構成する各発光ダイオード58とを千鳥状に配置したが、印刷用紙Sの搬送方向に対向して配置してもよいし、各発光ダイオード56,58の数を同数または異なる数としてランダムに配置してもよい。
【実施例2】
【0058】
図8は、本発明の実施例2に係る乾燥装置を表す概略図、図9は、実施例2の乾燥装置を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0059】
実施例2では、上述した実施例1と同様に、オフセット枚葉印刷機の排紙部にて、図8及び図9に示すように、第2排紙胴22の外周面に対向して紫外線を照射して印刷用紙Sに転写されたUVインキを乾燥させる乾燥装置60が配設されている。この乾燥装置60は、第2排紙胴22に対向して配置されており、印刷用紙SのUVインキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置61と、印刷用紙SのUVインキに向けて第1紫外線照射装置61による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置61による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置62から構成されている。
【0060】
この乾燥装置60において、第2排紙胴22の外周面に対向して断面がコ字形状をなすハウジング63が、第2排紙胴22の軸方向に沿ってほぼ同じ長さにわたって配置されており、このハウジング63は、取付ブラケット64を介して図示しないフレームに支持されている。そして、このハウジング63には、第1紫外線照射装置61と第2紫外線照射装置62が装着されている。本実施例では、第1紫外線照射装置61は、第2紫外線照射装置62より印刷用紙Sの搬送方向における上流側に配置されている。
【0061】
第1紫外線照射装置61にて、ハウジング63に固定されるケース65には、印刷用紙Sの搬送方向に交差(本実施例では、直交)する方向に沿って、複数の発光ダイオード66が1列をなす直線状に配列されて構成されている。一方、第2紫外線照射装置62にて、ハウジング63に固定されるケース67には、印刷用紙Sの搬送方向に交差(本実施例では、直交)する方向に沿って、複数の発光ダイオード68が1列をなす直線状に配列されて構成されている。
【0062】
そして、第1紫外線照射装置61を構成する各発光ダイオード66は、第2紫外線照射装置62を構成する各発光ダイオード68より大きな発光エネルギを有するように設定されている。この場合、第1紫外線照射装置61における発光ダイオード66の数より、第2紫外線照射装置62における発光ダイオード68の数を多く設定している。また、第1紫外線照射装置61を構成する各発光ダイオード66と、第2紫外線照射装置62を構成する各発光ダイオード68は、印刷用紙Sから同距離だけ離れた位置に配置されている。なお、この場合、第2紫外線照射装置62における各発光ダイオード68の照射角度を、第1紫外線照射装置61における各発光ダイオード66の照射角度より大きくすることが望ましい。
【0063】
そのため、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置61の発光ダイオード66からは、高い光エネルギを有する紫外線を狭い範囲で受ける。一方、印刷用紙SのUVインキは、第2紫外線照射装置62の発光ダイオード68からは、低い光エネルギを有する紫外線を広い範囲で受けることとなる。
【0064】
従って、実施例2のオフセット枚葉印刷機による印刷作業において、乾燥装置60による印刷用紙S(UVインキ)の乾燥作業では、第1紫外線照射装置61の発光ダイオード66と、第2紫外線照射装置62の発光ダイオード68とから、時間的にずれて光エネルギ及び照射範囲の異なる紫外線を受けることとなる。即ち、印刷用紙Sが第2排紙胴22上を搬送されるとき、印刷用紙Sの表面に付着しているUVインキに対して、まず、第1紫外線照射装置61の各発光ダイオード66から紫外線が照射される。この場合、各発光ダイオード66が印刷用紙Sの印刷面(UVインキ)に接近した位置にあることから、紫外線の有する高い光エネルギが、UVインキに対してスポット的に付与される。その結果、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置61の発光ダイオード66から受ける紫外線の高い光エネルギにより、UVインキの硬化が開始される。
【0065】
次に、印刷用紙Sの表面に付着しているUVインキに対して、第2紫外線照射装置62の各発光ダイオード68から紫外線が照射される。この場合、各発光ダイオード68の発光エネルギが低いことから、紫外線の低い光エネルギが、UVインキに対して広範囲にわたって付与される。その結果、印刷用紙SのUVインキは、第2紫外線照射装置62の発光ダイオード68から受ける広範囲の紫外線の低い光エネルギにより、全ての印刷領域におけるUVインキが硬化する。
【0066】
即ち、本実施例では、第1紫外線照射装置61からの高い光エネルギによりUVインキの硬化を開始させ、第2紫外線照射装置62からの低いが広範囲にわたる光エネルギにより効果が不十分である領域のUVインキを確実に硬化させている。この場合、2つの紫外線照射装置61,62を用いることで、紫外線の十分な積算光量を確保することができる。
【0067】
このように実施例2の乾燥装置60にあっては、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置61と、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて第1紫外線照射装置61による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置61による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置62を設けている。
【0068】
従って、第1紫外線照射装置61からの紫外線の光エネルギが印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに対してスポット的に作用することで、インキの硬化が開始され、第2紫外線照射装置62からの紫外線の光エネルギが印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに対して全体的に作用することで、全ての領域のインキが硬化することとなり、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができると共に、製品コスト増加を抑制可能とすることができる。
【0069】
また、実施例2の乾燥装置60では、第1紫外線照射装置61を構成する複数の発光ダイオード66を、第2紫外線照射装置62を構成する複数の発光ダイオード68より大きな発光エネルギを有するものとし、第1紫外線照射装置61と第2紫外線照射装置62を印刷用紙Sから同距離に配置している。従って、各発光ダイオード66,68を印刷用紙Sから同距離に配置することで、装置のコンパクト化を可能とすることができる。
【実施例3】
【0070】
図10は、本発明の実施例3に係る乾燥装置を表す正面図である。
【0071】
実施例3では、上述した各実施例と同様に、オフセット枚葉印刷機の排紙部にて、図10に示すように、第2排紙胴の外周面に対向して乾燥装置70が配設されている。この乾燥装置70は、印刷用紙のUVインキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置71と、印刷用紙のUVインキに向けて第1紫外線照射装置71による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置71による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置72から構成されている。
【0072】
この乾燥装置70において、第1紫外線照射装置71と第2紫外線照射装置72は、ハウジング73に装着されている。このハウジング73は、搬送される印刷用紙の幅方向に沿ってその全域にわたって配置されており、このハウジング73には、円形状をなすケース74が長手方向、つまり、印刷用紙の幅方向に直線状をなして配列されるように固定されている。この各ケース74には、その中央部に位置して、第1紫外線照射装置71を構成する発光ダイオード75が固定されている。また、各ケース74には、発光ダイオード75の周囲に位置して、第2紫外線照射装置72を構成する複数(本実施例では、8個)の発光ダイオード76がリング状に配列されて固定されている。
【0073】
即ち、本実施例では、第1紫外線照射装置71としての複数の発光ダイオード75が、印刷用紙の搬送方向に交差する方向に沿って直線状に配列され、第2紫外線照射装置72としての複数の発光ダイオード76が発光ダイオード75の周囲にリング状に配列されている。
【0074】
そして、第1紫外線照射装置71を構成する各発光ダイオード75は、第2紫外線照射装置72を構成する各発光ダイオード76より大きな発光エネルギを有するように設定されている。また、第1紫外線照射装置71を構成する各発光ダイオード75と、第2紫外線照射装置72を構成する各発光ダイオード76は、印刷用紙から同距離だけ離れた位置に配置されている。
【0075】
そのため、印刷用紙のUVインキは、第1紫外線照射装置71の発光ダイオード75からは、高い光エネルギを有する紫外線を狭い範囲で受ける。一方、印刷用紙のUVインキは、第2紫外線照射装置72の発光ダイオード76からは、低い光エネルギを有する紫外線を広い範囲で受けることとなる。
【0076】
従って、実施例3のオフセット枚葉印刷機による印刷作業において、乾燥装置70による印刷用紙(UVインキ)の乾燥作業では、第1紫外線照射装置71の発光ダイオード75と、第2紫外線照射装置72の発光ダイオード76とから、光エネルギ及び照射範囲の異なる紫外線を受けることとなる。即ち、印刷用紙が搬送されるとき、印刷用紙の表面に付着しているUVインキに対して、第1紫外線照射装置71の各発光ダイオード75から紫外線が照射される。この場合、各発光ダイオード75が印刷用紙の印刷面(UVインキ)に接近した位置にあることから、紫外線の有する高い光エネルギが、UVインキに対してスポット的に付与される。その結果、印刷用紙のUVインキは、第1紫外線照射装置71の発光ダイオード75から受ける紫外線の高い光エネルギにより、UVインキの硬化が開始される。
【0077】
同時に、印刷用紙の表面に付着しているUVインキに対して、第2紫外線照射装置72の各発光ダイオード76から紫外線が照射される。この場合、各発光ダイオード76の発光エネルギが低いことから、紫外線の低い光エネルギが、UVインキに対して広範囲にわたって付与される。その結果、印刷用紙のUVインキは、第2紫外線照射装置72の発光ダイオード76から受ける広範囲の紫外線の低い光エネルギにより、全ての印刷領域におけるUVインキが硬化する。
【0078】
即ち、本実施例では、第1紫外線照射装置71からの高い光エネルギによりUVインキの硬化を開始させ、第2紫外線照射装置72からの低いが広範囲にわたる光エネルギにより効果が不十分である領域のUVインキを確実に硬化させている。この場合、2つの紫外線照射装置71,72を用いることで、紫外線の十分な積算光量を確保することができる。
【0079】
このように実施例3の乾燥装置70にあっては、印刷用紙の紫外線硬化性インキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置71と、印刷用紙の紫外線硬化性インキに向けて第1紫外線照射装置71による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置71による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置72を設けている。
【0080】
従って、第1紫外線照射装置71からの紫外線の光エネルギが印刷用紙の紫外線硬化性インキに対してスポット的に作用することで、インキの硬化が開始され、第2紫外線照射装置72からの紫外線の光エネルギが印刷用紙の紫外線硬化性インキに対して全体的に作用することで、全ての領域のインキが硬化することとなり、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができると共に、製品コスト増加を抑制可能とすることができる。
【0081】
また、実施例3の乾燥装置70では、第1紫外線照射装置71を構成する複数の発光ダイオード75を、第2紫外線照射装置72を構成する複数の発光ダイオード76より大きな発光エネルギを有するものとし、第1紫外線照射装置71としての複数の発光ダイオード75を印刷用紙の搬送方向に交差する方向に沿って直線状に配列し、第2紫外線照射装置72としての複数の発光ダイオード76を各発光ダイオード75の周囲にリング状に配列し、且つ、第1紫外線照射装置71と第2紫外線照射装置72を印刷用紙から同距離に配置している。従って、2つの紫外線照射装置71,72として、複数の発光ダイオード75,76を2列配置する必要はなく、装置の小型化を可能とすることができる。
【実施例4】
【0082】
図11は、本発明の実施例4に係る乾燥装置を表す概略図を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0083】
実施例4では、上述した実施例1と同様に、オフセット枚葉印刷機の排紙部にて、図11に示すように、第2排紙胴22の外周面に対向して紫外線を照射して印刷用紙Sに転写されたUVインキを乾燥させる乾燥装置80が配設されている。この乾燥装置80は、第2排紙胴22に対向して配置されており、印刷用紙SのUVインキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置81と、印刷用紙SのUVインキに向けて第1紫外線照射装置81による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置81による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置82から構成されている。
【0084】
この乾燥装置80において、第1紫外線照射装置81と第2紫外線照射装置82は、印刷用紙Sの搬送方向に交差する方向に沿って配置され、第1紫外線照射装置81は、第2紫外線照射装置82より印刷用紙Sの搬送方向における上流側に配置されている。そして、この第1紫外線照射装置81は、ハウジング83に複数の発光ダイオード84が直線状に配列されて構成されている。一方、第2紫外線照射装置82は、ハウジング85に複数の発光ダイオード86が直線状に配列されて構成されている。
【0085】
この場合、第1紫外線照射装置81を構成する各発光ダイオード84と、第2紫外線照射装置82を構成する各発光ダイオード86との関係は、上述した実施例1のように、印刷用紙Sとの距離を変えてもいいし、実施例2のように、発光エネルギを変えてもよい。そのため、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置81の発光ダイオード84からは、高い光エネルギを有する紫外線を狭い範囲で受け、第2紫外線照射装置82の発光ダイオード86からは、低い光エネルギを有する紫外線を広い範囲で受ける。
【0086】
また、本実施例では、第1紫外線照射装置81を構成する各発光ダイオード84は、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列されている。一方、第2紫外線照射装置82を構成する各発光ダイオード86は、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に配列されている。そのため、第1紫外線照射装置81では、発光ダイオード84を印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に配列した場合に比べて、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向における各発光ダイオード84間の距離が短くなる。
【0087】
なお、本実施例の乾燥装置80による作用は、上述した各実施例とほぼ同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0088】
このように実施例4のオフセット枚葉印刷機にあっては、乾燥装置80として、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置81と、印刷用紙Sの紫外線硬化性インキに向けて第1紫外線照射装置81より低い光エネルギを広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置82を設け、第1紫外線照射装置81を構成する複数の発光ダイオード84を、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列している。
【0089】
従って、第1紫外線照射装置81では、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向における各発光ダイオード84間の距離が短くなり、印刷用紙Sの幅方向における紫外線照射ピッチを小さくすることができ、UVインキの乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができると共に、複数の発光ダイオード84の配置を簡素化することができる。
【実施例5】
【0090】
図12は、本発明の実施例5に係る乾燥装置を表す概略図を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0091】
実施例5では、上述した実施例4と同様に、オフセット枚葉印刷機の排紙部にて、図12に示すように、第2排紙胴22の外周面に対向して紫外線を照射して印刷用紙Sに転写されたUVインキを乾燥させる乾燥装置90が配設されている。この乾燥装置90は、印刷用紙SのUVインキに向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射装置91と、印刷用紙SのUVインキに向けて第1紫外線照射装置91による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を第1紫外線照射装置91による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射装置92から構成されている。
【0092】
この乾燥装置90において、第1紫外線照射装置91と第2紫外線照射装置92は、印刷用紙Sの搬送方向に交差する方向に沿って配置され、第1紫外線照射装置91は、第2紫外線照射装置92より印刷用紙Sの搬送方向における上流側に配置されている。そして、この第1紫外線照射装置91は、複数の発光ダイオード93が直線状に配列されて構成され、第2紫外線照射装置92は、複数の発光ダイオード94が直線状に配列されて構成されている。
【0093】
この場合、第1紫外線照射装置91を構成する各発光ダイオード93と、第2紫外線照射装置92を構成する各発光ダイオード94との関係は、上述した実施例1のように、印刷用紙Sとの距離を変えてもいいし、実施例2のように、発光エネルギを変えてもよい。そのため、印刷用紙SのUVインキは、第1紫外線照射装置91の発光ダイオード93からは、高い光エネルギを有する紫外線を狭い範囲で受け、第2紫外線照射装置92の発光ダイオード94からは、低い光エネルギを有する紫外線を広い範囲で受ける。
【0094】
また、本実施例では、第1紫外線照射装置91は、印刷用紙Sの幅方向における中央部に位置する第1ブロック91aと、この第1ブロック91aより印刷用紙Sの幅方向における端部に位置する第2、第3ブロック91b,91cとから構成されている。そして、第1ブロック91aを構成する各発光ダイオード93は、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列されている。一方、第2、第3ブロック91b,91cを構成する各発光ダイオード93は、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に配列されている。そのため、第1紫外線照射装置91では、第1ブロック91aにおける発光ダイオード93の印刷用紙Sの幅方向のピッチが短くなっている。
【0095】
このように実施例5のオフセット枚葉印刷機にあっては、乾燥装置90として、第1紫外線照射装置91と第2紫外線照射装置92を設け、第1紫外線照射装置91にて、中央部に位置する第1ブロック91aの複数の発光ダイオード93を、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列している。
【0096】
従って、第1紫外線照射装置91の第1ブロック91aでは、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向における各発光ダイオード93間の距離が短くなり、印刷用紙Sの幅方向における紫外線照射ピッチを小さくすることができる。一般に、印刷用紙Sに印刷された画像は、幅方向における中央部側の方がインキ膜厚が厚いことから、この中央領域における紫外線照射ピッチを小さくすることで、UVインキの乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ることができる。
【0097】
なお、この実施例5では、第1紫外線照射装置91にて、中央部に位置する第1ブロック91aの複数の発光ダイオード93の配列を、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜したが、この位置は適宜設定すればよい。例えば、印刷用紙Sの画像におけるインキ膜厚が厚い領域が端部にあるときは、この端部側の領域を傾斜させればよい。必要に応じて、第2紫外線照射装置92を傾斜させてもよい。
【0098】
また、上述した実施例4、5にて、第1紫外線照射装置81及び第1紫外線照射装置91の第1ブロック91aを、印刷用紙Sの搬送方向に直交する方向に傾斜させたが、この場合、第1紫外線照射装置81,91と第2排紙胴22上の印刷用紙Sとの距離が長手方向の各位置で相違する。そのため、第1紫外線照射装置81及び第1紫外線照射装置91の第1ブロック91aを、第2排紙胴22の円弧状の外周面に沿わせるように湾曲形状とすることが望ましい。
【0099】
また、上述した各実施例では、本発明の乾燥装置を片面オフセット枚葉印刷機に適用したが、両面オフセット枚葉印刷機に適用してもよい。この場合、両面オフセット枚葉印刷機を、給紙部と、裏面印刷部と、連接部または反転部と、表面印刷部と、排紙部とで構成し、連接部における中間胴または排紙部における排紙胴に対向して乾燥装置を配設すればよい。また、上述した各実施例では、本発明の乾燥装置をオフセット枚葉印刷機に適用して説明したが、オフセット輪転印刷機に適用してもよい。更に、本発明の乾燥装置を中間胴や排紙部に対向して設けたが、水平状態で搬送される印刷シートに対向して設けてもよい。
【0100】
また、本発明の乾燥装置は、紫外線硬化性塗工材を乾燥するものであり、上述した各実施例のように、紫外線硬化性インキを乾燥するものに限らず、例えば、紫外線硬化性コーティング材(ニスなど)を乾燥するものに使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明に係る乾燥装置及び印刷機は、高い光エネルギを有する紫外線を照射する第1紫外線照射手段と、低い光エネルギを有する紫外線を広い領域に照射する第2紫外線照射手段とを設けることで、乾燥ムラを抑制して印刷品質の向上を図ると共に製品コスト増加を抑制可能とするものであり、いずれの印刷機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
11 給紙部
12 印刷部
13 排紙部
14,60,70,80,90 乾燥装置
21 第1排紙胴
22 第2排紙胴
51,61,71,81,91 第1紫外線照射装置
52,62,72,82,92 第2紫外線照射装置
56,58,66,68,75,76,84,86,93,94 発光ダイオード
S 印刷用紙(印刷シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷シートの印刷面に転写された紫外線硬化性塗工材に紫外線を照射して硬化させる乾燥装置において、
印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射手段と、
印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて前記第1紫外線照射手段による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を該第1紫外線照射手段による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射手段と、
を備えることを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記第1紫外線照射手段及び前記第2紫外線照射手段は、印刷シートの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオードが直線状に配列されて構成され、前記第1紫外線照射手段は、前記第2紫外線照射手段より印刷シートの搬送方向における上流側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記第1紫外線照射手段は、印刷シートの搬送方向に交差する方向に沿って複数の発光ダイオードが直線状に配列されて構成され、前記第2紫外線照射手段は、前記第1紫外線照射手段を構成する前記発光ダイオードの周囲に発光ダイオードがリング状に配列されて構成されることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記第1紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードと、前記第2紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードは、同じ発光エネルギを有する一方、前記第1紫外線照射手段は、前記第2紫外線照射手段より印刷シートに接近して配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記第1紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードは、前記第2紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードより、大きな発光エネルギを有する一方、前記第1紫外線照射手段と前記第2紫外線照射手段は、印刷シートから同距離に配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第1紫外線照射手段を構成する前記複数の発光ダイオードは、印刷シートの搬送方向に直交する方向に対して所定角度だけ傾斜して配列されることを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項7】
給紙部と印刷部と排紙部が直列に配置され、印刷部における印刷シートの搬送方向における下流側に乾燥装置が配置される印刷機において、
前記乾燥装置は、
印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて予め設定された光エネルギを有する紫外線を予め設定された所定領域に照射する第1紫外線照射手段と、
印刷シートの紫外線硬化性塗工材に向けて前記第1紫外線照射手段による紫外線より低い光エネルギを有する紫外線を該第1紫外線照射手段による照射領域より広い照射領域に照射する第2紫外線照射手段と、
を有することを特徴とする印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−51107(P2011−51107A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199383(P2009−199383)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】