説明

乾燥食品組成物

本発明は、乾燥食品組成物を提供する。特に、乾燥食品組成物は通常、他の主要栄養素および微量栄養素と共に、構造化タンパク質を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年4月10日に出願された米国仮特許出願第60/910,952号、および2008年4月3日に出願された米国非仮特許出願第12/062,366号(参照によってこれらの全体が本明細書に援用される)からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、無水および中間水分の食品組成物などの乾燥食品組成物を提供する。特に、乾燥食品組成物は通常、他の主要栄養素、微量栄養素、および任意的な原料と共に、構造化タンパク質製品を含む。
【背景技術】
【0003】
乾燥は、世界で最も古くかつ最も一般的な食品保存方法である。缶詰技術は200年よりも短く、冷凍は電気が容易に利用できるようになったときに初めて実用的になった。乾燥技術は簡単で、世界の文化のほとんどに容易に応じることができる。
【0004】
乾燥による食品保存の科学的原理は、水分を除去することによって酵素が食品と有効に接触または反応できないことである。これらの酵素が、生の食品からの細菌、真菌、または天然に存在する自己消化酵素のどれであろうと、この酵素の作用を阻害すれば食品は生物学的な作用から保護される。さらに、中間水分食品も貯蔵安定性である。これは、水を部分的に除去し、水分活性を、水が固定化されて生物学的活性が阻害される約0.5〜約0.95の範囲まで低減することによって行われる。0.70〜0.95の範囲の水分活性では、酸素を除去し、それによりカビおよび病原体を阻害するために、適切なパッケージおよびまたは脱酸素剤が必要とされ得る。
【0005】
ジャーキーは、乾燥により軽量にされた栄養豊富な食肉製品である。主としてその高タンパク質および低脂肪含量のために、真の食肉から製造されるものに似ている食用製品の製造において大豆を利用するための多くの試みが成されている。しかしながら、食肉の風味およびテクスチャの模倣における困難は多大である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
植物ベースまたは植物含有のジャーキー型食肉スナックの製造への試みは、これまで不十分な結果に終わっている。風味およびテクスチャの困難を乗り越えることに加えて、植物性混合物の押出成形における問題がよく知られている。このような押出成形の1つの難点は植物性材料がダイの中央部をより速く流れることであり、これは押出物の中心にパフィング(puffing)をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は乾燥食品組成物を提供する。通常、乾燥食品組成物は実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を含む。通常、組成物は強化剤(firming agent)も含む。
【0008】
本発明の別の態様は乾燥食品組成物を提供する。通常、乾燥食品組成物は、乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質、乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテン、乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプン、および乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維を有する構造化タンパク質製品を含む。通常、組成物は強化剤も含む。
【0009】
本発明の他の態様および反復は、本明細書においてより詳しく説明される。
【0010】
カラー図面の参照
本出願書類はカラーで作成された少なくとも1枚の写真を含有する。カラー写真付きの本特許出願公報のコピーは、要求および必要な手数料の支払いに応じて特許庁により提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実質的に整列したタンパク質繊維を有する本発明の構造化タンパク質製品を示す顕微鏡写真の写真画像を示す。
【図2】本発明の方法で製造されなかったタンパク質製品を示す顕微鏡写真の写真画像を示す。植物タンパク質製品を構成するタンパク質繊維は、本明細書に記載されるように交差している。
【図3】タンパク質含有材料の押出成形法において使用することができる周囲ダイアセンブリの一実施形態の斜視図を示す。
【図4】ダイインサート、ダイスリーブ、およびダイコーンを示す周囲ダイアセンブリの分解図を示す。
【図5】ダイスリーブ、ダイインサート、およびダイコーン構成の間に画定された流路を示す断面図を示す。
【図5A】流路およびダイスリーブの排出口の間の相互作用を示す図5拡大断面図を示す。
【図6】ダイコーンのない周囲ダイアセンブリの一実施形態の断面図を示す。
【図7】ダイインサートの斜視図を示す。
【図8】ダイインサートの平面図を示す。
【図9】トッピングまたはスナックとして使用することができる本発明の構造化タンパク質製品を含む細断食肉製品の写真画像を示す。
【図10】本発明の構造化タンパク質製品を含むスナックバイト製品(snack bite product)の写真画像を示す。
【図11】本発明の構造化タンパク質製品を含む食肉スナックを構成する照り焼きストリップの写真画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、主要栄養素および微量栄養素を含む乾燥食品組成物を提供する。主要栄養素および微量栄養素は有機的に製造されてもよいし、従来の非有機的な手段で製造されてもよい。通常、乾燥食品組成物は、炭水化物、タンパク質、脂肪、繊維、および強化剤のブレンドである。1つの栄養素源として、乾燥食品組成物は、構造化タンパク質製品を含むであろう。
【0013】
(I)主要栄養素
本発明の乾燥食品組成物における使用に適した主要栄養素には、タンパク質、脂肪、繊維、炭水化物、およびこれらの組み合わせが含まれる。これらの原料のそれぞれの適切な源は以下で詳述される。有機食品組成物が想定される。一般的に言えば、以下で詳述される主要栄養素源は全て、当該技術分野において一般に知られている有機食品の製造技術に従って、そして「有機」という用語が本明細書で定義されるように原料が製造されている限りは、有機食品組成物における使用に適している。
【0014】
1.タンパク質
いくつかのタンパク質源は、本発明における使用に適している。タンパク質は動物源に由来してもよい。あるいは、タンパク質は植物源に由来してもよい。例示的な実施形態では、タンパク質は、以下で詳述される構造化植物タンパク質を含み得る。ベジタリアン乾燥食品組成物が想定される。ベジタリアン乾燥食品組成物のためには、タンパク質源は、通常、100%植物タンパク質で構成され得る。他の実施形態では、ビーガンでないベジタリアン食品組成物は、乳製品タンパク質または卵タンパク質を含み得る。その源または原料の分類に関係なく、押出成形法で用いられる原料は、通常、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を形成することができる。このような原料の適切な例は、以下にさらに十分に詳述される。
【0015】
乾燥食品組成物は、大きく異なるタンパク質含量を有することができる。一般に、乾燥食品組成物は、組成物の約1重量%〜約99重量%のタンパク質含量を有する。より一般的には、量は、組成物の約1重量%〜約70重量%でよく、さらにより一般には、約10%〜約50%でよい。例えば、タンパク質の量は、組成物の約1重量%〜約5重量%、約5重量%〜約10重量%、約10重量%〜約15重量%、約15重量%〜約20重量%、約20重量%〜約25重量%、約25重量%〜約30重量%、約30重量%〜約35重量%、約35重量%〜約40重量%、約40重量%〜約45重量%、約45重量%〜約50重量%、または50重量%よりも多くてもよい。
【0016】
A.構造化植物タンパク質製品
乾燥食品組成物は、タンパク質源の一部として構造化植物タンパク質製品を含む。タンパク質を含有する様々な原料を熱プラスチック押出成形法で用いて、乾燥食品組成物中で使用するのに適した構造化タンパク質製品を製造することができる。植物由来のタンパク質を含む原料が通常使用されるが、本発明の範囲から逸脱することなく動物源などの他の源に由来するタンパク質が使用され得ることも想定される。例えば、カゼイン、カゼイン塩、乳清タンパク質、およびこれらの混合物からなる群から選択される乳タンパク質が使用され得る。例示的な実施形態では、乳タンパク質は乳清タンパク質である。さらなる例として、オボアルブミン、オボグロブリン、オボムチン、オボムコイド、オボトランスフェリン、オボビテラ(ovovitella)、オボビテリン、アルブミン、グロブリン、ビテリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される卵タンパク質が使用され得る。さらに、コラーゲン、血液、内臓肉、機械的に分離した食肉、部分的に脱脂した組織、血清タンパク質、およびこれらの組み合わせからなる食肉タンパク質またはタンパク質原料が、構造化タンパク質製品の原料の1つまたは複数として含まれてもよい。
【0017】
タンパク質に加えて他の原料タイプが使用され得ることが想定される。このような原料の非限定的な例としては、糖、デンプン、オリゴ糖、大豆繊維、他の食物繊維、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、タンパク質としてグルテンが使用され得るが、タンパク質含有出発材料はグルテンを含まないことも想定される。さらに、タンパク質含有出発材料は小麦粉を含まないことも想定される。グルテンは通常押出成形法においてフィラメント形成で使用されるので、グルテンを含まない出発材料が使用される場合には、フィラメント形成を容易にするために食用架橋剤が使用されてもよい。適切な架橋剤の非限定的な例としては、コンニャクグルコマンナン(KGM)粉、Kirin Food−Tech(日本)製のCurdlanからのベータ1,3グルカン、トランスグルタミナーゼ、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびこれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、グルテンを含まない実施形態においてもしあれば、必要とされる架橋材料の量を容易に決定することができる。
【0019】
その源または原料の分類に関係なく、押出成形法で用いられる原料は、通常、実質的に整列したタンパク質繊維を有する押出物を形成することができる。このような原料の適切な例は、以下にさらに十分に詳述される。
【0020】
(a)タンパク質含有材料
i.動物肉
様々な動物肉がタンパク質源として適している。食肉が得られる動物は従来の方法で飼育されてもよいし、有機的に飼育されてもよい。例として、種々の構造化植物性タンパク質特許のために特に定義される食肉および食肉原料には、完全なままのあるいは挽いた牛肉、豚肉、子羊肉、羊肉、馬肉、ヤギ肉、家禽(ニワトリ、アヒル、ガチョウまたは七面鳥などの飼いならされた鳥)の肉、脂肪および皮、そしてより具体的には、任意の鳥(任意の鳥類)からの身の組織、淡水および海水の両方から得られる魚の身、貝類および甲殻類由来の動物の身、凍結した魚、チキン、牛肉、豚肉などの切断からの凍結残渣などの加工から得られる動物の身のトリムおよび動物組織、鶏皮、豚皮、魚皮、牛脂肪、豚脂肪、子羊脂肪、鶏脂肪、七面鳥脂肪などの動物性脂肪、ラードおよび獣脂などのレンダリングした動物性脂肪、風味強化動物性脂肪、分割またはさらに加工した動物性脂肪組織、微細テクスチャ化した牛肉、微細テクスチャ化した豚肉、微細テクスチャ化した子羊肉、微細テクスチャ化したチキン、低温レンダリングした牛肉および低温レンダリングした豚肉などの低温レンダリングした動物組織、機械的に分離した牛肉、機械的に分離した豚肉、機械的に分離した魚(すり身を含む)、機械的に分離したチキン、機械的に分離した七面鳥などの機械的に分離した食肉または機械的に脱骨した食肉(MDM)(種々の機械的手段によって骨から除去された肉の身)、任意の調理した動物の身、任意の動物種に由来する内臓肉、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。肉の身は、動物組織の塩分画から得られる筋肉タンパク質画分、動物筋肉または食肉の等電分画および沈殿から得られるタンパク質原料、および高温骨抜きした食肉、ならびに機械的に調製したコラーゲン組織およびゼラチンを含むように拡張されるべきである。さらに、水牛、シカ、ヘラジカ、ムース、トナカイ、カリブー、レイヨウ、ウサギ、クマ、リス、ビーバー、マスクラット、フクロネズミ、アライグマ、アルマジロおよびヤマアラシなどの狩猟動物、ならびにヘビ、カメ、トカゲなどの爬虫類生物、そしてこれらの組み合わせの食肉、脂肪、結合組織および内臓肉も食肉と考えられるべきである。
【0021】
さらなる実施形態では、動物肉は魚またはシーフードからのものでもよい。適切な魚の非限定的な例としては、バス、コイ、ナマズ、スギ、タラ、ハタ、カレイ、ハドック、ホキ、パーチ、ポラック、サケ、フエダイ、ヒラメ、マス、マグロ、ホワイトフィッシュ、ホワイティング、テラピア、およびこれらの組み合わせが挙げられる。シーフードの非限定的な例としては、ホタテガイ、エビ、ロブスター、クラム、カニ、イガイ、カキ、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
本発明において様々な食肉品質が用いられ得ることも想定される。食肉は、筋肉組織、臓器組織、結合組織、皮、およびこれらの組み合わせを含むことができる。食肉は、人間が消費するのに適した任意の食肉であり得る。食肉は、レンダリングしていない非乾燥の生肉、生肉製品、生肉副産物、およびこれらの混合物でもあり得る。例えば、挽くかまたは厚切りにするか、もしくはステーキ形態の全食肉筋肉も用いることができる。別の実施形態では、食肉は、まず骨を破砕して動物組織を付着させ、次にふるいまたは同様のスクリーニング装置を通して動物組織(骨ではなく)を押し出すことによって、動物組織から骨を分離する高圧機械を用いて機械的に脱骨または分離された生肉であってもよい。この方法は、バターのような粘稠度を有する構造化されていないペースト様の柔らかい動物組織のブレンドを形成し、一般に、機械的に脱骨された食肉またはMDMと呼ばれる。あるいは、食肉は食肉副産物であってもよい。本発明との関連では、「食肉副産物」という用語は、屠殺された動物(哺乳類、家禽などを含むがこれらに限定されない)の屠殺体のレンダリングしていない部分を指すことが意図される。食肉副産物の例は、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、部分的に脱脂された低温脂肪組織、胃、その内容物を含まない腸などの臓器および組織である。
【0023】
(ii)肉以外の動物由来タンパク質
タンパク質源は、動物組織以外の動物由来のタンパク質であってもよい。例えば、タンパク質含有材料は乳製品に由来してもよい。適切な乳製品タンパク質製品には、無脂肪乾燥乳粉末、乳タンパク質単離物、乳タンパク質濃縮物、液乳、カゼインタンパク質単離物、カゼインタンパク質濃縮物、カゼイン塩、乳清タンパク質、乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質濃縮物、およびこれらの組み合わせが含まれる。乳タンパク質含有材料は、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ラクダ、ラクダ科動物、ヤク、ウマ、または水牛に由来し得る。例示的な実施形態では、乳製品タンパク質は乳清タンパク質である。
【0024】
さらなる例として、タンパク質含有材料は卵製品に由来してもよい。適切な卵タンパク質製品には、粉末卵、乾燥卵固形分、乾燥卵白タンパク質、液体卵白タンパク質、卵白タンパク質粉末、単離オボアルブミンタンパク質、およびこれらの組み合わせが含まれる。適切な単離卵タンパク質の例としては、オボアルブミン、オボグロブリン、オボムチン、オボムコイド、オボトランスフェリン、オボビテラ、オボビテリン、アルブミン、グロブリン、ビテリン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。卵タンパク質製品は、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、または他の鳥の卵に由来し得る。
【0025】
(iii)植物由来のタンパク質
例示的な実施形態では、植物に由来する少なくとも1種の原料を使用して、構造化タンパク質製品を形成することができる。一般的に言えば、原料はタンパク質を含み得る。植物に由来するタンパク質含有材料は、植物抽出物、植物ミール、植物由来粉、植物タンパク質単離物、植物タンパク質濃縮物、およびこれらの組み合わせであり得る。
【0026】
押出成形において使用される原料は、様々な適切な植物から得ることができる。植物は従来の方法で栽培されてもよいし、有機栽培されてもよい。非限定的な例として、適切な植物には、アマランス、クズウコン、大麦、ソバ、キャッサバ、キャノーラ、ヒヨコマメ(ガルバンゾ)、トウモロコシ、カムート、ヒラマメ、ルピナス、キビ、オート麦、エンドウ豆、ピーナツ、ポテト、キノア、米、ライ麦、モロコシ属、ヒマワリ、タピオカ、ライ小麦、小麦、またはこれらの混合物が含まれる。例示的な植物には、大豆、小麦、キャノーラ、トウモロコシ、ルピナス、オート麦、エンドウ豆、ポテト、および米が含まれる。
【0027】
一実施形態では、原料は小麦および大豆から単離され得る。別の例示的な実施形態では、原料は大豆から単離され得る。さらなる実施形態では、原料は小麦から単離され得る。適切な小麦由来タンパク質含有原料には、小麦グルテン、小麦粉、およびこれらの混合物が含まれる。本発明において使用することができる市販の小麦グルテンの例としては、Manildra Gem of the West Vital Wheat GlutenおよびManildra Gem of the West Organic Vital Wheat Glutenが挙げられ、これらはそれぞれManildra Millingから入手可能である。適切な大豆由来タンパク質含有原料(「大豆タンパク質材料」)は、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物を含み、これらはそれぞれ以下で詳述される。
【0028】
例示的な実施形態では、上記で詳述したように、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物は、押出成形法において使用することができる。大豆タンパク質材料は、当該技術分野において一般に知られている方法に従って全大豆から得ることができる。全大豆は、標準の大豆(すなわち、非遺伝子改変大豆)、有機大豆、商品化された大豆、遺伝子改変大豆、およびこれらの組み合わせでよい。
【0029】
一実施形態では、大豆タンパク質材料は、大豆タンパク質単離物(SPI)であり得る。一般に、大豆タンパク質単離物は、無水ベースで少なくとも約90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する。一般的に言えば、大豆タンパク質単離物が使用される場合、好ましくは、高度に加水分解された大豆タンパク質単離物でない単離物が選択される。しかしながら、特定の実施形態では、他の大豆タンパク質単離物と併用して、高度に加水分解された大豆タンパク質単離物が使用されてもよいが、ただし通常、合わせた大豆タンパク質単離物のうちの高度に加水分解された大豆タンパク質単離物の含量は、合わせた大豆タンパク質単離物の約40%重量未満であることを条件とする。さらに、使用される大豆タンパク質単離物は、好ましくは、押出成形の際に単離物中のタンパク質が実質的に整列した繊維を形成できるようにするために十分なエマルジョン強度およびゲル強度を有する。本発明において有用な大豆タンパク質単離物の例は、例えば、Solae,LLC(St.Louis,MO.)から市販されており、SUPRO(登録商標)500E、SUPRO(登録商標)EX33、SUPRO(登録商標)620、SUPRO(登録商標)EX45、SUPRO(登録商標)595、およびこれらの組み合わせを含む。例示的な実施形態では、SUPRO(登録商標)620の形態は実施例3において詳述されるように用いられる。
【0030】
あるいは、大豆タンパク質材料源として、大豆タンパク質単離物の一部の代わりになるために大豆タンパク質濃縮物が大豆タンパク質単離物とブレンドされてもよい。通常、大豆タンパク質濃縮物が大豆タンパク質単離物の一部の代わりに使用される場合、大豆タンパク質濃縮物は、大豆タンパク質単離物の約55重量%までの代わりに使用される。大豆タンパク質濃縮物は、大豆タンパク質単離物の約50重量%までの代わりに使用することができる。実施形態では、大豆タンパク質単離物の代わりに40重量%の大豆タンパク質濃縮物を使用することも可能である。別の実施形態では、代用される大豆タンパク質濃縮物の量は、大豆タンパク質単離物の約30重量%までである。本発明において有用な適切な大豆タンパク質濃縮物の例としては、PROCONTM、ALPHATM12、ALPHATM5800、およびこれらの組み合わせが挙げられ、これらはSolae,LLC(St.Louis,MO.)から市販されている。
【0031】
さらに別の実施形態では、大豆タンパク質材料は、無水ベースで約49%〜約65%のタンパク質含量を有する大豆粉であってもよい。大豆粉が大豆タンパク質単離物の一部の代わりに使用される場合、大豆粉は、大豆タンパク質単離物の約35重量%までの代わりに使用される。大豆粉は、高タンパク質分散指数(PDI)の大豆粉でなければならない。大豆粉が使用される場合、出発材料は、好ましくは、脱脂した大豆の粉またはフレークである。全脂大豆は、約40重量%のタンパク質および約20重量%の油を含有する。これらの全脂全大豆は、脱脂大豆粉またはフレークが出発タンパク質材料を形成する場合には、従来の方法によって脱脂され得る。例えば、豆は洗浄され、皮が剥かれ、破砕され、一連のフレーキングロールを通過させられ、そして次に、油を抽出して「使用済フレーク」を製造するためにヘキサンまたは他の適切な溶媒の使用による溶媒抽出を受けることができる。脱脂フレークは大豆粉を製造するために粉砕され得る。この方法はまだ全脂大豆粉と共に使用されていないが、全脂大豆粉もタンパク質源として役立つことができると考えられる。しかしながら、全脂大豆粉が加工される場合、油を除去するために、3段階遠心分離などの分離工程を用いる必要がある可能性が最も高い。あるいは、大豆粉は、大豆タンパク質単離物または大豆タンパク質濃縮物とブレンドされてもよい。
【0032】
(iv)タンパク質含有材料の組み合わせ
様々な源から単離されるタンパク質含有材料の非限定的な組み合わせは、表Aに詳述される。一実施形態では、タンパク質含有材料は大豆に由来する。好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆および小麦に由来する材料の混合物を含む。別の好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆およびキャノーラに由来する材料の混合物を含む。さらに別の好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆、小麦、および乳製品に由来する材料の混合物を含み、ここで、乳タンパク質は乳清である。
【0033】

【0034】
(表A続き)

【0035】
(表A続き)

【0036】
表Aに詳細に記載される実施形態のそれぞれにおいて、タンパク質含有材料の組み合わせは、デンプン、小麦粉、グルテン、食物繊維、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種または複数の原料と混ぜ合わせることができる。一実施形態では、タンパク質含有材料は、タンパク質、デンプン、グルテン、および繊維を含む。例示的な実施形態では、タンパク質含有材料は、乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質、乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテン、乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプン、および乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維を含む。上述の実施形態のそれぞれにおいて、タンパク質含有材料は、リン酸二カルシウム、L−システイン、ならびにリン酸二カルシウムおよびL−システインの組み合わせを含んでもよい。
【0037】
(b)付加的な原料
(i)炭水化物
タンパク質に加えて他の原料添加剤も構造化タンパク質製品中で使用され得ることが想定される。このような原料の非限定的な例としては、糖、デンプン、オリゴ糖、および食物繊維が挙げられる。一例として、デンプンは、小麦、トウモロコシ、タピオカ、ポテト、米などに由来し得る。適切な繊維源は、大豆子葉繊維であり得る。一般に、大豆タンパク質および大豆子葉繊維の混合物が同時押出成形される場合、適切な大豆子葉繊維は通常水と有効に結合し得る。これに関連して、「水と有効に結合する」は、一般に、大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも5.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有し、好ましくは大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも約6.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有することを意味する。大豆子葉繊維は、一般に、無水ベースで約1重量%〜約20重量%、好ましくは無水ベースで約1.5重量%〜約20重量%、そして最も好ましくは無水ベースで約2重量%〜約5重量%の範囲の量で大豆タンパク質含有材料中に存在し得る。適切な大豆子葉繊維は市販されている。例えば、FIBRIM(登録商標)1260およびFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(St.Louis,MO.)から市販されている大豆子葉繊維材料である。
【0038】
(ii)pH調整剤
いくつかの実施形態では、タンパク質含有材料のpHを酸性pH(すなわち、約7.0よりも低い)に下げることが望ましいこともある。従って、タンパク質含有材料はpH低下剤と接触させることができ、次に、混合物は以下で詳述される方法に従って押し出される。一実施形態では、押し出されるタンパク質含有材料のpHは約6.0〜約7.0の範囲でよい。別の実施形態では、pHは約5.0〜約6.0の範囲でよい。代替の実施形態では、pHは約4.0〜約5.0の範囲でよい。さらに別の実施形態では、材料のpHは約4.0未満でよい。
【0039】
いくつかのpH低下剤は本発明で使用するのに適している。pH低下剤は有機でよい。あるいは、pH低下剤は無機でもよい。例示的な実施形態では、pH低下剤は食品グレードの食用酸である。本発明で使用するのに適した非限定的な酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な実施形態では、pH低下剤は乳酸である。
【0040】
当業者により認識されるように、タンパク質含有材料と接触されるpH低下剤の量は、選択される薬剤および所望のpHを含むいくつかのパラメータに依存して異なることが可能であり、異なるであろう。一実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.1%〜約15%の範囲でよい。別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約10%の範囲でよい。代替の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約1%〜約5%の範囲でよい。さらに別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約2%〜約3%の範囲でよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、タンパク質含有材料のpHを上昇させることが望ましいこともある。従って、タンパク質含有材料はpH上昇剤と接触させることができ、次に、混合物は以下で詳述される方法に従って押し出される。
【0042】
(iii)酸化防止剤
本発明の範囲から逸脱することなく、上述のタンパク質含有材料の組み合わせのいずれかに1種または複数の酸化防止剤が添加されてもよい。酸化防止剤は、貯蔵寿命を長くするため、あるいは構造化タンパク質製品を栄養的に強化するために含まれ得る。適切な酸化防止剤の非限定的な例としては、BHA、BHT、TBHQ、ビタミンA、ビタミンC、およびビタミンE、これらのビタミンの誘導体、ならびに酸化防止特性を有するカロテノイド、トコフェロールまたはフラボノイドを含有するものなどの種々の植物抽出物、そしてこれらの組み合わせが挙げられる。酸化防止剤は合わせて、押出され得るタンパク質含有材料の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、そしてより好ましくは約0.1重量%〜約2重量%のレベルの存在量を有し得る。
【0043】
(iv)ミネラルおよびアミノ酸
タンパク質含有材料は、場合により、補足的なミネラルを含むこともできる。適切なミネラルは、1種または複数のミネラルまたはミネラル源を含み得る。ミネラルの非限定的な例としては、塩素、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。前述のミネラルのいずれかの適切な形態には、可溶性ミネラル塩、わずかに可溶性のミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化ミネラル、ミネラル錯体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、還元ミネラル、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0044】
遊離アミノ酸もタンパク質含有材料中に含まれ得る。適切なアミノ酸には、必須アミノ酸、すなわち、アルギニン、システイン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およびこれらの組み合わせが含まれる。アミノ酸の適切な形態には、塩およびキレートが含まれる。
【0045】
(v)着色剤
構造化タンパク質製品は、1種または複数の着色剤を含んでもよい。着色剤は、押出成形機内に供給する前にタンパク質含有材料および他の原料と混合される。あるいは、着色剤は、押出成形機内で、または押出成形法の最中に、タンパク質含有材料および他の原料と混合される。使用することができる例示的な着色剤は、食品産業において現在使用されている任意の着色剤である。さらなる例は以下で提供される。
【0046】
(c)乾燥構造化タンパク質製品の製造方法
本発明の乾燥構造化タンパク質製品は、高い温度および圧力の条件下でタンパク質含有材料をダイアセンブリから押し出すことによって製造される。通常、タンパク質含有材料は、他の主要栄養素、微量栄養素、および任意的な原料と混ぜ合わせることができる。押出成形の後、得られる乾燥構造化タンパク質製品は、実質的に整列したタンパク質繊維を含む。
【0047】
(i)含水量
当業者により認識されるように、タンパク質含有材料の含水量は押出成形法に依存して異なることが可能であり、異なるであろう。一般的に言えば、含水量は約1重量%〜約80重量%の範囲でよい。低水分の押出用途では、タンパク質含有材料の含水量は約1重量%〜約35重量%の範囲でよい。あるいは、高水分の押出用途では、タンパク質含有材料の含水量は約35重量%〜約80重量%の範囲でよい。例示的な実施形態では、押出物を形成するために用いられる押出用途は低水分である。実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を製造するための低水分押出成形法の例示的な例は、以下および実施例3において詳述される。
【0048】
(ii)押出成形
構造化タンパク質製品を調製するために適切な押出成形法は、タンパク質含有材料および他の原料を混合タンク(すなわち、原料ブレンダ)内に導入し、原料を混ぜ合わせて、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスを形成することを含む。一実施形態では、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは、少なくとも1種の着色剤と混ぜ合わせることができる。ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは次にホッパーに移され、ブレンドされた原料は、そこから水分と共に押出成形機内に導入され得る。別の実施形態では、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは、調整済タンパク質材料混合物を形成するために調整剤と混ぜ合わせることができる。代替の実施形態では、少なくとも1種の着色剤は、着色調整済タンパク質材料混合物を形成する調整剤と混ぜ合わせることができる。次に、調整済材料は、押出成形機内に供給することができ、タンパク質材料混合物はそこで押出成形機のスクリューにより生じる機械的圧下で加熱されて、着色溶融押出塊を形成する。例示的な実施形態では、少なくとも1種の着色剤は、1つまたは複数の注入ジェットを介して押出成形機バレル内に注入され得る。押出物は押出ダイを通って押出成形機を出て行き、実質的に整列したタンパク質繊維を含む。
【0049】
(iii)押出成形法の条件
本発明の実施において有用である適切な押出成形装置の中には、例えば、米国特許第4,600,311号明細書に記載されるようなダブルバレルのツインスクリュー押出成形機がある。適切な市販の押出成形装置のさらなる例としては、CLEXTRAL Model BC−72押出成形機(Clextral,Inc.(Tampa,Florida)により製造される)、WENGER Model TX−57押出成形機、WENGER Model TX−168押出成形機、およびWENGER Model TX−52押出成形機(全てWenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,Kansas)により製造される)が挙げられる。本発明における使用に適した他の従来の押出成形機は、例えば、米国特許第4,763,569号明細書、米国特許第4,118,164号明細書、および米国特許第3,117,006号明細書に記載されており、これらは参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0050】
シングルスクリュー押出成形機も本発明において使用され得る。適切な市販のシングルスクリュー押出成形装置の例としては、WENGER Model X−175、WENGER Model X−165、およびWENGER Model X−85が挙げられ、これらは全て、Wenger Manufacturing,Inc.から入手可能である。
【0051】
ツインスクリュー押出成形機のスクリューは、バレル内で同一または反対方向に回転することができる。同一方向のスクリューの回転はシングルフローと呼ばれ、反対方向のスクリューの回転はダブルフローまたはカウンター回転と呼ばれる。押出成形機のスクリューの速度は特定の装置に依存して異なり得るが、通常は、約250〜約450回転/分(rpm)である。一般に、スクリュー速度が増大するにつれて、押出物の密度は低下し得る。押出成形装置は、植物タンパク質材料の押出のための押出成形装置の製造業者により推奨されるように、シャフトおよびウォームセグメントから組み立てられたスクリューと、混合ローブ(lobe)およびリング型せん断ロック要素とを含有する。
【0052】
押出成形装置は一般に複数の加熱ゾーンを含み、タンパク質混合物は、押出ダイを通って押出成形装置を出て行く前に、機械的な圧力下で加熱ゾーン内を搬送される。連続する加熱ゾーンのそれぞれの温度は、通常、前の加熱ゾーンの温度を約10℃〜約70℃だけ上回る。一実施形態では、調整済プレミックスは押出成形装置内の4つの加熱ゾーンを通って移動され、溶融押出塊が約100℃〜約150℃の温度で押出ダイに入るように、タンパク質混合物は約100℃〜約150℃の温度に加熱される。当業者は、所望の特性を達成するために温度を調整して加熱または冷却できるであろう。通常、温度変化は作業入力によるものであり、突然起こり得る。
【0053】
押出成形機バレル内の圧力は、通常、約50psig〜約500psigの間であり、好ましくは約75psig〜約200psigの間である。一般に、最後の2つの加熱ゾーン内の圧力は、約100psig〜約3000psigであり、好ましくは約150psig〜約500psigの間である。バレル圧力は、例えば、押出成形機スクリュー速度、混合物のバレルへの供給速度、水のバレルへの供給速度、およびバレル内の溶融塊の粘度を含む多数の因子に依存する。
【0054】
水は押出成形機バレル内に注入され、タンパク質材料混合物を水和させ、タンパク質のテクスチャ化(texturization)を促進することができる。溶融押出塊の形成の補助として、水は可塑剤の働きをすることができる。水は、加熱ゾーンと連通する1つまたは複数の注入ジェットを介して押出成形機バレルに導入することができる。一実施形態では、タンパク質材料混合物を着色するために、水は少なくとも1種の着色剤と混ぜ合わせられて、押出成形機バレル内に注入され得る。通常、バレル内の混合物は、約1重量%〜約35重量%の水を含有する。一実施形態では、バレル内の混合物は約5重量%〜約20重量%の水を含有する。加熱ゾーンのいずれかへの水の導入速度は、一般に、所望の特性を有する押出物の製造を促進するために制御される。水のバレルへの導入速度が低下するにつれて、押出物の密度は低下することが観察されている。通常、タンパク質1kgあたり約1kg未満の水がバレルに導入される。好ましくは、タンパク質1kgあたり約0.1kg〜約1kgの水がバレルに導入される。
【0055】
(iv)任意的な予備調整
予備調整器において、タンパク質含有材料および場合により付加的な原料(タンパク質含有混合物)は予備加熱され、水分と接触され、そして制御された温度および圧力条件下に保持されて、水分が個々の粒子に浸透して軟化できるようにする。一実施形態では、タンパク質含有材料および場合により付加的な原料は、少なくとも1種の着色剤と混ぜ合わせることができる。予備調整工程は微粒子繊維状材料混合物のバルク密度を増大させ、その流動特性を改善する。予備調整器は、タンパク質の均一の混合と、予備調整器を通るタンパク質混合物の移動とを促進するために、1つまたは複数のパドルを含有する。パドルの形状および回転速度は、予備調整器の容量、押出成形機のスループットおよび/または予備調整器または押出成形機バレル内での混合物の所望の滞留時間に依存して大きく異なる。一般に、パドルの速度は約100〜約1300回転/分(rpm)である。攪拌は均一な水和および良好な混合を得るため十分高くなければならない。
【0056】
通常、タンパク質含有混合物は、プレミックスを水分(すなわち、スチームおよび/または水)と接触させることによって、押出成形装置内に導入される前に予備調整される。一実施形態では、プレミックスは、水分および少なくとも1種の着色剤と混ぜ合わせることができる。好ましくは、タンパク質含有混合物は予備調整器内で約25℃〜約80℃、より好ましくは約30℃〜約40℃の温度に加熱される。
【0057】
通常、タンパク質含有プレミックスは、予備調整器の速度およびサイズに応じて、約0.5分〜約10.0分間調整される。例示的な実施形態では、タンパク質含有プレミックスは約3.0分〜約5.0分間調整される。さらなる例では、調整時間は約30秒〜約60秒間である。プレミックスは、スチームおよび/または水と接触され、所望の温度を達成するためにほぼ一定のスチーム流量で予備調整器内で加熱される。水および/またはスチームはプレミックスを調整し(すなわち、水和させ)、その密度を増大させ、そしてタンパク質がテクスチャ化される押出成形機バレルに導入される前に妨害されることなく乾燥ミックスの流動性を促進する。低水分プレミックスが所望される場合、調整済プレミックスは約1%〜約35%(重量による)の水を含有することができる。高水分プレミックスが所望される場合、調整済プレミックスは、約35%〜約80%(重量による)の水を含有することができる。
【0058】
調整済プレミックスは通常、約0.25g/cm3〜約0.60g/cm3のバルク密度を有する。一般に、予備調整済タンパク質混合物のバルク密度がこの範囲内で上昇するにつれて、タンパク質混合物は加工が容易になる。現在これはこのような混合物が押出成形機のスクリュー間の空間の全てまたは大部分を占め、それによりバレルを通る押出塊の搬送を容易にするためであると考えられている。
【0059】
(v)押出成形法
乾燥プレミックスまたは調整済プレミックスは次に押出成形機内に供給され、混合物は加熱、せん断、そして最後に可塑化される。押出成形機は、任意の市販の押出成形機から選択することができ、スクリュー要素により混合物を機械的にせん断するシングルスクリュー押出成形機または好ましくはツインスクリュー押出成形機でよい。
【0060】
プレミックスが一般に押出成形装置に導入される速度は、特定の装置に依存して異なるであろう。一般に、プレミックスは、約75キログラム/分以下の速度で導入される。一般に、プレミックスの押出成形機への供給速度が増大するにつれて押出物の密度は低下することが観察されている。どんな押出成形機が使用されても、約50%過剰のモーター負荷で作動させるべきである。プレミックスが一般に押出成形装置に導入される速度は、特定の装置に依存して異なるであろう。通常、調整済プレミックスは、約16キログラム/分〜約60キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。別の実施形態では、調整済プレミックスは、20キログラム/分〜約40キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。調整済プレミックスは、約26キログラム/分〜約32キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。一般に、押出成形機へのプレミックスの供給速度が増大するにつれて押出物密度が低下することが観察されている。
【0061】
プレミックスは押出成形機によるせん断および圧力を受けて、混合物が可塑化される。押出成形機のスクリュー要素は混合物をせん断すると共に、混合物を押出成形機およびダイを通って前方に押し出すことによって押出成形機内に圧力を生じる。スクリューモーター速度は、スクリューにより混合物に加えられるせん断および圧力の量を決定する。好ましくは、スクリューモーター速度は、約200rpm〜約500rpm、より好ましくは約300rpm〜約450rpmの速度に設定され、これにより混合物は、少なくとも約20キログラム/分、より好ましくは少なくとも約40キログラム/分の速度で押出成形機内を移動される。好ましくは、押出成形機は約500〜約3000psigの押出成形機バレルの出口圧力を生じ、より好ましくは、約600〜約1000psigの押出成形機バレルの出口圧力が生じる。
【0062】
押出成形機は、混合物が押出成形機を通過する際に混合物の加熱し、混合物中のタンパク質をさらに変性させる。押出成形機を通過すると、変性タンパク質は再構築または再構成されて、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質材料を生じる。押出成形機は、混合物を約100℃〜約180℃の温度に加熱するための手段を含む。好ましくは、押出成形機内で混合物を加熱するための手段は押出成形機バレルジャケットを含み、スチームまたは水などの加熱または冷却手段をジャケット内に導入して、押出成形機を通過する混合物の温度を制御することができる。押出成形機は、押出成形機内の混合物にスチームを直接注入するためのスチーム注入ポートも含む。押出成形機は、押出成形機内の混合物に着色剤を直接注入するための着色剤注入ポートも含むことができる。押出成形機は、好ましくは、独立した温度に制御することができる多数の加熱ゾーンを含み、加熱ゾーンの温度は好ましくは、押出成形機内を通る際に混合物の温度を上昇させるように設定される。1つの実施形態では、押出成形機は4つの温度ゾーン構成で設定することができ、第1のゾーン(押出成形機の入口ポートに隣接)は約80℃〜約100℃の温度に設定され、第2のゾーンは約100℃〜135℃の温度に設定され、第3のゾーンは135℃〜約150℃の温度に設定され、そして第4のゾーン(押出成形機の出口ポートに隣接)は150℃〜180℃の温度に設定される。押出成形機は、所望されるように他の温度ゾーン構成で設定されてもよい。別の実施形態では、押出成形機は、5つの温度ゾーン構成で設定されてもよく、第1のゾーンは約25℃の温度に設定され、第2のゾーンは約50℃の温度に設定され、第3のゾーンは約95℃の温度に設定され、第4のゾーンは約130℃の温度に設定され、そして第5のゾーンは約150℃の温度に設定される。さらに別の実施形態では、押出成形機は6つの温度ゾーン構成で設定することができ、第1のゾーンは約90℃の温度に設定され、第2のゾーンは約100℃の温度に設定され、第3のゾーンは約105℃の温度に設定され、第4のゾーンは約100℃の温度に設定され、第5のゾーンは約120℃の温度に設定され、そして第6のゾーンは約130℃の温度に設定される。
【0063】
混合物は、押出成形機において溶融可塑化塊を形成する。ダイアセンブリは可塑化混合物が押出成形機の出口ポートからダイアセンブリへ流れることができるような構成で押出成形機に取り付けられ、ダイアセンブリを通って流れる際に可塑化混合物内のタンパク質繊維の実質的な整列が生じる。ダイアセンブリは、面板ダイまたは周囲ダイのいずれかを含むことができる。
【0064】
ダイ孔の幅および高さ寸法は、混合物の押出の前に、所望の寸法を有する繊維状材料の押出物を提供するように選択および設定される。ダイ孔の幅は、押出物が立体の塊肉からステーキヒレ肉までに似ているように設定することができ、ダイ孔の幅を広くすると、押出物の立体の塊のような性質が低下し、押出物のヒレ肉のような性質が高まる。好ましくは、ダイ孔の幅は、約5ミリメートル〜約40ミリメートルの幅に設定される。
【0065】
ダイ孔の高さ寸法は、押出物の所望の厚さを提供するように設定することができる。孔の高さは、非常に薄い押出物または厚い押出物を提供するように設定することができる。好ましくは、ダイ孔の高さは、約1ミリメートル〜約30ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル〜約16ミリメートルに設定され得る。
【0066】
また、ダイ孔は円形であり得ることも考えられる。ダイ孔の直径は、押出物の所望の厚さを提供するように設定することができる。孔の直径は、非常に薄い押出物または厚い押出物を提供するように設定することができる。好ましくは、ダイ孔の直径は、約1ミリメートル〜約30ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル〜約16ミリメートルに設定され得る。
【0067】
図面(図3〜8)を参照すると、図3には周囲ダイアセンブリの一実施形態が例示され、概略的に10で示される。周囲ダイアセンブリ10は、以下により詳細に論じられるように、押出物のタンパク質繊維の実質的に平行な整列が生じるように植物タンパク質−水混合物などの押出物を押し出すために、押出成形法において使用することができる。代替例では、押出物は食肉および/または植物タンパク質−水混合物から製造され得る。
【0068】
図3および4に示されるように、周囲ダイアセンブリ10は、2つの部分からなる円筒形状スリーブダイ本体17を有するダイスリーブ12を含み得る。スリーブダイ本体17は、反対側の開口部72、74と連通する内部領域31を集合的に画定するエンドプレート20に結合された後方部分18を含み得る。ダイスリーブ12は、押出成形法において周囲ダイアセンブリ10からの実質的に平行な押出物の流れを容易にするのに必要な構造要素を提供するために、ダイインサート14およびダイコーン16を受け入れるように適合され得る。
【0069】
一実施形態では、ダイスリーブ12のエンドプレート20は、周囲ダイアセンブリ10の組み立て中にエンドプレート20がダイスリーブ12の後方部分18に固定されたときに、ダイインサート14と相互作用するように適合されたダイコーン16に固定され得る。さらに示されるように、ダイスリーブ12の後方部分18は、押出成形法において押出物が周囲ダイアセンブリ10から出るための導管を提供するように適合された複数の円形状の排出口24をスリーブ本体17に沿って画定する。代替例では、複数の排出口24は、正方形、矩形、スカラップ形または不規則形などの異なる形状を有することができる。さらに示されるように、ダイスリーブ12の後方部分18は円形フランジ37を含むことができ、円形フランジ37は開口部72を包囲し、そしてダイスリーブ12を押出成形装置(図示せず)に係合するときにダイスリーブ12を適切に整列した合わせするために使用される一対の反対側のスロット82Aおよび82Bを画定する。
【0070】
図3〜8を参照すると、ダイインサート14の一実施形態は円筒形状のダイインサート本体19を含むことができ、これは、後面および前面27、29の間に画定されたスロート34を通して反対側の後面29と連通する前面27を有する。ダイインサート14の前面27は複数の隆起した分流器38と連通する傾斜底部64を画定することができ、分流器38はダイインサート本体19の前面27の周囲に離間されており、スロート34と連通する内部空間44を包囲する。一実施形態では、分流器38はパイ状の形状を有し得るが、他の実施形態は周囲ダイアセンブリ10の排出口24を通る押出物の流れをそらして一箇所に集めるように適合された他の形状を有することができる。さらに、ダイインサート14の前面27は、それぞれの排出口24と連通するように適合された複数の開口部70を画定し、開口部70は、ダイインサート14の周囲エッジの周囲に離間されている。
【0071】
図3、4、および7を参照すると、ダイインサート14の後面および前面27、29の間に画定されたスロート34は、ダイインサート本体19の後面29に沿って画定されたウェル52(図5および6)と連通する開口部36(図5)と連通する。一実施形態では、ウェル52は、フランジ90(図5)によって包囲された略ボウル形の立体配置形状を有する。ウェル52は、押出物が押出成形装置(図示せず)からダイインサート14に入るときに、押出物がスロート34に入り、開口部36を通って内部空間44(図7)内に流れて、実質的に平行な流れを有するのを可能にするように適合され得る。他の実施形態では、ウェル52は、押出物がダイインサート14の前面29に入るときにスロート34を通る押出物の実質的に平行な流れを可能にするために、適切な大きさにして様々な形状に形作ることができる。
【0072】
図7および8に具体的に示されるように、各分流器38は、頂端部66で合致する反対側の側壁50と連通する斜めの周囲エッジ46を有する湾曲後部68を画定する隆起した形状を有する。さらに、各分流器38は、ダイコーン16(図4)と相互作用するように適合されたパイ状の表面48を画定する。さらに示されるように、隣接する流器38の反対側の側壁50およびダイインサート14の底部64は、周囲ダイアセンブリ10が完全に組み立てられたときに流路40(図5)の一部を形成するテーパー状の流れ経路42を集合的に画定する。流れ経路42は一方の端で入口84と、そして流れ経路42の末端部でそれぞれの排出口24と連通し得る。
【0073】
さらに示されるように、各流れ経路42は、隣接する分流器38の反対側の側壁50およびダイインサート14の底部64傾斜形状の間に集合的に画定された3面テーパー形状を有する。一実施形態では、この3面テーパー形状は、入口84から排出口24への流れ経路42の3つ全ての側面において内側に徐々に細くなる。
【0074】
実施形態では、ダイインサート14の前面27は、全部で8つの流れ経路42のために、隣接する分流器38の間にそれぞれの流れ経路42を画定する8つの分流器38を含むことができる。しかしながら、他の実施形態は、ダイインサート14の前面27に沿って少なくとも2つまたはそれ以上の流れ経路42を提供するために、ダイインサート14の76(図4)の周囲エッジの周囲に離間された少なくとも2つまたはそれ以上の分流器38を画定し得る。
【0075】
押出成形法において、図5、6、7、および8に示されるように、周囲ダイアセンブリ10は、流路Aにより示されるように、ダイインサート14の後面29により画定されるウェル52と接触し、スロート34に流入して内部空間開口部36に入る押出物を生じる押出成形装置(図示せず)と作用的に係合され得る。押出物は、ダイインサート14により画定される内部空間44に入り、各テーパー状の流路42の入口84に入ることができる。上記のように、押出物は次に各流路42を通って流れ、周囲ダイアセンブリ10によって製造される押出物中の植物タンパク質繊維の実質的な整列が生じるように、それぞれの排出口24から出る。
【0076】
実質的に整列した構造化タンパク質繊維を製造するために本発明で使用するのに適した周囲ダイアセンブリの例は、米国特許出願第60/882,662号明細書、および米国特許出願第11/964,538号明細書に記載されており、これらは参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0077】
押出物は、ダイアセンブリを出た後に切断される。押出物を切断するために適切な装置としては、Wenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,KS)およびClextral,Inc.(Tampa,FL)により製造されるフレキシブルナイフが挙げられる。通常、切断装置の速度は約1000rpm〜約2500rpmである。例示的な実施形態では、切断装置の速度は約1600rpmである。遅延切断が押出物に行われてもよい。このような遅延切断装置の一例はギロチン装置である。
【0078】
乾燥器(1つが使用される場合)は、一般に、空気温度が異なり得る複数の乾燥ゾーンを含む。当該技術分野において知られている例としては、対流乾燥器が挙げられる。押出物は、所望の含水量を有する押出物を生じるのに十分な時間、乾燥器内に存在するであろう。従って、空気の温度は重要ではなく、より低い温度が使用される(50℃など)場合には、より高い温度が使用される場合よりも長い乾燥時間が必要とされるであろう。一般に、1つまたは複数のゾーン内の空気の温度は、約100℃〜約185℃であろう。このような温度では、一般に、押出物は、少なくとも約45分間、より一般的には少なくとも約65分乾燥される。適切な乾燥器としては、CPM Wolverine Proctor(Lexington、NC)、National Drying Machinery Co.(Trevose、PA)、Wenger(Sabetha、KS)、Clextral(Tampa、FL)、およびBuehler(Lake Bluff、IL)により製造されるものが挙げられる。
【0079】
別の選択は、マイクロ波により補助される乾燥を使用することである。この実施形態では、対流およびマイクロ波加熱の組み合わせを使用して、製品を所望の水分まで乾燥させる。マイクロ波により補助される乾燥は、強制空気対流加熱および乾燥を製品の表面に同時に用い、同時に、製品中に残存する水分を表面に押し出すマイクロ波加熱に製品をさらし、これにより対流加熱および乾燥を継続して製品を乾燥させることによって達成される。対流乾燥器のパラメータは既に記載したものと同一である。追加はマイクロ波加熱要素であり、マイクロ波の出力は、乾燥させる製品および所望の最終製品の水分に応じて調整される。一例として、製品は、マイクロ波エネルギーを製品に供給するための導波管と、マイクロ波がオーブンから出るのを防止するように設計されたチョークとを備えたトンネルを含有するオーブンを通して搬送することができる。製品がトンネルを通って搬送されると、対流およびマイクロ波加熱が同時に作用して製品の含水量を低下させ、乾燥させる。通常、空気温度は50℃〜約80℃であり、マイクロ波出力は、製品、製品がオーブン内にある時間、および所望される最終含水量に応じて変更される。
【0080】
所望の含水量は、押出物の意図される用途に依存して大きく異なり得る。一般的に言うと、押出された材料は10%未満の水分の含水量を有し、さらなる例として、所望される場合には材料は通常約5重量%〜約13重量%の含水量を有することができる。繊維を分離するために必要ではないが、水が吸収されるまで水中で水和させることとは、繊維を分離するための1つの方法である。タンパク質材料が乾燥されずに、または完全に乾燥されずにすぐに使用される場合、その含水量はより高く、一般に約16重量%〜約30重量%であり得る。高い含水量を有するタンパク質材料が製造される場合、製品の鮮度を保証し、腐敗を最小限にするためにタンパク質材料は即時の使用または冷蔵が必要であり得る。
【0081】
押出物の平均粒径を小さくするために、押出物はさらに砕かれてもよい。通常、小さくされた押出物は約0.1mm〜約40.0mmの平均粒径を有する。1つの例では、小さくされた押出物は約5.0mm〜約30.0mmの平均粒径を有する。別の実施形態では、小さくされた押出物は約0.5mm〜約20.0mmの平均粒径を有する。さらなる実施形態では、小さくされた押出物は約0.5mm〜約15.0mmの平均粒径を有する。付加的な実施形態では、小さくされた押出物は約0.75mm〜約10.0mmの平均粒径を有する。さらに別の実施形態では、小さくされた押出物は約1.0mm〜約5.0mmの平均粒径を有する。粒径を小さくするために適切な装置には、Hosokawa Micron Ltd.(England)により製造されるMikro Hammer Millなどのハンマーミル、Fitzpatrick Company(Elmhurst、IL)により製造されるFitzmill(登録商標)、Urschel Laboratories、Inc.(Valparaiso、IN)により製造されるComitrol(登録商標)プロセッサ、およびRossKamp Champion(Waterloo、IL)により製造されるRossKamp Roller Millなどのローラーミルが含まれる。
【0082】
(d)構造化タンパク質製品のキャラクタリゼーション
押出物は、通常、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を含む。本発明との関連では、「実質的に整列した」は、一般に、水平面で見たときに構造化タンパク質製品を形成するタンパク質繊維の著しく高い割合が約45°よりも小さい角度で互いに隣接しているようなタンパク質繊維の配列を指す。通常、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも55%は実質的に整列している。別の実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも60%は実質的に整列している。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも70%は実質的に整列している。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも80%は実質的に整列している。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも90%は実質的に整列している。
【0083】
タンパク質繊維の整列の度合いを決定するための方法は当該技術分野において知られており、顕微鏡写真画像に基づく視覚的な決定を含む。例として、図1および2は、著しく交差したタンパク質繊維を有するタンパク質製品と比較して実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品の違いを説明する顕微鏡写真画像を示す。図1は、実質的に整列したタンパク質繊維を有する上に詳述した押出法に従って調製した構造化タンパク質製品を示す。対照的に、図2は、著しく交差し、実質的に整列していないタンパク質繊維を含有するタンパク質製品を示す。図1に示されるようにタンパク質繊維が実質的に整列しているので、本発明において使用される構造化タンパク質製品は概して調理された筋肉のテクスチャおよび粘稠度を有する。対照的に、ランダムに配向された、あるいは交差されたタンパク質繊維を有する押出物は概して柔らかいまたはスポンジ状のテクスチャを有する。
【0084】
実質的に整列したタンパク質繊維を有することに加えて、構造化タンパク質製品は、通常、全食肉筋肉と実質的に同様のせん断強度も有する。本発明との関連では、「せん断強度」という用語は、全筋肉のようなテクスチャおよび外観を構造化タンパク質製品に付与するために十分な繊維網の形成を定量化するための1つの手段を提供する。せん断強度は、所与のサンプルをせん断するために必要とされる最大力(グラム)である。せん断強度を測定するための方法は、実施例1に記載されている。
【0085】
一般的に言えば、本発明の構造化タンパク質製品は、少なくとも1400グラムの平均せん断強度を有するであろう。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品、約1500〜約1800グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、約1800〜約2000グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、約2000〜約2600グラムの平均せん断強度を有し得る。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2200グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2300グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2400グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2500グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2600グラムの平均せん断強度を有し得る。
【0086】
構造化タンパク質製品内に形成されたタンパク質繊維のサイズを定量化するための手段は、シュレッドキャラクタリゼーション(shred characterization)試験によって行うことができる。シュレッドキャラクタリゼーションは、構造化タンパク質製品中に形成される大きい断片の割合を大まかに決定する試験である。間接的な方法で、シュレッドキャラクタリゼーションの割合は、構造化タンパク質製品中のタンパク質繊維の整列の度合いを定量化するための付加的な手段を提供する。一般的に言えば、大きい断片の割合が増大するにつれて、構造化タンパク質製品内で整列したタンパク質繊維の度合いも通常増大する。反対に、大きい断片の割合が低下するにつれて、構造化タンパク質製品内で整列したタンパク質繊維の度合いも通常低下する。
【0087】
シュレッドキャラクタリゼーションを決定するための方法は、実施例2において詳述される。本発明の構造化タンパク質製品は通常、大きい断片が少なくとも10重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約10重量%〜約15重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約15重量%〜約20重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約20重量%〜約25%重量の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。別の実施形態では、平均シュレッドキャラクタリゼーションは、大きい断片が少なくとも20重量%、少なくとも21重量%、少なくとも22重量%、少なくとも23重量%、少なくとも24重量%、少なくとも25重量%、または少なくとも26重量%である。
【0088】
本発明の適切な構造化タンパク質製品は、一般に、実質的に整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも1400グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも10重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。より一般的には、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも1800グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも15重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも2000グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも17%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。別の例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも2200グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも20重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。
【0089】
B.タンパク質含有材料の組み合わせ
乾燥食品組成物は、動物肉、動物由来のタンパク質、または植物由来のタンパク質の任意の組み合わせを含み得ることが考えられる。例示的な実施形態では、配合物は、上記で詳述した押出成形法によって製造された構造化タンパク質製品を含むであろう。通常、乾燥食品組成物中の動物肉の量と関連する構造化タンパク質製品の量は、組成物の意図される用途に依存して異なることが可能であり、異なるであろう。例として、比較的わずかな動物肉が所望される場合、乾燥食品組成物中の動物肉の濃度は、約45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、2重量%、または0重量%であり得る。あるいは、比較的多量の動物肉を有する乾燥食品組成物が所望される場合、乾燥食品組成物中の動物肉の濃度は、約50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%または95重量%であり得る。その結果として、乾燥食品組成物中の構造化タンパク質製品の濃度は、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、または99重量%であり得る。一実施形態では、乾燥食品組成物は、約0重量%の動物肉の濃度と、約30重量%〜約80重量%の食肉を含まない構造化タンパク質製品の濃度とを有するベジタリアン組成物である。さらなる実施形態では、乾燥食品組成物は、約40重量%〜約60重量%の構造化タンパク質製品と、約40重量%〜約60重量%の動物肉とを含む。
【0090】
乾燥食品組成物は、所望の最終製品に依存してある量の動物肉を含むことができる。既に検討したように、動物肉は、食品産業において使用される食肉または食肉形態であり得る。非限定的な例には、上記のI(1)(A)(a)(i)において検討した食肉または食肉製品が含まれる。
【0091】
2.脂肪
乾燥食品組成物は、大きく異なる脂肪含量を有することができる。一般に、乾燥食品組成物は、組成物の約1重量%〜約75重量%の脂肪含量を有する。より一般的には、量は、組成物の約1重量%〜約40重量%でよい。例えば、脂肪の量は、組成物の約1重量%〜約5重量%、約5重量%〜約10重量%、約10重量%〜約15重量%、約15重量%〜約20重量%、約20重量%〜約25重量%、約25重量%〜約30重量%、約30重量%〜約35重量%、約35重量%〜約40重量%、または40重量%よりも多くてもよい。
【0092】
一実施形態では、乾燥食品組成物は乳製品ベースの脂肪を含む。適切な乳製品ベースの脂肪源の非限定的な例には、バター、チーズ、およびクリームが含まれる。別の実施形態では、乾燥食品組成物は植物ベースの脂肪を含む。適切な植物ベースの脂肪の非限定的な例としては、ヤシ油、ココナッツ油、綿実油、大豆油、コーン油、米油、ピーナッツ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ、アマニ油、グレープシード油、オリーブ油、およびこれらの混合物などの液体、固体、および半固体の水素化または部分水素化植物油が挙げられる。さらに別の実施形態では、乾燥食品組成物は動物ベースの脂肪を含む。適切な動物ベースの脂肪の非限定的な例としては、獣脂、ラード、鶏脂、魚油、およびこれらの混合物が挙げられる。通常、乾燥食品組成物は、ベジタリアン組成物として配合される植物由来の脂肪源を含み得る。
【0093】
3.炭水化物および繊維源
上記で詳述した主要栄養素は、穀類、デンプン、および繊維などの炭水化物材料を含有し得ると考えられるが、付加的な源が含まれてもよい。他の炭水化物源の他の適切な例としては、カムート、玄米、オート麦、大麦、米、トウモロコシ、ミロ、ポテト、コーンシロップ、糖、マルトデキストリン、糖蜜、全粒小麦、キノア、ヒマワリ種子ミール、アマニミール、ガーリック、レッドビート、大豆、ホウレンソウ、ニンジン、ブロッコリー、ブルーベリー、ローズマリー、およびこれらの混合物が挙げられる。炭水化物の量は、約1重量%〜約99重量%の炭水化物、より好ましくは約5重量%〜約50重量%の炭水化物の範囲でよい。
【0094】
繊維源の適切な例としては、セルロース、ヘミセルロース、コ−ンコブ、大豆皮、オカラ(大豆子葉繊維)、小麦フスマ、オオバコ種子殻(psyllium seed husk)、オート麦フスマ、ピーナッツ皮、もみ殻、および酵母細胞壁が挙げられる。あるいは、ポリデキストロース、Fibersol 2TM(Matsutani America)などの可溶性繊維も使用され得る。乾燥食品組成物は、約1重量%〜約20重量%の繊維、より一般的には約1重量%〜約10重量%の繊維を含み得る。
【0095】
(ii)微量栄養素
乾燥食品組成物は、一般に、ビタミンおよびミネラル、酸化防止剤、アミノ酸、およびこれらの組み合わせを含む微量栄養素を含むであろう。例示的な実施形態では、微量栄養素はω−3脂肪酸を含むであろう。
【0096】
ビタミンは、通常、脂溶性および水溶性ビタミンの混合物を含むであろう。適切なビタミンには、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、ビオチン、およびこれらの組み合わせが含まれる。ビタミンの形態には、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同一または類似の活性を有する化合物、およびビタミンの代謝産物が含まれ得る。
【0097】
適切なミネラルは、1種または複数のミネラルまたはミネラル源を含むことができる。ミネラルの非限定的な例としては、塩素、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。前述のミネラルのいずれかの適切な形態には、可溶性ミネラル塩、わずかに可溶性のミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化ミネラル、ミネラル錯体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、還元ミネラル、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0098】
さらなる実施形態では、乾燥食品組成物はさらに酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は天然でも合成でもよい。適切な酸化防止剤としては、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー(anoxomer)、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o−、m−またはp−アミノ安息香酸(oはアントラニル酸であり、pはPABAである)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カフェイン酸、カンタキサンチン、α−カロテン、β−カロテン、β−カラオテン(caraotene)、β−アポ−カロテン酸(carotenoic acid)、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリトルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチスセチン(datiscetin)、ミリセチン、ダエンフェロ(daemfero))、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、リンドウ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤカムガム(gum guaiacum)、ヘスペレチン、α−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸(hydroxycinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール(hydroxytryrosol)、ヒドロキシ尿素、米ぬか(ice bran)抽出物、乳酸およびその塩、レシチン、クエン酸レシチン、R−α−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド、クエン酸モノイソプロピル、モリン、β−ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルユビクロメル(phytylubichromel)、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランス−リスベラトロール、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわち、α−、β−、γ−およびδ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわち、α−、β−、γ−およびδ−トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわち、Ionox 100)、2,4−(トリス−3’,5’−ビ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわち、Ionox 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。乾燥食品組成物中の酸化防止剤の濃度は、約0.0001重量%〜約20重量%の範囲でよい。別の実施形態では、乾燥食品組成物中の酸化防止剤の濃度は、約0.001重量%〜約5重量%の範囲でもよい。さらに別の実施形態では、乾燥食品組成物中の酸化防止剤の濃度は、約0.01重量%〜約1重量%の範囲でもよい。
【0099】
ハーブは、特定の実施形態において使用するために適切であり得る。添加することができるハーブとしては、バジル、セロリリーフ、チャービル、チャイブ、シラントロ、パセリ、オレガノ、タラゴン、タイム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0100】
乾燥食品組成物はさらに、通常はシス配置の少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含むこともできる。PUFAは、少なくとも18個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸であり得る。例示的な実施形態では、PUFAは、第1の二重結合が炭素鎖のメチル末端(すなわち、カルボキシル酸基の反対側)から3番目の炭素−炭素結合で生じるω−3脂肪酸であり得る。ω−3脂肪酸の例としては、α−リノレン酸(18:3、ALA)、ステアリドン酸(18:4)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5、EPA)、ドコサテトラエン酸(22:4)、n−3ドコサペンタエン酸(22:5、n−3DPA)、ドコサヘキサエン酸(22:6、DHA)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。PUFAは、第1の二重結合がメチル末端から6番目の炭素−炭素結合で生じるω−6脂肪酸であってもよい。ω−6脂肪酸の例としては、リノール酸(18:2)、γ−リノレン酸(18:3)、エイコサジエン酸(20:2)、ジホモ−γ−リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、n−6ドコサペンタエン酸(22:5)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。脂肪酸は、オレイン酸(18:1)、エイコセン酸(20:1)、ミード酸(20:3)、エルカ酸(22:1)、ネルボン酸(24:1)、およびこれらの組み合わせなどのω−9脂肪酸であってもよい。
【0101】
(III)乾燥食品組成物/製品
上記で詳述した主要栄養素および微量栄養素は、様々な乾燥食品に配合することができる。例示的な実施形態では、配合物は、乾燥食品に関係なく、ある量の(I)(A)(iii)で詳述した構造化タンパク質製品を含むであろう。通常、以下で記載されるもののような乾燥食品組成物中の構造化タンパク質製品の量は、組成物の意図される用途に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。例示的な実施形態では、乾燥食品組成物は、約1重量%〜約99重量%の構造化タンパク質製品、または約1重量%〜約75重量%の構造化タンパク質製品、または約1重量%〜約50重量%の構造化タンパク質製品、または約1重量%〜約25重量%の構造化タンパク質製品、または約1重量%〜約15重量%の構造化タンパク質製品を含む。
【0102】
非限定的な例として、最終製品は、ジャーキー型食肉ストリップ、ケバブ製品、細断製品、チャンク肉製品、ナゲット製品、スティック・イン・ケーシング(stick in casing)製品、または砕いたトッピング製品などの乾燥食肉製品をシミュレートする中間水分食品を含む乾燥食品であり得る。
【0103】
乾燥食品は、様々な形状で製造することができる。形状の非限定的な例としては、骨型、チョップ型、丸、三角、チキン骨型、四角、長方形、ストリップ型、および管状が挙げられる。シングルダイロールにおいて種々の形状のモールドまたはキャビティーを用いることによって、異なる形状が同時に製造されてもよい。さらに、乾燥食品は、ダイロールのキャビティーまたはモールド内に含まれるロゴまたはデザインでエンボス加工または刻印されてもよい。一実施形態では、乾燥食品組成物は、高タンパク質食品トッピングとして使用するために貯蔵安定性の細断食肉およびクランブルに製造され得る。このような食品トッピングは、例えば、ライストッピング、サラダトッピング、ポテトトッピング、ピザトッピング、ヨーグルトトッピング、およびデザートトッピングを含む。別の実施形態では、乾燥食品組成物は、ジャーキー型食肉スナックに製造することができる。
【0104】
通常、乾燥食品は、箔で裏打ちされたバッグなどの適切な防水パッケージ内で少なくとも約6ヶ月間、好ましくは少なくとも約12ヶ月間、非冷蔵条件下で貯蔵安定性を示す。
【0105】
(IV)乾燥食品組成物/製品の調製
IIIで詳述した乾燥食品組成物/製品は、一般に、列挙されたタンパク質の要件の少なくとも一部を満たすために構造化タンパク質製品を含む。通常、食品組成物の製造方法は、構造化タンパク質製品を水和させてそのサイズを小さくし、強化剤を添加し、場合によりそれを着色および風味付けし、次に食品組成物を形成する原料の残りとブレンドすることを含む。次に、組成物は所望の形状に形成され、調理され、そして乾燥されて、約0.1〜約0.95の間の水分活性を達成する。一実施形態では、乾燥組成物は、約0.5〜約0.95の間の水分活性を有する中間水分食品である。別の実施形態では、乾燥組成物は、0.5未満の水分活性を有する。0.7〜0.95の範囲の水分活性では、酸素を除去し、それによりカビおよび病原体の成長を阻害するために、適切なパッケージおよびまたは脱酸素剤が必要とされ得る。
【0106】
構造化タンパク質製品に添加される水の量は所望される乾燥食品組成物に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。水は構造化タンパク質製品に添加されてもよい。あるいは、水、構造化タンパク質製品、および食品組成物を形成する付加的な原料は、同時に混合されてもよい。原料がいつ混ぜ合わせられるかに関係なく、乾燥食品組成物は、通常、約25重量%未満の含水量を有する。一実施形態では、乾燥した乾燥食品組成物は、約10重量%〜約20重量%の含水量を有する。例示的な実施形態、乾燥した乾燥食品組成物は、約12重量%未満の含水量を有する。
【0107】
構造化タンパク質製品は、強化剤と混ぜ合わせられ得ることも想定される。強化剤は、構造化大豆タンパク質製品のテクスチャを強化するために添加される。これは、通常、大豆タンパク質の溶解度を低下させ、水分保持の低下および水分放出の増強をもたらす。乾燥組成物中には最少量の水が配合される。従って、水和構造化大豆タンパク質から放出される水は、食肉抽出工程中に食肉および他の原料に利用可能となる。例として、乾燥食品組成物は、非酸性強化剤または酸性強化剤を含むことができる。非酸性強化剤の適切な例としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、クエン酸一カルシウム、クエン酸二カルシウム、クエン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、グルコン酸カルシウム、天然にがり(海塩)、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。酸性強化剤の適切な例としては、グルコン酸、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0108】
当業者により認識されるように、本発明で使用される強化剤の量は、選択される薬剤、所望のテクスチャ、および薬剤が添加される製造段階を含むいくつかのパラメータに依存して異なることが可能であり、異なるであろう。非限定的な例として、タンパク質材料と混ぜ合わせられる強化剤の量は乾燥物質ベースで約0.1%〜約15%の範囲であり得る。別の実施形態では、強化剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約10%の範囲であり得る。付加的な実施形態では、強化剤の量は乾燥物質ベースで約1%〜約5%の範囲であり得る。他の実施形態では、強化剤の量は乾燥物質ベースで約2%〜約3%の範囲であり得る。別の実施形態では、強化剤の量は乾燥物質ベースで約2.5%である。
【0109】
構造化タンパク質製品は、組成物の色が動物肉の色に似ているように適切な着色剤と混ぜ合わせられ得ることも想定される。一実施形態では、着色剤は、押出成形機内に供給する前にタンパク質含有材料および他の原料と混ぜ合わせることができる。別の実施形態では、着色剤は、押出成形機に供給した後でタンパク質含有材料および他の原料と混ぜ合わせることができる。さらに別の実施形態では、着色剤は、押出成形機を出た後でタンパク質含有材料および他の原料と混ぜ合わせることができる。本発明の乾燥食品組成物は、黒みがかった動物肉または白身の動物肉に似ているように着色することができる。例として、乾燥食品組成物は、天然着色剤、天然着色剤の組み合わせ、人工着色剤、人工着色剤の組み合わせ、または天然および人工着色剤の組み合わせで着色することができる。着色剤は、天然着色剤、天然着色剤の組み合わせ、人工着色剤、人工着色剤の組み合わせ、または天然および人工着色剤の組み合わせであり得る。食品における使用が認可された天然着色剤の適切な例としては、アンナット(赤みを帯びたオレンジ)、アントシアニン(赤〜青、pHに依存)、ビートジュース、β−カロテン(オレンジ)、β−APO 8 カロテナール(オレンジ)、クロフサスグリ、バーントシュガー(burnt sugar)、カンタキサンチン(ピンク−赤)、カラメル、カルミン/カルミン酸(鮮やかな赤)、コチニール抽出物(赤)、クルクミン(黄−オレンジ)、ラック(深紅)、ルテイン(赤−オレンジ)、リコペン(オレンジ−赤)、混合カロテノイド(オレンジ)、モナスカス(monascus)(赤−紫、発酵赤米から)、パプリカ、赤キャベツジュース、リボフラビン(黄)、サフラン、二酸化チタン(白)、ターメリック(黄−オレンジ)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。米国において食品使用が認可された人工着色剤の適切な例としては、FD&C Red No.3(エリスロシン)、FD&C Red No.40(アルラレッド)、FD&C Yellow No.5(タートラジン)、FD&C Yellow No.6(サンセットイエロー FCF)、FD&C Blue No.1(ブリリアントブルー FCF)、FD&C Blue No.2(インジゴチン)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。他の国で使用され得る人工着色剤としては、CI Food Red 3(カルモイシン)、CI Food Red 7(ポンソー4R)、CI Food Red 9(アマランス)、CI Food Yellow 13(キノリンイエロー)、CI Food Blue 5(パテントブルーV)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。食品着色剤は染料でもよく、これは水溶性の粉末、顆粒、または液体である。あるいは、天然および人工食品着色剤は、染料および不溶性材料の組み合わせであるレーキ顔料でもよい。レーキ顔料は油溶性ではないが、油に分散性であり、分散によって薄く着色する。
【0110】
着色剤の種類および着色剤の濃度は、シミュレートすべき動物肉の色と一致するように調整することができる。適切な着色剤は、様々な形態でタンパク質含有材料と混ぜ合わせることができる。非限定的な例としては、固体、半固体、粉末、液体、およびゲルが挙げられる。使用される着色剤の種類および濃度は、使用されるタンパク質含有材料および着色構造化タンパク質製品の所望の色に依存して異なり得る。通常、着色剤の濃度は、約0.001重量%〜約5.0重量%の範囲であり得る。一実施形態では、着色剤の濃度は、約0.01重量%〜約4.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、着色剤の濃度は、約0.05重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、着色剤の濃度は、約0.1重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、着色剤の濃度は、約0.5重量%〜約2.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、着色剤の濃度は、約0.75重量%〜約1.0重量%の範囲であり得る。
【0111】
着色系は、さらに、pHを着色剤に最適な範囲内に保持するためにpH調節剤を含むことができる。pH調節剤は酸味料であってもよい。食品に添加することができる酸味料の例としては、塩酸、クエン酸、酢酸(ビネガー)、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、リン酸、ソルビン酸、グルコン酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、安息香酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。通常、乾燥食品組成物中の酸味料の濃度は約0.001重量%〜約5重量%の範囲であり得る。一実施形態では、酸味料の濃度は約0.01重量%〜約2重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、酸味料の最終濃度は、約0.1重量%〜約1重量%の範囲であり得る。pH調節剤は、水酸化ナトリウム、二リン酸二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせなどのpH上昇剤であってもよい。
【0112】
本発明の着色組成物は、当業者に知られている方法および手順を用いて成分を混ぜ合わせることによって調製することができる。成分は通常、液体形態または粉末形態のいずれかで、多くの場合両方の形態で入手可能である。成分は直接混合されて着色組成物を形成することもできるが、好ましくは、着色組成物の原料は約10重量%〜約25重量%の合計濃度において水溶液中で混ぜ合わせられ、着色水溶液は、構造化タンパク質製品と混合してこれを着色するために多量の水に便利に添加することができる。
【0113】
構造化タンパク質製品は、製品の噛み応えまたは粘り強さを増ために、適切なpH低下剤と混合され得ることも想定される。pH低下剤は、組成物の製造の様々な段階で乾燥食品組成物と適切に接触され得る。一実施形態では、pH低下剤は植物タンパク質材料と接触され、次に混合物は、本明細書で詳述される方法に従って押し出される。あるいは、pH低下剤は、押し出された後に構造化植物タンパク質製品と接触されてもよい。
【0114】
pH低下剤が導入される製造段階に関係なく、適切な薬剤には、組成物のpHを約7.0よりも低い値まで低下させるものが含まれる。一実施形態では、pHは、約7.0よりも低い。別の実施形態では、pHは約6.0〜約7.0の間の値まで低下される。さらに別の実施形態では、pHは約6.0よりも低い値まで低下される。別の実施形態では、pHは約5.0〜約6.0の間の値まで低下される。この実施形態の1つの代替例では、pHは約5.2〜約5.9の間の値まで低下される。この実施形態のさらに別の代替例では、pHは約5.4〜約5.8の間の値まで低下される。この実施形態の付加的な代替例では、pHは、約5.6まで低下される。別の実施形態では、pHは約5.0よりも低い値まで低下される。さらなる実施形態では、pHは、約4.0〜約5.0の間の値まで低下される。さらに別の実施形態では、pHは、約4.0よりも低い値まで低下される。
【0115】
いくつかのpH低下剤は、本発明で使用するのに適している。pH低下剤は有機でもよい。あるいは、pH低下剤は無機でもよい。例示的な実施形態では、pH低下剤は食品グレードの食用酸である。本発明で使用するのに適した非限定的な酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な実施形態では、pH低下剤は乳酸である。
【0116】
当業者により認識されるように、本発明で使用されるpH低下剤の量は、選択される薬剤、所望のpH、および薬剤が添加される製造段階を含むいくつかのパラメータに依存して異なることが可能であり、異なるであろう。非限定的な例として、タンパク質材料と混ぜ合わせられるpH低下剤の量は、乾燥物質ベースで約0.01%〜約10%の範囲でよい。別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.1%〜約10%の範囲でよい。付加的な実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約5%の範囲でよい。他の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約2.5%の範囲でよい。
【0117】
乾燥食品組成物は、場合により、様々な風味料を含んでもよい。適切な風味剤には、動物肉フレーバー、動物肉オイル、スパイス抽出物、スパイスオイル、天然スモーク液、天然スモーク抽出物、酵母抽出物、シェリー、ミント、ブラウンシュガー、蜂蜜、コーヒー、チョコレート、シナモン、お茶、およびこれらの組み合わせが含まれる。フレーバーおよびスパイスも、オリオレジン(olio−resin)およびアクアレジン(aqua−resin)の形態で入手可能である。他の風味剤としては、オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、またはハーブフレーバーが挙げられる。代替の実施形態では、風味剤は、ナッツ、スイート、または果実のような風味であり得る。適切な果実フレーバーの非限定的な例としては、リンゴ、アプリコット、アボカド、バナナ、ブラックベリー、ブラックチェリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、カンタロープ、サクランボ、ココナツ、クランベリー、イチジク、ブドウ、グレープフルーツ、青リンゴ、糖液、キウイ、レモン、ライム、マンゴー、ミックスベリー、オレンジ、モモ、カキ、パイナップル、ラズベリー、イチゴ、スイカ、およびこれらの組み合わせが挙げられる。乾燥食品組成物はさらに風味強化剤を含んでもよい。適切な風味強化剤の非限定的な例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、Morton(登録商標)Lite Salt、グルタミン酸塩、グリシン塩、グアニル酸塩、イノシン酸塩、および5−リボヌクレオチド塩、酵母抽出物、シイタケ抽出物、乾燥カツオ抽出物、加水分解植物性タンパク質、コンブ抽出物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。また乾燥食品組成物は、発酵、あるいはフレーバー、スパイス、油、水、風味強化剤、酸化防止剤、酸味料、防腐剤、甘味料、およびこれらの組み合わせのブレンドによって製造され得る様々なソースおよびマリネを用いてもよい。
【0118】
中間水分食品に分類されるものを含む乾燥食品組成物は、所望の含水量および水分活性を得るために適切な湿潤剤を含み得ることも想定される。湿潤剤の適切な例としては、糖(スクロースデキストロース、フルクトース、キシロース、メープルシロップ、コーンシロップ、蜂蜜、マルトース、糖蜜、およびこれらの組み合わせなど)、糖アルコール(エリスリトール、水素化デンプン加水分解物(hydrosylate)、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールおよびこれらの組み合わせなど)、ポリデキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。非限定的な例として、タンパク質材料と混ぜ合わせられる湿潤剤の量は、乾燥物質ベースで約0.1%〜約15%の範囲でよい。別の実施形態では、湿潤剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約10%の範囲でよい。付加的な実施形態では、湿潤剤の量は乾燥物質ベースで約1%〜約5%の範囲でよい。他の実施形態では、湿潤剤の量は乾燥物質ベースで約2%〜約3%の範囲でよい。
【0119】
本発明の乾燥食品組成物は防腐剤を含んでもよい。組成物に添加することができる防腐剤の例としては、安息香酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、tert−ブチルヒドロキノン、没食子酸プロピル、酸化防止剤、クエン酸、アスコルビン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、亜硝酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、亜硫酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、二酸化硫黄、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、乾燥食品組成物中の防腐剤の濃度は、約0.001重量%〜約5重量%の範囲でよい。別の実施形態では、防腐剤の濃度は、約0.01重量%〜約2重量%の範囲でよい。さらに別の実施形態では、防腐剤の濃度は、約0.1重量%〜約1重量%の範囲でよい。
【0120】
一般的に言えば、構造化タンパク質製品を含む乾燥食品組成物は、本明細書において詳述されるような、あるいは当該技術分野において知られている主要栄養素、微量栄養素、および任意的な原料と混ぜ合わせることができる。乾燥食品組成物は、その含水量および水分活性に応じて、当該技術分野において一般に知られている方法に従って、例えば、ジャーキー型ストリップ製品、細断食肉、食品トッピングとして使用するためのクランブル、および食品産業において知られている任意の他の乾燥食品組成物に形成することができる。
【0121】
定義
本明細書で使用される「動物肉」という用語は、動物から得られる身、全食肉筋肉、またはその一部を指す。
【0122】
本明細書で使用される「砕いた食肉」という用語は、動物屠殺体から回収された食肉ペーストを指す。骨上の食肉、または食肉および骨は、食肉が骨から分離されてサイズが小さくなるように、脱骨装置内を通して押し出される。骨から離れた食肉は、脱骨装置ではさらに処理されない。食肉は、小径の孔を有するシリンダーを通して押し出されることによって食肉/骨混合物から分離される。食肉は液体の役割を果たし、孔を通って押し出され、残存する骨材料は後に残されたままである。砕いた食肉の脂肪含量は、動物性脂肪の添加によって上方に調整することができる。
【0123】
本明細書で使用される「押出物」という用語は、押出成形の生成物を指す。これに関連して、実質的に整列したタンパク質繊維を含む植物タンパク質製品は、いくつかの実施形態では押出物であり得る。
【0124】
本明細書で使用される「繊維」という用語は、実施例2に詳述されるシュレッドキャラクタリゼーション試験が実施された後に、長さ約4センチメートルおよび幅約0.2センチメートルのサイズを有する植物タンパク質製品を指す。これに関連して、「繊維」という用語は、大豆子葉繊維などの栄養のある繊維の種類を含まず、植物タンパク質製品を構成する実質的に整列したタンパク質繊維の構造形成も指さない。
【0125】
本明細書で使用される「強化剤(firming agent)」という用語は、水和構造化大豆タンパク質製品の水分保持を低下させ、水分放出を増強することによって、構造化タンパク質製品のテクスチャを強化するために添加される物質を指す。
【0126】
本明細書で使用される「グルテン」という用語は小麦などの穀物の粉のタンパク質部分を指し、これは、高い含量のタンパク質と、独特の構造および接着特性とを有する。
【0127】
本明細書で使用される「グルテンを含まないデンプン」という用語は、変性タピオカデンプンなどの種々のデンプン製品を指す。グルテンを含まないまたは実質的にグルテンを含まないデンプンは、小麦、トウモロコシ、およびタピオカベースのデンプンから製造される。これらは、小麦、オート麦、ライ麦または大麦からのグルテンを含有しないのでグルテンを含まない。
【0128】
本明細書で使用される「湿潤剤」という用語は、水分を吸収し、そして/あるいは水分の保持を促進する働きをする物質を指す。
【0129】
本明細書で使用される「水和試験」という用語は、既知の量のタンパク質組成物を水和させるために必要な時間の量(分)を測定する。
【0130】
本明細書で使用される「大きい断片」という用語は、着色または非着色構造化植物タンパク質製品のシュレッドの割合が特徴付けられる手段である。シュレッドキャラクタリゼーションの決定は実施例2で詳述される。
【0131】
本明細書で使用される「機械的に脱骨された食肉(MDM)」という用語は、市販の装置を用いて牛肉、豚肉および鶏肉の骨から回収される食肉ペーストを指す。MDMは、無処置の筋肉において見られる天然繊維のテクスチャが欠けている、砕かれた製品である。
【0132】
本明細書で使用される「含水量」という用語は材料中の水分の量を指す。材料の含水量は、参照によってその全体が本明細書中に援用されるA.O.C.S.(American Oil Chemists Society)法Ba 2a−38(1997年)によって決定することができる。
【0133】
本明細書で使用される「有機」という用語は、7C.F.R.Part 205において特定のNational Organic Program要求に従って製造および取り扱われた食品組成物を指す。
【0134】
本明細書で使用される、例えば大豆タンパク質含量などの「タンパク質含量」という用語は、材料サンプルの合計窒素含量をアンモニアとして決定し、サンプルの合計窒素含量の6.25倍としてタンパク質含量を決定するA.O.C.S.(American Oil Chemists Society)公定法Bc 4−91(1997年)、Aa 5−91(1997年)、またはBa 4d−90(1997年)(それぞれ、参照によってその全体が本明細書中に援用される)によって確認されるような材料の相対的なタンパク質含量を指す。
【0135】
本明細書で使用される「タンパク質繊維」という用語は、本発明の植物タンパク質製品の構造を一緒に画定する様々な長さの個々の連続フィラメントまたは別個の長尺片を指す。さらに、本発明の着色および非着色構造化植物タンパク質製品はいずれも実質的に整列したタンパク質繊維を有するので、タンパク質繊維の配列が全食肉筋肉のテクスチャを着色および非着色構造化植物タンパク質製品に付与する。
【0136】
本明細書で使用される「せん断強度」という用語は、形成される製品に食肉様のテクスチャおよび外観を付与するために十分な強度でテクスチャ化タンパク質が繊維網を形成する能力を測定する。せん断強度はグラムで測定される。
【0137】
本明細書で使用される「疑似」という用語は、動物肉を含有しない乾燥食品組成物を指す。
【0138】
本明細書で使用される「大豆子葉繊維」という用語は、乾燥物質ベースで少なくとも約70%の食物繊維を含有する大豆子葉の多糖類部分を指す。大豆子葉繊維は通常いくらか少量の大豆タンパク質を含有するが、100%繊維であってもよい。本明細書で使用される大豆子葉繊維は、大豆皮の繊維を指さないかまたは含まない。一般的に、大豆子葉繊維は、大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去し、大豆子葉繊維を大豆材料および子葉の可溶炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0139】
本明細書で使用される「大豆タンパク質濃縮物」という用語は、無水ベースで約65%から約90%未満までの大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。大豆タンパク質濃縮物は、無水ベースで通常約3.5重量%から約20重量%までの大豆子葉繊維も含有し得る。大豆タンパク質濃縮物は、大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去することによって大豆から形成される。さらに、大豆タンパク質および大豆子葉繊維は、子葉の可溶性炭水化物から分離され得る。
【0140】
本明細書で使用される「大豆粉」という用語は、全脂大豆粉、酵素活性大豆粉、脱脂大豆粉、およびこれらの混合物を指す。脱脂大豆粉は、粒子がNo.100メッシュ(米国基準)スクリーンを通過できるようなサイズを有する粒子で形成された、好ましくは約1%未満の油を含有する脱脂大豆材料の砕いた形態を指す。大豆ケーク、チップ、フレーク、ミール、または材料の混合物は、従来の大豆粉砕方法を用いて大豆粉に砕かれる。大豆粉は、無水ベースで約49%〜約65%の大豆タンパク質含量を有する。好ましくは、粉は非常に細かく粉砕され、最も好ましくは、300メッシュ(米国基準)スクリーン上に約1%未満の粉が保持されるように粉砕される。全脂大豆粉は、元の油を全て(通常、18%〜20%)含有する粉砕した全大豆を指す。粉は酵素活性でもよいし、あるいは熱加工またはトーストして酵素活性を最小限にしてもよい。酵素活性大豆粉は、その天然酵素を無効にしないために最小限に熱処理された全脂大豆粉を指す。
【0141】
本明細書で使用される「大豆タンパク質単離物」という用語は、無水ベースで少なくとも約90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。大豆タンパク質単離物は、子葉から大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去し、子葉の大豆タンパク質および可溶炭水化物を子葉繊維から分離し、次いで大豆タンパク質を可溶炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0142】
本明細書で使用される「ストランド」という用語は、実施例2で詳述されるシュレッドキャラクタリゼーション試験が実施された後に、長さが約2.5〜約4センチメートルであり、幅が約0.2センチメートルよりも広いサイズを有する植物タンパク質製品を指す。
【0143】
本明細書で使用される「デンプン」という用語は、任意の天然源から得られるデンプンを指す。典型的なデンプン源は、シリアル、塊茎、根、および果物である。
【0144】
本明細書で使用される「無水ベースの重量」という用語は、乾燥させて全ての水分を完全に除去した後(例えば、材料の含水量は0%である)の材料の重量を指す。特に、材料の無水ベースの重量は、材料が恒量に達するまで材料を45℃のオーブン内に入れた後に材料を秤量することによって得ることができる。
【0145】
本明細書で使用される「小麦粉」という用語は、小麦の製粉から得られる粉を指す。一般的に言えば、小麦粉の粒径は約14〜約120μmである。
【0146】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例で開示される技術が、本発明者らにより開示される本発明の技術を表し、本発明の実施において十分に機能することは当業者により認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示を考慮すれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変化が成され、それでも同様または類似の結果が得られることを認識すべきであり、従って、添付図面に説明または図示される全てのことは例示的であると解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されてはならない。
【実施例】
【0147】
以下の実施例は、本発明の乾燥食品組成物を説明する。
【0148】
実施例1.構造化タンパク質製品のせん断強度の決定
以下の手順によって、サンプルのせん断強度をグラムで測定して決定することができる。構造化タンパク質製品のサンプルを秤量し、ヒートシール可能なポーチに入れ、サンプル重量の約3倍の室温の水道水でサンプルを水和させる。約0.01バールの圧力までポーチを排気し、ポーチを密封する。サンプルを約12〜約24時間水和させる。水和サンプルを取り出し、テクスチャアナライザからのナイフがサンプルの直径を通って切断するように向けられたテクスチャアナライザの基板に置く。さらに、サンプルは、ナイフがテクスチャ化断片の長手軸に垂直に切断するようにテクスチャアナライザナイフの下側で向けられなければならない。押出物を切断するために使用される適切なナイフは、Texture Technologies(米国)により製造されるインサイザーブレード(incisor blade)のモデルTA−45である。この試験を実施するための適切なテクスチャアナライザは、25、50、または100キログラムの負荷を備えたStable Micro Systems Ltd.(英国)により製造されるモデルTA、TXT2である。この試験との関連では、せん断強度は、サンプルをせん断するために必要とされる最大力(グラム)である。
【0149】
実施例2.シュレッドキャラクタリゼーションの決定
シュレッドキャラクタリゼーションを決定するための手順は以下のように実行することができる。丸ごとの片だけを用いて約150グラムの構造化タンパク質製品を秤量する。サンプルをヒートシール可能なプラスチックバッグに入れ、25℃で約450グラムの水を添加する。約150mmHgでバッグを真空密封し、内容物を約60分間水和させる。シングルブレードパドルを備えたKitchen AidミキサーモデルKM14G0の水和サンプルをボウルに入れ、内容物を130rpmで2分間混合する。パドルおよびボウルの側面をスクレイプし、スクレイプしたものをボウルの底に戻す。混合およびスクレイプを2回繰り返す。ボウルから約200gの混合物を取り出す。約200gの混合物を3つのグループの1つに分離する。グループ1は、長さが少なくとも4センチメートルであり、幅が少なくとも0.2センチメートルの繊維を有するサンプル部分である。グループ2は、長さが2.5cm〜4.0cmであり、幅が0.2cm以上であるストランドを有するサンプル部分である。グループ3は、グループ1およびグループ2のパラメータ内に収まらない部分である。グループ1および2を一緒に秤量し、出発重量(例えば、約200g)で割る。これは、サンプル中の大きい断片の割合を決定する。得られる値が15%より低いか、20%よりも高ければ、試験は完了である。値が15%と20%の間であれば、ボウルからさらに約200gを秤量し、混合物を3つのグループに分離し、再度計算を実施する。
【0150】
実施例3.構造化タンパク質製品の製造
以下の押出成形法を使用して、本発明の構造化タンパク質製品を調製することができる。以下の:1000キログラム(kg)のSupro(登録商標)620(大豆単離物)、440kgの小麦グルテン、171kgの小麦デンプン、34kgの大豆子葉繊維、10kgのキシロース、9kgのリン酸二カルシウム、および1kgのL−システインをパドルブレンダに添加する。内容物を混合して、乾燥ブレンド大豆タンパク質混合物を形成する。次に、乾燥ブレンドをホッパーに移し、水と共に乾燥ブレンドをそこから予備調整器に導入して、調整済大豆タンパク質予備混合物を形成する。次に、調整済の大豆タンパク質予備混合物を75kg/分以下の速度でツインスクリュー押出成形装置に供給する。押出成形装置は5つの温度制御ゾーンを含み、タンパク質混合物は、第1のゾーンの約25℃から、第2のゾーンの約50℃、第3のゾーンの約95℃、第4のゾーンの約130℃、そして第5のゾーンの約150℃の温度に制御される。押出塊は、第1のゾーンの少なくとも約400psigから、第5のゾーンの約1500psigまでの圧力を受ける。加熱ゾーンと連通する1つまたは複数の注入ジェットを介して水を押出成形機バレルに注入する。
【0151】
ダイアセンブリは可塑化混合物が押出成形機の出口ポートからダイアセンブリへ流れることができるような構成で押出成形機に取り付けられ、ダイアセンブリを通って流れる際に可塑化混合物内のタンパク質繊維の実質的な整列した合わせを生じる。
【0152】
実質的に整列したタンパク質繊維を含有する押出物がダイアセンブリを出ると、ナイフで切断され、切断された塊は次に約10重量%の含水量まで乾燥される。
【0153】
実施例4:生の再構成食肉ミックス
表1に示される配合に従って生の再構成食肉ミックスを調製した。構造化タンパク質製品(SPP)を真空密封パッケージ内で、3部の水の中で水和させた。水和SPPをカラメル顔料と一緒にミキサーに入れ、全ての断片が細断されて繊維状になるまで混合物を混合した。細断SPP、食肉、塩、およびリン酸塩を10分間真空混合した。残りの原料を添加し、5分間真空混合し、それにより、生の再構成食肉ミックスを形成した。
【0154】

【0155】
実施例5:照り焼き風味のジャーキー型スナック
2段階法を用いて構造化タンパク質製品を含む再構成食肉から照り焼き風味のジャーキー型食肉スナック(図11)を調製した。第1に、生の再構成食肉ミックスを調製し、第2に、生の再構成食肉ミックスから食肉スナックを製造した。実施例4の方法および表1の原料に従って、生の再構成食肉ミックスを製造した。
【0156】
照り焼き風味のジャーキー型スナックを製造するために、実施例4の生の再構成食肉ミックスを繊維状ケーシング内に詰め(またはローフパンに入れ)、湿度の無いスモークハウス内において80℃で30分調理し、次に75℃の内部温度まで蒸した。得られた完全調理済みの再構成食肉を冷やし、スライスし、植物油を塗ったパンに置いた。スライスを200°Fのオーブンで乾燥させた。次に、スライスに調味料ミックス(表2を参照)を塗り、収率が50%になる(すなわち、スライスおよび調味料の全重量が50%に減少する)まで300°Fのオーブンで乾燥させた。0.63の水分活性を有するジャーキー型スナックを製造した。
【0157】

【0158】
実施例6:ペッパー風味のジャーキー型スナック
ペッパー風味のジャーキー型スナックを製造するために、生の再構成食肉ミックス(実施例4および表1に示される)を表3の他の原料とブレンドした。約2分間のブレンドの後、最終混合物を、約1/4インチ×1インチ×6インチ(6mm×25mm×15mm)のストリップ状に押し出した。テフロンメッシュを有するスクリーン上で、0.86の水分活性になるまでストリップを80℃で乾燥させた。
【0159】

【0160】
実施例7:韓国ブルゴギ風味のライストッピング
再構成食肉を用いて貯蔵安定性のライストッピング(図9)も調製した。再構成食肉は、実施例4および表1に記載されるように調製した。再構成食肉を細断し、細断片を植物油で炒めた。予めブレンドしたソース/調味料ミックス(表4を参照)を細断片に添加し、液体が蒸発されるまで混合物を加熱した。収率が60%になるまで調味した細断片を300°Fのオーブン内で乾燥させた。貯蔵安定性のライストッピングの水分活性は0.70であった。
【0161】

【0162】
実施例8:修正方法を用いて製造したライストッピングおよび食肉スナック
この方法のために、スナック(図10)およびライストッピングの調味料およびフレーバーを、再構成食肉を製造するための配合に取り込んだ(表5を参照)。
【0163】

【0164】
SPPを2.5部の水の中で水和させた(工程1)。塩化カルシウム二水和物および水を混合することにより塩化カルシウム溶液を作った(工程2)。フードプロセッサ内で塩およびリン酸ナトリウムと共に牛肉赤身を切り刻んだ。脂肪を添加し、切り刻んだ(刻んだ食肉は使用するまで冷却して保持した、以下を参照)。水和SPPをミキサー内で細断し、塩化カルシウム溶液を添加して混合した。SPP/塩化カルシウム混合物にカラメル顔料を添加して混合した。残りの調味原料をSPP混合物に添加して混合した。刻んだ食肉および脂肪混合物(上記からの)をSPP混合物に添加し、十分にブレンドした。混合物を成形し、80℃に調理した。調理製品をキューブ、ストリップ、および細断片に切断した。次に、製品をさらに乾燥させて、水分活性を0.85よりも低い値まで低下させた。次に製品を真空包装した。
【0165】
ジャーキー型スナックは44.2%の収率を与え、0.72の水分活性を有した。ライストッピングは50.4%の収率および0.76の水分活性を有した。
【0166】
本発明は例示的な実施形態に関連して説明されたが、説明を読めばこれらの種々の変更は業者に明らかになり得ることは理解されるべきである。従って、本明細書に開示される本発明が、特許請求の範囲の範囲内に含まれるこのような変更を包含するように意図されることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化植物タンパク質製品と、
b.強化剤と
を含む乾燥食品組成物。
【請求項2】
前記強化剤が非酸性強化剤であり、前記非酸性強化剤が、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、天然にがり、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸水素カルシウム、クエン酸一カルシウム、クエン酸二カルシウム、クエン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、グルコン酸カルシウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項3】
前記構造化タンパク質製品が、少なくとも1400グラムの平均せん断強度と、少なくとも10%の平均シュレッドキャラクタリゼーションとを有する請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項4】
前記構造化タンパク質製品が、図1の顕微鏡写真画像に示されるように実質的に整列したタンパク質繊維を含む請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項5】
動物肉をさらに含み、前記動物肉が、豚肉、牛肉、子羊肉、鶏肉、野生狩猟動物肉、魚、貝、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項6】
前記組成物が、約40重量%〜約60重量%の構造化タンパク質製品と、約40重量%〜約60重量%の動物肉とを含む請求項5に記載の乾燥食品組成物。
【請求項7】
前記構造化タンパク質製品がダイアセンブリから押し出され、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品が得られる請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項8】
前記構造化タンパク質製品が、大豆タンパク質、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、デンプン、グルテン、繊維、およびこれらの混合物を含む請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項9】
前記構造化タンパク質製品が、
a.乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質と、
b.乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテンと、
c.乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプンと、
d.乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維と
を含む請求項9に記載の乾燥食品組成物。
【請求項10】
脂肪物質を含み、前記脂肪物質が、
a.バター、チーズ、クリーム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される乳製品ベースの脂肪と、
b.水素化、部分水素化植物油、ヤシ油、ココナッツ油、綿実油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、大豆油、ピーナッツ油、アマニ油、グレープシード油、オリーブ油、コーン油、米油、およびこれらの混合物からなる群から選択される植物ベースの脂肪と、
c.獣脂、ラード、鶏脂、魚油、およびこれらの混合物からなる群から選択される動物ベースの脂肪と
からなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項11】
pH調整剤を含み、前記pH調整剤が、酢酸、乳酸、塩酸、グルコン酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される酸である請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項12】
着色剤を含み、前記食品着色剤が、レーキ、天然染料、人工染料、およびこれらの組み合わせから選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項13】
約1.0重量%〜約10.0重量%の量のビタミンおよびミネラル混合物を含む請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項14】
脂肪酸を含み、前記脂肪酸が、多価不飽和脂肪酸、ω−3脂肪酸、ω−6脂肪酸、ω−9脂肪酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項15】
風味剤を含み、前記風味剤が、動物肉フレーバー、動物肉オイル、スパイス抽出物、スパイスオイル、天然スモーク液、天然スモーク抽出物、酵母抽出物、オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、ハーブフレーバー、および塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルタミン酸モノナトリウム、ヌクレオチド、加水分解植物タンパク質、シイタケ抽出物、コンブ抽出物、発酵ソースを含む風味強化剤、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項16】
湿潤剤を含み、前記湿潤剤が、スクロース、デキストロース、フルクトース、マルトース、キシロース、メープルシロップ、コーンシロップ、蜂蜜、糖蜜、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項17】
酸化防止剤を含み、前記酸化防止剤が、アスコルビン酸、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、β−カロテン、クロロゲン酸、クエン酸、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、乳酸、酒石酸、尿酸、ローズマリー抽出物、トコフェロール(ビタミンE)、ビタミンK、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項18】
防腐剤を含み、前記防腐剤が、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、tert−ブチルヒドロキノン、没食子酸プロピル、酸化防止剤、クエン酸、アスコルビン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、亜硝酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、亜硫酸塩、二酸化硫黄、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項19】
前記乾燥食品組成物が、食品トッピング、ジャーキー型食肉スナック、細断食肉製品、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項20】
前記乾燥食品組成物が、約0.5〜約0.95の水分活性を有する請求項1に記載の乾燥食品組成物。
【請求項21】
a.乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質、乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテン、乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプン、および乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維を含む構造化植物タンパク質製品と、
b.強化剤と
を含むベジタリアン乾燥食品組成物。
【請求項22】
前記構造化タンパク質製品が、図1の顕微鏡写真画像に示されるように実質的に整列したタンパク質繊維を含む請求項21に記載の乾燥食品組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−523154(P2010−523154A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503133(P2010−503133)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/059385
【国際公開番号】WO2008/124576
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)