説明

乾癬を処置するためのCD40アンタゴニスト

【課題】自己免疫疾患および新形成疾患を処置するための組成物、ならびに1つ以上のCD40アンタゴニストを哺乳動物に投与することによるこれらの疾患の処置の方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、治療有効量のCD40アンタゴニストを含む組成物(その薬学的組成物を含む)を提供する。本発明によって、CD40アンタゴニストは、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、ヒト化抗体またはヒト抗体を含む。あるいは、本発明のCD40アンタゴニストとしては、CD40に結合し、これによってCD40とそのリガンド(CD40L)との相互作用を阻害する、適切なタンパク質またはペプチドあるいは低分子が挙げられる。CD40アンタゴニスト組成物は、乾癬を含む1つ以上の自己免疫疾患を逆行させるかまたはこの疾患の重篤度を軽減するに十分な量で、処方され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、自己免疫疾患および新形成疾患を処置するための組成物、ならびに1つ以上のCD40アンタゴニストを哺乳動物に投与することによるこれらの疾患の処置の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
乾癬は、ヒトにおいて最も流行している、依然として難解な、慢性的な炎症性皮膚障害の1つであり、集団の約2%を苦しめている。処置を開発するための集中的な努力にもかかわらず、この自己免疫疾患は、治療に対して実質的に不応性であるままである。従って、乾癬および他の関連する自己免疫疾患の処置のための、新たな薬剤および方法を同定するという、重要な必要性が残っている。本発明の組成物および方法は、これらおよび他の関連する必要性を満足する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、1つの実施形態において、治療有効量のCD40アンタゴニストを含む組成物(その薬学的組成物を含む)を提供する。本発明によって、CD40アンタゴニストは、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、ヒト化抗体またはヒト抗体を含む。あるいは、本発明のCD40アンタゴニストとしては、CD40に結合し、これによってCD40とそのリガンド(CD40L)との相互作用を阻害する、適切なタンパク質またはペプチドあるいは他の低分子が挙げられる。CD40アンタゴニスト組成物は、乾癬を含む1つ以上の自己免疫疾患を逆行させるかまたはこの疾患の重篤度を軽減するに十分な量で、処方され得る。本発明の組成物は、さらに、インビボ投与に適した薬学的に受容可能なキャリアまたは安定剤を含み得る。いくつかの実施形態において、これらの組成物は、さらに、自己免疫疾患に対して効能のあるさらなる薬剤と組み合わせられ得る。
【0004】
他の実施形態において、本発明は、自己免疫疾患を処置するための方法を提供し、この方法は、CD40アンタゴニストおよびその薬学的組成物の投与を包含する。より特定すると、自己免疫疾患を阻害または予防するために十分な量の本発明の組成物がCD40発現細胞に投与され、これによってCD40発現細胞と接触される。本発明の方法の範囲内に含まれる自己免疫疾患としては、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫 甲状腺中毒症、悪性貧血、アディソン病、インスリン依存性真性糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症、皮膚筋炎、強皮症および乾癬が挙げられるが、これらに限定されない。CD40アンタゴニストは、経口的、局所的および非経口的を含む、種々の様式で投与され得る。
【0005】
さらなる実施形態は、新形成疾患を処置するための方法を提供する。より特定すると、いくつかの実施形態によって、新脈管形成を減少させるに十分な量の本発明の組成物がCD40発現細胞に投与され、そしてCD40発現細胞と接触され、これによって、新形成疾患の重篤度を低下させるか、またはこの疾患を完全に逆行させる。
【0006】
本発明のなおさらなる実施形態において、これらの方法は、エキソビボまたはインビトロのいずれで実施されてもよい。例えば、CD40アンタゴニストは、抗自己免疫疾患治療を必要とする被験体から単離された末梢血液単核細胞(PBMC)に適用され得、その後、これらのPBMCがインビボで再導入される。あるいは、本発明は、CD40アンタゴニストが、例えば、他の潜在的な自己免疫疾患治療剤の効力についての診断アッセイにおいて、インビトロで用途を見出され得ることを提供する。
【0007】
従って、本発明は、当該分野に、自己免疫疾患の処置において、より特定すると、乾癬により例示されるような炎症性皮膚病の処置において、一般的に効果的である組成物および方法を提供する。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1) 自己免疫疾患を処置するための組成物であって、該組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中のCD40アンタゴニストの治療的有効量を含む、組成物。
(項目2) 前記CD40アンタゴニストが、低分子である、項目1に記載の組成物。
(項目3) 前記CD40アンタゴニストが、タンパク質である、項目1に記載の組成物。
(項目4) 前記CD40アンタゴニストが、抗体である、項目1に記載の組成物。
(項目5) 前記CD40アンタゴニストが、モノクローナル抗体である、項目1に記載の組成物。
(項目6) 前記CD40アンタゴニストが、ヒト化モノクローナル抗体である、項目1に記載の組成物。
(項目7) 前記CD40アンタゴニストが、ヒトモノクローナル抗体である、項目1に記載の組成物。
(項目8) 前記CD40アンタゴニストが、抗体5H7である、項目1に記載の組成物。
(項目9) 前記自己免疫疾患が乾癬である、項目1に記載の組成物。
(項目10) 自己免疫疾患に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、CD40アンタゴニストの治療的有効量を、該哺乳動物に投与して、それにより該自己免疫疾患の重篤度を低下させる工程を包含する、方法。
(項目11) 前記アンタゴニストが、CD40とCD40Lとの間の相互作用をブロックする、項目10に記載の方法。
(項目12) 前記アンタゴニストが、CD40に結合する抗体である、項目10に記載の方法。
(項目13) 前記抗体が、モノクローナル抗体である、項目10に記載の方法。
(項目14) 前記抗体が、ヒト化モノクローナル抗体である、項目10に記載の方法。
(項目15) 前記抗体が、ヒトモノクローナル抗体である、項目10に記載の方法。
(項目16) 前記抗体が、5H7である、項目10に記載の方法。
(項目17) 前記アンタゴニストが、抗体5H7のフラグメントである、項目10に記載の方法。
(項目18) 前記自己免疫疾患が、T細胞媒介炎症性皮膚疾患である、項目10に記載の方法。
(項目19) 前記自己免疫疾患が、乾癬である、項目10に記載の方法。
(項目20) 前記哺乳動物が、ヒトである、項目10に記載の方法。
(項目21) 前記CD40アンタゴニストが、腹腔内投与または皮内投与される、項目10に記載の方法。
(項目22) 新形成疾患に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、CD40アンタゴニストの治療的有効量を、該哺乳動物に投与して、それにより該新形成疾患の重篤度を低下させる工程を包含する、方法。
(項目23) 乾癬に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、CD40アンタゴニストの治療的有効量を、該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
乾癬とは、T細胞媒介性の自己免疫疾患であり、細菌性スーパー抗原のような、遺伝的誘発因子と環境的誘発因子との両方に関連すると考えられている。例えば、Valdimarsson,H.ら、Immunol.Today,16(3),145−9(1995年3月);Boehncke,W.H.ら、Nature,379(6568):777(1996年2月29日);Boehncke,W.H.、Trends Microbiol.、4(12):485−9(1996年12月)を参照のこと。この疾患は、種々の細胞型の複雑な変更(錯角化症、表皮ケラチノサイトの過剰増殖および分化、ならびに表皮肥厚症(akanthosis)(ケラチノサイトの過剰増殖から生じる表皮の厚みの増加)が挙げられる)により特徴付けられる。さらに、乾癬の病変は、活性化Tリンパ球、真皮および表皮の微小膿瘍内の好中球、管壁マクロファージならびに皮膚の肥満細胞からなる混合白血球の浸潤を示す。Schon,M.P.,J.Invest.Derm.,112(4):405−410(1999)。
【0009】
CD40は、TNF−Rファミリーに属する40〜50kDaのI型膜糖タンパク質であり、そしてBリンパ球ならびに単球、樹状細胞、内皮細胞および上皮細胞において、構成的に発現される。van Kooten,C.ら、Int.Arch.Allergy Immunol.113:393−399(1997);Datta,S.K.ら、Arthritis Rheum,40(10):1735−45(1997)を参照のこと。CD40リガンド(様々にCD40L、gp39またはCD154と称される)は、33kDのII型膜糖タンパク質であり、主として活性化したCD4+T細胞の表面で一時的に発現される。Datta,前出。
【0010】
本発明の一部として、CD40アンタゴニストが、乾癬のための動物モデル系における自己免疫疾患の重症度を減少させることが発見された。従って、本発明は、罹患した哺乳動物における自己免疫疾患を処置するための組成物および方法を提供する。この組成物は、CD40アンタゴニストを含み、そしてこの方法は、CD40アンタゴニストを含む組成物の投与を含む。本発明のCD40アンタゴニストは、処置された病変における新脈管形成の程度を減少させることもまた、発見された。この発見は、種々の新生物疾患の処置におけるCD40アンタゴニストの効力を示唆する。
【0011】
本明細書中で使用される場合、用語「アンタゴニスト」は、一般的に、例えば、立体障害、立体配置的変化または他の生化学的機構のいずれかによって、ある分子の別の分子との結合または別の細胞によるある細胞の刺激を妨げる、分子、化合物または他の薬剤の特性をいう。1つの関連においては、用語アンタゴニストは、レセプターのそのリガンドへの結合(例えば、CD40のCD40Lとの結合)を妨げ、それによってそれぞれのB細胞集団またはT細胞集団の活性化を阻害する、薬剤の特性をいう。用語アンタゴニストは、いかなる特定の作用機構によっても限定されないが、むしろ一般的に、現在定義される機能的特性をいう。本発明のアンタゴニストとしては、CD40に結合する抗体またはペプチドおよび他の分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
有効な治療は、有意な毒性のない有効な薬剤を同定することに依存する。乾癬および他の自己免疫疾患を処置する際に潜在的に有用な化合物は、多くの系においてスクリーニングされ得る。動物モデルは、インビボで治療的活性を有し、そして受容可能なレベルの宿主毒性を有する化合物を同定するために使用される。このモデルは、好ましくは、表皮肥厚(akanthosis)および錯角化ならびに炎症性リンパ球浸潤などの乾癬の特徴を評価する。あるいは、動物モデルはまた、他の自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチおよび多発性硬化症など)の処置または種々の新生物疾患に対する処置において有効である化合物を同定するために有用である。
【0013】
所定のCD40アンタゴニストの効力は、当業者によく知られた任意の動物モデル系において試験され得る。自己免疫疾患のための動物モデル系は、Roitt,I.ら、「Autoimmunity and Autoimmune Disease」、Immunology、第28章(1998)に記載され;乾癬の研究のために利用可能な動物モデル系は、特に、Schon,M.P.(前出)に記載される。当業者は、適切な動物モデル系の選択は、処置されている特定の疾患に依存することを理解する。従って、以下の動物モデル系は、限定の目的ではなく例示の目的で提供される。
【0014】
自己免疫は、自己抗原(すなわち、自己の抗原)を、フロイントアジュバントと共に注射することによって、実験動物に導入され得る。従って、このような動物モデル系を使用して、例えば、サイログロブリンを注射することによって、甲状腺の炎症性疾患を誘導し得る。このようなモデル系によって、甲状腺自己抗体が産生されるだけでなく、この腺が単核細胞で浸潤されそして腺房構築物が悪化するようにもなる。この動物モデルは、橋本甲状腺炎として知られるヒトの状態をモデリングするために使用されてきた。類似の様式において、ミエリン塩基性タンパク質、またはミエリン塩基性タンパク質に特異的なT細胞をマウスまたはラットに注射して、自己アレルギー脳脊髄炎を誘導し得る。
【0015】
本発明の範囲内の化合物および処置レジメンを試験するために使用され得る、代替の動物モデル系としては、自発的な自己免疫疾患を示す動物が挙げられる。限定ではなく例示の目的として、ニワトリのObese系統(OS)は、自己抗体の自発的な発生によって、ならびに甲状腺の進行性の破壊および慢性的な炎症によって特徴付けられる。OSニワトリは、甲状腺の病変および種々の甲状腺構成要素に対する抗体の産生を示すことにおいて、ヒトの自己免疫甲状腺疾患と類似する。
【0016】
ヒトの乾癬性の皮膚の、ヌードマウス、マウスのasebia(ab/ab)系統またはHLA−B27トランスジェニックラットへの移植、ならびに鱗状皮膚のマウス由来の皮膚のヌードマウスへの移植を含む、乾癬のための多くの動物モデル系が記載されてきた。Nickoloff,B.J.ら、Am.J.Path.,146(3):580−588(1995);Schon(前出)。asebiaマウスモデルは、上皮の表皮肥厚、増加した皮膚血管分布ならびにマクロファージおよびマスト細胞の皮膚浸潤を特徴とするが、T細胞および好中球の浸潤を含まない。Nickoloff(前出)。従って、ab/abマウスにおける皮膚変化は、乾癬性の病変のすべての生物学的特徴を正確に反映するわけではない。
【0017】
上記の動物モデル系に加えて、SCIDマウスは乾癬のインビボモデルとして広く使用される。SCIDモデルにおける効力の標準の尺度は、表皮肥厚および不全角化の重篤度を低下する能力、ならびに乾癬の皮膚を移植された動物における単核細胞浸潤を軽減する能力である。本明細書中で記載される実験において、抗体調製物は、動物における乾癬の重篤度を実質的に阻害する。これらの知見は、乾癬の症状が、抗体またはCD40に対してアンタゴニスト効果を有する他の物質を投与することによって、阻害されるかまたは完全に予防され得ることを示す。
【0018】
近年、ヒト皮膚細胞を長期の移植生存期間を有する重症複合型免疫不全(SCID)マウスに移植し得ることが観察された。このSCIDマウスはまた、ヒト免疫系の成分の養子移植に受け入れられる。例えば、Boehncke,W.H.ら、Arch.Dermatol.Res.,286:325〜330(1994)を参照のこと。マウスにおけるSCID表現型の原因となる常染色体の劣性変異は、T細胞およびB細胞の内在性欠失を生じる抗原レセプター遺伝子の再配列を妨げる。Botsma,M.J.ら、Annu.Rev.Immunol.,9:323〜350(1991)。Nickoloff(前出)は、乾癬斑皮膚(PP)、健康な個体由来の正常なヒト皮膚(NN)、および乾癬を有する患者由来の無症状の皮膚(PN)は、臨床的、組織学的および免疫学的表現型特性の保持されたSCIDマウスに移植され得ることを報告した。
【0019】
乾癬の様々な動物モデルは、M.P.Schon(前出)によって検討された。Schonは、SCIDマウス異種皮膚移植モデル系が、天然に存在するヒト乾癬の形態学的特性および病理学的特性を示すことを報告した。例えば、SCIDマウスに移植された乾癬のヒト皮膚は、表皮肥厚および過剰増殖によって証明されるような乾癬表現型を保持する。また移植された皮膚は、変化されたケラチノサイト分化、MHCクラスIIおよびICAM−1の誘導、増加した血管分布、T細胞および好中球の浸潤、ならびに表皮内微小膿瘍によって特徴付けられる。従って、Schonは、抗乾癬処置の研究のためのSCIDマウスを示し、詳細にはこの動物モデルの誘引性は実際のヒト組織に対するその依存性に起因することを示す。
【0020】
SCIDマウス異種移植モデルを用いて、研究者らは、乾癬の病因および病態生理学への免疫系の様々な成分の相対的な寄与を研究した。Nickoloff(前出)は、1995年に、SCIDマウス動物モデルシステムの効力を報告し、そして乾癬に関連する遺伝的異常および病原学的異常が存在する機構を解明し、そして疾患の病態生理学的基礎を例示するために設計された研究において有用性を開示した。同上文献。Wrone−Smith,T.らは、機構の研究において、SCID動物モデル系の有用性をさらに実証し、この研究から、乾癬は循環から誘導される免疫細胞によって媒介さること、および活性化された免疫応答細胞はケラチノサイトおよび内皮細胞の増殖を二次的に誘導することが報告された。J.Clin.Invest.,98(8):1878〜1887(1996)。より最近では、Gilhar,A.らが、SCIDマウス動物モデル系を使用して、乾癬の病状におけるTリンパ球の役割を研究し(J.Invest.Derm.,109(3):283〜288(1997))、このことは、末梢血由来のT細胞ではなく、皮膚浸潤Tリンパ球がSCIDマウスに移植されたヒト皮膚の乾癬の表現型を保持することを示した。そして最も最近では、Torres,B.A.らが、SCIDマウスモデルを使用して、乾癬の進行における細菌およびウイルスのスーパー抗原の役割を研究した。Cur.Opin.Immunol.,10(4):465〜470(1998)。
【0021】
CD40アンタゴニストは、CD4+T細胞上の活性化マーカー(例えば、CD25およびCD69)の上方制御を、未処置のコントロール細胞の約10%と30%との間まで阻害し得る。さらに、本発明のCD40アンタゴニストは、SCIDマウス異種移植動物モデル系において、乾癬の形態学的特性(例えば、表皮の肥厚化および過剰増殖、すなわちそれぞれ、表皮肥厚および不全角化)を阻害する際に有効である。さらに、本願で開示されているCD40アンタゴニストを乾癬皮膚移植片を移植されたSCIDマウスに投与することによって、これらのマウスの真皮の上部における単核細胞浸潤の程度が実質的に減少した。これらの知見は、CD40アンタゴニストの投与は一般に、慢性斑病期の乾癬により確立される病変の処置において有効であることを証明する。より詳細には、本発明は、CD40アンタゴニスト抗体5H7が乾癬の処置において有効であることを証明する。
【0022】
本発明のCD40アンタゴニストはまた、SCIDマウス異種移植モデル系における新脈管形成の程度を減少し、これらの分子は腫瘍性疾患の処置に有効であり得ることを示唆する。
【0023】
本明細書中で記載されるCD40アンタゴニストは、そのリガンドCD40LとのCD40との相互作用によって特徴付けられる他の自己免疫疾患を処置するために使用され得る。本明細書中で使用される場合、句「自己免疫疾患」は、1つ以上のB細胞および/またはT細胞集団、あるいはその遺伝子産物の、自己および非自己抗原決定基との間を区別することの不全によって特徴付けられる疾患を一般的にいう。自己免疫疾患は、しばしば、炎症性リンパ系細胞(例えば、単核食細胞、リンパ球および形質細胞ならびに二次リンパ系小胞)を有する標的細胞の浸潤によって特徴付けられる。例示的な自己免疫疾患は、以下を含むがこれらに限定されない:器官特異的障害(例えば、橋本甲状腺炎、一次粘膜水腫(muxoedema)甲状腺中毒、悪性貧血、アディソン病およびインスリン依存性糖尿病)、ならびに非器官特異的障害(例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症、皮膚筋炎、強皮症および乾癬)。
【0024】
本明細書中に提供されるように、自己免疫疾患を処置するための組成物および方法は、単独で、または目的の自己免疫疾患の所望の軽減を達成するための他の治療剤と組合せて使用される1つ以上の抗体を利用し得る。本発明に従う抗体は、環境抗原との直接的な接触または抗原での免疫のいずれかの結果として抗体を産生する動物から単離され得る。あるいは、抗体は、当該分野で周知の抗体発現系の1つを使用して、組換えDNA方法論によって産生され得る。例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)を参照のこと。このような抗体は、組換えIgG、キメラ融合タンパク質(免疫グロブリン由来配列を有する)または「ヒト化抗体」(これらは、全て本発明に従って自己免疫疾患の処置のために使用され得る)を含み得る。インタクトな全長分子に加えて、抗体という用語はまた、そのフラグメント(例えば、scFv、Fv、Fd、Fab、Fab’およびF(ab)’2フラグメント)またはマルチマーまたはCD40に結合するインタクトな分子および/またフラグメントの凝集体をいう。これらの抗体フラグメントは抗原に結合し、そして例えばガラクトース残基の組み込みによるクリアランスおよび取り込みを容易にする構造的特徴を示すように誘導体化され得る。
【0025】
本発明の1つの実施形態において、CD40アンタゴニストは、de Boerらの米国特許第5,677,165(1997)(de Boer‘165)(この特許は、本明細書中で参考として援用される)に記載されるように実質的に調製されたモノクローナル抗体である。この方法によって、CD40またはそのフラグメントをコードするDNAは、細胞性cDNAの混合物からPCR増幅される。このPCR産物は、適切な末端を作製するために1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化され、そしてバキュロウイルスプラスミドまたは他の発現系に結合される。バキュロウイルス発現系の場合において、CD40またはそのフラグメントをコードするプラスミドは、例えば、Sf9細胞に導入されて、タンパク質産生を容易にする。CD40を発現するSf9細胞のクローンが、例えば、de Boer‘165に記載されるようにELISAによって同定され、そして腹腔内で、BALB/cマウスに注入されて、抗体産生を誘導する。血清が特定の抗体の産生について試験され、そして正の特定の抗体力価を有する動物からの脾細胞をハイブリドーマクローンを生成するために骨髄腫細胞との細胞融合のために使用される。ハイブリドーマクローン由来の上清を、EBV形質転換B細胞の蛍光細胞染色を介して、CD40に対する特異性を有するモノクローナル抗体の存在について試験する。
【0026】
本発明の別の実施形態において、CD40アンタゴニストは、ヒト化抗CD40モノクローナル抗体である。句「ヒト化抗体」は、非ヒト抗体(代表的に、マウスモノクローナル抗体)由来の抗体をいう。あるいは、ヒト化抗体は、親の非ヒト抗体の抗原結合特性を保持するかまたは実質的に保持するが、ヒトに投与された場合に親抗体に比較して減少した免疫原性を示すキメラ抗体から誘導され得る。本明細書中で使用される句「キメラ抗体」は、2つの異なる抗体(これらは、代表的に異なる種に起源する)由来の配列を含む抗体(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)をいう。最も代表的に、キメラ抗体は、ヒトおよびマウス抗体フラグメント、一般的には、ヒト定常領域およびマウス可変領域を含む。
【0027】
ヒト化抗体は、例えば、以下を含む種々の方法によって達成され得る:(1)ヒトフレームワークおよび定常領域を有する非ヒト相補性決定領域(CDR)を用いる工程(当該分野で「ヒト化」と呼ばれるプロセス)、あるいは(2)非ヒト可変ドメイン全体を移植し、ただし、表面残基の置換によってヒト様表面でそのドメインを「覆い隠す(cloaking)」工程(当該分野では「ベニヤリング(化粧張り)(vennering)」と呼ばれるプロセス)。本発明においては、ヒト化抗体は、「ヒト化された」抗体、および「ベニヤリングされた」抗体の両方を含む。これらの方法は、例えば、Jonesら、Nature 321:522〜525(1986);Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、81:6851〜6855(1984);MorrisonおよびOi,Adv.Immunol.,44:65〜92(1988);Verhoeyerら、Science 239:1534〜1536(1988);Padlan,Molec.Immun.28:489〜498(1991);ならびにPadlan,Molec.Immunol.31(3):169〜217(1994)(これらの方法の各々は参考として本明細書に援用されている)に開示されている。
【0028】
句「相補性決定領域」とは、ネイティブの免疫グロブリン結合部位の天然のFv領域の結合親和性および特異性をともに規定するアミノ酸配列をいう。例えば、Chothiaら、J.Mol.Biol.196:901〜917(1987);Kabatら、U.S.Dept.of Health and Human Service NIH Publication No.91−3242(1991)を参照のこと。句「定常領域」とは、エフェクター機能を付与する抗体分子の部分をいう。本発明の抗体の1つの実施形態において、マウス定常領域は、ヒト定常領域で置換される。本発明のヒト化抗体の定常領域は、ヒト免疫グロブリンに由来する。重鎖定常領域は、以下の5つのアイソタイプのいずれかから選択され得る:α、δ、ε、γ、またはμ。
【0029】
抗体をヒト化する方法の1つは、ヒト重鎖および軽鎖の配列に対して非ヒト重鎖および軽鎖を整列させる工程、このような整列に基づいて、非ヒトフレームワークを選択し、そしてヒトフレームワークで置換する工程、ヒト化した配列のコンフォーメーションを予測するための分子モデリング、および親抗体のコンフォーメーションと比較する工程、を包含する。このプロセスに、CDR領域中の残基の反復される復帰突然変異が続き、この変異は、ヒト化配列モデルの予測されるコンフォーメーションが親非ヒト抗体の非ヒトCDRのコンフォーメーションに近接するまで、CDRの構造を妨害する。このようなヒト化抗体を、さらに誘導体化して、例えば、Ashwellレセプターを介して、または他のレセプター媒介クリアランス機構(例えば、ガラクトース残基または他のヘキソースの取り込みにより)、取り込みおよびクリアランスを容易にし得る。例えば、米国特許第5,530,101号および5,585,089号(これらの特許は参考として本明細書に援用される)を参照のこと。
【0030】
あるいは、ヒト化抗体は、本質的に、de Boer、米国特許第5,874,082号(1999)(de Boer ’082)(この特許は参考として本明細書に援用される)に記載の様に、調製され得る。簡略には、mRNAは、抗CD40モノクローナル抗体を発現するハイブリドーマから調製される。重鎖および軽鎖の可変領域をコードするcDNAを、縮重したオリゴヌクレオチドプライマーを使用するRT−PCRを用いて増幅する。de Boer’082に記載のように、RT−PCR技術は、当該分野で周知であり、そしてMyersら、Biochemistry,30:7661〜7666(1991)ならびに米国特許第5,310,652号および同第5,407,800号を参照することにより、本明細書に援用される。PCR産物を、配列決定するプラスミドにクローニングし、このクローンから可変重鎖および軽鎖cDNAのヌクレオチド配列を決定し、この配列から可変重鎖および軽鎖のコンセンサスアミノ酸配列を誘導する。
【0031】
推定アミノ酸配列を用いて、モノクローナル抗体に対して最高程度の配列類似性を有するヒト抗体配列についてデータベースを検索する(de Boer ’082)。同定された相同なヒト配列に基づいて、示された残基をマウスからヒトに変更するように、突然変異誘発プライマーを設計し、これを用いる。ヒト化可変重鎖および軽鎖をコードするcDNAは、ヒトIgG重鎖の定常領域および完全なヒト定常軽鎖の一部分を含むバキュロウイルス発現プラスミドで発現される。ヒト化重鎖および軽鎖をSf9昆虫細胞で同時発現し、そして得られた培養上清を、ウエスタンブロットおよび蛍光標識細胞分取(FACS)分析を用いて抗体発現について分析する(de Boer’082)。
【0032】
本発明のモノクローナル抗体はまた、ヒト免疫グロブリン座を含むように操作されたトランスジェニック動物を使用して産生され得る。例えば、WO98/24893は、ヒトIg座を有するトランスジェニック動物を開示し、ここでこの動物は、内因性重鎖座および軽鎖座の不活化に起因して、機能的内因性免疫グロブリンを産生しない。WO91/10741はまた、免疫原に対する免疫応答を備え得るトランスジェニック非霊長類哺乳動物宿主を開示し、ここで抗体は霊長類定常領域および/または可変領域を有し、そして内因性免疫グロブリンコード座は、置換されるかまたは不活化される。WO96/30498は、哺乳動物における免疫グロブリン座を改変するため(例えば、定常領域または可変領域の全てまたは一部を置換して改変された抗体分子を形成するため)のCre/Lox系の使用を開示する。WO94/02602は、不活化内因性Ig座および機能的ヒトIg座を有する非ヒト哺乳動物宿主を開示する。米国特許第5,939,598号は、トランスジェニックマウスを作製する方法を開示し、ここでこのマウスは、内因性重鎖(claims)を欠き、そして1つ以上の異種の定常領域を含む外因性免疫グロブリン座を発現する。
【0033】
上記のトランスジェニック動物を使用して、免疫応答を、選択された抗原性分子(この場合CD40)に対して生じさせ得、そして抗体産生細胞を、この動物から除去し得、そしてヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを産生するために使用し得る。免疫プロトコル、アジュバントなどは、当該分野で公知であり、そして例えば、WO96/33735に記載されるようなトランスジェニックマウスの免疫において使用される。モノクローナル抗体は、対応するタンパク質の生物学的活性または生理学的効果を、阻害または中和する能力について試験され得る。
【0034】
適切なヒト抗CD40モノクローナル抗体の例は、「Human Anti−CD40 Monoclonal Antibodies」と題する出願人らの同時係属中出願(2000年10月2日出願、出願番号第 、これは本明細書中に参考として援用される)に開示される。この出願は、ヒト免疫グロブリン座についてトランスジェニックなマウスにおいて惹起されるCD40抗体を開示する。これらの抗体は、種々の細胞により発現されるCD40に特異的に結合し、そして本発明の方法における使用に適切である。
【0035】
本発明のCD40アンタゴニストは、それらがCD40に、約104-1以上のKaで、好ましくは約105-1以上、より好ましくは約106-1以上そしてなおより好ましくは約107-1以上のKaで結合する場合、免疫特異的である、または特異的に結合すると言われる。このようなアフィニティは、従来の技術使用して(例えば、平衡透析により;製造者により概説される一般的な手順を使用するBIAcore 2000装置を使用することにより;125I標識CD40を使用する放射免疫アッセイにより;または当業者に公知の別の方法により)容易に決定され得る。このアフィニティデータは、例えば、Scatchardら、Ann N.Y.Acad.Sci,51:660(1949)の方法により分析され得る。従って、好ましいCD40アンタゴニストが、CD40に対する高度な特異性を示し、かつ他の分子に対して実質的により低いアフィニティで結合することが明らかである。
【0036】
さらなるCD40アンタゴニストの同定は、他のタンパク質またはポリペプチドと特異的に相互作用するタンパク質を同定するためおよび得るための多数の公知の方法(例えば、米国特許第5,283,173号および米国特許第5,468,614号に記載されるような酵母ツーハイブリッドスクリーニング系)の何れかまたは利用され得る等価物を使用することにより達成され得る。本発明の1つの実施形態において、CD40をコードするcDNAまたはそのフラグメントは、ツーハイブリッドベイト(bait)ベクターにクローニングされ得、そしてCD40結合活性を有するタンパク質について相補的標的ライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。
【0037】
本明細書中で使用される場合、用語「タンパク質」は、タンパク質、オリゴペプチド、ポリペプチド、ペプチドなどを含む。さらに、タンパク質という用語はまた、フラグメント、マルチマーまたはインタクトな分子および/またはフラグメントの凝集体をいい得る。タンパク質は、天然に存在するものでも、組換えDNA手段を介してまたは化学的合成および/または酵素的合成により産生されてもよい。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories(第2版、1989)を参照のこと。
【0038】
抗体および他のタンパク質に加え、本発明はまた、代替CD40アンタゴニストを包含し、これらとしては、種々の自己免疫疾患および/または新形成疾患を処置する際に効果的でもある低分子が挙げられるが、これらに限定されない。このような低分子は、そのCD40に結合する能力および/またはCD40とCD40Lとの間の相互作用を阻害する能力をアッセイすることにより同定され得る。
【0039】
低分子とのCD40の結合を測定するための方法は、当該分野で用意に利用可能であり、これらには、例えば、低分子が、CD40とそのリガンド(CD40L)または抗CD40抗体との間の相互作用を干渉することによる、競合アッセイが挙げられる。あるいは、直接結合アッセイを利用して、CD40との低分子の相互作用を測定し得る。例えば、ELISAアッセイが使用され得る。これは、CD40またはCD40の細胞外ドメインを、不溶性マトリクス(例えば、組織培養プレートまたはビーズ)上へ吸着させることによる。標識したCD40Lまたは抗CD40抗体は、目的の低分子を含めることによって、CD40への結合をブロックされる。あるいは、CD40への低分子の結合を、蛍光標識細胞分取(FACS)アッセイによって決定し得る。この方法によって、CD40を発現する細胞を、蛍光タグ化した抗CD40抗体とインキュベートするか、または蛍光タグ化した二次抗体の存在下で抗CD40抗体とインキュベートする。CD40への低分子の結合は、CD40発現細胞に結合する蛍光における用量依存性の減少によって評価され得る。同様に、低分子の直接結合が、この低分子を標識(例えば、放射性標識または蛍光タグ化)して、固定したCD40またはCD40発現細胞と共にインキュベートし、そしてその結合した低分子の放射活性または蛍光についてアッセイすることによって、評価され得る。
【0040】
本発明のCD40アンタゴニストには、適用可能である場合、機能的等価物が含まれる。例えば、分子は、長さ、構造、構成要素などによって異なり得るが、1以上の規定の機能をなお保持し得る。より詳細には、本発明の抗体、抗体フラグメントまたはペプチドの機能的等価物は、模倣化合物、すなわち、抗原結合のための適切な立体配置および/または配向を模倣するよう設計された構築物を含み得る。
【0041】
好ましいCD40アンタゴニストは、必要に応じて、側鎖基の付加など(例えば、アミノ末端アシル化、カルボキシ末端アミド生成またはアミノ酸側鎖へのさらなる基の結合)によって改変され得る。アンタゴニストはまた、1以上の保存的アミノ酸置換を含み得る。「保存的アミノ酸置換」によって、その置換されるアミノ酸の全体の電荷、疎水性/親水性および/または立体容積(bulk)を保存する、アミノ酸配列における変化が意味される。例えば、以下の基間の置換が保存的である:Gly/Ala、Val/Ile/Leu、Asp/Glu、Lys/Arg、Asn/Gln、Ser/Cys/ThrおよびPhe/Trp/Tyr。このような改変は、CD40アンタゴニストの効力を実質的に減少せず、そして例えば、インビボ半減期の増加または毒性の減少のような、所望の特性を付与し得る。
【0042】
動物モデルにおいて効果的である1より多いCD40アンタゴニストを同定して、2以上のこのようなCD40アンタゴニストを共に混合し、自己免疫疾患に対するさらに改善された効力を提供することがさらに有利であり得る。1以上のCD40アンタゴニストを含む組成物は、自己免疫疾患を罹患しているかまたは自己免疫疾患に罹患する素因を有する、ヒトまたは哺乳動物に投与され得る。CD40アンタゴニストは、炎症性のリンパ系細胞(例えば、単核食細胞、リンパ球、形質細胞および二次リンパ系小胞)を有する標的細胞の浸潤を減少することによって、および乾癬の特定の場合において、表皮肥厚および錯角化の重篤度を減少させることによって、自己免疫疾患の重篤度を最小化すると考えられる。
【0043】
本発明の方法によって、CD40アンタゴニストを含む組成物は、治療処置のために、非経口的、局所的、経口的または局部的に投与され得る。好ましくは、これらの組成物は、経口的または非経口的(例えば、静脈内、腹腔内、皮内または筋内)に投与される。従って、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア(好ましくは、水性キャリア)中に1以上のCD40アンタゴニストを含む、投与用組成物を使用する方法を提供する。種々の水性キャリア(例えば、水、緩衝化水、0.4%食塩水、0.3%グリシンなど)が使用され得、そして安定性を増強するための他のタンパク質(例えば、アルブミン、リポタンパク質、グロブリンなど(これらは、穏やかな化学的改変などに供される))を含み得る。
【0044】
自己免疫疾患のための治療剤として有用なCD40アンタゴニストは、しばしば、天然に存在する免疫グロブリンまたは他の生物学的分子を実質的に含まずに調製される。好ましいCD40アンタゴニストはまた、自己免疫疾患を患う哺乳動物に投与された場合に、最少の毒性を示す。
【0045】
本発明の組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌され得る。得られる溶液は、使用のためにパッケージされ得るか、または無菌条件下で濾過され、そして凍結乾燥され、この凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌溶液と合わされる。これらの組成物は、適切な生理学的条件に必要とされるような、薬学的に受容可能な補助物質(例えば、pH調整剤および緩衝剤、張度調整剤など(例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム)および安定剤(例えば、1〜20%マルトースなど))を含み得る。
【0046】
本発明のCD40アンタゴニストはまた、リポソームを介して投与され得る。リポソームとしては、エマルジョン、フォーム、ミセル、不溶性単層、リン脂質分散系、層状層などが挙げられ、これらは、CD40アンタゴニストを特定の組織に標的化しそしてこの組成物の半減期を増加するための、ビヒクルとして機能し得る。種々の方法が、リポソームの調製のために利用可能である(例えば、米国特許第4,837,028号および同第5,019,369号(これらの特許は、本明細書中に参考として援用される)に記載される)。
【0047】
これらの組成物中のCD40アンタゴニストの濃度は、選択される特定の投与形態および処置される自己免疫疾患に従って、広範に変化し得(すなわち、約10重量%未満から、通常少なくとも約25重量%から、75重量%または90重量%程度まで)、そして液体の容量、粘性などによって主に選択される。経口的、局所的および非経口的に投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかであり、そして例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencce、第19版、Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)(本明細書中に参考として援用される)に詳細に記載される。
【0048】
患者における自己免疫疾患を処置するための、本発明の組成物の有効量の決定は、当該分野で周知の標準的な経験的方法によって達成され得る。例えば、乾癬の場合、表皮肥厚および錯角化の逆転ならびにケラチノサイトにおけるリンパ球浸潤の減少が、測定され得る。
【0049】
本発明の組成物は、自己免疫疾患に既に罹患している哺乳動物または自己免疫疾患に対する素因を有する哺乳動物に対して、この自己免疫疾患の発症を妨げるかまたは少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。同様に、本発明の組成物は、新形成疾患を患う哺乳動物に、その疾患の重篤度を減少するために投与され得る。これを達成するために十分な量を、「治療的有効用量」として定義する。CD40アンタゴニストの有効量は多様であり、疾患の重篤度ならびに処置される患者の体重および全身状態に依存するが、一般には、約1.0μg/kg体重〜約100mg/kg体重の範囲であり、1回の適用あたり約20μg/kg〜約10mg/kgの投薬量が、より一般に使用される。投与は、疾患に対する応答および治療の患者耐性に依存して必要なように、毎日、毎週またはより低頻度である。長期間にわたる維持投薬が必要とされ得、そして投薬量が、必要なように調整され得る。
【0050】
組成物の単回投与または複数回の投与が、主治医によって選択された用量レベルおよびパターンで行われ得る。いずれにしろ、処方物は、自己免疫疾患を効果的に予防するかまたはその重篤度を最小化するのに十分な量のCD40アンタゴニストを提供するべきである。本発明の組成物は、単独で投与されるか、あるいは乾癬または他の自己免疫疾患の処置のための当該分野で周知の他の治療剤と組み合わせの補助治療剤として、投与され得る。
【0051】
本発明の方法はまた、自己免疫疾患に対するエキソビボ治療または体外治療のために使用され得、これは、体外で末梢血単核細胞(PBMC)に対して治療的操作を行うことによる。例えば、PBMCを、被験体から取り出しそして本発明のCD40アンタゴニストで処理し得る。これらの細胞は、その後被験体に投与され、CD4+T細胞の活性化をブロックし得るかまたは実質的に減少させ得る。被験体の体外でCD40アンタゴニストの投与を行うことによって、インビボ投与を介して寛容化される濃度よりも、有意により高濃度のCD40アンタゴニストが使用され得る。本発明の方法のエキソビボ適用はさらに、自己免疫疾患に対する治療活性の増加を共に提供する、さらなる薬剤の投与を包含し得る。
本発明の組成物はまた、インビトロでの使用を見い出す。例えば、CD40アンタゴニストは、自己免疫疾患または新形成性疾患のための治療または他の処置の有効なレベルを評価するためのスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。他の実施形態において、本発明の組成物は、種々の可能な処置様式(例えば、乾癬または他の自己免疫疾患の処置のための方法)の設計あるいはスクリーニングにおいて使用され得る。従って、例えば、自己免疫治療の有効性を評価するための診療方法もまた、本発明によって提供される。自己免疫疾患または新形成性疾患の逆転と平行するインビトロでの変化の検出は、本発明に従う処置のために意図されるCD40アンタゴニストにおけるインビボ活性の指標を提供する。
【0052】
以下の実施例は例示のために提供され、限定のために提供されない。
【実施例】
【0053】
(実施例1)
この実施例は、重症複合免疫不全症(SCID)マウス異種移植モデル系において、乾癬を処置するためのヒト化マウスモノクローナル抗体5H7の使用を記載する。
【0054】
SCIDは、C.B−17マウスにおける常染色体の劣性変異であり、これは、T細胞およびB細胞の内因性欠陥を導く抗原レセプター遺伝子の再配列を引き起こさない。Boehncke,W.−H.ら、Arch.Dermatol.Res.,286(6):325−30(1994)。Nickoloff(前出)は、正常(NN);非病変、前乾癬性(pre−psoriatic)(PN);および病変乾癬性(PP)の皮膚は、高い生存率(すなわち、>85%)でSCIDマウス上に移植され得ることを示した。移植後、正常な皮膚および乾癬性皮膚は、これらの代表的な形態学的特徴を保持するが、前乾癬性皮膚はいくぶんより厚くなる。この動物モデルは、乾癬に対する遺伝学的/病因学的および病態生理学的基礎を明らかにするために設計された機構型の研究を行うための実用的なモデルとして、実質的な注目を受けた。SCIDマウスの異種移植モデルの有効性は、とりわけ、減少した表皮の厚さ、角質化の標準化、顆粒層の再確立および炎症性浸潤の減少を測定することによって決定される。
【0055】
SCIDマウスの異種移植モデル系を使用して、慢性の斑病期の乾癬に羅患した3人の患者由来の冒されていない非病変(PN)ヒト皮膚、冒されている病変(PP)ヒト皮膚を本明細書中でその全体が参考として援用されるBoehncke、W.−H.ら、Arch.Dermatol.Res.,上掲の手順に従って、マウスに移植した。各々のヒトドナーから、6つのPN皮膚の移植片および6つのPP皮膚の移植片を単離し、そして全部で12匹のマウスに移植した。3つの群のマウスを以下の治療レジメンの1つに供する前に移植片を4週間治癒させた:(1)処置群−病変PP皮膚を移植したマウスを2週間の間1日おきに20mg/kgの投薬で抗体5H7を腹腔内(i.p.)注射することにより処置した;(2)処置コントロール群−病変PP皮膚を移植したマウスをアイソタイプ抗体MsIgG1をi.p.注射することにより処置した;(3)予防群−非病変PN皮膚を移植したマウスを本明細書中でその全体が参考として援用されるWrone−Smith,T.ら、J.Clin Invest.、98:1878−1887(1996)の方法に従って抗体5H7の存在下でstaphylococcalスーパー抗原を用いてエキソビボにおいて事前に活性化した2×106個の末梢血単核球(PBMC)を皮内(i.d.)注射することにより処置した。PBMC注射後、群(3)のマウスを、「処置群」あたりと同様にインビボで、抗体5H7の投与によりさらに処置した;そして(4)予防コントロール群−非病変PN皮膚を移植したマウスを「予防群」と同様にstaphylococcalスーパー抗原を用いてエキソビボで事前に活性化した2×106個のPBMCのi.d.注射で処置し、次に抗体MsIgG1を投与した。この処置の4週間後、移植片を収集し、ホルムアルデヒドで固定し、そして慣用的なヘマトキシリンおよびエオシンH+E染色に基づいて形態学的に分析するために用いた。
【0056】
群の間の比較性を保証するために、移植片を操作を始める前に迅速に巨視的に評価し、巨視的びらんを有する移植片を別個の群に分離するように群を分類した。これらの予備的な評価は、ほとんどの皮膚移植片が拒絶の証拠なしに採取されたことを示した。
(5H7のインビトロでの投与がPBMCのスーパー抗原活性化を阻害する)
細菌のスーパー抗原のエキソビボでの投与による5H7がPBMCの活性化をブロックする能力を評価するために、PN皮膚を移植されたマウスに注射されたPBMCのアリコートを二色蛍光標識細胞分取(FACS)により分析した。結果を表1に要約した。表1は、ドナーBにおけるCD25の発現の1つを除き、5H7が、CD4+T細胞上の活性化マーカーCD25およびマーカーCD69の上方制御を非処置のコントロール細胞のレベルに対し10〜30%の間で阻害したことを示す。
(表1:インビボにおける5H7の存在下または非存在下でのPBMCのスーパー抗原活性化の効果)
【0057】
【表1】

(インビボでの乾癬処置に対する5H7の影響)
病変PP乾癬皮膚を移植されアイソタイプコントロール抗体MsIgG1で処置したマウスは、上皮の持続性の過増殖から生じる約190〜340μmの増加した上皮の厚さにより特徴付けられる表皮肥厚を示した。さらに、PP皮膚を移植されMsIgG1で処置されたマウスはまた、乾癬に代表的な角質生成過程における持続的な変化を示す顆粒層の部分的な完全欠如により特徴付けられる不全角化を示した。さらに、高密度単核浸潤がこれらのマウスの真皮の上方の位置で見られた。
【0058】
PP皮膚を移植されたマウスのインビボにおける5H7での処置は、ヒトドナーWおよびBにおける30%からヒトドナーRにおける50%の範囲で表皮厚の測定可能な減少をもたらした。このような表皮厚の減少は表皮の過増殖の減少に由来した。角質化パターンの標準化は、顆粒層の再構築を反映し、時折角膜層の規則的な網状構造を観察し得た。さらに、炎症性の浸潤を約50%にまで減少させた。
【0059】
これらの知見は、5H7投与が、SCIDマウスモデル系における慢性斑病期(plaque−stage)の乾癬由来の確立した病変の処置に有効であることを証明する。
【0060】
(実施例2)
実験の第2のセットでは、実施例1に記載の皮膚移植片を有するマウスを、4つの処置群に分けた。
1. 低用量5D12処置群:移植の2週間後、抗CD40ABを、0.5mg/kg用量にて、2日ごとに、2週間(6用量)、ip投与した。2〜4週間後、移植片を収集した。
2. 高用量5D12処置群:移植の2週間後、抗CD40ABを、5mg/kg用量にて、2日ごとに、2週間(6用量)、ip投与した。2〜4週間後、移植片を収集した。
3. 5C8(抗CD40L)処置群:移植の2週間後、抗CD40ABを、0.5mg/kg用量にて、2日ごとに、2週間(6用量)、ip投与した。2〜4週間後、移植片を収集した。
4. アイソタイプ抗体処置コントロール群:上記群2についての、コントロールAB処置についての3つの病変移植片。
【0061】
抗CD40抗体処置は、30%〜50%の表皮厚の減少、および角質化パターンの標準化(角膜層の網状構造、顆粒層の再構成)、ならびに浸潤の密度により判定した炎症のわずかな低下(約20%〜40%の減少、マンロー微小膿瘍なし)を生じた。抗CD40L抗体は、このモデルにおける抗CD40抗体に類似する結果を生じる。盲検者は、陰性コントロール以外、組織学を処置プロトコルに割り当てることができなかった。
【0062】
(実施例3)
(低用量および高用量のCD40抗体5D12の評価)
本実験を、実施例1に記載のマウスモデルを用いて行い、抗CD40抗体の低用量の抗乾癬効果を定量した。抗体5D12を用いる低用量処置は、0.5mg/kg5D12を用いる、隔日で2週間の、マウスの腹腔内注入からなった。高用量処置は、5mg/kg5D12を用いる、隔日で2週間の、マウスの腹腔内注入からなった。5C8処置について、5mg/kg5D12を用いる腹腔内注入を、隔日で2週間行った。処置コントロール群は、アイソタイプコントロール抗体を用いて、2週間、腹腔内注入したマウスからなった。
【0063】
処置の終了の4週間後、移植片を収集し、そしてホルムアルデヒド中に固定するか、または素早く凍結(snap−frozen)した。固定した材料を、H+E染色に基づく形態学的分析に用い、そして素早く凍結した材料をさらなる免疫組織化学的分析に用いた。これらの結果を以下に記載する。
【0064】
(アイソタイプコントロールの効果)アイソタイプコントロール抗体を用いて処置した病変乾癬皮膚は、ドナーに依存して、300〜570mmの表皮厚を示した。結果を表2〜7に示す。非病変表皮または正常な表皮と比較した場合、この肥厚は、表皮肥厚症(akanthosis)と呼ばれ、そしてケラチノサイトの過剰増殖(病変乾癬表皮の顕著な特徴)を持続することに起因する。肥厚表皮は、真皮乳頭を覆う表皮の狭小化と共に乳頭間隆起の明白な伸長を示した。これは波状表皮−類皮縁(epidermo−dermal border)を生じる;この現象を乳頭腫症という。
【0065】
ケラチノサイトの混乱した分化はまた、乾癬に特徴的であり、そして顆粒層の部分的または完全な欠如(錯角化症として公知の現象)を生じる。ケラチノサイト核の影は、コントロール層において観察され得ない。ケラチノサイト核の影は、通常、目に見えない(異常角化症);角膜層自体は代表的な網様構造を欠き、そして代わりに緻密に見える。さらに、高密度の単核浸潤が真皮の上部に位置するところに見出した。これらの特徴は、多かれ少なかれ全てのコントロール移植片に存在したが、(8週間と対照的に)10週間にわたりマウス上で維持されたこれらの移植片は、病変乾癬皮膚の代表的な外観の低下を示した。上記の特徴は、明白な様式の低下(例えば、顆粒層がより完全に再生した、網状様角膜層の伸張が生じた、および異常角化症の斑の頻度が低下した)に存在した。これらの結果は、比較的安定な表現型にもかかわらず、経時的な乾癬の特徴のいくつかの消滅(おそらく、寛解を示す)が存在することを示唆する。これは、慢性の再発過程により特徴付けられる、疾患の自然の流れと似ている。
【0066】
(抗体5D12を用いる処置の効果)
5mg/kgの用量(高用量)での抗CD40抗体5D12を用いる処置は、ドナーに依存して20%〜50%の範囲の表皮厚の減少を生じた(表2〜4)。角質化パターンの標準化は、顆粒層の再樹立とよく似ており、そして時折、規則的な角膜層の網状様構造が観察され得る。異角化性の斑は観察され得なかった。さらに、炎症性浸潤は明らかに低下した。
【0067】
0.5mg/kgの用量(低用量)で5D12抗体を与えた移植片は、高用量5D12で処置した移植片と比較する場合、盲検者は、これらの群を識別し得なかった。このことは、組織学的特徴が、同様に見えることを示している。表皮厚さの定量化は、高用量群と比較可能な効果(20〜40%の減少、表2〜4)を立証する。しかし、並べて比較すると、その効果は、特に、網状様角膜層のより長い伸張、およびより少ない異角化を高用量群においてさらに明白に現した。
【0068】
(抗体5C8での処置の効果)
抗CD40リガンド抗体5C8の抗乾癬の効果を、5mg/mlの用量で分析した。高用量および低用量5D12処置の場合では、正常な表皮組織学の部分的修復に伴って上皮厚さのかなりの減少が、引き起こされ得た。この群と他の2つの処置レジメンの1つを与えた移植片との明らかな相違を、盲検者によって再現的に明らかにし得なかった(表2〜4)。
【0069】
これらの結果は、上記の実施例1および実施例2に示される結果を確認しそして広げる。その中で、抗CD40抗体は、SCID−hu異種移植モデルにおいて測定可能な抗乾癬の効果を示す。
【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

(実施例4)
(5D12と組み合わせるメトトレキサート処置の評価)
メトトレキサート処置単独、または低用量(0.5mg/kg)5D12処置と組み合わせた効果を、評価した。増加投与レジメンを選択し、0.1mg/kgで始めて、そして0.4mg/kgに達するまで毎週0.05mg/kgずつ用量を増加させた。スキームを、アイソタイプコントロール抗体の適用または低用量5D12処置スケジュールと組み合わせた。アイソタイプコントロール処置は、陰性コントロールとして、そして低用量5D12処置は、陽性コントロールとして取り扱った。
【0073】
アイソタイプコントロール抗体と組み合わせるメトトレキサートは、上皮厚みに対して最小の効果を有するのみであり、そして組織学的特徴の標準化は、観察され得なかった(表5〜7)。従って、このスケジュールに従って与えられるメトトレキサート単独は、SCIDマウスへ移植した病変乾癬皮膚の治療のために適切なレジメンを示さない。
【0074】
低用量5D12と組み合わせた場合、陰性コントロールと比較して引き起こされる変化は、低用量5D12のみを受ける陽性コントロール群において見出される変化に類似した(表5〜7)。
【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

表5〜7に示すように、5D12のメトトレキサートとの組み合わせは、5D12単独より優れた変化を引き起こすことに失敗した。再度、5D12処置移植片において見出された変化は、この抗体が、有効な処置様式であることを確認した。0.5mg/kgほどに低い用量の抗体は、有効であったが、より高用量(1mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kgまたは2.5mg/kgなど)は、あまりに低い投与量の潜在性を回避するため好ましくあり得る。
【0078】
前述から、本発明の特定実施形態が、例示目的のために本明細書中に記載されているのもかかわらず、種々の改変は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることは、正しく認識される。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によるものを除いては、限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2011−26356(P2011−26356A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254328(P2010−254328)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2001−527822(P2001−527822)の分割
【原出願日】平成12年10月2日(2000.10.2)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【Fターム(参考)】