予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用の加工装置
【課題】簡素で、効率的で、経済的なプロセスを可能とする、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用の加工装置を提供する。
【解決手段】パイプ1が、コンベヤロール駆動型のコンベヤ2によって、ウォームコンベアシステム4がある装置入力点3にまで垂直に搬送される。前記ウォームコンベアシステム4は、垂直配置の回転軸周りで回転する入力スター6とともにギヤによって、水平配置の自身の回転軸周りで同期して回転する。垂直配置のパイプ1は、入力スター6によって予備フラップ形成加工のステーション7へ移送される。このステーション7では、パイプの予備拡張1A、1Bがなされ、予備フラップおよび缶本体のロックがなされる。
【解決手段】パイプ1が、コンベヤロール駆動型のコンベヤ2によって、ウォームコンベアシステム4がある装置入力点3にまで垂直に搬送される。前記ウォームコンベアシステム4は、垂直配置の回転軸周りで回転する入力スター6とともにギヤによって、水平配置の自身の回転軸周りで同期して回転する。垂直配置のパイプ1は、入力スター6によって予備フラップ形成加工のステーション7へ移送される。このステーション7では、パイプの予備拡張1A、1Bがなされ、予備フラップおよび缶本体のロックがなされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」に関するものである。これらは、より具体的には、多様なボディ形状を有する缶の製造を意図したものであり、又、缶の端部での深いくびれの形成を可能にすることを意図したものである。
【0002】
[発明の概略]
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、例えば食品、飲料品、化学品その他を収容する等の多様な目的を意図した缶であって、ブリキ板、クロムメッキされた金属シート、またはブリキ原板(「ブラック・プレート」訳注:メッキ前の鉄製シート)等のような様々な材料製の缶の製造に使用される。
【0003】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、金属製の、プラスチック製の、又は、それらを混合した密封手段、密封ガスケット若しくは真空密封を使用した缶の製造にも用いられてもよい。
【0004】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、拡張加工に先立って予備フラップを形成させる缶本体の予備的拡張を可能にするものであり、それを達成するための装置(設備)は、市場に存在する異なった拡張プロセスの使用を可能とするものである。そして、それは、許容できる誤差(又は公差)の範囲を超えた不規則形状で設計され、その結果、底部や蓋の形成を損ない、漏れを生ずる点で気密性等を妥協するに至るところのフラップ形成を害するところの、拡張に付随する缶本体高さの不規則なロス(低下又は減少)を帳消しにすることができる。
【0005】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」はまた、Metalgrafica Rojek Ltda所有のブラジル特許PI9905474-4の対象物である「缶本体のスピニング及びモールディング装置」の使用を可能とするものである。
【背景技術】
【0006】
缶端部のくびれを伴った、又はくびれの無い、拡張された缶本体を得るための各種のプロセスは、例えば、型くびれ加工、スピンフロー、ストレッチ加工その他の技術によって既に知られている。しかしながら、現在使用されている全てのプロセスは、たいへん厄介なことに、缶本体の形成に使われる寸法のために表出的な材料を浪費する原材料の利用には適していない。さらに、通常のプロセスはまた、過度の加工段階を用いるものであり、それらはたくさんの加工機械の使用を必要とし、大量のスクラップを生じさせる。
【0007】
カムを介して、缶本体に導入される把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)を用いるプロセスが、技術として知られている。そして、そのプロセスは、缶の容量を増大することを目的として、初期の缶本体の直径の増大を通常伴いながら所望形状が達成されるまで缶本体を拡張する。
【0008】
缶の製造では、深いくびれ加工が既に知られており、それは、缶本体の半径方向での断面が、一般に缶端部の近く、即ち蓋又は底の近くに構成されるところの缶本体の名目上の直径よりも小さな直径を持つような領域を達成することを目的とするものである。このくびれは、蓋又は底において原材料を節約するという意図をもってつくられ、また、積み重ねを容易にするためでもあり、小規模な縮径については半プラグプロセス(型くびれ加工)でなされ、大規模な縮径についてはフォーミングローラープロセス(スピンフロー加工)でなされる。しかしながら、低膜厚のホイル(薄片)を用いたくびれ付き缶の大変厄介な点の一つは、缶本体の溶接部に近いくびれ領域にピンホールが発生することである。そのことは缶の組み立てライン効率を低下させるほか、金属包装の外観を損なわせる。
【0009】
くびれ及びフラップを完成した後に底が再スパイクされ、そして、これらの操作の後において、缶の所望形状が達成されるまで、拡張用のカムを介して、缶本体に導入される把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)のプロセスにより缶が拡張される。しかしながら、底は既に再スパイクされてしまっているから、拡張は缶の頂上部から起きるだけである。即ち、缶本体の高さは頂上部において減じられ、そのことは、缶の内部仕上げを損なわせ、金属を露出させて、缶詰製品の品質(特に食品の品質)を損なわせる。
【0010】
上述したプロセスで缶の拡張がなされた場合、缶本体の高さの減少があり、その減少は不均整な基体の両側で起き、フラップ形成および缶形成を損ない、漏れを生ずる点で缶の気密性等を危うくする。
不規則な形状における高さの減少は、いつくかの理由で起こる。例えば、缶本体を構成しているプレートと、それが電気溶接を受ける領域の硬化点の違いといった理由であり、プレートが端部よりも中央部において硬度が低いことを考慮するほか、缶本体を形成するのに用いられる領域にもよる。それは、溶接によって影響される領域に関連して異なる硬化点を有することもあり、拡張後に缶本体の端部を総じて不規則に変えることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
[発明の原理]
従前の技術のあらゆる欠点を克服するために、この「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」が企画された。これは、大変簡素で、効率的で、経済的なプロセスに関するものであり、同じ目的で採用される通常のプロセスに比べ、ずっと生産性に優れている。
【0013】
ここに提示された「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、相対的に小さなくびれ径を持った缶本体を提供することからなり、所望の名目直径まで拡張されており、その拡張は、缶本体を形成すべく62.4mmの直径を基体としてとり、約16%の拡張率に対応した73mm径にまで拡張される。それは、最初の直径に関する約10mmの名目値での拡張に対応する。
【0014】
この「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」の革新的な特徴の中で、我々は、二つの操作での達成可能性を指摘するものである。第1のものは、予備的拡張または最終的な拡張をもたらすことが、缶本体のフラップを得ることと共に実行され、これにより、生産ラインでの機械の導入を抑制してラインが占めるスペースを減らし、廃棄率が低減する。尚、従来のプロセスは、缶本体の拡張のための操作を用い、それ故、フラップ寸法の不規則性を生み、缶底の形成をもっと困難にし、蓋の気密性を損なうものであるが、このような従来のプロセスで起きていることと異なり、二つの操作プロセスを達成することがフラップ寸法の不規則性を防止するものであることを思えば、生産効率は、第2の操作において缶本体の全体的な拡張を得られるものである。
更に、よく知られた拡張プロセスでは、缶本体の拡張は底部の配置後に起きる、というのも、この段階無しでは、全体として且つフラップの不規則性無しで拡張を達成することは不可能だからである。その上、従来のシステムでは、拡張は、凹形状を呈する缶の中央部で起きる。しかしながら、搬送時に、拡張された本体部は互いに接触する傾向にあり、それらのリソグラフィー(lithography)にダメージを与え、もっとひどい場合には、それらは押しつぶされ、又は缶本体を破壊するかもしれない。
【0015】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」では、拡張を開始するために缶底を配置する必要が無い。というのも、缶本体は端部から拡張され、最も高い圧力下におかれる中央部分は、名目径において変化されず、最終の缶本体は凸の形状を呈する。その結果、それらが移動するとき、それらは互いに接触せず、缶における接触領域は頂上および基部領域にもっぱら制限され、それらのリソグラフィー(lithography)は缶本体の構造と同様、変化しないままである。
【発明の効果】
【0016】
この「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」によって達成される利点として、我々は次の点を指摘する。
a)材料の経済性。なぜなら、本発明は、小径の缶本体からはじめて、缶本体を所望の径にまで成形(モールド)することで缶本体を拡張することを可能にする。62.4mm径の缶本体を基本にすると、それはモールディングによって73mm径にまで拡張され、それは、最初の径からの約10mmの拡大に相当し、缶の内容積をかなり増大させる。
b)組立てライン工程の減少。なぜなら、フラップ形成操作は、予備拡張等を伴う第1のステーションで行われ、このことは、缶組立てラインにおける機械の使用を抑制可能にする。
c)工程数の減少および拡張システムの簡素化による、組立てラインの生産性増大。
d)シートの装飾(ワニスかけ)及びリソグラフィー(lithography)のラインにおける生産性増大。なぜなら、シートから採取される缶本体の数は、25%ほど多い。
【0017】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、あらゆるタイプの拡張加工プロセスに適用され得る。それは、従来の拡張加工製造ラインから分離した又は組み込まれた操作ステーションを使用しても良く、拡張操作以前のスピニング加工による上部および底部フラップの形成を予感させるものである。また、それは、適用される拡張プロセスにかかわらず、最も異なる形態や寸法の缶本体に使用されてもよく、缶本体のネック径がより小さい状態で始まり、予備フラップを名目径にまで拡大し、缶本体をロックし、缶本体の高さの低減のためにフラップに不規則な形状ができるのを許さないように適切な拡張の準備をしておき、その結果、ボトム形成での干渉を許さず、缶の気密性等を確保するものである。
【0018】
缶本体の拡張以前に予備フラップのスピニング加工による形成に関し、ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」の革新的な特徴の中で、加工プロセスは二つの操作で達成されるという事実が強調されている。ここで、第1の予備的拡張では、上部および底部の予備フラップが、缶本体をロックするためになされ、そして第2の操作で、選択された拡張プロセスにより缶本体の全体的な拡張がなされ、その結果、次にフラップの校正がなされて寸法の不規則性を回避する。
【0019】
[図面についての概要説明]
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」に関して、缶形成についていくつかの従来型加工プロセスとの相違を明確に視覚化するために、図面には参照番号が付されている。そこでは、
ボトムの形成後にルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)による缶の両端部のうちの一方のネックの拡張を伴う、缶本体形成用のデネッキング型又はスピンフロー型プロセスは、文字「A」で表される。
ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)による缶の両端部のうちの一方のネックの拡張を伴い、缶本体の拡張前にフラップの形成を伴う、缶本体形成のデネッキング型又はスピンフロー型プロセスは、文字「B」で表される。
ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)によって拡張される缶本体の形成プロセスは、文字「C」で表される。
缶本体の拡張以前に予備フラップの形成を伴い、ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)によって拡張される缶本体の形成プロセスは、文字「D」で表される。
缶本体形成のためのストレッチ(引き伸ばし)型プロセスは文字「E」で表される。
缶本体の拡張以前に予備フラップの形成を伴う、缶本体形成のためのストレッチ(引き伸ばし)型プロセスは、文字「F」で表される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】図1Aは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1B】図1Bは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1C】図1Cは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1D】図1Dは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1E】図1Eは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1F】図1Fは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図2A】図2Aは、73mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2B】図2Bは、62.4mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2C】図2Cは、73mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2D】図2Dは、62.4mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2E】図2Eは、径62.4mm、高さ109mmでの缶本体の形成を示す。
【図2F】図2Fは、径62.4mm、高さ109mmでの缶本体の形成を示す。
【図3A】図3Aは、ダイ・ネッキング加工によって得られる、缶本体の底端部ネッキングの形成段階を示し、そこでは、径が73mmから70mmに減じられる。
【図3B】図3Bは、缶本体の上端部の予備拡張段階を示し、その上端部の径は70mmから73mmに拡大し、缶本体の残り部分の径は変わらないままであり、更に、底フラップおよび上端フラップが一致させられる。
【図3C】図3Cは、缶本体の形成段階を示し、その際、高さが80.8mmに減じられ、上端部の径が68mmから70mmとなり、底端部の径が68mmから73mmとなり、最大拡張部の径が78.5mmになり、缶本体中央部が68mm径のままである。
【図3D】図3Dは、缶本体の上端部の予備拡張段階を示し、缶本体上端部の径が68mmから73mmとなり、缶本体中央部が68mm径のままであり、缶本体の全高を89mmに減じ、底部および上端の予備フラップが一致される。
【図3E】図3Eは、缶本体底端部での案内部(invitation)の形成段階を示し、これにより、その径が62.4mmから72mmとなり、缶本体の高さが106.5mmに減じられる。
【図3F】図3Fは、缶本体底端部の予備拡張段階を示し、缶本体底端部の径は62.4mmから73mmとなり、缶本体中央部の径は62.4mmのままであり、高さは104mmに減じられ、そして、上端および底部の予備フラップが形成される。
【図4A】図4Aは、底フラップおよび上端フラップを一致させる段階を示す。
【図4B】図4Bは、両端部からの缶本体の最終形成段階を示し、その上端部は73mm径のまま、底端部は70mmのままであり、拡張された部位は85mm径に達する。
【図4C】図4Cは、上端フラップおよび底フラップの形成段階を示し、その段階では缶本体の全高が78.8mmに減ぜられる。
【図4D】図4Dは、缶本体の拡張段階を示し、その際、高さが79.2mmに減じられ、上端部の径が70mmのままであり、底端部の径が73mmのままであり、最大拡張部の径が78.5mmになり、缶本体中央部の径が68mmのままである。
【図4E】図4Eは、缶本体の拡張段階を示し、その際、高さが97mmに減じられ、上端部の径が62.4mmのままであり、拡張部位の径が73mmになる。
【図4F】図4Fは、缶本体の拡張段階を示し、その際、高さが96mmに減じられ、上端部の径が62.4mmのままであり、拡張部位の径が73mmになる。
【図5A】図5Aは、缶底を形成する段階を示す。
【図5B】図5Bは、フラップの校正段階を示す。
【図5C】図5Cは、底部をクランプする段階を示し、その段階では缶本体の全高が78.6mmに減ぜられる。
【図5D】図5Dは、フラップの校正段階を示し、缶本体高さの78.8mmへの減少を伴う。
【図5E】図5Eは、上端および底のフラップの形成段階を示し、缶本体高さの95mmへの減少を伴う。
【図5F】図5Fは、上端および底部のフラップの校正段階を示し、缶本体高さが95mmに減少される。
【図6A】図6Aは、缶の上端部を介して缶本体を拡張する段階を示す。
【図6B】図6Bは、缶底部の形成段階を示す。
【図6D】図6Dは、缶底部をクランプする段階を示し、缶本体高さの78.6mmへの減少を伴う。
【図6E】図6Eは、缶本体がうね付けされる段階を示す。
【図6F】図6Fは、缶本体がうね付けされる段階を示す。
【図7E】図7Eは、缶本体のクランプ段階を示す。
【図7F】図7Fは、缶底部のクランプ段階を示す。
【図8】図8は、形成ステーションに沿って缶本体を移送するためのギヤ群の平面視を示す。
【図9】図9は、図8に示されたギヤ軸の同期状況の平面視を示す。
【図10】図10は、第1の形成ステーションのウォームコンベヤの詳細図。
【図11】図11は、缶本体の第1の予備拡張ステーションの断面図。
【図12】図12は、缶本体の第2のフル拡張ステーションの断面図。
【図13】図13は、缶本体のフォロワー装置の平面での断面図。
【図14】図14は、缶本体のフォロワー装置の軸方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[好ましい発明の構成]
図1A〜6A,1C〜5C,1E〜7Eは、技術水準として既に知られている通常のプロセスの各段階(各工程)を示す。他方、図1B〜6B,1D〜6D,1F〜7Fは、ここで提案されている「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」を採用する通常のプロセスを示す。ここで図1B〜6Bに示されたプロセスの採用で達成される節約は、原材料の利用に関して図1A〜6Aに示されたプロセスと比較するときに明白になる。この節約が缶本体、即ち「パイプ」の寸法のためであることを考慮しつつ、製造された缶の絶対数が評価されるとき、それは重大なものとなる。つまり、図1A〜6Aに示されたプロセスでは、73mm径となり、他方で、図1B〜6Bに示されたプロセスでは、径は70mmである。
【0022】
図1A〜6Aに示されたプロセスは、把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)による拡張システムを使用し、拡張された缶へ到達するまでに6つの操作又は段階(工程)が実行され、二つのフラップを作るのに特別な機械の使用が必要である。その一方で、図1B〜6Bに示されたプロセスでは、拡張された缶を得るために、把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)による同じ拡張システムを使用するが、予備フラップを形成するというプロセスの開始段階を採用している。それは、拡張後のスピニング加工、および最終的な拡張後におけるフラップの校正を伴い、6つの操作又は段階(工程)でなされるものである。その場合に、工程数又は操作数が同一であることは、プロセス1A〜6Aがフラップを一致させる特定の機械を使用するということ、その一方で、プロセス1B〜6Bでは、フラップ形成が予備拡張、および缶をロックする予備フラップ操作でなされ、それに加えてダイネッキングの形成段階(即ち、プロセス1A〜6Aの第3段階(図3A)でなされる缶本体底端部でのネック形成)をも省いている、ということ(事実)の結果である。
【0023】
缶本体の形成(図2A,2B,2C,2D,2Eおよび2F)は全てのプロセスにおいて等しく、それらは電気溶接によって得られ、その後にそれらは次の点で区別される。即ち、プロセス1A〜6Aでは、第3段階は缶底部の径の減少を要求し、プロセス1B〜6Bの第3段階、つまり予備フラップでは、缶本体拡張前のスピニング加工により予備フラップの形成が起こり、その工程中に上端部の予備拡張も実行され、その径は70mmから73mmに増大する。缶本体をロックする上および底の予備フラップの作成は、拡張中(図3B)に不規則な形で缶高さの減少が起きるのを防止する。
【0024】
上部および底部フラップの形成は、前記フラップ(図4A)を形成する特定の機械によって、プロセス1A〜6Aの第4段階で行われる。一方、缶本体の適切な拡張は、端部において従来のマンドレル拡張プロセス(図4B)により、プロセス1B〜6Bの第4段階で行われる。しかるに、缶本体上端部の径は73mm、底部の径は70mmのままであり、拡張部位の径は85mmに達する。そして、その段階において、フラップ形成および缶のクランピングを害するような不規則性を生むことなく、缶本体高さが等しく減少する。
【0025】
プロセス1A〜6Aの工程中(図5A)に缶底部のクランピング(締め付け)が行われる。その一方で、プロセス1B〜6Bの第5工程で、フラップ校正、即ちプロセス1A〜6Aには見られないフラップ測定の調節(図5B)がなされる。
【0026】
缶底部は既にクランプされているから(図6A)、缶本体の拡張が、その上端部にて、従来のマンドレル拡張プロセスによって、プロセス1A〜6Aの第6段階で行われる。一方の側だけ缶本体の高さが減少することは、内側の仕上げ(ワニス掛け)の際にやっかいな引っかき傷をもたらし、金属を露出させ、缶にされるべき製品の品質を悪くする。
【0027】
プロセス1C〜5Cにおいて第3段階は、従来のマンドレル拡張プロセスによる缶の拡張にふり向けられている。そこでは、高さが80.8mmに減じられ、上端部の径が68mmから70mmになり、底端部の径が68mmから73mmに増大し、最大拡張部位の径が78.5mmに達し、本体中央が68mm径に維持される(図3C)。両側での缶本体高さの低減は不規則な基礎の上で起こることを考慮すると、そのことは、フラップ形成および底部クランピングという次段階を悪くする(損なう)ものである。
【0028】
プロセス1D〜6Dの第3段階では、拡張前に、スピニング加工による「予備フラップ」として知られる、予備フラップ形成加工が行われる。そして、その段階では、缶本体上端部の予備拡張が行われ、その上端部径は68mmから70mmになり、底端部の径は68mmから73mmに増大し、中央部の径は68mmにとどまり、缶本体の高さは89mmに減じられ、底部および上端部の予備フラップが形成される。それは、缶本体をロックし、高さの減少を起こすような不規則な拡張を防止する(図3D)。
【0029】
プロセス1C〜5Cの第4段階において、底部および上部フラップが作られる(図4C)。その一方で、プロセス1D〜6Dの第4段階では、ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)による缶本体の適切な拡張が行われる。そこでは、高さが79.2mmに減じられ、上端部の径が70mm、底端部の径が73mmのままであり、最大拡張部位が78.5mmになり、中央部の径が68mmのままである(図4D)。
【0030】
プロセス1C〜5Cの第5段階において、缶底部のクランピング(締め付け)が行われる(図5C)。その一方で、プロセス1D〜6Dの第5段階では、フラップの校正が行われる(図5D)。この操作はプロセス1C〜5Cでは見られない。最後に、プロセス1D〜6Dの第6段階で缶底部のクランピング(締め付け)が行われる(図6D)。
【0031】
プロセス1E〜7Eの第3段階において、缶本体底端部には案内部(invitation)が形成される。その第3段階は、拡張に係る次段階の準備となるものである。この段階では、缶の高さが109mmから106.5mmに減じられ、底端部の径が62.4mmから72mmとなる(図3E)。
【0032】
プロセス1F〜7Fの第3段階では、拡張の前の予備フラップ、スピニング加工による予備フラップ形成加工が行われる。この段階では、底端部の予備拡張がなされ、その径が62.4mmから73mmとなり、高さが104mmに減じられ、更に、拡張が缶高さの低減に伴う不規則形状をもたらすことを防止すべく、缶本体をロックする底部および上部予備フラップが形成される(図3F)。
【0033】
プロセス1E〜7Eの第4段階では、缶本体の適切な拡張が行われ、上端部の径は62.4mmのままであり、底端部の径は72mmから73mmとなり、高さは106.5mmから97mmに減じられる。その一方で、両サイドでの高さの減少は、フラップ形成および底部クランピングについての将来の工程を害するような不規則な形状をもたらす。
【0034】
プロセス1F〜7Fの第4段階でも、缶本体の適切な拡張が行われ、上端部の径は62.4mm、底端部の径は73mmのままであり、高さは104mmから96mmに減じられる。
【0035】
プロセス1E〜7Eの第5段階では、上部および底部のフラップが形成され、高さが97mmから95mmに低減される。
【0036】
プロセス1F〜7Fの第5段階では、フラップの校正が行われる(図5F)。この操作は、プロセス1E〜7Eでは見られない。
【0037】
プロセス1E〜7Eおよびプロセス1F〜7Fの第6段階では、缶本体がうね付けされる。そして、プロセス1E〜7Eおよびプロセス1F〜7Fの最終第7段階では、缶底部のクランピング(締め付け)がなされる。
【0038】
シート切断および缶本体形成の操作(1)並びにネック径での軸方向溶接の後、それは、コンベヤの回転ドライブ(2)によって設備の入力部(3)に垂直に運ばれる。
【0039】
この段階以後、缶本体(1)のスピニング加工がはじまる。カルダンシャフト(34)及び角度ギヤボックス(35)を介した入力スター(6)を伴って、ギヤ(5)による同調形態で回転するウォームコンベアシステム(4)によって、缶が垂直位置で機械に入るとき、缶本体(1)は、ウォーム(4)から入力スター(6)に移送され、垂直位置に整列され、当該機械によって一つ一つ収容され、そして、まさにこの同調を通じてギヤによって、缶本体(1)は第1ステーション(7)に正確に運ばれる。それらは共に、垂直な位置のそれら自身の回転軸の周りで回転するが、反対方向の動きで回転する。このことは、連続的且つ個別的な形態で缶本体の収容を許容し、その一方で、この第1ステーション(7)において缶本体の導入がなされる。すなわち、隣接スター(9)を伴ったギヤ88)によって当該第1ステーション(7)が同調される間に、本体の予備拡張、並びに底部および上部フラップが作られる。隣接スターは、第2のスピニングステーション(10)のための予備拡張を伴って缶本体を運ぶように意図されている。隣接スター(9)による第1ステーション(7)から第2ステーション(10)への缶本体の移送が、隣接スター(9)を介した同調的なやり方で且つ垂直な位置にて起こる。隣接スター(9)は、缶本体を第2ステーションに、正確に、しかし第1及び第2ステーションのうちの一方と反対向きに移送する機能を有する。このことは、連続的で個別的な形態での缶本体の収容を可能にする。/第2ステーション(10)では、第2のスピニング加工段階に入り、そこでは缶本体が最終形態を得る。その最終形態は、使用される道具の種類(12)により、又、ギヤ(13,14)によるまさしくこの同調タイプにより変わり得る。出力スター(16)によって、拡張済みの缶本体は、第2ステーション(10)から退出コンベアベルト(15)へ移される。出力スター(16)は、垂直な位置のそれ自身の回転軸の周りで回転するが、第2ステーションとは反対方向に回転する。このことは、成形済みの缶本体を連続的且つ個別的な形態で退出させることを可能にし、それらをチェーンコンベア(17)に移し、引き続くステージを介して缶製造プロセスを継続する。
【0040】
この装置で使用されている同調システムは、対応するシャフトの各々の下部に位置する複数のギヤからなっており、即ち、ウォーム(4)に対してギヤ(5)が対応し、入力スター(6)に対してギヤ(18)が対応し、第1ステーション(7)に対してギヤ(8)が対応し、隣接スター(9)に対してギヤ(11)が対応し、第2ステーション(10)に対してギヤ(13)が対応し、出力スター(16)に対してギヤ(14)が対応している。これらのギヤは、電気ギヤモータによって駆動される。その電気ギヤモータは、ギヤ(19)のシャフトに連結されており、機械の基台の底部に配置された隣接ギヤ群(20,21,22)を通じて動きを伝える。この同調機構は、循環性のオイルポンプによって装置全体を潤滑するオイル浴中に浸されている。
【0041】
既に示したように、第1ステーションは、招き入れ成形、即ち缶本体の予備拡張並びに上部及び底部のフラップ形成に適している。それは、その目的に特化した工具(ツール)(24)を具備したピストンセット(23)によってもたらされる。
【0042】
第1ステーションの内部パーツはその基部に配置されたギヤ(8)からなり、そのギヤは底部円筒ドラム(25)に動きを伝える。その底部円筒ドラムは、カップリングカラム(26)によって上部円筒ドラム(27)に機械的に結合されている。底部円筒ドラム、カップリングカラム及び上部円筒ドラムは、機械基台(29)に固定されて不動を維持する中央カラム(28)の周りを回転する。その一方で、上部カム(30)及び底部カム(31)と名づけられた二つの円形カムは、中央カラム(28)に機械的に固定されており、底部ドラム(25)及び上部ドラム(27)の内側に配置されている。これらの円形カムは、それらの周辺部において特殊な形状を有している。その特殊形状は、カム(30及び31)により決定される輪郭に応じて、支持部材(33)によってシャフト(23)に連結された追従ローラ(32)が互いに移動して相互に接近したり、お互いから離間したりすることを可能ならしめる。それらのシャフト(23)の端部に特殊な工具(24)を備え付けていることで、当該ステーションで缶本体の回転中に、フラップの予備拡張及び形成が行われる。
【0043】
このシステム全体は、上下する1セットのピストン(23)として働く。当該ステーションは、生産が所望される缶本体の数や時間数に応じて、ピストン(23)のいくつか(複数)のセットを有してもよい。
【0044】
缶本体の適切な拡張は、缶本体に最終形態を付与する第2のスピニングステーション(10)で行われる。その最終形態は、ピストンシステム(36)で使用される工具(ツール)(12)に応じて変わり得る。この第2ステーションは、前記第1ステーションと同じ基本動作をするものであり、その基部に配置されて、底部円筒ドラム(37)に動きを伝えるギヤ(13)からなる。その底部円筒ドラム(37)は、連結カラム(38)によって上部円筒ドラム(39)に機械的に結合されている。そして、底部円筒ドラム、連結カラム及び上部円筒ドラムは、機械基台(29)に固定されて不動を維持する中央カラム(40)の周りを回転する。中央カラム(40)は、当該中央カラム(40)に機械的に固定された二つの円形カム、つまり、底部円筒ドラム(37)および上部円筒ドラム(39)の内側の上部カム(41)及び底部カム(42)を有している。そのような円形カムは、それらの周辺部において特殊な形状を有している。その特殊形状は、カムにより決定される輪郭に応じて、支持部材(44)によりシャフト(36)に連結された追従ローラ(43)が互いに移動して相互に接近したり、お互いから離間したりすることを可能ならしめる。それらのシャフト(36)の端部には、特殊な工具(ツール)(12)が備え付けられており、それらの工具は、最終的な拡張、即ち使用された工具の機能に応じた最終的なスピニング加工を実行する。
【0045】
ピストン又はシャフト(36)として単に参照されているセットの数量は、所望される缶本体の数や時間に応じて変更されてもよい。
【0046】
第2ステーション(10)の基本動作は、第1ステーション(7)の基本動作と事実上同一である。ただし、この第2ステーションは、缶追従装置(a can follower device)を具備している。その缶追従装置は、隣接スター(9)から缶本体を受け取り、第2ステーションを通過させた後に放出し、出力スター(16)に受け渡すように意図されている。
【0047】
缶本体が第1ステーション(7)を離れるとき、缶本体は既に予備拡張されてフラップを具備し、所定の径および形状を有している。そして、まさにその缶本体が最終のスピニング操作の後に第2ステーションを離れるとき、その形状および径は違うものとなる。
【0048】
一つのステーションから別のステーションへの缶本体の当該移送プロセスの間、前記缶追従装置の利用は必須であって、その利用の目的は、入力時における缶本体径と、第2ステーション(10)の出力時における缶本体径との相違を考慮しつつ、スピニング加工中における位置決めの正確さのみならず転倒に関して、缶の完全な安定を確実なものとすることにある。
【0049】
缶追従装置は、第2ステーション(10)の中央カラムおよび連結カラム(38)に固定され、そのボア(内径)により、機械基台(29)に固定されて静止した中央カラム(40)に締結され、機械的に結合されている。カム(43)の上面には特殊な溝(44)が設けられており、追従ローラ(follower roller)(45)はその溝の内側部分に沿って移動し、その結果、機械の作動中、カム溝(44)に対応した、中央カラム(40)の周りの円形経路を描く。この追従ローラ(45)は、カムの半径方向に位置決めされたシャフト(46)に結合されており、カム溝の外周に沿った前記ローラの移動により、カムの半径方向におけるシャフトの外向き及び内向き移動が起きる。シャフト(46)は、その運動中、結合カラム(38)に固定された円形ブッシュ(47)の内側に存在する六角形孔を通してガイドされる。また、シャフト(46)は、缶本体をキャッチするよう意図された、当該シャフトの外端部に固定された半月形状部(48)を有している。この半月形状(48)の内側部分の幾何学形態は、予備拡張段階において及びフル拡張後においても缶本体を収容できるように設計されている。それは、その回転時に、シャフト(46)の作用により外向き及び内向き移動を実行する。その外向き及び内向き移動は、拡張に付随したカム溝(44)進行の結果として起き、拡張の前後で、缶本体の径の相違に対応し、爪(48)がそれを収めるのを許容する。このシャフト(46)の進路のより良き調整、ひいては爪のより良き調整のために、当該シャフトにはその長さに沿って微調整システム(49)が設けられている。その微調整システムは、一対の対称な糸(右/左)およびその長手方向に存在する結合ナットからなり、当該微調整システムは、半月形状(48)の缶本体へのミリメートル単位での接近、又は缶本体からのミリメートル単位での離間(分離)を許容する。
【0050】
缶追従装置の量は、ステーション(10)を含むピストンシステム(36)と同じ比率(割合)にあり、それは、回転ごとに、時間あたりの缶本体の所望量に応じて変わる。なお、時間あたりの缶本体の所望量は、機械構造に予め設定されるものである。
【0051】
缶追従装置の基本的な特徴の一つは、どんな缶コンベアシステムにおいても作動することができ、缶拡張プロセスに限定されないことである。
【0052】
関連の特徴として、この装置は、あらゆる缶コンベアシステムや、水平位置および垂直位置両方の缶を製造する機械/設備において作動してもよく、加えて、アルミ缶のみならず、スチール缶の製造プロセスで使用されてもよい、という事実を指摘しておく。
【0053】
この設備中に存在する全てのセットおよび装置は、垂直位置及び水平位置の両方に配置されてもよく、缶搬送からの缶本体の全プロセスが垂直又は水平位置で起きるのを許容する、という点を指摘しておく。
【符号の説明】
【0054】
(説明なし)
【技術分野】
【0001】
本明細書は、「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」に関するものである。これらは、より具体的には、多様なボディ形状を有する缶の製造を意図したものであり、又、缶の端部での深いくびれの形成を可能にすることを意図したものである。
【0002】
[発明の概略]
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、例えば食品、飲料品、化学品その他を収容する等の多様な目的を意図した缶であって、ブリキ板、クロムメッキされた金属シート、またはブリキ原板(「ブラック・プレート」訳注:メッキ前の鉄製シート)等のような様々な材料製の缶の製造に使用される。
【0003】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、金属製の、プラスチック製の、又は、それらを混合した密封手段、密封ガスケット若しくは真空密封を使用した缶の製造にも用いられてもよい。
【0004】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、拡張加工に先立って予備フラップを形成させる缶本体の予備的拡張を可能にするものであり、それを達成するための装置(設備)は、市場に存在する異なった拡張プロセスの使用を可能とするものである。そして、それは、許容できる誤差(又は公差)の範囲を超えた不規則形状で設計され、その結果、底部や蓋の形成を損ない、漏れを生ずる点で気密性等を妥協するに至るところのフラップ形成を害するところの、拡張に付随する缶本体高さの不規則なロス(低下又は減少)を帳消しにすることができる。
【0005】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」はまた、Metalgrafica Rojek Ltda所有のブラジル特許PI9905474-4の対象物である「缶本体のスピニング及びモールディング装置」の使用を可能とするものである。
【背景技術】
【0006】
缶端部のくびれを伴った、又はくびれの無い、拡張された缶本体を得るための各種のプロセスは、例えば、型くびれ加工、スピンフロー、ストレッチ加工その他の技術によって既に知られている。しかしながら、現在使用されている全てのプロセスは、たいへん厄介なことに、缶本体の形成に使われる寸法のために表出的な材料を浪費する原材料の利用には適していない。さらに、通常のプロセスはまた、過度の加工段階を用いるものであり、それらはたくさんの加工機械の使用を必要とし、大量のスクラップを生じさせる。
【0007】
カムを介して、缶本体に導入される把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)を用いるプロセスが、技術として知られている。そして、そのプロセスは、缶の容量を増大することを目的として、初期の缶本体の直径の増大を通常伴いながら所望形状が達成されるまで缶本体を拡張する。
【0008】
缶の製造では、深いくびれ加工が既に知られており、それは、缶本体の半径方向での断面が、一般に缶端部の近く、即ち蓋又は底の近くに構成されるところの缶本体の名目上の直径よりも小さな直径を持つような領域を達成することを目的とするものである。このくびれは、蓋又は底において原材料を節約するという意図をもってつくられ、また、積み重ねを容易にするためでもあり、小規模な縮径については半プラグプロセス(型くびれ加工)でなされ、大規模な縮径についてはフォーミングローラープロセス(スピンフロー加工)でなされる。しかしながら、低膜厚のホイル(薄片)を用いたくびれ付き缶の大変厄介な点の一つは、缶本体の溶接部に近いくびれ領域にピンホールが発生することである。そのことは缶の組み立てライン効率を低下させるほか、金属包装の外観を損なわせる。
【0009】
くびれ及びフラップを完成した後に底が再スパイクされ、そして、これらの操作の後において、缶の所望形状が達成されるまで、拡張用のカムを介して、缶本体に導入される把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)のプロセスにより缶が拡張される。しかしながら、底は既に再スパイクされてしまっているから、拡張は缶の頂上部から起きるだけである。即ち、缶本体の高さは頂上部において減じられ、そのことは、缶の内部仕上げを損なわせ、金属を露出させて、缶詰製品の品質(特に食品の品質)を損なわせる。
【0010】
上述したプロセスで缶の拡張がなされた場合、缶本体の高さの減少があり、その減少は不均整な基体の両側で起き、フラップ形成および缶形成を損ない、漏れを生ずる点で缶の気密性等を危うくする。
不規則な形状における高さの減少は、いつくかの理由で起こる。例えば、缶本体を構成しているプレートと、それが電気溶接を受ける領域の硬化点の違いといった理由であり、プレートが端部よりも中央部において硬度が低いことを考慮するほか、缶本体を形成するのに用いられる領域にもよる。それは、溶接によって影響される領域に関連して異なる硬化点を有することもあり、拡張後に缶本体の端部を総じて不規則に変えることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
[発明の原理]
従前の技術のあらゆる欠点を克服するために、この「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」が企画された。これは、大変簡素で、効率的で、経済的なプロセスに関するものであり、同じ目的で採用される通常のプロセスに比べ、ずっと生産性に優れている。
【0013】
ここに提示された「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、相対的に小さなくびれ径を持った缶本体を提供することからなり、所望の名目直径まで拡張されており、その拡張は、缶本体を形成すべく62.4mmの直径を基体としてとり、約16%の拡張率に対応した73mm径にまで拡張される。それは、最初の直径に関する約10mmの名目値での拡張に対応する。
【0014】
この「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」の革新的な特徴の中で、我々は、二つの操作での達成可能性を指摘するものである。第1のものは、予備的拡張または最終的な拡張をもたらすことが、缶本体のフラップを得ることと共に実行され、これにより、生産ラインでの機械の導入を抑制してラインが占めるスペースを減らし、廃棄率が低減する。尚、従来のプロセスは、缶本体の拡張のための操作を用い、それ故、フラップ寸法の不規則性を生み、缶底の形成をもっと困難にし、蓋の気密性を損なうものであるが、このような従来のプロセスで起きていることと異なり、二つの操作プロセスを達成することがフラップ寸法の不規則性を防止するものであることを思えば、生産効率は、第2の操作において缶本体の全体的な拡張を得られるものである。
更に、よく知られた拡張プロセスでは、缶本体の拡張は底部の配置後に起きる、というのも、この段階無しでは、全体として且つフラップの不規則性無しで拡張を達成することは不可能だからである。その上、従来のシステムでは、拡張は、凹形状を呈する缶の中央部で起きる。しかしながら、搬送時に、拡張された本体部は互いに接触する傾向にあり、それらのリソグラフィー(lithography)にダメージを与え、もっとひどい場合には、それらは押しつぶされ、又は缶本体を破壊するかもしれない。
【0015】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」では、拡張を開始するために缶底を配置する必要が無い。というのも、缶本体は端部から拡張され、最も高い圧力下におかれる中央部分は、名目径において変化されず、最終の缶本体は凸の形状を呈する。その結果、それらが移動するとき、それらは互いに接触せず、缶における接触領域は頂上および基部領域にもっぱら制限され、それらのリソグラフィー(lithography)は缶本体の構造と同様、変化しないままである。
【発明の効果】
【0016】
この「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」によって達成される利点として、我々は次の点を指摘する。
a)材料の経済性。なぜなら、本発明は、小径の缶本体からはじめて、缶本体を所望の径にまで成形(モールド)することで缶本体を拡張することを可能にする。62.4mm径の缶本体を基本にすると、それはモールディングによって73mm径にまで拡張され、それは、最初の径からの約10mmの拡大に相当し、缶の内容積をかなり増大させる。
b)組立てライン工程の減少。なぜなら、フラップ形成操作は、予備拡張等を伴う第1のステーションで行われ、このことは、缶組立てラインにおける機械の使用を抑制可能にする。
c)工程数の減少および拡張システムの簡素化による、組立てラインの生産性増大。
d)シートの装飾(ワニスかけ)及びリソグラフィー(lithography)のラインにおける生産性増大。なぜなら、シートから採取される缶本体の数は、25%ほど多い。
【0017】
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」は、あらゆるタイプの拡張加工プロセスに適用され得る。それは、従来の拡張加工製造ラインから分離した又は組み込まれた操作ステーションを使用しても良く、拡張操作以前のスピニング加工による上部および底部フラップの形成を予感させるものである。また、それは、適用される拡張プロセスにかかわらず、最も異なる形態や寸法の缶本体に使用されてもよく、缶本体のネック径がより小さい状態で始まり、予備フラップを名目径にまで拡大し、缶本体をロックし、缶本体の高さの低減のためにフラップに不規則な形状ができるのを許さないように適切な拡張の準備をしておき、その結果、ボトム形成での干渉を許さず、缶の気密性等を確保するものである。
【0018】
缶本体の拡張以前に予備フラップのスピニング加工による形成に関し、ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」の革新的な特徴の中で、加工プロセスは二つの操作で達成されるという事実が強調されている。ここで、第1の予備的拡張では、上部および底部の予備フラップが、缶本体をロックするためになされ、そして第2の操作で、選択された拡張プロセスにより缶本体の全体的な拡張がなされ、その結果、次にフラップの校正がなされて寸法の不規則性を回避する。
【0019】
[図面についての概要説明]
ここで提案される「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」に関して、缶形成についていくつかの従来型加工プロセスとの相違を明確に視覚化するために、図面には参照番号が付されている。そこでは、
ボトムの形成後にルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)による缶の両端部のうちの一方のネックの拡張を伴う、缶本体形成用のデネッキング型又はスピンフロー型プロセスは、文字「A」で表される。
ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)による缶の両端部のうちの一方のネックの拡張を伴い、缶本体の拡張前にフラップの形成を伴う、缶本体形成のデネッキング型又はスピンフロー型プロセスは、文字「B」で表される。
ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)によって拡張される缶本体の形成プロセスは、文字「C」で表される。
缶本体の拡張以前に予備フラップの形成を伴い、ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)によって拡張される缶本体の形成プロセスは、文字「D」で表される。
缶本体形成のためのストレッチ(引き伸ばし)型プロセスは文字「E」で表される。
缶本体の拡張以前に予備フラップの形成を伴う、缶本体形成のためのストレッチ(引き伸ばし)型プロセスは、文字「F」で表される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】図1Aは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1B】図1Bは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1C】図1Cは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1D】図1Dは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1E】図1Eは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図1F】図1Fは、切断される缶本体のマーキングを有するプレートを示す。
【図2A】図2Aは、73mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2B】図2Bは、62.4mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2C】図2Cは、73mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2D】図2Dは、62.4mm径の缶本体の形成段階を示す。
【図2E】図2Eは、径62.4mm、高さ109mmでの缶本体の形成を示す。
【図2F】図2Fは、径62.4mm、高さ109mmでの缶本体の形成を示す。
【図3A】図3Aは、ダイ・ネッキング加工によって得られる、缶本体の底端部ネッキングの形成段階を示し、そこでは、径が73mmから70mmに減じられる。
【図3B】図3Bは、缶本体の上端部の予備拡張段階を示し、その上端部の径は70mmから73mmに拡大し、缶本体の残り部分の径は変わらないままであり、更に、底フラップおよび上端フラップが一致させられる。
【図3C】図3Cは、缶本体の形成段階を示し、その際、高さが80.8mmに減じられ、上端部の径が68mmから70mmとなり、底端部の径が68mmから73mmとなり、最大拡張部の径が78.5mmになり、缶本体中央部が68mm径のままである。
【図3D】図3Dは、缶本体の上端部の予備拡張段階を示し、缶本体上端部の径が68mmから73mmとなり、缶本体中央部が68mm径のままであり、缶本体の全高を89mmに減じ、底部および上端の予備フラップが一致される。
【図3E】図3Eは、缶本体底端部での案内部(invitation)の形成段階を示し、これにより、その径が62.4mmから72mmとなり、缶本体の高さが106.5mmに減じられる。
【図3F】図3Fは、缶本体底端部の予備拡張段階を示し、缶本体底端部の径は62.4mmから73mmとなり、缶本体中央部の径は62.4mmのままであり、高さは104mmに減じられ、そして、上端および底部の予備フラップが形成される。
【図4A】図4Aは、底フラップおよび上端フラップを一致させる段階を示す。
【図4B】図4Bは、両端部からの缶本体の最終形成段階を示し、その上端部は73mm径のまま、底端部は70mmのままであり、拡張された部位は85mm径に達する。
【図4C】図4Cは、上端フラップおよび底フラップの形成段階を示し、その段階では缶本体の全高が78.8mmに減ぜられる。
【図4D】図4Dは、缶本体の拡張段階を示し、その際、高さが79.2mmに減じられ、上端部の径が70mmのままであり、底端部の径が73mmのままであり、最大拡張部の径が78.5mmになり、缶本体中央部の径が68mmのままである。
【図4E】図4Eは、缶本体の拡張段階を示し、その際、高さが97mmに減じられ、上端部の径が62.4mmのままであり、拡張部位の径が73mmになる。
【図4F】図4Fは、缶本体の拡張段階を示し、その際、高さが96mmに減じられ、上端部の径が62.4mmのままであり、拡張部位の径が73mmになる。
【図5A】図5Aは、缶底を形成する段階を示す。
【図5B】図5Bは、フラップの校正段階を示す。
【図5C】図5Cは、底部をクランプする段階を示し、その段階では缶本体の全高が78.6mmに減ぜられる。
【図5D】図5Dは、フラップの校正段階を示し、缶本体高さの78.8mmへの減少を伴う。
【図5E】図5Eは、上端および底のフラップの形成段階を示し、缶本体高さの95mmへの減少を伴う。
【図5F】図5Fは、上端および底部のフラップの校正段階を示し、缶本体高さが95mmに減少される。
【図6A】図6Aは、缶の上端部を介して缶本体を拡張する段階を示す。
【図6B】図6Bは、缶底部の形成段階を示す。
【図6D】図6Dは、缶底部をクランプする段階を示し、缶本体高さの78.6mmへの減少を伴う。
【図6E】図6Eは、缶本体がうね付けされる段階を示す。
【図6F】図6Fは、缶本体がうね付けされる段階を示す。
【図7E】図7Eは、缶本体のクランプ段階を示す。
【図7F】図7Fは、缶底部のクランプ段階を示す。
【図8】図8は、形成ステーションに沿って缶本体を移送するためのギヤ群の平面視を示す。
【図9】図9は、図8に示されたギヤ軸の同期状況の平面視を示す。
【図10】図10は、第1の形成ステーションのウォームコンベヤの詳細図。
【図11】図11は、缶本体の第1の予備拡張ステーションの断面図。
【図12】図12は、缶本体の第2のフル拡張ステーションの断面図。
【図13】図13は、缶本体のフォロワー装置の平面での断面図。
【図14】図14は、缶本体のフォロワー装置の軸方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[好ましい発明の構成]
図1A〜6A,1C〜5C,1E〜7Eは、技術水準として既に知られている通常のプロセスの各段階(各工程)を示す。他方、図1B〜6B,1D〜6D,1F〜7Fは、ここで提案されている「予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工方法、及び、予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用のスピニング加工装置」を採用する通常のプロセスを示す。ここで図1B〜6Bに示されたプロセスの採用で達成される節約は、原材料の利用に関して図1A〜6Aに示されたプロセスと比較するときに明白になる。この節約が缶本体、即ち「パイプ」の寸法のためであることを考慮しつつ、製造された缶の絶対数が評価されるとき、それは重大なものとなる。つまり、図1A〜6Aに示されたプロセスでは、73mm径となり、他方で、図1B〜6Bに示されたプロセスでは、径は70mmである。
【0022】
図1A〜6Aに示されたプロセスは、把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)による拡張システムを使用し、拡張された缶へ到達するまでに6つの操作又は段階(工程)が実行され、二つのフラップを作るのに特別な機械の使用が必要である。その一方で、図1B〜6Bに示されたプロセスでは、拡張された缶を得るために、把持具(ジョー)、ルーラー(定規)又はグリッパ(やっとこ)による同じ拡張システムを使用するが、予備フラップを形成するというプロセスの開始段階を採用している。それは、拡張後のスピニング加工、および最終的な拡張後におけるフラップの校正を伴い、6つの操作又は段階(工程)でなされるものである。その場合に、工程数又は操作数が同一であることは、プロセス1A〜6Aがフラップを一致させる特定の機械を使用するということ、その一方で、プロセス1B〜6Bでは、フラップ形成が予備拡張、および缶をロックする予備フラップ操作でなされ、それに加えてダイネッキングの形成段階(即ち、プロセス1A〜6Aの第3段階(図3A)でなされる缶本体底端部でのネック形成)をも省いている、ということ(事実)の結果である。
【0023】
缶本体の形成(図2A,2B,2C,2D,2Eおよび2F)は全てのプロセスにおいて等しく、それらは電気溶接によって得られ、その後にそれらは次の点で区別される。即ち、プロセス1A〜6Aでは、第3段階は缶底部の径の減少を要求し、プロセス1B〜6Bの第3段階、つまり予備フラップでは、缶本体拡張前のスピニング加工により予備フラップの形成が起こり、その工程中に上端部の予備拡張も実行され、その径は70mmから73mmに増大する。缶本体をロックする上および底の予備フラップの作成は、拡張中(図3B)に不規則な形で缶高さの減少が起きるのを防止する。
【0024】
上部および底部フラップの形成は、前記フラップ(図4A)を形成する特定の機械によって、プロセス1A〜6Aの第4段階で行われる。一方、缶本体の適切な拡張は、端部において従来のマンドレル拡張プロセス(図4B)により、プロセス1B〜6Bの第4段階で行われる。しかるに、缶本体上端部の径は73mm、底部の径は70mmのままであり、拡張部位の径は85mmに達する。そして、その段階において、フラップ形成および缶のクランピングを害するような不規則性を生むことなく、缶本体高さが等しく減少する。
【0025】
プロセス1A〜6Aの工程中(図5A)に缶底部のクランピング(締め付け)が行われる。その一方で、プロセス1B〜6Bの第5工程で、フラップ校正、即ちプロセス1A〜6Aには見られないフラップ測定の調節(図5B)がなされる。
【0026】
缶底部は既にクランプされているから(図6A)、缶本体の拡張が、その上端部にて、従来のマンドレル拡張プロセスによって、プロセス1A〜6Aの第6段階で行われる。一方の側だけ缶本体の高さが減少することは、内側の仕上げ(ワニス掛け)の際にやっかいな引っかき傷をもたらし、金属を露出させ、缶にされるべき製品の品質を悪くする。
【0027】
プロセス1C〜5Cにおいて第3段階は、従来のマンドレル拡張プロセスによる缶の拡張にふり向けられている。そこでは、高さが80.8mmに減じられ、上端部の径が68mmから70mmになり、底端部の径が68mmから73mmに増大し、最大拡張部位の径が78.5mmに達し、本体中央が68mm径に維持される(図3C)。両側での缶本体高さの低減は不規則な基礎の上で起こることを考慮すると、そのことは、フラップ形成および底部クランピングという次段階を悪くする(損なう)ものである。
【0028】
プロセス1D〜6Dの第3段階では、拡張前に、スピニング加工による「予備フラップ」として知られる、予備フラップ形成加工が行われる。そして、その段階では、缶本体上端部の予備拡張が行われ、その上端部径は68mmから70mmになり、底端部の径は68mmから73mmに増大し、中央部の径は68mmにとどまり、缶本体の高さは89mmに減じられ、底部および上端部の予備フラップが形成される。それは、缶本体をロックし、高さの減少を起こすような不規則な拡張を防止する(図3D)。
【0029】
プロセス1C〜5Cの第4段階において、底部および上部フラップが作られる(図4C)。その一方で、プロセス1D〜6Dの第4段階では、ルーラー(定規)、把持具(ジョー)又はグリッパ(やっとこ)による缶本体の適切な拡張が行われる。そこでは、高さが79.2mmに減じられ、上端部の径が70mm、底端部の径が73mmのままであり、最大拡張部位が78.5mmになり、中央部の径が68mmのままである(図4D)。
【0030】
プロセス1C〜5Cの第5段階において、缶底部のクランピング(締め付け)が行われる(図5C)。その一方で、プロセス1D〜6Dの第5段階では、フラップの校正が行われる(図5D)。この操作はプロセス1C〜5Cでは見られない。最後に、プロセス1D〜6Dの第6段階で缶底部のクランピング(締め付け)が行われる(図6D)。
【0031】
プロセス1E〜7Eの第3段階において、缶本体底端部には案内部(invitation)が形成される。その第3段階は、拡張に係る次段階の準備となるものである。この段階では、缶の高さが109mmから106.5mmに減じられ、底端部の径が62.4mmから72mmとなる(図3E)。
【0032】
プロセス1F〜7Fの第3段階では、拡張の前の予備フラップ、スピニング加工による予備フラップ形成加工が行われる。この段階では、底端部の予備拡張がなされ、その径が62.4mmから73mmとなり、高さが104mmに減じられ、更に、拡張が缶高さの低減に伴う不規則形状をもたらすことを防止すべく、缶本体をロックする底部および上部予備フラップが形成される(図3F)。
【0033】
プロセス1E〜7Eの第4段階では、缶本体の適切な拡張が行われ、上端部の径は62.4mmのままであり、底端部の径は72mmから73mmとなり、高さは106.5mmから97mmに減じられる。その一方で、両サイドでの高さの減少は、フラップ形成および底部クランピングについての将来の工程を害するような不規則な形状をもたらす。
【0034】
プロセス1F〜7Fの第4段階でも、缶本体の適切な拡張が行われ、上端部の径は62.4mm、底端部の径は73mmのままであり、高さは104mmから96mmに減じられる。
【0035】
プロセス1E〜7Eの第5段階では、上部および底部のフラップが形成され、高さが97mmから95mmに低減される。
【0036】
プロセス1F〜7Fの第5段階では、フラップの校正が行われる(図5F)。この操作は、プロセス1E〜7Eでは見られない。
【0037】
プロセス1E〜7Eおよびプロセス1F〜7Fの第6段階では、缶本体がうね付けされる。そして、プロセス1E〜7Eおよびプロセス1F〜7Fの最終第7段階では、缶底部のクランピング(締め付け)がなされる。
【0038】
シート切断および缶本体形成の操作(1)並びにネック径での軸方向溶接の後、それは、コンベヤの回転ドライブ(2)によって設備の入力部(3)に垂直に運ばれる。
【0039】
この段階以後、缶本体(1)のスピニング加工がはじまる。カルダンシャフト(34)及び角度ギヤボックス(35)を介した入力スター(6)を伴って、ギヤ(5)による同調形態で回転するウォームコンベアシステム(4)によって、缶が垂直位置で機械に入るとき、缶本体(1)は、ウォーム(4)から入力スター(6)に移送され、垂直位置に整列され、当該機械によって一つ一つ収容され、そして、まさにこの同調を通じてギヤによって、缶本体(1)は第1ステーション(7)に正確に運ばれる。それらは共に、垂直な位置のそれら自身の回転軸の周りで回転するが、反対方向の動きで回転する。このことは、連続的且つ個別的な形態で缶本体の収容を許容し、その一方で、この第1ステーション(7)において缶本体の導入がなされる。すなわち、隣接スター(9)を伴ったギヤ88)によって当該第1ステーション(7)が同調される間に、本体の予備拡張、並びに底部および上部フラップが作られる。隣接スターは、第2のスピニングステーション(10)のための予備拡張を伴って缶本体を運ぶように意図されている。隣接スター(9)による第1ステーション(7)から第2ステーション(10)への缶本体の移送が、隣接スター(9)を介した同調的なやり方で且つ垂直な位置にて起こる。隣接スター(9)は、缶本体を第2ステーションに、正確に、しかし第1及び第2ステーションのうちの一方と反対向きに移送する機能を有する。このことは、連続的で個別的な形態での缶本体の収容を可能にする。/第2ステーション(10)では、第2のスピニング加工段階に入り、そこでは缶本体が最終形態を得る。その最終形態は、使用される道具の種類(12)により、又、ギヤ(13,14)によるまさしくこの同調タイプにより変わり得る。出力スター(16)によって、拡張済みの缶本体は、第2ステーション(10)から退出コンベアベルト(15)へ移される。出力スター(16)は、垂直な位置のそれ自身の回転軸の周りで回転するが、第2ステーションとは反対方向に回転する。このことは、成形済みの缶本体を連続的且つ個別的な形態で退出させることを可能にし、それらをチェーンコンベア(17)に移し、引き続くステージを介して缶製造プロセスを継続する。
【0040】
この装置で使用されている同調システムは、対応するシャフトの各々の下部に位置する複数のギヤからなっており、即ち、ウォーム(4)に対してギヤ(5)が対応し、入力スター(6)に対してギヤ(18)が対応し、第1ステーション(7)に対してギヤ(8)が対応し、隣接スター(9)に対してギヤ(11)が対応し、第2ステーション(10)に対してギヤ(13)が対応し、出力スター(16)に対してギヤ(14)が対応している。これらのギヤは、電気ギヤモータによって駆動される。その電気ギヤモータは、ギヤ(19)のシャフトに連結されており、機械の基台の底部に配置された隣接ギヤ群(20,21,22)を通じて動きを伝える。この同調機構は、循環性のオイルポンプによって装置全体を潤滑するオイル浴中に浸されている。
【0041】
既に示したように、第1ステーションは、招き入れ成形、即ち缶本体の予備拡張並びに上部及び底部のフラップ形成に適している。それは、その目的に特化した工具(ツール)(24)を具備したピストンセット(23)によってもたらされる。
【0042】
第1ステーションの内部パーツはその基部に配置されたギヤ(8)からなり、そのギヤは底部円筒ドラム(25)に動きを伝える。その底部円筒ドラムは、カップリングカラム(26)によって上部円筒ドラム(27)に機械的に結合されている。底部円筒ドラム、カップリングカラム及び上部円筒ドラムは、機械基台(29)に固定されて不動を維持する中央カラム(28)の周りを回転する。その一方で、上部カム(30)及び底部カム(31)と名づけられた二つの円形カムは、中央カラム(28)に機械的に固定されており、底部ドラム(25)及び上部ドラム(27)の内側に配置されている。これらの円形カムは、それらの周辺部において特殊な形状を有している。その特殊形状は、カム(30及び31)により決定される輪郭に応じて、支持部材(33)によってシャフト(23)に連結された追従ローラ(32)が互いに移動して相互に接近したり、お互いから離間したりすることを可能ならしめる。それらのシャフト(23)の端部に特殊な工具(24)を備え付けていることで、当該ステーションで缶本体の回転中に、フラップの予備拡張及び形成が行われる。
【0043】
このシステム全体は、上下する1セットのピストン(23)として働く。当該ステーションは、生産が所望される缶本体の数や時間数に応じて、ピストン(23)のいくつか(複数)のセットを有してもよい。
【0044】
缶本体の適切な拡張は、缶本体に最終形態を付与する第2のスピニングステーション(10)で行われる。その最終形態は、ピストンシステム(36)で使用される工具(ツール)(12)に応じて変わり得る。この第2ステーションは、前記第1ステーションと同じ基本動作をするものであり、その基部に配置されて、底部円筒ドラム(37)に動きを伝えるギヤ(13)からなる。その底部円筒ドラム(37)は、連結カラム(38)によって上部円筒ドラム(39)に機械的に結合されている。そして、底部円筒ドラム、連結カラム及び上部円筒ドラムは、機械基台(29)に固定されて不動を維持する中央カラム(40)の周りを回転する。中央カラム(40)は、当該中央カラム(40)に機械的に固定された二つの円形カム、つまり、底部円筒ドラム(37)および上部円筒ドラム(39)の内側の上部カム(41)及び底部カム(42)を有している。そのような円形カムは、それらの周辺部において特殊な形状を有している。その特殊形状は、カムにより決定される輪郭に応じて、支持部材(44)によりシャフト(36)に連結された追従ローラ(43)が互いに移動して相互に接近したり、お互いから離間したりすることを可能ならしめる。それらのシャフト(36)の端部には、特殊な工具(ツール)(12)が備え付けられており、それらの工具は、最終的な拡張、即ち使用された工具の機能に応じた最終的なスピニング加工を実行する。
【0045】
ピストン又はシャフト(36)として単に参照されているセットの数量は、所望される缶本体の数や時間に応じて変更されてもよい。
【0046】
第2ステーション(10)の基本動作は、第1ステーション(7)の基本動作と事実上同一である。ただし、この第2ステーションは、缶追従装置(a can follower device)を具備している。その缶追従装置は、隣接スター(9)から缶本体を受け取り、第2ステーションを通過させた後に放出し、出力スター(16)に受け渡すように意図されている。
【0047】
缶本体が第1ステーション(7)を離れるとき、缶本体は既に予備拡張されてフラップを具備し、所定の径および形状を有している。そして、まさにその缶本体が最終のスピニング操作の後に第2ステーションを離れるとき、その形状および径は違うものとなる。
【0048】
一つのステーションから別のステーションへの缶本体の当該移送プロセスの間、前記缶追従装置の利用は必須であって、その利用の目的は、入力時における缶本体径と、第2ステーション(10)の出力時における缶本体径との相違を考慮しつつ、スピニング加工中における位置決めの正確さのみならず転倒に関して、缶の完全な安定を確実なものとすることにある。
【0049】
缶追従装置は、第2ステーション(10)の中央カラムおよび連結カラム(38)に固定され、そのボア(内径)により、機械基台(29)に固定されて静止した中央カラム(40)に締結され、機械的に結合されている。カム(43)の上面には特殊な溝(44)が設けられており、追従ローラ(follower roller)(45)はその溝の内側部分に沿って移動し、その結果、機械の作動中、カム溝(44)に対応した、中央カラム(40)の周りの円形経路を描く。この追従ローラ(45)は、カムの半径方向に位置決めされたシャフト(46)に結合されており、カム溝の外周に沿った前記ローラの移動により、カムの半径方向におけるシャフトの外向き及び内向き移動が起きる。シャフト(46)は、その運動中、結合カラム(38)に固定された円形ブッシュ(47)の内側に存在する六角形孔を通してガイドされる。また、シャフト(46)は、缶本体をキャッチするよう意図された、当該シャフトの外端部に固定された半月形状部(48)を有している。この半月形状(48)の内側部分の幾何学形態は、予備拡張段階において及びフル拡張後においても缶本体を収容できるように設計されている。それは、その回転時に、シャフト(46)の作用により外向き及び内向き移動を実行する。その外向き及び内向き移動は、拡張に付随したカム溝(44)進行の結果として起き、拡張の前後で、缶本体の径の相違に対応し、爪(48)がそれを収めるのを許容する。このシャフト(46)の進路のより良き調整、ひいては爪のより良き調整のために、当該シャフトにはその長さに沿って微調整システム(49)が設けられている。その微調整システムは、一対の対称な糸(右/左)およびその長手方向に存在する結合ナットからなり、当該微調整システムは、半月形状(48)の缶本体へのミリメートル単位での接近、又は缶本体からのミリメートル単位での離間(分離)を許容する。
【0050】
缶追従装置の量は、ステーション(10)を含むピストンシステム(36)と同じ比率(割合)にあり、それは、回転ごとに、時間あたりの缶本体の所望量に応じて変わる。なお、時間あたりの缶本体の所望量は、機械構造に予め設定されるものである。
【0051】
缶追従装置の基本的な特徴の一つは、どんな缶コンベアシステムにおいても作動することができ、缶拡張プロセスに限定されないことである。
【0052】
関連の特徴として、この装置は、あらゆる缶コンベアシステムや、水平位置および垂直位置両方の缶を製造する機械/設備において作動してもよく、加えて、アルミ缶のみならず、スチール缶の製造プロセスで使用されてもよい、という事実を指摘しておく。
【0053】
この設備中に存在する全てのセットおよび装置は、垂直位置及び水平位置の両方に配置されてもよく、缶搬送からの缶本体の全プロセスが垂直又は水平位置で起きるのを許容する、という点を指摘しておく。
【符号の説明】
【0054】
(説明なし)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用の加工装置であって、
パイプ(1)が、コンベヤロール駆動型のコンベヤ(2)によって、ウォームコンベアシステム(4)がある装置入力点(3)にまで垂直に搬送され、前記ウォームコンベアシステムは、垂直配置の回転軸周りで回転する入力スター(6)とともにギヤ(5)によって、水平配置の自身の回転軸周りで同期して回転するものであることを特徴とする、加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加工装置において、
前記パイプ(1)は、垂直位置に整列した同調システムを介して前記ウォームコンベア(4)から前記入力スター(6)へ移され、その機械によって一つずつ入れられる
ことを特徴とする、加工装置。
【請求項3】
請求項2に記載の加工装置において、
ギヤ(18)による同じ同調形態を通じて、垂直配置の前記パイプ(1)が、入力スター(6)によって、缶本体をスピニング加工、成形およびロックすることによる予備フラップ形成加工のステーション(7)へ移送され、両者が、垂直配置にある自分自身の軸の周りで、しかし反対方向への動きを伴って回転し、そのことが、パイプの連続的で個別的な形での、つまり1つずつの進入を可能にすることを特徴とする、加工装置。
【請求項4】
請求項3に記載の加工装置において、
前記ステーション(7)では、パイプの予備拡張(1A及び1B)がなされ、予備フラップおよび缶本体のロックがなされることを特徴とする、加工装置。
【請求項5】
請求項4に記載の加工装置において、
前記ステーション(7)はギヤ(8)によって出力スター(9)に同調されており、
この出力スター(9)は、いつくかの既存の拡張プロセスによる拡張の連続的段階を経る缶製造プロセスを継続しながら缶本体(1A及び1B)を運ぶように設計されている
ことを特徴とする、加工装置。
【請求項6】
請求項5に記載の加工装置において、
前記ステーションから次段階への缶本体の移送は、ギヤ(11)及び垂直配置の前記出力スター(9)によって同調的に起こり、この出力スターは、垂直配置の自分自身の軸の周りで、しかしステーションとは反対方向への動きを伴って回転し、そのことが、缶の連続的で個別的な形での進入を可能にすることを特徴とする、加工装置。
【請求項7】
請求項1,2,3,5または6に記載の加工装置において、
前記同調システムは、対応する回転軸の下部に配置された複数のギヤ、即ち、ウォーム(4)と関係するギヤ(5)、入力スター(6)に対応するギヤ(18)、ステーション(7)に対応するギヤ(8)、出力スター(9)に対応するギヤ(11)から構成されており、これらのギヤは、電気ギヤモータで駆動されると共に、オイルポンプによって装置全体を循環的に潤滑するオイルバスに浸された状態で作動することを特徴とする、加工装置。
【請求項8】
請求項4に記載の加工装置において、
前記ステーション(7)は、予備フラップの形成および缶本体のロック(1Aおよび1B)を担うものであり、これらの操作は、その目的のための特殊な工具(24)を具備したピストンセット(23)によって実行されることを特徴とする、加工装置。
【請求項9】
請求項3,4または5に記載の加工装置において、
前記ステーションの内部パーツは、その基部に配置されたギヤ(8)からなり、
そのギヤは底部円筒ドラム(25)に動きを伝達し、
その底部円筒ドラムは、カップリングカラム(26)によって上部円筒ドラム(27)に機械的に結合されており、
これらの要素(即ち、底部及び上部円筒ドラム、並びにカップリングカラム)は、機械基台(29)に固定されて不動状態にある中央カラム(28)の周りを回転することを特徴とする、加工装置。
【請求項10】
請求項9に記載の加工装置において、
前記底部ドラム(25)及び上部ドラム(27)の内側には、上部カム(30)及び底部カム(31)と名づけられた二つの円形カムが存在し、それらのカムは、中央カラム(28)に機械的に固定されており、
前記二つの円形カムは、それらの周辺部において特殊な形状を有しており、その特殊形状は、当該カムにより決定される形状に応じて、支持部材(33)によってシャフト(23)に連結された追従ローラ(32)が相互に接近したり、お互いから離間したりすることを可能ならしめるものであることを特徴とする、加工装置。
【請求項11】
請求項8,9または10に記載の加工装置において、
前記特殊な工具(24)は、前述のシャフト(即ちピストン)(23)の端部に設けられており、当該ステーションで缶本体の回転中に予備フラップの形成および缶本体のロックを行うことを特徴とする、加工装置。
【請求項12】
請求項10に記載の加工装置において、
相互移動する、支持部材(33)によってシャフト(23)に連結された前記追従ローラ(32)は、上下する1セットのピストンとして機能するものであり、当該ピストンのセット数は、所望される缶本体の数および時間数に応じて決定されることを特徴とする、加工装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の加工装置において、
この装置中に存在する全てのセットの装置類は、垂直位置及び水平位置のいずれに配置されてもよく、缶本体の全プロセスがその開始から最終搬送まで垂直位置又は水平位置でなされるのを可能ならしめるものであり、
この装置はまた、公知の拡張プロセスの生産ラインから分離された形態で作動させても、あるいは公知の拡張プロセスの生産ラインに結合された形態で作動させてもよい、ことを特徴とする、加工装置。
【請求項1】
予備フラップ形成加工を伴う金属包装容器用の加工装置であって、
パイプ(1)が、コンベヤロール駆動型のコンベヤ(2)によって、ウォームコンベアシステム(4)がある装置入力点(3)にまで垂直に搬送され、前記ウォームコンベアシステムは、垂直配置の回転軸周りで回転する入力スター(6)とともにギヤ(5)によって、水平配置の自身の回転軸周りで同期して回転するものであることを特徴とする、加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加工装置において、
前記パイプ(1)は、垂直位置に整列した同調システムを介して前記ウォームコンベア(4)から前記入力スター(6)へ移され、その機械によって一つずつ入れられる
ことを特徴とする、加工装置。
【請求項3】
請求項2に記載の加工装置において、
ギヤ(18)による同じ同調形態を通じて、垂直配置の前記パイプ(1)が、入力スター(6)によって、缶本体をスピニング加工、成形およびロックすることによる予備フラップ形成加工のステーション(7)へ移送され、両者が、垂直配置にある自分自身の軸の周りで、しかし反対方向への動きを伴って回転し、そのことが、パイプの連続的で個別的な形での、つまり1つずつの進入を可能にすることを特徴とする、加工装置。
【請求項4】
請求項3に記載の加工装置において、
前記ステーション(7)では、パイプの予備拡張(1A及び1B)がなされ、予備フラップおよび缶本体のロックがなされることを特徴とする、加工装置。
【請求項5】
請求項4に記載の加工装置において、
前記ステーション(7)はギヤ(8)によって出力スター(9)に同調されており、
この出力スター(9)は、いつくかの既存の拡張プロセスによる拡張の連続的段階を経る缶製造プロセスを継続しながら缶本体(1A及び1B)を運ぶように設計されている
ことを特徴とする、加工装置。
【請求項6】
請求項5に記載の加工装置において、
前記ステーションから次段階への缶本体の移送は、ギヤ(11)及び垂直配置の前記出力スター(9)によって同調的に起こり、この出力スターは、垂直配置の自分自身の軸の周りで、しかしステーションとは反対方向への動きを伴って回転し、そのことが、缶の連続的で個別的な形での進入を可能にすることを特徴とする、加工装置。
【請求項7】
請求項1,2,3,5または6に記載の加工装置において、
前記同調システムは、対応する回転軸の下部に配置された複数のギヤ、即ち、ウォーム(4)と関係するギヤ(5)、入力スター(6)に対応するギヤ(18)、ステーション(7)に対応するギヤ(8)、出力スター(9)に対応するギヤ(11)から構成されており、これらのギヤは、電気ギヤモータで駆動されると共に、オイルポンプによって装置全体を循環的に潤滑するオイルバスに浸された状態で作動することを特徴とする、加工装置。
【請求項8】
請求項4に記載の加工装置において、
前記ステーション(7)は、予備フラップの形成および缶本体のロック(1Aおよび1B)を担うものであり、これらの操作は、その目的のための特殊な工具(24)を具備したピストンセット(23)によって実行されることを特徴とする、加工装置。
【請求項9】
請求項3,4または5に記載の加工装置において、
前記ステーションの内部パーツは、その基部に配置されたギヤ(8)からなり、
そのギヤは底部円筒ドラム(25)に動きを伝達し、
その底部円筒ドラムは、カップリングカラム(26)によって上部円筒ドラム(27)に機械的に結合されており、
これらの要素(即ち、底部及び上部円筒ドラム、並びにカップリングカラム)は、機械基台(29)に固定されて不動状態にある中央カラム(28)の周りを回転することを特徴とする、加工装置。
【請求項10】
請求項9に記載の加工装置において、
前記底部ドラム(25)及び上部ドラム(27)の内側には、上部カム(30)及び底部カム(31)と名づけられた二つの円形カムが存在し、それらのカムは、中央カラム(28)に機械的に固定されており、
前記二つの円形カムは、それらの周辺部において特殊な形状を有しており、その特殊形状は、当該カムにより決定される形状に応じて、支持部材(33)によってシャフト(23)に連結された追従ローラ(32)が相互に接近したり、お互いから離間したりすることを可能ならしめるものであることを特徴とする、加工装置。
【請求項11】
請求項8,9または10に記載の加工装置において、
前記特殊な工具(24)は、前述のシャフト(即ちピストン)(23)の端部に設けられており、当該ステーションで缶本体の回転中に予備フラップの形成および缶本体のロックを行うことを特徴とする、加工装置。
【請求項12】
請求項10に記載の加工装置において、
相互移動する、支持部材(33)によってシャフト(23)に連結された前記追従ローラ(32)は、上下する1セットのピストンとして機能するものであり、当該ピストンのセット数は、所望される缶本体の数および時間数に応じて決定されることを特徴とする、加工装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の加工装置において、
この装置中に存在する全てのセットの装置類は、垂直位置及び水平位置のいずれに配置されてもよく、缶本体の全プロセスがその開始から最終搬送まで垂直位置又は水平位置でなされるのを可能ならしめるものであり、
この装置はまた、公知の拡張プロセスの生産ラインから分離された形態で作動させても、あるいは公知の拡張プロセスの生産ラインに結合された形態で作動させてもよい、ことを特徴とする、加工装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
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【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
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【図6A】
【図6B】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7E】
【図7F】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
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【図3A】
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【図4A】
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【図5A】
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【図6A】
【図6B】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−78802(P2013−78802A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266978(P2012−266978)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2010−508672(P2010−508672)の分割
【原出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(509161211)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2010−508672(P2010−508672)の分割
【原出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(509161211)
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