説明

予防的治療法

予防的治療法が開示される。この方法は、物体および/または患者の領域を、金属含有物質と接触させ、患者の同じ領域または異なる領域における症状の発生を低減することを含む。金属含有物質は、たとえば、抗菌物質、抗バイオフィルム金属含有物質、抗細菌物質、抗炎症物質、抗真菌物質、抗ウイルス物質、抗自己免疫物質、抗癌物質、プロアポトーシス物質、抗増殖物質、MMP調整物質、原子無秩序結晶性物質、および/またはナノ結晶性物質であることが可能である。ある態様においては、金属含有物質は原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予防的治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の化学化合物を、患者を予防的に治療するべく用いることは周知である。患者を予防的に治療することはしばしば、患者を、患者に症状が起こる可能性を低減することにおいて有効な一以上の化学化合物と接触させることを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は予防的治療法に関する。
【0004】
一つの観点においては、本発明は症状を予防的に治療する方法に関する。この方法は、患者の第一の領域を、金属含有物質と接触させて、患者の第二の領域における症状の発生を低減することを含む。患者の第一および第二の領域は、同一の領域であることが可能であり、あるいは患者の第一および第二の領域は、患者の別々の領域であることが可能である。
【0005】
もう一つの観点においては、本発明は症状を予防的に治療する方法に関する。この方法は、物体(たとえば、医療用具、機械的ミスト発生装置、スプレーボトル、吸入器、酸素テント、ドライパウダー吸入器、ニードル、ニードルレス注射器、包帯剤、滴びん、溶液用容器)を、金属含有物質と接触させて、患者の領域における症状の発生を低減することを含む。該物体は患者と接触することが目的とされているか、あるいは該物体と接触する物質が患者と接触することが目的とされている。
【0006】
態様は、以下の一以上の特徴を含むことが可能である。
【0007】
患者の第一および第二の領域(同じかまたは異なってよい)を金属含有物質と接触させることを含む態様においては、方法はさらに、患者の第二の領域における症状発生の可能性を認識すること、および患者の第二の領域における症状発生の可能性を認識した後に、金属含有物質との接触のための第一の領域を選択して第二の領域における症状発生を低減することを含むことが可能である。
【0008】
物体を金属含有物質と接触させることを含む態様においては、方法はさらに、患者の領域における症状発生の可能性を認識すること、およびその後、金属含有物質と接触させるための物体を選択して患者の領域における症状発生を低減することを含むことが可能である。
【0009】
物体を金属含有物質と接触させることを含む態様においては、方法はさらに、金属化合物と物体を接触させた後、物体を患者と接触させることを含むことが可能である。物体は患者の同一の領域と、または患者の別の領域と接触されることが可能である。
【0010】
物体を金属含有物質と接触させることを含む態様においては、方法はさらに、物体を金属含有物質と接触させた後、患者に移されることを目的とした物質を、物体から患者へ移すことを含むことが可能である。患者へ移される物質は、たとえば、治療薬であることが可能である。物質は、直接的または間接的に、該物体から患者へ移されることが可能である。
【0011】
該方法は、患者を金属含有物質と接触させた後、患者をモニタリングすることを含むことが可能である。たとえば、患者は比較的規則的な間隔で(たとえば、1時間に約1回、8時間ごとに約1回、1日約1回、1週間に約1回、1ヶ月に約2回、1ヶ月に約3回、1ヶ月に約4回)、モニタリングされることが可能である。
【0012】
金属含有物質は、たとえば、合金または金属であることが可能である。
【0013】
金属含有物質の実例は、金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属硝酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫化物、金属スルファジアジン、金属ハロゲン化物、金属リン化物、金属ケイ酸塩、金属酢酸塩、乳酸金属塩、金属クエン酸塩、金属ミリスチン酸塩、金属ソルビン酸塩、ステアリン酸金属塩、オレイン酸金属塩、金属グルトネート、アジピン酸金属塩、アルカリ金属チオ硫酸塩(たとえば、チオ硫酸金属塩ナトリウム、チオ硫酸金属塩カリウム)、および金属水素化物を含む。
【0014】
金属含有物質は、たとえば、銀、金、白金、および/またはパラジウムを含むことが可能である。
【0015】
金属含有物質はイオン性であることが可能である。
【0016】
金属含有物質は、たとえば、原子、分子、またはクラスターであることが可能である。
【0017】
金属含有物質は、たとえば、抗菌物質、抗バイオフィルム物質、抗細菌物質、抗炎症物質、抗真菌物質、抗ウイルス物質、抗自己免疫物質、抗癌物質、プロアポトーシス物質、抗増殖物質、および/またはMMP調整物質であることが可能である。
【0018】
金属含有物質は、たとえば、ナノ結晶物質であることが可能である。
【0019】
金属含有物質は、たとえば原子無秩序結晶性物質であることが可能である。
【0020】
該症状は、たとえば、細菌性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、非癌性の増殖、および/または癌症状であることが可能である。
【0021】
該症状は、たとえば、皮膚症状または外皮症状であることが可能である。皮膚症状または外皮症状の実例は、熱傷、湿疹(たとえば、アトピー性湿疹、稽留性肢端皮膚炎、接触アレルギー皮膚炎、接触刺激性皮膚炎、異汗性湿疹、汗疱、慢性単純性苔癬、貨幣状湿疹、脂漏性湿疹、うっ滞性湿疹)、紅皮症、虫刺症、菌状息肉症、炭疽性膿皮症、多形紅斑、酒さ、爪真菌症、ニキビ(たとえば、尋常性座瘡、新生児座瘡、幼児座瘡、ポマードアクネ)、乾癬、ライター症候群、毛孔性紅色ひこう疹、色素沈着過度、白班、瘢痕性症状、ケロイド、扁平苔癬、年齢関連皮膚障害(たとえば、しわ、セルライト)、および角化障害の過剰増殖変異型(たとえば、日光性角化症、老人性角化症)であることが可能である。
【0022】
該症状は、たとえば、呼吸症状であることが可能である。呼吸症状の実例は、喘息、気腫、気管支炎、肺水腫、急性呼吸促進症候群、気管支肺異形成、肺線維症、無気肺、結核、肺炎、副鼻腔炎、アレルギー鼻炎、咽頭炎、粘膜炎、口内炎、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、狼瘡肺臓炎、および嚢胞性線維症を含む。
【0023】
該症状は、たとえば、筋骨格症状であることが可能である。筋骨格症状の実例は、腱炎、骨髄炎、線維筋痛症、滑液包炎、および関節炎であることが可能である。
【0024】
該症状は、たとえば、循環症状であることが可能である。循環症状の実例は、たとえば動脈硬化症、リンパ腫、敗血症、白血病、虚血性血管障害、リンパ管炎、およびアテローム硬化症
を含む。
【0025】
該症状は、たとえば、癌症状であることが可能である。癌症状の実例は、腫瘍および血液学的悪性疾患を含む。
【0026】
該症状は、たとえば、非癌性の増殖であることが可能である。
【0027】
該症状は、たとえば、粘膜症状または奬膜症状であることが可能である。粘膜または奬膜症状の実例は、心膜炎、ボーエン病、口内炎、前立腺炎、副鼻腔炎、アレルギー鼻炎、消化障害、消化性潰瘍、食道潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道炎、胃炎、腸炎、胃腸管出血、中毒性表皮壊死症候群、スティーブンズ・ジョンソン症候群、嚢胞性繊維症、気管支炎、肺炎(たとえば、院内肺炎、換気装置関連肺炎)、咽頭炎、感冒、耳感染症、咽喉痛、性感染症(たとえば、梅毒、淋病、ヘルペス、性器イボ、HIV、クラミディア)、炎症性腸疾患、大腸炎、痔、カンジダ症、歯科症状、口腔症状、結膜炎、および歯周症状を含む。
【0028】
該方法は、患者の第二の領域において、アポトーシスを予防的に誘導するべく使用されることが可能である。
【0029】
該方法は、患者の第二の領域において、マトリックス・メタロプロテアーゼを予防的に調節するべく使用されることが可能である。
【0030】
患者の、症状が発生しやすい領域は、たとえば、皮膚の一部、爪、呼吸系の一部(たとえば、口腔の一部、鼻腔の一部、少なくとも一方の肺の一部)、筋骨格系の一部(たとえば、骨の一部、関節の一部、筋肉の一部、腱の一部)、循環系の一部(たとえば、心臓の一部、リンパ系の一部、血液の一部、血管の一部)、胃腸系の一部(たとえば、口腔の一部、結腸の一部、小腸の一部、大腸の一部、胃の一部、食道の一部)、舌下領域の一部、または真皮下領域の一部であることが可能である。患者の、症状が発生しやすい領域は、たとえば、患者の、過形成組織、腫瘍組織、非癌性増殖または癌病変のある任意の組織であることが可能である。
【0031】
患者の、金属含有物質と接触される領域は、たとえば、皮膚の一部、呼吸系の一部(たとえば、口腔の一部、鼻腔の一部、少なくとも一方の肺の一部)、筋骨格系の一部(たとえば、骨の一部、関節の一部、筋肉の一部、腱の一部)、循環系の一部(たとえば、心臓の一部、リンパ系の一部、血液の一部、血管の一部)、胃腸系の一部(たとえば、口腔の一部、結腸の一部、小腸の一部、大腸の一部、胃の一部、食道の一部)、舌下領域の一部、または真皮下領域の一部であることが可能である。患者の、金属含有物質と接触される領域は、たとえば、患者の、過形成組織、腫瘍組織、または癌病変のある任意の組織であることが可能である。
【0032】
患者は、たとえば、ヒトまたは動物であることが可能である。
【0033】
金属含有物質は、患者との接触時に、溶液中にあることが可能である。溶液は、(たとえば、ニードルレス注射器により、ニードルにより)注入される。溶液は、少なくとも約0.001重量パーセントの金属含有物質を含有することが可能である。溶液は、約10重量パーセント以下の金属含有物質を含有することが可能である。溶液は溶媒を含むことが可能である。ある態様においては、方法は溶液をエアロゾルの形状にすること、およびエアロゾルを吸入することを含むことが可能である。いくつかの態様においては、方法は溶液をスプレーの形状にすること、および身体の上または内部に噴霧することを含むことが可能である。
【0034】
金属含有物質は、患者との接触時に、製薬上許容される担体中に処置されることが可能である。組成物は、少なくとも約0.01重量パーセントのナノ結晶性金属含有物質を含有することが可能である。溶液は、約50重量パーセント以下のナノ結晶性金属含有物質を含有することが可能である。製薬上許容される担体は、たとえば、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、ペースト、フォーム、またはリポソームであることが可能である(たとえば、ロゼンジ、テープ、錠剤、坐剤、丸薬、またはカプセルの形状において)。
【0035】
金属含有物質は、患者との接触時に、フリースタンディングパウダーの形状であることが可能である。フリースタンディングパウダーは、吸入されることが可能である。いくつかの態様においては、フリースタンディングパウダーは体内へ注入されることが可能である。ある態様においては、フリースタンディングパウダーは身体の一部に振りかけられることが可能である。
【0036】
金属含有物質は、患者との接触時に、たとえば、スワブ、スポンジ、被覆されたチューブ(たとえば、ミーリンゴトミー(miringotomy)に使用される)、フォーム、リポソーム、テープ、丸薬、カプセル、錠剤、坐剤、またはロゼンジの形状であることが可能である。
【0037】
第一の領域は粘膜(たとえば、患者の口腔および/または患者の鼻腔)であることが可能であり、第二の領域は患者の肺であることが可能である。
【0038】
症状は、たとえば、院内肺炎または換気装置関連肺炎であることが可能である。
【0039】
患者の第二の領域は、患者の第一の領域が金属含有物質と接触される際、実質的に症状がないことが可能である。
【0040】
患者の第二の領域は、患者の第一の領域が金属含有物質と接触される際、症状があることが可能である。
【0041】
患者の第一の領域は、患者の第一の領域が金属含有物質と接触される際、実質的に症状がないことが可能である。
【0042】
患者の第一の領域は、患者の第一の領域が金属含有物質と接触される際、症状があることが可能である。
【0043】
金属含有物質は、症状に関して約0.95以下の予防率を有することが可能である。
【0044】
ある態様においては、金属含有物質は包帯剤以外の形状である。
【0045】
いくつかの態様においては、症状は細菌性の症状ではない。
【0046】
ある態様においては、患者の第一の領域は患者の皮膚の一部ではない。
【0047】
該方法の他の特徴および利点は、説明および図面から、また特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
図1は、デポジションシステムの略図である。
【0049】
全般的に、本発明は予防的治療法に関する。典型的には、該方法は患者の領域を、金属含有物質(たとえば、抗菌、抗バイオフィルム、抗細菌、抗炎症、抗真菌、抗ウイルス、抗自己免疫、抗癌、プロアポトーシス、抗増殖、MMP調整性、原子無秩序結晶性、および/またはナノ結晶性銀含有物質)と接触させて、患者の同じ領域または異なる領域における症状の発生を低減する(たとえば、予防する)ことを含む。一般に、患者の領域が金属含有物質と接触される際、予防的に治療される患者の領域は、実質的に症状がない。
【0050】
理論に束縛されることを望むことなく、金属含有物質は、物質と接触された患者の領域が予防的に治療されている患者の領域と同一である態様において、症状の一以上の病原(たとえば、一以上のプリオン、寄生虫、真菌、ウイルス、催炎物質、癌細胞、アレルゲン、および/または細菌)の患者の領域における存在を低減することにより、患者の同一の領域における症状の発生を低減することが信じられている。
【0051】
理論に束縛されることを望むことなく、金属含有物質と接触された患者の領域が予防的に治療されている領域とは異なる態様においては、観察された治療効果が一以上の可能なメカニズムにより説明されてよいと信じられている。一つの可能なメカニズムにおいては、金属含有物質は、患者の第一の領域から患者の第二の領域へ移動することが可能な、症状の一以上の病原(たとえば、一以上のプリオン、寄生虫、真菌、ウイルス、催炎物質、癌細胞、アレルゲン、および/または細菌)の存在を、患者の接触された領域において低減することにより、患者の予防的に治療された領域における症状の発生を低減すると信じられている。もう一つの可能なメカニズムにおいては、金属含有物質が患者の内部の媒介物(たとえば、生物学的媒介物)の放出を引き起こし、さらに、媒介物が患者の循環系に侵入して(または循環系内で形成されて)、媒介物が症状にかかりやすい患者の部分(予防的治療領域)に循環するようにし、そこで媒介物が治療効果を直接または間接的に提供する(たとえば、症状の一以上の病原の存在を低減することによる)。さらなる可能なメカニズムにおいては、金属含有物質自身が患者の循環系に侵入し、該物質が症状にかかりやすい患者の部分(予防的治療領域)に循環するようにし、そこで該物質が(直接または間接的に)治療効果を提供すると信じられている。さらなる可能なメカニズムにおいては、金属含有物質は、症状の一以上の病原(たとえば、一以上のプリオン、寄生虫、真菌、ウイルス、催炎物質、癌細胞、アレルゲン、および/または細菌)の数および/または濃度を、患者にとって危険であり得るレベルよりも下に(たとえば、感染に相当するレベルよりも下に)維持するのを助けることが可能であると信じられている。可能なメカニズムの組合せが、結果として、金属含有物質の観察された治療効果を生じてもよいと信じられている。
【0052】
一つの実例として、金属含有物質(たとえば、抗菌、抗バイオフィルム、抗細菌、抗炎症、抗真菌、抗ウイルス、抗自己免疫、抗癌、プロアポトーシス、抗増殖、および/またはMMP調整性原子無秩序性、ナノ結晶性銀含有物質)は、患者の鼻腔および/または口腔と接触されて、患者の肺における肺炎(たとえば、院内肺炎、換気装置関連肺炎)の発生を低減することが可能である。金属含有物質は、たとえば、溶液、ミスト、スワブ、スポンジ、被覆されたチューブ(たとえば、ミーリンゴトミー(miringotomy)に使用される)、フォーム、リポソーム、テープ、丸薬、カプセル、錠剤、坐剤、および/またはロゼンジの形状であることが可能である。理論に束縛されることを望むことなく、この方法は、患者の鼻腔および/または口腔から患者の肺へ移動することが可能でありかつ肺炎の発生をもたらす一以上の肺炎の病原(たとえば、一以上のプリオン、寄生虫、真菌、ウイルス、催炎物質、癌細胞、アレルゲン、および/または細菌)の、患者の鼻腔および/または口腔内の存在を低減することにより、患者における肺炎の発生を低減すると信じられている。
【0053】
もう一つの実例として、金属含有物質(たとえば、抗菌、抗バイオフィルム、抗細菌、抗炎症、抗真菌、抗ウイルス、抗自己免疫、抗癌、プロアポトーシス、抗増殖、および/またはMMP調整性原子無秩序性ナノ結晶性銀含有物質)は、患者の耳と接触されることが可能であり、患者の耳における、耳に関連した症状(たとえば、外耳炎、内耳感染症、外耳感染症、中耳感染症)の発生を低減する。金属含有物質は、たとえば、フォーム、溶液(たとえば、注射液)、ミスト、スポンジ、および/またはテープの形状でよい。理論に束縛されることを望むことなく、この方法は、患者における、耳に関連した症状をもたらすことが可能な耳に関連した症状の一以上の病原(たとえば、一以上のプリオン、寄生虫、真菌、ウイルス、催炎物質、癌細胞、アレルゲン、および/または細菌)の存在を低減することにより、患者における耳に関連した症状の発生を低減すると信じられている。
【0054】
下文に説明されるように、金属含有物質は種々の患者および症状を治療するべく使用されることが可能である。下文にまた説明されるように、金属含有物質は患者へ送達される際、任意の種々の形状であることが可能であり、金属含有物質は種々の方法で患者へ送達されることが可能である。ある態様においては、しかしながら、金属含有物質は包帯剤の形状ではなく、予防的に治療される症状は細菌性の症状ではなく、および/または金属含有物質は患者の皮膚と接触されない。
【0055】
(患者)
金属含有物質は、たとえばヒトまたは動物(たとえば、イヌ、ネコ、ウマ、トリ、は虫類、両生類、魚、カメ、モルモット、ハムスター、げっ歯類、ウシ、ブタ、ヤギ、霊長類、サル、ニワトリ、シチメンチョウ、スイギュウ、ダチョウ、ヒツジ、ラマ)を治療するべく使用されることが可能である。
【0056】
(症状)
金属含有物質で治療されることが可能な症状は、たとえば、細菌性の症状、微生物性の症状、バイオフィルム症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、非癌性の増殖、および/または癌症状(たとえば、腫瘍症状、造血器悪性腫瘍)を含む。かかかる症状は、たとえば、一以上のプリオン、寄生虫、真菌、ウイルス、催炎物質、癌細胞、アレルゲン、および/または細菌と関連づけられることが可能である。症状は、たとえば、徐々に治癒する症状、非治癒性症状、または治癒障害の症状であることが可能である。
【0057】
いくつかの態様においては、症状は皮膚症状または外皮症状(たとえば、細菌性の皮膚症状、微生物性の皮膚症状、バイオフィルム性の皮膚症状、炎症性の皮膚症状、過増殖性の皮膚症状、真菌性の皮膚症状、ウイルス性の皮膚症状、自己免疫性の皮膚症状、突発性の皮膚症状、過増殖性の皮膚症状、癌性の皮膚症状、微生物性の外皮症状、炎症性の外皮症状、真菌性の外皮症状、ウイルス性の外皮症状、自己免疫性の外皮症状、突発性の皮膚症状、過増殖性の外皮症状、癌性の皮膚症状)であることが可能である。皮膚症状または外皮症状の実例は、熱傷、湿疹(たとえば、アトピー性湿疹、稽留性肢端皮膚炎、接触アレルギー皮膚炎、接触刺激性皮膚炎、異汗性湿疹、汗疱、慢性単純性苔癬、貨幣状湿疹、脂漏性湿疹、うっ滞性湿疹)、紅皮症、虫刺症、菌状息肉症、炭疽性膿皮症、多型アイトレマ(Eythrema multiforme)、酒さ、爪真菌症、ニキビ(たとえば、尋常性座瘡、新生児座瘡、幼児座瘡、ポマードアクネ)、乾癬、ライター症候群、毛孔性紅色ひこう疹、色素沈着、白班、瘢痕性症状(たとえば肥厚性瘢痕)、ケロイド、扁平苔癬、年齢関連皮膚障害(たとえば、しわ、セルライト)、および、たとえば角化障害の過剰増殖変異型のような、過増殖性の皮膚障害(たとえば、日光性角化症、老人性角化症)を含む。実例として、金属含有物質は、より重い熱傷(たとえば、第三度熱傷)になりつつある特定の熱傷(たとえば、第二度熱傷)の発生を低減する(たとえば、予防する)べく、予防的に使用されることが可能である。
【0058】
ある態様においては、症状は呼吸症状である(たとえば、細菌性の呼吸症状、バイオフィルム性の呼吸症状、微生物性の呼吸症状、炎症性の呼吸症状、真菌性の呼吸症状、ウイルス性の呼吸症状、自己免疫性の呼吸症状、突発性の呼吸症状、過増殖性の呼吸症状、癌性の呼吸症状)であることが可能である。呼吸症状の実例は、喘息、気腫、気管支炎、肺水腫、急性呼吸促進症候群、気管支肺異形成、線維症(たとえば、肺線維症)、無気肺、結核、肺炎、副鼻腔炎、アレルギー鼻炎、咽頭炎、粘膜炎、口内炎、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、狼瘡肺臓炎、および嚢胞性線維症を含む。
【0059】
いくつかの態様においては、症状は筋骨格症状(たとえば、細菌性の筋骨格症状、バイオフィルム性の筋骨格症状、微生物性の筋骨格症状、炎症性の筋骨格症状、真菌性の筋骨格症状、ウイルス性の筋骨格症状、自己免疫性の筋骨格症状、突発性の筋骨格症状、過増殖性の筋骨格症状、癌性の筋骨格症状)であることが可能である。筋骨格症状は、たとえば、変性性の筋骨格症状(たとえば、関節炎)、または外傷性筋骨格症状(たとえば、肉離れまたは損傷筋)であることが可能である。筋骨格症状の実例は、腱炎、骨髄炎、線維筋痛症、滑液包炎、および関節炎を含むことが可能である。
【0060】
ある態様においては、症状は循環(たとえば、細菌性の循環症状、バイオフィルム性の循環症状、微生物性の循環症状、炎症性の循環症状、真菌性の循環症状、ウイルス性の循環症状、自己免疫性の循環症状、突発性の循環症状、過増殖性の循環症状、癌性の循環症状)であることが可能である。本文において言及(参照)されるように、循環症状はリンパ症状を含む。循環症状の実例は、動脈硬化症、リンパ腫、敗血症、白血病、虚血性血管障害、リンパ管炎、およびアテローム硬化を含む。循環系の領域は、たとえば、心臓、リンパ系、血液、血管(たとえば、動脈、静脈)を含む。
【0061】
ある態様においては、症状は粘膜または奬膜症状(たとえば、細菌性の粘膜または奬膜症状、バイオフィルム性の粘膜または奬膜症状、微生物性の粘膜または奬膜症状、炎症性の粘膜または奬膜症状、真菌性の粘膜または奬膜症状、ウイルス性の粘膜または奬膜症状、自己免疫性の粘膜または奬膜症状、突発性の粘膜または奬膜症状、過増殖性の粘膜または奬膜症状、癌性の粘膜または奬膜症状)であることが可能である。粘膜または奬膜症状の実例は、心膜炎、ボーエン病、口内炎、前立腺炎、副鼻腔炎、アレルギー鼻炎、消化障害、消化性潰瘍、食道潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道炎、胃炎、腸炎、胃腸管出血、中毒性表皮壊死症候群、スティーブンズ・ジョンソン症候群、嚢胞性線維維症、気管支炎、肺炎(たとえば、院内肺炎、換気装置関連肺炎)、咽頭炎、感冒、耳感染症、咽喉痛、性感染症(たとえば、梅毒、淋病、ヘルペス、性器イボ、HIV、クラミディア)、炎症性腸疾患、大腸炎、痔、カンジダ症、歯科症状、口腔症状、結膜炎、および歯周症状を含む。
【0062】
いくつかの態様においては、金属含有物質は、冒された組織(たとえば、過形成組織、腫瘍組織、または癌病変)と接触することにより、細胞増殖の過増殖(たとえば、悪性腫瘍のような癌症状、または良性腫瘍のような非癌症状)を治療するべく用いられることが可能であり、金属含有物質はアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導するべく、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を調整するべく、および/またはサイトカインを調整するべく使用されることが可能である。金属含有物質(たとえば、抗菌、抗バイオフィルム、抗細菌、抗炎症、抗真菌、抗ウイルス、抗自己免疫、抗癌、プロアポトーシス、抗増殖、および/またはMMP調整性原子無秩序性銀含有物質)が、ある細胞による多数のMMPおよび/またはサイトカインの産生を、同じ細胞によるMMPおよび/またはサイトカインの産生を必ずしもほぼゼロに低減することなく防止することにおいて、有効であり得ることが観察されている。しかしながら、ある態様においては、金属含有物質が、ある細胞においてMMPおよび/またはサイトカイン産生を阻害する(たとえば、MMPおよび/またはサイトカイン産生を、正常レベル、所望のレベル、および/またはほぼゼロにもっていく)べく使用されることが可能であると信じられている。
【0063】
MMPは、MMPファミリーの任意のプロテアーゼを指し、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン、および他の細胞外マトリックスのような結合組織の分解に関与しており、また腫瘍浸潤および転移といった、細胞外マトリックスの過剰な分解が起こる症状に関係する。MMPの実例は、MMP-2(線維芽細胞および広く多様な他の細胞タイプにより分泌される)およびMMP-9(単核食細胞、好中球、角膜上皮細胞、腫瘍細胞、栄養膜細胞層、ケラチノサイトにより放出される)を含む。サイトカインは、単球またはリンパ球により、特異抗原、非特異抗原、または非特異的な可溶性刺激物(たとえば、エンドトキシン、他のサイトカイン)との相互作用に反応して分泌される、非免疫グロブリンポリペプチドを指す。サイトカインは、炎症性または免疫性の応答の大きさに影響を及ぼす。サイトカインは、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン(IL-1〜IL-8)、形質転換増殖因子、および造血コロニー刺激因子を含む、いくつかのグループに分けられることが可能である。サイトカインの実例はTNF-αである。線維芽細胞は、結合組織細胞の領域であり、扁平な卵形の胞状核を有し両端に細胞質の突起のある扁平な長い細胞である。軟骨芽細胞、膠原芽細胞(collagenoblasts)、骨が細胞に分化する線維芽細胞は、体内の繊維状組織、腱、腱膜、あらゆる種類の支持および結合組織を形成する。過形成組織は、正常な組織または臓器の中の正常な配列の細胞の数において、異常な増殖または増加がある組織を指す。腫瘍は、自発性の組織増殖を指し、それにおける細胞の複製は異常であり、調整されず、かつ進行性である。腫瘍は一般に、何ら有用な機能を果たさず、健康な生物体を犠牲にして増殖する。癌病変は、上皮組織の腫瘍か、または上皮細胞からなる悪性の新規の増殖であり、周辺組織に浸潤して転移を生じる傾向がある。皮膚について使用されるように、癌病変は原発癌の、または局所腫瘍から、あるいは離れた場所からの、その場所への転移の結果であってよい病変を意味する。それは腔、皮膚表面の開放性の領域、皮膚結節、または皮膚表面から伸長している結節性増殖の形状をとってよい。
【0064】
望ましくないMMP活性によって特徴づけられる症状は、潰瘍、喘息、急性呼吸困難症候群、皮膚障害、皮膚老化、円錐角膜、再狭窄、骨-およびリウマチ性関節炎、変形性関節症、骨疾患、損傷、細胞増殖と浸潤性と転移を含む癌(たとえば、癌腫、線維肉腫、骨肉腫)、 循環血液量減少性ショック、歯周病、表皮水泡症、強膜炎、アテローム硬化症、多発性硬化症、中枢神経系の炎症性疾患、血管漏出症候群、コラゲナーゼ誘導疾患、腹膜の癒着、狭窄、食道または腸管狭窄、尿管または尿道狭窄、および胆管狭窄を含む。過剰のTNF産生は、自己免疫疾患、癌、悪液質、HIV感染、および心血管症状のような、過剰のMMP活性によって特徴づけられる疾患において報告されてきた。
【0065】
一つの実例として、患者は予防的に治療されてよく、冒される領域、または潜在的に冒される領域を、金属含有物質(たとえば、溶液、ミスト、包帯剤、包帯、テープなどの形状にある)と接触させることにより、癌性または前癌性の病変を低減する(たとえば、防止する)。もう一つの実例として、癌性腫瘍を有する領域の手術の後に、該領域が金属含有物質(たとえば、溶液、ミスト、包帯、テープなどの形状にある)と接触されてもよい。
【0066】
(物質)
金属含有物質は、イオン物質、または非イオン物質であることが可能である。金属含有物質は、たとえば、原子、分子、またはクラスターであることが可能である。
【0067】
一般に、金属含有物質は金属または合金である。金属含有物質に含有されることが可能な金属元素の実例は、IA族金属元素、IIA族金属元素、IIIA族金属元素、IVA族金属元素、VA族金属元素、VIA族金属元素、VIIA族金属元素、VIIIA族金属元素、IB族金属元素、IIB族金属元素、ランタノイド金属元素シリーズの構成員、アクチノイド金属元素シリーズの構成員を含む。ある態様においては、金属含有物質は銀、金、白金、パラジウム、インジウム、亜鉛、銅、錫、アンチモン、および/またはビスマスを含む。ある態様においては、金属含有物質は、一以上の遷移金属元素(たとえば、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、および/または亜鉛)を含むことが可能である。一つの実例として、金属含有物質は銀および白金を含有することができる。
【0068】
一以上の金属元素に加えて、金属含有物質は酸素、窒素、炭素、ホウ素、硫黄、リン、ケイ素、ハロゲン(たとえば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、および/または水素を含有することが可能である。かかる金属含有物質の実例は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属硫化物、金属硝酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属スルファジアジン、金属水酸化物、金属酢酸塩、乳酸金属塩、金属クエン酸塩、金属ミリスチン酸塩、金属ソルビン酸塩、ステアリン酸金属塩、オレイン酸金属塩、金属グルトネート、アジピン酸金属塩、金属リン化物、金属ケイ酸塩、アルカリ金属チオ硫酸塩(たとえば、ナトリウム金属チオ硫酸塩、カリウム金属チオ硫酸塩)、金属ハロゲン化物(たとえば金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物)、および金属水素化物を含む。ある態様においては、金属含有物質は、少なくとも約1原子パーセント(たとえば、少なくとも約3原子パーセント、少なくとも約5原子パーセント、少なくとも約10原子パーセント、少なくとも約20原子パーセント、少なくとも約30原子パーセント、少なくとも約40原子パーセント、少なくとも約50原子パーセント)の、および/または、多くて約90原子パーセント(たとえば、多くて約80原子パーセント、多くて約70原子パーセント、多くて約60原子パーセント、多くて約50原子パーセント、多くて約40原子パーセント、多くて約30原子パーセント、多くて約20原子パーセント、多くて約15原子パーセント、多くて約12原子パーセント、多くて約10原子パーセント、)の非金属元素を含有する。たとえば、ある態様においては、銀含有物質は、約5原子パーセントから約20原子パーセントまで(たとえば、約5原子パーセントから約15原子パーセントまで、約8原子パーセントから約12原子パーセントまで)の量の酸素を含有することが可能である。
【0069】
いくつかの態様においては、金属含有物質は貴金属(たとえば、硝酸銀、水酸化銀、スルファジアジン銀、コロイド銀、炭酸銀、酸化銀、酢酸銀、乳酸銀、クエン酸銀、コハク酸銀、塩素酸銀、ソルビン酸銀、ミリスチン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、グルトン酸銀(silver glutonate)、アジピン酸銀、アルカリ銀チオ硫酸塩(たとえば、銀チオ硫酸ナトリウム、銀チオ硫酸カリウム)であることが可能である。
【0070】
いくつかの態様においては、金属含有物質は約0.95以下(たとえば、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、約0.1以下、約0.05以下)の予防率を有することが可能である。ある物質の予防率は、該物質で治療されることなしに患者が症状にかかる確立に対する、該物質で治療された場合に該患者が該症状にかかる確立の割合を指す。
【0071】
ある態様においては、金属含有物質は、抗菌物質、抗バイオフィルム物質、抗細菌物質、抗炎症物質、抗真菌物質、抗ウイルス物質、抗自己免疫物質、抗癌物質、プロアポトーシス物質、抗増殖物質、およびMMP調整性物質、原子無秩序結晶性物質、および/またはナノ結晶性物質である。
【0072】
本文において用いられるように、本文における抗菌物質は、有利な治療効果をもつべく充分な抗菌活性を有する物質をさす。ある態様においては、抗菌物質は、少なくとも約2ミリメートル(たとえば、少なくとも約3ミリメートル、少なくとも約4ミリメートル、少なくとも約5ミリメートル、少なくとも約6ミリメートル、少なくとも約7ミリメートル、少なくとも約8ミリメートル、少なくとも約9ミリメートル、少なくとも約10ミリメートル)の阻害矯正領域(「CZOI」)を有する。物質のCZOIの測定法は以下の通りである。物質は包帯剤上の被覆として形成される(下文の議論を参照のこと)。アール(Earle)の塩類およびL-グルタミンを用いたイーグル(Eagle)の基本培地(BME)は、ペトリ皿に分取(15ml)されるに先立ち、子ウシ血清(10%)および1.5%寒天を用いて修正される。寒天を含有しているペトリ皿は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC#25923の芝(lawn)とインキュベートされるに先立ち、表面が乾燥される。接種剤は、製造業者の説明書により再構成される、バクトロール・ディスクス(Bactrol Discs)(ディフコ、M)から調製される。接種後直ちに、試験される被覆は寒天上に置かれる。皿は37℃で24時間インキュベートされる。このインキュベーション期間の後、阻害の領域(「ZOI」)は測定され、CZOIは、CZOI-マイナス-寒天と接している試験物質の直径、として計算される。抗菌特性に関するこの試験が基質(たとえば、包帯剤の形状にある)上の被覆の形状の物質について行なわれているとはいえ、抗菌物質が基質上に被覆された物質に限定されないことに留意されるべきである。むしろ、任意の形状の抗菌物質が抗菌物質であってよく、しかしその抗菌特性が本文に記述された方法に従って試験される場合には、それは基質(たとえば包帯剤の形状)上の被覆の形状にある。
【0073】
本文において言及されるように、原子無秩序結晶性物質(たとえば、原子無秩序ナノ結晶性物質)は、完全にアモルファス状態にある物質が有するよりも、より長い範囲の規則的な結晶構造(より欠陥の度合いの少ない)を有するが、しかしまた、鋳造か、打って作られたか、あるいはメッキされた物質のような、バルク結晶の状態において有するよりも、より長くない範囲の規則的な結晶構造(たとえば、より欠陥の度合いの高い)も有する物質を意味する。欠陥の実例は、点欠陥、空孔、線欠陥、粒界、亜粒界、およびアモルファス領域を含む。点欠陥は、約4原子の間隔を超えない大きさのスケールの欠陥である。空孔は、一つの原子の、結晶格子におけるその規定の原子位置からの脱落である。線欠陥は、線(直線であってもよく、なくてもよい)に沿って格子変形を生じる結果となる欠陥領域であり(たとえば、刃状転位、らせん転位)、一般に点欠陥よりも長いスケールを有する。刃状転位においては、格子変位は格子の末端を形成する原子の平面によってもたらされる。らせん転位においては、格子の部分が、格子の隣接部分に対して転位されている。粒界は、異なる結晶学的方位またはミスオリエンテーションを有する領域を分離する(たとえば、高角粒界、低角粒界、傾角粒界およびねじれ粒界を含めて)。亜粒界は、低角粒界を指す。アモルファス領域は、長い範囲の規則的な結晶構造を示さない領域である。ある態様においては、原子無秩序結晶性物質(たとえば、原子無秩序ナノ結晶性物質)は、アクティコート(Acticoat(登録商標))ファミリーの包帯剤(スミス&ネフュー(Smith & Nephew)、ハル(Hull)、英国)の一員(たとえば、Acticoat(登録商標)包帯剤、Acticoat7(登録商標)包帯剤、Acticoat(登録商標)モイスチャー被覆包帯剤、Acticoat(登録商標)アブソーベント包帯剤)のナノ結晶性銀被覆の原子無秩序度とほぼ同じ原子無秩序度を有する。いくつかの態様においては、原子無秩序結晶性物質(たとえば原子無秩序ナノ結晶性物質)は、バレル(Burrel)ら、米国特許第5,958,440号の実施例において開示されている、少なくとも5ミリメートルのCZOIを有するナノ結晶性銀被覆の原子無秩序度にほぼ等しい原子無秩序度を有する。ある態様においては、原子無秩序結晶性物質(たとえば、たとえば原子無秩序ナノ結晶性物質)は、アルコールまたは水を主成分とする電解液と接触されると、少なくとも約1時間(たとえば、少なくとも約2時間、少なくとも約10時間、少なくとも約1日)のタイムスケールにわたり、アルコールまたは水を主成分とする電解液中へ(たとえば、イオン、原子、分子、および/またはクラスターとして)放出される。アルコールおよび/または水を主成分とする電解質の実例は、体液(たとえば、血液、尿、唾液)および身体の臓器(たとえば、皮膚、筋肉、骨)を含む。
【0074】
本文において言及されるように、ナノ結晶物質は単相多結晶か、または多相多結晶であり、少なくとも一つの次元において約100ナノメートル(たとえば、約90ナノメートル以下、約80ナノメートル以下、約70ナノメートル以下、約60ナノメートル以下、約50ナノメートル以下、約40ナノメートル以下、約30ナノメートル以下、約25ナノメートル以下)の最大次元を有する。
【0075】
抗菌性金属含有物質(原子無秩序結晶性物質またはナノ結晶物質であってもよいか、またはなくてもよい)の実例は、抗菌性銀含有物質(たとえば、抗菌性銀、抗菌性銀合金、抗菌性酸化銀、抗菌性炭化銀、抗菌性窒化銀、抗菌性ホウ化銀、抗菌性硫化銀、抗菌性ミリスチン酸銀、抗菌性ステアリン酸銀、抗菌性オレイン酸銀、抗菌性銀グルトネート、抗菌性銀グルトネート、抗菌性アジピン酸銀、抗菌性ケイ酸銀、抗菌性リン化銀、抗菌性ハロゲン化銀、抗菌性水素化銀、抗菌性硝酸銀、抗菌性水酸化銀、抗菌性炭酸銀、抗菌性スルファジアジン銀、抗菌性酢酸銀、抗菌性乳酸銀、抗菌性クエン酸銀、抗菌性アルカリチオ硫酸銀(たとえば、抗菌性チオ硫酸銀ナトリウム、抗菌性チオ硫酸銀カリウム))、抗菌性金含有物質(たとえば、抗菌性金、抗菌性金合金、抗菌性酸化金、抗菌性炭化金、抗菌性窒化金、抗菌性ホウ化金、抗菌性硫化金、抗菌性ミリスチン酸金、抗菌性ステアリン酸金、抗菌性オレイン酸金、抗菌性金グルトネート、抗菌性金グルトネート、抗菌性アジピン酸金、抗菌性ケイ酸金、抗菌性リン化金、抗菌性ハロゲン化金、抗菌性水素化金、抗菌性硝酸金、抗菌性水酸化金、抗菌性炭酸金、抗菌性スルファジアジン金、抗菌性酢酸金、抗菌性乳酸金、抗菌性クエン酸金、抗菌性アルカリチオ硫酸金(たとえば、抗菌性チオ硫酸金ナトリウム、抗菌性チオ硫酸金カリウム))、抗菌性白金含有物質(たとえば、抗菌性白金、抗菌性白金合金、抗菌性酸化白金、抗菌性炭化白金、抗菌性窒化白金、抗菌性ホウ化白金、抗菌性硫化白金、抗菌性ミリスチン酸白金、抗菌性ステアリン酸白金、抗菌性オレイン酸白金、抗菌性白金グルトネート、抗菌性白金グルトネート、抗菌性アジピン酸白金、抗菌性ケイ酸白金、抗菌性リン化白金、抗菌性ハロゲン化白金、抗菌性水素化白金、抗菌性硝酸白金、抗菌性水酸化白金、抗菌性炭酸白金、抗菌性スルファジアジン白金、抗菌性酢酸白金、抗菌性乳酸白金、抗菌性クエン酸白金、抗菌性アルカリチオ硫酸白金(たとえば、抗菌性チオ硫酸白金ナトリウム、抗菌性チオ硫酸白金カリウム))、抗菌性パラジウム含有物質(たとえば、抗菌性パラジウム、抗菌性パラジウム合金、抗菌性酸化パラジウム、抗菌性炭化パラジウム、抗菌性窒化パラジウム、抗菌性ホウ化パラジウム、抗菌性硫化パラジウム、抗菌性ミリスチン酸パラジウム、抗菌性ステアリン酸パラジウム、抗菌性オレイン酸パラジウム、抗菌性パラジウムグルトネート、抗菌性パラジウムグルトネート、抗菌性アジピン酸パラジウム、抗菌性ケイ酸パラジウム、抗菌性リン化パラジウム、抗菌性ハロゲン化パラジウム、抗菌性水素化パラジウム、抗菌性硝酸パラジウム、抗菌性水酸化パラジウム、抗菌性炭酸パラジウム、抗菌性スルファジアジンパラジウム、抗菌性酢酸パラジウム、抗菌性乳酸パラジウム、抗菌性クエン酸パラジウム、抗菌性アルカリチオ硫酸パラジウム(たとえば、抗菌性チオ硫酸パラジウムナトリウム、抗菌性チオ硫酸パラジウムカリウム))、抗菌性イリジウム含有物質(たとえば、抗菌性イリジウム、抗菌性イリジウム合金、抗菌性酸化イリジウム、抗菌性炭化イリジウム、抗菌性窒化イリジウム、抗菌性ホウ化イリジウム、抗菌性硫化イリジウム、抗菌性ミリスチン酸イリジウム、抗菌性ステアリン酸イリジウム、抗菌性オレイン酸イリジウム、抗菌性イリジウムグルトネート、抗菌性イリジウムグルトネート、抗菌性アジピン酸イリジウム、抗菌性ケイ酸イリジウム、抗菌性リン化イリジウム、抗菌性ハロゲン化イリジウム、抗菌性水素化イリジウム、抗菌性硝酸イリジウム、抗菌性水酸化イリジウム、抗菌性炭酸イリジウム、抗菌性硫化イリジウム、抗菌性スルファジアジンイリジウム、抗菌性酢酸イリジウム、抗菌性乳酸イリジウム、抗菌性クエン酸イリジウム、抗菌性アルカリチオ硫酸イリジウム(たとえば、抗菌性チオ硫酸イリジウムナトリウム、抗菌性チオ硫酸イリジウムカリウム))、抗菌性亜鉛含有物質(たとえば、抗菌性亜鉛、抗菌性亜鉛合金、抗菌性酸化亜鉛、抗菌性炭化亜鉛、抗菌性窒化亜鉛、抗菌性ホウ化亜鉛、抗菌性硫化亜鉛、抗菌性ミリスチン酸亜鉛、抗菌性ステアリン酸亜鉛、抗菌性オレイン酸亜鉛、抗菌性亜鉛グルトネート、抗菌性亜鉛グルトネート、抗菌性アジピン酸亜鉛、抗菌性ケイ酸亜鉛、抗菌性リン化亜鉛、抗菌性ハロゲン化亜鉛、抗菌性水素化亜鉛、抗菌性硝酸亜鉛、抗菌性水酸化亜鉛、抗菌性炭酸亜鉛、抗菌性硫化亜鉛、抗菌性スルファジアジン亜鉛、抗菌性酢酸亜鉛、抗菌性乳酸亜鉛、抗菌性クエン酸亜鉛、抗菌性アルカリチオ硫酸亜鉛(たとえば、抗菌性チオ硫酸亜鉛ナトリウム、抗菌性チオ硫酸亜鉛カリウム))、抗菌性銅含有物質(たとえば、抗菌性銅、抗菌性銅合金、抗菌性酸化銅、抗菌性炭化銅、抗菌性窒化銅、抗菌性ホウ化銅、抗菌性硫化銅、抗菌性ミリスチン酸銅、抗菌性ステアリン酸銅、抗菌性オレイン酸銅、抗菌性銅グルトネート、抗菌性銅グルトネート、抗菌性アジピン酸銅、抗菌性ケイ酸銅、抗菌性リン化銅、抗菌性ハロゲン化銅、抗菌性水素化銅、抗菌性硝酸銅、抗菌性水酸化銅、抗菌性炭酸銅、抗菌性硫化銅、抗菌性スルファジアジン銅、抗菌性酢酸銅、抗菌性乳酸銅、抗菌性クエン酸銅、抗菌性アルカリチオ硫酸銅(たとえば、抗菌性チオ硫酸銅ナトリウム、抗菌性チオ硫酸銅カリウム))、抗菌性錫含有物質(たとえば、抗菌性錫、抗菌性錫合金、抗菌性酸化錫、抗菌性炭化錫、抗菌性窒化錫、抗菌性ホウ化錫、抗菌性硫化錫、抗菌性ミリスチン酸錫、抗菌性ステアリン酸錫、抗菌性オレイン酸錫、抗菌性錫グルトネート、抗菌性錫グルトネート、抗菌性アジピン酸錫、抗菌性ケイ酸錫、抗菌性リン化錫、抗菌性ハロゲン化錫、抗菌性水素化錫、抗菌性硝酸錫、抗菌性水酸化錫、抗菌性炭酸錫、抗菌性硫化錫、抗菌性スルファジアジン錫、抗菌性酢酸錫、抗菌性乳酸錫、抗菌性クエン酸錫、抗菌性アルカリチオ硫酸錫(たとえば、抗菌性チオ硫酸錫ナトリウム、抗菌性チオ硫酸錫カリウム))、抗菌性アンチモン含有物質(たとえば、抗菌性アンチモン、抗菌性アンチモン合金、抗菌性酸化アンチモン、抗菌性炭化アンチモン、抗菌性窒化アンチモン、抗菌性ホウ化アンチモン、抗菌性硫化アンチモン、抗菌性ミリスチン酸アンチモン、抗菌性ステアリン酸アンチモン、抗菌性オレイン酸アンチモン、抗菌性アンチモングルトネート、抗菌性アンチモングルトネート、抗菌性アジピン酸アンチモン、抗菌性ケイ酸アンチモン、抗菌性リン化アンチモン、抗菌性ハロゲン化アンチモン、抗菌性水素化アンチモン、抗菌性硝酸アンチモン、抗菌性水酸化アンチモン、抗菌性炭酸アンチモン、抗菌性硫化アンチモン、抗菌性スルファジアジンアンチモン、抗菌性酢酸アンチモン、抗菌性乳酸アンチモン、抗菌性クエン酸アンチモン、抗菌性アルカリチオ硫酸アンチモン(たとえば、抗菌性チオ硫酸アンチモンナトリウム、抗菌性チオ硫酸アンチモンカリウム))、抗菌性ビスマス含有物質(たとえば、抗菌性ビスマス、抗菌性ビスマス合金、抗菌性酸化ビスマス、抗菌性炭化ビスマス、抗菌性窒化ビスマス、抗菌性ホウ化ビスマス、抗菌性硫化ビスマス、抗菌性ミリスチン酸ビスマス、抗菌性ステアリン酸ビスマス、抗菌性オレイン酸ビスマス、抗菌性ビスマスグルトネート、抗菌性ビスマスグルトネート、抗菌性アジピン酸ビスマス、抗菌性ケイ酸ビスマス、抗菌性リン化ビスマス、抗菌性ハロゲン化ビスマス、抗菌性水素化ビスマス、抗菌性硝酸ビスマス、抗菌性水酸化ビスマス、抗菌性炭酸ビスマス、抗菌性硫化ビスマス、抗菌性スルファジアジンビスマス、抗菌性酢酸ビスマス、抗菌性乳酸ビスマス、抗菌性クエン酸ビスマス、抗菌性アルカリチオ硫酸ビスマス(たとえば、抗菌性チオ硫酸ビスマスナトリウム、抗菌性チオ硫酸ビスマスカリウム))を含む。
【0076】
先行する段落は、抗菌物質である、ある金属含有物質をリストしてはいるが、同様の金属含有化合物(銀、金、パラジウム、白金、錫、イリジウム、アンチモン、ビスマス、銅、亜鉛の、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物、ミリスチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、グルトネート、アジピン酸塩、ケイ酸塩、リン化物、ハロゲン化物、水素化物、硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、硫化物、スルファジアジン、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、および/またはアルカリ金属チオ硫酸塩)は、抗バイオフィルム物質、抗細菌物質、抗炎症物質、抗真菌物質、抗ウイルス物質、抗自己免疫物質、抗癌物質、プロアポトーシス物質、抗増殖物質、および/またはMMP調整物質であることが可能である。
【0077】
ナノ結晶性金属含有物質(抗菌物質または原子無秩序結晶性物質であってもよいか、またはなくてもよい)の実例は、ナノ結晶性銀含有物質(たとえば、ナノ結晶性銀、ナノ結晶性銀合金、ナノ結晶性酸化銀、ナノ結晶性水酸化銀、ナノ結晶性炭化銀、ナノ結晶性窒化銀、ナノ結晶性ホウ化銀、ナノ結晶性硫化銀、ナノ結晶性ハロゲン化銀、ナノ結晶性ミリスチン酸銀、ナノ結晶性ステアリン酸銀、ナノ結晶性オレイン酸銀、ナノ結晶性銀グルトネート、ナノ結晶性銀グルトネート、ナノ結晶性アジピン酸銀、ナノ結晶性ケイ酸銀、ナノ結晶性リン化銀、ナノ結晶性水素化銀、ナノ結晶性硝酸銀、ナノ結晶性炭酸銀、ナノ結晶性硫化銀、ナノ結晶性スルファジアジン銀、ナノ結晶性酢酸銀、ナノ結晶性乳酸銀、ナノ結晶性クエン酸銀、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸銀(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸銀ナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸銀カリウム))、ナノ結晶性金含有物質(たとえば、ナノ結晶性金、ナノ結晶性金合金、ナノ結晶性酸化金、ナノ結晶性水酸化金、ナノ結晶性炭化金、ナノ結晶性窒化金、ナノ結晶性ホウ化金、ナノ結晶性硫化金、ナノ結晶性ハロゲン化金、ナノ結晶性水素化金、ナノ結晶性硝酸金、ナノ結晶性ミリスチン酸金、ナノ結晶性ステアリン酸金、ナノ結晶性オレイン酸金、ナノ結晶性金グルトネート、ナノ結晶性金グルトネート、ナノ結晶性アジピン酸金、ナノ結晶性ケイ酸金、ナノ結晶性リン化金、ナノ結晶性炭酸金、ナノ結晶性硫化金、ナノ結晶性スルファジアジン金、ナノ結晶性酢酸金、ナノ結晶性乳酸金、ナノ結晶性クエン酸金、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸金(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸金ナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸金カリウム))、ナノ結晶性白金含有物質(たとえば、ナノ結晶性白金、ナノ結晶性白金合金、ナノ結晶性酸化白金、ナノ結晶性水酸化白金、ナノ結晶性炭化白金、ナノ結晶性窒化白金、ナノ結晶性ホウ化白金、ナノ結晶性硫化白金、ナノ結晶性ミリスチン酸白金、ナノ結晶性ステアリン酸白金、ナノ結晶性オレイン酸白金、ナノ結晶性白金グルトネート、ナノ結晶性白金グルトネート、ナノ結晶性アジピン酸白金、ナノ結晶性ケイ酸白金、ナノ結晶性リン化白金、ナノ結晶性ハロゲン化白金、ナノ結晶性水素化白金、ナノ結晶性硝酸白金、ナノ結晶性炭酸白金、ナノ結晶性硫化白金、ナノ結晶性スルファジアジン白金、ナノ結晶性酢酸白金、ナノ結晶性乳酸白金、ナノ結晶性クエン酸白金、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸白金(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸白金ナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸白金カリウム))、ナノ結晶性パラジウム含有物質(たとえば、ナノ結晶性パラジウム、ナノ結晶性パラジウム合金、ナノ結晶性酸化パラジウム、ナノ結晶性水酸化パラジウム、ナノ結晶性炭化パラジウム、ナノ結晶性窒化パラジウム、ナノ結晶性ホウ化パラジウム、ナノ結晶性硫化パラジウム、ナノ結晶性ミリスチン酸パラジウム、ナノ結晶性ステアリン酸パラジウム、ナノ結晶性オレイン酸パラジウム、ナノ結晶性パラジウムグルトネート、ナノ結晶性パラジウムグルトネート、ナノ結晶性アジピン酸パラジウム、ナノ結晶性ケイ酸パラジウム、ナノ結晶性リン化パラジウム、ナノ結晶性ハロゲン化パラジウム、ナノ結晶性水素化パラジウム、ナノ結晶性硝酸パラジウム、ナノ結晶性炭酸パラジウム、ナノ結晶性硫化パラジウム、ナノ結晶性スルファジアジンパラジウム、ナノ結晶性酢酸パラジウム、ナノ結晶性乳酸パラジウム、ナノ結晶性クエン酸パラジウム、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸パラジウム(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸パラジウムナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸パラジウムカリウム))、ナノ結晶性イリジウム含有物質(たとえば、ナノ結晶性イリジウム、ナノ結晶性イリジウム合金、ナノ結晶性酸化イリジウム、ナノ結晶性水酸化イリジウム、ナノ結晶性炭化イリジウム、ナノ結晶性窒化イリジウム、ナノ結晶性ホウ化イリジウム、ナノ結晶性硫化イリジウム、ナノ結晶性ミリスチン酸イリジウム、ナノ結晶性ステアリン酸イリジウム、ナノ結晶性オレイン酸イリジウム、ナノ結晶性イリジウムグルトネート、ナノ結晶性イリジウムグルトネート、ナノ結晶性アジピン酸イリジウム、ナノ結晶性ケイ酸イリジウム、ナノ結晶性リン化イリジウム、ナノ結晶性ハロゲン化イリジウム、ナノ結晶性水素化イリジウム、ナノ結晶性硝酸イリジウム、ナノ結晶性炭酸イリジウム、ナノ結晶性硫化イリジウム、ナノ結晶性スルファジアジンイリジウム、ナノ結晶性酢酸イリジウム、ナノ結晶性乳酸イリジウム、ナノ結晶性クエン酸イリジウム、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸イリジウム(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸イリジウムナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸イリジウムカリウム))、ナノ結晶性亜鉛含有物質(たとえば、ナノ結晶性亜鉛、ナノ結晶性亜鉛合金、ナノ結晶性酸化亜鉛、ナノ結晶性水酸化亜鉛、ナノ結晶性炭化亜鉛、ナノ結晶性窒化亜鉛、ナノ結晶性ホウ化亜鉛、ナノ結晶性硫化亜鉛、ナノ結晶性ミリスチン酸亜鉛、ナノ結晶性ステアリン酸亜鉛、ナノ結晶性オレイン酸亜鉛、ナノ結晶性亜鉛グルトネート、ナノ結晶性亜鉛グルトネート、ナノ結晶性アジピン酸亜鉛、ナノ結晶性ケイ酸亜鉛、ナノ結晶性リン化亜鉛、ナノ結晶性ハロゲン化亜鉛、ナノ結晶性水素化亜鉛、ナノ結晶性硝酸亜鉛、ナノ結晶性炭酸亜鉛、ナノ結晶性硫化亜鉛、ナノ結晶性スルファジアジン亜鉛、ナノ結晶性酢酸亜鉛、ナノ結晶性乳酸亜鉛、ナノ結晶性クエン酸亜鉛、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸亜鉛(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸亜鉛ナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸亜鉛カリウム))、
ナノ結晶性銅含有物質(たとえば、ナノ結晶性銅、ナノ結晶性銅合金、ナノ結晶性酸化銅、ナノ結晶性水酸化銅、ナノ結晶性炭化銅、ナノ結晶性窒化銅、ナノ結晶性ホウ化銅、ナノ結晶性硫化銅、ナノ結晶性ミリスチン酸銅、ナノ結晶性ステアリン酸銅、ナノ結晶性オレイン酸銅、ナノ結晶性銅グルトネート、ナノ結晶性銅グルトネート、ナノ結晶性アジピン酸銅、ナノ結晶性ケイ酸銅、ナノ結晶性リン化銅、ナノ結晶性ハロゲン化銅、ナノ結晶性水素化銅、ナノ結晶性硝酸銅、ナノ結晶性炭酸銅、ナノ結晶性スルファジアジン銅、ナノ結晶性酢酸銅、ナノ結晶性乳酸銅、ナノ結晶性クエン酸銅、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸銅(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸銅ナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸銅カリウム))、ナノ結晶性錫含有物質(たとえば、ナノ結晶性錫、ナノ結晶性錫合金、ナノ結晶性酸化錫、ナノ結晶性水酸化錫、ナノ結晶性炭化錫、ナノ結晶性窒化錫、ナノ結晶性ホウ化錫、ナノ結晶性硫化錫、ナノ結晶性ミリスチン酸錫、ナノ結晶性ステアリン酸錫、ナノ結晶性オレイン酸錫、ナノ結晶性錫グルトネート、ナノ結晶性錫グルトネート、ナノ結晶性アジピン酸錫、ナノ結晶性ケイ酸錫、ナノ結晶性リン化錫、ナノ結晶性ハロゲン化錫、ナノ結晶性水素化錫、ナノ結晶性硝酸錫、ナノ結晶性炭酸錫、ナノ結晶性硫化錫、ナノ結晶性スルファジアジン錫、ナノ結晶性酢酸錫、ナノ結晶性乳酸錫、ナノ結晶性クエン酸錫、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸錫(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸錫ナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸錫カリウム))、ナノ結晶性アンチモン含有物質(たとえば、ナノ結晶性アンチモン、ナノ結晶性アンチモン合金、ナノ結晶性酸化アンチモン、ナノ結晶性水酸化アンチモン、ナノ結晶性炭化アンチモン、ナノ結晶性窒化アンチモン、ナノ結晶性ホウ化アンチモン、ナノ結晶性硫化アンチモン、ナノ結晶性ミリスチン酸アンチモン、ナノ結晶性ステアリン酸アンチモン、ナノ結晶性オレイン酸アンチモン、ナノ結晶性アンチモングルトネート、ナノ結晶性アンチモングルトネート、ナノ結晶性アジピン酸アンチモン、ナノ結晶性ケイ酸アンチモン、ナノ結晶性リン化アンチモン、ナノ結晶性ハロゲン化アンチモン、ナノ結晶性水素化アンチモン、ナノ結晶性硝酸アンチモン、ナノ結晶性炭酸アンチモン、ナノ結晶性硫化アンチモン、ナノ結晶性スルファジアジンアンチモン、ナノ結晶性酢酸アンチモン、ナノ結晶性乳酸アンチモン、ナノ結晶性クエン酸アンチモン、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸アンチモン(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸アンチモンナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸アンチモンカリウム))、ナノ結晶性ビスマス含有物質(たとえば、ナノ結晶性ビスマス、ナノ結晶性ビスマス合金、ナノ結晶性酸化ビスマス、ナノ結晶性水酸化ビスマス、ナノ結晶性炭化ビスマス、ナノ結晶性窒化ビスマス、ナノ結晶性ホウ化ビスマス、ナノ結晶性硫化ビスマス、ナノ結晶性ミリスチン酸ビスマス、ナノ結晶性ステアリン酸ビスマス、ナノ結晶性オレイン酸ビスマス、ナノ結晶性ビスマスグルトネート、ナノ結晶性ビスマスグルトネート、ナノ結晶性アジピン酸ビスマス、ナノ結晶性ケイ酸ビスマス、ナノ結晶性リン化ビスマス、ナノ結晶性ハロゲン化ビスマス、ナノ結晶性水素化ビスマス、ナノ結晶性硝酸ビスマス、ナノ結晶性炭酸ビスマス、ナノ結晶性硫化ビスマス、ナノ結晶性スルファジアジンビスマス、ナノ結晶性酢酸ビスマス、ナノ結晶性乳酸ビスマス、ナノ結晶性クエン酸ビスマス、ナノ結晶性アルカリチオ硫酸ビスマス(たとえば、ナノ結晶性チオ硫酸ビスマスナトリウム、ナノ結晶性チオ硫酸ビスマスカリウム))を含む。
【0078】
原子無秩序結晶性金属含有物質(抗菌物質またはナノ結晶性物質であってもよいか、またはなくてもよい)の実例は、原子無秩序結晶性銀含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性銀、原子無秩序結晶性銀合金、原子無秩序結晶性酸化銀、原子無秩序結晶性水酸化銀、原子無秩序結晶性炭化銀、原子無秩序結晶性窒化銀、原子無秩序結晶性ホウ化銀、原子無秩序結晶性硫化銀、原子無秩序結晶性ミリスチン酸銀、原子無秩序結晶性ステアリン酸銀、原子無秩序結晶性オレイン酸銀、原子無秩序結晶性銀グルトネート、原子無秩序結晶性銀グルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸銀、原子無秩序結晶性ケイ酸銀、原子無秩序結晶性リン化銀、原子無秩序結晶性ハロゲン化銀、原子無秩序結晶性水素化銀、原子無秩序結晶性硝酸銀、原子無秩序結晶性炭酸銀、原子無秩序結晶性硫化銀、原子無秩序結晶性スルファジアジン銀、原子無秩序結晶性酢酸銀、原子無秩序結晶性乳酸銀、原子無秩序結晶性クエン酸銀、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸銀(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸銀ナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸銀カリウム))、原子無秩序結晶性金含有物質(原子無秩序結晶性金、原子無秩序結晶性金合金、原子無秩序結晶性酸化金、原子無秩序結晶性水酸化金、原子無秩序結晶性炭化金、原子無秩序結晶性窒化金、原子無秩序結晶性ホウ化金、原子無秩序結晶性硫化金、原子無秩序結晶性ミリスチン酸金、原子無秩序結晶性ステアリン酸金、原子無秩序結晶性オレイン酸金、原子無秩序結晶性金グルトネート、原子無秩序結晶性金グルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸金、原子無秩序結晶性ケイ酸金、原子無秩序結晶性リン化金、原子無秩序結晶性ハロゲン化金、原子無秩序結晶性水素化金、原子無秩序結晶性硝酸金、原子無秩序結晶性炭酸金、原子無秩序結晶性硫化金、原子無秩序結晶性スルファジアジン金、原子無秩序結晶性酢酸金、原子無秩序結晶性乳酸金、原子無秩序結晶性クエン酸金、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸金(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸金ナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸金カリウム))、原子無秩序結晶性白金含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性白金、原子無秩序結晶性白金合金、原子無秩序結晶性酸化白金、原子無秩序結晶性水酸化白金、原子無秩序結晶性炭化白金、原子無秩序結晶性窒化白金、原子無秩序結晶性ホウ化白金、原子無秩序結晶性硫化白金、原子無秩序結晶性ミリスチン酸白金、原子無秩序結晶性ステアリン酸白金、原子無秩序結晶性オレイン酸白金、原子無秩序結晶性白金グルトネート、原子無秩序結晶性白金グルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸白金、原子無秩序結晶性ケイ酸白金、原子無秩序結晶性リン化白金、原子無秩序結晶性ハロゲン化白金、原子無秩序結晶性水素化白金、原子無秩序結晶性硝酸白金、原子無秩序結晶性炭酸白金、原子無秩序結晶性硫化白金、原子無秩序結晶性スルファジアジン白金、原子無秩序結晶性酢酸白金、原子無秩序結晶性乳酸白金、原子無秩序結晶性クエン酸白金、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸白金(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸白金ナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸白金カリウム))、原子無秩序結晶性パラジウム含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性パラジウム、原子無秩序結晶性パラジウム合金、原子無秩序結晶性酸化パラジウム、原子無秩序結晶性水酸化パラジウム、原子無秩序結晶性炭化パラジウム、原子無秩序結晶性窒化パラジウム、原子無秩序結晶性ホウ化パラジウム、原子無秩序結晶性硫化パラジウム、原子無秩序結晶性ミリスチン酸パラジウム、原子無秩序結晶性ステアリン酸パラジウム、原子無秩序結晶性オレイン酸パラジウム、原子無秩序結晶性パラジウムグルトネート、原子無秩序結晶性パラジウムグルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸パラジウム、原子無秩序結晶性ケイ酸パラジウム、原子無秩序結晶性リン化パラジウム、原子無秩序結晶性ハロゲン化パラジウム、原子無秩序結晶性水素化パラジウム、原子無秩序結晶性硝酸パラジウム、原子無秩序結晶性炭酸パラジウム、原子無秩序結晶性硫化パラジウム、原子無秩序結晶性スルファジアジンパラジウム、原子無秩序結晶性酢酸パラジウム、原子無秩序結晶性乳酸パラジウム、原子無秩序結晶性クエン酸パラジウム、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸パラジウム(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸パラジウムナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸パラジウムカリウム))、原子無秩序結晶性イリジウム含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性イリジウム、原子無秩序結晶性イリジウム合金、原子無秩序結晶性酸化イリジウム、原子無秩序結晶性水酸化イリジウム、原子無秩序結晶性炭化イリジウム、原子無秩序結晶性窒化イリジウム、原子無秩序結晶性ホウ化イリジウム、原子無秩序結晶性硫化イリジウム、原子無秩序結晶性ミリスチン酸イリジウム、原子無秩序結晶性ステアリン酸イリジウム、原子無秩序結晶性オレイン酸イリジウム、原子無秩序結晶性イリジウムグルトネート、原子無秩序結晶性イリジウムグルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸イリジウム、原子無秩序結晶性ケイ酸イリジウム、原子無秩序結晶性リン化イリジウム、原子無秩序結晶性ハロゲン化イリジウム、原子無秩序結晶性水素化イリジウム、原子無秩序結晶性硝酸イリジウム、原子無秩序結晶性炭酸イリジウム、原子無秩序結晶性硫化イリジウム、原子無秩序結晶性スルファジアジンイリジウム、原子無秩序結晶性酢酸イリジウム、原子無秩序結晶性乳酸イリジウム、原子無秩序結晶性クエン酸イリジウム、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸イリジウム(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸イリジウムナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸イリジウムカリウム))、原子無秩序結晶性亜鉛含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性亜鉛、原子無秩序結晶性亜鉛合金、原子無秩序結晶性酸化亜鉛、原子無秩序結晶性水酸化亜鉛、原子無秩序結晶性炭化亜鉛、原子無秩序結晶性窒化亜鉛、原子無秩序結晶性ホウ化亜鉛、原子無秩序結晶性硫化亜鉛、原子無秩序結晶性ミリスチン酸亜鉛、原子無秩序結晶性ステアリン酸亜鉛、原子無秩序結晶性オレイン酸亜鉛、原子無秩序結晶性亜鉛グルトネート、原子無秩序結晶性亜鉛グルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸亜鉛、原子無秩序結晶性ケイ酸亜鉛、原子無秩序結晶性リン化亜鉛、原子無秩序結晶性ハロゲン化亜鉛、原子無秩序結晶性水素化亜鉛、原子無秩序結晶性硝酸亜鉛、原子無秩序結晶性炭酸亜鉛、原子無秩序結晶性硫化亜鉛、原子無秩序結晶性スルファジアジン亜鉛、原子無秩序結晶性酢酸亜鉛、原子無秩序結晶性乳酸亜鉛、原子無秩序結晶性クエン酸亜鉛、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸亜鉛(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸亜鉛ナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸亜鉛カリウム))、原子無秩序結晶性銅含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性銅、原子無秩序結晶性銅合金、原子無秩序結晶性酸化銅、原子無秩序結晶性水酸化銅、原子無秩序結晶性炭化銅、原子無秩序結晶性窒化銅、原子無秩序結晶性ホウ化銅、原子無秩序結晶性硫化銅、原子無秩序結晶性ミリスチン酸銅、原子無秩序結晶性ステアリン酸銅、原子無秩序結晶性オレイン酸銅、原子無秩序結晶性銅グルトネート、原子無秩序結晶性銅グルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸銅、原子無秩序結晶性ケイ酸銅、原子無秩序結晶性リン化銅、原子無秩序結晶性ハロゲン化銅、原子無秩序結晶性水素化銅、原子無秩序結晶性硝酸銅、原子無秩序結晶性炭酸銅、原子無秩序結晶性硫化銅、原子無秩序結晶性スルファジアジン銅、原子無秩序結晶性酢酸銅、原子無秩序結晶性乳酸銅、原子無秩序結晶性クエン酸銅、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸銅(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸銅ナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸銅カリウム))、原子無秩序結晶性錫含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性錫、原子無秩序結晶性錫合金、原子無秩序結晶性酸化錫、原子無秩序結晶性水酸化錫、原子無秩序結晶性炭化錫、原子無秩序結晶性窒化錫、原子無秩序結晶性ホウ化錫、原子無秩序結晶性硫化錫、原子無秩序結晶性ミリスチン酸錫、原子無秩序結晶性ステアリン酸錫、原子無秩序結晶性オレイン酸錫、原子無秩序結晶性錫グルトネート、原子無秩序結晶性錫グルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸錫、原子無秩序結晶性ケイ酸錫、原子無秩序結晶性リン化錫、原子無秩序結晶性ハロゲン化錫、原子無秩序結晶性水素化錫、原子無秩序結晶性硝酸錫、原子無秩序結晶性炭酸錫、原子無秩序結晶性硫化錫、原子無秩序結晶性スルファジアジン錫、原子無秩序結晶性酢酸錫、原子無秩序結晶性乳酸錫、原子無秩序結晶性クエン酸錫、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸錫(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸錫ナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸錫カリウム))、原子無秩序結晶性アンチモン含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性アンチモン、原子無秩序結晶性アンチモン合金、原子無秩序結晶性酸化アンチモン、原子無秩序結晶性水酸化アンチモン、原子無秩序結晶性炭化アンチモン、原子無秩序結晶性窒化アンチモン、原子無秩序結晶性ホウ化アンチモン、原子無秩序結晶性硫化アンチモン、原子無秩序結晶性ミリスチン酸アンチモン、原子無秩序結晶性ステアリン酸アンチモン、原子無秩序結晶性オレイン酸アンチモン、原子無秩序結晶性アンチモングルトネート、原子無秩序結晶性アンチモングルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸アンチモン、原子無秩序結晶性ケイ酸アンチモン、原子無秩序結晶性リン化アンチモン、原子無秩序結晶性ハロゲン化アンチモン、原子無秩序結晶性水素化アンチモン、原子無秩序結晶性硝酸アンチモン、原子無秩序結晶性炭酸アンチモン、原子無秩序結晶性硫化アンチモン、原子無秩序結晶性スルファジアジンアンチモン、原子無秩序結晶性酢酸アンチモン、原子無秩序結晶性乳酸アンチモン、原子無秩序結晶性クエン酸アンチモン、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸アンチモン(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸アンチモンナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸アンチモンカリウム))、
原子無秩序結晶性ビスマス含有物質(たとえば、原子無秩序結晶性ビスマス、原子無秩序結晶性ビスマス合金、原子無秩序結晶性酸化ビスマス、原子無秩序結晶性水酸化ビスマス、原子無秩序結晶性炭化ビスマス、原子無秩序結晶性窒化ビスマス、原子無秩序結晶性ホウ化ビスマス、原子無秩序結晶性硫化ビスマス、原子無秩序結晶性ミリスチン酸ビスマス、原子無秩序結晶性ステアリン酸ビスマス、原子無秩序結晶性オレイン酸ビスマス、原子無秩序結晶性ビスマスグルトネート、原子無秩序結晶性ビスマスグルトネート、原子無秩序結晶性アジピン酸ビスマス、原子無秩序結晶性ケイ酸ビスマス、原子無秩序結晶性リン化ビスマス、原子無秩序結晶性ハロゲン化ビスマス、原子無秩序結晶性水素化ビスマス、原子無秩序結晶性硝酸ビスマス、原子無秩序結晶性炭酸ビスマス、原子無秩序結晶性硫化ビスマス、原子無秩序結晶性スルファジアジンビスマス、原子無秩序結晶性酢酸ビスマス、原子無秩序結晶性乳酸ビスマス、原子無秩序結晶性クエン酸ビスマス、原子無秩序結晶性アルカリチオ硫酸ビスマス(たとえば、原子無秩序結晶性チオ硫酸ビスマスナトリウム、原子無秩序結晶性チオ硫酸ビスマスカリウム))を含む。
【0079】
(物質の形状および物質の適用法)
全般的に金属含有物質は、任意の所望の形状または製剤であることが可能である。たとえば、物質は基質上の被覆(たとえば、包帯剤、被覆された医療用インプラントの形状)か、フリースタンディングパウダー、ローション、または製薬上許容される担体中に配置されることが可能である。
【0080】
いくつかの態様においては、金属含有物質は保存剤として作用することが可能である。かかる態様においては、金属含有物質の形状または製剤は、付加的な保存剤なしに(することなく)調製されることが可能である。さらに、金属含有物質が保存剤として作用する態様においては、金属含有物質は他の治療薬を含有する治療製剤中に含有されてよい(たとえば、金属含有物質は本来、保存剤として作用するためのある治療用組成物中に含有されてよい)。
【0081】
さらに、金属含有物質は、全般的に、適用時の物質の形状および/または治療されるべき症状の領域に依存して、任意の種々の方法で患者に適用されることが可能である。一般に、使用される物質の量は、所望の治療効果(たとえば、治療される症状の低減)が達成されるとともに、許容されるレベルの毒性(たとえば、毒性がほとんどもしくは全くない)を患者にもたらすように選択される。一般に、使用される物質の量は、治療される症状、症状の進行段階、宿主の年齢およびタイプ、および適用される物質の種類、濃度、および形状によって変化するであろう。任意の所与の症例における適量は、当業者には容易に明らかであるか、あるいは型通りの実験作業により測定可能であろう。いくつかの態様においては、単回の物質の適用が充分であってよい。ある態様においては、物質は数日、数週間、または数年にわたって1日数回というように、ある期間にわたって反復して適用されてもよい。
【0082】
(基質被覆)
市販の金属含有物質の実例は、アクティコート(Acticoat(登録商標))ファミリーの包帯剤(スミス&ネフュー(Smith & Nephew)、ハル(Hull)、英国)を含み、それらは一以上の基質上に被覆された抗菌、抗炎症性、原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質から形成される。かかる包帯剤は、Acticoat(登録商標)包帯剤、Acticoat7(登録商標)包帯剤、Acticoat(登録商標)モイスチャー被覆包帯剤、およびActicoat(登録商標)アブソーベント包帯剤を含む。
【0083】
金属含有物質の被覆(たとえば、抗菌性、原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質)は、所望の技術を用いて基質上に形成されることが可能である。ある態様においては、被覆は、化学蒸着、物理蒸着、および/または液相析出を用いて、基質表面に物質を沈着させることにより形成されることが可能である。代表的な沈着法は、真空蒸着、アーク蒸着、スパッタ蒸着、マグネトロンスパッタ蒸着、およびイオンプレーティングを含む。
【0084】
いくつかの態様においては、被覆は物理蒸着を用いて調製される。図1は、真空チャンバー110、エネルギー源120(たとえば、電子ビーム源、イオンソース、レーザービーム、マグネトロンソース)、ターゲット130、および基質140を含む、蒸着システム100を示す。操作を通じて、エネルギー源120はエネルギービーム122をターゲット130へ向け、物質132がターゲット130から除去され(たとえば、蒸発により)、基質140の表面142へ向けられるようにする。除去された物質132の少なくとも一部は、表面142上に沈着される。
【0085】
一般に、システムパラメータ(たとえば、表面142の温度、チャンバー110の圧力、表面142に対する除去物質132の入射角、ターゲット130と表面142との間の距離)の値は、所望のように選択されることが可能である。表面142の温度は、沈着工程の間比較的低くされることが可能である。たとえば、沈着工程の間、ターゲット130を形成する物質の融点に対する基質140の温度の比(ケルビン(Kelvin)を用いて測定されるような)は、約0.5以下(たとえば、約0.4以下、約0.35以下、約0.3以下)であることが可能である。
【0086】
チャンバー110の圧力は、比較的高いことが可能である。たとえば、真空蒸着、電子ビーム沈着、電子ビーム蒸着、アーク蒸着(には)、圧力は約0.01ミリトール以上であることが可能である。ガススキャッタリングエバポレーション(gas scattering evaporation)(プレッシャープレーティング)または反応アーク蒸着には、チャンバー内110内の圧力は約20ミリトール以上であることが可能である。スパッタ蒸着には、チャンバー110内の圧力は、約75ミリトール以上であることが可能である。マグネトロンスパッタ蒸着には、チャンバー110内の圧力は、約10ミリトール以上であることが可能である。イオンプレーティングには、チャンバー110内の圧力は、約200ミリトール以上であることが可能である。
【0087】
表面142に対する除去物質132の入射角(θ)は、比較的低いことが可能である。たとえば、表面142に対する除去物質132の入射角(θ)は、約75°以下(たとえば、約60°以下、約45°以下、約30°以下)。
【0088】
ターゲット130と表面142との間の距離は、他のシステムパラメータの値に基づき選択されることが可能である。たとえば、ターゲット130と表面142との間の距離は、約250ミリメートル以下(たとえば、約150ミリメートル以下、約125ミリメートル以下、約100ミリメートル以下、約90ミリメートル以下、約80ミリメートル以下、約70ミリメートル以下、約60ミリメートル以下、約50ミリメートル以下、約40ミリメートル以下)であることが可能である。
【0089】
前文に言及されたように、金属含有物質は、アルコールまたは水を主成分とする電解質と接触されたとき、アルコールまたは水を主成分とする電解質中に放出されることが可能である(たとえば、イオン、原子、分子、および/またはクラスターとして)と信じられている。被覆から持続可能なベース上に金属を放出する能力(たとえば、イオン、原子、分子、および/またはクラスターとして)は、一般に、組成物、構造、溶解度、および厚さといった被覆の特徴および、その中で装置が使用される環境の特質を含めた多くの因子に依存する。原子の無秩序レベルが増すにつれ、単位時間あたりに放出される金属種の量は増すことが信じられている。たとえば、マグネトロンスパッタリングにより、約0.5以下のターゲット融点対基質温度比および約0.93パスカル(約7ミリトール)の作業ガス圧において沈着される銀金属フィルムは、約4パスカル(約30ミリトール)における以外は同様の条件下に、10日にわたって放出することができる銀イオンの約1/3を放出する。中間構造(たとえば、低い圧力、低い入射角など)により形成された被覆は、生物検定により測定されるこのような値の中間の、金属(たとえば、銀)放出値を有することが観察されている。一般に、比較的遅い金属放出を得るためには、被覆は比較的低い原子無秩序度をもつべきであり、比較的速い金属放出を得るためには、被覆は比較的高い原子無秩序度をもつべきである。
【0090】
連続的で均一の被覆に関しては、全溶解の時間は一般に、被覆の厚さおよび被覆が暴露される環境の性質の関数である。金属の放出は、被覆の厚さが増すに連れ、ほぼ直線的に増加すると信じられている。たとえば、被覆の厚さの2倍の増加が、結果として約2倍の長寿化を生じることが観察されている。
【0091】
ある態様においては、調整された構造をもつ薄膜被覆を形成することにより、原子無秩序度を、またそれにより被覆からの金属放出を操作することが可能である。たとえば、沈着時間の約50%にわたって作業ガス圧が比較的低く(たとえば、約2パスカルまたは約15ミリトール)、残りの時間は比較的高く(たとえば、約4パスカルまたは約30ミリトール)するようにしたマグネトロンスパッタリングによって沈着された被覆は、結果として比較的速い最初の金属放出(たとえば、イオン、クラスター、原子、分子)と、それに続く長い期間の遅い放出を生じることが可能である。このタイプの被覆は、最初の迅速な放出が急速な抗菌性濃度の達成に有利であってそれに続く少ない放出が金属(たとえば、イオン、クラスター、原子、分子)の濃度を数週間にわたって維持する尿路カテーテルのような装置に対し、特に有効であることが可能である。
【0092】
一以上の異種物質を被覆内に導入することにより、被覆の原子秩序度が操作され得ることがさらに信じられている。たとえば、一以上のガスが、沈着工程を通じてチャンバー110内に存在することが可能である。かかるガスの実例は、酸素含有ガス(たとえば、酸素、空気、水)、窒素含有ガス(たとえば窒素)、水素含有ガス(たとえば、水、水素)、ホウ素含有ガス(たとえば、ホウ素)、硫黄含有ガス(たとえば、硫黄)、炭素含有ガス(たとえば、一酸化炭素、二酸化炭素)、ケイ素含有ガス、リン含有ガス、およびハロゲン含有ガス(たとえば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を含む。付加的なガスが同時沈着されるか、または物質132と反応性に沈着されることが可能である。このことは結果として、金属含有物質の酸化物、水酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、硫化物、水素化物、硝酸塩、炭酸塩、アルカリチオ硫酸塩(たとえば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム)、スルファジアジン、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ミリスチン酸塩、ソルビン酸炎、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、グルトネート、アジピン酸塩、リン化物、ケイ酸塩、および/またはハロゲン化物(たとえば、金属含有物質の酸化物、金属含有物質の酸化物、金属含有物質の窒化物、金属含有物質の炭化物、金属含有物質のホウ化物、金属含有物質の硫化物、金属含有物質の水素化物、金属含有物質のハロゲン化物、金属含有物質の硝酸塩、金属含有物質の炭酸塩、金属含有物質の硫化物、金属含有物質のスルファジアジン、金属含有物質のスルファジアジン、金属含有物質の酢酸塩、金属含有物質の乳酸塩、金属含有物質のクエン酸塩、金属含有物質のリン化物、金属含有物質のケイ酸塩、金属含有物質のミリスチン酸塩、金属含有物質のソルビン酸塩、金属含有物質のステアリン酸塩、金属含有物質のオレイン酸塩、金属含有物質のグルトネート、金属含有物質のアジピン酸塩、金属含有物質のアルカリ金属チオ硫酸塩(たとえば、金属チオ硫酸ナトリウム、金属チオ硫酸カリウム)の沈着を生じることが可能である。理論に束縛されることを束縛されることなく、付加的なガスの原子および/または分子が物質中に吸収またはトラップされ、結果として原子の無秩序さを増大してよいと信じられている。付加的なガスは、沈着の間連続的に供給されてよく、あるいは(たとえば、逐次的な沈着用に)パルスされてもよい。態様においては、形成される物質は、物質132に対する付加的なガスの割合が約0.2以上である物質から構成されることが可能である。被覆内の異種の原子または分子の存在は、被覆内の異種の成分の原子半径の差異により、被覆の原子無秩序度を増大することが可能である。
【0093】
被覆内の異種の原子または分子の存在は、一以上の付加的な金属元素(たとえば、一以上の抗菌性金属元素)を同時沈着するか、または逐次的に沈着することによっても達成去れることが可能である。かかる付加的な金属元素は、たとえば、Au、Pt、Ta、Ti、Nb、Zn、V、Hf、Mo、Si、Al、および他の遷移金属元素を含む。被覆内の異種の金属元素の存在(一以上の主要な金属元素および一以上の付加的な金属元素)が、原子拡散を低減し、被覆の原子無秩序構造を安定化することができると信じられている。異種の金属元素を含有している被覆は、たとえば、多数のターゲットのある薄膜沈着装置を用いて形成されることが可能である。いくつかの態様においては、逐次的に沈着される金属元素の層は不連続である(たとえば、主要な金属の中の島)。ある態様においては、主要な金属に対する付加的な金属の割合は、約0.2より大きい。
【0094】
図1は沈着システムの一つの態様を示してはいるが、他の態様が可能である。たとえば、沈着システムは、操作の間に基質がローラーに沿って移動するよう設計されることが可能である。加えて、または変法として、沈着システムは多数のエネルギー源、多数のターゲット、および/または多数の基質を含んでもよい。多数のエネルギー源、ターゲット、および/または基質は、たとえば、一列に配置されるか、交互に配置されるか、またはアレイにされることが可能である。
【0095】
ある態様においては、二層の物質が基質上に沈着され、光学干渉効果を達成する。別法として、二層は異なる物質で形成されることが可能であり、二層の外側(上)は抗菌性の原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質で形成され、二層の内側は適度の反射性をもち、二層が干渉効果を提供することが可能である(たとえば、二層の外側(上)の厚さをモニターするため)。
【0096】
基質は所望のように選択されることが可能である。基質は一層か、または同じか異なる物質で形成されてよい多数の層から形成されてもよい。
【0097】
ある態様においては、基質は生体吸収性物質を含有する一以上の層を含むことが可能である。生物吸収性物質は、たとえば、米国特許第5,423,859号に開示されている。一般に生物吸収性物質は、天然の生物吸収性ポリマー、生合成生物吸収性ポリマー、および合成生物吸収性ポリマーを含むことが可能である。合成生物吸収性ポリマーの実例は、ポリエステルおよびポリラクトン(たとえば、ポリグリコール酸のポリマー、グリコリドのポリマー、乳酸のポリマー、ラクチドのポリマー、ジオキサノンのポリマー、トリメチレンカーボネートのポリマー、ポリアンヒドリド、ポリエステエルアミド、ポリオルテオエステエル(polyortheoester)、ポリホスファゼン、および上記のコポリマー)を含む。天然の生物吸収性ポリマーは、タンパク質(たとえば、アルブミン、フィブリン、コラーゲン、エラスチン)、ポリサッカライド(たとえば、キトサン、アルギネート、ヒアルロン酸)を含む。生合成ポリマーの実例は、ポリエステル(たとえば、3-ヒドロキシブチレートポリマー)を含む。
【0098】
いくつかの態様においては、基質は多数の層(たとえば、2層、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、10層)を含む。層は、(たとえば、熱融着、ステッチング、および/または超音波溶接)により、一緒に積層されることが可能である。
【0099】
多層基質の一以上の層(たとえば、外側の層)は、それを通して液体を浸透または拡散させることが可能な、穿孔された(および任意に非接着性の)物質(たとえば、織布、不織布)から形成されることが可能である。かかる物質は、たとえば、綿、ガーゼ、ポリマーネット(たとえば、ポリエチレンネット、ナイロンネット、ポリプロピレンネット、ポリエステルネット、ポリウレタンネット、ポリブタジエンネット)、ポリマーメッシュ(たとえば、ポリエチレンメッシュ、ナイロンメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリウレタンメッシュ、ポリブタジエンメッシュ)、およびフォーム(たとえば、オープンセルポリウレタンフォーム)を含む。市販の物質は、デルネット(DELNET(商標))P530不織ポリエチレンベール(アプライド・エクストゥルージョン・テクノロジーズ・インク(Applied Extrusion Technologies, Inc.)、ミドルタウン(Middletown)、デラウェア州)、エクス-ドライ・コンフォーマント2(EXU-DRY CONFORMANT2(商標))不織ポリエチレンベール(フラス・サバイバル・システムズ・インク(Frass Survoval Systems, Inc.)、ニューヨーク、ニューヨーク州)、カーレル(CRELLE(商標))マテリアル(カロライナ・フォームド・ファブリックス・コープ(Carolina Formed Fabrics Corp.))、ナイロン(NYLON)90(商標)マテリアル(カロライナ・フォームド・ファブリックス・コープ)、N-ターフェイス(TERFACE(商標))マテリアル(ウィンフィールド・ラボラトリーズ・インク(Winfield Laboratories, Inc.)、リチャードソン(Richardson)、テキサス州)、ヒポール(HYPOL(商標))ハイドロフィリック・ポリウレタン・フォーム(W.R.グレース・アンド・カンパニー(Grace & Co.)、ニューヨーク、ニューヨーク州)を含む。
【0100】
多層基質の一以上の層(たとえば、内側の層)は、たとえば、レーヨン、ポリエステル、レーヨン/ポリエステルのブレンド、ポリエステル/綿、綿および/またはセルロース系繊維から形成される、吸収性物質(たとえば、織布または不織布)から形成されることが可能である。実例は、クレープ加工されたセルロースウォッディング、エアフェルト、エアレイドパルプファイバー、およびガーゼを含む。市販の物質の実例は、ソナトゥラ(SONATRA(商標))S411 70/30 レーヨン/ポリエステルのブレンド(デュポン(Dupont)・カナダ、ミシソウガ(Mississauga)、オンタリオ州)である。
【0101】
多層基質の一以上の層(たとえば、外側の層)は、粘着テープまたはポリウレタンフィルムといった、閉鎖性または半閉鎖性物質で形成されることが可能である(たとえば、装置を皮膚に固定するため、および/または水分を保持するため)。
【0102】
いくつかの態様においては、多層基質内の層は、(たとえば断続的な間隔をおかれた位置において)、超音波溶接により、一緒に積層される。典型的には、熱(たとえば、超音波的に発生された)および圧力は、超音波ホーンを通して局在性のスポットにおいて基質のいずれかの側に適用され、第一および第二の層における少なくとも一つの塑性物質の流れと、それに続く、冷却時の層の結合を生じるようにする。溶接は、局在性のスポット(たとえば円形のスポット)として形成されることが可能である。スポットは、約0.5センチメートル以下の直径を有することが可能である。
【0103】
基質の形は、一般に所望の通り変えられることが可能である。たとえば、基質は、フィルム、ファイバー、またはパウダーの形であることが可能である。
【0104】
基質/被覆製品は、様々な製品において使用されることが可能である。たとえば、製品は医療用具の形であることが可能である。代表的な医療用具は、創傷閉鎖用具(たとえば、縫合糸、ステープル、粘着剤)、組織修復用具(たとえば、ヘルニア修復用メッシュのようなメッシュ)、人工器官(たとえば、内部骨固定装置、骨再生誘導用の物理的障害、ステント、弁、電極)、組織工学装置(たとえば、血管、皮膚、骨、軟骨、肝臓についての使用のため)、制御された薬物送達システム(たとえば、マイクロカプセル、イオン交換樹脂)、および創傷被覆材、および/または充填剤(たとえば、アルギン酸包帯剤、キトサンパウダー)を含む。いくつかの態様においては、製品は経皮医療用具(たとえば、カテーテル、ピン、インプラント)であって、たとえば、固形物質(たとえば、金属、合金、ラテックス、ナイロン、シリコーン、ポリエステル、および/またはポリウレタン)の上に支持された、基質/被覆を含むことが可能である。いくつかの態様においては、製品はパッチ(たとえば、経皮パッチのような、皮膚に付着するための粘着層を有するパッチ)の形状である。
【0105】
沈着に続き、物質は任意にアニールされることが可能である。一般にアニールは、物質の安定性(たとえば、保存期間)を増すとともに、所望の治療作用を維持するための条件下に行なわれる。ある態様においては、物質は約200℃以下の温度(たとえば、ほぼ室温)でアニールされることが可能である。
【0106】
基質/被覆は、典型的には使用に先立ち滅菌される(たとえば、原子無秩序をアニールするべく充分な熱エネルギーを適用することなしに)。滅菌に使用されるエネルギーは、たとえば、ガンマ放射線、または電子ビーム照射であることが可能である。いくつかの態様においては、基質/被覆を滅菌するべく、酸化エチレン滅菌技術が使用される。
【0107】
(フリースタンディングパウダー)
フリースタンディングパウダーは、たとえば、低温加工または加圧により、パウダーに原子無秩序を与えるべく調製されることが可能である。ある態様においては、フリースタンディングパウダーは、上記のように物質の被覆を形成すること、および次に基質の表面から物質を除去することによって調製される。たとえば、物質は一以上のスクレーパーにより、基質の表面からかき落とされることが可能である。物質の沈着の間に基質が移動する態様においては、スクレーパーは基質が移動する時に物質を除去することが可能である。スクレーパーは、たとえば、基質上につり下げられることが可能である。かかるスクレーパーは、たとえば、荷重され、および/またはスプリングが積載されて、基質が移動する時、物質を除去するべく充分な荷重がかけられるようにする。いくつかの態様(たとえば、連続したベルトが使用される場合)においては、スクレーパーは末端のローラー上に位置されることが可能であり、該末端ローラーを回る際、逆向きのドラッギング動作により物質を除去する。
【0108】
フリースタンディングパウダーは、種々の方法で症状を治療すべく使用されることが可能である。実例として、パウダーは患者の皮膚の上に振りかけられることが可能である。もう一つの実例として、パウダーは、ドライパウダー吸入器のような吸入器を用いて吸入されることが可能である。いくつかの態様においては、ドライパウダーはエアロゾルの形状であることが可能であり、たとえば、少なくとも約10(たとえば、少なくとも約20、少なくとも約30)重量パーセント、および/または多くて約99(たとえば、多くて約90、多くて約80、多くて約70、多くて約60、多くて約50)重量パーセントのドライパウダーを含有する。
【0109】
ある態様(たとえば、フリースタンディングパウダーが吸入される場合)においては、フリースタンディングパウダーの平均粒子サイズは、組織における副作用の可能性を低減するべく、また特定の解剖学的部位(たとえば、吸入の間にフリースタンディングパウダーに接触した組織)にパウダーを付着させるべく選択される。いくつかの態様においては、比較的少量の粒子が下の気道に入るよう、平均粒子サイズ(たとえば、約10ミクロン以下)が選択される。態様においては、フリースタンディングパウダーは約10ミクロン以下(たとえば、約8ミクロン以下、約5ミクロン以下、約2ミクロン以下、約1ミクロン以下、約0.5ミクロン以下)、および/または少なくとも約0.01ミクロン(たとえば、少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約0.5ミクロン)を有することが可能である。
【0110】
(パウダー含浸物質)
金属含有物質は、パウダー含浸物質の形状であることが可能である。かかるパウダー含浸物質は、たとえば、その中にフリースタンディングパウダーがブレンドされたハイドロコロイドの形状であることが可能である。パウダー含浸物質は、たとえば、ハイドロコロイド包帯剤のような包帯剤の形状であることが可能である。
【0111】
(溶液)
金属含有物質は、溶液(たとえば、溶媒を主成分とする溶液)の形状であることが可能である。溶液は、たとえば、パウダー用の溶媒中に物質のフリースタンディングパウダーを溶解することにより、形成されることが可能である。実例として、フリースタンディングパウダーが中に入った容器(たとえば、ティーバッグタイプの容器)が、水または溶媒中に浸されることが可能である。もう一つの実例として、物質をのせている基質(たとえば、細片または包帯の形状の)が、溶媒中に浸されることが可能である。ある態様においては、金属含有物質のフリースタンディングパウダーを溶媒中に溶解することにより溶液を形成することが望ましく、その理由は、このことが溶液を形成するための比較的便利なアプローチであり得るからである。溶液はまた、一以上の金属含有物質を含有する懸濁液を指す。実例として、懸濁液は金属含有物質(たとえば、ナノ結晶性銀含有物質)を、液体(たとえば、水)中に、ある期間(たとえば、数日間)溶解して金属含有物質の粒子が液体中に(たとえば、ブラウン運動により)懸濁されるようにすることにより形成されることが可能である。いくつかの態様においては、金属含有物質の懸濁粒子は、たとえば、約10ナノメートルから約20ナノメートルまでの大きさの直径を有することが可能である。溶液はまた分散物も含む。
【0112】
ある態様においては、金属含有物質を含有している溶液は、溶液の形成後比較的早く、患者と接触される。たとえば、金属含有物質を含有している溶液は、金属含有物質を含有している溶液の形成後、約1分以内(たとえば、約30秒以内、約10秒以内)に、患者と接触されることが可能である。ある態様においては、金属含有物質を含有している溶液が患者と接触される前に、より長い時間が経過する。たとえば、少なくとも約1.5分(たとえば、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約10時間、少なくとも約1日、少なくとも約1週間)の期間が、金属含有物質を含有している溶液が形成される時間と、金属含有物質を含有している溶液が患者と接触される時間との間に経過する。
【0113】
いくつかの態様においては、溶液のpHを(たとえば、約3.5から約6.5までというように、約6.5未満に)下げることは、溶解された物質のより高い濃度、および/またはより速い溶解速度に備えることを可能にする。溶液のpHは、たとえば、溶液への酸の添加により(たとえば、COを溶液へ添加することによって炭酸を形成することにより)、低下されることが可能である。
【0114】
金属含有物質を含有する溶液は、装置の使用により、あるいは使用なしに、患者と接触されることが可能である。実例として、金属含有物質を含有する溶液は、皮膚、口、耳、または目と、リンス、入浴剤、洗浄剤、うがい剤として接触されることが可能である。もう一つの実例として、溶液は小型のニードル注射器および/またはニードルレス注射器を用いて注入されることが可能である。さらなる実例として、金属含有物質を含有する溶液は、エアロゾル(たとえば、スプレーボトルまたは吸入器といった機械的ミスト発生装置により調製されたエアロゾル)に形成されることが可能であり、エアロゾルは適当な装置(たとえば、ハンドヘルド吸入器、機械的ミスト発生装置、スプレーボトル、吸入器、酸素テント)を用いて患者と接触されることが可能である。さらなる実例として、金属含有物質を含有する溶液は、カテーテルにより第二の領域と接触されることが可能である。
【0115】
爪真菌症が治療される態様においては、方法は、まず尿素(1〜40%)または乳酸(10〜15%)で爪を水和することを含み、その後に、爪への浸透のための適当な溶媒(たとえば、DMSO)を含有してもよい金属含有物質による処理が続く。別法として、または付加的に、爪真菌症は患部へ金属含有物質を注射することにより(たとえば、ニードルレス注射器により)治療されることが可能である。
【0116】
典型的には、溶媒は比較的親水性の溶媒である。溶媒の実例は、水、DMSO、およびアルコールを含む。ある態様においては、水を主成分とする溶液は緩衝液である。ある態様においては、水を主成分とする溶液は炭酸水を含有する。態様においては、一以上の溶媒が使用されることが可能である。
【0117】
いくつかの態様においては、溶液は約0.001重量パーセント以上(たとえば約0.01重量パーセント以上、約0.02重量パーセント以上、約0.05重量パーセント以上、約0.1重量パーセント以上、約0.2重量パーセント以上、約0.5重量パーセント以上、約1重量パーセント以上)の金属含有物質、および/または約10重量パーセント以下(たとえば、約5重量パーセント以下、約4重量パーセント以下、約3重量パーセント以下、約2重量パーセント以下、約1重量パーセント以下)の金属含有物質を含有することが可能である。実例として、呼吸症状が治療されているある態様においては、溶液は少なくとも約0.001(たとえば、少なくとも約0.01、少なくとも約0.02、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1)重量パーセント、および/または、多くて約0.5(たとえば、多くて約0.4、多くて約0.3)重量パーセントの金属含有物質を含有することが可能である。
【0118】
(製薬用担体組成物)
金属含有物質は、製薬上許容される担体中に配置される(たとえば、懸濁される)ことが可能である。製剤は、たとえば、半固形、水を主成分とする親水ロコロイド、水中油型乳剤、油中水型乳剤、未乾燥ゲル、および/または乾燥ゲルであることが可能である。典型的には、製薬上許容される担体中に配置された時、金属含有物質は皮膚へ適用される。
【0119】
製薬上許容される担体の実例は、クリーム、軟膏、ゲル、スプレー、溶液、滴、パウダー、ローション、ペースト、フォーム、およびリポソームを含む。
【0120】
製剤は、約0.01重量パーセント以上(たとえば、約0.1重量パーセント以上、約0.5重量パーセント以上、約0.75重量パーセント以上、約1重量パーセント以上、約2重量パーセント以上、約5重量パーセント以上、約10重量パーセント以上、)の金属含有物質、および/または、約50重量パーセント以下(たとえば、約40重量パーセント以下、約30重量パーセント以下、約20重量パーセント以下、約20重量パーセント以下、約15重量パーセント以下、約10重量パーセント以下、約5重量パーセント以下、)の金属含有物質を含有することが可能である。
【0121】
製剤は、生物学的に活性があるかまたは不活性の一以上の成分を、任意に含有することが可能である。かかる任意の成分の実例は、基剤成分(たとえば、水および/または、流動パラフィン、植物油、ラッカセイ油、ヒマシ油、カカオバターといった油)、粘稠剤、(たとえば、ステアリン酸アルミニウム、ハイドロジェンラノリン)、ゲル化剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、粘稠剤、着色剤、香料、賦形剤(デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク)、発泡剤(たとえば、サーファクタント)、界面活性剤、保存剤(たとえば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、および細胞伝導性物質(たとえば、ベータグルカン)を含む。いくつかの態様においては、製剤はワセリンを含む。ある態様においては、製薬担体組成物は、皮膚への浸透を助けるための成分(たとえば、DMSO)を含有することが可能である。
【0122】
前文は、単一症状が治療される態様を記述してきたが、いくつかの態様においては、多発症状が治療されることが可能である。多発症状は、同じタイプの症状(たとえば、多発皮膚症状)か、または異なるタイプの症状であることが可能である。たとえば、一つの適当な金属含有物質(たとえば、抗菌性原子無秩序性銀含有物質)で被覆された一以上の基質から形成された包帯剤は、多発皮膚症状(たとえば、熱傷および乾癬)を有する皮膚領域へ適用され、金属含有物質が多発皮膚症状を治療するようにすることが可能である。
【0123】
さらに、前文は、患者を金属含有物質と接触させる一つの方法を含む態様を記述してきたが、他の態様においては、患者を金属含有物質と接触させる一以上の方法が使用されることが可能である。たとえば、方法は一以上の、摂取(たとえば、経口摂取)、注射(たとえば、ニードルを用いて、ニードルレス注射器を用いて)、局所投与、吸入(たとえば、ドライパウダーの吸入、エアロゾルの吸入)、および/または包帯剤の適用を含むことが可能である。
【0124】
さらに、前文は一つの形状の金属含有物質が使用される態様を記述してきたが、他の態様においては、一以上の形状の金属含有物質が使用されることが可能である。たとえば、方法は、被覆(たとえば、包帯剤)、フリースタンディングパウダー、溶液、および/または製薬用担体組成物の形状にある金属含有物質の使用を含むことが可能である。
【0125】
一般に、金属含有物質の形状は所望のように選択されることが可能である。典型的には、金属含有物質の形状は、少なくとも一部は、金属含有物質と接触される患者の領域に基づき選択されることが可能である。ある態様においては、金属含有物質は、スワブ、フォーム、または口腔を拭うために使用されるスポンジの形状にある場合に、口腔内で有効に使用されることが可能である。いくつかの態様においては、金属含有物質は、すすがれるかまたはうがいされる溶液の形状にある場合に、口腔内で有効に使用されることが可能である。ある態様においては、金属含有物質は、製品(たとえば、テープ、丸薬、カプセル、錠剤、坐剤、またはロゼンジ)の形状にある場合に、有効に使用されることが可能である。実例として、金属含有物質を含有している製品は、患者にたとえば製品を吸わせることによって症状を治療するべく、口腔内で使用されることが可能である(たとえば、テープ、丸薬、カプセル、錠剤、またはロゼンジ)。もう一つの実例として、金属含有物質を含有している製品は、症状(たとえば、下部胃腸症状のような胃腸症状)を治療するべく、肛門への適用に使用されることが可能である(たとえば、坐剤)。いくつかの態様においては、製品は持続放出性製品(たとえば、持続放出性カプセル)であることが可能であり、あらかじめ決められた速度(たとえば、比較的一定した速度)で金属含有物質が放出されるようにすることが可能である。いくつかの態様においては、製品は、製品が金属含有物質を比較的少なく(たとえば、全くなく)放出して胃腸系のある部位を通過できるようにさせるが、比較的多量の金属含有物質が胃腸系の所望の部位において放出されることを可能にする物質(たとえば、被覆の形状および/またはマトリックス物質の形状の)を含有することが可能である。実例として、製品は腸溶製品(たとえば、腸溶錠)であることが可能であり、それにより製品は金属含有物質をほとんど(たとえば全く)放出せずに胃を通過し、かつ腸では金属含有物質が製品により比較的容易に放出されるようにする。いくつかの態様においては、金属含有物質は、吸入されるミスト(たとえばネブライズされるミスト)の形状にある場合、鼻腔内で有効に使用されることが可能である。ある態様においては、金属含有物質は、吸入されるドライパウダー(たとえばドライパウダー吸入器による)の形状にある場合、鼻腔内で有効に使用されることが可能である。ある態様においては、金属含有物質は、基質上の被覆の形状(たとえば、包帯剤の形状)、パウダーを含浸された物質、溶液(たとえば、皮膚上へスプレーされる)、製薬用担体組成物(たとえば、局所的用される)、またはフリースタンディングパウダー(たとえば、皮膚上へ振りかけられる)形状にある場合、皮膚上で有効に使用されることが可能である。
【0126】
一般に、金属含有物質と接触されることが可能な領域のサイズは、所望のように選択されることが可能である。たとえば、金属含有物質と接触されることが可能な領域のサイズは、約1平方ミリメートル以上(たとえば、約10平方ミリメートル以上、約50平方ミリメートル以上、約1平方センチメートル以上、約10平方センチメートル以上、約25平方センチメートル以上、約50平方センチメートル以上、約100平方センチメートル以上、約250平方センチメートル以上、約375平方センチメートル以上、約500平方センチメートル以上)であることが可能である。
【0127】
態様においては、患者の症状にかかりやすい領域と、金属含有物質と接触される患者の領域との間の距離は、たとえば、少なくとも約0.1センチメートル(たとえば、少なくとも約0.5センチメートル、少なくとも約1センチメートル、少なくとも約2センチメートル、少なくとも約3センチメートル、少なくとも約4センチメートル、少なくとも約5センチメートル、少なくとも約10センチメートル、少なくとも約25センチメートル、少なくとも約50センチメートル、少なくとも約75センチメートル、少なくとも約1メートル、少なくとも約1.1メートル、少なくとも約1.2メートル、少なくとも約1.3メートル、少なくとも約1.4メートル、少なくとも約1.5メートル)、および/または10メートル以下(たとえば5メートル以下、たとえば4メートル以下、たとえば3メートル以下、たとえば2メートル以下、たとえば1メートル以下、たとえば0.5メートル以下、たとえば0.1メートル以下)であることが可能である。
【0128】
いくつかの態様においては、患者の症状にかかりやすい領域と、金属含有物質と接触される患者の領域とは、患者の同じ部位上の別々の領域である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の皮膚の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の皮膚の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の口腔の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の口腔の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域がヒトの鼻腔の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域がヒトの鼻腔の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の肺の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の一つの肺の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の骨の一つ、患者の関節の一つであり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の一つの関節の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の関節の一つ、患者の関節の一つであり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の一つの関節の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の一つの筋肉の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の一つの筋肉の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の一つの腱の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の一つの腱の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の心臓の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の心臓の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者のリンパ系の一つの領域であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者のリンパ系の別の領域であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の一つの血管の第一の領域(たとえば、静脈または動脈)であり、金属含有物質と接触される患者の領域が患者の一つの血管の領域であることが可能である。
【0129】
ある態様においては、患者の症状にかかりやすい領域と、金属含有物質と接触される患者の領域とは、患者の別々の部分である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の皮膚の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の呼吸系の一部分、患者の筋骨格系の一部分、患者の胃腸系の一部分、患者の循環系の一部分、患者の舌下領域の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の呼吸系の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の皮膚の一部分、患者の筋骨格系の一部分、患者の胃腸系の一部分、患者の循環系の一部分、患者の舌下領域の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の筋骨格系の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の皮膚の一部分、患者の呼吸系の一部分、患者の胃腸系の一部分、患者の循環系の一部分、患者の舌下領域の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の循環系の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の皮膚の一部分、患者の呼吸系の一部分、患者の筋骨格系の一部分、患者の胃腸系の一部分、患者の舌下領域の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の胃腸系の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の皮膚の一部分、患者の呼吸系の一部分、患者の筋骨格系の一部分、患者の循環系の一部分、患者の舌下領域の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の舌下領域の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の皮膚の一部分、患者の呼吸系の一部分、患者の胃腸系の一部分、患者の循環系の一部分、患者の筋骨格系の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。患者の症状にかかりやすい領域が患者の真皮下領域の一部分であり、金属含有物質と接触される患者の領域が、患者の皮膚の一部分、患者の呼吸系の一部分、患者の胃腸系の一部分、患者の循環系の一部分、患者の筋骨格系の一部分、あるいは患者の真皮下領域の一部分であることが可能である。
【0130】
いくつかの態様においては、患者の症状にかかりやすい一以上の領域が治療されることが可能である。患者の多数の治療領域は、同じタイプの身体系の別々の部分(たとえば、患者の皮膚の多数の部分、患者の呼吸系の多数の部分、患者の筋骨格系の多数の部分、患者の循環系の多数の部分、または患者の胃腸系の多数の部分)であることが可能であるか、または患者の多数の治療領域は、異なるタイプの身体系の部分(たとえば、患者の皮膚の一部分と、患者の呼吸系の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の呼吸系の一部分と、患者の皮膚の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の筋骨格系の一部分と、患者の皮膚の一以上の部分、患者の呼吸系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の循環系の一部分と、患者の皮膚の一以上の部分、患者の呼吸系の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の胃腸系の一部分と、患者の皮膚の一以上の部分、患者の呼吸系の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、および/または患者の循環系の一以上の部分)であることが可能である。
【0131】
ある態様においては、患者の一以上の症状が予防的に治療される。多数の予防的に治療される症状は、同じタイプの症状(たとえば、多数の細菌性症状、多数の微生物性症状、多数の炎症症状、多数の真菌性症状、多数のウイルス性症状、多数の癌症状)であることが可能であるか、または多数の治療される症状は、異なるタイプの症状(たとえば、一つの細菌性症状と一以上の微生物性症状、一以上の細菌性症状、一以上の炎症症状、一以上の真菌性症状、一以上のウイルス性症状、および/または一以上の癌症状;一つの微生物性症状と一以上の炎症症状、一以上の真菌性症状、一以上のウイルス性症状、および/または一以上の癌症状;一つの炎症性症状と一以上の細菌性症状、一以上の微生物性症状、一以上の真菌性症状、一以上のウイルス性症状、および/または一以上の癌症状;一つの真菌性症状と一以上の炎症性症状、一以上の微生物性症状、一以上のウイルス性症状、および/または一以上の癌症状;一つのウイルス性症状と一以上の細菌性症状、一以上の炎症症状、一以上の真菌性症状、一以上の微生物性症状、および/または一以上の癌症状;一つの癌症状と一以上の細菌性症状、一以上の炎症症状、一以上の真菌性症状、一以上のウイルス性症状、および/または一以上の微生物性症状)であることが可能である。多数の治療される症状は、身体系の同じタイプの症状(たとえば、多数の皮膚症状、多数の外皮症状、多数の呼吸症状、多数の筋骨格症状、多数の循環症状、多数の粘膜症状、多数の奬膜症状)であることが可能であるか、または多数の治療される症状は、身体系の異なるタイプの症状(一つの皮膚症状と一以上の呼吸症状、一以上の筋骨格症状、一以上の循環症状、および/または一以上の粘膜または奬膜症状;一つの呼吸症状と一以上の皮膚症状、一以上の筋骨格症状、一以上の循環症状、および/または一以上の粘膜または奬膜症状;一つの筋骨格症状と一以上の呼吸症状、一以上の皮膚症状、一以上の循環症状、および/または一以上の粘膜または奬膜症状;一つの循環症状と一以上の呼吸症状、一以上の筋骨格症状、一以上の皮膚症状、および/または一以上の粘膜または奬膜症状;一つの皮膚症状粘膜または奬膜症状と一以上の呼吸症状、一以上の筋骨格症状、一以上の循環症状、および/または一以上の皮膚症状)であることが可能である。
【0132】
いくつかの態様においては、患者の一以上の領域が、金属含有物質と接触されることが可能である。患者の多数の接触される領域は、身体系の同じタイプの異なる部分(たとえば、患者の皮膚の多数の部分、患者の呼吸系の多数の部分、患者の筋骨格系の多数の部分、患者の循環系の多数の部分、患者の胃腸系の多数の部分)であることが可能であり、あるいは患者の多数の接触される領域は、身体系の異なるタイプの異なる部分(たとえば、患者の皮膚の一部分と患者の呼吸系の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の呼吸系の一部分と患者の皮膚の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の筋骨格系の一部分と患者の皮膚の一以上の部分、患者の呼吸系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の循環系の一部分と患者の呼吸系の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、患者の循環系の一以上の部分、および/または患者の胃腸系の一以上の部分;患者の胃腸系の一部分と患者の皮膚の一以上の部分、患者の呼吸系の一以上の部分、患者の筋骨格系の一以上の部分、および/または患者の循環系の一以上の部分)であることが可能である。
【0133】
ある態様においては、一以上の金属含有物質が患者の症状を予防的に治療するべく使用されることが可能である。多数の金属含有物質は、各々少なくとも一つの共通した金属(たとえば、多数の銀含有物質、多数の金含有物質、多数の白金含有物質、多数のパラジウム含有物質、多数のイリジウム含有物質、多数の亜鉛含有物質、多数の銅含有物質、多数の錫含有物質、多数のアンチモン含有物質、および/または多数のビスマス含有物質)を含むことが可能であるか、または多数の金属含有物質は、共通した金属を何ら含まないこと(たとえば、一つの銀含有物質のみ、一つの金含有物質のみ、一つの白金含有物質のみ、一つのパラジウム含有物質のみ、一つのイリジウム含有物質のみ、一つの亜鉛含有物質のみ、一つの銅含有物質のみ、一つの錫含有物質のみ、一つのアンチモン含有物質のみ、および/または一つのビスマス含有物質のみ)が可能である。一以上の多数の金属含有物質は、抗菌物質、無秩序結晶性物質、および/またはナノ結晶性物質であることが可能である。一以上の多数の金属含有物質は、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性物質であることが可能である。
【0134】
ある態様においては、患者の一以上の領域(たとえば、多数の領域)は、患者の一以上の領域(たとえば、多数の領域)に局在する患者の一以上の症状(たとえば、多数の症状)を予防的に治療するべく、一以上の金属含有物質(たとえば、多数の金属含有物質)と接触されることが可能である。
【0135】
いくつかの態様においては、患者の症状にかかりやすい領域と、患者の金属含有物質と接触される領域とは、症状をもつ患者の別々の領域(たとえば、患者の皮膚の異なる部分、患者の呼吸系の異なる部分、患者の循環系の異なる部分、患者の胃腸系の異なる部分、患者の筋骨格系の異なる部分)であってよい。実例として、第一および第二の領域は、皮膚症状(熱傷、湿疹、アトピー性湿疹、稽留性肢端皮膚炎、接触アレルギー皮膚炎、接触刺激性皮膚炎、異汗性湿疹、汗疱、慢性単純性苔癬、貨幣状湿疹、脂漏性湿疹、うっ滞性湿疹、紅皮症、虫刺症、菌状息肉症、炭疽性膿皮症、多型アイトレマ(Eythrema multiforme)、酒さ、爪真菌症、ニキビ、尋常性座瘡、新生児座瘡、幼児座瘡、ポマードアクネ、乾癬、ライター症候群、毛孔性紅色ひこう疹、色素沈着過度、白班、瘢痕性症状、および角化障害の過剰増殖変異型)を有する患者の皮膚の異なる部分(たとえば、患者の腕の皮膚の異なる部分、患者の足の皮膚の異なる部分、患者の胴の皮膚の異なる部分、患者の首の皮膚の異なる部分、患者の頭の皮膚の異なる部分)であることが可能である。
【0136】
前文に説明されたように、金属含有物質は患者に送達される際、任意の種々の形状(たとえば、フリースタンディングパウダー、溶液、クリーム、軟膏、ゲル、スプレー、溶液、滴、パウダー、ローション、ペースト、フォーム、リポソーム、基質上の被覆)であることが可能であり、金属含有物質は、たとえば摂取(たとえば、経口摂取)、注射(たとえば、ニードルを用いた、ニードルレス注射器を用いた)、局所投与、吸入(たとえば、ドライパウダーの吸入、エアロゾルの吸入)、または包帯剤の適用を含めた種々の方法で、患者に送達されることが可能である。また前文に説明されたように、種々の患者、症状、症状の領域、金属含有物質、金属含有物質の形状、金属含有物質の適用領域、および金属含有物質の送達法が用いられることが可能である。
【0137】
さらに、金属含有物質は様々な産業適用において使用されることが可能である。たとえば、金属含有物質は、産業用表面(たとえば、暖かい、および/または湿った表面のような、微生物の増殖がおこり得る産業用表面)における微生物の増殖を低減および/または防止するべく使用されることが可能である。産業用表面の実例は、加熱パイプおよび炉フィルタを含む。ある態様においては、金属含有物質は微生物の増殖を低減および/または防止するべく、興味の表面上に配置される(たとえば、被覆されるかまたはスプレーされる)ことが可能である。このことは、たとえば、ビル内の暖房および/または空気循環システムによる微生物の広がりを防止することにおいて有利であることが可能である。
【0138】
さらに、患者の一つの領域が、患者の同じかまたは異なる領域を金属含有物質と接触させることにより、予防的に治療される方法が記述されてきたが、いくつかの態様においては、患者以外の物体を金属含有物質と接触させることにより(たとえば、蒸着被覆のように、洗浄することにより、すすぐことにより、被覆することにより)、患者は予防的に治療される。一般に、物体は、患者と接触されるか、または物質(たとえば、薬物のような治療薬)を患者へ送達するべく用いられる任意の物体であることが可能である。いくつかの態様においては、物体は医療用具、機械的ミスト発生装置、スプレーボトル、酸素テント、ドライパウダー吸入器、ニードル、ニードルレス注射器、包帯剤、滴びん、溶液用容器(たとえば、うがいまたは洗浄用)であることが可能である。かかる物体の実例は、前文に言及されている。物体のさらなる実例は、医療用具(たとえば、腹腔鏡装置のような最小侵襲性医療用具)、呼吸装置、およびカテーテルを含む。医療用具の実例は、メス、レトラクター、鉗子、結腸鏡、内視鏡、トロカール、グラバー、プッシャー、およびカッターを含む。呼吸装置は、患者の挿管、および/または、嚢胞性線維症のようなある症状を治療するための装置を含む。かかる装置の実例は、気管内チューブ、CPAPチューブ、Yチューブ、誘導チューブ、誘導口、コネクター、吸入器、酸素補給装置、ノーズピース、マウスピース)を含む。カテーテルの実例は、尿道カテーテル、留置カテーテル、およびフォーリーカテーテルを含む。
【0139】
以下の実施例は例証となるものであって、制限することを意図したものではない。
【実施例】
【0140】
(実施例1)
外耳炎の見られない成人男性患者は、以下のように外耳炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するフォーム状の耳栓が調製される。患者は水泳の間、彼の耳内にフォームを挿入する。
【0141】
(実施例2)
外耳炎の見られない成人男性患者は、以下のように外耳炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するフォーム状の耳栓が調製される。患者は水泳の後、彼の耳内にフォームを挿入する。
【0142】
(実施例3)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するスワブが調製される。スワブは患者の口腔内に挿入され、口腔が拭われる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0143】
(実施例4)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するロゼンジが調製される。ロゼンジは患者の口腔内に挿入され、15分間にわたりなめられる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0144】
(実施例5)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するスポンジが調製される。スポンジは患者の口腔内に挿入され、口腔が拭われる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0145】
(実施例6)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するフォーム製品が調製される。フォーム製品は患者の口腔内に挿入され、口腔が拭われる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0146】
(実施例7)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するテープが調製される。テープは患者の口腔内に挿入され、口腔内に15分間保持される。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0147】
(実施例8)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。患者は溶液ですすぐ。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0148】
(実施例9)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。患者は溶液でうがいする。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0149】
(実施例10)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。溶液はミストに形成され、患者は口腔からミストを吸入する。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0150】
(実施例11)
院内肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように院内肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。溶液はミストに形成され、患者は鼻腔からミストを吸入する。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0151】
(実施例12)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するスワブが調製される。スワブは患者の口腔内に挿入され、口腔が拭われる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0152】
(実施例13)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するロゼンジが調製される。ロゼンジを患者の口腔内に挿入し、15分間なめさせる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0153】
(実施例14)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するスポンジが調製される。スポンジは患者の口腔内に挿入され、口腔内が拭われる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0154】
(実施例15)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するフォームが調製される。フォームは患者の口腔内に挿入され、口腔内が拭われる。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0155】
(実施例16)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有するテープが調製される。テープは患者の口腔内に挿入され、15分間保持される。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0156】
(実施例17)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。患者は彼の口腔内を溶液ですすぐ。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0157】
(実施例18)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。患者は溶液でうがいする。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0158】
(実施例19)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。溶液はミストに形成され、患者は彼の口腔からミストを吸入する。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0159】
(実施例20)
換気装置関連肺炎の見られない成人男性患者は、入院中、以下のように換気装置関連肺炎を予防的に治療される。抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液が調製される。溶液はミストに形成され、患者は彼の鼻腔からミストを吸入する。この方法は、入院中の期間を通じて1日3回繰り返される。
【0160】
(実施例21)
成人男性患者は、癌性腫瘍を除去するべく手術される。腫瘍除去の後、患者の疾患領域は、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液でスプレーされる。
【0161】
(実施例22)
成人男性患者は、癌性皮膚損傷を除去するべく手術される。損傷除去の後、患者の疾患領域は、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液でスプレーされる。
【0162】
(実施例23)
成人男性患者は、癌性腫瘍を除去するべく手術される。腫瘍除去の後、患者の疾患領域は、プロアポトーシス原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液でスプレーされる。
【0163】
(実施例24)
成人男性患者は、癌性皮膚損傷を除去するべく手術される。損傷除去の後、患者の疾患領域は、プロアポトーシス原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を含有する溶液でスプレーされる。
【0164】
(実施例25)
成人男性患者は、再狭窄を防止するべく、動脈内にステント移植される。移植に先立ち、ステントは、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質で被覆され、さもなければステントの移植の結果として生じ得る微生物性症状を予防的に治療する。
【0165】
(実施例26)
成人男性患者は、ドライパウダー吸入器を用いた、ドライパウダーの形状の薬物の吸入により治療される症状を有する。患者は、吸入器が患者に使用されるに先立ち、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を用いたドライパウダー吸入器との接触により、換気装置関連肺炎に関し予防的に治療される。
【0166】
(実施例27)
成人男性患者は、機械的ミスト発生装置を用いた、エアロゾルの形状の薬物の吸入により治療される症状を有する。患者は、機械的ミスト発生装置が患者に使用されるに先立ち、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を用いた機械的ミスト発生装置との接触により、換気装置関連肺炎に関し予防的に治療される。
【0167】
(実施例28)
成人男性患者は、ニードルレス注射器を用いた、ドライパウダーの形状の薬物の吸入により治療される症状を有する。患者は、吸入器が患者に使用されるに先立ち、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を用いたニードルレス注射器との接触により、換気装置関連肺炎に関し予防的に治療される。
【0168】
(実施例29)
成人男性患者は、呼吸症状を治療するべく挿管される。挿管されるに先立ち、呼吸装置は、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を用いてすすがれる。
【0169】
(実施例30)
成人男性患者は、呼吸症状を治療するべく挿管される。挿管されるに先立ち、呼吸装置は、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を用いて洗浄される。
【0170】
(実施例31)
成人男性患者は、呼吸症状を治療するべく挿管される。挿管されるに先立ち、呼吸装置は、抗菌性原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質を用いて被覆される。
【0171】
他の態様は特許請求の範囲中にある。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】図1は、デポジションシステムの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
症状を予防的に治療する方法であって、
患者の第一の領域を金属含有物質と接触させて、患者の第二の領域における症状の発生を低減することを含んでおり、
患者の前記第一の領域が前記第二の領域とは異なっている方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、さらに、
患者の前記第二の領域における症状発生の可能性を認識すること、およびその後、
患者の前記第二の領域における症状発生の可能性を認識し、前記金属含有物質との接触のための前記第一の領域を選択して前記第二の領域における症状発生を低減することを含む方法。
【請求項3】
前記第一の領域を前記金属含有物質と接触させる際、前記第二の領域には実質的に症状がない、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第一の領域を前記金属含有物質と接触させる際、前記第二の領域が症状を有する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記金属含有物質が、金属および合金からなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項6】
前記金属含有物質が、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属リン化物、金属ケイ酸塩、金属硝酸塩、金属炭酸塩、金属硫化物、金属スルファジアジン、金属酢酸塩、乳酸金属塩、金属クエン酸塩、金属ミリスチン酸塩、金属ソルビン酸塩、ステアリン酸金属塩、オレイン酸金属塩、金属グルトネート、アジピン酸金属塩、アルカリ金属チオ硫酸塩、金属水素化物、及びそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項7】
前記金属含有物質が、銀、金、白金、パラジウム、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項8】
前記金属含有物質が銀を含む、請求項1の方法。
【請求項9】
前記金属含有物質がイオン性物質を含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記金属含有物質が、原子、分子、またはクラスターを含む、請求項1の方法。
【請求項11】
前記金属含有物質が、原子無秩序結晶性金属含有物質を含む、請求項1の方法。
【請求項12】
前記金属含有物質が、ナノ結晶性金属含有物質を含む、請求項11の方法。
【請求項13】
前記金属含有物質が、抗菌性金属含有物質、抗バイオフィルム性金属含有物質、抗細菌性金属含有物質、抗炎症性金属含有物質、抗真菌性金属含有物質、抗ウイルス性金属含有物質、抗自己免疫性金属含有物質、抗癌性金属含有物質、プロアポトーシス性金属含有物質、抗増殖性金属含有物質、MMP調整性金属含有物質、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項12の方法。
【請求項14】
前記金属含有物質が、抗菌性金属含有物質、抗バイオフィルム性金属含有物質、抗細菌性金属含有物質、抗炎症性金属含有物質、抗真菌性金属含有物質、抗ウイルス性金属含有物質、抗自己免疫性金属含有物質、抗癌性金属含有物質、プロアポトーシス性金属含有物質、抗増殖性金属含有物質、MMP調整性金属含有物質、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項11の方法。
【請求項15】
前記金属含有物質が、ナノ結晶性金属含有物質を含む、請求項1の方法。
【請求項16】
前記金属含有物質が、抗菌性金属含有物質、抗バイオフィルム性金属含有物質、抗細菌性金属含有物質、抗炎症性金属含有物質、抗真菌性金属含有物質、抗ウイルス性金属含有物質、抗自己免疫性金属含有物質、抗癌性金属含有物質、プロアポトーシス性金属含有物質、抗増殖性金属含有物質、MMP調整性金属含有物質、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項15の方法。
【請求項17】
前記金属含有物質が、抗菌性金属含有物質、抗バイオフィルム性金属含有物質、抗細菌性金属含有物質、抗炎症性金属含有物質、抗真菌性金属含有物質、抗ウイルス性金属含有物質、抗自己免疫性金属含有物質、抗癌性金属含有物質、プロアポトーシス性金属含有物質、抗増殖性金属含有物質、MMP調整性金属含有物質、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項18】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、過剰増殖性の症状、突発性症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項19】
前記症状が、皮膚症状、外皮症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項20】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項19の方法。
【請求項21】
前記症状が、熱傷、湿疹、紅皮症、虫刺症、菌状息肉症、炭疽性膿皮症、多形紅斑、酒さ、爪真菌症、ニキビ、乾癬、ライター症候群、毛孔性紅色ひこう疹、色素沈着過度、白班、瘢痕性症状、ケロイド、扁平苔癬、年齢関連皮膚障害、角化障害の過剰増殖変異型、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項19の方法。
【請求項22】
前記症状が呼吸症状を含む、請求項1の方法。
【請求項23】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項22の方法。
【請求項24】
前記呼吸症状が、喘息、気腫、気管支炎、肺水腫、急性呼吸促進症候群、気管支肺異形成、肺線維症、無気肺、結核、肺炎、副鼻腔炎、アレルギー鼻炎、咽頭炎、粘膜炎、口内炎、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、狼瘡肺臓炎、嚢胞性線維症、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項22の方法。
【請求項25】
前記症状が筋骨格状を含む、請求項1の方法。
【請求項26】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項25の方法。
【請求項27】
前記筋骨格症状が、腱炎、骨髄炎、線維筋痛症、滑液包炎、関節炎、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項25の方法。
【請求項28】
前記症状が循環症状を含む、請求項1の方法。
【請求項29】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項28の方法。
【請求項30】
前記循環症状が、動脈硬化症、リンパ腫、敗血症、白血病、虚血性血管障害、リンパ管炎、およびアテローム硬化症、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項28の方法。
【請求項31】
前記症状が癌を含む、請求項1の方法。
【請求項32】
前記症状が、腫瘍および血液学的悪性疾患、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項31の方法。
【請求項33】
前記症状が、粘膜症状、奬膜症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項34】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、突発性症状、過剰増殖性の症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項33の方法。
【請求項35】
前記症状が、心膜炎、ボーエン病、口内炎、前立腺炎、副鼻腔炎、アレルギー鼻炎、消化障害、消化性潰瘍、食道潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、中毒性表皮壊死症候群、スティーブンズ・ジョンソン症候群、嚢胞性繊維症、気管支炎、肺炎、咽頭炎、感冒、耳感染症、咽喉痛、性感染症、炎症性腸疾患、大腸炎、痔、カンジダ症、歯科症状、口腔症状、結膜炎、歯周症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項33の方法。
【請求項36】
患者の前記第一の領域が、過形成組織、腫瘍組織、癌病変、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項37】
患者の前記第二の領域が、過形成組織、腫瘍組織、癌病変、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項38】
前記方法が、患者の前記第二の領域においてアポトーシスを予防的に誘導する、請求項1の方法。
【請求項39】
前記方法が、患者の前記第二の領域においてマトリックス・メタロプロテアーゼを予防的に誘導する、請求項1の方法。
【請求項40】
患者との接触時に、前記金属含有物質が溶液中にある、請求項1の方法。
【請求項41】
前記溶液が注入される、請求項40の方法。
【請求項42】
前記溶液がニードルレス注射器により注入される、請求項41の方法。
【請求項43】
前記溶液がニードルにより注入される、請求項41の方法。
【請求項44】
前記溶液が、少なくとも約0.001重量パーセントの金属含有物質を含有する、請求項40の方法。
【請求項45】
前記溶液が、少なくとも約10重量パーセント以下の金属含有物質を含有する、請求項44の方法。
【請求項46】
前記溶液がさらに溶媒を含む、請求項40の方法。
【請求項47】
請求項40の方法であって、さらに、
前記溶液をエアロゾルの形状にすること、および、
前記エアロゾルを吸入することを含む方法。
【請求項48】
患者との接触時に、前記金属含有物質が製薬上許容される担体中に処置される、請求項1の方法。
【請求項49】
前記組成物が、少なくとも約0.01重量パーセントの金属含有物質を含有する、請求項48の方法。
【請求項50】
前記組成物が、約50重量パーセント以下の金属含有物質を含有する、請求項49の方法。
【請求項51】
前記製薬上許容される担体が、クリーム、軟膏、ゲル、スプレー、溶液、滴、パウダー、ローション、ペースト、フォーム、リポソーム、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項48の方法。
【請求項52】
前記金属含有物質が、患者との接触時に、フリースタンディングパウダーの形状である、請求項1の方法。
【請求項53】
前記フリースタンディングパウダーが吸入される、請求項52の方法。
【請求項54】
前記フリースタンディングパウダーが注入される、請求項52の方法。
【請求項55】
前記第一の領域が粘膜であり、前記第二の領域が患者の肺である、請求項1の方法。
【請求項56】
前記粘膜が、患者の口腔および患者の鼻腔からなる群より選ばれる、請求項55の方法。
【請求項57】
前記症状が、院内肺炎または換気装置関連肺炎である、請求項55の方法。
【請求項58】
前記金属含有物質が、患者との接触時に、溶液の形状である、請求項55の方法。
【請求項59】
前記金属含有物質が、患者との接触時に、スワブ、スポンジ、フォーム、リポソーム、テープ、丸薬、カプセル、錠剤、坐剤、またはロゼンジの形状である、請求項55の方法。
【請求項60】
前記金属含有物質と最初に接触される際、前記第一の領域は実質的に症状がない、請求項1の方法。
【請求項61】
前記金属含有物質と最初に接触される際、前記第一の領域が症状を有する、請求項1の方法。
【請求項62】
前記金属含有物質が、症状に関して約0.95以下の予防率を有する、請求項1の方法。
【請求項63】
患者の前記第一の領域との接触時に、前記金属含有物質が包帯剤の形状にない、
請求項1の方法。
【請求項64】
患者の前記第一の領域が患者の皮膚ではない、請求項1の方法。
【請求項65】
前記症状が細菌性の症状ではない、請求項1の方法。
【請求項66】
前記金属含有物質が、硝酸銀、水酸化銀、スルファジアジン銀、コロイド銀、炭酸銀、酸化銀、酢酸銀、乳酸銀、クエン酸銀、コハク酸銀、塩素酸銀、ソルビン酸銀、ミリスチン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、グルトン酸銀(silver glutonate)、アジピン酸銀、アルカリ銀チオ硫酸塩、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1の方法。
【請求項67】
予防的に肺炎を治療する方法であって、
患者の一つの領域を、原子無秩序ナノ結晶性銀含有物質と接触させ、患者における肺炎の発生を低減することを含んでおり、
患者の前記領域が、口腔および鼻腔からなる群より選ばれる方法。
【請求項68】
前記症状が院内肺炎または換気装置関連肺炎である、請求項67の方法。
【請求項69】
前記金属含有物質が、患者との接触時に溶液の形状にある、請求項67の方法。
【請求項70】
前記金属含有物質が、患者との接触時に、スワブ、スポンジ、フォーム、リポソーム、テープ、丸薬、カプセル、錠剤、坐剤、またはロゼンジの形状である、請求項67の方法。
【請求項71】
前記金属含有物質との接触時に、患者の肺が実質的に肺炎のない、請求項67の方法。
【請求項72】
前記金属含有物質が、肺炎に関して約0.95以下の予防率を有する、請求項67の方法。
【請求項73】
予防的に症状を治療する方法であって、
患者の第一の領域を、金属含有物質と接触させ、前記患者の第二の領域における症状の発生を低減することを含んでおり、
前記患者の前記第一の領域が、前記患者の皮膚以外領域である方法。
【請求項74】
患者の前記第一および前記第二の領域が、前記患者の同一の領域である、請求項73の方法。
【請求項75】
患者の前記第一の領域が、前記患者の呼吸系の一部分、前記患者の筋骨格系の一部分、前記患者の循環系の一部分、前記患者の胃腸系の一部分、前記患者の舌下領域の一部分、および前記患者の真皮下領域の一部分、および過形成組織、および腫瘍組織からなる群より選ばれる、請求項73の方法。
【請求項76】
予防的に症状を治療する方法であって、
患者の第一の領域を、金属含有物質と接触させ、前記患者の第二の領域における症状の発生を低減することを含んでおり、
前記金属含有物質が、包帯剤以外の形状である方法。
【請求項77】
患者の前記第一および第二の領域が、前記患者の同一の領域である、請求項76の方法。
【請求項78】
前記金属含有物質が、フリースタンディングパウダー、溶液、製薬上許容される担体、およびパウダー含浸物質からなる群より選ばれる、請求項76の方法。
【請求項79】
予防的に症状を治療する方法であって、
患者の第一の領域を、金属含有物質と接触させ、前記患者の第二の領域における症状の発生を低減することを含んでおり、
前記症状が、非細菌性の症状である方法。
【請求項80】
患者の前記第一および第二の領域が、前記患者の同一の領域である、請求項79の方法。
【請求項81】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、過剰増殖性の症状、突発性症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項79の方法。
【請求項82】
予防的に症状を治療する方法であって、
物体を、金属含有物質と接触させ、患者の領域における症状の発生を低減することを含んでおり、
前記物体が前記患者と接触されることが意図されるか、または前記物体と接している物質が前記患者と接触されることが意図される方法。
【請求項83】
請求項82の方法であって、さらに、
前記患者の領域における症状の発生の可能性を認識すること、および
前記患者の領域における症状の発生の可能性を認識した後に、前記金属含有物質と接触させるための物体を選択して、前記患者における領域の症状の発生を低減することを含む方法。
【請求項84】
請求項82の方法であって、前記物体を前記金属含有物質と接触させた後に、前記物体を前記患者と接触させることをさらに含む方法。
【請求項85】
請求項83の方法であって、前記物体が前記患者の前記領域と接触される方法。
【請求項86】
請求項83の方法であって、前記物体が前記患者の別の領域と接触される方法。
【請求項87】
請求項82の方法であって、前記物体を前記金属含有物質と接触させた後に、前記患者に移されることを目的とした前記物質を、前記物体から前記患者へ移すことをさらに含む方法。
【請求項88】
前記患者へ移された前記物質が治療薬である、請求項87の方法。
【請求項89】
前記物質が、前記物体から前記患者へ直接移される、請求項87の方法。
【請求項90】
前記物質が、前記患者の前記領域と接触される、請求項87の方法。
【請求項91】
前記物質が、前記患者の異なる領域と接触される、請求項87の方法。
【請求項92】
前記物体が、医療用具、手術器具、カテーテル、呼吸装置、機械的ミスト発生装置、スプレーボトル、吸入器、酸素テント、ドライパウダー吸入器、ニードル、ニードルレス注射器、包帯剤、滴びん、溶液用容器、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項82の方法。
【請求項93】
前記物体が前記金属含有物質と接触される際、前記患者の前記領域に実質的に症状がない、請求項82の方法。
【請求項94】
前記物体が前記金属含有物質と接触される際、前記患者が症状を有する、請求項82の方法。
【請求項95】
前記金属含有物質が、金属および合金からなる群より選ばれる、請求項82の方法。
【請求項96】
前記金属含有物質が、原子無秩序結晶性金属含有物質を含む、請求項82の方法。
【請求項97】
前記金属含有物質が、ナノ結晶性金属含有物質を含む、請求項82の方法。
【請求項98】
前記金属含有物質が、抗菌性金属含有物質、抗バイオフィルム性金属含有物質、抗細菌性金属含有物質、抗炎症性金属含有物質、抗真菌性金属含有物質、抗ウイルス性金属含有物質、抗自己免疫性金属含有物質、抗癌性金属含有物質、プロアポトーシス性金属含有物質、抗増殖性物質、MMP調整性金属含有物質、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項82の方法。
【請求項99】
前記症状が、細菌性の症状、バイオフィルム性の症状、微生物性の症状、炎症性症状、真菌性の症状、ウイルス性の症状、自己免疫症状、過剰増殖性の症状、突発性症状、癌症状、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項82の方法。
【請求項100】
前記患者の前記領域が、口腔および鼻腔からなる群より選ばれる、請求項82の方法。
【請求項101】
前記患者の前記領域が、前記患者の皮膚以外の領域である、請求項82の方法。
【請求項102】
前記物体が、包帯剤以外の形状である、請求項82の方法。
【請求項103】
前記症状が、非細菌性の症状である、請求項82の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−509738(P2006−509738A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547005(P2004−547005)
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/033431
【国際公開番号】WO2004/037186
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(501464613)ニュクリスト ファーマシューティカルズ コーポレーション (1)
【住所又は居所原語表記】10102 114 Street Fort Saskatchewan Alberta Canada T8L 3W4
【Fターム(参考)】