説明

二次元電気泳動システムにおける等電点電気泳動用ゲル

【要 約】
【課 題】従来の二次元電気泳動システムにおいて、等電点電気泳動操作が長時間かかり、さらに高分子量タンパク質への適用が困難であるという課題を克服する。なおかつ、技術的に熟練が必要である従来の二次元電気泳動システムにかわり、取扱いが容易で、試料の損失や失敗の少ない二次元電気泳動システムを構築する。
【解決手段】二次元電気泳動システムにおける等電点電気泳動操作において、ゲルの支持体として親水性フィルターを用いることによって、ゲルの低濃度化を可能にし、泳動時間の短縮と、高分子量タンパク質への適用を実現する。さらに、親水性フィルターは物理的強度も大きく、自重で垂れ下がることがないので、ゲルの低濃度化による崩壊を防ぐだけではなく、取扱いも容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質分離に用いられる二次元電気泳動システムの中で、特に等電点電気泳動用ゲルの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バイオインダストリーは今後十年で20倍の成長が見込まれているが、その鍵を握るのはポストゲノム研究とされ、その中心となるタンパク質の網羅的解析、いわゆるプロテオーム研究の重要性が広く認識されている。この研究を行うためにはタンパク質の分離技術が大変重要であり、特に、一度に数千にもおよぶタンパク質の分離が可能な二次元ゲル電気泳動法が用いられる。
【0003】
しかし、現行の方法では分離に二日間以上を要することや、高分子量タンパク質への適用が困難であるといった問題点がある。特に一次元目の等電点電気泳動においては、長い場合には16時間程度かかり、この操作が長時間を要する原因となっている。
【0004】
また、等電点電気泳動操作は、技術的に熟練が必要で、取扱いが難しいといった問題点も残されている。
【0005】
これらの問題点を解決するために開発された従来技術としては、等電点電気泳動で用いられる棒状のゲルを糸で補強し、細くかつ濃度の薄いポリアクリルアミドゲルを用いることにより、短時間で等電点電気泳動操作を行うことができ、なおかつ濃度の薄いアクリルアミドゲルを用いることで高分子量タンパク質の分離を行うことができるといったものがある(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特許公開2005−84047
【0007】
また、この他にも、ポリエステル不織布にアクリルアミドゲルを含浸させることによって、ゲルの機械的強度を増大させ、なおかつ寸法安定性に優れたシート状ゲル(非特許文献1)や、中空糸内部にアクリルアミドゲルを流入させることによって、ゲルの機械的強度を向上させたものもある(非特許文献2)。
【0008】
【非特許文献1】Hideyuki Nishizawa,Ayako Murakami, Naoko Hayashi, Mami Ida and Yoshihiro Abe : Fabric reinforcedpolyacrylamide gels for electroblotting ; Electrophoresis, 1985, 6, 349-350
【非特許文献2】Jon Klein, GeorgeHarding, and Elias Klein : A New Focusing Gel for Two-Dimentional ElectrophoresisConstructed in Microporous Hollow Fiber Membranes ; Jornal of Proteome Reserch,2002, 1, 41-45
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術をもってしても、2%T以下の濃度のアクリルアミドゲルにおいては、糸がゲルから脱離しやすくなるので、糸を支持体とした棒状ゲルの作製が困難になるばかりではなく、等電点電気泳動操作も困難になるといった課題が残されている。
【0010】
また、等電点電気泳動操作後にSDSポリアクリルアミド電気泳動(SDS-poly
acrylamide gel electrophoresis、以下SDS-PAGEと記述する)へ移行する際の平衡化処理やSDS-PAGEシステムに棒状ゲルを設置する際の取扱いが難しく、もともと低濃度アクリルアミドゲルで構成されているゲルが崩壊しやすいという問題点もあった。
【0011】
さらには、糸を支持体とした棒状ゲルを作製する時、特許文献1の図1にあるようなゲル作製用の装置に糸を設置するが、この際に糸状体に水分を含ませなければ安定的に上記装置に糸状体を設置できないという課題がある。この水分を除去できなければ、目的の濃度のアクリルアミドゲルを作製する際にその濃度の誤差が大きくなる。
【0012】
この場合、窒素ガスを注入口より流し、窒素置換を行うことにより、糸状体が吸収している酸素ガスを除去すると共に糸状体が含有している水分をも除去する役割を持つが、それでも窒素置換のみでは完全に水分を除去することは困難である。従って、完全に水分を除去するためには装置に糸を設置した状態で乾燥機中で静置する必要がある。
【0013】
上記に挙げられた以外の課題としては、特許文献1に記されている糸状体を用いた等電点電気泳動用ゲルの場合は、一度に等電点電気泳動に供することのできる試料容量が5ml以下と限られているという問題点もある。
【0014】
非特許文献1に記載のポリエステル不織布についても、糸状体を支持体とした場合と同様に、自重のために不織布が垂れ下がり、取扱いが困難であるという問題点がある。
【0015】
また、不織布は隙間間隔が不均一である。従って、タンパク質の移動が不織布の隙間間隔が小さいところでは著しく阻害され、逆に隙間間隔が大きいところでは比較的移動しやすくなるので、タンパク質の移動速度が安定せず、再現性にも疑問が残る。
【0016】
さらには、非特許文献1に記載のポリエステル不織布はシート状であるため、等電点電気泳動操作が終了した後にSDS−PAGEへと移行する際、ポリエステル不織布をSDS−PAGE用ゲルに接着させるのが熟練を必要とし、困難である。
【0017】
非特許文献2に記載の中空糸についても、糸やポリエステル不織布を支持体としたアクリルアミドゲル同様、自重でゲルが垂れ下がるので、取扱いが困難であるばかりではなく、ゲルが崩れて中空糸内部からこぼれ落ちるという問題点がある。
【0018】
また、非特許文献2に記載の中空糸の直径が1.8mmと小さく、一度の等電点電気泳動操作で分離できる試料の量に限界がある。また、中空糸の場合には、断面の太い中空糸というものがほとんど市販されていないため、一定以上の太さの中空糸を支持体としたアクリルアミドゲルを作製することはできず、中空糸の作製には高度な技術と機器設備を必要とするので自作することは不可能である。
【0019】
さらに、非特許文献2に記載の中空糸のポアサイズは0.64mmと小さいので、SDS−PAGEに非特許文献2に記載のゲルを適用する場合、中空糸の隙間をタンパク質試料が通過する際に試料の損失が大きいという課題がある。また、市販の中空糸のポアサイズは、親水性フィルターと比較するとその種類と量が少ないので、一定以上のポアサイズを有する中空糸を入手するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、特許文献1において、従来低濃度のゲルを補強するために用いられていた糸の代わりに、棒状の親水性フィルターを用いた。
【0021】
具体的には、親水性フィルターに適当な濃度のアクリルアミドゲルあるいはアガロースゲルを含浸させる、あるいは棒状ゲル中心部に棒状の親水性フィルターを貫通させる。
また、試料を注入するために親水性フィルター部分の一カ所に穴を空け、試料の注入口を設けた。
【発明の効果】
【0022】
こうすることによって、現在市販されている乾燥ゲルや、特許文献1にあるような糸を支持体とした棒状ゲルでは作製するのが困難であった2.0%T未満の低濃度アクリルアミドゲルでも、容易に作製することが可能となり、なおかつ形状を安定的に保つことができる。
【0023】
また、図1のように試料の注入口(1)を設けることによって、フィルター内部を試料が移動し、一度の等電点電気泳動に供することのできる試料の量を増加させることが可能となり、なおかつ、注入口(1)の大きさを調節することによって、一度の等電点電気泳動に供することのできる試料の量を調節することも可能である。
【0024】
さらに、特許文献1にあるような糸状体よりも、親水性フィルターの方が、重量も大きいため、糸状体支持体として用いる際に必要であった、水分の含浸をさせなくても安定的にゲル作製装置に設置することができるので、目的のゲル濃度を作製する際に濃度誤差が小さくて済む。
【0025】
一方で、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2にあるような糸やポリエステル不織布、中空糸を支持体としたアクリルアミドゲルよりも全体的な物理的強度が向上し、自重で垂れ下がることが無いため、二次元電気泳動操作のうちの一次元目である等電点電気泳動操作、および等電点電気泳操作が終了した後の平衡化処理や、二次元目であるSDS-PAGEへ棒状ゲルを移行させる操作が従来の糸を支持体とした棒状ゲルと比較して、格段に取扱いが容易となる。
【0026】
次に、データの信頼性の点から述べると親水性フィルターは、ポリエステル不織布と異なり、間隔の隙間がある程度一定となっているため、タンパク質の移動速度も安定し、再現性も高い。
【0027】
また、経済性や、素材の入手しやすさの点から見ても、中空糸と比較して親水性フィルターの場合には、ポアサイズの調節が可能で、材質も多岐にわたっているため、安価で容易に多種類のフィルターを入手することが可能である。従って、中空糸よりも大きいポアサイズの親水性フィルターを用いれば、タンパク質の移動を阻害することは少なくなり、泳動操作による試料の損失も抑制できる。
【0028】
なお、本発明の親水性フィルターを用いた棒状ゲルは、ゲルを流入させる型と原材料さえあれば、容易に製作が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0030】
本発明では、二次元電気泳動システムにおける等電点電気泳動において、ゲルの支持体として棒状の親水性フィルターをゲルと一体化している。
【0031】
この場合のゲルの支持体として、親水性フィルターの材質は安価なポリプロピレンやポリエチレンが望ましいが、その他の素材、例えばニトロセルロースやポリビニリデンフルオライド、エチレンビニルアセテート、スチレンアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレンもゲルの支持体として使用されうる。
【0032】
一方、現在金属フィルターも市販されている。金属フィルターは上記素材よりもはるかに耐久性に優れているが、電気泳動操作を行う際に、電流が導電性である金属フィルターの方へ流れてしまい、タンパク質の分離が困難になるばかりではなく、発熱等により、装置の故障原因となる恐れがある。このことから、金属フィルターは、ゲルの支持体として用いるのは困難である。
【0033】
親水性フィルターのポアサイズについては、小さすぎるとタンパク質の泳動が阻害されやすくなるため、等電点電気泳動に要する時間が長くなる。従って、ポアサイズはできる限り大きい方が望ましい。
【0034】
親水性フィルターを支持体とした棒状ゲルを作製する際には、あらかじめ、親水性フィルターの一カ所に注入口を設けておく。また、親水性フィルターを用いた棒状ゲルの形態については、棒状ゲルの中心部分に親水性フィルターが貫通している形態でも、棒状の親水性フィルターにゲルが染みこんでいる形態でも、用途や取扱いのしやすさによってどちらを用いても良い。
【0035】
このことは、糸状体を支持体とした棒状ゲルとしての形態と、中空糸の中心部分にアクリルアミドゲルを流入させる形態のいづれの形態をも用途や、操作性によって選択することが可能であることを示している。
【0036】
ゲルとしては、アクリルアミドゲルやアガロースゲルが代表的なものとして例示される。これらのゲルは上記親水性フィルターの存在下での重合ゲル化によって、上記素材と一体化されることになる。このような一体化ゲルは、例えばアクリル板等の板状体に成型した溝内に上記親水性フィルターを装入し、次いでゲル化用の溶液を注入して重合ゲル化させることで形成することが可能となる。
【0037】
本発明によって、従来の糸を支持体として用いた場合では、2%T未満のアクリルアミドゲルは一体化することは困難であったが、アクリルアミドゲルが重合する最低濃度付近である1.8%T程度の低濃度アクリルアミドゲルでも容易に一体化することができる。
【0038】
以下に実施例を示し、さらに詳しく本発明について説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
【0039】
実施例(1)
親水性フィルターを用いた棒状ゲルの作製
まず、図2、図3に示したゲル作製用の装置を組み立てた。この装置は特許文献1の図2に示されているゲル作製用の装置に改良を加えたものである。具体的には、ゲルを一度流入させれば様々な太さの棒状ゲルの作製が可能となるように、溝の幅および深さが一定距離ごとに変化するようになっている。
【0040】
用いた親水性フィルターはPOREX TECHNOLOGIES社のポリエチレン製親水性フィルター(ポアサイズ80mm-130mm)を用いた。親水性フィルターを適当な太さの棒状にし、さらに試料を注入する注入口を設けた後、適当な長さに切り出して図2のゲル作製用の装置にある溝(3)にはめ合わせた後、図3の上板(1)を乗せた。また、その際、上板(1)と下板(2)の密着性を向上させるために、シリコン製スポンジパッキンをパッキン設置部(4)に設置し、位置決めピンを位置決めピン設置部(5)に設置することで、上板(1)と下板(2)の関係位置を決定した。さらにローレットノブおよびクランプを用いて図3の上板(1)と図2の下板(2)を固定した。
【0041】
アクリルアミドゲル溶液は蒸留水で適当な濃度に調製し、真空脱気した。ゲル溶液中に含まれる溶存酸素は、アクリルアミドの重合を阻害するので、真空脱気により、溶存酸素をできるだけ除去する必要があるからである。また、この時点では、ゲル溶液にはアクリルアミドとN,N'-メチレンビスアクリルアミド以外の試薬は含まれていない。
【0042】
過硫酸アンモニウムとN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミド(以下、TEMED)を適量ずつ脱気したゲル溶液に加えた後に、ゲル溶液をシリンジでゆっくりと溝に注入し、
1時間以上静置させ、重合させた。
【0043】
ついで、図2の下板(2)から図3の上板(1)を外した。重合し、固まったゲルをピンセットで蒸留水中に移し、ゲル中の遊離イオンを除去するために2時間以上蒸留水に浸した。このようにして、アクリルアミドの濃度が1.8%Tの低濃度等電点電気泳動用ゲルの作成に成功した。
【0044】
実際に等電点電気泳動操作を行う際には、上記の低濃度等電点電気泳動用ゲルを少なくとも2時間以上は両性担体溶液に浸した。等電点電気泳動操作を行う前に、棒状ゲルを適当な長さに切って分割した。
【0045】
上記棒状ゲルを等電点電気泳動操作に用いるために、棒状ゲル用の電気泳動板を作製した(図4)。この電気泳動板は、特許文献1の図3に記されている装置の改良型で、数種類の太さの棒状ゲルを等電点電気泳動操作が行えるように、溝の太さの調節を行ったものである。
【0046】
また、今回用いたタンパク質としては、C-phycocyanin(分子量264kDa, pI4.3)、Hemoglobin(分子量67kDa, pI7.2)、そして、Cytochrome
C(分子量13kDa, pI9.6)の3種類のタンパク質を用いた。これらのタンパク質は、泳動分離後、染色することなく検出が可能である色素タンパク質であり、なおかつ、幅広い分子量(13kDa〜264kDa)とpI(4.3〜9.6)を網羅している。
【0047】
このようにして定電流の条件下で等電点電気泳動操作を行った結果を図5に示す。結果としては、高分子量タンパク質であるC-phycocyaninを含む3種類の色素タンパク質全てにおいて、適当な位置にバンドが検出され、また、再現性も良好であった。
【0048】
また、泳動操作に要した時間は、50分より長くはなかった。また、その後少なくとも210分までは、両性担体によるpH勾配も安定しており、タンパク質の分散は見られなかった。
【0049】
通常、両性担体(キャリアアンフォライト)をゲルに添加して電場をかけてpH勾配を形成するIEF
(Isoelectric focusing electrophoresis) 手法では、電気泳動操作に要する時間は、いくつかのパラメーター、例えばゲルの性質、ゲルマトリックスの編み目の度合い、pH勾配の様態、印加電圧そして試料サンプルなどに依存する。一般的に、試料のロード操作にかかる時間を含めて、現在のIEF手法において、タンパク質の分離にかかる時間は10時間以上必要であるとされている。
【0050】
特許文献1に記載されている糸状体を支持体とした棒状ゲルでは、従来、長時間を要していた等電点電気泳動操作時間を格段に短縮させる手法であるが、本発明において、さらなるアクリルアミドゲルの低濃度化に成功したために、糸状体を支持体とした場合と同等もしくはそれ以上の操作時間の短縮が可能となった。
【0051】
上記実施例の結果をまとめると、本発明は、既存のIEF手法による等電点電気泳動操作と比較して、以下の点で優れていることがわかる。
【0052】
糸状体を支持体とした棒状ゲルではアクリルアミドゲル濃度の低濃度化は2%Tが限界であったが、親水性フィルターを用いた棒状ゲルでは、アクリルアミドゲルが重合して硬化する下限濃度に近い1.8%Tの濃度でも、容易に作製が可能となった。
【0053】
また、親水性フィルターを用いた棒状ゲルは超低濃度であるにも関わらず、親水性フィルターの物理的強度が大きく、自重で垂れ下がることがないので、等電点電気泳動操作の後にSDS−PAGEに移行する際にも取扱いが容易である。
【0054】
さらに、等電点電気泳動操作中のpH勾配も安定しているため、再現性が高く、実験データの再現性も良好である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によって、さらなる高分子量タンパク質への適用がかのうな高速二次元電気泳動システムが実現され、プロテオーム解析のための革新技術として、医療や生命科学研究の発展のみならず、食品検査の迅速化にも大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】注入口を設けた親水性フィルターを例示した図である。
【図2】親水性フィルターを用いた棒状ゲル作製装置の下板を例示した図である。
【図3】親水性フィルターを用いた棒状ゲル作製装置の上板を例示した図である。
【図4】親水性フィルターを用いた棒状ゲルの等電点電気泳動操作を行うための泳動板を例示した図である。
【図5】3種類の色素タンパク質を用いて定電流の条件下で等電点電気泳動操作を行った際に、親水性フィルターを用いた棒状ゲル上で分離されたタンパク質のバンドを描写したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元ゲル電気泳動システムにおける等電点分離系において、ゲルの支持体として親水性多孔質体を用い、その親水性多孔質体にアクリルアミドゲルもしくはアガロースゲルを含浸させたことを特徴とするタンパク質分離用高速二次元電気泳動システム。
【請求項2】
二次元ゲル電気泳動システムにおける等電点分離系において、従来用いられてきたゲルの代わりに親水性フィルターを用いたことを特徴とするタンパク質分離用高速二次元電気泳動システム。
【請求項3】
二次元ゲル電気泳動システムにおける等電点分離系に用いる親水性フィルターの形状が棒状であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載のタンパク質分離用高速二次元電気泳動システム。
【請求項4】
二次元ゲル電気泳動システムにおける等電点分離系に用いる親水性フィルターに試料の注入口を設け、一度に電気泳動が行うことのできる試料量を増加させたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載のタンパク質分離用高速二次元電気泳動システム。
【請求項5】
等電点分離系に用いる親水性フィルターの素材が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリビニリデンフルオライド、エチレンビニルアセテート、スチレンアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレンのいずれかを少なくとも一部分含む素材である請求項1ないし2のいずれかに記載のタンパク質分離用高速二次元電気泳動システム。
【請求項6】
等電点分離系で用いる親水性フィルターに含浸させるアクリルアミドゲルの濃度が1.8%Tまでの低濃度範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の棒状ゲル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−256037(P2007−256037A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79986(P2006−79986)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(591032703)群馬県 (144)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【出願人】(598025050)三立応用化工株式会社 (2)