説明

二輪車用タイヤトレッド

滑りやすい走行面上を走行する際のグリップを改良する二輪車のタイヤのトレッドであって、このトレッドは、溝(4)により互いに分割されたブロック(1、2、3)を備え、各ブロックは、タイヤの走行時に、前記走行面と接触するための接触面と、前記接触面を横切り、少なくとも3つのブランチを備えた幾何形状を有する接触面の輪郭を画成するエッジコーナーを形成する側面と、を有し、各ブランチ(11、21、31)は、点(110、210、310)で終端しており、この点の角度は最小で20度と等しく、最大で90度と等しく、各ブロック(1、2、3)の前記ブランチ(11、21、31)は、対として考えると、これらの間に、セットバック部分(12、22、32)を画定し、各ブロック(1、2、3)が少なくとも6つのブランチを有する接触面を有し、各ブロック(1、2、3)はそれぞれスリット(111、112、113、211、212、213、311、312、313)を備え、これらスリットは、ブロックの面に形成されたセットバックの一つで一端が終端し、同時に、他端は同じ位置で終端し、これにより接触面の少なくとも二つの点を備える基本パターンを形成し、前記同一のブロックの前記基本パターンは、これらが前記走行面を通る時に、互いに接触することにより相互作用する。さらに、トレッドの少なくとも一部において、前記ブロック(1、2、3)は、前記赤道中央面に対して、それらの軸方向位置により、互いに角度方向にオフセットした配向を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面との良好なノンスキッド(横滑りをしない)接触をタイヤに与えるために、自転車タイヤのトレッドに形成された隆起トレッドブロック又はパターンに関する。本発明は、特に、タイヤと地面との接触を改良することを目的とし、より具体的には、特に、地表面が液体で濡れた、又は氷で覆われた時に、例えば、路面に形成されたカラーラインや礫など自然物又は人工物であっても、例えば非常に滑らかな表面などの滑りやすい又は滑りやすくなる地面との接触を改良することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
自転車のタイヤは、自転車が運転される路面と接触領域を介して接触するためのトレッドを備えている。この接触領域において、本質的に、トレッドを形成する材料は路面と接触し、前記材料と路面との間の中間要素の圧力を排除する。中間要素の存在と関連した接触領域の減少により、コーナリングの際にサイクリストの落下が生じる。そして、事故の最も一般的な原因の一つはこのグリップの損失である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米国特許第5377734号には、全ての地形で利用するための二輪車のタイヤについて記載しており、そのトレッドにはブランチ(枝部)を示すブロックの形態の隆起要素が設けられ、これらは枝分かれし、間にセットバック(後退)部分を形成する。本発明は、そのようなトレッドのグリップ性能を非常に改良する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
定義:
トレッドブロックの「溝−ゴム比率」は、ブロックにより画成された空洞(溝)の面積と、全面積(ブロックの接触面積及び空洞の面積)との間の比に等しい。低い溝−ゴム比率は、ブロックの接触面積が大きいこと及びブロックの間の空洞の面積が小さいことを示す。
【0005】
赤道中央面は、回転軸に垂直な面であり、かつ、この軸から径方向に最も離れたタイヤの位置を通る面である。
【0006】
ブロックは、トレッドに形成され、空洞又は溝により境界決めされた隆起要素であり、側壁と、路面と接触するための接触面とを備える。この接触面は、表面の重心又は重力中心として定義される幾何中心を有する。
【0007】
本発明は、自転車タイヤのトレッドのためのトレッドブロックに対し、タイヤと路面、特に滑りやすくなった路面との間のグリップを改良する解決を提供することを目的とする。
【0008】
そのためにも、本発明の対象は、走行面の表面仕上げ、又は走行面とトレッドとの間の中間異質物により、滑りやすくなりやすい走行面を走行する時に、このトレッドのグリップを改良するための自転車のためのタイヤのトレッドのためのトレッドブロックである。このトレッドブロックは、互いに独立し、溝により互いに分割されたブロックの形態のトレッドから突出するトレッド要素を有する。これらブロックは、タイヤが走行する際に、走行面と接触するための接触面と、接触面と交差して、いくつかのブランチをともなう形状を有する接触面の輪郭を画成するエッジコーナーを形成する側面とを有し、各ブランチは一点で終端し、その角度は少なくとも20度と等しく、大きくとも90度と等しい。対として考えると、これらの間の各ブロックのブランチは、各点よりも接触面の幾何中心に近い部分であるセットバック(後退)部分を決定する。好ましい特徴によれば、各点の角度は、80度(±3度)に等しい。好ましくは、接触面は、少なくとも6つのブランチを備えた輪郭により画成される。
【0009】
さらに、各ブロックは、スリット又はサイプを備え、これらスリットは、その端部の一方がブロックの面に形成されたセットバックの一つで終端し、他端が同じ位置で終端し、これにより、少なくとも二つの接触面の点を備えた基本パターンを形成する。同一のブロックの基本パターンは、走行面との接触により、互いに接触することにより相互作用する。加えて、トレッドの少なくとも一部において、ブロックは、赤道中央面に対してそれらの軸方向位置に関し、互いに角度方向にオフセットした配向を有する。
【0010】
これにより、ブロックの点の少なくともいくつかは、赤道中央平面又はその近傍における周方向に対して0度の角度を形成する方向に向けられ、残りの点は、前記中央面からの距離が増加するとともに、増加する角度に向けられる。これにより、コーナリング時に、二輪車のライダーは回転しようとする方向に傾くため、トレッドの動きを生じるブロックは、赤道中央面に対して同じ側に位置しているブロックとなり、これらのブロックは赤道中央面から最も遠くなる。このようにして、本発明の構成によれば、動きを生じるブロックの点が接触パッチ(領域)の外側の領域に対して実質的に垂直に配向され、これは、(特に、雨天時に)存在するだろうあらゆる水の膜を通り抜ける一種のステム(軸)を形成し、又はいくらか、点を介して地面をグリップするのに特に有利である。
【0011】
さらに、スリットの配向は、これらスリットが、赤道面に対して、スリットが形成されているブロックの位置と独立した平均角度だけ回転されたようになっている。
【0012】
これらのスリットは、好ましくは、少なくともブロックの高さの50%の深さを有し、この高さは、前記ブロックの側面の高さとして測定されている。
【0013】
局部圧力点を増加させ、各スリットにさらなる水はけを提供するため、スリットは、中央部分において各ブロックを径方向(すなわち、厚さ方向)に柔軟にし、エッジコーナーの数の増加を導く。
【0014】
好ましくは、スリットは、全て、各ブロックの接触面の幾何中心を横切る。
【0015】
出願人らにより行われた研究は、ここで記載した形状及び角度に関して固有の性質を有するのみではなく、滑りやすい中間物質へ噛み合う位置を増加させるのに十分に小さいパターンを使用するのが適切であることを示している。新品状態の接触面が、最大でも10mmに等しく、好ましくは2〜8mmの半径の円の内側に内接できる場合に、ここに記載されたパターンは特に効果的であることが示された。
【0016】
ある実施形態では、道路とグリップを有する接触の潜在的延長を促すために、このトレッドパターンの溝−ゴム比率が最大で75%であり、好ましくは最大60%である。
【0017】
ある実施形態では、2つのトレッドの半分は、赤道面に関して対称である。
【0018】
ある実施形態において、トレッドの一方の半分では、これらのブロックのスリットは、赤道面の近くに位置するブロックからトレッドの縁の一つに向かって延びる方向に向けられており、トレッドの他の半分は、反対側に向けられている。
【0019】
他の実施形態では、周方向(すなわち、回転軸を中心とする円の接線方向)に配向された少なくとも一つのスリットを備えた複数のブロックが赤道中央面に位置するようになされている。この選択的形態は、タイヤの操作性能がこれにより改良される、すなわち、特に、滑りやすくなった走行面においてタイヤが直線経路を良好にたどることがより容易になる。
【0020】
好適な実施形態では、赤道中央面の各側のブロックの幾何中心は、前記中央面に関して対称である斜線に位置している。斜線に沿って位置するとは、ブロックの幾何中心が前記斜線上に位置することである。
【0021】
好ましくは、ブロックの幾何中心が沿うように位置する斜線の角度は、周方向に対して最小で20度と等しく、最大で45度に等しい。より好ましくは、この角度は、周方向に対して30度に等しい。これらの線の角度は、トレッドの表面を横切る仮想平面により、赤道中央面に対して形成される角度に等しく、この仮想平面はブロックの幾何中心を通る。
【0022】
本発明の有利な選択的形態によれば、ブロックは互いに、一つのブロックの少なくとも一つの点が、斜線に沿って隣接するブロックのセットバックに入り込むように配置されている。二つのブロックがこの斜線上又は実質的に斜線上に幾何中心を有し、二つのブロックが、これら二つのブロックの間に、同一の空洞又は同一の溝を画成する場合に、ブロックが斜線に沿って他のブロックと隣接すると言う。
【0023】
あるブロックの点が、隣接するブロックの接触面が内接する円の内側の少なくとも一部に位置する場合に、この点が隣接するブロックのセットバックに入り込むという。この構成は、本明細書で記載される選択的形態のいずれに対しても組み合わされて利益を与える。
【0024】
他の有利な選択的形態では、トレッドが中間物質を通過した後、より容易に走行面と接触するようになるよう、接触面のエッジコーナーにおける接触圧を調整するため、あるブロックの側壁はこのブロックの接触面に対して適切な傾斜を有するようになっている。これらの側壁は、接触面に対して垂直でも、垂直でなくてもよい。
【0025】
ブロックの各点は、荷重で徐々に圧壊されることにより、雨天の走行面に存在する水膜を突破する力が、点からブロックの中央に向かって広がるのを容易にする。さらに、各エッジコーナーが、ブロックが地面に接触する瞬間に、地表面と厳密には平行ではないため、荷重の集中が噛み合う点で形成され、これにより、水膜を通過するのがより容易になる。これにより、ブロックの点が、地面のでこぼこを形成する地面の凹凸又は空洞に密着するため、結果として確立される乾燥した接触により、グリップの大きな増大を生む。タイヤが、例えば、粉だらけの性質の中間固体を有する走行面を走行する場合に、これと同様のグリップ促進メカニズムが繰り返される。
【0026】
本発明は、また、二輪車のタイヤ、又は、ここで記載した選択的形態の一つによるトレッドを使用したチューブタイヤにさえ関連する。
【0027】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照したここでの記載で明らかになり、図面には、本発明の構成要素のいくつかの実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によるトレッドの第1の選択的形態の平面図である。
【図2】本発明によるトレッドの第2の選択的形態の平面図である。
【図3】本発明によるトレッドの第3の選択的形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1乃至3を参照して記載された全ての選択的形態は6つのブランチを備える。もちろん、これらの選択的形態は、当業者により、6つより多くのブランチを備えたブロックとして実施できる。
【0030】
図1は、本発明によるトレッドの部分平面図である。この第1の選択的形態によれば、二輪自転車のためのトレッドは、赤道中央面(図面で線XX’で示される)の両側に、正規6ブランチスターの形状のブロック1、2、3を備え、これらのブロックは、複数の溝4を画成する。各ブロック1、2、3は、それぞれ、トレッドのトレッド面を形成する接触面10、20、30を有し、このトレッド面は、このトレッドが設けられたタイヤが走行する走行面と接触するためのものである。さらに、各ブロックはエッジコーナーで接触面と交差する側面を有し、この例では側面は、接触面と直交する。同一のブロックのエッジコーナーは、6ブランチスター形状の接触面を画成する。ブロック1は、他のブロック2、3よりも、図1で線XX’により記載される赤道中央面に軸方向に近接する。ブロック2は、軸方向にブロック1とブロック3との間に位置し、後者は軸方向に最も外側に近い。軸方向は、方向XX’に直交する方向であり、タイヤの回転軸に平行な方向である。
【0031】
ブロック1、2、3に対して、これらの各ブランチ11、21、31は、それぞれ、幾何的星型形状の中心C1、C2、C3から延び、点110、210、310で終端している。各点110、210、310は、本実施例では、60度と等しい角度を形成している。同一のブロック1、2、3の二点の間には、角度が120度に等しい、セットバック12、22、32が存在する。
【0032】
各ブロック1、2、3は、点の端部を通過する半径が10mmよりも小さい円(点線で示す円R)の内側に内接する。もちろん、各ブロック1、2、3の寸法は、必要に応じて軸方向位置に応じて変更でき、依然として本発明の限定内に保たれる。
【0033】
さらに、各ブロック1は、幅が狭い3つのスリット111、112、113を備え、これらは全て、それらの端部の一つにおいて、ブロック1の接触面の幾何中心を横切り、セットバックにおいて他端が終端し、これにより、対として考えた場合に、それらの間に120度の角度が形成されている。ここで幅が狭いとは、これらスリットが、そのようなトレッドが設けられたタイヤが走行する場合に、各ブロックが切れ目のない接触面を有するように、少なくとも一部が閉鎖する性能を有することを意味する。同じことがスリット211、212、213の設けられた各ブロック2及びスリット311、312、313が設けられた各ブロック3に対しても成立する。これらスリットは、ブロックの高さの50%よりも大きな付加さを有し、この高さは、前記ブロックの側面の高さとして測定される。
【0034】
これらスリットは、前記ブロックの二つの点を含む基本パターンを形成するように、各ブロックのセットバック内で終端している。例えば、ブロック1は、三つの基本パターン121、122、123に分割される。各基本パターンは、スリットにより各基本パターンに形成された第3の点を含む。同一のブロックの基本パターンは、走行面を通過する際に、スリットを閉鎖することで、互いに接触することにより相互作用する。
【0035】
さらに、ブロック1、2、3及びそれらに設けられたスリットは、ブロックの軸方向位置とは独立した平均角度で向けられている。ここで例示されたブロック1は周方向に配向された二点を有し、ブロック1から軸方向にオフセットされたブロック2は、方向XX’(タイヤの周方向)に対して30度の角度を形成するように配向された二点を備える。同様に、ブロック3は、方向XX’に対して60度の角度を形成するように、配向された2点を有する。これは、あたかも、同一のブロックパターンは、前記ブロックの軸方向位置と独立した配向を有するかのようである。
【0036】
図1に示された例では、ブロックは、幾何中心が絶対値で45度に等しい角度Aを形成する線D、D’と整列するように、トレッドの各側に配置されている。赤道中央面の各側におけるブロックの配置は、ブロックの幾何中心が位置する線の角度に関して、対称である。しかしながら、トレッドの一方の側のブロックと、トレッドの他方の側のブロックとの間で周方向のオフセットが存在する。
【0037】
本発明は、各6ブランチブロック内の3つのスリットの存在に限定されているが、各ブロックのセットバックの数に達するまで、この数を増加させることができる。しかしながら、各ブロックの剛性を大きく損なうことがないように、ブロック当たりのこのスリットの数を限定することは重要である。接触領域にある場合におけるこれらの壁面の間の相対移動を減らすため、対向する壁面が相互に影響する形状を有するスリットを作成することができる。
【0038】
図2は、図1に示した第1の選択的形態のブロック1、2、3を再度用いたトレッドの部分平面図を示す。第一の選択的形態との比較による明らかな違いは、より低い溝−ゴム比率である。特に、複数のブロックは、前記ブロックの幾何中心が整列する斜線に隣接したブロックのセットバックに入り込む少なくとも一つの点を有する。
【0039】
これにより、ブロックの密度を増加させ、このトレッドは、石のように硬い本体を保持する点に関し、より効果的である。ここで、セットバック内に入り込むとは、ブロックの幾何中心から最も離れたブロックの点の部分が、すぐ隣のブロックの点に外接する円の内側に位置することを意味する。
【0040】
記載する例では、図1で使用されていたのと同じ参照を使用しており、斜線Dに沿って、ブロック2は、ブロック1のセットバック12に入り込む点210、及びブロック3のセットバック32に入り込む他の点210’を備える。
【0041】
さらに、赤道中央面XX’に関してトレッドの一方の側のブロック1は、同じ赤道面の他方の側に位置するブロック1’のセットバック12’に入り込む点110を備える。
【0042】
図3は、本発明による二輪車のタイヤに設けられるトレッドの第3の選択的形態の部分図であり、このタイプは、寸法が42−622である。再び、前出の図で使用されたのと同じ参照は、ここでも、同一の構造要素を示す。
【0043】
このトレッドは、6つに枝分かれした星の形状の接触面を有する複数のブロック1、2、3を備え、この接触面は、新品状態で半径8.3mmの円の内側に収容される。点の角度は60度であり、セットバックの角度は120度である。
【0044】
ブロックの高さは3〜5mmである。各ブロックは、幅が0.5mmに等しく、付加さが少なくとも3mmの3つのスリットを備え、これらスリットはすべて接触面の幾何中心を横切る。
【0045】
通常の使用状況において、このタイヤは、接触区間長さが60〜80mmであり、接触区間幅が25〜35mmである。
【0046】
さらに、各ブロックの側壁は、前記ブロックの接触面の垂直方向に対して10度の角度間隔を有する。これにより、各ブロックの接触面の表面積は、トレッドの摩耗に従って増加する。
【0047】
さらに、複数のブロックは、斜線に沿って隣接するブロックのセットバックに入り込む少なくとも一つの点を有する。
【0048】
最終的に、この第3の選択的形態は、赤道中央面の線XX’に沿って整列した追加のブロック5の存在を示し、これは、追加のブロック5の幾何中心がこのラインXX’上に位置することを意味する。これらのブロック5は、実質的に、赤道中央面に軸方向に最も近接したブロック1と同じ形状を有し、方向XX’と整列した二つの点を有する。さらに、これらのブロック5は、方向XX’を意味する周方向に配向された溝50を備える。周方向のエッジコーナー51、52を生じさせるこれらの溝の存在により、タイヤの直線走行時の直線経路を維持する性能が改良される。
【0049】
もちろん、本発明は、記載され、描写された例に限定されず、請求の範囲に規定された範囲からはなれることなく、様々な修正が可能である。特に、各ブロックの点の数は、6以上としてもよく、点の寸法は、所望の性能に調整するために、全く同一のブロックに対して、異なってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異質な中間物質の存在により滑りやすい走行面上を走行する際のグリップを改良する二輪車のタイヤのトレッドであって、
このトレッドは、溝(4)により互いに分割されたブロック(1、2、3)を備え、
各ブロックは、タイヤの走行時に、前記走行面と接触するための接触面(10、20、30)と、前記接触面を横切り、複数のブランチを備えた幾何形状を有する接触面の輪郭を画成するエッジコーナーを形成する側面と、を有し、
各ブランチ(11、21、31)は、点(110、210、310)で終端しており、その角度は最小で20度と等しく、最大で90度と等しく、
各点(110、210、310)は、前記走行面と直接の接触を確立するため、前記異質な中間物質を通過することができ、
各ブロック(1、2、3)の前記ブランチ(11、21、31)は、対として考えると、これらの間に、それぞれの前記点よりも前記接触面の幾何中心(C1、C2、C3)に近い部分であるセットバック部分(12、22、32)を画定し、
このトレッドは、各ブロック(1、2、3)が少なくとも6つのブランチを有する接触面を有し、
各ブロック(1、2、3)はそれぞれスリット(111、112、113、211、212、213、311、312、313)を備え、
これらスリットは、ブロックの面に形成されたセットバックの一つで一端が終端し、同時に、他端は同じ位置で終端し、これにより接触面の少なくとも二つの点を備える基本パターンを形成し、
前記同一のブロックの前記基本パターンは、これらが前記走行面を通る時に、互いに接触することにより相互作用し、
トレッドの少なくとも一部において、前記ブロック(1、2、3)は、前記赤道中央面に対して、それらの軸方向位置に関して互いに角度方向にオフセットした配向を有することを特徴とする、トレッド。
【請求項2】
前記ブロック(1)のスリット(111、112、113)は、全て、前記ブロックの接触面の幾何中心を横切る、請求項1に記載のトレッド。
【請求項3】
ブロックの軸方向に関するブロックの角度方向オフセットは、30度と等しい又は30度と実質的に等しい、請求項1又は2に記載のトレッド。
【請求項4】
各ブロック(1、2、3)は、半径が最大で10mmに等しい円(R)の内側に内接する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項5】
前記円(R)の半径は、最大で8mmに等しく、最小で2mmに等しい、請求項4に記載のトレッド。
【請求項6】
最大で75%の溝−ゴム比率を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項7】
前記ブロックのスリットは、赤道面の近くに位置するブロックからトレッドの縁の一方のブロックに向かって延びる方向に向けられており、トレッドの他方の半分において、前記スリットは反対の方向に向けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項8】
複数のブロック(5)は、赤道中央面に位置し、これらブロック(5)は、周方向に配向された少なくとも一つの溝(59)を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項9】
前記赤道中央面の各側のブロック(1、2、3)の幾何中心は、前記赤道面に関して対称である斜線(D、D’)上に位置する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項10】
前記ブロックの幾何中心が沿って位置する前記斜線(D、D’)の角度は、周方向に対して最小で20度に等しく、最大で45度に等しい、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項11】
複数のブロック(2)は、同一の斜線(D)に沿って隣接するブロックのセットバック(12)へ入り込む少なくとも一つの第1の点(210)を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項12】
各点の角度は、80度に等しい、請求項1〜11のいずれか1項に記載のトレッド。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のトレッドを有する、自転車タイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−516346(P2013−516346A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546442(P2012−546442)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070852
【国際公開番号】WO2011/080298
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)