説明

二酸化炭素ガス散布器

【課題】簡易な方法で植物に二酸化炭素ガスを供給することを可能とする二酸化炭素ガス散布器を提供することを目的とする。
【解決手段】二酸化炭素ガス散布器は、ドライアイスの投入口を有する容器本体と、この投入口を開閉可能な蓋と、この容器本体から前方に延出するノズル部と、容器本体に付設される取手部とを有する。上記ノズル部がコンバージェントノズルであることが好ましい。上記ノズル部が容器本体の上方から延出することが好ましい。上記取手部が、管状体からなり、ノズル部の中間位置と容器本体の後方かつ上方位置との間に連通するよう配設されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素ガス散布器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビニルハウスの内部の温度及び湿度を適切に制御することにより植物の成長を促進する方法が広く用いられている。その方法を用いれば、季節を問うことなく種々の植物を育成することができる。更に、植物が成長するために必要な光合成をより活発に行わせるために、天然ガスを燃焼することにより二酸化炭素ガスを発生させ、発生した二酸化炭素ガスをビニルハウスの内部に供給する方法が提案されているが(例えば、特開2001−258390号公報参照)、その方法では天然ガスの取扱いに危険性が伴う。
【0003】
そこで、安全に二酸化炭素ガスをビニルハウスの内部に供給する方法として、炭酸ガスハイドレートを分解して二酸化炭素ガスを発生させ、発生した二酸化炭素ガスをビニルハウスの内部に供給する方法が提案されている(例えば、特開2007−319022号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−258390号公報
【特許文献2】特開2007−319022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、炭酸ガスハイドレートは海底付近に存在しているので、自宅の庭で植物を栽培している者や通常の農業を営んでいる者(以下、「使用者」と記載する場合がある)にとっては、炭酸ガスハイドレートを入手することは不可能に近いくらい困難である。たとえ何らかの方法で炭酸ガスハイドレートを入手することができたとしても、使用者は、炭酸ガスハイドレートを分解して二酸化炭素ガスを発生させることは困難である。更に、炭酸ガスハイドレートから二酸化炭素ガスを発生させる装置が製造されても、その装置は複雑で大規模になる。
【0006】
使用者は、小規模で、かつ簡易な方法により植物に二酸化炭素ガスを供給して植物の成長を促進する技術が提供されることを望んでいる。
【0007】
本発明は、簡易な方法で植物に二酸化炭素ガスを供給することを可能とする二酸化炭素ガス散布器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様の二酸化炭素ガス散布器は、
ドライアイスの投入口を有する容器本体と、
この投入口を開閉可能な蓋と、
この容器本体から前方に延出するノズル部と、
容器本体に付設される取手部と
を有する。
【0009】
当該二酸化炭素ガス散布器は、比較的簡易な構造であるため、製造が容易であり、かつ使用者が容易に持ち運びできる。また、当該二酸化炭素ガス散布器は、容器本体の内部に水とドライアイスを投入し、蓋により容器本体の投入口を塞ぐことで、二酸化炭素ガスを容器本体内で発生させ、ノズル部から噴射させることができる。したがって、使用者は、当該二酸化炭素ガス散布器を植物が生息している場所に容易に持ち運んで、容器本体の内部においてドライアイスが昇華することによって発生した二酸化炭素ガスをその植物に容易に散布することができる。
【0010】
上記ノズル部は、コンバージェントノズルであってもよい。この構成であれば、蓋により投入口を塞ぐと、高圧の二酸化炭素ガスをノズル部の先端から比較的高速で流出させることができる。
【0011】
上記ノズル部は、容器本体の上方から延出していてもよい。この構成であれば、投入口から容器本体の内部にドライアイスと水とを投入した場合、二酸化炭素ガスよりも液体としての水の方が当該二酸化炭素ガス散布器の外部に優先して流出することを抑制することができる。
【0012】
上記取手部は、管状体からなっていて、ノズル部の中間位置と容器本体の後方かつ上方位置との間に連通するよう配設されていてもよい。この構成であれば、使用者が、容器本体の内部に多量の水を投入してノズル部の先端が鉛直斜め下方に向くように当該二酸化炭素ガス散布器を取り扱っても、容器本体の内部においてドライアイスが昇華することにより発生した二酸化炭素ガスは、取手部を介して確実にノズル部に導かれる。したがって、使用者は、たとえ容器本体の内部に多量の水を投入しても、容器本体の内部において発生した二酸化炭素ガスを植物に散布することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、簡易な方法で植物に二酸化炭素ガスを供給することを可能とする二酸化炭素ガス散布器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の二酸化炭素ガス散布器の外観図である。
【図2】図1の二酸化炭素ガス散布器の蓋を除いた部分の断面図である。
【図3】図1の二酸化炭素ガス散布器の使用方法の各手順を示すフローチャートである。
【図4】図1の二酸化炭素ガス散布器の容器本体の内部への水の投入量を説明するための図である。
【図5】使用者が図1の二酸化炭素ガス散布器を用いて対象の植物に二酸化炭素ガスを散布する状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1の二酸化炭素ガス散布器1は、容器本体10と、蓋20と、ノズル部30と、取手部40とを有する。二酸化炭素ガス散布器1は、合成樹脂により形成されており、その大きさ及び重さは、人が取手部40を用いることにより持ち運びすることができる大きさ及び重さである。すなわち、二酸化炭素ガス散布器1の大きさは、幅が15〜30cm程度であり、長さが30〜50cm程度であり、高さが15〜30cm程度であって、重さは400〜700g程度である。
【0017】
容器本体10は、上面の後方側に上方に突き出た部位11を有しており、その部位11にドライアイスの投入口12を有している。投入口12は円形であって、円形の投入口12の外縁には、全周にわたって容器本体10の外部に突出した壁部が設けられている。壁部の高さ及び厚さは、円形の投入口12の外縁の全周のいずれの部位においても等しく、壁部の外側面には第1ネジ山部が設けられている。次に、容器本体10の側面について説明する。容器本体10は、前方側において、底面からの高さが高くなるにしたがって後方側から前方側の向きによりせり出す形状の側面を有している。また、容器本体10は、後方側においても、底面からの高さが高くなるにしたがって後方側から前方側の向きによりせり出す形状の側面を有している。
【0018】
蓋20は、容器本体10の投入口12を開閉することができる部材であって、容器本体10に着脱自在に取り付けられる。蓋20は、底面部と側面部とを有していてそれらが一体に形成されている部材である。底面部は、円形の投入口12の外縁よりやや大きい円板である。側面部は、底面部の外縁の全周にわたって設けられており、側面部の高さは、底面部の外縁の全周のいずれの部位においても等しい。また、側面部の内側面には、投入口12の壁部に設けられている第1ネジ山部に適切に螺合する第2ネジ山部が設けられている。
【0019】
ノズル部30は、容器本体10の上方から容器本体10の前方に延出しているコンバージェントノズルである。すなわち、ノズル部30の径は、容器本体10との接続部から先端にかけて徐々に小さくなっている。
【0020】
取手部40は、管状体であって、ノズル部30の中間位置と容器本体10の後方かつ上方位置との間に連通するように配設されている。より具体的には、取手部40の一方の端部がノズル部30の中間位置に取り付けられており、取手部40の他方の端部が容器本体10の上面の後方側における上方に突き出た部位11に取り付けられている。また、取手部40は、管状体であるので、ノズル部30の中間位置と容器本体10の上面の後方側に設けられた上方に突き出た部位11とを連通させる。すなわち、取手部40は、容器本体10の内部とノズル部30の内部とを連通させる。なお、容器本体10の投入口12が蓋20により塞がれると、二酸化炭素ガス散布器1の内部については、ノズル部30の先端のみが開放された状態になる。
【0021】
次に、二酸化炭素ガス散布器1の製造方法を説明する。図2に示すように、二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除いた部分は、第1部1Aと第2部1Bとによって構成されている。第1部1A及び第2部1Bのそれぞれは、二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除いた部分が底面に対して直交する一つの断面で二分割されたような部材である。図2では、第1部1Aについては二酸化炭素ガス散布器1の内側に相当する面が表示されており、第2部1Bについては二酸化炭素ガス散布器1の外側に相当する面が表示されている。第1部1A及び第2部1Bのそれぞれは、大きさが二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除いた部分の大きさの実質的に半分であり、かつ対称的な形状を有している。
【0022】
第1部1A及び第2部1Bのそれぞれは、それを製造するための金型に液状の合成樹脂を充填し、その合成樹脂が固化することによって製造される。二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除いた部分は、第1部1A及び第2部1Bのそれぞれの端面の対応する部位を対向させて、それぞれの端面を溶着することによって製造される。なお、「第1部1A及び第2部1Bのそれぞれの対応する部位を対向させる」とは、例えば、第1部1Aの容器本体10の後方部と第2部1Bの容器本体10の後方部とを対向させることや、第1部1Aのノズル部30の先端と第2部1Bのノズル部30の先端とを対向させることを意味する。
【0023】
次に、二酸化炭素ガス散布器1の使用方法を図3を用いて説明する。
【0024】
先ず、使用者は、二酸化炭素ガス散布器1と、ドライアイスと、水とを用意し、二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を容器本体10から取り外す(S1)。次に、使用者は、ドライアイス及び水を投入口12から容器本体10の内部に投入する(S2)。水の投入量について図4を用いて説明する。図4は、ステップS2における水の投入量を説明するための図であって、図1の二酸化炭素ガス散布器1の底面に直交する一つの断面を模式的に示している。図4に示すように、水位101が容器本体10のノズル部30との接続部30aより低くなるように、水100を投入する。なお、図4では、投入されたドライアイス200が、容器本体10の内部の底面に位置している状態で表現されている。
【0025】
次に、使用者は、容器本体10の投入口12の壁部の外側面に設けられている第1ネジ山部と、蓋20の側面部の内側面に設けられている第2ネジ山部とを螺合させることにより、投入口12を蓋20により閉じる(図3のS3)。
【0026】
ドライアイス及び水が容器本体10の内部に投入されたことにより、容器本体10の内部では、ドライアイスが昇華することによって二酸化炭素ガスが発生するとともに、ドライアイスに触れた水が微小な粉末状態で凍ることにより白い煙のようなもの(以下、単に「白い煙」と記載する。)が大量に発生する。そして、二酸化炭素ガスが白い煙とともに、ノズル部30の先端から二酸化炭素ガス散布器1の外部に流出する。次に、使用者は、取手部40をつかんで二酸化炭素ガス散布器1を二酸化炭素ガスの散布対象の植物が生息している場所まで持ち運ぶ。そして、図5に示すように、使用者300は、ノズル部30の先端を対象の植物400の方に向けるとともに、ノズル部30の先端からの白い煙500が進む向きを頼りにすることにより、容器本体10の内部においてドライアイスから発生した二酸化炭素ガスをノズル部30の先端から対象の植物400に散布する(図3のS4)。なお、図5では、使用者300については、右手の先端部分のみが描かれている。
【0027】
上述したように、本実施の形態の二酸化炭素ガス散布器1は、合成樹脂により形成されていて、その大きさ及び重さは、人が取手部40を用いることにより持ち運びすることができる大きさ及び重さである。そのため、自宅の庭で植物を栽培している者や通常の農業を営んでいる者(使用者)は、二酸化炭素ガス散布器1を容易に取り扱うことができる。また、使用者は、ドライアイスを入手することができる。また、使用者は、二酸化炭素ガス散布器1の容器本体10の内部にドライアイスを投入することや、蓋20により容器本体10の投入口12を塞ぐことを、容易に行うことができる。更に、使用者は、取手部40を用いることにより、二酸化炭素ガス散布器1を容易に持ち運ぶことができる。したがって、使用者は、二酸化炭素ガス散布器1を植物が生息している場所に容易に持ち運んで、容器本体10の内部でドライアイスが昇華することによって発生した二酸化炭素ガスをその植物に容易に散布することができる。二酸化炭素ガスが散布された植物は、二酸化炭素ガスが散布されていない植物よりも光合成を活発に行ってより速く成長する。したがって、二酸化炭素ガス散布器1を用いれば、簡易な方法で植物に二酸化炭素ガスを供給してその植物の成長を促進することができる。
【0028】
また、上述した実施の形態では、使用者は、二酸化炭素ガス散布器1の容器本体10の内部に、ドライアイスを投入するとともに水を投入する。水が容器本体10の内部に投入されると、ドライアイスに触れた水が微小な粉末状態で凍ることにより、容器本体10の内部には白い煙が発生し、白い煙がノズル部30の先端から二酸化炭素ガス散布器1の外部に流出する。白い煙は、上述したようにドライアイスに触れた水が微小な粉末状態で凍ったものであって容器本体10の内部において大量に生成されるので、二酸化炭素ガス散布器1の外部の気圧よりも高い圧力で二酸化炭素ガス散布器1の外部に流出する。すなわち、二酸化炭素及び白い煙は、高速で二酸化炭素ガス散布器1の外部に流出する。したがって、使用者は、白い煙が進む向きを頼りにすることにより、たとえ対象の植物の周囲に風が吹いていても、二酸化炭素ガスをその植物に的確に散布することができる。また、白い煙は水が凍ったものであるので、使用者は二酸化炭素ガスと水とを植物に同時に供給することができるという効果も奏される。すなわち、使用者は、二酸化炭素ガスと水とを別々に植物に供給する場合の手間を一つ省略することができる。
【0029】
また、上述した実施の形態では、二酸化炭素ガス散布器1の内部については、容器本体10の投入口12が蓋20により塞がれると、ノズル部30の先端のみが開放された状態になる。したがって、蓋20により投入口12が塞がれると、高圧の二酸化炭素ガス及び白い煙がノズル部30の先端から比較的高速で流出する。その結果、使用者は、二酸化炭素ガスと水が凍った白い煙とを対象の植物に的確に散布することができる。
【0030】
また、上述した実施の形態では、ノズル部30は、容器本体10の上方から容器本体10の前方に延出しているコンバージェントノズルである。すなわち、ノズル部30の径は、容器本体10との接続部から先端にかけて徐々に小さくなっている。したがって、蓋20により投入口12が塞がれると、高圧の二酸化炭素ガス及び白い煙がノズル部30の先端から比較的高速で流出する。その結果、使用者は、二酸化炭素ガスと水が凍った白い煙とを対象の植物に的確に散布することができる。
【0031】
また、上述した実施の形態では、ノズル部30が容器本体10の上方から延出している。この構成により、容器本体10の内部にドライアイスと水とを投入した場合、二酸化炭素ガスよりも液体としての水が二酸化炭素ガス散布器1の外部に優先して流出することを防止することができる。
【0032】
また、上述した実施の形態では、取手部40は、管状体であって、ノズル部30の中間位置と容器本体10の後方かつ上方位置との間に連通するように配設されている。この構成により、使用者が、容器本体10の内部に多量の水を投入してノズル部30の先端が鉛直斜め下方に向くように二酸化炭素ガス散布器1を取り扱っても、容器本体10の内部においてドライアイスが昇華することにより発生した二酸化炭素ガスは、取手部40を介して確実にノズル部30に導かれる。したがって、使用者は、たとえ容器本体10の内部に多量の水を投入しても、容器本体10の内部において発生した二酸化炭素ガスを対象の植物に的確に散布することができる。
【0033】
(変形例)
なお、上述した実施の形態では、図3のステップS2において、二酸化炭素ガス散布器1の容器本体10の内部にドライアイスと水とを投入する。しかしながら、容器本体10の内部には水を投入せずにドライアイスのみを投入してもよい。ドライアイスのみを投入しても、ドライアイスが昇華することにより容器本体10の内部には二酸化炭素ガスが発生する。ノズル部30の先端を対象の植物の方に向ければ、使用者は、その植物に二酸化炭素ガスを散布することができる。また、空気中には水分が存在するので、ドライアイスのみを投入しても、容器本体10の内部では水分が凍った白い煙がいくらか発生する。使用者は、ノズル部30の先端から流出する白い煙を短時間ではあっても視認できる可能性があるので、白い煙が進む向きを頼りにして対象の植物に二酸化炭素ガスを散布することができる可能性がある。
【0034】
また、上述した実施の形態では、ノズル部30は、コンバージェントノズルである。しかしながら、ノズル部30は、コンバージェントノズルであると限定されない。ノズル部30は、例えば径が容器本体10との接続部から先端にかけて同一のノズルであってもよい。ノズル部30がどのような形態であっても、二酸化炭素ガス散布器1の内部については、容器本体10の投入口12が蓋20により塞がれると、ノズル部30の先端のみが開放された状態になるので、蓋20により投入口12を塞ぐことにより、高圧の二酸化炭素ガス及び白い煙をノズル部30の先端から比較的高速で流出させることができる。その結果、使用者は、二酸化炭素ガスと水が凍った白い煙とを対象の植物に的確に散布することができる。
【0035】
また、上述した実施の形態では、ノズル部30は、容器本体10の上方から容器本体10の前方に延出している。しかしながら、ノズル部30は、容器本体10の上方から延出すると限定されない。ノズル部30は、容器本体10の下方から延出していてもよい。その場合、ドライアイスに触れた水が微小な粉末状態で凍ることにより発生する白い煙よりも液体としての水が多量に二酸化炭素ガス散布器1の外部に流出しないように、容器本体10に投入する水の量を少なくすることが好ましい。そのようにすれば、使用者は、大量の水が液体の状態で流出する場合に比べて長い時間にわたって、白い煙を頼りにして対象の植物に的確に二酸化炭素ガスを散布することができる。
【0036】
また、上述した実施の形態では、取手部40は、管状体であって、ノズル部30の中間位置と容器本体10の後方かつ上方位置との間に連通するように配設されている。しかしながら、取手部40は、管状体であると限定されず、例えば中空部分を有さずかつ湾曲している部材であってもよい。また、取手部40は容器本体10のみに付設されていてもよく、取手部40の容器本体10への付設位置は限定されない。要するに、取手部40は、人の手でつかむことができる部材であればよい。これにより、使用者は、二酸化炭素ガス散布器1を容易に持ち運ぶことができ、対象の植物に二酸化炭素ガスを容易に散布することができる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、二酸化炭素ガス散布器1は、合成樹脂により形成されている。しかしながら、二酸化炭素ガス散布器1の全部又は一部は、金属等の合成樹脂以外の材料によって形成されていてもよい。このように、二酸化炭素ガス散布器1を形成する材料は、限定されない。
【0038】
また、上述した実施の形態では、二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除く部分は、図2に示す第1部1Aと第2部1Bとにより構成されている。しかしながら、二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除く部分は、第1部1Aと第2部1Bとにより構成されると限定されない。例えば容器本体10、ノズル部30及び取手部40のそれぞれが独立して形成され、それらが接着剤等により接続されることによって、二酸化炭素ガス散布器1の蓋20を除く部分は製造されてもよい。要するに、二酸化炭素ガス散布器1は、容器本体10と、蓋20と、ノズル部30と、取手部40とを有していればよい。
【0039】
また、上述した実施の形態では、容器本体10に設けられている投入口12の形状は円形である。しかしながら、投入口12の形状は円形に限定されない。
【0040】
また、上述した実施の形態では、蓋20は、容器本体10に着脱自在に取り付けられる部材であって、円形の底面部と底面部の全周にわたって設けられている側面部とを有しており、側面部の内側面には、投入口12の壁部の外側面に設けられている第1ネジ山部に適切に螺合する第2ネジ山部が設けられている。しかしながら、蓋20の側面部の内側面には、投入口12の第1ネジ山部に適切に螺着することができる複数個の突起部が設けられていてもよい。その場合であっても、蓋20は、投入口12を塞ぐことができる。また、蓋20は、容器本体10から離されることなく容器本体10に取り付けられていてもよい。例えば、蓋20は、チェインにより容器本体10に取り付けられていてもよい。また、蓋20の形態は、上述した実施の形態において説明した形態に限定されず、蝶番等により、固定した状態で容器本体10に取り付けられていてもよい。要するに、蓋20は、容器本体10の投入口12を開閉可能な部材であればよい。
【0041】
このように、容器本体10、蓋20、ノズル部30及び取手部40のそれぞれの形態は、限定されない。
【0042】
また、上述した実施の形態では、二酸化炭素ガス散布器1の大きさは、幅が15〜30cm程度であり、長さが30〜50cm程度であり、高さが15〜30cm程度であって、重さは400〜700g程度である。しかしながら、二酸化炭素ガス散布器1の大きさ及び重さは、上記の値に限定されない。要するに、二酸化炭素ガス散布器1の大きさ及び重さは、人が取手部40を用いることにより持ち運びすることができる大きさ及び重さであればよい。
【0043】
また、上述した実施の形態では、容器本体10の内部にドライアイスとともに水を投入する。本願では、「水」は「湯」を含む。
【0044】
また、上述した実施の形態では、使用者は、二酸化炭素ガス散布器1を二酸化炭素ガスの散布対象の植物が生息している場所まで持ち運び、その植物に二酸化炭素ガスを散布する。しかしながら、使用者は、ドライアイスが投入された二酸化炭素ガス散布器1を、二酸化炭素ガスの散布対象の植物が生息している場所の周辺に置くだけでもよい。例えば、二酸化炭素ガスの散布対象の植物が生息している場所がビニルハウスや家庭内等の閉じた空間である場合、使用者は、ドライアイスが投入された二酸化炭素ガス散布器1をその空間に置くだけでもよい。その場合であっても、二酸化炭素ガス散布器1が置かれていない場合よりも、植物にはより多くの二酸化炭素ガスが供給されるので、植物はより早く成長する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の二酸化炭素ガス散布器は、植物に二酸化炭素ガスを供給する機器として有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 二酸化炭素ガス散布器
10 容器本体
11 投入口
20 蓋
30 ノズル部
40 取手部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライアイスの投入口を有する容器本体と、
この投入口を開閉可能な蓋と、
この容器本体から前方に延出するノズル部と、
容器本体に付設される取手部と
を備える二酸化炭素ガス散布器。
【請求項2】
上記ノズル部が、コンバージェントノズルである請求項1に記載の二酸化炭素ガス散布器。
【請求項3】
上記ノズル部が容器本体の上方から延出する請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素ガス散布器。
【請求項4】
上記取手部が、管状体からなり、ノズル部の中間位置と容器本体の後方かつ上方位置との間に連通するよう配設される請求項1、請求項2又は請求項3に記載の二酸化炭素ガス散布器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−191891(P2012−191891A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58491(P2011−58491)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(509225339)
【Fターム(参考)】