説明

二重容器及び内容器及び外容器

【課題】本発明は第1の容器(外容器)内に第2の容器(内容器)を仮止めしうる二重容器に関し、内容器の交換時における操作性の向上を図ることを課題とする。
【解決手段】外容器11と、この外容器11の内部に装着される内容器12と、装着時に内容器12を外容器11に着脱可能に仮止めする仮止め機構13と、装着状態において内容器12の外容器11に対する回転を規制する回転防止機構14とを有する。仮止め機構13は、内容器12の首部に形成された鍔部27と、外容器11に設けられ鍔部27を係止する仮止め部材とを有する。回転防止機構14は、内容器12の首部に形成された回転防止用爪28と、外容器11に設けられ回転防止用爪28と係合することにより内容器12の回転規制を行う回転防止凹部19とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二重容器及び内容器及び外容器に係り、特に重ねて装着される二つの容器の仮止めを行いうる二重容器及び内容器及び外容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、外容器の内部に内容器を収納できるようにした二重容器が知られている。この二重容器は、外容器に対して内容器を交換することが可能であるため、外容器の再利用が可能となる。よって、外から見られる外容器に対してのみ外観性の向上を図ればよく、内設される内容器は廃棄されるレフィル容器となる。このため、内容器は容器の減量化を図ることができ、地球環境への負荷の軽減を図ることができる。
【0003】
ここで、二重容器の一例として、内容物を定量吐出することができるディスペンサー容器を例に挙げて説明する。従来の二重容器構造のディスペンサー容器は、ディスペンサー(定量吐出ポンプ)を外容器にネジ締めにより取り付ける際、この螺着力により内容器も外容器に固定する構造のものが多い(特許文献1参照)。
【0004】
このディスペンサー容器において内容器を交換する場合、先ずディスペンサーを回してディスペンサーを外容器から取り外す。これにより、内容器も外容器に対して取り外し可能な状態となり、使用済みの内容器を外容器から取り外して廃棄を行う。続いて、新品である内容器を外側容器の装着位置に位置決めし、この状態を維持しつつディスペンサーを外容器にネジ止めする。以上のようにして、外容器に対する内容器の取り替え処理が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2008−189315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、レフィル容器である内容器は、内容物が漏洩しないよう内容物の取り出し口にキャップが設けられている。また、取り出し口の外周部分にネジを形成しておき、キャップをこのネジに螺着させることにより、内容物の漏洩を確実に防止することが行われている。
【0007】
従って、新品の内容器を外容器に装着する前に、或いは新品の内容器を外容器に装着した後でディスペンサーを外容器にネジ止めする前に、キャップを内容器から外す必要がある。しかしながら、新品の内容器を外容器に装着する前にキャップを取り外した場合、内容器の外容器への装着時に、内容物が内容器から飛散する可能性がある。
【0008】
一方,内容器を外容器に装着した後にキャップを取り外す方法では、従来では内容器が外容器に固定されていなかったため、キャップを回転することにより内容器も外容器に対して回転してしまい、キャップの取り外しが困難である。よって、いずれの方法を用いても、内容器の外容器へ装着する操作性が悪いという問題点があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、内容器の交換時における操作性の向上を図った二重容器及び内容器及び外容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、第1の観点からは、
第1の容器と、
該第1の容器の内部に装着される第2の容器と、
前記第1の容器に前記第2の容器が装着された際、前記第2の容器を前記第1の容器に着脱可能に仮止めする仮止め機構と、
前記第1の容器に前記第2の容器が装着された際、前記第2の容器の前記第1の容器に対する回転を規制する回転規制機構と
を有してなる二重容器により解決することができる。
【0011】
また上記の課題は、第2の観点からは、
外容器の内部に装着される内容器であって、
前記外容器に装着された際、前記外容器に設けられた係止部に係止され前記外容器に対する離脱が防止される被係止部と、
前記外容器に装着された際、前記外容器に設けられた第1の係合部と係合し、前記外容器に対する回転規制を行う第2の係合部とを有することを特徴とする内容器により解決することができる。
【0012】
また上記の課題は、第3の観点からは、
内容器を内部に装着する外容器であって、
前記内容器を装着した際、前記内容器に設けられた被係止部を係止し前記内容器の離脱を防止する係止部と、
前記内容器を装着した際、前記内容器に設けられた第1の係合部と係合し、前記内容器の回転規制を行う第2の係合部とを有することを特徴とする外容器により解決することができる。
【発明の効果】
【0013】
開示の二重容器は、装着状態において第2の容器(内容器)が第1の容器(外容器)から離脱することを防止できると共に、第2の容器(内容器)が第1の容器(外容器)内で不要に回転することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である二重容器の断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態である二重容器の分解図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態である二重容器に用いる外容器及び仮止め部材を拡大して示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示すA−A線に沿う断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態である二重容器にディスペンサーを装着した状態を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態である二重容器の断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態である二重容器の分解斜視図である。
【図8】図8は、図5に示すB−B線に沿う断面図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態である二重容器であって、内容器が外容器に仮止めされる直前の状態を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態である二重容器であって、外容器に対する内容器の仮止めが解除された状態を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態である二重容器であって、外容器に対する内容器の仮止めが解除された状態を示す断面斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態である二重容器に用いるフック部材を拡大して示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明の第1実施形態である二重容器の変形例の断面図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態である二重容器の断面図である。
【図15】図15は、本発明の第3実施形態である二重容器の分解図である。
【図16】図16は、図14に示すC1−C1線に沿う断面図である。
【図17】図17は、本発明の第3実施形態である二重容器のばね部材の近傍を拡大して示す斜視図である。
【図18】図18は、本発明の第3実施形態である二重容器のばね部材のキャップ固定ネジの近傍を拡大して示す断面図である。
【図19】図19は、本発明の第3実施形態である二重容器の仮止めが解除された状態を示す断面図である。
【図20】図20は、図19に示すC2−C2線に沿う断面図である。
【図21】図21は、本発明の第4実施形態である二重容器の断面図である。
【図22】図22は、本発明の第4実施形態である二重容器の分解図である。
【図23】図23は、本発明の第4実施形態である二重容器の仮止めが解除された状態を示す断面図である。
【図24】図24は、本発明の第5実施形態である二重容器の分解図である。
【図25】図25は、本発明の第5実施形態である二重容器のOリング近傍を拡大して示す断面図である。
【図26】図26は、本発明の第1実施形態である二重容器に吐出ノズルを装着した状態を示す断面図である。
【図27】図27は、吐出ノズルの斜視図である。
【図28】図28は、容器本体の肉厚を変化させたときの強度及び重さの変化を示す実験結果である。
【図29】図29は、環状首部の肉厚を変化させたときの剛性及び重さの変化を示す実験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0016】
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態である二重容器10Aを説明するための図である。本実施形態に係る二重容器10Aは、外容器11、内容器12、仮止め機構13、及び回転防止機構14等により構成されている。本実施形態では、二重容器10Aとしてディスペンサー90が装着される化粧品容器を例に挙げて説明するが、本発明の適用は化粧品容器に限定されるものではなく、他の容器に対しても適用できるものである。尚、各図において、X1で示す方向を上方向とし、X2で示す方向を下方向とする。
【0017】
外容器11は略円筒形状を有し、本実施形態では樹脂により形成されている。しかしながら、外容器11の材質は樹脂に限定されるものではなく、他の材料(例えば、ガラス,陶器等)を用いることも可能である。この外容器11は、筒状本体16、底部開口17、装着首部18、回転防止凹部19、及び固定用凹部20を有している。
【0018】
筒状本体16は円筒形状を有しており、本実施形態では下端部が開口されて底部開口17を形成している。後述する内容器12は、底部開口17から筒状本体16内に装入される。本実施形態では、筒状本体16の下端に底部開口17を形成したままの構成であるが、底部開口17を塞ぐ底蓋を設ける構成としてもよい。
【0019】
また筒状本体16は、レフィル容器として機能する内容器12と異なり、廃棄されずに長期にわたり使用されるものである。このため、筒状本体16は、その外周部分に外観性を向上させるための意匠を施す構成としてもよい。
【0020】
筒状本体16の上端部には、装着首部18が形成されている。装着首部18は環状の壁部であり、その内部に開口部21が形成されている。この開口部21には内容器12の装着部24が挿入され、装着部24は装着首部18に装着される。
【0021】
装着首部18は、筒状本体16よりも小さい直径を有している。よって、筒状本体16と装着首部18との間には、後述する仮止め部材30が固定される固定用凹部20が形成される(図3参照)。また、装着首部18の内周面の直径は、内容器12に取り付けられる蓋体22の直径よりも大きく設定されている。
【0022】
装着首部18の開口部21と面する内周面には、複数の回転防止凹部19が形成されている。この回転防止凹部19は、内容器12の外容器11に対する装着脱方向(図中、X1,X2方向)に延在するよう形成されている。また回転防止凹部19は、図4に示すように、装着首部18の内周面に等ピッチで多数形成されている。具体例としては、回転防止凹部19は装着首部18の内周面に10°ピッチで36個形成することができる。更に、各回転防止凹部19の下端部には、テーパ部19aが形成されている(図3参照)。
【0023】
仮止め部材30はばね性を有する材料(金属或いは樹脂等)により形成されており、図3に示されるように外容器11の固定用凹部20に固定される。この仮止め部材30は、固定部31及び仮止め爪32を有している。固定部31は環状形状を有し、固定用凹部20に固定される部位である。固定部31の固定用凹部20に対する固定は、本実施形態では接着剤を用いている。しかしながら、固定部31の固定用凹部20に対する固定はこれに限定されるものではなく、固定部31を固定用凹部20に圧入して固定する方法、また外容器11を樹脂により形成する場合にはインサート形成法を用いて固定することも可能である。
【0024】
仮止め爪32は、固定部31より下方(X2方向)に向け片持ち梁状に延出している。前記のように仮止め部材30はばね性を有する材料により形成されており、よって仮止め爪32は固定部31に対して弾性変形可能な構成となっている。また、仮止め部材30が固定用凹部20に固定された状態で、仮止め爪32は外容器11に形成された装着首部18の内側に位置している。この仮止め爪32は、後述するように内容器12に形成された鍔部27と共に仮止め機構13を構成する。
【0025】
次に、内容器12について説明する。前記した外容器11は、いわゆる外装容器であり内容物が全て排出された後も使用し続けるものである。これに対して内容器12はレフィル容器であり、内容物が排出された後は新品に取り替えが行われる容器である。この内容器12は、容器本体23と装着部24とを有した構成とされている。
【0026】
容器本体23は薄肉のチューブ形状を有し、内部に内容物(本実施形態では化粧品)が充填される。この容器本体23の厚さ(t)は、0.05mm≦t≦0.3mmに設定されている。
【0027】
装着部24は、この容器本体23の上部に一体的に設けられている。装着部24は、環状首部25、ネジ部26、鍔部27、及び回転防止用爪28等により構成されている。
【0028】
環状首部25は容器本体23に対して肉厚が厚く、よって容器本体23に対して高い剛性を有するよう構成されている。具体的には、装着部24の環状首部25の厚さ(w)は、0.5mm≦w≦4.0mmに設定されている。
【0029】
この環状首部25の内側には開口部29が形成され、容器本体23内の内容物は開口部29から取り出される。ネジ部26は、開口部29を封止する蓋体22が螺着されると共に、後述するディスペンサー90が螺着される。
【0030】
鍔部27は、装着部24の下部において外側に向け環状に延出した構成とされている。この鍔部27の外径は、前記した外容器11の装着首部18の内径よりも大きく設定されている。従って、後述するように内容器12を外容器11に挿入した場合、鍔部27は装着首部18と当接する。
【0031】
回転防止用爪28は、鍔部27の上部に複数形成されている。本実施形態では、図4に示すように、回転防止用爪28は90°間隔で4個設けられている。個々の回転防止用爪28は板状の突片であり、下辺が鍔部27と一体的に接合され、内側の側辺が環状首部25と一体的に接合された構成となっている。この回転防止用爪28は、外容器11の装着首部18に形成された回転防止凹部19と係合可能な構成となっている。
【0032】
仮止め機構13は、仮止め部材30に形成された仮止め爪32と、内容器12に形成された鍔部27とを有している。前記のように、内容器12が外容器11に挿入された際、鍔部27は装着首部18に対して大径であるため装着首部18に当接する。この当接直前において、鍔部27は仮止め爪32の突出部分を乗り越え、鍔部27が下端部18aと当接すると同時に仮止め爪32は鍔部27と係合する。
【0033】
この際、仮止め爪32はばね性を有する材料により形成されており、かつ片持ち梁状である。このため仮止め爪32は、鍔部27が仮止め爪32を乗り越える際に外側に弾性変形し、乗り越えた時点で元の状態に弾性復元する。
【0034】
この係止状態では、鍔部27の上面は装着首部18の下端部18a(図3に図示する)と当接し、また鍔部27の下面は仮止め爪32と係合し係止された状態となる。従って、内容器12は仮止め機構13により外容器11に仮止めされた状態となる。
【0035】
ここで、仮止めされた状態とは、ディスペンサー90により内容器12が外容器11に本固定される前までの状態をいう。また仮止め状態では、仮止め爪32の鍔部27を係止する係止力以上の力で内容器12を引き抜いた場合には内容器12を外容器11から取り出せるものの、この係止力以下の外力が印加された場合には内容器12は外容器11に係止(保持)された状態を維持する。
【0036】
回転防止機構14は、装着首部18に形成された回転防止凹部19と、鍔部27上に形成された回転防止用爪28とを有している。内容器12が外容器11に挿入された際、回転防止用爪28と装着首部18は対峙した状態となるが、回転防止凹部19は装着首部18の内壁に多数形成されているため、回転防止用爪28はいずれかの回転防止凹部19と係合する。
【0037】
回転防止凹部19及び回転防止用爪28は、上下方向(X1,X2方向)に延在している。このため、図1及び図4に示すように回転防止凹部19と回転防止用爪28が係合すると、外容器11に対する内容器12の回転は規制される。よって、外容器11或いは内容器12に回転方向に力が印加されても、外容器11内で内容器12が回転するようなことはない。
【0038】
続いて、上記構成とされた二重容器10Aにおいて、外容器11に内容器12を装着する操作、及び外容器11から内容器12を離脱させる操作について説明する。
【0039】
内容器12を外容器11に装着するには、図2に示すように、内容器12を底部開口17から外容器11の筒状本体16内に挿入する。即ち本実施形態では、内容器12は、外容器11の底部から挿入される。また、この挿入時において、内容器12のネジ部26には蓋体22が螺着されており、よって容器本体23内の内容物が外部に漏洩しない状態となっている。
【0040】
蓋体22の外形は、装着首部18の内径よりも小さく設定されている。よって、蓋体22を含め環状首部25は、外容器11の装着首部18(開口部21)内に挿入される。この挿入に伴い、回転防止用爪28が装着首部18と対峙した状態となる。
【0041】
しかしながら、前記のように装着首部18の内周面には多数の回転防止凹部19が形成されているため、回転防止用爪28はこの回転帽子溝19内に進行し、これにより回転防止用爪28は回転防止凹部19と係合した状態となる。このように、回転防止機構14を構成する回転防止用爪28と回転防止凹部19とが係合することにより、外容器11内における内容器12の回転が防止される。
【0042】
尚、回転防止用爪28が回転防止凹部19に挿入される際、回転防止用爪28が一対の回転防止凹部19間に当接することも考えられる。しかしながら、前記のように回転防止用爪28は装着首部18の内周面に多数形成されおり、かつ各々の回転防止凹部19の下部には回転防止用爪28を案内するテーパ部19aが形成されている。このため、内容器12を若干量回転させることにより、回転防止用爪28を回転防止凹部19と係合させることができる。
【0043】
回転防止用爪28と回転防止凹部19とが係合した状態で、更に内容器12を外容器11に挿入すると、鍔部27が仮止め部材30の仮止め爪32(具体的には、内側に突出した部分)に当接する。この状態で更に内容器12を挿入すると、ばね性を有する材料よりなり片持ち梁状の仮止め爪32は外側に弾性変形する。これにより、鍔部27は仮止め爪32を乗り越える。
【0044】
そして、鍔部27が仮止め爪32を乗り越えた状態で、鍔部27の上面は装着首部18の下端部18aと当接し、仮止め爪32は鍔部27の下面と係合し鍔部27を係止する。このように仮止め機構13を構成する仮止め爪32が鍔部27を係止することにより、内容器12は外容器11に仮止めされた状態となる。
【0045】
上記のように内容器12が外容器11に仮止めされると、内容器12から蓋体22が取り外される。この取り外しの際、蓋体22を内容器12に対して回転させる必要があるが、前記のように仮止め機構13により内容器12は外容器11に仮止めされており、かつ回転防止機構14により外容器11に対する内容器12の回転は防止されているため、蓋体22を容易に内容器12から取り外すことができる。
【0046】
蓋体22が内容器12から取り外されると、二重容器10Aに対してディスペンサー90が装着される。蓋体22が取り外された状態において、外容器11の環状首部25は外容器11の天板部11aから上方に突出した状態となっている。ディスペンサー90は、この環状首部25に形成されたネジ部26に装着される。
【0047】
図5は、ディスペンサー90がネジ部26に螺着された状態(この状態を装着状態という)を示している。装着状態において、ディスペンサー90のキャップ91は、ネジ部26への螺着力によりその下端部91aが外容器11の天板部11aを押圧している。この押圧力により、相対的に環状首部25(内容器12)は上方向(X1方向)に付勢される。
【0048】
また、内容器12が上方向に付勢されることにより、内容器12に設けられている鍔部27は装着首部18の下端部18aに押圧される。このように、ディスペンサー90がネジ部26に螺着されることにより、外容器11と内容器12は確実に固定される。即ち、ディスペンサー90が取り外されるまで、外容器11と内容器12は固定された状態を維持される(この状態を本固定状態という)。この本固定状態において、ディスペンサー90を用いて容器本体23に充填されている内容物の定量吐出処理が行われる。
【0049】
次に、容器本体23に充填されていた内容物が全て吐出され、使用済みの内容器12を新品の内容器12に取り替えるときの操作について説明する。
【0050】
内容器12を取り替えるには、先ずディスペンサー90を回転し、内容器12(装着部24)のネジ部26からディスペンサー90を取り外す。この際、前記のように回転防止機構14の回転防止用爪28は回転防止凹部19に係合した状態を維持しているため、外容器11に対して内容器12が回転するようなことはなく、容易かつ操作性よくディスペンサー90をネジ部26から取り外すことができる。
【0051】
また、ディスペンサー90が取り外された状態において、内容器12は仮止め機構13により外容器11に仮止めされた状態を維持している。よって、ディスペンサー90を取り外したときに、直ちに内容器12が外容器11から外れて落下してしまうことを防止できる。
【0052】
仮に、内容器12が落下した場合には容器本体23内に残存する化粧料が床に飛散して汚染されるおそれがある。また、この落下を防止するには、内容器12を手で支えつつディスペンサー90を回転させる必要が生じ、操作性が極めて悪くなってしまう。これに対して本実施形態では、仮止め機構13により内容器12が外容器11に仮止めされているため、このような不都合が発生することを防止できる。
【0053】
一方、仮止め状態から内容器12を外容器11から取り外すには、内容器12を下方(X2方向)に強く引き抜く処理を行う。具体的には、仮止め爪32の鍔部27に対する係止力以上の力で、内容器12を下方に引き抜く。
【0054】
これにより、ばね性を有する材料よりなり片持ち梁状の仮止め爪32は外側に向け弾性変形し、仮止め爪32による鍔部27の係止は解除される。従って、仮止め機構13による仮止めは解除され、内容器12を外容器11から取り外すことができる。また、内容器12を外容器11に対してX2方向に引き抜く際、回転防止用爪28は装着首部18から離脱し、回転防止機構14による回転防止も解除される。
【0055】
上記のように、本実施形態による二重容器10Aは、外容器11に対する内容器12の装着操作、及び外容器11から内容器12を取り外す操作を容易に行うことができる。また、外容器11に対する内容器12の仮止めは、単に内容器12の装着部24を外容器11の装着首部18に挿入すればよいため、この仮止め処理も容易に行うことができる。
【0056】
尚、上記した実施形態では、外容器11側に回転防止凹部19を形成し、内容器12側に回転防止用爪28を形成した構成とした。しかしながら、内容器12側に回転防止凹部19を形成し、外容器11側に回転防止用爪28を形成する構成とすることも可能である。
【0057】
一方、前記したように本実施形態では、容器本体23の厚さ(t)を0.05mm≦t≦0.3mmに設定し、装着部24の環状首部25の厚さ(w)を0.5mm≦w≦4.0mmに設定した。このように容器本体23の厚さ(t)、環状首部25の厚さ(w)を設定することにより、環状首部25の剛性を高めつつ軽量化を図った内容器12を実現することができる。以下、これを実証するため本発明者が行った実験について説明する。
【0058】
図28は、容器本位23の肉厚(t)を変化させたときの内容器12の強度及び重さを示している。本実験では容器本位23の直径、肩部及び底部に形成された湾曲部の半径、及び内容積は同一とし、容器本位23の肉厚(t)のみを変化させた内容器12を作製し、これに対して強度及び重さの測定を行った。
【0059】
ここで、強度試験は作製した内容器に内容物を充填し、これを所定の高さから落下させ、その際に破損が発生するか否かで判定を行った。強度の判定は、破損が発生した場合には「×」、破損が発生しなかった場合には「○」、更に破損が発生せずかつ変形等の発生も少なかった場合には「◎」とした。また重さの判定は、従来の二重容器として使用される一般的な内容器の平均重さ(容積は同一とする)を基準とし、これと同等の重さの場合には「×」、軽量化が図られている場合には「○」、軽量化が大きく図られている場合には「◎」とした。
【0060】
図28より、容器本体23の厚さtが0.05mm未満であると、重さに関しては軽量化が図れるが、強度が十分に得られないことがわかる。また、容器本体23の厚さtが0.3mmを超えると、逆に強度は十分に得られるが、軽量化が図れないことがわかる。従って、図28に示す実験結果より、容器本体23の厚さ(t)を0.05mm≦t≦0.3mmとすることにより、十分な強度を実現できると共に軽量化を図りうる内容器を実現できることが実証された。
【0061】
また、図29は、容器本位23の環状首部25の肉厚(w)を変化させたときの内容器12の重さ及び環状首部25の剛性を示している。実験条件は、基本的には図28を用いて説明した実験と同じである。また、剛性の判定は、作製した各種内容器の首部にディスペンサー90を装着することで行い、この時に首部の剛性が低いために装着操作性が不良であった場合には「×」、装着が可能であった場合は「○」、装着操作性が極めて良好であった場合には「◎」とした。尚、重さの判定は、図28に示した実験と同じ判定を行った。
【0062】
図29より、環状首部25の厚さ(w)が0.5mm未満であると、重さに関しては軽量化が図れるが、剛性が低くディスペンサーの装着操作性が低下してしまうことがわかる。また、環状首部25の厚さ(w)が4.0mmを超えると、逆に剛性は十分に得られるが、軽量化が図れないことがわかる。従って、本実験結果より、環状首部25の厚さwを0.5mm≦w≦4.0mmとすることにより、ディスペンサー90やキャップ等が装着されると共に外容器11に挿入される環状首部25の剛性を高めることができると共に軽量化を図りうる内容器を実現できることが実証された。
【0063】
次に、上記した第1実施形態に係る二重容器10Aの変形例について説明する。図13は、第1実施形態に係る二重容器10Aの変形例である二重容器10Bを示している。この二重容器10Bは、内容器12側に回転防止凹部と同等の機能を奏する歯形付き鍔部34を形成すると共に、外容器11側に回転防止用爪35を形成した構成とされている。
【0064】
本変形例における回転防止機構14は、外容器11の装着首部18に形成された回転防止用爪35と、内容器12の環状首部25に形成された歯形付き鍔部34とを有している。
【0065】
歯形付き鍔部34、環状首部25から外側に向け延出した構成とされている。この歯形付き鍔部34は、所定のピッチで外側に向け突出した凸部34aが複数個形成された構成とされている。従って、歯形付き鍔部34は、凸部34aと、この一対の凸部34a間に相対的に形成される凹部34bとが交互に形成された構成となっている。
【0066】
また、回転防止用爪35は本変形例では1個設けられており、天板部11aから下方に向け延出するよう形成されている。この回転防止用爪35は、歯形付き鍔部34の凹部34b内に係合するよう構成されている。このように、回転防止用爪35が歯形付き鍔部34と係合することにより、本変形例においても外容器11に対する内容器12の回転は規制される。
【0067】
また、本変形例に係る仮止め機構13は、第1実施形態の二重容器10Aに設けられたものと略同一構成である。具体的には、フック爪32が歯形付き鍔部34の凸部34aと係合することにより、内容器12は外容器11に仮止めされる。
【0068】
尚、上記した第1実施形態及びその変形例では、外容器11と仮止め部材30とを別体とした例を示したが、外容器11と仮止め部材30が一体化した構成とすることも可能である。
【0069】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0070】
図6乃至図11は、第2実施形態である二重容器40を説明するための図である。
尚、図6乃至図11において、前記した第1実施形態の二重容器10A,10Bの説明に用いた図1乃至図5に示した構成と対応する構成については、同一符号を付して適宜その説明を省略するものとする。また、以下説明する各実施例の説明に用いる各図において、内容器42は中空構造であるが、内容器42の断面を図示する場合に、図示の便宜上その全体にハッチングを記載した。
【0071】
本実施形態に係る二重容器40は、外容器41、内容器42、仮止め・回転防止機構43A等により構成されている。本実施形態においても、二重容器40として化粧品容器を例に挙げて説明する。また各図において、X1で示す方向を上方向とし、X2で示す方向を下方向とする。
【0072】
外容器41は略円筒形状を有し、本実施形態においても樹脂成形されたものを例に挙げている。しかしながら、外容器41を他の材料(例えば、ガラス,陶器等)を用いてもよいことは第1実施形態と同様である。この外容器41は、筒状本体46、底部開口47、天板部48、軸受部49、挿通孔50A、及び突出部51を有している(図6及び図7参照)。
【0073】
筒状本体46は円筒形状を有しており、本実施形態も下端部に底部開口47が形成されている。内容器42は、この底部開口47から筒状本体46内に装入される。この外容器41もレフィル容器として機能する内容器42とは異なり、廃棄されずに長期にわたり使用されるものである。
【0074】
天板部48は、筒状本体46の上端部に形成されている。天板部48は、その中央部分に開口部67が形成されている。この開口部67の縁部には、軸受部49及び突出部51が形成されている。軸受部49は、後述するフック部材59Aを軸承する部位である。本実施形態では、軸受部49は120°間隔で3個設けられている。
【0075】
また、突出部51は、天板部48から上方に向けて突出するよう構成されている。この突出部51は、各軸受部49の間に形成されている。更に、天板部48の突出部51が形成された位置の外側には、複数の挿通孔50Aが形成されている。この挿通孔50Aは、後述するばね部材58Aに形成されたレバー部72に対応するよう形成されている。
【0076】
また、天板部48の背面側には、下方に向け延出する下方延出部56が形成されている。この下方延出部56は、軸受部49の形成位置を除き設けられている。この下方延出部56の内径は、突出部51の内径に比べて大きく設定されている。従って、天板部48の突出部51の形成位置の背面側には段差が形成される。以下、天板部48の背面で、下方延出部56の内側で段差を形成する面を当接面48aという。
【0077】
内容器42はレフィル容器であり、内容物が排出された後は新品に取り替えが行われる容器である。この内容器42は、容器本体53と装着部54とを有した構成とされている。容器本体53はチューブ形状を有し、内部に内容物(本実施形態では化粧品)が充填される。また本実施形態では、内容物の排出に伴いランダムな変形が発生しないよう、容器本体23に複数のリブ42aが形成されている。
【0078】
装着部54は、この容器本体53の上部に一体的に設けられている。装着部54は、図示しないネジ部と歯形付き鍔部55とを有している。ネジ部は、蓋体52を螺着すると共に、本固定時においてディスペンサー90が螺着される。
【0079】
歯形付き鍔部55は、図11に拡大して示すように、装着部54から外側に向け延出した構成とされている。この歯形付き鍔部55は、所定のピッチで外側に向け突出した凸部55aが複数個形成された構成とされている。
【0080】
従って、歯形付き鍔部55の外周部分は、凸部55aと、この一対の凸部55a間に相対的に形成される凹部55bとが形成された構成となっている。また、歯形付き鍔部55の直径は、後述するように内容器42を外容器41に挿入した際に当接面48aと当接するよう設定されている。
【0081】
仮止め・回転防止機構43Aは、歯形付き鍔部55、操作キャップ57A、ばね部材58A、及びフック部材59A等を有している。この仮止め・回転防止機構43Aは、前記した第1実施形態における仮止め機構13と回転防止機構14とを一体化したと等価な構成とされている。
【0082】
よって、内容器42を外容器41に装着した際、仮止め・回転防止機構43Aにより内容器42は外容器41に仮止めされると共に外容器41に対する回転が規制される。以下、仮止め・回転防止機構43Aの構成について説明する。
【0083】
操作キャップ57Aは、図11に拡大して示すように、環状部61、筒状部63、フック部64、係合爪65、押圧片部66、当接片部68、及び開口部69等を有している。環状部61はリング状の部分であり、操作時には操作者によりこの環状部61が把持され操作される。
【0084】
この環状部61の中央部には、開口部69が形成されている。開口部69の直径は、蓋体52が装着された状態における装着部54の直径よりも大きく設定されている。また、同様に外容器41に形成された開口部67の直径も、蓋体52が装着された状態における装着部54の直径よりも大きく設定されている。
【0085】
筒状部63は、環状部61の背面側に下方に延出するよう設けられている。操作キャップ57Aは、後述するばね部材58Aのばね力により下方向(X2方向)に付勢される。しかしながら、環状部61が外容器41の天板部48と当接することにより、操作キャップ57Aの下方向への移動が規制される構成となっている。
【0086】
また、筒状部63の内周面には、複数の係合爪65が形成されている。この係合爪65は、ばね部材58Aに形成された係合孔74の縁部と係合する(図6,図11参照)。よって、操作者により操作キャップ57Aが上方向(X1方向)に移動操作されると、係合爪65がばね部材58Aと係合していることにより、ばね部材58Aも上方向に移動される。
【0087】
フック部64は、筒状部63の下部よりも更に下方向(X2方向)に延出しており、その先端部には外側に向け突出したフック爪64aが形成されている。このフック部64は、外容器41の天板部48に形成された挿通孔50A内に挿入される。
【0088】
前記のように、フック部64の下端部には外側に向け突出したフック爪64aが形成されているため、挿通孔50Aにフック部64を挿入することによりフック爪64aは天板部48の背面と係合する。これにより、操作キャップ57Aは外容器41からの離脱が防止される。しかしながら、フック部64のX1,X2方向の長さ分にわたり、操作キャップ57Aは外容器41に対して上下移動可能な構成となっている。
【0089】
押圧片部66及び当接片部68は、環状部61の背面で軸受部49と対向する位置に設けられている。尚、この押圧片部66及び当接片部68については、説明の便宜上、後述するフック部材59Aの説明の時に合わせて説明するものとする。
【0090】
次に、ばね部材58Aについて説明する。
【0091】
ばね部材58Aは、ばね性を有する材料により形成されている。このばね部材58Aは、天板部71、レバー部72、凹部73、係合孔74等を有している。天板部71は環状形状を有しており、その中央に開口部76が形成されている。この開口部76も、蓋体52が装着された状態における装着部54の直径よりも大きく設定されている。
【0092】
また、ばね部材58Aは、図6及び図11に示されるように、操作キャップ57Aの内部に装着される。このため、天板部71の外形は、前記した操作キャップ57Aの筒状部63の内径よりも小さく設定されている。
【0093】
レバー部72は、天板部71から下方に向け延出している。このレバー部72は、外容器41に形成された軸受部49内に挿入され、天板部48の縁部48b(図10,図11に現れる)と当接する。また、レバー部72は、天板部71から下方向にいくに従い、外側に向け広がった形状とされている。
【0094】
更に、レバー部72は、ばね部材58Aが外容器41に装着された状態において、天板部48の縁部48bを外側に向け押圧するようばね力を付勢する構成とされている。従って、このばね力によりばね部材58Aは、常に天板部48に対して下方向(X2方向)に移動しようとする力(ばね力)が作用している。
【0095】
凹部73は、軸受部49の位置に対応するよう天板部71に形成されている。この凹部73の内部には、後述する軸受部49が配設される。また係合孔74(図6,9参照)はばね部材58Aの側面に形成されており、前記のように操作キャップ57Aに形成された係合爪65と係合する。
【0096】
次に、フック部材59Aについて説明する。
【0097】
図12は、フック部材59Aを拡大して示している。フック部材59Aは樹脂成型品であり、回転軸77、フック爪78、第1突起79、及び第2突起82が一体的に形成されている。
【0098】
回転軸77は、外容器41に設けられた軸受部49に軸承される。これにより、フック部材59Aは軸受部49に対して回転可能な構成となる。図8は、回転軸77が軸受部49に軸承された状態を示している。
【0099】
尚、本実施形態では回転軸77を他の構成と共に一体的に樹脂成型しているが、回転軸を金属製の軸部材とし、これをフック部材59Aに固定する構成としてもよい。しかしながら、本実施形態では軸受部49をフック爪78等の他の構成要素と同時形成できるため、回転軸を別部材とする構成に比べ、部品点数の削減及び組み立て性の面から有利である。
【0100】
フック爪78は、フック部材59Aを軸受部49に装着した状態において、開口部67側に位置するよう形成されている。このフック爪78は、後述するように内容器42が外容器41に装着された際に歯形付き鍔部55と係合する。
【0101】
第1突起79は、第1面80と第2面81を有した断面三角形状の突起である。また、第2突起82も断面三角形状の突起であり、その一面は当接面83とされている。
【0102】
図6及び図11に示すように、フック部材59Aが軸受部49に装着された状態(以下、フック装着状態という)において、第1突起79の第1面80は、操作キャップ57Aの環状部61の背面から下方に延出形成された押圧片部66と対向するよう構成されている。
【0103】
また、フック装着状態において、第1突起79の第2面81はばね部材58Aの縁部75と対向するよう構成され、更に第2突起82の当接面83は操作キャップ57Aの環状部61の背面から下方に延出形成された当接片部68と対向するよう構成されている。
【0104】
従って、操作キャップ57Aが下方向(X2方向)に移動した場合、押圧片部66も下方向に移動(下動)して第1面80を押圧する。第1面80は、フック部材59Aの回転中心である回転軸77よりも上部に位置するため、第1面80が押圧片部66で押圧されることにより、フック部材59Aはフック爪78は内側(図6に矢印E1で示す方向)に移動する。
【0105】
しかしながら、操作キャップ57Aの下動は、前記のように操作キャップ57Aの筒状部63が外容器41の天板部48と当接することにより規制される。従って、筒状部63と天板部48とが当接した後は、フック部材59Aはそれ以上の移動(E1方向への移動)が規制される。尚、以下の説明において、筒状部63が天板部48と当接している状態を仮止め状態というものとする。
【0106】
一方、第2面81は、ばね部材58Aの縁部75と対向している。よって、ばね部材58Aが上方向(X1方向)に移動した場合、係合孔74は第2面81を押圧しつつ上動する。図6に示すように、仮止め状態において第2面81は斜め上方に傾いた状態となっている。従って、ばね部材58Aの縁部75が、この斜め上方に傾いた第2面81を上方向(X1方向)に押圧することにより、フック部材59Aは外側(図6に矢印E2で示す方向)に移動する。
【0107】
しかしながら、フック部材59AがE2方向に移動するに従い、第2突起82の当接面83は当接片部68に近接していく。そして、当接面83が当接片部68に当接すると、フック部材59Aのそれ以上の回転移動は規制される。従って、当接面83が当接片部68と当接した後は、フック部材59Aはそれ以上の移動(E2方向への移動)が規制される。尚、以下の説明において、当接面83が当接片部68と当接している状態を仮止め解除状態というものとする。
【0108】
続いて、上記構成とされた二重容器40において、外容器41に内容器42を装着する操作、及び外容器41から内容器42を離脱させる操作について説明する。
【0109】
図9は、内容器42が外容器41に仮止めされる直前の状態を示している。本実施形態においては、内容器42が外容器41に装着されてない状態においても、仮止め・回転防止機構43Aは仮止め状態となるよう設定されている。この仮止め状態では、前記のようにばね部材58Aは下方向に付勢されている。
【0110】
また、ばね部材58Aの係合孔74に係合爪65が係合していることにより操作キャップ57Aも下方向に付勢され、押圧片部66はフック部材59Aの第1面80を下方に向け押圧している。これにより、フック爪78は、図9に示すように、上下方向に延出した状態(X1,X2方向と略並行な状態)となっている。この仮止め状態において、フック部材59Aのフック爪78は、開口部67の内側に向け突出するよう設定されている。
【0111】
内容器42を外容器41に装着するには、内容器42を底部開口47から外容器41の筒状本体46内に挿入する。内容器42のネジ部(図示を省略)には蓋体52が螺着されており、よって挿入時において容器本体53内の内容物が外部に漏洩しない状態となっている。
【0112】
蓋体52の外形は、外容器41、操作キャップ57A、及びばね部材58Aに形成された開口部67,69,76の内径よりも小さく設定されている。よって、蓋体52を含め環状首部25は、各開口部67,69,76内に挿入可能となっている。従って、外容器41へ内容器42を挿入することにより、蓋体52(装着部54)は開口部67,69,76内に挿入されていく。
【0113】
また、仮止め状態においては、フック部材59AがE1方向に変位した位置にあり、この状態でフック爪78は開口部67内に突出した状態となっている。しかしながら、蓋体52(装着部54)は開口部67,69,76内への挿入に際し、フック部材59Aとは係合しない大きさとされている。
【0114】
これに対し、内容器42の装着部54よりも下部に形成された歯形付き鍔部55は、フック爪78と係合する大きさとされている。従って、内容器42を外容器41に挿入すると、歯形付き鍔部55はフック部材59Aのフック爪78と当接する。各図に示すように、フック爪78には傾斜面が設けられている。よって、内容器42がX1方向に進行するに従い、歯形付き鍔部55は傾斜面を押圧する。これにより、フック部材59Aは、操作キャップ57Aの弾性付勢力に抗して矢印E2方向に移動する。
【0115】
そして、歯形付き鍔部55がフック爪78を乗り越えると、フック部材59Aはばね部材58Aの弾性復元力によりE1方向に変位し、フック爪78は歯形付き鍔部55と係合し仮止め状態となる。この仮止め状態では、歯形付き鍔部55の上面は当接面48aと当接し、下面はフック爪78により係止されている。よって、内容器42は外容器41にガタツキなく確実に仮止めされる。図6は、内容器42が外容器41に仮止めされた状態を示している。
【0116】
この際、フック爪78の幅寸法(図12に矢印Wで示す)は、歯形付き鍔部55に設けられた凸部55aの配設ピッチよりも小さく設定されている。従って仮止め状態において、フック部材59Aは凹部55bの内部に位置している。よって、内容器42が外容器41に対して回転しようとしても、フック部材59Aの側部が凸部55aと当接することにより回転が防止される。
【0117】
また、仮止め状態において、フック爪78の段差部分が歯形付き鍔部55の下面と係合し係止する。従って、内容器42が外容器41に対して下方向(X2方向)に付勢されたとしても、フック爪78が歯形付き鍔部55を係止しているため、内容器42が離脱するようなことはない。
【0118】
特に、本実施形態ではばね部材58Aのばね力により、フック部材59Aはフック爪78が歯形付き鍔部55に向け付勢されている。よって、内容器42の離脱をより確実に防止することができ、仮止めの信頼性を高めることができる。
【0119】
尚、フック爪78が歯形付き鍔部55と係合する際、フック爪78が凸部55aと当接することが考えられる。しかしながら、凸部55aは多数形成されおり、またその大きさは内容器42の回転防止を行うに足る最小の大きさとされている。このため、内容器42を若干量回転させることにより、フック爪78を凹部55b内に位置させることができる。
【0120】
上記のように内容器42が外容器41に仮止めされると、第1実施形態と同様に内容器42から蓋体52が取り外される。この取り外しの際、蓋体52を内容器42に対して回転させる必要があるが、本実施形態においては仮止め・回転防止機構43Aにより内容器42は外容器41に仮止めされており、かつ外容器41に対する内容器42の回転も防止されている。このため、本実施形態に係る二重容器40においても、蓋体52を容易に内容器42から取り外すことができる。
【0121】
蓋体52が内容器42から取り外されると、二重容器40に対してディスペンサー(本実施形態では図示せず)が装着される。これにより、外容器41と内容器42は、本固定される。この本固定状態において、ディスペンサーを用いて容器本体53に充填されている内容物の定量吐出処理が行われる。
【0122】
次に、本実施形態に係る二重容器40において、使用済みの内容器42を新品の内容器42に取り替えるときの操作について説明する。
【0123】
内容器42を取り替えるには、先ずディスペンサーを内容器42(装着部54)から取り外す。この取り外しの際も、仮止め・回転防止機構43Aにより外容器41に対する内容器42の回転は防止されているため、操作性よくディスペンサーを取り外すことができる。
【0124】
また、ディスペンサーが取り外された状態において、内容器42は仮止め・回転防止機構43Aにより外容器41に仮止めされた状態を維持している。よって、ディスペンサーを取り外したときに、直ちに内容器42が外容器41から外れて落下してしまうことを防止できる。
【0125】
一方、仮止め状態から内容器42を外容器41から取り外すには、操作キャップ57Aを把持してこれを外容器41に対して離間する方向に移動させる(図中、X1で示す上方向)に引き上げる。操作キャップ57Aが引き上げられることにより、係合爪65を介して操作キャップ57Aに係合されているばね部材58Aの上方向に移動される。
【0126】
前記のように、ばね部材58Aの縁部75は、フック部材59Aの第2面81と対向している。よって、ばね部材58Aが上動することにより縁部75は第2面81を押圧し、これによりフック部材59Aは矢印E2方向に回転する。これにより、フック爪78は内容器42の歯形付き鍔部55から離間し、仮止め及び回転の規制は解除される。これにより、仮止め・回転防止機構43Aによる仮止めは解除され、内容器42を外容器41から取り外すことができる。
【0127】
尚、操作キャップ57Aが仮止めを解除しうる所定量だけ上動された際、当接面83が当接片部68に当接すると共に、フック部64に設けられたフック爪64aが天板部48の裏面と当接する。これにより、操作キャップ57Aの上動は規制され、よって操作キャップ57Aが外容器41から離脱することを防止できる。
【0128】
また、上記のように仮止めが解除されると、操作者は操作キャップ57Aから手を離す。前記したように、ばね部材58Aが上動されると、レバー部72は縁部48bにより図10に矢印Dで示す方向に移動付勢され、これによりばね力を蓄成する。そして、操作者が操作キャップ57Aから手を離すことにより、蓄成されたばね力によりばね部材58Aは下方向に向け移動付勢される。
【0129】
ばね部材58Aが下動すると、操作キャップ57Aもこれに伴い下動する。そして、筒状部63の下端部が天板部48に当接することにより、仮止め・回転防止機構43Aは仮止め状態に戻る。
【0130】
上記のように、本実施形態に係る二重容器40によっても、外容器41に対する内容器42の装着操作、及び外容器41から内容器42を取り外す操作を容易に行うことができる。また、外容器41に対する内容器42の仮止めは、単に内容器42の装着部54を外容器41の装着首部18に挿入すればよいため、この仮止め処理も容易に行うことができる。更に、使用済みの内容器42を外容器41から排出するには、操作キャップ57Aを引き上げるだけで済み、内容器42の排出処理も容易に行うことができる。
【0131】
尚、本実施形態では操作キャップ57Aを外容器41に対して離間する方向に移動させることにより仮止めを解除する構成としたが、操作キャップ57Aを外容器41に対して近接する方向に移動させることにより仮止め状態を解除する構成とすることも可能である。
【0132】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0133】
図14乃至図20は、第3実施形態である二重容器90を説明するための図である。尚、図14乃至図20において、前記した第1及び第2実施形態の二重容器10A,10B,40の説明に用いた図1乃至図13に示した構成と対応する構成については、同一符号を付して適宜その説明を省略するものとする。
【0134】
本実施形態に係る二重容器90は、外容器41、内容器42、仮止め・回転防止機構43B等により構成されている。本実施形態においても、二重容器90として化粧品容器を例に挙げて説明する。
【0135】
前記した第2実施形態に係る二重容器40に設けられた仮止め・回転防止機構43Aは、内容器42を外容器41からを離脱させる際、操作キャップ57Aを外容器41に対して離間させる方向(X1方向)に移動させる構成とされていた。これに対して本実施形態に係る二重容器90に設けられた仮止め・回転防止機構43Bは、操作キャップ57Aを外容器41に対して回転させることにより内容器42を外容器41からを離脱させるよう構成したものである。
【0136】
図14及び図15に示されるように、筒状本体46の天板部48には、軸受部49、挿通孔50B、突出部51、下方延出部56、及び開口部67等が形成されている。開口部67は天板部48の中央に形成されており、その縁部には軸受部49及び突出部51が形成されている。
【0137】
軸受部49はフック部材59Bを軸承する部位であり、本実施形態ではフック部材59Bはピン62により軸受部49に取り付けられる。また本実施形態では、軸受部49は180°間隔で2個設けられている。
【0138】
また、天板部48の突出部51が形成された位置の外側には、2個の挿通孔50Bが開口部67を介して形成されている。この挿通孔50Bは円弧形状(三日月形状)を有しており、開口部67を介して対向するよう(180°離間して)形成されている。
【0139】
また、挿通孔50Bの形成位置は、軸受部49の形成位置に対して90°ずれるよう設定されている。この挿通孔50Bは、後述する操作キャップ57Bに螺着されキャップ固定ネジ95が挿通される。更に、天板部48の所定位置には、操作キャップ57Bに形成される位置決め凸部98と共に外容器41に対する操作キャップ57Bの位置決めを行う位置決め凹部97が形成されている。
【0140】
一方、天板部48の背面側には、下方に向け延出する下方延出部56が形成されている。この下方延出部56は軸受部49の形成位置を除き設けられ、その内径は突出部51の内径に比べて大きく設定されている。従って、本実施形態においても、天板部48の背面で下方延出部56の内側には当接面48a(段差)が形成される。
【0141】
仮止め・回転防止機構43Bは、歯形付き鍔部55(内容器42に形成されている)、操作キャップ57B、ばね部材58B、及びフック部材59B等を有している。この仮止め・回転防止機構43Bも、前記した第1実施形態における仮止め機構13と回転防止機構14とを一体化した構成とされている。
【0142】
操作キャップ57Bについて、図14及び図5に加えて図16を用いて説明する。図16は、図14におけるC1−C1線に沿う断面図である。
【0143】
操作キャップ57Bは、環状部61、筒状部63、開口部69、操作部70、及びリブ84等を有している。環状部61はリング状の部分であり、操作時には操作者によりこの環状部61が把持され操作される。この環状部61の中央部には、開口部69が形成されている。
【0144】
筒状部63は、環状部61の周縁から下方に延出するよう設けられている。操作キャップ57Bが外容器41に取り付けられた状態において、筒状部63の下端部は外容器41の天板部48に摺接する。
【0145】
また、筒状部63の下端部の所定位置には、前記した天板部48に形成された位置決め凹部97と係合する位置決め凸部98が形成されている。位置決め凸部98が位置決め凹部97に係合することにより、操作キャップ57Bは外容器41に対して位置決めが行われる。尚、位置決め凹部97と位置決め凸部98とが係合した状態における、外容器41に対する操作キャップ57Bの位置を基準位置というものとする。
【0146】
操作部70及びリブ84は、環状部61の背面に形成されている。図16を用いて、この操作部70及びリブ84について説明する。
【0147】
操作部70は、環状部61の背面から下方に向け(X2方向に向け)延出するよう形成されている。この操作部70の環状部61の背面からの長さは筒状部63の高さよりも小さく設定されており、後述するようにフック部材59Bの被操作部96と係合しうる長さに設定されている。
【0148】
また操作部70は、開口部69を介して対向するよう設けられている。即ち、操作部70は2個形成されており、それぞれは180°離間するよう形成されている。この操作部70は、湾曲した三日月形状を有している。また、環状部61(開口部69)の中心点Oを中心とした操作部70の曲率は、中央部分と両端部分で異なるよう設定されている。具体的には、操作部70の中央部における中心点Oからの半径R1は、操作部70の両端部における中心点Oからの半径R2に比べて長く設定されている(R1>R2)。
【0149】
リブ84も環状部61の背面から下方に向け(X2方向に向け)延出するよう形成されている。このリブ84の環状部61の背面からの長さは、筒状部63の高さよりも長く設定されている。具体的には、リブ84の長さ及び形成位置は、図18に拡大して示すように、リブ84の先端部の一部が天板部48に形成された挿通孔50Bの内部に移動可能に挿入されるよう設定されている。
【0150】
また、リブ84にはねじ孔84aが形成されており、このねじ孔84aには外容器41の内側からキャップ固定ネジ95が螺着される。実際に操作キャップ57Bを外容器41に取り付けるときには、後述するばね部材58Bを外容器41に装着した後に、操作キャップ57Bを外容器41に取り付ける。
【0151】
キャップ固定ネジ95の頭部95aは、挿通孔50Bの幅よりも大きく設定されている。従って、キャップ固定ネジ95をねじ孔84aに螺着した後は、頭部95aが天板部48の背面に係合することにより、操作キャップ57Bは外容器41に取り付けられた状態となる。
【0152】
また、前記のように挿通孔50Bは円弧形状(三日月形状)を有した長孔であり、この挿通孔50Bに沿ってリブ84(キャップ固定ネジ95)は移動可能な構成となっている。よって、操作キャップ57Bを把持し回転させることにより、操作キャップ57Bは外容器41に対して回転する(回転方向を図中矢印D1,D2で示す)。また、操作キャップ57Bが回転することにより、前記した操作部70も回転移動することとなる。
【0153】
更に、操作部70の形成位置とリブ84の形成位置は、互いに90°離間するよう設定されている。尚、この操作部70とリブ84の位置関係等については、説明の便宜上、後述するフック部材59Bの説明の時に合わせて説明するものとする。
【0154】
次に、図14及び図15に加え、図17を用いてばね部材58Bについて説明する。
【0155】
ばね部材58Bは、ばね性を有する材料(樹脂或いはステンレス等の金属材料)により形成されている。このばね部材58Bは、本体部91、挿通孔92、ばね部93、及びばね部104等を有している。
【0156】
本体部91は、天板部48に形成された突出部51を覆うように外容器41に固定される。この本体部91の上面には、開口部94が形成されている。この開口部94は、蓋体52を装着した状態の装着部54が挿入可能な大きさに設定されている。
【0157】
一対のばね部93は、それぞれ片持ち梁状のばねとされている。この各ばね部93は、図16における右側位置で本体部91と接続されており、左側に向けて本体部91から離間して広がる形状(平面視でハ字形状)を有している。
【0158】
リブ84が外容器41に取り付けられた際、図16及び図17に示すように、リブ84(キャップ固定ネジ95)はばね部93と係合する。具体的には、リブ84(キャップ固定ネジ95)は、ばね部93の外側においてばね部93と係合する。尚、図17は操作キャップ57Bが取り付けられていない図であるため、キャップ固定ネジ95がばね部93と係合した図となっている。
【0159】
上記構成において、操作キャップ57Bが平面視で時計方向(矢印D1方向)に回転されると、これに伴いリブ84(キャップ固定ネジ95)もD1方向に回転する。よって、図16において下側に位置するばね部93(特に、符号93Aを付す)は、リブ84(キャップ固定ネジ95)により押圧されて弾性力を蓄成する。
【0160】
これに対し、図16において上側に位置するばね部93(特に、符号93Bを付す)は、リブ84(キャップ固定ネジ95)が離間する方向に移動するため弾性力を蓄成することはない。
【0161】
よって、操作キャップ57Bが平面視で時計方向(矢印D1方向)に回転操作した後、操作キャップ57Bの操作を解除すると、ばね部93Aが弾性復元することにより、リブ84(キャップ固定ネジ95)は付勢され、操作キャップ57BはD2方向に回転して元の位置に戻る。尚、操作キャップ57Bを平面視で反時計方向(矢印D2方向)に回転した場合は、操作キャップ57B及びばね部材58Bは上記した動作と逆の動作を行うため、その説明は省略する。
【0162】
一方、ばね部材58Bの開口部94の縁部には、挿通孔92、溝部92a、及びばね部104等が設けられている。挿通孔92は、後述するフック部材59Bの上端部に位置する被操作部96が挿通される孔である。この挿通孔92の両側位置には、溝部92aが所定範囲に渡り円弧状に形成されている。
【0163】
ばね部104は、開口部94の縁部に沿って略環状に設けられると共に、本体部91の上面に対し立設した形状とされている。このばね部104は、被操作部96と対向する位置にスリット103が形成されている。
【0164】
また、前記の溝部92aは、このスリット103の形成位置を中心としてその両側に延出するよう形成されている。よって、ばね部104は、半径方向(図17に矢印F1,F2で示す方向)に弾性変形可能な構成となっている。
【0165】
次に、フック部材59Bについて説明する。
【0166】
フック部材59Bは樹脂成型品であり、図15に示すようにフック爪78及び被操作部96が一体的に形成されている。本実施形態では、フック部材59Bには軸孔が形成されており、フック部材59Bを軸受部49に装着した後、ピン62を軸孔に嵌入することによりフック部材59Bは軸受部49に軸承される。
【0167】
フック爪78は、第2実施形態と同様にフック部材59Bを軸受部49に装着した状態において開口部67側に位置するよう形成され、内容器42が外容器41に装着された際に歯形付き鍔部55と係合する。
【0168】
被操作部96は、フック部材59Bが軸受部49に装着された際、ピン62の配設位置よりも上方に延出した部分である。この被操作部96は、前記したばね部材58Bが外容器41に取り付けられた際,その一部が挿通孔92から上方(X1方向)に突出するよう構成されている(図17参照)。
【0169】
この被操作部96の突出部分の配設位置は、前記したばね部材58Bのばね部104と対向する位置(詳細には、スリット103と対向する位置)に設定されている。また、操作キャップ57Bが外容器41に装着された際、操作キャップ57Bに設けられた操作部70は、被操作部96と対向するよう構成されている。
【0170】
操作キャップ57Bが外容器41に対して基準位置にあるとき、被操作部96は操作部70の中央位置と対向するよう設定されている((図16参照)。前記のように、操作部70中央位置における回転中心点Oからの距離R1は、操作部70の両端部における回転中心点Oからの距離R2に比べて長く設定されている。
【0171】
よって、被操作部96が操作部70の中央位置と対向した基準位置状態では、被操作部96は操作部70と離間しているか、接触していても付勢されてない状態となっている。この時、フック部材59Bは、図14に示すように、鉛直方向(X1,X2方向)に平行な状態となっている。以下、この状態を仮止め状態というものとする。
【0172】
これに対し、操作キャップ57Bが基準位置からD1方向或いはD2方向に回転操作されると、これに伴い操作部70も回転し、被操作部96は操作部70の端部と対向する状態となる。操作部70の端部は回転中心点Oからの距離R2が中央部に比べて短いため、操作部70の回転に伴い被操作部96は内側に向け(図17におけるF1方向に向け)押圧付勢される。
【0173】
図20は、操作キャップ57BがD1方向に回転することにより、被操作部96が操作部70の端部と対向した状態を示している。これにより、フック部材59Bは、図19に示すようにピン62を中心としてE2方向に回転した状態となる。以下、この状態を仮止め解除状態というものとする。
【0174】
また、図底部開口17に示すように、被操作部96の両側部には傾斜面96a,96aが形成されている。被操作部96に傾斜面96a,96aを設けることにより、操作部70との摺接を円滑に行うことができる。
【0175】
また、被操作部96の内側面(操作部70と対向する側とは反対側の面)は、ばね部104と対向している。被操作部96が図17におけるF1方向に押圧付勢されることにより、ばね部104は被操作部96に押圧されて弾性変形する。よって、操作キャップ57Bの操作を解除すると、ばね部104は弾性復元し、被操作部96は外側に向けて(図17に矢印F2に示す方向に向けて)移動付勢される。これによりフック部材59Bは、仮止め状態に戻る。
【0176】
続いて、上記構成とされた二重容器90において、外容器41に内容器42を装着する操作、及び外容器41から内容器42を離脱させる操作について説明する。
【0177】
内容器42を外容器41に装着するには、内容器42を底部開口47から外容器41の筒状本体46内に挿入する。外容器41へ内容器42を挿入することにより、蓋体52(装着部54)は開口部67,挿通孔92,69内に順次挿入されていく。
【0178】
内容器42が外容器41に挿入される前の状態では、操作キャップ57Bは基準位置に位置しており、よってフック部材59BはE1方向に回転して鉛直方向(X1,X2方向)に平行な状態となっている。この状態で、フック爪78は開口部67内に突出した状態となっている。
【0179】
蓋体52(装着部54)は開口部67,69,94内への挿入に際し、フック部材59Bとは係合しない大きさとされている。しかしながら、歯形付き鍔部55は、フック爪78と係合する大きさとされている。従って、内容器42を外容器41に挿入すると、歯形付き鍔部55はフック部材59Bのフック爪78と当接する。
【0180】
フック爪78は、傾斜面を有している。よって、内容器42がX1方向に進行するに従い、歯形付き鍔部55はこの傾斜面を押圧する。これにより、フック部材59Bは、矢印E2方向に移動する。この際、前記のようにフック部材59Bの上部に形成された被操作部96は、ばね部材58Bのばね部104を内側(図17におけるF1方向)に向け押圧する。
【0181】
そして、歯形付き鍔部55がフック爪78を乗り越えると、ばね部104の弾性復元力により被操作部96は外側(図17におけるF2方向)に向け付勢され、これによりフック部材59BはE1方向に変位し、フック爪78は歯形付き鍔部55と係合し仮止め状態となる。
【0182】
この仮止め状態では、歯形付き鍔部55の上面は当接面48aと当接し(図18参照)、下面はフック爪78により係止されている。よって、内容器42は外容器41にガタツキなく確実に仮止めされる。従って、内容器42が外容器41に対して下方向(X2方向)に付勢されたとしても、内容器42が離脱するようなことはない。図14は、内容器42が外容器41に仮止めされた状態を示している。
【0183】
また仮止め状態においては、第2実施形態と同様に、フック部材59Bは凹部55bの内部に位置している。よって、内容器42が外容器41に対して回転しようとしても、フック部材59Bの側部が凸部55aと当接することにより回転が防止される。
【0184】
尚、蓋体52の取り外し及びディスペンサーの装着は、第2実施形態で説明したと同一であるため、その説明は省略するものとする。この蓋体52の取り外し処理及びディスペンサーの装着は、仮止め・回転防止機構43Bにより内容器42の外容器41に対する回転が規制されているため、容易に行うことができる。
【0185】
次に、本実施形態に係る二重容器90において、使用済みの内容器42を新品の内容器42に取り替えるときの操作について説明する。
【0186】
内容器42を取り替えるには、先ずディスペンサーを内容器42(装着部54)から取り外す。この取り外しの際も、第2実施形態と同様に、仮止め・回転防止機構43Bにより外容器41に対する内容器42の回転は防止されているため、操作性よくディスペンサーを取り外すことができる。また、内容器42は仮止め・回転防止機構43Bにより仮止めされた状態を維持しているため、内容器42の外容器41からの落下も防止されている。
【0187】
一方、仮止め状態から内容器42を外容器41から取り外すには、操作キャップ57Bを把持してこれを基準位置から時計方向(D1方向)又は反時計方向(D2方向)に回転させる。この操作キャップ57Bの回転に伴い、操作部70及びリブ84(キャップ固定ネジ95)も回転する。
【0188】
前記のように、基準位置から操作部70が回転することにより、フック部材59Bの被操作部96は操作部70に付勢されて内側に変位し、よってフック部材59Bはピン62を中心にE2方向に回転する。これにより、フック爪78は内容器42の歯形付き鍔部55から離間し、仮止め及び回転の規制は解除される。これにより、仮止め・回転防止機構43Bによる仮止めは解除され、内容器42を外容器41から取り外すことができる。
【0189】
また、リブ84が回転することによりリブ84はばね部93を内側に向けて付勢、これによりばね部93は弾性変形する。この際、操作キャップ57BをD1方向に回転させた場合にはばね部93Aが弾性変形し(図20に示す状態)、操作キャップ57BをD2方向に回転させた場合にはばね部93Bが弾性変形する(図16,図20参照)。
【0190】
上記のように仮止めが解除されると、操作者は操作キャップ57Bから手を離す。これにより、ばね部93(93A,93B)は弾性復元し、リブ84は基準位置に向け弾性付勢される。この弾性付勢力により、操作キャップ57Bは基準位置に向け回転する。
【0191】
操作キャップ57Bが基準位置に向け回転することにより、操作部70も基準位置に向けて回転する。これにより、被操作部96はばね部104の弾性復元力により外側(図17に矢印F2で示す方向)に移動し、フック部材59Bは再び仮止め位置(X1,X2方向に平行となる位置)に戻る。よって以上の動作により、仮止め・回転防止機構43Bは仮止め状態に戻る。
【0192】
上記のように、本実施形態に係る二重容器90によっても、外容器41に対する内容器42の装着操作、及び外容器41から内容器42を取り外す操作を容易に行うことができる。また、外容器41に対する内容器42の仮止めは、単に内容器42の装着部54を外容器41の装着首部18に挿入すればよいため、この仮止め処理も容易に行うことができる。更に、使用済みの内容器42を外容器41から排出するには、操作キャップ57Bを回転させるだけで済み、内容器42の排出処理も容易に行うことができる。
【0193】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0194】
図21乃至図23は、第4実施形態である二重容器100を説明するための図である。尚、図21乃至図23において、前記した第1乃至第3実施形態の二重容器10A,10B,40,90の説明に用いた図1乃至図20に示した構成と対応する構成については同一符号を付して適宜その説明を省略するものとする。
【0195】
本実施形態に係る二重容器100は、外容器41、内容器42、仮止め・回転防止機構43C等により構成されている。本実施形態においても、二重容器100として化粧品容器を例に挙げて説明する。
【0196】
本実施形態に係る仮止め・回転防止機構43Cは、ばね部材58Cを有している。このばね部材58Cは、第1実施形態で示した仮止め部材30(図1乃至図5参照)と近似したものであるが、仮止め部材30が仮止めだけの機能を奏する構成であったのに対し、ばね部材58Cに外容器41に対する内容器42の仮止めと回転防止の両機能を持たせたことを特徴としている。
【0197】
操作キャップ57Cは樹脂製であり、中央に被操作部96が形成された環状部61を有している。この環状部61の側部からは、フック部64が下方に向け延出するよう形成されている。
【0198】
ばね部材58Cは、弾性を有する樹脂或いは金属(本実施形態ではステンレス)により形成されている。このばね部材58Cは、天板部101とばねフック部102とにより構成されている。
【0199】
天板部101は、中央に開口部103が形成されることにより環状形状を有している。ばねフック部102は、図21に示すように、折曲形成されることにより略U字形状を有している。よって、ばねフック部102は押圧されることにより、弾性変形する。
【0200】
外容器41の天板部48には、ばねフック部102を挿通する挿入孔108及びフック部64が挿入される取り付け孔99が形成されている。また、天板部48には開口部67が形成されており、その内周より若干外側には突出部51が環状に立設されている。
【0201】
ばね部材58Cの天板部101は、この環状の突出部51の内部に配設される。また、突出部51が配設された状態において、ばねフック部102は挿入孔108を挿通して天板部48の背面側に突出した状態となる(図21参照)。
【0202】
操作キャップ57Cは、ばね部材58Cが上記のように外容器41に装着された後、その上部から外容器41に取り付けられる。この際、取り付け孔99の内側には凸部が形成されると共にフック部64にはこの凸部と係合する凹部が形成されている。そして、フック部64が取り付け孔99に挿入され、凹部と凸部とが係合することにより、操作キャップ57Cは外容器41に取り付けられる。操作キャップ57Cが外容器41に取り付けられることにより、ばね部材58Cの外容器41からの離脱が防止される。
【0203】
続いて、上記構成とされた二重容器100において、外容器41に内容器42を装着する操作、及び外容器41から内容器42を離脱させる操作について説明する。
【0204】
内容器42を外容器41に装着するには、内容器42を底部開口47から外容器41の筒状本体46内に挿入する。外容器41へ内容器42を挿入することにより、蓋体52(装着部54)は開口部67,103,69内に順次挿入されていく。また、内容器42が外容器41に装着される前の状態において、ばねフック部102は開口部67内に突出した状態となっている。
【0205】
内容器42に形成された歯形付き鍔部55は、ばねフック部102と係合する大きさとされている。従って、内容器42を外容器41に挿入すると、歯形付き鍔部55はばねフック部102と当接する。ばねフック部102は、歯形付き鍔部55と対向する側に傾斜面102aを有している。
【0206】
よって、内容器42がX1方向に進行するに従い、歯形付き鍔部55は傾斜面102aを押圧する。これにより、ばねフック部102は図21に矢印G2で示す方向に弾性変形する。そして、歯形付き鍔部55が傾斜面102aを乗り越えると、ばねフック部102は外側(図21におけるG1方向)に向け弾性復元し、これによりばね部材58Cは歯形付き鍔部55と係合した状態となる。
【0207】
この状態では、歯形付き鍔部55の上面は当接面48aと当接し(図に現れず)、下面はばねフック部102により係止されている。よって、内容器42は外容器41にガタツキなく確実に仮止めされる。従って、内容器42が外容器41に対して下方向(X2方向)に付勢されたとしても、内容器42が離脱するようなことはない。図21は、内容器42が外容器41に仮止めされた状態を示している。
【0208】
また仮止め状態においては、第2及び第3実施形態と同様に、ばねフック部102は歯形付き鍔部55の凹部55bの内部に位置している。よって、内容器42が外容器41に対して回転しようとしても、ばねフック部102の側部が凸部55aと当接することにより回転が防止される。
【0209】
尚、蓋体52の取り外し及びディスペンサーの装着は、第2実施形態で説明したと同一であるため、その説明は省略するものとする。この蓋体52の取り外し処理及びディスペンサーの装着は、仮止め・回転防止機構43Cにより内容器42の外容器41に対する回転が規制されているため、容易に行うことができる。
【0210】
次に、本実施形態に係る二重容器100において、使用済みの内容器42を新品の内容器42に取り替えるときの操作について説明する。
【0211】
内容器42を取り替えるには、本実施形態においても先ずディスペンサーを内容器42(装着部54)から取り外す。この取り外しの際も、第2及び第3実施形態と同様に、仮止め・回転防止機構43Cにより外容器41に対する内容器42の回転は防止されているため、操作性よくディスペンサーを取り外すことができ、また内容器42の外容器41からの落下も防止さる。
【0212】
一方、仮止め状態から内容器42を外容器41から取り外すには、内容器42の操作キャップ57Cから上部に突出した部分を下方(X2方向)に向け押圧する。これにより、歯形付き鍔部55もX2方向に移動し、ばねフック部102に形成された内側に向け突出した部分を乗り越えた時点で、歯形付き鍔部55と操作キャップ57Cとの係合は解除される。これにより、内容器42を外容器41から取り外すことができる。図23は、仮止めが解除された状態を示している。
【0213】
上記のように、本実施形態に係る二重容器100は、単に内容器42を外容器41に対して挿入することにより仮止めを行うことができ、また外容器41の操作キャップ57Cから突出した部分を押圧することにより仮止めの解除を行うことができる。よって、外容器41に対する内容器42の仮止め処理、及び仮止めの解除処理を容易に行うことができる。
【0214】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0215】
図24及び図25は、第5実施形態である二重容器110を説明するための図である。尚、図24及び図25において、前記した第1乃至第4実施形態の二重容器10A,10B,40,90,100の説明に用いた図1乃至図23に示した構成と対応する構成については同一符号を付して適宜その説明を省略するものとする。
【0216】
本実施形態に係る二重容器110は、仮止め・回転防止機構をOリング107により構成したことを特徴とするものである。
【0217】
鍔部105は、外容器41の天板部48に接着等により固定されるものである。この鍔部105は樹脂製であり、中央部には開口部108が形成されている。また、鍔部105の下面には下方延出部106が形成されている。本実施形態では、内側と外側の二つの鍔部106が形成されている。
【0218】
また、内側の下方延出部106の内周壁109には、装着溝109aが環状に形成されている。Oリング107は、この装着溝109a内に装着される。また、Oリング107が装着溝109aに装着された状態において、図25に示すように、Oリング107は内周壁109の表面より突出するよう設定されている。
【0219】
更に、本実施形態では内容器42の装着部54に歯形付き鍔部55は形成されておらず、単に円筒形状とされている。
【0220】
続いて、上記構成とされた二重容器110において、外容器41に内容器42を装着する操作、及び外容器41から内容器42を離脱させる操作について説明する。
【0221】
内容器42を外容器41に装着するには、内容器42を底部開口47から外容器41の筒状本体46内に挿入する。Oリング107の直径は、内周壁109の内周径よりも大きく設定されているため、上記のように内周壁109の表面より突出している。また、Oリング107の直径は、内容器42の環状首部25の直径よりも小さく設定されている。よって、内容器42の環状首部25が開口部67,108に挿入されることにより、Oリング107は環状首部25と密接した仮止め状態となる。
【0222】
この仮止め状態では、Oリング107が環状首部25に圧接することにより外容器41内における内容器42のガタツキは抑制される。図25は、内容器42が外容器41に仮止めされた状態を示している。この仮止め状態では、Oリング107はその全周が環状首部25と当接した状態となっているため、内容器42が外容器41に対して回転しようとしても簡単に移動してしまうことはない。
【0223】
一方、本実施形態に係る二重容器110において、使用済みの内容器42を新品の内容器42に取り替えるには、単に使用済みの内容器42を外容器41から引き抜けばよい。この時の引き抜き力は、Oリング107と環状首部25との間の密着力以上の力とする必要がある。
【0224】
このように、本実施形態に係る二重容器110は、簡単な構成で内容器42を外容器41に仮止めすることが可能となり、また仮止め及び仮止め解除も外容器41に対して内容器42を挿入及び引き抜くだけの簡単な処理で行うことができる。
【0225】
ところで、上記した各実施形態では、二重容器としてディスペンサーが装着される化粧品容器を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、ディスペンサーを用いない他の構成の容器についても適用が可能である。
【0226】
図26は、前記した第1実施形態である二重容器10Aに吐出ノズル120を装着した例を示す断面図である。吐出ノズル120は、図26に加えて図27(A),(B)に示すように、本体部123の上面中央部に内容器42に装填された内容物を突出するノズル部121が設けられている。また、本体部123の内周部分には、内容器42に形成されたネジ部26と螺合するネジ部122が形成されている。このように、本発明に係る二重容器10A,10B,90,100,110は、内容物を吐出ノズル120から突出させる構成の容器としても用いることが可能である。
【0227】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0228】
10A,10B,40,90,100,110 二重容器
11,41 外容器
12,42 内容器
13 仮止め機構
14 回転防止機構
16,46 筒状本体
17,47 底部開口
18 装着首部
19 回転防止凹部
20 固定用凹部
24,54 装着部
25 環状部
26 ネジ部
27 鍔部
28,35 回転防止用爪
30 仮止め部材
31 固定部
32,78 フック爪
34,55 歯形付き鍔部
43A〜34C 仮止め・回転防止機構
48,71 天板部
49 軸受部
50A,50B 挿通孔
51 突出部
56 下方延出部
57A〜57C 操作キャップ
58A〜58C ばね部材
59A,59B フック部材
64 フック部
65 係合爪
66 押圧片部
70 操作部
68 当接片部
72 レバー部
74 係合孔
77 回転軸
79 第1突起
80 第1面
81 第2面
82 第2突起
83 当接面
84 リブ
93 ばね部
95 キャップ固定ネジ
96 被操作部
97 位置決め凹部
98 位置決め凸部
102 ばねフック部
106 下方延出部
107 Oリング
120 吐出ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の容器と、
該第1の容器の内部に装着される第2の容器と、
前記第1の容器に前記第2の容器が装着された際、前記第2の容器を前記第1の容器に着脱可能に仮止めする仮止め機構と、
前記第1の容器に前記第2の容器が装着された際、前記第2の容器の前記第1の容器に対する回転を規制する回転規制機構と
を有してなる二重容器。
【請求項2】
前記仮止め機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた被係止部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより前記被係止部を係止する係止部とを有し、
前記回転規制機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた第1の係合部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより、前記第1の係合部と係合し、前記第2の容器の前記第1の容器に対する回転規制を行う第2の係合部とを有する請求項1に記載の二重容器。
【請求項3】
前記回転規制機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた第1の係合部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより、前記第1の係合部と係合し、前記第2の容器の前記第1の容器に対する回転規制を行う第2の係合部とを有し、
かつ、前記第1の係合部を突片とし、
前記第2の係合部を、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより前記突片が係合する凹部とした請求項1又は2に記載の二重容器。
【請求項4】
前記仮止め機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた被係止部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより前記被係止部を係止する係止部とを有し、
かつ、前記被係止部を、前記第2の容器の首部に形成された鍔部とし、
前記係止部を、前記鍔部に係止するフック部とした請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項5】
前記仮止め機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた被係止部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより前記被係止部を係止する係止部と、
前記係止部材を前記被係止部との係止位置から移動させ、前記係止部材による前記被係止部の係止を解除させる係止解除機構とを有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項6】
前記仮止め機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた被係止部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより前記被係止部を係止する係止部と、
前記係止部材を前記被係止部との係止位置から移動させ、前記係止部材による前記被係止部の係止を解除させる係止解除機構とを有し、
前記係止解除機構は、前記係止部材を移動させる操作部材を有し、該操作部材を回転させることにより、前記係止部材を前記被係止部との係止位置から移動させ、前記係止部材による前記被係止部の係止を解除させる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項7】
前記仮止め機構は、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか一方に設けられた被係止部と、
前記第1の容器又は前記第2の容器のいずれか他方に設けられ、前記第2の容器が前記第1の容器に装着されることにより前記被係止部を係止する係止部と、
前記係止部材を前記被係止部との係止位置から移動させ、前記係止部材による前記被係止部の係止を解除させる係止解除機構とを有し、
前記係止解除機構は、前記係止部材を移動させる操作部材を有し、該操作部材を前記第1の容器に対して近接或いは離間する方向に移動させることにより、前記係止部材を前記被係止部との係止位置から移動させ、前記係止部材による前記被係止部の係止を解除させる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項8】
前記係止部は、弾性変形可能な構成である請求項2乃至6のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項9】
外容器の内部に装着される内容器であって、
前記外容器に装着された際、前記外容器に設けられた係止部に係止され前記外容器に対する離脱が防止される被係止部と、
前記外容器に装着された際、前記外容器に設けられた第1の係合部と係合し、前記外容器に対する回転規制を行う第2の係合部とを有することを特徴とする内容器。
【請求項10】
前記被係止部を、首部に形成された鍔部とし、
前記係止部を、前記鍔部を係止するフック部とした請求項9に記載の内容器。
【請求項11】
前記第1の係合部を、複数設けられた凹部とし、
前記第2の係合部を、前記凹部と係合するよう構成された突片とした請求項9又は10に記載の内容器。
【請求項12】
前記第2の係合部を複数設けられた凹部とし、
前記第1の係合部を、前記凹部と係合するよう構成された突片とした請求項9又は10に記載の内容器。
【請求項13】
内容器を内部に装着する外容器であって、
前記内容器を装着した際、前記内容器に設けられた被係止部を係止し前記内容器の離脱を防止する係止部と、
前記内容器を装着した際、前記内容器に設けられた第1の係合部と係合し、前記内容器の回転規制を行う第2の係合部とを有することを特徴とする外容器。
【請求項14】
前記被係止部を、前記内容器の首部に形成された鍔部とし、
前記係止部を、前記鍔部を係止するフック部とした請求項13に記載の外容器。
【請求項15】
前記第1の係合部を、前記内容器に複数設けられた凹部とし、
前記第2の係合部を前記凹部と係合するよう構成された突片とした請求項13又は14に記載の外容器。
【請求項16】
前記第2の係合部を、前記内容器に複数設けられた凹部とし、
前記第1の係合部を前記凹部と係合するよう構成された突片とした請求項13又は14に記載の外容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−37516(P2011−37516A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11639(P2010−11639)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】