説明

二重構造の容器

【課題】内容物を確実に絞り出すことができる新規な二重構造の容器の提供。
【解決手段】圧力を加えると変形し、圧力が無くなると元の形状に復元する外側容器10内に、圧力を加えると変形し、圧力が無くなって元の形状に復元しない内側容器20を有する二重構造の容器100であって、前記内側容器20内に、当該内側容器20に充填された内容物Mを流通すべく当該内側容器の口部22と連通するガイドパイプ25を備える。これによって、内側容器20自体が潰れて内側容器20の口部を塞ぐことがなくなるため、内容物Mのすべてを確実に絞り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形・復元自在な外側容器の内部に、クリームやペースト、油状物質、液状物質などの流動性の内容物を充填した内側容器を備えた二重構造の容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にマヨネーズや練りわさび、歯磨き粉、化粧クリームなどの流動性の物質はプラスチック製のチューブ状容器に充填して販売されていることが多い。
これらのチューブ状容器は、その側面などを手で押し潰すことにより内容物がその口部から押し出される構造であるが、出し終わった後に手を離すとその復元力によって容器の口部から空気が入り込んでしまう。これにより、内容物と空気(酸素)の接する面が徐々に広がり、内容物が酸化して鮮度や品質が低下してしまうことがある。
【0003】
このような現象を避けるため、例えば薬品などでは金属製の非復元性のチューブ容器を用いて容器形状の復元による空気の取り込みを防ぐことで内容物と空気の接触を防止しているものが多いが、非復元性のチューブ容器では容器全体が徐々に潰れて小さくなってしまうことからその後の容器の取り扱いや使い勝手が悪いという欠点がある。
そのため、例えば以下の特許文献1では、外側容器内に内容物を充填した内側容器を収容すると共に外側容器に通気孔と逆止弁を備えた二重容器が提案されている。また、以下の特許文献2では、外側は復元力を有し、内側は復元力の小さな可撓性材料で内外二重チューブを構成し、かつ外側チューブに空気孔と弁を設けた絞り出し用二重チューブ容器が提案されている。
【0004】
そして、これら特許文献1および2で提案されている二重容器では、外側の容器に圧力を加えることによって内側容器が圧迫されてその内容物が絞り出された後、その内側容器が小さくなった状態のまま外側の容器のみがその弁から空気を取り入れて復元することによって容器の取り扱いや使い勝手の悪化を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−44063号公報
【特許文献2】実開昭63−169455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記のような公知の二重容器にあっては、内容物を吐出するに伴って内側の容器が徐々に小さくなっていく過程でその内側容器自体が潰れて口部を塞いでしまい、内容物の一部が絞り出されずに残ってしまうことがある。
また、二重容器は製造コストが高くなるだけでなく、その内側容器内の内容物をすべて出し切った後は、その全体を廃棄してしまうことから無駄が多いといった問題点がある。
【0007】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その主な目的は、内容物を確実に絞り出すことができる新規な二重構造の容器を提供するものである。
また、本発明の他の目的は、コストが掛かる二重容器を再利用可能として無駄を排除できる新規な二重構造の容器を提供するものである。
さらに、本発明の他の目的は、製造コストをより安価にできる新規な二重構造の容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために第1の発明は、
圧力を加えると変形し、圧力が無くなると元の形状に復元する外側容器内に、圧力を加えると変形し、圧力が無くなって元の形状に復元しない内側容器を有する二重構造の容器であって、前記内側容器内に、当該内側容器に充填された内容物を流通すべく当該内側容器の口部と連通するガイドパイプを備えたことを特徴とする二重構造の容器である。
このような構成をした二重構造の容器であれば、内側容器の口部と連通するガイドパイプによってその内側容器自体が潰れて内側容器の口部を塞いでしまうことがなくなるため、内容物のすべてを確実に絞り出すことができる。
【0009】
また、第2の発明は、
第1の発明において、前記ガイドパイプには、その長手方向に沿って複数の流入穴が形成されていることを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造であれば、仮にガイドパイプに内側容器が密着してその流入穴の一部が塞がれたとしても他の流入穴から内容物がガイドパイプ内に流入するため、詰まったりすることなく内容物のすべてを確実に絞り出すことができる。
【0010】
また、第3の発明は、
第1または第2の発明において、前記ガイドパイプは、下部がT字状になっていることを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造であれば、内側容器が萎んでいく過程においても内側容器が扁平形状に維持されるため、内容物をより効果的に絞り出すことができる。
【0011】
また、第4の発明は、
第1ないし第3の発明において、前記内側容器は、当該口部が前記外側容器の口部に着脱自在となっていると共に、内容物が充填された状態の外径が前記外側容器の口部の口径よりも小さくなっていることを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造によれば、内容物をすべて絞り出して空になった内側容器を外側容器から取り出して新しい内側容器に交換することができる。これによって、外側容器の再利用が可能となるため、コストの削減と無駄を排除することができる。
【0012】
また、第5の発明は、
第1ないし第4のいずれかの発明において、前記外側容器は、袋状の容器本体に、圧力を加えたときには閉じると共に圧力が無くなって元の形に復元するときには開いて外部の空気を取り入れる空気弁を有することを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造によれば、圧力を加えたときには容易に変形し、圧力が無くなったときには確実に元の形状に復元するため、内容物を確実に絞り出すことができると共に容器の取り扱いや使い勝手の悪化を回避できる。
【0013】
また、第6の発明は、
第5の発明において、前記空気弁は、前記外部容器に開けた空気孔と、この空気孔を開閉するように揺動するフィルム状の弁体とからなることを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造によれば、より簡易でかつ安価に空気弁を製造できるため、容器全体の製造コストを安くすることができる。
【0014】
また、第7の発明は、
第1ないし6いずれかの発明において、前記内側容器の口部に、内容物の吐出圧が掛かったときに開き、吐出圧が無くなったときには閉じる逆流防止弁を備えたことを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造によれば、口部から内側容器への空気の流入を確実に防止することができる。
【0015】
また、第8の発明は、
第1ないし7のいずれかの発明において、前記外側容器は、透明又は半透明の材料からなることを特徴とする二重構造の容器である。
このような構造によれば、内側容器内の内容物の残量などを外部から視覚によって容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内側容器の口部と連通するガイドパイプによってその内側容器自体が潰れて内側容器の口部を塞いでしまうことがないため、内容物のすべてを確実に絞り出すことができる。また、内側容器を外側容器から取り出して内側容器のみを新しいものに交換できるため、外側容器の再利用が可能となり、コストの削減と無駄を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は本発明に係る二重構造の容器100の実施の一形態を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図2】(a)は図1(a)中A部を示す部分拡大図、(b)および(c)は図1(b)中A部を示す部分拡大図である。
【図3】内側容器を外側容器から分離した状態を示す部分断面図である。
【図4】(a)は図3中A部を示す部分拡大図、(b)は(a)の状態から内容物が吐出している状態を示す概念図である。
【図5】図4(a)中A−A線断面図である。
【図6】(a)は内側容器に内容物が充填された状態を示す側面図、(b)は(a)の状態から外側容器を加圧して内側容器の内容物を吐出した状態を示す側面図、(c)は(b)の状態から圧力が無くなって外側容器のみが元の形状に復元した状態を示す側面図、(d)は(c)の状態からさらに外側容器を加圧して内側容器の内容物を吐出した状態を示す側面図である。
【図7】(a)は内側容器内の内容物をほぼ完全に吐出した状態を示す正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図8】本発明に係る二重構造の容器の他の実施の形態を示したものである。
【図9】本発明に係る二重構造の容器の他の実施の形態を示したものであり、その蓋部23部分の構成を示す説明図である。
【図10】(a)は、空気弁14の他の実施の形態を示す斜視図、(b)は図10(a)中A部を示す部分拡大図である。
【図11】空気弁14の他の実施の形態を示す拡大断面図であり、(a)は空気孔15が閉じた状態、(b)は空気孔15が開いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る二重構造の容器(以下「二重容器」という)100の実施の一形態を示したものであり、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
図示するように、この二重容器100はチューブ状をした外側容器10の内側に、流動性の内容物を充填した袋状の内側容器20を収容した構造となっている。
外側容器10は、図3に示すように下端が閉じられた容器本体11に環状の口部12を備えた構造となっており、さらにその口部12の周面には螺旋状のねじ山13が形成されている。
【0019】
この容器本体11は、外部から圧力を加えると変形し、圧力が無くなると元の形状に復元する復元性を有しており、公知の合成樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、変成アクリル、酢酸セルローズ、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタンや天然ゴムなどから形成されている。
【0020】
また、この容器本体11の一部には、少なくとも1つ以上の空気弁(逆止弁)14が設けられている。
この空気弁14は、図2(a)〜(c)に示すように、容器本体11に穿孔された小さな空気孔15と、この空気孔15を容器本体11の内側から塞ぐようにその一端(上端)が容器本体11の内壁に固定された短冊形状をしたフィルム状の可撓性弁体16とから構成されている。
【0021】
そして、この空気弁14は、図2(b)に示すように容器本体11に圧力を加えたときには、弁体16の開放端が空気孔15に密着してこれを閉じると共に、図2(c)に示すように圧力が無くなって元の形に復元するときには、弁体16の開放端が空気孔15から離れてこれを開いて外部の空気を容器本体11内に取り入れるようになっている。
一方、内側容器20は、図3に示すように流動性の内容物Mを充填した拡縮変形自在な袋状の容器本体21と、この容器本体21を取り付けるパイプ状の口部22と、この口部22を貫通して固定するフランジ状の蓋部23とから主に構成されている。
【0022】
この蓋部23は、その内周面にねじ溝24が螺刻されており、前記外側容器10の口部12のねじ山13と螺合することでこの内側容器20を外側容器10内に着脱自在に取り付けると共に外側容器10の口部12を密閉するようになっている。
容器本体21は、圧力を加えると変形し、圧力が無くなっても元の形状に復元しないものであって、かつ内容物Mと反応せずに安定的に保存できる材質であれば特に限定するものでなく、前記外側容器10を構成する材料などと同じ合成樹脂や天然樹脂などで構成することができる。さらにこの場合、加圧時の抵抗を少なくするためにできるだけ薄肉のもので構成することが望ましい。
【0023】
また、図3に示すようにこの容器本体21は、内容物Mが満杯に充填された状態の外径L1が外側容器10の口部12の口径L2よりもやや小さくなっており(L1<L2)、内容物Mが満杯に充填された状態の内側容器20であっても容易に外側容器10内に収納したり取り外したりできるようになっている。
また、この容器本体21内には、その内部に充填された内容物Mを流通(排出)するためのガイドパイプ25が設けられている。
【0024】
このガイドパイプ25は、T字形状に形成されたパイプであり、その垂直部25aが口部22内に挿入されるように口部22側に固定されると共にその下端の水平部25bが容器本体21内底部に臨むように位置している。
さらに、このガイドパイプ25にはその長手方向に沿って流入穴26が複数形成されており、これらの流入穴26、26…の全部またはいずれかから内容物Mがガイドパイプ25内に流入できるようになっている。
【0025】
また、図4および図5に示すように外側容器10の口部22内には、逆流防止弁27(逆止弁)が設けられている。
この逆流防止弁27は、図4(a)に示すようにガイドパイプ25の上部開口部25aを弁座としてこれに着座するボール弁Bと、ボール弁Bの脱落を防止すべく複数の突起(ストッパ)28、28、28、28(本実施の形態にあっては4つ)と、ボール弁Bを押さえつけるコイルバネ29とから構成されている。
【0026】
そして、図4(a)および図5に示すように内容物Mの吐出圧が掛かったときにはボール弁Bが持ち上げられて上部開口部25aが開いてガイドパイプ25内の内容物がボール弁Bと突起28、28、28、28との間に形成される隙間Sを通過して口部22先端から吐出される。
反対に内容物Mの吐出圧が無くなったときには、コイルバネ29によってボール弁Bが上部開口部25aに着座して閉じられることでガイドパイプ25内(容器本体21内)への空気の流入(逆流)を防止するようになっている。また、圧がかからない状態で容器が転倒したときに内容物Mが漏れるのを防止するようになっている。
【0027】
次に、このような構成をした本発明の二重容器100の作用及び効果を説明する。
先ず、図6(a)、(b)に示すように内側容器20内に内容物Mが満杯に充填された状態から指などで外側容器10を潰すように加圧するとその圧力によって内側容器20内の内容物Mが外側容器10の口部22から吐出される。
そして、同図(b)の状態から指を離すと同図(c)に示すように外側容器10自体の復元力によって外側容器10が元の形状に戻ろうとする。このとき、外側容器10内が負圧状態になることによって空気弁14が開いて外気が空気孔15から外側容器10内に流入して均圧に保たれるため、復元の動きを阻害することはない。また、内側容器20は逆流防止弁27によって塞がれているため、口部22から空気が内側容器20内に流入することもない。
【0028】
次に、同図(c)に示す状態から再度指などで外側容器10を潰すように加圧すると、外側容器10内の内圧が上昇して空気弁14が閉じると共に、その内圧によって内側容器20が圧縮されてさらにその内容物Mが口部22から吐出される。
そして、このような操作を繰り返すことで最後には図7に示すように内側容器20がガイドパイプ25に密着するように圧縮されてすべての内容物Mがガイドパイプ25を通過して吐出されることになる。
【0029】
なお、図面ではガイドパイプ25の構造をわかりやすくするために実際よりも太く表現したが、このガイドパイプ25内に残った最後の内容物Mを取り出すのは困難である。そのため、残留物をできるだけ減らすためにこのガイドパイプ25は適度な強度を発揮しつつ可能な限り細くすることが望ましい。
このように本発明の二重容器100は、外側容器10は常に元の形状を維持しつつ内側容器20のみがその内容物Mの残量に合わせて小さくなるため、容器の取り扱いや使い勝手の悪化を防止しつつ、空気(酸素)と接触することによる内容物Mの劣化や品質変化を防止できる。
【0030】
また、内側容器20内にその口部22と連通するガイドパイプ25を設けたため、その内側容器20自体が潰れて内側容器20の口部22を塞いでしまうことがなくなり、内容物Mのすべてを確実に絞り出すことができる。
すなわち、このようなガイドパイプ25が無いと、その内側容器20の容器本体21の変形(縮小)状態によっては、その容器本体21の一部によって口部22が塞がれてしまい残りの内容物Mが吐出できないことがあるが、本発明のように内側容器20内にガイドパイプ25を設けることでこのような不都合を確実に回避することができる。
【0031】
また、このガイドパイプ25の下端部はT字状になっているため、内側容器20が萎んでいく過程においても内側容器20が扁平形状に維持されるため、内容物Mをより効果的に絞り出すことができる。
さらに、本発明ではこのガイドパイプ25に対し、その長手方向に沿って複数の流入穴26、26…を形成したため、仮にガイドパイプ25に内側容器20の容器本体21が密着してその下部開口部またはその流入穴26、26…の一部が塞がれたとしても他の流入穴26から内容物Mがガイドパイプ25内に流入するため、詰まったりすることなく内容物Mのすべてを確実に排出することができる。
【0032】
また、本発明の二重容器100では、内側容器20が外側容器10の口部12に着脱自在となっていると共に内容物Mをすべて絞り出して空になった内側容器20を外側容器10から取り出して新しい内側容器20に交換することができる。
これによって、外側容器10を何度でも再利用できるため、コストの削減と資源の無駄を排除することができる。
【0033】
この場合、内容物Mが充填された状態の内側容器20の外径L2が外側容器10の口部の口径L1よりも小さくなっているため、内側容器20の交換作業を容易に行うことができる。
また、外側容器10に外部の空気を取り入れる空気弁14を設けたことから、圧力を加えたときには容易に変形し、圧力が無くなったときには確実に元の形状に復元するため、内容物Mを確実に絞り出すことができると共に、容器の取り扱いや使い勝手の悪化を回避できる。
【0034】
また、内側容器20の口部22に内容物Mの吐出圧が掛かったときに開き、吐出圧が無くなったときには閉じる逆流防止弁27を備えたことから、その口部22から内側容器20への空気(酸素)の流入を確実に防止することができる。
さらに、外側容器10を透明又は半透明の材料から形成すれば、内側容器20内の内容物Mの残量などを外部から視覚によって容易に把握することができる。
【0035】
また、外側容器10と内側容器20は、図3に示したようにねじ込方式で結合する構造の他に、図8および図9に示すような構造としても良い。
同図(a)に示すようにこの構造は、前記図3に示した蓋部23の外周面にリング状の溝23aを形成すると共に、外側容器10の容器本体11の上部開口部の縁部にリング状の突起11aを設けたものである。
【0036】
そして、図8(b)に示すように、蓋部23を口部22に取り付けた後、図8(c)および図9(b)に示すように、内側容器20の下から外側容器10の容器本体11を被せ、そのリング状の突起11aを蓋部23外周面の溝23aに嵌め込んで結合するようにしたものである。そして、最後に図8(d)および図9(c)に示すように、その蓋部23の外周に押さえバンド23bを被せることで外側容器10の脱落を防止することができる。
【0037】
このような構成によれば、図3に示したようなねじ込み構造と同様に、内容物Mをすべて絞り出して空になった内側容器20を外側容器10から外して新しい内側容器20に簡単に交換することができる。
また、さらに図10に示すように、空気孔15を容器本体11の上部に形成すると共に、この空気孔15を開閉する短冊形状をしたフィルム状の空気弁14を容器本体11の内壁側であってその周方向に沿って取り付けるようにすれば、より確実に空気孔15を開閉することができる。
すなわち、図11(a)に示すように容器本体11の内側は周方向に曲面状に湾曲している。このためその容器本体11の湾曲内側であってその周方向に沿って短冊形状をしたフィルム状の空気弁14を取り付ければ、その空気弁14の可動部が空気孔15側に強く密着されるため、逆止弁としての機能をより確実に発揮することができる。
【符号の説明】
【0038】
100…二重構造の容器(二重容器)
10…外側容器
11…容器本体
11a…突起
12…口部
13…ねじ山
14…空気弁
15…空気孔
16…弁体
20…内側容器
21…容器本体
22…口部
23…蓋部
23a…溝
23b…押さえバンド
24…ねじ溝
25…ガイドパイプ
25a…上部開口部
26…流入孔
27…逆流防止弁
28…突部
29…コイルバネ
B…ボール弁
M…内容物
S…隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力を加えると変形し、圧力が無くなると元の形状に復元する外側容器内に、圧力を加えると変形し、圧力が無くなって元の形状に復元しない内側容器を有する二重構造の容器であって、
前記内側容器内に、当該内側容器に充填された内容物を流通すべく当該内側容器の口部と連通するガイドパイプを備えたことを特徴とする二重構造の容器。
【請求項2】
請求項1に記載の二重構造の容器において、
前記ガイドパイプには、その長手方向に沿って複数の流入穴が形成されていることを特徴とする二重構造の容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の二重構造の容器において、
前記ガイドパイプは、下部がT字状になっていることを特徴とする二重構造の容器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の二重構造の容器において、
前記内側容器は、当該口部が前記外側容器の口部に着脱自在となっていると共に、内容物が充填された状態の外径が前記外側容器の口部の口径よりも小さくなっていることを特徴とする二重構造の容器。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の二重構造の容器において、
前記外側容器は、袋状の容器本体に、圧力を加えたときには閉じると共に圧力が無くなって元の形に復元するときには開いて外部の空気を取り入れる空気弁を有することを特徴とする二重構造の容器。
【請求項6】
請求項5に記載の二重構造の容器において、
前記空気弁は、前記外部容器に開けた空気孔と、この空気孔を開閉するように揺動するフィルム状の弁体とからなることを特徴とする二重構造の容器。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の二重構造の容器において、
前記内側容器の口部に、内容物の吐出圧が掛かったときに開き、吐出圧が無くなったときには閉じる逆流防止弁を備えたことを特徴とする二重構造の容器。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の二重構造の容器において、
前記外側容器は、透明又は半透明の材料からなることを特徴とする二重構造の容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−157119(P2011−157119A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21256(P2010−21256)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(302019946)
【Fターム(参考)】