説明

交換可能な模様シェル体でもって、製品ウェブを、模様付けおよび固化するための装置

【解決手段】 本発明は、製品ウェブとして形成された不織布15を、模様付けおよび硬化するための装置であって、この装置が、スクリーンドラム6、および、このスクリーンドラム6を外側から囲繞する模様シェル体7から成っており、その際、この模様シェル体7の上に存在している不織布15の繊維が、この模様シェル体7の穿孔によって形成された模様に相応して、エネルギー豊富な水噴流14を用いて、または同様に空気流によって、交絡され、且つ従って硬化される様式の上記装置において、模様シェル体7およびスクリーンドラム6は、迅速に解離可能な機械的な手段8、9、10によって、互いに結合されていることを特徴とする装置に関する。有利な実施形において、模様シェル体7は、相手方有歯部9を、および、スクリーンドラム6が、有歯部環状体8を有しており、これら相手方有歯部および有歯部環状体が、形状一体的に、模様シェル体7とスクリーンドラム6との捩れが相対して防止されるように、互いの中へ係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能な模様シェル体でもって、製品ウェブとして形成された、織り合わせされていないまたは編成されていない繊維から成る不織布を、模様付けおよび固化するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第03/035955号パンフレット(特許文献1)から、1つの装置が公知であり、この装置でもって、3次元的な模様が、不織布またはこれに類する物内において、模様を形成する開口部を有する模様薄板を通って繊維を吹付け、且つ次いでこれら開口部内において同様に固化されるというやり方で形成される。何故ならば、これら繊維は、そこで、これら開口部内において、奥深く、ただ制限された状態でだけ位置移動され、且つ、次いで、付加的な支持であるという理由で、同様に交絡されるからである。これら繊維は、水噴流を用いて移動され得るが、しかし、これら繊維を移動するための媒体として、例えば、同様に高温の空気も使用される。
【0003】
立体構造を付与された模様薄板は、通常、ねじでもって、半径方向に操作側および背面側において、水噴流固化ドラム(Wasserstrahlverfestigungstrommel)、または一般的なドラムに固定される。このことは、立体構造体、および従って、模様薄板が、頻繁に交換される場合、時間のかかることは明らかである。部分的に、このような模様薄板、またはより一般的に、模様シェル体は、同様に空気圧的にドラムの外周に嵌め込まれたゴムホースでもって、このドラムの操作側および背面側において固定される。その際、交換の工程の際に、これらゴムホースの損傷の増大された危険をはらんでいるこの固定の柔軟な様式が、不利であることは明らかである。
【特許文献1】国際公開第03/035955号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、冒頭に記載した様式の装置を出発点として、本発明の根底をなす課題は、その装置でもって、大きな経費無しに、他の模様が、不織布またはこれに類する物内へと模様付けされ得る、該装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1による装置によって解決される。
【発明の効果】
【0006】
製品ウェブとして形成された不織布を、模様付けおよび固化するための本発明による装置は、スクリーンドラム、および、このスクリーンドラムを外側から囲繞する模様シェル体から成っており、その際、この模様シェル体の上に存在している不織布の繊維が、この模様シェル体の穿孔によって形成された模様に相応して、エネルギー豊富な水噴流を用いて、または同様に空気流によって、交絡され、且つ従って固化される。この装置の特別な特徴は、この模様シェル体、およびスクリーンドラムが、迅速に解離可能な機械的な手段によって、互いに結合されていることにある。
【0007】
この装置の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0008】
この装置の有利な実施形態において、スクリーンドラム6および模様シェル体7は、形状一体的に、スクリーンドラムと模様シェル体との捩れが相対して防止されるように、互いの中へ係合する手段を有している。特に、このスクリーンドラムは、上記の目的のために、有歯部環状体を、および、模様シェル体が、相手方有歯部を有している。
【0009】
更に有利な実施形態において、固定ねじは、装置に、スクリーンドラムに対する模様シェル体の軸線方向の位置移動が防止されるように設けられている。
【0010】
模様シェル体とスクリーンドラムの結合のための機械的な手段は、大きな機械的な力、特に模様シェル体とスクリーンドラムとの捩りが相対して誘起可能であり、他方、著しく僅かな力が、このスクリーンドラムに対するこの模様シェル体の軸線方向の位置移動を生じさせることの状況を考慮に入れている。これら上記の比較的に大きな力を顧慮して、従って、形状一体的な結合は噛み合う歯の様式において行なわれ、且つ、先導される僅かな力に対しては端面側のねじ結合が十分である。
【0011】
次に、本発明による様式の装置を、図に基づいて、例示的に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1から見て取れるスクリーンドラム6には、更に別の周辺部材が所属するが、これら周辺部材は、しかしながら、見通しの理由で、ここで図示されていない。模様付けされるべき不織布15は、直接的にこのスクリーンドラム6の上を走行し、このスクリーンドラムに、一つまたは多数のノズルビーム13が直接的に所属して設けられている。これらそれぞれのノズルビーム13は、このスクリーンドラム6に対して軸線平行に設けられており、且つ、これらノズルビームの、このスクリーンドラム6に対応する下側面に、水噴流14の噴出のための、ここでは図示されていないノズルストリップを備えている。通常のように、このスクリーンドラム6は、吹き付けられた水を吸込むために、吸込み通気下の状態に置かれており、このために、このスクリーンドラム6の内側において、図2および3内において図示された吸込み管1が中央に設けられており、この吸込み管が、このスクリーンドラム6の方向に延在する吸込みスリットX2を有しており、これら吸込みスリットX2に、他方また、これらノズルビーム13が所属して設けられている。
このスクリーンドラム6の壁部の上に、立体構造を付与された模様シェル体7が被せられており、この模様シェル体は、穿孔模様を備えている。これら穿孔は、異なる大きさの直径を有していることは可能であり、且つ、同様に、更に、種々の形状を採用することも可能であり、あらゆる模様が可能である。
ここで、この不織布15が、水噴流14によって当てられた場合、これら穿孔の領域内における繊維は、これら穿孔内へと進入し、且つ、これら穿孔の間のウェブの上で、この不織布15が交絡され、且つ固化される。薄い立体構造を付与された模様シェル体7の穿孔内へのこれら繊維の移動は、しかしながら制限されている。何故ならば、この模様シェル体7の下側で、このスクリーンドラム6の細目のスクリーン織物が設けられているからである。このスクリーン織物は、通常、平滑に交絡されるべき不織布のための下敷きとして使用される。吹き付けられた水は、このスクリーンドラム6の内側で吸込まれる。これら繊維は、しかしながら、このスクリーンドラム6の上に位置した状態で留まり、且つ、これら水噴流14によって、同様にここでも交絡され、且つ従って固化される。従って、片側で、立体的な模様が、全面的に固化された不織布15内において得られる。
【0013】
図2内において、多孔性のスクリーン領域6′を備える、図1のスクリーンドラム6の中心線を通る、および、立体構造を付与された多孔性の領域7′を備える、立体構造を付与された模様シェル体7を通る長手方向断面図が図示されている。このスクリーンドラム6は、後方の軸受部2、並びに所属して設けられた後方の軸受フランジ4を介して、吸込み管1の上で、および、前方の軸受部3、並びに所属して設けられた前方の軸受フランジ5を介して、この吸込み管1の軸受ジャーナル11の上で軸受けされている。この立体構造を付与された模様シェル体7は、このスクリーンドラム6の上に押し込まれており、且つ、この模様シェル体7の相手方有歯部9が、このスクリーンドラム6の背面側の有歯部環状体8内へと噛み合っている。このようにして、この模様シェル体7は、このスクリーンドラム6の上で捩れ安定的に支承されている。この模様シェル体7のフランジ12は、固定ねじ10でもって、このスクリーンドラム6の操作側でねじ留めされており、従って、この模様シェル体7が、同様に軸線方向において、このスクリーンドラム6に対して固定されている。従って、この模様シェル体7は、迅速に、且つ確実に固定されている。立体構造を付与された模様シェル体7は、例えば、微細な多孔性の、平滑なおシェル体、または、金属または合成物質から成る適宜の織物を有するシェル体であり、これらシェル体が、それぞれに、立体構造を付与された多孔状の領域7′を有している。参照符号X1は、このスクリーンドラム6の上側に装着されている水ビームの水噴流幅を示しており、および、参照符号X2が、水噴流14の水の吸込みのための、吸込み管1内における吸込みスリットの長さを示している。
【0014】
図3内において、側面図において、スクリーンドラム6、および、このスクリーンドラムに固定された模様シェル体7が図示されている。この図内において、どのように、スクリーンドラム6有歯部環状体8、および模様シェル体7の相手方有歯部9が、互いの中へ係合しているか、および従って、スクリーンドラム6および模様シェル体7の捩れが相対して防止しているかが、特に明確に見て取れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】スクリーンドラムの中心線に対して垂直方向の断面図における、外側からスクリーンドラムに所属して設けられた2つのノズルビームを有する、模様を付けられた不織布を製造するための、透過性の、吸込み通気下の状態にあるスクリーンドラム、および、模様シェル体の図である。
【図2】スクリーンドラムの中心線を通る断面図における、図1の、スクリーンドラム、および模様シェル体の図である。
【図3】側面図における、スクリーンドラム、および、このスクリーンドラムに固定された模様シェル体の図である。
【符号の説明】
【0016】
1 吸込み管
2 後方の軸受部
3 前方の軸受部
4 後方の軸受フランジ
5 前方の軸受フランジ
6 スクリーンドラム
6′ 多孔状のスクリーン領域
7 立体構造を付与された模様シェル体
7′ 模様シェル体の、立体構造を付与された多孔状の領域
8 有歯部環状体
9 相手方有歯部
10 固定ねじ
11 軸受ジャーナル
12 フランジ
13 ノズルビーム
14 水噴流
15 不織布
X1 ドラムの上側に装着されている水ビームの水噴流幅
X2 吸込み管内におる吸込みスリットの長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品ウェブとして形成された不織布(15)を、模様付けおよび硬化するための装置であって、この装置が、
スクリーンドラム(6)、および、このスクリーンドラム(6)を外側から囲繞する模様シェル体(7)から成っており、
その際、この模様シェル体(7)の上に存在している不織布(15)の繊維が、この模様シェル体(7)の穿孔によって形成された模様に相応して、エネルギー豊富な水噴流(14)を用いて、または同様に空気流によって、交絡され、且つ従って硬化される様式の上記装置において、
模様シェル体(7)およびスクリーンドラム(6)は、迅速に解離可能な機械的な手段(8、9、10)によって、互いに結合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
模様シェル体(7)およびスクリーンドラム(6)は、形状一体的に、模様シェル体(7)とスクリーンドラム(6)との捩れが相対して防止されるように、互いの中へ係合する手段(8、9)を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
模様シェル体(7)は、相手方有歯部(9)を、および、スクリーンドラム(6)が、有歯部環状体(8)を有しており、
これら相手方有歯部および有歯部環状体が、形状一体的に、模様シェル体(7)とスクリーンドラム(6)との捩れが相対して防止されるように、互いの中へ係合しているように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
固定ねじ(10)は、スクリーンドラム(6)の操作側に、スクリーンドラム(6)に対する模様シェル体(7)の軸線方向の位置移動が防止されるように設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−530388(P2008−530388A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555472(P2007−555472)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000429
【国際公開番号】WO2006/087064
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(505196727)フライスナー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (19)
【Fターム(参考)】