説明

交通信号制御機

【課題】信号制御回路に複数のステップカウンタを備え、上り下りの信号制御を独立に行い、交差点の各流入路ごとの交通状況に応じてリアルタイムな信号制御を可能とした交通信号制御機。
【解決手段】信号制御回路1は動作レベル判定回路4と、CPUインターフェース回路5と、ステップの単位時間を設定するタイマ回路(N)6、タイマ回路(S)8と、クロック回路7と、ステップ信号に基づいてステップを計数するステップカウンタ回路(N)9、ステップカウンタ回路(S)10と、各ステップカウンタ回路からそれぞれ発生されるステップ信号を同期させるステップ同期回路11と、現示メモリ3のデータを読み取る現示メモリ読取回路12と、原則的に同時点灯を不可とする信号灯器データを検出した場合に、信号灯器の灯色を強制的に変更するGG判定回路13と、現示メモリ3に記憶された灯色データに基づいて信号灯器を点灯する灯色出力回路15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号制御機に関し、さらに詳しくは、上りと下りの信号制御を個別に制御する信号制御回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の日本の道路交通信号機の制御においては、ステップ信号生成部から所定のピッチで出力されるステップ信号に基づいて1ステップ毎に信号灯器を切り替えるステップ制御方式で行われている。このステップ制御方式はステップ信号の変化がステップ単位にシリアルに行われるため、安全性の点では非常に優れた方式といえる。
また信号制御機の信号制御回路は、図7に示すようにCPU52とLSI51の2重構成となっている。即ち、LSI51はLSI内部の動作を監視する動作レベル判定回路54と、CPU52とのインターフェースを整合するCPUインターフェース回路55と、ステップの単位時間を設定するタイマ回路56と、タイマ回路56を駆動するクロック信号を発生するクロック回路57と、CPU52から発生されるステップ信号に基づいてステップ数を計数するステップカウンタ回路59と、現示メモリ53のデータを読み取る現示メモリ読取回路58とを備えて構成される。尚、現示メモリ53は信号灯器を点灯する灯色データをステップ信号に対応して記憶している。
【0003】
図8は従来のシングルステップカウント方式の動作を説明する現示階梯図である。横軸にステップ数を示し、縦軸に各信号名を示す。また、同じ図の中に各信号の流れ図を示す。ここで、太い黒線は信号機が青であることを示し、縦筋は点滅を示し、波型は信号機が黄であることを示し、矢印は矢印方向に進行可であることを示し、二重線は信号機が赤であることを示している。また1P、2Pは歩行者用信号機を示し、S1、S2は車両用信号機を示し、1A、2Aは車両用矢印信号機を示す。
次に図8を参照してシングルステップカウント方式の動作を説明するが、説明を更に明確にするために、図9の交差点の模式図を併せて参照しながら説明する。尚、同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。まずステップ1では、歩行者用信号機1Pと車両用信号機S1は青、車両用矢印信号機1A、2Aは無灯火、歩行者用信号機2Pと車両用信号機S2は赤となっている。即ち、歩行者20、22は信号機1Pにより進行が可であり、車両26、30も信号機S1により進行が可である。次にステップ2では、歩行者用信号機1Pは点滅、車両用信号機S1は青、車両用矢印信号機1A、2Aは無灯火、歩行者用信号機2Pと車両用信号機S2は赤となっている。即ち、歩行者20、22は信号機1Pにより注意が促され、車両26、30は信号機S1により進行が可である。次にステップ3では、歩行者用信号機1Pは赤、車両用信号機S1は青、車両用矢印信号機1A、2Aは無灯火、歩行者用信号機2Pと車両用信号機S2は赤となっている。即ち、歩行者20、22は信号機1Pにより停止となり、車両26、30は信号機S1により進行が可である。次にステップ4では、歩行者用信号機1Pは赤、車両用信号機S1は点滅、車両用矢印信号機1A、2Aは無灯火、歩行者用信号機2Pと車両用信号機S2は赤となっている。即ち、歩行者20、22は信号機1Pにより停止となり、車両26、30は信号機S1により注意が促されている。次にステップ5では、歩行者用信号機1Pは赤、車両用信号機S1は赤、車両用矢印信号機1Aは右折可、2Aは無灯火、歩行者用信号機2Pと車両用信号機S2は赤となっている。即ち、歩行者20、22は信号機1Pにより停止となり、車両26、30は信号機S1により直進は停止で右折が可である。次にステップ6では、歩行者用信号機1Pは赤、車両用信号機S1は点滅、車両用矢印信号機1A、2Aは無灯火、歩行者用信号機2Pと車両用信号機S2は赤となっている。
【0004】
即ち、歩行者20、22は信号機1Pにより停止となり、車両26、30は信号機S1により直進は停止で右折は注意が促されている。次にステップ7では、全ての信号機が赤となり停止である。そしてステップ8以降は交差する信号機2P、S2、2Aがステップ1からステップ7までと同様の動作を繰り返す。
このようにシングルステップカウント方式の場合、必ず上りと下りの信号機が同じ灯色を同じタイミングにより点灯することである。
図10は従来方式におけるCPU52とLSI51の関係を表す模式図である。例えば、CPU52から指令情報として、ステップを歩進するステップ信号(1ビット)、現示データを時間帯により変更するページ信号(2ビット)とステータス信号(2ビット)、ステップカウンタを切り換えるリング信号(1ビット)の合計6ビットの信号がLSI51に送信される。そしてLSI51では、それらの信号に基づいて、CPU52から送信されるステップ信号が監視時間内か否か、ページ移行とステータス移行がOKか否かをチエックして、その結果をCPU52に送信する。このように、CPU52とLSI51間で確認しながらステップを進めていく。
また、シングルステップカウント方式の従来技術とした特許文献1には、歩行者の横断要求があると、速やかにその歩行者の横断方向に対する歩行者用の青と、同じ方向の車両用の青を表示させるようにする。その際、横断方向と交差する方向に表示された車両用の青を打ち切る場合は、最少青時間以上表示してから青を打ち切るようにする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−77090公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の信号制御用LSIでは、各ステップの秒数をカウントするステップカウンタは1種類のみであり、上り下りを別々に制御することはできなかった。また、歩進指令によりステップを1つカウントアップする方式のため、数ステップを飛ばす(スキップする)場合には、特別な細工が必要であり容易ではなかった。
また特許文献1に開示されている従来技術は、横断する歩行者を優先させるために、歩行者の横断要求があると即座に進行方向の信号機を青とすると共に、交差する信号機を最小時間で打ち切るため、車両の渋滞を来たす虞がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、信号制御回路に複数のステップカウンタを備えることにより、上り下りの信号制御を独立に行うようにして、交差点の各流入路ごとの交通状況に応じてリアルタイムな信号制御を可能とした交通信号制御機を提供することを目的とする。
また他の目的は、CPUから送信するステップ信号を複数ビット構成にすることにより、歩進指令のスキップ動作を容易とした交通信号制御機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、1ステップごとに信号灯器の動作を切り換えるためのステップ信号を発生する制御手段と、該制御手段により発生されたステップ信号に基づいて前記信号灯器の動作を切り換える信号制御回路と、前記信号灯器を点灯する灯色データを前記ステップ信号に対応して記憶する現示メモリと、を備えた交通信号制御機において、前記信号制御回路は、前記制御手段から発生されたステップ信号を計数する複数のステップ計数手段を備え、各ステップ計数手段により計数されたステップ数に基づいて前記現示メモリに記憶された灯色データを読み出して前記信号灯器を点灯することを特徴とする。
本発明の信号制御回路が従来と異なる点は、信号制御回路に複数のステップ計数手段を備えた点である。即ち、制御手段から送信されたステップ信号に基づいて各ステップ計数手段をそれぞれセットし、セットされたステップ数に応じて現示メモリに記憶された灯色データを読み出して点灯するものである。
請求項2は、前記現示メモリは、前記複数のステップ計数手段が計数したステップごとに個別の前記灯色データを記憶することを特徴とする。
現示メモリには、複数のステップ計数手段の各ステップごとに全ての灯色データが記録されている。従って、複数のステップ計数手段から出力されるステップ番号に応じて記憶された灯色データが読み出される。
請求項3は、前記制御手段は複数ビットからなるステップ信号を発生する構成を備え、前記ステップ計数手段の計数値を所定のステップ数にスキップするように計数可能としたことを特徴とする。
本発明の信号制御回路が従来と異なる他の点は、制御手段から出力されるステップ信号を1ビットから複数ビットにした点である。例えば、5ビットで構成された場合、32種類のステップを任意に出力することができる。
【0007】
請求項4は、前記信号制御回路は、前記複数のステップ計数手段が計数したステップが所定のステップ数に達したことを検出して、当該複数のステップ計数手段の計数値信号の位相を同期させることを特徴とする。
複数のステップ計数手段により信号機を個別に制御する場合、いずれかの時点で上り下りの信号機を同時に青にする危険性が出てくる。そこで本発明では、ステップ計数手段が計数したステップ数が所定のステップ数に達したことを検出した時点で各ステップ計数手段の計数値信号の位相同期を取り直すものである。
請求項5は、前記信号制御回路は、前記現示メモリに記憶された灯色データがすべて赤色になったタイミングに基づいて、前記複数のステップ計数手段の計数値信号の位相を同期させることを特徴とする。
信号機では上り下りの信号機が同時に赤になるタイミングが必ずある。そこで本発明では、現示メモリに記憶された灯色データがすべて赤色になったタイミング基づいて各ステップ計数手段の計数値信号の位相同期を取り直すものである。
請求項6は、前記信号制御回路は、原則的に同時点灯を不可とする信号灯器データを検出した場合に、前記信号灯器の灯色を強制的に閃光動作に移行する灯色変更手段と、前記現示メモリに記憶された灯色データに基づいて前記信号灯器を点灯する灯色出力回路と、を更に備えたことを特徴とする。
信号機において最も危険な状態は、交錯する方向の信号機が同時に青になることである。この状態を防止するために本発明の信号制御回路では、交錯する方向の青信号のデータを常に監視し、同時に青となった場合に強制的に信号灯器の灯色を黄と赤の交互点滅(閃光動作)に変更する灯色変更手段を備え、更に現示メモリに記憶された灯色データに基づいて信号灯器を点灯する灯色出力回路を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、信号制御回路に複数のステップ計数手段を備えたので、上り下りの信号制御を独立に行うことができ、交差点の各流入路ごとの交通状況に応じてリアルタイムな信号制御を行うことができる。
また請求項2では、現示メモリは、複数のステップ計数手段が計数したステップごとに個別の灯色データを記憶するので、現示メモリのデータを変更することにより、どのような信号機にも対応することが可能となる。
また請求項3では、制御手段は複数ビットからなるステップ信号を発生する構成を備えているので、任意のステップ数を指定することができ、スキップ動作を容易に行うことができる。
また請求項4では、ステップ計数手段が計数したステップが所定のステップに達したことを検出した時点で各ステップ計数手段の同期を取り直すので、交錯する方向の信号機を同時に青にする危険性を回避することができる。
また請求項5では、現示メモリに記憶された灯色データがすべて赤色になったタイミング基づいて各ステップ計数手段の同期を取り直すので、必ず1サイクルの動作で同期の取り直しが行なわれ、交錯する方向の信号機を同時に青にする危険性を更に回避することができる。
また請求項6では、交錯する方向の青信号のデータを常に監視し、同時に青となった場合に強制的に信号灯器の灯色を黄と赤の交互点滅に変更する灯色変更手段と、更に現示メモリに記憶された灯色データに基づいて信号灯器を点灯する灯色出力回路を備えたので、信号機が同時に青になった場合に、強制的にそれ以外の灯色にして危険を未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る信号制御機の構成と信号制御回路のブロック図である。この信号制御機100は、1ステップごとに信号灯器の動作を切り換えるためのステップ信号を発生するCPU(制御手段)2と、このCPU2により発生されたステップ信号に基づいて図示しない信号灯器の動作を切り換える信号制御回路1と、信号灯器を点灯する灯色データをステップ信号に対応して記憶する現示メモリ3と、を備えて構成される。
そして信号制御回路1は信号制御回路内部の動作を監視する動作レベル判定回路4と、CPU2とのインターフェースを整合するCPUインターフェース回路5と、ステップの単位時間を設定するタイマ回路(N)6、タイマ回路(S)8と、タイマ回路(N)6、タイマ回路(S)8を駆動するクロック信号を発生するクロック回路7と、CPU2から発生されるステップ信号に基づいてステップを計数するステップカウンタ回路(ステップ計数手段)(N)9、ステップカウンタ回路(ステップ計数手段)(S)10と、ステップカウンタ回路(N)9、ステップカウンタ回路(S)10からそれぞれ発生されるステップ信号を同期させるステップ同期回路11と、現示メモリ3のデータを読み取る現示メモリ読取回路12と、原則的に同時点灯を不可とする信号灯器データを検出した場合に、信号灯器の灯色を強制的に変更するGG判定回路(灯色変更手段)13と、現示メモリ3に記憶された灯色データに基づいて信号灯器を点灯する灯色出力回路15と、を備えている。尚、GG判定回路13の前段にはGピックアップ置換回路14が備えられ、Gピックアップ17からの信号を置換している。また灯色出力回路15の出力信号は一旦灯色置換回路16に置換されて灯色出力18として出力される。
【0010】
図2は本発明の動作を説明するために使用する交差点の一例を示す図である。この交差点では、説明の便宜上図の下から上、及び左から右に向かう方向をN方向(ステップカウンタ回路(N)9が制御する方向)、上から下、及び右から左に向かう方向をS方向(ステップカウンタ回路(S)10が制御する方向)とする。但し、1A、2Aの右折矢印は方向が逆になる。そしてN方向の信号機1Y、1R、1G、1Aにより制御される車両を30、S方向の信号機1Y、1R、1G、1Aにより制御される車両を26とする。またS方向の信号機2Y、2R、2G、2Aにより制御される車両を29、N方向の信号機2Y、2R、2G、2Aにより制御される車両を25とする。またN方向の信号機1Pにより制御される歩行者を20、S方向の信号機1Pにより制御される歩行者を22とする。またS方向の信号機2Pにより制御される歩行者を23、N方向の信号機2Pにより制御される歩行者を21とする。尚、説明を簡略化するために、歩行者は歩道24、27、28、31の矢印の方向のみに進行すると仮定し、反対側の信号機を省略している。
【0011】
図3は本発明の信号制御機によるデュアルステップカウント方式の時差がない場合の動作を説明する現示階梯図である。横軸にステップ数を示し、縦軸に各信号名を示す。また、同じ図の中に各信号の流れ図を示す。ここで、太い黒線は信号機が青であることを示し、縦筋は点滅であることを示し、波型は信号機が黄であることを示し、矢印は矢印方向に進行可であることを示し、二重線は信号機が赤であることを示している。また1P、2Pは歩行者用信号機を示し、1Y、1Rおよび2Y、2Rは車両用信号機を示し、1G、2Gは車両用直進および左折可信号機を示し、1A、2Aは車両用右折可信号機を示し、以下、説明に出てくる符合は同様の内容を示している。説明を更に明確にするために、図2の交差点の模式図を併せて参照しながら説明する。尚、同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。
まずN方向のステップ1では、歩行者用信号機1P(以下、単に1Pと記す)は青、車両用信号機1Y、1R(以下、単に1Y、1Rと記す)は赤、車両用直進および左折可信号機1G(以下、単に1Gと記す)は青、車両用右折可信号機1A(以下、単に1Aと記す)は無灯火、歩行者用信号機2P(以下、単に2Pと記す)は赤、車両用信号機2Y、2R(以下、単に2Y、2Rと記す)は赤、車両用直進および左折可信号機2G(以下、単に2Gと記す)は無灯火、車両用右折可信号機2A(以下、単に2Aと記す)は無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより進行が可であり、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ1では、1Pは青、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより進行が可であり、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
【0012】
次にN方向のステップ2では、1Pは点滅、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより注意が促され、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ2では、1Pは点滅、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより注意が促され、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ3では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ3では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ4では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ4では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
【0013】
次にN方向のステップ5では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは無灯火、1Aは青、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが赤であるが右折のみ可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ5では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは無灯火、1Aは青、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが赤であるが右折のみ可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ6では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ6では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ7では、点灯している全ての信号機が赤となる。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rにより停止する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ7では、点灯している全ての信号機が赤となる。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rにより停止する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。そして、ステップ同期回路11によりステップ7が終了した時点でステップカウンタ回路(N)9とステップカウンタ回路(S)10との立下りを合わせるようにして同期をとる。尚、ステップ8以降はN方向、S方向共に、交差する信号機2P、2Y、2R、2G、2Aがステップ1からステップ7までと同様の動作を繰り返すため説明を省略する。
【0014】
図4は本発明の信号制御機によるデュアルステップカウント方式のN方向の直進、左折及びS方向の右折の交通需要が多い場合の動作を説明する現示階梯図である。
まずN方向のステップ1では、1Pは青、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより進行が可であり、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ1では、1Pは青、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより進行が可であり、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ2では、1Pは点滅、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより注意が促され、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ2では、1Pは点滅、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより注意が促され、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
【0015】
次にN方向のステップ3では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ3では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は交通量が少ないので1Y、1Rが赤であるが1Gにより短い時間直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。ここで、N方向のステップ3とS方向のステップ3では時間が異なり、N方向のステップ3を長くする制御が行われる。即ち、N方向の交通量がS方向に比べて多い場合に、N方向の信号機Gの時間を長くすることにより、効率の良い制御ができる。
次にN方向のステップ3が継続中に、S方向のステップ4が開始される。S方向のステップ4では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。このとき、車両30はまだ直進と左折は可能である。
次にN方向のステップ3が継続中に、S方向のステップ5が開始される。S方向のステップ5では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは無灯火、1Aは青、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが赤であるが右折のみ可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。即ち、S方向の右折の交通量がN方向に比べて多い場合に、S方向の信号機1Aの時間を長くすることにより、効率の良い制御ができる。
【0016】
次にS方向のステップ5が継続中に、N方向のステップ3が終了してステップ4が開始される。N方向のステップ4では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。
次にS方向のステップ5が継続中に、N方向のステップ5が開始される。N方向のステップ5では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは無灯火、1Aは青、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが赤であるが右折のみ可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。そしてN方向とS方向のステップ5が同時に終了する。
次にN方向のステップ6では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ6では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ7では、点灯している全ての信号機が赤となる。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rにより停止する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ7では、点灯している全ての信号機が赤となる。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rにより停止する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。そして、ステップ同期回路11によりステップ7が終了した時点でステップカウンタ回路(N)9とステップカウンタ回路(S)10との立下りを合わせるようにして同期をとる。尚、ステップ8以降はN方向、S方向共に、交差する信号機2P、2Y、2R、2G、2Aがステップ1からステップ7までと同様の動作を繰り返すため説明を省略する。
【0017】
図5は本発明の信号制御機によるデュアルステップカウント方式のS方向の直進と左折及びN方向の右折の交通需要が多い場合の動作を説明する現示階梯図である。
まずN方向のステップ1では、1Pは青、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより進行が可であり、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ1では、1Pは青、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより進行が可であり、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ2では、1Pは点滅、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより注意が促され、車両30は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ2では、1Pは点滅、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより注意が促され、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
【0018】
次にN方向のステップ3では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は交通量が少ないので1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ3では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは青、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが赤であるが1Gにより直進および左折が可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。ここで、N方向のステップ3とS方向のステップ3では時間が異なり、S方向のステップ3を長くする制御が行われる。即ち、S方向の交通量がN方向に比べて多い場合に、S方向の信号機Gの時間を長くすることにより、効率の良い制御ができる。
次にS方向のステップ3が継続中に、N方向のステップ4が開始される。N方向のステップ4では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。このとき、車両26はまだ直進と左折は可能である。
次にS方向のステップ3が継続中に、N方向のステップ5が開始される。N方向のステップ5では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは無灯火、1Aは青、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが赤であるが右折のみ可である。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。即ち、N方向の右折の交通量がS方向に比べて多い場合に、N方向の信号機1Aの時間を長くすることにより、効率の良い制御ができる。
【0019】
次にN方向のステップ5が継続中に、S方向のステップ3が終了してステップ4が開始される。S方向のステップ4では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ5が継続中に、S方向のステップ5が開始される。S方向のステップ5では、1Pは赤、1Y、1Rは赤、1Gは無灯火、1Aは青、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが赤であるが右折のみ可である。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。そしてN方向とS方向のステップ5が同時に終了する。
次にN方向のステップ6では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ6では、1Pは赤、1Y、1Rは黄、1Gは無灯火、1Aは無灯火、2Pは赤、2Y、2Rは赤、2Gは無灯火、2Aは無灯火となっている。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rが黄であるので注意して進行する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。
次にN方向のステップ7では、点灯している全ての信号機が赤となる。即ち、歩行者20は1Pにより停止、車両30は1Y、1Rにより停止する。また歩行者21は2Pにより停止となり、車両25は2Y、2Rにより停止となる。一方S方向のステップ7では、点灯している全ての信号機が赤となる。即ち、歩行者22は1Pにより停止、車両26は1Y、1Rにより停止する。また歩行者23は2Pにより停止となり、車両29は2Y、2Rにより停止となる。そして、ステップ同期回路11によりステップ7が終了した時点でステップカウンタ回路(N)9とステップカウンタ回路(S)10との立下りを合わせるようにして同期をとる。尚、ステップ8以降はN方向、S方向共に、交差する信号機2P、2Y、2R、2G、2Aがステップ1からステップ7までと同様の動作を繰り返すため説明を省略する。
【0020】
図6は本発明におけるCPU2と信号制御回路1の関係を表す模式図である。例えば、CPU2から指令情報として、ステップを歩進するステップ信号(5ビット)、現示データを時間帯により変更するページ信号(2ビット)とステータス信号(2ビット)、ステップカウンタを切り換えるリング信号(1ビット)の合計10ビットの信号が信号制御回路1に送信される。そして信号制御回路1では、それらの信号に基づいて、CPU2から送信されるステップ信号が監視時間内か否か、ページ移行とステータス移行がOKか否か、バリアステップにおいて同期したか否かをチエックして、その結果をCPU2に送信する。このように、CPU2と信号制御回路1間で確認しながらステップを進めていく。即ち、信号制御回路1は各ステップの移行時にはCPU2が誤ったステップへ移行指令を出力したとしても、移行フラグが立っていない場合は、移行することの無いようにガードしている。
【0021】
以上のように本発明によれば、信号制御回路1にステップカウンタ回路(N)9とステップカウンタ回路(S)10を備えたので、上り下りの信号制御を独立に行うことができ、交差点の各流入路ごとの交通状況に応じてリアルタイムな信号制御を行うことができる。また、現示メモリ3は、ステップカウンタ回路(N)9とステップカウンタ回路(S)10が計数したステップごとに個別の灯色データを記憶するので、現示メモリ3のデータを変更することにより、どのような信号機にも対応することが可能となる。また、CPU2は複数ビットからなるステップ信号を発生する構成を備えているので、任意のステップ数を指定することができ、スキップ動作を容易に行うことができる。また、ステップカウンタ回路(N)9とステップカウンタ回路(S)10が計数したステップが所定のステップに達したことを検出した時点で各ステップカウンタ回路の同期を取り直すので、交錯する方向の信号機を同時に青にする危険性を回避することができる。また、現示メモリ3に記憶された灯色データがすべて赤色になったタイミング基づいて各ステップカウンタ回路の同期を取り直すので、必ず1サイクルの動作で同期の取り直しが行なわれ、交錯する方向の信号機を同時に青にする危険性を更に回避することができる。また、交錯する方向の青信号のデータをGG判定回路13により常に監視し、同時に青となった場合に強制的に信号灯器の灯色を黄と赤の交互点滅に変更するようにしたので、信号機が同時に青になった場合に、強制的にそれ以外の灯色にして危険を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る信号制御機の構成と信号制御回路のブロック図である。
【図2】本発明の動作を説明するために使用する交差点の一例を示す図である。
【図3】本発明の信号制御機によるデュアルステップカウント方式の時差がない場合の動作を説明する現示階梯図である。
【図4】本発明の信号制御機によるデュアルステップカウント方式のN方向の直進、左折及びS方向の右折の交通需要が多い場合の動作を説明する現示階梯図である。
【図5】本発明の信号制御機によるデュアルステップカウント方式のS方向の直進と左折及びN方向の右折の交通需要が多い場合の動作を説明する現示階梯図である。
【図6】本発明におけるCPU2と信号制御回路1の関係を表す模式図である。
【図7】従来の信号制御機の構成と信号制御回路のブロック図である。
【図8】従来のシングルステップカウント方式の動作を説明する現示階梯図である。
【図9】従来動作を説明するために使用する交差点の一例を示す図である。
【図10】従来方式におけるCPU52とLSI51の関係を表す模式図である。
【符号の説明】
【0023】
1 信号制御回路、2 CPU、3 現示メモリ、4動作レベル判定回路、5 CPUインターフェース回路、6 タイマ回路(N)、7 クロック回路、8 タイマ回路(S)、9 ステップカウンタ回路(N)、10 ステップカウンタ回路(S)、11 ステップ同期回路、12 現示メモリ読取回路、13 GG判定回路、15 灯色出力回路、100 信号制御機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ステップごとに信号灯器の動作を切り換えるためのステップ信号を発生する制御手段と、該制御手段により発生されたステップ信号に基づいて前記信号灯器の動作を切り換える信号制御回路と、前記信号灯器を点灯する灯色データを前記ステップ信号に対応して記憶する現示メモリと、を備えた交通信号制御機において、
前記信号制御回路は、前記制御手段から発生されたステップ信号を計数する複数のステップ計数手段を備え、各ステップ計数手段により計数されたステップ数に基づいて前記現示メモリに記憶された灯色データを読み出して前記信号灯器を点灯することを特徴とする交通信号制御機。
【請求項2】
前記現示メモリは、前記複数のステップ計数手段が計数したステップごとに個別の前記灯色データを記憶することを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御機。
【請求項3】
前記制御手段は複数ビットからなるステップ信号を発生する構成を備え、前記ステップ計数手段の計数値を所定のステップ数にスキップするように計数可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の交通信号制御機。
【請求項4】
前記信号制御回路は、前記複数のステップ計数手段が計数したステップが所定のステップ数に達したことを検出して、当該複数のステップ計数手段の計数値信号の位相を同期させることを特徴とする請求項1、2または3に記載の交通信号制御機。
【請求項5】
前記信号制御回路は、前記現示メモリに記憶された灯色データがすべて赤色になったタイミングに基づいて、前記複数のステップ計数手段の計数値信号の位相を同期させることを特徴とする請求項1、2または3に記載の交通信号制御機。
【請求項6】
前記信号制御回路は、原則的に同時点灯を不可とする信号灯器データを検出した場合に、前記信号灯器の灯色を強制的に閃光動作に移行する灯色変更手段と、前記現示メモリに記憶された灯色データに基づいて前記信号灯器を点灯する灯色出力回路と、を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の交通信号制御機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−268547(P2006−268547A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−86694(P2005−86694)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】