人の歯からエナメル質を除去する装置及び方法
1つの実施態様によれば、人の歯からエナメル質を除去する装置(10)は、ブレード部分(16)と、ハンドル部分(42)とを含む。ブレード部分は研削表面(26)を含み、研削表面は、エナメル質に対する研削表面の往復運動に応答して歯からエナメル質を除去するよう構成される。ハンドル部分はブレード部分に結合され、第一領域(46)と、第二領域(48)とを含み、第一領域はブレード部分に対して近位にあり、第二領域はブレード部分に対して遠位にある。第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含む。第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、中実な断面はノッチ領域(44)を定める。装置は、ブレード部分及び研削表面を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、歯科医術及び歯科矯正に関し、具体的には、人の歯からエナメル質を除去する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人が不正咬合に関連付けられる歯の過密に起因する有害な状況を経験する。1つ又はそれよりも多くの歯の抜歯の必要を回避するために、そのような状況は、人の口内の1つ又はそれよりも多くの歯からエナメル質を除去し、空間又は追加的な空間を生み出すことによって効果的に処置されている。歯間エナメル質削減(IER)は、人の歯の歯間接触地域からエナメル質の一部を除去する臨床行為である。IER(Interproximal Enamel Reduction)を遂行するために、矯正歯科医又は他の臨床専門家は、金属性ストリップ又はディスクを用いて歯の歯間接触地域を手動で或いは機械的に削り落とす。典型的には、人の上方歯列弓内の歯の間に7ミリメートルを超える空間を作り出し、人の下方歯列弓内の歯の間に5ミリメートルを超える空間を作り出し得る。歯科矯正及び他の処置のために空間を作り出すことに加えて、人の歯の大きさ及び形状を変更するためにIERを使用し得る。従って、IERは歯科矯正及び歯科整形美容の仕上りの向上に寄与することが多い。IER処置からの破片は歯間接触地域の周りに蓄積するので、処置中に処置は中断され且つ歯間接触地域は定期的に洗浄されなければならず、処置の長さ及び費用を増大させる。加えて、IERのために使用される工具は、典型的には、溶接、リベット留め、又は、他の手段を使用して一体に結合される多数片の金属から構成され、高価であり得る。経済的な理由から、典型的には、これらの工具は数回再使用されなければならず、従って、IER処置中に徹底的に洗浄され且つ殺菌されなければならず、これらの処置に関連付する費用を更に増大させる。そのような工具は、典型的には、成形板金を使用しても構成され、それは不十分な構造的完全性を招き、関連付けられる駆動機構に結合するそれらの能力に否定的な影響を及ぼし、それらの耐用年数を削減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の装置及び方法は、以前の歯科装置に関連する特定の問題及び不利点を低減又は排除する。特定の実施態様において、ハンドルは、少なくとも2つの領域、即ち、実質的に中実な断面を備える第一領域と、ノッチ領域を定める少なくとも半円形の断面を備える第二領域とを含み、ノッチ領域は、研削表面の往復運動をもたらすためにブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される。特定の実施態様は、有利な剛性、強度、耐久性、安定性、及び/又は、耐化学薬品性を含む有利な特性を備える材料を利用し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施態様によれば、人の歯からエナメル質を除去する装置は、ブレード部分と、ハンドル部分とを含む。ブレード部分は、研削表面を含み、研削表面は、エナメル質に対する研削表面の往復運動に応答して歯からエナメル質を除去するよう構成される。ハンドル部分はブレード部分に結合され、第一領域と、第二領域とを含み、第一領域はブレード部分に対して近位にあり、第二領域はブレード部分に対して遠位にある。第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含む。第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、中実な断面はノッチ領域を定める。当該装置は、ブレード部分及び研削表面を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される。
【0005】
本発明の具体的な実施態様は、1つ又はそれよりも多くの技術的利点を提供し得る。本発明の様々な実施態様は、人の1つ又はそれよりも多くの歯からエナメル質を除去する装置及び方法を提供する。2つの隣接する歯の一方又は両方からのエナメル質の除去は、隣接する歯の間に空間又は追加的な空間を作り出し得る。よって、不正咬合に関連付けられる過密を防止又は治療し且つ1つ又はそれよりも多くの抜歯の必要を回避するためにIER処置を遂行し得る。追加的に或いは代替的に、より審美的に心地よい結果をもたらすよう、人の1つ又はそれよりも多くの歯の大きさ及び形状を輪郭変更し或いは他の方法で変更するために、IER処理を使用し得る。
【0006】
特定の実施態様において、装置は、研削表面を有するブレード部分と、タング部分とを含み得る。タング部分は、好ましくは金属であり、強度及び剛性をもたらし、使用中に破損し或いは他の方法で故障する可能性は低い。特定の実施態様において、少なくともタング部分を含む装置の部分は、本体によって囲まれ或いは他の方法で覆われる。本体をプラスチック、ポリマ、又は、複合材で作製し得るし、本体を一体形成し得る。特定の実施態様では、人の歯からエナメル質を除去するために装置を使用するとき、矯正歯科医又は他の臨床専門家は結果として得られるハンドルを手で把持し得る。特定の実施態様において、装置は軽量であり、臨床専門家は装置を容易に位置付け且つ操作し得る。特定の実施態様では、人の歯のエナメル質に対してフレームのブレード部分の研削表面を往復運動させるためにフレームと協働して駆動機構を使用し得る。特定の実施態様において、フレームのブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くのの孔は、IER処置が行われるとき、歯間接触地域から破片を排出する。結果的に、除去されるエナメル質の小片、唾液、血液、及び、IER処置中に使用され歯間接触地域内に存在するあらゆる液体、化学薬品、又は、ペーストを、1つ又はそれよりも多くの孔を通じて歯から排出可能であり、IER処置中、歯間接触地域はより清浄に維持され、視覚的に妨げられず、歯間接触地域を洗浄するために処置を中断する必要が低減又は排除される。特定の実施態様では、1回の使用の後に装置を使い捨てすることが経済的に実用的であるよう、装置を安価に大量生産可能であり、使用と使用との間の洗浄及び殺菌の必要を排除する。
【0007】
特定の実施態様はこれらの利点の全部又は一部を提供し得るし、或いは、全く提供し得ない。特定の実施態様は、1つ又はそれよりも多くの他の利点を提供し得る。それらの他の利点の1つ又はそれよりも多くは、ここに含まれる図面、記載、及び、請求項から当業者に明らかであり得る。
【0008】
本発明及び本発明の利点のより完全な理解のために、添付の図面と共に以下の記載が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】人の歯からエナメル質を除去する例示的な装置を示す切欠図である。
【図1B】完全に形成された本体を備える図1Aの例示的な装置を示す斜視図である。
【図1C】完全に形成された本体を具備する図1Aの例示的な装置を示す側面図である。
【図1D】ハンドルの近位領域を例示的に示す断面図である。
【図1E】ハンドルの遠位領域を例示的に示す断面図である。
【図1F】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1G】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1H】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1I】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1J】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図2A】エナメル質を除去する例示的な装置に結合するよう構成された例示的な駆動機構を示す概略図である。
【図2B】エナメル質を除去する例示的な装置に結合するよう構成された例示的な駆動機構を示す概略図である。
【図3A】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3B】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3C】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3D】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3E】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図4A】人の口の例示的な上方歯列弓とエナメル質を除去し得る例示的な歯間接触地域とを示す概略図である。
【図4B】人の口の例示的な下方歯列弓とエナメル質を除去し得る例示的な歯間接触地域とを示す概略図である。
【図5】人の歯からエナメル質を除去する例示的な方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によれば、人の1つ又はそれよりも多くの歯からエナメル質を除去するための装置及び方法が提供される。2つの隣接する歯の一方又は両方からのエナメル質の除去は、隣接歯間に空間又は追加的な空間を作り出し得る。よって、不正咬合と関連付けられる歯の過密を防止又は治療し、1つ又はそれよりも多くの歯の抜歯の必要を回避するために、IER(歯間エナメル質削減)処置を遂行し得る。追加的に或いは代替的に、人の1つ又はそれよりも多くの歯の大きさ及び形状を輪郭変更し或いは他の方法で変更し、より審美的に心地よい結果をもたらすためにIER処置を使用し得る。
【0011】
図1Aは、人の歯からエナメル質を除去するための装置10の一例を例示している。装置10は、フレーム12と、本体14とを含む。特定の実施態様において、フレーム12は、単一の金属片で一体成形される、一体形フレームである。フレームを鋼又は他の金属で作製し得る。本体14はフレーム12の周りに形成され、フレーム12の適切な部分を囲み或いは他の方法で覆う。特定の実施態様において、本体14は、プラスチック又は他の適切な材料で一体成形される、一体形の本体であり得る。具体的な実施態様では、本体を、例えば、複合熱可塑性材料のような熱可塑性材料で形成し得る。人の歯からエナメル質を除去するために装置10を使用し得る。例えば、IER処置中に2つの隣接する歯の一方又は両方からエナメル質を除去して、隣接する歯の間に空間又は追加的な空間を作り出し、不正咬合に関連付けられる過密を防止又は治療するために装置10を使用し得る。他の実施例として、IER又は他の処置中に歯からエナメル質を除去して、歯を輪郭変更し、より審美的に心地よい形状をもたらすために装置10を使用し得る。従って、装置10を使用する歯の輪郭変更(recontouring)は歯科矯正治療の仕上りの向上に寄与し得る。エナメル質の一部が隣接接触地域で除去された後、歯を研磨し、保護処置を加え得る。本発明は特別な必要に従った装置10の適切な使用を想定する。
【0012】
特定の実施態様において、フレーム12は、ブレード部分16と、タング部分18と、安定化部分20とを含む。ブレード部分16は、第一端部22から第二端部24に第一方向に延びる。ブレード部分16は、1つ又はそれよりも多くの研削表面26を含み、研削表面26は、ブレード部分16の研削表面26が歯のエナメル質の上で、歯のエナメル質を通じて、或いは、他の方法で歯のエナメル質に対して反復的に移動されるとき、人の歯からエナメル質を除去するよう構成される。例えば、研削表面26が歯からエナメル質を漸進的に除去するのを可能にする方法で、研削表面26を人の歯に対して概ね反対方向に反復的に進み得る。ここでは、そのような動作を「往復」(reciprocating)運動と呼ぶ。特定の実施態様において、研削表面26はブレード部分16の2つの縁部28の間に延び、人の歯からエナメル質を「削り」(file)或いは他の方法で除去するために研削表面26を使用し得る。特定の他の実施態様では、代わりに或いは加えて、研削表面26はブレード部分16の縁部28bに沿って位置し、歯からエナメル質を「挽切り」(saw)或いは他の方法で除去するために研削表面26を使用し得る。
【0013】
特定の実施態様において、ブレード部分16は、歯から破片(debris)を排出するための1つ又はそれよりも多くの孔30を含む。例えば、孔30は、実質的に円形の開口を含み得る。ブレード部分16が歯に対して前進され、エナメル質が漸進的に除去されると、IER処置は歯間接触地域内又は周りに破片の蓄積を招く。蓄積される破片は、例えば、除去されるエナメル質の小片、唾液、血液、及び、IER処置中に使用されるあらゆる液体、化学薬品、又は、ペーストを含み得る。より正確なエナメル質除去のために、研削表面26が歯間接触地域に対して留まるよう、ブレード部分16の孔30は、そのような破片を歯間接触地域から排出するよう作用する。加えて、IER処置が遂行されるとき、過度の中断を伴わずに、患者の口をより清浄に維持し得る。
【0014】
上述されたように、特定の実施態様において、フレーム12は、タング部分18及び安定化部分20も含む。タング部分18は、研削表面26と概ね同じ方向にブレード部分16の第二端部24から延びる。安定化部分20は、使用中に装置10を安定化するよう作用する。安定性のために望ましいが、本発明は安定化部分20を欠く装置10を想定する。特定の実施態様において、安定化部分20は実質的にU形状であり、第一部分32と、第二部分34と、第三部分36とを含む。第一部分32は、研削表面26の方向に対して概ね垂直な第一方向にブレード部分16の第一端部22から延び得る。安定化部分20の第二部分34は、研削表面26の方向に対して同様に概ね垂直な第二方向にブレード部分16の第二端部24から延びる。第三部分36は、第一部分32と第二部分34との間に延び、第一部分32及び第二部分34を結合する。安定化部分20及びブレード部分16に対するその部分32,34,36の具体的な構造が主として記載されるが、本発明はブレード部分16に対する如何なる適切な構造をも有する安定化部分20を想定する。安定化部分20はブレード部分16と協働して開口38を定める。ブレード部分16の孔30と同様に、IER又は他の処置が遂行されるとき、開口38は歯から破片を排出し得る。
【0015】
上述されたように、特定の実施態様において、装置10は、一体形の一体成形された本体14を含み、本体14は、フレーム12の一部を囲み或いは他の方法で覆う。具体的な実施態様では、例えば、複合熱可塑性材料のような熱可塑性材料を含むプラスチックで本体14を形成し得る。本体14を形成するプラスチックは、所望の形状に成形し或いは押出し得る主として合成又は半合成の有機凝結又は重合製品を含み得る。具体的な実施態様では、半結晶性のポリアミドと部分的に芳香性のコポリアミドとの組み合わせ(例えば、独国のGRIVORY EMSによって製造販売されるGRIVORY GV−5 FA NATURAL)で形成される材料を含む、ガラス繊維強化熱可塑性材料で本体14を形成し得る。そのような材料は、例えば、高い剛性、強度、耐久性、安定性、及び/又は、耐化学薬品性を含む、本体14のための有利な特性をもたらし得る。
【0016】
ポリマを溶融し、所望の形状の本体14の型内にフレーム12を配置し、溶融ポリマが型の内側でフレーム12の適切な部分を囲み或いは他の方法で覆うことを可能にし、且つ、ポリマが冷却硬化して本体14を形成することを可能にすることを含む重合プロセスによって本体14を製造し得る。
【0017】
特定の実施態様において、本体14は、ブレード部分16の研削表面26の少なくとも一部を露出したままの状態で、タング部分18及び安定化部分20を完全に或いは部分的に囲み或いは他の方法で覆い得る。加えて、フレーム12の周りでの本体14の成形は、本体14をフレーム12に結合するよう作用し得る。特定の実施態様において、フレーム12は、タング部分18及び安定化部分20を通じる1つ又はそれよりも多くの孔40を含み得る。本体14の形成中、本体14を形成する材料は、フレーム12に対する本体14の結合を向上するよう、孔40を通じて流れることが可能とされ得る。孔40は本体14及びフレーム12の結合を容易化し得るが、他の適切な結合機構が、本体14をフレーム12に追加的に或いは代替的に結合し得る。例えば、1つ又はそれよりも多くのリベット、ネジ、ボルト、又は、他の結合機構が、本体14をフレーム12に結合し得る。
【0018】
特定の実施態様では、ハンドル42がノッチ部分44を含む。ハンドル42は、以下に更に詳細に記載される少なくとも2つの領域、即ち、近位領域46と、ノッチ部分44を含む遠位領域48とを有すると理解し得る。上述された重合プロセスを使用して、ノッチ部分44を同時に形成し得る。特定の実施態様では、ノッチ部分44を作り出すために、ハンドル42から材料を除去することによってノッチ部分44を形成し得る。
【0019】
特定の実施態様では、IER又は任意の他の適切な処置を遂行するために、臨床専門家は手で又は機械的にハンドル42を把持し得る。矯正歯科医又は他の臨床専門家がハンドル42を使用して、人の歯の歯間接触地域に近接して装置を手動で位置付け得る。結果的に、装置10を使用する臨床専門家は、歯に対して反対方向にブレード部分16の研削表面26を進めるのに必要な力及び動作を供給し且つ制御し得る。
【0020】
図1B及び1Cは、完全に形成された本体14を備える図1Aの例示的な装置10の2つの眺めを例示している。図1Bは、補強材49が設けられた実施態様を例示している。追加的な安定性を生み出し且つ/或いは安定化部分20の破損を防止するために、補強材49は本体14に結合され、本体14のための追加的な構造支持体として作用する。上述のプラスチック成形又は押出し法を使用して或いは任意の他の適切な方法を介して補強材49を形成し得る。
【0021】
図1Cにおいて、例示的な装置10は、研削表面26及び孔30を含むブレード部分16を備えて例示されている。図示される実施態様において、ハンドル42は、近位領域46と、遠位領域48とを含む。ブレード部分16により近い近位領域46は、実質的に中実な円形断面を有する。この断面を図1Dに関連してより詳細に記載する。ブレード部分16から更に遠い遠位領域48は、ノッチ領域44を含む。遠位領域48は、少なくとも実質的に半円形の形状の実質的に中実な断面を有し得る。この断面を図1Eに関連してより詳細に記載する。代替的な断面の実施態様を図1F乃至1Jに関連して記載する。タング部分18は、近位領域46からノッチ領域44を含む遠位領域48に延び得る。
【0022】
図1Dは、ハンドル42の近位領域46の例示的な断面を例示している。図示の実施態様において、断面の周辺は実質的に円形であり且つ連続的である。タング部分18は本体14によって囲まれている。本体14は、孔30によって作り出される空間を囲み或いは流通し得る。例示の実施例において、断面は実質的に中実であり、金属製であり得るタング部分18と、例えば上述の重合方法のうちの1つを使用して形成し得る本体14とを含み得る。
【0023】
図1Eは、図1Cの遠位領域48の例示的な断面を例示している。断面は少なくとも実質的に半円形の形状を有する。この具体的に例示される遠位領域48の断面は、ハンドル42の半径を備える円のほぼ4分の3を定める第一部分と、ハンドル42の半径未満の半径を備える弧を定めるノッチ領域44に対応する第二部分とを備える周辺を有する。図1Cの遠位領域48の断面の更なる実施例を以下に例示する。
【0024】
図1F乃至1Jは、遠位領域48の例示的な代替的な断面を例示している。図1Fは、ノッチ領域44が遠位領域48の断面の実質的に円形の周辺の中心まで延びる90度の楔によって定められる断面を例示している。図1Gは、ノッチ領域44が遠位領域48の断面の実質的に円形の周辺の中心を僅かに越えて延びる90度の楔によって定められる断面を例示している。図1Hは、ノッチ領域44が90度の楔によって定められ、楔の隅部及び尖端が丸い形状を有する断面を例示している。図1Iは、ノッチ領域44がハンドル42によって定められる実質的に円形の形状の中心まで完全に延びない30度の楔によって定められる断面を例示している。図1Jは、ノッチ領域が開放台形の形状によって定められる断面を例示している。従って、ノッチ領域44は、本質的に多角形でない形状を含み如何なる適切な形状をも有し得る。
【0025】
断面形状に拘わらず、図2A及び2Bに例示されるような駆動機構内への圧縮嵌め(compression fit)を使用するよう遠位領域48を構成し得る。ハンドル42の全部又は一部に僅かに可撓な材料を使用することによって圧縮嵌めを達成し得る。遠位領域48が駆動機構(driver mechanism)50内に挿入されるとき、遠位領域48は僅かに圧縮し或いは内側に撓み得る。特定の実施態様において、遠位領域48の断面の周辺は、180度〜330度の範囲内の円形の弧を定め得る。
【0026】
加えて、ハンドルは2つの別個の領域を備えて例示されているが、本発明の範囲から逸脱せずに追加的な領域を設け得る。例えば、近位領域46と遠位領域48との間に中間領域を設け得る。更に、遠位領域48は均一な断面を備えて例示されているが、遠位領域48は不均一な断面を有し得る。例えば、ノッチ領域44が近位領域46に接近するに応じて、ノッチ領域44はテーパ状であり得る。
【0027】
特定の実施態様では、ハンドル42を駆動機構に結合するよう構成し得る。図2A及び2Bは、人の歯からエナメル質を除去するための例示的な装置10に結合するよう構成される例示的な駆動機構50を例示している。駆動機構50は、ハンドル42を受け入れ且つ固定するよう構成される凹部52を含み得る。例えば、ハンドル42を凹部52内に圧力嵌め(force fit)し得る。他の実施例として、ハンドル42を凹部52内に挿入し、一組のネジを使用して或いはその他の方法で固定し得る。駆動機構50は、歯に対して反対方向に研削表面26を機械的に進めるよう動作可能であり得る。ある実施例として、駆動機構50は実質的に線形の往復運動において研削表面26を機械的に移動するよう動作可能であり得る。他の実施例として、駆動機構50は、実質的に楕円形の往復運動において研削表面26を機械的に移動するよう動作可能であり得る。楕円経路は研削表面26と実質的に平行な平面内にある。例えば、駆動機構50は、従来的な歯科用ドリルにおけるような回転運動を、適切な歯車又は他の機構を通じて往復運動に変換し得る。そのような歯車又は他の機構は当業者に周知である。特定の実施態様では、装置10や歯科矯正又は他の臨床処置において使用される他の工具も交換可能に受け入れ且つ固定する駆動機構50を構成し得る。駆動機構50を、例えば、ドリル、研磨ブラシ、又は、他の工具を受け入れ且つ固定するようにも構成し得る。
【0028】
特定の実施態様において、ハンドル42は、少なくとも2つの別個の領域、即ち、実質的に連続的な円周を備える実質的に円形の断面を備える近位領域46と、ノッチ領域44を含む遠位領域48とを有する。遠位領域48が駆動機構50内に挿入されるとき、遠位領域48の材料は僅かに圧縮し或いは内側に撓み得る。次に、材料はその通常状態に戻り、駆動機構内で圧縮嵌めを作り出す。結果的に、圧縮嵌めを使用してハンドルを駆動機構50の凹部52内に嵌入し或いはその他の方法で結合し得る。図1A、1B、及び、1Cに示されるように、ハンドル42は、本体14の一部によって覆われるフレームの一部を含む実質的に中実な断面である2つの領域を有し得る。代替的に、フレーム12の一部、又は、フレーム12に結合される金属、プラスチック、又は、他の素子によってハンドル42を単独で形成し得る。これらの実施態様をC形状断面を備える薄壁ハンドルを有する成形板金で形成される工具から区別し得る。駆動機構50の凹部52内に圧力嵌めされるとき、そのようなハンドルを圧縮し且つ恒久的に或いは一時的に変形し得る。そのような変形は断面寸法に恒久的な変化を頻繁にもたらし、特に多数の使用後、それは工具が正しく且つ確実に駆動機構50に結合することを妨げ得る。反復的な使用後、そのような変形は材料疲労を引き起こし、最終的には、故障を引き起こし得る。
【0029】
特定の実施態様では、安定化部分20を図1A及び3Aに例示される形状以外の形状に形成し得る。図3A乃至3Eは、装置10の代替的な構成の実施例を例示している。図3Aに示されるように、特定の実施態様において、安定化部分20は実質的に矩形であり、ブレード部分に対して垂直な2つのポストによって安定化部分20を形成可能であり、2つのポストを接合する第三部分を備える。図3Bに示されるように、安定化部分20を弧の形状に形成し得る。図3Cに示されるように、特定の実施態様では、安定化部分20を具備しない装置10を形成し得る。図3Dに示されるように、特定の実施態様において、ハンドル42は安定化部分20から延び得る。図示されていないが、特定の実施態様において、装置10は、多数のブレード部分16を含み得る。例えば、装置10は、ハンドル42の長さを通じる軸から反対方向に偏心する第一及び第二のブレード部分16を含み得る。これらの実施態様のいずれにおいても、ブレード部分16をハンドル42に対して0度以上の角度を含む如何なる適切な角度にも向け得る。図3Eに示されるように、特定の実施態様において、ブレード部分16は、安定化部分20によって定められる地域を実質的に充填するよう延在し得る。
【0030】
図4A及び4Bは、人の口の例示的な上方及び下方の歯列弓と、例示的な歯間接触地域とを例示しており、歯間接触地域からエナメル質を除去し得る。図3Aは、例示的な上方歯列弓100の一部を例示し、図4Bは、例示的な下方歯列弓102の一部を例示している。上方歯列弓100及び下方歯列弓102は、前歯104を含む。各歯104は、突出部分106と、根部分108とを含む。突出部分106は、大顎を覆う歯肉組織から少なくとも部分的に突出する。根部108は大顎内に延び、歯104を所定位置に固定する。
【0031】
歯104は、少なくとも2つの層を含む。エナメル質は、歯104の外層を形成し、硬いカルシウム物質で構成される。内層112が歯質で構成され、腐敗、病気、及び、温度に極めて敏感である。しかしながら、上述のように、IER処置を使用して、1つ又はそれよりも多くの歯間接触地域114からエナメル質110の一部を除去し得る。歯間接触地域114からのエナメル質の一部の除去は、2つの隣接する歯104の間に空間又は追加的な空間を作り出し得る。従って、不正咬合に関連付けられる歯104の過密を防止又は治療し且つ抜歯の必要を回避するためにIER処置を遂行し得る。より審美的に心地よい形状をもたらすために1つ又はそれよりも多くのは104を再輪郭形成するためにもIER処置を使用し得る。エナメル質110の一部が歯間接触地域114で除去された後、歯を研磨し且つ保護措置を適用し得る。
【0032】
エナメル質110は歯104の構造及び機能に重要な保護層であるので、IER処置中に除去し得るエナメル質110の量は注意深く制御されなければならない。特定の実施態様では、慢性的な敏感性又は痛みを生み出さずに、上方歯列弓100の各歯間接触地域114から約0.85mm〜約1.13mmのエナメル質110を安全に除去し得る。歯間接触地域114a乃至gから、例えば、約1.13、1.10、0.91、0.85、0.91、0.10、1.13mmのエナメル質110をそれぞれ除去し得る。結果的に、5つの医療空間を歯間接触地域114b乃至fに作り出し、全体で約4.87mmの医療空間を作り出し得る。歯間接触地域114a及び114gにあるエナメル質110も減少されるならば、上方歯列弓100内に作り出される全体的な医療空間は、約7.13mmであり得る。特定の実施態様では、慢性の敏感性又は痛みを生み出さずに、下方歯列弓102の各歯間接触地域114から約0.75mmから約1.00mmを安全に除去し得る。歯間接触地域114h乃至nから、例えば、約1.00、0.82、0.75、0.75、0.75、0.82、1.00mmのエナメル質100をそれぞれ除去し得る。結果的に、歯間接触地域114i乃至nに5つの医療空間も作り出し、全体で約3.89mmの医療空間を作り出し得る。歯間接触地域114h及び114nにあるエナメル質100も減少されるならば、下方歯列弓102内に作り出される全体的な医療空間は、約5.89mmであり得る。
【0033】
図5は、人の歯104からエナメル質を除去する例示的な方法を例示している。方法は、IER処置の一部又は全部を含み得る。ステップ200で、装置10は、人の上方又は下方の歯列弓100又は102の特定の歯104に近接して位置付けられる。具体的には、研削表面26を歯104の歯間接触地域114に近接して位置付け得る。ステップ202で、装置10は、歯104に対して反対方向に反復的に進められる。装置を歯104の唇面に向かう第一方向及び歯104の舌面に向かう第二方向に歯104に対して反対方向に反復的に進め得る。結果的に、ステップ204で、研削表面26は、歯104からエナメル質110を削り、挽切り、或いは、他の方法で除去し得る。エナメル質110を隣接する歯104から類似の方法で除去し得る。隣接する歯104の一方又は両方から除去されるエナメル質110の結果、隣接する歯104の間に空間又は追加的な空間が作り出され、不正咬合と関連付けられる歯104の過密を防止又は治療且つ抜歯の必要を回避する。代替的に或いは追加的に、より審美的に心地よい形状をもたらすために歯104からエナメル質110を除去し得る。
【0034】
ステップ206で、エナメル質110が歯104から除去されると、特定の実施態様において、破片はフレーム12のブレード部分16を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔30を通じて歯104から排出される。歯間接触地域114に存在する破片は、例えば、除去されるエナメル質の小片、唾液、及び、血液、及び、IER処置中に使用されるあらゆる液体、化学薬品、又は、ペーストを含み得る。結果的に、そのような破片を歯間接触地域から直ちに除去可能であり、歯間接触地域はより清浄に維持され、IER処置中に視覚的に妨げられず、過剰な中断がない。
【0035】
ステップ208で、隣接する歯104の間に作り出される空間が測定される。作り出されるべき空間の量は、過密の量、歯の所望の形状及び大きさ、及び、人に特有の他の要因に依存する。ステップ210で、臨床専門家は、追加的な空間が必要か否かを決定する。追加的な空間が必要とされるならば、方法は追加的なエナメル質110の除去のためにステップ200に戻る。方法は、所望の量の空間が作り出されるまで、同じ歯104の上で或いは隣接する歯104の上でステップ200乃至210を反復することによって継続し得る。追加的な空間が不要であることがステップ210で決定されると、方法は終了する。
【0036】
例示的なステップが例示され且つ記載されたが、本発明は2つ又はそれよりも多くのステップが実質的に同時に行われること或いは異なる順序で行われることを想定する。加えて、ステップが不正咬合を治療又は防止するよう人の口内に追加的な空間を作り出すために、より審美的に心地よい形状を作り出すよう歯を輪郭変更するために、或いは、人の歯の再成形又は寸法変更を通じて改良し得るあらゆる他の状況を処置するために人の歯からエナメル質を除去するのに適切なままである限り、本発明は追加的なステップ、より少ないステップ、又は、異なるステップを備える方法を使用することも想定する。
【0037】
本発明は幾つかの実施態様に関連して上述されたが、当業者は変更、置換、変化、改変、変換、及び、修正を思い付き得るし、本発明は付属の請求項の精神及び範囲に入るそのような変更、置換、変化、改変、変換、及び、修正を包含することが意図される。
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、歯科医術及び歯科矯正に関し、具体的には、人の歯からエナメル質を除去する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人が不正咬合に関連付けられる歯の過密に起因する有害な状況を経験する。1つ又はそれよりも多くの歯の抜歯の必要を回避するために、そのような状況は、人の口内の1つ又はそれよりも多くの歯からエナメル質を除去し、空間又は追加的な空間を生み出すことによって効果的に処置されている。歯間エナメル質削減(IER)は、人の歯の歯間接触地域からエナメル質の一部を除去する臨床行為である。IER(Interproximal Enamel Reduction)を遂行するために、矯正歯科医又は他の臨床専門家は、金属性ストリップ又はディスクを用いて歯の歯間接触地域を手動で或いは機械的に削り落とす。典型的には、人の上方歯列弓内の歯の間に7ミリメートルを超える空間を作り出し、人の下方歯列弓内の歯の間に5ミリメートルを超える空間を作り出し得る。歯科矯正及び他の処置のために空間を作り出すことに加えて、人の歯の大きさ及び形状を変更するためにIERを使用し得る。従って、IERは歯科矯正及び歯科整形美容の仕上りの向上に寄与することが多い。IER処置からの破片は歯間接触地域の周りに蓄積するので、処置中に処置は中断され且つ歯間接触地域は定期的に洗浄されなければならず、処置の長さ及び費用を増大させる。加えて、IERのために使用される工具は、典型的には、溶接、リベット留め、又は、他の手段を使用して一体に結合される多数片の金属から構成され、高価であり得る。経済的な理由から、典型的には、これらの工具は数回再使用されなければならず、従って、IER処置中に徹底的に洗浄され且つ殺菌されなければならず、これらの処置に関連付する費用を更に増大させる。そのような工具は、典型的には、成形板金を使用しても構成され、それは不十分な構造的完全性を招き、関連付けられる駆動機構に結合するそれらの能力に否定的な影響を及ぼし、それらの耐用年数を削減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の装置及び方法は、以前の歯科装置に関連する特定の問題及び不利点を低減又は排除する。特定の実施態様において、ハンドルは、少なくとも2つの領域、即ち、実質的に中実な断面を備える第一領域と、ノッチ領域を定める少なくとも半円形の断面を備える第二領域とを含み、ノッチ領域は、研削表面の往復運動をもたらすためにブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される。特定の実施態様は、有利な剛性、強度、耐久性、安定性、及び/又は、耐化学薬品性を含む有利な特性を備える材料を利用し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施態様によれば、人の歯からエナメル質を除去する装置は、ブレード部分と、ハンドル部分とを含む。ブレード部分は、研削表面を含み、研削表面は、エナメル質に対する研削表面の往復運動に応答して歯からエナメル質を除去するよう構成される。ハンドル部分はブレード部分に結合され、第一領域と、第二領域とを含み、第一領域はブレード部分に対して近位にあり、第二領域はブレード部分に対して遠位にある。第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含む。第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、中実な断面はノッチ領域を定める。当該装置は、ブレード部分及び研削表面を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される。
【0005】
本発明の具体的な実施態様は、1つ又はそれよりも多くの技術的利点を提供し得る。本発明の様々な実施態様は、人の1つ又はそれよりも多くの歯からエナメル質を除去する装置及び方法を提供する。2つの隣接する歯の一方又は両方からのエナメル質の除去は、隣接する歯の間に空間又は追加的な空間を作り出し得る。よって、不正咬合に関連付けられる過密を防止又は治療し且つ1つ又はそれよりも多くの抜歯の必要を回避するためにIER処置を遂行し得る。追加的に或いは代替的に、より審美的に心地よい結果をもたらすよう、人の1つ又はそれよりも多くの歯の大きさ及び形状を輪郭変更し或いは他の方法で変更するために、IER処理を使用し得る。
【0006】
特定の実施態様において、装置は、研削表面を有するブレード部分と、タング部分とを含み得る。タング部分は、好ましくは金属であり、強度及び剛性をもたらし、使用中に破損し或いは他の方法で故障する可能性は低い。特定の実施態様において、少なくともタング部分を含む装置の部分は、本体によって囲まれ或いは他の方法で覆われる。本体をプラスチック、ポリマ、又は、複合材で作製し得るし、本体を一体形成し得る。特定の実施態様では、人の歯からエナメル質を除去するために装置を使用するとき、矯正歯科医又は他の臨床専門家は結果として得られるハンドルを手で把持し得る。特定の実施態様において、装置は軽量であり、臨床専門家は装置を容易に位置付け且つ操作し得る。特定の実施態様では、人の歯のエナメル質に対してフレームのブレード部分の研削表面を往復運動させるためにフレームと協働して駆動機構を使用し得る。特定の実施態様において、フレームのブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くのの孔は、IER処置が行われるとき、歯間接触地域から破片を排出する。結果的に、除去されるエナメル質の小片、唾液、血液、及び、IER処置中に使用され歯間接触地域内に存在するあらゆる液体、化学薬品、又は、ペーストを、1つ又はそれよりも多くの孔を通じて歯から排出可能であり、IER処置中、歯間接触地域はより清浄に維持され、視覚的に妨げられず、歯間接触地域を洗浄するために処置を中断する必要が低減又は排除される。特定の実施態様では、1回の使用の後に装置を使い捨てすることが経済的に実用的であるよう、装置を安価に大量生産可能であり、使用と使用との間の洗浄及び殺菌の必要を排除する。
【0007】
特定の実施態様はこれらの利点の全部又は一部を提供し得るし、或いは、全く提供し得ない。特定の実施態様は、1つ又はそれよりも多くの他の利点を提供し得る。それらの他の利点の1つ又はそれよりも多くは、ここに含まれる図面、記載、及び、請求項から当業者に明らかであり得る。
【0008】
本発明及び本発明の利点のより完全な理解のために、添付の図面と共に以下の記載が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】人の歯からエナメル質を除去する例示的な装置を示す切欠図である。
【図1B】完全に形成された本体を備える図1Aの例示的な装置を示す斜視図である。
【図1C】完全に形成された本体を具備する図1Aの例示的な装置を示す側面図である。
【図1D】ハンドルの近位領域を例示的に示す断面図である。
【図1E】ハンドルの遠位領域を例示的に示す断面図である。
【図1F】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1G】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1H】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1I】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図1J】遠位領域の追加的な実施例を示す代替的な断面図である。
【図2A】エナメル質を除去する例示的な装置に結合するよう構成された例示的な駆動機構を示す概略図である。
【図2B】エナメル質を除去する例示的な装置に結合するよう構成された例示的な駆動機構を示す概略図である。
【図3A】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3B】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3C】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3D】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図3E】人の歯からエナメル質を除去する装置の実施例を示す概略図である。
【図4A】人の口の例示的な上方歯列弓とエナメル質を除去し得る例示的な歯間接触地域とを示す概略図である。
【図4B】人の口の例示的な下方歯列弓とエナメル質を除去し得る例示的な歯間接触地域とを示す概略図である。
【図5】人の歯からエナメル質を除去する例示的な方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によれば、人の1つ又はそれよりも多くの歯からエナメル質を除去するための装置及び方法が提供される。2つの隣接する歯の一方又は両方からのエナメル質の除去は、隣接歯間に空間又は追加的な空間を作り出し得る。よって、不正咬合と関連付けられる歯の過密を防止又は治療し、1つ又はそれよりも多くの歯の抜歯の必要を回避するために、IER(歯間エナメル質削減)処置を遂行し得る。追加的に或いは代替的に、人の1つ又はそれよりも多くの歯の大きさ及び形状を輪郭変更し或いは他の方法で変更し、より審美的に心地よい結果をもたらすためにIER処置を使用し得る。
【0011】
図1Aは、人の歯からエナメル質を除去するための装置10の一例を例示している。装置10は、フレーム12と、本体14とを含む。特定の実施態様において、フレーム12は、単一の金属片で一体成形される、一体形フレームである。フレームを鋼又は他の金属で作製し得る。本体14はフレーム12の周りに形成され、フレーム12の適切な部分を囲み或いは他の方法で覆う。特定の実施態様において、本体14は、プラスチック又は他の適切な材料で一体成形される、一体形の本体であり得る。具体的な実施態様では、本体を、例えば、複合熱可塑性材料のような熱可塑性材料で形成し得る。人の歯からエナメル質を除去するために装置10を使用し得る。例えば、IER処置中に2つの隣接する歯の一方又は両方からエナメル質を除去して、隣接する歯の間に空間又は追加的な空間を作り出し、不正咬合に関連付けられる過密を防止又は治療するために装置10を使用し得る。他の実施例として、IER又は他の処置中に歯からエナメル質を除去して、歯を輪郭変更し、より審美的に心地よい形状をもたらすために装置10を使用し得る。従って、装置10を使用する歯の輪郭変更(recontouring)は歯科矯正治療の仕上りの向上に寄与し得る。エナメル質の一部が隣接接触地域で除去された後、歯を研磨し、保護処置を加え得る。本発明は特別な必要に従った装置10の適切な使用を想定する。
【0012】
特定の実施態様において、フレーム12は、ブレード部分16と、タング部分18と、安定化部分20とを含む。ブレード部分16は、第一端部22から第二端部24に第一方向に延びる。ブレード部分16は、1つ又はそれよりも多くの研削表面26を含み、研削表面26は、ブレード部分16の研削表面26が歯のエナメル質の上で、歯のエナメル質を通じて、或いは、他の方法で歯のエナメル質に対して反復的に移動されるとき、人の歯からエナメル質を除去するよう構成される。例えば、研削表面26が歯からエナメル質を漸進的に除去するのを可能にする方法で、研削表面26を人の歯に対して概ね反対方向に反復的に進み得る。ここでは、そのような動作を「往復」(reciprocating)運動と呼ぶ。特定の実施態様において、研削表面26はブレード部分16の2つの縁部28の間に延び、人の歯からエナメル質を「削り」(file)或いは他の方法で除去するために研削表面26を使用し得る。特定の他の実施態様では、代わりに或いは加えて、研削表面26はブレード部分16の縁部28bに沿って位置し、歯からエナメル質を「挽切り」(saw)或いは他の方法で除去するために研削表面26を使用し得る。
【0013】
特定の実施態様において、ブレード部分16は、歯から破片(debris)を排出するための1つ又はそれよりも多くの孔30を含む。例えば、孔30は、実質的に円形の開口を含み得る。ブレード部分16が歯に対して前進され、エナメル質が漸進的に除去されると、IER処置は歯間接触地域内又は周りに破片の蓄積を招く。蓄積される破片は、例えば、除去されるエナメル質の小片、唾液、血液、及び、IER処置中に使用されるあらゆる液体、化学薬品、又は、ペーストを含み得る。より正確なエナメル質除去のために、研削表面26が歯間接触地域に対して留まるよう、ブレード部分16の孔30は、そのような破片を歯間接触地域から排出するよう作用する。加えて、IER処置が遂行されるとき、過度の中断を伴わずに、患者の口をより清浄に維持し得る。
【0014】
上述されたように、特定の実施態様において、フレーム12は、タング部分18及び安定化部分20も含む。タング部分18は、研削表面26と概ね同じ方向にブレード部分16の第二端部24から延びる。安定化部分20は、使用中に装置10を安定化するよう作用する。安定性のために望ましいが、本発明は安定化部分20を欠く装置10を想定する。特定の実施態様において、安定化部分20は実質的にU形状であり、第一部分32と、第二部分34と、第三部分36とを含む。第一部分32は、研削表面26の方向に対して概ね垂直な第一方向にブレード部分16の第一端部22から延び得る。安定化部分20の第二部分34は、研削表面26の方向に対して同様に概ね垂直な第二方向にブレード部分16の第二端部24から延びる。第三部分36は、第一部分32と第二部分34との間に延び、第一部分32及び第二部分34を結合する。安定化部分20及びブレード部分16に対するその部分32,34,36の具体的な構造が主として記載されるが、本発明はブレード部分16に対する如何なる適切な構造をも有する安定化部分20を想定する。安定化部分20はブレード部分16と協働して開口38を定める。ブレード部分16の孔30と同様に、IER又は他の処置が遂行されるとき、開口38は歯から破片を排出し得る。
【0015】
上述されたように、特定の実施態様において、装置10は、一体形の一体成形された本体14を含み、本体14は、フレーム12の一部を囲み或いは他の方法で覆う。具体的な実施態様では、例えば、複合熱可塑性材料のような熱可塑性材料を含むプラスチックで本体14を形成し得る。本体14を形成するプラスチックは、所望の形状に成形し或いは押出し得る主として合成又は半合成の有機凝結又は重合製品を含み得る。具体的な実施態様では、半結晶性のポリアミドと部分的に芳香性のコポリアミドとの組み合わせ(例えば、独国のGRIVORY EMSによって製造販売されるGRIVORY GV−5 FA NATURAL)で形成される材料を含む、ガラス繊維強化熱可塑性材料で本体14を形成し得る。そのような材料は、例えば、高い剛性、強度、耐久性、安定性、及び/又は、耐化学薬品性を含む、本体14のための有利な特性をもたらし得る。
【0016】
ポリマを溶融し、所望の形状の本体14の型内にフレーム12を配置し、溶融ポリマが型の内側でフレーム12の適切な部分を囲み或いは他の方法で覆うことを可能にし、且つ、ポリマが冷却硬化して本体14を形成することを可能にすることを含む重合プロセスによって本体14を製造し得る。
【0017】
特定の実施態様において、本体14は、ブレード部分16の研削表面26の少なくとも一部を露出したままの状態で、タング部分18及び安定化部分20を完全に或いは部分的に囲み或いは他の方法で覆い得る。加えて、フレーム12の周りでの本体14の成形は、本体14をフレーム12に結合するよう作用し得る。特定の実施態様において、フレーム12は、タング部分18及び安定化部分20を通じる1つ又はそれよりも多くの孔40を含み得る。本体14の形成中、本体14を形成する材料は、フレーム12に対する本体14の結合を向上するよう、孔40を通じて流れることが可能とされ得る。孔40は本体14及びフレーム12の結合を容易化し得るが、他の適切な結合機構が、本体14をフレーム12に追加的に或いは代替的に結合し得る。例えば、1つ又はそれよりも多くのリベット、ネジ、ボルト、又は、他の結合機構が、本体14をフレーム12に結合し得る。
【0018】
特定の実施態様では、ハンドル42がノッチ部分44を含む。ハンドル42は、以下に更に詳細に記載される少なくとも2つの領域、即ち、近位領域46と、ノッチ部分44を含む遠位領域48とを有すると理解し得る。上述された重合プロセスを使用して、ノッチ部分44を同時に形成し得る。特定の実施態様では、ノッチ部分44を作り出すために、ハンドル42から材料を除去することによってノッチ部分44を形成し得る。
【0019】
特定の実施態様では、IER又は任意の他の適切な処置を遂行するために、臨床専門家は手で又は機械的にハンドル42を把持し得る。矯正歯科医又は他の臨床専門家がハンドル42を使用して、人の歯の歯間接触地域に近接して装置を手動で位置付け得る。結果的に、装置10を使用する臨床専門家は、歯に対して反対方向にブレード部分16の研削表面26を進めるのに必要な力及び動作を供給し且つ制御し得る。
【0020】
図1B及び1Cは、完全に形成された本体14を備える図1Aの例示的な装置10の2つの眺めを例示している。図1Bは、補強材49が設けられた実施態様を例示している。追加的な安定性を生み出し且つ/或いは安定化部分20の破損を防止するために、補強材49は本体14に結合され、本体14のための追加的な構造支持体として作用する。上述のプラスチック成形又は押出し法を使用して或いは任意の他の適切な方法を介して補強材49を形成し得る。
【0021】
図1Cにおいて、例示的な装置10は、研削表面26及び孔30を含むブレード部分16を備えて例示されている。図示される実施態様において、ハンドル42は、近位領域46と、遠位領域48とを含む。ブレード部分16により近い近位領域46は、実質的に中実な円形断面を有する。この断面を図1Dに関連してより詳細に記載する。ブレード部分16から更に遠い遠位領域48は、ノッチ領域44を含む。遠位領域48は、少なくとも実質的に半円形の形状の実質的に中実な断面を有し得る。この断面を図1Eに関連してより詳細に記載する。代替的な断面の実施態様を図1F乃至1Jに関連して記載する。タング部分18は、近位領域46からノッチ領域44を含む遠位領域48に延び得る。
【0022】
図1Dは、ハンドル42の近位領域46の例示的な断面を例示している。図示の実施態様において、断面の周辺は実質的に円形であり且つ連続的である。タング部分18は本体14によって囲まれている。本体14は、孔30によって作り出される空間を囲み或いは流通し得る。例示の実施例において、断面は実質的に中実であり、金属製であり得るタング部分18と、例えば上述の重合方法のうちの1つを使用して形成し得る本体14とを含み得る。
【0023】
図1Eは、図1Cの遠位領域48の例示的な断面を例示している。断面は少なくとも実質的に半円形の形状を有する。この具体的に例示される遠位領域48の断面は、ハンドル42の半径を備える円のほぼ4分の3を定める第一部分と、ハンドル42の半径未満の半径を備える弧を定めるノッチ領域44に対応する第二部分とを備える周辺を有する。図1Cの遠位領域48の断面の更なる実施例を以下に例示する。
【0024】
図1F乃至1Jは、遠位領域48の例示的な代替的な断面を例示している。図1Fは、ノッチ領域44が遠位領域48の断面の実質的に円形の周辺の中心まで延びる90度の楔によって定められる断面を例示している。図1Gは、ノッチ領域44が遠位領域48の断面の実質的に円形の周辺の中心を僅かに越えて延びる90度の楔によって定められる断面を例示している。図1Hは、ノッチ領域44が90度の楔によって定められ、楔の隅部及び尖端が丸い形状を有する断面を例示している。図1Iは、ノッチ領域44がハンドル42によって定められる実質的に円形の形状の中心まで完全に延びない30度の楔によって定められる断面を例示している。図1Jは、ノッチ領域が開放台形の形状によって定められる断面を例示している。従って、ノッチ領域44は、本質的に多角形でない形状を含み如何なる適切な形状をも有し得る。
【0025】
断面形状に拘わらず、図2A及び2Bに例示されるような駆動機構内への圧縮嵌め(compression fit)を使用するよう遠位領域48を構成し得る。ハンドル42の全部又は一部に僅かに可撓な材料を使用することによって圧縮嵌めを達成し得る。遠位領域48が駆動機構(driver mechanism)50内に挿入されるとき、遠位領域48は僅かに圧縮し或いは内側に撓み得る。特定の実施態様において、遠位領域48の断面の周辺は、180度〜330度の範囲内の円形の弧を定め得る。
【0026】
加えて、ハンドルは2つの別個の領域を備えて例示されているが、本発明の範囲から逸脱せずに追加的な領域を設け得る。例えば、近位領域46と遠位領域48との間に中間領域を設け得る。更に、遠位領域48は均一な断面を備えて例示されているが、遠位領域48は不均一な断面を有し得る。例えば、ノッチ領域44が近位領域46に接近するに応じて、ノッチ領域44はテーパ状であり得る。
【0027】
特定の実施態様では、ハンドル42を駆動機構に結合するよう構成し得る。図2A及び2Bは、人の歯からエナメル質を除去するための例示的な装置10に結合するよう構成される例示的な駆動機構50を例示している。駆動機構50は、ハンドル42を受け入れ且つ固定するよう構成される凹部52を含み得る。例えば、ハンドル42を凹部52内に圧力嵌め(force fit)し得る。他の実施例として、ハンドル42を凹部52内に挿入し、一組のネジを使用して或いはその他の方法で固定し得る。駆動機構50は、歯に対して反対方向に研削表面26を機械的に進めるよう動作可能であり得る。ある実施例として、駆動機構50は実質的に線形の往復運動において研削表面26を機械的に移動するよう動作可能であり得る。他の実施例として、駆動機構50は、実質的に楕円形の往復運動において研削表面26を機械的に移動するよう動作可能であり得る。楕円経路は研削表面26と実質的に平行な平面内にある。例えば、駆動機構50は、従来的な歯科用ドリルにおけるような回転運動を、適切な歯車又は他の機構を通じて往復運動に変換し得る。そのような歯車又は他の機構は当業者に周知である。特定の実施態様では、装置10や歯科矯正又は他の臨床処置において使用される他の工具も交換可能に受け入れ且つ固定する駆動機構50を構成し得る。駆動機構50を、例えば、ドリル、研磨ブラシ、又は、他の工具を受け入れ且つ固定するようにも構成し得る。
【0028】
特定の実施態様において、ハンドル42は、少なくとも2つの別個の領域、即ち、実質的に連続的な円周を備える実質的に円形の断面を備える近位領域46と、ノッチ領域44を含む遠位領域48とを有する。遠位領域48が駆動機構50内に挿入されるとき、遠位領域48の材料は僅かに圧縮し或いは内側に撓み得る。次に、材料はその通常状態に戻り、駆動機構内で圧縮嵌めを作り出す。結果的に、圧縮嵌めを使用してハンドルを駆動機構50の凹部52内に嵌入し或いはその他の方法で結合し得る。図1A、1B、及び、1Cに示されるように、ハンドル42は、本体14の一部によって覆われるフレームの一部を含む実質的に中実な断面である2つの領域を有し得る。代替的に、フレーム12の一部、又は、フレーム12に結合される金属、プラスチック、又は、他の素子によってハンドル42を単独で形成し得る。これらの実施態様をC形状断面を備える薄壁ハンドルを有する成形板金で形成される工具から区別し得る。駆動機構50の凹部52内に圧力嵌めされるとき、そのようなハンドルを圧縮し且つ恒久的に或いは一時的に変形し得る。そのような変形は断面寸法に恒久的な変化を頻繁にもたらし、特に多数の使用後、それは工具が正しく且つ確実に駆動機構50に結合することを妨げ得る。反復的な使用後、そのような変形は材料疲労を引き起こし、最終的には、故障を引き起こし得る。
【0029】
特定の実施態様では、安定化部分20を図1A及び3Aに例示される形状以外の形状に形成し得る。図3A乃至3Eは、装置10の代替的な構成の実施例を例示している。図3Aに示されるように、特定の実施態様において、安定化部分20は実質的に矩形であり、ブレード部分に対して垂直な2つのポストによって安定化部分20を形成可能であり、2つのポストを接合する第三部分を備える。図3Bに示されるように、安定化部分20を弧の形状に形成し得る。図3Cに示されるように、特定の実施態様では、安定化部分20を具備しない装置10を形成し得る。図3Dに示されるように、特定の実施態様において、ハンドル42は安定化部分20から延び得る。図示されていないが、特定の実施態様において、装置10は、多数のブレード部分16を含み得る。例えば、装置10は、ハンドル42の長さを通じる軸から反対方向に偏心する第一及び第二のブレード部分16を含み得る。これらの実施態様のいずれにおいても、ブレード部分16をハンドル42に対して0度以上の角度を含む如何なる適切な角度にも向け得る。図3Eに示されるように、特定の実施態様において、ブレード部分16は、安定化部分20によって定められる地域を実質的に充填するよう延在し得る。
【0030】
図4A及び4Bは、人の口の例示的な上方及び下方の歯列弓と、例示的な歯間接触地域とを例示しており、歯間接触地域からエナメル質を除去し得る。図3Aは、例示的な上方歯列弓100の一部を例示し、図4Bは、例示的な下方歯列弓102の一部を例示している。上方歯列弓100及び下方歯列弓102は、前歯104を含む。各歯104は、突出部分106と、根部分108とを含む。突出部分106は、大顎を覆う歯肉組織から少なくとも部分的に突出する。根部108は大顎内に延び、歯104を所定位置に固定する。
【0031】
歯104は、少なくとも2つの層を含む。エナメル質は、歯104の外層を形成し、硬いカルシウム物質で構成される。内層112が歯質で構成され、腐敗、病気、及び、温度に極めて敏感である。しかしながら、上述のように、IER処置を使用して、1つ又はそれよりも多くの歯間接触地域114からエナメル質110の一部を除去し得る。歯間接触地域114からのエナメル質の一部の除去は、2つの隣接する歯104の間に空間又は追加的な空間を作り出し得る。従って、不正咬合に関連付けられる歯104の過密を防止又は治療し且つ抜歯の必要を回避するためにIER処置を遂行し得る。より審美的に心地よい形状をもたらすために1つ又はそれよりも多くのは104を再輪郭形成するためにもIER処置を使用し得る。エナメル質110の一部が歯間接触地域114で除去された後、歯を研磨し且つ保護措置を適用し得る。
【0032】
エナメル質110は歯104の構造及び機能に重要な保護層であるので、IER処置中に除去し得るエナメル質110の量は注意深く制御されなければならない。特定の実施態様では、慢性的な敏感性又は痛みを生み出さずに、上方歯列弓100の各歯間接触地域114から約0.85mm〜約1.13mmのエナメル質110を安全に除去し得る。歯間接触地域114a乃至gから、例えば、約1.13、1.10、0.91、0.85、0.91、0.10、1.13mmのエナメル質110をそれぞれ除去し得る。結果的に、5つの医療空間を歯間接触地域114b乃至fに作り出し、全体で約4.87mmの医療空間を作り出し得る。歯間接触地域114a及び114gにあるエナメル質110も減少されるならば、上方歯列弓100内に作り出される全体的な医療空間は、約7.13mmであり得る。特定の実施態様では、慢性の敏感性又は痛みを生み出さずに、下方歯列弓102の各歯間接触地域114から約0.75mmから約1.00mmを安全に除去し得る。歯間接触地域114h乃至nから、例えば、約1.00、0.82、0.75、0.75、0.75、0.82、1.00mmのエナメル質100をそれぞれ除去し得る。結果的に、歯間接触地域114i乃至nに5つの医療空間も作り出し、全体で約3.89mmの医療空間を作り出し得る。歯間接触地域114h及び114nにあるエナメル質100も減少されるならば、下方歯列弓102内に作り出される全体的な医療空間は、約5.89mmであり得る。
【0033】
図5は、人の歯104からエナメル質を除去する例示的な方法を例示している。方法は、IER処置の一部又は全部を含み得る。ステップ200で、装置10は、人の上方又は下方の歯列弓100又は102の特定の歯104に近接して位置付けられる。具体的には、研削表面26を歯104の歯間接触地域114に近接して位置付け得る。ステップ202で、装置10は、歯104に対して反対方向に反復的に進められる。装置を歯104の唇面に向かう第一方向及び歯104の舌面に向かう第二方向に歯104に対して反対方向に反復的に進め得る。結果的に、ステップ204で、研削表面26は、歯104からエナメル質110を削り、挽切り、或いは、他の方法で除去し得る。エナメル質110を隣接する歯104から類似の方法で除去し得る。隣接する歯104の一方又は両方から除去されるエナメル質110の結果、隣接する歯104の間に空間又は追加的な空間が作り出され、不正咬合と関連付けられる歯104の過密を防止又は治療且つ抜歯の必要を回避する。代替的に或いは追加的に、より審美的に心地よい形状をもたらすために歯104からエナメル質110を除去し得る。
【0034】
ステップ206で、エナメル質110が歯104から除去されると、特定の実施態様において、破片はフレーム12のブレード部分16を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔30を通じて歯104から排出される。歯間接触地域114に存在する破片は、例えば、除去されるエナメル質の小片、唾液、及び、血液、及び、IER処置中に使用されるあらゆる液体、化学薬品、又は、ペーストを含み得る。結果的に、そのような破片を歯間接触地域から直ちに除去可能であり、歯間接触地域はより清浄に維持され、IER処置中に視覚的に妨げられず、過剰な中断がない。
【0035】
ステップ208で、隣接する歯104の間に作り出される空間が測定される。作り出されるべき空間の量は、過密の量、歯の所望の形状及び大きさ、及び、人に特有の他の要因に依存する。ステップ210で、臨床専門家は、追加的な空間が必要か否かを決定する。追加的な空間が必要とされるならば、方法は追加的なエナメル質110の除去のためにステップ200に戻る。方法は、所望の量の空間が作り出されるまで、同じ歯104の上で或いは隣接する歯104の上でステップ200乃至210を反復することによって継続し得る。追加的な空間が不要であることがステップ210で決定されると、方法は終了する。
【0036】
例示的なステップが例示され且つ記載されたが、本発明は2つ又はそれよりも多くのステップが実質的に同時に行われること或いは異なる順序で行われることを想定する。加えて、ステップが不正咬合を治療又は防止するよう人の口内に追加的な空間を作り出すために、より審美的に心地よい形状を作り出すよう歯を輪郭変更するために、或いは、人の歯の再成形又は寸法変更を通じて改良し得るあらゆる他の状況を処置するために人の歯からエナメル質を除去するのに適切なままである限り、本発明は追加的なステップ、より少ないステップ、又は、異なるステップを備える方法を使用することも想定する。
【0037】
本発明は幾つかの実施態様に関連して上述されたが、当業者は変更、置換、変化、改変、変換、及び、修正を思い付き得るし、本発明は付属の請求項の精神及び範囲に入るそのような変更、置換、変化、改変、変換、及び、修正を包含することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の歯からエナメル質を除去する装置であって、
研削表面を含むブレード部分と、
該ブレード部分に結合されるハンドル部分とを含み、
前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して、前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、
前記ハンドル部分は、第一領域と、第二領域とを含み、前記第一領域は、前記ブレード部分に対して近位にあり、前記第二領域は、前記ブレード部分に対して遠位にあり、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記中実な断面は、ノッチ領域を定め、
当該装置は、前記研削表面の往復運動をもたらすために、前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される、
装置。
【請求項2】
前記ブレード部分は、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔を含み、該1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からの前記エナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二領域は、少なくとも180度及び330度未満の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第二領域は、約270度の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記研削表面は、ダイアモンドの粉末を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ハンドルの少なくとも一部は、ステンレス鋼を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
当該装置は、重合製品によってフレームに結合される本体を含み、前記重合製品は、前記フレームの適切な部分を覆う、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記本体は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記本体は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
人の歯からエナメル質を除去する装置であって、
駆動機構と、
該駆動機構に取外し可能に結合するよう構成される工具とを含み、
該工具は、
ブレード部分と、
ハンドル部分とを含み、
前記ブレード部分は、前記ブレード部分の2つの縁部の間に延びる研削表面と、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔とを含み、前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、前記1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からの前記エナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成され、
前記ハンドル部分は、前記ブレード部分に対して近位の第一領域と、前記ブレード部分に対して遠位の第二領域とを含み、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を有し、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の中実な断面を有し、
前記駆動機構は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の前記往復運動をもたらすために前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される、
装置。
【請求項11】
前記ハンドル部分は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ハンドル部分は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
人の歯からエナメル質を除去する方法であって、
前記歯からエナメル質を除去するための装置を位置付けることを含み、該装置は、研削表面を含むブレード部分と、該ブレード部分に結合されるハンドル部分とを含み、前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、前記ハンドル部分は、少なくとも、前記ブレード部分に対して近位の第一領域と、前記ブレード部分に対して遠位の第二領域とを有し、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を有し、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の中実な断面を有し、且つ、前記研削表面の前記往復運動をもたらすために、前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成され、
前記歯の前記エナメル質に対して前記ブレード部分の前記研削表面を往復運動において移動することを含み、
前記歯の前記エナメル質に対する前記ブレード部分の前記研削表面の前記往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去することを含む、
方法。
【請求項14】
前記第二領域は、少なくとも180度及び330度未満の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第二領域は、約270度の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ブレード部分は、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔を含み、該1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からの前記エナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記研削表面は、ダイアモンドの粉末で作製される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ハンドル部分は、ステンレス鋼を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ハンドル部分は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ハンドル部分は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
エナメル質を除去するために前記装置を位置付けること、及び、前記研削表面を移動することは、前記駆動機構を使用して行なわれ、前記駆動機構は、前記ハンドル部分を受け入れるよう構成される開口を含み、前記駆動機構は、前記研削表面の前記往復運動をもたらすために前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
人の歯からエナメル質を除去する装置であって、
フレームと、
本体とを含み、
前記フレームは、研削表面を含むブレード部分を含み、前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、前記ブレード部分は、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔を含み、該1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からのエナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成され、
前記本体は、前記フレームに結合され、前記フレームの適切な部分を覆い、前記本体は、前記ブレード部分に結合されるハンドル部分を含み、該ハンドル部分は、第一領域と、第二領域とを含み、前記第一領域は、前記ブレード部分に対して近位にあり、前記第二領域は、前記ブレード部分に対して遠位にあり、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記中実な断面は、ノッチ領域を定め、
当該装置は、前記研削表面の前記往復運動をもたらすために前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される、
装置。
【請求項23】
前記本体は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記本体は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、
請求項22に記載のシステム。
【請求項1】
人の歯からエナメル質を除去する装置であって、
研削表面を含むブレード部分と、
該ブレード部分に結合されるハンドル部分とを含み、
前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して、前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、
前記ハンドル部分は、第一領域と、第二領域とを含み、前記第一領域は、前記ブレード部分に対して近位にあり、前記第二領域は、前記ブレード部分に対して遠位にあり、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記中実な断面は、ノッチ領域を定め、
当該装置は、前記研削表面の往復運動をもたらすために、前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される、
装置。
【請求項2】
前記ブレード部分は、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔を含み、該1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からの前記エナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二領域は、少なくとも180度及び330度未満の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第二領域は、約270度の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記研削表面は、ダイアモンドの粉末を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ハンドルの少なくとも一部は、ステンレス鋼を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
当該装置は、重合製品によってフレームに結合される本体を含み、前記重合製品は、前記フレームの適切な部分を覆う、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記本体は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記本体は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
人の歯からエナメル質を除去する装置であって、
駆動機構と、
該駆動機構に取外し可能に結合するよう構成される工具とを含み、
該工具は、
ブレード部分と、
ハンドル部分とを含み、
前記ブレード部分は、前記ブレード部分の2つの縁部の間に延びる研削表面と、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔とを含み、前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、前記1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からの前記エナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成され、
前記ハンドル部分は、前記ブレード部分に対して近位の第一領域と、前記ブレード部分に対して遠位の第二領域とを含み、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を有し、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の中実な断面を有し、
前記駆動機構は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の前記往復運動をもたらすために前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される、
装置。
【請求項11】
前記ハンドル部分は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ハンドル部分は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
人の歯からエナメル質を除去する方法であって、
前記歯からエナメル質を除去するための装置を位置付けることを含み、該装置は、研削表面を含むブレード部分と、該ブレード部分に結合されるハンドル部分とを含み、前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、前記ハンドル部分は、少なくとも、前記ブレード部分に対して近位の第一領域と、前記ブレード部分に対して遠位の第二領域とを有し、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を有し、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の中実な断面を有し、且つ、前記研削表面の前記往復運動をもたらすために、前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成され、
前記歯の前記エナメル質に対して前記ブレード部分の前記研削表面を往復運動において移動することを含み、
前記歯の前記エナメル質に対する前記ブレード部分の前記研削表面の前記往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去することを含む、
方法。
【請求項14】
前記第二領域は、少なくとも180度及び330度未満の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第二領域は、約270度の円を構築する実質的に円形の弧の形状の周辺によって定められる断面を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ブレード部分は、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔を含み、該1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からの前記エナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記研削表面は、ダイアモンドの粉末で作製される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ハンドル部分は、ステンレス鋼を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ハンドル部分は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ハンドル部分は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
エナメル質を除去するために前記装置を位置付けること、及び、前記研削表面を移動することは、前記駆動機構を使用して行なわれ、前記駆動機構は、前記ハンドル部分を受け入れるよう構成される開口を含み、前記駆動機構は、前記研削表面の前記往復運動をもたらすために前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
人の歯からエナメル質を除去する装置であって、
フレームと、
本体とを含み、
前記フレームは、研削表面を含むブレード部分を含み、前記研削表面は、前記歯の前記エナメル質に対する前記研削表面の往復運動に応答して前記歯からエナメル質を除去するよう構成され、前記ブレード部分は、前記ブレード部分を通じて形成される1つ又はそれよりも多くの孔を含み、該1つ又はそれよりも多くの孔は、前記歯からのエナメル質の除去に起因する破片を前記歯から排出するよう構成され、
前記本体は、前記フレームに結合され、前記フレームの適切な部分を覆い、前記本体は、前記ブレード部分に結合されるハンドル部分を含み、該ハンドル部分は、第一領域と、第二領域とを含み、前記第一領域は、前記ブレード部分に対して近位にあり、前記第二領域は、前記ブレード部分に対して遠位にあり、前記第一領域は、実質的に円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記第二領域は、少なくとも実質的に半円形の周辺を備える実質的に中実な断面を含み、前記中実な断面は、ノッチ領域を定め、
当該装置は、前記研削表面の前記往復運動をもたらすために前記ブレード部分を往復運動させるよう構成される駆動機構の対応する開口内に圧力嵌めを介して挿入されるよう構成される、
装置。
【請求項23】
前記本体は、ガラス繊維強化された熱可塑性材料を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記本体は、部分的に芳香性のコポリアミドと半結晶質のポリアミドとの組み合わせで形成される材料を含む、
請求項22に記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【公表番号】特表2012−515046(P2012−515046A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546250(P2011−546250)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/068039
【国際公開番号】WO2010/082997
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511172209)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/068039
【国際公開番号】WO2010/082997
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511172209)
【Fターム(参考)】
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