説明

人体のための処理装置

ユーザの下肢のいずれの部分に取り付けるために適合された装着手段がそれぞれに提供されている第1端部および第2端部を有するマッサージ部材を備えている人体のための処理装置である。前記装着手段が前記ユーザの下肢のいずれの部分に取付けられた場合に、前記マッサージ部材がユーザの胴、首または頭のいずれの部分の周囲と適するような寸法にされかつ適合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体をマッサージするおよび/または運動することができかつ多くの応用を有する人体のための処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージは、痛みと張りを軽減しかつ血流を刺激して健康にすることができる非常に有益な治療であり得る。しかしながら、人体のある部分、特に、背中および首を効果的にマッサージすることは人にとって必ずしも実行できるものではない。したがって、そのようなマッサージをマッサージ師に実行させる必要があるが、マッサージはかなり高価であり不便である。
【0003】
運動することもまた重要である。特に、窮屈な位置で長時間、運動せずに座っていないことが重要である。このことは、乗客が一度に何時間も窮屈な席に座った後で深部静脈血栓症が長距離飛行におけるいくつかの死亡原因となったという認識をもって近年立証された。現在、長期間座り続ける人はだれにでも危険であり、この危険に事務員および年配の人または虚弱な人がだれでも含まれることが認識されている。
【0004】
損傷または手術の後に回復するとき、何人かの患者は長期間の間、寝たきりである。その結果、患者の体は弱められ筋肉が衰える。類似することが宇宙空間で経験される。宇宙飛行士は、長期の間、宇宙空間中に駐留する場合、体の適応性を維持するために戦う。重力の欠落は運動を全く受けない多くの筋肉をもたらす。宇宙飛行士が重力をシミュレートするために弾力性のバンジーコードで縛り付けられたランニングマシンなど様々な手の込んだ装置が適応性を維持するために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記問題のいくつかを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明によると、ユーザの下肢のいずれの部分に取り付けるために適合された装着手段がそれぞれに提供されている第1端部および第2端部を有するマッサージ部材を備え、前記装着手段が前記ユーザの下肢のいずれの部分に取付けられた場合に、前記マッサージ部材がユーザの胴、首または頭のいずれの部分の周囲と適するような寸法にされかつ適合している人体のための処理装置が提供される。
【0007】
好ましくは前記第1端部および前記第2端部は、前記装着手段を端部で保持するコード手段を提供する。特に好ましい構造物では、前記装着手段はユーザの足へ取付るものであり、したがって、足あぶみを含み得る。
【0008】
前記マッサージ部材が1つまたはそれ以上のマッサージ基体を保持する曲がりやすいストラップ手段を備える。前記曲がりやすいストラップ手段は、前記1つまたはそれ以上のマッサージ基体が内部に保持されているスリーブ状の材料を備える。前記1つまたはそれ以上のマッサージ基体は、使用中に前記スリーブ状の材料に対して回転できるように前記スリーブ状の材料の幅より小さい直径を有する1つまたはそれ以上の弾力性のボールを含む。
【0009】
前記スリーブ状の材料の端部には、貯蔵構成物中に前記コード手段と前記足あぶみを受け入れるために適合されたポケットが提供されている。前記コード手段は長さが調整可能であり、前記弾力性のボールは発泡ポリエチレンで形成することができる。
【0010】
コードはコード長さ調整接ぎ手によって調整可能であり、この接ぎ手は、第1端部と、第2端部と、一方の側に沿って形成された開口とを持つ中空円筒を備えており、この接ぎ手では、手開口の第1端部は円筒の第1端部に向かう点まで先細りとなっており、調整された長さのコードは、使用中に円筒の第1端部を通って開口から通されて開口の先細り状の第1端部にコードを詰め込むことによって取り外し可能に固定されている。この接ぎ手は出願人の同時係属中の英国特許出願の主題であり、その明細書に詳細な説明が記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は色々な方法で実行することができるが、1つの実施例が以下に本発明に基づく処理装置の正面図である添付の図1を参照して例示として記載される。
【0012】
図1で示されるように、人体のための処理装置1はスリーブ2の形態でマッサージ部材を含み、スリーブ2は第1端部と第2端部を有する。各端部3、4は、コード5と足あぶみ6の形態でユーザの下肢のいずれの部分に取り付けるために適合された装着手段を提供する。下記に説明されるように、マッサージ部材2は、装着手段5、6がユーザの下肢のいずれの部分、この場合はユーザの足(図示せず)に取り付ける場合に、ユーザの胴、首または頭(図示せず)のいずれの部分の周囲と適するような寸法にされかつ適合している。
【0013】
マッサージ部材はスリーブ2を含み、スリーブ2は、発泡ポリエチレン(その外形が示されている)で作られた2個の弾力性のマッサージボール7を保持している。図1から明らかのように、マッサージボール7は使用中にスリーブ2に対して回転できるようにスリーブ2の幅より小さい直径を有する。
【0014】
リーブ2の端部3、4は、以下で説明されるように、貯蔵構成物中にコード5と足あぶみ6を保持するために適合されたポケット8を提供する。使用中に開口で閉じるためにフックと輪のファスナー9が提供される(その外形が示される)。
【0015】
コード5は長さ調整接ぎ手10によって長さが調整可能である。コード5は、その内側の端部がポケット8の内部に取り付けられかつその外側の端部が接ぎ手10に取り付けられている第1パート11と、その内部端部が接ぎ手10で調節可能に保持されかつその外側の端部が足あぶみ6に保持されている第2パート12とを含む。
【0016】
足あぶみ6は、スライド調整器13によって使用中に調整することもできる。
【0017】
スリーブ2とポケット8は1個の大きいスリーブから組み立てられる。ポケット8を形成するために、大きいスリーブの端部は後ろに折られ、コード5の内側の端部は、後ろに折られた部分の一番はずれの部分の周りで結ばれ、それにより両端部でスリーブを閉じる。後ろに折られる材料は、次に、結ばれた部分の上に折り重ねられ、それによりポケット8を形成する。そのような構造物は容易に製造され、マッサージボール7を追加するあるいは取り外すために容易に分解することができる。
【0018】
図1に示されるように、処理装置1を使用するために、ポケット8が開けられ、コード5と足あぶみはそこから取り外される。次に、処理装置1はユーザをマッサージするために使用され、多くの異なる方法でユーザの足に運動を提供する。
【0019】
1つの方法において、スリーブ2はユーザの首の周りに置かれる。次にマッサージボール7が記載されたように配置するためにスリーブ中で操作され、それにより、マッサージボール7は首の特定部分に対して作用する。ユーザは、足を足あぶみ6に置いて、調整器13をが下方に滑らせて足あぶみ6を固定する。次に、ユーザはかかとを地面につけて快適な位置で座る。コード5は接ぎ手10を使用して調整され、それにより、ユーザの足が前方に伸ばされたのと上に持ち上げられたとの中間の位置にあるときがコード5に教えられる。準備ができると、ユーザは歩くときのやり方で交互に足を上下に押し、その結果、スリーブ2が首の周りを前後に動く。弾力性のボール7は小さいサイズのためスリーブ2の内部で回転することができるので、弾力性のボール7はユーザの上で転がる。
【0020】
この動きは、3つの利益がある。まず第1に、ボール7はユーザの首に対して前後方向に回転してマッサージ効果を提供する。マッサージ効果はユーザの脚によって駆動されるので強力であり有効である。スリーブ2が手によって前後に引かれる場合、マッサージ効果は減少し、長時間その動作を維持することは難しいだろう。しかし、脚ははるかに強く、はるかに長い間、動かすことができる。
【0021】
第2に、ユーザは足、特に脚の筋肉を使用して運動しなければならないので、これは価値ある運動を提供するだけではなく、例えば、長距離飛行などで深部静脈血栓症の発生を防ぐことができる。処理装置を操作するとき、脚の動きがウォーキングの行動をまねるので、ユーザは、起きあがらずに短い散歩の効果の利益を得ることができる。
【0022】
第3に、ユーザは首と足の間で教えられた位置にコード5を保持するために座わった位置で体を安定して保持しなければならない。これは、物理的な努力と運動と特に下背の伸びを必要とする。
【0023】
上記説明された構成の代替構成では、ユーザはスリーブ7が首から下方の上背に広がるようにスリーブ7を肩の下でくるむことができる。同じ足の運動が実行され、マッサージ効果が首とは違って上背に提供される。これは両側の肩で成し得る。
【0024】
最も効果的な方法が上記説明されたが、本処理装置は、ユーザの胴、首または頭のいずれの部分の周囲に巻きつけられるスリーブ2を含む方法で使用することができ、これを成し得る複数の方法があることが理解されるであろう。
【0025】
わずかに異なるマッサージ効果を提供するために、足あぶみ6は反対の足に切り換えることができる。これは、ユーザの胴、首または頭の周りでより遠くにスリーブ2を引くと、異なるマッサージ効果を供給する。
【0026】
また、座位とは違って横たわって本処理装置を使用することもまた可能である。ユーザの足が足あぶみに置かれスリーブ2がユーザの胴、首または頭、肩の上を含むいずれの部分の周囲に置かれる。この構成は寝たきりに対して適当である。
【0027】
処理装置1が必要でない場合には、コード5と足あぶみ6は折りたたんでポケット8中に置くことができる。ポケット8を閉じるためにフックと輪のファスナーを使用することができる。
【0028】
上記説明された実施例は請求項1の範囲から逸脱せずに変更することができる。例えば、代替の実施例(図示せず)において、スリーブ中のボールに代わって他のマッサージ部材が使用される。これらはいかなる材料で作られたリブまたは曲がりやすいひものような部材で作ることができ、ユーザの周囲を包んで、上記説明されたように使用中にマッサージ効果を提供する。もちろん、1つまたは3つまたはそれ以上のボールが2つと対照的にスリーブ中で使用するようなバージョンもまた作り得る。
【0029】
他の代替の実施例(図示せず)では、足あぶみを脚の他の部分、特にももの周りに取り付ける手段に取り替えることができる。ももはマッサージ部材の必要な運動を引き起こすために上下に動かすことができるので、そのようなバージョンは、上側の脚の筋肉を鍛えてストレスを取り除くことができる。
【0030】
したがって強力な自分で加えるマッサージを人体の上部に提供し同時に下肢の運動を提供する処理装置を提供する。この処理装置は、下背もまた運動させ、静止して座った位置又は横たわった位置でおよび無重力状態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の人体のための処理装置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの下肢のいずれの部分に取り付けるために適合された装着手段がそれぞれに提供されている第1端部および第2端部を持つマッサージ部材を有し、
前記装着手段が前記ユーザの下肢のいずれの部分に取付けられた場合にも前記マッサージ部材がユーザの胴、首または頭のいずれの部分の周囲と適合するような寸法であることを特徴とする人体のための処理装置。
【請求項2】
前記第1端部および前記第2端部には、前記装着手段を端部で保持するコード手段が提供されていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記装着手段が足あぶみを備えることを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記マッサージ部材は1つまたはそれ以上のマッサージ基体を保持する曲がりやすいストラップ手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記曲がりやすいストラップ手段は、前記1つまたはそれ以上のマッサージ基体を内部に保持するスリーブ状の材料を含むことを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記1つまたはそれ以上のマッサージ基体は、使用中に前記スリーブ状の材料に対して回転できるように前記スリーブ状の材料の幅より小さい直径を有する1つまたはそれ以上の弾力性のボールを含むことを特徴とする請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
2つの弾力性のボールが提供されることを特徴とする請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
前記マッサージ部材の前記第1端部および前記第2端部には、貯蔵構成物中に前記コード手段と前記足あぶみとを入れるために適合されたポケットが提供されていることを特徴とする請求項7に記載の処理装置。
【請求項9】
前記コード手段は長さが調整可能であることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記弾力性のボールは発泡ポリエチレンで形成されていることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
【請求項11】
実質的に本明細書に記載され図1に示されるような処理装置。

【図1】
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【公表番号】特表2008−546460(P2008−546460A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517581(P2008−517581)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002228
【国際公開番号】WO2006/136795
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507416942)
【氏名又は名称原語表記】WALKER, Stephen
【住所又は居所原語表記】176 Fitzalan Road, Arundel, West Sussex BN18 9JZ United Kingdam
【Fターム(参考)】