説明

人体保護用具

【課題】装着感に優れており大腿骨頸部骨折を予防しうる人体保護用具2の提供。
【解決手段】人体保護用具2は、緩衝体4と、装着体6とを備えている。この緩衝体4は、大転子が動きうる領域を覆うように、この装着体6に取り付けられている。この緩衝体4の長手方向は、前上がりに傾いている。この緩衝体4の長手方向が鉛直線に対してなす角度は、23°以上90°以下である。この人体保護用具2では、上記緩衝体4の長手方向の長さは130mm以上300mm以下であり、上記緩衝体4の幅方向の長さは、90mm以上200mm以下である。この人体保護用具2は、装着感に優れており大腿骨頸部骨折を予防しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転倒時におけるヒトへの衝撃を緩和する人体保護用具に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者人口の増加に伴い、この高齢者が転倒して骨折する事故が増えている。特に、大腿骨頸部骨折が、増加の傾向にある。大腿骨頸部骨折の完全治癒には、時間がかかる。大腿骨頸部骨折が原因で、寝たきりとなってしまう事例もある。大腿骨頸部骨折は大きな社会問題となりつつあり、その予防が強く求められている。
【0003】
大腿骨頸部骨折は、転倒時に大腿骨大転子が地面等に打ち付けられるために発生すると考えられている。そこで、この大腿骨頸部骨折が防止されるために、種々の保護具が提案されている。
【0004】
特表平9−508824号公報には、ヒトの大腿骨頸部周りの体型にあうように内向きに凹状の側面を備えたドーム形部材を有するヒッププロテクタが開示されている。このヒッププロテクタの表面全体は、剛性の発泡熱可塑性材料からなり、ドーム形の硬質なシェルとして形成されている。
【0005】
特開平9−268409号公報には、転倒又は衝突による骨折が防護されるために衝撃吸収パッドが用いられた衣類が開示されている。この骨折防護用衣類には、このアクリル系共重合体の発泡体が衝撃吸収パッドとして用いられている。
【0006】
特開2003−3004公報には、転倒及び衝突による打撲、裂傷、骨折等を防護する衝撃吸収パッド付衣類が開示されている。この衝撃吸収パッドには、体表面との接触における安全性が配慮されている。
【0007】
【特許文献1】特表平9−508824号公報
【特許文献2】特開平9−268409号公報
【特許文献3】特開2003−3004公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記公報に記載された人体保護用具では、ヒッププロテクタ及び衝撃吸収パッドのような緩衝体が、立位における大転子を覆うように取り付けられている。それにもかかわらず、大腿骨頸部骨折が発生してしまうという問題がある。
【0009】
大腿骨頸部骨折の発生が抑えられるために、緩衝体で覆われる領域が拡げられると、人体保護用具の装着時における違和感が大きくなる。このような人体保護用具では、その利用が敬遠されてしまう。
【0010】
本発明の目的は、装着感に優れており大腿骨頸部骨折を予防しうる人体保護用具の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る人体保護用具は、緩衝体と、装着体とを備える。この緩衝体は、大転子が動きうる領域を覆うように、装着体に取り付けられている。緩衝体の長手方向は、前上がりに傾いている。
【0012】
好ましくは、緩衝体の長手方向が鉛直線に対してなす角度は、23°以上90°未満である。好ましくは、この角度は50°以上90°未満である。
【0013】
好ましくは、緩衝体の長手方向の長さは、130mm以上300mm以下である。好ましくは、緩衝体の幅方向の長さは、90mm以上200mm以下である。
【0014】
本発明に係る他の人体保護用具は、緩衝体と、装着体とを備える。この緩衝体は、大転子が動きうる領域を覆うように、装着体に取り付けられている。緩衝体の投影面の最小二次モーメントの主軸は、前上がりに傾いている。
【0015】
好ましくは、主軸が鉛直線に対してなす角度は、23°以上90°未満である。好ましくは、この角度は、50°以上90°未満である。
【発明の効果】
【0016】
発明者らの検討により、立位から転倒位に姿勢が変化する過程における大転子の動きうる領域が、明らかとされた。この人体保護用具では、緩衝体がこの大転子が動きうる領域を確実に覆うので、大腿骨頸部骨折が予防されうる。この緩衝体がこの大転子が動きうる領域を適度に覆うので、この緩衝体が備えられた人体保護用具は保護不要な部分までも覆うことなく装着感に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る人体保護用具2が示された側面図である。この図1では、この人体保護用具2は、ヒトに装着されたときに側方に位置する面が上にされた状態で畳まれている。図1において、左側は人体の前側である。この人体保護用具2は、緩衝体4と、装着体6とを備えている。この装着体6は、収容室8を備えている。この緩衝体4は、この収容室8に収容される。図1中、点PAは大転子相当箇所である。この点PAは、立位にあるヒトの大転子の位置に一致する。この大転子の位置は、触診により確認される。実線LAは、この点PAを通る鉛直線である。なお、この明細書では、立位で股関節中間位(屈曲及び伸展における0°位)の状態が立位として表されている。
【0019】
装着体6は、実質的には衣類である。衣類としては、ズボン、スウェットパンツ及びベルトが例示される。この人体保護用具2では、この装着体6は半ズボンである。
【0020】
収容室8は、装着体6の表側に糸で縫いつけられている。この収容室8は、ポケット状である。この収容室8の挿入口10から、緩衝体4が入れられる。この収容室8の位置が固定されているので、緩衝体4の位置がずれることはない。この収容室8が、この装着体6の裏側に縫いつけられてもよい。この収容室8の形状、大きさ、取付位置等の構成は、人体保護用具2の仕様が考慮されて、適宜決められる。なお、この収容室8の装着体6への接合に、ファスナー、面ファスナー、ボタン等の留め具が用いられてもよい。この緩衝体4が、ファスナー、面ファスナー、ボタン等の留め具が用いられて直接装着体6に取り付けられてもよい。
【0021】
収容室8の挿入口10には、フラップ12が取り付けられている。この収容室8に収容された緩衝体4が、不意にこの収容室8から外に出ることはない。この挿入口10に、ファスナー、面ファスナー、ボタン等の留め具が用いられてもよい。
【0022】
緩衝体4は、その内部に気泡を有するポリマー成形体である。この緩衝体4の平面形状は、略矩形である。この緩衝体4の長手方向は、前上がりに傾いている。この緩衝体4は可撓性を有しているので、この人体保護用具2は体の形状に適応させて装着されうる。なお、この緩衝体4に、エアークッションが用いられてもよい。
【0023】
図2は、図1の人体保護用具2がヒト14に装着されている状態が示された背面図である。この図2には、ヒト14と、人体保護用具2とが示されている。図2に示されているように、緩衝体4は、ヒト14のヒップ16から臀部18に至る範囲に位置している。
【0024】
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。この図には、ヒト14の断面と、人体保護用具2とが示されている。この断面図には、ヒト14の水平面における緩衝体4の位置が示される。この図に示されるヒト14の断面には、立位にあるヒト14のX線コンピュータ断層映像装置による観察から得られた画像の内、大転子20と坐骨22とが示されている。この図3において、大転子前縁24の位置を通過する直線の内、体表面26に対して垂直に交差する直線LBと体表面26との交点が、大転子前縁相当箇所28である。坐骨22の先端30を通過する直線の内、体表面26に対して垂直に交差する直線LCと体表面26との交点が、坐骨相当箇所32である。この図3に示されているように、この緩衝体4は、大転子前縁相当箇所28から坐骨相当箇所32に至る範囲を覆うように位置している。
【0025】
高齢者の転倒時における打撲部位とその頻度との関係が、本発明者らによって検討された。発明者らは、この打撲部位とその頻度との関係を、処女歩行を開始した3名の乳幼児の転倒観察から推定した。この乳幼児は、歩行様式と筋力分布とにおいて、高齢者に類似している。本発明者らは、この3名の乳幼児の自然転倒過程を、前後左右の4方向からビデオカメラで撮影し、この撮影された転倒姿勢から、転倒時における打撲部位と頻度との関係を得た。確認された転倒の内、大腿骨頸部骨折が発生する可能性のある後方及び横方向への転倒は、全転倒回数の58.5%を占めていた。この後方及び横方向への転倒の打撲部位の内訳としては、正中方向(立位における仙尾骨部相当箇所34)が12.0%、、後側方(立位における大転子相当箇所PAから坐骨相当箇所32に至る領域)が42.8%、そして外側(立位における大転子相当箇所PA)が3.7%であった。この結果から、自然転倒過程においては、後側方への転倒が最も発生頻度の高い転倒態様であることが明らかとされた。この後側方への転倒において、股関節は外旋屈曲位にあることも確認された。前述したように、この人体保護用具2では、緩衝体4が大転子前縁相当箇所28から坐骨相当箇所32に至る範囲を覆うように位置している。このため、最も発生頻度の高い後側方への転倒において、緩衝体4は大転子20への衝撃を吸収する。この人体保護用具2は、転倒による大腿骨頸部骨折を予防する。
【0026】
本発明者らは、ヒト14の姿勢と大転子20の位置との関係についても検討した。このヒト14の姿勢と大転子20の位置との関係は、以下に示す方法で得られた。まず、ヒト14が、体表面26に密着するように構成されているパンツを装着する。次に、立位にあるこのヒト14の大転子20の位置が、このパンツの上から触診で確認される。次に、確認された大転子20の位置がマーキングされる。次に、このヒト14の姿勢が変えられる。立位から股関節屈曲120°外旋90°まで姿勢が変えられた状態で、触診による大転子20の位置確認とマーキングとが行われる。ヒト14が姿勢を変える度に、この作業が繰り返し行われる。このようにして、このヒト14の姿勢と大転子20の位置との関係が得られた。図1には、この検討によって、体表面26で確認された大転子20の動きうる領域が、仮想領域として二点鎖線RAで示されている。図示されているように、この大転子20の動きうる領域RAの長手方向は、前上がりに傾いている。
【0027】
図1に示されているように、この人体保護用具2では、緩衝体4が大転子20の動きうる領域RAを確実に覆っている。このような人体保護用具2は、いかなる転倒態様においても、緩衝体4が大転子20への衝撃を吸収する。この人体保護用具2は、大腿骨頸部骨折を予防する。この人体保護用具2では、緩衝体4が大転子20が動きうる領域RAを適度に覆うので、装着時における違和感が最小限に抑えられる。この人体保護用具2は、装着感に優れる。
【0028】
図1において、一点鎖線CLは、この緩衝体4の中心線である。この中心線CLは、後に詳述するこの緩衝体4の投影面の最小二次モーメントの主軸に一致する。この中心線CLは、この緩衝体4の長手方向に平行である。この人体保護用具2では、この中心線CLは点PAを通る。点PBは、この中心線CLと緩衝体4との上側の交点である。角度αは、この中心線CLが鉛直線LAに対してなす角度を表している。両矢印線L1は、この緩衝体4の長手方向の長さである。両矢印線L2は、この緩衝体4の幅方向の長さである。両矢印線L3は、点PAと点PBとの間の長手方向長さである。
【0029】
本発明者らは、1つのパンツに3名の成人男性の大転子20の位置をマーキングした。そして、領域RAを求めた。その角度αは、33°であった。本発明者らは、他のパンツに他の12名の成人男性の大転子20の位置をマーキングした。そして、領域RAを求めた。その角度αは、67°であった。本発明者らは、さらに他のパンツに9名の成人女性の大転子20の位置をマーキングした。そして、領域RAを求めた。その角度αは、81°であった。3つのパンツのマーキング位置を重ねたところ、好ましい角度αは23°以上90°未満であることが判明した。角度αがこの範囲内に設定されることにより、緩衝体4が効果的に大転子20が動きうる領域を覆う。人体保護用具2を着用するヒトごとに、角度αが設定されてもよい。しかし、この場合は多数の商品群が用意される必要があり不経済である。角度αが23°以上90°未満に設定されれば、1つの人体保護用具2が多数のヒトに適合しうる。この人体保護用具2は、汎用性に優れる。角度αは、50°以上がより好ましく、60°以上が特に好ましい。角度αは、85°以下がより好ましい。
【0030】
この人体保護用具2では、長さL1は130mm以上300mm以下である。この長さL1が130mm以上に設定されることにより、緩衝体4が大転子20が動きうる領域を確実に覆う。この人体保護用具2は、大腿骨頸部骨折を予防する。この観点から、この長さL1は150mm以上がより好ましく、170mm以上が特に好ましい。この長さL1が300mm以下に設定されることにより、装着時における違和感が抑えられる。この人体保護用具2は、装着感に優れる。この観点から、この長さL1は250mm以下がより好ましく、210mm以下が特に好ましい。
【0031】
この人体保護用具2では、長さL2は90mm以上200mm以下である。この長さL2が90mm以上に設定されることにより、緩衝体4が大転子20が動きうる領域を確実に覆う。この人体保護用具2は、大腿骨頸部骨折を予防する。この観点から、この長さL2は100mm以上がより好ましく、110mm以上が特に好ましい。この長さL2が200mm以下に設定されることにより、装着時における違和感が抑えられる。この人体保護用具2は、装着感に優れる。この観点から、この長さL2は180mm以下がより好ましく、160mm以下が特に好ましい。
【0032】
この人体保護用具2では、長さL1に対する長さL3の比(L3/L1)は、0.10以上0.60以下であるのが好ましい。この比(L3/L1)が0.10以上に設定されることにより、緩衝体4が大転子20が動きうる領域を確実に覆う。この人体保護用具2は、大腿骨頸部骨折を予防する。この観点から、この比(L3/L1)は0.15以上がより好ましく、0.25以上が特に好ましい。この比(L3/L1)が0.60以下に設定されることにより、装着時における違和感が抑えられる。この人体保護用具2は、装着感に優れる。この観点から、この比(L3/L1)は0.55以下がより好ましく、0.45以下が特に好ましい。なお、この長さL3の好ましい範囲は、30mm以上150mm以下である。
【0033】
この人体保護用具2では、緩衝体4の基材ポリマーとして、合成樹脂又はゴムが用いられる。合成樹脂の材質としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン及び各種熱可塑性エラストマーが例示される。ゴムの材質としては、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体が例示される。加工性の観点から、ポリウレタンが好ましい。エステル系ポリウレタン及びエーテル系ポリウレタンのいずれも用いられうるが、形状復元性に優れたエーテル系ポリウレタンが、より好ましい。
【0034】
緩衝体4の内部にある気泡は、化学的又は物理的な処理により得られる。具体的な方法としては、化学反応途中に発生する揮発性ガスが利用される方法、発泡剤が用いられる方法、攪拌時に泡立てさせる方法等が挙げられる。この緩衝体4では、この気泡は独立気泡とされてもよい。この気泡が連続気泡とされてもよい。
【0035】
図4は、本発明の他の実施形態に係る人体保護用具36が示された側面図である。この図4では、この人体保護用具36が、ヒトに装着されたときに側方に位置する面が上にされた状態で畳まれている。この人体保護用具36は、緩衝体38と、装着体40とを備えている。この装着体40は、収容室42を備えている。この緩衝体38は、この収容室42に収容される。この人体保護用具36は、この緩衝体38及び収容室42の形状以外の構成は、図1の人体保護用具2と同一である。図4中、点PAは大転子相当箇所である。実線LAは、この点PAを通る鉛直線である。二点鎖線RAは、発明者らの検討で得られた大転子20が動きうる領域を表している。
【0036】
この人体保護用具36では、緩衝体38の形状は楕円である。一点鎖線MLは、この緩衝体38の投影面の最小二次モーメントの主軸である。この主軸MLは、点PAを通る。この人体保護用具36では、この主軸MLは前上がりに傾いている。主軸の方向は、緩衝体38の長手方向でもある。この図4において、角度βは、主軸MLが鉛直線LAに対してなす角度を表している。なお、緩衝体38の形状が任意で構成される人体保護用具36では、この主軸MLが点PAを通らなくてもよい。
【0037】
主軸MLを求める方法は、次の通りである。まず、点PAが中心された人体保護用具36の側面が、撮影される。この撮影された側面画像における緩衝体38の輪郭は、この緩衝体38の投影面に一致する。次に、この緩衝体38の輪郭が、デジタイザーで座標軸XYとして読み取られる。次に、緩衝体38の輪郭で囲まれる領域が、約200個の微小な四角形に分割される。次に、この四角形の頂点座標が、求められる。次に、k番目の四角形の面積がAkとされ、その中心座標の位置ベクトルがrk=(Xk、Yk)とされて、この緩衝体38の輪郭の中心の位置ベクトルraが、下記数式(I)に基づいて算出される。
【0038】
【数1】

【0039】
座標軸XYに平行な座標軸X’Y’回りの二次モーメントが、下記数式(II)から(V)に基づいて計算される。
【0040】
【数2】

【0041】
二次モーメントの計算で得られる下記数式(VI)の行列において、その固有値が小さい固有ベクトルが、最小二次モーメントの主軸MLである。
【0042】
【数3】

【0043】
図4に示されているように、この人体保護用具36では、緩衝体38が大転子20の動きうる領域RAを確実に覆っている。このような人体保護用具36は、いかなる転倒態様に置いても、緩衝体38が大転子20への衝撃を吸収する。この人体保護用具36は、大腿骨頸部骨折を未然に防ぐ。この人体保護用具36では、緩衝体38が大転子20が動きうる領域RAを適度に覆うので、装着時における違和感が最小限に抑えられる。この人体保護用具36は、装着感に優れる。
【0044】
この人体保護用具36では、角度βは23°以上90°未満が好ましい。この角度βがこの範囲内に設定されることにより、緩衝体38が効果的に大転子20が動きうる領域を覆う。この観点から、この角度βは50°以上がより好ましく、60°以上が特に好ましい。この角度βは、85°以下がより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る人体保護用具が示された側面図である。
【図2】図2は、図1の人体保護用具がヒトに装着されている状態が示された背面図である。
【図3】図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態に係る人体保護用具が示された側面図である。
【符号の説明】
【0046】
2、36・・・人体保護用具
4、38・・・緩衝体
6、40・・・装着体
8、42・・・収容室
10・・・挿入口
12・・・フラップ
14・・・ヒト
16・・・ヒップ
18・・・臀部
20・・・大転子
22・・・坐骨
24・・・大転子前縁
26・・・体表面
28・・・大転子前縁相当箇所
30・・・先端
32・・・坐骨相当箇所
34・・・仙尾骨部相当箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝体と、装着体とを備えており、
この緩衝体が、大転子が動きうる領域を覆うように、その長手方向が前上がりに傾いた状態で装着体に取り付けられている人体保護用具。
【請求項2】
上記緩衝体の長手方向が鉛直線に対してなす角度が23°以上90°未満である請求項1に記載の人体保護用具。
【請求項3】
上記緩衝体の長手方向が鉛直線に対してなす角度が50°以上90°未満である請求項2に記載の人体保護用具。
【請求項4】
上記緩衝体の長手方向の長さが、130mm以上300mm以下である請求項1から3のいずれかに記載の人体保護用具。
【請求項5】
上記緩衝体の幅方向の長さが、90mm以上200mm以下である請求項1から4のいずれかに記載の人体保護用具。
【請求項6】
緩衝体と、装着体とを備えており、
この緩衝体が、大転子が動きうる領域を覆うように、その投影面の最小二次モーメントの主軸が前上がりに傾いた状態で装着体に取り付けられている人体保護用具。
【請求項7】
上記主軸が鉛直線に対してなす角度が23°以上90°未満である請求項6に記載の人体保護用具。
【請求項8】
上記主軸が鉛直線に対してなす角度が50°以上90°未満である請求項7に記載の人体保護用具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate