人体組織から緊締手段を除去する装置
【課題】本発明は、破損または損傷した緊締手段を、緊締手段が緊締されている固定穴を損傷したり膨張させたりすることなく除去する装置を提供。
【解決手段】固定手段を人体組織から除去する装置。本装置は、近端部および遠端部(3、4)と長手方向中心線(C)とを有するシャフト(2)からなる。遠端部(4)は、長手方向中心線(C)と同軸の中心線(D)を有するねじ部(6)、および中心線(D)を中心として自身をねじ込む左ねじ(7)を有するねじ部(6)と、ねじ山(7)の外側に配置され、両中心線(C、D)のうちの1つと交差する表面成分方向を有するカウンタ面(8a、8b)とからなる。カウンタ面(8a、8b)は、ねじ山(7)が回転して緊締手段内の穴へはいると、除去すべき緊締定手段に接触するように配設されている。
【解決手段】固定手段を人体組織から除去する装置。本装置は、近端部および遠端部(3、4)と長手方向中心線(C)とを有するシャフト(2)からなる。遠端部(4)は、長手方向中心線(C)と同軸の中心線(D)を有するねじ部(6)、および中心線(D)を中心として自身をねじ込む左ねじ(7)を有するねじ部(6)と、ねじ山(7)の外側に配置され、両中心線(C、D)のうちの1つと交差する表面成分方向を有するカウンタ面(8a、8b)とからなる。カウンタ面(8a、8b)は、ねじ山(7)が回転して緊締手段内の穴へはいると、除去すべき緊締定手段に接触するように配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体組織から緊締手段を除去する装置、とくに骨組織から緊締手段を除去する装置に関するものである。このような装置は、近位および遠端部と長手方向中心線とを有するシャフトを含み、遠位部は、シャフトの長手方向中心線と同軸の中心線を有するねじ部、およびこの中心線を中心にねじ込まれる左ねじと、ねじ部の外側に配置され、前記中心線のうちの1つを横切る表面成分方向を有するカウンタ面とを含み、カウンタ面は、ねじが前記緊締手段の穴へねじ込まれた場合にこの除去すべき緊締手段と接触するように配置されるものである。
【背景技術】
【0002】
生物分解性材料または人体中で分解する材料は、外科手術に用いられる緊締手段の製造にますます用いられている。
【0003】
生物分解性材料で作られたねじ、ピン、留め具、リベット、留め鋲などの緊締手段は、これらが人体内で分解する。そこで、これらの緊締手段を他の手術によって人体から除去する必要がないという利点がある。以後、人体内で分解するすべての材料を「生物分解性」と称す。
【0004】
例えば、ねじなどの緊締手段がその取り付け中に破損してそのねじの一部がそれをねじ込んだ穴に残るということが何かの理由で時々発生する。また、ねじの頭部が損傷してねじをその穴内の目的の位置にねじ込むことができない、あるいはその穴からねじを抜いて除去することができないこともある。さらに、緊締手段が、過剰な荷重または事故のために、固定接合部のところで例えば剪断力のために破損することがある。通常、破損または損傷した緊締手段は人体から除去する必要がある。また、破損または損傷していない緊締手段を人体から除去することもある。
【0005】
いくつかの製造業者では破損または損傷したねじを骨組織から除去するさまざまな牽引道具を提供している。
【0006】
米国特許第5,697,935号(特許文献1)は、中空中ぐりドリルを有する装置を開示している。このドリルは、内部空洞と、その遠端部に前記空洞に対して開口している開口部とを有している。遠位部はさらに、開口部の周囲に切削面を有している。操作者は、切削面を除去すべき緊締手段の周囲の骨組織に対して押し付けて、ドリルを回転させて緊締手段の周囲の骨組織へ切り込む。内部空洞の表面が緊締手段の外面を噛んで、これに固着する。操作者はこのとき骨組織からドリルを離れるように移動させ、骨組織から緊締手段を除去することができる。
【0007】
上述の装置およびその使用に関する問題の一つは、除去工程中にかなりの量の骨組織を除去する必要があることにある。
【0008】
米国特許第6,004,321号(特許文献2)は、挿入したねじの骨組織からの牽引を行う装置を開示している。この装置は、円錐面上に逆セルフタッピング螺旋部と、円錐面の先端に連結されたフィーラシャフトとを有している。このフィーラシャフトは入口で装置を破損ねじのカニューレへ案内し、逆螺旋部はその除去すべきねじの材料へ食い付く。
【0009】
上述の装置に関する問題の一つは、円錐面上の逆螺旋部が生物分解性材料を膨張させる可能性があり、その場合、ねじが穴へさらに固着し易くなることにある。その結果、ねじが破損してばらばらになる。
【特許文献1】米国特許第5,697,935号公報
【特許文献2】米国特許第6,004,321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の欠点を軽減する装置を提供することを目的とする。本発明の目的は、ねじ部のねじが穴の壁へ食い込みながら、ねじ部が前記穴を貫通するように配設された装置によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、緊締手段の除去のために、左ねじとカウンタ面とを組み合わせて使用する概念に基づいている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の利点は、破損または損傷した緊締手段を、緊締手段が緊締されている固定穴を損傷したり膨張させたりすることなく除去できることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に実施例により、また添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0014】
簡単のため、図は本発明を簡略的に示す。同様の参照番号は同様の構成要素を示す。
【0015】
図1は本発明による装置の模式的側面図であり、図2は同装置の詳細を示す模式的側面図である。
【0016】
本装置は、例えばステンレススチールもしくは外科用装置および道具の製造に用いることができる他の同様の材料で作られたシャフト2を含む。シャフト2は近端部3および遠端部4を持つ細長い形をしている。
【0017】
近端部には、シャフト2を中心として回転させることができるハンドルまたは工具内に装置を固定する固定手段5が設けられている。この工具は例えば、ボール盤もしくはねじ錘、または他の適切な工具にすることができる。固定手段5は、もちろん、図1に示すものとは異なる方式で設計することができる。一選択肢として、シャフト2内に取り付けられ、または一体化されているハンドルを近端部が含むようにすることもできる。
【0018】
近端部3と遠端部4との距離は、図1に示すものよりかなり短くすることもできる。
【0019】
遠端部4にはねじ部6が設けられている。図2に示すように、ねじ部6はシャフト2の長手方向中心線Cと同軸になっている中心線Dを有している。
【0020】
ねじ部6は、図1に示す装置においてはシャフト2の一体化部分になっている。または、ねじ部分6は、取り付け手段、例えばねじ山によってシャフト2へ脱着可能に取り付けることができる。
【0021】
ねじ部6は、ねじ部6の中心線Dを中心に自身をねじ込んでゆく外側ねじ山7を含んでいる。ねじ山7は左ねじ、すなわち、通常のねじ山とは反対になっている。したがって、穴へねじ山7をねじ込むには反時計回りに回転させる必要がある。
【0022】
一本のねじ山7がねじ部6に設けられ、ねじ部6の一方の端部から他方の端部まで1つの均一のねじ山として延在している。ねじ山7の外径は遠端部4の最端部に近い、収束している区域を除いては、一定している。ねじ山の高さは図2に示すねじ部におけるねじ山の外径の約15%である。ねじ山7の高さは、5%ないし20%の範囲で有利に選択することができる。固定手段のその穴の膨張を妨げるには、このような比較的高いねじ山が望ましい。同様な理由で、比較的薄いねじ山も望ましい。
【0023】
ねじ山7のピッチはねじ部6の全長にわたって一定である。
【0024】
遠端部4には、第1のカウンタ(相方)面8aおよび第2のカウンタ面8bも設けられている。第1のカウンタ面8aはねじ部6とシャフト2との間に置かれている。これはねじ部6の中心線Dに対して直角をなす環状平面である。第1のカウンタ面8aの外径は実質的にはねじ部6のものより大きく、シャフト2の直径に等しい。または、第1のカウンタ面8aの外径をシャフト2の直径より小さくすること、または大きくすることができる。
【0025】
第2のカウンタ面8bは装置1の遠位部4の最端部のねじ部6の端部に配設されている。
【0026】
カウンタ面8a、8bの双方はねじ部6の中心線と交差する表面成分を有している。さらに正確には、カウンタ面8a、8bはねじ部6の中心線Dに対して直角をなすように配されている平面を有している。または、第1のカウンタ面8aを例えばドーナッツ面の一部または鈍角円錐面に似せることができるが、それでも図2に示す実施例が通常は望ましい。
【0027】
第2のカウンタ面8bも例えば鈍角円錐面または球面の一部に似せることができる。
【0028】
これらカウンタ面8a、8bの仕上げは、例えば粗仕上げ、または円滑仕上げ、望ましくはわずかに粗仕上げにすることができる。
【0029】
図3は、骨組織から除去すべき固定手段内に配設された本発明による第2の装置の模式的部分断側面図である。なお図3は、この装置の遠端部4のみを示す。
【0030】
遠端部4は、骨組織から除去すべき緊締手段10内に作られた穿孔9へねじ込まれる。緊締手段10は生物分解性材料で作られたねじである。前記骨組織は図3には示さないが、ねじ10はねじ山11によって穴の内部に固定されている。ねじ山11は右ねじである。すなわち、ねじは時計回りに回すと穴へ貫通し、反時計回りに回すと穴から外れる。
【0031】
ねじ10は参照番号12で示す表面に沿って割れている。図3に示すねじ10の一部、または少なくともそのねじ山11は骨組織内に詰め込まれている。ねじ10と骨組織との間には詰め込み力が相互作用して、ねじ10が骨組織内に詰め込まれた状態を保つ。
【0032】
本発明の装置は次のように使用することができる。
【0033】
操作者は先ずねじ10内に穿孔9を穿孔しておく。穿孔9は、ねじ10の長手方向軸に対して平行に作るのが望ましい。穿孔はまた、前記長手方向の軸と同軸であることも望ましい。わずかな非平行またはずれは作動には何ら害を生じない。
【0034】
穿孔9は公知のドリルビットおよび穿孔方法で作ることができるので、ここでは詳細には説明しない。ドリルビットの直径は、もちろん、ねじ山7の寸法に合わせる必要がある。とくに、ドリルビットの外径をねじ山7の内径よりわずかに大きくすることが望ましい。このようにして、ねじ部6が除去すべきねじを半径方向に広げることがない。
【0035】
穿孔9が完成すると、操作者は穿孔9からドリルビットを抜き取る。次に、操作者は遠端部4を穿孔9の開口端部へ案内し、ねじ部6の中心線を中心としてねじ部を回転させ始めて穿孔9へ入れる。回転方向は反時計回りである。ねじ部6のねじ山7は穿孔9の壁に食い込み、ねじ部6が穿孔9へ貫通する。換言すれば、ねじ山7はセルフタッピングねじである。すなわち、ねじ山7は回されると、前進して自身のねじ山を穿孔9内に作る。
【0036】
操作者が工具を回転し続けるにつれ、カウンタ面8aは破断面12に対して圧迫する。図3にはまさにこの状態を示している。操作者は装置を回転し続け、すると、ねじ部6のねじ山7は、固有の牽引力でカウンタ面8aおよび破断面12を互いに対して引き合わせる。この牽引力により、カウンタ面8aと破断面12との間に摩擦力が生じる。また、ねじ部6と穿孔9との間にももう一つの摩擦力が生じる。カウンタ面8aと破断面12との間および他方ではねじ部6と穿孔9との間の摩擦力の和が上述の押し込み力を上回ると、ねじ10は本装置とともに反時計回りに回転を始める。したがって、ねじ10を骨組織内の穿孔から取り出すことができる。理想的には、ねじ10は操作者がねじ部6から抜き取るまで、そこに残っている。カウンタ面8aが緊締手段に対して圧迫を加える前に、緊締手段は本装置とともに回転し始め、すなわちねじが外れ始めることもある。
【0037】
注記すべきは、本装置は破損した緊締手段の除去に適しているばかりでなく、頭部が損傷している緊締手段の除去、ならびに少しも損傷していないが人体または動物の体内から除去する必要がある緊締手段の除去にも適していることである。本装置は、生物分解性材料で作られたいかなる緊締手段にも、または生物安定性ポリマー材料で作られその中へねじ部を取り付けることができる緊締手段であって、人体または動物の体内から除去する必要のあるものにも適している。
【0038】
本装置はまた、カニューレを挿入した緊締手段の除去にも適している。このような場合、必ずしもねじ部6の挿入前に緊締手段に穿設する必要がない。むしろ、固定手段のカニューレをねじ部6が挿入される穴として利用することができる。
【0039】
ここに注記すべきことは、用語「緊締手段」は、ねじ、ピン、止め釘、留め具、リベット、止め鋲などをさすことである。例えば、ねじ山によって組織に固定されていないピンを除去する必要がある場合、このピンをやはりその取付孔から外すことができる。または、ねじ部6がそのピンへしっかりと取り付けられている場合、そのピンは本装置によって穴から簡単に引き出される。
【0040】
さらに注記すべきことは、2つのカウンタ面8a、8bのうち、除去すべき緊締手段に対し圧迫を加えるのが第1のカウンタ面である場合は、図2に示すカウンタ面8aは上述のように機能する。
【0041】
本発明の装置の一実施例は、カウンタ面8aをねじ部6とシャフト2との間に配設して有している。すなわち、図3に示す実施例と同じである。さらに、ドリルビットは遠端部の最端部に位置するように設けられている。このドリルビットは左刃先になっている。このような装置は先ず、除去すべき緊締手段に穿設し、次いでそのねじ部によって前記穿孔に食い込むが、これらのすべてが同一の装置内で、同一の回転運動によって行われる。
【0042】
図4は、骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第3の装置の模式的部分断側面図である。本装置は、一部のみを図示したシャフト2と、左ねじ7付きねじ部6を有する遠端部4とを有する。遠端部4はまた、遠端部4の最端部に取り付けられたカウンタ面8bも有している。
【0043】
基本的には、図4に示す装置は図3に示す装置と同様に機能する。主たる相違は、カウンタ面8bは遠端部4の最端部に置かれているので、これが穿孔9の底部13に対して圧迫を加える点である。したがって、ねじ部6のねじ山7は穿孔9の底部13に対してカウンタ面8bを押し付け、カウンタ面8bと穿孔9の底部13との間、および、他方では、ねじ部6と穿孔9との間との摩擦力の和が、図4ではねじである緊締手段10の押し込み力を超えると、緊締手段10は組織から外れ始める。
【0044】
ここで注記すべきは、2つのカウンタ面8a、8bのうち、除去すべき固定手段に対して圧迫を加えるのが第1のカウンタ面8aである場合、図2に示す第2のカウンタ面8bは上述のように機能する。
【0045】
図5aないし図5eは、本発明による装置のいくつかの他のねじ山構造の模式的断側面図である。ねじ部6のねじ山7は、さまざまな方式で実現することができる。図5aないし5eは、このいくつかの例を示す。図5aでは、ねじ山7は台形ねじ山である。
【0046】
図5bにおいて、ねじ山7の食い付き面14とねじ部の中心線Dと直角をなす平面との間の角度は、ねじ山7の背面15の角度より小さい。これとは反対に、ねじ山7の食い付き面14とねじ部の中心線Dに対して直角をなす平面との間の角度は、図5cにおけるねじ山7の背面15の角度より大きい。図5dでは、食い付き面14および背面15は中心線Dに対して直角をなす平面とまったく同じ角度になるように配設されている。図5dでは、食い付き面14および背面15は中心線Dに対して直角をなす平面と丁度同じ角度になるように配設されている。図5eでは、ねじ山7の形状は鋭角な外縁と、曲状の食い付き面および背面とを有している。
【0047】
ねじ部6は、2つ以上のねじ山7を有してもよく、その場合、多端ねじ切り部になる。ねじ山7は、1つ以上の個所で完全に、または部分的に切断して、不連続にすることができる。さらに、ねじ山7の形状、ピッチ、高さおよび厚さは、ねじ部の全長にわたって変化させてもよい。
【0048】
図6は骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第4の装置の模式的断側面図である。図7および図8は、図6に示す装置の詳細を示す模式図である。
【0049】
装置1は、近端部3および遠端部4を備えたシャフト2を有している。近端部3にはハンドル16が設けられている。
【0050】
ハンドル16とシャフト2は別個に作られ、取付け手段17によって互いへ取り付けられている。ハンドル16はシャフト2へ一体化することもできる。他の選択肢は、近端部3を図1におけると同様に実現することである。
【0051】
遠端部4には、外ねじ山7を有するねじ部6が設けられている。ねじ山7は左ねじになっている。
【0052】
装置1はシャフト2上に同軸に配設されたスリーブ18を有している。スリーブ18は適切な金属、プラスチック、またはこれらの組合せで作ることができる。スリーブ18の壁は無垢でもよく、またはこれにさまざまな数の穿孔もしくは開口部を設けてもよい。
【0053】
スリーブ18の近端部にはグリップ19を設けて、装置を使い易くしている。
【0054】
スリーブ18の遠端部には第1のカウンタ面8aを設けている。この実施例では、第1のカウンタ面8aは、内方傾斜面もしくは凹面の形であり、これがねじ部6の中心線と交差する平面成分を有している。
【0055】
第2のねじ部20はシャフト2上に配設され、その逆ねじは中空スリーブ18の近端部の内面上に配設されている。第2のねじ部20は左ねじになっている。
【0056】
第2のねじ部20およびその逆ねじのため、スリーブ18およびそのカウンタ面8aは、シャフト2に対してスリーブを回転させ、もしくはスリーブ18に対してシャフト2を回転させることによって、シャフト2上で長手方向中心線Cの方向に移動させることができる。
【0057】
ここで注記すべきことは、第1のカウンタ面8aをシャフト2およびそのねじ部8に関連して移動させる手段を他の方法でも実現できることである。例えば、逆ねじではなく、スリーブ18に1つ以上の突起物もしくはピンを設けることができる。この突起物もしくはピンは第2のねじ部20内のそのねじ山の誘導部分の下に摺動するように取り付けられる。
【0058】
工具1の他の実施例では、スリーブ18は実質的な回転運動ではなく、直線運動によってシャフト2に関連して動く。すなわち、スリーブをシャフト2に関連して強制的に回転させる第2のねじ部もしくは他の手段は全く設けられていない。この実施例では、第1のカウンタ面8aをシャフト2およびねじ部6に関連して動かす手段は、操作者が第1のカウンタ面8aを、望ましくはステップレス方式で、ねじ部6に関連した適切な位置へ固定することができるロッキング手段を有している。このロッキング手段は、例えばシャフト2に対して押し付けることができるレバーをスリーブ18内に有することができる。工具1には案内手段を設けて、スリーブ18が直線運動中にシャフト2に関連して回転するのを防止することができる。案内手段は、例えばシャフト2内およびスリーブ18における長手方向スリットもしくは溝内のピンによって実現することができるが、このピンはスリットもしくは溝内を動くように配設されている。
【0059】
さらに他の実施例では、シャフト2とスリーブ18との間、例えば端部23と24との間には弾性部材が設けられている。弾性部材は、例えばバネ、ゴムなどの弾性材料の塊にすることができる。この弾性部材は第1のカウンタ面8aをシャフト2の遠端部の方へ動かすのに役立つ。工具1は、操作者が弾性部材を圧縮状態に固定して保つことができるロッキング手段を有してもよい。操作者はこの弾性部材を解放できる。すなわち、第1のカウンタ面8aによって除去作業のどの段階でもシャフト2の遠端部に向かって追跡することができる。しかし、ここで注記すべきことは、このようなロッキング手段は工具の必須の構成要件には含まれないことである。
【0060】
さらにまた他の実施例では、第1のカウンタ面8aは工具1内に脱着可能に配設されている。操作者は除去作業のどの段階でも、シャフト2においてこのカウンタ面8aを脱着することができる。図6ないし図8に示す装置は次のように用いることができる。操作者は、必要な場合、除去すべき固定手段内に本明細書の初頭に記載したのと同様な方法で穿設をする。緊締手段がカニューレ挿入のものである場合、穿設の必要はない。固定手段はねじ10であり、そのためのねじ切り穴25が組織26に作られている。典型的には、組織26は骨組織もしくは軟骨組織であり、または固定用穴は一部骨組織内に、もしくは一部軟骨組織内に作られる。
【0061】
ねじ10は固定板27を組織27に対して取り付けるために用意されている。何らかの理由で、ねじ10を固定用穴25へ十分に深くねじ込むことができず、図7に示す位置に固着して詰まってしまうことがある。そこで、ねじ10を固定用穴25から除去する必要がある。
【0062】
中空スリーブ18をハンドル16の方向へ回して、グリップ19の近端部23がハンドル16の遠端部24に対して摩擦によって固定される。
【0063】
ねじ部6は、装置1を反時計回りに回転させることによって穿孔の中へ案内される。ねじ部6は穿孔内を深く貫通し、他方、セルフタッピングねじ山7は穿孔の壁にその導路を切り開く。操作者はハンドル16もしくはグリップ19のいずれかを掴んで装置1を回転させることができる。
【0064】
ねじ部6が穿孔内へ深く貫通すると、またはねじ部6が穿孔の底部に到達すると、シャフト2の回転が止まる。
【0065】
次いで、シャフト2とスリーブ18との間の摩擦による固着は、スリーブ18をシャフト2に関連して反時計回りに回すと、解放される。
【0066】
操作者が装置1をグリップ19によって回転させた場合も、ねじ部6とねじ10内の穿孔との間の摩擦力が、グリップ19の近端部23とハンドル16の遠端部24との間の摩擦力を超える可能性があり、このような場合、スリーブ18のシャフト2内の固着が解放されるようになる。
【0067】
スリーブ18の回転は、除去すべきねじ10に第2のカウンタ面8bが接触するまで続く。装置1とねじ10との間の摩擦力がねじ10と組織26および/または板27との間の摩擦力を超えると、ねじ10は装置1とともに回転し始める。操作者は工具1をグリップ19もしくはハンドル16によって回すことができ、または操作者はグリップ19とハンドル16とを同時に回すことができる。図8では、ねじ10はすでに穿孔25から一部外れている。
【0068】
ここで注記すべきは、図6ないし図8に示す装置を利用する方法は他にもあることである。例えば、グリップ19の近端部23はハンドル16の遠端部24に対して固定する必要がない。スリーブ18をハンドル16の方へ、ねじ部6が十分な長さを現して操作者がねじ山7を穿孔へねじ込み始められる程度まで動かせば十分である。
【0069】
または、第2のねじ部20は右ねじにすることができる。この種の工具を用いて、操作者は、シャフト2を回転させて、スリーブ18とともに回転するシャフト2を支持することができるが、操作者はこれをシャフトとともに回転させることはできない。この右手ねじ山は、除去すべき固定手段の方へスリーブ18を押し出す。固定手段が穿孔内で回転し始めると、操作者はスリーブ18をシャフト2とともに回転させることができる。
【0070】
図6に示す装置のカウンタ面8aの変形例を図9に示す。スリーブ18の遠端部に置かれているカウンタ面8aは長手方向中心線Cの方向に延びる複数の突起部22を有している。突起部22は鋭角の歯に似ているが、スリーブ18がシャフト2の遠端部の方向に回転すると、除去すべき固定手段の遠位頭部へ食い込む。ここで注記すべきは、図9にはスリーブ18の一部のみを示すことと、さらに図9にはシャフト2は全く示していないことである。
【0071】
突起部22の形と数は、もちろん、図9に示すカウンタ面8aのものとは異なってよい。
【0072】
スリーブ18の遠端部は先細りの形であるが、この必要はない。しかし、先細りの形は小さな穿孔には非先細り形よりうまくはいるので、いくつかの利点がある。
【0073】
技術の進歩に従って、本発明の概念をさまざまな方法で実行することができることは当業者に明らかである。本発明およびその実施例は上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で改変することができる。
【0074】
工具1の一実施例において、ねじ山7は右ねじ、すなわち従来のねじ山になっている。この種の工具は例えばピン、止め釘、リベット、留め鋲などのねじ山の全くない緊締手段、および左ねじによって組織へ取り付ける緊締手段の除去に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明による装置の模式的側面図である。
【図2】図1に示す装置の詳細を示す模式的側面図である。
【図3】骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第2の装置の模式的、部分断側面図である。
【図4】骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第3の装置の模式的、部分断側面図である。
【図5a】ないし
【図5e】本発明による装置の他のねじ山構造の模式的断側面図である。
【図6】骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第4の装置の模式的側面図である。
【図7】図6に示す装置の詳細を示す模式的側面図である。
【図8】図6に示す装置の詳細を示す第2の模式的側面図である。
【図9】本発明による装置の詳細を示す模式図である。
【符号の説明】
【0076】
1 装置
2 シャフト
3 近端部
4 遠端部
6、20 ねじ部
7 ねじ山
8a、8b カウンタ面
C、D 中心線
18 スリーブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体組織から緊締手段を除去する装置、とくに骨組織から緊締手段を除去する装置に関するものである。このような装置は、近位および遠端部と長手方向中心線とを有するシャフトを含み、遠位部は、シャフトの長手方向中心線と同軸の中心線を有するねじ部、およびこの中心線を中心にねじ込まれる左ねじと、ねじ部の外側に配置され、前記中心線のうちの1つを横切る表面成分方向を有するカウンタ面とを含み、カウンタ面は、ねじが前記緊締手段の穴へねじ込まれた場合にこの除去すべき緊締手段と接触するように配置されるものである。
【背景技術】
【0002】
生物分解性材料または人体中で分解する材料は、外科手術に用いられる緊締手段の製造にますます用いられている。
【0003】
生物分解性材料で作られたねじ、ピン、留め具、リベット、留め鋲などの緊締手段は、これらが人体内で分解する。そこで、これらの緊締手段を他の手術によって人体から除去する必要がないという利点がある。以後、人体内で分解するすべての材料を「生物分解性」と称す。
【0004】
例えば、ねじなどの緊締手段がその取り付け中に破損してそのねじの一部がそれをねじ込んだ穴に残るということが何かの理由で時々発生する。また、ねじの頭部が損傷してねじをその穴内の目的の位置にねじ込むことができない、あるいはその穴からねじを抜いて除去することができないこともある。さらに、緊締手段が、過剰な荷重または事故のために、固定接合部のところで例えば剪断力のために破損することがある。通常、破損または損傷した緊締手段は人体から除去する必要がある。また、破損または損傷していない緊締手段を人体から除去することもある。
【0005】
いくつかの製造業者では破損または損傷したねじを骨組織から除去するさまざまな牽引道具を提供している。
【0006】
米国特許第5,697,935号(特許文献1)は、中空中ぐりドリルを有する装置を開示している。このドリルは、内部空洞と、その遠端部に前記空洞に対して開口している開口部とを有している。遠位部はさらに、開口部の周囲に切削面を有している。操作者は、切削面を除去すべき緊締手段の周囲の骨組織に対して押し付けて、ドリルを回転させて緊締手段の周囲の骨組織へ切り込む。内部空洞の表面が緊締手段の外面を噛んで、これに固着する。操作者はこのとき骨組織からドリルを離れるように移動させ、骨組織から緊締手段を除去することができる。
【0007】
上述の装置およびその使用に関する問題の一つは、除去工程中にかなりの量の骨組織を除去する必要があることにある。
【0008】
米国特許第6,004,321号(特許文献2)は、挿入したねじの骨組織からの牽引を行う装置を開示している。この装置は、円錐面上に逆セルフタッピング螺旋部と、円錐面の先端に連結されたフィーラシャフトとを有している。このフィーラシャフトは入口で装置を破損ねじのカニューレへ案内し、逆螺旋部はその除去すべきねじの材料へ食い付く。
【0009】
上述の装置に関する問題の一つは、円錐面上の逆螺旋部が生物分解性材料を膨張させる可能性があり、その場合、ねじが穴へさらに固着し易くなることにある。その結果、ねじが破損してばらばらになる。
【特許文献1】米国特許第5,697,935号公報
【特許文献2】米国特許第6,004,321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の欠点を軽減する装置を提供することを目的とする。本発明の目的は、ねじ部のねじが穴の壁へ食い込みながら、ねじ部が前記穴を貫通するように配設された装置によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、緊締手段の除去のために、左ねじとカウンタ面とを組み合わせて使用する概念に基づいている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の利点は、破損または損傷した緊締手段を、緊締手段が緊締されている固定穴を損傷したり膨張させたりすることなく除去できることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に実施例により、また添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0014】
簡単のため、図は本発明を簡略的に示す。同様の参照番号は同様の構成要素を示す。
【0015】
図1は本発明による装置の模式的側面図であり、図2は同装置の詳細を示す模式的側面図である。
【0016】
本装置は、例えばステンレススチールもしくは外科用装置および道具の製造に用いることができる他の同様の材料で作られたシャフト2を含む。シャフト2は近端部3および遠端部4を持つ細長い形をしている。
【0017】
近端部には、シャフト2を中心として回転させることができるハンドルまたは工具内に装置を固定する固定手段5が設けられている。この工具は例えば、ボール盤もしくはねじ錘、または他の適切な工具にすることができる。固定手段5は、もちろん、図1に示すものとは異なる方式で設計することができる。一選択肢として、シャフト2内に取り付けられ、または一体化されているハンドルを近端部が含むようにすることもできる。
【0018】
近端部3と遠端部4との距離は、図1に示すものよりかなり短くすることもできる。
【0019】
遠端部4にはねじ部6が設けられている。図2に示すように、ねじ部6はシャフト2の長手方向中心線Cと同軸になっている中心線Dを有している。
【0020】
ねじ部6は、図1に示す装置においてはシャフト2の一体化部分になっている。または、ねじ部分6は、取り付け手段、例えばねじ山によってシャフト2へ脱着可能に取り付けることができる。
【0021】
ねじ部6は、ねじ部6の中心線Dを中心に自身をねじ込んでゆく外側ねじ山7を含んでいる。ねじ山7は左ねじ、すなわち、通常のねじ山とは反対になっている。したがって、穴へねじ山7をねじ込むには反時計回りに回転させる必要がある。
【0022】
一本のねじ山7がねじ部6に設けられ、ねじ部6の一方の端部から他方の端部まで1つの均一のねじ山として延在している。ねじ山7の外径は遠端部4の最端部に近い、収束している区域を除いては、一定している。ねじ山の高さは図2に示すねじ部におけるねじ山の外径の約15%である。ねじ山7の高さは、5%ないし20%の範囲で有利に選択することができる。固定手段のその穴の膨張を妨げるには、このような比較的高いねじ山が望ましい。同様な理由で、比較的薄いねじ山も望ましい。
【0023】
ねじ山7のピッチはねじ部6の全長にわたって一定である。
【0024】
遠端部4には、第1のカウンタ(相方)面8aおよび第2のカウンタ面8bも設けられている。第1のカウンタ面8aはねじ部6とシャフト2との間に置かれている。これはねじ部6の中心線Dに対して直角をなす環状平面である。第1のカウンタ面8aの外径は実質的にはねじ部6のものより大きく、シャフト2の直径に等しい。または、第1のカウンタ面8aの外径をシャフト2の直径より小さくすること、または大きくすることができる。
【0025】
第2のカウンタ面8bは装置1の遠位部4の最端部のねじ部6の端部に配設されている。
【0026】
カウンタ面8a、8bの双方はねじ部6の中心線と交差する表面成分を有している。さらに正確には、カウンタ面8a、8bはねじ部6の中心線Dに対して直角をなすように配されている平面を有している。または、第1のカウンタ面8aを例えばドーナッツ面の一部または鈍角円錐面に似せることができるが、それでも図2に示す実施例が通常は望ましい。
【0027】
第2のカウンタ面8bも例えば鈍角円錐面または球面の一部に似せることができる。
【0028】
これらカウンタ面8a、8bの仕上げは、例えば粗仕上げ、または円滑仕上げ、望ましくはわずかに粗仕上げにすることができる。
【0029】
図3は、骨組織から除去すべき固定手段内に配設された本発明による第2の装置の模式的部分断側面図である。なお図3は、この装置の遠端部4のみを示す。
【0030】
遠端部4は、骨組織から除去すべき緊締手段10内に作られた穿孔9へねじ込まれる。緊締手段10は生物分解性材料で作られたねじである。前記骨組織は図3には示さないが、ねじ10はねじ山11によって穴の内部に固定されている。ねじ山11は右ねじである。すなわち、ねじは時計回りに回すと穴へ貫通し、反時計回りに回すと穴から外れる。
【0031】
ねじ10は参照番号12で示す表面に沿って割れている。図3に示すねじ10の一部、または少なくともそのねじ山11は骨組織内に詰め込まれている。ねじ10と骨組織との間には詰め込み力が相互作用して、ねじ10が骨組織内に詰め込まれた状態を保つ。
【0032】
本発明の装置は次のように使用することができる。
【0033】
操作者は先ずねじ10内に穿孔9を穿孔しておく。穿孔9は、ねじ10の長手方向軸に対して平行に作るのが望ましい。穿孔はまた、前記長手方向の軸と同軸であることも望ましい。わずかな非平行またはずれは作動には何ら害を生じない。
【0034】
穿孔9は公知のドリルビットおよび穿孔方法で作ることができるので、ここでは詳細には説明しない。ドリルビットの直径は、もちろん、ねじ山7の寸法に合わせる必要がある。とくに、ドリルビットの外径をねじ山7の内径よりわずかに大きくすることが望ましい。このようにして、ねじ部6が除去すべきねじを半径方向に広げることがない。
【0035】
穿孔9が完成すると、操作者は穿孔9からドリルビットを抜き取る。次に、操作者は遠端部4を穿孔9の開口端部へ案内し、ねじ部6の中心線を中心としてねじ部を回転させ始めて穿孔9へ入れる。回転方向は反時計回りである。ねじ部6のねじ山7は穿孔9の壁に食い込み、ねじ部6が穿孔9へ貫通する。換言すれば、ねじ山7はセルフタッピングねじである。すなわち、ねじ山7は回されると、前進して自身のねじ山を穿孔9内に作る。
【0036】
操作者が工具を回転し続けるにつれ、カウンタ面8aは破断面12に対して圧迫する。図3にはまさにこの状態を示している。操作者は装置を回転し続け、すると、ねじ部6のねじ山7は、固有の牽引力でカウンタ面8aおよび破断面12を互いに対して引き合わせる。この牽引力により、カウンタ面8aと破断面12との間に摩擦力が生じる。また、ねじ部6と穿孔9との間にももう一つの摩擦力が生じる。カウンタ面8aと破断面12との間および他方ではねじ部6と穿孔9との間の摩擦力の和が上述の押し込み力を上回ると、ねじ10は本装置とともに反時計回りに回転を始める。したがって、ねじ10を骨組織内の穿孔から取り出すことができる。理想的には、ねじ10は操作者がねじ部6から抜き取るまで、そこに残っている。カウンタ面8aが緊締手段に対して圧迫を加える前に、緊締手段は本装置とともに回転し始め、すなわちねじが外れ始めることもある。
【0037】
注記すべきは、本装置は破損した緊締手段の除去に適しているばかりでなく、頭部が損傷している緊締手段の除去、ならびに少しも損傷していないが人体または動物の体内から除去する必要がある緊締手段の除去にも適していることである。本装置は、生物分解性材料で作られたいかなる緊締手段にも、または生物安定性ポリマー材料で作られその中へねじ部を取り付けることができる緊締手段であって、人体または動物の体内から除去する必要のあるものにも適している。
【0038】
本装置はまた、カニューレを挿入した緊締手段の除去にも適している。このような場合、必ずしもねじ部6の挿入前に緊締手段に穿設する必要がない。むしろ、固定手段のカニューレをねじ部6が挿入される穴として利用することができる。
【0039】
ここに注記すべきことは、用語「緊締手段」は、ねじ、ピン、止め釘、留め具、リベット、止め鋲などをさすことである。例えば、ねじ山によって組織に固定されていないピンを除去する必要がある場合、このピンをやはりその取付孔から外すことができる。または、ねじ部6がそのピンへしっかりと取り付けられている場合、そのピンは本装置によって穴から簡単に引き出される。
【0040】
さらに注記すべきことは、2つのカウンタ面8a、8bのうち、除去すべき緊締手段に対し圧迫を加えるのが第1のカウンタ面である場合は、図2に示すカウンタ面8aは上述のように機能する。
【0041】
本発明の装置の一実施例は、カウンタ面8aをねじ部6とシャフト2との間に配設して有している。すなわち、図3に示す実施例と同じである。さらに、ドリルビットは遠端部の最端部に位置するように設けられている。このドリルビットは左刃先になっている。このような装置は先ず、除去すべき緊締手段に穿設し、次いでそのねじ部によって前記穿孔に食い込むが、これらのすべてが同一の装置内で、同一の回転運動によって行われる。
【0042】
図4は、骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第3の装置の模式的部分断側面図である。本装置は、一部のみを図示したシャフト2と、左ねじ7付きねじ部6を有する遠端部4とを有する。遠端部4はまた、遠端部4の最端部に取り付けられたカウンタ面8bも有している。
【0043】
基本的には、図4に示す装置は図3に示す装置と同様に機能する。主たる相違は、カウンタ面8bは遠端部4の最端部に置かれているので、これが穿孔9の底部13に対して圧迫を加える点である。したがって、ねじ部6のねじ山7は穿孔9の底部13に対してカウンタ面8bを押し付け、カウンタ面8bと穿孔9の底部13との間、および、他方では、ねじ部6と穿孔9との間との摩擦力の和が、図4ではねじである緊締手段10の押し込み力を超えると、緊締手段10は組織から外れ始める。
【0044】
ここで注記すべきは、2つのカウンタ面8a、8bのうち、除去すべき固定手段に対して圧迫を加えるのが第1のカウンタ面8aである場合、図2に示す第2のカウンタ面8bは上述のように機能する。
【0045】
図5aないし図5eは、本発明による装置のいくつかの他のねじ山構造の模式的断側面図である。ねじ部6のねじ山7は、さまざまな方式で実現することができる。図5aないし5eは、このいくつかの例を示す。図5aでは、ねじ山7は台形ねじ山である。
【0046】
図5bにおいて、ねじ山7の食い付き面14とねじ部の中心線Dと直角をなす平面との間の角度は、ねじ山7の背面15の角度より小さい。これとは反対に、ねじ山7の食い付き面14とねじ部の中心線Dに対して直角をなす平面との間の角度は、図5cにおけるねじ山7の背面15の角度より大きい。図5dでは、食い付き面14および背面15は中心線Dに対して直角をなす平面とまったく同じ角度になるように配設されている。図5dでは、食い付き面14および背面15は中心線Dに対して直角をなす平面と丁度同じ角度になるように配設されている。図5eでは、ねじ山7の形状は鋭角な外縁と、曲状の食い付き面および背面とを有している。
【0047】
ねじ部6は、2つ以上のねじ山7を有してもよく、その場合、多端ねじ切り部になる。ねじ山7は、1つ以上の個所で完全に、または部分的に切断して、不連続にすることができる。さらに、ねじ山7の形状、ピッチ、高さおよび厚さは、ねじ部の全長にわたって変化させてもよい。
【0048】
図6は骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第4の装置の模式的断側面図である。図7および図8は、図6に示す装置の詳細を示す模式図である。
【0049】
装置1は、近端部3および遠端部4を備えたシャフト2を有している。近端部3にはハンドル16が設けられている。
【0050】
ハンドル16とシャフト2は別個に作られ、取付け手段17によって互いへ取り付けられている。ハンドル16はシャフト2へ一体化することもできる。他の選択肢は、近端部3を図1におけると同様に実現することである。
【0051】
遠端部4には、外ねじ山7を有するねじ部6が設けられている。ねじ山7は左ねじになっている。
【0052】
装置1はシャフト2上に同軸に配設されたスリーブ18を有している。スリーブ18は適切な金属、プラスチック、またはこれらの組合せで作ることができる。スリーブ18の壁は無垢でもよく、またはこれにさまざまな数の穿孔もしくは開口部を設けてもよい。
【0053】
スリーブ18の近端部にはグリップ19を設けて、装置を使い易くしている。
【0054】
スリーブ18の遠端部には第1のカウンタ面8aを設けている。この実施例では、第1のカウンタ面8aは、内方傾斜面もしくは凹面の形であり、これがねじ部6の中心線と交差する平面成分を有している。
【0055】
第2のねじ部20はシャフト2上に配設され、その逆ねじは中空スリーブ18の近端部の内面上に配設されている。第2のねじ部20は左ねじになっている。
【0056】
第2のねじ部20およびその逆ねじのため、スリーブ18およびそのカウンタ面8aは、シャフト2に対してスリーブを回転させ、もしくはスリーブ18に対してシャフト2を回転させることによって、シャフト2上で長手方向中心線Cの方向に移動させることができる。
【0057】
ここで注記すべきことは、第1のカウンタ面8aをシャフト2およびそのねじ部8に関連して移動させる手段を他の方法でも実現できることである。例えば、逆ねじではなく、スリーブ18に1つ以上の突起物もしくはピンを設けることができる。この突起物もしくはピンは第2のねじ部20内のそのねじ山の誘導部分の下に摺動するように取り付けられる。
【0058】
工具1の他の実施例では、スリーブ18は実質的な回転運動ではなく、直線運動によってシャフト2に関連して動く。すなわち、スリーブをシャフト2に関連して強制的に回転させる第2のねじ部もしくは他の手段は全く設けられていない。この実施例では、第1のカウンタ面8aをシャフト2およびねじ部6に関連して動かす手段は、操作者が第1のカウンタ面8aを、望ましくはステップレス方式で、ねじ部6に関連した適切な位置へ固定することができるロッキング手段を有している。このロッキング手段は、例えばシャフト2に対して押し付けることができるレバーをスリーブ18内に有することができる。工具1には案内手段を設けて、スリーブ18が直線運動中にシャフト2に関連して回転するのを防止することができる。案内手段は、例えばシャフト2内およびスリーブ18における長手方向スリットもしくは溝内のピンによって実現することができるが、このピンはスリットもしくは溝内を動くように配設されている。
【0059】
さらに他の実施例では、シャフト2とスリーブ18との間、例えば端部23と24との間には弾性部材が設けられている。弾性部材は、例えばバネ、ゴムなどの弾性材料の塊にすることができる。この弾性部材は第1のカウンタ面8aをシャフト2の遠端部の方へ動かすのに役立つ。工具1は、操作者が弾性部材を圧縮状態に固定して保つことができるロッキング手段を有してもよい。操作者はこの弾性部材を解放できる。すなわち、第1のカウンタ面8aによって除去作業のどの段階でもシャフト2の遠端部に向かって追跡することができる。しかし、ここで注記すべきことは、このようなロッキング手段は工具の必須の構成要件には含まれないことである。
【0060】
さらにまた他の実施例では、第1のカウンタ面8aは工具1内に脱着可能に配設されている。操作者は除去作業のどの段階でも、シャフト2においてこのカウンタ面8aを脱着することができる。図6ないし図8に示す装置は次のように用いることができる。操作者は、必要な場合、除去すべき固定手段内に本明細書の初頭に記載したのと同様な方法で穿設をする。緊締手段がカニューレ挿入のものである場合、穿設の必要はない。固定手段はねじ10であり、そのためのねじ切り穴25が組織26に作られている。典型的には、組織26は骨組織もしくは軟骨組織であり、または固定用穴は一部骨組織内に、もしくは一部軟骨組織内に作られる。
【0061】
ねじ10は固定板27を組織27に対して取り付けるために用意されている。何らかの理由で、ねじ10を固定用穴25へ十分に深くねじ込むことができず、図7に示す位置に固着して詰まってしまうことがある。そこで、ねじ10を固定用穴25から除去する必要がある。
【0062】
中空スリーブ18をハンドル16の方向へ回して、グリップ19の近端部23がハンドル16の遠端部24に対して摩擦によって固定される。
【0063】
ねじ部6は、装置1を反時計回りに回転させることによって穿孔の中へ案内される。ねじ部6は穿孔内を深く貫通し、他方、セルフタッピングねじ山7は穿孔の壁にその導路を切り開く。操作者はハンドル16もしくはグリップ19のいずれかを掴んで装置1を回転させることができる。
【0064】
ねじ部6が穿孔内へ深く貫通すると、またはねじ部6が穿孔の底部に到達すると、シャフト2の回転が止まる。
【0065】
次いで、シャフト2とスリーブ18との間の摩擦による固着は、スリーブ18をシャフト2に関連して反時計回りに回すと、解放される。
【0066】
操作者が装置1をグリップ19によって回転させた場合も、ねじ部6とねじ10内の穿孔との間の摩擦力が、グリップ19の近端部23とハンドル16の遠端部24との間の摩擦力を超える可能性があり、このような場合、スリーブ18のシャフト2内の固着が解放されるようになる。
【0067】
スリーブ18の回転は、除去すべきねじ10に第2のカウンタ面8bが接触するまで続く。装置1とねじ10との間の摩擦力がねじ10と組織26および/または板27との間の摩擦力を超えると、ねじ10は装置1とともに回転し始める。操作者は工具1をグリップ19もしくはハンドル16によって回すことができ、または操作者はグリップ19とハンドル16とを同時に回すことができる。図8では、ねじ10はすでに穿孔25から一部外れている。
【0068】
ここで注記すべきは、図6ないし図8に示す装置を利用する方法は他にもあることである。例えば、グリップ19の近端部23はハンドル16の遠端部24に対して固定する必要がない。スリーブ18をハンドル16の方へ、ねじ部6が十分な長さを現して操作者がねじ山7を穿孔へねじ込み始められる程度まで動かせば十分である。
【0069】
または、第2のねじ部20は右ねじにすることができる。この種の工具を用いて、操作者は、シャフト2を回転させて、スリーブ18とともに回転するシャフト2を支持することができるが、操作者はこれをシャフトとともに回転させることはできない。この右手ねじ山は、除去すべき固定手段の方へスリーブ18を押し出す。固定手段が穿孔内で回転し始めると、操作者はスリーブ18をシャフト2とともに回転させることができる。
【0070】
図6に示す装置のカウンタ面8aの変形例を図9に示す。スリーブ18の遠端部に置かれているカウンタ面8aは長手方向中心線Cの方向に延びる複数の突起部22を有している。突起部22は鋭角の歯に似ているが、スリーブ18がシャフト2の遠端部の方向に回転すると、除去すべき固定手段の遠位頭部へ食い込む。ここで注記すべきは、図9にはスリーブ18の一部のみを示すことと、さらに図9にはシャフト2は全く示していないことである。
【0071】
突起部22の形と数は、もちろん、図9に示すカウンタ面8aのものとは異なってよい。
【0072】
スリーブ18の遠端部は先細りの形であるが、この必要はない。しかし、先細りの形は小さな穿孔には非先細り形よりうまくはいるので、いくつかの利点がある。
【0073】
技術の進歩に従って、本発明の概念をさまざまな方法で実行することができることは当業者に明らかである。本発明およびその実施例は上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で改変することができる。
【0074】
工具1の一実施例において、ねじ山7は右ねじ、すなわち従来のねじ山になっている。この種の工具は例えばピン、止め釘、リベット、留め鋲などのねじ山の全くない緊締手段、および左ねじによって組織へ取り付ける緊締手段の除去に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明による装置の模式的側面図である。
【図2】図1に示す装置の詳細を示す模式的側面図である。
【図3】骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第2の装置の模式的、部分断側面図である。
【図4】骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第3の装置の模式的、部分断側面図である。
【図5a】ないし
【図5e】本発明による装置の他のねじ山構造の模式的断側面図である。
【図6】骨組織から除去すべき緊締手段内に配設された本発明による第4の装置の模式的側面図である。
【図7】図6に示す装置の詳細を示す模式的側面図である。
【図8】図6に示す装置の詳細を示す第2の模式的側面図である。
【図9】本発明による装置の詳細を示す模式図である。
【符号の説明】
【0076】
1 装置
2 シャフト
3 近端部
4 遠端部
6、20 ねじ部
7 ねじ山
8a、8b カウンタ面
C、D 中心線
18 スリーブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近端部および遠端部と長手方向中心線とを有するシャフトを含み、
該遠端部は、前記シャフトの前記長手方向中心線と同軸の中心線を有するねじ部を含み、さらに
前記中心線を中心として自身をねじ込む左ねじと、
該ねじの外側に配設され、前記中心線のうちの1つと交差する表面成分方向を有するカウンタ面とを含み、
該カウンタ面は、前記ねじ部が回転して前記緊締手段内の穴へはいると、除去すべき緊締手段と接触するように配置される、人体組織から緊締手段を除去する装置において、
前記ねじ部のねじ山は、該ねじ部が前記穴へ貫通する際、前記緊締手段内の穴の壁に食い込むように配設されていることを特徴とする人体組織から緊締手段を除去する装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記ねじ山は前記カウンタ面(8a)と該装置の遠端部の最端部との間に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、2つのカウンタ面、すなわち前記ねじ山が前記遠端部の最端部との間に位置するように配設された第1のカウンタ面と、前記遠端部の最端部に取り付けられた第2のカウンタ面とを含むことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の装置において、前記ねじ山の外径は、実質的にその長さ全体にわたって不変であることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の装置において、前記ねじ山のピッチはその全長にわたって一定であることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記ねじ山は、前記カウンタ面と該装置の遠端部の最端部との間に取り付けられ、ドリルビットが該遠端部の最端部に配置され、該ドリルビットは左刃先を有していることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の装置において、前記カウンタ面には、前記長手方向中心線の方向に延びる突起部が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の装置において、前記カウンタ面は前記長手方向中心線の方向に前記ねじ部に関連して可動に配設され、該装置は、前記カウンタ面を前記ねじ部に関連して移動させる手段を含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、前記カウンタ面を前記ねじ部に関連して移動させる手段は、
前記シャフトに可動に配置されたスリーブと、
該シャフトまたはスリーブへ取り付けられた第2のねじ部、および該スリーブまたは前記シャフトに配置されたそのカウンタ手段とを含み、
前記カウンタ面のねじ部に関連した動きは、前記シャフトおよびスリーブを互いに関連させて、前記長手方向中心線の方向に平行な回転軸を中心に回転させることによって行われることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、第2のねじ部は左ねじであることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置において、第2のねじ部は右ねじであることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記カウンタ面は前記遠端部の最端部に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項8に記載の装置において、前記カウンタ面を前記ねじ部に関連して動かす前記手段は、
シャフト上に可動に配置されたスリーブと、該スリーブと前記シャフトとの間に配設された弾性部材とを含むことを特徴とする装置。
【請求項1】
近端部および遠端部と長手方向中心線とを有するシャフトを含み、
該遠端部は、前記シャフトの前記長手方向中心線と同軸の中心線を有するねじ部を含み、さらに
前記中心線を中心として自身をねじ込む左ねじと、
該ねじの外側に配設され、前記中心線のうちの1つと交差する表面成分方向を有するカウンタ面とを含み、
該カウンタ面は、前記ねじ部が回転して前記緊締手段内の穴へはいると、除去すべき緊締手段と接触するように配置される、人体組織から緊締手段を除去する装置において、
前記ねじ部のねじ山は、該ねじ部が前記穴へ貫通する際、前記緊締手段内の穴の壁に食い込むように配設されていることを特徴とする人体組織から緊締手段を除去する装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記ねじ山は前記カウンタ面(8a)と該装置の遠端部の最端部との間に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、2つのカウンタ面、すなわち前記ねじ山が前記遠端部の最端部との間に位置するように配設された第1のカウンタ面と、前記遠端部の最端部に取り付けられた第2のカウンタ面とを含むことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の装置において、前記ねじ山の外径は、実質的にその長さ全体にわたって不変であることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の装置において、前記ねじ山のピッチはその全長にわたって一定であることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記ねじ山は、前記カウンタ面と該装置の遠端部の最端部との間に取り付けられ、ドリルビットが該遠端部の最端部に配置され、該ドリルビットは左刃先を有していることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の装置において、前記カウンタ面には、前記長手方向中心線の方向に延びる突起部が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の装置において、前記カウンタ面は前記長手方向中心線の方向に前記ねじ部に関連して可動に配設され、該装置は、前記カウンタ面を前記ねじ部に関連して移動させる手段を含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、前記カウンタ面を前記ねじ部に関連して移動させる手段は、
前記シャフトに可動に配置されたスリーブと、
該シャフトまたはスリーブへ取り付けられた第2のねじ部、および該スリーブまたは前記シャフトに配置されたそのカウンタ手段とを含み、
前記カウンタ面のねじ部に関連した動きは、前記シャフトおよびスリーブを互いに関連させて、前記長手方向中心線の方向に平行な回転軸を中心に回転させることによって行われることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、第2のねじ部は左ねじであることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置において、第2のねじ部は右ねじであることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記カウンタ面は前記遠端部の最端部に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項8に記載の装置において、前記カウンタ面を前記ねじ部に関連して動かす前記手段は、
シャフト上に可動に配置されたスリーブと、該スリーブと前記シャフトとの間に配設された弾性部材とを含むことを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−83045(P2007−83045A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−252818(P2006−252818)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(503422398)イニオン リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】INION LTD
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(503422398)イニオン リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】INION LTD
【Fターム(参考)】
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