説明

人脈ネットワーク拡大システム及び人脈ネットワーク拡大方法

【課題】登録された会員のプロフィール等をサイト上で公開するとともに,新たな人脈のネットワーク形成の端緒となる場をインターネット上に提供する。
【解決手段】サーバに登録されたサイト上に,各会員に割り当てられた領域を設け,該領域に,会員に関する情報と共に,該会員を介して利用可能な人脈を,人脈表示欄を設けて公開する。そして,前記サーバによって,前記会員の人脈表示欄に掲載されることを希望する応募者の端末装置からの要求により,該端末装置に応募フォームを出力し,入力された応募フォームを受信して応募を受け付け,該応募の申し込み及び応募者の情報を会員に通知する。該会員に,前記応募者を人脈表示欄に掲載することの可否を問い合わせ,会員が,この応募者の掲載を可とする意思表示をしたとき,前記ページ上に表示されている人脈表示欄に,前記応募のあった者の情報を追加してこのページのデータを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人脈ネットワーク拡大システム及び前記システムによって実現される人脈ネットワーク拡大方法に関し,より詳細には,同業種,異業種を問わず,例えば相互にビジネス上のメリットを持つ者同士が人脈上のネットワークを構築し得る場をインターネット上に提供することのできる人脈ネットワーク拡大システム及び人脈ネットワーク拡大方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品の売買や,サービスの提供に関する契約,その他の各種決定において,最終的な決定を下す際の判断要因として,提供される物品やサービスの質,提供主体のブランド力等の要因はもとより,これらの売買契約等にあたる営業担当者の人柄や問題処理能力の高さ等の人的要因が,比較的大きなウエイトをもって評価される場合がある。
【0003】
このような人的要因に基づく顧客等の決定が,前述した営業担当者等にとって有利なものとして働くようにするためには,営業担当者等は先ず,「自己」を顧客に対して知ってもらうことが必要で,このような自己を知ってもらうこと,すなわち「自己紹介」のためのツールとして,従来より「名刺」が広く一般に使用されている。
【0004】
ここで顧客等に渡される名刺には,紙面の制約からさほど多くの情報を掲載することはできず,これを受け取った顧客は,名刺に記載されている情報のみから,ここに記載されている人物が一体如何なる人物であるかを想起することは難しい。
【0005】
また,名刺に表示されている情報は一般に名前や所属する会社名,部署名,連絡先等の必要最小限の情報であり,顧客は後に名刺を見返しても,この名刺を渡した営業担当者等の顔を思い出すことができない場合も多い。
【0006】
このように,名刺を渡しただけで顔まで覚えてもらうことは期待できないことから,名刺自体に顔写真を印刷することも行われているが,依然として紙面の制約により表示できる情報量に制約があることは否めない。
【0007】
また,名刺の他に自己のプロフィール等を記載した印刷物等を頒布することも行われているが,このような印刷物に表示されている情報は,印刷時の情報,すなわち過去の情報であり,その後の記載情報の変更に対応するためには,記載内容に変更が生じる度に,訂正された印刷物を再度印刷・配布する必要がある。
【0008】
このように,名刺等の印刷物に記載した情報は,紙面の制約により表示し得る情報量に制約があり,また,一旦配布した情報は,その後に内容の変更が生じても訂正等を行うことができないという欠点を有する。
【0009】
そこで,このような欠点を補うために,前記名刺等の印刷物とは別に,該名刺の配布を行った者の顔写真,その他のプロフィール等のデータをインターネット上で公開すると共に,名刺の余白部分に,前記情報の公開を行っているURLを記録したQRコードを印刷し,このような名刺等を受け取った顧客が,該QRコードをカメラ付き携帯電話器で読み取ることで,URLの入力等の煩わしい作業を行うことなしに,該名刺等を頒布した者の詳細なプロフィール等を閲覧することができるようにした情報提供サービスも提案されている(特許文献1参照)。
【0010】
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】特開2006−85658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように構成された情報提供サービスにあっては,紙面による情報量の制約がある名刺を,サイト上で公開している情報によって補完するものであることから,会社名,所属部署,氏名,連絡先等,従来より名刺上に印刷されていた情報の他,顔写真や地図等の画像データ,比較的詳細なプロフィール等についても情報として公開することができるものとなっている。
【0012】
また,サーバに記憶した前述のデータを例えば定期的に最新の情報に更新することで,当初記載していた内容に変化が生じた場合であっても,表示されている情報が実際の状況とが乖離することを防止できるものとなっており,この点においても前述したように印刷物である『名刺』が持つ欠点を補うことができるものとなっている。
【0013】
しかし,特許文献1に記載の発明のように,名刺に表示されている情報に比較してより詳細なプロフィール等が顧客等の目に触れることによって,これを見た顧客に親近感を与えることができたとしても,これだけで顧客は商品の購入等の重要な決定を行うものではない。
【0014】
しかも,前述のように,営業担当者等は,自己のプロフィール等の個人情報をサイト上で公開するものでありながら,このような情報の公開により築かれる関係は,名刺等の印刷物を手渡され,かつ,この名刺等に印刷されたQRコードに基づいてこのサイトにアクセスした顧客との間においてのみ成立する1対1の関係であり,不特定多数の者との間に新たな人脈のネットワークを構築する可能性,すなわち,新たなビジネスチャンスの広がりをもたらすものではない。
【0015】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,登録された会員のプロフィール等をサイト上で公開するだけでなく,このような情報の公開により,新たな人脈ネットワークの形成,拡大の端緒となり得る場をインターネット上に提供することのできる人脈ネットワーク拡大システム及び人脈ネットワーク拡大方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために,本発明の人脈ネットワーク拡大システムは,サイトを登録したサーバと,該サーバに対してインターネットを介して接続可能に構成された,例えばパーソナルコンピュータや携帯電話器等の端末装置によって構成され,
前記サイト上に,各会員に割り当てられた,例えばウェブページ等の領域を設け,該割り当てられた領域に,顔写真やプロフィール等の該会員に関する情報と共に,該会員を介して利用可能な人脈を,人脈表示欄を設けて公開し,
前記会員の前記人脈表示欄に掲載されることを希望する応募者の端末装置からの要求により,該端末装置に,応募に必要な事項の入力欄を設けた応募フォームを出力し,かつ,必要事項が入力された前記応募フォームを受信して前記応募を受け付ける応募受付手段と,
前記応募の申し込みがあったこと,及び前記応募者の情報を会員に通知すると共に,該会員の,前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することの可否の確認を行う照会手段と,
前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することを可とする前記会員の意思表示により,前記サイト上の前記割り当てられた領域上に表示されている人脈表示欄に,前記応募者の情報を追加してデータ更新する人脈表示更新手段とを,前記サーバにおいて実現することを特徴とする(請求項1)。
【0017】
前記構成の人脈ネットワーク拡大システムに,前記各会員に割り当てられた前記サイト上の領域を示すURLを記録したQRコードの生成手段を更に備えると共に,前記端末装置を,前記QRコードの読み取り機能をもつカメラ付き携帯電話器とすることができる(請求項2)。
【0018】
また,本発明の人脈ネットワーク拡大方法は,サーバに登録されたサイト上に,各会員に割り当てられたウェブページ等の領域を設け,該割り当てられた領域に,該会員に関する情報と共に,該会員を介して利用可能な人脈を,人脈表示欄を設けて公開し,
前記サーバによって,前記会員の前記人脈表示欄に掲載されることを希望する応募者の端末装置からの要求により,該端末装置に,応募に必要な事項の入力欄を設けた応募フォームを出力し,かつ,必要事項が入力された前記応募フォームを受信して前記応募を受け付け,該応募の申し込みがあったこと,及び前記応募者の情報を会員に通知すると共に,該会員に対し,前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することの可否を確認し,更に,前記確認の結果,前記会員が前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することを可とする意思表示をしたとき,前記ページ上に表示されている前記人脈表示欄に,前記応募のあった者の情報を追加してデータ更新する(請求項3)。
【0019】
なお,各会員に割り当てられた前記サイト上の領域を示すURLを記録したQRコードを生成し,該生成されたQRコードを印刷した印刷物を頒布すると共に,前記QRコードの読み取り機能をもつカメラ付き携帯電話器により,前記頒布された印刷物のQRコードを読み取ることで,前記会員の情報の閲覧を可能とすることもできる(請求項4)。
【発明の効果】
【0020】
以上で説明した本発明の構成により,会員は,サーバに登録されたサイト上に割り当てられた所定の領域(例えば,ウェブページ)上に,自己のプロフィール等の情報を公開することで,名刺等の印刷物では十分に公開されていなかった自己の詳しい情報を公開することができ,また,前述サイト上で公開される情報は書き換え可能であることから,情報の内容に変化が生じた場合にこれを書き換えることで,記載された情報と現実との間に乖離が生じることを防止できる点で,従来技術として紹介した前記特許文献1に記載の情報提供サービスにおいて得られる効果を同様に享受し得る。
【0021】
本発明の人脈ネットワーク拡大システムにあっては,上記の効果に加え,更に以下に示す顕著な効果を享受することができる。
【0022】
(1)各会員のプロフィール等をサイト上の所定の領域で公開するだけでなく,該会員の人脈表示欄に掲載を希望する者に対し,該掲載希望の申し込みを受け付ける手段を設けたことにより,新たな人脈ネットワーク拡大の端緒となり得るシステムを提供することができた。
【0023】
(2)また,各会員が構築した人脈ネットワークを,各会員に割り当てられたウェブページに設けた人脈表示欄で公開すると共に,新たな人脈のネットワークが構築される毎にこれを更新することで,各会員は質の高い人脈を構築することにより,広範な業種に人脈ネットワークを持つことで,個人としての評価を高めることができると共に,自らの専門分野以外の分野においても顧客の持つ問題等を解決し得る人脈を有することをアピールすることができ,顧客満足度も向上し,自分のスキルアップにもつながる。
【0024】
また,会員の最新の人脈を知り得る顧客は,このような人脈を会員の評価に加味することができ,特に,会員の専門分野外で生じた問題等に対して対処可能な人脈が存在するか等,商品購入等の意思決定の際に考慮することができる。
【0025】
例えば会員が自動車の販売担当者である場合,自動車の購入に付随して加入が必要となる場合が多い損害保険(自動車保険)等に詳しい人脈を持っていたり,また,事故等を起こした際の処理を行い得る人脈(例えば弁護士等)を有することは,顧客が,該販売担当者を介して商品を購入することの決定にプラスに働く場合があり,また,例えば会員が住宅メーカーの営業担当者である場合,住宅取得に伴う税務,登記関係に詳しい人脈の存在等は,該営業担当者を介して顧客が契約を締結することの決定にプラスに働く場合がある。
【0026】
さらに,会員のウェブページに設けた人脈表示欄に,利用可能な人脈として表示された者にとっては,該会員の信用をベースとして,該会員の顧客等から新たな受注等が得られる可能性が拡がると共に,このような顧客等を介してビジネス上のネットワークの更なる拡大も期待できるものとなっている。
【0027】
(3)なお,各会員の情報を記憶したサイト上の領域を示すURLを記録したQRコードを生成し,このQRコードが印刷された名刺等の印刷物を顧客等に配布することで,この印刷物の頒布を受けた顧客等は,QRコードの読み取り機能を有するカメラ付き携帯電話器を端末装置として使用することで,面倒なURL等の直接入力を行うことなく,会員の情報を閲覧することができ便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に本発明の実施形態を,添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0029】
〔発明の概要〕
本発明の人脈ネットワーク拡大システムは,インターネット上に接続されたサーバに登録されたサイト上の所定の領域(例えば,Webブラウザ上で一度に閲覧できるWebコンテンツの単位である「ウェブページ」,以下ではこの「ウェブページ」が各会員に割り当てられているものとして説明する。」)を,登録された会員にそれぞれ割り当てて,このウェブページを,会員のプロフィール等の他,該会員を介して利用可能な人脈を公開する場として利用させるものである。
【0030】
そして,前記サーバによって,各会員と人脈ネットワークを構築することを希望する者,すなわち,各会員のウェブページに設けた人脈表示欄への掲載を希望する者の応募を受け付ける『応募受付手段』と,このようにして受け付けた応募を会員に照会して,掲載の可否につき会員側の意思確認を行う『照会手段』,並びに,掲載を可とする会員の意思表示により,前記会員のウェブページ上に設けた人脈表示欄に,新たに構築された人脈を掲載する,『人脈表示更新手段』を実現し,これによって新たな人脈のネットワークが拡大するようにしている。
【0031】
〔ウェブページの閲覧〕
上記サーバには,前述のように登録した利用者である各会員にそれぞれ割り当てられたウェブページを持つウェブサイト(例えばSNSサイト)が登録されており,インターネットに接続されたパーソナルコンピュータや携帯電話器等の端末装置において,登録された各会員に割り当てられたウェブページのURLを入力すると,入力されたURLに記憶された会員の情報が,前記端末装置に表示されるように構成されている。
【0032】
会員に割り当てられたウェブページ上の情報の閲覧は,前述したようにパーソナルコンピュータ,携帯電話器のいずれを端末装置とした場合でも可能であるが,ウェブページが割り当てられた会員に対し,このウェブページのURLを記録したQRコードを印刷したシールや名刺等の印刷物を提供することとすれば,このようなシールを貼着した印刷物,又はQRコードを直接印刷した印刷物(例えば名刺等)を会員が顧客等に配布することにより,このQRコードが印刷された印刷物の頒布を受けた顧客等は,QRコードの読み取り機能を持つカメラ付き携帯電話器を使用してQRコードを読み取るだけで,URLを入力することなしに目当てとする会員のウェブページを閲覧することができ便利である(図1参照)。
【0033】
なお,パーソナルコンピュータ等である端末装置より情報の閲覧を行う場合には,目的とするウェブページのURLが判明している場合には,これを直接パーソナルコンピュータのURL入力バーに入力しても良く,URLが不明であれば,名刺等に印刷されたQRコードを一旦,携帯電話器等に読み取らせ,携帯電話器の画面上に表示されたURLをパーソナルコンピュータのURLの入力バーに入力する等して,該当するページを表示させても良い。
【0034】
さらに,検索エンジン等を活用して一旦,本サイトのトップページを表示させ,このトップページ上に設けた検索機能により,会員の氏名,会社名等を入力して該当するページを検索,表示させても良い。
【0035】
パーソナルコンピュータにより閲覧可能なサイト(以下,「パソコンサイト」という。)に関しては,携帯電話器によって閲覧可能なサイト(以下,「携帯サイト」という。)のように画面上の情報容量に制約がないため,携帯サイトより情報量を増やしても良い。
【0036】
なお,端末装置が携帯電話器である場合であっても,前述したQRコードの読み取りによるURLの入力に代え,表示するウェブサイト又はウェブページのURLを直接入力して表示させるものとしても良い。
【0037】
このようにして,各会員に割り当てられたウェブページに接続された端末装置の画面上には,印刷物である名刺に一般的に表示されている会社名,所属部署,役職,氏名,連絡先(電話番号,FAX番号,メールアドレス)の他,図2に示すように一例として下記のような項目が表示される。
【0038】
(1)顔写真
一度名刺を交わしたぐらいでは,全くといってよい程印象に残らないものである。顔写真を公開することにより,顧客に自分のイメージを持ってもらう。
【0039】
(2)会社及び業務内容の詳細
名刺や会社のパンフレットなどの印刷物には記載していない,又は記載しきれない自分自身の得意業務などの詳細を記載し自己PRを行う。
【0040】
(3)新企画・新商品のPRについて
所属する企業の新商品などを紹介する。また,パソコンサイト内においては,「企業の新着情報」のコーナーをメインのトップページ内に創設し,会員企業の最新情報を紹介し,トップページにアクセスした人は誰でも見れる,検索できるようにし,会員企業に宣伝効果を持たせる等しても良い。
【0041】
(4)自分のプロフィール
必要項目に記入することで,趣味や履歴,考え方などの情報を顧客に提供し,自分を,より身近に感じてもらうとともに,会員同士ならば,事前情報として覚えておけば,商談時の会話の糸口となり,後のビジネスにおいて,スムーズに進展していく補助ができる。
【0042】
(5)人脈表示
このウェブページが割り当てられた会員を介して利用可能な人脈が表示される。これにより,該会員のページにアクセスした顧客等は,ここに掲載されている人脈についても閲覧することができる。
【0043】
図2に示した実施形態にあっては,該会員に割り当てられたウェブページの下方に,該会員を介して利用可能な人脈の業種を示す一覧が表示されており,このうちのいずれかをクリックする等して業種を選択すると,前記会員を介して利用可能な人脈のうち,選択された業種において利用可能な人脈が表示される。
【0044】
この人脈の表示は,例えば前記業種を選択すると,この業者に分類された人物の氏名の一覧,及び該人物に関する概要(例えば所属会社や肩書き等)が表示されるように構成しても良く,又は単に人物の氏名一覧のみを表示し,この表示された一覧中よりさらにいずれかの人物の氏名を選択すると,該人物を紹介する情報が表示されるように構成しても良い。
【0045】
一覧に表示されている人物が,本システムの会員でもある場合には,該人物を選択することにより,この人物(会員)に対して同様に割り当てられているウェブページを表示するように構成しても良く,また,このウェブページにおける人脈の表示欄に,前記会員を表示して,相互にリンクを張るように構成しても良い。
【0046】
〔人脈ネットワーク拡大〕
このような人脈の表示は,該ウェブページを割り当てられた会員が,入会時等において人脈として表示する人物として申告等した人物のみならず,該会員のページを閲覧して,該会員の人脈として表示されることを希望する者のうち,該会員が許可した者を順次表示に追加することによって,新たな人脈ネットワークを拡大することができるようになっている。
【0047】
このような人脈ネットワークの拡大を実現可能とするために,図2に示すように,各会員に割り当てられたウェブページ上に,該会員の人脈として表示されることを希望する者の応募を可能と成すメニュー表示,図示の例では,『この人の人脈表示に応募』が設けられている。
【0048】
従って,応募希望者が,この『この人の人脈表示に応募』のメニューをクリックする等して応募申し込みの手続への移行を指令すると,サーバによって前述の応募受付手段が実現され,応募希望者の端末装置の画面上に,申し込みに際して必要となる事項を入力可能と成す応募フォームを表示する。
【0049】
このようにして表示された応募フォームの表示に従って,応募希望者は必要な事項を端末装置の画面上において入力すると共に,入力が完了した後,画面上の表示を選択する等して応募の申し込みをすると,サーバは入力されたデータを受信して,応募の受け付けが終了する。
【0050】
応募を受け付けたサーバは,前述の照会手段を実現して,該応募がされた会員に対して,人脈表示欄への掲載応募があったこと,及び,この応募者に関する情報を,例えば電子メール等によって通知すると共に,該会員に対して,この応募者を人脈表示欄に掲載することの可・否を例えばチェックボックス等を備えた所定の回答フォームにより回答を求める。
【0051】
これに対し,会員は,掲載の可・否を決定し,この決定を前記回答フォームの返信等によって回答する。そして,会員からの返信が,掲載を可とするものである場合,これを受信したサーバは前述の人脈表示更新手段を実現し,該会員に割り当てられたウェブページのデータを更新して,応募を行った者のデータを,人脈表示欄に追加する。
【0052】
このようにして,「人脈」として公開された者は,該ページが割り当てられている会員の信用をベースに,今まで全く繋がりの無かった顧客(通常,このウェブページの割り当てを受けている会員の顧客)と交流することができ,新たな商談等の発生,すなわち新たなビジネスチャンスの広がりが起こる可能性を高めることができるというメリットがある。
【0053】
また,これらの者を「人脈」として表示する会員にとっては,質の高い人脈を構築することにより,広範な業種に人材ネットワークを持つことで,個人としての評価を高めることができると共に,自らの専門分野以外の分野において生じた問題等に対しても,問題を解決し得る人脈を有することを顧客にアピールすることができる等,顧客満足度も向上し,自分のスキルアップにもつながり,さらに顧客にとっては,商品購入等に際し,会員(例えば営業担当者)の持つ人脈をも加味して該会員の人物評価,専門外の分野で生じた問題等に対する対処能力(対処し得る人脈の紹介可能性等)を加味して決定を行うことができ,会員,人脈として表示された人物及び顧客の三方共にメリットを享受することができるものとなっている。
【0054】
なお,図2に示した画面表示中,「トップ」は,該サイトのトップページ(ホームページ)の表示を指示するメニュー表示であり,該表示をクリックすると,サーバは,この要求を行った端末装置の表示装置に,このサイトのトップページ(ホームページ)を表示させる。
【0055】
また,「この人にメールを送る」を選択すると,サーバはこのページの割り当てを受けている会員のメールアドレスが入力されたメール作成画面を,該要求を行った端末装置の表示装置に表示する。
【0056】
なお,図示の例では会員のメールアドレス等が公開されていることから,前記メール作成画面には会員のメールアドレスを表示して,会員に対して直接電子メールを送信するように構成するものとしても良いが,会員のメールアドレス等が秘匿されている場合には,一旦,サーバによってこのようなメールを受信すると共に,会員のメールアドレスに転送するように構成しても良く,これにより会員,及び必要に応じて電子メールの送信者のメールアドレスを秘匿した状態で通信を行うことができるように構成しても良い。
【0057】
なお,各会員のウェブページの表示内容は,図2に示す実施形態に限定されず,各種の変更が可能である。
【0058】
一例として,各会員のページ内にアンケートが記入できる項目を追加し,名刺を受け取った顧客に回答してもらい,情報の収集を行なうことができるようにしたり,会員が小売業者等である場合には,ページ内にサービス券の項目を追加し,アクセスのあった顧客がサービス券を表示した携帯電話の画面を店頭で見せることで,割引等を受けることができるようにしても良い。
【0059】
また,各会員には,単一のウェブページを割り当てるものとしても良く,又は複数のウェブページを割り当てるものとしても良い。
【0060】
〔ページの書換〕
以上のようにして,各会員に対して割り当てられたページには,図2に示した項目において,各会員が自己のプロフィール等を入力することができるように構成されていると共に,一旦入力が完了した後においても,各会員による書き換えができるように構成されている。
【0061】
このような入力,及び書き換えを行う場合には,先ず,本発明のビジネスネットワーク構築補助システムによって管理されているサイトのトップページ(図示せず)を表示し,このトップページ上に表示されているメニューから,入力・書換を指令するメニュー表示を選択する。
【0062】
前述のような,入力,修正要求に対し,サーバはこのような要求を行った端末装置の画面上に,図3に示すような会員ID及びパスワードの入力を要求する入力画面を表示させる。
【0063】
なお,会員の便宜を考慮し,各会員に対してはこの入力画面のURLを記録したQRコードが印刷された印刷物等を配布しておき(一例として,図4の右上欄参照),会員が携帯電話器等によってこのQRコードを読み取ることで,ホームページ等の表示を行うことなしに前記入力画面を表示できるようにしても良い。
【0064】
各会員に対しては,該会員の会員登録が行われた際に,会員IDとパスワードが付与されていると共に,各会員ID,パスワード,及び該会員に割り当てられたページのURLがそれぞれ関連付けられてサーバの記憶手段に記憶されている。
【0065】
そして,前述のようにして端末装置の画面上に表示された入力画面(図3)に会員ID及びパスワードを入力後,「送信」表示を選択する等して入力された会員ID及びパスワードを送信すると,サーバは記憶手段内を検索し,入力された会員IDに対してパスワードが対応するものであるか否かを判断し,両者が対応しない場合,会員IDに対してパスワードが相違する旨を表示する。
【0066】
このような表示がされた場合,会員ID及びパスワードの入力画面に戻り,これらを入力して同様の作業を繰り返す。
【0067】
会員IDに対してパスワードが一致すると,サーバは,該会員IDに対応した会員に割り当てられたページを書き換え可能な状態で端末装置の画面上に表示させる。
【0068】
このようにして,自己に割り当てられたページが端末装置に表示されると,この表示されたページ上の入力箇所,乃至は修正箇所にカーソルを移動させる等して,データの入力乃至は修正を行う。
【0069】
そして,必要事項の入力乃至は修正が完了した後,サーバに対してデータの更新を指令すると,該指令を受けたサーバは,記憶手段に記憶されていた入力乃至は変更前のデータを,変更後のデータに更新する。
【0070】
このように,各ウェブページのデータが更新可能であることにより,一旦,印刷,頒布した後には記載内容を変更できない印刷物とは異なり,後に生じる内容の変更等に対しても柔軟に対応することかでき,表示された情報が現実と乖離することを好適に防止できる。
【0071】
〔QRコード発行〕
以上のように構成された本発明の人脈ネットワーク拡大システムにあっては,各会員の会員登録が行われると,この会員に割り当てられたウェブページのURLを記録したQRコードが生成される。
【0072】
このようにして生成されたQRコードは,例えば画像データとして各会員が操作等するパーソナルコンピュータや携帯電話器等に送信するように構成しても良く,この場合,QRコードの画像データを受信した会員は,受信した画像データをプリンタ等で粘着シート等に印刷し,又は,このようなQRコードを一部に付記した名刺等の印刷物を作成し,これを頒布する等しても良い。
【0073】
または,このようにして生成されたQRコードを,剥離紙等に貼着された粘着シート等に印刷し,会員に対して,入会完了の通知等と共に郵送等によって送付するものとしても良い。
【0074】
このようにして,QRコードが印刷された粘着シートを受領した会員は,名刺等の印刷物の余白にこのQRコードが印刷された粘着シートを貼着する等して,頒布することができる。
【0075】
このようにして生成されたQRコードが表示された印刷物を頒布することで,この印刷物の頒布を受けた者(例えば会員の顧客)は,このQRコードを,QRコードの読み取り機能付きの携帯電話器等によって読み取ることで容易に該会員に割り当てられたウェブページの情報を閲覧することができる。
【0076】
なお,前述のように生成したQRコードの画像データ等を,サイトの管理者側においてのみ印刷等するように構成した本実施形態にあっては,入会後,会員からの要求に従い,QRコードを増刷して会員に対して発行するようにしても良い。
【0077】
この場合,例えば管理者が運営するサイトのホームページに,QRコードの増刷を申し込むためのメニュー表示を設け,該メニュー表示をクリックすると,会員の端末装置に注文フォームが表示されるように構成しても良い。
【0078】
そして,この注文フォームに必要事項を入力し,これをサーバに送信すると,後日,郵送等によりQRコードの印刷された粘着シート(図4参照)等が会員に送達されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】QRコードを使用したウェブページへのアクセス方法のイメージ図。
【図2】各会員に割り当てられたページの画面表示例を示す図。
【図3】会員ID及びパスワードに入力画面の画面表示例を示す図。
【図4】QRコードが印刷された粘着シートの平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイトを登録したサーバと,該サーバにインターネットを介して接続可能に構成された端末装置によって構成され,
前記サイト上に,各会員に割り当てられた領域を設け,この割り当てられた領域に前記会員に関する情報と共に,該会員を介して利用可能な人脈を,人脈表示欄を設けて公開し,
前記会員の前記人脈表示欄に掲載されることを希望する応募者の端末装置からの要求により,該端末装置に,応募に必要な事項の入力欄を設けた応募フォームを出力し,かつ,必要事項が入力された前記応募フォームを受信して前記応募を受け付ける応募受付手段と,
前記応募の申し込みがあったこと,及び前記応募者の情報を前記会員に通知すると共に,該会員に,前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することの可否の確認を行う照会手段と,
前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することを可とする前記会員の意思表示により,前記サイト上の前記割り当てられた領域上に表示されている人脈表示欄に,前記応募者の情報を追加してデータ更新する人脈表示更新手段とを,前記サーバにおいて実現することを特徴とする人脈ネットワーク拡大システム。
【請求項2】
前記各会員に割り当てられた前記サイト上の領域を示すURLを記録したQRコードの生成手段を更に備えると共に,前記端末装置が,QRコードの読み取り機能をもつカメラ付き携帯電話器であることを特徴とする請求項1記載の人脈ネットワーク拡大システム。
【請求項3】
サーバに登録されたサイト上に,各会員に割り当てられた領域を設け,該割り当てられた領域に,該会員に関する情報と共に,該会員を介して利用可能な人脈を,人脈表示欄を設けて公開し,
前記サーバによって,前記会員の前記人脈表示欄に掲載されることを希望する応募者の端末装置からの要求により,該端末装置に,応募に必要な事項の入力欄を設けた応募フォームを出力し,かつ,必要事項が入力された前記応募フォームを受信して前記応募を受け付け,該応募の申し込みがあったこと,及び前記応募者の情報を前記会員に通知すると共に,該会員に対し,前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することの可否を確認し,更に,前記確認の結果,前記会員が前記応募者を前記人脈表示欄に掲載することを可とする意思表示をしたとき,前記サイトの前記割り当てられた領域上に表示されている前記人脈表示欄に,前記応募者の情報を追加してデータ更新することを特徴とする人脈ネットワーク拡大方法。
【請求項4】
前記各会員に割り当てられた前記サイト上の領域を示すURLを記録したQRコードを生成し,該生成されたQRコードを印刷した印刷物を頒布すると共に,前記QRコードの読み取り機能をもつカメラ付き携帯電話器により,前記頒布された印刷物のQRコードを読み取ることで,前記会員の情報の閲覧を可能としたことを特徴とする請求項3記載の人脈ネットワーク拡大方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−262296(P2008−262296A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103086(P2007−103086)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(507117038)
【Fターム(参考)】