説明

人造繊維の長さ、収縮量及び捲縮特性を決定するための試験装置並びに試験装置の使用方法

【課題】現状技術の装置の欠点を示さず、また、時間がかかりすぎずに、解析専門家ではない人でも取り扱うことができ、一回で包括的データセットを与える、正確で信頼できる収縮量測定を可能にする、単一人造繊維の収縮量決定のための試験装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、個々のステープルファイバの、収縮量、長さ及び/または、捲縮数、捲縮除去及び捲縮安定性のような、捲縮特性の、特に、実質的に同時の、決定のための、少なくとも1本のステープルファイバの少なくとも上端を保持するように適合された透明または半透明の上部固定ボード及びステープルファイバの対向する下端に配置されるように適合された少なくとも1つの透明または半透明のクリップを備える試験装置に関する。本発明は、特に、この試験装置を利用することによる、個々のステープルファイバの収縮量、長さ及び/または、捲縮数、捲縮除去及び捲縮安定性のような、捲縮特性の決定のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の人造繊維の収縮量、長さ、及び/または捲縮数、捲縮除去及び捲縮安定性のような捲縮特性を決定するための、少なくとも1本の人造繊維の上端を保持するように適合された上部固定ボード及び、前記人造繊維の対向する下端に、特に、脱着できるようにして、配置されるように適合された少なくとも1つのクリップを備える、試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人造繊維の顕著な特徴はその収縮挙動である。紡織繊維の収縮量に対する標準試験方法(単一繊維試験)が、繊維収縮量に関する比較データを提供できるため、長い間ASTM(米国材料試験協会)規格D5104−96として標準手順となっている。D5104−96の手順にしたがえば、試験体が上端で上部ボードにクランプされ、繊維の下端にクリップが取り付けられる。軽荷重を与えることで試験繊維を引き伸ばすに適する、磁石合金でつくられた、重量が既知のクリップが通常用いられる。一般に、銅製クリップが有用であることが分かっている。
【0003】
また、人造繊維の収縮量の決定のための別の方法が、Zweigle Textilpruefmaschinen GmbH & Co. KG社公開情報に概説されている。この文献によれば、温度が定められた熱空気内で繊維が収縮し、収縮量が、グリップ錘、乾燥オーブン、鉗子及び対比色のビロード製パッドを備える繊維収縮試験機で測定される。繊維に取り付けられたグリップ錘の一方の脚が、繊維収縮装置のクランプの下にあるホルダに挿入される。このようにすれば、熱空気にさらされている間に繊維がいかなる延伸力も受けないことが確実になる。
【0004】
既知の手順のいずれが適用されるかにかかわらず、試験結果は常に、それほど精度が高くはなく、誤差が入りやすく、通常は許容し得ない標準偏差が生じる。
【0005】
個々の人造繊維の収縮挙動に関する比較データセットを得るため、D5104−96でさえ、人造繊維の購入者及び供給者に、試験される試験体の全てに対する標準偏差がもはや変動せず、一致した値になるまで個別の測定を実施することを推奨している。特に、購入者のデータと供給者のデータとの間に統計的偏りがある場合には、統計専門家の援助を仰ぐことが推奨されている。
【0006】
実際問題として、紡織繊維の現在の収縮量測定方法は、非常に時間がかかり、解析専門家の関与が必要であり、よって経済的観点からは効率がかなり悪い。このような信頼性の欠如は、着荷した人造繊維が所望の仕様に合致しないことを人造繊維の購入者が検出する場合に、特に欠点となる。現在のところ、長さ、収縮量、捲縮数、捲縮安定性及び捲縮除去のような人造繊維特性の包括的セットの測定または決定にもかなり時間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、現状技術の装置の欠点を示さず、また、時間がかかりすぎずに、解析専門家ではない人でも取り扱うことができ、一回で包括的データセットを与える、正確で信頼できる収縮量測定を可能にする、単一人造繊維の収縮量決定のための試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記及びその他の目的は、個々の人造繊維の収縮量、長さ及び/または、捲縮数、捲縮除去及び捲縮安定性のような捲縮特性を、特に実質的に同時に、決定するための、少なくとも1本の人造繊維の少なくとも上端を保持するように適合された上部固定ボード及び前記人造繊維の対向する下端に、特に脱着できるようにして、配置されるように適合された少なくとも1つのクリップを備え、前記上部固定ボード及び/または前記少なくとも1つのクリップが透明または半透明である、試験装置により達成される。
【0009】
本試験装置は少なくとも1つの加熱器も備えることができる。試験装置の一体要素である加熱器は、解析における変動の減少だけでなく、試験時間の短縮にも役立つ。
【0010】
好ましい実施形態において、本試験装置は、人造繊維に関して対比色の、特に表面が黒色である、特にビロード製の、パッドも備える。長さ測定を容易にするため、人造繊維の横または背後のパッド上に目盛をつけることもできる。
【0011】
本発明の別の態様にしたがえば、本試験装置は、一時的にクリップ及び/または人造繊維の下端を保持するように適合された、上部固定ボード上のまたは上部固定ボードに隣接する固定手段を備えることもできる。収縮試験が行われる場合には、熱にさらされているときに人造繊維に荷重がかからないことが必要であるから、固定ボード上のまたは固定ボートに隣接する固定手段、例えばフックまたはクランプ等を有することが、極めて有用であることがわかった。しかし、そのような固定手段は、加熱中に人造繊維に力がかからない限り、固定ボードからやや離して配置することもできる。上部固定ボードという術語により、試験されるべき繊維の上端がこの固定具により固定またはクランプされるという事実が正に示されるはずである。
【0012】
別の態様にしたがえば、本発明の試験装置は、上部固定ボード、1つまたは複数のクリップ及び/または上部固定ボードに固定されているときの人造繊維を照明するように適合された少なくとも1つのランプ;少なくとも1台の顕微鏡;及び/または記録されたデータをマイクロプロセッサまたはコンピュータ上に転送するように適合された少なくとも1台のデジタルモニタをさらに備える。透明なクリップ及び/または透明な上部固定ボードに光をあてることにより、長さ測定を正確に、また非常に迅速にも、行うことができる。特に、データ処理装置にリンクされたデジタルモニタの使用により、多数の試験結果を収集し、遅滞なく解析することができる。所望のデータセットが収集されると直ちに標準偏差を計算することができ、測定値の確度についての感触を得ることができる。
【0013】
クリップ及び/または上部固定ボードは、透明または半透明の高分子材、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)及び/またはポリカーボネート(PC)あるいはポリメチルメタクリレート及び/またはポリカーボネートを含む透明または半透明の混合物でつくられるとすることができる。
【0014】
別の実施形態において、上部固定ボードが、試験されるべき人造繊維の少なくとも上端を磁気的にクランプまたは保持するように適合されることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の試験装置は、特に脱着できるようにして、クリップに取り付けることができるように適合された錘をさらに備えるとことができる。例えば、クリップの重量がそれだけでは収縮した人造繊維を全長まで引き伸ばすには十分でない場合に、クリップに錘をつけることにより、適切な測定を最善に行うことができる。したがって、そのようなクリップは通常、錘をクリップに取り付けることができるような形にデザインされる。
【0016】
本発明のさらなる目的は、個々の人造繊維の、収縮量、長さ及び/または、捲縮数、捲縮除去及び捲縮安定性のような、捲縮特性の、特に、本発明にしたがう試験装置の使用により、特に、実質的に同時の、決定のための方法により解決され、本方法は:
a)人造繊維を、その上端で上部固定ボードに固定し、対向する下端で、特に、繊維を引き伸ばすことなく、少なくとも1つのクリップに固定する工程;
b)人造繊維を、特に、繊維に関する対比色のパッドの前面で、その全長まで引き伸ばす工程;
c)人造繊維の長さ、詳しくは、繊維が上部固定ボートに固定されたところから繊維の下端がクリップに固定されたところまでの、長さを測定する工程;
d)クリップまたは人造繊維の下端を上部固定ボード上にまたは上部固定ボードに隣接して一時的に固定することにより、繊維を緩める工程;
e)繊維を試験環境、詳しくは、熱気及び/または熱水にさらす工程;
f)試験環境にさらした後、繊維をある定められた時間にわたり状態調節する工程;及び
g)1本または複数本の収縮した繊維の長さを測定して結果を記録する工程;
を含み、透明または半透明の上部固定ボード及び/または少なくとも1つの透明または半透明のクリップが用いられる。
【0017】
長さ測定に加えて、または長さ測定の代わりに、収縮した繊維の収縮及び/または捲縮特性、詳しくは、捲縮数、捲縮除去及び/または捲縮安定性が、連続的にまたは同時に決定され、結果が工程g)において記録されるとすることができる。
【0018】
本発明の方法の好ましい実施形態において、少なくとも試験環境にさらされている間、特に脱着できるようにして、グリップ錘がクリップに取り付けられる。さらに、少なくとも人造繊維の1つまたは複数の特性を決定する、特に人造繊維の長さを測定する、ときに、特に上記工程c)及び/またはg)の間、上部固定ボード、少なくとも1つのクリップ及び/または少なくとも1本の人造繊維に光があてられていると有利であることが分かった。
【0019】
試験環境が、特に約15分間の、特に約180℃から約195℃の熱空気、または、特に約95℃から約99℃の熱水を含むとすることができる。
【0020】
別の実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つのランプ、顕微鏡及びデジタルモニタを使用して収縮前後の人造繊維の長さを測定する。
【0021】
記録されたデータがデジタルモニタからコンピュータに転送されれば、特に有利である。
【0022】
繊維に関する長さ測定は、特に温度が20℃から22℃で相対湿度が63%から67%の、標準大気で行われるとすることができる。
【0023】
驚くべきことに、例えば銅クリップの代わりに、透明または半透明のクリップを使用することにより、個々の人造繊維の収縮量測定の確度及び信頼性を劇的に高め得ることがわかった。長さ及び収縮量だけでなく、今では、捲縮数、捲縮除去及び捲縮安定性のような捲縮特性の測定も可能である。さらに、コンピュータまたはデータ処理装置により直接に処理でき、よって収縮試験を受けた人造繊維試料の完全な評価を与えることができる、長さ、収縮量及び捲縮データを提供することが、初めて、可能である。また、透明なクリップを光源で照らすことにより、特に黒色面に載せたときに、試験試料を明瞭に見ることができる。さらに、透明または半透明なクリップに加えて透明または半透明の上部固定ボードを使用し、よって、人造繊維の上端をクランプしている位置に関するいかなる曖昧さも排除することにより確度を向上させることさえもできる。したがって、2つのクランプ位置の間の人造繊維の、長さ、収縮量及び捲縮数、捲縮安定性及び捲縮除去のような捲縮特性を、まとめて一回で測定しても、極めて精確に測定することが可能である。
【0024】
本発明にしたがう試験装置を用いれば、人造繊維の捲縮特性をかなり精確に決定することも可能であり、特にクリップが収縮処置後に人造繊維の下端から取り外されれば、捲縮の数及び位置でさえも測定することができる。一般に、本発明の試験装置により確度が大きく高められ得るだけでなく、試験時間も相当短縮され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のより完全な理解及び本発明にともなういかなる利点も、添付図面と関連して考察しながら、以下の詳細な説明を参照することにより、容易に認識されるであろう。
【0026】
図1に、個々の人造繊維試料100がそれぞれの上端で取り付けられている上部固定ボード2を備える試験装置1が示される。それぞれの上端は、例えば、D5104-96に述べられているように可動バーにより、必要であれば耐熱テープを用いて、クランプするか、あるいはその他の既知の処置法により固定することができる。人造繊維が上部ボードに固定またはクランプされる場所をかなり精確に決定することができれば有利である。そのような場所は定められた領域または線上にある程度局限されることが好ましい。上部固定ボードは透明であり、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)でつくられることが、好ましい。それぞれの繊維試料100の下端には、繊維試料の長さの正確な測定を可能にする、荷重が最小の、すなわち試料を引き伸ばさない、透明なグリップまたはクリップ4が取り付けられる。上部固定ボード2は、繊維試料の収縮を開始させるに十分適している加熱器6内に容易に置くことができる。取り付けられた繊維試料の前面には、収縮前後の試験試料の繊維長を記録するために、ランプ8及びデジタルモニタ10が設置される。測定の確度を高めるため、顕微鏡12も用いられる。デジタルモニタ10により記録されたデータは、コンピュータ14に転送して格納し、収集されたデータを解析することができる。
【0027】
本発明にしたがう試験装置の使用による単一人造繊維の収縮挙動の一般的な決定は、個々の人造繊維を試験装置1の上部ボード2に固定する工程、透明なグリップ4を繊維試料100の対向する下端に取り付ける工程、グリップ4を上部ボード2にまたは上部ボードに隣接して取付けてから、繊維試料を定められた温度に予備加熱された加熱器6内に置く工程を含む。
【0028】
加熱処置に続くあらかじめ定められた状態調節時間の後、繊維試料に透明グリップ4の重量をかけることにより、繊維100は黒色面16の前面で繊維全長まで引き伸ばされる。次いで、デジタルモニタ10及び顕微鏡12を用いて、繊維試料の長さが測定される。人造繊維の長さは、収縮した人造繊維について説明した態様と同じ態様で、収縮処置前にも決定される。透明グリップ4を照明することにより、繊維の上部固定ボード2に固定されている場所と透明グリップ4の繊維試料に固定されている狭間との間隔を測定することで、繊維試料の長さを極めて精確に測定することができる。1本の繊維試料の長さだけでなく、例えば6本のまたはそれより多くとも、1バッチの繊維試料のそれぞれの長さを、一回の実行で正確に測定できることが特に有利である。
【0029】
比較検討のために、例としてZweigle Textilpruefmaschinen GmbH & Co. KG社の従来の収縮試験機を一方に用い、本発明にしたがう収縮試験機を他方に用いて数シリーズの収縮測定を190℃、20分で行った。それぞれのシリーズにおいて、ASTM規格D5104-96に概説されているような標準条件下で熱にさらす前に10回、熱にさらした後にも10回、人造繊維の長さを測定した。Zweigle社による従来の収縮試験機を用いると、%収縮率の標準偏差は、平均収縮率の計算値が10.03%,11.35%及び9.90%の場合に、それぞれ2.48,3.51及び1.52と決定され、一方、本発明にしたがって修正された収縮試験では、9.60%,10.01%及び9.90%の%平均収縮量に対して、それぞれ1.35,0.43及び0.91の標準偏差が得られた。これらの結果は明らかに、本発明の試験装置が従来の試験装置より十分に優れていることを証明し、試験結果は、より正確であるだけでなく、より迅速に得られる。
【0030】
上記教示に照らしてみれば、本発明の数多くの改変及び変形が可能であることは明らかである。したがって、特許請求の範囲内で、本明細書で詳しく説明した態様以外の態様で本発明が実施され得ることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】記録及びデータ処理装置を備える、本発明にしたがう試験装置の略図を示す
【符号の説明】
【0032】
1 試験装置
2 上部固定ボード
4 クリップ
6 加熱器
8 ランプ
10 デジタルモニタ
12 顕微鏡
14 コンピュータ
16 パッド
100 人造繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の人造繊維(100)の、収縮量、長さ及び/または、捲縮特性の決定のための、少なくとも1本の人造繊維(100)の少なくとも上端を保持するように適合された上部固定ボード(2)及び前記人造繊維(100)の対向する下端に脱着できるように配置されるように適合された少なくとも1つのクリップ(4)を備える試験装置(1)において、
前記上部固定ボード(2)及び/または前記少なくとも1つのクリップ(4)が透明または半透明であり、
前記上部固定ボード(2)、前記少なくとも1つのクリップ(4)及び/または、前記上部固定ボード(2)に固定されたときの、前記人造繊維(100)を照明するように適合された少なくとも1つのランプ(8);少なくとも1台の顕微鏡(12);及び/または記録されたデータをマイクロプロセッサまたはコンピュータ(14)上に転送するように適合された少なくとも1台のデジタルモニタ(10)をさらに備える
ことを特徴とする試験装置(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの加熱器(6)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の試験装置(1)。
【請求項3】
前記人造繊維(100)に関して対比色を有するパッド(16)をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の試験装置(1)。
【請求項4】
前記上部固定ボード(2)上にまたは前記上部固定ボード(2)に隣接して、前記少なくとも1つのクリップ(4)及び/または前記人造繊維(100)の前記下端を一時的に保持するように適合された固定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の試験装置(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのクリップ(4)及び/または前記上部固定ボード(2)が、透明または半透明な高分子材もしくはそれらの混合物でつくられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の試験装置(1)。
【請求項6】
前記高分子材がポリメチルメタクリレート(PMMA)及び/またはポリカーボネート(PC)を含み、前記混合物がポリメチルメタクリレート及び/またはポリカーボネートを含むことを特徴とする請求項5に記載の試験装置(1)。
【請求項7】
前記上部固定ボード(2)が、試験されるべき前記人造繊維(100)の少なくとも前記上端を磁気的にクランプまたは保持するように適合されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の試験装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのクリップ(4)に脱着できるように取り付けられるように適合された錘をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の試験装置(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の試験装置を用いて、個々の人造繊維の収縮量、長さ及び/または捲縮特性を決定する方法において、前記方法が:
a)人造繊維を、その上端で上部固定ボードに固定し、前記繊維の対向する下端で少なくとも1つのクリップに固定する工程;
b)前記人造繊維を前記繊維に関する対比色をもつパッドの前面で、前記繊維の全長まで引き伸ばす工程;
c)前記人造繊維の長さを測定する工程;
d)前記少なくとも1つのクリップまたは前記人造繊維の前記下端を前記上部固定ボード上にまたは前記上部固定ボードに隣接して一時的に固定することにより、前記繊維を緩める工程;
e)前記繊維を試験環境にさらす工程;
f)前記試験環境にさらした後、前記繊維をある定められた時間にわたり状態調節する工程;及び
g)1本または複数本の収縮した前記繊維の長さを測定して結果を記録する工程;
を有してなり、透明及び/または半透明の上部固定ボート及び/または少なくとも1つの透明または半透明のクリップを用い、
前記上部固定ボード、前記少なくとも1つのクリップ、及び/または少なくとも1本の前記人造繊維を、少なくとも前記人造繊維の1つまたは複数の特性を決定するときに、前記工程c)及び/またはg)の間、照明し、
前記収縮の前後の前記人造繊維の長さを、少なくとも1つのランプ、顕微鏡及びデジタルモニタを用いて測定する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記個々の人造繊維の収縮量、長さ及び/または捲縮特性の決定が、同時に行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記工程aを、前記繊維を引き伸ばさずに行うことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記長さが、前記繊維が前記上部固定ボートに固定されたところから前記繊維の前記下端が前記クリップに固定されたところまでであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記試験環境が熱空気及び/または熱水であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記長さ測定に加えて、または前記長さ測定の代わりに、収縮及び/または捲縮特性を連続してまたは同時に決定し、その結果を記録することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記捲縮特性が、前記収縮した繊維の捲縮数、捲縮除去及び/または捲縮安定性であることを特徴とする請求項9または14に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−81922(P2008−81922A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290478(P2007−290478)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【分割の表示】特願2003−101184(P2003−101184)の分割
【原出願日】平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願人】(502132128)サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション (109)
【Fターム(参考)】