人間の身体表面に接触して用いられる製品
【課題】 機械は数時間停止する場合があるため、一部の化合物混合物の安定性は、長期間の高温、又は再循環している溶液の連続ポンピングに起因する機械的剪断力により危険にさらされる場合があり、それもまた多くの機械の保全に関連する問題に遭遇し、この問題を克服するために、組成物を物品中に組み込むための有効な方法に対する必要性が存在する。
【解決手段】 本発明は、膣、口、鼻及び直腸のような種々の体腔に活性成分を送達するよう設計された物品を提供する。更に物品は、膣、口、鼻及び直腸腔に収まるように容易に配置され形づけることができるような方式で設計される。
【解決手段】 本発明は、膣、口、鼻及び直腸のような種々の体腔に活性成分を送達するよう設計された物品を提供する。更に物品は、膣、口、鼻及び直腸腔に収まるように容易に配置され形づけることができるような方式で設計される。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、組成物を膣、口、鼻及び/又は直腸腔に送達するよう設計された物品及びその物品の製造方法を提供する。物品は、膣、口、鼻及び直腸粘膜組織の、高度に血管の発達した性質を利用及び/又は保護して、組成物を限局部分に送達する。
【0002】
〔背景技術〕
膣、口、鼻及び直腸腔は、これらの領域への大量の血液供給及び露出した表面の皮膚を保護する角質層の欠如に起因して、感染及び疾患が身体に入る潜在的経路を提供する。
【0003】
膣送達経路は、膣に近接している組織又は器官内に作用部位を有する医薬品の送達、具体的には、膣組織への投与に有用であることが知られている。
【0004】
体腔への医薬品及び他の組成物を送達する装置は既知である。このような装置は、薬剤が装置に含浸されている種類、又は封入された薬剤を運ぶ種類のいずれかである。
【0005】
米国特許第7,004,171号及び国際公開第2003/070216号には、(a)有効量の薬物を含む沈着物及び所望により湿潤剤と、(b)その上に沈着物が沈着する高分子担体と、を含む経膣薬物送達システムが開示されている。
【0006】
米国特許第7,341,737号には、治療薬の送達に適応したタンポンであって、遠位端部を有するタンポン本体を備えるタンポンと、タンポン本体の遠位端部に固定された剤形であって、治療薬を含む製剤を含み、複数の層を含む剤形と、を備えるタンポンが開示されている。また、治療薬を送達するのに適応した薬用タンポンの製造方法であって、遠位端部を有するタンポン本体を製造する工程と、複数の層を有する剤形を製造する工程であって、該剤形が治療薬を含む製剤を含む工程と、該剤形をタンポン本体の遠位端部に固定する工程と、を含む方法が開示されている。
【0007】
ブラウン−スクロボット(Brown-Skrobot)、米国特許第5,679,369号は、毒素性ショック症候群毒素−1の生成を阻害するためのタンポンへの添加剤を開示している。添加剤は、一般的に、室温で又はその付近で液体ではなく、したがって、それはイソプロピルアルコールのようなキャリア材料を必要とする。これは、体腔における感染及び/又は疾患の発達を阻害する作用を有する剤の送達の代表的なものである。
【0008】
実際には、コーティング、浸漬、固化等により、物品の吸収性材料又は被覆材料の、中又は上に組成物を導入しようと試みるプロセスには、固有のいくつかの問題が存在する。研究室の環境で機能する場合の、あるこれらのような手順は、自動化された製造プロセスへの適用から除外される場合がある。
【0009】
例えば、活性添加剤が付随するタンポンの製造中、注意深い投薬が要件の1つである場合、活性添加剤及びそのキャリアは、均質にかつ適切な濃度及び純度で溶液中に維持されなければならない。これらの要件は、通常の運転中達成するのが困難であり、タンポンの機械が停止したときには、維持するのが更に著しく困難である。更に、異なる密度のタンポンは適用された活性添加剤組成物を別々に吸収して、異なるタンポンに対するタンポン中への剤の吸収にばらつきが生じる場合がある。
【0010】
具体的には、成分を賦形剤及び活性化合物に絶え間なく攪拌又は混合するという要件は、製造設備が通常運転周期中に停止したとき、組成物を均質に保つ方法に関する不安をもたらす。インラインミキサの使用及び機械が停止している間の、液体化合物を収容している加熱された治療薬及び賦形剤の再循環は、溶液の移動及び混合を維持する方法を提供できる。
【0011】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、機械は数時間停止する場合があるため、一部の化合物混合物の安定性は、長期間の高温、又は再循環している溶液の連続ポンピングに起因する機械的剪断力により危険にさらされる場合があり、それもまた多くの機械の保全に関連する問題に遭遇し、この問題を克服するために、組成物を物品中に組み込むための有効な方法に対する必要性が存在する。
【0012】
〔課題を解決するための手段〕
我々は、組成物を膣、口、鼻及び/又は直腸腔に送達するのに有用な製品中に組成物を組み込むための、改良された方法を見出した。
【0013】
我々は、組成物を、続いて物品に組み込まれる少なくとも1種のキャリアに付随させることが、先行技術の多くの加工の問題を克服することを見出した。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、体腔への挿入に好適な物品は、第1構造体と、実質的に前記第1構造体を収容しているカバーと、これもまた実質的にカバーにより収容されている少なくとも1種のキャリアに付随するろう様組成物と、を含む。第1構造体は、体腔に収まるように配置され形づくられている。カバーは、実質的に液体透過性材料である。ろう様組成物は、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む。
【0015】
本発明の代替実施形態では、体腔への挿入に好適な物品を製造する方法は、a)ろう様組成物を少なくとも1種のキャリアに適用する工程と、(b)体腔に収まるように配置され形づくられた第1構造体を提供する工程と、(c)第1構造体及び少なくとも1種のキャリアを、液体透過性材料を含む材料のカバー内に実質的に封入する工程と、を含む。ろう様組成物は、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態の例を、ここに図面を参照しながら記載する。
【図1】巻いた形の物品の実施形態の斜視図。
【図2】図1に示した物品の断面図。
【図3】巻いた形の物品の別の実施形態の斜視図。
【図4】図3に示した物品の断面図。
【図5】折り畳んだ形の物品の実施形態の斜視図。
【図6】図5に示した物品の断面図。
【図7】物品の構成を示す物品の横断面図。
【図8】巻いた形の物品の更に別の実施形態の断面図。
【図9】巻いた形の物品の更に別の実施形態の断面図。
【図10】折り畳んだ形の物品の更に別の実施形態の断面図。
【図11】活性成分の付随したキャリアの均一な適用を示す、折り畳んだ形の物品の実施形態の斜視図。
【図12】前端部で活性成分の付随したキャリアの適用を示す、折り畳んだ形の物品の実施形態の斜視図。
【図13】実質的に均質な第1構造体を有する物品の更に別の実施形態の斜視図。
【図14】図13に示した物品の断面図。
【図15】図13に示したような物品の製造プロセスの概略図。
【図16】図2及び4に示したような物品の製造プロセスの概略図。
【図17】図8〜10に示したような物品の製造プロセスの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載するような発明を、活性成分のような組成物を膣に送達するために、膣腔に収まるように設計された物品の例として、タンポンを用いて例示の目的のために記載する。しかしながら、本発明は、口、鼻及び直腸のような他の体腔の組織に、又はそれを通して組成物を送達する類似の方法に適用されるため、本発明は本明細書に記載する例に限定されるべきではない。製品の形状又は寸法は、最大限の効果及び快適性を与えるように、体腔の解剖学的構造体に依存して変化してよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、「第1構造体」は吸収性及び/又は非吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は、セルロース若しくはセルロース誘導体繊維、綿、デンプン、レーヨン、スポンジ、木材パルプ、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、架橋カルボキシメチルセルロール、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸若しくはこれらの混合物、又はヒドロゲルから成ってもよいが、これらに限定されない。
【0019】
ろう様材料は若干粘着性である傾向があり、生産中このようなろう様材料でコーティングされた又は含浸されたシートの取り扱いに関して特に困難が生じる。シート及びそのろう様材料は、機械の部品にくっついて、その後のプロセスで機械装置を汚す傾向がある。
【0020】
非吸収性材料は、部分的に又は完全に非吸収性であってもよく、又はわずかな吸収性のみを有してもよい。より好ましくは、非吸収性材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アラミド、ナイロン、アクリル、合成繊維、二成分又はこれらの混合物で構成されるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「液体透過性」及びその変形は、水又は体液のような液体がカバーを通過できることを示す。
【0022】
液体透過性カバーは、多孔質基材を有する織布又は不織布材料から形成できる。織布及び不織布材料は、文献で周知であり、任意のこのような液体透過性カバーを本発明の送達に適用する又は使用する場合のある当業者に容易に理解されるであろう。液体透過性カバーは、予め有孔フィルムに加工されている非多孔質材料から形成することができる。孔あけプロセスは文献で周知であり、任意のこのような液体透過性カバーを本発明の送達に適用する又は使用する場合のある当業者に容易に理解されるであろう。
【0023】
1つの好ましい実施形態では、組成物は、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択されるろう様組成物である。
【0024】
前記モノエステル及びジエステルの脂肪酸部分は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸由来であってよく、これらはその鎖長が、それぞれ、C8、C10、C12、C14、C16及びC18である、飽和脂肪酸である。前述のモノエステル及びジエステルの脂肪酸部分は、同様にC8〜C18の範囲で変動する炭素鎖長を有する不飽和脂肪酸由来であってもよく、このような不飽和脂肪酸の1例はオレイン酸である。本発明の実施で用いるための好ましい脂肪酸は、その化学式がC11H23COOHである、飽和脂肪酸である、ラウリン酸である。
【0025】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるとき、用語「脂肪族」は、通常の有機化学で認められている意味を有する、すなわち、「脂肪族」は、構成物質の炭素原子の直鎖又は分岐鎖配置により特徴付けられる有機化合物を指す。
【0026】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるとき、用語「多価」は、少なくとも2つのヒドロキシル(OH)基の化学的化合物の存在を指す。したがって、多価脂肪族アルコールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、炭素骨格が直鎖又は分岐鎖であるものである。
【0027】
本発明の実施で用いるためのモノエステル及び/又はジエステルの形成に好適な多価アルコールは、1,2−エタンジオール、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール等である。本発明の実施で用いるためのモノエステル及びジエステルの形成に好ましい多価脂肪族アルコールは、その式がHOCH2CH(OH)CH2OHである、1,2,3−プロパントリオール(一般的にグリセロールと呼ばれる)である。
【0028】
グリセロールのモノエステル及び指定された脂肪酸の1つを、本発明の実施で用いてよい、なぜならそのエステルはグリセロール由来の、それに結合した2つのヒドロキシル基を有するためである。グリセロールのジエステル及び指定された脂肪酸の1つを用いてもよく、なぜならエステルは脂肪族アルコールグリセロール由来の、それに結合した1つのヒドロキシル基を有するためである。実際には、以後に見られるように、グリセロールモノラウレート及びグリセロールジラウレートのブレンドは、本発明の実施で有用であることが見出されている。本発明の実施で用いるための好ましいエステルは、グリセリルモノラウレート、グリセリルジラウレート及びこれらの混合物である。
【0029】
より詳細に図面を参照すると、図1〜15は、膣、口、鼻及び直腸腔を通して活性成分を送達するよう設計された、本発明の物品10を示し、図16及び17はその製造方法を示す。物品10は、しかしながら、多くの他の形態であることができ、これらの図に示したような特定の構成を有する構造体に限定されない。
【0030】
図に見られるように、物品10は、一般に、第1構造体20、カバー30、及び活性成分の付随したキャリア50を含む。物品10は、物品10を体腔に挿入するための前端部13、中心部14、及び物品10を掴握する又は引き出すための後端部15を有することができる。第1構造体20は、ロールの形態であることができ、例えば、図1、2及び8に示すように繊維質スライバーの中心部の周りに巻き付けられる(米国特許第4,816,100号(フリーゼ(Friese))により十分に記載されており、この内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)、又は図3、4及び9に示すように回旋状に巻かれた構成で、若しくは図5、6及び10に示すようにひだを寄せた構成で巻き付けられる。第1構造体20はまた、図13及び14に示すように、実質的に均質(ゆるい又は比較的剛性である)であることもできる。
【0031】
第1構造体20は、前端部23が物品10の前端部13に整列し、中心部24が物品10の中心部14に整列し、後端部25が物品10の後端部15に整列した状態の、外表面21及び内表面22を含む。
【0032】
第1構造体20は、第1構造体20の外表面21に面する内表面32及び体腔に面する外表面31を含むカバー30で実質的に封入される。活性成分40の付随したキャリア50は、実質的に物品内に位置する。
【0033】
図8〜12に見られるように、キャリア50は、一般的にカバー30と第1構造体20との間に位置する。図1〜6に示す本発明の代替実施形態では、キャリア50は第1構造体20内に埋め込まれている。
【0034】
図11及び12に最もよく見えるように、少なくとも1つのキャリア要素50が存在でき、キャリアの場所は特定の目的のために最適化することができる。具体的には、キャリア50は、任意の端部に集めることができる、又はキャリアは、物品10の全体上に均一に定置できる。キャリア50は、リボン様のストリップ又は単繊維又は多繊維のひもの形態であることができる。
【0035】
図に見られるように、本発明の物品10は、円筒形、球形又は楕円形を含む細長い繊維構造体であり、物品10の寸法を簡単に理解できるようにするために、図1は、物品10の周りに形成された長手方向軸X−X’及び横軸Y−Y’を示す。
【0036】
一般に、本発明の物品の製造方法は、典型的には2つの工程に分けられる。
工程1:塗布される選択された組成物を好適な希釈剤に溶解させて、均一にキャリアに塗布される液体混合物を形成してもよい。希釈剤は取り除いてもよく(例えば、揮発性溶媒)、又は必要に応じてコーティング組成物の一部として残してもよい。選択された組成物でコーティングされたキャリアは、巻き取り又は別の方法で、製品に加工するのが望ましくなるまで、保存してよい。
工程2:図16に示す、1つの実施形態では、第1構造体20を形成するのに有用な材料、例えば、吸収性繊維スライバー66が供給され、キャリア供給機67からのコーティングされたキャリア68と組み合わせられる。スライバー66及びコーティングされたキャリア68は、引張ロール69を通して引き出され、次いで切断所71を通過する。得られるスライバー66とコーティングされたキャリア68との組み合わせは、ある長さのカバー材料74と組み合わせられる。カバー材料74の長さは、ローラ73及びカバー切断所72により規定される。スライバー、キャリア及びカバーは、形成機、例えば、巻き取り機75の要件により、巻き取られる又は折り畳まれる。したがって、形成された物品は、次いで、タンポンプレス機76等に更なる加工のために移動させることができる。
【0037】
図17で示す代替実施形態では、コーティングされたキャリア68は、図16で示すプロセスのようにスライバーではなく、カバー材料74とともに供給される。カバー材料74及びキャリア68は、次いで、形成機75でスライバー66の外側部分を巻き付ける。再び、得られる物品は、次いで、タンポンプレス機76等に更なる加工のために移動させることができる。
【0038】
〔実施態様〕
(1) 体腔に挿入するのに好適な物品であって、
a)第1構造体と、
b)実質的に前記第1構造体を収容している液体透過性材料を含むカバーと、
c)前記カバーにより実質的に収容されている、少なくとも1種のキャリアに付随したろう様組成物であって、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、ろう様組成物と、を含み、
前記第1構造体が体腔に収まるように配置され形づくられた、物品。
(2) 前記第1構造体が吸収性である、実施態様1に記載の物品。
(3) 前記第1構造体が実質的に非吸収性である、実施態様1に記載の物品。
(4) 前記少なくとも1種のキャリアが、前記第1構造体の外表面と前記カバーの内表面との間に位置する、実施態様1に記載の物品。
(5) 前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体の前記外表面に巻き付けられている、実施態様4に記載の物品。
(6) 前記少なくとも1種のキャリアが前記カバーに取り付けられている、実施態様4に記載の物品。
(7) 前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体内に収容されている、実施態様1に記載の物品。
(8) 前記少なくとも1種のキャリアが、実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、実施態様1に記載の物品。
(9) 前記少なくとも1種のキャリアが、複数の実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、実施態様8に記載の物品。
(10) 前記少なくとも1種のキャリアが繊維質のひもを含む、実施態様1に記載の物品。
(11) 前記繊維質のひもが単繊維のひもである、実施態様10に記載の物品。
(12) 前記繊維質のひもが多繊維のひもである、実施態様10に記載の物品。
(13) 前記少なくとも1種のキャリアが有孔フィルム構造体を含む、実施態様1に記載の物品。
(14) 前記カバーが有孔フィルムを含む、実施態様1に記載の物品。
(15) 前記カバーが不織布を含む、実施態様1に記載の物品。
(16) 前記脂肪酸がラウリン酸である、実施態様1に記載の物品。
(17) 前記多価アルコールがグリセロールである、実施態様1に記載の物品。
(18) 前記化合物がグリセリルモノラウレートを含む、実施態様1に記載の物品。
(19) 体腔に挿入するのに好適な物品の製造方法であって、
a)ろう様組成物を少なくとも1種のキャリアに適用する工程であって、前記ろう様組成物が、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステルと、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、工程と、
b)体腔に収まるように配置され形づくられた第1構造体を提供する工程と、
c)液体透過性材料を含む材料のカバー内に前記第1構造体及び前記少なくとも1種のキャリアを実質的に封入する工程と、を含む、方法。
(20) 前記少なくとも1種のキャリアが前記材料のカバーに取り付けられている、実施態様19に記載の方法。
(21) 前記少なくとも1種のキャリアが実質的に前記第1構造体の外表面に巻き付けられている、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記少なくとも1種のキャリアが前記第1構造体内部に実質的に収容されている、実施態様19に記載の方法。
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、組成物を膣、口、鼻及び/又は直腸腔に送達するよう設計された物品及びその物品の製造方法を提供する。物品は、膣、口、鼻及び直腸粘膜組織の、高度に血管の発達した性質を利用及び/又は保護して、組成物を限局部分に送達する。
【0002】
〔背景技術〕
膣、口、鼻及び直腸腔は、これらの領域への大量の血液供給及び露出した表面の皮膚を保護する角質層の欠如に起因して、感染及び疾患が身体に入る潜在的経路を提供する。
【0003】
膣送達経路は、膣に近接している組織又は器官内に作用部位を有する医薬品の送達、具体的には、膣組織への投与に有用であることが知られている。
【0004】
体腔への医薬品及び他の組成物を送達する装置は既知である。このような装置は、薬剤が装置に含浸されている種類、又は封入された薬剤を運ぶ種類のいずれかである。
【0005】
米国特許第7,004,171号及び国際公開第2003/070216号には、(a)有効量の薬物を含む沈着物及び所望により湿潤剤と、(b)その上に沈着物が沈着する高分子担体と、を含む経膣薬物送達システムが開示されている。
【0006】
米国特許第7,341,737号には、治療薬の送達に適応したタンポンであって、遠位端部を有するタンポン本体を備えるタンポンと、タンポン本体の遠位端部に固定された剤形であって、治療薬を含む製剤を含み、複数の層を含む剤形と、を備えるタンポンが開示されている。また、治療薬を送達するのに適応した薬用タンポンの製造方法であって、遠位端部を有するタンポン本体を製造する工程と、複数の層を有する剤形を製造する工程であって、該剤形が治療薬を含む製剤を含む工程と、該剤形をタンポン本体の遠位端部に固定する工程と、を含む方法が開示されている。
【0007】
ブラウン−スクロボット(Brown-Skrobot)、米国特許第5,679,369号は、毒素性ショック症候群毒素−1の生成を阻害するためのタンポンへの添加剤を開示している。添加剤は、一般的に、室温で又はその付近で液体ではなく、したがって、それはイソプロピルアルコールのようなキャリア材料を必要とする。これは、体腔における感染及び/又は疾患の発達を阻害する作用を有する剤の送達の代表的なものである。
【0008】
実際には、コーティング、浸漬、固化等により、物品の吸収性材料又は被覆材料の、中又は上に組成物を導入しようと試みるプロセスには、固有のいくつかの問題が存在する。研究室の環境で機能する場合の、あるこれらのような手順は、自動化された製造プロセスへの適用から除外される場合がある。
【0009】
例えば、活性添加剤が付随するタンポンの製造中、注意深い投薬が要件の1つである場合、活性添加剤及びそのキャリアは、均質にかつ適切な濃度及び純度で溶液中に維持されなければならない。これらの要件は、通常の運転中達成するのが困難であり、タンポンの機械が停止したときには、維持するのが更に著しく困難である。更に、異なる密度のタンポンは適用された活性添加剤組成物を別々に吸収して、異なるタンポンに対するタンポン中への剤の吸収にばらつきが生じる場合がある。
【0010】
具体的には、成分を賦形剤及び活性化合物に絶え間なく攪拌又は混合するという要件は、製造設備が通常運転周期中に停止したとき、組成物を均質に保つ方法に関する不安をもたらす。インラインミキサの使用及び機械が停止している間の、液体化合物を収容している加熱された治療薬及び賦形剤の再循環は、溶液の移動及び混合を維持する方法を提供できる。
【0011】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、機械は数時間停止する場合があるため、一部の化合物混合物の安定性は、長期間の高温、又は再循環している溶液の連続ポンピングに起因する機械的剪断力により危険にさらされる場合があり、それもまた多くの機械の保全に関連する問題に遭遇し、この問題を克服するために、組成物を物品中に組み込むための有効な方法に対する必要性が存在する。
【0012】
〔課題を解決するための手段〕
我々は、組成物を膣、口、鼻及び/又は直腸腔に送達するのに有用な製品中に組成物を組み込むための、改良された方法を見出した。
【0013】
我々は、組成物を、続いて物品に組み込まれる少なくとも1種のキャリアに付随させることが、先行技術の多くの加工の問題を克服することを見出した。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、体腔への挿入に好適な物品は、第1構造体と、実質的に前記第1構造体を収容しているカバーと、これもまた実質的にカバーにより収容されている少なくとも1種のキャリアに付随するろう様組成物と、を含む。第1構造体は、体腔に収まるように配置され形づくられている。カバーは、実質的に液体透過性材料である。ろう様組成物は、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む。
【0015】
本発明の代替実施形態では、体腔への挿入に好適な物品を製造する方法は、a)ろう様組成物を少なくとも1種のキャリアに適用する工程と、(b)体腔に収まるように配置され形づくられた第1構造体を提供する工程と、(c)第1構造体及び少なくとも1種のキャリアを、液体透過性材料を含む材料のカバー内に実質的に封入する工程と、を含む。ろう様組成物は、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態の例を、ここに図面を参照しながら記載する。
【図1】巻いた形の物品の実施形態の斜視図。
【図2】図1に示した物品の断面図。
【図3】巻いた形の物品の別の実施形態の斜視図。
【図4】図3に示した物品の断面図。
【図5】折り畳んだ形の物品の実施形態の斜視図。
【図6】図5に示した物品の断面図。
【図7】物品の構成を示す物品の横断面図。
【図8】巻いた形の物品の更に別の実施形態の断面図。
【図9】巻いた形の物品の更に別の実施形態の断面図。
【図10】折り畳んだ形の物品の更に別の実施形態の断面図。
【図11】活性成分の付随したキャリアの均一な適用を示す、折り畳んだ形の物品の実施形態の斜視図。
【図12】前端部で活性成分の付随したキャリアの適用を示す、折り畳んだ形の物品の実施形態の斜視図。
【図13】実質的に均質な第1構造体を有する物品の更に別の実施形態の斜視図。
【図14】図13に示した物品の断面図。
【図15】図13に示したような物品の製造プロセスの概略図。
【図16】図2及び4に示したような物品の製造プロセスの概略図。
【図17】図8〜10に示したような物品の製造プロセスの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載するような発明を、活性成分のような組成物を膣に送達するために、膣腔に収まるように設計された物品の例として、タンポンを用いて例示の目的のために記載する。しかしながら、本発明は、口、鼻及び直腸のような他の体腔の組織に、又はそれを通して組成物を送達する類似の方法に適用されるため、本発明は本明細書に記載する例に限定されるべきではない。製品の形状又は寸法は、最大限の効果及び快適性を与えるように、体腔の解剖学的構造体に依存して変化してよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、「第1構造体」は吸収性及び/又は非吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は、セルロース若しくはセルロース誘導体繊維、綿、デンプン、レーヨン、スポンジ、木材パルプ、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、架橋カルボキシメチルセルロール、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸若しくはこれらの混合物、又はヒドロゲルから成ってもよいが、これらに限定されない。
【0019】
ろう様材料は若干粘着性である傾向があり、生産中このようなろう様材料でコーティングされた又は含浸されたシートの取り扱いに関して特に困難が生じる。シート及びそのろう様材料は、機械の部品にくっついて、その後のプロセスで機械装置を汚す傾向がある。
【0020】
非吸収性材料は、部分的に又は完全に非吸収性であってもよく、又はわずかな吸収性のみを有してもよい。より好ましくは、非吸収性材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アラミド、ナイロン、アクリル、合成繊維、二成分又はこれらの混合物で構成されるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「液体透過性」及びその変形は、水又は体液のような液体がカバーを通過できることを示す。
【0022】
液体透過性カバーは、多孔質基材を有する織布又は不織布材料から形成できる。織布及び不織布材料は、文献で周知であり、任意のこのような液体透過性カバーを本発明の送達に適用する又は使用する場合のある当業者に容易に理解されるであろう。液体透過性カバーは、予め有孔フィルムに加工されている非多孔質材料から形成することができる。孔あけプロセスは文献で周知であり、任意のこのような液体透過性カバーを本発明の送達に適用する又は使用する場合のある当業者に容易に理解されるであろう。
【0023】
1つの好ましい実施形態では、組成物は、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択されるろう様組成物である。
【0024】
前記モノエステル及びジエステルの脂肪酸部分は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸由来であってよく、これらはその鎖長が、それぞれ、C8、C10、C12、C14、C16及びC18である、飽和脂肪酸である。前述のモノエステル及びジエステルの脂肪酸部分は、同様にC8〜C18の範囲で変動する炭素鎖長を有する不飽和脂肪酸由来であってもよく、このような不飽和脂肪酸の1例はオレイン酸である。本発明の実施で用いるための好ましい脂肪酸は、その化学式がC11H23COOHである、飽和脂肪酸である、ラウリン酸である。
【0025】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるとき、用語「脂肪族」は、通常の有機化学で認められている意味を有する、すなわち、「脂肪族」は、構成物質の炭素原子の直鎖又は分岐鎖配置により特徴付けられる有機化合物を指す。
【0026】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いるとき、用語「多価」は、少なくとも2つのヒドロキシル(OH)基の化学的化合物の存在を指す。したがって、多価脂肪族アルコールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、炭素骨格が直鎖又は分岐鎖であるものである。
【0027】
本発明の実施で用いるためのモノエステル及び/又はジエステルの形成に好適な多価アルコールは、1,2−エタンジオール、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール等である。本発明の実施で用いるためのモノエステル及びジエステルの形成に好ましい多価脂肪族アルコールは、その式がHOCH2CH(OH)CH2OHである、1,2,3−プロパントリオール(一般的にグリセロールと呼ばれる)である。
【0028】
グリセロールのモノエステル及び指定された脂肪酸の1つを、本発明の実施で用いてよい、なぜならそのエステルはグリセロール由来の、それに結合した2つのヒドロキシル基を有するためである。グリセロールのジエステル及び指定された脂肪酸の1つを用いてもよく、なぜならエステルは脂肪族アルコールグリセロール由来の、それに結合した1つのヒドロキシル基を有するためである。実際には、以後に見られるように、グリセロールモノラウレート及びグリセロールジラウレートのブレンドは、本発明の実施で有用であることが見出されている。本発明の実施で用いるための好ましいエステルは、グリセリルモノラウレート、グリセリルジラウレート及びこれらの混合物である。
【0029】
より詳細に図面を参照すると、図1〜15は、膣、口、鼻及び直腸腔を通して活性成分を送達するよう設計された、本発明の物品10を示し、図16及び17はその製造方法を示す。物品10は、しかしながら、多くの他の形態であることができ、これらの図に示したような特定の構成を有する構造体に限定されない。
【0030】
図に見られるように、物品10は、一般に、第1構造体20、カバー30、及び活性成分の付随したキャリア50を含む。物品10は、物品10を体腔に挿入するための前端部13、中心部14、及び物品10を掴握する又は引き出すための後端部15を有することができる。第1構造体20は、ロールの形態であることができ、例えば、図1、2及び8に示すように繊維質スライバーの中心部の周りに巻き付けられる(米国特許第4,816,100号(フリーゼ(Friese))により十分に記載されており、この内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)、又は図3、4及び9に示すように回旋状に巻かれた構成で、若しくは図5、6及び10に示すようにひだを寄せた構成で巻き付けられる。第1構造体20はまた、図13及び14に示すように、実質的に均質(ゆるい又は比較的剛性である)であることもできる。
【0031】
第1構造体20は、前端部23が物品10の前端部13に整列し、中心部24が物品10の中心部14に整列し、後端部25が物品10の後端部15に整列した状態の、外表面21及び内表面22を含む。
【0032】
第1構造体20は、第1構造体20の外表面21に面する内表面32及び体腔に面する外表面31を含むカバー30で実質的に封入される。活性成分40の付随したキャリア50は、実質的に物品内に位置する。
【0033】
図8〜12に見られるように、キャリア50は、一般的にカバー30と第1構造体20との間に位置する。図1〜6に示す本発明の代替実施形態では、キャリア50は第1構造体20内に埋め込まれている。
【0034】
図11及び12に最もよく見えるように、少なくとも1つのキャリア要素50が存在でき、キャリアの場所は特定の目的のために最適化することができる。具体的には、キャリア50は、任意の端部に集めることができる、又はキャリアは、物品10の全体上に均一に定置できる。キャリア50は、リボン様のストリップ又は単繊維又は多繊維のひもの形態であることができる。
【0035】
図に見られるように、本発明の物品10は、円筒形、球形又は楕円形を含む細長い繊維構造体であり、物品10の寸法を簡単に理解できるようにするために、図1は、物品10の周りに形成された長手方向軸X−X’及び横軸Y−Y’を示す。
【0036】
一般に、本発明の物品の製造方法は、典型的には2つの工程に分けられる。
工程1:塗布される選択された組成物を好適な希釈剤に溶解させて、均一にキャリアに塗布される液体混合物を形成してもよい。希釈剤は取り除いてもよく(例えば、揮発性溶媒)、又は必要に応じてコーティング組成物の一部として残してもよい。選択された組成物でコーティングされたキャリアは、巻き取り又は別の方法で、製品に加工するのが望ましくなるまで、保存してよい。
工程2:図16に示す、1つの実施形態では、第1構造体20を形成するのに有用な材料、例えば、吸収性繊維スライバー66が供給され、キャリア供給機67からのコーティングされたキャリア68と組み合わせられる。スライバー66及びコーティングされたキャリア68は、引張ロール69を通して引き出され、次いで切断所71を通過する。得られるスライバー66とコーティングされたキャリア68との組み合わせは、ある長さのカバー材料74と組み合わせられる。カバー材料74の長さは、ローラ73及びカバー切断所72により規定される。スライバー、キャリア及びカバーは、形成機、例えば、巻き取り機75の要件により、巻き取られる又は折り畳まれる。したがって、形成された物品は、次いで、タンポンプレス機76等に更なる加工のために移動させることができる。
【0037】
図17で示す代替実施形態では、コーティングされたキャリア68は、図16で示すプロセスのようにスライバーではなく、カバー材料74とともに供給される。カバー材料74及びキャリア68は、次いで、形成機75でスライバー66の外側部分を巻き付ける。再び、得られる物品は、次いで、タンポンプレス機76等に更なる加工のために移動させることができる。
【0038】
〔実施態様〕
(1) 体腔に挿入するのに好適な物品であって、
a)第1構造体と、
b)実質的に前記第1構造体を収容している液体透過性材料を含むカバーと、
c)前記カバーにより実質的に収容されている、少なくとも1種のキャリアに付随したろう様組成物であって、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、ろう様組成物と、を含み、
前記第1構造体が体腔に収まるように配置され形づくられた、物品。
(2) 前記第1構造体が吸収性である、実施態様1に記載の物品。
(3) 前記第1構造体が実質的に非吸収性である、実施態様1に記載の物品。
(4) 前記少なくとも1種のキャリアが、前記第1構造体の外表面と前記カバーの内表面との間に位置する、実施態様1に記載の物品。
(5) 前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体の前記外表面に巻き付けられている、実施態様4に記載の物品。
(6) 前記少なくとも1種のキャリアが前記カバーに取り付けられている、実施態様4に記載の物品。
(7) 前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体内に収容されている、実施態様1に記載の物品。
(8) 前記少なくとも1種のキャリアが、実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、実施態様1に記載の物品。
(9) 前記少なくとも1種のキャリアが、複数の実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、実施態様8に記載の物品。
(10) 前記少なくとも1種のキャリアが繊維質のひもを含む、実施態様1に記載の物品。
(11) 前記繊維質のひもが単繊維のひもである、実施態様10に記載の物品。
(12) 前記繊維質のひもが多繊維のひもである、実施態様10に記載の物品。
(13) 前記少なくとも1種のキャリアが有孔フィルム構造体を含む、実施態様1に記載の物品。
(14) 前記カバーが有孔フィルムを含む、実施態様1に記載の物品。
(15) 前記カバーが不織布を含む、実施態様1に記載の物品。
(16) 前記脂肪酸がラウリン酸である、実施態様1に記載の物品。
(17) 前記多価アルコールがグリセロールである、実施態様1に記載の物品。
(18) 前記化合物がグリセリルモノラウレートを含む、実施態様1に記載の物品。
(19) 体腔に挿入するのに好適な物品の製造方法であって、
a)ろう様組成物を少なくとも1種のキャリアに適用する工程であって、前記ろう様組成物が、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステルと、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、工程と、
b)体腔に収まるように配置され形づくられた第1構造体を提供する工程と、
c)液体透過性材料を含む材料のカバー内に前記第1構造体及び前記少なくとも1種のキャリアを実質的に封入する工程と、を含む、方法。
(20) 前記少なくとも1種のキャリアが前記材料のカバーに取り付けられている、実施態様19に記載の方法。
(21) 前記少なくとも1種のキャリアが実質的に前記第1構造体の外表面に巻き付けられている、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記少なくとも1種のキャリアが前記第1構造体内部に実質的に収容されている、実施態様19に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔に挿入するのに好適な物品であって、
a)第1構造体と、
b)実質的に前記第1構造体を収容している液体透過性材料を含むカバーと、
c)前記カバーにより実質的に収容されている、少なくとも1種のキャリアに付随したろう様組成物であって、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、ろう様組成物と、を含み、
前記第1構造体が体腔に収まるように配置され形づくられた、物品。
【請求項2】
前記第1構造体が吸収性である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1構造体が実質的に非吸収性である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記少なくとも1種のキャリアが、前記第1構造体の外表面と前記カバーの内表面との間に位置する、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体の前記外表面に巻き付けられている、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記少なくとも1種のキャリアが前記カバーに取り付けられている、請求項4に記載の物品。
【請求項7】
前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体内に収容されている、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記少なくとも1種のキャリアが、実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記少なくとも1種のキャリアが、複数の実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記少なくとも1種のキャリアが繊維質のひもを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記繊維質のひもが単繊維のひもである、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記繊維質のひもが多繊維のひもである、請求項10に記載の物品。
【請求項13】
前記少なくとも1種のキャリアが有孔フィルム構造体を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記カバーが有孔フィルムを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記カバーが不織布を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記脂肪酸がラウリン酸である、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記多価アルコールがグリセロールである、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記化合物がグリセリルモノラウレートを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
体腔に挿入するのに好適な物品の製造方法であって、
a)ろう様組成物を少なくとも1種のキャリアに適用する工程であって、前記ろう様組成物が、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステルと、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、工程と、
b)体腔に収まるように配置され形づくられた第1構造体を提供する工程と、
c)液体透過性材料を含む材料のカバー内に前記第1構造体及び前記少なくとも1種のキャリアを実質的に封入する工程と、を含む、方法。
【請求項20】
前記少なくとも1種のキャリアが前記材料のカバーに取り付けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1種のキャリアが実質的に前記第1構造体の外表面に巻き付けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1種のキャリアが前記第1構造体内部に実質的に収容されている、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
体腔に挿入するのに好適な物品であって、
a)第1構造体と、
b)実質的に前記第1構造体を収容している液体透過性材料を含むカバーと、
c)前記カバーにより実質的に収容されている、少なくとも1種のキャリアに付随したろう様組成物であって、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステル、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、ろう様組成物と、を含み、
前記第1構造体が体腔に収まるように配置され形づくられた、物品。
【請求項2】
前記第1構造体が吸収性である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1構造体が実質的に非吸収性である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記少なくとも1種のキャリアが、前記第1構造体の外表面と前記カバーの内表面との間に位置する、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体の前記外表面に巻き付けられている、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記少なくとも1種のキャリアが前記カバーに取り付けられている、請求項4に記載の物品。
【請求項7】
前記少なくとも1種のキャリアが、実質的に前記第1構造体内に収容されている、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記少なくとも1種のキャリアが、実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記少なくとも1種のキャリアが、複数の実質的にリボン様の構造体を有する要素を含む、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記少なくとも1種のキャリアが繊維質のひもを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記繊維質のひもが単繊維のひもである、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記繊維質のひもが多繊維のひもである、請求項10に記載の物品。
【請求項13】
前記少なくとも1種のキャリアが有孔フィルム構造体を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記カバーが有孔フィルムを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記カバーが不織布を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記脂肪酸がラウリン酸である、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記多価アルコールがグリセロールである、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記化合物がグリセリルモノラウレートを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
体腔に挿入するのに好適な物品の製造方法であって、
a)ろう様組成物を少なくとも1種のキャリアに適用する工程であって、前記ろう様組成物が、
i)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するモノエステルと、
ii)8〜18個の炭素原子を含有する多価脂肪族アルコール及び脂肪酸のジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に結合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル、並びに
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、から成る群から選択される化合物又は化合物の組み合わせを含む、工程と、
b)体腔に収まるように配置され形づくられた第1構造体を提供する工程と、
c)液体透過性材料を含む材料のカバー内に前記第1構造体及び前記少なくとも1種のキャリアを実質的に封入する工程と、を含む、方法。
【請求項20】
前記少なくとも1種のキャリアが前記材料のカバーに取り付けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1種のキャリアが実質的に前記第1構造体の外表面に巻き付けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1種のキャリアが前記第1構造体内部に実質的に収容されている、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−119856(P2010−119856A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−264790(P2009−264790)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264790(P2009−264790)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]