説明

介護清拭オムツ替え補助台

【課題】縦支柱下部に設けた四角のキャスターで支柱を支え、縦支柱に横支柱を取り付けて補強をし、胴体受、脚受、頭受を蝶番で取り付けた胴体載台において、要介護者をベッド上から胴体載台上に移動して、介護者による介護清拭オムツ替えを可能とする。
【解決手段】 左右の胴体受基部1a,1bに胴体受1c,1dを、その胴体受に脚受2a,2b及び頭受3a,3bをそれぞれに蝶番4で取り付けて四角の縦支柱下部にキャスター6を設けて支柱を支えるようにした胴体載台において、胴体受基部に取り付けた左右で一対の胴体受1c,1dと脚受2a,2bと頭受3a,3bを開閉可能に蝶番4で取り付けて、左右の胴体受と脚受とで形成される開口臀部8を設け、重度の要介護者をベッド上から胴体載台上に移動させて該開口臀部より清拭とお尻の洗浄とオムツ替えの儀式をさせることが出来るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重度の要介護者のための介護、清拭、オムツ替えが容易な補助台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
介護用補助具を必要とされる要介護者の段階は重度の場合であって、おむつ交換介護補助ベルト(特許文献1 特開2008−62003号公報)或いは介護補助台(特許文献2 特開平11−151273号公報)のような先行技術が公開されている。特許文献1は、おむつ交換介護作業時に被介護者のお尻部を浮かせた状態が容易にえられ、かつ、保持でき、おむつ交換作業時の補助具となるものや、特許文献2は、ベッド布団の上での排泄、おむつ交換、清拭行為を仰臥のままでなく、上半身を起こした状態で臀部を浮かし、持ち揚げ左右の台座にまたいで座った姿勢で目的の達成を可能にするなど、要介護者に支援をされる介護者の労力に報いるための工夫が行われている。
しかしながら、自宅で介護を受けたいとの要介護者の切なる希望を受け入れつつも、介護の段階は年々進行してゆくため、介護者の作業は一層過重な労力になり、単独では回避することも不可能に近くなる過重な労力となることを可能な限り軽減する補助具として、介護者の介護疲れを救済することができて容易に使用できるものが強く望まれている。
【0003】
しかし、さらに重度の要介護者の段階に至ると、介護の疲れを生じにくく介護者を保護するため、過重な労力となる作業を十分に補佐する必要がある。ベッド上の重度の要介護者は介護補助台の上まで上がることも、ベッドの上でお尻をあげることも困難であって、介護者にとっても自宅で横臥の状態で清拭させてあげるように支援することは更なる難しい問題を伴っているという欠点があった。
【0004】
本発明の目的は、係る欠点のある補助具の問題を解決し、補助台を手軽に使用ができて、重度の要介護者のための介護が容易な補助台を提供することに有る。
【0005】
本発明は、介護のための昇降装置付のベッドと組み合わせ、ベッドそのものには変更を加えることなく、ベッド上では重度の要介護者であっても、横臥の状態で、清拭、お尻の洗浄、オムツ替えなどをさせてあげられるようにすることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−62003号公報
【特許文献2】特開平11−151273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、重度な要介護者を抱えて要介護者の日常生活を補助し、清拭並びに洗浄及びオムツ替えを補助する介護において、要介護者の体重を持ち上げて、その下に容器や洗浄器及びオムツを入れることは、複数の介護者の協力無には非常に重労働であり、要介護者のベッド周りを清潔に保つ上で障害となる。本発明の課題は、介護者の単独の力では要介護者の体重を持ち上げて、清拭、お尻の洗浄及びオムツ替えの儀式をすることはできない点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、介護者の単独の力でベッド上の要介護者の体重を持ち上げて、要介護者のために清拭並びに洗浄及びオムツ替えの補助介護を可能とするため、昇降装置付きベッド上の要介護者をベッドに垂直な方向に持ち上げてベッド上と補助台との間に一定の空間を設けて、ベッド上に清拭容器等を置き補助台上で介護することを最も主要な特徴とする。
補助台に設ける胴体載台上の左右の胴体受を胴体受基部に蝶番で取り付け、胴体受に脚受及び頭受をそれぞれに蝶番で取り付けて、4本の縦支柱に横支柱を取り付けて、縦支柱の下部にキャスターを設けて横支柱を支えるようにした補助台において、介護清拭オムツ替えをすることで、介護者が1人であってもベッドから要介護者を胴体載台上へ移動させて、介護清拭オムツ替えの儀式をする用途に使用を可能とする。
解決手段としては、四角の縦支柱床面に接してキャスターを設け、その縦支柱には横支柱を設けて、縦支柱下部の四角のキャスターで縦支柱及び縦支柱に設けた横支柱を支え、胴体受基部には左右の胴体受、胴体受には一対の脚受と一対の頭受を蝶番で取り付けてなる胴体載台を設けた補助台において、縦支柱に設けた胴体受基部に左右の胴体受を取り付けて、その胴体受には脚受と頭受を蝶番で開閉可能に取り付けて、水平状態になる胴体載台を設けたものである。補助台の胴体載台には重度の要介護者に清拭をさせるために、左右の胴体受を水平にすることにより形成される開口臀部を設け、該開口臀部からの清拭と洗浄やオムツ替えの儀式をさせることが出来るようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の補助台は、ベッドの上面から要介護者を上方の胴体載台上へ移動して、胴体載台上で要介護者を介護するため、ベッド上面の高さを上下に調節できる昇降装置を備えているベッドと組み合わせて使用することができることを要し、昇降装置の操作によってベッドの高さを胴体載台の下側に接するまで上昇させて、要介護者はベッド上から胴体載台に移動させて、清拭とお尻の洗浄及びオムツ替えをさせられるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は補助台の実施方法を示した斜視図の説明図である。(実施例1)
【図2】図2は補助台の実施方法を示した背面図の説明図である。(実施例1)
【図3】図3は補助台の実施方法を示した側面図の説明図である。(実施例1)
【図4】図4は補助台の実施方法を示した平面図の説明図である。(実施例1)
【図5】図5は補助台の実施方法を示したA−A線断面図の説明図である。(実施例1)
【図6】図6は補助台の実施におけるベッド上に横臥する要介護者を介護する順序を矢印により示した側面の説明図である。(実施例1)
【図7】図7は補助台の実施におけるベッド上に補助台を移動して、横臥する要介護者の足元方向を示す背面の説明図である。
【図8】図8は補助台の実施におけるベッドを上昇させて、要介護者の介護手順を矢印により示した背面(上昇したベッドに横臥させた要介護者の足元)の説明図である。(実施例1)
【図9】図9は補助台の実施における介護の手順を矢印により示した背面(ベッド上の要介護者を90度回転させた足元の状態)の説明図である。(実施例1)
【図10】図10は補助台の実施における介護の手順を矢印により示した背面(更に要介護者を180度横に半回転した足元の状態)の説明図である。(実施例1)
【図11】図11は補助台の実施における介護の手順を矢印により示した背面(胴体受を水平に倒して要介護者を横臥させた足元の状態)の説明図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0011】
介護者は要介護者をベッドの上から補助台の上へ移動させて要介護者による清拭オムツ替えをするという目的を、介護者の労力を軽減して、要介護者の苦痛を伴わずに実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明介護清拭オムツ替え補助台の1実施例の構成を示す斜視図であって、1〜8は、図2〜5と同様である。
図6は、本発明介護清拭オムツ替え補助台を用いてベッドの上に移動させて、横臥している要介護者を補助台の上へ移動させて、清拭、お尻の洗浄、オムツ替えをさせる介護手順を示す側面図であって、 8〜12は、図7〜11と同様である。
符号について各部の名称を説明すれば、1a,1bは 胴体受基部、 1c,1dは胴体受、2a,2bは 脚受、 3a,3bは 頭受、 4は 蝶番、 5aは 縦支柱、 5bは 横支柱、 6は ロック付きキャスター、 7は 補強材、 8は 開口臀部、 9は ベッド、 10は 防水マット、 11は 合成板材、 12は 角パイプ、 13は 鉄板、 14は パイプである。

【0013】
介護清拭オムツ替え補助台の実施例は、四角の縦支柱の下部に設けたロック付きキャスター6を有する垂直な縦支柱5aに直角に横支柱5bを設けて、其の縦支柱に胴体受基部1a,1bを設け、補強材7で縦支柱5aと胴体受基部1a,1bとを連結して補強し、胴体受基部に左右の胴体受1c,1d、胴体受に脚受2a,2bと頭受3a,3bのそれぞれを蝶番4で取り付けてなる胴体載台において、左右の脚受2a,2bと頭受3a,3bを蝶番4で開閉可能に胴体受1c,1dに取り付けてある。左右の胴体受と、脚受と、頭受をそれぞれに蝶番で開いて胴体載台を平面に形成すると胴体受基部に設けた左右の胴体受1c,1d及び脚受2a,2bにより開口臀部8が形成されるようにした。開口臀部8の形を特定し、その形に合わせて左右の脚受の取り付け位置の間隔を特定したものにする。開口臀部8を胴体載台に設けて、該開口臀部8からの清拭、お尻の洗浄をすることが出来る。介護者は、重度の要介護者をベッドの上から胴体載台上に移動させてこのような儀式をすることになる。
【0014】
実施例に係る介護清拭オムツ替え補助台を介護者が使用されるためには、要介護者のために
使用されているベッドに床上からベッドまでの高さ調節装置が備えてあり、ベッド高低の調節が自
在にできることが必要であり、その高さ調節機能を備えているベッドとの組み合わせにより本発明
の実施例を使用できる。
【0015】
実施例の補助台を使用して介護者が要介護者の清拭やオムツ替えのために使用する手順につ
いて説明すれば、要介護者をベッドの上から胴体載台へ移動させて、清拭をする開口臀部8か
ら清拭及び洗浄を行わせて、乾布で拭き取り、乾燥後、更にオムツ替えをさせることが出来るよう
にした。
【0016】
図6に示した如く要介護者は、補助台の前のベッドの上に横臥している状態である。ベッドには昇降装置を備えており、介護者は補助台をロック付きキャスター6でベッドの真上に移動させてロックし、要介護者が補助台の下側の空間に入った状態にする。
図7に示した如く、介護者が補助台をベッドの上に移動して要介護者は補助台の下側空間に入った時の状態にして、要介護者の真上に胴体受1c.1dが有る。介護者は、胴体受1c,1dを開いて上方へ要介護者を移動できる状態で昇降装置を操作することが肝要である。
【0017】
図8に示したベッドは、昇降装置を操作してベッド上に横臥している要介護者を持ち上げた状態である。介護者は要介護者が横臥しているベッド9の真上に位置している胴体載台の左右の胴体受1c.1dを立てて、脚受2a.2bと頭受3a.3bを蝶番で開いて、昇降装置を操作してベッドを上方向へ移動させ、要介護者を胴体載台の高さに位置させる。
【0018】
図9及び図10に基づいて、介護者が要介護者を胴体載台へ載せる手順について説明する。図9に示した如く、要介護者を90度回転して其の背中側を起こして胴体受1dを降ろし、更に図10に示した如く横臥した要介護者を逆に半回転させて其の背中側に胴体受1cを降ろして、胴体載台を平面に形成して其の上に要介護者を横臥させる。
図10に示した如く、ベッドを下方矢印に従って昇降装置を操作してベッド上面を下げて、図11に示すように胴体載台の下側に空間を形成してベッド上に清拭や洗浄のための容器等を配置することができる。

【0019】
介護者はこのような使用手順を経て、ベッド上に容器を置き胴体載台上の要介護者に清拭をさせる。開口臀部8からの清拭及び洗浄を行わせて、乾布で拭き取り、乾燥後、更にオムツ替えをさせることが出来るようにしたので介護の労力を軽減すると共に要介護者への緊密な介護支援をする効果がある。要介護者が清拭、お尻の洗浄、オムツ替えを終わらせて、胴体載台からベッド上へ降りられる場合には、介護者は、前記の使用手順と逆の手順を行うことでベッド上に横臥することが出来る。
【0020】
図5の実施例は補助台のA−A線断面図により、胴体載台の構造を示すものであり、胴体載台は左右の縦支柱5aに設けた胴体受基部1a,1b、胴体受1c,1d、脚受2a,2b及び頭受3a,3bから構成される。胴体載台は図5に示したA−A線断面図において説明すれば、角パイプ12とパイプ14に鉄板13を設けて、其の上に合成板材11及び合成板材11の上に防水マット10が敷かれていて、要介護者を角パイプ12、パイプ14に直接接触させないように保護している。胴体受1c,1d、脚受2a,2b及び頭受3a,3bを一対に構成する。それぞれに蝶番で回動するように取り付けているので、このことによって、胴体載台の各部を折り畳める機能は補助台を入れる寝室を広く使えるように役立たせるものである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
重度の要介護者を介護する労力の軽減をするために、複数の介護者が互いに協力扶助すること無に、清拭、お尻の洗浄をさせることも出来なかった。しかし、本発明の補助具によりベッド上面と胴体載台との間に形成される空間を利用して要介護者の背中側に清拭用容器、洗浄剤を入れた洗浄用ノズルを備えた容器を入れて、要介護者のお尻の下にて介護者は開口臀部より介護をすることが出来るようになる。実施例の補助台で、清拭、お尻の洗浄、オムツ替えの儀式を行う用途にも適用できるものである。
【符号の説明】
【0022】
1a,1b 胴体受基部
1c,1d 胴体受
2a,2b 脚受
3a,3b 頭受
4 蝶番
5a 縦支柱,5b 横支柱
6 キャスター
7 補強材
8 開口臀部
9 ベッド
10 防水マット
11 合成板材
12 角パイプ
13 鉄板
14 パイプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の胴体受基部に胴体受、胴体受に脚受及び頭受をそれぞれ蝶番で取り付けて、横支柱を縦支柱に取り付けその下部にキャスターを設けて支えるようにした胴体載台において、左右で一対の胴体受と脚受をそれぞれ蝶番で開閉可能に取り付けて、重度の要介護者をベッド上から移動させる胴体載台上に清拭をさせる開口臀部を設け、該開口臀部からの清拭と洗浄及びオムツ替えの儀式をさせることが出来るようにしたことを特徴とする介護清拭オムツ替え補助台。
【請求項2】
開口臀部において、胴体受基部に蝶番で取り付けた左右一対の胴体受とその胴体受に蝶番で取り付けた一対の脚受をそれぞれ開閉可能に取り付けてなる胴体載台を有することを特徴とする請求項1に記載の介護清拭オムツ替え補助台。
【請求項3】
左右の胴体受基部と縦支柱とを補強材で連結し、その胴体受基部に胴体受を蝶番で取り付け、その胴体受に蝶番で取り付けた一対の頭受を開閉可能に取り付けてなる胴体載台を有することを特徴とする請求項1又は2のいづれかに記載の介護清拭オムツ替え補助台。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−130590(P2012−130590A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287002(P2010−287002)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(510339418)
【Fターム(参考)】