説明

仕上げ剤組成物

【課題】日本で主流である全自動洗濯機は環境意識の高まりから節水化が進んでいる。布当たりの水量(浴比)が小さい場合、衣類が絡みやすく、強固な洗濯じわが発生しやすい。繊維の滑り性を向上させ、洗濯時の衣類の絡まりと洗濯じわを抑制することができる仕上げ剤組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)〜(C)を含有する仕上げ剤組成物(A)シリコーン化合物、(B)カチオン性を有する水溶性高分子、及び(C)組成物の全量を基準として0.1〜30質量%の無機塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料などの繊維製品に有用な仕上げ剤組成物に関し、更に詳しくは、滑り性に優れた仕上げ剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、シリコーン化合物とカチオン性を有する水溶性高分子化合物を併用することで、柔軟性、滑らかさ、ドレープ性を付与し、透明感の高い液外観を有する液体柔軟剤組成物が提案されている(特許文献1)。
特許文献2には、含フッ素系重合体又はシリコーン化合物とカチオン界面活性剤又はカチオン性高分子を含有する組成物が開示されている。しかし、該組成物は色彩回復剤に関するものであり、衣類等の繊維製品の滑り性を向上させるものではない。
【0003】
【特許文献1】特開2004-131896号公報
【特許文献2】特開2001-336069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日本で主流である渦巻き式の全自動洗濯機は、環境に対する意識の高まりから、年々節水化が進んでいる。それに伴い、布当たりの水量(浴比)が少なくなっており、僅かな水の中で布が攪拌され洗濯が行われることから、衣類が絡みやすく、強固な洗濯じわが発生しやすい状態になっている。
そこで、本発明により、洗濯時の絡みを少なくし、さらに衣類の絡みをほどきやすくする繊維の滑り性に優れた仕上げ剤組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、シリコーンとカチオン性高分子に特定量の無機塩を加え、洗濯時の最終すすぎ時に浴中添加することにより、無機塩を加えない仕上げ剤組成物を添加した場合に比べて、繊維の滑り性が良好になることを見出した。すなわち、本発明は、下記(A)〜(C)を含有することを特徴とする仕上げ剤組成物を提供する:
(A)シリコーン化合物、
(B)カチオン性を有する水溶性高分子、及び
(C)組成物の全量を基準として0.1〜30質量%の無機塩。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、繊維の滑り性を向上させ、洗濯時の衣類の絡まりと洗濯じわを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の(A)成分は、シリコーン化合物である。このシリコーン化合物は、繊維製品に吸着した時に、滑り性を付与することが可能であれば特に限定されない。一般的に繊維処理に使用されているシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
このシリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。また、変性シリコーン化合物は1種類の有機官能基により変性されていても構わないし、2種以上の有機官能基により変性されていてもよい。
シリコーン化合物はオイルとして使用でき、また任意の乳化剤によって分散された乳化物としても使用できる。さらに、後述する(B)成分による(A)成分のシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を高め、滑り性を高める点から、(A)成分のシリコーン化合物は、非イオン性であることが好ましく、より好ましい例としては、ジメチルシリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン及び、アミノ変性シリコーンが挙げられる。
【0008】
このなかでも特に好ましいシリコーン化合物として、仕上げ剤組成物を透明にし、商品価値を高めることができる等の観点から、ポリエーテル変性シリコーンを挙げることができる。本シリコーンは、ポリエーテル基を有しないジメチルシリコーンに比べ、キシミ感が少なく良好な滑り性を有するとともに、透明な仕上げ剤組成物を得るのに好適である。好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1〜3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(I)又は (II)で表される化合物が挙げられる。
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、M、N、a及びbは平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Mは10〜10000、好ましくは100〜300、Nは1〜1000、好ましくは1〜100、かつM>Nであることが好ましく、aは2〜100、好ましくは2〜50、bは0〜50、好ましくは0〜10が好ましい。Rとしては水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。従って、ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、ポリエーテル変性シリコーン中の存在量として30ppm以下(Si−Hの量として)で存在していることが好ましい。





【0011】
【化2】

【0012】
(式中、A、B、h、及びiは平均重合度であり、Rはアルキル基を表し、R’は水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Aは5〜10000、Bは2〜10000であることが好ましく、hは2〜100、iは0〜50が好ましい。Rとしては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。R’としては水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
上記線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
【0013】
本発明で用いるポリエーテル変性シリコーンオイルの具体的な例としては、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、SH8700、BY16−850、BY22−008、SF8421、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09、ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−2222、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明で用いる(A)成分のシリコーン化合物の配合量は特に限定されないが、滑り性と組成物の粘度の点から、組成物の全質量をベースとして、1.5〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは2.5〜25質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。これにより、滑り性などの効果を優秀なものとすることができ、かつ、粘度の上昇を抑えて使用性を良好なものとすることができる。
【0014】
本発明の(B)成分は、(A)成分のシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を有するものである。カチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、水に溶解した時にカチオン性を有するものが使用し得るが、特にカチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、アミノ基、アミン基、第4級アンモニウム基から選ばれる1種以上のカチオン性基を有する水溶性高分子化合物が好ましい。なお、本発明において、水溶性高分子とは、25℃の水100gに対し、高分子化合物1gを加えたときに、その液が濁らず透明であるものをいう。
(B)成分のカチオン性を有する水溶性高分子化合物は、カチオン化度が0.1%以上のものが好ましく、例えば0.1〜35%であるのがよく、特に2.5%以上が好ましく、例えば2.5〜15%であるのがよい。カチオン化度がこのような条件を満たすことにより、共存するシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を優秀なものとすることができ、かつ、多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
ここで、カチオン化度とは、高分子化合物がカチオン性モノマーの重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、及びノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)の場合には下記式(1)により、また、高分子化合物がカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、及びカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体の場合には、下記式(2)により算出される値と定義する。
【0015】
カチオン化度(%)=X×Y×100 …式(1)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y−Z)×100 …式(2)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
【0016】
カチオン化度の算出例として、下記式(III)で表されるMERQUAT280(NALCO社製)の場合を示す。
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)=
14×(4.95×10-3−2.78×10-3)×100=3.0
である。
【0017】
【化3】

【0018】
(MERQUAT280)
塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20
よって、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0となる。
【0019】
(B)成分の水溶性高分子は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が、1,000〜5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜500,000である。これにより粘度の上昇を抑えて使用性を優秀なものとすることが可能となる。
(B)成分の例としては、MERQUAT100(NALCO社製)、アデカカチオエースPD−50(旭電化工業(株))、ダイドールEC−004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、MERQUAT550 JL5(NALCO社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、MERQUAT280(NALCO社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、レオガードKGP(ライオン(株)製)等のカチオン化セルロース、LUVIQUAT−FC905(B・A・S・F社製)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、LUGALVAN−G15000(B・A・S・F社製)等のポリエチレンイミン、ポバールCM318((株)クラレ製)等のカチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられるが、水に溶解時にカチオン性を有する高分子化合物であればよく、本例に限定されるものではない。
この中で、シリコーンの付与する滑り性などの風合いを妨げない観点から、(B)成分単独で吸着した時に繊維に付与する剛性の小さいものが好ましい。
特に好ましい高分子としては、下記一般式(IV)に示すジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られるカチオン性高分子である。この高分子の構造単位は、通常、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表わされる。また、一般式(V)の構造単位と一般式(VI)の構造単位が共に含まれていてもよい。
【0020】
【化4】

(式中X-は、塩化物イオン、臭化物イオンなどの任意のマイナスイオンを示す。)












【0021】
【化5】

【0022】
【化6】

(式中、c、dは、各々平均重合度であり、各々6〜30000の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜6000、さらに好ましくは30〜3000の範囲である。)
【0023】
このような高分子の例としては、MERQUAT100(NALCO社製)、アデカカチオエースPD−50(旭電化工業(株)製)、ダイドールEC−004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の(B)成分としては、上記のカチオン性を有する水溶性高分子化合物を1種単独で用いてもよいし、混合物として用いることもできる。
(B)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品に剛性を付与しない範囲のものとするのが好ましく、例えば、組成物の全質量をベースとして、0.05〜15質量%とするのがよく、さらに好ましくは0.25〜5質量%とするのがよい。(B)成分の配合量をこのような範囲のものとすることにより、シリコーンの吸着促進効果が高めて、滑り性を十分なものとすることが可能となり、かつ、粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
【0024】
本発明の仕上げ剤組成物中において、(A)成分:(B)成分の質量比は、99:1〜1:99の範囲内である。好ましくは99:1〜50:50の範囲である。このような範囲内の比とすることにより、ポリエステルサテン対し、滑り性等の風合いの優れた機能が得られる。尚、(B)成分の割合がこの範囲内にあることにより、シリコーンの繊維への吸着性を良好なものとすることができる。
【0025】
本発明組成物の(C) 成分に使用される無機塩としては、滑り性向上の観点から、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の水溶性のアルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩が好ましい。塩化アルミニウムもまた好ましい。無機物は、水和物又は無水物の形態であってもよいが、無水物の形態であるのが好ましい。これらの中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムが特に好ましい。
本発明で用いる(C)成分の無機塩の配合量は、滑り性と溶解性の点から、組成物の全質量をベースとして、0.1〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。
【0026】
さらに、本発明の仕上げ剤組成物には組成物の外観を透明にするため、また、保存安定性を高めるために、ノニオン性界面活性剤および水溶性溶剤を配合することができる。
非イオン性界面活性剤としては、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を1つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8〜20のアルキルアミン、またはアルキルアミドのアルキレンオキシド付加物、炭素数8〜20の飽和または不飽和脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル体またはそれらの混合物などが挙げられる。中でも、下記一般式(VII)で表されるノニオン性界面活性剤が好ましい。
1−T−[(R2O)p−H]q (VII)
(式中、R1は、炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。pは平均付加モル数であり、2〜50、好ましくは5〜30、特に好ましくは5〜20の数を示す。Tは−O−、−N−、−NH−、−N(C24OH)−、−CON−、−CONH−又はCON(C24OH)−であり、Tが−O−、−NH−、−N(C24OH)−、−CONH−、又は−CON(C24OH)−の場合は、qは1であり、Tが−N−又は−CON−の場合は、qは2である。)
【0027】
上記一般式(VII)の化合物の具体例として、下記一般式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)で表される化合物を挙げることができる。
1−O−(C24O)r−H (VIII)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、rは平均付加モル数であり、2〜50、好ましくは5〜30の数である。)
1−O−(C24O)s(C36O)t−H (IX)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、s及びtは平均付加モル数であり、sは2〜40、好ましくは5〜30の数であり、tは1〜20、好ましくは1〜10の数である。(C24O)と(C36O)はランダム又はブロック付加体であってもよい。)
【0028】
【化7】

【0029】
(式中、R1は前記と同じ意味であり、u及びvは平均付加モル数であり、u+vの合計は2〜60、好ましくは2〜40の数である。
ノニオン活性剤の配合量は、組成物の全質量をベースとして、0.05〜10質量%とするのがよく、特に0.25〜8質量%、更に0.5〜5質量%が好ましい。このような配合量とすることにより、保存安定性の向上効果を十分なものとすることができ、かつ、効果が飽和に達した際の余分な添加を抑えて経済性を図ることが可能となり、さらに処理時の泡立ちの点からも好ましいものとすることができる。
【0030】
水溶性溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(VII)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を含有することができる。
3−O−(C24O)y−(C36O)z−H (VII)
(式中、R3は、炭素数1〜8、好ましくは2〜6のアルキル基又はアルケニル基である。y及びzは平均付加モル数であり、yは2〜50、好ましくは2〜30、zは0〜50、好ましくは0〜20の数を示す。)
中でも好ましい例としては、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテル[C49(C36O)(C24O)2H]等が挙げられる。
水溶性溶剤の配合量は、組成物の全質量をベースとして、0.05〜15質量%とするのがよく、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2.5〜7.5質量%とすることができる。
【0031】
本発明では、組成物の芳香のために香料を添加することができる。使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
【0032】
本発明の仕上げ剤組成物には、抗菌効果を付与する目的で、有機系防菌防黴剤、無機系防菌防黴剤の中から1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
有機系防菌防黴剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、二トリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、糖質系、トロポロン系、界面活性剤系、有機金属系のものが含まれる。また、無機系防菌防黴剤としては、金属酸化物、銀系が含まれる。
この中でも、効果と保存安定性の観点から、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、イミダゾール・チアゾール系の有機硫黄化合物、安息香酸類、フェノール系のフェノール化合物、界面活性剤系のカチオン系化合物が好ましく、この化合物1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0033】
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、3−イソチアゾロン基を含む抗微生物性の有機系防菌防黴剤が好ましい。これらの化合物は、1981年5月5日発行のLewisらの米国特許第4,265,899号明細書に開示されている。その例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましい抗菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、更に好ましくは約77質量%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23質量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、ローム・アンド・ハース社のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学(株)製のジュンサイド5(約5質量%エチレングリコール溶液)などのジュンサイドシリーズに例示される市販されているものを使用することができる。
【0034】
イミダゾール・チアゾール系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、類縁化合物として、ジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用でき、それらを任意の混合比で使用することができる。このような化合物としては、アビシア(株)製のプロキセルシリーズ〔BDN(有効分33質量%)、BD20(有効分20質量%)、XL−2(有効分10質量%)、GXL(有効分20質量%)、LV(有効分20質量%)、TN(有効分60質量%)〕、デニサイドBIT・NIPAなどの市販品を用いることができる。
【0035】
安息香酸類、フェノール化合物としては、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、3−メチル−3−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどを使用することができる。
【0036】
カチオン系化合物としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルキノリニウム塩、アルキルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩、アルキルフェノキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルフェノキシエチルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、クロルヘキシジングルコン酸塩などが挙げられる。
【0037】
これらの抗菌剤は、組成物に対して0〜10質量%配合されるのが好ましく、更に好ましい配合量は、0.00001〜5質量%、より好ましくは0.00005〜3質量%である。
【0038】
また、抗菌力を向上する目的で、更に以下の化合物の1種又は2種以上を、組成物に対して0〜0.5質量%、好ましくは0.00001〜0.1質量%用いることができる。化合物としては、ピリチオンナトリウム、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオン、ジメチロールジメチルヒダントイン、DMDMヒダントイン(Lonza社製Glydant、又はGlydan Plus)、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N′−ビス(ヒドロキシメチル)尿素(一般にジアゾリジニル尿素名で発売されている)、N,N″−メチレンビス{N′−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素}、一般にイミダゾリジニル尿素として知られているものなどのイミダゾリジンジオン化合物、ポリメトキシド二環性オキサゾリジン化合物、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどの低分子量アルデヒド、一般式HCl・NH2−(CH23−[−(CH23−NH−C(=NH)−NH−C(=NH・HCl)−NH−(CH23−]x−(CH23−NH−C(=NH)−NH・CNを有するポリヘキサメチレンビグアニドとしても知られているポリアミノプロピルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、クロルヘキシジンとして一般に知られている1,1′−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)、酢酸及びジグルコン酸などの塩である二グルコン酸塩やその二酢酸塩、アビシア(株)製Proxel IB、1−(3−クロラリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド(例えばDow ChemicalからDowicil 200の商品名で発売)、デヒドロ酢酸、一般にプロパミジンイセチオネートとして知られている4,4′−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシプロパンジイセチオネート、一般にヘキサミジンイセチオネートとして知られている4,4′−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンジイセチオネート、12−(4′−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバミドなどのイミダゾール系又はチアゾール系抗菌剤、クロロブタノールとして一般に知られている1,1,1−トリクロロ−2−メチルプロパン−2−オール、クロロブタノール、4,4′−(トリメチレンジオキシ)ビス−(3−ブロモベンズアミジン)ジイセチオネート、ジブロモプロパミジン、ジブロモプロパミジン、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、トリクロカルバンとしても知られているN−(4−クロロフェニル)−N′−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、トリクロサンとして一般的に知られている2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、チバスペシャルティケミカルズ(株)製チノサンHP100(商品名)、塩化亜鉛などの亜鉛化合物が挙げられる。
【0039】
本発明では、組成物の着色のために染料を添加することができる。染料は特に限定されないが、添加の容易さから水溶性染料が好ましく、中でも酸性染料、直接染料から選ばれる水溶性染料の1種又は2種以上であることが好ましい。添加できる染料の具体例は、例えば染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善(株))、染料ノート第22版((株)色染社)、法定色素ハンドブック(日本化粧品工業連合会編、1988年11月28日発行、(株)薬事日報社)等に記載されており、それらを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。染料の配合量は、組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.005〜25ppm、より好ましくは0.05〜15ppmとすることができる。このような配合量とすることにより、仕上げ剤組成物に着色された色が非常に薄くなるのを防止でき、着色効果を充分なものとすることができる一方で、仕上げ剤組成物に着色された色が濃くなりすぎるのを防止できる。
【0040】
本発明では、組成物の香気安定性や色調安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、一般に知られている天然系酸化防止剤、合成系酸化防止剤ともに使用できる。具体的には、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸プロピルの混合物、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、及びクエン酸の混合物、ハイドロキノン、三級ブチルハイドロキノン、天然のトコフェロール系化合物、没食子酸の長鎖エステル(C8〜C22)、例えば没食子酸ドデシル、チバスペシャルティケミカル(株)から入手可能なイルガノックス系化合物、クエン酸及び/またはクエン酸イソプロピル、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩、ジメトキシフェノール、カテコール、メトキシフェノール、カロチノイド、フラン類、アミノ酸類等が挙げられる。
この中で、仕上げ剤剤組成物の外観や保存安定性の観点から、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、メトキシフェノール、トコフェロール系化合物等が好ましい。
酸化防止剤の配合量は、0.005〜0.5質量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0041】
本発明では、消泡剤を配合することができる。消泡剤としては、例えばシリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤、エステル系消泡剤、鉱油系消泡剤、植物油系消泡剤、及び合成油系消泡剤等が挙げられるが、仕上げ剤計量時の泡立ちを抑えて計量性を向上させる観点からシリコーン系の消泡剤が好ましい。シリコーン系消泡剤としては、オイル型消泡剤、コンパウンド型消泡剤、自己乳化型消泡剤、エマルション型消泡剤、粉末型消泡剤及び固形型消泡剤等が挙げられ、この中でも、自己乳化型消泡剤及びエマルション型消泡剤が好ましい。消泡剤の配合量は特に限定されないが、組成物の全質量をベースとして、0.05ppm〜0.5質量%とすることができ、さらに好ましくは0.5ppm〜0.03質量%とすることができる。
本発明の仕上げ剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の家庭用仕上げ剤に使用されている添加剤などを使用することができる。そのような添加剤として、具体的には、カチオン性界面活性剤、流動パラフィン、高級アルコールなどの油剤、尿素、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、後述するpH調整剤等が挙げられる。なお、アニオン性界面活性剤、アニオン性高分子化合物は、配合する場合には、シリコーン化合物の吸着効果を考慮して、(B)成分のカチオン性高分子化合物の含有量よりも低い量で配合するのがよい。
【0042】
本発明の仕上げ剤組成物のpHは特に限定されないが、2〜10の範囲であることが好ましく、3〜7の範囲であることがより好ましい。必要に応じて、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の仕上げ剤組成物は、上記(A)〜(C)成分及び場合により任意成分を含有し、通常、残部は水である。本発明の仕上げ剤組成物の製造は、上記各成分を容器に充填し、これを十分に撹拌した後に水を添加して均一になるまで十分に撹拌することにより行うことができる。
【0043】
本発明の仕上げ剤組成物は、使用方法は特に限定されないが、衣料を通常の洗濯を行い、すすぎの段階ですすぎ水に本発明の組成物を溶解させて処理を行ったり、また、たらいのような容器を用い本発明の組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法などが挙げられる。繊維製品の処理はいずれの方法で行ってもよいが、浴比(繊維製品に対する処理液の比率)は3〜100倍、特に5〜50倍であることが好ましい。すすぎ液中の仕上げ剤の濃度は、0.001〜0.2質量%で用いられることが好ましく、特に0.01〜0.15質量%が効率よく滑り性向上効果が得られる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%部は質量%を示す。
<仕上げ剤組成物の調製>
成分A、D、F、G、H成分を、1000mLビーカーにとり、攪拌羽根を用いて充分に攪拌した。次に、攪拌しながらイオン交換水(J)を添加し、更に攪拌しながら、B、C、E、I成分を添加し、800gの仕上げ剤組成物を調製した。組成物のpHは、5.5に調整した。このようにして得た仕上げ剤組成物(実施例1〜9、比較例1〜4)について、滑り性、布絡み、洗濯じわの評価を行った。尚、各成分の配合量は表5に示す組成物に準じたものとした。
【0045】
下記に実施例及び比較例で使用した成分、共通成分及び評価方法を示す。
<シリコーン化合物>
表1に記載のシリコーン化合物(A−1、2、3)を使用した
【0046】
【表1】

【0047】
なお、A−1は次の様に合成した。すなわち、(CH33SiO(CH3CH3SiO)210(CH3HSiO)9Si(CH3)3で表されるハイドロジェンシロキサン828g、平均組成CH2=CHCH2O(CH2CH2O)9Hで表されるアリル化ポリエーテル210g、エチルアルコール726g及び塩化白金酸のClを中和したものを白金がアリル化ポリエーテルに対して重量で5ppmとなるように秤量して、反応温度80℃で攪拌し5時間反応させポリエーテル変性シリコーンを得た。このシリコーン中の未反応のSiHのH量は10ppmであった。H量は、該シリコーンをアルコール系溶剤に溶解し、NaOH水滴下で発生する水素ガスをガスクロマトグラフィーにより測定した。このポリエーテル変性シリコーンを90gに対して、10gのブチルカルビトールを添加して使用した。
【0048】
<カチオン性を有する水溶性高分子化合物>
表2に記載のカチオン性を有する水溶性高分子化合物(B−1、2、3)を使用した。
【0049】
【表2】

【0050】
<無機塩>
表3に記載の無機塩(C−1〜C−5)を使用した。





【0051】
【表3】

【0052】
<共通成分>
共通成分としては、D:水溶性溶剤、E:消泡剤、F:保存安定化剤、G:抗菌剤、H:香料、I:植物抽出物、J:イオン交換水を添加した。詳細は共通成分1〜5に記す。
<共通成分1>
下記の成分は、[ ]内に示した量(有姿での配合量)を添加した。
D:ブチルカルビトール(協和醗酵(株)製、ブチセノール20-P) [3.8%]、及びエタノール(日本エタノール(株)、一般99合成無変性エタノール) [1.2%〕
E:シリコーン (信越化学工業(株)製、KM-98) [0.0005%]
F:ノニオン界面活性剤 (日本触媒(株)製、ソフタノール50) [1.5%]
G:イソチアゾロン液 (ローム&ハース社製、ケーソンCG-ICP) [0.005%]、及びカチオン界面活性剤 (ライオンアクゾ(株)製、アーカード210-80E) [0.3%]
H:香料組成物A [0.3%]
I:ローズマリー抽出物 (シムライズ(株)製) [0.0005%]
J:イオン交換水 バランス
【0053】
<共通成分2>
下記の成分は、[ ]内に示した量(有姿での配合量)を添加した。
D:エタノール(日本エタノール(株)、一般99合成無変性エタノール) [5.0%]
E:シリコーン (信越化学工業(株)製、X−50−963) [0.0005%]
F:ノニオン界面活性剤 (日本触媒(株)、ソフタノール90) [1.5%]
G:イソチアゾロン液 (ローム&ハース社製、ケーソンCG-ICP) [0.005%]、及び塩化ベンザルコニウム(ライオンアクゾ(株)製、アーカードCB-ICP) [0.3%]
H:香料組成物B [0.3%]
I:ローズマリー抽出物 (ハーマンアンドドライマー(株)、CREMOGEN ローズマリーエキス) [0.0005%]
J:イオン交換水 バランス
【0054】
<共通成分3>
下記の成分は、[ ]内に示した量(有姿での配合量)を添加した。
D:ブチルカルビトール(協和醗酵(株)製、ブチセノール20-P) [3.8%]、及びエタノール(日本エタノール(株)、一般99合成無変性エタノール) [1.2%]
E:シリコーン (信越化学工業(株)製、KM-98) [0.0005%]
F:ノニオン界面活性剤 (日本触媒(株)製、ソフタノール50) [1.5%]
G:イソチアゾロン液 (ローム&ハース社製、ケーソンCG-ICP) [0.005%]、及びカチオン界面活性剤 (ライオンアクゾ(株)製、アーカード210-80E) [0.3%]
H:香料組成物C [0.3%]
I:ヘンナ抽出物 (ハーマンアンドドライマー(株) CREMOGEN Henna Neutral) [0.0005%]
J:イオン交換水 バランス
【0055】
<共通成分4>
下記の成分は、[ ]内に示した量(有姿での配合量)を添加した。
D:プロピレングリコール(旭電化(株)) [5.0%]
E:シリコーン (信越化学工業(株)製、X−50−963) [0.0005%]
F:ノニオン界面活性剤 (プロクター・アンド・ギャンブル・ケミカルズ社製、脂肪族アルコール(ミディアムカット)CO-1214(C12/C14/C16=68/26/6)にアルカリ触媒によりエチレンオキサイド(EO)を平均15モル付加したもの(ライオン(株)) [1.5%]
G:イソチアゾロン液 (ローム&ハース社製、ケーソンCG-ICP) [0.005%]、及び塩化ベンザルコニウム(ライオンアクゾ(株)製、アーカードCB-ICP) [0.3%]
H:香料組成物A [0.3%]
I:ローズマリー抽出物 (シムライズ(株)製) [0.0005%]
J:イオン交換水 バランス
【0056】
<共通成分5>
下記の成分は、[ ]内に示した量(有姿での配合量)を添加した。
D:ヘキシレングリコール (三井化学(株)) [5.0%]
E:シリコーン (信越化学工業(株)製、KM-98) [0.0005%]
F:ノニオン界面活性剤 (日本触媒(株)製、ソフタノール90) [1.5%]
G:イソチアゾロン液 (ローム&ハース社製、ケーソンCG-ICP) [0.005%]、及びカチオン界面活性剤 (ライオンアクゾ(株)製、アーカード210-80E) [0.3%]
H:香料組成物B [0.3%]
I:ヘンナ抽出物 (ハーマンアンドドライマー(株) CREMOGEN Henna Neutral) [0.0005%]
J:イオン交換水 バランス
【0057】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。これに先立って、実施例で用いた評価方法を記す。
<滑り性評価>
(1)評価布の調整
市販のポリエステルサテン(ポリエステル100%)を市販衣料用洗剤「トップ」[ライオン(株)製、成分:界面活性剤(アルファオレフィンスルホ脂肪酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤、アルカリ剤、酵素、蛍光増白剤]により、家庭用二槽式洗濯機を用いて洗浄15分(洗剤は標準量使用、浴比30倍、45℃水道水)→脱水5分の工程を2サイクル繰り返した後、流水すすぎ15分→脱水5分の工程を5回繰り返し、自然乾燥したものを試験布とした。
【0058】
(2)仕上げ剤による処理
上記試験布の調整で得られた、ポリエステルサテン1kgを市販衣料用洗剤「トップ」[ライオン(株)製、成分:界面活性剤(アルファオレフィンスルホ脂肪酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤、アルカリ剤、酵素、蛍光増白剤]で15分洗浄し(洗剤は標準使用量、浴比30倍、25℃の水道水使用)、ためすすぎ2回目に、実施例及び比較例に示す仕上げ剤を水量30リットルに対して20g加えて、衣料の処理(浴比30倍、25℃の水道水使用、3分)を行った。その後、20℃、40%RHの条件で自然乾燥し、以下の評価を行った。
【0059】
(3)評価方法
比較例1により処理したポリエステルサテンを対照として専門パネラー10人による滑り性の官能一対比較を行い、以下に示す評価基準により評価を行った。
+2:対照よりはっきり良好
+1:対照よりやや良好
0:対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや良好
−2:対照の方がはっきり良好
その評点の平均をとり、1.5〜2.0点を◎、1.0以上〜1.4点を○、0.5〜0.9点を△、0.4点以下を×とした。
【0060】
<布絡み評価・洗濯じわ評価>
(1)評価布の調整
市販のダンガリーシャツ(綿100%)を市販衣料用洗剤「トップ」[ライオン(株)製、成分:界面活性剤(アルファオレフィンスルホ脂肪酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤、アルカリ剤、酵素、蛍光増白剤]により、家庭用二槽式洗濯機を用いて洗浄15分(洗剤は標準量使用、浴比30倍、45℃水道水)→脱水5分の工程を2サイクル繰り返した後、流水すすぎ15分→脱水5分の工程を5回繰り返し、自然乾燥したものを試験布とした。
【0061】
(2)仕上げ剤による処理
上記試験布の調整で得られた、ダンガリーシャツ(綿100%、約500g/枚)5kgを全自動洗濯機(東芝AW-F80HVP;標準コース)に投入し、洗剤・仕上げ剤投入ケースに、市販衣料用洗剤「トップ」[ライオン(株)製、成分:界面活性剤(アルファオレフィンスルホ脂肪酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤、アルカリ剤、酵素、蛍光増白剤]と仕上げ剤を入れ、洗濯を行う。
【0062】
(3)評価方法
○布絡み評価
洗濯を終えたダンガリーシャツを洗濯機から洗濯カゴへ1枚ずつ移動させ、布の絡み具合について、比較例1を対照として専門パネラー10人による官能一対比較を行い、以下に示す評価基準により評価を行った。
+2:対照よりはっきり良好
+1:対照よりやや良好
0:対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや良好
−2:対照の方がはっきり良好
その評点の平均をとり、1.5〜2.0点を◎、1.0以上〜1.4点を○、0.5〜0.9点を△、0.4点以下を×とした。
【0063】
○洗濯じわ評価
洗濯後のダンガリーシャツを軽く振りさばき、20℃40%の恒温室で一晩調湿し、乾燥後のダンガリーシャツの洗濯じわの程度について、比較例1を対照として専門パネラー10人による官能一対比較を行い、以下に示す評価基準により評価を行った。
+2:対照よりはっきり良好
+1:対照よりやや良好
0:対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや良好
−2:対照の方がはっきり良好
その評点の平均をとり、1.5〜2.0点を◎、1.0以上〜1.4点を○、0.5〜0.9点を△、0.4点以下を×とした。
【0064】
【表4】

【0065】
【表5】




【0066】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(C)を含有することを特徴とする仕上げ剤組成物:
(A)シリコーン化合物、
(B)カチオン性を有する水溶性高分子、及び
(C)組成物の全量を基準として0.1〜30質量%の無機塩。
【請求項2】
(A)シリコーン化合物および(B)カチオン性を有する水溶性高分子の質量比がA:B=99:1〜50:50である請求項1に記載の仕上げ剤組成物。
【請求項3】
(C)成分がアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である請求項1又は2に記載の仕上げ剤組成物。

【公開番号】特開2007−321271(P2007−321271A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151626(P2006−151626)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】