説明

仕分け設備および仕分け方法

【課題】本発明は、仕分け先(客先等)から苦情がでた(クレームがついた)物品(不良品)が、他のどこの仕分け先へ出荷されたかを把握でき、不良品を客先から回収する等の対応を可能とした仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】苦情が寄せられた客先のナンバー(仕分け先)および野菜のコード(物品の物品特定情報)が入力されると、野菜のコードにより特定される野菜が割り当てられたフローラックの間口を求め、この間口に補充され、客先(ナンバー)に割り当てられた集品容器へ仕分けた野菜が格納されていた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から野菜を仕分けた集品容器を求め、求めた集品容器に割り当てた客先(ナンバー)を求める。よって、苦情が寄せられた客先以外の客先より、苦情が寄せられた対象の野菜を回収する等の対応ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け設備および仕分け方法、特に、仕分け先の物品要求情報に応じて出荷した物品の履歴管理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上記仕分け設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1は、作業者の作業負担を軽減し、ミスのない履歴情報の管理、良好なトレーサビリティシステムの実現を課題としており、特許文献1に開示されているピッキングシステムは、商品が生産者から消費者に届くまでの履歴情報を追跡又は遡及することが可能な構成とされている。
【0003】
すなわち、記録手段と、仕分け対象の商品を格納するコンテナ(仕分コンテナ)に商品を収納する際に商品の履歴情報を前記記録手段に記録させる入力手段と、仕分コンテナの設置位置とその仕分コンテナに収納されている商品とを関連付けて前記記録手段に記録させる商品位置入力手段と、仕分コンテナの設置位置毎に設けられてピッキング作業中に仕分コンテナから商品が取り出されたことを通知する通知手段と、通知手段による通知があったとき、該通知手段が設けられている仕分コンテナの設置位置と関連付けられている商品の履歴情報を前記記録手段から読み出す出力手段と、出力手段で読み出された履歴情報を履歴情報ラベルに印字して該ラベルを発行するラベル発行手段を備えた構成とされている。
【0004】
作業者は、ピッキング作業中に仕分コンテナから商品を取り出したことを通知手段を用いて通知すると、その通知手段が設けられている仕分コンテナの設置位置と関連付けられている商品の履歴情報が記録手段から読み出されて、その商品の履歴情報(商品コードや出荷コード)が印字された履歴情報ラベルが発行され、この発行された履歴情報ラベルを、取り出した商品に貼り付けて出荷する。
【0005】
よって、消費者は、商品に貼り付けされている履歴情報ラベルに記されている商品コードや出荷コードに基づいて、インターネット等のコンピュータネットワークを介して、販売業者のコンピュータシステムに構築されたデータベースにアクセスし、生産履歴や流通履歴等のその商品の各種履歴情報を照会・入手することができる。
【0006】
このように、ミスのない履歴情報の管理、さらに商品が生産者から消費者に届くまでの履歴情報を追跡又は遡及することが可能に構成されたトレーサビリティシステムが実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−111417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の仕分け設備のトレーサビリティシステムでは、取り出した商品毎に履歴情報ラベルを貼り付ける必要があり、作業者の作業効率が悪いという問題があった。また取り出した商品を容器に格納し、この容器を順に搬送して仕分けを行う仕分け設備では、全体の仕分け効率が悪くなるために、このような履歴情報ラベルを貼り付ける作業を伴うトレーサビリティシステムの採用は困難であった。
【0009】
また色々な産地から入荷された野菜等の生鮮食料品を仕分ける仕分け設備においては、客先から、例えば、腐っている、傷がある、農薬等の異臭がする等の苦情がでた(クレームがついた)場合、早急に、同じ産地から同日に出荷された生鮮食料品を回収しないと、他の客先の信頼まで失ってしまう恐れがあり、トレーサビリティシステムを必要としている。
【0010】
また同じ産地から入荷した同じ種類の生鮮食料品を格納した仕分けコンテナが複数あった場合、苦情がでた不良品が混じった仕分けコンテナから仕分けしたのか、良品の仕分けコンテナから仕分けしたのかが判別できず、仮に良品の仕分けコンテナを特定できても、確実に作業者がこの良品の仕分けコンテナから生鮮食料品を仕分けしたのかどうか確定できないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、仕分け先(客先等)から苦情がでた(クレームがついた)物品(不良品)が、他のどこの仕分け先(客先等)へ出荷されたかを把握でき、不良品を客先から回収する等の対応を可能とした仕分け設備および仕分け方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分けラインを備えた仕分け設備であって、前記各入荷用容器にそれぞれ、少なくとも入荷用容器に格納された物品を特定する物品特定情報が付与され、前記入荷用容器に付与された前記物品特定情報を読み取る読取手段と、前記入荷用容器を複数連続して格納可能で、前記物品特定情報により特定される物品がそれぞれ割り当てられた間口を、複数有する格納手段と、前記読取手段により読み取られた物品特定情報に基づいて前記入荷用容器を補充する間口を求め、入荷用容器をこの間口へ補充する補充手段と、前記仕分け先および物品の物品特定情報を入力する入力手段とを備え、前記入力手段により仕分け先および物品の物品特定情報が入力されると、入力された前記物品特定情報により特定される物品が割り当てられた前記格納手段の間口を求め、求めた間口で、前記補充手段により補充され、入力された前記仕分け先に割り当てられた集品容器へ仕分けた物品を格納していた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器を求め、求めた集品容器に割り当てた仕分け先を求めることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、入力手段により仕分け先および物品の物品特定情報が入力されると、入力された物品特定情報の物品が割り当てられた格納手段の間口が求められ、この間口へ補充手段により補充され、入力された仕分け先が割り当てられた集品容器へ仕分けられた物品を格納していた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器が求められる。次に、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器が求められ、求めた集品容器に割り当てた仕分け先が求められる。
【0014】
したがって、入力手段より入力された仕分け先以外に、これら原入荷用容器、および入力手段により入力された物品特定情報の物品が取り出された可能性がある隣接入荷用容器から物品が仕分けられた仕分け先が求められる。
【0015】
このように、入力手段により、例えば苦情が寄せられた客先名と対象の物品名を入力すると、苦情が寄せられた対象の物品が格納された入荷用容器からのみでなく、前後に位置した入荷用容器から仕分けられた物品が、苦情を寄せた客先以外のどの客先へ出荷されたか突き止められることにより、トレーサビリティシステムが実現され、突き止めた客先より、苦情が寄せられた対象の物品を回収する等の対応が可能となり、客先の信頼が得られる。
【0016】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記各入荷用容器にそれぞれ、入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報が付与され、前記隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、前記原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、この隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求めることを繰り返し、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と入荷先特定情報が同一でない隣接入荷用容器まで求め、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器に割り当てた仕分け先を求めることを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、原入荷用容器と同一の入荷先の入荷用容器は勿論、これら入荷用容器の前後に隣接する、入荷先が異なる入荷用容器からも取り出した物品を投入した集品容器の仕分け先が求められる。
【0018】
したがって、入力手段により入力された、例えば苦情が寄せられた対象の物品が格納された入荷用容器から物品が出荷された客先(仕分け先)のみでなく、仕分けの際に、苦情が寄せられた対象の物品が出荷された、万一、可能性がある仕分け先も求められる。
【0019】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記入荷用容器を補充する間口が満杯で搬入できないとき、前記補充手段は、この入荷用容器を、前記読取手段により前記物品特定情報を読み取ることが可能な位置まで戻すことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、入荷用容器を補充する間口が満杯のとき、入荷用容器は読取手段により前記物品特定情報を読み取ることが可能な位置へ戻され、補充手段により再補充される。
【0021】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記仕分けエリアを複数備え、仕分けが終了した仕分けエリアの格納手段に格納された入荷用容器は、前記読取手段により前記物品特定情報を読み取ることが可能な位置まで戻されることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、仕分けが終了した仕分けエリアの入荷用容器は、物品特定情報を読み取ることが可能な位置まで戻され、他の仕分け作業中の仕分けエリアへ再投入され、補充手段により補充される。
【0023】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記識別情報は、前記入荷用容器を特定する容器特定情報、格納された物品を特定する物品特定情報とその数量、および入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報から構成され、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器の容器特定情報を記憶し、各集品容器において前記物品要求情報に基づいて投入された物品毎に、この物品が割り当てられた間口からの物品の投入順番を記憶する第1記憶手段と、前記各間口に割り当てられた物品の物品特定情報を記憶し、各間口に順に補充された入荷用容器の容器特定情報を記憶し、前記識別情報の物品の数量に基づいて、これら入荷用容器内の物品が前記間口から取り出される取出順番を記憶する第2記憶手段を備え、前記入力手段により入力された仕分け先により第1記憶手段を検索して、仕分け先に割り当てられた集品容器の容器特定情報を求め、第1記憶手段を検索して、求めた集品容器の容器特定情報における、前記入力手段により入力された物品特定情報の物品の投入順番を求め、前記入力手段により入力された物品特定情報の物品により第2記憶手段を検索して、前記物品に割り当てられた間口を求め、第2記憶手段に記憶されたこの間口における物品の取出順番と、前記求めた物品の投入順番とつきあわせることにより、入力手段により入力された物品特定情報の物品を格納していた原入荷用容器の容器特定情報を求め、前記第2記憶手段に記憶された入荷用容器の容器特定情報より、求めた原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器の容器特定情報を求め、これら容器特定情報の原入荷用容器および隣接入荷用容器から取り出される物品の取出順番を求め、この物品の取出順番と、第1記憶手段に記憶された投入順番をつきあわせることにより、求めた容器特定情報の原入荷用容器および隣接入荷用容器より物品が投入された集品容器の仕分け先を求めることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、物品特定情報により特定される物品が、この物品が割り付けられた間口より取り出された取出順番と、仕分け先により特定される集品容器に順に投入された投入順番とが突きあわされ、どの入荷用容器から、どの集品容器に、物品特定情報により特定される物品が投入されたかを特定され、特定された集品容器から仕分け先が特定される。
【0025】
また請求項6に記載の発明は、物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器毎に、少なくとも入荷用容器に格納された物品を特定する物品特定情報が付与され、前記入荷用容器を複数連続して格納可能で、前記物品特定情報により特定される物品がそれぞれ割り当てられた間口を、複数有する格納手段と、前記入荷用容器に付与された物品特定情報に基づいて前記入荷用容器を補充する間口を求め、入荷用容器をこの間口へ補充する補充手段とを備え、前記格納手段の各間口に格納された入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分け方法であって、前記仕分け先および物品の物品特定情報が入力されると、入力された前記物品特定情報により特定される物品が割り当てられた前記格納手段の間口を求め、求めた間口で、前記補充手段により補充され、入力された前記仕分け先に割り当てられた集品容器へ仕分けた物品を格納していた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器を求め、求めた集品容器に割り当てた仕分け先を求めることを特徴とするものである。
【0026】
上記方法によれば、入力手段により仕分け先および物品の物品特定情報が入力されると、入力された物品特定情報の物品が割り当てられた格納手段の間口が求められ、この間口へ補充手段により補充され、入力された仕分け先が割り当てられた集品容器へ仕分けられた物品を格納していた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器が求められる。次に、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器が求められ、求めた集品容器に割り当てた仕分け先が求められる。したがって、入力手段より入力された仕分け先以外に、これら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品が仕分けられた仕分け先が求められる。
【0027】
また請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明であって、前記各入荷用容器にそれぞれ、入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報が付与され、前記隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、前記原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、この隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求めることを繰り返し、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と入荷先特定情報が同一でない隣接入荷用容器まで求め、求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器に割り当てた仕分け先を求めることを特徴とするものである。
【0028】
上記方法によれば、原入荷用容器と同一の入荷先の入荷用容器は勿論、これら入荷用容器の前後に隣接する、入荷先が異なる入荷用容器からも取り出した物品を投入した集品容器の仕分け先が求められる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の仕分け設備および仕分け方法は、仕分け先および物品の物品特定情報として、例えば苦情が寄せられた客先名と対象の物品コードが入力されると、苦情が寄せられた対象の物品が格納されていた入荷用容器からのみでなく、前後に位置した入荷用容器から仕分けられた物品が、苦情が寄せた客先以外のどの客先へ出荷されたか突き止められることにより、これら客先より、苦情が寄せられた対象の物品を回収する等の対応が可能となり、客先の信頼を得ることができる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の構成図である。
【図2】同仕分け設備の制御構成図である。
【図3】同仕分け設備の仕分け設備コンピュータに記憶された集品容器−顧客データを示す図である。
【図4】同仕分け設備の仕分け設備コンピュータに記憶されたピッキングデータを示す図である。
【図5】同仕分け設備のピッキングエリアの側面図である。
【図6】同仕分け設備のピッキングエリアのランプ配置図である。
【図7】同仕分け設備のクレーンコントローラに記憶された間口−入荷用容器データを示す図である。
【図8】同仕分け設備の仕分け設備コンピュータにおける苦情処理の動作を順に示すフローチャートである。
【図9】同仕分け設備の仕分け設備コンピュータにおける苦情処理の動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分け設備の構成図である。
図1において、10は、生鮮食料品である野菜(物品の一例)11を格納して入荷されてきた入荷用容器12を連続して搬送する搬送ライン(搬送経路)であり、各入荷用容器12にはそれぞれ、入荷用容器12を特定する容器ナンバー(入荷用容器を特定する容器特定情報の一例)と、格納されている野菜11の野菜コード(物品を特定する物品特定情報の一例)およびその数量と、野菜11の産地を特定する産地コード(入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報の一例)と、野菜11の入荷日とから構成される(特定する)バーコード(識別情報の一例)が印刷されたバーコードラベル(識別手段)13が取り付けられている。
【0032】
また搬送ライン10に沿って、入荷用容器12のバーコードラベル13よりバーコードを読み取るバーコードリーダ(読取手段の一例)14と、複数のピッキングエリア(仕分けエリアの一例)16が設けられており、搬送ライン10により搬送された入荷用容器12は、分岐装置15により、目的のピッキングエリア16へ搬送される。
【0033】
また各ピッキングエリア16から搬出された入荷用容器12を、搬送ライン10の前記バーコードリーダ14より上流側へ戻す戻しライン17が設けられ、この戻しライン17には、搬出された入荷用容器12を、バーコードラベル13の向きを反転して、戻しライン17へ合流させる合流装置18が設けられている。
【0034】
またバーコードリーダ14により読み取られたバーコードの野菜のコードと予め設定された分岐データ(後述する)に基づいて分岐装置15を駆動し、入荷用容器12をピッキングエリア16へ分岐する分岐コントローラ19(図2)が設けられている。
【0035】
また図2に示すように、第1メモリ(第1記憶手段の一例)20aと第2メモリ(第2記憶手段の一例)20bを有し、仕分け設備を統括する仕分け設備コンピュータ20が設けられている。
【0036】
この仕分け設備コンピュータ20には、各顧客(仕分け先の一例)からの注文データ(注文された各野菜11の野菜コードと数量;物品要求情報の一例)が集計されて入力されており、また後述するフローラック22のゾーンZ毎の間口31の配列と、各間口31にそれぞれ割り当てられ格納される野菜11の野菜コードが予め入力されている。
【0037】
仕分け設備コンピュータ20は、これら入力に基づいて、図3に示すように、後述する集品ライン23に順に投入する集品容器(ナンバー)50に、各顧客を特定するナンバーを割り当てて、集品容器−顧客データとして第1メモリ20aに記憶し、次に図4に示すように、集品ライン23に投入する順に複数個(実施の形態では6個)の集品容器50のグループを形成し、集品容器50のナンバー(集品容器を特定する容器特定情報の一例)毎に、野菜コードが割り当てられた各ゾーンZの各間口31から何個の野菜11を取り出すかを決定したピッキングデータを作成し、第1メモリ20aに記憶する。さらに野菜コード毎に、この野菜11が割り当てられた間口31から各集品容器50に順に投入される野菜11の数量を累計して野菜11の投入順番を求めて、ピッキングデータに追記して第1メモリ20aに記憶する。
[ピッキングエリア16]
各ピッキングエリア16にはそれぞれ、図1に示すように、入荷用容器12の自動補充装置(補充手段の一例)21、フローラック(流動棚;格納手段の一例)22、集品ライン(仕分けラインの一例)23、および空返却コンベヤ24が備えられ、フローラック22、および集品ライン23は、複数のゾーンZ(1)〜(n)(nは2以上の整数)に分けられている。
「フローラック22」
前記フローラック22は、図5および図6に示すように、4個(複数の一例)の入荷用容器12を連続して格納可能な間口31を、1つのゾーンZ毎に4段6列(計24個)設けて構成されている。そして、各間口31にはそれぞれ、品名で特定される1種類の野菜(以下、単一の野菜と称す)11がそれぞれ割り当てられ、この単一の野菜11の割り当ては、後述するピッキングコントローラ62に登録されている。
【0038】
また各間口31にはそれぞれ、間口表示器32と、満杯検出器33(図2)が設けられている。
前記間口表示器32には、ピッキングする野菜11の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器35(表示手段)と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ36(完了操作手段)と、欠品時に完了押釦スイッチ36とともに操作する欠品押釦スイッチ(欠品操作手段)37が設けられている。完了押釦スイッチ36の赤色ランプは、ピッキング指示があるときに点滅する。
【0039】
また満杯検出器33は、間口31が4個の入荷用容器12が格納されて満杯であることを検出する検出器であり、光電センサから構成されている。
また各ゾーンZにはそれぞれ、各段毎に、青色のベイ作業表示灯39が設けられ、段の間口31からピッキングされる野菜11があることを表示する。
「入荷用容器12の自動補充装置21」
自動補充装置21は、図1および図6に示すように、フローラック22の入荷用容器12の投入口(入口)側に沿って形成された一定経路を形成する走行レール41に案内されて自動走行し、フローラック22の間口31へ入荷用容器12を補充する(投入する)スタッカークレーン42と、上記分岐装置15により分岐されてきた入荷用容器12をスタッカークレーン42への受け渡す入庫コンベヤ43と、スタッカークレーン42により搬送された入荷用容器12が、補充する間口31が満杯で搬入できないときに降ろされ、戻しライン17の合流装置18へ搬出する出庫コンベヤ44と、メモリ45aを有するスタッカークレーン42のクレーンコントローラ45(図2)から構成されている。
【0040】
またスタッカークレーン42は、前記走行レール41に案内されて走行するように構成され、その昇降自在なキャレッジ(図示せず)には入荷用容器12の出し入れを行うフォーク装置(図示せず)が設けられている。また入庫コンベヤ43には、分岐されてきた入荷用容器12のバーコードラベル13よりバーコードを読み取るバーコードリーダ46が設けられている。
【0041】
また前記クレーンコントローラ45には、入庫コンベヤ43のバーコードリーダ46と各間口31の満杯検出器33が接続され、メモリ45aには、上記ピッキングデータに基づいて形成された、野菜コードと間口31のナンバー(間口を特定する情報の一例)とからなる補充データ(図4)が、仕分け設備コンピュータ20より予め格納されている。
【0042】
クレーンコントローラ45は、次の制御を実行する。
1.バーコードリーダ46により読み取られたバーコードが入力されると、このバーコードにより特定される野菜11の野菜コードによってメモリ45aに格納された補充データを検索して、(入庫コンベヤ43に分岐された)入荷用容器12を補充する間口31のナンバーを求める。
【0043】
2.続いて求めた間口31のナンバーの満杯検出器33が動作しているかどうか、すなわち満杯かどうかを確認する。
3.満杯でないとき、求めた間口31のナンバーからなる移載指令をスタッカークレーン42へ出力する。スタッカークレーン42は、この移載指令に応じて、入庫コンベヤ43から間口31へ、入荷用容器12を移載する。また満杯のとき、出庫コンベヤ44を移載先とする移載指令をスタッカークレーン42へ出力する。スタッカークレーン42は、この移載指令に応じて、入庫コンベヤ43から出庫コンベヤ44へ、入荷用容器12を移載する。
【0044】
4.クレーンコントローラ45は、入庫コンベヤ43から間口31への入荷用容器12の移載が終了すると、図7に示すように、メモリ45aに、野菜11の野菜コードが割り当てられた間口31毎に、補充した入荷用容器12の搬入順にバーコードのデータ(入荷用容器ナンバー、産地コード、入荷日、数量)を記憶し、記憶する毎に数量を累計し、入荷用容器12毎に野菜11の取出順番を求めて、間口−入荷用容器データとして記憶する。
「空返却コンベヤ24」
上記空返却コンベヤ24は、フローラック22の間口31の前面(出口;集品ライン23側)から取り出した空の入荷用容器12をピッキングエリア16より搬出するローラ駆動コンベヤである。
「集品ライン23」
前記集品ライン23は、顧客(仕分け先の一例)毎の集品容器50を搬送するピッキングコンベヤ51と、各ゾーンZ毎に設けられた先行仮置台52と、メモリ62aを有するピッキングコントローラ62(図2)から構成されている。
【0045】
ピッキングコンベヤ51は、フローラック22の前面(出口)側に沿って配置され、集品容器50を移動可能なローラ駆動のコンベヤから形成され、ゾーンZ毎に、グループ化された複数(実施の形態では6個)の集品容器50を、タクト毎に下流のゾーンZへ搬送可能な構成とされている。
【0046】
また先行仮置台52は、ピッキングコンベヤ51に沿って配置され、ピッキングコンベヤ51より各ゾーンZの仕分け位置(停止位置)へ搬送された6個の各集品容器50に対応して6つの仮置部53が設けられている。
【0047】
またピッキングコンベヤ51にはゾーンZ毎に、各ゾーンZの仕分け位置へ搬送された6個の各集品容器50に対応してそれぞれコンベヤ投入表示器55が設けられ、また先行仮置台52には、各仮置部53に先行投入表示器56が設けられ、さらに各ゾーンZ毎にゾーンZでピッキング作業があることを表示する青色のゾーン作業表示灯57が設けられている。
【0048】
前記コンベヤ投入表示器55は、赤色ランプ付きの押釦スイッチであり、ピッキング作業を実行する仕分け位置の集品容器50を指示するものであり、赤色ランプの点灯で、野菜11を投入する集品容器50を示し、点滅で仕分け完了を指示し、スイッチの操作により消灯する。
【0049】
また先行投入表示器56には、先行ピッキングする野菜11の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器59(表示手段)と、緑色−赤色切替ランプ付きの完了押釦スイッチ60(完了操作手段)が設けられている。完了押釦スイッチ60の緑色ランプは、先行ピッキング指示があるときに点滅し、完了押釦スイッチ60が操作されると、消灯する。また完了押釦スイッチ60の赤色ランプは、予め先行ピッキングした野菜11を仕分け位置の集品容器50へ投入する指示があるときに点滅し、完了押釦スイッチ60が操作されると消灯する。
【0050】
また上記ピッキングコントローラ62は、フローラック22と集品ライン23に設けられる上記表示器群(間口表示器32、ベイ作業表示灯39、コンベヤ投入表示器55、先行投入表示器56、ゾーン作業表示灯57)を制御し、さらにピッキングコンベヤ51を制御してピッキング作業を実行するコントローラである。
【0051】
またピッキングコントローラ62のメモリ62aには、仕分け設備コンピュータ20より、ピッキングコンベヤ51により搬送されてくる集品容器50の順番に、集品する各ゾーンZの間口ナンバーとピッキング数量からなるピッキングデータが予め格納される。
【0052】
ピッキングコントローラ62は、次の動作を実行する。
1.搬送順に6個毎に集品容器50のグループを形成する。
2.各グループ毎に、各ゾーンZでピッキング作業を実行する。
【0053】
3.各ゾーンZのピッキング作業が終了すると、各グループを下流のゾーンZへ移動する。
前記ピッキング作業は次のように実行される。
【0054】
*実ピッキング
今、図4に示すように、グループ(a)の集品容器50がゾーン(b+1)にあり、次のグループ(a+1)の集品容器50がゾーン(b)にあるとすると、上流のゾーン(b)ではグループ(a+1)、下流のゾーン(b+1)ではグループ(a)の集品容器50に対して実ピッキングが実行される。
【0055】
実ピッキングでは、ピッキングデータに基づいて、実際に仕分け位置に停止した集品容器50毎に、ゾーンZの間口31の間口表示器32により指定された数量の野菜11を取り出して仕分ける。
【0056】
ピッキングコントローラ62は、ゾーン作業表示灯57を点灯し、野菜11を投入する集品容器50のコンベヤ投入表示器55の赤色ランプを点灯し、間口表示器32に、ピッキングする野菜11の数量を表示し、完了押釦スイッチ36の赤色ランプを点滅し、またピッキング作業を実行する間口31がある段のベイ作業表示灯39を点灯する。
【0057】
各ゾーンZのピッキング作業者は、ゾーン作業表示灯57の点灯によりピッキング作業があることを確認し、ピッキングする段をベイ作業表示灯39により確認しながら、順に間口表示器32の表示にしたがって、間口31の入荷用容器12から野菜11を取り出し、完了押釦スイッチ36を押し、コンベヤ投入表示器55の赤色ランプが点灯されている集品容器50へ投入する。
【0058】
完了押釦スイッチ36が操作されると、この間口31のピッキングが完了したと判断して完了押釦スイッチ36の赤色ランプを消灯し、ピッキングが完了した段のベイ作業表示灯39を消灯し、全ての間口31のピッキングが完了すると、集品容器50のコンベヤ投入表示器55の赤色ランプを点滅する。
【0059】
各ゾーンZのピッキング作業者は、コンベヤ投入表示器55の赤色ランプの点滅により、対応した集品容器50へのピッキングが完了したことを認識し、コンベヤ投入表示器55(押釦スイッチ)を押す。
【0060】
このコンベヤ投入表示器55の押し操作を確認すると、対応する集品容器50のピッキング完了を認識し、次の集品容器50へのピッキング作業の指示をする。そして、6個の集品容器50へのピッキング作業が完了すると、待機状態とする。すなわち、全てのゾーンZにおける実ピッキングが終了し、次のタクトの集品容器50が上流より搬送されてくるのを待つ。
【0061】
*先行ピッキング
また待機状態となったゾーンZにおいて、他のゾーンZのピッキング作業が遅れているときは、ピッキングデータに基づいて、次のタクトで上流から搬送されてくる集品容器50に対する先行ピッキングを行う。図4に示す下流のゾーン(b+1)では、次に搬送されてくるグループ(a+1)の集品容器50に対して先行ピッキングが実行される。
【0062】
ピッキングコントローラ62は、ゾーン作業表示灯57を点灯し、野菜11を投入する仮置部53の先行投入表示器56の緑色ランプを点灯し、間口表示器32に、ピッキングする野菜11の数量を表示し、完了押釦スイッチ36の赤色ランプを点滅し、またピッキング作業を実行する間口31がある段のベイ作業表示灯39を点灯する。
【0063】
各ゾーンZのピッキング作業者は、ゾーン作業表示灯57の点灯によりピッキング作業があることを確認し、ピッキングする段をベイ作業表示灯39により確認しながら、順に間口表示器32の表示にしたがって、間口31の入荷用容器12から野菜11を取り出し、完了押釦スイッチ36を押し、先行投入表示器56の緑色ランプが点灯されている仮置部53へ投入する。
【0064】
間口表示器32の完了押釦スイッチ36が操作されると、この間口31のピッキングが完了したと判断して完了押釦スイッチ36の赤色ランプを消灯し、ピッキングが完了した段のベイ作業表示灯39を消灯し、全ての間口31のピッキングが完了すると、仮置部53の先行投入表示器56の緑色ランプを点滅する。
【0065】
各ゾーンZのピッキング作業者は、先行投入表示器56の緑色ランプの点滅により、対応した仮置部53へのピッキングが完了したことを認識し、先行投入表示器56の完了押釦スイッチ60を押す。
【0066】
この先行投入表示器56の完了押釦スイッチ60の押し操作を確認すると、対応する仮置部53のピッキング完了を認識し、次の仮置部53へのピッキング作業の指示をする。そして、6個の仮置部53への先行ピッキング作業が完了すると、待機状態とする。
【0067】
また途中で、次のタクトの集品容器50が上流より搬送されてくると、先行ピッキングを終了し、仮置部53から対応する集品容器50へ先行ピッキングしていた野菜11を移載する。すなわち、先行ピッキングを実行した仮置部53の先行投入表示器56のランプを赤色に変えて点滅する。
【0068】
各ゾーンZのピッキング作業者は、先行投入表示器56の赤色ランプの点滅により、仮置部53から対応する集品容器50へ野菜11を移載し、先行投入表示器56の完了押釦スイッチ60を押す。
【0069】
この先行投入表示器56の完了押釦スイッチ60の押し操作を確認すると、対応する仮置部53から野菜11の移載完了を認識し、先行投入表示器56の赤色ランプを消灯し、上記実ピッキングに移行する。
【0070】
このように「集品ライン23」では、実ピッキングと先行ピッキングの組み合わせにより、各集品容器50へのピッキング作業が実行される。
また各ピッキングエリア16(集品ライン23)の各ゾーンZにおいてピッキング作業が全て終了すると、ピッキング作業者は、未だ野菜11が残っている入荷用容器12を間口31より取り出し、戻しライン17へ投入する。これにより、野菜11が残っている入荷用容器12は、搬送ライン10へ戻され、未だピッキング作業が終了していないピッキングエリア16へ再投入される。
「データの集計」
全ての集品容器50へのピッキング作業が終了すると、仕分け設備コンピュータ20は、出荷日を特定し、データの集計を実行する。
【0071】
すなわち、クレーンコントローラ45のメモリ45aに記憶された、間口−入荷用容器データ(情報)、すなわち『間口31毎の、割り当てられた野菜のコードと、補充した入荷用容器12順の容器ナンバー、産地コード、入荷日、数量および取出順番』を仕分け設備コンピュータ20に吸い上げて、第2メモリ20bに記憶する。
「顧客の苦情への対応」
顧客から野菜11が腐っていた、あるいは農薬の匂いがする等の苦情が寄せられると、キーボード等の入力手段(図示せず)により、苦情に対応した野菜11の出荷日、顧客のナンバー、および野菜のコードが、仕分け設備コンピュータ20へ入力される。
【0072】
すると仕分け設備コンピュータ20は、次の動作を実行する(図8のフローチャート参照)。
ステップ−1
入力された出荷日により、この出荷日の第1メモリ20aの集品容器−顧客データとピッキングデータ、および第2メモリ20bの間口−入荷用容器データを特定する。
ステップ−2
特定した第1メモリ20aの集品容器−顧客データ(図3)を、入力した顧客のナンバーで検索し、この顧客ナンバーの集品容器50の容器ナンバーを求める。
ステップ−3
求めた集品容器50の容器ナンバーと入力した野菜コードにより、確定した第1メモリ20aのピッキングデータ(図4)を検索して、入力した野菜コードの野菜11の投入順番を求める。
ステップ−4
次に、入力した野菜コードによりピッキングデータを検索して、入力した野菜コードの野菜11が格納された間口31を求める。
ステップ−5
この求めた間口31により、特定した第2メモリ20bの間口−入荷用容器データを検索して、求めた間口31における間口−入荷用容器データ(図7)を求め、この間口−入荷用容器データの取出順番と、ステップ−3で求めた野菜11の投入順番とを突きあわせることにより、入力した野菜コードの野菜11を格納していた入荷用容器12(容器ナンバー;以下、原入荷用容器と称す)と産地コードを求める。
【0073】
例えば、図9に示すように、顧客(ナンバー)Eから苦情がきた野菜11の投入順番(8)と、間口31の入荷用容器12の取出順番(1)〜(16)を突きあわせて、苦情がきた野菜11が格納されていた入荷用容器(原入荷用容器)12を求める。
ステップ−6
求めた間口31における間口−入荷用容器データにより、求めた原入荷用容器12A(容器ナンバー)の前後の入荷用容器12(容器ナンバー;以下、隣接入荷用容器と称す)を特定する。
ステップ−7
次に、求めた間口31における間口−入荷用容器データにより、隣接入荷用容器12B(容器ナンバー)の産地コードが、原入荷用容器12Aの産地コードと一致するかを確認し、一致するとさらにその前後の入荷用容器12(容器ナンバー)の産地コードが、原入荷用容器12Aの産地コードと一致するかを確認し、この確認を繰り返して、産地コードが一致しない入荷用容器12(容器ナンバー)までを隣接入荷用容器12Bとして特定する。
【0074】
例えば、図7および図9に示すように、原入荷用容器12Aの前後に同じ産地コードQの入力用容器12があると、この入力用容器12も原入荷用容器12Aとして特定し、これら原入荷用容器12Aの前後で、産地コードQが一致しない入荷用容器12を隣接入荷用容器12Bとして特定する。
ステップ−8
求めた間口31における間口−入荷用容器データにより、これら原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12B(容器ナンバー)全体につながる取出順番を求める。
ステップ−9
この求めた取出順番と、入力した野菜コードのピッキングデータ(図4)における投入順番とをつき合わせることにより、原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12Bから野菜11が投入された集品容器50のナンバーを求める。
【0075】
例えば、図9において、原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12B(容器ナンバー)全体につながる取出順番が(1)〜(16)のとき、集品容器50のナンバー、x(d1)〜x(d6)、x(e1)、x(e2)が求められる。
ステップ−10
求めた集品容器50のナンバーにより集品容器−顧客データ(図3)を検索して、原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12Bから野菜11が出荷された顧客のナンバーを求める。
【0076】
例えば、図3および図9において、顧客ナンバー、A,B,C,D,E,F,G,Hが求められる。
このような動作により、第1メモリ20aに記憶された集品容器−顧客データおよびピッキングデータと、第2メモリ20bに記憶された間口−入荷用容器データに基づいて、前記入力手段より入力された顧客(仕分け先)へ野菜11を出荷した集品容器50が特定され、この集品容器50に投入された野菜11の投入順番{前記入力手段より入力された野菜のコード(物品特定情報)の野菜11の間口31からの投入順番}が求められ、この投入順番と、間口31からの野菜11の取出順番(入力された野菜コードの野菜11が取り出された間口31からの取出順番)を突きあわせることにより、苦情が来た野菜11を仕分けた原入荷用容器12Aが特定される。
【0077】
そして、この原入荷用容器12Aの前後に位置する隣接入荷用容器12Bが、間口−入荷用容器データに基づいて求められ、求められたこれら原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12Bにつながる野菜11の取出順番から、ピッキングデータに基づいて、これら原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12Bから野菜11が投入された(仕分けられた)集品容器50が特定され、集品容器−顧客データから顧客ナンバーが求められ、よって前記入力手段より入力された顧客以外の顧客が求められる。
【0078】
また原入荷用容器12Aの産地コードが同一な入荷用容器12が連続しているとき、これら入荷用容器12に隣接する、産地コードが異なる入荷用容器12までが隣接入荷用容器12Bとして求められ、求められたこれら原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12Bにつながる取出順番から、同様に、ピッキングデータおよび集品容器−顧客データに基づいて、野菜11を仕分けた顧客ナンバーが求められ、よって前記入力手段より入力された顧客以外の顧客が求められる。
【0079】
つまり、入力手段により顧客のナンバー(仕分け先)および野菜11の野菜コード(物品の物品特定情報)が入力されると、入力された野菜コードにより特定される野菜11が割り当てられたフローラック22の間口31が求められ、この間口31にスタッカークレーン42により補充(格納)され、入力された顧客(ナンバー)に割り当てられた集品容器50へ仕分けられた野菜11が格納されていた原入荷用容器12Aと、この原入荷用容器12Aの前後に位置する隣接入荷用容器12Bが求められ、求められたこれら原入荷用容器12Aおよび隣接入荷用容器12Bから野菜11を仕分けた集品容器50が求められ、求められた集品容器50に割り当てた仕分け先が求められる。
【0080】
以上のように本実施の形態によれば、入力手段により、仕分け先および物品の物品特定情報として、例えば苦情が寄せられた顧客のナンバーと対象の野菜11の野菜コードが入力されると、苦情が寄せられた対象の野菜11が格納されていた原入荷用容器12Aからのみでなく、前後に位置した隣接入荷用容器12Bから仕分けられた野菜11が、苦情が寄せた客先以外のどの客先へ出荷されたか突き止められることにより、すなわち、トレーサビリティシステムが実現されることにより、これら客先より確実に苦情が寄せられた対象の野菜11を回収する等の対応が可能となり、客先の信頼を得ることができる。また逆に、苦情が寄せられた対象の野菜11を全て回収する等の対応が必要無いので、経費の負担が軽減される。前記対応には、苦情が寄せた客先以外に対して、野菜11を食べないように連絡する、この連絡して別の野菜11を送る、また連絡して代金を返還する等がある。
【0081】
また本実施の形態によれば、原入荷用容器12Aと同一の産地(入荷先)の入荷用容器は勿論、これら原入荷用容器12Aの前後に隣接する、入荷先が異なる入荷用容器12からも取り出した野菜11を仕分けした(投入した)集品容器50の顧客(仕分け先)が求められることにより、苦情が寄せられた対象の野菜11が、万一、出荷された可能性がある客先が求められ、これら客先より前記苦情対象の野菜11を回収する等の対応をすることにより、客先の信頼を得ることができ、また逆に、苦情が寄せられた対象の野菜11を全て回収する等の対応が必要無いので、経費の負担を軽減できる。
【0082】
また本実施の形態によれば、入荷用容器12を補充する間口31が満杯のとき、入荷用容器12は、スタッカークレーン42により出庫コンベヤ44および戻しライン17を介して、バーコードリーダ14によりバーコードを読み取ることが可能な搬送ライン10の位置へ戻され、搬送ライン10により搬送されることにより、自動補充装置21により再補充することができる。
【0083】
また本実施の形態によれば、仕分け(ピッキング作業)が終了したピッキングエリア16の入荷用容器12は、戻しライン17へ投入され、バーコードリーダ14によりバーコードを読み取ることが可能な搬送ライン10の位置まで戻され、搬送ライン10により他のピッキングエリア16へ再投入され、自動補充装置21により補充されることにより、野菜11を無駄無く使用することができる。
【0084】
なお、本実施の形態では、物品を野菜11としているが、野菜に限ることなく、色々な産地から入荷される、果物、きのこ、魚、肉等の生鮮食料品、あるいは複数の工場や作業場から入荷される同一の部品や装置であってもよい。
【0085】
また本実施の形態では、入荷される物品を格納されるものとして入荷用容器12を使用しているが、「容器」に限ることはなく、「パレット」(入荷用パレット)であってもよく、またピッキングされた物品が投入されるものとして集品容器50を使用しているが、「容器」に限ることはなく、「パレット」(集品パレット)であってもよい。
【0086】
また本実施の形態では、格納手段としてフローラック22を使用しているが、作業者により、出口(集品ライン23側)の空となった入荷用容器12を取り出すとき、間口31の複数の入荷用容器12を出口(集品ライン23側)へ移動させることができる棚であればよい。
【0087】
また本実施の形態では、補充手段としてスタッカークレーン42を使用しているが、スタッカークレーン42に限ることはなく、天井台車等、間口31へ入荷用容器を補充できる手段であればよい。
【0088】
また本実施の形態では、仕分けエリア(ピッキングエリア16)は、集品ライン23を使用してピッキング作業を実行する構成としているが、このような集品ライン23の構成に限ることはなく、ピッキングカートとハンディターミナルを使用してピッキング作業を行う構成としてもよい。
【0089】
また本実施の形態では、仕分け先の一例を顧客としているが、顧客に限ることはなく、スーパーマーケットや小売店などの店舗や、出荷されてきた物品を分配する分配所等であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 搬送ライン
11 野菜(物品の一例)
12 入荷用容器
12A 原入荷用容器
12B 隣接入荷用容器
13 バーコードラベル
14 バーコードリーダ
16 ピッキングエリア
17 戻しライン
20 仕分け設備コンピュータ
20a 第1メモリ
20b 第2メモリ
21 自動補充装置
22 フローラック
23 集品ライン
24 空返却コンベヤ
31 間口
32 間口表示器
33 満杯検出器
39 ベイ作業表示灯
41 走行レール
42 スタッカークレーン
43 入庫コンベヤ
44 出庫コンベヤ
45 クレーンコントローラ
46 バーコードリーダ
50 集品容器
51 ピッキングコンベヤ
55 コンベヤ投入表示器
56 先行投入表示器
57 ゾーン作業表示灯
62 ピッキングコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分けエリアを備えた仕分け設備であって、
前記各入荷用容器にそれぞれ、少なくとも入荷用容器に格納された物品を特定する物品特定情報が付与され、
前記入荷用容器に付与された前記物品特定情報を読み取る読取手段と、
前記入荷用容器を複数連続して格納可能で、前記物品特定情報により特定される物品がそれぞれ割り当てられた間口を、複数有する格納手段と、
前記読取手段により読み取られた物品特定情報に基づいて前記入荷用容器を補充する間口を求め、入荷用容器をこの間口へ補充する補充手段と、
前記仕分け先および物品の物品特定情報を入力する入力手段と
を備え、
前記入力手段により仕分け先および物品の物品特定情報が入力されると、入力された前記物品特定情報により特定される物品が割り当てられた前記格納手段の間口を求め、求めた間口で、前記補充手段により補充され、入力された前記仕分け先に割り当てられた集品容器へ仕分けた物品を格納していた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、
求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器を求め、求めた集品容器に割り当てた仕分け先を求めること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記各入荷用容器にそれぞれ、入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報が付与され、
前記隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、前記原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、この隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求めることを繰り返し、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と入荷先特定情報が同一でない隣接入荷用容器まで求め、
求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器に割り当てた仕分け先を求めること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記入荷用容器を補充する間口が満杯で搬入できないとき、前記補充手段は、この入荷用容器を、前記読取手段により前記物品特定情報を読み取ることが可能な位置まで戻すこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記仕分けエリアを複数備え、
仕分けが終了した仕分けエリアの格納手段に格納された入荷用容器は、前記読取手段により前記物品特定情報を読み取ることが可能な位置まで戻されること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項5】
前記識別情報は、前記入荷用容器を特定する容器特定情報、格納された物品を特定する物品特定情報とその数量、および入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報から構成され、
前記各仕分け先に割り当てられた集品容器の容器特定情報を記憶し、各集品容器において前記物品要求情報に基づいて投入された物品毎に、この物品が割り当てられた間口からの物品の投入順番を記憶する第1記憶手段と、
前記各間口に割り当てられた物品の物品特定情報を記憶し、各間口に順に補充された入荷用容器の容器特定情報を記憶し、前記識別情報の物品の数量に基づいて、これら入荷用容器内の物品が前記間口から取り出される取出順番を記憶する第2記憶手段
を備え、
前記入力手段により入力された仕分け先により第1記憶手段を検索して、仕分け先に割り当てられた集品容器の容器特定情報を求め、第1記憶手段を検索して、求めた集品容器の容器特定情報における、前記入力手段により入力された物品特定情報の物品の投入順番を求め、
前記入力手段により入力された物品特定情報の物品により第2記憶手段を検索して、前記物品に割り当てられた間口を求め、第2記憶手段に記憶されたこの間口における物品の取出順番と、前記求めた物品の投入順番とつきあわせることにより、入力手段により入力された物品特定情報の物品を格納していた原入荷用容器の容器特定情報を求め、
前記第2記憶手段に記憶された入荷用容器の容器特定情報より、求めた原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器の容器特定情報を求め、これら容器特定情報の原入荷用容器および隣接入荷用容器から取り出される物品の取出順番を求め、
この物品の取出順番と、第1記憶手段に記憶された投入順番をつきあわせることにより、求めた容器特定情報の原入荷用容器および隣接入荷用容器より物品が投入された集品容器の仕分け先を求めること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項6】
物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器毎に、少なくとも入荷用容器に格納された物品を特定する物品特定情報が付与され、
前記入荷用容器を複数連続して格納可能で、前記物品特定情報により特定される物品がそれぞれ割り当てられた間口を、複数有する格納手段と、
前記入荷用容器に付与された物品特定情報に基づいて前記入荷用容器を補充する間口を求め、入荷用容器をこの間口へ補充する補充手段と
を備え、
前記格納手段の各間口に格納された入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分け方法であって、
前記仕分け先および物品の物品特定情報が入力されると、入力された前記物品特定情報により特定される物品が割り当てられた前記格納手段の間口を求め、求めた間口で、前記補充手段により補充され、入力された前記仕分け先に割り当てられた集品容器へ仕分けた物品を格納していた原入荷用容器と、この原入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、
求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器を求め、求めた集品容器に割り当てた仕分け先を求めること
を特徴とする仕分け方法。
【請求項7】
前記各入荷用容器にそれぞれ、入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報が付与され、
前記隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、前記原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求め、この隣接入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報が、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と同一のとき、さらに隣接入荷用容器の前後に位置する隣接入荷用容器を求めることを繰り返し、原入荷用容器の入荷先の入荷先特定情報と入荷先特定情報が同一でない隣接入荷用容器まで求め、
求めたこれら原入荷用容器および隣接入荷用容器から物品を仕分けた集品容器に割り当てた仕分け先を求めること
を特徴とする請求項6に記載の仕分け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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