説明

仕分装置

【課題】騒音を防止しつつ、効率よく仕分作業ができる仕分装置を提供する。
【解決手段】仕分装置は、搬送手段と、この搬送手段に移動可能に設けた複数の物品押出体と、物品押出体を案内する分岐ガイドレール体14および直進ガイドレール体13とを備える。分岐ガイドレール体14と直進ガイドレール体13とが合流する合流領域には回動案内体41を接近状態および離間状態間で回動するように設ける。回動案内体41の離間状態時には、分岐ガイドレール体14からの被案内部9は、回動案内体41と分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15との間をこれら回動案内体41と湾曲案内部15との間に挟まった状態で移動し、この移動の際にその移動方向が搬送方向に沿った方向になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音を防止しつつ、効率よく仕分作業ができる仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば物品を搬送方向に搬送するスラットコンベヤ等の搬送手段と、搬送手段に搬送方向と直交する方向である横方向に移動可能に設けられ被案内部を有する複数の物品押出体と、被案内部を案内することにより物品押出体を搬送手段に対して横方向に移動させる分岐ガイドレール体と、被案内部を搬送方向に沿って案内する直進ガイドレール体と、分岐ガイドレール体と直進ガイドレール体とが合流する合流領域に設けられた永久磁石とを備え、分岐ガイドレール体にて案内されてきた被案内部が永久磁石により分岐ガイドレール体側に付勢されて直進ガイドレール体に進入するように構成された仕分装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平7−4436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の仕分装置では、仕分効率向上のために、搬送手段による物品の搬送速度を速めると、物品押出体の移動速度も速くなり、その物品押出体の移動速度が所定速度、例えば130m/min以上になると、永久磁石が物品押出体の被案内部を引き寄せることができなくなり、その結果、物品押出体の被案内部が直進ガイドレール体に強く衝突して跳ね返り、物品押出体の被案内部と直進ガイドレール体との間で衝突の繰返しが生じて、大きな騒音が発生するおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、騒音を防止しつつ、効率よく仕分作業ができる仕分装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の仕分装置は、物品を搬送方向に搬送する搬送手段と、この搬送手段に前記搬送方向と交差する方向に移動可能に設けられ、被案内部を有する複数の物品押出体と、案内終端部に湾曲案内部を有し、前記被案内部を案内することにより前記物品押出体を前記搬送手段に対して前記搬送方向と交差する方向に移動させる分岐ガイドレール体と、前記被案内部を前記搬送方向に沿って案内する直進ガイドレール体と、前記分岐ガイドレール体と前記直進ガイドレール体とが合流する合流領域に回動可能に設けられ、一方向への回動により前記湾曲案内部に接近した接近状態になり、他方向への回動により前記湾曲案内部から離間した離間状態になる回動案内体とを備え、前記回動案内体の接近状態時には、前記直進ガイドレール体にて案内されてきた前記被案内部は、前記回動案内体と前記直進ガイドレール体との間を前記搬送方向に沿って移動し、前記回動案内体の離間状態時には、前記分岐ガイドレール体にて案内されてきた前記被案内部は、前記回動案内体と前記分岐ガイドレール体の湾曲案内部との間をこれら回動案内体と湾曲案内部とにて挟まれた状態で移動し、この移動の際にその移動方向が前記搬送方向に沿った方向になるものである。
【0006】
請求項2記載の仕分装置は、請求項1記載の仕分装置において、回動案内体は、物品押出体の被案内部にて押されて回動するものである。
【0007】
請求項3記載の仕分装置は、請求項2記載の仕分装置において、回動案内体の回動の抵抗となる回動抵抗手段を備えるものである。
【0008】
請求項4記載の仕分装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分装置において、回動案内体は、先端側が分岐ガイドレール体の湾曲案内部に対して接離するように基端側の回動中心軸を中心として回動可能に設けられ、前記回動案内体の基端側を覆う案内体保護手段を備えるものである。
【0009】
請求項5記載の仕分装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の仕分装置において、回動案内体と当接してこの回動案内体を離間状態に位置決めする位置決め手段を備えるものである。
【0010】
請求項6記載の仕分装置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の仕分装置において、回動案内体の分岐ガイドレール体の湾曲案内部と対向する側には、その湾曲案内部と対応した形状の対応湾曲案内部が形成されているものである。
【0011】
請求項7記載の仕分装置は、請求項1ないし6のいずれか一記載の仕分装置において、離間状態の回動案内体と分岐ガイドレール体の湾曲案内部との間の離間距離が調整可能になっているものである。
【0012】
請求項8記載の仕分装置は、請求項1ないし7のいずれか一記載の仕分装置において、物品押出体の被案内部は、ピンと、このピンに回転可能に設けられたローラとを有し、前記ピンは、離間状態の回動案内体に接触しながら移動し、前記ローラは、分岐ガイドレール体の湾曲案内部に接触しながら移動するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、回動案内体の離間状態時には、分岐ガイドレール体にて案内されてきた被案内部は、回動案内体と分岐ガイドレール体の湾曲案内部との間をこれら回動案内体と湾曲案内部とにて挟まれた状態で移動し、この移動の際にその移動方向が搬送方向に沿った方向になるため、物品押出体の移動速度が速くても被案内部の移動方向を搬送方向に沿った方向に変更でき、よって、騒音を防止しつつ、効率よく仕分作業ができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、回動案内体が物品押出体の被案内部にて押されて回動する構成であるため、回動案内体を回動させるモータ等の駆動手段が不要で、構成の簡素化を図ることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、回動案内体の回動の抵抗となる回動抵抗手段を備えるため、被案内部にて押された際に回動案内体がばたつくのを防止でき、騒音の発生や回動案内体の磨耗等を防止できる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、回動案内体の基端側を覆う案内体保護手段を備えるため、被案内部が回動案内体の基端側に衝突することがなく、回動案内体の基端側を適切に保護できる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、回動案内体と当接してこの回動案内体を離間状態に位置決めする位置決め手段を備えるため、回動案内体を離間状態に適切に位置決めできる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、回動案内体の分岐ガイドレール体の湾曲案内部と対向する側には、その湾曲案内部と対応した形状の対応湾曲案内部が形成されているため、互いに対向する湾曲案内部および対応湾曲案内部にて被案内部を適切に挟むことができる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、離間状態の回動案内体と分岐ガイドレール体の湾曲案内部との間の離間距離を調整できるため、被案内部をスムーズに移動させることができる。
【0020】
請求項8に係る発明によれば、ピンが離間状態の回動案内体に接触しながら移動し、ローラが分岐ガイドレール体の湾曲案内部に接触しながら移動するため、騒音を確実に防止しつつ、効率よく仕分作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の仕分装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1において、1は仕分装置で、この仕分装置1は、各種の工場等に設置され複数の物品Wを搬送しながら仕分情報に基づいて仕分けるスラット型仕分装置である。
【0023】
仕分装置1は、図1に示すように、物品Wを水平な搬送方向Aに搬送するスラットコンベヤ等の搬送手段2と、搬送手段2の側部に並設された複数の分岐シュート等の分岐搬送手段3と、搬送手段2に搬送方向Aと交差する方向、すなわち例えば搬送方向Aと直交する方向である横方向に移動可能に設けられその横方向への移動により物品Wを分岐搬送手段3に押し出して仕分ける複数の移動シュー等の物品押出体4とを備えている。
【0024】
搬送手段2は、所定距離を介して互いに離間対向する回行可能な一対のチェーン等の無端体6を有している。各無端体6は、複数のスプロケット等の回転体(図示せず)に掛け渡され、モータ等の駆動源からの動力に基づいて回行する。また、互いに離間対向する一対の無端体6には、物品Wの搬送方向Aに対して直交する方向に長手状に形成され上面に物品Wを載せて搬送方向Aに搬送する複数の搬送体であるスラット7が互いに等間隔をおいて平行に架設されている。各スラット7には、物品押出体4がスラット7の長手方向にスライド可能にそれぞれ設けられている。
【0025】
各物品押出体4は、いずれも同一形状のもので、スラット7の長手方向への移動時に物品Wの側面に接触して物品Wを分岐搬送手段3へ押し出す押出部8を上部に有し、押出体ガイド手段10にて案内される被案内部9を下部に有している。被案内部9は、図2ないし図4に示すように、押出部8から下方に向って突出する上下方向のピン11と、このピン11に回転可能に設けられたローラ(ガイドホイール)12とを有している。
【0026】
また、押出体ガイド手段10は、物品Wの搬送方向Aに沿って設けられ物品押出体4の被案内部9を搬送方向Aに沿って案内する直進ガイドレール体13と、各分岐搬送手段3と対応する位置に物品Wの搬送方向Aに対して傾斜する傾斜方向に沿って設けられ物品押出体4の被案内部9をその傾斜方向に沿って案内して物品押出体4を搬送手段2のスラット7に対してスラット7の長手方向に移動させる分岐ガイドレール体14とを有している。
【0027】
分岐ガイドレール体14の案内始端部付近には、仕分情報に基づいて物品押出体4の被案内部9を直進ガイドレール体13から分岐ガイドレール体14に導入するスイッチユニット等の切換装置(図示せず)が設けられている。分岐ガイドレール体14の案内終端部には、所望の湾曲形状をなす湾曲案内部15が形成されている。また、分岐ガイドレール体14は、図2に示されるように、分岐ガイドレール体14と直進ガイドレール体13とが合流する合流領域に位置し湾曲案内部15が形成された合流分岐レール部16と、合流分岐レール部16の上流側に位置する分岐レール部17とを有している。なお、合流分岐レール部16および分岐レール部17には、物品押出体4の被案内部9のローラ12と接触する鉛直面状の案内面18,19が形成されている。
【0028】
また、直進ガイドレール体13は、分岐ガイドレール体14と直進ガイドレール体13とが合流する合流領域に位置する合流直進レール部21と、合流直進レール部21の上流側に位置する上流側直進レール部22と、合流直進レール部21の下流側に位置する下流側直進レール部23とを有している。
【0029】
合流直進レール部21は、一方側合流直進レール部24および他方側合流直進レール部25にて構成されている。一方側合流直進レール部24が合流分岐レール部16に繋がっている。そして、合流分岐レール部16および一方側合流直進レール部24が第1ガイドレール部材26にて構成され、この第1ガイドレール部材26と離間対向する第2ガイドレール部材27にて他方側合流直進レール部25が構成されている。他方側合流直進レール部25は、合流分岐レール部16と離間対向する第1レール部分25aと一方側合流直進レール部24と離間対向する第2レール部分25bとにて構成されており、この第1レール部分25aの先端側が分岐ガイドレール体14側から離れる方向へ湾曲している。一方側合流直進レール部24と他方側合流直進レール部25の第2レール部分25bとの離間距離は、物品押出体4の被案内部9のローラ12の外径と略同じである。第1ガイドレール部材26および第2ガイドレール部材27は、いずれも例えば取付板28に取り付けられたケミカルボード等からなる板状の緩衝材29とウレタン30とにて構成されている。
【0030】
なお、一方側合流直進レール部24および他方側合流直進レール部25には、物品押出体4の被案内部9のローラ12と接触する鉛直面状の案内面31,32が形成されている。上流側直進レール部22および下流側直進レール部23には、上方に向って開口する凹形状で物品押出体4の被案内部9のピン11と接触する案内凹部33,34が形成されている。
【0031】
さらに、分岐ガイドレール体14と直進ガイドレール体13とが合流する合流領域には、物品押出体4の被案内部9のピン11を案内する長手状のピン案内バー等の回動案内体41が上下方向の回動中心軸42を中心として回動可能に設けられている。すなわち例えば樹脂製の回動案内体41は、先端側が分岐ガイドレール体14の案内終端側の湾曲案内部15に対して接離するように基端側の上下方向の回動中心軸42を中心として水平回動可能に設けられている。そして、回動案内体41は、物品押出体4の被案内部9のピン11にて押されることで一方向へ回動して湾曲案内部15に接近した接近状態になり、物品押出体4の被案内部9のピン11にて押されることで他方向へ回動して湾曲案内部15から離間した離間状態になる。つまり、回動案内体41は、物品押出体4の被案内部9のピン11にて押されることによる回動により接近状態および離間状態に選択的に切り換えられる。
【0032】
回動案内体41の両側面には凹状の湾曲面43,44が形成され、分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と対向する側の湾曲面43がその湾曲案内部15と対応した形状の対応湾曲案内部45となっている。また、図4に示されるように、回動案内体41の基端部には上下方向の貫通孔46が形成され、この貫通孔46に段付きピン47にて構成された回動中心軸42が嵌入されている。この回動中心軸42にはねじ孔48が形成され、このねじ孔48に螺合されたねじ49にて抜止め蓋50が回動中心軸42の上面に固着されている。
【0033】
さらに、回動案内体41の基端部は、押出体ガイド手段10から外れて移動してきた物品押出体4の被案内部9のピン11がその回動案内体41の基端部に直接衝突するのを防止する案内体保護手段51にて覆われている。案内体保護手段51は、例えば樹脂製の保護体であるカバー体52にて構成されている。カバー体52は、取付板53にねじ54にて固着されている。カバー体52の回動案内体41側には回動案内体41の基端部に対応した円弧状の凹部55が形成され、カバー体52の回動案内体41側とは反対側には平面視で三角形状をなす先細状の三角状部56が形成されている。三角状部56の両側面にはピン受け面57が形成されている。
【0034】
また、回動案内体41の先端部下方には、回動案内体41の先端部下面との摺接により回動案内体41の回動の抵抗となり回動案内体41の跳ね返りを防止する回動抵抗手段61が設けられている。回動抵抗手段61は、例えば回動案内体41の回動動作に抵抗力を付与して跳ね返り防止により回動案内体41のばたつきを無くす水平面状の樹脂製の抵抗体である抵抗プレート62にて構成されている。抵抗プレート62は、取付板63にねじ64にて固着されている。抵抗プレート62の上面には、回動案内体41の先端部下面と摺接する平面状の摺接受け面65が形成されている。
【0035】
さらに、直進ガイドレール体13の他方側合流直進レール部25の第1レール部分25aの内側方近傍には、回動案内体41の先端側との当接により回動案内体41の他方向への回動を規制してこの回動案内体41を所望の離間状態に位置決めする位置決め手段71が設けられている。位置決め手段71は、例えば回動案内体41の先端部側面との面状当接により回動案内体41を所望の離間状態に位置決めして回動案内体41の跳ね返りを防止する鉛直面状の樹脂製の位置決め体であるストッパプレート72にて構成されている。ストッパプレート72は、第1レール部分25aの下部に近接して設けられた取付板73にねじ74にて固着されている。
【0036】
ストッパプレート72は、図5ないし図7にも示すように、搬送方向Aに対して傾斜する方向に沿って位置する第1傾斜受け面76および第2傾斜受け面77を有している。そして、第1傾斜受け面76の先端とねじ74の軸芯との距離aと第2傾斜受け面77の先端とねじ74の軸芯との距離bとは同じではなく、距離bが距離aより長いため、ストッパプレート72をひっくり返して図5の状態から図6の状態に付け替えると、分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と回動案内体41の対応湾曲案内部45との離間距離Hが短くなる。また、図7に示すように、ライナー等の調整板78をストッパプレート72と取付板73との間に挟むと、分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と回動案内体41の対応湾曲案内部45との離間距離Hがさらに短くなる。このように、ストッパプレート72の付け替えや調整板78の有無により、例えばウレタン30の精度等に応じて分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と、離間状態の回動案内体41の対応湾曲案内部45との離間距離H、つまり分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と回動案内体41の対応湾曲案内部45との隙間80の大きさが調整可能となっている。なお、この離間距離Hは、ピン11が離間状態の回動案内体41の対応湾曲案内部45に接触すると同時にローラ12が分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15に接触し、かつこれら湾曲案内部15,45間での被案内部9の移動を許容する値である。
【0037】
次に、図8ないし図16を参照して回動案内体41の動作等を説明する。
【0038】
図8に示すように、回動案内体41の接近状態時には、直進ガイドレール体13にて搬送方向Aに沿って案内されて移動してきた被案内部9は、回動案内体41と直進ガイドレール体13の他方側合流直進レール部25の第1レール部分25aとの間をそのまま搬送方向Aに沿って移動した後、直進ガイドレール体13の一方側合流直進レール部24および他方側合流直進レール部25の第2レール部分25b間に進入する。
【0039】
そして、図9に示すように、回動案内体41の接近状態時に、物品押出体4の被案内部9が分岐ガイドレール体14に案内されて移動してくると、その被案内部9は、接近状態の回動案内体41と分岐ガイドレール体14の合流分岐レール部16との間に入り込む。なお、分岐ガイドレール体14からの被案内部9は、先行する被案内部9が回動案内体41と他方側合流直進レール部25の第1レール部分25aとの間を通過した後に、回動案内体41と合流分岐レール部16との間に入り込む。
【0040】
分岐ガイドレール体14からの被案内部9が回動案内体41と合流分岐レール部16との間に入り込むと、図10ないし図12に示すように、物品押出体4の被案内部9のピン11が回動案内体41の対応湾曲案内部45である湾曲面43に接触してこの回動案内体41を押し、回動案内体41がストッパプレート72に当接するまで回動中心軸42を中心に回動して合流分岐レール部16の湾曲案内部15から離間した離間状態になる。すなわち回動案内体41が被案内部9のピン11にて押されて回動して接近状態から離間状態に切り換わり、分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と回動案内体41の対応湾曲案内部45との間に所望の隙間80が形成される。なお、この回動案内体41の回動の際、回動案内体41の先端部下面が抵抗プレート62の摺接受け面65と摺接するため、回動案内体41の跳ね返りが防止される。
【0041】
そして、その物品押出体4の被案内部9は、図13および図14に示すように、分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と回動案内体41の対応湾曲案内部45との間の隙間80をこれら湾曲案内部15と対応湾曲案内部45とにて移動方向両側から挟まれた状態でそれら湾曲案内部15,45に沿って移動した後、直進ガイドレール体13の一方側合流直進レール部24および他方側合流直進レール部25の第2レール部分25b間に進入する。
【0042】
つまり、この物品押出体4の被案内部9は、隙間80を移動する際に、その移動方向が搬送方向Aに対して傾斜した傾斜方向から搬送方向Aに沿った直進方向に徐々に変更される。この際、被案内部9のピン11は、離間状態の回動案内体41の対応湾曲案内部45に接触しながら移動、つまり擦れながら移動し、被案内部9のローラ12は、分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15に接触して回転しながら移動する。
【0043】
次いで、その物品押出体4の被案内部9の後に、直進ガイドレール体13にて案内されてきた被案内部9が、離間状態の回動案内体41と他方側合流直進レール部25の第1レール部分25aとの間に入り込んだ場合には、図15および図16に示すように、物品押出体4の被案内部9のピン11が回動案内体41の湾曲面44に接触してこの回動案内体41を押し、回動案内体41が回動中心軸42を中心に回動して湾曲案内部15に接近した接近状態になる。なお、この回動案内体41の回動の際、回動案内体41の先端部下面が抵抗プレート62の摺接受け面65と摺接するため、回動案内体41の跳ね返りが防止される。図示しないが回動案内体41が湾曲案内部15に当接するまで回動するようにしてもよい。
【0044】
そして、上記仕分装置1によれば、回動案内体41の離間状態時には、分岐ガイドレール体14にて案内されてきた被案内部9は、回動案内体41の対応湾曲案内部45と分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15との間をこれら対応湾曲案内部45と湾曲案内部15とにて挟まれた状態で移動し、この移動の際にその移動方向が搬送方向Aに沿った方向になるため、物品押出体4の移動速度が例えば130m/min以上の高速になっても、被案内部9の移動方向を搬送方向Aに沿った方向に変更でき、よって、被案内部9が第2レール部分25bに強く衝突するようなことがなく、騒音を防止でき、かつ、緩衝材29、ウレタン30およびローラ12等の破損および磨耗等を低減でき、しかも効率よく仕分作業ができる。
【0045】
また、回動案内体41が物品押出体4の被案内部9のピン11にて押されて回動する構成であるため、回動案内体41を回動させるモータ等の駆動手段が不要で、構成の簡素化を図ることができる。
【0046】
さらに、回動案内体41の回動の抵抗となる回動抵抗手段61の抵抗プレート62を備えるため、物品押出体4の被案内部9にて押された際に回動案内体41がばたつくのを防止でき、騒音を適切に防止できる。
【0047】
また、回動案内体41の基端側を覆う案内体保護手段51のカバー体52を備えるため、物品押出体4の被案内部9が回動案内体41の基端側に直接衝突することがなく、回動案内体41の基端側を適切に保護できる。
【0048】
さらに、回動案内体41の先端側と当接してこの回動案内体41を所望の離間状態に位置決めする位置決め手段71のストッパプレート72を備えるため、回動案内体41を離間状態に適切に位置決めでき、しかもそのストッパプレート72の付け替え等によって分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15と回動案内体41の対応湾曲案内部45との離間距離を調整でき、ウレタン30の精度等に対応でき、物品押出体4の被案内部9をスムーズに移動させることができる。
【0049】
なお、回動案内体41の湾曲案内部15と対向する側にその湾曲案内部15と対応した形状の対応湾曲案内部45を形成した構成には限定されず、例えば弾性変形可能な平面状の案内部を形成した構成等でもよい。
【0050】
また、物品押出体4の被案内部9が離間状態の回動案内体41と分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15との間をこれら回動案内体41と湾曲案内部15とにて挟まれた状態で移動する場合には、被案内部9が離間状態の回動案内体41と湾曲案内部15とにて略挟まれた状態で移動するような場合も含まれる。すなわち例えば被案内部9のローラ12と分岐ガイドレール体14の湾曲案内部15との間に若干隙間がある場合でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態に係る仕分装置の概略平面図である。
【図2】同上仕分装置の要部平面図である。
【図3】同上仕分装置の要部断面図である。
【図4】同上仕分装置の要部断面図である。
【図5】同上仕分装置の湾曲案内部および対応湾曲案内部の隙間を調整する場合の説明図である。
【図6】同上仕分装置の湾曲案内部および対応湾曲案内部の隙間を調整する場合の説明図である。
【図7】同上仕分装置の湾曲案内部および対応湾曲案内部の隙間を調整する場合の説明図である。
【図8】同上仕分装置の回動案内体の動作説明図である。
【図9】図8に続く動作説明図である。
【図10】図9に続く動作説明図である。
【図11】図10に続く動作説明図である。
【図12】図11に続く動作説明図である。
【図13】図12に続く動作説明図である。
【図14】図13に続く動作説明図である。
【図15】図14に続く動作説明図である。
【図16】図15に続く動作説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 仕分装置
2 搬送手段
4 物品押出体
9 被案内部
11 ピン
12 ローラ
13 直進ガイドレール体
14 分岐ガイドレール体
15 湾曲案内部
41 回動案内体
42 回動中心軸
45 対応湾曲案内部
51 案内体保護手段
61 回動抵抗手段
71 位置決め手段
W 物品
A 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送方向に搬送する搬送手段と、
この搬送手段に前記搬送方向と交差する方向に移動可能に設けられ、被案内部を有する複数の物品押出体と、
案内終端部に湾曲案内部を有し、前記被案内部を案内することにより前記物品押出体を前記搬送手段に対して前記搬送方向と交差する方向に移動させる分岐ガイドレール体と、
前記被案内部を前記搬送方向に沿って案内する直進ガイドレール体と、
前記分岐ガイドレール体と前記直進ガイドレール体とが合流する合流領域に回動可能に設けられ、一方向への回動により前記湾曲案内部に接近した接近状態になり、他方向への回動により前記湾曲案内部から離間した離間状態になる回動案内体とを備え、
前記回動案内体の接近状態時には、前記直進ガイドレール体にて案内されてきた前記被案内部は、前記回動案内体と前記直進ガイドレール体との間を前記搬送方向に沿って移動し、
前記回動案内体の離間状態時には、前記分岐ガイドレール体にて案内されてきた前記被案内部は、前記回動案内体と前記分岐ガイドレール体の湾曲案内部との間をこれら回動案内体と湾曲案内部とにて挟まれた状態で移動し、この移動の際にその移動方向が前記搬送方向に沿った方向になる
ことを特徴とする仕分装置。
【請求項2】
回動案内体は、物品押出体の被案内部にて押されて回動する
ことを特徴とする請求項1記載の仕分装置。
【請求項3】
回動案内体の回動の抵抗となる回動抵抗手段を備える
ことを特徴とする請求項2記載の仕分装置。
【請求項4】
回動案内体は、先端側が分岐ガイドレール体の湾曲案内部に対して接離するように基端側の回動中心軸を中心として回動可能に設けられ、
前記回動案内体の基端側を覆う案内体保護手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分装置。
【請求項5】
回動案内体と当接してこの回動案内体を離間状態に位置決めする位置決め手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の仕分装置。
【請求項6】
回動案内体の分岐ガイドレール体の湾曲案内部と対向する側には、その湾曲案内部と対応した形状の対応湾曲案内部が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の仕分装置。
【請求項7】
離間状態の回動案内体と分岐ガイドレール体の湾曲案内部との間の離間距離が調整可能になっている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の仕分装置。
【請求項8】
物品押出体の被案内部は、ピンと、このピンに回転可能に設けられたローラとを有し、
前記ピンは、離間状態の回動案内体に接触しながら移動し、
前記ローラは、分岐ガイドレール体の湾曲案内部に接触しながら移動する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載の仕分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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