説明

代替的な核酸配列決定法

核酸セグメントの平行配列決定を提供する実施形態が提供される。いくつかの実施形態では、1つの配列が少なくとも2種類の異なる配列決定技術によって配列決定され、結果が比較され、それにより、1つの技術の欠陥や長所を第2の技術によって補うことが可能となる。一実施形態において、本発明は、ポリヌクレオチドの配列決定のための方法を提供し、この方法は:核酸配列決定試薬の第1のセットを使用してポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程;および核酸配列決定試薬の第2のセットを使用して該ポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程を含み、ここで、該核酸配列決定試薬の第1のセットは該核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2007年8月29日に出願された米国仮特許出願第60/968,834号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する。
【0002】
分野
本開示は、核酸配列決定のための方法と組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
導入
核酸を配列決定するための多種多様な技術が存在している。しかし、多くの場合、これらの様々な技術には、得られる配列の不確定性につながり得るという問題点がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本発明の技術は、特に、より正確な核酸配列決定および/またはより大きな読み取り長などによって、さらに効率的な配列決定を手助けする方法と装置を提供する。
【0005】
本発明の教示の方法の様々な実施形態には以下が含まれる:核酸配列決定試薬の第1のセットを使用してポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程;および核酸配列決定試薬の第2のセットを使用してポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程。ここで、核酸配列決定試薬の第1のセットは、核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なる。
【0006】
本発明の教示の1つの方法の様々な実施形態には以下が含まれる:目的のポリヌクレオチドに由来するクローンライブラリーについて第1の核酸配列決定化学反応を行う工程;核酸配列決定試薬の第1のセットを使用してポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程;および核酸配列決定試薬の第2のセットを使用してポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程が含まれる。ここで、核酸配列決定試薬の第1のセットは、核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なる。
【0007】
本発明の教示の方法の様々な実施形態には以下が含まれる:第1の核酸配列決定化学反応を使用して目的のポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程;および第2の核酸配列決定化学反応を使用してポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程。いくつかの実施形態では、第1の領域の配列決定と第2の領域の配列決定の全てまたは一部を同時に行うことができる。
【0008】
本発明の教示の方法の様々な実施形態には以下が含まれる:核酸配列決定試薬の第1のセットを使用してポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程であって、それにより、第1の核酸配列が生成される工程;核酸配列決定試薬の第2のセットを使用してポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程であって、ここで、核酸配列決定試薬の第1のセットは、核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なり、それにより、第2の核酸配列が生成され、ここで、第1の領域と第2の領域は、共通している少なくとも1ヌクレオチド塩基位置を有する、工程;および第1の核酸配列と第2の核酸を比較する工程。いくつかの実施形態では、第1の領域の配列決定と第2の領域の配列決定の全てまたは一部を同時に行うことができる。
【0009】
本発明の教示の方法の様々な実施形態には以下が含まれる:分析用ポリヌクレオチドを複数のポリヌクレオチド断片に断片化する工程;ポリヌクレオチド断片の少なくとも一部をクローン増幅させ、それによって断片クローンのセットが生成される、工程;断片クローンのセットの第1の部分を、核酸配列決定試薬の第1のセットを用いて配列決定し、それによって、第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリが生成される、工程;第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基のうちの少なくとも一部についてエラー値を得る工程;断片クローンのセットの第2の部分を、核酸配列決定試薬の第2のセットを用いて配列決定し、それによって、第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリが生成される、工程;第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基のうちの少なくとも一部についてエラー値を得る工程;第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリを第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリと比較する工程;および他の塩基配列アセンブリ中の塩基の塩基識別(base identity)と比較した、対応しているヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基識別についてのより低いエラー値に基づいて、第1の塩基配列アセンブリと第2の塩基配列アセンブリとの間での少なくとも1つの塩基識別を選択する工程。
【0010】
様々な実施形態において、第1の領域と第2の領域は重複しており、一方、他の実施形態では、重複していない。いくつかの実施形態では、第1の領域と第2の領域はポリヌクレオチドの異なる鎖上にある。いくつかの実施形態では、第1の領域と第2の領域は少なくとも5ヌクレオチド重複している。いくつかの実施形態では、第1の領域と第2の領域は少なくとも10ヌクレオチド重複している。いくつかの実施形態では、第1の領域は第2の領域に隣接し得る。
【0011】
様々な実施形態において、ポリヌクレオチドは固体支持体上に固定される。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ビーズまたは他の粒子であり得る。様々な実施形態において、増幅させられたクローンはアレイ上に存在する。
【0012】
様々な実施形態において、ポリヌクレオチドは単一分子であり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは増幅させられたクローンであり得る。いくつかの実施形態では、増幅させられたクローンはPCRによって生成される。いくつかの実施形態では、PCRはエマルジョンPCRである。いくつかの実施形態では、増幅は半固体支持体の中で行われる。いくつかの実施形態では、増幅は固体支持体上で行われる。
【0013】
様々な実施形態において、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、連結化学反応による配列決定であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、可逆的ターミネーターの化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、ピロシーケンス(pyrosequencing)化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、連結化学反応による配列決定であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、可逆的ターミネーターの化学反応である。
【0014】
様々な実施形態において、クローンライブラリーには目的の生物のゲノムが含まれる。いくつかの実施形態では、目的の生物は原核生物である。いくつかの実施形態では、目的の生物は真核生物である。いくつかの実施形態では、クローンライブラリーには、目的のゲノムに由来するアンプリコン由来のクローンが含まれる。いくつかの実施形態では、クローンライブラリーは核酸ライブラリーに由来する。
【0015】
本発明の教示のなおさらなる態様は、ポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのシステムに関する。
【0016】
様々な実施形態において、目的のポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのシステムには、以下が含まれる:分析用ポリヌクレオチドのアレイ;上記アレイを含み、少なくとも1つの入力ポートを有しているフローセル;核酸配列決定試薬の第1のセットを含むリザーバーセット(ここで、リザーバーセットは入力ポートとつながれている);核酸配列決定試薬の第2のセットを含むリザーバーセット(ここで、リザーバーセットは入力ポートと流体連結されている);核酸配列決定試薬の第1のセットと分析用ポリヌクレオチドとの間での反応によって生じた光学シグナルを検出するように構成されている第1の光学シグナルコレクター;および核酸配列決定試薬の第2のセットと分析用ポリヌクレオチドとの間での反応によって生じた光学シグナルを検出するように構成されている第2の光学シグナルコレクター。いくつかの実施形態では、配列決定試薬の2つ以上のセットによる反応の画像化を同時に行うことができる。
【0017】
様々な実施形態において、第1の光学シグナルコレクターと第2の光学シグナルコレクターは同じ構成要素である。いくつかの実施形態では、光学シグナルコレクターのうちの少なくとも一方にCCDが含まれる。いくつかの実施形態では、本発明のシステムにはさらに、ポリヌクレオチドのアレイ上に存在する蛍光シグナルの励起を誘導するように構成されたレーザーが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、ポリヌクレオチドの配列を分析するための1つの実施形態を示しているフローチャートを示す。2種類の配列決定化学反応が、配列を決定するために使用される。
【図2】図2は、ポリヌクレオチド配列を分析するための別の実施形態を示しているフローチャートを示す。核酸配列決定試薬の2つのセットが、配列を決定するために使用される。
【図3】図3は、ポリヌクレオチド配列を分析するための別の実施形態を示しているフローチャートを示す。連結反応による配列決定とピロシーケンスが、配列を決定するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者はこれらの図面が説明の目的だけのために提供されることを理解するであろう。これらの図面は、本発明の教示の範囲を限定するようには決して意図されない。
【0020】
多くの高度に多重化された平行配列決定技術には、膨大な量の作業が、配列決定自体ではなくむしろ、配列決定用の試料の調製工程において発生する。本明細書中に記載されるような様々な技術によるポリヌクレオチドの配列決定により、実質的な効果を得ることができる。配列決定反応を並行して行うことができる。このように、1つの技術に特異的であるエラーを、最少量の付加的な作業(同じ量の不可欠な調製作業が、使用される実際の配列決定技術の数とは無関係に行われる)によって排除または減らすことができる。分析用ポリヌクレオチドの様々な領域が、様々な配列決定技術によって利用され得る。
【0021】
一般的には、本発明の教示により、特に、より正確な核酸配列決定および/またはより大きな読み取り長などによって、さらに効率的な配列決定を手助けする方法と装置が提供される。様々な実施形態において、本発明の教示により、核酸の高度に多重化された平行配列決定のための方法と装置が提供される。
【0022】
様々な実施形態において、配列は、少なくとも2種類の配列決定化学反応によって分析され得る。この多重配列決定化学反応の使用により、個々のクローンの配列の正確性、および複数のクローンから導かれた最終的なコンパイルされた配列の正確性を高めることができる。異なる配列決定化学反応は、異なるエラーを生じる傾向がある。2種類の化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置に最終的な塩基を示す際に考慮され得る。様々な化学反応での塩基のバリエーションと配列の偏りもまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮され得る。様々な実施形態において、3種類以上の配列決定化学反応が使用される。いくつかの実施形態では、様々な化学反応を使用した配列決定工程の全てまたは一部を同時に行うことができる。
【0023】
本発明の教示により、さらに、特に、配列決定反応を検出するためのシステム、方法、キット、および装置が提供される。
【0024】
定義
他に明記されない限り、本明細書中に記載される本発明に関して使用される科学用語および技術用語は、当業者に一般的に理解されている意味を有するものとする。さらに、状況によって必要とされない限り、単数形の用語には複数形が含まれ、複数形の用語には単数形が含まれるものとする。一般的には、本明細書中に記載される細胞と組織の培養、分子生物学、およびタンパク質、ならびにオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド化学、ならびにハイブリダイゼーションに関連して利用される命名法、ならびに技術は、当該分野で周知であり、一般的に使用されているものである。例えば、化学合成、化学分析、組み換え核酸、オリゴヌクレオチド合成、および組織培養、ならびに形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)についての標準的な技術が使用される。酵素反応と精製技術は、製造者の使用説明書に従って行われるか、または当該分野で一般的に行われているように行われるか、または本明細書中に記載されるように行われる。先行技術と手法は、一般的に、当技術分野で周知の従来法に従い、本明細書をとおして引用され考察される、様々な一般的であり、より具体的な参考文献に記載されているように行われる。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,N.Y.2000)を参照のこと。組み合わせて利用される命名法、ならびに本明細書中に記載される実験手法および技術は、当該分野で周知であり、そして一般的に使用されているものである。
【0025】
本明細書中に提供される実施形態にしたがって利用される場合は、以下の用語は、他に明記されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0026】
用語「核酸配列決定化学反応」は、本明細書中で使用される場合、配列決定結果を得るためにポリヌクレオチドを配列決定するために使用される化学反応のタイプとそれに伴う方法をいう。多種多様な配列決定化学反応が当該分野で公知である。本明細書中で開示される様々な実施形態に有用な様々なタイプの配列決定化学反応の例としては、Maxam−Gilbert配列決定、鎖終結法、色素標識ターミネーター法、可逆的ターミネーターを使用する配列決定、リン酸塩の検出による核酸の配列決定(「ピロリン酸シーケンス」または「ピロシーケンス」)、および連結による配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。そのような配列決定化学反応および対応する配列決定試薬は、例えば、米国特許第7,057,026号、同第5,763,594号、同第5,808,045号、同第6,232,465号、同第5,990,300号、同第5,872,244号、同第6,613,523号、同第6,664,079号、同第5,302,509号、同第6,255,475号、同第6,309,836号、同第6,613,513号、同第6,841,128号、同第6,210,891号、同第6,258,568号、同第5,750,341号、同第6,306,597号、PCT公開番号WO91/06678A1、同WO93/05183A1、同WO6074351A2、同WO03054142A2、同WO03004690A2、同WO07002204A2、同WO07002204A2、同WO06084132A2、および同WO06073504A2(これらは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。
【0027】
用語「配列決定試薬」は、本明細書中で使用される場合、核酸の配列決定に使用される試薬をいう。配列決定化学反応のタイプに応じて、様々な配列決定試薬を使用することができる。「配列決定試薬」としては、適切なプライマー、ヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、逆転写酵素、RNAse、核酸重合剤(例えば、Taqポリメラーゼ)、RNA重合剤(例えば、Qβレプリカーゼ)、検出標識、切断可能なリンカー、マグネシウム、連結試薬、切断試薬、ユニバーサル塩基などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、4種類のジデオキシヌクレオチドが、(例えば、自動核酸配列分析のための)様々な蛍光色素で標識される。当業者は、適切な試薬を選択することができる。例示的な配列決定化学反応のタイプは上に列挙されており、いくつかは以下にさらに詳細に記載される。
【0028】
表現「異なるポリヌクレオチド鎖」は、本明細書中で使用される場合、2本鎖であるポリヌクレオチドの同じ鎖には由来しない核酸鎖をいう。異なる鎖は相補的である場合も、また相補的ではない場合もあり、また、重複している相補性領域を共有している場合もある。重複しているヌクレオチドの数は、1ヌクレオチドから領域全体の完全な重複まで様々であり得る。いくつかの実施形態では、異なるポリヌクレオチド鎖は、少なくとも5ヌクレオチドの重複している相補性領域を共有する。他の実施形態では、異なるポリヌクレオチド鎖は、少なくとも10ヌクレオチドの重複している相補性領域を共有する。
【0029】
表現「ポリヌクレオチドの第1の領域」は、本明細書中で使用される場合、それについての配列情報が望まれるポリヌクレオチドの第1のセグメントをいう。第1の領域は、任意の長さまたは配列の領域であり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域には、より大きなポリヌクレオチドの断片が含まれ得る。
【0030】
表現「ポリヌクレオチドの第2の領域」は、本明細書中で使用される場合、それについての配列情報が望まれるポリヌクレオチドのセグメントをいう。ポリヌクレオチドの第2の領域は、任意の長さまたは配列の領域であり得る。ポリヌクレオチドの第2の領域は、ポリヌクレオチドの第1の領域と重複している場合があり、また重複していない場合もある。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は、少なくとも5ヌクレオチド重複している。他の実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は、少なくとも10ヌクレオチド重複している。ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は異なるポリヌクレオチド鎖上に存在する場合があり、また、同じポリヌクレオチド鎖上に存在する場合もある。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第2の領域には、ポリヌクレオチドの断片が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第2の領域は、ポリヌクレオチドの第1の領域とは異なるポリヌクレオチド断片上にある。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第2の領域は、ポリヌクレオチドの第1の領域と同じポリヌクレオチド断片上にある。様々な実施形態において、第3の領域またはさらなる領域が検討される。
【0031】
表現「核酸配列決定試薬の第1のセット」は、本明細書中で使用される場合、核酸配列決定試薬の1つ以上の他のセットを使用して得られた配列決定結果と比較される配列決定結果をもたらす、配列決定に使用される試薬の1つのセットをいう。
【0032】
表現「核酸配列決定試薬の第2のセット」は、本明細書中で使用される場合、核酸配列決定試薬の1つ以上の他のセットの配列決定結果と比較される配列決定結果をもたらす、配列決定に使用される試薬の1つのセットをいう。配列決定試薬は、配列決定法のタイプに応じて様々であり得る。核酸配列決定試薬の第2のセットは、核酸配列決定試薬の第1のセットと同じである場合も、また異なる場合もある。様々な実施形態において、第3のセットまたはさらなるセットが使用され得る。
【0033】
表現「核酸配列決定試薬の第1のセットは核酸の第2のセットとは異なる」は、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは第2のセットのいずれかに、他方のセットの中には存在しない少なくとも1種類の成分が含まれることを意味する。核酸配列決定試薬の第1のセットと第2のセットは、異なるタイプの配列決定化学反応を行うために、ただし、少なくとも1種類の異なる試薬を用いて、使用され得る。あるいは、核酸配列決定試薬の第1のセットと第2のセットは、同じタイプの配列決定化学反応を行うために、ただし、少なくとも1種類の異なる試薬を用いて使用され得る。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は互換的に使用され、ヌクレオチド単量体(核酸)の一本鎖および二本鎖のポリマーを意味する。これには、ヌクレオチド間ホスホジエステル結合連結(例えば、3’−5’および2’−5’)、逆結合(例えば、3’−3’および5’−5’分岐構造)によって連結された2’−デオキシリボヌクレオチド(核酸)およびリボヌクレオチド(RNA)、またはアナログ核酸が含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドは、関連する対イオン(例えば、H、NH、トリアルキルアンモニウム、Mg、Naなど)を有する。ポリヌクレオチドは、全てがデオキシリボヌクレオチドからなる場合、全てがリボヌクレオチドからなる場合、また、それらのキメラ混合物からなる場合もある。ポリヌクレオチドは、ヌクレオ塩基と糖アナログからなり得る。ポリヌクレオチドは、通常、これらが当該分野でオリゴヌクレオチドとより一般的に頻繁に呼ばれる場合の、少ない数の単量体単位(例えば、5〜40)から、数千個の単量体ヌクレオチド単位までの大きさの範囲である。他に明記されない限り、ポリヌクレオチド配列が示されているか否かにかかわらず、ヌクレオチドは、左から右に向かって5’から3’の順序であり、「A」がデオキシアデノシンを示し、「C」がデオキシシチジンを示し、「G」がデオキシグアノシンを示し、そして「T」がチミジンを示すことが理解されるであろう。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「核酸配列」または「ヌクレオ塩基配列」は、ヌクレオ塩基含有サブユニットを含むポリマーの任意の区分である。適切なポリマーまたはポリマーセグメントの非限定的な例として、オリゴヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチド、ペプチド核酸、ならびにそれらのアナログおよびキメラが挙げられる。
【0036】
用語「固定された」は当該分野で理解されており、核酸に関して使用される場合、表面の使用が意図される環境に存在している、その種に対して働く引力よりも強い引力で表面に対して核酸が付着させられている状態をいう。
【0037】
用語「生物」は、複製させることができ、配列決定の目的である核酸を含む、任意の生存または生存していないものを示すために本明細書中で使用される。これには、プラスミド、ウイルス、原核生物、古細菌、および真核生物の細胞、細胞株、真菌、原生動物、植物、動物などが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
表現「閉鎖複合体単一分子配列決定」は、本明細書中で使用される場合、固定されたプライマー/鋳型上に1つのヌクレオチドを捕捉するための、DNAポリメラーゼの通常の触媒サイクルを含むピロシーケンスをベースとする配列決定化学反応をいう。閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応および対応する配列決定試薬は、例えば、米国特許第7,264,934号に記載されている。
【0039】
表現「ナノサイズ流体配列決定」は、本明細書中で使用される場合、個々の塩基を特定するであろう、個々のDNA分子からの電流を測定するためのナノ細孔を用いる配列決定化学反応をいう。
【0040】
例示的な実施形態
図1は、様々な方法または手法を行うために使用できる工程を示しているフローチャートを示す。以下により十分に記載されるいくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域の配列は、第1の配列決定化学反応10を使用して決定される。次に、ポリヌクレオチドの第2の領域の配列は、第2の配列決定化学反応20を使用して決定される。2つの配列が、その後、比較される(30)。それにより、2つの配列の間でのあらゆる差異が同定され、したがって、さらに正確な配列決定結果が得られる。
【0041】
図2は、いくつかの実施形態で使用できる工程を示しているフローチャートを示す。第1の核酸配列は、核酸配列決定試薬の第1のセットを使用してポリヌクレオチドの第1の領域について決定され得る(40)。第2の核酸配列は、核酸配列決定試薬の第2のセットを使用して、ポリヌクレオチドの第2の領域について決定され得る(50)。示される実施形態では、核酸配列決定試薬の第2のセットは、核酸配列決定試薬の第1のセットとは異なる。第1の領域と第2の領域は、共通している少なくとも1つのヌクレオチド塩基位置を有し得る。その後、第1の核酸配列は、第2の核酸配列に対して比較され得る(60)。さらなる配列を、核酸配列決定試薬のさらなるセットを使用して決定し、第1の核酸配列および第2の核酸配列に対して比較することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域または第2の領域中にある塩基のうちの少なくとも1つについての少なくとも1つのエラー値が、公知の方法を使用して生じ得る。いくつかの実施形態では、複数のエラー値が、例えば、2002年10月23日に提出された米国特許出願公開番号20040053246(その全体が引用により本明細書中に組み込まれる)に開示されている方法にしたがって計算される。エラー値は、複数の核酸配列を比較した際に不一致が存在する場合、塩基識別を選択するための基準として使用され得る。いくつかの実施形態では、塩基識別は、他の核酸配列中の塩基の塩基識別と比較された、対応する核酸配列中の塩基識別についてのより低いエラー値に基づいて、第1の核酸配列と第2の核酸配列との間で選択される。いくつかの実施形態では、1つの配列決定化学反応に伴う公知の問題に基づくエラーを含む可能性がある領域が同定される。この領域の配列は、同じエラーの問題がない配列決定化学反応を使用して得られた配列に対して比較される。例えば、1つの領域(例えば、GC含量が高い場所)の配列決定についてのエラー率が、第2の配列決定化学反応に対して第1の配列決定化学反応について高いことが公知である場合には、塩基識別を、第2の配列決定化学反応を使用して決定された配列から選択することができる。
【0043】
ポリヌクレオチドの配列は、配列決定化学反応を使用して決定することができる。多種多様な配列決定化学反応が当該分野で公知である。上記で議論されたように、本明細書中に開示される様々な実施形態に有用な様々なタイプの配列決定化学反応の例としては、Maxam−Gilbert配列決定、鎖ターミネーター法、色素ターミネーター法、可逆的ターミネーターを使用する配列決定、リン酸塩の検出による核酸の配列決定(「ピロリン酸シーケンス」または「ピロシーケンス」)、連結による配列決定、閉鎖複合体単一分子配列決定、ナノサイズ流体配列決定、および力分光法プラットフォーム配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。そのような配列決定化学反応および対応する配列決定試薬は、例えば、米国特許第7,057,026号、同第5,763,594号、同第5,808,045号、同第6,232,465号、同第5,990,300号、同第5,872,244号、同第6,613,523号、同第6,664,079号、同第5,302,509号、同第6,255,475号、同第6,309,836号、同第6,613,513号、同第6,841,128号、同第6,210,891号、同第6,258,568号、同第5,750,341号、同第6,306,597号、PCT公開番号WO91/06678A1、同WO93/05183A1、同WO6074351A2、同WO03054142A2、同WO03004690A2、同WO07002204A2、同WO07002204A2、同WO06084132A2、および同WO06073504A2(これらは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。
【0044】
可逆的ターミネーターを使用する核酸の配列決定に有用な様々な可逆的ターミネーターが、当該分野で公知である。可逆的ターミネーター法は、1回に1つのヌクレオチドを付加し、その位置に対応する標識を検出し、その後、別のヌクレオチドを重合させるためにブロッキング基を除去する、標識されたターミネーターの可逆的なバージョンを使用する。可逆的ターミネーターのブロッキング基は、3’位置または5’位置のいずれかに存在し得る。あるいは、可逆的ターミネーターは、ヌクレオチド塩基上または2’位置に取り除くことができるブロッキング基を有し得、これは、可逆的ターミネーターが取り込まれた後、ブロッキング基が取り除かれるまで、ポリヌクレオチドの伸張を妨げるように作用する。可逆的ターミネーターを使用する配列決定の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:米国特許第7,057,026号および同第6,664,079号に記載されているような、切断可能なリンカー基を介して検出可能な標識に連結させられたヌクレオシドおよびヌクレオチドを使用する配列決定;米国特許第5,763,594号、同第5,808,045号、同第5,990,300号、同第6,232,465号、および同第5,872,244号に記載されているような、保護されたヌクレオチドを使用する配列決定;PCT公開番号WO91/06678および同WO2006/074351に記載されているような、可逆的にブロックされたヌクレオチドを使用する配列決定;PCT公開番号93/05183に開示されているような、塩基付加配列決定スキームによる配列決定;米国特許第6,613,513号に記載されているような、取り込みによる配列決定;米国特許第6,309,836に記載されているような、ヒドロカルビルジチオメチル修飾化合物を使用する配列決定;米国特許第6,255,475号に記載されているような、鎖ターミネーターを使用する配列決定;ならびに、米国特許第5,302,509号に記載されているような、蛍光標識された3’−ブロックヌクレオチド三リン酸を使用する配列決定。
【0045】
ピロシーケンスは、相補的な配列が鋳型としての未知の配列(決定される配列)を使用して重合させられる技術である。毎回、1つの新しいヌクレオチドが、成長しつつある相補的な鎖に重合させられ、ピロリン酸(PPi)分子が放出される。その後、このピロリン酸の放出が検出される。4種類のヌクレオチド(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)またはそれらのアナログ(例えば、α−チオ−dATP)の反復的付加には、ピロリン酸の放出時間と放出程度のモニタリングが伴い、それにより、成長しつつある相補的な鎖に取り込まれたヌクレオチドが同定される。ピロシーケンスの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:PCT公開番号03/054142に開示されているような、スルフリラーゼ−ルシフェラーゼ融合タンパク質を使用する配列決定;米国特許第6,841,128号に記載されているようなシステムを使用する配列決定;米国特許第6,210,891号に記載されているような、ピロリン酸の放出の酵素的検出を使用する配列決定;米国特許第6,258,568号に記載されているような、ピロリン酸の放出による塩基の取り込みと、それと同時の酵素によるヌクレオチドの分解を使用する配列決定;PCT公開番号WO03/004690に記載されているような、実質的な二次元アレイの中で平行して行われる高密度に詰め込まれた無関係な化学反応を使用する配列決定;ならびに、PCT公開番号WO2007/002204に記載されているような、3’−O−修飾デオキシヌクレオシド三リン酸を使用する配列決定。
【0046】
段階的な連結と切断による配列決定は、標的ポリヌクレオチドの末端への連結と、そこでのプローブの切断のサイクルの繰り返しに基づく。例えば、個々のそのようなサイクルでは、1つ以上の末端ヌクレオチドが同定され、連結と切断のさらなるサイクルを行うことができるように、1つ以上のヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの末端から取り除かれる。個々のサイクルでは、標的配列は、標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が決定されるまで、1個以上のヌクレオチドずつ短くなる。連結による配列決定法の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:PCT公開番号WO2006/084132に記載されているような、オリゴヌクレオチドの連結と切断のサイクルによる配列決定;PCT公開番号WO2005/010145に記載されているような、フローサイトメトリーによって蛍光標識された粒子をカウントすることによる配列決定;米国特許第6,306,597号に記載されているような、一本鎖の鋳型に沿った二本鎖の伸張サイクルの繰り返しに基づく配列決定;米国特許第5,403,708号に記載されているような、鋳型核酸にハイブリダイズした連結産物を生成させることによる配列決定;ならびに、米国特許第5,552,278号に記載されているような、段階的な連結と切断による配列決定。
【0047】
様々な実施形態において、配列は、少なくとも2種類の配列決定化学反応によって分析され得る。様々な実施形態において、3種類以上の異なる配列決定化学反応が使用される。
【0048】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域の配列は、第1の配列決定化学反応を使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、第1の領域と第2の領域は、同じ鎖または相補的な鎖の異なる領域であり、これらは重複していない。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第2の領域の配列は、第2の配列決定化学反応を使用して決定され得る。第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は同じであってよく、また、これらは異なっていてもよい。第1の領域と第2の領域は同じであってよく、また、これらは異なっていてもよい。他の実施形態では、第3の配列決定化学反応が、ポリヌクレオチドの第3の領域の配列を決定するために使用される。第3の領域は、第1の領域および/または第2の領域と同じであってよく、また、これは異なっていてもよい。第3の配列決定化学反応は、第1の配列決定化学反応および/または第2の配列決定化学反応と同じであってよく、また、これは異なっていてもよい。第1の領域、第2の領域、およびさらなる領域の配列決定は、いくつかの実施形態では同時に行うことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、連結化学反応による配列決定であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、可逆的ターミネーターの化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、ピロシーケンス化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、ナノサイズ流体配列決定化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応または第2の配列決定化学反応は、力分光法プラットフォーム配列決定法であり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、連結化学反応による配列決定であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、可逆的ターミネーターの化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、ピロシーケンス化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、ナノサイズ流体配列決定化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、力分光法プラットフォーム配列決定法であり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応は連結化学反応による配列決定であり得、第2の配列決定化学反応は可逆的ターミネーターの化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応は可逆的ターミネーターの化学反応であり得、第2の配列決定化学反応は、連結化学反応による配列決定であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応は可逆的ターミネーターの化学反応であり得、第2の配列決定化学反応はピロシーケンス化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応はピロシーケンス化学反応であり得、第2の配列決定化学反応は可逆的ターミネーターの化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応は連結化学反応による配列決定であり得、第2の配列決定化学反応はピロシーケンス化学反応であり得る。いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応はピロシーケンス化学反応であり得、第2の配列決定化学反応は連結化学反応による配列決定であり得る。
【0052】
本明細書中に開示される様々な実施形態において、配列決定は、アレイ形式で行われ得る。いくつかの実施形態では、アレイ上のポリヌクレオチド断片について、第1の配列決定化学反応が行われ得る。続いて、アレイ上のポリヌクレオチド断片について、第2の配列決定化学反応が行われ得る。他の実施形態では、アレイ上のポリヌクレオチド断片について、第3の、またはそれ以上の配列決定化学反応が行われ得る。
【0053】
特定のタイプの配列決定化学反応は、核酸配列決定試薬の様々な異なるセットを使用して行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ピロシーケンスのための核酸配列決定試薬の1つのセットにはアピラーゼが含まれ得る。ピロシーケンスのための核酸配列決定試薬の別のセットにはアピラーゼは含まれず、ポリメラーゼの基質として作用することができるが、PPi検出酵素の基質としては作用できないdATPアナログが含まれる場合がある。
【0054】
可逆的ターミネーターを用いる配列決定のための核酸配列決定試薬の様々なセットには、当該分野で公知の多種多様な可逆的ターミネーターが含まれ得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、適切なプライマー、核酸ヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、逆転写酵素、RNAse、および核酸重合剤(例えば、Taqポリメラーゼ)が含まれ得る。他の実施形態では、段階的な連結と切断による配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、RNA重合剤(例えば、Qβレプリカーゼ)、検出標識、切断可能なリンカー、マグネシウム、連結試薬、切断試薬、ユニバーサル塩基が含まれ得る。他の実施形態では、連結による配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、適切なプライマー、リガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)、およびAgNOが含まれ得る。他の実施形態では、連結による配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、4倍縮重塩基を持つオクタヌクレオチドプローブとDNAリガーゼが含まれ得る。他の実施形態では、連結による配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、標識されたオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第5,750,341号に記載されているもの)が含まれ得る。他の実施形態では、連結による配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、PCT公開番号WO06/084132に記載されているような、SOLiD法のための任意の試薬が含まれ得る。他の実施形態では、ピロシーケンスのための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、ATPスルフリラーゼ、アピラーゼ、ルシフェリンおよびルシフェラーゼが含まれ得る。他の実施形態では、ピロシーケンスのための核酸配列決定試薬のセットには、例えば、標的位置がプライマーの3’末端にすぐ隣接するように試料核酸にハイブリダイズする特異的プライマー、ポリメラーゼ、ピロリン酸の放出を同定するための酵素検出手段、ポリメラーゼの基質として作用することができるが、PPi検出酵素の基質としては作用できないdAPTアナログを含むデオキシヌクレオチド、そして状況に応じて、ジデオキシヌクレオチドが含まれ得る。他の実施形態では、ピロシーケンスのための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、鋳型核酸、プライマー、修飾されたT7核酸ポリメラーゼまたはエキソヌクレアーゼ欠損クレノウ核酸ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸、およびアピラーゼが含まれ得る。他の実施形態では、可逆的ターミネーターを使用する配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、切断可能なリンカー基を介して検出可能な標識に連結させられたヌクレオシドおよびヌクレオチドが含まれ得る。他の実施形態では、可逆的ターミネーターを使用する配列決定のための核酸配列決定試薬の1つのセットには、例えば、ヒドロカルビルジチオメチル修飾化合物が含まれ得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域の配列は、核酸配列決定試薬の第1のセットを使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第2の領域の配列は、核酸配列決定試薬の第2のセットを使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは、核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なる。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットが、核酸配列決定試薬の第2のセットと同じタイプの配列決定化学反応を使用するために使用される。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは、核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なり;核酸配列決定試薬の第1のセットが、核酸配列決定試薬の第2のセットと同じタイプの配列決定化学反応を行うために使用される。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットが、核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なるタイプの配列決定化学反応を行うために使用される。
【0057】
いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、ピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、ナノサイズ流体配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、力分光法プラットフォーム配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、ピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は重複していてよい。ポリヌクレオチドの第1の領域と第2の領域は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、26、27、28、29、30ヌクレオチド、またはそれ以上重複していてよい。重複している領域は同じ鎖の上に存在する場合があり、また、相補鎖から決定される場合もある。ここで、異なる配列決定化学反応が異なる鎖について行われる。重複している領域中の核酸塩基配列の判定は、重複している領域の中でより高い正確性を得るために互いに比較することができる。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域と第2の領域は完全に重複していてよい。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域と第2の領域は重複していない。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域と第2の領域は互いに隣接し得る。例えば、第1の領域は1〜10塩基であり得、第2の領域は11〜20塩基であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は、異なるポリヌクレオチド鎖の上に存在し得る。様々な実施形態において、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は、異なるポリヌクレオチド鎖の上に存在し得、相補的であり得る。他の実施形態では、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は、ポリヌクレオチドの同じ鎖の上に存在し得る。様々な実施形態において、ポリヌクレオチドの第1の領域とポリヌクレオチドの第2の領域は、ポリヌクレオチドの同じ鎖の上に存在し得、そして重複し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、同じポリヌクレオチド断片を配列決定または再配列決定するために使用され得る。他の実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、同じクローンの異なる領域を配列決定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、第1の化学反応と第2の化学反応は、同じポリヌクレオチド鎖または相補的な鎖の、異なる重複していない領域について行われ得る。他の実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、同じクローンの部分的に重複している領域を配列決定するために使用され得る。例えば、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、同じ鎖について異なる方向から配列決定するために使用され得る。あるいは、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、相補的な鎖について異なる方向から配列決定するために使用され得る。他の実施形態では、第1の配列決定化学反応と第2の配列決定化学反応は、読み取り長を伸張させるために同じ鎖に沿って連続して行われ得る。例えば、ポリヌクレオチド鎖は、連結による配列決定によって最初に、続いて、最終的な連結産物を伸張させるためにピロシーケンスによって、配列決定され得る。別の実施形態では、ポリヌクレオチド鎖は、連結による配列決定によって最初に、続いて、最終的な連結産物を伸張させるために可逆的ターミネーターの化学反応によって配列決定され得る。
【0063】
配列決定用のポリヌクレオチドは、高度に多重化された平行配列決定の多数の従来法での配列分析のための試料と、原則として同じ様式で調製することができる。そのような方法により、使用される配列決定化学反応および検出システムのための十分な多量の標的DNAが提供される、単一DNA分子のクローン増幅が生じる。クローン増幅産物は、固体支持体上に存在し得る。いくつかの実施形態では、複数のクローンが1つの固体支持体上に存在し得る。いくつかの実施形態では、それぞれが個々のクローンを含む複数の固体支持体が、複数のクローンを分けて維持するために第2の固体支持体上に固定され得る。固体支持体上でのエマルジョンPCRは、例えば、PCT公開番号WO02/103011A2、PCT公開番号WO05010145A2、およびDiehlら、Nature Methods、第3巻、No:7、pp551−559(2006)に記載されている。単一分子から個々のポロニー(またはコロニー)を形成させるためのクローン増幅は、特に、米国特許第6,001,568号に記載されている。PCRを使用して固体支持体上にクローンを形成させるためのクローン増幅もまた、特に、米国特許第5,641,658号、同第6060288号、同第6090592号、およびPCT出願WO07/060456A1に見出せる。いくつかの実施形態では、配列決定されるポリヌクレオチドは単一分子であり得る。ポリヌクレオチドは、多数のヌクレオチドからなり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約1ヌクレオチドから約20,000ヌクレオチドから構成され得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約20ヌクレオチドから約2,000ヌクレオチドから構成され得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約100ヌクレオチドから500ヌクレオチドから構成され得る。
【0064】
様々な実施形態において、配列決定用のポリヌクレオチドは断片化され得る。ポリヌクレオチドの断片化は、当該分野で公知の多数の様々な方法のうちのいずれかによって行われ得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、DNAseIのようなヌクレアーゼで消化され得る。他の実施形態では、核酸は、例えば、超音波処理によって、または小さい孔を有しているチューブを通過させることによって、無作為に剪断され得る。核酸を1種類以上の制限酵素で部分的に消化することができることもまた意図され、その結果、特定の重なり部分が統計的に保たれ得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、複数のポリヌクレオチド断片になるように断片化され得る。配列決定されるポリヌクレオチドには、1つ以上のユニバーサルな感作部位、または公知であるかもしくは予め決定された配列が含まれ得る。ユニバーサルな感作部位は、例えば、連結、増幅プライマー、およびクローニングベクターを含む様々な方法で導入することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドアダプターを、ポリヌクレオチド断片の一方の末端または両端に連結させることができる。オリゴヌクレオチドアダプターは、ポリヌクレオチド断片の増幅に有用であり得る。例えば、連結されたアダプターの配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく増幅のための結合部位となり得る。
【0066】
様々な実施形態において、ポリヌクレオチド断片の少なくとも一部のクローン増幅により、断片クローンのセットが生成される。ポリヌクレオチドは、例えば、エマルジョンPCRおよび架橋PCRのようなPCR、またはポロニー形成のような技術によってクローン増幅させることができる。これらは例えば、米国特許第5,616,478号、同第5,958,698号、同第6,001,568号、同第5,641,658号、同第6,060,288号、同第6,090,592号、PCT公開番号WO05010145A2、同WO05073410A2、同WO04069849A2、同WO05082098A2、同WO2007/060456、同WO9844151A1、および同WO0018957A1に記載されている。これらは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる。様々な実施形態において、増幅は固相増幅であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、エマルジョンPCRを、ポリヌクレオチドを増幅させるために使用することができる。エマルジョンを形成させるための方法は当該分野で公知である。例えば、エマルジョンは、水相を油相と混合することによって形成させることができる。いくつかの実施形態では、増幅は、例えば、バルクの油相の中にPCR反応混合物の多数の液滴を含む、油中水を使用して行うことができる。いくつかの実施形態では、PCR法は、2工程の熱サイクルからなり得る。第1の工程は、油中水エマルジョンを使用して行うことができる。この工程の間に、鋳型DNAを、油中水エマルジョン中の液滴の限られた容積の中で増幅させることができる。油中水エマルジョンは、その後、崩壊させられ、第2のPCR工程が行われ得る。
【0068】
様々な実施形態において、架橋PCRを、ポリヌクレオチドを増幅させるために使用することができる。架橋PCRは、特に、米国特許第5,641,652号およびPCT出願公開番号WO/08002502A2に記載されている。架橋PCRは、クローン増幅を行うために使用することができる。架橋増幅は、固相に結合させられたプライマーを、溶液相の標的核酸配列の伸張および増幅のために使用する技術である。アニーリング工程の間に、1つの結合したプライマーによって伸張した産物は、他の結合したプライマーと架橋を形成する。全ての増幅産物が表面に共有結合されると、これらを、電気泳動を行わずに検出し、定量することができる。例えば、5’−アミンを持つプライマーは、例えば、シリカ、ポリメチルメタクリレート、またはポリスチレンビーズ支持体に共有結合させることができ、標準的なPCR反応条件下で溶液相プライマーの代わりに使用することができる。増幅反応は、支持体に結合した形態への32P標識デオキシヌクレオチド三リン酸の取り込みによってモニターすることができる。
【0069】
様々な実施形態において、ポロニーの形成を、ポリヌクレオチドを増幅させるために使用することができる。ポロニー技術は、反応が、例えば、顕微鏡スライドに貼り付けられた薄いポリアクリルアミドゲルの中に固定されるPCRの1つの形態である。PCRが進行するに伴い、PCR産物は、その固定された鋳型(例えば、ポリヌクレオチド)からゲルの中に放射状に拡散し、それによって、環状のPCR産物またはポリメラーゼコロニーを生じる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、クローン、例えば、遺伝子操作技術によって、1つの生物から別の生物へと移動させられ、複製させられた遺伝子であり得る。いくつかの実施形態では、クローンを増幅させることができる。いくつかの実施形態では、核酸配列決定化学反応を、目的のポリヌクレオチドに由来するクローンライブラリーについて行うことができる。クローンライブラリーには、目的の生物のゲノムが含まれ得る。いくつかの実施形態では、目的の生物は原核生物である。他の実施形態では、目的の生物は真核生物である。いくつかの実施形態では、クローンライブラリーには、目的のゲノムに由来するアンプリコン由来のクローンが含まれ得る。いくつかの実施形態では、クローンライブラリーは核酸ライブラリーに由来し得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド断片は固体支持体上に固定することができる。分析用のポリヌクレオチド断片の単一クローンを、単一の固体支持体(例えば、単一ビーズ上の単一クローン)上に存在させることができる。他の実施形態では、複数のクローンを、単一の固体支持体上に存在させることができ、これらは互いに間隔をあけることができる。様々な実施形態において、ポリヌクレオチドもしくは断片の増幅および/または配列決定は、固体支持体上で行うことができる。固体支持体は、その上でポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを合成する、付着させる、または固定することができる任意の固相材料であり得る。固体支持体は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシ、およびポリアクリルアミド、ならびにそれらのコポリマーおよびグラフトのような、有機ポリマーから作られ得る。固体支持体はまた、無機でもあり得、例えば、ガラス、ケイ素、細孔性ガラス(CPG)、または逆相ケイ素であり得る。固体支持体の立体構造は、ビーズ、球、粒子、顆粒、ゲル、表面の形態、またはそれらの組み合わせであり得る。表面は平坦、実質的に平坦であり得るか、または平坦ではない場合もある。固体支持体は多孔性であっても、非孔性であってもよく、また、膨張性があっても、また膨張性がなくてもよい。固体支持体は、ウェル、くぼみの形態、または他の容器、器、特徴、または配置もしくは位置の中に構成することができる。
【0072】
有用な固体支持体は当該分野で周知であり、これには、核酸を共有結合するものまたは核酸を非共有結合するもののいずれかが含まれる。水素結合を含むと一般的に理解される非共有支持体には、自然界に存在しているポリマー、および合成のポリマー材料(例えば、ニトロセルロース、誘導型ナイロン、およびフッ化ポリヒドロカーボン)が、フィルターまたは固体シートのような様々な形態で含まれる。共有結合支持体もまた有用であり、これには、化学反応基または基を有している材料(例えば、ジクロロトリアジン、ジアゾベンジルオキシメチルなど)が含まれる。これらは、ポリヌクレオチドへの結合のために活性化させることができる。
【0073】
様々な実施形態において、ポリヌクレオチドの増幅は、半固体支持体の中で行われ得る。「半固体」は、本明細書中で使用される場合、固体成分と液体成分を両方持つ圧縮可能なマトリックスをいう。ここで、液体が、孔、空間、または複数の固体マトリックス成分間の他の隙間をふさいでいる。例示的な半固体マトリックスとしては、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリアミド(ナイロン)、および架橋されたアガロース、デキストラン、およびポリエチレングリコール製のマトリックスが含まれる。半固体支持体が、例えば、実質的な平面、固定支柱である半固体支持体を支える、基質とも言われる第2の支持体上に設けられる場合がある。
【0074】
いくつかの実施形態では、増幅させたポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド断片をアレイ上に存在させることができる。いくつかの実施形態では、アレイには、クローン以外の個々の分子が含まれ得る。本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチドのアレイには、固体支持体上または器の配置の中に存在するポリヌクレオチドの配置が含まれる。アレイには、本明細書中で使用される場合は、ランダムアレイ(例えば、ビーズアレイ)が含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、ジップコード(すなわち、配列タグ)を、アレイ上に分類するために使用することができる。特定のアレイ形式は、「チップ」または「バイオチップ」と呼ばれる(M.Schena編、Microarray Biochip Technology、BioTechnique Books、Eaton Publishing、Natick,Mass.(2000))。アレイには、低密度数(例えば、1個から約12個)、中密度(例えば、約100個以上の位置)、または高密度数(例えば、1000個以上)のアドレス可能位置が含まれ得る。通常、アレイ形式は、製造、取り扱い、配置、積み重ね、試薬を投入、検出、および保存できるように幾何学的に一定の形状であり得る。アレイは、横列および縦列形式で構成され得、それぞれの位置の間に一定の間隔が設けられる。あるいは、位置は、均一な処理および/またはサンプリングのために束ねることができ、混合することができ、また、均一に混ぜることもできる。アレイには、高スループットの取り扱い、ロボット送達、マスキング、および/または試薬のサンプリングのために、ならびに/あるいは、レーザー照射、共焦点および/または偏向集光による散乱を含む検出手段によって個々の位置が空間的にアドレス可能であるように構成されたアドレス可能な複数の位置を含めることができる。アレイには、1つ以上の「アドレス可能配置」、例えば、「アドレス可能位置、すなわち、1つの公知のタイプの分子を含む物理的配置が含まれ得る。
【0075】
1つ以上のタイプの基準が、画像解析またはアラインメントを補助するために分析される試料の中で散乱させられ得る。様々な実施形態において、試料にはさらに、少なくとも1つの基準が含まれる。「基準」または「マーカー」または「登録点」は、本明細書中で、アレイの連続するデータ画像の正確な比較を可能にする物理的参照特徴または特性を意味する。基準の使用は様々な理由から有用である。一般的には、配列決定方法には、経時的に撮影された、いくつかのデータ画像のうちの空間的に異なる複数の位置(特徴)に配置された目的物(すなわち、核酸)をモニタリングすることが含まれ得る。1つのフレームから次のフレームまでで起こった何らかのシフトは、物質の分析を複雑にする。アッセイ構造の中に永久的な基準を取り込ませることにより、それぞれのデータ画像を、手作業または自動のいずれかで整列させることができ、それにより画像の正確な比較、並進の制御(すなわち、X−Y方向でのシフト)、および/または回転、ならびに、画像の縮小または拡大が可能となる。加えて、蛍光に基づくアッセイが使用される場合(崩壊または分析のアッセイのいずれかについて、あるいは両方について)には、任意の所定の画像において、特定の領域または特徴は、標識の特徴、および調べられる波長、または分析物もしくはDBLの有無などに応じて、蛍光を発する場合も、また発しない場合もある。いくつかの実施形態では、画像解析は、試薬の2つ以上のセットによって生じた同時に検出可能なシグナルによって行われ得る。
【0076】
アレイ上のポリヌクレオチドを配列決定するための様々なシステムは、例えば、米国特許第6,406,848号、同第6,654,505号、同第6,806,052号、および同第6,831,994号に記載されている。これらは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる。通常、配列決定化学反応により、特異的なヌクレオチド塩基の存在の指標である検出可能なシグナルが生じる。例えば、蛍光、比色、化学発光、放射活性、または質量タグ(例えば、質量分析法とともに使用される)シグナルのような光学シグナルが生じ得る。したがって、目的のそれぞれのタイプのシグナルを検出するために複数のタイプの検出システムを有しているシステムを持つことが望ましい。
【0077】
目的のポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのシステムのいくつかの実施形態の特徴が、本発明の様々な実施形態にしたがって開示される。いくつかの実施形態では、目的のポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのシステムには、以下が含まれ得る:少なくとも1つの入力ポートを有している分析用ポリヌクレオチドを含むフローセル;核酸配列決定試薬の第1のセットを含むリザーバーセット(ここで、リザーバーセットは入力ポートとつながれている);核酸配列決定試薬の第2のセットを含むリザーバーセット(ここで、リザーバーセットは入力ポートと流体連結されている);核酸配列決定試薬の第1のセットと分析用ポリヌクレオチドとの間での反応によって生じた光学シグナルを検出するように構成された第1の光学シグナルコレクター;および核酸配列決定試薬の第2のセットと分析用ポリヌクレオチドとの間での反応によって生じた光学シグナルを検出するように構成された第2の光学シグナルコレクター。いくつかの実施形態では、分析用ポリヌクレオチドは、フローセルの中に含まれるアレイ上に存在する。いくつかの実施形態では、第1の光学シグナルコレクターと第2の光学シグナルコレクターは同じ構成要素である。他の実施形態では、これらは異なる。いくつかの実施形態では、配列決定試薬の第1のセットによって生じた光学シグナルと、配列決定試薬の第2のセットによって生じた光学シグナルは、同時に回収される。このシステムは、配列決定試薬のさらなるセットを加えるために容易に拡大することができる。
【0078】
このシステムのいくつかの実施形態についての重要な特徴はフローセルである。様々な実施形態において、フローセルの本体には、少なくとも1つの入力ポートと、少なくとも1つのリザーバーセットが含まれ得る。様々な実施形態において、フローセルには2つのリザーバーセットが含まれ得る。入力ポートとリザーバーセットは、標準的なマイクロマシニング技術(例えば、Ekstromら、国際特許出願PCT/SE91/00327;Brown、米国特許第4,911,782号;Harrisonら、Anal.Chem.64:192−1932(1992)など)によって形成され得る。フローセルは、ガラス、シリコン、ポリエチレン、ポリエステル、テフロン(登録商標)、他のプラスチックなどを含む任意の様々な材料から組み立てられ得る。様々な実施形態において、フローセルの重要な機能としては、以下が挙げられる:i)一連の処理工程の間、実質的に固定された平坦なアレイまたは単層の中にポリヌクレオチドの集団を保持すること、ii)処理のそれぞれの工程の間に、核酸配列決定試薬が個々のポリヌクレオチドに接近できることを確実にすること、およびiii)処理試薬の使用を最小限にすること。必要とされる固定の程度は、それぞれの実施形態の間で変化し得る。
【0079】
様々な実施形態において、第1の光学シグナルコレクターと第2の光学シグナルコレクターは同じ構成要素である。様々な実施形態において、光学シグナルコレクターのうちの1つにはCCDが含まれる。様々な実施形態において、このシステムにはさらに、ポリヌクレオチドのアレイ上に存在する蛍光シグナルの励起を誘導するように構成されたレーザーが含まれる。
【0080】
このシステムのいくつかの実施形態では、第1の光学シグナルコレクターまたは第2の光学シグナルコレクターは、蛍光シグナルを検出する。このシステムのいくつかの実施形態では、第1の光学シグナルコレクターと第2の光学シグナルコレクターは蛍光シグナルを検出する。このシステムのいくつかの実施形態では、第1の光学シグナルコレクターまたは第2の光学シグナルコレクターが、化学発光シグナルを検出する。他の実施形態では、このシステムは、比色シグナルと化学発光シグナルの両方を検出するための検出システムを有することができる。他の実施形態では、このシステムは、蛍光シグナルと化学発光シグナルの両方を検出するための検出システムを有することができる。他の実施形態では、このシステムは、蛍光、比色シグナル、および化学発光シグナルを検出するための検出システムを有することができる。
【0081】
核酸配列決定試薬の第1のセットと第2のセットは、同じであっても、異なっていてもよい。核酸配列決定試薬の第1のセットと第2のセットは、同じタイプの配列決定化学反応、または異なる配列決定化学反応を行うために使用することができる。核酸配列決定試薬の第1のセットと第2のセットは、同じタイプの配列決定化学反応を行うために使用され得、そしてこれらは、両方のセットの間で異なる少なくとも1つの試薬を有する。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、ピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、ナノサイズ流体配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットまたは核酸配列決定試薬の第2のセットは、力分光法プラットフォーム配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。
【0082】
このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、ピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、閉鎖複合体単一分子配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、ナノサイズ流体配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットは、力分光法プラットフォーム配列決定化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。
【0083】
このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは、ピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは可逆的ターミネーターの化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得る。このシステムのいくつかの実施形態では、核酸配列決定試薬の第1のセットはピロシーケンス化学反応のための試薬の1つのセットであり得、核酸配列決定試薬の第2のセットは連結化学反応による配列決定のための試薬の1つのセットであり得る
いくつかの実施形態では、2種類以上の配列決定技術を、完全にまたは一部、同時に行うことができる。例えば、2種類以上の配列決定技術の少なくとも一部を同時に実行することができる。したがって、いくつかの実施形態では、2種類以上の配列決定技術のうちの1つ以上の工程を同時に行うことができる。1つ以上の工程は同じ工程であっても、対応する工程であってもよく、また、異なる工程であってもよい。他の実施形態では、2種類以上の配列決定技術を、完全に同時に行うことができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、2種類以上の配列決定技術または配列決定試薬のセットが、同時に、平行して、または時間的に重複して使用される。すなわち、いくつかの実施形態では、2種類以上の配列決定法方が同じ時間の間に行われる(しかし、これらは、全ての実施形態において同じタイミングで開始され、停止される必要はない)。いくつかの実施形態では、2種類の技術が同じ室内で行われる。いくつかの実施形態では、2種類以上の配列決定技術(例えば、配列決定試薬の使用)が、別のタイミングで行われ得、そして最初の出発材料(例えば、増幅された産物)は同じ増幅させられた試料に由来し得る。したがって、いくつかの実施形態では、試料の増幅後に、様々な配列決定方法でのその後の使用のために試料を分けることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、複数の配列決定プロセスのためのキットが提供される。これらのキットには、出発標的核酸配列の増幅のための試薬、出発標的核酸配列の配列決定のための試薬の第1のセット、出発標的核酸配列の配列決定のための試薬の第2のセット(ここでは、2つのセットは互いに異なる)が含まれ得る。いくつかの実施形態では、増幅試薬は含まれない。加えて、説明書とエラーの同定の指針の1つのセットが含まれ得る。そのような構成要素は、例えば、印刷物であっても、また、デジタル形態であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、2種類以上の配列決定技術を使用して核酸を配列決定することができる配列決定機器が提供される。いくつかの実施形態では、この機器は、2つ以上の核酸を、2種類の配列決定技術を使用して、一部または完全に、同時に配列決定するために使用することができる。この機器には、例えば、1つ以上のリザーバーが含まれている1つ以上のフローセルと、1つ以上の光学シグナルコレクターが含まれ得る。いくつかの実施形態では、配列決定機器は、2つのさらなる配列決定化学反応によるシグナルを処理することができる。例えば、そのような機器には、例えば、Maxam−Gilbert配列決定法、鎖終結法、色素終結法、可逆的ターミネーターを使用する配列決定法、リン酸塩の検出による核酸の配列決定法、連結による配列決定法、閉鎖複合体単一分子配列決定法、ナノサイズ流体配列決定法、および力分光法プラットフォーム配列決定法(これらに限定されない)のような配列決定化学反応のうちの2種類以上のタイプによるシグナルを処理する能力が含まれ得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、複数の配列決定技術の結果を比較し、他の配列決定技術と比較して1つの配列決定技術でのエラーの可能性(すなわち、エラー率)に基づいて個々の同定された配列から最適な配列(例えば、最もエラーを起こしにくい)を選択するデータ処理能力を含む機器が提供される。いくつかの実施形態では、機器は、2種類以上の配列決定化学反応についての配列決定シグナル処理能力とデータ処理能力の両方を有し得る。複数の配列決定化学反応によるシグナルを処理するため、および/または結果を比較するためにデータを処理するための機器には、例えば、生の、または制限されていない配列決定データを受け取るための手段、少なくとも1つの処理装置、および/または標準的な配列決定データを記憶させるための記憶装置が含まれ得る。いくつかの実施態様では、機器には、ビデオディスプレーが含まれるか、または、機器がビデオディスプレーにつながれるか、あるいは別の装置(例えば、コンピューター)に通信接続させられる。
【0088】
いくつかの実施形態では、複数の配列決定技術の結果を比較し、そして他の配列決定技術と比較した1つの配列決定技術におけるエラーの可能性(すなわち、エラー率)に基づいて個々の同定された配列から最適な配列(最もエラーを起こしにくい)を選択する、コンピュータープログラムが含まれる(または、別々に提供され得る)。いくつかの実施形態では、このプログラムは、配列を得、そして複数の配列を組み合わせるために使用される特異的技術についてのエラーの可能性に基づいて、得られた個々の配列についてもっとも正確な配列を選択する(または、最も正確でない配列を除外する)。この様式で、1つの完全な、精度の高い配列が、このプログラムによって提供され得る。いくつかの実施形態では、このプログラムは、本明細書中に記載される複数の方法のうちの任意のものを実行する。いくつかの実施形態では、このコンピュータープログラムは、複数の配列決定技術によるデータを処理するための機器と組み合わせて使用することができる。他の実施形態では、このコンピュータープログラムは、パーソナルコンピューターおよびミニコンピューターと一般的に呼ばれているものを含む、任意の多目的コンピューターを使用して実行され得る。
【実施例】
【0089】
本発明の教示の複数の態様は、以下の実施例を考慮してさらに理解され得る。以下の実施例は、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0090】
(実施例1)
本実施例は、連結による配列決定とピロシーケンスを使用してポリヌクレオチドの2つの領域を配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0091】
配列決定用のポリヌクレオチドは、以下に記載するように、ポリヌクレオチドを断片化させ、エマルジョンPCRによってこれらの断片をクローン増幅させることによって調製する。増幅後、ポリヌクレオチドの第1の領域について、以下に記載するように連結による配列決定を使用して配列決定を行い、第1の配列を決定する(図3、70)。次に、ポリヌクレオチドの第2の領域について、以下に記載するようにピロシーケンスを行って、第2の配列を決定する(図3、80)。第1の配列を第2の配列に対して比較する(図3、90)。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0092】
(実施例2)
本実施例は、連結による配列決定とピロシーケンスを使用してポリヌクレオチドの2つの領域を配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0093】
配列決定用ポリヌクレオチドは以下に記載するように、ポリヌクレオチドを断片化させ、エマルジョンPCRによってこれらの断片をクローン増幅させることによって調製する。増幅後、ポリヌクレオチドの第1の領域について、以下に記載するように連結による配列決定を使用して配列決定を行い、第1の配列を決定する。次に、ポリヌクレオチドの第2の領域について可逆的ターミネーターを使用する配列決定を行って、第2の配列を決定する。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0094】
(実施例3)
本実施例は、連結による配列決定とピロシーケンスを使用してポリヌクレオチドの2つの領域を配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0095】
配列決定用ポリヌクレオチドは以下に記載するように、ポリヌクレオチドを断片化させ、エマルジョンPCRによってこれらの断片をクローン増幅させることによって調製する。増幅後、ポリヌクレオチドの第1の領域について、可逆的ターミネーターを使用する配列決定を行って、第1の配列を決定する。次に、ポリヌクレオチドの第2の領域について以下に記載するようにピロシーケンスを行って第2の配列を決定する。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0096】
(実施例4)
本実施例は、ヌクレオチド配列決定試薬の第1のセットとヌクレオチド配列決定試薬の第2のセットを使用するポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0097】
配列決定用ポリヌクレオチドは、以下に記載するように、ポリヌクレオチドを断片化させ、例えば、ポロニー増幅によってこれらの断片をクローン増幅させることによって調製する。増幅後、ポリヌクレオチドの第1の領域について配列決定試薬の第1のセットを使用する配列決定を行って、第1の配列を決定する。配列決定試薬の第1のセットには、RNA重合剤(例えば、Qβレプリカーゼ)、検出標識、切断可能なリンカー、マグネシウム、連結試薬、切断試薬、およびユニバーサル塩基が含まれる。次に、ポリヌクレオチドの第2の領域について配列決定試薬の第2のセットを使用する配列決定を行って、第2の配列を決定する。配列決定試薬の第2のセットには、プライマー、修飾されたT7核酸ポリメラーゼまたはエキソヌクレアーゼ欠損クレノウ核酸ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸、およびアピラーゼが含まれる。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0098】
(実施例5)
本実施例は、第1の配列決定化学反応によってポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定し、第2の配列決定化学反応によってポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0099】
ポリヌクレオチドの第1の領域についてピロシーケンスを使用する配列決定を行って、第1の配列を決定する。次に、ポリヌクレオチドの第1の領域に隣接している異なるポリヌクレオチド鎖(すなわち、相補鎖)上にある第2の領域について連結による配列決定を使用する配列決定を行って、第2の配列を決定する。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0100】
(実施例6)
本実施例は、ポリヌクレオチドの1つの鎖に沿って読むための、配列決定試薬の2つの異なるセットを使用することにより、読み取り長を伸張させるための可能な方法を説明する。
【0101】
本実施例では、ポリヌクレオチドの第1の領域について、連結による配列決定のための配列決定試薬の1つのセットを使用する配列決定を行う。次に、ポリヌクレオチドの第1の領域と同じ鎖にあるポリヌクレオチドの第2の領域について、配列決定試薬の第1のセットとは異なる、配列決定試薬の第2のセットを使用する配列決定を行って、ポリヌクレオチドの第1の領域の配列決定による最終的な連結産物を伸張させる。
【0102】
(実施例7)
本実施例は、可逆的ターミネーターを用いる配列決定と連結による配列決定によって、重複しているポリヌクレオチドの2つの領域を配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0103】
ポリヌクレオチドの第1の領域についてピロシーケンスを使用する配列決定を行って、第1の配列を決定する。次に、ポリヌクレオチドの第1の領域と10ヌクレオチド重複している、ポリヌクレオチドの同じ鎖上にある第2の領域について、連結による配列決定を使用する配列決定を行って、第2の配列を決定する。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0104】
(実施例8)
本実施例は、2種類の配列決定化学反応を使用して同じポリヌクレオチドを配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0105】
ポリヌクレオチドの1つの領域についてピロシーケンスを使用する配列決定を行って、第1の核酸配列を得る。次に、ポリヌクレオチドの同じ領域について、連結による配列決定が行って、第2の核酸配列を得る。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0106】
(実施例9)
本実施例は、異なる鎖の上にあり、完全に重複している2つの領域である、ポリヌクレオチドの2つの領域を配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0107】
ポリヌクレオチドの第1の領域についてピロシーケンスを使用する配列決定を行って、第1の配列を決定する。次に、ポリヌクレオチドの第1の領域と完全に重複しているポリヌクレオチドの異なる鎖上にある第2の領域(すなわち、ポリヌクレオチドの第1の領域の相補物)についてピロシーケンスを行って、第2の配列を決定する。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の塩基のバリエーションおよび配列の偏向もまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮することができる。
【0108】
(実施例10)
本実施例は、核酸配列決定試薬の第1のセットと核酸配列決定試薬の第2のセットを使用した配列決定によって得られたエラー値を使用するポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0109】
本実施例では、断片クローンの1つのセットの第1の部分を酸配列決定試薬の第1のセットを使用して配列決定する。この配列決定により、第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリが得られる。第1のヌクレオチド塩基配列中の核酸配列中の塩基のうちの少なくとも一部についてのエラー値が得られる。
【0110】
次に、断片クローンの上記セットの第2の部分を、核酸配列決定試薬の第2のセットを用いて配列決定する。この配列決定により、第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリが得られる。第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基のうちの少なくとも一部についてのエラー値が得られる。
【0111】
次に、第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリを第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリと比較する。他の塩基配列アセンブリ中の塩基の塩基識別と比較した、対応しているヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基識別についてのより低いエラー値に基づいて、第1の塩基配列アセンブリと第2の塩基配列アセンブリとの間での少なくとも1つの塩基識別を選択する。例えば、第1のヌクレオチド配列アセンブリ中の塩基識別のエラー値がXであり、第2のヌクレオチド配列中の塩基識別のエラー値が<Xである場合には、その位置の塩基についての識別は、第2のヌクレオチド配列中の塩基識別として選択される。
【0112】
(実施例11)
本実施例は、エマルジョンPCRによるポリヌクレオチド配列の増幅のための可能な方法を説明する。他の方法と改変は当業者に明らかであろう。
【0113】
PCR用のマイクロエマルジョンは、以前に記載された方法のわずかな変更によって調製することができる。PCT公開番号WO05010145、同WO05073410、および同WO04069849;Tawfik,D.S.およびGriffiths,A.D.(1998)Nat Biotech 16,652−656;Ghadessy,F.J.、Ong,J.L.およびHolliger,P.(2001)Proc Natl Acad Sci USA 98,4552−4557(これらは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる)。油相は、鉱油(Sigma M−3516)中の4.5%のSpan 80(S6760、Sigma,St.Louis,MO)、0.40%のTween 80(Sigma S−8074)、および0.05%のTriton X−100(Sigma T−9284)からなり得る。油相は、毎日新しく調製することができる。いくつかの実施形態では、水相は、300μlの全量中の、67mMのTris−HCl(pH8.8)、16.6mMのNHSO、6.7mMのMgCl、10mMの(3−メルカプトエタノール、1mMのdATP、1mMのdCTP、1mMのdGTP、1mMのdTTP、0.05μMの正方向プライマー、25μMの逆方向プライマー、45単位のPlatinum Taq(Invitrogen 10966−034)、様々な量の鋳型核酸、および約108オリゴヌクレオチドが結合させられたビーズからなり得る。いくつかの実施形態では、正方向プライマーは、その配列が目的のポリヌクレオチドの3’の20〜22ntと同一であるオリゴヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態では、正方向プライマーのうちの少量は、増幅反応を最大化させるためにビオチンで修飾されない。
【0114】
いくつかの実施形態では、油中水型マイクロエマルジョンは、2mlの丸底凍結保存用バイアル(430661,Coming,Coming,NY)の中に予め入れた400マイクロリットルの油相に対する200マイクロリットルの水相の滴下によって調製することができる。滴下は、例えば、VWRモデル565磁気攪拌装置上で磁気マイクロ撹拌棒(58948−353,VWR,Plainfield,NJ)により1400RPMで混合物を攪拌しながら、1分かけて行われ得る。水相の添加後、混合物は全部で約30分間、持続的に攪拌される。
【0115】
2つのエマルジョンを、磁気攪拌装置の中心に置いた棚の中に2つのチューブを置くことによって一度に作製することができる。
【0116】
エマルジョンを96ウェルPCRプレートのウェルにアリコートし、それぞれ約100μlを含める。いくつかの実施形態では、PCRは、以下のサイクル条件下で行われ得る:94℃で2分間、その後に:94℃で15秒間、57℃で30秒間、そして70℃で30秒間を40サイクル。いくつかの実施形態では、分析されるPCR産物は、約180bpから250bpまでの範囲であり得る。
【0117】
PCRサイクルの後、PCRプレートのウェル由来のマイクロエマルジョンをプールし、1.5mlのチューブ(Corning 430909)中への800μlのNX緩衝液(1%のTriton X−100、10mMのTris−HCl(pH7.5)、1mMのEDTAを含む100mMのNaCl)の添加によって崩壊させることができる。20秒間のボルテックス後、ビーズを、8000rpm(5000g)で90秒間のマイクロ遠心分離機での遠心分離によってペレット化することができる。最上部の油相と、300マイクロリットルの水相を除くほぼ全てをチューブから取り出し、600μlのNX緩衝液を添加することができる。20秒間のボルテックスと90秒間の遠心分離の後、最上部の油相と、300μlの水相を除くほぼ全てを取り出す。600μlのNX緩衝液の添加、ボルテックス、および遠心分離をもう一度繰り返し、最上部の油部分と、300μlの水相を除くほぼ全てを取り出す。その後、チューブを磁石(Dynal MPC−S)の上に置き、上清の残りを注意しながらピペットで取り除いた。ビーズを、遠心分離ではなく磁力による分離を使用して1×PCR緩衝液でさらに3回洗浄し、最後に100μlの1×PCR緩衝液中に再度懸濁した。
【0118】
(実施例12)
本実施例は、ポロニー増幅によるポリヌクレオチドの増幅のための可能な方法を説明する。ポロニー増幅は、例えば、米国特許第5,616,478号、同第5,958,698号、および同第6,001,568号;ならびに、PCT公開番号WO05082098A2にさらに記載されており、これらはそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる。
【0119】
ポリヌクレオチドの増幅は、培地を染み込ませた、多孔性、繊維性、網目状、コイル状、毛細管状、薄板状、または折り畳まれた構造を有しており、核酸の指数増幅のための細胞を含まない酵素システムの構成要素を含む、有機および/または無機固体マトリックスを使用することにより、培地の中で行うことができる。この培地中では、個々の分子の子孫(クローン)は、マトリックス分子が最初に入れられた反応容積の同じ区画に留まる。この方法では、インビトロでの核酸のクローニング、ならびに、研究される試料中での核酸分子の単独の検出が可能である。
【0120】
緩衝液、熱安定性核酸ポリメラーゼ(例えば、Thermus aquaticus核酸ポリメラーゼ)、核酸試料、プライマー、および基質を含む全ての反応成分は、脱気されたアクリルアミド:N,N’−メチレンビスアクリルアミド溶液、およびアクリルアミド重合の触媒[過硫酸アンモニウムおよびN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)]と混合される。0.2〜0.4mm厚のゲル層が、その後、一方のガラスはシラン結合剤で、他方のガラスはシラン除去剤で処理されている2枚のガラスプレートの間に成型される。重合の完了後、シラン除去剤で処理されたプレートが取り除かれ、ゲルに、反応緩衝液で湿らされたナイロンブロッティング膜が重ねられ、熱安定性フィルムで包まれ、そしてガラスプレートに向かい合わせになるように取り付けられた恒温プレート上に置かれる。恒温プレートとの適正な熱交換を確実にするために、鉱油の薄層が、プレート表面とゲルを包むフィルムの間に設けられる。増幅反応は、恒温プレートの温度が循環(少なくとも20サイクル行われる)させられると起こる。これは、送水管を通じて恒温プレートと接続された温度制御デバイスを使用することによって行われ、これは、様々な温度の3つまたは2つの水浴を使用する。Torgensen,H.ら(1989)Analyt.Biochem.176,33−35]Weier,H.U.およびGray,J.W.(1988)nucleic acid 7,44−47。市販されているPCR温度循環装置もまた、加熱ブロックがゲルプレートに適合するように改良された後に使用することができる。反応成分、それらの濃度、およびPCR条件は、Saikiら(1988)Science 239、487−491に記載されているとおりである。
【0121】
(実施例13)
本実施例は、固相増幅によるポリヌクレオチドの増幅のための可能な方法を説明する。固相合成は、例えば、米国特許第5,641,658号、同第6,060,288号、および同第6,090,592号;ならびに、PCT公開番号WO2007/060456、同WO9844151A1、および同WO0018957A1にさらに記載されており、これらは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる。
【0122】
本実施例では、ポリヌクレオチドは、およそ1kbの長さを有しているポリヌクレオチド断片が生じるように超音波処理される。標的配列を含むアダプターが、ポリヌクレオチド断片の少なくとも一方の末端に対してアニーリングさせられる。オリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチド断片の標的配列に相補的なヌクレオチド配列を用いて合成され、そしてこのオリゴヌクレオチドはエポキシシラン誘導固体支持体に対して、5’アミノ基によって固定される。ヘキサエチレン−グリコールのスペーサー基が、ハイブリダイゼーション反応の際の立体障害を排除するためにオリゴヌクレオチドの合成の間に含められる。スペーサー領域は、アミノ基の付加の前に合成されたオリゴヌクレオチドに導入され、それにより、計算された25Åのスペーサー領域が生じる。
【0123】
オリゴヌクレオチドは、熱安定性ポリメラーゼ、酵素緩衝液、32P標識dNTPおよび未標識dNTPの存在下でポリヌクレオチド断片の標的核酸配列とハイブリダイズさせて、反応混合物を形成させることができる。反応混合物は、変性のために94℃で1分間加熱され、1分間55℃に冷却され、そして5分間75℃に温められて、固定されたオリゴヌクレオチドから伸張する、ポリヌクレオチド断片に相補的な増幅産物が形成させられる。
【0124】
(実施例14)
本実施例は、ピロシーケンスによるポリヌクレオチドの増幅のための可能な方法を説明する。
【0125】
ピロシーケンスは、例えば、米国特許第6,841,128号、同第6,210,891号、および同第6,258,568号にさらに詳細に記載されており、これらはそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる。
【0126】
本実施例では、増幅された目的のポリヌクレオチドは、リアルタイム核酸配列決定のための鋳型として使用される。ポリヌクレオチドは、ストレプトアビジンでコーティングされた超常磁性体ビーズ(Dynabeads(商標)M280−StreptavidinまたはM450−Streptavidin)上に固定され、プライマーがこの固定された鋳型に対してハイブリダイズさせられる。固定されたポリヌクレオチドは、修飾されたT7核酸ポリメラーゼ(Sequenase 2.0;U.S.Biochemical,Cleveland,Ohio,USA)、クレノウ核酸ポリメラーゼ(Pharmacia,Biotech,Uppsala,Sweden)、またはエキソヌクレアーゼ欠損(exo−)クレノウ核酸ポリメラーゼ(Amersham,UK)のいずれかとともにインキュベートされる。配列決定手順は、様々なデオキシヌクレオシド三リン酸(Pharmacia,Biotech,Uppsala,Sweden)が連続的に付加される際のプライマー鎖の段階的伸張によって行われる。それぞれのヌクレオチド付加の間の固定されたポリヌクレオチドの洗浄は、2工程で行われる:最初に、10mMのTris−HCl(pH7.5)、0.25MのNaCl、0.1%のTween20を含む緩衝液で、その後、10mMのTris−酢酸(pH7.5)で行われる。ヌクレオチドの取り込みが原因で放出されたPPiは、ELIDAによって検出される(Nyren,P.(1987)Anal.Biochem.167、235−238)。発光は、電位差記録計に接続されたLKB1250照度計を使用して測定される。照度計は、内部光標準について10mVの反応を生じるように較正される。照度の出力は、既知の量のATPまたはPPiの添加によって較正される。標準的なアッセイ容量は0.2mlであり、これには以下の成分が含まれ得る:0.1μMのATPについて200mVの反応を生じる量の、0.1MのTris−酢酸(pH7.75)、2mMのEDTA、10mMの酢酸マグネシウム、0.1%のウシ血清アルブミン、1mMのジチオスレイトール、5μMのアデノシン5’−ホスホ硫酸(APS)、0.4mg/mlのポリビニルピロリドン(360 000)、100μg/mlのD−ルシフェリン(BioOrbit,Finland)、4μg/mlのL−ルシフェリン(BioOrbit,Finland)、0.3U/mlのATPスルフリラーゼ(ATP:硫酸アデニルトランスフェラーゼ;EC2.7.7.4)(Sigma Chemical Co.,St.Louis,Mo.,USA)、精製されたルシフェラーゼ(Sigma Chemical Co.,St.Louis,Mo.,USA)。1pmolの固定された核酸断片と3pmolの核酸ポリメラーゼが、上記の溶液に添加される。配列決定反応は40pmolの1種類のヌクレオチド(Pharmacia,Biotech,Uppsala,Sweden)の添加によって開始される。この反応は室温で行うことができる。dATPとdATPαSのルシフェラーゼ反応に対する影響が実験される場合は、APSとATPスルフリラーゼの両方をアッセイから省くことができる。
【0127】
(実施例15)
本実施例は、連結による配列決定によるポリヌクレオチド配列の決定のための可能な方法を説明する。
【0128】
本実施例では、鋳型核酸は、磁気ビーズに対して目的のポリヌクレオチドを5’末端で結合させることによって調製される。蛍光標識されたプライマーが1×クレノウ緩衝液と予め混合される。この溶液は、緩衝液の除去後、鋳型が付着させられた磁気ビーズのアリコート(10/μL)に添加され、得られる溶液が、ハイブリダイゼーションに適している条件下で十分に混合される。鋳型/プライマーハイブリダイゼーションを起こさせた後、プライマー/緩衝液が除去され、ビーズは洗浄緩衝液を使用して洗浄され、その後、連結緩衝液中に再度懸濁させられる。標識プライマーがハイブリダイズした鋳型ビーズは、その後、第1の配列決定プローブ、リガーゼ、および緩衝液を含む混合物中で、プローブの連結に適している条件下でインキュベートされる。プローブの連結後、ビーズが、酢酸ナトリウムを含む緩衝液中で洗浄される。AgNOがこの溶液に添加され、得られた混合物が、切断を可能にする条件下でインキュベートされる。AgNOが除去され、ビーズは、酢酸ナトリウム中で1回洗浄される。その後、ビーズは中性緩衝液中で洗浄され、アリコートが取り出され、分析用に保存される。緩衝液が除去され、その後、ビーズがH中に再懸濁され、第2の配列決定プローブ、リガーゼ、および緩衝液を含む混合物とともに、連結に適している条件でインキュベートされる。第2の配列決定プローブの連結後、ビーズが、酢酸ナトリウムを含む緩衝液中で洗浄される。AgNOがこの溶液に添加され、そして得られる混合液が、切断を可能にする条件下でインキュベートされる。AgNOが除去され、ビーズは、酢酸ナトリウム中で1回洗浄される。その後、ビーズが中性緩衝液中で洗浄され、アリコートが取り出され、分析用に保存される。
【0129】
第1の配列決定プローブと第2の配列決定プローブは、内部ホスホロチオレート化チミジン塩基(sT)を含むように合成される。第1の切断可能プローブが、T4核酸リガーゼを使用してプライマーの伸張可能な末端に連結され、その後、硝酸銀を使用して切断される。切断により、伸張プローブの末端にある5個のヌクレオチドが除去され、プライマーに連結させられたままのプローブの部分上に伸張可能な末端が生じる。その後、第2の切断可能プローブが伸張可能な末端に連結され、その後、同様に切断される。
【0130】
蛍光キャピラリー電気泳動ゲルシフトアッセイを使用して、連結と切断の工程をモニターすることができる。このアッセイでは、プライマーが、5’リン酸がオリゴヌクレオチドプローブとなるための連結基質として作用できるよう(リンが移動度に基づくキャピラリーゲル電気泳動のレポーターとなる)に、鋳型鎖にハイブリダイズさせられる。各工程の後、ビーズのアリコートが分析のために取り出される。オリゴヌクレオチドプローブの連結後、磁気ビーズが磁石を使用して回収され、プライマーとそれに連結させられたプローブ(単数または複数)からなる連結種が、熱変性によって鋳型ビーズから解離させられ、標識されたサイズ標準物とともに自動核酸配列決定機器を使用する蛍光キャピラリー電気泳動に供される。典型的なゲルシフトにおいては、ピーク電位には、i)プライマーピーク(伸張が起こらなかったかまたはプライマーの伸張が起こらなかったことが原因である)、ii)アデニル化ピーク(核酸リガーゼの作用による非生産性の連結点の5’末端でのアデノシン残基の付着が原因である−Lehman,I.R.、Science、186:790−797、1974を参照のこと)、およびiii)完了ピーク(オリゴプローブの付着が原因である)が含まれる。
【0131】
連結が完全に進行することが望ましいが、これは必須ではない。例えば、上記に記載した連結工程後に5’ホスファターゼで処理することにより、任意の連結されていない5’末端を効率よく「キャップ」することが可能である。しかし、そのような場合は、行うことができる連続的な連結の数が、連結可能な分子の減少が原因で制限されるであろう。所定の数の連続的な連結を用いる場合は、読み取り長は、それぞれの連結/切断サイクル後に残っているプローブ長と、連続的な反応の回数に依存し、それぞれの後に、プライマーの除去と、プライマー結合部位の異なる部分に結合するプライマーのハイブリダイゼーションが続き、これらは、所定の鋳型について行うことができ、「リセット」の数とも呼ばれる。これは、プローブの5’末端に向かって配置された切断可能な連結を持つより長いプローブを使用する根拠を示している。本発明者らの実験では、ヘキサマープローブは、オクタマーおよびさらに長いプローブよりも多量の連結不可能なアデニル化産物を生じた。したがって、オクタマーおよびさらに長いプローブは、完成するまで実質的に連結するであろう(下記を参照のこと)。加えて、ヘキサマープローブの5’末端に蛍光部分を付加することによって、連結の効率が下がると見られ、一方、オクタマープローブに蛍光部分を付加することはほとんど影響がないか、または全く影響はない。これらの理由から、オクタマーまたはさらに長いプローブの使用が特定の実施形態において好ましいと考えられる。
【0132】
(実施例16)
本実施例は、連結による配列決定とピロシーケンスを使用してポリヌクレオチドの2つの領域を配列決定することによる、ポリヌクレオチド配列の分析のための可能な方法を説明する。
【0133】
配列決定用ポリヌクレオチドは以下に記載するように、ポリヌクレオチドを断片化させ、エマルジョンPCRによってこれらの断片をクローン増幅させることによって調製する。増幅後、ポリヌクレオチドの第1の領域について、以下に記載するように連結による配列決定を使用して配列決定を行い、第1の配列を決定する。ポリヌクレオチドの第2の領域について、以下に記載するようにピロシーケンスを行って、第2の配列を決定する。少なくとも第1の領域と第2の領域の一部を同時に配列決定することができる。第1の配列を第2の配列に対して比較する。2つの異なる化学反応によるデータ間での一致または不一致は、所定の位置についての最終的な塩基の決定を行う際に考慮することができる。様々な化学反応の間での塩基のバリエーションと配列の偏りもまた、最終的な配列の決定を行う際に考慮され得る。
【0134】
上記の一般的な記載と詳細な記載はいずれも例であり、説明にすぎず、請求される本発明を限定するものではないと理解される。本明細書中では、単数形の使用には、他に具体的に示されない限り、複数形が含まれる。本明細書中では用語「a」または「an」は、他に具体的に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味する。本明細書中では、「または」の使用は、他に具体的に示されない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」、および他の形態、例えば、「含む(include)」および「含まれる(included)」の使用は限定されない。また、「要素」または「成分」のような用語には、他に具体的に示されない限り、1単位の要素または成分と、複数の要素または複数の成分の両方が含まれる。
【0135】
本明細書中で使用された見出しのセクションは、構成の目的のためだけのものであり、いかなる方法においても記載される本発明の事項を限定するとは解釈されない。
【0136】
本発明の教示の中で議論される温度、濃度、時間などの前には「約」を含蓄し得ることが理解されるであろう。結果として、わずかな、実質的ではない偏差が本明細書中の本発明の教示の範囲に含まれる。例えば、「プライマー(a primer)」は、2つ以上のプライマーが存在する可能性があるが、必ずしもそうである必要はないことを意味する;例えば、限定ではないが、特定のプライマー種の1つ以上のコピー、ならびに、特定のプライマーのタイプの1つ以上のバージョン、例えば、限定ではないが、様々な正方向プライマーの多重度。「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(contains)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」は、限定するようには意図されない。上記一般的記載と詳細な記載はいずれも例であり、説明に過ぎず、本発明を限定するものではないことが理解される。
【0137】
引用による組み込み
本明細書中で引用された全ての参考文献(特許、特許出願、論文、テキストなどを含む)とその中で引用されている参考文献は、それらが前々からそうではなかったという程度に、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれる。組み込まれた文献と同様の材料のうちの1つ以上(定義される用語、用語の使用、記載される技術などを含むがこれらに限定されない)が本出願とは異なるか、または矛盾する場合には、本出願が支配する。
【0138】
等価物
上記記載と実施例は本発明の特定の好ましい実施形態詳細に説明しており、本発明によって意図される最良の態様を記載している。しかし、どんなに詳細であろうとも、上記は文章であり、本発明は多くの方法で実施することができ、本発明が添付の特許請求の範囲とその任意の等価物にしたがって解釈されなければならないことが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリヌクレオチドの配列決定のための方法であって、該方法は:
核酸配列決定試薬の第1のセットを使用してポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程;および
核酸配列決定試薬の第2のセットを使用して該ポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程
を含み、ここで、該核酸配列決定試薬の第1のセットは該核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なる、方法。
【請求項2】
前記第1の領域と前記第2の領域とが重複している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の領域と前記第2の領域とが前記ポリヌクレオチドの異なる鎖上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の領域と前記第2の領域とが少なくとも5ヌクレオチド重複している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の領域と前記第2の領域とが少なくとも10ヌクレオチド重複している、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の領域が前記第2の領域に隣接し得る、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリヌクレオチドが固体支持体上に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記固体支持体がビーズであり得る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリヌクレオチドが単一分子であり得る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリヌクレオチドが増幅させられたクローンであり得る、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記増幅させられたクローンがPCRによって生成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記PCRがエマルジョンPCRである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記増幅が半固体支持体の中で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記増幅が固体支持体上で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記増幅させられたクローンがアレイ上に存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の配列決定化学反応または前記第2の配列決定化学反応が、連結化学反応による配列決定であり得る、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の配列決定化学反応または前記第2の配列決定化学反応が可逆的ターミネーターの化学反応であり得る、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の配列決定化学反応または前記第2の配列決定化学反応がピロシーケンス化学反応であり得る、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の配列決定化学反応と前記第2の配列決定化学反応が連結化学反応による配列決定であり得る、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の配列決定化学反応と前記第2の配列決定化学反応が可逆的ターミネーターの化学反応である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
目的のポリヌクレオチドを配列決定する方法であって、該方法は:
目的のポリヌクレオチドに由来するクローンライブラリーについて第1の核酸配列決定化学反応を行う工程;
核酸配列決定試薬の第1のセットを使用して該ポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程;および
核酸配列決定試薬の第2のセットを使用して該ポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程
を含み、ここで、該核酸配列決定試薬の第1のセットは、該核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なる、方法。
【請求項22】
前記クローンライブラリーが目的の生物のゲノムからなる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記目的の生物が原核生物である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記目的の生物が真核生物である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記クローンライブラリーに、目的のゲノム由来のアンプリコンに由来するクローンが含まれる、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記クローンライブラリーが核酸ライブラリーに由来する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ポリヌクレオチドを配列決定する方法であって、該方法は:
核酸配列決定試薬の第1のセットを使用して該ポリヌクレオチドの第1の領域の配列を決定する工程であって、それにより、第1の核酸配列が生成される工程;
核酸配列決定試薬の第2のセットを使用して該ポリヌクレオチドの第2の領域の配列を決定する工程であって、ここで、該核酸配列決定試薬の第1のセットは、該核酸配列決定試薬の第2のセットとは異なり、それにより、第2の核酸配列が生成され、ここで、該第1の領域と該第2の領域は、共通している少なくとも1ヌクレオチド塩基位置を有する、工程;および、
該第1の核酸配列と該第2の核酸を比較する工程を含む、方法。
【請求項28】
目的のポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのシステムであって、該システムは:
分析用ポリヌクレオチドのアレイ;
該アレイを含み、少なくとも1つの入力ポートを有しているフローセル;
核酸配列決定試薬の第1のセットを含むリザーバーセットであって、入力ポートとつながれているリザーバーセット;
核酸配列決定試薬の第2のセットを含むリザーバーセットであって、入力ポートと流体連結されている、リザーバーセット;
該核酸配列決定試薬の第1のセットと該分析用ポリヌクレオチドとの間での反応によって生じた光学シグナルを検出するように構成されている第1の光学シグナルコレクター;および、
該核酸配列決定試薬の第2のセットと該分析用ポリヌクレオチドとの間での反応によって生じた光学シグナルを検出するように構成されている第2の光学シグナルコレクター
を含む、システム。
【請求項29】
前記第1の光学シグナルコレクターと前記第2の光学シグナルコレクターが同じ構成要素である、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記光学シグナルコレクターのうちの少なくとも一方にCCDが含まれる、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記システムに、前記ポリヌクレオチドのアレイ上に存在する蛍光シグナルの励起を誘導するように構成されたレーザーがさらに含まれる、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
ポリヌクレオチドの配列決定のための方法であって、該方法は:
分析用ポリヌクレオチドを複数のポリヌクレオチド断片に断片化する工程;
該ポリヌクレオチド断片の少なくとも一部をクローン増幅させ、それによって断片クローンのセットが生成される工程;
該断片クローンのセットの第1の部分を核酸配列決定試薬の第1のセットを用いて配列決定し、それによって、第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリが生成される工程;
該第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基のうちの少なくとも一部についてエラー値を得る工程;
該断片クローンのセットの第2の部分を核酸配列決定試薬の第2のセットを用いて配列決定し、それによって、第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリが生成される工程;
該第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基のうちの少なくとも一部についてエラー値を得る工程;
該第1のヌクレオチド塩基配列アセンブリを該第2のヌクレオチド塩基配列アセンブリと比較する工程;および、
他の塩基配列アセンブリ中の塩基の塩基識別と比較した、対応しているヌクレオチド塩基配列アセンブリ中の塩基識別についてのより低いエラー値に基づいて、該第1の塩基配列アセンブリと該第2の塩基配列アセンブリとの間での少なくとも1つの塩基識別を選択する工程
を含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−537643(P2010−537643A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523141(P2010−523141)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/074678
【国際公開番号】WO2009/029728
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(509130413)アプライド バイオシステムズ, エルエルシー (48)
【Fターム(参考)】