説明

仮想サーバの起動順序管理方法、仮想サーバの起動順序管理プログラム、仮想コンピュータシステム

【課題】仮想サーバのアプリケーションの起動順序を管理すること。
【解決手段】アプリ起動確認機能部106が、起動順序データベース107から抽出した起動情報の順序番号が小さい順から仮想サーバ102,103、10Nの複数回の電源オンの確認を行うと共に、該複数回の電源オンが確認された仮想サーバのアプリケーションプログラムによって開通する通信ポートに対する疎通の複数回の確認を行った後に、順序番号が次に大きい他の仮想サーバの電源オン及びポート疎通を確認した後に次の順序番号の仮想サーバの起動を行うことによって、先行アプリケーションプログラムの起動完了後に後続アプリケーションプログラムを起動する仮想サーバの起動順序管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理サーバ上に稼動する複数の仮想サーバの起動順序を該複数の仮想サーバ間の関連付けに応じて制御することができる仮想サーバの起動順序管理方法、仮想サーバの起動順序管理プログラム、仮想コンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に仮想サーバは、1台の物理サーバ上に複数分割して設けられ、それぞれに別のオペレーティングシステム(以下、OSという)やアプリケーションソフトを動作させるものであって、近年においては複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムを関連させて一つのコンピュータシステムを構成することがあり、例えば、商品価格を含む商品データベースサーバを稼働する仮想サーバと商品販売を管理するWebサーバを稼働する仮想サーバとを連携させて一つの商品販売のコンピュータシステムを構成することや、人事管理、給与管理、勤怠管理等を個々に管理する複数の仮想サーバによって企業内のコンピュータシステムを構成し、個人の勤怠状況に応じて給与支払いを管理することが行われており、個々の仮想サーバにて稼働するアプリケーションプログラムを前記関連に応じて正しい順序で起動させる必要がある。
【0003】
なお、前記仮想サーバを起動する順序を関する技術が記載された文献としては、下記の特許文献1が挙げられ、この特許文献1には、サービスプロセッサが起動した論理区画の起動状態が起動完了状態になるまで後続の論理区画の起動処理を一時的に停止する手段と、起動完了状態になったら後続の論理区画の起動処理を再開する手段を設け、各論理区画で稼動する所定のOSやアプリケーションプログラムの起動が完了した後、その論理区画の起動状態が起動完了状態になったことをサービスプロセッサに伝達する手段を新たに設けたことによって、後続の論理区画を起動するような待ち合わせ制御を電源制御のための追加のサーバ・アプリケーションプログラム・ネットワーク機器を利用することなく実現する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−26829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許文献1記載技術は、先にサーバである論理区画を起動し、そのサーバアプリケーションプログラムの起動が完了した後、クライアントである論理区画を起動することができるものの、サーバの起動管理はOSの起動完了を認識してから後続のサーバの起動を開始するため、先行稼動OSのアプリケーション稼動が冗長の場合、先行アプリケーションプログラムの起動完了前に後続アプリケーションプログラムが稼動し、後続が先に稼動すると関連性からエラーとなり、再起動が必要となる可能性があるという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、先行するアプリケーションプログラムの起動確認を通信ポートの疎通確認を行うことによって、先行アプリケーションプログラムの起動完了後に後続アプリケーションプログラムを起動することができる仮想サーバの起動順序管理方法、仮想サーバの起動順序管理プログラム、仮想コンピュータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明は、アプリケーションプログラムが稼動する複数の仮想サーバと、該複数の仮想サーバ上で稼働する仮想化アプリケーションプログラム管理を行う仮想サーバ管理機能部と、前記複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部と、前記複数の仮想サーバアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベースとを備え、前記アプリ起動確認機能部が、前記仮想サーバ管理機能部への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能及び該電源オン確認後に仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を行う疎通確認機能を有し、前記起動順序データベースが、仮想サーバを一意に識別するための識別子と、起動確認を行うためのサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納した仮想コンピュータシステムの仮想サーバの起動順序管理方法であって、
前記アプリ起動確認機能部が、前記起動順序データベースから起動情報を抽出して順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部に依頼する第1工程と、前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受信する第2工程と、該第2工程によって受信した仮想サーバの電源がオンか否かを判定する第3工程と、該第3工程によって電源がオンでないと判定したとき、前記第2工程によって抽出したチェック回数を所定数加算して前記読み込んだ電源チェック回数と比較し、チェック回数が電源チェック回数未満と判定したときに前記第2工程に戻る第4工程と、前記第4工程において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行う第5工程と、
前記第3工程によって電源がオンであると判定したとき、前記起動順序データベースから前記特定の仮想サーバのポート番号を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定する第6工程と、該第6工程によって判定した疎通確認結果が疎通か否かを判定する第7工程と、該第7工程によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を所定数加算して前記疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記第6工程に戻る第8工程と、該第8工程において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行う第9工程と、
前記第7工程によって疎通していると判定したとき、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、疎通確認があると判定したときに前記第6工程に戻る第10工程と、該第10工程において他の通信ポートの疎通確認がないと判定したときに起動順序データベースから次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込んで前記第1工程に戻る第11工程とを実行することを第1の特徴とする。
【0008】
また、本発明は、アプリケーションがプログラム稼動する複数の仮想サーバと、該複数の仮想サーバ上で稼働する仮想化アプリケーションプログラム管理を行う仮想サーバ管理機能部と、前記複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部と、前記複数の仮想サーバアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベースとを備え、前記アプリ起動確認機能部が、前記仮想サーバ管理機能部への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能及び該電源オン確認後に仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を行う疎通確認機能を有し、前記起動順序データベースが、仮想サーバを一意に識別するための識別子と、起動確認を行うためのサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納した仮想コンピュータシステムの仮想サーバの起動順序管理プログラムであって、
前記アプリ起動確認機能部に、前記起動順序データベースから起動情報を抽出して順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部に依頼する第1工程と、前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受信する第2工程と、該第2工程によって受信した仮想サーバの電源がオンか否かを判定する第3工程と、該第3工程によって電源がオンでないと判定したとき、前記第2工程によって抽出したチェック回数を所定数加算して前記読み込んだ電源チェック回数と比較し、チェック回数が電源チェック回数未満と判定したときに前記第2工程に戻る第4工程と、前記第4工程において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行う第5工程と、
前記第3工程によって電源がオンであると判定したとき、前記起動順序データベースから前記特定の仮想サーバのポート番号を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定する第6工程と、該第6工程によって判定した疎通確認結果が疎通か否かを判定する第7工程と、該第7工程によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を所定数加算して前記疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記第6工程に戻る第8工程と、該第8工程において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行う第9工程と、
前記第7工程によって疎通していると判定したとき、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、疎通確認があると判定したときに前記第6工程に戻る第10工程と、該第10工程において他の通信ポートの疎通確認がないと判定したときに起動順序データベースから次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込んで前記第1工程に戻る第11工程とを実行させることを第2の特徴とする。
【0009】
更に、本発明は、アプリケーションプログラムが稼動する複数の仮想サーバと、該複数の仮想サーバ上で稼働する仮想化アプリケーションプログラム管理を行う仮想サーバ管理機能部と、前記複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部と、前記複数の仮想サーバアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベースとを備えた仮想コンピュータシステムであって、
前記アプリ起動確認機能部が、前記仮想サーバ管理機能部への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能及び該電源オン確認後に仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を行う疎通確認機能を有し、前記起動順序データベースが、仮想サーバを一意に識別するための識別子と、起動確認を行うためのサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納し、
前記アプリ起動確認機能部が、前記起動順序データベースから起動情報を抽出して順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部に依頼する第1工程と、前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受信する第2工程と、該第2工程によって受信した仮想サーバの電源がオンか否かを判定する第3工程と、該第3工程によって電源がオンでないと判定したとき、前記第2工程によって抽出したチェック回数を所定数加算して前記読み込んだ電源チェック回数と比較し、チェック回数が電源チェック回数未満と判定したときに前記第2工程に戻る第4工程と、前記第4工程において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行う第5工程と、
前記第3工程によって電源がオンであると判定したとき、前記起動順序データベースから前記特定の仮想サーバのポート番号を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定する第6工程と、該第6工程によって判定した疎通確認結果が疎通か否かを判定する第7工程と、該第7工程によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を所定数加算して前記疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記第6工程に戻る第8工程と、該第8工程において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行う第9工程と、
前記第7工程によって疎通していると判定したとき、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、疎通確認があると判定したときに前記第6工程に戻る第10工程と、該第10工程において他の通信ポートの疎通確認がないと判定したときに起動順序データベースから次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込んで前記第1工程に戻る第11工程とを実行することを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による仮想サーバの起動順序管理方法、仮想サーバの起動順序管理プログラム、仮想コンピュータシステムは、アプリ起動確認機能部が、起動順序データベースから抽出した起動情報の順序番号が小さい順から仮想サーバの複数回の電源オンの確認を行うと共に、該複数回の電源オンが確認された仮想サーバのアプリケーションプログラムによって開通する通信ポートに対する疎通の複数回の確認を行った後に、他の仮想サーバの電源オン及びポート疎通を確認した後に次の順序番号の仮想サーバの起動を順次行うことによって、先行アプリケーションプログラムの起動完了後に後続アプリケーションプログラムを起動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による仮想サーバの起動順序管理方法を実現する仮想コンピュータシステム示す図。
【図2A】本発明の実施形態による電源オン依頼によるアプリ起動確認機能を説明するための図。
【図2B】本発明の実施形態による疎通確認によるアプリ起動確認機能を説明するための図。
【図3】本発明の実施形態による起動情報を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による仮想サーバの起動順序管理方法による仮想サーバの起動順序管理プログラムを実行する仮想コンピュータシステムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
本実施形態による仮想サーバの起動順序管理方法を実行する仮想サーバの起動順序管理プログラムを実行する仮想コンピュータシステムを構築する物理サーバ101は、図1に示す如く、OS及びアプリケーションが稼動する複数の仮想サーバ102、103〜10Nと、該複数の仮想サーバ102、103〜10Nにて稼働する仮想化ソフトの管理を行う仮想サーバ管理機能部105と、複数の仮想サーバ102、103〜10Nのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部106と、前記複数の仮想サーバ102、103〜10Nのアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベース(DB)107とを備える。
【0013】
前記アプリ起動確認機能部106は、仮想サーバ管理機能部105への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能と、電源オン確認後、仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を実施し、アプリケーションの稼動を確認する疎通確認機能とを備え、前記起動順序データベース107は、図3(a)に示す如く、仮想サーバを一意に識別するための識別子であるIDと、起動確認を行うためのサーバ名もしくはIPアドレスであるサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納する。この起動情報は、具体的には図3(b)に示す如く、ID「001」のサーバ名「DB001」の仮想サーバの順序番号が「1」、ポート番号が「1521」、電源チェック回数が「10」回、疎通チェック回数が「10」回であり、ID「002」のサーバ名「WEB001」の仮想サーバの順序番号が「2」、ポート番号が「80」、電源チェック回数が「10」回、疎通チェック回数が「10」回であり、ID「003」のサーバ名「WEB002」の仮想サーバの順序番号が「3」、ポート番号が「443」、電源チェック回数が「10」回、疎通チェック回数が「10」回の如く設定され、登録されている。また、通信ポートの疎通はアプリケーションによって起動するものである。
【0014】
[動作]
前述のように構成された仮想コンピュータシステムを構築する物理サーバ101は、図2Aに示す如く、アプリ起動確認機能部106が、起動順序データベース107を参照して起動情報を抽出し、順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部105に依頼(コマンドを発行)するステップ201と、該仮想サーバ管理機能部105から前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受け取ってチェックするステップ202と、該受け取った仮想サーバの電源がオンか否かを判定し、電源オンと判定したときに後述する図2Bのポート疎通確認を行う工程Aに移行するステップ203と、該ステップ203において電源がオンでないと判定したとき、前記ステップ202によるチェック回数を「+1」加算して前記読み込んだ起動順序データベース107の電源チェック回数と比較し、設定した電源チェック回数未満と判定したときに前記ステップ202に戻るステップ204と、該ステップ204において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行うステップ206と、前記電源オン失敗のエラー通知を管理者等に電子メールによって通知して処理を終了するステップ207とを実行することによって、前記特定の仮想サーバの電源がオンになったことを予め設定した電源チェック回数だけ確認することによって、前記特定の仮想サーバの電源オンを確実に確認することができる。
【0015】
次いで、本実施形態による物理サーバ101は、図2Bに示す如く、前記図2Aのステップ203において設定回数以上の電源オンが確認されたとき、図2Bに示す如く、アプリ起動確認機能部106が、起動順序データベース107から前記特定の仮想サーバの通信ポートの情報(ポート番号)を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定するステップ205と、該ステップ205によって疎通の確認結果情報を取得するステップS208と、該ステップ208によって取得した疎通確認結果情報が疎通か否かを判定するステップ209と、該ステップ209によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を「+1」加算して起動順序データベース107の疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記ステップ208に戻るステップ210と、該ステップ210において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行うステップ206と、前記ポート疎通失敗のエラー通知を管理者等に電子メールによって通知して処理を終了するステップ207と、前記ステップ209によって疎通確認結果情報が疎通と判定したとき、疎通確認のログ出力を行うステップ206と、起動順序データベース107から次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込むステップ211と、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、あると判定したとき前記ステップ205に戻るステップ212と、前記同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認がないと判定したとき、他の対象とする仮想サーバがあるか否かを判定し、他の対象とする仮想サーバがあると判定したときに前記図2Aの工程Bに戻ってステップ201に移行し、他の対象とする仮想サーバがないと判定したときに処理を終了するステップ213とを実行することによって、全ての仮想サーバに対する複数回の電源オンの確認及び通信ポートの複数の疎通確認とを実行することによって、通信ポートがアプリケーション稼働によって開かれるため、起動順序の早い仮想サーバ上で稼働するアプリケーションプログラムの起動が終了した後に他の起動順序の仮想サーバ上で稼働するアプリケーションプログラムを起動するため、先行アプリケーションプログラムの起動完了後に後続アプリケーションプログラムを起動することができる。
【符号の説明】
【0016】
101 物理サーバ、102 仮想サーバ、105 仮想サーバ管理機能部、
106 アプリ起動確認機能部、107 起動順序データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムが稼動する複数の仮想サーバと、該複数の仮想サーバ上で稼働する仮想化アプリケーションプログラム管理を行う仮想サーバ管理機能部と、前記複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部と、前記複数の仮想サーバアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベースとを備え、前記アプリ起動確認機能部が、前記仮想サーバ管理機能部への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能及び該電源オン確認後に仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を行う疎通確認機能を有し、前記起動順序データベースが、仮想サーバを一意に識別するための識別子と、起動確認を行うためのサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納した仮想コンピュータシステムの仮想サーバの起動順序管理方法であって、
前記アプリ起動確認機能部が、前記起動順序データベースから起動情報を抽出して順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部に依頼する第1工程と、前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受信する第2工程と、該第2工程によって受信した仮想サーバの電源がオンか否かを判定する第3工程と、該第3工程によって電源がオンでないと判定したとき、前記第2工程によって抽出したチェック回数を所定数加算して前記読み込んだ電源チェック回数と比較し、チェック回数が電源チェック回数未満と判定したときに前記第2工程に戻る第4工程と、前記第4工程において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行う第5工程と、
前記第3工程によって電源がオンであると判定したとき、前記起動順序データベースから前記特定の仮想サーバのポート番号を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定する第6工程と、該第6工程によって判定した疎通確認結果が疎通か否かを判定する第7工程と、該第7工程によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を所定数加算して前記疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記第6工程に戻る第8工程と、該第8工程において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行う第9工程と、
前記第7工程によって疎通していると判定したとき、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、疎通確認があると判定したときに前記第6工程に戻る第10工程と、該第10工程において他の通信ポートの疎通確認がないと判定したときに起動順序データベースから次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込んで前記第1工程に戻る第11工程とを実行することを特徴とする仮想サーバの起動順序管理方法。
【請求項2】
アプリケーションがプログラム稼動する複数の仮想サーバと、該複数の仮想サーバ上で稼働する仮想化アプリケーションプログラム管理を行う仮想サーバ管理機能部と、前記複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部と、前記複数の仮想サーバアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベースとを備え、前記アプリ起動確認機能部が、前記仮想サーバ管理機能部への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能及び該電源オン確認後に仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を行う疎通確認機能を有し、前記起動順序データベースが、仮想サーバを一意に識別するための識別子と、起動確認を行うためのサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納した仮想コンピュータシステムの仮想サーバの起動順序管理プログラムであって、
前記アプリ起動確認機能部に、前記起動順序データベースから起動情報を抽出して順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部に依頼する第1工程と、前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受信する第2工程と、該第2工程によって受信した仮想サーバの電源がオンか否かを判定する第3工程と、該第3工程によって電源がオンでないと判定したとき、前記第2工程によって抽出したチェック回数を所定数加算して前記読み込んだ電源チェック回数と比較し、チェック回数が電源チェック回数未満と判定したときに前記第2工程に戻る第4工程と、前記第4工程において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行う第5工程と、
前記第3工程によって電源がオンであると判定したとき、前記起動順序データベースから前記特定の仮想サーバのポート番号を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定する第6工程と、該第6工程によって判定した疎通確認結果が疎通か否かを判定する第7工程と、該第7工程によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を所定数加算して前記疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記第6工程に戻る第8工程と、該第8工程において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行う第9工程と、
前記第7工程によって疎通していると判定したとき、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、疎通確認があると判定したときに前記第6工程に戻る第10工程と、該第10工程において他の通信ポートの疎通確認がないと判定したときに起動順序データベースから次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込んで前記第1工程に戻る第11工程とを実行させることを特徴とする仮想サーバの起動順序管理プログラム。
【請求項3】
アプリケーションプログラムが稼動する複数の仮想サーバと、該複数の仮想サーバ上で稼働する仮想化アプリケーションプログラム管理を行う仮想サーバ管理機能部と、前記複数の仮想サーバのアプリケーションプログラムの起動を管理するアプリ起動確認機能部と、前記複数の仮想サーバアプリケーションプログラムの起動順を管理するための起動情報を格納する起動順序データベースとを備えた仮想コンピュータシステムであって、
前記アプリ起動確認機能部が、前記仮想サーバ管理機能部への電源オンの依頼と電源オンの状態を確認する電源オン確認機能及び該電源オン確認後に仮想サーバへ通信ポートの疎通確認を行う疎通確認機能を有し、前記起動順序データベースが、仮想サーバを一意に識別するための識別子と、起動確認を行うためのサーバ名又はIPアドレスと、仮想サーバの起動確認の順序を示す順序番号と、疎通確認を行う通信ポートのポート番号を示すポート番号と、電源オンを確認する回数を示す電源チェック回数と、通信ポートの疎通確認回数を示す疎通チェック回数との各項目とから成る起動情報を格納し、
前記アプリ起動確認機能部が、前記起動順序データベースから起動情報を抽出して順序番号が最小の仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスによって特定した仮想サーバの電源オンを仮想サーバ管理機能部に依頼する第1工程と、前記特定した仮想サーバの電源状態の結果を受信する第2工程と、該第2工程によって受信した仮想サーバの電源がオンか否かを判定する第3工程と、該第3工程によって電源がオンでないと判定したとき、前記第2工程によって抽出したチェック回数を所定数加算して前記読み込んだ電源チェック回数と比較し、チェック回数が電源チェック回数未満と判定したときに前記第2工程に戻る第4工程と、前記第4工程において電源チェック回数未満でないと判定したとき、電源オンに失敗したことを表すログ出力を行う第5工程と、
前記第3工程によって電源がオンであると判定したとき、前記起動順序データベースから前記特定の仮想サーバのポート番号を読み込み、該読み込んだ通信ポートが疎通しているか否かを判定する第6工程と、該第6工程によって判定した疎通確認結果が疎通か否かを判定する第7工程と、該第7工程によって疎通していないと判定したとき、疎通確認チェック回数を所定数加算して前記疎通チェック回数と比較し、疎通チェック回数を越えていないと判定したときに前記第6工程に戻る第8工程と、該第8工程において疎通チェック回数を越えている判定したとき、通信ポートの疎通に失敗したことを表すログ出力を行う第9工程と、
前記第7工程によって疎通していると判定したとき、前記疎通と判定した同一仮想サーバで他の通信ポートの疎通確認があるか否かを判定し、疎通確認があると判定したときに前記第6工程に戻る第10工程と、該第10工程において他の通信ポートの疎通確認がないと判定したときに起動順序データベースから次の順序番号の大きい仮想サーバのサーバ名又はIPアドレスを読み込んで前記第1工程に戻る第11工程とを実行することを特徴とする仮想コンピュータシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−89093(P2013−89093A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230249(P2011−230249)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】