説明

仮想マシンのデプロイ方法およびデプロイ実行プログラムとデプロイ実行装置

【課題】ネットワークの帯域やストレージのバスの帯域がボトルネックとなってイメージファイルの複製処理の所要時間が増長したり複製処理のために利用可能なネットワークの帯域が過剰に制限されたりすることなく、簡単な段取り操作によって複数の仮想マシンのOSをデプロイする。
【解決手段】OSのコピー元となる仮想マシン(Xi)を作動させて仮想マシン(Xi)の使用するOSのイメージファイルを生成し、イメージファイルを他の仮想マシン(Xi+1)に通信ネットワーク2を経由して転送した後、仮想マシン(Xi+1)によって、イメージファイルのセキュリティ識別子を仮想マシン(Xi+1)のセキュリティ識別子に書き換え、このイメージファイルを仮想マシン(Xi+1)の使用するOSとする処理を、i=0,1,2,・・・nの仮想マシン(Xi)について繰り返し実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ方法およびデプロイ実行プログラムとデプロイ実行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイするための技術としては、例えば、特許文献1に開示されるように、選択対象とする仮想マシンのオペレーティングシステムのイメージファイルをデプロイの対象とする他の仮想マシンの数だけ生成し、これらのイメージファイルをデプロイの対象とする他の仮想マシンの各々が使用するストレージに通信ネットワークを経由して転送し、イメージファイルを受信した各仮想マシンの処理によって、受信したイメージファイルを各仮想マシンの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするのが一般的である。
【0003】
しかし、選択された仮想マシンのストレージつまり元になるオペレーティングシステムを格納したストレージとデプロイの対象となる他の仮想マシンのストレージとの間は通信ネットワークで接続されているため、選択対象とする仮想マシンのオペレーティングシステムのイメージファイルをマルチキャストやブロードキャストでデプロイの対象とする他の仮想マシンの数だけ並列的に複製しようとすると、通信ネットワークの帯域やストレージの入出力回路のバスの帯域がボトルネックとなってイメージファイルの複製処理の所要時間が増長する不都合がある。
【0004】
また、オペレーティングシステムやアプリケーションを集約したテンプレートを複数個作成して他の複製のストレージに分散させ、各仮想マシンの固有情報であるセキュリティ識別子つまり各仮想マシンの名称やIPアドレス等をテンプレートにインストールすることによってオペレーティングシステムやアプリケーションを実行可能な状態にまでアクティベートするようにしたデプロイ高速化システムが特許文献2として既に公知である。
【0005】
特許文献2に開示されるデプロイ高速化システムは、通信ネットワークの帯域やストレージの入出力回路のバスの帯域を考慮し、帯域の限界で複数のテンプレートの複製を行なうようにしたものであるため、テンプレートの複製処理の所要時間の短縮は可能であるが、その時点で稼動している他の仮想マシンつまりデプロイの対象となっていない仮想マシンによって利用できる通信ネットワークの帯域が過剰に制限されたり、管理サーバの負荷が増大するといった弊害が生じる。
【0006】
なお、システムの規模の拡大に伴って増大するサーバの負荷、特に、データの一斉送信で生じる負荷を軽減するため、サーバから送信する指示情報を下位装置から下位装置へと順に引き渡すようにして伝達することで並列的な処理を排除した監視制御システムが特許文献3として提案されている。
【0007】
しかしながら、特許文献3に開示される監視制御システムは、サーバから送られた指示情報に基いて下位装置内の設定情報やソフトウェアの一部を更新することを目的としたものに過ぎず、指示情報を下位装置から下位装置へと順に引き渡すためのプログラムつまりデータ作成送信プログラムや設定更新処理のためのプログラムを下位装置の各々に固定的にインストールしておく必要があり、サーバからの指令によってデータ作成送信プログラムや設定更新処理のためのプログラムを含めたオペレーションシステム全体を更新するように構成することは困難である。
また、指示情報の次の宛先となる下位装置は各下位装置毎に個別に記憶させておく必要があるため、多数の下位装置の設定情報やソフトウェアを更新の対象とする場合には各下位装置の各々に異なる宛先を初期設定する必要があり、段取り操作が複雑となる不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−172649号公報
【特許文献2】特開2009−230655号公報
【特許文献3】特開2003−348671号公報(段落0007,0011,0012,0045,0029)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、通信ネットワークの帯域やストレージの入出力回路のバスの帯域がボトルネックとなってイメージファイルの複製処理の所要時間が増長したり、イメージファイルの複製処理のために利用可能な通信ネットワークの帯域が過剰に制限されたり、管理サーバの負荷が増大したりすることがなく、簡単な段取り操作によって複数の仮想マシンのオペレーティングシステムをデプロイすることのできる仮想マシンのデプロイ方法およびデプロイ実行プログラムとデプロイ実行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における仮想マシンのデプロイ方法は、通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ方法であり、前記目的を達成するため、特に、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とを前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録工程と、
前記管理サーバから通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令により、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させ、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンが、前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する複製元特定工程と、
デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求された前記管理サーバが、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定工程と、
デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を管理サーバから受信した仮想マシンが、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して転送するイメージファイル転送工程と、
イメージファイルを受信した仮想マシンが、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート工程とを一巡して実行した後、
前記アクティベート工程の実行回数が、前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達するまでの間、
新たにアクティベートされたオペレーティングシステムによって制御される仮想マシンが前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求工程と、前記複製先特定工程と、前記イメージファイル転送工程と、前記アクティベート工程とを、この順で繰り返し実行することを特徴とした構成を有する。
【0011】
また、本発明における仮想マシンのデプロイ実行プログラムは、通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ実行プログラムであり、前記と同様の目的を達成するため、特に、
前記管理サーバの使用するマイクロプロセッサを、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスを介して受け付け、前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録手段、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワークを介して仮想マシン作成指令を送信し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求を受け付け、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定手段、および、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイ完了信号をカウントし、そのカウント値と管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達した時点で前記複製先特定手段の作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して処理の停止要求を送信する停止要求処理手段として機能させると共に、
前記各仮想マシンの使用する仮想マイクロプロセッサの各々を、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令を受けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を前記通信ネットワークを介して前記管理サーバに要求する複製元特定手段、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して送信するイメージファイル転送手段、
他の仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段、
アクティベートの完了時に前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信するデプロイ完了信号送信手段、
アクティベートされたオペレーティングシステムによって前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求手段、および、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される停止要求を受けてイメージファイル転送手段と、アクティベート手段と、デプロイ完了信号送信手段と、複製先要求手段の作動を停止させる停止処理制御手段として機能させることを特徴とした構成を有する。
【0012】
また、本発明における仮想マシンのデプロイ実行装置は、通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ実行装置であり、前記と同様の目的を達成するため、特に、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスを介して受け付け、前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録手段と、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワークを介して仮想マシン作成指令を送信し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段と、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求を受け付け、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定手段と、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイ完了信号をカウントし、そのカウント値と管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達した時点で前記複製先特定手段の作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して処理の停止要求を送信する停止要求処理手段とを有する管理サーバと、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令を受けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を前記通信ネットワークを介して前記管理サーバに要求する複製元特定手段と、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して送信するイメージファイル転送手段と、
他の仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段と、
アクティベートの完了時に前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信するデプロイ完了信号送信手段と、
アクティベートされたオペレーティングシステムによって前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求手段と、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される停止要求を受けてイメージファイル転送手段と、アクティベート手段と、デプロイ完了信号送信手段と、複製先要求手段の作動を停止させる停止処理制御手段とを有する仮想マシンによって構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の仮想マシンのデプロイ方法およびデプロイ実行プログラムとデプロイ実行装置は、選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とを管理サーバの使用するストレージに予め記憶させておき、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させて当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを生成し、このイメージファイルをデプロイの対象とする他の仮想マシンの使用するストレージに通信ネットワークを経由して転送した後、イメージファイルを受信した仮想マシンによって、受信したイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートし、この仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを生成してデプロイの対象とする他の仮想マシンの使用するストレージに通信ネットワークを経由して順次転送する処理を繰り返し実行するようにしたので、管理サーバや仮想マシンが同時に複数のイメージファイルを生成する必要がなくなり、通信ネットワークの帯域やストレージの入出力回路のバスの帯域がボトルネックとなってイメージファイルの複製処理の所要時間が増長する不都合が解消され、また、並列的な複製処理が不要となることから、デプロイの対象となっていない仮想マシンによって利用できる通信ネットワークの帯域が過剰に制限されたり、管理サーバの負荷が増大するといった弊害も発生させずに、複数の仮想マシンのオペレーティングシステムをデプロイすることができる。
また、選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とを管理サーバの使用するストレージに予め記憶させておき、新たにアクティベートされたオペレーティングシステムによって制御される仮想マシンが管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求し、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を管理サーバから仮想マシンに送信して次のデプロイの対象とする仮想マシンを特定する構成であるから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの情報を管理サーバで一元管理することが可能となり、簡単な段取り操作によって複数の仮想マシンのオペレーティングシステムをデプロイすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した一実施形態のITシステムの構成の概略を示したブロック図である。
【図2】同実施形態のITシステムの管理サーバの構成の概略を示したブロック図である。
【図3】同実施形態のITシステムの仮想マシンの構成の概略を示したブロック図である。
【図4】仮想マシンの何れかを選択して其のオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする際に必要とされる管理サーバおよび仮想マシンの各種機能の概略について示した機能ブロック図である。
【図5】同実施形態における仮想マシンのデプロイ実行プログラムの一部を構成する管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムを簡略化して示したフローチャートである。
【図6】管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムを簡略化して示したフローチャートの続きである。
【図7】同実施形態における仮想マシンのデプロイ実行プログラムの一部を構成する仮想マシン用複製作成プログラムを簡略化して示したフローチャートである。
【図8】仮想マシン用複製作成プログラムを簡略化して示したフローチャートの続きである。
【図9】管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムが利用するテーブルを示した図で、このうち図9(a)はデプロイの対象とする複数の仮想マシンを特定する情報を保存するために管理サーバの使用するストレージに設けられたデプロイ管理データ記憶テーブルの構成例を示した概念図、また、図9(b)はオペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンを特定するための情報を保存するために管理サーバの使用するストレージに設けられた複製元指定テーブルの構成例を示した概念図である。
【図10】実際のデプロイ処理の流れを一例で示したタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について一例を挙げ、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は本発明を適用した一実施形態のITシステム1の構成の概略を示したブロック図である。
【0017】
このITシステム1はLAN等の通信ネットワーク2を介して接続された管理サーバXと、複数の仮想マシンX0,X1,X2,・・・と、管理サーバXが利用するストレージZおよび仮想マシンX0,X1,X2,・・・の各々が使用するストレージZ0,Z1,Z2,・・・からなるストレージ群3によって構成される。
【0018】
管理サーバXは、図2に示されるように、メインフレームまたはワークステーション等から構成される通常のコンピュータであり、演算処理用のマイクロプロセッサ4と、マイクロプロセッサ4の起動プログラム等を記憶したROM5、および、各種のパラメータ等を記憶した不揮発性メモリ6と、演算データの一時記憶等に利用されるRAM7、ならびに、ネットワーク2に接続するためのインターフェイス8を備え、マイクロプロセッサ4の入出力回路9には、マン・マシン・インターフェイスAとして機能するキーボード10およびマウス11と、マシン・マン・インターフェイスとして機能するディスプレイ12が接続されている。
【0019】
仮想マシンX0,X1,X2,・・・は、図3に示されるように、何れも管理サーバXのマイクロプロセッサ4を仮想マイクロプロセッサ13として利用し、管理サーバXのROM5を仮想ROM14として利用し、管理サーバXのRAM7を仮想RAM15として利用する仮想マシンであり、物理的な実体として存在するのは、ネットワーク2に接続するためのインターフェイス16と、インターフェイス16用の入出力回路17と、マン・マシン・インターフェイスとして機能するキーボード18およびマウス19と、マシン・マン・インターフェイスとして機能するディスプレイ20の部分のみである。
【0020】
そして、仮想マシンX0,X1,X2,・・・の各々は、ストレージ群3のストレージZ0,Z1,Z2,・・・の各々に各仮想マシンX0,X1,X2,・・・毎に専用のオペレーションシステムx0,x1,x2,・・・を備える。
【0021】
ストレージZ,Z0,Z1,・・・はディスクコントローラおよび複数のハードディスクを備えたディスクアレイでもよいし、単一のハードディスクに論理的なパーティションを設置して構成したものでも構わない。
【0022】
図4は、仮想マシンX0,X1,X2,・・・の何れかを選択して其のオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンX0,X1,X2,・・・(但し、選択された複製元を除く)のオペレーティングシステムとしてデプロイする際に必要とされる管理サーバXおよび仮想マシンX0,X1,X2,・・・の各種機能の概略について示した機能ブロック図である。
【0023】
管理サーバXは、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンを仮想マシンX0,X1,X2,・・・のうちから選択的に特定するための情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンX0,X1,X2,・・・(但し、選択された複製元を除く)の各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスAとして機能するキーボード10を介してオペレータから受け付け、管理サーバXの使用するストレージZに記憶させる設定データ登録手段Bと、
オペレーティングシステムの複製元として選択された仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワーク2を介して仮想マシン作成指令aを送信し、複製元として選択された仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段Cと、
何れかの仮想マシンから通信ネットワーク2を介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求bを受け付け、管理サーバXの使用するストレージZから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cを非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cの送信を要求した仮想マシンに対して通信ネットワーク2を介して送信する複製先特定手段Dと、
仮想マシンの各々から通信ネットワーク2を介して送信されたデプロイ完了信号dをカウントし、そのカウント値と管理サーバXの使用するストレージZに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数nとの関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバXの使用するストレージZに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数nに達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバXの使用するストレージZに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数nに達した時点で複製先特定手段Dの作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに対して通信ネットワーク2を介して処理の停止要求eを送信する停止要求処理手段Eとを備える。
【0024】
また、仮想マシンX0,X1,X2,・・・の各々は、管理サーバXから通信ネットワーク2を介して送信される仮想マシン作成指令aを受け付けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワーク2を介して管理サーバXに要求する信号bを出力する複製元特定手段Fと、
管理サーバXから通信ネットワーク2を介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cを受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、管理サーバXから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cに対応した仮想マシンの使用するストレージに通信ネットワーク2を経由して送信するイメージファイル転送手段Gと、
他の仮想マシンから通信ネットワーク2を介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段Hと、
アクティベート手段Hによるアクティベートの完了時に管理サーバXに通信ネットワーク2を介してデプロイ完了信号dを送信するデプロイ完了信号送信手段Iと、
新たにアクティベートされたオペレーティングシステムの下で管理サーバXにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワーク2を介して要求する信号bを送出する複製先要求手段Jと、
管理サーバXから通信ネットワーク2を介して送信される停止要求eを受けて、イメージファイル転送手段Gと、アクティベート手段Hと、デプロイ完了信号送信手段Iと、複製先要求手段Jの作動を停止させる停止処理制御手段Kとを備える。
【0025】
但し、図4に示す各手段のうち管理サーバXの設定データ登録手段B,仮想マシン作成指令送信手段C,複製先特定手段D,停止要求処理手段Eは、何れも管理サーバXのストレージZに記憶された図5〜図6に示されるような管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムと管理サーバXのマイクロプロセッサ4を機能実現手段として構築されるものであり、また、各仮想マシンX0,X1,X2,・・・の複製元特定手段F,イメージファイル転送手段G,アクティベート手段H,デプロイ完了信号送信手段I,複製先要求手段J,停止処理制御手段Kは、何れも各仮想マシンX0,X1,X2,・・・のストレージZ0,Z1,Z2,・・・に記憶された図7〜図8に示されるような仮想マシン用複製作成プログラムと各仮想マシンX0,X1,X2,・・・の仮想マイクロプロセッサ13,13,13,・・・を機能実現手段として構築されるものであって、何れもハードウェアによって構成されるものではない。
【0026】
前述の管理サーバ用デプロイ実行管理プログラム(図5〜図6)と仮想マシン用複製作成プログラム(図7〜図8)とを併せたものが、この実施形態におけるデプロイ実行プログラムである。
【0027】
以下、管理サーバXにおける設定データ登録手段B,仮想マシン作成指令送信手段C,複製先特定手段D,停止要求処理手段Eを併せたものを仮想マシン作成制御部Uと称し、各仮想マシンの複製元特定手段F,イメージファイル転送手段G,アクティベート手段H,デプロイ完了信号送信手段I,複製先要求手段J,停止処理制御手段Kを併せたものを各仮想マシン毎の仮想マシン作成実行部Vと称する。また、アクティベート手段Hを個別情報反映処理部Wと呼ぶ場合がある(図1参照)。
【0028】
図9(a)はデプロイの対象とする複数の仮想マシンX0,X1,X2,・・・(但し、選択された複製元を除く)の各々を特定する情報を保存するために管理サーバXの使用するストレージZに設けられたデプロイ管理データ記憶テーブルの論理的な構成例を示した概念図、また、図9(b)はオペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンを特定するための情報を保存するために管理サーバXの使用するストレージZに設けられた複製元指定テーブルの論理的な構成例を示した概念図である。
【0029】
図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21には、デプロイの対象とする仮想マシンの名称と各仮想マシンのIPアドレスと各仮想マシンが使用するストレージの名称との対応関係が複数組記憶されるようになっている。このうちデプロイの対象とする複数の仮想マシンを特定する情報としては仮想マシンの名称もしくは仮想マシンのIPアドレスの何れかを必須とすればよく、この実施形態にあっては、仮想マシンの名称を利用している。仮想マシンを特定する情報としてはユニークな値が必要であるから、セキュリティ識別子を構成するデータの何れかを利用するのが一般的であるが、ここでいうデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報とは、単に、仮想マシン毎にユニークな値という意味であり、また、セキュリティ識別子は、既に述べた通り、オペレーティングシステムを実行可能な状態にまでアクティベートするために必要とされる全ての固有情報である。
また、デプロイの対象とする仮想マシンは、必ずしも、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンを除いた他の全ての仮想マシンというわけではない。仮に、仮想マシンの総数がN個であれば、これらのうちからオペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンを1つ取り除いた全体数〔N−1〕個を上限として、1≦n≦〔N−1〕の範囲で任意のn個の仮想マシンをデプロイの対象とする仮想マシンとして選択することが可能である。
図9(b)の複製元指定テーブル22の構成もデプロイ管理データ記憶テーブル21の構成と同様であるが、複製元指定テーブル22には仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称との対応関係が1組のみ記憶される。前記と同様、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンを特定する情報としては仮想マシンの名称もしくは仮想マシンのIPアドレスの何れかを必須とすればよく、この実施形態にあっては仮想マシンの名称を利用している。
【0030】
各仮想マシンの名称やIPアドレスは仮想マシンに固有のセキュリティ識別子の一種である。セキュリティ識別子(Security Identifier,Security ID,SID)としては、この他にも様々なものがあるが、この点に関しては既に公知であるので詳細な説明はしない。
【0031】
既に公知の通り、オペレーティングシステムのイメージファイルはストレージに保存されたオペレーティングシステムのファイルシステムやフォルダ構造を完全に反映しているので、オペレーティングシステムのイメージファイルを他の仮想マシンのストレージに複製して其のセキュリティ識別子を複製先の仮想マシンのセキュリティ識別子に書き換えさえすれば、何れの仮想マシンによっても其のまま利用することができる。
【0032】
次に、図5〜図6に示す管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムおよび図7〜図8に示す仮想マシン用複製作成プログラムによって構成されるデプロイ実行プログラムと、実際のデプロイ処理の流れを一例で示した図10のタイミングチャートを参照して、この実施形態における仮想マシンのデプロイ方法およびデプロイ実行プログラムならびに管理サーバXと仮想マシンX0,X1,X2,・・・からなるデプロイ実行装置の処理動作について具体的に説明する。
【0033】
管理サーバXの起動後、設定データ登録手段Bとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報が管理サーバXのマン・マシン・インターフェイスAを構成するキーボード10からオペレータの手で入力されるまで待機する(ステップs1)。
【0034】
そして、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を構成する一連のデータ列である仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が入力されたことがステップs1の判定処理で確認されると、設定データ登録手段Bとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、これらの情報を、管理サーバXが利用するストレージZに構築された図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21に逐次追加して記憶し(ステップs2)、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の入力処理の完了宣言がキーボード10のキー操作によって成されたか否かを判定する(ステップs3)。
【0035】
入力処理の完了宣言が成されていなければ、設定データ登録手段Bとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、前記と同様にしてステップs1〜ステップs3の処理を繰り返し実行し、オペレータによるキーボード10の操作に応じ、デプロイの対象とする複数の仮想マシンを特定する情報の各々をデプロイ管理データ記憶テーブル21に全て格納する。
【0036】
そして、デプロイの対象とする複数の仮想マシンを特定する情報の入力と記憶に関わる処理が全て完了したことがステップs3の判定処理で確認されると、設定データ登録手段Bとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、更に、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンを特定するための情報が管理サーバXのマン・マシン・インターフェイスAを構成するキーボード10からオペレータの手で入力されるのを待機する(ステップs4)。
【0037】
そして、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択した仮想マシンを特定するための情報を構成する一連のデータ列である仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が入力されたことがステップs4の判定処理で確認されると、設定データ登録手段Bとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、この情報を、管理サーバXが利用するストレージZに構築された図9(b)の複製元指定テーブル22に記憶し、デプロイの対象とする仮想マシンを特定するための指標iに初期値1を設定する(ステップs5)。
【0038】
以上に述べたステップs1〜ステップs5の処理が設定データ登録工程に相当する処理である。
【0039】
次いで、仮想マシン作成指令送信手段Cとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、図9(b)の複製元指定テーブル22を参照し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンつまり図9(b)の例で言えば仮想マシンX0に、通信ネットワーク2を介して仮想マシン作成指令aを送信し(ステップs6/図10および図4参照)、複製先特定手段Dおよび停止要求処理手段Eとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4が、仮想マシンを特定する情報の送信を要求する信号bやデプロイ完了信号dの入力を待つ待機状態に入る(ステップs7,ステップs11)。
【0040】
一方、仮想マシンX0の仮想マイクロプロセッサ13は、管理サーバXからの仮想マシン作成指令aの入力の有無を判定する処理と他の仮想マシンからのオペレーティングシステムのイメージファイルの入力の有無を判定する処理を所定周期毎に繰り返し実行し(ステップt1,ステップt8)、何れの入力も確認されなければ、従来と同様にして、仮想マシンX0のストレージZ0に格納されているアプリケーションプログラム等を実行している(ステップt13)。
【0041】
管理サーバXから送信された仮想マシン作成指令aはステップt1の判定処理において複製元特定手段Fとして機能する仮想マシンX0の仮想マイクロプロセッサ13によって検知され、複製元特定手段Fとして機能する仮想マイクロプロセッサ13が、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する信号bを管理サーバXに通信ネットワーク2を介して送信し(ステップt2/図10および図4参照)、イメージファイル転送手段Gとして機能する仮想マシンX0の仮想マイクロプロセッサ13が、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cの応答を待つ待機状態に入る(ステップt3)。
【0042】
以上に述べたステップs6およびステップt1〜ステップt2の処理が複製元特定工程に相当する処理である。
【0043】
仮想マシンX0から送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求信号bは、ステップs7とステップs11の処理を繰り返し実行する管理サーバXのマイクロプロセッサ4によってステップs7の判定処理で検知され、管理サーバXのマイクロプロセッサ4により、デプロイの対象とする仮想マシンを特定するための指標iの現在値が図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21に記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの数nを超えているか否かが判定される(ステップs8)。
【0044】
指標iの現在値がデプロイの対象とする複数の仮想マシンの数nを超えていなければデプロイすべき仮想マシンが残存することを意味するので、複製先特定手段Dとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、指標iの現在値に基いて図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cつまりi=1の現時点にあってはデプロイの対象とする仮想マシンの名称X1と仮想マシンのIPアドレスY1と仮想マシンが使用するストレージの名称Z1を非重複で1つ読み込み、この情報cを、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する信号bを送信した仮想マシン、つまり、図9(b)の例にあっては仮想マシンX0に、通信ネットワーク2を介して送信する(ステップs9/図10および図4参照)。
【0045】
以上に述べたステップs7〜ステップs9の処理が最初の複製先特定工程に相当する処理である。
【0046】
管理サーバXから送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cは、イメージファイル転送手段Gとして機能する仮想マシンX0の仮想マイクロプロセッサ13によってステップt3の判定処理で検知され、この情報cが仮想マシンX0の仮想RAM15に一時記憶され(ステップt4)、停止処理制御手段Kとして機能する仮想マシンX0の仮想マイクロプロセッサ13によって、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cにデプロイの対象とする仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が実際に含まれているか否か、即ち、この情報cがデプロイの対象とする仮想マシンを特定するための適切な情報であるのか、或いは、処理の停止要求eに相当する情報であるのかが判定される(ステップt5)。
【0047】
i≦n(i=1)の現時点にあってはデプロイの対象とする仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が実際に情報cに含まれているので、ステップt5の判定結果は偽となり、イメージファイル転送手段Gとして機能する仮想マシンX0の仮想マイクロプロセッサ13が、当該仮想マシンX0の使用するオペレーティングシステムx0のイメージファイルw0を当該仮想マシンX0の使用するストレージZ0に生成し(ステップt6/図10参照)、このイメージファイルw0を、管理サーバXから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cに対応した仮想マシンの使用するストレージ、つまり、図9(a)の例にあっては仮想マシンX1の使用するストレージZ1に、通信ネットワーク2を経由して送信する(ステップt7/図10および図4参照)。
【0048】
以上に述べたステップt3〜ステップt7の処理が最初のイメージファイル転送工程に相当する処理である。
【0049】
仮想マシンX0から送信されたイメージファイルw0は、管理サーバXからの仮想マシン作成指令aの入力の有無を判定するステップt1の判定処理と他の仮想マシンからのオペレーティングシステムのイメージファイルの入力の有無を判定するステップt8の判定処理を所定周期毎に繰り返し実行している仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13によってステップt8の判定処理で検知される。
【0050】
次いで、仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13は、仮想マシンX0から受信したイメージファイルw0を仮想マシンX1の使用するストレージZ1に保存し(ステップt9)、アクティベート手段Hとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13が、イメージファイルw0に記憶されているセキュリティ識別子つまり仮想マシンの名称やIPアドレス等を自らのセキュリティ識別子に書き換え(ステップt10)、セキュリティ識別子の書き換えを終えたイメージファイルw0を、それまで仮想マシンX1が使用していたオペレーティングシステムx1に代えて、自らの使用するオペレーティングシステムx1’としてアクティベートつまり実行可能状態とする(ステップt11/図10参照)。
従って、図9(b)および図9(a)の例に倣えば、イメージファイルw0に記憶されている仮想マシンの名称X0がX1に書き換えられ、また、イメージファイルw0に記憶されているIPアドレスY0がY1に書き換えられ、セキュリティ識別子の書き換えを終えたイメージファイルw0が、それまで仮想マシンX1が使用していたオペレーティングシステムx1に代わって、仮想マシンX1の使用するオペレーティングシステムx1’として実行可能状態とされることになる。
【0051】
以上に述べたステップt8〜ステップt11の処理が最初のアクティベート工程に相当する処理である。
【0052】
以上の処理を以って、設定データ登録工程および複製元特定工程と、最初の複製先特定工程および最初のイメージファイル転送工程ならびに最初のアクティベート工程が一巡する。
【0053】
この時点で仮想マシンX1が使用しているオペレーティングシステムx1’は、仮想マシンの名称やIPアドレス等のセキュリティ識別子の部分を除き、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンX0が当初に使用していたオペレーティングシステムx0と完全に同じものとなり、仮想マシン1台分のデプロイメントが完了することになる。
【0054】
次いで、新たにアクティベートされたオペレーティングシステムx1’上でデプロイ完了信号送信手段Iとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13が、通信ネットワーク2を介して管理サーバXにデプロイ完了信号dを送信し(ステップt12/図10および図4参照)、また、新たにアクティベートされたオペレーティングシステムx1’上で複製先要求手段Jとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13が、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する信号bを管理サーバXに通信ネットワーク2を介して送信し(ステップt2/図10および図4参照)、新たにアクティベートされたオペレーティングシステムx1’上でイメージファイル転送手段Gとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13が、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cの応答を待つ待機状態に入る(ステップt3)。
【0055】
以上に述べたステップt2の処理が最初の複製先要求工程に相当する処理である。
【0056】
そして、仮想マシンX1から送出されたデプロイ完了信号dは、ステップs7,ステップs11の処理を繰り返し実行している管理サーバXのマイクロプロセッサ4によってステップs11の判定処理で検知され、停止要求処理手段Eとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4が、デプロイの対象とする仮想マシンを特定するための指標iの値を1インクリメントする(ステップs12)。
従って、この例では、指標iの値が1から2に変化することになる。
【0057】
また、仮想マシンX1から送出されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求信号bは、ステップs7,ステップs11の処理を繰り返し実行している管理サーバXのマイクロプロセッサ4によってステップs7の判定処理で検知され、管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、前記と同様に、デプロイの対象とする仮想マシンを特定するための指標iの現在値が図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21に記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの数nを超えているか否かを判定する(ステップs8)。
この段階では指標iの現在値は2であってデプロイの対象とする複数の仮想マシンの数nを超えていない。
【0058】
従って、ステップs8の判定結果は前記と同様に真となり、複製先特定手段Dとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、指標iの現在値2に基いて図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cつまりデプロイの対象とする仮想マシンの名称X2と仮想マシンのIPアドレスY2と仮想マシンが使用するストレージの名称Z2を読み込み、この情報cを、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求信号bを送信した仮想マシンつまり仮想マシンX1に対し、通信ネットワーク2を介して送信する(ステップs9/図10および図4参照)。
【0059】
以上に述べたステップs7〜ステップs9の処理が、2回目の複製先特定工程つまり複製先要求工程に次いで実施される複製先特定工程としては最初の複製先特定工程に相当する処理である。
【0060】
管理サーバXから送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cは、アクティベート済みのオペレーティングシステムx1’上でイメージファイル転送手段Gとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13によってステップt3の判定処理で検知され、この情報cが仮想マシンX1の仮想RAM15に一時記憶される(ステップt4)。
【0061】
次いで、アクティベート済みのオペレーティングシステムx1’上で停止処理制御手段Kとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13によって、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cにデプロイの対象とする仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が実際に含まれているか否か、即ち、この情報cがデプロイの対象とする仮想マシンを特定するための適切な情報であるのか、或いは、処理の停止要求eに相当する情報であるのかが判定される(ステップt5)。
【0062】
i≦n(i=2)の現時点にあってはデプロイの対象とする仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が実際に情報cに含まれているので、ステップt5の判定結果は偽となり、アクティベート済みのオペレーティングシステムx1’上でイメージファイル転送手段Gとして機能する仮想マシンX1の仮想マイクロプロセッサ13が、当該仮想マシンX1の使用するオペレーティングシステムx1’、つまり、仮想マシンの名称やIPアドレス等のセキュリティ識別子の部分を除いてオペレーティングシステムの複製元である仮想マシンX0が当初に使用していたオペレーティングシステムx0と全く同じオペレーティングシステムx1’のイメージファイルw1を当該仮想マシンX1の使用するストレージZ1に生成し(ステップt6/図10参照)、このイメージファイルw1を、管理サーバXから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cに対応した仮想マシンの使用するストレージ、つまり、図9(a)の例にあっては仮想マシンX2の使用するストレージZ2に通信ネットワーク2を経由して送信する(ステップt7/図10および図4参照)。
【0063】
以上に述べたステップt3〜ステップt7の処理が、2回目のイメージファイル転送工程つまり複製先要求工程の後に実施されるイメージファイル転送工程としては最初のイメージファイル転送工程に相当する処理である。
【0064】
仮想マシンX1から送信されたイメージファイルw1は、管理サーバXからの仮想マシン作成指令aの入力の有無を判定するステップt1の判定処理と他の仮想マシンからのオペレーティングシステムのイメージファイルの入力の有無を判定するステップt8の判定処理を所定周期毎に繰り返し実行している仮想マシンX2の仮想マイクロプロセッサ13によってステップt8の判定処理で検知される。
【0065】
次いで、仮想マシンX2の仮想マイクロプロセッサ13が、仮想マシンX1から受信したイメージファイルw1を仮想マシンX2の使用するストレージZ2に保存し(ステップt9)、アクティベート手段Hとして機能する仮想マシンX2の仮想マイクロプロセッサ13が、イメージファイルw1に記憶されているセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え(ステップt10)、セキュリティ識別子の書き換えを終えたイメージファイルw1を、それまで仮想マシンX2が使用していたオペレーティングシステムx2に代えて、自らの使用するオペレーティングシステムx2’としてアクティベートつまり実行可能状態とする(ステップt11/図10参照)。
従って、図9(a)の例に倣えば、イメージファイルw1に記憶されている仮想マシンの名称X1がX2に書き換えられ、また、イメージファイルw1に記憶されているIPアドレスY1がY2に書き換えられ、セキュリティ識別子の書き換えを終えたイメージファイルw1が、それまで仮想マシンX2が使用していたオペレーティングシステムx2に代わって、仮想マシンX2の使用するオペレーティングシステムx2’として実行可能状態とされることになる。
【0066】
以上に述べたステップt8〜ステップt11の処理が、2回目のアクティベート工程つまり複製先要求工程の後に実施されるアクティベート工程としては最初のアクティベート工程に相当する処理である。
【0067】
以上を以って、最初の複製先要求工程に続く一連の複製先特定工程とイメージファイル転送工程とアクティベート工程が一巡する。
【0068】
この時点で仮想マシンX2が使用しているオペレーティングシステムx2’は、仮想マシンの名称やIPアドレス等のセキュリティ識別子の部分を除き、現時点で仮想マシンX1が使用しているオペレーティングシステムx1’と完全に同じものである。
また、現時点で仮想マシンX1が使用しているオペレーティングシステムx1’は、仮想マシンの名称やIPアドレス等のセキュリティ識別子の部分を除き、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンX0が当初に使用していたオペレーティングシステムx0と完全に同じものである。
従って、この時点で仮想マシンX2が使用しているオペレーティングシステムx2’は、仮想マシンの名称やIPアドレス等のセキュリティ識別子の部分を除き、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンX0が当初に使用していたオペレーティングシステムx0と完全に同じものである。
以上の処理により、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンX0が使用するオペレーティングシステムx0を都合2台の仮想マシンに移植するデプロイメントが完了したことになる。
【0069】
以下、アクティベート工程の通算の実行回数が管理サーバXの使用するストレージZのデプロイ管理データ記憶テーブル21に記憶されているデプロイの対象とする仮想マシンの数nに達するまでの間、つまり、図6に示した管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムにおけるステップs8の判定結果が偽となるまでの間、前記と同様にして、デプロイ完了信号dの出力処理(ステップt12)と、デプロイ完了信号dのカウント処理(ステップs11〜ステップs12)と、複製先要求工程の処理(ステップt2)と、デプロイの完了した仮想マシンの数の確認に関わる判定処理を含む複製先特定工程の処理(ステップs7〜ステップs9)と、イメージファイル転送工程の処理(ステップt3〜ステップt7)と、アクティベート工程の処理(ステップt8〜ステップt11)とが繰り返し実行され、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンとして選択された仮想マシンX0が使用するオペレーティングシステムx0が、仮想マシンX3,X4,X5,・・・へと次々に移植されていくことになる。
【0070】
この間、オペレーティングシステムのイメージファイルの転送処理が同時並列的に行われることはないので、通信ネットワーク2の帯域やストレージZ,Z0〜Znの入出力回路のバスの帯域がボトルネックとなってイメージファイルの複製処理の所要時間が増長する不都合は生じない。
【0071】
また、イメージファイルの複製処理が並列的に行われることがないため、その時点でデプロイの対象とされていない仮想マシン、つまり、通常の処理でアプリケーションプログラムを実行している仮想マシンによって利用できる通信ネットワーク2の帯域が過剰に制限されたり、管理サーバXの負荷が増大するといった弊害も発生させずに複数の仮想マシンX1,X2,X3,・・・に仮想マシンX0のオペレーティングシステムx0を確実にデプロイすることができる。
【0072】
しかも、新たにアクティベートされたオペレーティングシステムによって制御される仮想マシンが管理サーバXにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する信号bを送出し、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cを管理サーバXから仮想マシンに送信して次のデプロイの対象とする仮想マシンを特定する構成であるから、選択対象とする仮想マシンX0を特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンX1,X2,X3,・・・の各々を特定する情報は管理サーバXの使用するストレージZのデプロイ管理データ記憶テーブル21や複製元指定テーブル22のみに記憶させておけばよい。
従って、オペレーティングシステムの複製元とする仮想マシンX0やデプロイの対象とする複数の仮想マシンX1,X2,X3,・・・の各々に格別な設定操作を行なう必要は一切なく、簡単な段取り操作によって複数の仮想マシンマシンX1,X2,X3,・・・に仮想マシンX0のオペレーティングシステムx0をデプロイすることができる。
【0073】
このようにして、デプロイ完了信号dの出力処理(ステップt12)と、デプロイ完了信号dのカウント処理(ステップs11〜ステップs12)と、複製先要求工程の処理(ステップt2)と、デプロイの完了した仮想マシンの数の確認に関わる判定処理を含む複製先特定工程の処理(ステップs7〜ステップs9)と、イメージファイル転送工程の処理(ステップt3〜ステップt7)と、アクティベート工程の処理(ステップt8〜ステップt11)とが繰り返し実行される間に、管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムにおけるステップs8の判定結果が偽となり、停止要求処理手段Eとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4によって、デプロイの対象とする仮想マシンを特定するための指標iの現在値が図9(a)のデプロイ管理データ記憶テーブル21に記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの数nを超えたこと、即ち、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数nに達したことが確認される。
【0074】
次いで、停止要求処理手段Eとして機能する管理サーバXのマイクロプロセッサ4は、仮想マシンを特定する情報cつまりデプロイの対象とする仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称に代えて、処理の停止要求eとして機能する空情報を、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求信号bを送信した仮想マシンに対して送信し(ステップs10/図10および図4参照)、管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムを終了する。
この現時点でi=n+1となっているから、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求信号bを送信した仮想マシンは仮想マシンXnであり(ステップs11〜ステップs12参照)、最後にデプロイの処理を完了した仮想マシンXnに対して処理の停止要求eとして機能する空情報が送信されることになる。
【0075】
また、管理サーバ用デプロイ実行管理プログラムが終了することにより、結果的に、管理サーバXの複製先特定手段Dも停止する。
従って、停止要求処理手段Eが複製先特定手段Dの作動を停止させるといって差し支えない(図4参照)。
【0076】
仮想マシンを特定する情報cと同じフォーマットを有する空情報である停止要求eは、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報cの応答を待つ待機状態に入っている仮想マシンXnの仮想マイクロプロセッサ13によりステップt3の判定処理で検知され、この情報が仮想マシンXnの仮想RAM15に一時記憶される(ステップt4)。
【0077】
次いで、停止処理制御手段Kとして機能する仮想マシンXnの仮想マイクロプロセッサ13は、前記と同様、この情報にデプロイの対象とする仮想マシンの名称と仮想マシンのIPアドレスと仮想マシンが使用するストレージの名称が実際に含まれているか否か、即ち、この情報cがデプロイの対象とする仮想マシンを特定するための適切な情報であるのか、或いは、処理の停止要求eに相当する情報であるのかを判定するが(ステップt5)、この場合、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報はなく空情報となっているから、ステップt5の判定結果は偽となり、イメージファイル転送手段Gによるステップt6,ステップt7の処理がスキップされて、仮想マシン用複製作成プログラムが終了することになる。
仮想マシン用複製作成プログラムが終了することによってイメージファイル転送手段Gと、アクティベート手段Hと、デプロイ完了信号送信手段Iと、複製先要求手段Jの作動が停止するので、仮想マシン用複製作成プログラムを終了させる停止処理制御手段Kがイメージファイル転送手段Gと、アクティベート手段Hと、デプロイ完了信号送信手段Iと、複製先要求手段Jの作動を停止させるといって差し支えない(図4参照)。
【0078】
このように、最後にデプロイの対象として選択された仮想マシンXnにあっては、イメージファイル転送手段Gによるステップt6,ステップt7の処理つまりイメージファイル転送工程が非実行化されるため、仮想マシンXn上で新たにアクティベートされたオペレーティングシステムxn’のイメージファイルの生成に関る処理とイメージファイルの送信に関る処理が非実行とされ、他の仮想マシンがステップt8の処理でイメージファイルを受信することもなくなるので、他のマシン上でアクティベート工程の処理(ステップt9〜ステップt11)が開始されることはなく、これに続くステップt2の処理つまり複製先要求工程の処理も自動的に非実行とされ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を求める要求信号bの出力もなくなるので、管理サーバXにおけるステップs7の処理で要求信号bが検知されることもなくなり、管理サーバXにおけるステップs9の処理つまり複製先特定工程の処理も自動的に非実行とされる。
【0079】
つまり、イメージファイル転送を終了させれば、自動的に、それ以降のアクティベート工程と、複製先要求工程と、複製先特定工程が終了するということである。
【0080】
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。例えば、仮想マシンのデプロイの他、管理サーバに負荷が集中する他の同様な機能、例えば、管理サーバ上で管理しているアップデートモジュールを管理下の全ての仮想マシンにコピーして適用させるような処理に適用することも可能である。
【0081】
〔付記1〕
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ方法であって、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とを前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録工程と、
前記管理サーバから通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令により、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させ、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンが、前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する複製元特定工程と、
デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求された前記管理サーバが、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定工程と、
デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を管理サーバから受信した仮想マシンが、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して転送するイメージファイル転送工程と、
イメージファイルを受信した仮想マシンが、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート工程とを一巡して実行した後、
前記アクティベート工程の実行回数が、前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達するまでの間、
新たにアクティベートされたオペレーティングシステムによって制御される仮想マシンが前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求工程と、前記複製先特定工程と、前記イメージファイル転送工程と、前記アクティベート工程とを、この順で繰り返し実行することを特徴とした仮想マシンのデプロイ方法。
【0082】
〔付記2〕
前記アクティベート工程の完了毎に、当該アクティベート工程を完了した仮想マシンが、前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信し、
デプロイ完了信号を受信した前記管理サーバが、デプロイ完了信号をカウントし、
そのカウント値と前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、前記アクティベート工程の実行回数が前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを前記管理サーバが判定し、
前記アクティベート工程の実行回数が前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達していると前記管理サーバが判定した時点で、前記管理サーバが、前記複製先特定工程を非実行化してデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に代えて処理の停止を要求する情報をデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信し、
処理の停止を要求する情報を前記管理サーバから受信した仮想マシンがイメージファイル転送工程を非実行化することによって、それ以降のアクティベート工程と、複製先要求工程と、複製先特定工程を終了させることを特徴とした付記1記載の仮想マシンのデプロイ方法。
【0083】
〔付記3〕
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ実行プログラムであって、
前記管理サーバの使用するマイクロプロセッサを、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスを介して受け付け、前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録手段、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワークを介して仮想マシン作成指令を送信し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求を受け付け、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定手段、および、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイ完了信号をカウントし、そのカウント値と管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達した時点で前記複製先特定手段の作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して処理の停止要求を送信する停止要求処理手段として機能させると共に、
前記各仮想マシンの使用する仮想マイクロプロセッサの各々を、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令を受けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を前記通信ネットワークを介して前記管理サーバに要求する複製元特定手段、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して送信するイメージファイル転送手段、
他の仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段、
アクティベートの完了時に前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信するデプロイ完了信号送信手段、
アクティベートされたオペレーティングシステムによって前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求手段、および、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される停止要求を受けてイメージファイル転送手段と、アクティベート手段と、デプロイ完了信号送信手段と、複製先要求手段の作動を停止させる停止処理制御手段として機能させることを特徴とした仮想マシンのデプロイ実行プログラム。
【0084】
〔付記4〕
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ実行装置であって、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスを介して受け付け、前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録手段と、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワークを介して仮想マシン作成指令を送信し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段と、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求を受け付け、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定手段と、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイ完了信号をカウントし、そのカウント値と管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達した時点で前記複製先特定手段の作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して処理の停止要求を送信する停止要求処理手段とを有する管理サーバと、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令を受けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を前記通信ネットワークを介して前記管理サーバに要求する複製元特定手段と、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して送信するイメージファイル転送手段と、
他の仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段と、
アクティベートの完了時に前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信するデプロイ完了信号送信手段と、
アクティベートされたオペレーティングシステムによって前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求手段と、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される停止要求を受けてイメージファイル転送手段と、アクティベート手段と、デプロイ完了信号送信手段と、複製先要求手段の作動を停止させる停止処理制御手段とを有する仮想マシンによって構成される仮想マシンのデプロイ実行装置。
【産業上の利用可能性】
【0085】
大量の仮想マシンを短期間に作成する場合や、大規模な仮想マシンを管理するシステムにおいて管理サーバの処理増大による負荷を軽減するのに効果がある。
【符号の説明】
【0086】
1 ITシステム
2 通信ネットワーク
3 ストレージ群
4 マイクロプロセッサ
5 ROM
6 不揮発性メモリ
7 RAM
8 インターフェイス
9 入出力回路
10 キーボード
11 マウス
12 ディスプレイ
13 仮想マイクロプロセッサ
14 仮想ROM
15 仮想RAM
16 インターフェイス
17 入出力回路
18 キーボード
19 マウス
20 ディスプレイ
21 デプロイ管理データ記憶テーブル
22 複製元指定テーブル
a 仮想マシン作成指令
b デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求信号
c デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報
d デプロイ完了信号
e 処理の停止要求
n デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数
A マン・マシン・インターフェイス
B 設定データ登録手段
C 仮想マシン作成指令送信手段
D 複製先特定手段
E 停止要求処理手段
F 複製元特定手段
G イメージファイル転送手段
H アクティベート手段
I デプロイ完了信号送信手段
J 複製先要求手段
K 停止処理制御手段
U 仮想マシン作成制御部
V 仮想マシン作成実行部
W 個別情報反映処理部
w0〜wn イメージファイル
X 管理サーバ
X0〜Xn 仮想マシン
x0〜xn,x1’〜xn’ オペレーティングシステム
Z 管理サーバが使用するストレージ
Z0〜Zi〜Zn 仮想マシンが使用するストレージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ方法であって、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とを前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録工程と、
前記管理サーバから通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令により、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させ、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンが、前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求する複製元特定工程と、
デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求された前記管理サーバが、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定工程と、
デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を管理サーバから受信した仮想マシンが、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して転送するイメージファイル転送工程と、
イメージファイルを受信した仮想マシンが、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート工程とを一巡して実行した後、
前記アクティベート工程の実行回数が、前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達するまでの間、
新たにアクティベートされたオペレーティングシステムによって制御される仮想マシンが前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求工程と、前記複製先特定工程と、前記イメージファイル転送工程と、前記アクティベート工程とを、この順で繰り返し実行することを特徴とした仮想マシンのデプロイ方法。
【請求項2】
前記アクティベート工程の完了毎に、当該アクティベート工程を完了した仮想マシンが、前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信し、
デプロイ完了信号を受信した前記管理サーバが、デプロイ完了信号をカウントし、
そのカウント値と前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、前記アクティベート工程の実行回数が前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを前記管理サーバが判定し、
前記アクティベート工程の実行回数が前記管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達していると前記管理サーバが判定した時点で、前記管理サーバが、前記複製先特定工程を非実行化してデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に代えて処理の停止を要求する情報をデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信し、
処理の停止を要求する情報を前記管理サーバから受信した仮想マシンがイメージファイル転送工程を非実行化することによって、それ以降のアクティベート工程と、複製先要求工程と、複製先特定工程を終了させることを特徴とした請求項1記載の仮想マシンのデプロイ方法。
【請求項3】
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ実行プログラムであって、
前記管理サーバの使用するマイクロプロセッサを、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスを介して受け付け、前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録手段、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワークを介して仮想マシン作成指令を送信し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求を受け付け、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定手段、および、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイ完了信号をカウントし、そのカウント値と管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達した時点で前記複製先特定手段の作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して処理の停止要求を送信する停止要求処理手段として機能させると共に、
前記各仮想マシンの使用する仮想マイクロプロセッサの各々を、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令を受けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を前記通信ネットワークを介して前記管理サーバに要求する複製元特定手段、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して送信するイメージファイル転送手段、
他の仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段、
アクティベートの完了時に前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信するデプロイ完了信号送信手段、
アクティベートされたオペレーティングシステムによって前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求手段、および、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される停止要求を受けてイメージファイル転送手段と、アクティベート手段と、デプロイ完了信号送信手段と、複製先要求手段の作動を停止させる停止処理制御手段として機能させることを特徴とした仮想マシンのデプロイ実行プログラム。
【請求項4】
通信ネットワークを介して管理サーバに接続された複数の仮想マシンのうちの1つを選択し、その仮想マシンが使用するオペレーティングシステムを他の複数の仮想マシンのオペレーティングシステムとしてデプロイする仮想マシンのデプロイ実行装置であって、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報とデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報とをマン・マシン・インターフェイスを介して受け付け、前記管理サーバの使用するストレージに記憶させる設定データ登録手段と、
選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンに通信ネットワークを介して仮想マシン作成指令を送信し、選択対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンを作動させる仮想マシン作成指令送信手段と、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の要求を受け付け、管理サーバの使用するストレージから、デプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の中からデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を非重複で順に読み込んで、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して送信する複製先特定手段と、
仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたデプロイ完了信号をカウントし、そのカウント値と管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数との関係に基いて、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達しているか否かを判定し、アクティベートを実行した仮想マシンの数が管理サーバの使用するストレージに記憶されているデプロイの対象とする複数の仮想マシンの各々を特定する情報の数に達した時点で前記複製先特定手段の作動を停止させ、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を要求した仮想マシンに前記通信ネットワークを介して処理の停止要求を送信する停止要求処理手段とを有する管理サーバと、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される仮想マシン作成指令を受けて、デプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を前記通信ネットワークを介して前記管理サーバに要求する複製元特定手段と、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信されるデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報を受けて、当該仮想マシンの使用するオペレーティングシステムのイメージファイルを当該仮想マシンの使用するストレージに生成し、このイメージファイルを、前記管理サーバから受信したデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報に対応した仮想マシンの使用するストレージに前記通信ネットワークを経由して送信するイメージファイル転送手段と、
他の仮想マシンから通信ネットワークを介して送信されたイメージファイルを受信して、このイメージファイルのセキュリティ識別子を自らのセキュリティ識別子に書き換え、当該イメージファイルを自らの使用するオペレーティングシステムとしてアクティベートするアクティベート手段と、
アクティベートの完了時に前記管理サーバに前記通信ネットワークを介してデプロイ完了信号を送信するデプロイ完了信号送信手段と、
アクティベートされたオペレーティングシステムによって前記管理サーバにデプロイの対象とする仮想マシンを特定する情報の送信を通信ネットワークを介して要求する複製先要求手段と、
前記管理サーバから前記通信ネットワークを介して送信される停止要求を受けてイメージファイル転送手段と、アクティベート手段と、デプロイ完了信号送信手段と、複製先要求手段の作動を停止させる停止処理制御手段とを有する仮想マシンによって構成される仮想マシンのデプロイ実行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−238132(P2011−238132A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110471(P2010−110471)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】