説明

仮想磁気テープドライブライブラリシステム

【課題】仮想磁気テープドライブライブラリシステムであって、ホストコンピュータ制御装置、テープドライブサブシステムおよび仮想マルチテープカートリッジユニットを含むものを提供する。
【解決手段】磁気テープはそこに規定された多数の平行長手データトラック(60)を有し、データトラックは多数のトラックグループ(75)に配置される。各トラックグループ(75)はそれぞれの端部に近接して位置付けられた論理的媒体開始(BOM)フィールド(80)と論理的媒体終了(EOM)フィールド(85)とを有する。論理的BOMおよびEOMフィールド(80、85)は各トラックグループを一義的に特定する。この結果、各データトラックグループはそこでのデータ処理装置のために個別に識別され選択される長手のサブテープカートリッジ(90)をエミュレートする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は一般に仮想磁気テープライブラリシステムに関し、特に、ホストコンピュータ制御装置と協働して仮想磁気テープライブラリシステムを形成する、テープドライブサブシステム内で用いられる仮想マルチテープカートリッジユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
関連特許への相互参照
この発明は以下の特許/出願に関連しており、これらはすべて出願日現在でこの出願の譲受人に譲渡されている。スタインバーグらへの、「複数のイン−ライン孔を用いたテープ記録媒体種類の認識」と題された米国特許第5,608,584号;シュナイダーらへの「媒体カートリッジ装填装置のためのマガジンおよびレシーバ」と題された米国特許第5,231,552号;1996年9月11日出願の「テープカートリッジのためのマルチ駆動、マルチマガジン大量記憶および検索ユニット」と題された米国特許出願連続番号第08/710,033号。これらの開示はここに引用により援用する。
【特許文献1】米国特許第5,608,584号
【特許文献2】米国特許第5,231,552号
【特許文献2】米国特許出願連続番号第08/710,033号 発明の背景 従来の磁気テープドライブライブラリシステムは、多数のテープ駆動スロット、多数の磁気テープカートリッジマガジンスロット、およびテープ駆動スロットと磁気テープカートリッジマガジンスロットとの間に位置付けられたテープカートリッジ昇降器を含む。昇降器はガイド軸に沿って線形に可動であって、昇降器を磁気スロットまたはテープ駆動スロットのいずれかに近接して位置付けるためのモータによって作動させることができる。さらに、昇降器はテープカートリッジと係合する機構と、テープカートリッジをマガジンスロットから取出し、さらにテープカートリッジを目標とするテープドライブに挿入するための機構とを含む。ある特定のテープカートリッジでの処理動作が完了すると、昇降器メカニズムは再びテープカートリッジと係合し、カートリッジをその元のマガジンスロットに搬送する。
【0003】
この局面において、テープドライブライブラリシステムはさらに、一の側壁が多数のテープカートリッジマガジンを受けるように適合され、別の側壁が多数のテープドライブを受けるように適合された、ハウジングを含む。テープカートリッジマガジンには、典型的には、ライブラリシステムに導入されるに先立って複数のテープカートリッジが装填される。
【0004】
外部ホストコンピュータ制御装置がテープライブラリシステムに接続されてシステムの使用中にデータ処理動作を制御する。ホストコンピュータ制御装置は媒体チェンジャコマンド制御セットで予めプログラムされたマイクロコントローラに対しコマンドを発行する。コマンドセットは本質的にテープライブラリシステムの機能的動作、たとえばテープカートリッジを選択し装填すること、およびテープカートリッジ内の磁気記憶テープ上のデータのフォーマット化、位置決め、書換、消去および読出/書込等、を制御する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の機械化されたテープライブラリシステムの欠点の1つは、データの要求に対し応答時間が比較的長いことである。この長い応答時間は主にシステム内で規定される固有の
機械的レイテンシのためである。データの要求にかかわる機械的レイテンシはデータの要求を満たすためにライブラリシステムがたどらねばならないステップ、たとえば昇降器をテープカートリッジマガジンスロットまで移動させ、カートリッジを物理的に取出すこと等から由来するものである。。その後、昇降器はカートリッジを目標とされるテープドライブまで移動させ、カートリッジをテープドライブに装填した後に、ドライブは、テープ上に記憶されている求められているデータの適切な記憶位置までテープを巻かなければならない。このようなデータ転送レイテンシのため、テープライブラリシステムの応用はディスクドライブまたは固体電子記憶装置等の比較的多数の比較的多数のより速い入出力データ処理システムのための記憶保管/検索の応用に限られていた。
【0006】
テープライブラリシステムの別の欠点は、テープライブラリシステムにおけるテープカートリッジの記憶容量が十分に利用されていないことに関する。より正確には、従来のテープカートリッジがシーケンシャルなデータのアクセスを必要とするため、多くの異なった種類のユーザデータを単一のテープカートリッジに記憶し/検索するために、またはユーザデータを1つのカートリッジの終端と別のカートリッジの初めとで分割するためには、実質的なシステムリソースがどうしても必要となる。したがって、テープライブラリシステムは1種類のユーザデータを単一のテープカートリッジに記憶し、前のテープカートリッジが一杯になったか否かにかかわらず、別の種類のユーザデータの記憶を後のテープカートリッジで開始するであろう。このためテープライブラリシステムの記憶容量は相当程度十分に利用されないこととなってしまう。
【0007】
したがって、これまで、現在の制御マイクロコード、たとえば媒体チェンジャコマンド制御セットを実質的に利用する、データアクセス速度が増加した簡潔な磁気テープドライブライブラリシステムの必要が満たされないままとなっている。さらに、テープカートリッジの記憶容量を十分に使用する簡潔な磁気テープドライブライブラリシステムの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
この発明の原理によれば、磁気テープドライブサブシステム内で使用される仮想マルチテープカートリッジユニットが説明される。仮想マルチテープカートリッジユニットは回転可能に装着された中央スプールを備えた中空の中央キャビティを有するハウジングを含む。中央スプールには磁気テープが巻かれ、磁気テープドライブサブシステムに、データ処理動作の間磁気テープを供給する。磁気テープはその上に多数の平行な長手データトラックが規定されており、データトラックは多数のトラックグループに配置されている。各トラックグループは論理的媒体開始(BOM)フィールドと論理的媒体終了(EOM)フィールドとがそれぞれの端部に近接して位置付けられている。論理的BOMおよびEOMフィールドは各トラックグループを一義的に特定する。この結果、各データトラックグループはそこに対するデータ処理動作のために個別に特定されかつ選択され得る論理的サブテープカートリッジをエミュレートする。
【0009】
仮想磁気テープカートリッジユニットはホストコンピュータ制御装置システムと関連した単一のテープドライブ内で用いられて、仮想磁気テープドライブライブラリシステムを形成してもよい。ホストは本質的にデータ処理制御情報をテープドライブサブシステム内の仮想ライブラリマイクロコントローラに伝える。さらに、ホスト内にプログラムされたマイクロコードの形で実現される媒体チェンジャ制御コマンドは従来の機械化されたテープ装填ライブラリシステムで用いられている媒体チェンジャ制御コマンドからごくわずかな修正しか必要としないか、または全く修正を必要としない。したがって、機械化されたテープ充填ライブラリシステムにこの発明を後から取付ける際にも、必要とされるのは最小のプログラミングだけであり、または全くプログラミングは必要とされない。
【0010】
この発明の他の目的、利点、局面および特徴は添付の図面と関連して提示される、以下の好ましい実施例の詳細な説明を考慮してより完全に理解され評価されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施例の詳細な説明
図1−3を参照して、ここで述べられるこの発明の1つの好ましい実施例は、ホストコンピュータ制御装置10、テープドライブサブシステム15および仮想マルチテープカートリッジユニット20を含む、仮想磁気テープドライブライブラリシステム5である。
【0012】
ホストコンピュータ制御装置10はデータ通信バス27によりテープドライブサブシステム15に接続され、データ処理制御コマンドをドライブ15に発行する。このような接続を形成するための好ましいデータ通信バスの1つは小型コンピュータシステム相互接続バス、たとえばSCSI−2バスである。さらに、好ましい制御コマンドセットの1つは、SCSI−2媒体チェンジャコマンドセットとして知られている。この媒体チェンジャコマンドセットはマイクロコードの形で仮想ライブラリマイクロコントローラ12にプログラムされ、こうして仮想テープライブラリシステム5で利用可能な機能を予め規定する。典型的なデータ処理制御コマンドは、マルチテープカートリッジユニット20の選択と装填、およびマルチテープカートリッジユニット20内の磁気記憶テープ25上のデータのフォーマット化、位置決め、書換、消去および読出/書込を含む。
【0013】
ホスト10コンピュータ制御装置にプログラムされるこの制御コマンドセットが、単一のマルチテープカートリッジユニット20を組入れた単一のテープドライブサブシステム15のデータ処理機能を、コマンド制御セットに最小の修正を加えるだけで、または全く修正を加えることなしに制御可能であることがわかっている。
【0014】
テープドライブサブシステム15は一般に2つのスピンドルモータを支持するベース(図示せず)を有する矩形ハウジング32を含む。第1のスピンドルモータ35は比較的高速で流れる磁気テープ25を受容するような寸法にされた、永久的に取付けられた巻取りスプール40を有する。第2のスピンドルモータ45は取外し可能仮想マルチテープカートリッジユニット20を受容するように適合される。取外し可能仮想マルチテープカートリッジユニット20はドライブのハウジング32に形成されたスロット(図示せず)を介してドライブ15内に手動でまたは自動で挿入される。スロットにマルチテープカートリッジユニット20を挿入すると、カートリッジ20は第2のスピンドルモータ45と係合する。第1および第2のスピンドルモータ35および45の回転に先立って、取外し可能カートリッジ20内の磁気テープ25は永久的に取付けられたスプール40に、機械的座屈機構(図示せず)によって接続される。マルチテープカートリッジユニット20と永久スプール40との間に位置付けられた多数のローラR1−R6が磁気テープ25を、それが比較的高速でマルチテープカートリッジユニット20と永久的に取付けられたスプール40との間を前後に横切る間、磁気テープをガイドする。テープ経路55に沿って位置付けられた磁気テープヘッド50が、テープが巻取りスプール40とマルチテープカートリッジユニット20との間を前後に流れるにつれて、テープ上に多数の平行の長手データトラック60の読み書きを行なう。
【0015】
磁気テープドライブサブシステム15内で使用するための仮想マルチテープカートリッジユニット20は中空の中央キャビティ65を有するハウジング30を含む。磁気テープ25が巻かれた中央供給スプール70はキャビティ65内に回転可能に取付けられ、磁気テープ25をテープドライブサブシステム15に供給する。磁気テープ25上に規定された平行の長手データトラック60は多数のトラックグループ75に配置される。さらに、各トラックグループ75はそのそれぞれの端部に近接して位置付けられた、特定するため
の論理的媒体開始(BOM)フィールド80と論理的媒体終了(EOM)フィールド85とに個々に関連付けられている。磁気記憶テープ25上の長手のデータトラック60を多数の個別に識別されるトラックグループ75に副分割することで、各データトラックグループ75が論理的サブ磁気テープカートリッジ90をエミュレートする。したがって、この発明の原理に従えば、単一のマルチテープカートリッジユニット20は多数の長手データトラック60を含み、これらが予め定められた数の論理的サブテープカートリッジ90に副分割され、各論理的サブテープカートリッジ90は一義的な識別フィールド、たとえば論理的BOM80およびEOM85、を有する。
【0016】
論理的BOM80およびEOM85フィールドは各々2進シンボル、たとえば1と0と、の独自の一続き、を含んで、各論理的サブテープカートリッジ90の位置を特定してもよい。より好ましくは、論理的BOM80およびEOM85フィールドは各々物理的テープ開始(BOT)101孔または物理的テープ終了(EOT)102孔のいずれかに位置合わせ(registered)されてもよい。より正確には、論理的BOM80フィールドをBOT101孔と位置合わせし、論理的EOM85フィールドはBOT101孔から測定した予め定められた速度計のカウント距離によって規定されてもよい。これに代えて、論理的BOM80フィールドはEOT孔と位置合わせされ、論理的EOM85フィールドはEOT102孔から測定した予め定められた速度計のカウントの距離で規定されてもよい。
【0017】
図2に示されるように、テープガイドローラの1つR6は光学的速度計エンコーダディスク54に結合され、これはテープ25の順方向および逆方向に移動した実際のテープ距離に関連した信号パターンを発生する。速度計モジュール56はコリメートされた光ビームを生成し、これはエンコーダディスクを通って光検出器アレイに達し、このアレイはこのテープの動きを示す電気信号を出力する。加えて、速度計回路58が電気信号をモニタし、相対的なテープの走行距離を判断し、このような情報を仮想ライブラリマイクロコントローラ12に伝える。
【0018】
データトラック60を、この発明の精神と範囲から逸れることなく、サブテープカートリッジ90にグループ分けする多くの機構があるが、ある好ましいデータトランジスタのグループ分け75では各サブテープカートリッジ90が、図3Aに示すように、テープ25の長さを横切る少なくとも1つの長手のデータトラック60を有する。別の好ましいデータトラックのグループ分け75は、図3Bに示すように、多数の対の平行長手データトラック60を含み、1以上のデータトラック60がテープ25の順方向に処理され、1以上のデータトラック60がテープ25の逆方向に処理される。
【0019】
図3Cを参照して、磁気テープ25上に規定された各サブテープカートリッジ90にグループ分けされた長手のデータトラック60はさらに多数のパティション95に副分割されてもよい。加えて、パティション95はまたパティション95のそれぞれの端部に近接して位置付けられた独自の識別子フィールド100を有してもよい。識別子フィールドは各パティション95を個別に特定するための1および0の独自の一つながりを含んでもよい。この結果、読出/書込ヘッドは同じ論理サブテープカートリッジ内で規定されたパティション間を直接移動することができ、またはこれに代えて、読出/書込ヘッドは別の論理的サブテープカートリッジ内で規定されたパティション間を直接移動することができる。
【0020】
図3Dを参照して、さらに別の好ましいデータトラックのグループ分け75はテープ25の長手方向長さに沿って規定された多数の論理サブテープカートリッジ90を含む。しかしながら、サブテープカートリッジ90内で規定されたデータトラック60はテープ25の全長より短い距離だけ延びる。より正確には、各サブテープカートリッジ90のデータトラック60はテープ25の予め定められたセグメントに限定されており、各セグメン
トが論理サブテープカートリッジを規定する。さらに、各論理サブテープカートリッジ90は図3A−3Cで先に説明したデータトラック60のフォーマットのいずれか1つを含んでもよい。さらに、サブテープカートリッジ90の中間に位置付けられた物理的BOT101およびEOT102孔がBOT101またはEOT102孔のいずれかとして動作する。特に、論理サブテープカートリッジ90の処理の際に、BOT101孔はサブテープカートリッジ90の近端で規定され、EOT102孔はサブテープカートリッジ90の遠端で規定される。したがって、連続したサブテープカートリッジ90を処理するにあたって、前のEOT102孔がBOT101孔として動作することができる。
【0021】
図4を参照して、仮想磁気テープライブラリシステム5の動作の間、単一テープドライブサブシステム15は単一の仮想マルチテープカートリッジユニット20を採用することにより、従来のマルチテープカートリッジテープライブラリシステム(図示せず)をエミュレートする。仮想磁気テープライブラリシステム5を実現する方法は、図2に示すように、仮想マルチテープカートリッジユニットを磁気テープドライブサブシステム15に装填するステップと、その後フォーマット回路52でマルチテープカートリッジユニットを初期化するステップ(200)とを含む。フォーマット回路52は本質的に、マルチテープカートリッジユニット内の複数の論理サブテープカートリッジをフォーマット化し規定する(210)。フォーマット回路はさらに各論理的サブテープカートリッジ内に複数のパティションを規定する(220)。加えて、論理的サブテープカートリッジの各々は、孔と論理サブテープカートリッジとの間の距離が感知され測定されるように、物理的BOTおよびEOT孔と位置合わせされる(230)。したがって、この測定された距離が、論理的サブテープカートリッジ内で規定された選択されたパティションの位置に読出/書込ヘッドを制御し移動させるのに用いられる(250)。したがって、コンピュータ制御装置10はテープドライブサブシステム15に、テープカートリッジを選択し所望のテープカートリッジを論理的サブテープカートリッジに移すようコマンドを発行する(240)。その後コンピュータ制御装置10は論理的サブテープカートリッジ内に規定された所望のパティション位置を選択することができる(242)。パティション位置を選択した後に、仮想ライブラリマイクロコントローラ12はさらに距離を測定し選択された論理的サブテープカートリッジへの測定値を確認して(245)、読出/書込ヘッドがそこに正確に位置付けられるようにする。その後、読出/書込ヘッドは論理的サブテープカートリッジ内に規定された選択されたパティション位置へ移動される(250)。
【0022】
読出/書込ヘッドを選択されたパティション位置に移動させた後(250)、ヘッドは論理的サブテープカートリッジの選択されたパティション内で読出および書込動作を行なう(260)。テープドライブサブシステムは別段の指示があるまで、読出/書込動作を続ける(270)。このような動作の完了または終了の際に、ホストコンピュータ制御装置10は同じ論理的サブテープカートリッジ内の別のパティションを選択してそこに読出/書込動作を繰返す命令を発行するかもしれない(280)。または、ホストコンピュータ制御装置は別の論理サブテープカートリッジ内の別のパティションを選択して前記読出/書込動作を繰返す命令を発行するかもしれない(290)。もしホストコンピュータ制御装置10が別のパティションを選択せず(280)、別のテープカートリッジも選択しない場合(290)、データ処理動作は終了する(300)。
【0023】
上で述べた仮想磁気テープドライブライブラリシステム5は、従来のテープライブラリシステムに付随する機械的レイテンシが最小になることからデータアクセス速度が増加する等の、先行技術に対する多くの利点を有する。さらに、仮想磁気テープドライブライブラリシステム5はホストコンピュータ制御装置10にプログラムされる現在の媒体チェンジャコマンド制御セットマイクロコードを実質的に利用する。したがって、この発明の仮想テープライブラリシステム5を従来のテープライブラリシステムに代えて実現する際には、最小のマイクロコード更新が必要とされるだけである。
【0024】
加えて、仮想マルチテープカートリッジ20の記憶容量は、従来のテープカートリッジと比較してより効率的に使用される。
【0025】
これまで発明の実施例を説明したが、発明の目的が完全に達成されたことが理解されたはずである。さらに、発明の精神と範囲から離れることなく、構造上の多くの変更、広範なさまざまな実施例および応用がそれ自身示唆されることが当業者には理解されるであろう。この開示と説明とは純粋に例示的なものであって、決して限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ホストコンピュータ制御装置に接続された仮想テープライブラリシステムのブロック図である。
【図2】この発明の図1の例の構造的、機械的および電気的特徴を示す構造/電気ブロック図である。
【図3】サブテープカートリッジを規定する多数の個別に特定されるトラックグループに副分割(subdevided)されたデータトラックを有する、磁気テープの一連の図である。
【図4】この発明の原理に従って、図1−3に示された仮想テープライブラリシステムでデータ処理動作を行なうための1つの好ましい方法を例示したフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単一のテープカートリッジを有するテープカートリッジライブラリシステムをエミュレートする仮想マルチテープカートリッジユニットであって、
中空の中央キャビティを有するハウジングを含み、キャビティは磁気テープがそこに巻かれる中央スプールを有し、さらに、
前記磁気テープ上に規定された複数の平行の長手データトラックを含み、
前記データトラックは、前記磁気テープの幅を横切って配置される複数の隣接するトラックグループ内に配置され、
各トラックグループは、論理的媒体開始(BOM)フィールドと論理的媒体終了(EOM)フィールドとを有し、
前記BOMフィールドおよび前記EOMフィールドは、前記BOMフィールドのテープの位置および前記EOMフィールドのテープの位置がそれぞれ、前記テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つのテープの先頭の近辺および終了の近辺にあるようにエミュレートする際に、仮想ライブラリマイクロコントローラによって使用される情報を含み、
各トラックグループは、前記磁気テープの全長に渡って延びている少なくとも1つの長手のデータトラックを含み、
前記各トラックグループに含まれる長手のデータトラックがさらにパティションに分割され、
前記磁気テープは、各トラックグループに対して、物理的なテープ開始孔(BOT)と物理的なテープ終了孔(EOT)とを含み、前記BOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTのいずれかに位置合わせされ、かつ前記EOMフィールドが、前記BOMフィールドが位置合わせされた孔から測定した予め定められた速度計のカウント距離によって規定される、仮想マルチテープカートリッジユニット。
【請求項2】
各パーティションは、端部に近接して位置付けられた識別子フィールドを有する、請求項1に記載の仮想マルチテープカートリッジユニット。
【請求項3】
複数の単一のテープカートリッジを有するテープカートリッジライブラリシステムをエミュレートする仮想マルチテープカートリッジユニットであって、
中空の中央キャビティを有するハウジングを含み、キャビティは磁気テープがそこに巻かれる中央スプールを有し、さらに
前記磁気テープ上に規定された複数の平行の長手データトラックを含み、
前記データトラックは、前記磁気テープの幅を横切って配置される複数の隣接するトラックグループ内に配置され、
各トラックグループは、論理的媒体開始(BOM)フィールドと論理的媒体終了(EOM)フィールドとを有し、
前記BOMフィールドおよび前記EOMフィールドは、前記BOMフィールドのテープの位置および前記EOMフィールドのテープの位置がそれぞれ、前記テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つのテープの先頭の近辺および終了の近辺にあるようにエミュレートする際に、仮想ライブラリマイクロコントローラによって使用される情報を含み、
前記磁気テープは、長手方向に沿って複数のセグメントに分割され、各トラックグループは、1つのセグメントの範囲内に位置するデータトラックを少なくとも1つ含み、
前記磁気テープは、各トラックグループに対して、物理的なテープ開始孔(BOT)と物理的なテープ終了孔(EOT)とを含み、前記BOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTに位置合わせされ、かつ前記EOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTから測定した予め定められた速度計のカウント距離によって規定される、仮想マルチテープカートリッジユニット。
【請求項4】
仮想磁気テープドライブライブラリシステムであって、
(A) データ処理制御情報を伝えるためのホストコンピュータコントローラと、
(B) 前記ホストコンピュータコントローラに接続された磁気テープドライブ装置と、
(C) 複数の単一のテープカートリッジを有するテープカートリッジライブラリシステムをエミュレートする仮想マルチテープカートリッジユニットとを含み、前記仮想マルチテープカートリッジユニットは、
(i) 中空の中央キャビティを有するハウジングを含み、キャビティは磁気テープがそこに巻かれる中央スプールを有し、さらに
(ii) 前記磁気テープ上に規定された複数の平行の長手データトラックを含み、
前記データトラックは、前記磁気テープの幅を横切って配置される複数の隣接するトラックグループ内に配置され、各トラックグループは、論理的媒体開始(BOM)フィールドと論理的媒体終了(EOM)フィールドとを有し、
前記磁気テープドライブ装置は、
(イ) 前記テープカートリッジライブラリシステム内のテープを制御するために媒体チェンジャコマンドセットにしたがって前記ホストコンピュータコントローラから送られる命令を受けて、前記命令を前記仮想マルチテープカートリッジ内の磁気テープ上のトラックグループをアクセスするための制御コマンドに変換することによって、各トラックグループが、前記テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つをエミュレートする仮想ライブラリマイクロコントローラを備え、
前記BOMフィールドおよび前記EOMフィールドは、前記BOMフィールドのテープの位置および前記EOMフィールドのテープの位置がそれぞれ、前記テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つのテープの先頭の近辺および終了の近辺にあるようにエミュレートする際に、前記仮想ライブラリマイクロコントローラによって使用される情報を含み、
各トラックグループは、前記磁気テープの全長に渡って延びている少なくとも1つの長手のデータトラックを含み、
前記各トラックグループに含まれる長手のデータトラックがさらにパティションに分割され、
前記磁気テープは、各トラックグループに対して、物理的なテープ開始孔(BOT)と物理的なテープ終了孔(EOT)とを含み、前記BOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTに位置合わせされ、かつ前記EOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTから測定した予め定められた速度計のカウント距離によって規定される、仮想磁気テープドライブライブラリシステム。
【請求項5】
各パーティションは、端部に近接して位置付けられた識別子フィールドを有する、請求項4に記載の仮想磁気テープドライブライブラリシステム。
【請求項6】
仮想磁気テープドライブライブラリシステムであって、
(A) データ処理制御情報を伝えるためのホストコンピュータコントローラと、
(B) 前記ホストコンピュータコントローラに接続された磁気テープドライブ装置と、
(C) 複数の単一のテープカートリッジを有するテープカートリッジライブラリシステムをエミュレートする仮想マルチテープカートリッジユニットとを含み、前記仮想マルチテープカートリッジユニットは、
(i) 中空の中央キャビティを有するハウジングを含み、キャビティは磁気テープがそこに巻かれる中央スプールを有し、さらに
(ii) 前記磁気テープ上に規定された複数の平行の長手データトラックを含み、
前記データトラックは、前記磁気テープの幅を横切って配置される複数の隣接するトラ
ックグループ内に配置され、各トラックグループは、論理的媒体開始(BOM)フィールドと論理的媒体終了(EOM)フィールドとを有し、
前記磁気テープドライブ装置は、
(イ) 前記テープカートリッジライブラリシステム内のテープを制御するために媒体チェンジャコマンドセットにしたがって前記ホストコンピュータコントローラから送られる命令を受けて、前記命令を前記仮想マルチテープカートリッジ内の磁気テープ上のトラックグループをアクセスするための制御コマンドに変換することによって、各トラックグループが、前記テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つをエミュレートする仮想ライブラリマイクロコントローラを備え、
前記BOMフィールドおよび前記EOMフィールドは、前記BOMフィールドのテープの位置および前記EOMフィールドのテープの位置がそれぞれ、前記テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つのテープの先頭の近辺および終了の近辺にあるようにエミュレートする際に、前記仮想ライブラリマイクロコントローラによって使用される情報を含み、
前記磁気テープは、長手方向に沿って複数のセグメントに分割され、各トラックグループは、1つのセグメントの範囲内に位置するデータトラックを少なくとも1つ含み、
前記磁気テープは、各トラックグループに対して、物理的なテープ開始孔(BOT)と物理的なテープ終了孔(EOT)とを含み、前記BOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTに位置合わせされ、かつ前記EOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTから測定した予め定められた速度計のカウント距離によって規定される、仮想マルチテープカートリッジユニット。
【請求項7】
中央スプールでスプールされた磁気テープを有する仮想磁気テープドライブライブラリシステムを用いて、複数の単一のテープカートリッジを有するテープカートリッジライブラリシステムをエミュレートする方法であって、
磁気テープ上に複数の平行の長手データトラックを規定するステップと、
前記データトラックを、前記磁気テープの幅を横切って配置される複数の隣接するトラックグループ内に配置するステップとを含み、各データトラックは、複数個の独立してアドレス指定可能なパーティションに分割され、
前記方法は、さらに、
各トラックグループに、論理的媒体開始(BOM)フィールドと論理的媒体終了(EOM)フィールドを与えるステップとを含み、
前記BOMフィールドおよび前記EOMフィールドは、前記BOMフィールドのテープの位置および前記EOMフィールドのテープの位置がそれぞれ、テープカートリッジライブラリシステムの単一のテープカートリッジのうちの1つのテープの先頭の近辺および終了の近辺にあるようにエミュレートする際に、仮想ライブラリマイクロコントローラによって使用される情報を含み、
前記磁気テープは、各トラックグループに対して、物理的なテープ開始孔(BOT)と物理的なテープ終了孔(EOT)とを含み、前記BOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTに位置合わせされ、かつ前記EOMフィールドが、前記BOTまたは前記EOTから測定した予め定められた速度計のカウント距離によって規定される、方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記磁気テープに、物理的なテープ開始孔(BOT)と物理的なテープ終了孔(EOT)とを与えるステップと
前記開始孔(BOT)と前記終了孔(EOT)のいずれかまたは両者から測定される所定の走行距離によって、少なくとも1つのEOMおよびBOMフィールドを、前記開始孔(BOT)と前記終了孔(EOT)のいずれかまたは両方に位置合わせして、前記テープの走行距離に基づいて、読出し/書込みヘッドの正確な位置決めを可能とするステップとを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記配置するステップは、前記磁気テープの全長に渡って延びている少なくとも1つの長手のデータトラックを含むように各トラックグループを配置する、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記配置するステップは、前記磁気テープを、長手方向に沿って複数のセグメントに分割し、1つのセグメントの範囲内に位置するデータトラックを少なくとも1つ含むように各トラックグループを配置する、請求項7または8記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、さらに、
各パーティションが、読出しおよび書込み動作のために独立してアドレス指定されることを示す際に、各パーティションを、前記仮想ライブラリマイクロコントローラによって使用されるデータを含む識別フィールドに関連づけるステップを含む、請求項7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−43406(P2009−43406A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272060(P2008−272060)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【分割の表示】特願平11−527107の分割
【原出願日】平成10年11月12日(1998.11.12)
【出願人】(591179352)クウォンタム・コーポレイション (49)
【氏名又は名称原語表記】QUANTUM CORPORATION
【Fターム(参考)】