説明

伐採材搬出方法

【課題】周囲の環境に柔軟に対応して架設ルートを容易かつ迅速に変更可能な伐採材搬出装置及び伐採材搬出方法を提供する。
【解決手段】伐採地Jと集材地Sの間で閉ループ状に懸架され周回駆動して伐採材Wを牽引する搬送ロープ2を備えた伐採材搬出装置であって、搬送ロープ2は、複数本の中空状のクロスロープ1A,1Bを連結部20にて順次接続して閉ループ状に形成され、連結部20は、一方のクロスロープ1Aの一端部に他方のクロスロープ1Bの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープ1Bの上記他端部に一方のクロスロープ1Aの一端部側の先端を挿入して、連結・分離自在に形成され、接続するクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを変形自在とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伐採材搬出装置及び伐採材搬出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過剰に繁殖した樹木や竹等を伐採した伐採材を、所定の集材地まで搬出するために、金属製のワイヤを伐採地と集材地に懸架し、ワイヤに伐採材を連結して、ワイヤをウインチで巻き寄せて伐採材を集材地まで搬出する架線式の伐採材搬出装置及び伐採材搬出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−304594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
伐採地は、山間部であるため地形が複雑であると共に岩等の障害物が多く、また、間伐する樹木や竹と、残す樹木や竹が混在するため、伐採作業を進めるうえで、ワイヤを懸架する架設ルートを変更する必要がある。
しかし、従来は、金属製ワイヤを用いていたため、現場で切断又は接続して延長・短縮させて架設ルートを変更することが非常に困難であり、多大な労力と時間が費やされてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、周囲の環境に柔軟に対応して架設ルートを容易かつ迅速に変更可能な伐採材搬出装置及び伐採材搬出方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の伐採材搬出装置は、伐採地と集材地の間で閉ループ状に懸架され周回駆動して伐採材を牽引する搬送ロープを備えた伐採材搬出装置であって、上記搬送ロープは、複数本の中空状のクロスロープを連結部にて順次接続して上記閉ループ状に形成され、上記連結部は、一方の上記クロスロープの一端部に他方の上記クロスロープの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープの上記他端部に一方の上記クロスロープの一端部側の先端を挿入して、連結・分離自在に形成され、接続する上記クロスロープの本数を増減させて、上記搬送ロープが懸架される架設ルートを変形自在としたものである。
また、上記搬送ロープを、回転駆動する回転ドラムに複数回巻設して、上記搬送ロープを引込みつつ送り出すようにして、上記伐採地と上記集材地の間を周回駆動するように構成したものである。
【0007】
また、本発明の伐採材搬出方法は、複数本の中空状のクロスロープの内、一方の上記クロスロープの一端部に他方の上記クロスロープの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープの上記他端部に一方の上記クロスロープの一端部側の先端を挿入して、接続・分離自在な連結部を有する搬送ロープを形成し、上記搬送ロープを伐採地と集材地の間で閉ループ状に懸架して周回駆動させ、伐採材を牽引して上記集材地まで搬出し、接続する複数本の上記クロスロープの本数を増減させて、上記搬送ロープが懸架される架設ルートを変形させる方法である。
また、上記搬送ロープを、回転駆動する回転ドラムに複数回巻設して、上記搬送ロープを引込みつつ送り出すようにして、上記伐採地と上記集材地の間を周回駆動させる方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送ロープを容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境に柔軟に対応させて変更できる。油圧カッター等の大型で駆動源が必要となるような切断機械や、連結用の接続金具が必要なく、迅速かつ安価に搬送ロープの延長・短縮作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部側面図である。
【図2】実施の一形態を示す平面図である。
【図3】差込治具の一例を示す側面図である。
【図4】クロスロープの一例を示す側面図である。
【図5】差込治具の使用状態を説明する側面図である。
【図6】連結部を説明する側面図である。
【図7】連結部を説明する側面図である。
【図8】連結部を説明する側面図である。
【図9】連結部を説明する側面図である。
【図10】連結部を説明する側面図である。
【図11】連結部を説明する側面図である。
【図12】連結部を説明する側面図である。
【図13】引掛部の一例を示す側面図である。
【図14】引掛部を説明する側面図である。
【図15】架設部の一例を説明する側面図である。
【図16】滑車の使用状態を説明する側面図である。
【図17】滑車の使用状態を説明する底面図である。
【図18】作用説明図である。
【図19】架設ルートの他例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明の伐採材搬出装置及び伐採材搬出方法は、図1及び図2に示すように、伐採地Jで伐採した伐採材Wを、所定の集材地Sまで牽引する搬送ロープ2を備えた架線式の伐採材搬出装置及び伐採材搬出方法である。
【0011】
搬送ロープ2は、伐採地Jと集材地Sの間に設けた多数の架設部30に懸架(張架)されている。また、複数本の中空状のクロスロープ1,1から成り、一方のクロスロープ1(1A)と他方のクロスロープ1(1B)を連結部20にて順次接続して閉ループ状(環状)に形成している。
【0012】
先ず、連結部20の構成及び形成方法について説明する。
図4に示すように、2本のクロスロープ1,1の内、一方のクロスロープ1Aの一端部11側の先端12と、他方のクロスロープ1Bの他端部13側の先端14を、接近させて配設する。各先端12,14に粘着テープ等を巻着してほつれを防止している。
クロスロープ1は、多数本の合成繊維から成るストランド10を、2本(束)1組として、その組を交互に重ね合わせて(組み込んで)中空状(円筒網袋状)に形成された、六つ打ち、又は、八つ打ち、或いは12打ち合成繊維ロープとも呼ばれるものである。例えば、シーアンカー、ブイロープ、定置網等に使用されている。合成繊維は、例えば、ポリアシド系ナイロン、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン等である。なお、十分な強度を得るために、本発明は、12本(束)のストランド10から成るクロスロープ1(12打ち合成繊維ロープ)を使用するのが好ましい。なお、クロスロープ1(1A,1B)を以下「ロープ」と呼ぶ場合もある。
【0013】
図5に示すように、他方のロープ1Bの他端部13側の先端14を、棒状の挿入治具8に接続する。
挿入治具8は、軽量・小型な携帯自在であって、図3及び図5に示すように、半球状の先端丸型に形成された先端部81と、先端部81から基端部84へ向かうストレート状の導入部(ストレート状ガイド部)82と、導入部82の直径から次第に拡径して基端部84と接するテーパ部83と、を有している。基端部84は導入部82より大径に形成され、基端面84a側に開口すると共にロープ1が差し込まれる保持孔85を有している。また、保持孔85は、ロープ1の自然状態乃至ラジアル方向圧縮縮径状態の直径より小さな寸法の内径寸法で形成されている。また、保持孔85は、ロープ1の差込量を規制する当り用の底面85aを有している。また、基端部84及びテーパ部83を半割り状にするスリット86を設けている。
図5に示すように、例えば、他方のロープ1Bの先端14を保持孔85に差し込むと、スリット86によって保持孔85が拡径すると共に復元力(バネ力)によって、他方のロープ1Bの先端14及び他端部13をコレットのように挟持状に保持して抜けを防止する。
【0014】
図6に於て、一方のロープ1Aの一端部11を、長手方向に圧縮して蛇腹状に内径を拡径すると共に、ストランド10とストランド10の間の織目(編目)を広げる。ロープ1Bと接続した挿入治具8の先端部81及び導入部82を、長手一方向N1に、拡径したロープ1Aの一端部11に挿通させる。こうすることで、一方のロープ1Aの先端12をほぐして(ストランド10毎に分けて)、先端開口部を形成して他方のロープ1Bを挿入する必要がなくなり作業性が向上する。
【0015】
図7に示すように、一方のロープ1Aの一端部11に、挿入治具8の基端部84と共に他方のロープ1Bの先端14を挿入する。テーパ部83によって、一方のロープ1Aの一端部11が拡径してスムーズに基端部84が挿入される。
図8に示すように、挿入治具8及び他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11に挿入した位置から長手方向に所定寸法差し込んだ後に、ストランド10とストランド10の織目から長手一方向に引いて挿通させる。
【0016】
図9に示すように、他方のロープ1Bの先端14から挿入治具8を取り外す。そして、他方のロープ1Bを長手他方向N2に引き戻し、他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11に収納させる。
図10に示すように、他方のロープ1Bの先端14を内有する一方のロープ1Aの一端部11を、長手方向に引っ張る。すると、一方のロープ1Aの一端部11が縮径し、他方のロープ1Bの先端14を締め付けて摩擦力を増加させ、一方のロープ1Aのストランド10と他方のロープ1Bのストランド10が互いに係止し(かみ合って)、さらに、挿通した箇所の織目が閉じて織目を挿通したロープ1を挟圧して、抜けが防止される。
【0017】
そして、図11に示すように、一方のロープ1Aの先端12と挿入治具8を接続し、他方のロープ1Bの他端部13を拡径させ、上述のように挿入治具8を操作して、他方のロープ1Bの他端部13に、一方のロープ1Aの先端12を収納させて、他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に引っ張る。
すると、図12に示すように、一方のロープ1Aの先端12が他方のロープ1Bの他端部13に接続し、他方のロープ1Bの先端14が一方のロープ1Aの一端部11に接続された、連結部20が形成される。そして、複数本のロープ1,1を、順次接続して(連結部20を形成して)閉ループ状の搬送ロープ2が形成される。
【0018】
また、一方のロープ1Aの一端部11を長手方向に圧縮すれば、一方のロープ1Aの内径が拡径すると共にストランド10とストランド10の間が開いて、スムーズに他方のロープ1Bの先端14が引き抜かれる。また、他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に圧縮すれば、他方のロープ1Bの内径が拡径すると共にストランド10とストランド10の間が開いて、スムーズに一方のロープ1Aの先端12が引き抜かれる。連結部20の接続は容易に解除される。
この連結部20は、容易に接続・分離でき、かつ、長手方向の引張り力に強い。また、最も太い箇所でも連結部20の中央部20aでロープ2本程度と成り、後述の滑車3及び回転ドラム5との間で引っ掛かり等の不具合が防止される。
【0019】
また、搬送ロープ2は、図13に示すように、伐採材Wが掛けられる引掛部21を有している。
図14に示すように、可撓性を有する紐体7の一端7aと他端7bを、所定の間隔をもって、クロスロープ1の軸心略直交方向からストランド10とストランド10の間を挿通させ、クロスロープ1を挿通した一端7a側部と他端7b側部を、図13に示すように、結束して、垂下状の吊り輪を形成している。この吊り輪状の引掛部21に、伐採材Wと連結したフック部材79を係止させることで、搬送ロープ2で伐採材Wを牽引する。
このように、紐体7を用いることで後述の回転ドラム5との間で引っ掛かり等の不具合が防止される。また、フック部材79で引っ掛けるだけで連結でき、作業性を向上させている。また、クロスロープ1と紐体7を工具なしで接続でき、引掛部21を容易に増減できる。また、引掛部21と引掛部21の間隔寸法を容易に変更できる。
【0020】
また、図1及び図2に於て、搬送ロープ2を周回駆動させる回転ドラム5と、搬送ロープ2に適度な張り(テンション)を付与するウインチ(巻取り機)6と、パワーシャベル等の建設機械や林内作業車等のエンジンや油圧モータ又は電気モータ等の駆動源Eと、回転ドラム5とウインチ6を夫々操作可能な操作部9と、を備えている。駆動源Eと回転ドラム5とウインチ6と操作部9は、履帯を有する自走可能なパワーショベル等の建設機械や林内作業車等に設けられている。
【0021】
回転ドラム5は、搬送ロープ2が2回(2巻)以上巻き付けられ、水平軸心周りに回転駆動し、搬送ロープ2を引込みつつ送り出して、閉ループ状の搬送ロープ2を周回駆動させる。
ウインチ6は、回転ドラム5の近傍に設けられ、閉ループ状の搬送ロープ2に、テンション用の滑車3(3A)を介して張りを付与している。
また、回転ドラム5の引込み方向と、ウインチ6の引っ張り方向を同方向とするために、折り返し用の滑車3(3B)を、回転ドラム5及びウインチ6の間に設けている。
【0022】
また、搬送ロープ2は、伐採地Jと集材地Sの間に設けた多数の架設部30に懸架されている。搬送ロープ2は、集材地Sから伐採地Jにわたって閉ループ状に懸架(張架)されている。
図15に示すように、架設部30は、伐採地Jと集材地Sに存在する樹木や竹等又は打設した杭等から成る支柱部31と、支柱部31に巻設され可撓性の帯状乃至紐状体を有する締め付けベルト等の締結部材32と、搬送ロープ2が懸架される回転体(プーリ)39を有する滑車3と、から成る。
【0023】
図15(a)に示すように、滑車3は、締結部材32によって支柱部31に水平軸心La廻りに揺動自在に取着されている。搬送ロープ2にテンションが付与されていない自然状態では、支柱部31に締結部材32を介して垂下状に設けられている。搬送ロープ2にテンションが付与されると、図15(b)に示すように、回転体39側が上方へ揺動し、回転体39の回転軸心L3が鉛直状に回転可能となる。なお、鉛直状とは、水平面に対して、60度乃至120度の範囲を言う。
【0024】
滑車3は、軽量・小型で持ち運び自在である。図16と図17に示すように、回転体39の円周凹溝39dから搬送ロープ2が下方に脱落するのを防止する底壁部39aを有している。底壁部39aを、回転軸心L3周りに所定の間隔で上下方向に開口する切欠部39bを形成したスプロケット状(歯車状)に設けている。言い換えると、回転体39の底面側に、搬送ロープ2が下方に脱落するのを防止する係止突片39cを回転軸心L3周りに所定の間隔に設けている。
搬送ロープ2の引掛部21が回転体39に懸架される際に、吊り輪状の紐体7が、切欠部39b(係止突片39cと係止突片39cの間)から垂れ下がり、回転体39に引っ掛かることなく、垂下状態が保持され、搬送ロープ2のスムーズな周回駆動を可能にする。
【0025】
次に、本発明の伐採材搬出装置の作用及び伐採材搬出方法について説明する。
図18に示すように、トラック等の運搬車両が侵入可能な集材地Sに、駆動源E、回転ドラム5、ウインチ6、操作部9、を設ける。また、集材地Sと伐採地Jに多数の架設部30を設ける。また、搬送ロープ2を、架設部30の滑車3に懸架すると共に回転ドラム5に複数回巻設する。集材地Sと伐採地Jの間(集材地Sから伐採地Jにわたって)で搬送ロープ2を閉ループ状にして周回駆動させる。
搬送ロープ2が通過する架設ルートは、樹木や竹等伐採対象物の近傍を通るように設ける。伐採材Wは、図13に示すように、搬送ロープ2の引掛部21にフック部材79を介して連結され、搬送ロープ2によって牽引され集材地Sまで搬出される。
【0026】
そして、搬送ロープ2の架設ルート近傍の伐採が終了し、次の伐採対象物の近傍まで、懸架ルートを延長・増設する。
ここで、伐採地Jは山間部や里山(人家の裏山)のため、伐採材Wが搬送される際に障害となる、大きな岩Q1、急な窪地Q2、家屋、あるいは伐採しない樹木や竹等の非伐採対象物Q3といった障害物Qが存在する。特に、岩Q1等は図面上では予測不可能であるため、搬送ロープ2の長さを現場にて臨機応変に延長して増設する必要がある。
【0027】
そこで、搬送ロープ2の連結部20の一方のロープ1Aの一端部11及び他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に圧縮させ、各先端12,14を引き抜いて接続を解除する。閉ループ状の搬送ロープ2は、油圧カッター等の大型で駆動源の必要な切断機械を用いずに容易に分断される。
そして、クロスロープ1の本数を追加して順次連結部20を形成することで、所望長さの搬送ロープ2が得られる。特別な接続金具を使用したり、複雑に編み込むアイスプライスを形成せずに、接続される。
【0028】
また、架設部30は、滑車3を締結部材32で架設ルート近傍の樹木等の支柱部31に結束させるだけなので、取付・取り外しが容易に行われ、架設ルートの変更をより迅速にする。
また、集材地Sに、回転ドラム5やウインチ6、駆動源E、操作部9が配置され、伐採地J側には、搬送ロープ2を駆動させる機械やテンションを負荷する機械等が必要ないので、伐採地J内での架設ルートの変更を容易にする。
【0029】
また、架設ルートを、回転ドラム5の引込み方向と平行状に走行する本線部29と、本線部29に直交状に走行する枝線部28と、を有する凸の字状に設け、図18(a)から図18(b)のように、本線部29を伐採地Jの奥部に延伸させ、本線部29の延伸に伴って枝線部28を波の移動のように平行移動させて順次変更させるのが効率的で好ましい。
また、図18(b)のような、予め、長い架設ルートを形成した後、伐採作業を進めながら、集材地Sに接近させて架設ルートを短縮・減少させて、図18(a)のように変形(変更)させても良い。
【0030】
また、図18(b)に一点鎖線で示したような不要架設ルート90部分の搬送ロープ2の一部を、使用する架設ルートから分離し、分離箇所Vを直結するように接続して、不要架設ルート部分の片づけ作業と、増設作業を略同時に行っても良い。
また、作業終了後に、連結部20の接続を解除して、複数本のクロスロープ1に分離してから片づけても良い。長尺状の搬送ロープ2を回収するよりも手間や時間が軽減できる。
【0031】
また、図19に示すように、伐採地Jが、杉や檜等の植林部Kaに、斜面下方の竹林部Kbから斜面に沿って竹が侵入した場所であって、植林部Ka内の竹が伐採対象物の場合は、架設部30を斜面上位置と斜面下位置とで千鳥状に配設し、架設ルートを鋸刃状に設けるのが好ましい。架設部30の設置箇所が少なく済むと共に、斜面全体を面状にカバーでき、間伐しない杉や檜等が多くても、伐採した竹を容易に搬出することが可能となる。
【0032】
なお、本発明は設計変更可能であって、図7に於て、一方のロープ1Aの一端部11内に、挿入治具8と共に他方のロープ1Bの先端14を収納した後、挿入治具8のみを引き抜いて、他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11内に残存させて接続しても良い。
【0033】
以上のように、本発明の伐採材搬出装置は、伐採地Jと集材地Sの間で閉ループ状に懸架され周回駆動して伐採材Wを牽引する搬送ロープ2を備えた伐採材搬出装置であって、搬送ロープ2は、複数本の中空状のクロスロープ1A,1Bを連結部20にて順次接続して閉ループ状に形成され、連結部20は、一方のクロスロープ1Aの一端部11に他方のクロスロープ1Bの他端部13側の先端14を挿入し、かつ、他方のクロスロープ1Bの他端部13に一方のクロスロープ1Aの一端部11側の先端12を挿入して、連結・分離自在に形成され、接続するクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを変形自在としたので、搬送ロープ2を現場にて容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境に柔軟に対応させて自由に(順次)変更できる。油圧カッター等の大型で駆動源が必要となるような切断機械や、連結用の接続金具が必要なく、迅速かつ安価に搬送ロープ2を延長・短縮作業を行うことができる。効率良く伐採作業を行うことができる。
【0034】
また、搬送ロープ2を、回転駆動する回転ドラム5に複数回巻設して、搬送ロープ2を引込みつつ送り出すようにして、伐採地Jと集材地Sの間を周回駆動するように構成したので、滑りを防止して回転ドラム5の回転力を確実に搬送ロープ2に伝達でき、エネルギー効率良く周回駆動させることができる。搬送ロープ2を閉ループ状に形成でき架設作業を容易に行うことができる。
【0035】
また、本発明の伐採材搬出方法は、複数本の中空状のクロスロープ1A,1Bの内、一方のクロスロープ1Aの一端部11に他方のクロスロープ1Bの他端部13側の先端14を挿入し、かつ、他方のクロスロープ1Bの他端部13に一方のクロスロープ1Aの一端部11側の先端12を挿入して、接続・分離自在な連結部20を有する搬送ロープ2を形成し、搬送ロープ2を伐採地Jと集材地Sの間で閉ループ状に懸架して周回駆動させ、伐採材Wを牽引して集材地Sまで搬出し、接続する複数本のクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを変形させるので、搬送ロープ2を現場にて容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境に柔軟に対応させて自由に(順次)変更できる。油圧カッター等の大型で駆動源が必要となるような切断機械や、連結用の接続金具が必要なく、迅速かつ安価に搬送ロープ2を延長・短縮作業を行うことができる。効率良く伐採作業を行うことができる。
【0036】
また、搬送ロープ2を、回転駆動する回転ドラム5に複数回巻設して、搬送ロープ2を引込みつつ送り出すようにして、伐採地Jと集材地Sの間を周回駆動させるので、滑りを防止して回転ドラム5の回転力を確実に搬送ロープ2に伝達でき、エネルギー効率良く周回駆動させることができる。搬送ロープ2を閉ループ状に形成でき架設作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0037】
1A クロスロープ
1B クロスロープ
2 搬送ロープ
5 回転ドラム
11 一端部
12 先端
13 他端部
14 先端
20 連結部
J 伐採地
S 集材地
W 伐採材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伐採地(J)と集材地(S)の間で閉ループ状に懸架され周回駆動して伐採材(W)を牽引する搬送ロープ(2)を備えた伐採材搬出装置であって、
上記搬送ロープ(2)は、複数本の中空状のクロスロープ(1A)(1B)を連結部(20)にて順次接続して上記閉ループ状に形成され、
上記連結部(20)は、一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)に他方の上記クロスロープ(1B)の他端部(13)側の先端(14)を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープ(1B)の上記他端部(13)に一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)側の先端(12)を挿入して、連結・分離自在に形成され、
接続する上記クロスロープ(1A)(1B)の本数を増減させて、上記搬送ロープ(2)が懸架される架設ルートを変形自在としたことを特徴とする伐採材搬出装置。
【請求項2】
上記搬送ロープ(2)を、回転駆動する回転ドラム(5)に複数回巻設して、上記搬送ロープ(2)を引込みつつ送り出すようにして、上記伐採地(J)と上記集材地(S)の間を周回駆動するように構成した請求項1記載の伐採材搬出装置。
【請求項3】
複数本の中空状のクロスロープ(1A)(1B)の内、一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)に他方の上記クロスロープ(1B)の他端部(13)側の先端(14)を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープ(1B)の上記他端部(13)に一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)側の先端(12)を挿入して、接続・分離自在な連結部(20)を有する搬送ロープ(2)を形成し、
上記搬送ロープ(2)を伐採地(J)と集材地(S)の間で閉ループ状に懸架して周回駆動させ、伐採材(W)を牽引して上記集材地(S)まで搬出し、
接続する複数本の上記クロスロープ(1A)(1B)の本数を増減させて、上記搬送ロープ(2)が懸架される架設ルートを変形させることを特徴とする伐採材搬出方法。
【請求項4】
上記搬送ロープ(2)を、回転駆動する回転ドラム(5)に複数回巻設して、上記搬送ロープ(2)を引込みつつ送り出すようにして、上記伐採地(J)と上記集材地(S)の間を周回駆動させる請求項3記載の伐採材搬出方法。





















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−255972(P2011−255972A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129145(P2010−129145)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【特許番号】特許第4767354号(P4767354)
【特許公報発行日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(510157535)