説明

伝熱用クッションおよびこれを備える熱電変換モジュール

【課題】 接触熱抵抗を低減して熱を効果的に伝導させ、尚且つ熱膨張変位を容易に吸収する。
【解決手段】 伝熱用クッション1は、温度差のある2面S1,S2の間に介在しこれら2面S1,S2から加圧力Pを受けると共に高温側の面S1から低温側の面S2へと熱を伝える。この伝熱用クッション1は、使用温度下で液状を呈する低融点材料4と、この低融点材料4を封入し且つ液状の低融点材料4の変形を許容する柔軟性を備えるシェル5とを有する。シェル5の高温側の面S1と対向する面には、高温側の面S1が接触し且つ摺動可能なシート材7が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱用クッションおよびこれを備える熱電変換モジュールに関する。さらに詳述すると、本発明は、クッションと伝熱の機能を兼ね備える伝熱用クッションおよびこれを備える熱電変換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発熱機器から放熱設備まで熱を輸送する熱輸送手段としては、冷却材を強制循環させるループ、ヒートパイプ、銅やカーボンファイバー等の高熱伝導材料、ヒートポンプおよびペルチェ冷却システム等がある。いずれの熱輸送手段を採用する場合でも、効率的に発熱機器から放熱設備まで熱を輸送するためには、例えば図3に概略構成を示すように、発熱機器101の発熱面101aとこの発熱面101aと対向する熱輸送手段103の面103a、および放熱設備102の受熱面102aとこの受熱面102aと対向する熱輸送手段103の面103a’とを確実に接触させて、接触熱抵抗を低減する必要がある。
【0003】
一方、熱源からの廃熱などを利用して発電を行う熱電変換モジュールがある。この熱電変換モジュール105は、例えば図4に示すように、交互に並ぶ複数のP型熱電半導体106aとN型熱電半導体106bと、隣接するP型熱電半導体106aとN型熱電半導体106bとを交互に電気的に連結する電極107と、電極107の熱源側に積層される電気絶縁性の受熱板108と、受熱板108の反対側の電極107に積層されて冷却手段により冷却される電気絶縁性の冷却板109とを備えている。
【0004】
この熱電変換モジュール105においては、発電性能の向上のために、熱電半導体106の両面にできるだけ大きい温度差を与える必要がある。このために従来では、図4(A)に示すように、組み立て済みの熱電変換モジュール105を熱源としての加熱ダクト110および冷却手段としての冷却ダクト111の間に挟み、ダクト110,111の上下から加圧力を作用させて、加熱ダクト110および冷却ダクト111が熱電変換モジュール105に密着するようにし、接触熱抵抗を低減して熱を効果的に伝導させる方法がとられている。また、図4(B)に示すように、熱電変換モジュール105と加熱ダクト110および冷却ダクト111の間にゴムシート112を介在させ、ダクト110,111の上下から加圧力を作用させる方法もある。さらに、図4(C)に示すように、熱電変換モジュール105と加熱ダクト110および冷却ダクト111の間に熱伝導の良いグリース113を介在させ、ダクト110,111の上下から加圧力を作用させる方法もある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−30782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図3に示す発熱機器101の発熱面101aと熱輸送手段103の面103a、および熱輸送手段103の面103a’と放熱設備102の受熱面102aを単に接触させた場合の接触熱抵抗は、表面仕上げ状態や面同士を押し付ける加圧力などにも依存するが、一般に10−3〜10−2 (mK/W) 程度となり、接触面で大きな温度落差を発生し熱抵抗となる。接触熱抵抗を低減するには接触面を接合することが最も効果的だが、接合により両部材の相対変位が不可能になり、部材の温度変化にともなう熱膨張差を吸収できず、部材の破損につながる恐れがある。
【0007】
また、熱電変換システムにおいて、図4(A)に示す熱電変換モジュール105を挟んだダクト110,111の上下から加圧力を作用させる方式では、加圧力が弱いと接触熱抵抗が大きくなり、熱電半導体106本体への温度差が低減し出力が低下する。逆に加圧力を高めると出力は上がるが、熱電半導体106本体を破壊する恐れがあり、加圧力の調整が極めて難しい。このため、接触熱抵抗を低減するには、接触面となる受熱板108、冷却板109および加熱ダクト110、冷却ダクト111の平面度および表面粗さを向上させるため高精度の仕上げを行い、接触面の密着度を向上させる必要がある。但し、このような高精度の仕上げを行った場合でも、温度差が生じれば、受熱板108、冷却板109および加熱ダクト110、冷却ダクト111の接触面が曲面状に変形してしまう(面外変形とも呼ばれる)ため、常に良好な密着を保つことは不可能である。接触面が曲面状に変形してしまうと接触面間に隙間を生じ、大きな接触熱抵抗が発生してしまう。加えて、図4(A)に示すシステムでは、起動・停止時には熱過渡に起因する熱応力の回避のため加圧力を必ず緩める必要があり、実用性の点で劣る。
【0008】
また、図4(B)に示す方式では、柔軟なゴムシート112が熱応力を緩和するため、加圧力の微妙な調整は不要だが、ゴムシート112の熱伝導率が悪いため、熱電半導体106本体への温度差が著しく低減し出力が大幅に低下する欠点がある。また、図4(C)に示す方式は、グリース113がすぐに酸化して劣化してしまったり蒸発してしまうため、実用システムでは採用できない。
【0009】
また、特に加熱ダクト110は運転・停止中の温度差に起因する大きな熱膨張変位を生ずるため、熱電変換モジュール105がこの変位を許容できる構造が不可欠である。さもないと繰り返し応力により熱電変換モジュール105を破壊することになる。熱膨張変位量は、加熱ダクト110の寸法(固定位置から自由端までの距離)および運転・停止中の温度差に比例する。例えば一辺が2mの炭素鋼製の加熱ダクト110をその中心部で固定する場合、固定位置から自由端までの距離は1mである。この加熱ダクト110が運転中は520℃となり、停止中は20℃となるとすると、その変位量は次式で計算される。
【0010】
<数式1>
変位量 =線膨張係数×温度差×距離
=16×10−6×(K−1)×500(K)×1000(mm)=8(mm)
【0011】
このように熱電変換モジュール105は、接触熱抵抗を低減するためにしっかりと加圧され拘束されている必要があると同時に、上記の熱膨張による変位量を許容する必要がある。このような相反する要求を両立できる方策が求められているのが現状である。
【0012】
そこで本発明は、接触熱抵抗を低減して熱を効果的に伝導させ、尚且つ熱膨張変位を容易に吸収できる伝熱用クッションおよびこれを備える熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、温度差のある2面の間に介在しこれら2面から加圧力を受けると共に高温側の面から低温側の面へと熱を伝える伝熱用クッションであり、使用温度下で液状を呈する低融点材料と、この低融点材料を封入し且つ液状の前記低融点材料の変形を許容する柔軟性を備えるシェルとを有するようにしている。
【0014】
したがって、使用温度下で液状を呈する低融点材料およびこの低融点材料を封入する柔軟なシェルが、接触する伝熱面の曲面状の変形(面外変形)に追従して、2つの伝熱面の間を良好に充填し、これら2面の間に空隙が生じてしまうことを防ぐ。従って、伝熱用クッションは対向する2面と常に良好な密着状態を保つ。しかも、液状の低融点材料は熱伝導率が高いので、伝熱用クッションの熱抵抗を低く押さえることができ、効率的に高温側の面から低温側の面へと熱を伝えることができる。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の伝熱用クッションにおいて、前記シェルの前記高温側の面と対向する面または前記低温側の面と対向する面の一方または双方に、前記高温側の面または前記低温側の面が接触し且つ摺動可能なシート材が設けられている。
【0016】
したがって、伝熱面が熱膨張した場合でも、伝熱面をシート材上で滑らせて面方向にスライド移動させるので、シェルに作用しようとするせん断応力を逃がし、シェルの破壊を防止できる。これにより、伝熱面が大型となる場合の大きな熱膨張変位、例えば大型の加熱ダクトの運転・停止中の温度差に起因する熱膨張変位を許容できる。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の伝熱用クッションにおいて、シート材をカーボンシートとしている。カーボンシートは摺動性に優れると共に、カーボンシートが介在する界面の熱抵抗を、これがない場合の1/10以下に低減することができる。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載の伝熱用クッションにおいて、シェルは金属フォイルよりなるものとしている。この場合、シェルは熱伝導率の高い金属製とされ、且つ薄く形成されるので、伝熱用クッションの熱抵抗を低く押さえることができ、効率的に高温側の面から低温側の面へと熱を伝えることができる。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1つに記載の伝熱用クッションにおいて、低融点材料は融点が使用温度以下の金属であるものとしている。この場合、低融点材料は熱伝導率の高い金属であり、しかも使用温度下で溶融状態となり更に熱伝導率が高まるので、伝熱用クッションの熱抵抗を低く押さえることができ、効率的に高温側の面から低温側の面へと熱を伝えることができる。
【0020】
また、請求項6記載の発明は、請求項1から4のいずれか1つに記載の伝熱用クッションにおいて、低融点材料は、融点が使用温度以下の金属に、当該金属よりも熱伝導率の高い微粒子を添加してなるものとしている。従って、使用温度よりも融点が低く且つ高い熱伝導率を有するとの低融点材料に適した条件を満足させることができる。
【0021】
また、請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1つに記載の伝熱用クッションにおいて、低融点材料を封入した状態でシェルの内部に隙間ができるようにしている。この場合、低融点材料が溶融した際の体積膨張を吸収することができ、低融点材料の体積膨張によりシェルが破損してしまうことを防止できる。
【0022】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の伝熱用クッションにおいて、前記隙間を真空とする又は不活性雰囲気とするようにしている。この場合、低融点材料の酸化を防ぐことができる。
【0023】
また、請求項9記載の発明は、少なくとも一対の熱電素子と、熱源から熱を受ける受熱部と、前記熱電素子を挟んで前記受熱部の反対側に位置して冷媒により冷却される放熱部とを備え、前記受熱部と前記放熱部との温度差により発電する熱電変換モジュールにおいて、前記受熱部または前記放熱部の一方または双方に、請求項1から8のいずれか1つに記載の伝熱用クッションを備えるようにしている。
【0024】
したがって、使用温度下で液状を呈する低融点材料およびこの低融点材料を封入する柔軟なシェルが、接触する伝熱面の曲面状の変形(面外変形)に追従して、2つの伝熱面の間を良好に充填し、これら2面の間に空隙が生じてしまうことを防ぐ。従って、伝熱用クッションは対向する2面と常に良好な密着状態を保つ。しかも、液状の低融点材料は熱伝導率が高いので、伝熱用クッションの熱抵抗を低く押さえることができ、効率的に熱を伝えることができる。これにより、熱電変換モジュールに負荷できる温度差を従来よりも増大でき、熱電変換モジュールの発電電力を向上できる。すなわち実質的なエネルギー変換効率を向上できる。これにより熱電変換システムの発電単価を低減できる。また、液状の低融点材料を封入した柔軟なシェルがクッションとして機能し、熱電変換モジュールに作用する加圧力により熱電素子が破壊してしまうことを防止する。
【発明の効果】
【0025】
しかして請求項1記載の伝熱用クッションによれば、使用温度下で液状を呈する低融点材料およびこの低融点材料を封入する柔軟なシェルが、接触する伝熱面の曲面状の変形(面外変形)に追従して、2つの伝熱面の間を良好に充填し、これら2面の間に空隙が生じてしまうことを防ぐ。しかも、液状の低融点材料は熱伝導率が高いので、伝熱用クッションの熱抵抗を低く押さえることができる。よって、高温側の面から低温側の面へと効率的に熱を伝えることができる。この伝熱用クッションを用いることにより、発熱機器や放熱設備あるいは熱輸送手段などの伝熱面の平面度および表面粗さに対する要求条件を緩和することができ、また、対向する2つの伝熱面を直接接合しなくて済むので、対向する2つの伝熱面の熱膨張差によって部材を破損してしまうこともない。
【0026】
さらに請求項2記載の伝熱用クッションによれば、伝熱面が熱膨張した場合でも、伝熱面をシート材上で滑らせて面方向にスライド移動させるので、シェルに作用しようとするせん断応力を逃がし、シェルの破壊を防止できる。これにより、伝熱面が大型となる場合の大きな熱膨張変位、例えば大型の加熱ダクトの運転・停止中の温度差に起因する熱膨張変位を許容できる。
【0027】
さらに請求項3記載の伝熱用クッションによれば、シート材をカーボンシートとしているので、カーボンシートは摺動性に優れると共に、カーボンシートが介在する界面の熱抵抗を、これがない場合の1/10以下に低減することができる。
【0028】
さらに請求項4記載の伝熱用クッションによれば、シェルは金属フォイルよりなるものとしているので、伝熱用クッションの熱抵抗をより低く押さえることができ、効率的に高温側の面から低温側の面へと熱を伝えることができる。
【0029】
さらに請求項5記載の伝熱用クッションによれば、低融点材料は融点が使用温度以下の金属としているので、伝熱用クッションの熱抵抗をより低く押さえることができ、効率的に高温側の面から低温側の面へと熱を伝えることができる。
【0030】
さらに請求項6記載の伝熱用クッションによれば、低融点材料は、融点が使用温度以下の金属に、当該金属よりも熱伝導率の高い微粒子を添加してなるものとしているので、使用温度よりも融点が低く且つ高い熱伝導率を有するとの低融点材料に適した条件を満足させることができる。
【0031】
さらに請求項7記載の伝熱用クッションによれば、低融点材料を封入した状態でシェルの内部に隙間ができるようにしているので、低融点材料が溶融した際の体積膨張を吸収することができ、低融点材料の体積膨張によりシェルが破損してしまうことを防止できる。
【0032】
さらに請求項8記載の伝熱用クッションによれば、上記隙間を真空とする又は不活性雰囲気とするので、低融点材料の酸化を防ぐことができる。
【0033】
さらに請求項9記載の熱電変換モジュールによれば、上記伝熱用クッションを備えるので、熱電変換モジュールに負荷できる温度差を従来よりも増大でき、熱電変換モジュールの発電電力を向上できる。すなわち実質的なエネルギー変換効率を向上できる。これにより熱電変換システムの発電単価を低減できる。また、液状の低融点材料を封入した柔軟なシェルがクッションとして機能し、熱電変換モジュールに作用する加圧力により熱電素子が破壊してしまうことを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0035】
図1に本発明の伝熱用クッションの実施の一形態を示す。この伝熱用クッション1は、温度差のある2面S1,S2の間に介在しこれら2面S1,S2から加圧力を受けると共に高温側の面S1から低温側の面S2へと熱を伝えるものである。
【0036】
例えば発熱機器から放熱設備まで熱を輸送する熱輸送手段において、発熱機器と熱輸送手段との間に伝熱用クッション1を介在させる場合は、発熱機器の発熱面が高温側の面S1となり、発熱機器の発熱面と対向する熱輸送手段の面が低温側の面S2となる。また、熱輸送手段と放熱設備との間に伝熱用クッション1を介在させる場合は、放熱設備の受熱面が低温側の面S2となり、放熱設備の受熱面と対向する熱輸送手段の面が高温側の面S1となる。本実施形態では、高温側の面を加熱面S1と呼び、低温側の面を受熱面S2と呼び、加熱面S1を有する部材を熱源2と呼び、受熱面S2を有する部材を受熱部材3と呼ぶ。例えば図1は、熱源2が加熱ダクトであり、受熱部材3が冷却ダクトである例を示す。
【0037】
この伝熱用クッション1は、融点が使用温度以下である低融点材料4と、この低融点材料4を封入し且つ液状の低融点材料4の変形を許容する柔軟性を備えるシェル5とを備えている。
【0038】
シェル5の厚みは、加熱面S1や受熱面S2の温度差による曲面状の変形(面外変形)に柔軟に追従することができるように、また熱抵抗を小さくする観点から、薄くすることが望ましく、例えば20μm〜100μm(0.1mm)程度とすることが好ましい。また、シェル5の材料は、使用温度下で低融点材料4を確実に密封できるように融点が使用温度よりも高く、且つ封入する低融点材料4との共存性が良いものが選択される。特に高い熱伝導率を有する金属材料の利用が好ましい。例えば、使用温度が250℃以下の場合にはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などが利用でき、使用温度が400℃以下ではステンレス鋼(SUS304,SUS316)などが利用でき、使用温度が600℃以下では、インコネル(Inconel)などが利用できる。本実施形態のシェル5は例えば薄い金属フォイル(金属箔)を用いて形成されている。但し、シェル5の材料が金属に限定されるものではない。
【0039】
一方、低融点材料4は、使用温度よりも融点が低く、且つ高い熱伝導率を有し、シェル5との共存性が良いものが選択される。具体的には、すず(Sn:融点232℃)、ビスマス(Bi:融点271℃)などが利用できる。ここで、融点が使用温度以下の金属に、当該金属よりも熱伝導率の高い微粒子を添加することで、使用温度よりも融点が低く且つ高い熱伝導率を有するとの条件を満足した低融点材料4を得るようにしても良い。例えばビスマスに、銅(Cu)またはタングステン(W)などの微粒子を添加することで、見かけの熱伝導率を高めることができる。この他、高価なため一般的ではないが、ガリウム(Ga:融点30℃)、インジウム(In:融点157℃)なども低融点材料4として利用可能である。但し、低融点材料4が金属に限定されるものではない。例えば、金属以外では溶融塩(例えばNaNO/KNO)などを低融点材料4として利用できる。
【0040】
伝熱用クッション1は例えば次のように作製される。例えば、2枚の薄い平板状の金属フォイルの一方または両方に対してプレス成形加工などを施し、これら2枚の金属フォイルの周縁を合わせた場合にこれら2枚の金属フォイル間に1〜2mm程度の隙間ができるようにする。この隙間に、当該隙間と同一厚さのシート状に成形された低融点材料4を入れて、前記2枚の金属フォイルを合わせた状態で、周囲を電子ビーム溶接などの方法により密封する。これにより、上記2枚の金属フォイルはシェル5として機能する。尚、図1は、2枚の平板状金属フォイルの一方のみに対してプレス成形加工を施し、低融点材料4を封入するための隙間を形成した例を示す。但し、図1の構成には限定されず、例えば2枚の平板状金属フォイルの双方に対してプレス成形加工などを施して、シェル5を構成する2枚の金属フォイルを上下対称の形状として、当該シェル5の内部に低融点材料4を封入するための隙間を形成するようにしても良い。また、低融点材料4を粉末(例えば上記に例示した金属の粉末)とし、当該粉末状の低融点材料4をシェル5の内部に形成した隙間に充填するようにしても良い。
【0041】
ここで、低融点材料4を封入した状態でシェル5の内部に隙間6ができるようにすることが好ましい。例えば本実施形態では、低融点材料4のシートの寸法をシェル5の内部の平面寸法よりも小さくして、シェル5の内部の隙間6を確保するようにしている。隙間6を確保することで、低融点材料4が溶融した際の体積膨張を吸収することができ、低融点材料4の体積膨張によりシェル5が破損してしまうことを防止できる。
【0042】
さらに、シェル5の内部に確保した隙間6は、真空または不活性雰囲気とすることが、低融点材料4の酸化を防ぐ上で好ましい。尚、シェル5の周囲を電子ビーム溶接により密封する場合は、電子ビーム溶接が真空雰囲気で行われるため、シェル5の内部は自ずと真空になる。シェル5の内部を不活性雰囲気とする場合には、例えばアルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスを低融点材料4とともにシェル5内に封入するようにする。
【0043】
シェル5を構成する2枚の金属フォイルの間の隙間の大きさ、換言すれば伝熱用クッション1の厚みhは、大きくするほど、加熱面S1や受熱面S2の温度差による曲面状の変形に柔軟に追従することができ、加熱面S1と受熱面S2との間を良好に充填することができるが、伝熱用クッション1自体の熱抵抗も大きくなるため、必要最小限とすることが好ましい。このため、伝熱用クッション1の厚みhは、加熱面S1や受熱面S2に想定される変形の程度により適宜決定する。
【0044】
加熱面S1と受熱面S2には、伝熱用クッション1を押圧する力が作用する。例えば受熱部材3が固定され熱源2が移動可能となる構成とし、熱源2を受熱部材3側に移動させて、図1に示す加圧力Pを作用させる。
【0045】
シェル5内に封入された低融点材料4は例えば熱源2で加熱されて溶融する。シェル5は液状の低融点材料4の変形を許容する柔軟性を備えるので、伝熱用クッション1は加熱面S1および受熱面S2に密着し、加熱面S1や受熱面S2が温度差により曲面状に変形してもこの変形に柔軟に追従して、加熱面S1と受熱面S2との間を良好に充填し、加熱面S1と受熱面S2の間に空隙が生じてしまうことを防ぐ。従って、伝熱用クッション1は加熱面S1および受熱面S2と常に良好な密着状態を保つ。
【0046】
ここで、シェル5の加熱面S1と対向する面または受熱面S2と対向する面の一方または双方に、加熱面S1または受熱面S2が接触し且つ摺動可能なシート材7を設けることがより好ましい。この場合、加熱面S1や受熱面S2が熱により大きく変化しても、加熱面S1や受熱面S2がシート材7上を滑りスライド移動するので、当該熱膨張変位を柔軟に許容し、シェル5にせん断応力が作用することを防ぎ、シェル5が破壊されてしまうことを防止できる。加熱面S1や受熱面S2の熱による変位量は、加熱面S1や受熱面S2の大きさ(拘束点からの距離)にほぼ比例するため、加熱面S1や受熱面S2が大型の場合に特に有効である。一般に加熱面S1の方が受熱面S2よりも熱膨張による変位量が大きいため、本実施形態では、シェル5の加熱面S1と対向する面にシート材7を設けている。但し、シェル5の受熱面S2と対向する面のみ、または加熱面S1および受熱面S2と対向する2面の双方に、シート材7を設けても良い。
【0047】
シート材7の材質は、接触熱抵抗を低減でき、且つ高い摺動性(即ち低摩擦係数)、耐熱性、シェル5の変形に追従できる柔軟性を備えるものが選択される。より望ましくは、厚さ方向に高い熱伝導率を有する材質が選択される。例えば、カーボンシートや高分子シートなどの利用が好ましい。
【0048】
例えば本実施形態では、シート材7として既存のカーボンシートを用いている。ここで、シート材7の厚さ方向の熱伝導率は高いことが好ましいが、既存のカーボンシートは、面方向の熱伝導率は高いが、厚さ方向の熱伝導率が低いものが一般的である。しかし、このような既存のカーボンシートでも、接触熱抵抗を大きく低減できる効果が得られることが、本願発明者の実験により明らかになった。以下に当該実験について説明する。
【0049】
例えば厚さ方向の熱伝導率が5(W/mK)であり厚さ0.15(mm)のカーボンシートを、銅製の2つのブロックの間に介在させて、0.4(kg/cm)で加圧して、熱抵抗を測定した。また、比較例として、カーボンシートを介在させずに、上記2つのブロックを上記と同じ圧力で加圧して、熱抵抗を測定した。さらに上記測定を温度条件を変化させて行った。測定結果を表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
表1に示すカーボンシート使用時の熱抵抗の値はカーボンシートを挟む2個の銅ブロックをカーボンシートの面と平行に相対変位させてもほとんど変化しない。また、表1に示すカーボンシート使用時の熱抵抗は、カーボンシートの上下面における銅ブロックとの接触熱抵抗およびカーボンシート自体の熱抵抗の合計である。このうちカーボンシート自体の熱抵抗(Rc)は以下の計算で求めることができる。
【0052】
<数式2>
カーボンシート自体の熱抵抗(Rc)=(厚さ)/(熱伝導率)
=0.15×10−3(m)/5(W/mK)
=3×10−5(mK/W)
【0053】
一方、熱抵抗の合計をRとすると、カーボンシートの上下面における銅ブロックとの接触熱抵抗は(R−Rc)/2で計算される。即ち、カーボンシートの上下面における銅ブロックとの接触熱抵抗は、150〜200℃で3.5×10−5(mK/W)、300〜400℃で3×10−5(mK/W)と推定される。
【0054】
他方、カーボンシートを介在させない場合の2個の銅ブロックの接触熱抵抗は、100×10−5(mK/W)以上である。従ってカーボンシートを採用することにより、熱抵抗を1/10以下に低減できる。また、上記実験結果から、カーボンシートが接触熱抵抗を低減する効果を発揮するために、0.4(kg/cm)以上の加圧力をカーボンシートに作用させることが望ましいと考えられる。尚、厚さ方向の熱伝導率を高くしたカーボンシートも開発される途上にあり、このようなカーボンシートを採用すれば、上記熱抵抗をさらに低減することができる。カーボンシートは、一般に、空気中では400℃程度まで、真空および不活性雰囲気中では1100℃程度まで使用可能である。
【0055】
シート材7としてのカーボンシートは、例えば接合材(例えば接着剤やろう材)を用いて、シェル5の加熱面S1と対向する面に貼り付けられる。また、例えば本実施形態では、接合材(例えば接着剤やろう材)を用いて、シェル5の受熱面S2と対向する面を、受熱面S2に貼り付けている。図1の符号9は、シェル5と受熱面S2を接合する接合材を示す。尚、シート材7とシェル5およびシェル5と受熱面S2の接合に用いる接合材は、高い熱伝導率を備えるものを用いることが好ましい。
【0056】
以上のように構成された伝熱用クッション1によれば、液状の低融点材料4およびこの低融点材料4を封入する柔軟なシェル5が、加熱面S1や受熱面S2の曲面状の変形(面外変形)に追従して、加熱面S1と受熱面S2との間を良好に充填し、加熱面S1と受熱面S2の間に空隙が生じてしまうことを防ぐ。従って、伝熱用クッション1は加熱面S1および受熱面S2と常に良好な密着状態を保つ。しかも、溶融した金属である低融点材料4は熱伝導率が高く、シェル5は金属製であり且つ柔軟性を達成するように薄く形成されているので、伝熱用クッション1自体の熱抵抗は低く、効率的に加熱面S1から受熱面S2へと熱を伝えることができる。この伝熱用クッション1を用いることにより、加熱面S1および受熱面S2の平面度および表面粗さに対する要求条件を緩和でき、また、加熱面S1と受熱面S2を直接接合しないので、加熱面S1と受熱面S2の熱膨張差によって熱源2や受熱部材3を破損してしまうこともない。
【0057】
さらに、加熱面S1側が熱膨張した場合でも、加熱面S1をシート材7上で滑らせて面方向(図1中の矢印A方向)にスライド移動させるので、シェル5に作用しようとするせん断応力を逃がし、シェル5の破壊を防止する。これにより、大型の加熱面S1の熱膨張変位、例えば大型の加熱ダクトの運転・停止中の温度差に起因する熱膨張変位を許容できる。また、シート材7としてのカーボンシートが介在する界面の熱抵抗を、これがない場合の1/10以下に低減することができる。
【0058】
次に、本発明の熱電変換モジュール20の実施形態について説明する。尚、以下の説明において上述の実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。この熱電変換モジュール20は、少なくとも一対の熱電素子10と、熱源2から熱を受ける受熱部と、熱電素子10を挟んで受熱部の反対側に位置して冷媒により冷却される放熱部とを備え、受熱部と放熱部との温度差により発電するものであり、受熱部または放熱部の一方または双方に、伝熱用クッション1を備えている。
【0059】
例えば図2に示す熱電変換モジュール20は、交互に並ぶ複数の熱電素子10としてのP型熱電半導体10aとN型熱電半導体10bと、隣接するP型熱電半導体10aとN型熱電半導体10bとを受熱部側と放熱部側とで交互に電気的に連結する電極11と、熱源2側の電極11に積層されて受熱部を構成する受熱板12と、熱源2とは反対側の電極11に積層されて放熱部を構成する冷却板13とを有している。受熱板12および冷却板13は電気絶縁性材料、例えばセラミックスなどで構成される。
【0060】
但し、図2に示す熱電変換モジュール20は一例であり、図示の構成に限定されず、既知の又は新規の構成を適宜採用できる。例えば、熱電素子10(P型熱電半導体10a,N型熱電半導体10b)の上下面の両方または一方の電極11の代わりに、電極層と電気絶縁層を有する傾斜機能材料から成るコンプライアント・パッド(FGMコンプライアント・パッド)を用いても良い。FGMコンプライアント・パッドは、例えば熱電素子10側が電極層、その反対側が電気絶縁層で、両者の組成が連続的に変化するものであり、例えば特許第3056047号や特許第3482094号に開示された物を利用することができる。尚、両面が電極層、内部が電気絶縁層から成るFGMコンプライアント・パッドを用いても良い。FGMコンプライアント・パッドを用いる場合、受熱板12または冷却板13は電気絶縁性材料製とする必要はなく、金属製でも良い。また、例えば冷却板13を省略してFGMコンプライアント・パッドを放熱部として機能させても良い。また、受熱板12を省略してFGMコンプライアント・パッドを受熱部として機能させても良い。また、熱電変換モジュール20を最小単位の熱電素子10を有するものにする、例えばP型とN型の熱電半導体を各1個備えるユニ・カップル型としても構わない。
【0061】
図2の例では受熱部となる受熱板12に、伝熱用クッション1を備えている。熱源2は、例えば加熱ダクトであり、伝熱用クッション1は熱源2と受熱板12との間に介在する。シート材7は、例えば接合材(例えば接着剤)を用いて、シェル5の加熱面S1と対向する面に貼り付けられる。また、シェル5の受熱板12と対向する面は、接合材(例えば接着剤)9を用いて、受熱板12に貼り付けられる。受熱板12の表面が受熱面S2となる。熱電変換モジュール20の放熱部となる冷却板13は、冷媒が内部を通過する冷却ダクト14に、例えば高い熱伝導率を有する接合材(例えば接着剤やろう材)を用いて接合される。図2中の符号15は、冷却板13を冷却ダクト14に接合する接合材を示す。但し、受熱部のみに伝熱用クッション1を備える構成に限定されず、放熱部のみ又は受熱部と放熱部の双方に、伝熱用クッション1を備える構成としても良い。
【0062】
熱源2としての加熱ダクトと冷却手段としての冷却ダクト14には、熱電変換モジュール20を押圧する力が作用する。例えば冷却ダクト14が固定され熱源2が移動可能となる構成とし、熱源2を冷却ダクト14側に移動させて、図2に示す加圧力Pを作用させる。
【0063】
以上のように構成された熱電変換モジュール20によれば、液状の低融点材料4およびこの低融点材料4を封入する柔軟なシェル5が、熱源2や受熱板12の曲面状の変形(面外変形)に追従して、熱源2と受熱板12との間を良好に充填し、熱源2と受熱板12との間に空隙が生じてしまうことを防ぐ。従って、伝熱用クッション1は熱源2および受熱板12と常に良好な密着状態を保つ。しかも、溶融した金属である低融点材料4は熱伝導率が高く、シェル5は金属製であり且つ柔軟性を達成するように薄く形成されているので、伝熱用クッション1自体の熱抵抗は低く、効率的に熱源2から受熱板12へと熱を伝えることができる。この伝熱用クッション1を用いることにより、熱源2としての加熱ダクトおよび受熱板12の平面度および表面粗さに対する要求条件を緩和できる。また、液状の低融点材料4を封入した柔軟なシェル5がクッションとして機能し、熱電変換モジュール20に作用する加圧力により熱電素子10が破壊してしまうことを防止する。
【0064】
さらに、熱源2としての加熱ダクトが熱膨張した場合でも、熱源2の熱電変換モジュール20に対する接触面(加熱面S1)をシート材7上で滑らせて面方向(図2中の矢印A方向)にスライド移動させるので、シェル5に作用しようとするせん断応力を逃がし、シェル5の破壊を防止する。これにより、加熱ダクトの運転・停止中の温度差に起因する熱膨張変位を許容できる。また、シート材7としてのカーボンシートが介在する界面の熱抵抗を、これがない場合の1/10以下に低減することができる。
【0065】
以上により、熱電変換モジュール20に負荷できる温度差を従来型の1.8倍程度に増大できる。熱電変換モジュール20の発電電力は温度差の2乗にほぼ比例するため、同一の熱電変換モジュール20を使用しても、本発明により熱電変換モジュール20の発電電力を約3倍に向上できる。すなわち実質的なエネルギー変換効率を約3倍に向上できる。これにより熱電変換システムの発電単価を約1/3に低減できる。
【0066】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本発明は、大型の加熱・冷却ダクトを備える熱電変換システム、例えば各種産業機器などの廃熱を熱源とする熱電変換システムへの適用が有効であるが、これに限定されず、発熱をともなう機器から熱を効果的に除去するするシステム、例えば自動車などの交通機関、宇宙システムおよび各種産業機器などに適用可能である。また、伝熱用クッション1には、シート材7を備えることが好ましいが、加熱面S1や受熱面S2が比較的小型である場合などには、シート材7を省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の伝熱用クッションの実施の一形態を示す側面図であり、一部を断面で示す。
【図2】本発明の熱電変換モジュールの実施の一形態を示す側面図であり、一部を断面で示す。
【図3】従来の発熱機器から放熱設備まで熱を輸送する熱輸送手段を示す概略構成図である。
【図4】従来の熱電変換モジュールを示し、(A)は熱電変換モジュールを加熱ダクトおよび冷却ダクトの間に挟み、ダクトの上下から加圧力を作用させる様子を示し、(B)は熱電変換モジュールと加熱ダクトおよび冷却ダクトの間にゴムシートを介在させる場合を示し、(C)は熱電変換モジュールと加熱ダクトおよび冷却ダクトの間にグリースを介在させる場合を示す。
【符号の説明】
【0068】
S1 高温側の面(加熱面)
S2 低温側の面(受熱面)
1 伝熱用クッション
4 低融点材料
5 シェル
6 シェル内部の隙間
7 シート材
10 熱電素子
12 受熱部(受熱板)
13 放熱部(冷却板)
20 熱電変換モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度差のある2面の間に介在しこれら2面から加圧力を受けると共に高温側の面から低温側の面へと熱を伝える伝熱用クッションであり、使用温度下で液状を呈する低融点材料と、この低融点材料を封入し且つ液状の前記低融点材料の変形を許容する柔軟性を備えるシェルとを有することを特徴とする伝熱用クッション。
【請求項2】
前記シェルの前記高温側の面と対向する面または前記低温側の面と対向する面の一方または双方に、前記高温側の面または前記低温側の面が接触し且つ摺動可能なシート材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の伝熱用クッション。
【請求項3】
前記シート材はカーボンシートであることを特徴とする請求項2記載の伝熱用クッション。
【請求項4】
前記シェルは金属フォイルよりなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の伝熱用クッション。
【請求項5】
前記低融点材料は融点が使用温度以下の金属であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の伝熱用クッション。
【請求項6】
前記低融点材料は、融点が使用温度以下の金属に、当該金属よりも熱伝導率の高い微粒子を添加してなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の伝熱用クッション。
【請求項7】
前記低融点材料を封入した状態で前記シェルの内部に隙間ができるようにしたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の伝熱用クッション。
【請求項8】
前記隙間を真空とする又は不活性雰囲気とすることを特徴とする請求項7記載の伝熱用クッション。
【請求項9】
少なくとも一対の熱電素子と、熱源から熱を受ける受熱部と、前記熱電素子を挟んで前記受熱部の反対側に位置して冷媒により冷却される放熱部とを備え、前記受熱部と前記放熱部との温度差により発電する熱電変換モジュールにおいて、前記受熱部または前記放熱部の一方または双方に、請求項1から8のいずれか1つに記載の伝熱用クッションを備えることを特徴とする熱電変換モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−24608(P2006−24608A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198981(P2004−198981)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【出願人】(000233572)日立粉末冶金株式会社 (272)