位置情報取得装置および位置情報取得方法
【課題】情報表示手段の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的に情報表示手段の特定方向の位置情報、例えば、情報表示手段が設置されている高さの情報を高い精度で取得することができる位置情報取得装置および位置情報取得方法を提供する。
【解決手段】物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手段と、予め設定された基準座標に対する情報検出手段によって識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手段と、基準座標と、座標検出手段によって検出された座標とに基づいて、情報検出手段によって識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手段と、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、位置情報算出手段によって算出された識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手段と、を備える。
【解決手段】物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手段と、予め設定された基準座標に対する情報検出手段によって識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手段と、基準座標と、座標検出手段によって検出された座標とに基づいて、情報検出手段によって識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手段と、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、位置情報算出手段によって算出された識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の情報を表示する情報表示手段が設置されている位置の情報を取得する位置情報取得装置および位置情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
棚などに収納している物品を識別するために、その物品に関する情報を記載(印刷)した札を、物品を収納している棚に設置することが行われている。この札は、従来、紙の媒体が利用され、例えば、この紙の媒体に物品名や物品識別情報(バーコード)などの物品情報を記載し、物品を収納している棚に貼り付けることによって、収納している物品を特定していた。例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店では、商品陳列棚に商品を陳列し、その商品名や価格などの商品情報を記載した商品棚札を商品陳列棚に貼り付けている。
【0003】
また、近年、この物品の情報を記載する札の電子化が進んでおり、例えば、液晶表示装置などの表示手段を備えた情報表示装置が利用されている。この情報表示装置を利用したシステムとして、例えば、上述のような販売店では、商品陳列棚に陳列されている商品の商品名や価格などの商品情報を情報表示装置に表示する電子棚札システムが利用されている。この電子棚札システムでは、店舗の裏側で商品を保管、管理するバックヤードに設置された電子棚札管理サーバや、店員(従業員)が携帯して商品の在庫などの商品管理情報を確認する携帯端末装置(ハンディ端末)と、商品陳列棚に設置され、商品情報を表示するESL(Electronic Shelf Label:電子棚札)とが無線通信などの通信手段によって接続されている。これにより、以前は紙の媒体に記載された商品情報の札を店員が貼り替えていた作業と同等の作業を、通信手段によってESLの表示内容(表示データ)を変更することによって容易に行うことができ、陳列商品の変更に伴う商品名の変更、商品価格の変更に伴う表示価格の変更、在庫確認に伴う商品の詳細情報の表示など、店員の労力軽減に貢献している。
【0004】
また、この電子棚札システムにおいては、商品陳列棚に陳列されている商品の商品コードと各ESLに個別に与えられた棚札コードとを紐付けした商品管理データを作成し、この商品管理データに基づいて商品の管理を行っている。例えば、商品陳列棚に陳列されている商品の在庫情報を確認する場合、まず、店員が携帯端末装置で棚札コードを読み取る。棚札コードを読み取った携帯端末装置は、読み取った棚札コードを電子棚札管理サーバに送信する。棚札コードを受信した電子棚札管理サーバは、棚札コードに紐付けされた商品の在庫情報を携帯端末装置に送信する。商品の在庫情報を受信した携帯端末装置は、受信した商品の在庫情報を自携帯端末装置の表示部に表示する。携帯端末装置に表示された商品の在庫情報を店員が確認する。このようにして、商品陳列棚に陳列されている商品の情報を確認することができる。
【0005】
このように、商品の情報を確認するためには、まず、店員が情報を確認したいESLを特定し、その特定したESLの棚札コードを携帯端末装置で読み取る必要がある。しかし、ESLの設置位置は、店員の手の届く場所のみとは限らない。そこで、特許文献1には、予め商品陳列棚とその商品陳列棚に設置されたESLの位置情報を記録しておき、携帯端末装置に備えた加速度センサを用いて、遠隔で所望のESLを特定する技術が開示されている。
【0006】
また、上述のような販売店においては、商品の陳列位置が、商品の売上に大きく影響を及ぼすため、商品の売り上げ向上を目的として、商品の陳列位置の情報を取得して管理することが望まれている。特に商品が商品陳列棚の何段目に陳列されているかという情報は、商品の販売戦略上、とても重要な情報であるため、この情報を把握できることが望まれている。この商品の陳列位置の情報を取得する手段として、例えば、商品情報を表示しているESLの位置情報を取得することによって、店舗内の商品の陳列位置を把握することが検討されている。
【0007】
しかし、従来の電子棚札システムにおいては、上述のように商品の商品コードとESLの棚札コードとを紐付けした商品管理データは、電子棚札管理サーバに保持しているが、設置されているESLの位置情報は、電子棚札管理サーバに通常保持しているデータではない。このため、どのESLがどこに設置されているかというような情報や、商品がどの商品陳列棚にあるかというような商品の陳列位置の情報を管理することができない。
【0008】
特許文献2には、商品コードを携帯端末装置で読み取る際に、その読み取り順序を予め定めておき、所定の順序で読み取った商品コードに基づいて商品の位置の情報を得る方法が開示されている。
【0009】
特許文献3には、携帯端末装置に超音波と赤外線とを出力する出力部を設け、さらに、商品陳列棚に超音波と赤外線とを検出する検出部を設ける方法が開示されている。この方法では、ESLに貼り付けられた商品コードを携帯端末装置が読み取る際に出力する超音波と赤外線とを、商品陳列棚に設置された検出部が検出することによってESLの位置を検出する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−91102号公報
【特許文献2】特開平3−123992号公報
【特許文献3】特開2004−258976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、ESLの位置情報を取得することによって商品の陳列位置の情報、特に商品陳列棚の何段目に商品が陳列されているかという情報を取得する方法は、店舗業務の効率化に貢献できる有用な方法である。しかし、従来の電子棚札システムにおいては、設置されているESLの位置情報を記録していないため、新たに電子棚札管理サーバにESLの位置情報を予め記録しておく必要がある。このESLの位置情報を記録するためには、陳列する商品数に応じた多数のESLの位置情報を、それぞれ手動で入力することが必要となり、この手入力は、非常に困難な作業である。また、商品陳列棚の陳列商品の変更や、商品陳列棚内での商品陳列位置の変更に伴うESLの位置情報の変更は、非常に繁雑な作業である。
【0012】
また、特許文献1に記載された技術は、加速度センサを用いてESLを特定しているが、単に加速度センサを、ESLを特定するための入力手段として用いているのみである。よって、特許文献1は、ESLの位置情報を取得するための技術ではない。従って、特許文献1でも、予め店舗内の商品陳列棚の設置位置や、商品陳列棚に設置されたESLの設置位置の情報を把握し、その把握した情報に基づいて電子棚札管理サーバに情報を入力(記録)する必要があるため、非常に手間がかかるという問題がある。
【0013】
また、特許文献2に記載された技術は、商品コードを読み取る順序を予め決めておくことにより、その商品コードの読み取り順番に基づいて商品の位置を特定している。しかし、ここで特定している商品の位置情報は、同じ商品陳列棚内に陳列されている商品を特定しているにすぎず、商品陳列棚内における商品の陳列位置の情報を取得する技術ではない。当然ながら、商品陳列棚の何段目に商品が陳列されているかという情報を取得することはできない。また、例えば、商品陳列棚の陳列商品の変更や、商品陳列棚内での商品陳列位置の変更などがあった場合、それが1つの商品の変更であった場合でも、商品陳列棚の商品コードを予め定められた順序で読み取り直す必要があるため、非常に作業性が悪いという問題がある。
【0014】
また、特許文献3に記載された技術は、商品陳列棚に検出部を設置する必要があり、システムが複雑となる。また、商品陳列棚に設置した検出部の検出結果に基づいてESLの位置情報を算出するため、このESLの位置情報の取得におけるデータ処理が複雑となり、特に商品陳列棚の何段目に商品が陳列されているかという高さの情報に関しては、高い精度で検出することができないという問題がある。
【0015】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、情報表示手段の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的に情報表示手段の特定方向の位置情報、例えば、情報表示手段が設置されている高さの情報を高い精度で取得することができる位置情報取得装置および位置情報取得方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明の位置情報取得装置は、物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手段と、予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手段と、前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手段と、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の前記情報検出手段はさらに、所定の場所に配置された物体から座標識別情報を検出し、前記座標検出手段はさらに、前記情報検出手段によって検出された前記座標識別情報に予め関連付けられている絶対座標を、前記基準座標に設定する、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の前記座標検出手段は、該位置情報取得装置が移動したときの加速度を検出する加速度センサと、該位置情報取得装置の方向が変化したときの角度を検出する角度センサと、を備え、前記位置情報補正手段は、該位置情報取得装置と予め定められた基準の場所との距離を検出する距離センサ、を備え、前記基準座標が設定されたときに前記加速度センサから出力される加速度の検出値と、前記角度センサから出力される角度の検出値とを初期化し、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するまでに出力される前記加速度センサからの加速度の検出値と、前記角度センサからの角度の検出値とに基づいて、前記基準座標が設定されたときから前記識別情報を検出したときまでの該位置情報取得装置の移動距離を算出し、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するときに出力される前記距離センサからの距離の検出値に基づいて、前記算出した該位置情報取得装置の移動距離を補正し、該補正した移動距離に基づいて、該位置情報取得装置が前記識別情報を検出したときの座標を、前記基準座標に対する相対座標として算出する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の前記加速度センサは、3軸の加速度を検出して、該検出した3軸の加速度のそれぞれの検出値を出力し、前記角度センサは、3軸の角度を検出して、該検出した3軸の角度のそれぞれの検出値を出力し、前記座標検出手段は、前記角度センサから出力された3軸の角度の検出値に基づいて、前記加速度センサから出力された3軸の加速度の検出値を補正し、該補正した3軸の加速度の検出値に基づいて該位置情報取得装置の3軸の移動距離を算出し、前記距離センサは、予め定められた基準の場所の特定方向における距離の検出値を出力し、前記位置情報補正手段は、前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記距離センサによって距離を検出した特定方向の移動距離を、前記距離センサによって検出した距離と差し替え、該差し換え後の移動距離を該位置情報取得装置の補正後の3軸の移動距離とする、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の前記位置情報補正手段は、該位置情報取得装置の高さ方向における距離を検出し、前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記位置情報算出手段が算出した前記識別情報を検出したときの高さの情報を補正する、ことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の前記情報表示手段は、前記物品を識別する情報を表示する電子棚札であり、前記情報検出手段は、前記電子棚札に対応付けられた装置識別情報を前記識別情報として検出する、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の位置情報取得方法は、情報検出手段が、物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手順と、座標検出手段が、予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手順と、位置情報算出手段が、前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手順と、位置情報補正手段が、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、情報表示手段の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的に情報表示手段の特定方向の位置情報を高い精度で取得することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態による位置情報取得装置を利用するシステムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるESLの概略構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるESLの概略の外観と表示の一例を示した図である。
【図4】本発明の実施形態における携帯端末装置の概略構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における携帯端末装置の概略構成を示した図である。
【図6】本発明の実施形態における店内の商品陳列棚の配置および座標の一例を示した図である。
【図7】本発明の実施形態におけるESLの配置の一例を示した図である。
【図8】本発明の実施形態における棚位置座標テーブルの一例を示した図である。
【図9】本発明の実施形態における商品陳列棚の位置の情報を読み取る方法を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態においてESLの位置情報を取得する全体の処理手順を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態においてESLの位置情報を算出する処理手順を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態においてESLの位置情報を取得する場合の一例を示した図である。
【図13】本発明の実施形態における携帯端末装置のセンサ検出値の処理方法を説明する図である。
【図14】本発明の実施形態における携帯端末装置の姿勢に応じたセンサ検出値の補正処理の方法を説明する図である。
【図15】本発明の実施形態における携帯端末装置の姿勢に応じたセンサ検出値の補正処理の方法を説明する図である。
【図16】本発明の実施形態における携帯端末装置の姿勢に応じたセンサ検出値の補正処理の方法を説明する図である。
【図17】本発明の実施形態において携帯端末装置の移動距離を補正する場合の一例を示した図である。
【図18】本発明の実施形態において携帯端末装置の移動距離を補正する場合の一例を示した図である。
【図19】本発明の実施形態における携帯端末装置のセンサ検出値の処理方法を説明する図である。
【図20】本発明の実施形態においてESLの位置情報を補正する場合の一例を示した図である。
【図21】本発明の実施形態における棚札位置テーブルの一例を示した図である。
【図22】本発明の実施形態においてESLの位置情報と商品の情報とを紐付けする場合の一例を説明する図である。
【図23】本発明の実施形態においてESLと商品の情報とを取得する処理手順を示したフローチャートである。
【図24】本発明の実施形態における商品リンク情報テーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による位置情報取得装置を利用する電子棚札システムを含む販売店システムの概略構成を示したブロック図である。図1において、販売店システム1は、店内システム10とバックヤードシステム20から構成される。
【0026】
バックヤードシステム20は、店舗のバックヤードにおいて店内に陳列して販売している商品の在庫や価格などを管理する商品管理システムである。バックヤードシステム20は、店内で販売している商品の在庫や価格などを管理するストアサーバ200と、店内で販売している商品の価格の表示を管理する電子棚札管理サーバ210から構成される。
【0027】
店内システム10は、販売する商品を陳列している店内のシステムである。店内システム10は、購入された商品の情報を管理するPOS(Point of sale:販売時点情報管理)システムレジスター(以下、「POSレジ」という)100、無線LANアクセスポイント110、中継器120、ESL130、携帯端末装置140、棚バーコード器150から構成される。
【0028】
図1に示した販売店システム1においては、バックヤードシステム20のストアサーバ200と店内システム10のPOSレジ100とがネットワークなどの接続手段によって接続されている。ストアサーバ200とPOSレジ100とは、この接続手段を介して相互にデータの伝送を行うことによって、商品の販売データの管理を行っている。例えば、商品が購入された際、POSレジ100は、購入された商品の商品コード(バーコード)などの商品情報をストアサーバ200に送信する。ストアサーバ200は、POSレジ100から受信した商品情報に基づいて、その商品の価格などの商品価格情報をPOSレジ100に送信する。POSレジ100は、ストアサーバ200から受信した商品価格情報に基づいて、その商品の価格を表示し、また、その他購入された商品の価格との合計金額などを表示する。なお、POSレジ100とストアサーバ200との間で行われるデータの伝送は、本発明に直接関連しないため、詳細な説明を省略する。また、本発明においては、POSレジ100やストアサーバ200の構成など、販売店における商品の販売方法に関しての規定はしない。
【0029】
電子棚札管理サーバ210は、ESL130の表示および店内におけるESL130の位置情報を管理する。電子棚札管理サーバ210は、ストアサーバ200とネットワークなどの接続手段によって接続されている。また電子棚札管理サーバ210は、店内システム10の無線LANアクセスポイント110とネットワークなどの接続手段によって接続されている。電子棚札管理サーバ210は、この接続手段を介してストアサーバ200内に記録されている商品の情報を店内システム10の無線LANアクセスポイント110に伝送する。また、無線LANアクセスポイント110を介して伝送されてきた店内システム10からのデータ要求などをストアサーバ200に伝送する。また、店内システム10から送られてきたESL130の位置情報に関するデータを記録する。なお、本発明においては、電子棚札管理サーバ210と、ストアサーバ200または無線LANアクセスポイント110との通信方法に関しての規定はしない。また、図1においては、電子棚札管理サーバ210とストアサーバ200とを別々のサーバで構成した例を示しているが、電子棚札管理サーバ210とストアサーバ200とを同一のサーバで構成し、それぞれ同一のサーバ上で動作する別の機能とすることもできる。
【0030】
無線LANアクセスポイント110は、店内に配置された中継器120と無線LANなどの無線通信手段によって接続されている。無線LANアクセスポイント110は、電子棚札管理サーバ210から伝送されてきた商品の情報を各中継器120に送信する。また、無線LANアクセスポイント110は、各中継器120から送信されてきたデータ要求などを受信し、電子棚札管理サーバ210に伝送する。図1では、1つの無線LANアクセスポイント110を店内に配置し、2つの中継器120と通信する場合の一例を示している。なお、無線LANアクセスポイント110は、店内に複数配置される構成とすることもできる。また、本発明においては、無線LANアクセスポイント110と、中継器120または電子棚札管理サーバ210との通信方法に関しての規定はしない。
【0031】
中継器120は、店内に配置されたESL130や、販売店の店員(従業員)が携帯する携帯端末装置140と無線LANなどの無線通信手段によって接続されている。中継器120は、無線LANアクセスポイント110から送信されてきた送信データを通信範囲内のESL130や携帯端末装置140に転送する。また、中継器120は、ESL130や携帯端末装置140から送信されてきたデータ要求などを受信し、無線LANアクセスポイント110に転送する。なお、例えば、無線LANアクセスポイント110の通信範囲が店内の全ての領域を網羅する場合など、無線LANアクセスポイント110の通信範囲によっては、中継器120を設置せずに店内システム10を構成することもできる。また、中継器120は、その無線通信の通信範囲に応じて店内に複数配置される構成とすることもできる。図1では、2つの中継器120を店内に配置し、それぞれの中継器120が、2つのESL130と通信する場合の一例を示している。また、本発明においては、中継器120と、ESL130または携帯端末装置140との通信方法に関しての規定はしない。
【0032】
ESL130は、店内に配置された図示しない商品陳列棚に陳列された商品の価格などの商品情報を表示する表示部を備えた情報表示装置である。ESL130は、中継器120から送信されてきた送信データに基づいて、ESL130の表示部に表示する商品情報が変更される。図1では、1つの中継器120と2つのESL130とが通信する場合の一例を示しているが、本発明においては、1つの中継器120と通信するESL130の数に関しての規定はしない。また、中継器120とESL130との通信方法に関しての規定もしない。なお、ESL130の構成に関しては、後述する。
【0033】
携帯端末装置140は、店員が携帯し、中継器120と通信することによって商品の情報を店員が確認することができる本発明の位置情報取得装置である。携帯端末装置140を店員が操作することによって、携帯端末装置140に備えたバーコード読み取り部が、ESL130に個別に与えられた棚札コード(バーコード)を読み取る。携帯端末装置140が読み取った棚札コードの情報は、中継器120および無線LANアクセスポイント110を介して電子棚札管理サーバ210に送信する。棚札コードを受信した電子棚札管理サーバ210は、棚札コードに紐付けされた商品の情報を、無線LANアクセスポイント110および中継器120を介して携帯端末装置140に送信する。商品の情報を受信した携帯端末装置140は、受信した商品の情報を携帯端末装置140に備えた表示部に表示する。このようにして、店員は携帯端末装置140に表示された商品の情報を確認することができる。
本実施形態の販売店システム1においては、電子棚札管理サーバ210、無線LANアクセスポイント110、中継器120、ESL130、携帯端末装置140によって電子棚札システムを構成している。なお、携帯端末装置140の構成に関しては、後述する。
【0034】
また、携帯端末装置140は、ESL130の位置情報を取得する際に、店員の操作によって、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報を読み取り、その読み取った棚位置識別情報を、ESL130の棚札コードの情報と同様に電子棚札管理サーバ210に送信する。なお、送信された棚位置識別情報に基づいたESL130の位置情報の取得方法に関しては、後述する。
【0035】
棚バーコード器150は、例えば、店内に設置された商品陳列棚に設置され、携帯端末装置140によってESL130の位置情報を取得する際に用いられる商品陳列棚の基準の位置を表示する札である。棚バーコード器150には、個別に与えられた棚位置識別情報が表示されており、この棚位置識別情報には、店内における棚バーコード器150の設置位置の情報(絶対座標)が関連付けられている。店員は、ESL130の位置情報を取得する際、最初に、この棚バーコード器150に表示された棚位置識別情報を、携帯端末装置140に備えたバーコード読み取り部によって読み取ることにより、この棚バーコード器150が設置されている位置の情報を取得する。これにより、電子棚札管理サーバ210は、棚バーコード器150が設置された商品陳列棚の店内における絶対座標の情報を取得することができる。図1では、商品陳列棚に設置された棚バーコード器150が、2点鎖線で囲まれたESL130の位置情報を取得する際に用いられる基準の位置となっている一例を示している。なお、棚バーコード器150の構成に関しては、後述する。
【0036】
次に、本実施形態の販売店システム1における電子棚札システムの電子棚札について説明する。図2は、本実施形態におけるESL130の概略構成を示したブロック図である。図2において、ESL130は、CPU(Central Processing Unit)131、メモリ132、LCD(Liquid Crystal Display)表示部133、無線通信部134から構成される。CPU131と、メモリ132と、LCD表示部133と、無線通信部134とは、ESL130内のバスを介して相互に接続されている。また、図3は、本実施形態におけるESL130の概略の外観と表示の一例を示した図である。図3において、ESL130には、個別に与えられた棚札識別情報(バーコード)が記載されている棚札コード135のラベルが貼り付けられている。なお、本実施形態における棚札コード135は、棚札識別情報(バーコード)が記載されたラベルであるとしているが、本発明においては、棚札コード135の形態に関しての規定はしない。例えば、ESL130に棚札コード135を印刷することもできる。
【0037】
CPU131は、ESL130の動作を制御する中央処理装置である。CPU131は、メモリ132に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ESL130の動作を制御する。
メモリ132は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリであり、CPU131が実行するプログラムや、ESL130に個別に与えられた棚札コード135や、この棚札コード135に対応したデータを記憶する。また、LCD表示部133に表示する商品名や価格などの商品情報を記憶する。また、メモリ132は、CPU131がプログラムを実行途中のデータを一時記憶する記憶領域としても利用される。
LCD表示部133は、メモリ132に記憶している商品名や価格などの商品情報を表示する。例えば、図3に示したような、商品のメーカー、商品名、内容量、価格などの商品情報を表示する。
無線通信部134は、CPU131からの制御に基づいて、中継器120との通信を行い、LCD表示部133に表示する商品名や価格などの商品情報を受信する。
【0038】
次に、本実施形態の販売店システム1における電子棚札システムの携帯端末装置について説明する。図4は、本実施形態における携帯端末装置140の概略構成を示したブロック図である。図4において、携帯端末装置140は、CPU141、メモリ142、LCD表示部143、無線通信部144、バーコード読み取り部145、センサ部146、超音波センサ部147から構成される。CPU141と、メモリ142と、LCD表示部143と、無線通信部144と、バーコード読み取り部145と、センサ部146と、超音波センサ部147とは、携帯端末装置140内のバスを介して相互に接続されている。
【0039】
また、図5は、本実施形態における携帯端末装置140の概略の構造の一例を示した図である。図5において、センサ部146および超音波センサ部147は、携帯端末装置140の回路基板上に配置される。図5においては、センサ部146を回路基板の上面に配置し、超音波センサ部147を回路基板の下面に配置された一例を示している。また、バーコード読み取り部145は、携帯端末装置140の先端部に配置される。
【0040】
なお、本実施形態においては、センサ部146を回路基板の上面に配置し、超音波センサ部147を回路基板の下面に配置し、バーコード読み取り部145を携帯端末装置140の先端部に配置した例を示しているが、センサ部146、超音波センサ部147、およびバーコード読み取り部145の配置は、図5に示した配置に制限するものではなく、後述するセンサ部146、超音波センサ部147、およびバーコード読み取り部145の機能を実現することができる配置であればよい。従って、本発明においては、センサ部146、超音波センサ部147、およびバーコード読み取り部145の配置に関しての規定はしない。
【0041】
CPU141は、携帯端末装置140の動作を制御する中央処理装置である。CPU141は、メモリ142に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末装置140の動作を制御する。
メモリ142は、ROMやRAMなどの半導体メモリであり、CPU141が実行するプログラムや、読み取ったESL130の棚札コード135や、この棚札コード135に対応したデータを記憶する。また、無線通信部144が受信した商品名や価格などの商品情報や、商品の在庫などの商品管理情報や、LCD表示部143に表示することによって店員に知らせる商品の情報を記憶する。また、メモリ132は、CPU131がプログラムを実行途中のデータを一時記憶する記憶領域としても利用される。
LCD表示部143は、メモリ142に記憶している店員に知らせる商品の情報を表示する。
無線通信部144は、CPU141からの制御に基づいて、中継器120との通信を行い、読み取ったESL130の棚札コード135に関する情報を送信する。また、無線通信部144は、中継器120から送信されてくる、LCD表示部143に表示することによって店員に知らせる商品の情報を受信する。
【0042】
バーコード読み取り部145は、ESL130に個別に与えられた棚札コード135、または商品に付与された商品コード(バーコード)を読み取り、読み取ったバーコードの情報を無線通信部144を介して中継器120に送信する。また、バーコード読み取り部145が読み取ったバーコードの情報は、メモリ142にも記憶される。
また、バーコード読み取り部145は、ESL130の位置情報を取得する際に、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報を読み取る。
【0043】
センサ部146は、携帯端末装置140の移動を検出する。センサ部146は、図示しない加速度センサとジャイロセンサから構成される。加速度センサは、携帯端末装置140が移動するときの加速度を検出し、ジャイロセンサは、携帯端末装置140が移動するときの角速度を検出する。
【0044】
超音波センサ部147は、携帯端末装置140がESL130に個別に与えられた棚札コード135を読み取るときに、商品陳列棚が配置された店内の床面に対して超音波送受信部1471から超音波を送出し、床面から反射してきた反射波を超音波送受信部1471で検出する。これにより、床面とESL130との距離、すなわち、床面からESL130までの高さを検出することができる。
【0045】
携帯端末装置140のCPU141は、センサ部146内の加速度センサとジャイロセンサとが検出した携帯端末装置140の加速度と角速度とに基づいて、携帯端末装置140の移動距離を算出する。CPU141は、この算出した移動距離に基づいてESL130の位置情報を算出する。また、CPU141は、超音波センサ部147が超音波を送出した時点から、反射波を検出した時点までの時間に基づいて、床面とESL130との距離を算出し、この算出した距離を床面からESL130までの高さの情報とする。また、CPU141は、算出したESL130の位置情報とESL130の高さ情報とをメモリ142に記憶するとともに、通信部144を介して電子棚札管理サーバ210に送信する。
【0046】
また、CPU141は、算出したESL130の高さ情報に基づいて、算出したESL130の位置情報を補正し、補正したESL130の位置情報をメモリ142に記憶するとともに、通信部144を介して電子棚札管理サーバ210に送信する。
なお、加速度センサおよびジャイロセンサにより検出値から移動距離を算出する算出方法と、超音波センサ部147による超音波を送出および反射波の検出から高さ情報を算出する算出方法とに関しては、後述する。また、算出した移動距離と高さ情報とに基づくESL130の位置情報の算出方法に関しても、後述する。
【0047】
次に、位置情報を取得するESLの店内の配置について説明する。図6は、店内において位置情報を取得するESL130が設置された商品陳列棚の配置の一例を示した図である。図6に示した店内には、商品陳列棚300−1〜300−3(以下、まとめて表すときには、「商品陳列棚300」という)が配置されている。また、それぞれの商品陳列棚300には、棚バーコード器150が配置されている。なお、図6においては、図1で示した無線LANアクセスポイント110、中継器120などの無線通信手段、およびPOSレジ100は、本発明に直接関連しないため図示を省略している。
図7は、商品陳列棚300−1におけるESL130の配置の一例を示した図である。図7に示した商品陳列棚300−1には、ESL130−1〜ESL130−13が配置されている。
【0048】
また、図6には、店内における棚バーコード器150の座標の一例を示している。また、図7には、商品陳列棚300−1における棚バーコード器150の座標の一例を示している。
図6においては、右方向をX軸方向とし、上方向をY軸方向とし、垂直方向(図6の手前方向)をZ軸方向としている。また、図7においては、右方向がX軸方向であり、上方向がZ軸方向であり、垂直方向(図7の奥行き方向)がY軸方向である。このX軸、Y軸、Z軸を店舗内における基準の絶対座標軸としている。
図6および図7においては、図6に示した地点Aの床面位置における座標を、店舗内における基準の絶対座標である基準座標(基準座標(X,Y,Z)=(0,0,0))として設定している。なお、以下の説明において、絶対座標を表すときは、大文字の“X”、“Y”、“Z”で表す。
【0049】
また、図6に示したように、各商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150には、その設置された位置を表す棚バーコード座標が、地点Aからの距離に応じた絶対座標として設定されている。例えば、商品陳列棚300−1に設置された棚バーコード器150の棚バーコード座標には、地点Aからの距離X1,Y1,Z1に応じた絶対座標(棚バーコード座標(X1,Y1,Z1))が設定されている。図6においては、地点Aからの距離X1およびY1と棚バーコード座標の関係を理解することができる。また、図7では、商品陳列棚300−1に設置された棚バーコード器150の地点Aからの距離Z1と棚バーコード座標の関係を理解することができる。この棚バーコード座標は、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報と関連付けられて、棚バーコード器150の位置情報として、商品陳列棚300−1の管理情報とともに、棚位置座標テーブルとして電子棚札管理サーバ210に記録されている。
【0050】
また、図7に示したように、棚バーコード器150が設置されている面(以下、「表面」という)における商品陳列棚300−1の絶対座標が、棚表座標(棚表座標(Xf,Yf,Zf))として設定されている。この棚表座標は、商品陳列棚300−1の表面を正面から見たときの左下の角の位置の座標を、地点Aからの距離に応じた絶対座標として設定したものである。
また、図6に示したように、棚バーコード器150が設置されている面と反対の面(以下、「裏面」という)における商品陳列棚300−1の絶対座標が、棚裏座標(棚裏座標(Xb,Yb,Zb))として設定されている。この棚裏座標は、商品陳列棚300−1の裏面を正面から見たときの左上の角の位置の座標を、地点Aからの距離に応じた絶対座標として設定したものである。
この棚表座標と棚裏座標とは、商品陳列棚300−1の管理情報と関連付けて電子棚札管理サーバ210内の棚位置座標テーブルに記録される。
【0051】
なお、上述した棚表座標と棚裏座標とに関しては、以下のようにすることもできる。例えば、棚表座標から商品陳列棚300−1の大きさに応じた距離に基づいた座標を算出して棚裏座標として設定することもできる。また、例えば、商品陳列棚300−1の裏面に他の棚バーコード器150が設置されている場合、商品陳列棚300−1の表面の棚バーコード器150の棚バーコード座標を棚表座標とし、商品陳列棚300−1の裏面の棚バーコード器150の棚バーコード座標を棚裏座標とすることによって、棚表座標と棚裏座標に代えて使用する構成とすることができる。
【0052】
図8は、本実施形態において、電子棚札管理サーバ210に記録された棚位置座標テーブルの一例を示した図である。図8に示した棚位置座標テーブルは、商品陳列棚300の管理情報である棚サイズと、商品陳列棚300の絶対座標である棚表座標および棚裏座標と、商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150の棚バーコード座標とが、商品陳列棚300に関連付けられた情報テーブルである。
【0053】
次に、棚位置識別情報の読み取り方法について説明する。図9は、本実施形態の携帯端末装置140によって店内における商品陳列棚の絶対座標の情報を読み取る方法を説明する図である。図9(a)は、棚バーコード器150の概略の構造の一例を示し、図9(b)は、バーコードを読み取る携帯端末装置140の先端部の概略の構造の一例を示している。また、図9(c)は、携帯端末装置140による棚バーコード器150に表示された棚位置識別情報の読み取り方法を示している。
【0054】
図9(a)に示したように、棚バーコード器150の中心部分には、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報(バーコード)が記載されている棚バーコード151のラベルが貼り付けられている。なお、本実施形態における棚バーコード151は、棚位置識別情報(バーコード)が記載されたラベルであるとしているが、本発明においては、棚バーコード151の形態に関しての規定はしない。例えば、棚バーコード器150に棚バーコード151を印刷することもできる。
また、図9(a)に示したように、棚バーコード器150の左右の端部には、嵌合部152および嵌合部153が備えられている。この嵌合部152および嵌合部153は、例えば、凸形状となっており、後述する携帯端末装置140の先端部の構造と併せて、棚バーコード151を読み取るときの位置が常に一定の位置に合わされる。
【0055】
図9(b)に示したように、携帯端末装置140の先端部の中心部分には、バーコード読み取り部145が配置されており、棚バーコード器150に貼り付けられている棚バーコード151を読み取る。
また、図9(b)に示したように、携帯端末装置140の先端部の左右の端部には、嵌合部148および嵌合部149が備えられている。この嵌合部148および嵌合部149は、例えば、凹形状となっており、棚バーコード器150の嵌合部152および嵌合部153の構造と併せて、棚バーコード151を読み取るときの位置が常に一定の位置に合わされる。
【0056】
携帯端末装置140によって棚バーコード器150に貼り付けられている棚バーコード151を読み取るときには、図9(c)に示したように、棚バーコード器150の嵌合部152および嵌合部153と、携帯端末装置140の嵌合部148および嵌合部149とを嵌め合う。これにより、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取るときの携帯端末装置140の姿勢を、常に一定に保つことができる。
【0057】
また、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取るときに、携帯端末装置140のセンサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値とを初期化する。その後に携帯端末装置140は、ESL130の位置情報の取得のために棚札コード135を読み取ったときの加速度および角速度に基づいて、ESL130の位置情報を算出する。なお、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取ったときの加速度および角速度を初期値とし、この初期値と、その後に携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときの加速度および角速度とに基づいて、ESL130の位置情報を算出する構成とすることもできる。
【0058】
また、商品陳列棚300に棚バーコード器150を設置する際には、図9に示した加速度センサおよびジャイロセンサの検出軸であるx軸、y軸、z軸と、店舗内における基準の絶対座標軸であるX軸、Y軸、Z軸とが同じ方向であるように設置することが望ましい。これにより、基準座標(X,Y,Z)の軸方向に対する加速度センサおよびジャイロセンサの相対座標(x,y,z)の軸方向の相対関係を一定の方向に固定することができる。なお、以下の説明において、相対座標を表すときは、小文字の“x”、“y”、“z”で表す。
以下、本実施形態の説明においては、センサ検出軸(x軸、y軸、およびz軸)と、基準の絶対座標軸(X軸、Y軸、およびZ軸)とは同一の方向であるとして説明を行う。
【0059】
また、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取るときに、携帯端末装置140の超音波センサ部147によって、棚バーコード器150が設置されている高さの情報を補正することができる。すなわち、予めわかっている棚バーコード器150が設置されている高さの値と、携帯端末装置140によって検出した高さの値との誤差を確認する。これにより、その後に携帯端末装置140がESL130の位置情報の取得のために棚札コード135を読み取ったときの高さの検出値の精度を向上することができる。なお、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取ったときの高さの値を初期値とし、この初期値と、その後に携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときの高さの検出値とに基づいて、ESL130の高さの情報を算出する構成とすることもできる。
【0060】
なお、図9において携帯端末装置140の姿勢を常に一定に保つ方法として、棚バーコード器150に備えた凸形状の嵌合部152および嵌合部153と、携帯端末装置140に備えた凹形状の嵌合部148および嵌合部149とを嵌め合わせる方法を示したが、本発明においては、携帯端末装置140の姿勢を常に一定に保つ方法に関しての規定はしない。例えば、棚バーコード器150に備えた嵌合部152および嵌合部153の位置と、携帯端末装置140に備えた嵌合部148および嵌合部149の位置とに永久磁石を備え、棚バーコード器150と携帯端末装置140とが近づいたときに、それぞれの永久磁石が引き寄せられる力を利用して棚バーコード器150と携帯端末装置140とを接触させることによって、携帯端末装置140の姿勢を一定に保つ構成とすることもできる。
【0061】
次に、ESL130の位置情報の取得方法について説明する。図10は、本実施形態の携帯端末装置140においてESL130の位置情報を取得する全体の処理手順を示したフローチャートである。また、図11は、本実施形態の携帯端末装置140によってESL130の位置情報を算出する処理手順を示したフローチャートである。また、図12は、図7に示した商品陳列棚300−1のESL130の配置において、ESL130の位置情報を取得する場合の一例を示した図である。
【0062】
ESL130の位置情報を取得する全体の処理手順は、以下である。
まず、ステップS100において、携帯端末装置140は、動作モードとして位置取得モードが選択されているか否かを確認する。位置取得モードが選択されている場合は、ステップS110に進む。なお、携帯端末装置140の動作モードの選択は、携帯端末装置140を携帯している店員の操作などによって行われるが、本発明においては、携帯端末装置140の動作モードの選択の方法に関しての規定はしない。
【0063】
また、ステップS100において、位置取得モードが選択されていない場合、ステップS100を繰り返す。なお、携帯端末装置140の動作モードとして位置取得モードが選択されていない場合、携帯端末装置140は、位置取得モード以外の動作モードによる動作を行うが、本発明においては、位置取得モード以外の動作に関しての規定はしない。また、位置取得モード以外の動作中におけるステップS100への処理の遷移は、例えば、位置取得モード以外の動作中に、予め定められた時間の間隔でステップS100を実行することによって、ステップS100を繰り返す処理とすることもできるが、本発明においては、位置取得モード以外の動作中におけるステップS100への処理の遷移に関しても規定はしない。
【0064】
ステップS110において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151の読み取りがされたか否かを確認する。棚バーコード151の読み取りがされた場合は、ステップS120に進む。そして、ステップS120において、携帯端末装置140は、棚バーコード151の読み取りがされたときのセンサ部146の出力値を初期化し、センサ部146による検出を開始する。より具体的には、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値の積分値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値の積分値と、加速度センサとジャイロセンサとによる検出時間とを“0”にクリアし、その後、加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値の積分を開始する。
【0065】
なお、携帯端末装置140による棚バーコード151の読み取りは、携帯端末装置140を携帯している店員の操作などによって行われるが、本発明においては、携帯端末装置140における棚バーコード151の読み取りのための操作方法に関しての規定はしない。
また、ステップS120において、携帯端末装置140は、超音波センサ部147によって棚バーコード151の読み取りがされたときの高さ情報を取得してもよい。
【0066】
また、ステップS110において、棚バーコード151の読み取りがされていない場合、ステップS110を繰り返す。なお、ステップS110の繰り返しは、例えば、予め定められた時間の間隔でステップS110を実行することによって、ステップS110を繰り返す処理とすることもできる。また、例えば、図9(c)に示したように、棚バーコード器150の嵌合部152および嵌合部153と、携帯端末装置140の嵌合部148および嵌合部149とが嵌め合ったことにより、携帯端末装置140の姿勢が一定に保たれたことを検出したときや、携帯端末装置140の姿勢を一定に保った状態で店員の操作によって棚バーコード151の読み取りが指示されたときにステップS110による棚バーコード151の読み取りの確認をする処理とすることもできる。本発明においては、ステップS110の繰り返しの処理に関しての規定はしない。また、店員の操作による棚バーコード151の読み取りの指示方法に関しても規定はしない。
【0067】
ステップS120においてセンサ部146による検出を開始した後、ステップS130において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によってESL130に貼り付けられた棚札コード135の読み取りがされたか否かを確認する。棚札コード135の読み取りがされた場合、携帯端末装置140は、棚札コード135の読み取りがされたときのセンサ部146の出力値を携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。また、携帯端末装置140は、棚札コード135の読み取りがされたときに超音波センサ部147から超音波を送出と反射波の検出とを行い、超音波を送出した時刻と反射波を検出した時刻とを携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。なお、携帯端末装置140による棚札コード135の読み取りは、携帯端末装置140を携帯している店員の操作などによって行われるが、本発明においては、携帯端末装置140における棚札コード135の読み取りのための操作方法に関しての規定はしない。
【0068】
また、ステップS130において、棚札コード135の読み取りがされていない場合、ステップS130を繰り返す。なお、ステップS130の繰り返しは、例えば、予め定められた時間の間隔でステップS130を実行することによって、ステップS130を繰り返す処理とすることもできる。また、例えば、店員による携帯端末装置140の操作によって棚札コード135の読み取りが指示されたときにステップS130による棚札コード135の読み取りの確認をする処理とすることもできる。本発明においては、ステップS130の繰り返しの処理に関しての規定はしない。また、店員の操作による棚札コード135の読み取りの指示方法に関しても規定はしない。
【0069】
ステップS140において、携帯端末装置140は、メモリ142に記憶されているセンサ部146の出力値と、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻および反射波を検出した時刻とに基づいて、ESL130の位置情報を算出する。
【0070】
ステップS140において携帯端末装置140は、ESL130の位置情報を算出した後、ステップS150において、携帯端末装置140は、算出したESL130の位置情報と読み取った棚札コード135の情報とを電子棚札管理サーバ210に送信する。
【0071】
続いて、ステップS160において、携帯端末装置140は、次のESL130の棚札コード135の読み取りを行うか否かを確認する。次の棚札コード135の読み取りを行う場合は、ステップS130に戻って、棚札コード135の読み取り、ESL130の位置情報の算出、算出したESL130の位置情報の電子棚札管理サーバ210への送信を繰り返す。また、次の棚札コード135の読み取りを行わない場合は、処理を完了する。
【0072】
ESL130の位置情報を算出する処理手順は、以下である。なお、具体的なESL130の位置情報の算出方法については、後述するため、ここでは、ESL130の位置情報を算出する際の処理の流れについてのみ説明する。
【0073】
まず、ステップS200において、携帯端末装置140内のCPU141は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値とに基づいて、携帯端末装置140が移動したときの姿勢変化情報を算出する。
続いて、ステップS210において、CPU141は、算出した姿勢変化の情報に基づいて、携帯端末装置140が移動したときの加速度成分を算出する。
続いて、ステップS220において、CPU141は、算出した加速度成分に基づいて、携帯端末装置140の移動距離を算出する。
続いて、ステップS230において、CPU141は、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻と、超音波センサ部147が反射波を検出した時刻とに基づいて、携帯端末装置140がESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの携帯端末装置140と床面との距離、すなわち、商品陳列棚300に設置されているESL130の高さを算出する。
続いて、ステップS240において、CPU141は、算出した携帯端末装置140の移動距離とESL130の高さとに基づいて、携帯端末装置140がESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの相対座標、すなわち、商品陳列棚300においてESL130が配置されている位置の座標を算出する。
【0074】
このように、加速度センサとジャイロセンサとの検出値、および超音波の送出時刻と反射波の検出時刻に基づいて、ESL130の位置の相対座標を算出する。このESL130の相対座標には、商品陳列棚300に配置されているESL130に対する精度の良い高さ情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、ESL130が商品陳列棚300の何段目に配置されているかという情報を精度良く得ることもできる。そして、携帯端末装置140から、ESL130の相対座標を受信した電子棚札管理サーバ210は、棚バーコード151に対応付けられた絶対座標に基づいて、取得したESL130の絶対座標を算出することができる。
【0075】
なお、図11のステップS240におけるESL130の座標の算出は、携帯端末装置140内のCPU141が行う構成で説明したが、ステップS220における携帯端末装置140の移動距離の算出と、ステップS230における携帯端末装置140と床面との距離の算出までを携帯端末装置140内のCPU141が実行して、この算出した携帯端末装置140の移動距離と床面との距離を電子棚札管理サーバ210に送信する構成とすることができる。この場合、電子棚札管理サーバ210は、受信した携帯端末装置140の移動距離と床面との距離とに基づいて、商品陳列棚300におけるESL130の相対座標、および店内におけるESL130の絶対座標を算出することとなる。
【0076】
また、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取った際に、電子棚札管理サーバ210から読み取った棚バーコード器150の棚バーコード座標を取得し、この棚バーコード座標に基づいて、携帯端末装置140内のCPU141がESL130の絶対座標の算出までを実行する構成とすることもできる。この場合、電子棚札管理サーバ210は、携帯端末装置140から受信した商品陳列棚300におけるESL130の相対座標、および店内におけるESL130の絶対座標を記録するのみとなる。
【0077】
ここで、ESL130位置情報を取得する場合の一例を、図12を用いて説明する。図12は、棚バーコード器150の絶対座標に基づいてESL130−5の位置情報を取得する一例を示している。
図10に示したステップS120においてセンサ部146による検出を開始した後、図12に示した移動軌跡Bをたどって店員が携帯端末装置140をESL130−5のところまで移動させ、ESL130−5に貼り付けられた棚札コード135を読み取る。このときの携帯端末装置140のESL130−5への移動距離は、加速度センサとジャイロセンサとの検出値に基づいて、X軸方向にXE5、Y軸方向にYE5(図示せず)、Z軸のマイナス方向にZE5と算出される。そして、この算出された移動距離に基づいてESL130−5の相対座標(ESL130−5相対座標=(XE5,YE5,−ZE5))を得ることができる。
【0078】
これにより、棚バーコード座標(X1,Y1,Z1)とESL130−5相対座標=(XE5,YE5,−ZE5)とに基づいて、ESL130−5の絶対座標(ESL130−5絶対座標=(X1+XE5,Y1+YE5,Z1−ZE5))を得ることができる。
【0079】
また、携帯端末装置140がESL130−5に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの携帯端末装置140と床面との距離は、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻と、超音波センサ部147が送出した超音波の反射波を検出した時刻とに基づいて、携帯端末装置140と床面との距離ZEs5と算出される。
【0080】
そして、上述のESL130−5絶対座標=(X1+XE5,Y1+YE5,Z1−ZE5)の高さ方向の座標であるZ方向の値を、携帯端末装置140と床面との距離ZEs5の値に置き換え、ESL130−5の補正絶対座標(ESL130−5絶対座標=(X1+XE5,Y1+YE5,ZEs5))を得ることができる。
【0081】
次に、携帯端末装置140の移動距離の算出方法について説明する。図13は、センサ部146による検出値の処理方法を説明する図である。図13(a)は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値の処理方法を示し、図13(b)は、センサ部146内のジャイロセンサが出力した角速度の値の処理方法を示している。また、図14〜図16は、携帯端末装置140の姿勢に応じて検出されるセンサ部146の検出値の補正処理の方法を説明する図である。なお、図15および図16においては、携帯端末装置140の移動距離の算出に関係しない超音波センサ部147の図示を省略している。
【0082】
携帯端末装置140の移動距離は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値を処理することによって得ることができる。
図13(a)に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させたとき、センサ部146内の加速度センサは、携帯端末装置140の移動に伴う加速度a(t)[m/sec2]の値を出力する。この加速度a(t)を時間tで1回積分することにより速度v(t)[m/sec]が得られる。さらに、速度v(t)を時間tで1回積分することにより距離k(t)[m]を得ることができる。この距離k(t)が、携帯端末装置140の移動距離となる。
【0083】
しかし、図13(a)に示したように移動距離を求めるためには、携帯端末装置140にかかる重力加速度を考慮し、この重力加速度を差し引くことが必要となる。また、この重力加速度は、携帯端末装置140の姿勢に応じてその重力加速度の値が異なるため、携帯端末装置140の姿勢の変化を検出する必要がある。
【0084】
携帯端末装置140の姿勢の変化は、センサ部146内のジャイロセンサが出力した角速度の値を処理することによって得ることができる。
図13(b)に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させたとき、センサ部146内のジャイロセンサは、携帯端末装置140の移動に伴う角速度Ω(t)[deg/sec]の値を出力する。この角速度Ω(t)を時間tで1回積分することにより、図13(c)に示した軸における角度θ(t)[deg]が得られる。この角度θ(t)が、携帯端末装置140の移動角度となる。
【0085】
そして、この移動角度に基づいて、携帯端末装置140のそれぞれの軸方向にかかる重力加速度を算出する。
図14(a)に示すように、携帯端末装置140のZ軸方向には、常に1.0Gの重力加速度agがかかっており、センサ部146内の加速度センサは、z軸方向に重力加速度agを検出している。この状態は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取るときの初期の姿勢である。この初期の姿勢からESL130の位置情報を取得するために店員が携帯端末装置140を移動させたときの手振れなどに伴って、例えば、図14(b)に示したようなX軸回りの回転があった場合、携帯端末装置140の姿勢は、図14(c)に示したような姿勢となる。このとき、センサ部146内の加速度センサによって検出される重力加速度agは、X軸回りの回転角θxに応じて、以下のようなz軸方向の重力加速度成分agzと、y軸方向の重力加速度成分agyとに分かれて検出される。
z軸方向:agz=ag×cosθx
y軸方向:agy=ag×sinθx
【0086】
また、図15(a)に示すような、センサ部146内の加速度センサがz軸方向に重力加速度agを検出している初期の姿勢から、店員による携帯端末装置140の移動に伴って、例えば、図15(b)に示したようなY軸回りの回転があった場合、携帯端末装置140の姿勢は、図15(c)に示したような姿勢となる。このとき、センサ部146内の加速度センサによって検出される重力加速度agは、Y軸回りの回転角θyに応じて、以下のようなz軸方向の重力加速度成分agzと、x軸方向の重力加速度成分agxとに分かれて検出される。
z軸方向:agz=ag×cosθy
x軸方向:agx=ag×sinθy
【0087】
また、図16(a)に示すような、携帯端末装置140の姿勢から、店員による携帯端末装置140の移動に伴って、例えば、図16(b)に示したようなZ軸回りの回転があった場合、携帯端末装置140の姿勢は、図16(c)に示したような姿勢となる。このとき、センサ部146内の加速度センサによって検出される加速度aは、x軸方向の加速度成分axと、y軸方向の加速度成分ayとに分かれて検出される。このx軸方向の加速度成分axと、y軸方向の加速度成分ayとは、店舗内における基準の絶対座標軸であるX軸、Y軸と異なっている。そこで、図16(d)に示すように、Z軸回りの回転角θzに応じて、加速度センサによって検出されて加速度aを、店舗内における基準の絶対座標軸の成分、すなわち、X軸方向の加速度成分aXと、Y軸方向の加速度成分aYとに補正する。この補正した加速度成分aXと加速度成分aYを、図13(a)に示した方法によって処理し、ESL130の位置情報を取得するために店員が携帯端末装置140を移動させたときの携帯端末装置140の移動距離を算出する。
【0088】
なお、図14に示したX軸回りの回転、および図15示したY軸回りの回転においては、上述したそれぞれの軸方向にかかる重力加速度成分を、加速度センサによって検出されて加速度aから差し引くことによって、携帯端末装置140の移動に伴う加速度を算出する。そして、図16(d)に示した考えと同様に、回転角θxおよび回転角θyに応じて、この重力加速度成分を差し引いた加速度を、店舗内における基準の絶対座標軸の成分に補正する。その後、図13(a)に示した方法によって処理することにより、携帯端末装置140の移動距離を算出する。
【0089】
このようにして、携帯端末装置140は、自携帯端末装置140の移動距離を算出し、この算出した移動距離に基づいて、ESL130の位置の相対座標を算出する。また、携帯端末装置140は、この算出したESL130の相対座標と、ESL130の棚札コード135とを自携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。
【0090】
なお、携帯端末装置140が、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取った際に、電子棚札管理サーバ210から読み取った棚バーコード器150が設置されている商品陳列棚300のサイズに関する情報(以下、「棚情報」という)を取得する構成とした場合には、この棚情報に基づいて、携帯端末装置140の移動距離を補正することができる。なお、携帯端末装置140が取得する棚情報は、例えば、図8に示した棚位置座標テーブルの情報である。以下の説明においては、携帯端末装置140が取得した棚情報は、図8に示した棚位置座標テーブルであるものとして説明する。
【0091】
例えば、図17に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させて、ESL130−1〜ESL130−8の棚札コード135を連続して読み取ったとき、携帯端末装置140のセンサ部146による検出では、移動軌跡B2に示した軌跡をたどって移動したという結果が得られたと想定する。図17を見てわかるように、ESL130−8の棚札コード135を読み取ったときの位置情報である算出点E8は、棚位置座標テーブル内の棚サイズにおける棚バーコード座標(X1,Y1,Z1)を基準としたときのX軸方向の距離である長さLを越えている。このような場合、図17に示した補正R8のように、ESL130−8の算出点E8のX方向の値を、商品陳列棚300−1の長さL以内の値(図17においては、補正点E8aの値)に変更するように、携帯端末装置140の移動距離を補正する。
【0092】
また、例えば、図18に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させて、ESL130−1、ESL130−4、ESL130−9、ESL130−12の棚札コード135を連続して読み取ったとき、携帯端末装置140のセンサ部146による検出では、移動軌跡B3に示した軌跡をたどって移動したという結果が得られたと想定する。図18を見てわかるように、ESL130−12の棚札コード135を読み取ったときの位置情報である算出点E12は、棚位置座標テーブル内の棚バーコード座標(X1,Y1,Z1)におけるZ方向の距離の値Z1を越えている。このような場合、図18に示した補正R12のように、ESL130−12の算出点E12のZ方向の値を、商品陳列棚300−1に設置された棚バーコード器150の棚バーコード座標のZ方向の値であるZ1以内の値(図18においては、補正点E12aの値)に変更するように、携帯端末装置140の移動距離を補正する。
【0093】
このように、電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に基づいて、算出した携帯端末装置140の移動距離を補正することができる。
なお、算出した携帯端末装置140の移動距離が、電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えてしまった場合に、上述のような携帯端末装置140の移動距離の補正を行わず、携帯端末装置140のLCD表示部143にエラー表示することによって、店員がESL130の位置情報の検出を再度行うようにする構成とすることもできる。
【0094】
なお、携帯端末装置140の移動距離の補正において、算出した携帯端末装置140の移動距離が電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えているか否かの判断は、予め任意の距離の値を設定し、携帯端末装置140が棚情報に含まれる値を超えて、設定した任意の距離の値以上離れた位置に移動したという算出結果が得られたか否かによって判断する構成とすることもできる。
また、算出した携帯端末装置140の移動距離が電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えてしまっている場合において、設定した任意の距離の値以上離れていないという算出結果のときは、上述のような移動距離の補正を行い、設定した任意の距離の値以上離れているという算出結果のときは、携帯端末装置140のLCD表示部143にエラー表示して、店員がESL130の位置情報の再検出を行う構成とすることもできる。
なお、本発明においては、算出した携帯端末装置140の移動距離が電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えているか否かの判断方法や、判断結果に伴うその後の処理方法に関しての規定はしない。
【0095】
次に、携帯端末装置140と床面との距離の算出方法について説明する。図19は、超音波センサ部147による検出値の処理方法を説明する図である。図19では、超音波センサ部147の超音波送受信部1471が送信した超音波の送信波形と、超音波送受信部1471が検出した超音波の受信波形とを示している。
【0096】
超音波センサ部147による距離の検出は、超音波センサ部147の超音波送受信部1471が超音波Sを送出したときの時間Ttから反射波Srを検出したときの時間Trまでの時間Tsと、超音波の伝搬時間Tpとに基づいて算出することができる。
より具体的には、図19に示したように、超音波送受信部1471は、時間Ttのタイミングで超音波Sを送信すると、最初に、超音波送受信部1471は、送信した超音波Sの直接波Sdを検出する。その後、超音波送受信部1471は、時間Trのタイミングで送信した超音波Sの反射波Srを検出する。超音波センサ部147は、時間Trから時間Ttを減算して時間Tsを算出する。また、例えば、超音波送受信部1471が、キャリア周波数が40[kHz]の超音波Sを送信した場合、その超音波Sの伝搬時間Tpは、Tp=331.5+0.61t[m/sec]である。ここで、tは、測定空間の温度[℃]を示す。なお、この測定空間の温度tは、前出の伝搬時間Tpの式からもわかるように、その温度変化における伝搬時間Tpへの影響は少ないので、予め定められた温度(例えば、常温:25[℃])とすることができる。この時間Tsと伝搬時間Tpとに基づいて下式(1)によって、携帯端末装置140と床面との距離Xを算出する。
【0097】
X=Ts/2×Tp ・・・(1)
【0098】
なお、このキャリア周波数が40[kHz]の超音波Sによる測定距離は、0.1〜数[m]であり、測定の分解能は、1[cm]である。よって、高い精度で携帯端末装置140と床面との距離Xを算出することができる。そして、この算出した距離Xが、床面から携帯端末装置140までの高さの値となる。
【0099】
このようにして、携帯端末装置140は、床面から自携帯端末装置140までの高さを算出し、この算出した高さの値を、自携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。また、この算出した高さの値を、別途算出したESL130の位置の相対座標のZ方向の値と差し替える。また、携帯端末装置140は、この差し替えたESL130の相対座標(以下、「補正相対座標」という)と、ESL130の棚札コード135とを自携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。そして、この記憶したESL130の補正相対座標と、ESL130の棚札コード135とを電子棚札管理サーバ210に送信する。携帯端末装置140から、ESL130の補正相対座標を受信した電子棚札管理サーバ210は、棚バーコード151に対応付けられた絶対座標に基づいて、取得したESL130の絶対座標を算出する。
【0100】
なお、携帯端末装置140は、算出したESL130の相対座標と、算出した高さの値と、ESL130の棚札コード135とを電子棚札管理サーバ210に送信する構成とすることもできる。この場合、電子棚札管理サーバ210は、受信したESL130の相対座標と、高さの値とに基づいて、ESL130の補正相対座標を算出し、この算出したESL130の補正相対座標に基づいて、ESL130の絶対座標を算出する。
【0101】
また、棚バーコード151の読み取り後、連続してESL130の棚札コード135を読み取るごとに、算出した床面から自携帯端末装置140までの高さの値に基づいて各ESL130の位置情報を補正することもできる。この場合の一例を、図20を用いて説明する。
【0102】
図20では、棚バーコード151の読み取り後、店員が携帯端末装置140を移動させて、ESL130−1〜ESL130−8の棚札コード135を連続して読み取っている。また、携帯端末装置140は、センサ部146によってESL130を検出するごとに、超音波センサ部147によって検出した高さの値に基づいて、検出したESL130の位置情報を補正する。
このESL130の位置情報を検出するごとに行う位置情報の補正は、携帯端末装置140のセンサ部146の検出によって得られたESL130の位置の相対座標のZ方向の値を、超音波センサ部147によって検出した高さの値に差し替える。これにより、例えば、図20に示した補正R8bのように、ESL130−8の位置情報が、ESL130−8の算出点E8bから補正点E8cに補正される。このように、携帯端末装置140によってESL130の位置情報を検出するごとに、検出したESL130の位置情報を補正することにより、携帯端末装置140の移動軌跡が、移動軌跡B4に示した軌跡となる。
これにより、携帯端末装置140のセンサ部146によってESL130を検出したときのセンサ部146の検出誤差(累積誤差)を低減することができる。
【0103】
図21は、本実施形態において、電子棚札管理サーバ210に記録された棚札位置テーブルの一例を示した図である。図21に示した棚札位置座標テーブルは、商品陳列棚300を識別する棚番号と、商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150およびESL130を識別する装置コードと、棚バーコード器150およびESL130が設置されている位置の情報である絶対座標および相対座標と、相対座標が補正されているか否かを示す補正情報とが関連付けられた情報テーブルである。
【0104】
図21に示した棚札位置座標テーブルにおいて、装置コードには、棚バーコード器150に貼り付けられている棚バーコード151や、ESL130に貼り付けられた棚札コード135が記録される。
【0105】
また、棚札位置座標テーブルにおいて、棚バーコード器150の絶対座標には、図8に示した棚位置座標テーブルの棚バーコード座標が記録され、この棚バーコード座標を基準座標としている。また、ESL130の相対座標には、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の相対座標が記録される。また、ESL130の絶対座標には、棚バーコード座標(絶対座標)に基づいて、ESL130の相対座標から算出されたESL130の絶対座標が記録される。このESL130の相対座標およびESL130の絶対座標には、商品陳列棚300に配置されているESL130に対して、精度の良い高さ情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、ESL130が商品陳列棚300の何段目に配置されているかというような高さに関する情報を精度良く得ることができる。
【0106】
図21に示した棚札位置座標テーブルにおける補正情報には、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の相対座標に対して、携帯端末装置140が補正を行ったセンサ検出軸(x軸、y軸、z軸)の情報が記録される。なお、この補正情報に記録された情報は、例えば、図17および図18に示したような、携帯端末装置140が電子棚札管理サーバ210から棚情報を取得する構成における携帯端末装置140の移動距離の補正情報である。また、例えば、携帯端末装置140が算出したESL130の相対座標と、高さの値とを電子棚札管理サーバ210に送信する構成において、電子棚札管理サーバ210がESL130の補正相対座標を算出した場合に記録される補正情報である。図21に示した棚札位置座標テーブルでは、ESL130−12の相対座標に対して、z軸方向の補正が行われている例を示している。
【0107】
また、図21に示した棚札位置座標テーブルにおける補正情報は、携帯端末装置140が、超音波センサ部147によって検出した高さの値に基づいてESL130の位置情報を補正した場合は、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の相対座標からでは補正の有無を判別できない。このような場合においては、携帯端末装置140から、検出した高さの値に基づいてESL130の位置情報を補正したか否かの情報を取得する構成とすることにより、この札位置座標テーブルにおける補正情報を記録することができる。なお、本発明においては、補正情報の取得方法に関しての規定はしない。
【0108】
次に、商品陳列棚300に陳列されている商品の情報と棚札コード135とを紐付けする際の、ESL130の位置情報の取得方法について説明する。図22は、図7に示した商品陳列棚300−1のESL130の配置において、ESL130の位置情報を取得する際に、ESL130と商品400の情報とを紐付けする場合の一例を示した図である。また、図23は、本実施形態の携帯端末装置140においてESL130の位置情報と商品400の情報とを取得する処理手順を示したフローチャートである。なお、図22においては、図20に示したように、携帯端末装置140がESL130を検出するごとにESL130の位置情報を補正する実施形態においてESL130と商品400の情報との紐付けを適用した場合について説明する。
【0109】
図22は、棚バーコード器150の絶対座標に基づいてESL130−1〜ESL130―3の位置情報を取得する際に、各ESL130に紐付けされる商品400−1〜商品400−3の商品コード(バーコード)を取得する例を示している。ESL130−1〜ESL130―3と商品400−1〜商品400−3との商品コードとを取得する際の店員による携帯端末装置140の移動軌跡は、移動軌跡B5となる。
【0110】
まず、携帯端末装置140によって、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151の読み取りを行う。続いて、携帯端末装置140によって、ESL130−1に貼り付けられた棚札コード135の読み取りを行う。ここで、携帯端末装置140は、棚札コード135を読み取ったときのセンサ部146の検出値に基づいて、携帯端末装置140の移動距離を算出する。続いて、携帯端末装置140は、超音波センサ部147の検出値に基づいて、床面から携帯端末装置140までの高さを算出する。そして、携帯端末装置140は、算出した携帯端末装置140の移動距離と床面から携帯端末装置140までの高さとに基づいて、ESL130−1に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの位置情報を補正する。その後、携帯端末装置140によって、ESL130−1に対応する商品400−1の商品コードの読み取りを行う。そして、携帯端末装置140は、補正後のESL130の位置情報と、棚札コード135の情報と、商品コードの情報とを、電子棚札管理サーバ210に送信する。なお、携帯端末装置140がESL130を検出するごとにESL130の位置情報の補正を行わない場合は、補正後のESL130の位置情報に変えて、算出した携帯端末装置140の移動距離に基づいて算出したESL130の位置の相対座標と、算出した床面から携帯端末装置140までの高さの値とを、電子棚札管理サーバ210に送信する構成とすることもできる。
【0111】
続いて、携帯端末装置140は、ESL130−2に貼り付けられた棚札コード135の読み取り、ESL130−2の位置情報の補正、ESL130−2に対応する商品400−2の商品コードの読み取りを行う。同様に、携帯端末装置140は、ESL130−3に貼り付けられた棚札コード135の読み取り、ESL130−3の位置情報の補正、ESL130−3に対応する商品400−3の商品コードの読み取りを行う。
【0112】
このように、棚札コード135の読み取り、およびESL130の位置情報の補正に続いて商品コードの読み取りを行うことによって、電子棚札管理サーバ210は、ESL130位置情報と商品400の商品情報とを紐付けした商品管理データを取得することができる。
【0113】
ここで、携帯端末装置140が、ESL130の位置情報と商品400の情報とを取得する処理手順を説明する。なお、図23に示したフローチャートの各ステップにおける詳細な処理手順に関しては、図10および図11と同様であるため、ここでは、ESL130の位置情報と商品400の情報とを取得する際の概略の処理の流れについてのみ説明する。
【0114】
まず、ステップS300において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取る。
【0115】
続いて、ステップS310において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によってESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取る。そして、携帯端末装置140は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値とに基づいて、携帯端末装置140が移動したときの移動距離を算出する。また、携帯端末装置140は、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻と反射波を検出した時刻とに基づいて、携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときの携帯端末装置140の床面からの高さを算出する。そして、携帯端末装置140は、算出した移動距離と床面からの高さとに基づいて、携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときのESL130の補正した位置情報を算出する。
【0116】
続いて、ステップS320において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって、ステップS310で読み取ったESL130に対応する商品400の商品コードを読み取る。
【0117】
続いて、ステップS330において、携帯端末装置140は、次のESL130の位置情報を取得するか否かを確認する。次のESL130の位置情報を取得しない場合は、ステップS340に進む。また、次のESL130の位置情報を取得する場合は、ステップS310に戻って、棚札コード135の読み取り、ESL130の位置情報の算出、ESL130に対応する商品400の商品コードの読み取りを繰り返す。
【0118】
ステップS340において、携帯端末装置140は、算出したESL130の補正した位置情報、読み取った棚札コード135の情報、および読み取った商品コードの情報を電子棚札管理サーバ210に送信し、処理を完了する。
【0119】
その後、電子棚札管理サーバ210では、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の補正した位置情報、棚札コード135の情報、および商品コードの情報に基づいて、ESL130位置情報と商品400の商品情報とを紐付けした商品管理データを記録する。
【0120】
上述のように、商品400を商品陳列棚300に陳列する際に、商品400の商品コードとESL130とを紐付けする作業と同時に、ESL130が設置されている補正された位置の情報を取得することができる。なお、このESL130の補正された位置の情報には、商品陳列棚300に配置されているESL130に対する精度の良い高さ情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、ESL130が商品陳列棚300の何段目に配置されているかという情報も精度良く取得することができる。
【0121】
なお、図22および図23に示したESL130と商品400の情報との紐付けの例においては、先にESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取り、続いてESL130に対応した商品400の商品コードの読み取りを行う例を示したが、この順番に限定されるものではない。例えば、先にESL130に対応した商品400の商品コードを読み取り、続いてESL130に貼り付けられた棚札コード135の読み取りを行うこともできる。また、例えば、携帯端末装置140が読み取っているコード(バーコード)が、棚札コード135であるか、商品コードであるかの判別が行える場合は、ESL130に貼り付けられた棚札コード135と、ESL130に対応した商品400の商品コードとの読み取りの順番を任意にすることができる。
【0122】
図24は、本実施形態において、電子棚札管理サーバ210に記録された商品管理データである商品リンク情報テーブルの一例を示した図である。図24に示した商品リンク情報テーブルは、商品陳列棚300を識別する棚番号と、商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150およびESL130を識別する装置コードと、棚バーコード器150およびESL130が設置されている位置の情報である絶対座標および相対座標と、ESL130に対応する商品400の商品コードおよび商品名とが関連付けられた情報テーブルである。
【0123】
図24に示した商品リンク情報テーブルにおいて、棚番号、装置コード、絶対座標、相対座標には、図21に示した棚札位置座標テーブルの情報が記録される。また、商品リンク情報テーブルの商品コードには、携帯端末装置140からESL130の位置情報、棚札コード135とともに送信されてきた、ESL130に対応した商品コードが記録される。また、商品リンク情報テーブルの商品名には、携帯端末装置140から送信されてきた商品コードに対応する商品名が記録される。なお、この商品コードと商品名との対応付けは、例えば、電子棚札管理サーバ210が、図1に示したストアサーバ200から、ストアサーバ200内に記録されている商品400の情報を取得し、この取得した商品400の情報に基づいて記録する。本発明においては、商品コードと商品名との対応付け方法に関しての規定はしない。
【0124】
この商品リンク情報テーブルに記録されたESLのESL130の相対座標およびESL130の絶対座標には、ESL130が設置されている高さに関して、精度の高い情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、商品コードや商品名などの商品400に関する情報と、その商品400を陳列している商品陳列棚およびその商品400が商品陳列棚の何段目に陳列されているかというような情報を得ることができる。
【0125】
上記に述べたとおり、本発明では、棚バーコード器150の棚バーコード151を読み取ることによって、携帯端末装置140の姿勢を常に一定の状態とし、携帯端末装置140内のセンサ部146によって自携帯端末装置140が移動した距離を算出することができる。これにより、棚バーコード151を読み取った後にESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの位置、すなわち、ESL130が設置されている位置の情報を取得することができる。さらに、携帯端末装置140内の超音波センサ部147によって自携帯端末装置140と床面との距離(高さ)の情報を、高い精度で取得することができる。このことによって、ESL130の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的にESL130の位置情報を作業性良く取得することができる。また、高い精度でESL130が配置されている高さの情報を取得することができるので、例えば、商品陳列棚300において棚の段数が多いときや、商品陳列棚300に配置されているESL130の数が多いときなどでも、商品400が陳列されている位置を間違えることなく、容易に商品400の確認を行うことができる。
【0126】
また、商品400を商品陳列棚300に陳列する際に行う商品400の商品コードとESL130との紐付け作業と同時に、ESL130が設置されている位置の情報を取得し、また、取得したESL130の位置情報を補正することができる。これにより、効率的に商品400の商品コードとESL130とを紐付けした管理データと、ESL130の位置情報とを関連付けた商品管理データを得ることができる。
また、例えば、商品400の棚卸しなどのときに店員が商品400の情報を確認する際にも、3次元の情報でESL130の位置情報が記録されているため、容易に商品400の位置を特定することができる。
【0127】
なお、本実施形態においては、携帯端末装置140内の超音波センサ部147によって、携帯端末装置140と床面との距離(高さ)を検出する構成で説明を行ったが、本発明において超音波センサ部147によって測定する距離は、床面との距離に限定されるものではない。例えば、超音波センサ部147を天井との距離を測定する位置に配置し、天井と携帯端末装置140との距離によってESL130が配置されている高さの情報を得る構成とすることもできる。また、例えば、商品陳列棚300が箱型の形式である場合などは、超音波センサ部147を商品陳列棚300の側面との距離を測定する位置に配置し、商品陳列棚300の側面と携帯端末装置140との距離によってESL130が配置されている平面方向(例えば、本実施形態におけるX方向)の距離に関する情報を得る構成とすることもできる。また、例えば、超音波センサ部147を上下左右の4方向の距離を測定する位置に配置し、商品陳列棚300の形状に応じた棚情報を作成し、この棚情報に基づいて、補正に使用する距離の検出値を選択する構成とすることもできる。
【0128】
また、本実施形態においては、携帯端末装置140と基準の場所(本実施形態においては、床面)との距離を検出する手段として、超音波センサ部147を用いた構成で説明を行ったが、本発明は、携帯端末装置140と基準の場所との距離を検出する手段を超音波センサ部147に限定するものではない。すなわち、携帯端末装置140と基準の場所との距離を検出することができる手段であればよく、例えば、光センサや測距センサなどのセンサや、距離を測定することができるその他の手段を用いた構成とすることもできる。
【0129】
なお、本実施形態においては、物品の情報を表示する情報表示手段として、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店の商品陳列棚に設置するESLの例として説明したが、本発明は、ESLに限定されるものではない。例えば、販売店で販売される商品などの情報以外の情報とともに、情報表示手段の個々を識別できる識別情報のバーコードが印刷された紙の媒体であってもよい。
また、本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店における適用に限定に限定されるものではない。例えば、倉庫等において、保管物を保管しておく棚や、保管物を収めた箱や、保管物自体に付けて、その保管物の内容の情報を表示するラベルや札の位置情報の取得にも適用することができる。また、例えば、銀行等の書類を扱う業務において、用紙置き場に配置し、用紙の説明や残り枚数を表示する表示装置の位置情報の取得に用いてもよい。また、さらに、工場等において、作業員への作業指示を表示するパネルや部品を置く棚に付けて、部品の分類等の情報を表示するラベルや札の位置情報の取得に用いてもよい。
【0130】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0131】
1・・・販売店システム
10・・・店内システム
20・・・バックヤードシステム
200・・・ストアサーバ
210・・・電子棚札管理サーバ
100・・・POSレジ
110・・・無線LANアクセスポイント
120・・・中継器
130,130−1,130−2,130−3,130−4,130−5,130−6,130−7,130−8,130−9,130−10,130−11,130−12,130−13・・・ESL
131・・・CPU
132・・・メモリ
133・・・LCD表示部
134・・・無線通信部
135・・・棚札コード
140・・・携帯端末装置
141・・・CPU
142・・・メモリ
143・・・LCD表示部
144・・・無線通信部
145・・・バーコード読み取り部
146・・・センサ部
147・・・超音波センサ部
1471・・・超音波送受信部
148,149・・・嵌合部
150・・・棚バーコード器
151・・・棚バーコード
152,153・・・嵌合部
300,300−1,300−2,300−3・・・商品陳列棚
400,400−1,400−2,400−3・・・商品
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の情報を表示する情報表示手段が設置されている位置の情報を取得する位置情報取得装置および位置情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
棚などに収納している物品を識別するために、その物品に関する情報を記載(印刷)した札を、物品を収納している棚に設置することが行われている。この札は、従来、紙の媒体が利用され、例えば、この紙の媒体に物品名や物品識別情報(バーコード)などの物品情報を記載し、物品を収納している棚に貼り付けることによって、収納している物品を特定していた。例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店では、商品陳列棚に商品を陳列し、その商品名や価格などの商品情報を記載した商品棚札を商品陳列棚に貼り付けている。
【0003】
また、近年、この物品の情報を記載する札の電子化が進んでおり、例えば、液晶表示装置などの表示手段を備えた情報表示装置が利用されている。この情報表示装置を利用したシステムとして、例えば、上述のような販売店では、商品陳列棚に陳列されている商品の商品名や価格などの商品情報を情報表示装置に表示する電子棚札システムが利用されている。この電子棚札システムでは、店舗の裏側で商品を保管、管理するバックヤードに設置された電子棚札管理サーバや、店員(従業員)が携帯して商品の在庫などの商品管理情報を確認する携帯端末装置(ハンディ端末)と、商品陳列棚に設置され、商品情報を表示するESL(Electronic Shelf Label:電子棚札)とが無線通信などの通信手段によって接続されている。これにより、以前は紙の媒体に記載された商品情報の札を店員が貼り替えていた作業と同等の作業を、通信手段によってESLの表示内容(表示データ)を変更することによって容易に行うことができ、陳列商品の変更に伴う商品名の変更、商品価格の変更に伴う表示価格の変更、在庫確認に伴う商品の詳細情報の表示など、店員の労力軽減に貢献している。
【0004】
また、この電子棚札システムにおいては、商品陳列棚に陳列されている商品の商品コードと各ESLに個別に与えられた棚札コードとを紐付けした商品管理データを作成し、この商品管理データに基づいて商品の管理を行っている。例えば、商品陳列棚に陳列されている商品の在庫情報を確認する場合、まず、店員が携帯端末装置で棚札コードを読み取る。棚札コードを読み取った携帯端末装置は、読み取った棚札コードを電子棚札管理サーバに送信する。棚札コードを受信した電子棚札管理サーバは、棚札コードに紐付けされた商品の在庫情報を携帯端末装置に送信する。商品の在庫情報を受信した携帯端末装置は、受信した商品の在庫情報を自携帯端末装置の表示部に表示する。携帯端末装置に表示された商品の在庫情報を店員が確認する。このようにして、商品陳列棚に陳列されている商品の情報を確認することができる。
【0005】
このように、商品の情報を確認するためには、まず、店員が情報を確認したいESLを特定し、その特定したESLの棚札コードを携帯端末装置で読み取る必要がある。しかし、ESLの設置位置は、店員の手の届く場所のみとは限らない。そこで、特許文献1には、予め商品陳列棚とその商品陳列棚に設置されたESLの位置情報を記録しておき、携帯端末装置に備えた加速度センサを用いて、遠隔で所望のESLを特定する技術が開示されている。
【0006】
また、上述のような販売店においては、商品の陳列位置が、商品の売上に大きく影響を及ぼすため、商品の売り上げ向上を目的として、商品の陳列位置の情報を取得して管理することが望まれている。特に商品が商品陳列棚の何段目に陳列されているかという情報は、商品の販売戦略上、とても重要な情報であるため、この情報を把握できることが望まれている。この商品の陳列位置の情報を取得する手段として、例えば、商品情報を表示しているESLの位置情報を取得することによって、店舗内の商品の陳列位置を把握することが検討されている。
【0007】
しかし、従来の電子棚札システムにおいては、上述のように商品の商品コードとESLの棚札コードとを紐付けした商品管理データは、電子棚札管理サーバに保持しているが、設置されているESLの位置情報は、電子棚札管理サーバに通常保持しているデータではない。このため、どのESLがどこに設置されているかというような情報や、商品がどの商品陳列棚にあるかというような商品の陳列位置の情報を管理することができない。
【0008】
特許文献2には、商品コードを携帯端末装置で読み取る際に、その読み取り順序を予め定めておき、所定の順序で読み取った商品コードに基づいて商品の位置の情報を得る方法が開示されている。
【0009】
特許文献3には、携帯端末装置に超音波と赤外線とを出力する出力部を設け、さらに、商品陳列棚に超音波と赤外線とを検出する検出部を設ける方法が開示されている。この方法では、ESLに貼り付けられた商品コードを携帯端末装置が読み取る際に出力する超音波と赤外線とを、商品陳列棚に設置された検出部が検出することによってESLの位置を検出する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−91102号公報
【特許文献2】特開平3−123992号公報
【特許文献3】特開2004−258976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、ESLの位置情報を取得することによって商品の陳列位置の情報、特に商品陳列棚の何段目に商品が陳列されているかという情報を取得する方法は、店舗業務の効率化に貢献できる有用な方法である。しかし、従来の電子棚札システムにおいては、設置されているESLの位置情報を記録していないため、新たに電子棚札管理サーバにESLの位置情報を予め記録しておく必要がある。このESLの位置情報を記録するためには、陳列する商品数に応じた多数のESLの位置情報を、それぞれ手動で入力することが必要となり、この手入力は、非常に困難な作業である。また、商品陳列棚の陳列商品の変更や、商品陳列棚内での商品陳列位置の変更に伴うESLの位置情報の変更は、非常に繁雑な作業である。
【0012】
また、特許文献1に記載された技術は、加速度センサを用いてESLを特定しているが、単に加速度センサを、ESLを特定するための入力手段として用いているのみである。よって、特許文献1は、ESLの位置情報を取得するための技術ではない。従って、特許文献1でも、予め店舗内の商品陳列棚の設置位置や、商品陳列棚に設置されたESLの設置位置の情報を把握し、その把握した情報に基づいて電子棚札管理サーバに情報を入力(記録)する必要があるため、非常に手間がかかるという問題がある。
【0013】
また、特許文献2に記載された技術は、商品コードを読み取る順序を予め決めておくことにより、その商品コードの読み取り順番に基づいて商品の位置を特定している。しかし、ここで特定している商品の位置情報は、同じ商品陳列棚内に陳列されている商品を特定しているにすぎず、商品陳列棚内における商品の陳列位置の情報を取得する技術ではない。当然ながら、商品陳列棚の何段目に商品が陳列されているかという情報を取得することはできない。また、例えば、商品陳列棚の陳列商品の変更や、商品陳列棚内での商品陳列位置の変更などがあった場合、それが1つの商品の変更であった場合でも、商品陳列棚の商品コードを予め定められた順序で読み取り直す必要があるため、非常に作業性が悪いという問題がある。
【0014】
また、特許文献3に記載された技術は、商品陳列棚に検出部を設置する必要があり、システムが複雑となる。また、商品陳列棚に設置した検出部の検出結果に基づいてESLの位置情報を算出するため、このESLの位置情報の取得におけるデータ処理が複雑となり、特に商品陳列棚の何段目に商品が陳列されているかという高さの情報に関しては、高い精度で検出することができないという問題がある。
【0015】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、情報表示手段の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的に情報表示手段の特定方向の位置情報、例えば、情報表示手段が設置されている高さの情報を高い精度で取得することができる位置情報取得装置および位置情報取得方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明の位置情報取得装置は、物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手段と、予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手段と、前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手段と、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の前記情報検出手段はさらに、所定の場所に配置された物体から座標識別情報を検出し、前記座標検出手段はさらに、前記情報検出手段によって検出された前記座標識別情報に予め関連付けられている絶対座標を、前記基準座標に設定する、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の前記座標検出手段は、該位置情報取得装置が移動したときの加速度を検出する加速度センサと、該位置情報取得装置の方向が変化したときの角度を検出する角度センサと、を備え、前記位置情報補正手段は、該位置情報取得装置と予め定められた基準の場所との距離を検出する距離センサ、を備え、前記基準座標が設定されたときに前記加速度センサから出力される加速度の検出値と、前記角度センサから出力される角度の検出値とを初期化し、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するまでに出力される前記加速度センサからの加速度の検出値と、前記角度センサからの角度の検出値とに基づいて、前記基準座標が設定されたときから前記識別情報を検出したときまでの該位置情報取得装置の移動距離を算出し、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するときに出力される前記距離センサからの距離の検出値に基づいて、前記算出した該位置情報取得装置の移動距離を補正し、該補正した移動距離に基づいて、該位置情報取得装置が前記識別情報を検出したときの座標を、前記基準座標に対する相対座標として算出する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の前記加速度センサは、3軸の加速度を検出して、該検出した3軸の加速度のそれぞれの検出値を出力し、前記角度センサは、3軸の角度を検出して、該検出した3軸の角度のそれぞれの検出値を出力し、前記座標検出手段は、前記角度センサから出力された3軸の角度の検出値に基づいて、前記加速度センサから出力された3軸の加速度の検出値を補正し、該補正した3軸の加速度の検出値に基づいて該位置情報取得装置の3軸の移動距離を算出し、前記距離センサは、予め定められた基準の場所の特定方向における距離の検出値を出力し、前記位置情報補正手段は、前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記距離センサによって距離を検出した特定方向の移動距離を、前記距離センサによって検出した距離と差し替え、該差し換え後の移動距離を該位置情報取得装置の補正後の3軸の移動距離とする、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の前記位置情報補正手段は、該位置情報取得装置の高さ方向における距離を検出し、前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記位置情報算出手段が算出した前記識別情報を検出したときの高さの情報を補正する、ことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の前記情報表示手段は、前記物品を識別する情報を表示する電子棚札であり、前記情報検出手段は、前記電子棚札に対応付けられた装置識別情報を前記識別情報として検出する、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の位置情報取得方法は、情報検出手段が、物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手順と、座標検出手段が、予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手順と、位置情報算出手段が、前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手順と、位置情報補正手段が、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、情報表示手段の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的に情報表示手段の特定方向の位置情報を高い精度で取得することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態による位置情報取得装置を利用するシステムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるESLの概略構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるESLの概略の外観と表示の一例を示した図である。
【図4】本発明の実施形態における携帯端末装置の概略構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における携帯端末装置の概略構成を示した図である。
【図6】本発明の実施形態における店内の商品陳列棚の配置および座標の一例を示した図である。
【図7】本発明の実施形態におけるESLの配置の一例を示した図である。
【図8】本発明の実施形態における棚位置座標テーブルの一例を示した図である。
【図9】本発明の実施形態における商品陳列棚の位置の情報を読み取る方法を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態においてESLの位置情報を取得する全体の処理手順を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態においてESLの位置情報を算出する処理手順を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態においてESLの位置情報を取得する場合の一例を示した図である。
【図13】本発明の実施形態における携帯端末装置のセンサ検出値の処理方法を説明する図である。
【図14】本発明の実施形態における携帯端末装置の姿勢に応じたセンサ検出値の補正処理の方法を説明する図である。
【図15】本発明の実施形態における携帯端末装置の姿勢に応じたセンサ検出値の補正処理の方法を説明する図である。
【図16】本発明の実施形態における携帯端末装置の姿勢に応じたセンサ検出値の補正処理の方法を説明する図である。
【図17】本発明の実施形態において携帯端末装置の移動距離を補正する場合の一例を示した図である。
【図18】本発明の実施形態において携帯端末装置の移動距離を補正する場合の一例を示した図である。
【図19】本発明の実施形態における携帯端末装置のセンサ検出値の処理方法を説明する図である。
【図20】本発明の実施形態においてESLの位置情報を補正する場合の一例を示した図である。
【図21】本発明の実施形態における棚札位置テーブルの一例を示した図である。
【図22】本発明の実施形態においてESLの位置情報と商品の情報とを紐付けする場合の一例を説明する図である。
【図23】本発明の実施形態においてESLと商品の情報とを取得する処理手順を示したフローチャートである。
【図24】本発明の実施形態における商品リンク情報テーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による位置情報取得装置を利用する電子棚札システムを含む販売店システムの概略構成を示したブロック図である。図1において、販売店システム1は、店内システム10とバックヤードシステム20から構成される。
【0026】
バックヤードシステム20は、店舗のバックヤードにおいて店内に陳列して販売している商品の在庫や価格などを管理する商品管理システムである。バックヤードシステム20は、店内で販売している商品の在庫や価格などを管理するストアサーバ200と、店内で販売している商品の価格の表示を管理する電子棚札管理サーバ210から構成される。
【0027】
店内システム10は、販売する商品を陳列している店内のシステムである。店内システム10は、購入された商品の情報を管理するPOS(Point of sale:販売時点情報管理)システムレジスター(以下、「POSレジ」という)100、無線LANアクセスポイント110、中継器120、ESL130、携帯端末装置140、棚バーコード器150から構成される。
【0028】
図1に示した販売店システム1においては、バックヤードシステム20のストアサーバ200と店内システム10のPOSレジ100とがネットワークなどの接続手段によって接続されている。ストアサーバ200とPOSレジ100とは、この接続手段を介して相互にデータの伝送を行うことによって、商品の販売データの管理を行っている。例えば、商品が購入された際、POSレジ100は、購入された商品の商品コード(バーコード)などの商品情報をストアサーバ200に送信する。ストアサーバ200は、POSレジ100から受信した商品情報に基づいて、その商品の価格などの商品価格情報をPOSレジ100に送信する。POSレジ100は、ストアサーバ200から受信した商品価格情報に基づいて、その商品の価格を表示し、また、その他購入された商品の価格との合計金額などを表示する。なお、POSレジ100とストアサーバ200との間で行われるデータの伝送は、本発明に直接関連しないため、詳細な説明を省略する。また、本発明においては、POSレジ100やストアサーバ200の構成など、販売店における商品の販売方法に関しての規定はしない。
【0029】
電子棚札管理サーバ210は、ESL130の表示および店内におけるESL130の位置情報を管理する。電子棚札管理サーバ210は、ストアサーバ200とネットワークなどの接続手段によって接続されている。また電子棚札管理サーバ210は、店内システム10の無線LANアクセスポイント110とネットワークなどの接続手段によって接続されている。電子棚札管理サーバ210は、この接続手段を介してストアサーバ200内に記録されている商品の情報を店内システム10の無線LANアクセスポイント110に伝送する。また、無線LANアクセスポイント110を介して伝送されてきた店内システム10からのデータ要求などをストアサーバ200に伝送する。また、店内システム10から送られてきたESL130の位置情報に関するデータを記録する。なお、本発明においては、電子棚札管理サーバ210と、ストアサーバ200または無線LANアクセスポイント110との通信方法に関しての規定はしない。また、図1においては、電子棚札管理サーバ210とストアサーバ200とを別々のサーバで構成した例を示しているが、電子棚札管理サーバ210とストアサーバ200とを同一のサーバで構成し、それぞれ同一のサーバ上で動作する別の機能とすることもできる。
【0030】
無線LANアクセスポイント110は、店内に配置された中継器120と無線LANなどの無線通信手段によって接続されている。無線LANアクセスポイント110は、電子棚札管理サーバ210から伝送されてきた商品の情報を各中継器120に送信する。また、無線LANアクセスポイント110は、各中継器120から送信されてきたデータ要求などを受信し、電子棚札管理サーバ210に伝送する。図1では、1つの無線LANアクセスポイント110を店内に配置し、2つの中継器120と通信する場合の一例を示している。なお、無線LANアクセスポイント110は、店内に複数配置される構成とすることもできる。また、本発明においては、無線LANアクセスポイント110と、中継器120または電子棚札管理サーバ210との通信方法に関しての規定はしない。
【0031】
中継器120は、店内に配置されたESL130や、販売店の店員(従業員)が携帯する携帯端末装置140と無線LANなどの無線通信手段によって接続されている。中継器120は、無線LANアクセスポイント110から送信されてきた送信データを通信範囲内のESL130や携帯端末装置140に転送する。また、中継器120は、ESL130や携帯端末装置140から送信されてきたデータ要求などを受信し、無線LANアクセスポイント110に転送する。なお、例えば、無線LANアクセスポイント110の通信範囲が店内の全ての領域を網羅する場合など、無線LANアクセスポイント110の通信範囲によっては、中継器120を設置せずに店内システム10を構成することもできる。また、中継器120は、その無線通信の通信範囲に応じて店内に複数配置される構成とすることもできる。図1では、2つの中継器120を店内に配置し、それぞれの中継器120が、2つのESL130と通信する場合の一例を示している。また、本発明においては、中継器120と、ESL130または携帯端末装置140との通信方法に関しての規定はしない。
【0032】
ESL130は、店内に配置された図示しない商品陳列棚に陳列された商品の価格などの商品情報を表示する表示部を備えた情報表示装置である。ESL130は、中継器120から送信されてきた送信データに基づいて、ESL130の表示部に表示する商品情報が変更される。図1では、1つの中継器120と2つのESL130とが通信する場合の一例を示しているが、本発明においては、1つの中継器120と通信するESL130の数に関しての規定はしない。また、中継器120とESL130との通信方法に関しての規定もしない。なお、ESL130の構成に関しては、後述する。
【0033】
携帯端末装置140は、店員が携帯し、中継器120と通信することによって商品の情報を店員が確認することができる本発明の位置情報取得装置である。携帯端末装置140を店員が操作することによって、携帯端末装置140に備えたバーコード読み取り部が、ESL130に個別に与えられた棚札コード(バーコード)を読み取る。携帯端末装置140が読み取った棚札コードの情報は、中継器120および無線LANアクセスポイント110を介して電子棚札管理サーバ210に送信する。棚札コードを受信した電子棚札管理サーバ210は、棚札コードに紐付けされた商品の情報を、無線LANアクセスポイント110および中継器120を介して携帯端末装置140に送信する。商品の情報を受信した携帯端末装置140は、受信した商品の情報を携帯端末装置140に備えた表示部に表示する。このようにして、店員は携帯端末装置140に表示された商品の情報を確認することができる。
本実施形態の販売店システム1においては、電子棚札管理サーバ210、無線LANアクセスポイント110、中継器120、ESL130、携帯端末装置140によって電子棚札システムを構成している。なお、携帯端末装置140の構成に関しては、後述する。
【0034】
また、携帯端末装置140は、ESL130の位置情報を取得する際に、店員の操作によって、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報を読み取り、その読み取った棚位置識別情報を、ESL130の棚札コードの情報と同様に電子棚札管理サーバ210に送信する。なお、送信された棚位置識別情報に基づいたESL130の位置情報の取得方法に関しては、後述する。
【0035】
棚バーコード器150は、例えば、店内に設置された商品陳列棚に設置され、携帯端末装置140によってESL130の位置情報を取得する際に用いられる商品陳列棚の基準の位置を表示する札である。棚バーコード器150には、個別に与えられた棚位置識別情報が表示されており、この棚位置識別情報には、店内における棚バーコード器150の設置位置の情報(絶対座標)が関連付けられている。店員は、ESL130の位置情報を取得する際、最初に、この棚バーコード器150に表示された棚位置識別情報を、携帯端末装置140に備えたバーコード読み取り部によって読み取ることにより、この棚バーコード器150が設置されている位置の情報を取得する。これにより、電子棚札管理サーバ210は、棚バーコード器150が設置された商品陳列棚の店内における絶対座標の情報を取得することができる。図1では、商品陳列棚に設置された棚バーコード器150が、2点鎖線で囲まれたESL130の位置情報を取得する際に用いられる基準の位置となっている一例を示している。なお、棚バーコード器150の構成に関しては、後述する。
【0036】
次に、本実施形態の販売店システム1における電子棚札システムの電子棚札について説明する。図2は、本実施形態におけるESL130の概略構成を示したブロック図である。図2において、ESL130は、CPU(Central Processing Unit)131、メモリ132、LCD(Liquid Crystal Display)表示部133、無線通信部134から構成される。CPU131と、メモリ132と、LCD表示部133と、無線通信部134とは、ESL130内のバスを介して相互に接続されている。また、図3は、本実施形態におけるESL130の概略の外観と表示の一例を示した図である。図3において、ESL130には、個別に与えられた棚札識別情報(バーコード)が記載されている棚札コード135のラベルが貼り付けられている。なお、本実施形態における棚札コード135は、棚札識別情報(バーコード)が記載されたラベルであるとしているが、本発明においては、棚札コード135の形態に関しての規定はしない。例えば、ESL130に棚札コード135を印刷することもできる。
【0037】
CPU131は、ESL130の動作を制御する中央処理装置である。CPU131は、メモリ132に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ESL130の動作を制御する。
メモリ132は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリであり、CPU131が実行するプログラムや、ESL130に個別に与えられた棚札コード135や、この棚札コード135に対応したデータを記憶する。また、LCD表示部133に表示する商品名や価格などの商品情報を記憶する。また、メモリ132は、CPU131がプログラムを実行途中のデータを一時記憶する記憶領域としても利用される。
LCD表示部133は、メモリ132に記憶している商品名や価格などの商品情報を表示する。例えば、図3に示したような、商品のメーカー、商品名、内容量、価格などの商品情報を表示する。
無線通信部134は、CPU131からの制御に基づいて、中継器120との通信を行い、LCD表示部133に表示する商品名や価格などの商品情報を受信する。
【0038】
次に、本実施形態の販売店システム1における電子棚札システムの携帯端末装置について説明する。図4は、本実施形態における携帯端末装置140の概略構成を示したブロック図である。図4において、携帯端末装置140は、CPU141、メモリ142、LCD表示部143、無線通信部144、バーコード読み取り部145、センサ部146、超音波センサ部147から構成される。CPU141と、メモリ142と、LCD表示部143と、無線通信部144と、バーコード読み取り部145と、センサ部146と、超音波センサ部147とは、携帯端末装置140内のバスを介して相互に接続されている。
【0039】
また、図5は、本実施形態における携帯端末装置140の概略の構造の一例を示した図である。図5において、センサ部146および超音波センサ部147は、携帯端末装置140の回路基板上に配置される。図5においては、センサ部146を回路基板の上面に配置し、超音波センサ部147を回路基板の下面に配置された一例を示している。また、バーコード読み取り部145は、携帯端末装置140の先端部に配置される。
【0040】
なお、本実施形態においては、センサ部146を回路基板の上面に配置し、超音波センサ部147を回路基板の下面に配置し、バーコード読み取り部145を携帯端末装置140の先端部に配置した例を示しているが、センサ部146、超音波センサ部147、およびバーコード読み取り部145の配置は、図5に示した配置に制限するものではなく、後述するセンサ部146、超音波センサ部147、およびバーコード読み取り部145の機能を実現することができる配置であればよい。従って、本発明においては、センサ部146、超音波センサ部147、およびバーコード読み取り部145の配置に関しての規定はしない。
【0041】
CPU141は、携帯端末装置140の動作を制御する中央処理装置である。CPU141は、メモリ142に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末装置140の動作を制御する。
メモリ142は、ROMやRAMなどの半導体メモリであり、CPU141が実行するプログラムや、読み取ったESL130の棚札コード135や、この棚札コード135に対応したデータを記憶する。また、無線通信部144が受信した商品名や価格などの商品情報や、商品の在庫などの商品管理情報や、LCD表示部143に表示することによって店員に知らせる商品の情報を記憶する。また、メモリ132は、CPU131がプログラムを実行途中のデータを一時記憶する記憶領域としても利用される。
LCD表示部143は、メモリ142に記憶している店員に知らせる商品の情報を表示する。
無線通信部144は、CPU141からの制御に基づいて、中継器120との通信を行い、読み取ったESL130の棚札コード135に関する情報を送信する。また、無線通信部144は、中継器120から送信されてくる、LCD表示部143に表示することによって店員に知らせる商品の情報を受信する。
【0042】
バーコード読み取り部145は、ESL130に個別に与えられた棚札コード135、または商品に付与された商品コード(バーコード)を読み取り、読み取ったバーコードの情報を無線通信部144を介して中継器120に送信する。また、バーコード読み取り部145が読み取ったバーコードの情報は、メモリ142にも記憶される。
また、バーコード読み取り部145は、ESL130の位置情報を取得する際に、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報を読み取る。
【0043】
センサ部146は、携帯端末装置140の移動を検出する。センサ部146は、図示しない加速度センサとジャイロセンサから構成される。加速度センサは、携帯端末装置140が移動するときの加速度を検出し、ジャイロセンサは、携帯端末装置140が移動するときの角速度を検出する。
【0044】
超音波センサ部147は、携帯端末装置140がESL130に個別に与えられた棚札コード135を読み取るときに、商品陳列棚が配置された店内の床面に対して超音波送受信部1471から超音波を送出し、床面から反射してきた反射波を超音波送受信部1471で検出する。これにより、床面とESL130との距離、すなわち、床面からESL130までの高さを検出することができる。
【0045】
携帯端末装置140のCPU141は、センサ部146内の加速度センサとジャイロセンサとが検出した携帯端末装置140の加速度と角速度とに基づいて、携帯端末装置140の移動距離を算出する。CPU141は、この算出した移動距離に基づいてESL130の位置情報を算出する。また、CPU141は、超音波センサ部147が超音波を送出した時点から、反射波を検出した時点までの時間に基づいて、床面とESL130との距離を算出し、この算出した距離を床面からESL130までの高さの情報とする。また、CPU141は、算出したESL130の位置情報とESL130の高さ情報とをメモリ142に記憶するとともに、通信部144を介して電子棚札管理サーバ210に送信する。
【0046】
また、CPU141は、算出したESL130の高さ情報に基づいて、算出したESL130の位置情報を補正し、補正したESL130の位置情報をメモリ142に記憶するとともに、通信部144を介して電子棚札管理サーバ210に送信する。
なお、加速度センサおよびジャイロセンサにより検出値から移動距離を算出する算出方法と、超音波センサ部147による超音波を送出および反射波の検出から高さ情報を算出する算出方法とに関しては、後述する。また、算出した移動距離と高さ情報とに基づくESL130の位置情報の算出方法に関しても、後述する。
【0047】
次に、位置情報を取得するESLの店内の配置について説明する。図6は、店内において位置情報を取得するESL130が設置された商品陳列棚の配置の一例を示した図である。図6に示した店内には、商品陳列棚300−1〜300−3(以下、まとめて表すときには、「商品陳列棚300」という)が配置されている。また、それぞれの商品陳列棚300には、棚バーコード器150が配置されている。なお、図6においては、図1で示した無線LANアクセスポイント110、中継器120などの無線通信手段、およびPOSレジ100は、本発明に直接関連しないため図示を省略している。
図7は、商品陳列棚300−1におけるESL130の配置の一例を示した図である。図7に示した商品陳列棚300−1には、ESL130−1〜ESL130−13が配置されている。
【0048】
また、図6には、店内における棚バーコード器150の座標の一例を示している。また、図7には、商品陳列棚300−1における棚バーコード器150の座標の一例を示している。
図6においては、右方向をX軸方向とし、上方向をY軸方向とし、垂直方向(図6の手前方向)をZ軸方向としている。また、図7においては、右方向がX軸方向であり、上方向がZ軸方向であり、垂直方向(図7の奥行き方向)がY軸方向である。このX軸、Y軸、Z軸を店舗内における基準の絶対座標軸としている。
図6および図7においては、図6に示した地点Aの床面位置における座標を、店舗内における基準の絶対座標である基準座標(基準座標(X,Y,Z)=(0,0,0))として設定している。なお、以下の説明において、絶対座標を表すときは、大文字の“X”、“Y”、“Z”で表す。
【0049】
また、図6に示したように、各商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150には、その設置された位置を表す棚バーコード座標が、地点Aからの距離に応じた絶対座標として設定されている。例えば、商品陳列棚300−1に設置された棚バーコード器150の棚バーコード座標には、地点Aからの距離X1,Y1,Z1に応じた絶対座標(棚バーコード座標(X1,Y1,Z1))が設定されている。図6においては、地点Aからの距離X1およびY1と棚バーコード座標の関係を理解することができる。また、図7では、商品陳列棚300−1に設置された棚バーコード器150の地点Aからの距離Z1と棚バーコード座標の関係を理解することができる。この棚バーコード座標は、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報と関連付けられて、棚バーコード器150の位置情報として、商品陳列棚300−1の管理情報とともに、棚位置座標テーブルとして電子棚札管理サーバ210に記録されている。
【0050】
また、図7に示したように、棚バーコード器150が設置されている面(以下、「表面」という)における商品陳列棚300−1の絶対座標が、棚表座標(棚表座標(Xf,Yf,Zf))として設定されている。この棚表座標は、商品陳列棚300−1の表面を正面から見たときの左下の角の位置の座標を、地点Aからの距離に応じた絶対座標として設定したものである。
また、図6に示したように、棚バーコード器150が設置されている面と反対の面(以下、「裏面」という)における商品陳列棚300−1の絶対座標が、棚裏座標(棚裏座標(Xb,Yb,Zb))として設定されている。この棚裏座標は、商品陳列棚300−1の裏面を正面から見たときの左上の角の位置の座標を、地点Aからの距離に応じた絶対座標として設定したものである。
この棚表座標と棚裏座標とは、商品陳列棚300−1の管理情報と関連付けて電子棚札管理サーバ210内の棚位置座標テーブルに記録される。
【0051】
なお、上述した棚表座標と棚裏座標とに関しては、以下のようにすることもできる。例えば、棚表座標から商品陳列棚300−1の大きさに応じた距離に基づいた座標を算出して棚裏座標として設定することもできる。また、例えば、商品陳列棚300−1の裏面に他の棚バーコード器150が設置されている場合、商品陳列棚300−1の表面の棚バーコード器150の棚バーコード座標を棚表座標とし、商品陳列棚300−1の裏面の棚バーコード器150の棚バーコード座標を棚裏座標とすることによって、棚表座標と棚裏座標に代えて使用する構成とすることができる。
【0052】
図8は、本実施形態において、電子棚札管理サーバ210に記録された棚位置座標テーブルの一例を示した図である。図8に示した棚位置座標テーブルは、商品陳列棚300の管理情報である棚サイズと、商品陳列棚300の絶対座標である棚表座標および棚裏座標と、商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150の棚バーコード座標とが、商品陳列棚300に関連付けられた情報テーブルである。
【0053】
次に、棚位置識別情報の読み取り方法について説明する。図9は、本実施形態の携帯端末装置140によって店内における商品陳列棚の絶対座標の情報を読み取る方法を説明する図である。図9(a)は、棚バーコード器150の概略の構造の一例を示し、図9(b)は、バーコードを読み取る携帯端末装置140の先端部の概略の構造の一例を示している。また、図9(c)は、携帯端末装置140による棚バーコード器150に表示された棚位置識別情報の読み取り方法を示している。
【0054】
図9(a)に示したように、棚バーコード器150の中心部分には、棚バーコード器150に個別に与えられた棚位置識別情報(バーコード)が記載されている棚バーコード151のラベルが貼り付けられている。なお、本実施形態における棚バーコード151は、棚位置識別情報(バーコード)が記載されたラベルであるとしているが、本発明においては、棚バーコード151の形態に関しての規定はしない。例えば、棚バーコード器150に棚バーコード151を印刷することもできる。
また、図9(a)に示したように、棚バーコード器150の左右の端部には、嵌合部152および嵌合部153が備えられている。この嵌合部152および嵌合部153は、例えば、凸形状となっており、後述する携帯端末装置140の先端部の構造と併せて、棚バーコード151を読み取るときの位置が常に一定の位置に合わされる。
【0055】
図9(b)に示したように、携帯端末装置140の先端部の中心部分には、バーコード読み取り部145が配置されており、棚バーコード器150に貼り付けられている棚バーコード151を読み取る。
また、図9(b)に示したように、携帯端末装置140の先端部の左右の端部には、嵌合部148および嵌合部149が備えられている。この嵌合部148および嵌合部149は、例えば、凹形状となっており、棚バーコード器150の嵌合部152および嵌合部153の構造と併せて、棚バーコード151を読み取るときの位置が常に一定の位置に合わされる。
【0056】
携帯端末装置140によって棚バーコード器150に貼り付けられている棚バーコード151を読み取るときには、図9(c)に示したように、棚バーコード器150の嵌合部152および嵌合部153と、携帯端末装置140の嵌合部148および嵌合部149とを嵌め合う。これにより、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取るときの携帯端末装置140の姿勢を、常に一定に保つことができる。
【0057】
また、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取るときに、携帯端末装置140のセンサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値とを初期化する。その後に携帯端末装置140は、ESL130の位置情報の取得のために棚札コード135を読み取ったときの加速度および角速度に基づいて、ESL130の位置情報を算出する。なお、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取ったときの加速度および角速度を初期値とし、この初期値と、その後に携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときの加速度および角速度とに基づいて、ESL130の位置情報を算出する構成とすることもできる。
【0058】
また、商品陳列棚300に棚バーコード器150を設置する際には、図9に示した加速度センサおよびジャイロセンサの検出軸であるx軸、y軸、z軸と、店舗内における基準の絶対座標軸であるX軸、Y軸、Z軸とが同じ方向であるように設置することが望ましい。これにより、基準座標(X,Y,Z)の軸方向に対する加速度センサおよびジャイロセンサの相対座標(x,y,z)の軸方向の相対関係を一定の方向に固定することができる。なお、以下の説明において、相対座標を表すときは、小文字の“x”、“y”、“z”で表す。
以下、本実施形態の説明においては、センサ検出軸(x軸、y軸、およびz軸)と、基準の絶対座標軸(X軸、Y軸、およびZ軸)とは同一の方向であるとして説明を行う。
【0059】
また、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取るときに、携帯端末装置140の超音波センサ部147によって、棚バーコード器150が設置されている高さの情報を補正することができる。すなわち、予めわかっている棚バーコード器150が設置されている高さの値と、携帯端末装置140によって検出した高さの値との誤差を確認する。これにより、その後に携帯端末装置140がESL130の位置情報の取得のために棚札コード135を読み取ったときの高さの検出値の精度を向上することができる。なお、バーコード読み取り部145が棚バーコード151を読み取ったときの高さの値を初期値とし、この初期値と、その後に携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときの高さの検出値とに基づいて、ESL130の高さの情報を算出する構成とすることもできる。
【0060】
なお、図9において携帯端末装置140の姿勢を常に一定に保つ方法として、棚バーコード器150に備えた凸形状の嵌合部152および嵌合部153と、携帯端末装置140に備えた凹形状の嵌合部148および嵌合部149とを嵌め合わせる方法を示したが、本発明においては、携帯端末装置140の姿勢を常に一定に保つ方法に関しての規定はしない。例えば、棚バーコード器150に備えた嵌合部152および嵌合部153の位置と、携帯端末装置140に備えた嵌合部148および嵌合部149の位置とに永久磁石を備え、棚バーコード器150と携帯端末装置140とが近づいたときに、それぞれの永久磁石が引き寄せられる力を利用して棚バーコード器150と携帯端末装置140とを接触させることによって、携帯端末装置140の姿勢を一定に保つ構成とすることもできる。
【0061】
次に、ESL130の位置情報の取得方法について説明する。図10は、本実施形態の携帯端末装置140においてESL130の位置情報を取得する全体の処理手順を示したフローチャートである。また、図11は、本実施形態の携帯端末装置140によってESL130の位置情報を算出する処理手順を示したフローチャートである。また、図12は、図7に示した商品陳列棚300−1のESL130の配置において、ESL130の位置情報を取得する場合の一例を示した図である。
【0062】
ESL130の位置情報を取得する全体の処理手順は、以下である。
まず、ステップS100において、携帯端末装置140は、動作モードとして位置取得モードが選択されているか否かを確認する。位置取得モードが選択されている場合は、ステップS110に進む。なお、携帯端末装置140の動作モードの選択は、携帯端末装置140を携帯している店員の操作などによって行われるが、本発明においては、携帯端末装置140の動作モードの選択の方法に関しての規定はしない。
【0063】
また、ステップS100において、位置取得モードが選択されていない場合、ステップS100を繰り返す。なお、携帯端末装置140の動作モードとして位置取得モードが選択されていない場合、携帯端末装置140は、位置取得モード以外の動作モードによる動作を行うが、本発明においては、位置取得モード以外の動作に関しての規定はしない。また、位置取得モード以外の動作中におけるステップS100への処理の遷移は、例えば、位置取得モード以外の動作中に、予め定められた時間の間隔でステップS100を実行することによって、ステップS100を繰り返す処理とすることもできるが、本発明においては、位置取得モード以外の動作中におけるステップS100への処理の遷移に関しても規定はしない。
【0064】
ステップS110において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151の読み取りがされたか否かを確認する。棚バーコード151の読み取りがされた場合は、ステップS120に進む。そして、ステップS120において、携帯端末装置140は、棚バーコード151の読み取りがされたときのセンサ部146の出力値を初期化し、センサ部146による検出を開始する。より具体的には、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値の積分値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値の積分値と、加速度センサとジャイロセンサとによる検出時間とを“0”にクリアし、その後、加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値の積分を開始する。
【0065】
なお、携帯端末装置140による棚バーコード151の読み取りは、携帯端末装置140を携帯している店員の操作などによって行われるが、本発明においては、携帯端末装置140における棚バーコード151の読み取りのための操作方法に関しての規定はしない。
また、ステップS120において、携帯端末装置140は、超音波センサ部147によって棚バーコード151の読み取りがされたときの高さ情報を取得してもよい。
【0066】
また、ステップS110において、棚バーコード151の読み取りがされていない場合、ステップS110を繰り返す。なお、ステップS110の繰り返しは、例えば、予め定められた時間の間隔でステップS110を実行することによって、ステップS110を繰り返す処理とすることもできる。また、例えば、図9(c)に示したように、棚バーコード器150の嵌合部152および嵌合部153と、携帯端末装置140の嵌合部148および嵌合部149とが嵌め合ったことにより、携帯端末装置140の姿勢が一定に保たれたことを検出したときや、携帯端末装置140の姿勢を一定に保った状態で店員の操作によって棚バーコード151の読み取りが指示されたときにステップS110による棚バーコード151の読み取りの確認をする処理とすることもできる。本発明においては、ステップS110の繰り返しの処理に関しての規定はしない。また、店員の操作による棚バーコード151の読み取りの指示方法に関しても規定はしない。
【0067】
ステップS120においてセンサ部146による検出を開始した後、ステップS130において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によってESL130に貼り付けられた棚札コード135の読み取りがされたか否かを確認する。棚札コード135の読み取りがされた場合、携帯端末装置140は、棚札コード135の読み取りがされたときのセンサ部146の出力値を携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。また、携帯端末装置140は、棚札コード135の読み取りがされたときに超音波センサ部147から超音波を送出と反射波の検出とを行い、超音波を送出した時刻と反射波を検出した時刻とを携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。なお、携帯端末装置140による棚札コード135の読み取りは、携帯端末装置140を携帯している店員の操作などによって行われるが、本発明においては、携帯端末装置140における棚札コード135の読み取りのための操作方法に関しての規定はしない。
【0068】
また、ステップS130において、棚札コード135の読み取りがされていない場合、ステップS130を繰り返す。なお、ステップS130の繰り返しは、例えば、予め定められた時間の間隔でステップS130を実行することによって、ステップS130を繰り返す処理とすることもできる。また、例えば、店員による携帯端末装置140の操作によって棚札コード135の読み取りが指示されたときにステップS130による棚札コード135の読み取りの確認をする処理とすることもできる。本発明においては、ステップS130の繰り返しの処理に関しての規定はしない。また、店員の操作による棚札コード135の読み取りの指示方法に関しても規定はしない。
【0069】
ステップS140において、携帯端末装置140は、メモリ142に記憶されているセンサ部146の出力値と、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻および反射波を検出した時刻とに基づいて、ESL130の位置情報を算出する。
【0070】
ステップS140において携帯端末装置140は、ESL130の位置情報を算出した後、ステップS150において、携帯端末装置140は、算出したESL130の位置情報と読み取った棚札コード135の情報とを電子棚札管理サーバ210に送信する。
【0071】
続いて、ステップS160において、携帯端末装置140は、次のESL130の棚札コード135の読み取りを行うか否かを確認する。次の棚札コード135の読み取りを行う場合は、ステップS130に戻って、棚札コード135の読み取り、ESL130の位置情報の算出、算出したESL130の位置情報の電子棚札管理サーバ210への送信を繰り返す。また、次の棚札コード135の読み取りを行わない場合は、処理を完了する。
【0072】
ESL130の位置情報を算出する処理手順は、以下である。なお、具体的なESL130の位置情報の算出方法については、後述するため、ここでは、ESL130の位置情報を算出する際の処理の流れについてのみ説明する。
【0073】
まず、ステップS200において、携帯端末装置140内のCPU141は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値とに基づいて、携帯端末装置140が移動したときの姿勢変化情報を算出する。
続いて、ステップS210において、CPU141は、算出した姿勢変化の情報に基づいて、携帯端末装置140が移動したときの加速度成分を算出する。
続いて、ステップS220において、CPU141は、算出した加速度成分に基づいて、携帯端末装置140の移動距離を算出する。
続いて、ステップS230において、CPU141は、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻と、超音波センサ部147が反射波を検出した時刻とに基づいて、携帯端末装置140がESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの携帯端末装置140と床面との距離、すなわち、商品陳列棚300に設置されているESL130の高さを算出する。
続いて、ステップS240において、CPU141は、算出した携帯端末装置140の移動距離とESL130の高さとに基づいて、携帯端末装置140がESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの相対座標、すなわち、商品陳列棚300においてESL130が配置されている位置の座標を算出する。
【0074】
このように、加速度センサとジャイロセンサとの検出値、および超音波の送出時刻と反射波の検出時刻に基づいて、ESL130の位置の相対座標を算出する。このESL130の相対座標には、商品陳列棚300に配置されているESL130に対する精度の良い高さ情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、ESL130が商品陳列棚300の何段目に配置されているかという情報を精度良く得ることもできる。そして、携帯端末装置140から、ESL130の相対座標を受信した電子棚札管理サーバ210は、棚バーコード151に対応付けられた絶対座標に基づいて、取得したESL130の絶対座標を算出することができる。
【0075】
なお、図11のステップS240におけるESL130の座標の算出は、携帯端末装置140内のCPU141が行う構成で説明したが、ステップS220における携帯端末装置140の移動距離の算出と、ステップS230における携帯端末装置140と床面との距離の算出までを携帯端末装置140内のCPU141が実行して、この算出した携帯端末装置140の移動距離と床面との距離を電子棚札管理サーバ210に送信する構成とすることができる。この場合、電子棚札管理サーバ210は、受信した携帯端末装置140の移動距離と床面との距離とに基づいて、商品陳列棚300におけるESL130の相対座標、および店内におけるESL130の絶対座標を算出することとなる。
【0076】
また、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取った際に、電子棚札管理サーバ210から読み取った棚バーコード器150の棚バーコード座標を取得し、この棚バーコード座標に基づいて、携帯端末装置140内のCPU141がESL130の絶対座標の算出までを実行する構成とすることもできる。この場合、電子棚札管理サーバ210は、携帯端末装置140から受信した商品陳列棚300におけるESL130の相対座標、および店内におけるESL130の絶対座標を記録するのみとなる。
【0077】
ここで、ESL130位置情報を取得する場合の一例を、図12を用いて説明する。図12は、棚バーコード器150の絶対座標に基づいてESL130−5の位置情報を取得する一例を示している。
図10に示したステップS120においてセンサ部146による検出を開始した後、図12に示した移動軌跡Bをたどって店員が携帯端末装置140をESL130−5のところまで移動させ、ESL130−5に貼り付けられた棚札コード135を読み取る。このときの携帯端末装置140のESL130−5への移動距離は、加速度センサとジャイロセンサとの検出値に基づいて、X軸方向にXE5、Y軸方向にYE5(図示せず)、Z軸のマイナス方向にZE5と算出される。そして、この算出された移動距離に基づいてESL130−5の相対座標(ESL130−5相対座標=(XE5,YE5,−ZE5))を得ることができる。
【0078】
これにより、棚バーコード座標(X1,Y1,Z1)とESL130−5相対座標=(XE5,YE5,−ZE5)とに基づいて、ESL130−5の絶対座標(ESL130−5絶対座標=(X1+XE5,Y1+YE5,Z1−ZE5))を得ることができる。
【0079】
また、携帯端末装置140がESL130−5に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの携帯端末装置140と床面との距離は、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻と、超音波センサ部147が送出した超音波の反射波を検出した時刻とに基づいて、携帯端末装置140と床面との距離ZEs5と算出される。
【0080】
そして、上述のESL130−5絶対座標=(X1+XE5,Y1+YE5,Z1−ZE5)の高さ方向の座標であるZ方向の値を、携帯端末装置140と床面との距離ZEs5の値に置き換え、ESL130−5の補正絶対座標(ESL130−5絶対座標=(X1+XE5,Y1+YE5,ZEs5))を得ることができる。
【0081】
次に、携帯端末装置140の移動距離の算出方法について説明する。図13は、センサ部146による検出値の処理方法を説明する図である。図13(a)は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値の処理方法を示し、図13(b)は、センサ部146内のジャイロセンサが出力した角速度の値の処理方法を示している。また、図14〜図16は、携帯端末装置140の姿勢に応じて検出されるセンサ部146の検出値の補正処理の方法を説明する図である。なお、図15および図16においては、携帯端末装置140の移動距離の算出に関係しない超音波センサ部147の図示を省略している。
【0082】
携帯端末装置140の移動距離は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値を処理することによって得ることができる。
図13(a)に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させたとき、センサ部146内の加速度センサは、携帯端末装置140の移動に伴う加速度a(t)[m/sec2]の値を出力する。この加速度a(t)を時間tで1回積分することにより速度v(t)[m/sec]が得られる。さらに、速度v(t)を時間tで1回積分することにより距離k(t)[m]を得ることができる。この距離k(t)が、携帯端末装置140の移動距離となる。
【0083】
しかし、図13(a)に示したように移動距離を求めるためには、携帯端末装置140にかかる重力加速度を考慮し、この重力加速度を差し引くことが必要となる。また、この重力加速度は、携帯端末装置140の姿勢に応じてその重力加速度の値が異なるため、携帯端末装置140の姿勢の変化を検出する必要がある。
【0084】
携帯端末装置140の姿勢の変化は、センサ部146内のジャイロセンサが出力した角速度の値を処理することによって得ることができる。
図13(b)に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させたとき、センサ部146内のジャイロセンサは、携帯端末装置140の移動に伴う角速度Ω(t)[deg/sec]の値を出力する。この角速度Ω(t)を時間tで1回積分することにより、図13(c)に示した軸における角度θ(t)[deg]が得られる。この角度θ(t)が、携帯端末装置140の移動角度となる。
【0085】
そして、この移動角度に基づいて、携帯端末装置140のそれぞれの軸方向にかかる重力加速度を算出する。
図14(a)に示すように、携帯端末装置140のZ軸方向には、常に1.0Gの重力加速度agがかかっており、センサ部146内の加速度センサは、z軸方向に重力加速度agを検出している。この状態は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取るときの初期の姿勢である。この初期の姿勢からESL130の位置情報を取得するために店員が携帯端末装置140を移動させたときの手振れなどに伴って、例えば、図14(b)に示したようなX軸回りの回転があった場合、携帯端末装置140の姿勢は、図14(c)に示したような姿勢となる。このとき、センサ部146内の加速度センサによって検出される重力加速度agは、X軸回りの回転角θxに応じて、以下のようなz軸方向の重力加速度成分agzと、y軸方向の重力加速度成分agyとに分かれて検出される。
z軸方向:agz=ag×cosθx
y軸方向:agy=ag×sinθx
【0086】
また、図15(a)に示すような、センサ部146内の加速度センサがz軸方向に重力加速度agを検出している初期の姿勢から、店員による携帯端末装置140の移動に伴って、例えば、図15(b)に示したようなY軸回りの回転があった場合、携帯端末装置140の姿勢は、図15(c)に示したような姿勢となる。このとき、センサ部146内の加速度センサによって検出される重力加速度agは、Y軸回りの回転角θyに応じて、以下のようなz軸方向の重力加速度成分agzと、x軸方向の重力加速度成分agxとに分かれて検出される。
z軸方向:agz=ag×cosθy
x軸方向:agx=ag×sinθy
【0087】
また、図16(a)に示すような、携帯端末装置140の姿勢から、店員による携帯端末装置140の移動に伴って、例えば、図16(b)に示したようなZ軸回りの回転があった場合、携帯端末装置140の姿勢は、図16(c)に示したような姿勢となる。このとき、センサ部146内の加速度センサによって検出される加速度aは、x軸方向の加速度成分axと、y軸方向の加速度成分ayとに分かれて検出される。このx軸方向の加速度成分axと、y軸方向の加速度成分ayとは、店舗内における基準の絶対座標軸であるX軸、Y軸と異なっている。そこで、図16(d)に示すように、Z軸回りの回転角θzに応じて、加速度センサによって検出されて加速度aを、店舗内における基準の絶対座標軸の成分、すなわち、X軸方向の加速度成分aXと、Y軸方向の加速度成分aYとに補正する。この補正した加速度成分aXと加速度成分aYを、図13(a)に示した方法によって処理し、ESL130の位置情報を取得するために店員が携帯端末装置140を移動させたときの携帯端末装置140の移動距離を算出する。
【0088】
なお、図14に示したX軸回りの回転、および図15示したY軸回りの回転においては、上述したそれぞれの軸方向にかかる重力加速度成分を、加速度センサによって検出されて加速度aから差し引くことによって、携帯端末装置140の移動に伴う加速度を算出する。そして、図16(d)に示した考えと同様に、回転角θxおよび回転角θyに応じて、この重力加速度成分を差し引いた加速度を、店舗内における基準の絶対座標軸の成分に補正する。その後、図13(a)に示した方法によって処理することにより、携帯端末装置140の移動距離を算出する。
【0089】
このようにして、携帯端末装置140は、自携帯端末装置140の移動距離を算出し、この算出した移動距離に基づいて、ESL130の位置の相対座標を算出する。また、携帯端末装置140は、この算出したESL130の相対座標と、ESL130の棚札コード135とを自携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。
【0090】
なお、携帯端末装置140が、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取った際に、電子棚札管理サーバ210から読み取った棚バーコード器150が設置されている商品陳列棚300のサイズに関する情報(以下、「棚情報」という)を取得する構成とした場合には、この棚情報に基づいて、携帯端末装置140の移動距離を補正することができる。なお、携帯端末装置140が取得する棚情報は、例えば、図8に示した棚位置座標テーブルの情報である。以下の説明においては、携帯端末装置140が取得した棚情報は、図8に示した棚位置座標テーブルであるものとして説明する。
【0091】
例えば、図17に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させて、ESL130−1〜ESL130−8の棚札コード135を連続して読み取ったとき、携帯端末装置140のセンサ部146による検出では、移動軌跡B2に示した軌跡をたどって移動したという結果が得られたと想定する。図17を見てわかるように、ESL130−8の棚札コード135を読み取ったときの位置情報である算出点E8は、棚位置座標テーブル内の棚サイズにおける棚バーコード座標(X1,Y1,Z1)を基準としたときのX軸方向の距離である長さLを越えている。このような場合、図17に示した補正R8のように、ESL130−8の算出点E8のX方向の値を、商品陳列棚300−1の長さL以内の値(図17においては、補正点E8aの値)に変更するように、携帯端末装置140の移動距離を補正する。
【0092】
また、例えば、図18に示したように、店員が携帯端末装置140を移動させて、ESL130−1、ESL130−4、ESL130−9、ESL130−12の棚札コード135を連続して読み取ったとき、携帯端末装置140のセンサ部146による検出では、移動軌跡B3に示した軌跡をたどって移動したという結果が得られたと想定する。図18を見てわかるように、ESL130−12の棚札コード135を読み取ったときの位置情報である算出点E12は、棚位置座標テーブル内の棚バーコード座標(X1,Y1,Z1)におけるZ方向の距離の値Z1を越えている。このような場合、図18に示した補正R12のように、ESL130−12の算出点E12のZ方向の値を、商品陳列棚300−1に設置された棚バーコード器150の棚バーコード座標のZ方向の値であるZ1以内の値(図18においては、補正点E12aの値)に変更するように、携帯端末装置140の移動距離を補正する。
【0093】
このように、電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に基づいて、算出した携帯端末装置140の移動距離を補正することができる。
なお、算出した携帯端末装置140の移動距離が、電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えてしまった場合に、上述のような携帯端末装置140の移動距離の補正を行わず、携帯端末装置140のLCD表示部143にエラー表示することによって、店員がESL130の位置情報の検出を再度行うようにする構成とすることもできる。
【0094】
なお、携帯端末装置140の移動距離の補正において、算出した携帯端末装置140の移動距離が電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えているか否かの判断は、予め任意の距離の値を設定し、携帯端末装置140が棚情報に含まれる値を超えて、設定した任意の距離の値以上離れた位置に移動したという算出結果が得られたか否かによって判断する構成とすることもできる。
また、算出した携帯端末装置140の移動距離が電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えてしまっている場合において、設定した任意の距離の値以上離れていないという算出結果のときは、上述のような移動距離の補正を行い、設定した任意の距離の値以上離れているという算出結果のときは、携帯端末装置140のLCD表示部143にエラー表示して、店員がESL130の位置情報の再検出を行う構成とすることもできる。
なお、本発明においては、算出した携帯端末装置140の移動距離が電子棚札管理サーバ210から取得した棚情報に含まれる値の範囲を超えているか否かの判断方法や、判断結果に伴うその後の処理方法に関しての規定はしない。
【0095】
次に、携帯端末装置140と床面との距離の算出方法について説明する。図19は、超音波センサ部147による検出値の処理方法を説明する図である。図19では、超音波センサ部147の超音波送受信部1471が送信した超音波の送信波形と、超音波送受信部1471が検出した超音波の受信波形とを示している。
【0096】
超音波センサ部147による距離の検出は、超音波センサ部147の超音波送受信部1471が超音波Sを送出したときの時間Ttから反射波Srを検出したときの時間Trまでの時間Tsと、超音波の伝搬時間Tpとに基づいて算出することができる。
より具体的には、図19に示したように、超音波送受信部1471は、時間Ttのタイミングで超音波Sを送信すると、最初に、超音波送受信部1471は、送信した超音波Sの直接波Sdを検出する。その後、超音波送受信部1471は、時間Trのタイミングで送信した超音波Sの反射波Srを検出する。超音波センサ部147は、時間Trから時間Ttを減算して時間Tsを算出する。また、例えば、超音波送受信部1471が、キャリア周波数が40[kHz]の超音波Sを送信した場合、その超音波Sの伝搬時間Tpは、Tp=331.5+0.61t[m/sec]である。ここで、tは、測定空間の温度[℃]を示す。なお、この測定空間の温度tは、前出の伝搬時間Tpの式からもわかるように、その温度変化における伝搬時間Tpへの影響は少ないので、予め定められた温度(例えば、常温:25[℃])とすることができる。この時間Tsと伝搬時間Tpとに基づいて下式(1)によって、携帯端末装置140と床面との距離Xを算出する。
【0097】
X=Ts/2×Tp ・・・(1)
【0098】
なお、このキャリア周波数が40[kHz]の超音波Sによる測定距離は、0.1〜数[m]であり、測定の分解能は、1[cm]である。よって、高い精度で携帯端末装置140と床面との距離Xを算出することができる。そして、この算出した距離Xが、床面から携帯端末装置140までの高さの値となる。
【0099】
このようにして、携帯端末装置140は、床面から自携帯端末装置140までの高さを算出し、この算出した高さの値を、自携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。また、この算出した高さの値を、別途算出したESL130の位置の相対座標のZ方向の値と差し替える。また、携帯端末装置140は、この差し替えたESL130の相対座標(以下、「補正相対座標」という)と、ESL130の棚札コード135とを自携帯端末装置140内のメモリ142に記憶する。そして、この記憶したESL130の補正相対座標と、ESL130の棚札コード135とを電子棚札管理サーバ210に送信する。携帯端末装置140から、ESL130の補正相対座標を受信した電子棚札管理サーバ210は、棚バーコード151に対応付けられた絶対座標に基づいて、取得したESL130の絶対座標を算出する。
【0100】
なお、携帯端末装置140は、算出したESL130の相対座標と、算出した高さの値と、ESL130の棚札コード135とを電子棚札管理サーバ210に送信する構成とすることもできる。この場合、電子棚札管理サーバ210は、受信したESL130の相対座標と、高さの値とに基づいて、ESL130の補正相対座標を算出し、この算出したESL130の補正相対座標に基づいて、ESL130の絶対座標を算出する。
【0101】
また、棚バーコード151の読み取り後、連続してESL130の棚札コード135を読み取るごとに、算出した床面から自携帯端末装置140までの高さの値に基づいて各ESL130の位置情報を補正することもできる。この場合の一例を、図20を用いて説明する。
【0102】
図20では、棚バーコード151の読み取り後、店員が携帯端末装置140を移動させて、ESL130−1〜ESL130−8の棚札コード135を連続して読み取っている。また、携帯端末装置140は、センサ部146によってESL130を検出するごとに、超音波センサ部147によって検出した高さの値に基づいて、検出したESL130の位置情報を補正する。
このESL130の位置情報を検出するごとに行う位置情報の補正は、携帯端末装置140のセンサ部146の検出によって得られたESL130の位置の相対座標のZ方向の値を、超音波センサ部147によって検出した高さの値に差し替える。これにより、例えば、図20に示した補正R8bのように、ESL130−8の位置情報が、ESL130−8の算出点E8bから補正点E8cに補正される。このように、携帯端末装置140によってESL130の位置情報を検出するごとに、検出したESL130の位置情報を補正することにより、携帯端末装置140の移動軌跡が、移動軌跡B4に示した軌跡となる。
これにより、携帯端末装置140のセンサ部146によってESL130を検出したときのセンサ部146の検出誤差(累積誤差)を低減することができる。
【0103】
図21は、本実施形態において、電子棚札管理サーバ210に記録された棚札位置テーブルの一例を示した図である。図21に示した棚札位置座標テーブルは、商品陳列棚300を識別する棚番号と、商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150およびESL130を識別する装置コードと、棚バーコード器150およびESL130が設置されている位置の情報である絶対座標および相対座標と、相対座標が補正されているか否かを示す補正情報とが関連付けられた情報テーブルである。
【0104】
図21に示した棚札位置座標テーブルにおいて、装置コードには、棚バーコード器150に貼り付けられている棚バーコード151や、ESL130に貼り付けられた棚札コード135が記録される。
【0105】
また、棚札位置座標テーブルにおいて、棚バーコード器150の絶対座標には、図8に示した棚位置座標テーブルの棚バーコード座標が記録され、この棚バーコード座標を基準座標としている。また、ESL130の相対座標には、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の相対座標が記録される。また、ESL130の絶対座標には、棚バーコード座標(絶対座標)に基づいて、ESL130の相対座標から算出されたESL130の絶対座標が記録される。このESL130の相対座標およびESL130の絶対座標には、商品陳列棚300に配置されているESL130に対して、精度の良い高さ情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、ESL130が商品陳列棚300の何段目に配置されているかというような高さに関する情報を精度良く得ることができる。
【0106】
図21に示した棚札位置座標テーブルにおける補正情報には、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の相対座標に対して、携帯端末装置140が補正を行ったセンサ検出軸(x軸、y軸、z軸)の情報が記録される。なお、この補正情報に記録された情報は、例えば、図17および図18に示したような、携帯端末装置140が電子棚札管理サーバ210から棚情報を取得する構成における携帯端末装置140の移動距離の補正情報である。また、例えば、携帯端末装置140が算出したESL130の相対座標と、高さの値とを電子棚札管理サーバ210に送信する構成において、電子棚札管理サーバ210がESL130の補正相対座標を算出した場合に記録される補正情報である。図21に示した棚札位置座標テーブルでは、ESL130−12の相対座標に対して、z軸方向の補正が行われている例を示している。
【0107】
また、図21に示した棚札位置座標テーブルにおける補正情報は、携帯端末装置140が、超音波センサ部147によって検出した高さの値に基づいてESL130の位置情報を補正した場合は、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の相対座標からでは補正の有無を判別できない。このような場合においては、携帯端末装置140から、検出した高さの値に基づいてESL130の位置情報を補正したか否かの情報を取得する構成とすることにより、この札位置座標テーブルにおける補正情報を記録することができる。なお、本発明においては、補正情報の取得方法に関しての規定はしない。
【0108】
次に、商品陳列棚300に陳列されている商品の情報と棚札コード135とを紐付けする際の、ESL130の位置情報の取得方法について説明する。図22は、図7に示した商品陳列棚300−1のESL130の配置において、ESL130の位置情報を取得する際に、ESL130と商品400の情報とを紐付けする場合の一例を示した図である。また、図23は、本実施形態の携帯端末装置140においてESL130の位置情報と商品400の情報とを取得する処理手順を示したフローチャートである。なお、図22においては、図20に示したように、携帯端末装置140がESL130を検出するごとにESL130の位置情報を補正する実施形態においてESL130と商品400の情報との紐付けを適用した場合について説明する。
【0109】
図22は、棚バーコード器150の絶対座標に基づいてESL130−1〜ESL130―3の位置情報を取得する際に、各ESL130に紐付けされる商品400−1〜商品400−3の商品コード(バーコード)を取得する例を示している。ESL130−1〜ESL130―3と商品400−1〜商品400−3との商品コードとを取得する際の店員による携帯端末装置140の移動軌跡は、移動軌跡B5となる。
【0110】
まず、携帯端末装置140によって、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151の読み取りを行う。続いて、携帯端末装置140によって、ESL130−1に貼り付けられた棚札コード135の読み取りを行う。ここで、携帯端末装置140は、棚札コード135を読み取ったときのセンサ部146の検出値に基づいて、携帯端末装置140の移動距離を算出する。続いて、携帯端末装置140は、超音波センサ部147の検出値に基づいて、床面から携帯端末装置140までの高さを算出する。そして、携帯端末装置140は、算出した携帯端末装置140の移動距離と床面から携帯端末装置140までの高さとに基づいて、ESL130−1に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの位置情報を補正する。その後、携帯端末装置140によって、ESL130−1に対応する商品400−1の商品コードの読み取りを行う。そして、携帯端末装置140は、補正後のESL130の位置情報と、棚札コード135の情報と、商品コードの情報とを、電子棚札管理サーバ210に送信する。なお、携帯端末装置140がESL130を検出するごとにESL130の位置情報の補正を行わない場合は、補正後のESL130の位置情報に変えて、算出した携帯端末装置140の移動距離に基づいて算出したESL130の位置の相対座標と、算出した床面から携帯端末装置140までの高さの値とを、電子棚札管理サーバ210に送信する構成とすることもできる。
【0111】
続いて、携帯端末装置140は、ESL130−2に貼り付けられた棚札コード135の読み取り、ESL130−2の位置情報の補正、ESL130−2に対応する商品400−2の商品コードの読み取りを行う。同様に、携帯端末装置140は、ESL130−3に貼り付けられた棚札コード135の読み取り、ESL130−3の位置情報の補正、ESL130−3に対応する商品400−3の商品コードの読み取りを行う。
【0112】
このように、棚札コード135の読み取り、およびESL130の位置情報の補正に続いて商品コードの読み取りを行うことによって、電子棚札管理サーバ210は、ESL130位置情報と商品400の商品情報とを紐付けした商品管理データを取得することができる。
【0113】
ここで、携帯端末装置140が、ESL130の位置情報と商品400の情報とを取得する処理手順を説明する。なお、図23に示したフローチャートの各ステップにおける詳細な処理手順に関しては、図10および図11と同様であるため、ここでは、ESL130の位置情報と商品400の情報とを取得する際の概略の処理の流れについてのみ説明する。
【0114】
まず、ステップS300において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって、棚バーコード器150に貼り付けられた棚バーコード151を読み取る。
【0115】
続いて、ステップS310において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によってESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取る。そして、携帯端末装置140は、センサ部146内の加速度センサが出力した加速度の値と、ジャイロセンサが出力した角速度の値とに基づいて、携帯端末装置140が移動したときの移動距離を算出する。また、携帯端末装置140は、超音波センサ部147が超音波を送出した時刻と反射波を検出した時刻とに基づいて、携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときの携帯端末装置140の床面からの高さを算出する。そして、携帯端末装置140は、算出した移動距離と床面からの高さとに基づいて、携帯端末装置140が棚札コード135を読み取ったときのESL130の補正した位置情報を算出する。
【0116】
続いて、ステップS320において、携帯端末装置140は、携帯端末装置140内のバーコード読み取り部145によって、ステップS310で読み取ったESL130に対応する商品400の商品コードを読み取る。
【0117】
続いて、ステップS330において、携帯端末装置140は、次のESL130の位置情報を取得するか否かを確認する。次のESL130の位置情報を取得しない場合は、ステップS340に進む。また、次のESL130の位置情報を取得する場合は、ステップS310に戻って、棚札コード135の読み取り、ESL130の位置情報の算出、ESL130に対応する商品400の商品コードの読み取りを繰り返す。
【0118】
ステップS340において、携帯端末装置140は、算出したESL130の補正した位置情報、読み取った棚札コード135の情報、および読み取った商品コードの情報を電子棚札管理サーバ210に送信し、処理を完了する。
【0119】
その後、電子棚札管理サーバ210では、携帯端末装置140から送信されてきたESL130の補正した位置情報、棚札コード135の情報、および商品コードの情報に基づいて、ESL130位置情報と商品400の商品情報とを紐付けした商品管理データを記録する。
【0120】
上述のように、商品400を商品陳列棚300に陳列する際に、商品400の商品コードとESL130とを紐付けする作業と同時に、ESL130が設置されている補正された位置の情報を取得することができる。なお、このESL130の補正された位置の情報には、商品陳列棚300に配置されているESL130に対する精度の良い高さ情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、ESL130が商品陳列棚300の何段目に配置されているかという情報も精度良く取得することができる。
【0121】
なお、図22および図23に示したESL130と商品400の情報との紐付けの例においては、先にESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取り、続いてESL130に対応した商品400の商品コードの読み取りを行う例を示したが、この順番に限定されるものではない。例えば、先にESL130に対応した商品400の商品コードを読み取り、続いてESL130に貼り付けられた棚札コード135の読み取りを行うこともできる。また、例えば、携帯端末装置140が読み取っているコード(バーコード)が、棚札コード135であるか、商品コードであるかの判別が行える場合は、ESL130に貼り付けられた棚札コード135と、ESL130に対応した商品400の商品コードとの読み取りの順番を任意にすることができる。
【0122】
図24は、本実施形態において、電子棚札管理サーバ210に記録された商品管理データである商品リンク情報テーブルの一例を示した図である。図24に示した商品リンク情報テーブルは、商品陳列棚300を識別する棚番号と、商品陳列棚300に設置された棚バーコード器150およびESL130を識別する装置コードと、棚バーコード器150およびESL130が設置されている位置の情報である絶対座標および相対座標と、ESL130に対応する商品400の商品コードおよび商品名とが関連付けられた情報テーブルである。
【0123】
図24に示した商品リンク情報テーブルにおいて、棚番号、装置コード、絶対座標、相対座標には、図21に示した棚札位置座標テーブルの情報が記録される。また、商品リンク情報テーブルの商品コードには、携帯端末装置140からESL130の位置情報、棚札コード135とともに送信されてきた、ESL130に対応した商品コードが記録される。また、商品リンク情報テーブルの商品名には、携帯端末装置140から送信されてきた商品コードに対応する商品名が記録される。なお、この商品コードと商品名との対応付けは、例えば、電子棚札管理サーバ210が、図1に示したストアサーバ200から、ストアサーバ200内に記録されている商品400の情報を取得し、この取得した商品400の情報に基づいて記録する。本発明においては、商品コードと商品名との対応付け方法に関しての規定はしない。
【0124】
この商品リンク情報テーブルに記録されたESLのESL130の相対座標およびESL130の絶対座標には、ESL130が設置されている高さに関して、精度の高い情報が含まれている。これにより、電子棚札管理サーバ210は、商品コードや商品名などの商品400に関する情報と、その商品400を陳列している商品陳列棚およびその商品400が商品陳列棚の何段目に陳列されているかというような情報を得ることができる。
【0125】
上記に述べたとおり、本発明では、棚バーコード器150の棚バーコード151を読み取ることによって、携帯端末装置140の姿勢を常に一定の状態とし、携帯端末装置140内のセンサ部146によって自携帯端末装置140が移動した距離を算出することができる。これにより、棚バーコード151を読み取った後にESL130に貼り付けられた棚札コード135を読み取ったときの位置、すなわち、ESL130が設置されている位置の情報を取得することができる。さらに、携帯端末装置140内の超音波センサ部147によって自携帯端末装置140と床面との距離(高さ)の情報を、高い精度で取得することができる。このことによって、ESL130の位置情報を予め記録しておくことなく、自動的にESL130の位置情報を作業性良く取得することができる。また、高い精度でESL130が配置されている高さの情報を取得することができるので、例えば、商品陳列棚300において棚の段数が多いときや、商品陳列棚300に配置されているESL130の数が多いときなどでも、商品400が陳列されている位置を間違えることなく、容易に商品400の確認を行うことができる。
【0126】
また、商品400を商品陳列棚300に陳列する際に行う商品400の商品コードとESL130との紐付け作業と同時に、ESL130が設置されている位置の情報を取得し、また、取得したESL130の位置情報を補正することができる。これにより、効率的に商品400の商品コードとESL130とを紐付けした管理データと、ESL130の位置情報とを関連付けた商品管理データを得ることができる。
また、例えば、商品400の棚卸しなどのときに店員が商品400の情報を確認する際にも、3次元の情報でESL130の位置情報が記録されているため、容易に商品400の位置を特定することができる。
【0127】
なお、本実施形態においては、携帯端末装置140内の超音波センサ部147によって、携帯端末装置140と床面との距離(高さ)を検出する構成で説明を行ったが、本発明において超音波センサ部147によって測定する距離は、床面との距離に限定されるものではない。例えば、超音波センサ部147を天井との距離を測定する位置に配置し、天井と携帯端末装置140との距離によってESL130が配置されている高さの情報を得る構成とすることもできる。また、例えば、商品陳列棚300が箱型の形式である場合などは、超音波センサ部147を商品陳列棚300の側面との距離を測定する位置に配置し、商品陳列棚300の側面と携帯端末装置140との距離によってESL130が配置されている平面方向(例えば、本実施形態におけるX方向)の距離に関する情報を得る構成とすることもできる。また、例えば、超音波センサ部147を上下左右の4方向の距離を測定する位置に配置し、商品陳列棚300の形状に応じた棚情報を作成し、この棚情報に基づいて、補正に使用する距離の検出値を選択する構成とすることもできる。
【0128】
また、本実施形態においては、携帯端末装置140と基準の場所(本実施形態においては、床面)との距離を検出する手段として、超音波センサ部147を用いた構成で説明を行ったが、本発明は、携帯端末装置140と基準の場所との距離を検出する手段を超音波センサ部147に限定するものではない。すなわち、携帯端末装置140と基準の場所との距離を検出することができる手段であればよく、例えば、光センサや測距センサなどのセンサや、距離を測定することができるその他の手段を用いた構成とすることもできる。
【0129】
なお、本実施形態においては、物品の情報を表示する情報表示手段として、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店の商品陳列棚に設置するESLの例として説明したが、本発明は、ESLに限定されるものではない。例えば、販売店で販売される商品などの情報以外の情報とともに、情報表示手段の個々を識別できる識別情報のバーコードが印刷された紙の媒体であってもよい。
また、本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店における適用に限定に限定されるものではない。例えば、倉庫等において、保管物を保管しておく棚や、保管物を収めた箱や、保管物自体に付けて、その保管物の内容の情報を表示するラベルや札の位置情報の取得にも適用することができる。また、例えば、銀行等の書類を扱う業務において、用紙置き場に配置し、用紙の説明や残り枚数を表示する表示装置の位置情報の取得に用いてもよい。また、さらに、工場等において、作業員への作業指示を表示するパネルや部品を置く棚に付けて、部品の分類等の情報を表示するラベルや札の位置情報の取得に用いてもよい。
【0130】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0131】
1・・・販売店システム
10・・・店内システム
20・・・バックヤードシステム
200・・・ストアサーバ
210・・・電子棚札管理サーバ
100・・・POSレジ
110・・・無線LANアクセスポイント
120・・・中継器
130,130−1,130−2,130−3,130−4,130−5,130−6,130−7,130−8,130−9,130−10,130−11,130−12,130−13・・・ESL
131・・・CPU
132・・・メモリ
133・・・LCD表示部
134・・・無線通信部
135・・・棚札コード
140・・・携帯端末装置
141・・・CPU
142・・・メモリ
143・・・LCD表示部
144・・・無線通信部
145・・・バーコード読み取り部
146・・・センサ部
147・・・超音波センサ部
1471・・・超音波送受信部
148,149・・・嵌合部
150・・・棚バーコード器
151・・・棚バーコード
152,153・・・嵌合部
300,300−1,300−2,300−3・・・商品陳列棚
400,400−1,400−2,400−3・・・商品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手段と、
予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手段と、
前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手段と、
予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手段と、
を備えることを特徴とする位置情報取得装置。
【請求項2】
前記情報検出手段はさらに、
所定の場所に配置された物体から座標識別情報を検出し、
前記座標検出手段はさらに、
前記情報検出手段によって検出された前記座標識別情報に予め関連付けられている絶対座標を、前記基準座標に設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報取得装置。
【請求項3】
前記座標検出手段は、
該位置情報取得装置が移動したときの加速度を検出する加速度センサと、
該位置情報取得装置の方向が変化したときの角度を検出する角度センサと、
を備え、
前記位置情報補正手段は、
該位置情報取得装置と予め定められた基準の場所との距離を検出する距離センサ、
を備え、
前記基準座標が設定されたときに前記加速度センサから出力される加速度の検出値と、前記角度センサから出力される角度の検出値とを初期化し、
前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するまでに出力される前記加速度センサからの加速度の検出値と、前記角度センサからの角度の検出値とに基づいて、前記基準座標が設定されたときから前記識別情報を検出したときまでの該位置情報取得装置の移動距離を算出し、
前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するときに出力される前記距離センサからの距離の検出値に基づいて、前記算出した該位置情報取得装置の移動距離を補正し、
該補正した移動距離に基づいて、該位置情報取得装置が前記識別情報を検出したときの座標を、前記基準座標に対する相対座標として算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置情報取得装置。
【請求項4】
前記加速度センサは、
3軸の加速度を検出して、該検出した3軸の加速度のそれぞれの検出値を出力し、
前記角度センサは、
3軸の角度を検出して、該検出した3軸の角度のそれぞれの検出値を出力し、
前記座標検出手段は、
前記角度センサから出力された3軸の角度の検出値に基づいて、前記加速度センサから出力された3軸の加速度の検出値を補正し、
該補正した3軸の加速度の検出値に基づいて該位置情報取得装置の3軸の移動距離を算出し、
前記距離センサは、
予め定められた基準の場所の特定方向における距離の検出値を出力し、
前記位置情報補正手段は、
前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記距離センサによって距離を検出した特定方向の移動距離を、前記距離センサによって検出した距離と差し替え、該差し換え後の移動距離を該位置情報取得装置の補正後の3軸の移動距離とする、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置情報取得装置。
【請求項5】
前記位置情報補正手段は、
該位置情報取得装置の高さ方向における距離を検出し、
前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記位置情報算出手段が算出した前記識別情報を検出したときの高さの情報を補正する、
ことを特徴とする請求項4に記載の位置情報取得装置。
【請求項6】
前記情報表示手段は、
前記物品を識別する情報を表示する電子棚札であり、
前記情報検出手段は、
前記電子棚札に対応付けられた装置識別情報を前記識別情報として検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報取得装置。
【請求項7】
情報検出手段が、物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手順と、
座標検出手段が、予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手順と、
位置情報算出手段が、前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手順と、
位置情報補正手段が、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手順と、
を含むことを特徴とする位置情報取得方法。
【請求項1】
物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手段と、
予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手段と、
前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手段と、
予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手段と、
を備えることを特徴とする位置情報取得装置。
【請求項2】
前記情報検出手段はさらに、
所定の場所に配置された物体から座標識別情報を検出し、
前記座標検出手段はさらに、
前記情報検出手段によって検出された前記座標識別情報に予め関連付けられている絶対座標を、前記基準座標に設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報取得装置。
【請求項3】
前記座標検出手段は、
該位置情報取得装置が移動したときの加速度を検出する加速度センサと、
該位置情報取得装置の方向が変化したときの角度を検出する角度センサと、
を備え、
前記位置情報補正手段は、
該位置情報取得装置と予め定められた基準の場所との距離を検出する距離センサ、
を備え、
前記基準座標が設定されたときに前記加速度センサから出力される加速度の検出値と、前記角度センサから出力される角度の検出値とを初期化し、
前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するまでに出力される前記加速度センサからの加速度の検出値と、前記角度センサからの角度の検出値とに基づいて、前記基準座標が設定されたときから前記識別情報を検出したときまでの該位置情報取得装置の移動距離を算出し、
前記情報検出手段によって前記識別情報を検出するときに出力される前記距離センサからの距離の検出値に基づいて、前記算出した該位置情報取得装置の移動距離を補正し、
該補正した移動距離に基づいて、該位置情報取得装置が前記識別情報を検出したときの座標を、前記基準座標に対する相対座標として算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置情報取得装置。
【請求項4】
前記加速度センサは、
3軸の加速度を検出して、該検出した3軸の加速度のそれぞれの検出値を出力し、
前記角度センサは、
3軸の角度を検出して、該検出した3軸の角度のそれぞれの検出値を出力し、
前記座標検出手段は、
前記角度センサから出力された3軸の角度の検出値に基づいて、前記加速度センサから出力された3軸の加速度の検出値を補正し、
該補正した3軸の加速度の検出値に基づいて該位置情報取得装置の3軸の移動距離を算出し、
前記距離センサは、
予め定められた基準の場所の特定方向における距離の検出値を出力し、
前記位置情報補正手段は、
前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記距離センサによって距離を検出した特定方向の移動距離を、前記距離センサによって検出した距離と差し替え、該差し換え後の移動距離を該位置情報取得装置の補正後の3軸の移動距離とする、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置情報取得装置。
【請求項5】
前記位置情報補正手段は、
該位置情報取得装置の高さ方向における距離を検出し、
前記座標検出手段が算出した3軸の移動距離の内、前記位置情報算出手段が算出した前記識別情報を検出したときの高さの情報を補正する、
ことを特徴とする請求項4に記載の位置情報取得装置。
【請求項6】
前記情報表示手段は、
前記物品を識別する情報を表示する電子棚札であり、
前記情報検出手段は、
前記電子棚札に対応付けられた装置識別情報を前記識別情報として検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報取得装置。
【請求項7】
情報検出手段が、物品を識別する情報を表示する情報表示手段の識別に用いられる識別情報を検出する情報検出手順と、
座標検出手段が、予め設定された基準座標に対する前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの座標を検出する座標検出手順と、
位置情報算出手段が、前記基準座標と、前記座標検出手段によって検出された前記座標とに基づいて、前記情報検出手段によって前記識別情報を検出したときの位置の情報を算出する位置情報算出手順と、
位置情報補正手段が、予め定められた基準の場所との距離を検出し、該検出した距離に基づいて、前記位置情報算出手段によって算出された前記識別情報を検出したときの特定方向における位置の情報を補正する位置情報補正手順と、
を含むことを特徴とする位置情報取得方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−96038(P2011−96038A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250003(P2009−250003)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]