説明

位置情報統合装置、位置情報活用システム及び位置情報統合プログラム

【課題】位置情報の収集、更新を容易に行うことができる位置情報統合装置、位置情報活用システム及び位置情報統合プログラムを提供する。
【解決手段】提供者が位置情報の提供を行う場合、認証部110が当該提供者の認証を行った後、通知部104が提供情報の登録要請通知を行う。この登録要請通知に対して提供者はクライアントPC12から提供情報の登録データと提供情報とを送信する。情報受付部100は、登録データと提供情報とを受け付け、提供情報を評価部102に渡して評価させる。通知部104は、クライアントPC12に上記評価結果を通知する。上記通知後、クライアントPC12から位置情報の提供を承認する旨の確認入力が送信されると、情報変換部106が、上記提供情報を、情報データベース20に格納するために必要なフォーマットに変換し、情報データベース20に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の分野の位置情報を収集・統合し、これを提供する位置情報統合装置、位置情報活用システム及び位置情報統合プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の位置情報が様々な組織、団体、個人等で管理され、必要に応じて提供されている。例えば、各自治体等において、様々な地形地物の位置情報が、都市計画図、固定資産台帳、道路台帳等として保有されている。これらの位置情報は、その縮尺・方位等が統一されていない場合が多い。そこで、下記特許文献1には、利用者が簡単な手順で必要な地域情報を一度に得ることができ、データタイプや縮尺の異なる複数の地図データを自動的に複合化した状態で閲覧することができる地域情報統合システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−77000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の技術は、既存の位置情報を統合するシステムであるが、新たに位置情報を収集し、更新するためのシステムではなかった。
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、位置情報の収集、更新を容易に行うことができる位置情報統合装置、位置情報活用システム及び位置情報統合プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の位置情報統合装置の発明は、所定の分野の位置情報を受け付ける情報受付手段と、前記受け付けた位置情報を所定の基準に従って評価する評価手段と、前記評価手段の評価結果を通知する通知手段と、前記位置情報の提供者から所定の確認入力を受け付ける確認入力受付手段と、前記確認入力受付手段が前記確認入力を受け付けた場合に、前記位置情報を所定の形式に変換する情報変換手段と、前記変換後の位置情報を格納する情報格納手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記評価手段が、前記位置情報を金銭的に評価することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記評価手段が、前記情報受付手段が受け付けた位置情報と過去に受け付けた位置情報との差分情報に基づいて評価を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の発明において、前記情報格納手段が、前記情報受付手段が受け付けた位置情報の履歴情報を格納しており、前記通知手段が、前記履歴情報の通知を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の位置情報活用システムの発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項記載の位置情報統合装置と、前記位置情報統合装置から前記変換後の位置情報を受信する位置情報受信装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記評価手段が、前記位置情報を位置情報受信装置に提供する場合の金銭額を算出し、前記通知手段が前記金銭額を前記位置情報受信装置に通知することを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項5または請求項6記載の発明において、前記情報格納手段が、前記位置情報受信装置が受信した位置情報の履歴情報を格納しており、前記通知手段が、前記履歴情報の通知を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の位置情報統合プログラムの発明は、コンピュータを、所定の分野の位置情報を受け付ける情報受付手段、前記受け付けた位置情報を所定の基準に従って評価する評価手段、前記評価手段の評価結果を通知する通知手段、前記位置情報の提供者から所定の確認入力を受け付ける確認入力受付手段、前記確認入力受付手段が前記確認入力を受け付けた場合に、前記位置情報を所定の形式に変換する情報変換手段、及び前記変換後の位置情報を格納する情報格納手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1または請求項2の発明によれば、提供される位置情報を金銭等に評価し、通知するので、位置情報の収集、更新を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、位置情報の差分情報を使用することにより、適正な評価を行うことができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、履歴情報を使用することにより、所望の位置情報を容易に選択することができる。
【0016】
請求項5から請求項7の発明によれば、位置情報の収集、更新、利用を容易に行うことができる位置情報活用システムを提供できる。
【0017】
請求項8の発明によれば、提供される位置情報を金銭等に評価し、通知するので、位置情報の収集、更新を容易に行うことができる位置情報統合プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0019】
図1には、本発明にかかる位置情報活用システムの一実施形態の構成例が示される。図1において、位置情報活用システムは、サーバ10、クライアントコンピュータ(クライアントPC)12及びネットワーク14を含んで構成されている。
【0020】
サーバ10は、所定の位置情報の収集、更新及び利用者への提供を行う。また、サーバ10は、利用者データベース(利用者DB)16、提供者データベース(提供者DB)18及び情報データベース(情報DB)20に接続されており、位置情報の利用者(位置情報の受け手)及び位置情報の提供者に関する情報並びにサーバ10が扱う位置情報を管理する装置であって、本発明の位置情報統合装置として機能する。ここで、利用者データベース16は、情報データベース20が保持する所定の分野の位置情報をサーバ10から取得して利用する者のデータベースである。利用者は、予め利用者データベース16に登録しておく。また、提供者データベース18は、情報データベース20に登録する位置情報をサーバ10に提供する者のデータベースである。提供者も予め提供者データベース18に登録しておく。また、情報データベース20は、例えば地理情報システム上の位置情報等の、サーバ10が扱う所定の分野の位置情報を保持するデータベースである。この情報データベース20には、提供された位置情報と利用された位置情報の各履歴も格納するのが好適である。なお、図1においては、サーバ10が1台記載されているが、複数のサーバ10を設け、互いに位置情報の授受・統合を行わせる構成としてもよい。
【0021】
クライアントPC12は、所定の位置情報をサーバ10に提供する提供者及び所定の位置情報をサーバ10から取得する利用者として機能する。
【0022】
ネットワーク14は、インターネット、イントラネット等のネットワークであり、サーバ10とクライアントPC12との間の情報の授受を媒介する。
【0023】
図2には、上記サーバ10の一実施形態のブロック図が示される。図2において、サーバ10は、情報受付部100、評価部102、通知部104、情報変換部106、通信部108、認証部110、記憶部112及び情報検索部114を含んで構成されている。
【0024】
情報受付部100は、CPU(中央処理装置)とその動作プログラムにより実現され、位置情報の提供者として機能するクライアントPC12からネットワーク14を介して通信部108が受信した位置情報を受け付ける。この位置情報の種類は特に限定されないが、サーバ10の設置目的に応じた所定の分野の位置情報であり、例えば地理情報システム上の位置情報(地形地物の位置情報)等である。また、情報受付部100は、位置情報の提供者から所定の確認入力を受け付ける処理も行う。この確認入力は、後述する評価部102の評価結果に対して、位置情報の提供を承認する旨の入力である。さらに、情報受付部100は、位置情報の利用者からの位置情報の利用要求も受け付ける。
【0025】
評価部102は、CPUとその動作プログラムにより実現され、情報受付部100が受け付けた位置情報を所定の基準に従って評価する。この評価は、例えば位置情報の提供者に支払われる報酬(金銭)の額等である。なお、記憶部112に記憶された位置情報を更新する場合には、上記情報受付部100が受け付けた位置情報と過去に受け付けた位置情報との差分情報に基づいて評価を行うのが好適である。上記所定の基準は後述する。さらに、評価部102は、利用者が希望する位置情報の利用料金も算出する。
【0026】
通知部104は、CPUとその動作プログラムにより実現され、上記評価部102の評価結果及び情報データベース20に格納された位置情報を通信部108及びネットワーク14を介して位置情報の提供者または利用者として機能するクライアントPC12に通知する。また、通知部104は、情報受付部100が受け付けた位置情報及び利用者が利用した位置情報の各履歴情報もクライアントPC12に通知する構成が好適である。
【0027】
情報変換部106は、CPUとその動作プログラムにより実現され、情報受付部100が上記所定の確認入力を受け付けた場合に、上記位置情報を所定の形式に変換する。所定の形式とは、記憶部112に予め記憶されている位置情報と同じ形式であり、位置情報の統合化のために必要となる形式である。例えば、地形地物の位置情報では、座標、縮尺、方位等の形式である。また、情報変換部106は、上記差分情報の生成処理も行う。
【0028】
通信部108は、イーサネット(登録商標)規格の通信カードその他の通信インターフェースにより構成され、ネットワーク14を介してクライアントPC12と情報の授受を行う。
【0029】
認証部110は、CPUとその動作プログラムにより実現され、クライアントPC12が位置情報を提供し、あるいは位置情報を要求した場合に、クライアントPC12の認証を行う。これにより、位置情報の提供者及び利用者を特定することができる。
【0030】
記憶部112は、CPUの作業メモリとして使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)またはハードディスク装置等の磁気記憶装置その他のコンピュータが読み取り可能な記憶装置で実現され、CPUの動作プログラム、情報受付部100が受け付け、情報変換部106が変換した所定の分野の位置情報等を記憶する。また、上述した利用者データベース16、提供者データベース18及び情報データベース20を記憶部112に構築してもよい。
【0031】
情報検索部114は、CPUとその動作プログラムにより実現され、利用者から受け取った検索条件に従って情報データベース20に格納された位置情報の検索を行う。
【0032】
図3には、上記評価部102が位置情報の評価を行う際に使用する所定の基準の例が示される。図3は、地図その他の地形地物の位置情報を対象とする場合の例である。
【0033】
図3の項目(a)において、地図等の縮尺が大きい(縮小率が小さい)ほど位置情報の精度が高くなるので、位置情報の評価(報酬額)が高くなる。また、項目(b)において、地形地物の測量方法の種類等の測定方法に応じて位置情報の精度が影響されるので、精度の高い測定方法が採用された位置情報ほど評価が高くなる。また、項目(c)における作成日及び項目(d)における更新日が新しいほど位置情報と現状との整合性が高いので、評価が高くなる。また、項目(e)において、データフォーマットがサーバ10において推奨するフォーマットであると、位置情報の取扱が容易となるので評価が高くなる。さらに、項目(f)において、図面の数、データ容量等の情報量が多いほど評価が高くなる。なお、記憶部112に記憶されている位置情報の更新の場合には、情報受付部100が受け付けた位置情報と記憶部112に記憶されている位置情報との差分の情報量に基づいて評価する。
【0034】
評価部102では、図3に例示されたような所定の評価基準に従って、提供者から提供された位置情報を評価する。なお、位置情報の評価基準としては図3に限られるものではなく、各種位置情報が属する分野に応じて予め適宜決定し、記憶部112等に格納しておくのが好適である。
【0035】
図4には、本実施形態にかかる位置情報活用システムにおいて、クライアントPC12からサーバ10に位置情報を提供する際の動作例のフローが示される。図4において、位置情報の提供者がクライアントPC12から自身の提供者情報を送信すると、通信部108がこの提供者情報を受信し、情報受付部100が受け付ける(S101)。認証部110は、予め提供者データベース18に登録してある提供者に関する情報を参照し、提供者の認証処理を行う(S102)。これにより、提供される位置情報の信頼性を確保するとともに、以後の提供者との連絡等を容易に行うことが可能となる。
【0036】
S102において認証が成功した場合には、通知部104が通信部108を介してクライアントPC12に提供情報の登録要請通知を行う。この登録要請通知に対して提供者はクライアントPC12から提供情報の登録データを送信する。この登録データには、例えば提供情報が地形地物の位置情報(地理情報システム上の位置情報)である場合には、地域名、種別、精度、測定方法、作成日、更新日、データフォーマット、データファイル名、利用権限等が含まれる。ここで利用権限とは、利用者を情報提供者自身に限定する、あるいは自治体等による非営利目的での利用に制限する等、利用者に関する制限である。また、データの一部に対して利用者を制限したり、高精度な位置情報により個人を特定できるような情報の利用は個人情報保護法に則る等としてもよい。情報受付部100は、通信部108が受信した上記登録データを受け付ける(S103)。また、提供者は、提供情報もクライアントPC12から送信し、通信部108が受信して情報受付部100が受け付ける(S104)。
【0037】
情報受付部100は、受け付けた提供情報を評価部102に渡し、評価部102が提供情報を評価する(S105)。この評価は、前述したように、提供者に支払われる報酬の額に反映される。
【0038】
通知部104は、通信部108及びネットワーク14を介して位置情報の提供者として機能するクライアントPC12に上記評価結果を通知する(S106)。
【0039】
上記通知後、情報受付部100は、位置情報の提供者側のクライアントPC12から位置情報の提供を承認する旨の確認入力が送信されたか否かを監視する(S107)。通信部108がこの確認入力を受信すると、情報受付部100が確認入力を受け付け、情報変換部106にその旨通知する。情報変換部106は、この通知があると、S104において情報受付部100が受け付けた提供情報を、情報データベース20に格納するために必要なフォーマットに変換する(S108)。例えば提供情報が地形地物の位置情報である場合には、座標、縮尺等を変換する。これにより、情報データベース20に既に格納されている位置情報と統合する等の処理が可能となる。S108で変換後の位置情報は、情報データベース20に格納される(S109)。
【0040】
一方、S107において、確認入力が受け付けられなかった場合には、処理を終了する。この場合には、提供者が位置情報の提供を承認しなかった場合であるので、S104で受け付けた提供情報は破棄される。
【0041】
図5には、本実施形態にかかる位置情報活用システムにおいて、クライアントPC12からサーバ10に位置情報を提供する際の他の動作例のフローが示される。図5において、位置情報の提供者がクライアントPC12から自身の提供者情報を送信すると、情報受付部100がこの提供者情報を受け付ける(S201)。認証部110は、予め提供者データベース18に登録してある提供者に関する情報を参照し、提供者の認証処理を行う(S202)。
【0042】
S202において認証が成功した場合には、通知部104が通信部108を介してクライアントPC12に提供情報の登録要請通知を行う。この登録要請通知に対して提供者はクライアントPC12から提供情報の登録データを送信する。情報受付部100は、通信部108が受信した上記登録データを受け付ける(S203)。また、提供者は、提供情報もクライアントPC12から送信し、通信部108が受信して情報受付部100が受け付ける(S204)。
【0043】
なお、通知部104が提供情報の登録要請通知を行う際に、クライアントPC12の画面上に図7(a)に示される位置情報の提供履歴情報を表示してもよい。この提供履歴情報は、提供者データベース18に登録された提供者及び情報データベース20に格納された位置情報の履歴に基づいて、通知部104が作成し、通信部108を介してクライアントPC12に送信する。提供者は、この提供履歴情報を参照し、マウス等により所望位置情報を選択することにより、更新しようとする位置情報を指定することができる。この際には、上記登録データのうち変更のない部分の入力は省略してもよい。登録時のデータは、予めサーバ10側に保持されているからである。また、図7(a)右側には位置情報活用システムにおける登録状況(新規登録、更新登録に関する情報や今後の登録予定等)が表示されており、提供者に対して登録を促す効果が期待できる。
【0044】
S204において情報受付部100が受け付けた提供情報は、情報変換部106が、情報データベース20に格納するために必要なフォーマットに変換する(S205)。また、情報変換部106は、上記変換後の提供情報と、情報データベース20に格納されていた対応する位置情報との差分情報を生成する(S206)。ここで差分情報とは、例えば所定の形式に変換された同一領域の地図データにおいて輝度値に変化のあった画素数として求めることができる。なお、輝度値の差分を求めるに当たり、両データの平均輝度を事前に揃えておく等、不必要な差分が出ないように考慮することが好ましい。
【0045】
情報変換部106は、生成した差分情報を評価部102に渡し、評価部102が差分情報に基づいて提供情報を評価する(S207)。この評価は、前述したように、提供者に支払われる報酬の額に反映される。
【0046】
通知部104は、通信部108及びネットワーク14を介して位置情報の提供者として機能するクライアントPC12に上記評価結果を通知する(S208)。
【0047】
上記通知後、情報受付部100は、位置情報の提供者側のクライアントPC12から位置情報の提供を承認する旨の確認入力が送信された否かを監視する(S209)。通信部108がこの確認入力を受信すると、情報受付部100が確認入力を受け付け、情報変換部106にその旨通知する。情報変換部106は、この通知があると、S206において生成した差分情報を情報データベース20に格納する(S210)。
【0048】
一方、S209において、確認入力が受け付けられなかった場合には、処理を終了する。この場合には、提供者が位置情報の提供を承認しなかった場合であるので、S204で受け付けた提供情報は破棄される。
【0049】
図6には、本実施形態にかかる位置情報活用システムにおいて、情報データベース20に格納された位置情報をクライアントPC12が利用する際の動作例のフローが示される。図6において、位置情報の利用者がクライアントPC12から自身の利用者情報を送信すると、通信部108がこの利用者情報を受信し、情報受付部100が受け付ける(S301)。認証部110は、予め利用者データベース16に登録してある利用者に関する情報を参照し、利用者の認証処理を行う(S302)。これにより、位置情報の提供が可能な利用者であるか否かを容易に判断することができる。
【0050】
次に、通知部104は、利用者が過去に利用した位置情報が更新されているか否かを確認し(S303)、更新されている場合には、通信部108を介してクライアントPC12に更新情報を通知する(S304)。情報受付部100は、この更新情報の通知に対して利用者側のクライアントPC12から位置情報の更新要求が送信されたか否かを監視する(S305)。
【0051】
なお、通知部104が上記更新情報を通知する際には、図7(b)に示された位置情報の利用履歴情報を通信部108を介してクライアントPC12に送信し、クライアントPC12の画面上に表示するのが好適である。この利用履歴情報には、過去に利用した位置情報が更新されている場合に、その更新情報が含まれている。利用者は、マウス等により当該更新情報を選択することにより、更新要求を送信できる構成としている。更新情報を表示する他、予め登録してある利用者のメールアドレスに更新があった旨を通知してもよい。また、図7(b)右側には位置情報活用システムにおける登録状況(新規登録、更新登録に関する情報や今後の登録予定等)が表示されており、利用者に対してこれまでに利用していない新たな情報の利用を促す効果が期待できる。
【0052】
また、S303において、位置情報が更新されていない場合及びS305において更新要求がなかった場合には、利用者がクライアントPC12から送信した検索条件に従って情報検索部114が位置情報の検索を行う(S306)。上記検索条件には、例えば地域名、種別、精度、測定方法、作成日、更新日及び利用権限等がある。
【0053】
S305において更新要求があった場合及びS306において所望の位置情報が検索された場合に、評価部102は、所望の位置情報またはその更新情報を利用するための利用料金を算出する(S307)。例えば、地図等の縮尺が大きい(縮小率が小さい)ほど位置情報の精度が高いので、利用料金が高くなる。また、地形地物の測量方法の種類等の測定方法に応じて位置情報の精度が影響されるので、精度の高い測定方法が採用された情報ほど利用料金が高くなる。あるいは、データの作成日及び更新日が新しいほど情報と現状との整合性が高いので、利用料金が高くなる。さらに、図面の数、データ容量等の情報量が多いほど利用料金が高くなる。またデータ提供者が、自身あるいは第三者が登録したデータを利用する場合には、利用料金を割り引きするようにしてもよい。
【0054】
通知部104は、通信部108及びネットワーク14を介して位置情報の利用者として機能するクライアントPC12に上記利用料金を通知する(S308)。
【0055】
上記通知後、情報受付部100は、位置情報の利用者側のクライアントPC12から位置情報の利用を承認する旨の確認入力が送信された否かを監視する(S309)。通信部108がこの確認入力を受信すると、情報受付部100が確認入力を受け付け、情報変換部106にその旨通知する。情報変換部106は、上記所望の位置情報またはその更新情報を整形し(S310)、通知部104に渡す。この場合の位置情報の整形は、例えば地形地物の位置情報が複数ある場合に、座標、縮尺等を変換し、複数の位置情報を重畳して統合化することをいう。
【0056】
通知部104は、成形後の位置情報を通信部108及びネットワーク14を介して位置情報を要求したクライアントPC12に送信する(S311)。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明にかかる位置情報活用システムの一実施形態の構成例を示す図である。
【図2】本発明にかかるサーバの一実施形態のブロック図である。
【図3】位置情報の評価を行う際に使用する所定の基準の例を示す図である。
【図4】本発明にかかる位置情報活用システムの動作例のフロー図である。
【図5】本発明にかかる位置情報活用システムの他の動作例のフロー図である。
【図6】本発明にかかる位置情報活用システムのさらに他の動作例のフロー図である。
【図7】位置情報の提供履歴及び利用履歴を表示する画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10 サーバ、12 クライアントPC、14 ネットワーク、16 利用者データベース、18 提供者データベース、20 情報データベース、100 情報受付部、102 評価部、104 通知部、106 情報変換部、108 通信部、110 認証部、112 記憶部、114 情報検索部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の分野の位置情報を受け付ける情報受付手段と、
前記受け付けた位置情報を所定の基準に従って評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果を通知する通知手段と、
前記位置情報の提供者から所定の確認入力を受け付ける確認入力受付手段と、
前記確認入力受付手段が前記確認入力を受け付けた場合に、前記位置情報を所定の形式に変換する情報変換手段と、
前記変換後の位置情報を格納する情報格納手段と、
を備えることを特徴とする位置情報統合装置。
【請求項2】
請求項1記載の位置情報統合装置において、前記評価手段は、前記位置情報を金銭的に評価することを特徴とする位置情報統合装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の位置情報統合装置において、前記評価手段は、前記情報受付手段が受け付けた位置情報と過去に受け付けた位置情報との差分情報に基づいて評価を行うことを特徴とする位置情報統合装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の位置情報統合装置において、前記情報格納手段は、前記情報受付手段が受け付けた位置情報の履歴情報を格納しており、前記通知手段は、前記履歴情報の通知を行うことを特徴とする位置情報統合装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項記載の位置情報統合装置と、前記位置情報統合装置から前記変換後の位置情報を受信する位置情報受信装置と、を備えることを特徴とする位置情報活用システム。
【請求項6】
請求項5記載の位置情報活用システムにおいて、前記評価手段は、前記位置情報を位置情報受信装置に提供する場合の金銭額を算出し、前記通知手段は前記金銭額を前記位置情報受信装置に通知することを特徴とする位置情報活用システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6記載の位置情報活用システムにおいて、前記情報格納手段は、前記位置情報受信装置が受信した位置情報の履歴情報を格納しており、前記通知手段は、前記履歴情報の通知を行うことを特徴とする位置情報活用システム。
【請求項8】
コンピュータを、
所定の分野の位置情報を受け付ける情報受付手段、
前記受け付けた位置情報を所定の基準に従って評価する評価手段、
前記評価手段の評価結果を通知する通知手段、
前記位置情報の提供者から所定の確認入力を受け付ける確認入力受付手段、
前記確認入力受付手段が前記確認入力を受け付けた場合に、前記位置情報を所定の形式に変換する情報変換手段、及び
前記変換後の位置情報を格納する情報格納手段として機能させることを特徴とする位置情報統合プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−198085(P2008−198085A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34942(P2007−34942)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000135771)株式会社パスコ (102)
【Fターム(参考)】