説明

位置感知文書

発明は地理的位置で作成、保存及び/又は送信される電子的文書に関し、文書は地理的位置の識別が、任意に電子文書の時刻、日付及び/又は作者と共に表示される。発明はまた、地理的位置で作成、保存及び/又は送信される電子文書に表示を付す方法であって、地理的位置の識別のため位置特定技術手段を用いるステップと、識別される地理的位置の表示が文書に付されるようにするステップとを含んで成る方法に関する。更に、発明は電子文書に文書の作成、保存又は送信、又はそれ等の中2つ又は全ての地理的位置の識別を表示する装置であって、この地理的位置を識別する位置特定技術手段と、文書に識別地理的位置を表示する手段とを含んで成る装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子的に作成されたディジタル文書に対して行う、1つ又は1つ以上の識別表示の貼り付けに関する。
【0002】
一実施態様において、本発明は電子的に送信される意図のディジタル文書に係わる。もう1つの実施態様において、本発明は識別表示を、ルアルタイムに又は遡及的に、ソフトウェアを通して、多種のコンピュータファイルに貼り付けるのを可能にすることを意図している。これ等コンピュータファイルには限定するものではないが、ディジタル写真、電子カレンダー、スケジューラ、プロジェクト、リソース及び時間管理システム、販売指図及び販売力追跡システム、個人生産性アプリケーション、及び識別表示が加わることにより使い易さの改良が得られる他のソフトウェアが含まれる。
【0003】
本発明は意図する適用対象として特に、移動電話(携帯電話)、ポータブルパーソナルコンピュータ(ラップトップ)及びワイヤレスパーソナルデータアシスタント(PDA)等の移動電子装置において、又は位置の特定情報を含むことにより一般に実用性が増大する又は可能性が高まるソフトウェア・アプリケーションに関連して、作成、送信又は着信されるかかる文書に適用される。
【0004】
近い将来には、他の電子装置も出現するであろうが、本発明はそのような新しい装置にも適用可能であることが理解されよう。
【背景技術】
【0005】
文書の作成及びワイヤレス送信を可能にする電子装置は益々より普通になってきている。一般に、これ等の装置は時間、主題及び/又は作者に関してソートし、且つ順序付けている。例えば、文書は電子メールとして携帯電話、ラップトップ、PDA及びブラックベリー装置等の装置を送信地又は着信地として作成及び送信し、次いで時間、主題及び/又は作者をサーチ又はフィルタ基準としてサーチ又はソートすることができる。
【0006】
もう1つの例として、sms(ショートメッセージサービス)文書は携帯電話間又は携帯電話と陸線間で作成及び送信することができる。
【0007】
この種の電子文書は文書の起点、即ち電子メールの場合には差出人の電子メールアドレス、smsの場合には差出人の名前(携帯電話に既に入力されていれば)に関する情報を時刻と共に注記できている。電子メールのような電子文書によっては、受信時刻も注記できている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
携帯電話、ラップトップ及びPDAを、移動中の人、しばしば一度に何日又は何週間もの間、そしてしばしば異なる時間帯に跨って旅行する人が用いることは普通である。電子文書が現在のものより多くの情報を運べたら、そういう人々には役立つであろう。例えば、電子文書に文書の作成又は送信の場所が表示(frank)されていれば、有益であろう。これはユーザにサーチ又はソート基準の付加的な階層を与えるであろう。一例は、ユーザが或る地理的位置からの写真の全てを日付又は時刻にかかわらず欲しい場合、ユーザは所望位置によりソートするだけで良くなる。もう1つの例では、旅行者がその旅程に関して或る種の文書の作成場所を見ることができれば有用であろう。また、ユーザが過去の地理的位置のスクリーンを用い、クリックして特定の場所で作成された全文書を見ることができれば役に立つであろう。更に、電子文書はまた、差出人による作成又は送信の時刻及び日付等の他の表示も運べれば良いであろう。
【0009】
また、電子スケジューラ、カレンダー又は個人生産性ソフトウェア・アプリケーション等が装置内に、定期的に自動記録されたその物理的位置を含んでいれば有用であろう。この情報は特に将来において、多くの面で有用となろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は第1の側面において、地理的位置で作成、保存及び/又は送信される文書であって、作成、保存及び/又は送信の該地理的位置の識別表示が付されて成る文書を提供する。
【0011】
好適な実施態様において、この電子文書は第1の地理的位置から第2の地理的位置への電子送信に適しており、この文書には第1の地理的位置の識別表示がなされている。第1の地理的位置は作成の場所と同一で良く、保存又は送信の場所でも良い。
【0012】
本発明はまた、地理的位置で作成、保存及び/又は送信される電子文書に表示を付す方法であって、地理的位置の識別のため位置特定技術手段を用いるステップと、識別される地理的位置の表示が文書に付されるようにするステップとを含んで成る方法を提供する。
【0013】
地理的位置は文書の作成、保存又は送信される場所で良い。地理的位置は、文書が第3者により作成され、装置に送信されるか、該装置内で作成されるかに拘らず、文書が保存される場所でも良い。地理的位置は文書が送信される場所でも良い。場合によっては、場所の全て又は幾つかが特定文書に対して同一で良い。他の場合には、1つ又は1つ以上が異なっても良い。作成、保存及び送信の任意のもの又は全部の位置が文書に表示されるようにすることも本発明の範囲内である。
【0014】
文書が第1の地理的位置から第2の地理的位置への送信に適した好適な実施態様において、本方法は第1の地理的位置の識別のため位置特定技術手段を用いるステップと、識別される第1地理的位置の表示が文書に付されるようにするステップとを含む。
【0015】
本発明はまた、電子文書に文書の作成、保存又は送信、又はそれ等の中2つ又は全ての地理的位置の識別表示を付する装置であって、この地理的位置を識別する位置特定技術手段と、識別された地理的位置の表示を文書に付する手段とを含んで成る機構又は装置を提供する。
【0016】
更に、文書には作成又は送信の認証時刻及び/又は日付、及び/又は作者の特定が表示されても良い。
【0017】
文書は非限定的に、JPEGファイル、映画、MP3ファイル、ウェブページ、オフィス文書、写真、PDFファイル等を含む、任意の適宜電子文書で良い。好ましくは、文書は電子的送信に適したものであり、限定するものではないが電子メール(添付物有又は無)又はsmsを含む。
【0018】
電気的送信又は通信のモードは広範な適宜モードから選ぶことができ、限定するものではないがRFIDタグを用いる無線周波、Wi-FI、AM/FM信号、携帯電話ネットワーク、インターネット、衛星、銅線、ファイバーオプティクス又は赤外技術を含む。当業者は、好適なモードはワイヤレスであることを認めるであろう。好ましくは、文書は地理的位置の基準に基づいて並び換え(sort)又は配列(order)することができる。
【0019】
送信文書には、第2の地理的位置、通常文書が受信される受取人のいる場所が表示される。
【0020】
地理的位置は位置特定技術手段により適宜仕方で識別特定することができる。これ等のものの幾つかを例示として述べてみるが、本発明の範囲を制限するものでないことが理解されるべきである。
【0021】
位置、即ち場所は特に携帯電話の場合、携帯電話ネットワークを用いることにより特定することができる。携帯電話システムの各電話は一般に約10平方マイルをカバーしている。各携帯電話は、携帯電話と低電力で通信するように設計されたタワーのある基地局を有している。これ等基地局は、コールが電話を発信点又は着信点としてなされるとき、電話のあるセルを移動電話交換局が識別して制御される。セルの位置を、本発明の目的のための作成、保存又は送信の地理的位置の識別のために用いることができる。この実施態様では、位置特定技術手段がセル位置を解釈し、表示付加(franking)手段がこの情報を文書と適合性のある方法で翻訳する。例えば、地理的位置は文書自体に単語で、又は符号として現れることがあり、この場所は文書に適宜方法で貼り付けられるようにして、アイコン上をクリックするかログを検索することにより示されるようにすることができる。
【0022】
この実施態様では、携帯電話に記憶されるかサーバに中継されるセル位置ログファイルが、携帯電話ユーザが居た場所の現行履歴記録を保存するようにすることができる。このデータは、サーバからログファイルをダウンロードすることにより、又は電話をドッキングステーションに接続することにより、又はワイヤレス通信を用いることにより、適宜のソフトウェア・アプリケーションに導入することができる。従って、例えば、出張が終わったら、旅行者はカレンダーを各活動の場所、時刻及び日付で埋める、即ち電子文書の作成又は保存、又は電子文書の送信を行うことができる。
【0023】
もう1つの例として、適宜の移動電話三角測量法を用いて場所を特定識別することができる。
【0024】
場所(位置)を特定識別する他の方法としては、インターネットサービス・プロバイダのIPアドレス及びログオンシーケンスの解釈、移動データ「ホットスポット」ログインの記録(recordal)、WiFiアクセスポイント、ワイヤレスLAN又はルータとのハンドシェーク、サーバによる一斉通信のLAN信号の検出、FM又はAM同時通信により送信される信号の検出、飛行機トランスポンダの三角測量、及び三角測量を用いて位置を演繹する、衛星受信器による地球規模測位(GPS)の使用が挙げられる。
【0025】
位置特定術手段は携帯電話、ラップトップ又はPDA等のユーザ装置自体にインストールすることができ、文書を作成する又は位置情報を用いるソフトウェア・アプリケーションを含む装置とは無関係の別個の装置で良い。それは位置、日付及び時間情報を収集及びソートする又は収集及び送信する特定目的のためにユーザが運ぶ又は身に付けるもので良い。それは時計、札入れ、スマートカード及び無接点アクセスカード等の他の装置と一体化されたものでも良い。この情報は、カレンダー、日程計画、プロジェクト管理、請求書作成、電子メール、文書作成、販売力管理、時間追跡等に遡及的に適用されるためドッキングステーションを通して又はワイヤレスで、種々の電子装置上の種々のソフトウェア・アプリケーションに後で導入されても良い。文書作成手段及び表示付加 (franking)手段は当業者には明らかなように、任意の適宜手段で良い。
【0026】
電子文書をラップトップで作成しようとする場合、ラップトップがスタンドバイモードにある又は適宜の位置表示機構を組み込んでいるとき、特定時間間隔で位置を固定及び追跡できる内部GPS受信器をラップトップが含むのが好ましい。ラップトップがパワーアップすると、緯度及び経度に関するデータ又は他の表示手段がカレンダー等の当該アプリケーションに自動的に記憶されるようにする。任意選択として、ラップトップが後でインターネットに接続されるとき、データは翻訳されて位置の詳細が得られる。要すれば、これ等は、支店、供給業者、得意先等、ラップトップのユーザが移動すべき既知位置の作表と比較される。この情報はラップトップのユーザが、包括的記録を人力の介在無しに保存するのを容易にする。
【0027】
これは、装置がその位置を定期的に自動記録する一例である。他の例は当業者には明らかであろう。
【実施態様】
【0028】
文書にどのように地理的位置の表示が付されるかを理解するのに、本発明は図1に見られる位置入力及び特定経路を辿ることにより、最も良く理解される。文書はユーザ装置から始まる。ユーザ装置は任意の一装置でも良く、また複数の装置の任意の組み合わせでも良く、PDA、携帯電話、ワイヤレスハブ等を含む種々のソースから選ばれて良い。それを起点として、文書は種々の通信媒体の任意の1つ又は1つ以上を介して、位置決定技術と通信する。ユーザ装置は図1に見る通り、企業システムと通信できる。地理的位置は、図1に示す、市場にある任意の適宜の位置決定技術手段により容易に決定することができる。これ等は電話セルの特定、移動電話通信三角測量、移動ネットワークセルデータベース問い合わせ、IPから位置の変換、インターネットサービス・プロバイダIPアドレス及びログオンシーケンス、ワイヤレスホットスポット位置データベース問い合わせ、移動データ「ホットスポット」ログインの記録(recordal)、WiFiアクセスポイントとのハンドシェーク、ワイヤレスLAN又はルータ、サーバによるブロードキャストLAN信号の検出、RFIDデータベース問い合わせ、無線信号測位、FM又はAmブロードキャストにより送信される信号の検出、飛行機トランスポンダの三角測量及び衛星受信器による地球規模測位等を含む。他の将来の適宜手段も本発明の実施において使用されることが予想されるので、その範囲内である。
【0029】
一旦地理的位置が特定識別されたら、この位置の識別は、文書の作成、保存又は送信時に、任意の適宜公知手段により文書に表示することができる。文書はワードファイル、電子メール又はコンピュータ、PDA、移動電話等による任意の適宜ファイルとして作成することができる。
【0030】
本発明の実行を可能にするのに適したソフトウェアは、当業者に自明な仕方で作成することができる。
【0031】
図1に描かれた経路は二方向経路である。位置決定技術はユーザ装置と相互に通信することができる。
【0032】
一旦適切な通信が行われたら、ユーザは時間、主題及び/又は作者に加えて地理的位置に関して、ソート、サーチ、フィルタ、オーダー等を行うことができる。
【0033】
図2において、位置決定処理ユニットはディジタル文書の作成、保存又は送信時に、市場にある任意の適宜手段により地理的位置を特定識別する。これ等手段として、移動電話通信三角測量法、移動電話タワー特定識別、ワイヤレスホットスポットID、AM/FM無線ブロードキャストID、GPS問い合わせ、送信無線信号、地球磁気署名ID、航空機からの受信信号及びトランスポンダのブロードキャストが含まれる。この位置決定処理ユニットはその場合、双方向ワイヤ又はワイヤレスリンクを用いて、地理的位置の情報をネットワーク(NW)化PC又は位置履歴のデータベースにアクセス又はこれを維持するようにした装置に送信する。
【0034】
ディジタル文書を作成、保存及び/又は送信するようになっているPC,PDA又は携帯電話のようなスタンドアロン装置は、位置決定処理ユニットから地理的位置の情報を受信し、その情報を文書上に表示して、文書が何処で作成、保存又は送信されたかを示す。位置決定処理ユニット及びスタンドアロン装置は別々の装置であっても、連結された装置であっても良い。
【0035】
本明細書及び請求の範囲の全体を通して、単語”comprise”及びその派生語が用いられている場合、特記のない限り排他的ではなく、包括的意味を有するものと理解されるべきである。
【産業上適用性】
【0036】
種々の技術の当業者にとって自明であるように、本明細書に記載の発明は上記実施例には限定されず、多くの分野で広範な用途がある。本発明は文書の地理的位置を特定識別する技術、特に文書に地理的位置の識別の表示を付す技術において重要な前進を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】表示文書の位置入力及び決定経路の一実施態様を示すブロック線図である。
【図2】表示文書の位置入力及び決定経路の類似実施態様を示すブロック線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的位置で作成、保存及び/又は送信される電子文書であって、作成、保存及び/又は送信の地理的位置の識別表示が付されて成る電子文書。
【請求項2】
地理的位置が文書の作成及び/又は保存、又は送信される場所である請求項1に記載の文書。
【請求項3】
文書は、文書の電子的送信、作成又は保存の時刻及び日付、又は文書の作者特定の表示が付されて成る請求項1又は2に記載の文書。
【請求項4】
文書が電子メール又はsmsである請求項1〜3の何れか1つに記載の文書。
【請求項5】
文書がワイヤレス送信に適した請求項1〜4の何れか1つに記載の文書。
【請求項6】
文書が地理的位置の基準に基づく並び換え(sorting)又は配列(ordering)に適した請求項1〜5の何れか1つに記載の文書。
【請求項7】
地理的位置で作成、保存及び/又は送信される電子文書に表示を付す方法であって、地理的位置の識別のため位置特定技術手段を用いるステップと、識別される地理的位置の表示が文書に付されるようにするステップとを含んで成る方法。
【請求項8】
地理的位置が文書の作成、保存又は送信される場所である請求項8に記載の方法。
【請求項9】
位置特定技術手段が次の1つ又は1つ以上を用いる請求項7又は8に記載の方法。
電話セルの特定
移動電話通信三角測量
インターネットサービスIPアドレス及びログオンシーケンスの解釈
移動データ「ホットスポット」ログオンの記録
WiFiアクセスポイント、ワイヤレスLAN又はルータとのハンドシェーク
サーバによるブロードキャストLAN信号の検出
FM又はAMブロードキャストにより送信される信号の検出
飛行機トランスポンダの三角測量
衛星受信器による地球規模測位
【請求項10】
電子文書に文書の作成、保存又は送信、又はそれ等の中2つ又は全ての地理的位置の識別表示を付す装置であって、
地理的位置を識別する位置特定技術手段と
識別された地理的位置の表示を文書に付す手段と
を含んで成る装置。
【請求項11】
添付図面の図1又は2に関して本明細書に実質的に記載されている電子文書。
【請求項12】
添付図面の図1又は2に関して本明細書に実質的に記載されている電子文書への表示方法。
【請求項13】
添付図面の図1又は2に関して本明細書に実質的に記載されている電子文書への表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−508238(P2009−508238A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530278(P2008−530278)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001366
【国際公開番号】WO2007/030897
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(307033914)テレズィゴロジー インク. (7)
【Fターム(参考)】