説明

位置検出装置および携帯型電話機

【課題】 構造の複雑化を回避しつつ、適切な位置検出が可能な位置検出装置を提供すること。
【解決手段】 検出基準面1と、検出基準面1に近接する検出対象物Obを互いに異なる方向から撮像するカメラ21,22と、カメラ21,22の画像から、検出基準面1に対する検出対象物Obの近接位置を演算する演算手段と、を備えた位置検出装置A1であって、カメラ21の視野において検出基準面1よりも離間した位置にあり、検出対象物Obとの明暗差を生じうる背景枠31と、カメラ22の視野において検出基準面1よりも離間した位置にあり、検出対象物Obとの明暗差を生じうる背景枠32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるタッチパネルとして用いられる位置検出装置およびこれを備えた携帯型電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
図22は、従来の位置検出装置の一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示された位置検出装置Xは、たとえば液晶表示パネルの表面である検出基準面91に近接する指などの検出対象物Obの位置を検出する。位置検出装置Xには、2つの光学ユニット92A,92Bおよび反射枠93が備えられている。図23に示すように、光学ユニット92A,92Bは、発光部94、受光部95、およびハーフミラー96を備えている。発光部94からの光は、ハーフミラー96によって反射されることにより、検出基準面91のごく近傍を検出基準面91に沿って進行する。図22に示すように、検出基準面91に沿って進行した光は、反射枠93によって反射される。反射枠93は、いわゆる再帰反射材によって構成されており、入射してきた方向に光を反射する機能を有する。反射枠93によって反射された光は、図23に示すようにハーフミラー96を透して受光部95に受光される。受光部95は、たとえばフォトセンサを備えている。検出基準面91に検出対象物Obが近接すると、光が遮られる。このため、光学ユニット92A,92Bの像には、検出対象物Obの陰が映る。これにより、光学ユニット92A,92Bそれぞれから検出対象物Obへの方位が得られ、これらの方位から検出基準面91における検出対象物Obの2次元座標を算出することができる。
【0003】
しかしながら、検出対象物Obの位置を適切に検出するには、光学ユニット92A,92Bにおいて、発光部94、受光部95、およびハーフミラー96の位置あわせを正確に行うことが不可欠である。発光部94、受光部95、およびハーフミラー96の位置に不当なずれがあると、発光部94から出射された光は、再帰反射材からなる反射枠93によって反射されても受光部95に正確に受光されないからである。この位置あわせを行うことに起因して、製造工程の煩雑化やコストの増大が招来されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−303046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、構造の複雑化を回避しつつ、適切な位置検出が可能な位置検出装置およびこれを用いた携帯型電話機を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される位置検出装置は、検出基準面と、上記検出基準面に近接する検出対象物を互いに異なる方向から撮像する第1および第2の撮像手段と、上記第1および第2の撮像手段の画像から、上記検出基準面に対する上記検出対象物の近接位置を演算する演算手段と、を備えた位置検出装置であって、上記第1の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第1の背景体と、上記第2の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第2の背景体と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体は、黒色である。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体が内部に配置され、上記検出基準面が広がる方向に延びる凹溝を備えている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体のそれぞれは、相対的に反射率が低い低反射部と反射率が高い高反射部とを有し、上記低反射部および高反射部のそれぞれは、上記検出基準面が広がる方向に延びている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記低反射部が内部に配置され、かつ上記高反射部が外縁部に配置されており、上記検出基準面が広がる方向に延びる凹溝を備えている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記低反射部は、上記検出基準面に対して上記高反射部よりも離間した位置に配置されている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記低反射部は、黒色であり、上記高反射部は、白色である。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体には、上記検出基準面が広がる方向に配列されており、背景色と異なる色とされた基準マーク群が設けられている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体は、互いの一部ずつが共通した共通部を有しており、上記共通部にある上記第1の背景体の上記基準マーク群と上記第2の背景体の上記基準マーク群とは、上記検出基準面の法線方向に重ねて配置されている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記演算手段は、上記第1および第2の撮像手段の画像において、上記基準マーク群によって生じる複数の明度ピークのうち互いに隣り合うものどうしが、上記検出対象物の像によって繋げられた部分を特定することにより、上記検出対象物の位置を演算する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記演算手段は、上記第1および第2の撮像手段の画像において、上記基準マーク群によって生じる複数の明度ピークを用いて、上記画像上の位置と上記検出基準面における位置との補正を行う。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体は、発光する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体は、LEDと、全体が細長状であり、上記LEDからの光が入射する入射部、この入射部から長手方向に進行してきた光を長手方向と垂直である方向に反射する反射部、およびこの反射部によって反射された光を上記検出基準面に沿って進行する線状光として出射する出射部を有する導光体と、を具備する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の背景体は、有機EL発光部を有する。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記検出基準面は、矩形状であり、上記第1および第2の撮像手段は、上記検出基準面の四隅のいずれかに配置されている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の撮像手段のいずれとも異なる方向から上記検出対象物を撮像する第3の撮像手段と、上記第3の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第3の背景体と、をさらに備える。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記検出基準面の法線方向視において、上記第1ないし第3の撮像手段の視野は互いに重なっている。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1ないし第3の撮像手段のいずれとも異なる方向から上記検出対象物を撮像する第4の撮像手段と、上記第4の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第4の背景体と、をさらに備えており、上記検出基準面の法線方向視において、上記第1および第3の撮像手段が上記検出基準面を挟んで対向配置されており、かつ上記第2および第4の撮像手段が上記検出基準面を挟んで対向配置されており、上記検出基準面の法線方向視において、上記第1および第3の撮像手段の視野と上記検出基準面とが重なる領域が互いに異なっており、かつ上記第2および第4の撮像手段の視野と上記検出基準面とが重なる領域が互いに異なっている。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の撮像手段は、上記検出基準面に対して上記検出対象物が存在する表側とは反対側の裏側に配置されており、上記第1および第2の背景体の像を、上記第1および第2の撮像手段の視野に写り込ませる第1および第2の光学手段をさらに備える。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の光学手段は、上記検出基準面に対して上記表側に位置する表側反射部と、上記検出基準面に対して上記裏側に位置する裏側反射部とを有する。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記表側反射部は、上記検出基準面に対して上記表側の空間を平行に進行してきた光を、上記裏側反射部を介して上記第1および第2の撮像手段に集光する凹面鏡である。
【0027】
本発明の第2の側面によって提供される携帯型電話機は、本発明の第1の側面によって提供される上記位置検出装置と、上記検出基準面としての画像表示面と、を備え、上記第1および第2の撮像手段は、2次元撮像素子を具備しており、上記第1の撮像手段は上記画像表示面の法線方向表側方向を向くカメラ姿勢と、上記第1の背景体を撮像可能な検出姿勢とをとり、上記第2の撮像手段は上記画像表示面の法線方向裏側方向を向くカメラ姿勢と、上記第2背景体を撮像可能な検出姿勢とをとる、ことを特徴としている。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記画像表示面の法線方向視において、上記画像表示面から退避した位置にあり、上記カメラ姿勢をとった上記第1の撮像手段の視野に上記第1の背景体を写り込ませる第1の反射手段と、上記画像表示面の法線方向視において、上記画像表示面から退避した位置にあり、上記カメラ姿勢をとった上記第2の撮像手段の視野に上記第2の背景体を写り込ませる第2の反射手段と、をさらに備える。
【0029】
このような構成によれば、たとえば図22,23に示した例に備えられていた発光部94やハーフミラー96を備える必要がない。上記第1および第2の撮影手段の配置に際しては、上記第1および第2の背景体が映りこむ程度に位置あわせすれば十分である。このため、上記位置検出装置の製造において煩わしい光学的な位置決め作業をほとんど排除することが可能であり、上記位置検出装置の製造コストを削減することができる。
【0030】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置における撮像手段を示す要部断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置の撮像手段および背景体と画像レベルとを示す概念図である。
【図5】本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置における座標演算を説明するための平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置における撮像手段のレンズの一例を示す正面図および断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に基づく位置検出装置を示す斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に基づく位置検出装置の撮像手段および背景体と画像レベルとを示す概念図である。
【図10】本発明の第3実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】本発明の第7実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図16】本発明の第7実施形態に用いられる発光ユニットを示す要部断面図である。
【図17】本発明の第8実施形態に基づく位置検出装置を示す概略平面図である。
【図18】本発明の第9実施形態に基づく位置検出装置を備えた携帯型電話機の一例を示す正面図である。
【図19】本発明の第9実施形態に基づく位置検出装置を備えた携帯型電話機の一例を示す背面図である。
【図20】本発明の第9実施形態に基づく位置検出装置を示す斜視図である。
【図21】本発明の第9実施形態に基づく位置検出装置を示す斜視図である。
【図22】従来の位置検出装置の一例を示す概略平面図である。
【図23】従来の位置検出装置の一例に用いられる光学ユニットを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0033】
図1および図2は、本発明の第1実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A1は、たとえば液晶表示パネル11を備えた画像表示装置に備えられており、検出基準面1、カメラ21,22、枠部材3、および演算部6を備えている。図1においては、演算部6を省略している。
【0034】
検出基準面1は、本実施形態においては、画像を表示するための液晶表示パネル11の表面である。液晶表示パネル11に表示された画像の内容に応じて、使用者は指で画像のアイコンなどを触れる動作を行うことにより、様々な操作を行う。使用者の指が、位置検出される検出対象物Obとなっている。本実施形態の検出基準面1は、矩形状である。
【0035】
カメラ21,22は、2次元撮像素子を備えており、たとえばVGAサイズの2次元画像を撮像可能である。カメラ21,22は、検出基準面1の二つの隅に離間して配置されている。図2に示すように、カメラ21,22の視野Fv1,Fv2は、画角が90度程度であり、それぞれが検出基準面1のほとんどをカバーしている。カメラ21,22は、本発明で言う第1および第2の撮像手段に相当する。
【0036】
図6は、カメラ21,22のレンズ構成の一例を示している。この例においては、カメラ21,22のレンズ25にフィルタ26が設けられている。フィルタ26は、4つのバンドパスフィルタ261,262,263,264によって構成されている。バンドパスフィルタ261,262,263,264は、順に赤外線Lir、赤色光Lr、緑色光Lg、青色光Lbのみを選択的に透過するフィルタである。これらのバンドパスフィルタ261,626,263,264が、同心円状に配置されている。このようなフィルタ26を設けることにより、波長が異なる赤外線Lir、赤色光Lr、緑色光Lg、青色光Lbの焦点をほぼ同じ位置とすることが可能である。これは、カメラ21,22の画像をより鮮明とするのに適している。なお、本実施形態以降の構成においては、フィルタ26を設けることが画像の鮮明化に好ましいが、フィルタ26を備えない構成としてもよい。
【0037】
図3に示すように、カメラ21,22の正面には、スリット27aが形成された遮光板27が設けられている。遮光板27は、光を遮るたとえば黒色樹脂からなる。スリット27aは、検出基準面11と平行に延びており、カメラ21,22の画像に枠部材3以外の不要な部分が映り込むことを防止するためのものである。
【0038】
枠部材3は、検出基準面1を囲むように設けられている。本実施形態において、枠部材3の内周壁は、黒色とされている。枠部材3の内周壁の一部は、背景枠31,32になっている。背景枠31と背景枠32とは、それぞれの一部ずつを共有する構成とされている。背景枠31は、検出基準面1を挟んでカメラ21とは反対側に配置されており、視野Fv1内に位置している。背景枠32は、検出基準面1を挟んでカメラ22とは反対側に配置されており、視野Fv2内に位置している。背景枠31,32は、本発明で言う第1および第2の背景体に相当する。
【0039】
演算部6は、カメラ21,22が接続されており、カメラ21,22の画像データを用いて検出対象物Obの2次元座標を算出するためのものである。演算部6における座標算出は以下のように行われる。
【0040】
まず、検出基準面1に検出対象物Obが近接すると、図4に示すように、カメラ21,22と背景枠31,32との間に検出対象物Obが位置することになる。このため、カメラ21,22の画像には、背景枠31,32が映っている黒色の背景と、これから浮かび上がるように見える検出対象物Obとが存在する。検出対象物Obは、外光または液晶表示パネル11からの光により、黒色の背景枠31,32よりも明るい。このため、カメラ21,22の画像レベルLvは、検出対象物Obが存在する方位に相当する画素部分にピークを持つ分布となる。このピーク位置を算出することにより、図5に示すように、カメラ21,22からの検出対象物Obの方位角α,βが得られる。検出基準面1のx方向寸法をw、カメラ21,22から検出対象物Obまでの距離をr1,r2とすると、検出対象物Obの位置座標(x1、y1)は、以下の数式により算出される。演算部6のカメラ21,22に対するサンプリング時間を適宜設定することにより、検出対象物Obの位置座標(x1,y1)をほぼリアルタイムで検出することができる。
【0041】
【数1】

【0042】
次に、位置検出装置A1の作用について説明する。
【0043】
本実施形態によれば、たとえば図22,23に示した例に備えられていた発光部94やハーフミラー96を備える必要がない。カメラ21,22の配置に際しては、背景枠31,32が映りこむ程度に位置あわせすれば十分である。このため、位置検出装置A1の製造において煩わしい光学的な位置決め作業をほとんど排除することが可能であり、位置検出装置A1の製造コストを削減することができる。
【0044】
黒色の背景枠31,32は、検出対象物Obとの明暗差を生じさせるのに適している。使用者に対して操作が求められる場合、液晶表示パネル11には操作を誘導する画像が表示されている。このため、液晶表示パネル11が検出対象物Obを照らす照明として機能する。また、検出基準面1がほとんど輝度を発揮しない状態であるにも関わらず使用者に操作が求められる場合は、液晶表示パネル11以外の外光によってある程度視認できる状態が一般的である。このため、検出対象物Obは、この外光によって適切に照らされる。したがって、背景枠31,32を背景として検出対象物Obを撮影することにより、検出対象物Obの位置を適切に検出することができる。
【0045】
2つのカメラ21,22を矩形状とされた検出基準面1の2つの隅に離間して配置することは、検出対象物Obの位置座標を正確に検出するのに有利である。
【0046】
図7〜図21は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0047】
図7および図8は、本発明の第2実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A2は、枠部材3や背景枠31,32の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態において、枠部材3の内周壁の一部には、凹溝30および背景枠31,32が設けられている。各背景枠31,32は、低反射部30Aおよび高反射部30Bを有している。
【0048】
図7に示すように、凹溝30は、枠部材3の横方向および縦方向(x方向およびy方向)に沿って形成されている。低反射部30Aは、反射率が比較的低い色調を呈し、たとえば黒色とされている。高反射部30Bは、反射率が比較的高い色調を呈し、たとえば白色とされている。図8に示すように、低反射部30Aは、凹溝30内の底部30aに配置されている。高反射部30Bは、凹溝30の外縁部30bに配置されている。低反射部30Aおよび高反射部30Bは、枠部材3の横方向および縦方向に延びており、互いに平行に配置されている。低反射部30Aは、検出基準面1に対して高反射部30Bよりも離間した位置にある。
【0049】
図9に示すように、カメラ21,22と背景枠31,32との間に検出対象物Obが位置する場合、カメラ21,22の画像には、低反射部30Aに対応する黒色の背景および高反射部30Bに対応する白色の背景、ならびにこれらの手前側に見えるように検出対象物Obが存在する。黒色の背景は、検出対象物Obを明るい像として浮かび上がらせる一方、白色の背景は、検出対象物Obを暗い像として浮かび上がらせる。すなわち、黒色の低反射部30Aに対応する画像レベルLvAは、全体的に低位となり、検出対象物Obが存在する方位に相当する画素部分に極大のピークを持つ分布となる。一方、白色の高反射部30Bに対応する画像レベルLvBは、全体的に高位となり、検出対象物Obが存在する方位に相当する画素部分に極小のピークを持つ分布となる。これら極大および極小のピーク位置に基づき、上述した実施形態によるものと同様の演算処理を行うことにより、検出対象物Obの位置座標(x1,y1)を検出することができる。
【0050】
たとえば、検出対象部Obが黒いタッチペンの場合、黒色の背景に対応する画像レベルLvAでは、ピーク位置を判別しにくくなるが、白色の背景に対応する画像レベルLvBから容易にピーク位置を判別することができる。一方、検出対象部Obが白いタッチペンの場合、上述した場合とは逆に、黒色の背景に対応する画像レベルLvAから容易にピーク位置を判別することができる。これにより、検出対象部Obの色合いに左右されることなく、検出対象部Obの位置座標(x1,y1)を検出することができる。
【0051】
また、黒色の低反射部30Aは、凹溝30内に配置されているため、外光や液晶表示パネル11からの光を受けにくく、不当に光を反射することがない。これにより、黒色の背景に対応する画像レベルLvAは、全体的により低位となり、検出対象物Obに対応するピーク位置がしきい値処理などによって容易に求めやすくなる。したがって、屋外などの強い外光の下で使用される状況にあっても、そのような外光の影響を受けずに検出対象部Obの位置座標(x1,y1)を確実に検出することができる。このことは、外光の強さによる画像レベルの変動を抑えることにも資する。なお、同様の効果を得るべく、上述した第1実施形態において、背景枠31,32を凹溝30内に配置した構成としてもよい。また、高反射部30Bが、凹溝30の内部ではなく外縁部30bに配置されていることにより、外光や液晶表示パネル11からの光によって高反射部30Bが照らされやすい。これにより、高反射部30Bをより高輝度である部位とすることができる。低反射部30Aよりも高反射部30Bが液晶表示パネル11に対して近いことにより、液晶表示パネル11からの光によって高反射部30Bがより明るく照らされる。また、低反射部30Aが照らされてしまうことを回避することが可能である。
【0052】
図10は、本発明の第3実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A3は、背景枠31,32の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態の背景枠31,32には、基準マーク群35,36が設けられている。
【0053】
基準マーク群35は、複数の基準マーク351によって構成されており、背景枠31に設けられている。複数の基準マーク351は、背景枠31に沿って間隔をおいて配置されている。複数の基準マーク351の間隔は、カメラ21から各基準マーク351に向かう方位が等角度となるように設定されている。基準マーク群36は、複数の基準マーク361によって構成されており、背景枠32に設けられている。複数の基準マーク361は、背景枠32に沿って間隔をおいて配置されている。複数の基準マーク361の間隔は、カメラ22から各基準マーク361に向かう方位が等角度となるように設定されている。背景枠31,32が共有されている部分においては、基準マーク群35,36の該当部分が検出基準面1の法線方向において重ねて配置されている。本実施形態においては、複数の基準マーク351,361は、いずれも白色とされている。
【0054】
同図にはカメラ21の2つの画像レベルLvを示している。上段の画像レベルLvは、検出対象物Obが近接していない状態である。この画像レベルLvには、複数の基準マーク351に相当する複数のピークLv1が分布している。この複数のピークLv1は、等しい方位角度ごとに位置している。位置検出装置A3を組み立てた後には、複数のピークLv1を用いた補正を行ってもよい。具体的には、カメラ21,22の画像において、複数のピークLv1が映っている位置が所定の方位角度ごとであると演算部6に記憶させておく。このような処理を行っておくことにより、たとえばカメラ21,22のレンズが不可避的な歪を有する場合であっても、検出対象物Obの方位を正確に得ることができる。
【0055】
下段の画像レベルLvは、検出対象物Obが近接している状態である。この場合、検出対象物Obの像があるピークLvと重なる。これにより、画像レベルLvには、複数のピークLvに加えて、高原状のピークLv2が含まれることとなる。このピークLv2は、複数のピークLv1と容易に区別することが可能である。したがって、検出対象物Obの方位を適切に得ることができる。
【0056】
図11は、本発明の第4実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A3は、4つのカメラ21,22,23,24を備える点が、上述した実施形態と異なっている。カメラ21,22,23,24は、検出基準面1の四隅に配置されている。カメラ23,24は、本発明で言う第3および第4の撮像手段に相当する。
【0057】
同図によく表れているように、カメラ21,22,23,24の視野Fv1,Fv2,Fv3,Fv4は、それぞれ検出基準面1のおよそ半分の直角三角形領域をカバーしており、背景枠31,32,33,34が映っている。互いに対向配置されたカメラ21,23の視野Fv1と視野Fv3は、互いに検出基準面1の反対側をカバーしている。同様に互いに対向配置されたカメラ22,24の視野Fv2と視野Fv4とは、検出基準面1の反対側をカバーしている。これにより、検出基準面1は、視野Fv1,Fv2が重なる領域、視野Fv2,Fv3が重なる領域、視野Fv3,Fv4が重なる領域、視野Fv4,Fv1が重なる領域、の4つの二等辺三角形領域に区画されている。演算部6は、4つの二等辺三角形領域ごとに、検出対象物Obの位置検出演算を独立して行う。
【0058】
このような構成により、複数の検出対象物Obが検出基準面1に近接した場合に、上記各二等辺三角形領域に含まれる検出対象物Obが1つまでであれば、最大4つの検出対象物Obの位置座標を同時に検出することができる。
【0059】
図12は、本発明の第5実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A4は、3つのカメラ21,22,23を備えており、演算部6における演算処理が上述した位置検出装置と異なっている。
【0060】
本実施形態においては、3つのカメラ21,22,23が検出基準面の3つの隅に配置されている。カメラ21,22,23の視野Fv1,Fv2,Fv3は、それぞれが検出基準面1のほぼ全面をカバーしており、互いに重なり合っている。背景枠31は、カメラ21の視野Fv1の背景となるように、矩形状である検出基準面1の四辺のうち図中右方と下方の辺に相当する位置に設けられている。背景枠32は、カメラ22の視野Fv2の背景となるように、検出基準面1の四辺のうち、図中下方と左方の辺に相当する位置に設けられている。背景枠31,32のうち検出基準面1の図中下方の辺に相当する位置に設けられた部分どうしは、互いに共通である。背景枠33は、カメラ23の視野Fv3の背景となるように、検出基準面1の四辺のうち、図中左方と上方の辺に相当する位置に設けられている。背景枠32,33のうち検出基準面1の図中左方の辺に相当する位置に設けられた部分どうしは、互いに共通である。
【0061】
本実施形態における演算部6の演算処理を以下に説明する。検出基準面1に2つの検出対象物Ob1,Ob2が近接している。カメラ21,22のみを用いた演算処理のみでは、実体がある検出対象物Ob1,Ob2だけでなく、虚像の検出対象物Ob1’,Ob2’が生じてしまう。ここで、カメラ23の方位情報を加味することにより、検出対象物Ob1’,Ob2’が虚像であると容易に判断することが可能である。このカメラ21,22,23を用いた位置検出は、検出基準面1のいずれの位置に2つの検出対象物Ob1,Ob2が近接しても演算可能である。
【0062】
図13および図14は、本発明の第6実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A6は、光学手段51,52を備える点が上述した実施形態と異なっている。
【0063】
本実施形態においては、カメラ21,22は、液晶表示パネル11に対して検出基準面1が配置された表側とは反対側の裏側に配置されている。カメラ21,22それぞれの表側には、背景枠31,32が配置されている。光学手段51は、カメラ21に正対する位置に配置されており、光学手段52は、カメラ22に正対する位置に配置されている。
【0064】
図14に示すように、光学手段51は、表側反射部51aおよび裏側反射部51bによって構成されている。表側反射部51aは、背景枠31から互いに平行に進行してきた光を、カメラ21に集光可能な凹面鏡とされている。表側反射部51aによって表側から裏側に向かって反射された光は、裏側反射部51bによってカメラ21へと向けられる。光学手段52も光学手段51と同様に、表側反射部52aおよび裏側反射部52bを備えており、同様の構成とされている。
【0065】
このような構成によれば、カメラ21,22を検出基準面1、さらには液晶表示パネル11の裏側に配置することが可能である。これにより、検出基準面1の表側には、枠部材3と表側反射部51a,51bの一部ずつとが存在するだけである。したがって、位置検出装置A6の見栄えをすっきりとすることができる。
【0066】
また、カメラ21,22には、検出基準面1に沿って平行に進行してきた光が入射する。このため、カメラ21,22(あるいは背景枠31,32)に対する検出対象物Obの遠近によって位置精度がばらつきにくい。したがって、検出対象物Obの位置検出精度を高めることができる。
【0067】
図15は、本発明の第7実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A7は、本発明で言う第1および第2の背景体として発光ユニット41,42を備える点が、上述した各実施形態と異なっている。
【0068】
発光ユニット41,42は、検出基準面1を囲むように配置されており、発光ユニット41が視野Fv1内に、発光ユニット42が視野Fv2内にそれぞれ配置されている。中央に位置する発光ユニット41,42は互いに共有されている。発光ユニット41,42は、それぞれLED光源部41a,42aと導光体41b,42bとを具備している。
【0069】
図16は、発光ユニット41の要部拡大図である。LED光源部41aは、発光ユニット41の光源であるLEDチップが内蔵されており、導光体41bの端部に隣接して配置されている。LED光源部41aは、たとえば白色光を発する。
【0070】
導光体41bは、たとえば透明なアクリル樹脂からなる細長状体であり、入射部411、反射部412、および出射部413を有している。入射部411は、導光体41bの一端面であり、LED光源部41aからの光が入射する。反射部412は、導光体41bの長手方向に沿って配置された複数の凹部からなり、入射部411から導光体41bの長手方向に進行してきた光を導光体41bの幅方向に向けて反射する。反射部412によって反射された光は、出射部413から出射される。これにより、発光ユニット41は、図15に示すように検出基準面1に沿って広がる線状光を出射する。発光ユニット42も、同様の構成により線状光を発する。
【0071】
このような実施形態によれば、検出基準面1に近接した検出対象物Obが発光ユニット41,42からの光を遮ることとなる。このため、カメラ21,22の画像には、明るい背景に検出対象物Obの像が暗い部分として写る。したがって、このような構成によっても検出対象物Obの位置座標を適切に検出することができる。本実施形態から理解されるように、本発明で言う第1および第2の背景体は、黒色などのものに限定されず、自らが発光することにより検出対象物Obとの明暗差を生じうる構成であってもよい。
【0072】
図17は、本発明の第8実施形態に基づく位置検出装置を示している。本実施形態の位置検出装置A8は、上述した実施形態A7の発光ユニット41,44とは異なる構成とされた発光ユニット43,44を備えている。発光ユニット43,44は、それぞれ有機EL発光部を備えており、検出基準面1に沿った線状光を発する。
【0073】
このような実施形態によっても、カメラ21,22の画像には、明るい背景に検出対象物Obの像が暗い部分として写る。したがって、検出対象物Obの位置座標を適切に検出することができる。
【0074】
図18〜図21は、本発明の第9実施形態に基づく位置検出装置およびこれを用いた携帯型電話機を示している。本実施形態の携帯型電話機Bは、ケース71,71’、液晶表示パネル72、操作ボタン73を備えており、位置検出装置A9が組み込まれている。なお、図20、図21においては、理解の便宜上ケース71’を省略している。
【0075】
ケース71,71’は、たとえば樹脂からなり互いにスライドさせることが可能とされている。図18および図19は、ケース71からケース71’を引き出した状態を示している。ケース71は、液晶表示パネル72を収容している。液晶表示パネル72には、携帯型電話機Bの動作状態を示す画像や操作のためのアイコンが表示される。ケース71’には、操作ボタン73が設けられている。また、ケース71’(もしくはケース71)には、図示しない演算部が収容されている。
【0076】
図20は、カメラ21,22がカメラ姿勢をとっている状態を示している。この状態においては、カメラ21,22は互いに反対方向を向いている。そして、図18および図19に示すように、ケース71の液晶表示パネル72が露出している側には、カメラ22のレンズが露出しており、ケース71の反対側にはカメラ21のレンズが露出している。カメラ21は、通常の風景画像の撮影に用いられ、カメラ22はたとえば使用者の顔を撮影するために用いられる。
【0077】
カメラ21,22には、ギヤ75a,75bが取り付けられている。ギヤ75a,75bは、ギヤ75cと噛み合っている。ギヤ75cにはレバー74が取り付けられている。図18に示すようにレバー74を右に位置させるとカメラ21,22がカメラ姿勢をとる。一方、レバー74を左に位置させると、カメラ21,22が検出姿勢をとる。
【0078】
図21は、カメラ21,22が検出姿勢をとった状態を示している。本図に示すように、カメラ21,22の正面には、反射部53,54が配置されている。液晶表示パネル72の表面が検出基準面1となっており、この検出基準面1を囲むように枠部材3が設けられている。反射部53は、背景枠31から進行してきた光をカメラ21へと集光する凹面鏡である。反射部54は、背景枠32から進行してきた光をカメラ22へと集光する凹面鏡である。これにより、カメラ21の視野Fv1とカメラ22の視野Fv2とが、互いに重なるように検出基準面1のほぼ全域をカバーしている。反射部53,54は、本発明で言う第1および第2の反射手段に相当する。
【0079】
このような構成によれば、カメラ21,22にカメラ姿勢をとらせることにより、風景と使用者の顔とを携帯型電話機Bによって撮影可能である一方、カメラ21,22に検出姿勢をとらせることにより、検出基準面1に近接する使用者の指などの検出対象物Obの位置座標を検出することができる。
【0080】
ギヤ75a,75b,75cを介してレバー74とカメラ21,22とを連結することにより、レバー74の動作のみによって、カメラ21,22のカメラ姿勢と検出姿勢とを容易に切り替えることが可能である。凹面鏡とされた反射部53,54を備えることにより、互いに近接して設けられたカメラ21,22の視野Fv1,Fv2を、互いに異なる方向から検出基準面1に近接する検出対象物Obを捉えうる構成とすることができる。
【0081】
本発明に係る位置検出装置および携帯型電話機は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る位置検出装置および携帯型電話機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0082】
第1ないし第4の撮像手段としては、2次元撮像素子を備えたもの以外に、複数の受光素子が1次元に配置されたものであってもよい。本発明で言う背景体としては、黒色のものに限定されず、検出対象物との明暗差を適切に生じうるものであればよい。
【0083】
本発明に係る位置検出装置の用途は、上述した実施形態に限定されず、ATM、券売機、ゲーム機、計測機器、OA機器、カーナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータなど、主に画像表示面に対する指示をタッチ操作によって行うことを意図された機器が挙げられる。
【符号の説明】
【0084】
A1〜A9 位置検出装置
Fv1〜Fv4 視野
Ob 検出対象物
B 携帯型電話機
1 検出基準面
11 液晶表示パネル
21 カメラ(第1の撮像手段)
22 カメラ(第2の撮像手段)
23 カメラ(第3の撮像手段)
24 カメラ(第4の撮像手段)
25 レンズ
26 フィルタ
27 遮光板
27a スリット
3 枠部材
31 背景枠(第1の背景体)
32 背景枠(第2の背景体)
33 背景枠(第3の背景体)
34 背景枠(第4の背景体)
35,36 基準マーク群
351,361 基準マーク
41,42,43,44 発光ユニット(背景体)
41a,42a LED光源部
41b,42b 導光体
411 入射部
412 反射部
413 出射部
51 (第1の)光学手段
52 (第2の)光学手段
51a,52a 表側反射部
51b,52b 裏側反射部
53 反射部(第1の反射手段)
54 反射部(第2の反射手段)
6 演算部(演算手段)
71 ケース
72 液晶表示パネル
73 操作ボタン
74 レバー
75a,75b,75c ギヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出基準面と、
上記検出基準面に近接する検出対象物を互いに異なる方向から撮像する第1および第2の撮像手段と、
上記第1および第2の撮像手段の画像から、上記検出基準面に対する上記検出対象物の近接位置を演算する演算手段と、を備えた位置検出装置であって、
上記第1の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第1の背景体と、
上記第2の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第2の背景体と、
を備えることを特徴とする、位置検出装置。
【請求項2】
上記第1および第2の背景体は、黒色である、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
上記第1および第2の背景体が内部に配置され、上記検出基準面が広がる方向に延びる凹溝を備えている、請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
上記第1および第2の背景体のそれぞれは、相対的に反射率が低い低反射部と反射率が高い高反射部とを有し、上記低反射部および高反射部のそれぞれは、上記検出基準面が広がる方向に延びている、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項5】
上記低反射部が内部に配置され、かつ上記高反射部が外縁部に配置されており、上記検出基準面が広がる方向に延びる凹溝を備えている、請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
上記低反射部は、上記検出基準面に対して上記高反射部よりも離間した位置に配置されている、請求項4または5に記載の位置検出装置。
【請求項7】
上記低反射部は、黒色であり、上記高反射部は、白色である、請求項4ないし6のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項8】
上記第1および第2の背景体には、上記検出基準面が広がる方向に配列されており、背景色と異なる色とされた基準マーク群が設けられている、請求項1ないし7のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項9】
上記第1および第2の背景体は、互いの一部ずつが共通した共通部を有しており、
上記共通部にある上記第1の背景体の上記基準マーク群と上記第2の背景体の上記基準マーク群とは、上記検出基準面の法線方向に重ねて配置されている、請求項8に記載の位置検出装置。
【請求項10】
上記演算手段は、上記第1および第2の撮像手段の画像において、上記基準マーク群によって生じる複数の明度ピークのうち互いに隣り合うものどうしが、上記検出対象物の像によって繋げられた部分を特定することにより、上記検出対象物の位置を演算する、請求項8または9に記載の位置検出装置。
【請求項11】
上記演算手段は、上記第1および第2の撮像手段の画像において、上記基準マーク群によって生じる複数の明度ピークを用いて、上記画像上の位置と上記検出基準面における位置との補正を行う、請求項8ないし10のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項12】
上記第1および第2の背景体は、発光する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項13】
上記第1および第2の背景体は、LEDと、全体が細長状であり、上記LEDからの光が入射する入射部、この入射部から長手方向に進行してきた光を長手方向と垂直である方向に反射する反射部、およびこの反射部によって反射された光を上記検出基準面に沿って進行する線状光として出射する出射部を有する導光体と、を具備する、請求項12に記載の位置検出装置。
【請求項14】
上記第1および第2の背景体は、有機EL発光部を有する、請求項12に記載の位置検出装置。
【請求項15】
上記検出基準面は、矩形状であり、
上記第1および第2の撮像手段は、上記検出基準面の四隅のいずれかに配置されている、請求項1ないし14のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項16】
上記第1および第2の撮像手段のいずれとも異なる方向から上記検出対象物を撮像する第3の撮像手段と、
上記第3の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第3の背景体と、をさらに備える、請求項1ないし15のずれかに記載の位置検出装置。
【請求項17】
上記検出基準面の法線方向視において、上記第1ないし第3の撮像手段の視野は互いに重なっている、請求項16に記載の位置検出装置。
【請求項18】
上記第1ないし第3の撮像手段のいずれとも異なる方向から上記検出対象物を撮像する第4の撮像手段と、
上記第4の撮像手段の視野において上記検出基準面よりも離間した位置にあり、上記検出対象物との明暗差を生じうる第4の背景体と、をさらに備えており、
上記検出基準面の法線方向視において、上記第1および第3の撮像手段が上記検出基準面を挟んで対向配置されており、かつ上記第2および第4の撮像手段が上記検出基準面を挟んで対向配置されており、
上記検出基準面の法線方向視において、上記第1および第3の撮像手段の視野と上記検出基準面とが重なる領域が互いに異なっており、かつ上記第2および第4の撮像手段の視野と上記検出基準面とが重なる領域が互いに異なっている、請求項16に記載の位置検出装置。
【請求項19】
上記第1および第2の撮像手段は、上記検出基準面に対して上記検出対象物が存在する表側とは反対側の裏側に配置されており、
上記第1および第2の背景体の像を、上記第1および第2の撮像手段の視野に写り込ませる第1および第2の光学手段をさらに備える、請求項1ないし15のいずれかに記載の位置検出装置。
【請求項20】
上記第1および第2の光学手段は、上記検出基準面に対して上記表側に位置する表側反射部と、上記検出基準面に対して上記裏側に位置する裏側反射部とを有する、請求項19に記載の位置検出装置。
【請求項21】
上記表側反射部は、上記検出基準面に対して上記表側の空間を平行に進行してきた光を、上記裏側反射部を介して上記第1および第2の撮像手段に集光する凹面鏡である、請求項20に記載の位置検出装置。
【請求項22】
請求項1ないし21のいずれかに記載の位置検出装置と、
上記検出基準面としての画像表示面と、
を備え、
上記第1および第2の撮像手段は、2次元撮像素子を具備しており、
上記第1の撮像手段は上記画像表示面の法線方向表側方向を向くカメラ姿勢と、上記第1の背景体を撮像可能な検出姿勢とをとり、
上記第2の撮像手段は上記画像表示面の法線方向裏側方向を向くカメラ姿勢と、上記第2背景体を撮像可能な検出姿勢とをとる、
ことを特徴とする、携帯型電話機。
【請求項23】
上記画像表示面の法線方向視において、上記画像表示面から退避した位置にあり、上記カメラ姿勢をとった上記第1の撮像手段の視野に上記第1の背景体を写り込ませる第1の反射手段と、
上記画像表示面の法線方向視において、上記画像表示面から退避した位置にあり、上記カメラ姿勢をとった上記第2の撮像手段の視野に上記第2の背景体を写り込ませる第2の反射手段と、をさらに備える、請求項22に記載の携帯型電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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