説明

位置決め装置

【課題】位置決め精度の向上を図ることのできる位置決め装置を提供する。
【解決手段】基台21と、基台21の上面中央部に形成された穴部21aに遊嵌する軸部22aを有する揺動テーブル22と、揺動テーブル22の軸部22aと基台21の穴部21aとの間に設けられた静圧気体軸受25とを備えた位置決め装置であって、静圧気体軸受25に気体を供給する気体供給路26a,26bが基台21に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば半導体製造装置等で使用される位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置等では、ワークを所定位置に位置決めする位置決め装置として、図 に示すような位置決め装置1が使用されている(特許文献1参照)。この位置決め装置1の移動体2は静圧気体軸受部3a、3b及び静圧気体軸受部4a、4bと、予圧付勢手段5である永久磁石とから成る静圧流体軸受により、案内部6に対して支持されている。静圧気体軸受部3a、3b、4a、4bのそれぞれに個別に流体供給管路7a、7b、8a、8bが接続されており、流体供給装置(図示せず)から作動流体が流体供給管路7a、7b、8a、8bを通って、それぞれの静圧気体軸受部3a、3b、4a、4bに供給されることにより、静圧流体軸受として機能するようになっている。
【0003】
移動体2の上部にはナット部9が設けられ、ナット部9はボールねじ10に噛合され、ボールねじ10はサーボモータ11の中心軸に連結されており、サーボモータ11にはエンコーダ12が取り付けられている。
このような構成の位置決め装置では、移動体2を直線運動可能に支持する軸受として静圧流体軸受部3a、3b、4a、4bを使用しているため、摩擦力が発生しない。従って、ボールねじ10による駆動方式を使用しても、リニアガイド等の接触式軸受の場合と異なり、位置決め後に残存するボールねじ10等の弾性変形による外力の発生を低く抑えることができる。
【特許文献1】特開平10−199803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した位置決め装置では、静圧気体軸受が可動側に設けられているため、空気等の気体を静圧気体軸受に供給する気体供給路を移動体に設ける必要がある。このため、移動体内に設けられた気体供給路や配線などが位置決め動作時における外乱要素となり、移動体の位置ずれを招いたりすることがあった。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、位置決め精度の向上を図ることのできる位置決め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、第1の発明に係る位置決め装置は、基台と、該基台の表面部に形成された穴部に遊嵌する軸部を有する揺動テーブルと、該揺動テーブルの軸部と前記基台の穴部との間に設けられた非接触型軸受と、前記揺動テーブルを前記基台に対して揺動駆動するテーブル駆動機構とを備え、前記非接触型軸受が静圧気体軸受、磁気軸受、静電気力応用軸受のうちいずれか1種類の軸受からなる位置決め装置であって、前記非接触型軸受が固定側に設けられていることを特徴とする。
【0006】
第2の発明に係る位置決め装置は、スライドテーブルと、該スライドテーブルを案内する案内レールと、該案内レールに対して前記スライドテーブルをスライド可能に支持する非接触型軸受と、前記スライドテーブルを前記案内レールの長手方向にスライド駆動するテーブル駆動機構とを備え、前記非接触型軸受が静圧気体軸受、磁気軸受、静電気力応用軸受のうちいずれか1種類の軸受からなる位置決め装置であって、前記非接触型軸受が固定側に設けられていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明に係る位置決め装置において、非接触型軸受が静圧気体軸受からなり、該静圧気体軸受に気体を供給する気体供給路が基台内に形成されることが位置決め精度向上の点で好ましい。また、テーブル駆動機構が基台に固定された固定側コイルと、該固定側コイルに対向して揺動テーブルに固定された可動側マグネットとを有するリニアモータからなることが位置決め精度向上の点で好ましい。さらに、基台と揺動テーブルとの間に形成されたテーブル吸着空間内の空気を真空排気する排気路を基台内に設けることが位置決め精度向上の点で好ましい。
【0008】
第2の発明に係る位置決め装置において、非接触型軸受が静圧気体軸受からなり、該静圧気体軸受に気体を供給する気体供給路が案内レール内に形成されることが位置決め精度向上の点で好ましい。また、テーブル駆動機構が案内レールに固定された固定側コイルと、該固定側コイルに対向してスライドテーブルに固定された可動側マグネットとを有するリニアモータからなることが位置決め精度向上の点で好ましい。さらに、案内レールとスライドテーブルとの間に形成されたテーブル吸着空間内の空気を真空排気する排気路を案内レール内に設けることが位置決め精度向上の点で好ましい。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明に係る位置決め装置によれば、可動側に気体供給路あるいは配線を設ける必要がないので、揺動テーブルの位置ずれを抑制して位置決め精度の向上を図ることができる。
第2の発明に係る位置決め装置によれば、可動側に気体供給路あるいは配線を設ける必要がないので、スライドテーブルの位置ずれを抑制して位置決め精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る位置決め装置の平面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図であって、図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る位置決め装置は、基台21、揺動テーブル22及び揺動テーブル22の揺動位置を検出する位置検出器23を備えている。
【0011】
基台21は方形状をなしており、その上面中央部には、図2に示すように、円形の穴部21aが凹設されている。一方、揺動テーブル22は円板形状をなしており、その下面中央部には、基台21の穴部21aと遊嵌する軸部22aが突設されている。
また、揺動テーブル22はテーブル駆動機構としてのリニアモータ24により軸部22aの軸心を中心に所定角度範囲内で揺動駆動されるようになっており、リニアモータ24は基台21上に固定された固定側コイル241と、この固定側コイル241に対向して揺動テーブル22に取り付けられた可動側マグネット242とから構成されている。
【0012】
位置検出器23は揺動テーブル22に固定された磁気スケール231と、この磁気スケール231を磁気的に読み取るスケール読取ヘッド232とからなり、スケール読取ヘッド232は磁気スケール231に対向して基台21の上面部に固定されている。
リニアモータ24と位置検出器23とは180°等配で設けるとともに、可動側マグネット242の質量と磁気スケール231の質量とがほぼ等しくなるようにしている。
【0013】
基台21の穴部21aと揺動テーブル22の軸部22aとの間には、揺動テーブル22を基台21に対して揺動可能に支持する非接触型軸受としての静圧気体軸受25が設けられている。この静圧気体軸受25は基台21に固定されており、基台21の内部には、静圧気体軸受25に気体を供給する気体供給路26a,26bが形成されているとともに、静圧気体軸受25の外周に形成されたテーブル吸着空間28内の空気を排気する排気路27a,27bが形成されている。そして、静圧気体軸受25の上面及び内周面が軸受面とされている。
【0014】
テーブル吸着空間28は基台21の上面部に設けられた円環状の凸部29と静圧気体軸受25との間に形成されており、このテーブル吸着空間28内の空気が図示しない真空ポンプにより排気されることによって揺動テーブル22が揺動不能にロックされるようになっている。
着座面となる面(例えば凸部29の上面)は、かじりつきが防止でき、硬度が高い面とすることが好ましく、CVDダイヤモンド、TiAlNやTiN等の被膜をコーティングしたものが例示される。
【0015】
揺動テーブル22が大気中に設けられる位置決め装置の場合では、静圧気体軸受25の作動中は、必ずしも真空ポンプによるテーブル吸着空間28内の空気の排気を行わなくてもよく、この場合、静圧気体軸受25の作動中は、例えば図示しない制御バルブを制御することにより排気路27a,27bが大気開放されるような構成にしてもよい。
但し、揺動テーブル22が大気中に設けられる位置決め装置の場合であっても、静圧気体軸受27の作動中にも真空ポンプによるテーブル吸着空間28内の空気の排気を行うようにしてもよい。この場合、静圧気体軸受25へ供給する気体の圧力及び真空ポンプによる排気圧を制御することにより、凸部29(または静圧気体軸受25の上面)と揺動テーブル22の下面との隙間を制御可能となり、かつ、軸受剛性の高いスラスト軸受とすることができる。
【0016】
また、特に、揺動テーブル22が真空中に設けられる位置決め装置の場合では、静圧気体軸受25の作動中にも真空ポンプによるテーブル吸着空間28内の空気の排気を行うようにするのが好ましい。これにより、静圧気体軸受25の作動中、静圧気体軸受25から排出されてテーブル吸着空間28内に侵入したほぼ全ての気体は、排気路27a,27bから外部へ排出され、凸部29と揺動テーブル22との微小隙間から真空雰囲気下へ漏れ出すのを抑制することができる。これにより、真空雰囲気の排気の負担を軽減できる。
【0017】
このような構成において、基台21内に形成された気体供給路26a,26bから静圧気体軸受25に空気等の気体が供給されると、図3(a)に示すように、揺動テーブル22が静圧気体軸受25の上端面から浮上するとともに、静圧気体軸受25の内周面と軸部22aの外周面との間に微小隙間が維持された状態となり、基台21に対して揺動可能に支持される。これにより、前述した従来例のように、静圧気体軸受25に気体を供給する気体供給路を可動側(揺動テーブル側)に形成する必要がないので、揺動テーブル22の位置ずれを抑制して位置決め精度の向上を図ることができる。
【0018】
また、テーブル駆動機構による位置決め駆動時以外は、基台21内に形成された排気路27a,27bからテーブル吸着空間28内の空気が排気され、テーブル吸着空間28内の負圧を高めることにより、図3(b)に示すように、基台21の上面部に設けられた円環状の凸部29上に揺動テーブル22の下面部が吸着することによって揺動テーブル22が揺動不能にロックされる。これにより、テーブル吸着空間内の空気を排気する排気路を可動側(揺動テーブル側)に形成する必要がないので、揺動テーブル22の位置ずれを抑制して位置決め精度のより一層の向上を図ることができる。なお、揺動テーブル22の下面部が基台21の上面部に設けられた凸部29上に吸着された後は、θ軸のドリフト(経時変化)の原因となるため、リニアモータ24のサーボはOFFとすることが好ましい。また、静圧気体軸受25への気体供給も不要なので停止させてもよい。
【0019】
また、上述した第1の実施形態では揺動テーブル22を揺動駆動するテーブル駆動機構として固定側コイル241と可動側マグネット242とからなるリニアモータ24を用いたことで、リニアモータ24への給電線を可動側(揺動テーブル側)に配線する必要がないので、揺動テーブル22の位置決め精度をより高めることができる。
【0020】
さらに、揺動テーブル22を揺動駆動するテーブル駆動機構としてリニアモータ24を用いたことにより、リニアモータ24のサーボをOFFにすることで静圧気体軸受25の上下方向の動きに対して拘束力を持たないため、都合が良い。また、揺動テーブル22の揺動位置を検出する位置検出器23を揺動テーブル22に固定された磁気スケール231と、この磁気スケール231に対向して基台21上に固定されたスケール読取ヘッド232とから構成したことで、位置検出器23への給電線を可動側(揺動テーブル側)に配線する必要がないので、揺動テーブル22の位置決め精度をより高めることができる。
さらに、リニアモータ24と位置検出器23とを180°等配で配置するとともに、可動側マグネット242の質量と磁気スケール231の質量とをほぼ等しくしているため、アンバランスを極力除くことができる。
【0021】
上述した第1の実施形態では基台21の上面中央部に形成される穴部21aとして貫通穴を例示したが、有底穴であってもよい。但し、有底穴とした場合は、例えば底面に排気用の穴を明けるのが好ましい。また、揺動テーブル22を基台21に対して揺動可能に支持する非接触型軸受として静圧気体軸受25を例示したが、磁気軸受あるいは静電気力を応用した軸受であってもよい。特に、静電気力を応用した軸受の場合には、磁場変動による影響を周囲環境に与えることもないため、磁場変動を嫌う用途等に好適であり、また、磁気軸受を使用した場合と比較して、発熱も少ない。非接触型軸受として磁気軸受または静電気力を応用した軸受を用いた場合であっても、反発と吸引を切換・制御できる機構がある場合には、真空ポンプを使用した吸着空間28の排気による吸引機構を省略し、軸受と吸引機構とを兼ねさせるようにしてもよい。これにより、装置の小型化が可能となる。
【0022】
次に、図4〜図6を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は本発明の第2の実施形態に係る位置決め装置の平面図、図5は図4のV−V線に沿う断面図であって、図4に示すように、本発明の第2の実施形態に係る位置決め装置は、ブロック状のスライドテーブル31と、このスライドテーブル31を案内する案内レール32とを備えている。
【0023】
案内レール32はその幅方向に沿う断面が凹状をなしており、その内面部には、スライドテーブル31を案内レール32に対してスライド可能に支持する非接触型軸受としての静圧気体軸受33a,33b,33c(図5参照)がスライドテーブル31の左右側面部と底面部に対向して設けられている。これらの静圧気体軸受33a〜33cは案内レール32の内面部に形成された凹部34a,34b,34c内に嵌着されており、案内レール32内には、空気等の気体を静圧気体軸受33a〜33cに供給する気体供給路35a,35b,35cが形成されているとともに、スライドテーブル31の下面部と案内レール32の内面部との間に形成されたテーブル吸着空間36a,36b内の空気を排気する排気路37a,37bが形成されている。図示しない真空ポンプを作動させ、排気路37a,37bを介してテーブル吸着空間36a,36b内の空気を排気することとなり、スライドテーブル31をロックさせることができる。
【0024】
また、第2の実施形態に係る位置決め装置は、スライドテーブル31を案内レール32の長手方向にスライド駆動するテーブル駆動機構としてのリニアモータ38と、スライドテーブル31のスライド位置を検出する位置検出器39とを備えており、リニアモータ38は、図5に示すように、案内レール32の上面部に固定された固定側コイル381と、この固定側コイル381に対向してスライドテーブル31に固定された可動側マグネット382とから構成されている。一方、位置検出器39はスライドテーブル31に固定された磁気スケール391と、この磁気スケール391に対向して案内レール32の上面部に固定されたスケール読取ヘッド392とから構成されている。
【0025】
このような構成において、案内レール32内に形成された気体供給路35a,35b,35cから静圧気体軸受33a,33b,33cに空気等の気体が供給されると、図6(a)に示すように、静圧気体軸受33a,33b,33cから噴出する気体によってスライドテーブル31が案内レール32に対して非接触の状態となる。そして、この状態でリニアモータ38を作動させると、スライドテーブル31が案内レール32の長手方向にスライドする。これにより、前述した従来例のように、静圧気体軸受33a,33b,33cに気体を供給する気体供給路を可動側(スライドテーブル側)に形成する必要がないので、スライドテーブル31の位置ずれを抑制して位置決め精度の向上を図ることができる。なお、この場合、真空ポンプによるテーブル吸着空間36a,36b内の排気は前記第1の実施形態の場合と同様に行うようにしてもよいし、行わないようにしてもよい。
【0026】
また、テーブル駆動機構による位置決め駆動時以外は、案内レール32内に形成された排気路37a,37bからテーブル吸着空間36a,36b内の空気が排気され、テーブル吸着空間36a,36b内の負圧を高めるようにしてもよく、図6(b)に示すように、スライドテーブル31の下面部が静圧気体軸受33c上に着座することによってスライドテーブル31がスライド不能にロックされる。この際、少なくとも静圧気体軸受33cへの気体の供給は不要なので停止させてもよい。これにより、テーブル吸着空間内の空気を排気する排気路を可動側(スライドテーブル側)に形成する必要がないので、スライドテーブル31の位置ずれを抑制して位置決め精度のより一層の向上を図ることができる。
【0027】
また、上述した第2の実施形態ではスライドテーブル31を揺動駆動するテーブル駆動機構として固定側コイル381と可動側マグネット382とからなるリニアモータ38を用いたことで、リニアモータ38への給電線を可動側(スライドテーブル側)に配線する必要がないので、スライドテーブル31の位置決め精度をより高めることができる。
【0028】
さらに、スライドテーブル31をスライド駆動するテーブル駆動機構としてリニアモータ38を用いたことにより、リニアモータ38のサーボをOFFにすることで静圧気体軸受の上下方向の動きに対して拘束力を持たないため、都合が良い。また、スライドテーブル31の揺動位置を検出する位置検出器39を案内レール32に固定されたスケール読取ヘッド392と、このスケール読取ヘッド392に対向してスライドテーブル31に固定された磁気スケール391とから構成したことで、位置検出器39への給電線を可動側(揺動テーブル側)に配線する必要がないので、スライドテーブル31の位置決め精度をより高めることができる。
【0029】
上述した第2の実施形態ではスライドテーブル31を案内レール32に対してスライド可能に支持する非接触型軸受として静圧気体軸受33a〜33cを例示したが、磁気軸受あるいは静電気力を応用した軸受であってもよい。特に、静電気力を応用した軸受の場合には、磁場変動による影響を周囲環境に与えることもない。
また、第2の実施形態では固定側より給排気を行っているが、例えば特許第3261823号明細書に開示された技術を採用して可動側から給排気を行ってもよい。また、特許第1626496号明細書に開示された技術を採用して真空領域や静圧軸受部をストローク位置に応じて切り替えることにより、浮上力と吸引力の低下を防止することができる。
【0030】
また、上述した実施形態では回転もしくは一軸の直線機構に本発明を適用したが、案内形式に関しては水平方向の拘束を持たない平面型案内であって、水平方向は二つ以上の駆動機構による位置決めを行うものであってもよい。また、平面型案内の場合、駆動機構がサーフェスモータであれば、駆動機構は一つでもよい。さらに、案内と吸引力を作用させる機構を別機構としたが、同一の機構を採用してもよい。その場合、急激な位置変動により水平方向への位置ずれが生じないように滑らかに上下方向の位置を制御すればよい。
【0031】
また、上述した実施形態では位置検出器としてエンコーダを例示したが、例えばレーザ測長システムを応用した位置検出器を用いてもよい。
吸引手段は、非常時や輸送時にも動作するような要素を選択するとよい。永久磁石を使った吸引手段が好ましい。なお、駆動機構にリニアモータを用いた場合には、コア付きタイプを選定することで、モータに作用する吸引力を可動部を固定部へ吸引する手段として採用してもよい。
真空吸引に関しては、輸送時は難しいが、非常時はノーマルクローズドのバルブを採用することで、真空保持が可能となり、吸引力の維持が有限の時間内であれば実現できる。静電気力に関しても積極的な除電を行わなければ、保持力が持続される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る位置決め装置の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る位置決め装置の作用を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る位置決め装置の平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る位置決め装置の作用を説明するための図である。
【図7】従来の位置決め装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
21 基台
21a 穴部
22 揺動テーブル
22a 軸部
23 位置検出器
231 磁気スケール
232 スケール読取ヘッド
24 リニアモータ
241 固定側コイル
242 可動側マグネット
25 静圧気体軸受
26a,26b 気体供給路
28 テーブル吸着空間
31 スライドテーブル
32 案内レール
33a,33b,33c 静圧気体軸受
35a,35b,35c 気体供給路
36a,36b テーブル吸着空間
38 リニアモータ
381 固定側コイル
382 可動側マグネット
39 位置検出器
391 磁気スケール
392 スケール読取ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、該基台の表面部に形成された穴部に遊嵌する軸部を有する揺動テーブルと、該揺動テーブルの軸部と前記基台の穴部との間に設けられた非接触型軸受と、前記揺動テーブルを前記基台に対して揺動駆動するテーブル駆動機構とを備え、前記非接触型軸受が静圧気体軸受、磁気軸受、静電気力応用軸受のうちいずれか1種類の軸受からなる位置決め装置であって、
前記非接触型軸受が固定側に設けられていることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
請求項1記載の位置決め装置において、前記非接触型軸受が静圧気体軸受からなり、該静圧気体軸受に気体を供給する気体供給路を前記基台が有することを特徴とする位置決め装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の位置決め装置において、前記テーブル駆動機構が前記基台に固定された固定側コイルと、該固定側コイルに対向して前記揺動テーブルに固定された可動側マグネットとを有するリニアモータからなることを特徴とする位置決め装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の位置決め装置において、前記基台と前記揺動テーブルとの間に形成されたテーブル吸着空間内の空気を真空排気する排気路を前記基台が有することを特徴とする位置決め装置。
【請求項5】
スライドテーブルと、該スライドテーブルを案内する案内レールと、該案内レールに対して前記スライドテーブルをスライド可能に支持する非接触型軸受と、前記スライドテーブルを前記案内レールの長手方向にスライド駆動するテーブル駆動機構とを備え、前記非接触型軸受が静圧気体軸受、磁気軸受、静電気力応用軸受のうちいずれか1種類の軸受からなる位置決め装置であって、
前記非接触型軸受が固定側に設けられていることを特徴とする位置決め装置。
【請求項6】
請求項5記載の位置決め装置において、前記非接触型軸受が静圧気体軸受からなり、該静圧気体軸受に気体を供給する気体供給路を前記案内レールが有することを特徴とする位置決め装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の位置決め装置において、前記テーブル駆動機構が前記案内レールに固定された固定側コイルと、該固定側コイルに対向して前記スライドテーブルに固定された可動側マグネットとを有するリニアモータからなることを特徴とする位置決め装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項記載の位置決め装置において、前記案内レールと前記スライドテーブルとの間に形成されたテーブル吸着空間内の空気を真空排気する排気路を前記案内レールが有することを特徴とする位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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