説明

低出生体重児または早産児用のポジショニング用具

【課題】 ポジショニング用具の標準化に役立ち、不良肢位になりにくく、子どもにとって安心感・快適性が高められ、関節の変形予防にも役立つ低出生体体重児または早産児用のポジショニング用具を提供する。
【解決手段】 低出生体重児または早産児用のポジショニング用具は、略T字形の敷用低反発マット(1)と、低反発の弾性を有する囲み用低反発マット(2)と、前記囲み用低反発マット(2)と前記敷用低反発マット(1)を囲むように配置した筒型の柔軟なタオル(3)と、を備えている。前記敷用低反発マット(1)は頭部載置部(1a)と前胸部載置部(1b)とを有し、前記囲み用低反発マット(2)は 略U字形に曲げて囲んだとき両端部(2a、2a)が子どもの両肩近傍に位置し且つ足の接触する内壁面(2b)には低反発の凹凸(2c)が形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、満期日まで母体内で発育することができず、未成熟の状態いわゆる低出生体体重児あるいは早産児として生まれる子供、特に体重が600グラム乃至1800グラム未満或いは28週未満で生まれる超低出生体重児または超早産児にも適用可能なポジショニング用具に関する。
【背景技術】
【0002】
早産児や病児に対して発育促進を阻害する因子を取り除き、過剰刺激から保護し、神経行動学的発達を促すケアの一つにポジショニングがある。
図6は、本願発明のポジショニング用具を使用する対象となる未成熟の状態で生まれる子どもの「低出生体重児と早産児」の分類図であり、この中には「超低出生体重児および超早産児」も含まれる。この図に示すように、「超低出生体重児」とは出生体重が1,000g未満の子どもをいい、「超早産児」とは妊娠(在胎)28週目までに生まれる子どもをいう。
従来は、図7は従来から使用されている「低出生体重児や早産児」特に、「超低出生体重児や超早産児」のポジショニング用具であって子どもの下にタオル12を下に敷いた状態の斜視図である。この図に示すように、本発明者の所属する母子保健総合医療センターでは、タオルを筒状に形成して囲み、さらにタオル10で全体を覆い、囲みに高さをつけてややハンモック状にした形態で子どもMの全周囲を取り囲み、NICU(新生児集中治療室)11にて保育する方法が行われていた。
【0003】
上記方法によれば、(a)囲みの全周囲を布地で覆うことで囲みの周囲がずれることはない、(b)そして囲む物品そのものを固定しなくても子どものポニショニングは維持することができる、(c)頭部の安定が図れると共に、床面と囲みの間の隙間がなく、足運動に境界ができ、身体全体のずれが少ない、(d)側臥位や腹臥位においてもキッキング(足蹴り)が促されやすく、子どもがどの部分に接触してもある程度弾力性があり、屈筋運動を妨げることもない、(e)固定ではなく、随意運動を重視し、動いても元の姿勢に戻ることができる、等の特徴を有している。
【0004】
また、腹臥位では、(a)顔面から前胸部にかけてフェイスタオルなどで高さを付けて、股関節を外転させずに大腿を抱え込む姿勢をとり、腹部の圧迫を減らす、(b)オムツカバーやオムツの幅、大きさにも留意が必要である、(c)足底は囲みに垂直にあたるように良肢位(手足の関節を屈曲正中位の正しい位置)の保持に努めている、(d)足底で囲みを蹴って下肢を伸展し、臀部を挙上させ、後に元の姿勢に戻り自己鎮静できるという反応がみられる、(e)更に腹臥位での体幹(肩から臀部まで)の自動運動を妨げることがない、囲みに高さを付けることで体幹のゆがみを防止でき、腹臥位保持の場合でも正中の認知を促せる、という特徴がある。
【0005】
その他の「低出生体体重児および早産児」のボジショニング用具としては、綿/ポリエステル混紡製で、子宮をモデルにした囲いであって、子どもを安心させ、落ち着かせることができ、また、子どもが活発に動いても元の姿勢に自然に戻ることができるようにしたタイプのもの(以下、タイプ1とする)、低反発ウレタン製クッションを、綿/ポリエステル混紡製布カバーで覆い、腹臥位の際下側に敷き、自然に屈曲させた腹臥位をサポートさせるものであって、姿勢の異常を防ぎ、神経行動の発達を促進させるタイプのもの(以下、タイプ2とする)、ウレタン製(芯材入り)で矩形の囲いに曲げることができる等自在に曲げられ、しっかりと形を保持でき、横向き、仰向け、などさまざまな体位の補助ができるタイプのもの(以下、タイプ3とする)、等が提案されている。
【0006】
なお、新生児に安らぎを感じさせると共に床ずれを防止して、夜泣き等を防止することができ、維持費もやすい保育器用マット装置として、パッド内に電機・機械振動器が埋設されており、音声信号発生器で発生させた音声信号の周波数特性を、保育器内で音声が反射して干渉し合っても本来の周波数特性に近い特性に補正することができる等化器を備えた保育器用マット装置が提案されている。しかし、この文献は、低出生体体重児あるいは早産児用として特に開発されたものではない(特許文献1)。
【0007】
特許文献1 特開平9−206343号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記するように当母子医療センターで行っていたポジショニング用具では、タオル素材を使用して子どもの全周囲を囲む方法を実施していたが、低出生体重児や早産児(超低出生体重児および超早産児を含む)にとってその素材がタオルでは硬く、足関節が過屈曲となる症例が数例あり、素材の検討が必要であった。また、腹臥位の際に使用するタオル素材の敷布の作成時の寸法が、個々の判断にゆだねられていた部分があり、担当者が代わると作成の違いでケア提供に差が生じるということがあり、根拠の明確なケア提供には至っていなかった。結果的に囲みの大きさが大きすぎたり小さすぎたり、敷布の長さが長すぎたり短すぎたり、幅が広すぎたり狭すぎたり、個々のこどもに合わず、不良肢位の原因にもなっていた。このため根拠を明確にしたサイズの提示と個々の子どもに合ったケア提供の保障が必要であった。また、全国のNICU(新生児集中治療室)の施設にも標準化されたポジショニング技術はなく、施設毎に様々な工夫と検討がなされているのが現状である。従って、低出生体重児や早産児(超低出生体重児および超早産児を含む)の反応を通して具体的な用具の課題と検討をおこなう必要があった。
【0009】
また、上記段落番号[0005]で記載する各タイプのもので、タイプ1のものでは、頭部の身体境界域がないため上部にずれやすく、人工呼吸器装着中の計画外抜管の可能性が高くなる、という問題がある。タイプ2のものでは、体幹の幅が広く子どもが手を口に持って行く行動の妨げとなりやすい、さらに下肢が伸展すると元の屈曲位に戻ることができず、自己鎮静行動を促進することができないという問題がある。タイプ3のものは、芯材入りであるため、子どもに芯の部分が接触することがあり、安全性・快適性の確保という面から検討が必要である。
【0010】
本発明は上記する種々の課題に対処するためになされたものであり、ポジショニング用具の標準化に役立ち、不良肢位になりにくく、子どもにとって安心感・快適性が高められ、下肢の過屈曲等の関節変形予防にも役立ち超低出生体体重児または超早産児にも適用可能な低出生体体重児または早産児用のポジショニング用具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち、上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、低出生体重児または早産児用のポジショニング用具が、子どもの頭部を置いたとき上方下側に傾斜する頭部載置部(1a)と前胸部を置く前胸部載置部(1b)とを有する略T字形の敷用低反発マット(1)と、略U字形に曲げて囲んだとき両端部(2a、2a)が子どもの両肩近傍に位置し且つ足の接触する内壁面(2b)が低反発の弾性を有する囲み用低反発マット(2)と、前記囲み用低反発マット(2)の両端部(2a、2a)から頭部回りに前記敷用低反発マット(1)を囲むように配置した筒型の柔軟なタオル(3)と、を備えてなることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記囲み用低反発マット(2)の足の接触する内壁面(2b)には凹凸(2c、2c、・・)が形成してあることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、頚部が過度に前屈や後屈しないように前記敷用低反発マット(1)の頭部を置く略T字形の頭部載置部(1a)には下側に切込み(1c)を設けたことを特徴としている。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、前記敷用低反発マット(1)の寸法と前記囲み用低反発マット(2)の寸法は、子どもの大きさに応じてそれぞれ数種類に変更することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の低出生体体重児および早産児のポジショニング用具を上記各請求項記載の手段とすれば、低出生体重児および早産児、特に超低出生体重児および超早産児に見合ったポジショニング用具とすることができ、全国的に(広く)普及できれば、超低出生体重児および超早産児のポジショニング技術の標準化(統一化)検討の一助になる。これによりポジショニングの看護の提供を一律化することが可能となる。更に、NICU(新生児集中治療室)全体における看護技術の提供の質的向上につながると共に、施設間の違いを検討する素材ともなる。また、本発明によれば、不良肢位になりにくく、安定化が期待でき、計画外抜管の予防にもつながる。更に、敷用および囲み用に低反発、高密度化、高弾力、低反発のマットを使用することにより超低出生体重児および超早産児の快適性が高められ、睡眠覚醒状態の安定化が期待できる等快適性の追求と発達を促すケア提供にもつながる。そして、用具の弾力性を追求したことから、超低出生体重児および超早産児の下肢の過屈曲等の関節の変形予防につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の低出生体体重児および早産児のポジショニング用具の構成の配置を示す図であって、全体を覆うシーツを除去した状態の斜視図である。
この低出生体体重児または早産児のポジショニング用具は、略T字形の敷用低反発マット1と、囲み用低反発マット2と、前記囲み用低反発マット2の両端部から頭部回りに前記敷用低反発マット1を囲むように配置した筒型の柔軟なタオル3と、を備えている。
【0017】
図2(A)は前記略T字形の敷用低反発マット1の形状を示す平面図であり、図2(B)は側面図である。前記略T字形の敷用低反発マット1は、子どもの頭部を置く少し横長の頭部載置部1aと、子どもの前胸部(肩から肋骨下部前面)を置く厚みが均一な縦長の前胸置部載置部1bとで形成されている。また、前記囲み用低反発マット2は、略U字形に曲げて囲んだとき両端部(2a、2a)が子どもの両肩近傍に位置し且つ足の接触する内壁面2bが低反発の弾性を有するように、例えば凹凸2c、2c、・・が形成してある。
【0018】
図1や2に示すように、前記略T字形の敷用低反発マット1の横長の頭部載置部1aは縦長の前胸部載置部1bよりも幅が大きい。これは従来の前胸部の幅と同じ幅の頭部の幅では頭部の安定性に欠けることがあり、敷用低反発マットからずれ落ちることがあったため頭部を置くやや横長の頭部載置部1aの幅は、頭部の幅として縦長の前胸部載置部2より大きくした。
【0019】
前記敷用低反発マット1の前記頭部載置部1aの縦横の長さと幅は子どもの頭部を横向きとして置いたとき落ちない程度とし、且つ前記前胸部載置部1bの長さと幅は、前胸部(へその上から肩までの前部或いは頚部から肋骨下部まで)と体幹(肩からおしりまで)の幅(腕を除いた横幅)を測定し、平均値から作成した。前記敷用反発マット1の厚さは下肢を屈曲させたとき腹部の位置を目安として作成する。この場合、体幹を前胸部全体で支持でき、腹部の圧迫はなかった。
前記敷用低反発マット1の頭部載置部1aの下側は切欠1cが設けてある。この切欠1cは子どもの頭部を置いたとき上方下側に該頭部載置部1aを傾斜させるための工夫である。即ち、前記敷低反発マットの前胸部載置部1bと頭部載置部1aとの高さが同一であると頚部から頭部にかけて後屈位や前屈位になりやすかった。そこで、頭部下の頭部載置部1の敷布の高さは、従来のタオルを使用する場合は前胸部下の前胸部載置部1bの敷布の高さの1/2が基本であるが、低反発マットの低反発力と子どもの体重による圧のかかり方が不明であったため頭部下の敷布の高さを前胸部下の敷布の高さの2/3として作成した。このような切欠1cを設けると、傾斜角度のあることで後屈位や前屈位にならなくなる。尚、600g未満の子どもの場合には前胸部下の敷布の高さの2/3では後屈位になるため、頭部の下の敷布の高さを前胸部下の敷布の高さの1/2として作成する。
【0020】
また、頭部と前胸部の高さに差をつける切欠1cは下側に設け、子どもの接触面がより自然な傾斜になるよう考慮した。
【0021】
次に、図3に示すように、囲み用低反発マット2の曲げないときの長さは、略U字形に曲げたとき両端部(2a、2a)が子どもの両肩の位置に来る程度の長さとし、気管内挿管チューブ(図示省略)への影響がないように考慮した。この場合、気管内挿管チューブの位置は、正中に維持でき、変位はなかった。囲み全体の長さは、頭部側に該頭部を囲むように配置する筒型の柔軟なタオル3で調節することができる。前記囲み用低反発マット2には略U字形に曲げて囲んだとき内壁面2bに多数の凹凸2c、2c、・・・が設けてある。これらの凹凸2c、2c、・・・は、子どもの足が触れたときあまり反力が生じないような低反発手段としたものであるが、子どもの足の力をとると元の位置に戻る。このため図4に示すように子どもMの足Lの足関節の変形は見られず足底が垂直に囲み用低反発マット2の内壁にあたり、良肢位(正常な関節の位置状態)を維持することができる。
【0022】
前記囲み用低反発マット2の肩から肩の目安は、1500g程度である。1800g以上の子どもを人工換気中に腹臥位で管理するのは稀であり、通常仰臥位で管理する。そして仰臥位の際は子どもに合わせて頭部周囲のタオル3の長さで調整し、肩から肩の目安には適応しない。即ち、前記略T字型の敷用低反発マット1は、腹臥位のみで使用する。略U字型の囲み用低反発マット2を肩から肩の目安に適応しないのは、仰臥位と1500g以上の腹臥位の場合で全体の大きさは、頭部のタオル3で調整する。
【0023】
後述するように、前記囲み用低反発マット2は、その高さを2タイプとしてある。腹臥位では、背部の高さと一致しており、体幹の安定性を保つことができる。即ち、子どもの体幹が動いても前記囲み用低反発マットに接触し、身体境界域を認識するすべとなる。また、元の位置に戻るという自己鎮静行動を促せる一因にもなっていると考えられる。そして前記敷用低反発マット1の位置が正しく頭部と前胸部にあれば、手を口にもっていくという動作に妨げはなかった。また、体幹の安定性は全事例に認められた。
【0024】
前記筒型の柔軟なタオル3は、図1にも示すように、前記囲み用低反発マット2の両端部から頭部回りの前記敷用低反発マット1を囲むように配置してある。該筒型の柔軟なタオル3は、囲み全体の長さを調節する役目をする。
【0025】
[具体的実施例]
図5は、本発明の低出生体体重児および早産児のポジショニング用具の上記実施の形態における敷用低反発マット1と囲み用低反発マット2の体重別の寸法例を示す図である。この場合、前記敷用低反発マット1は、子どもの頭部の横径と縦径を測定し、頚部から肋骨下部までと体幹の幅を測定し、該敷用低反発マット1の寸法として低出生体重児の大きさに合わせてその体重を、600g未満、600〜1200g、1200〜1800g、1800g以上の体重別に作成した。具体的には敷用低反発マット1は、4種類作成した。
その1として、子どもの体重が600g未満用として、頭部載置部1aの寸法は、横7cm、縦6cm、切欠を除いた厚さ1.5cmで且つ前胸部載置部1bは横5.5cm、縦5.5cm、厚さ3cmとした。
その2として、子どもの体重が600〜1200g用として、頭部載置部1aの寸法は、横8cm、縦7cm、切欠を除いた厚さ2cmで且つ前胸部載置部1bは横6cm、縦6cm、厚さ3cmとした。
その3として、子どもの体重が1200〜1800g用として、頭部載置部1aの寸法は、横9cm、縦8cm、切欠を除いた厚さ2.3cmで且つ前胸部載置部1bは横7cm、縦7cm、厚さ3.5cmとした。
その4として、子どもの体重が1800g以上用として、頭部載置部1aの寸法は、横10cm、縦9cm、切欠を除いた厚さ2.7cmで且つ前胸部載置部1bは横8cm、縦8cm、厚さ4cmとした。
【0026】
また、前記囲み用低反発マット2も、下記寸法で作成した。略U字形で測定して、その1として、子どもの体重が600g未満用として、U字状態に沿っての長さが45cm、各U字を構成する縦長部分の横幅6cm、厚さ6cmとし、間は7cmとした。
その2として、子どもの体重が600〜1200gの場合は、U字状態に沿っての長さが50cm、各U字を構成する縦長部分の横幅6cm、厚さ7cmとし、間は7〜8cmとした。
その3として、子どもの体重が1200〜1800gの場合は、U字状態に沿っての長さが50cm、各U字を構成する縦長部分の横幅6cm、厚さ7cmとし、間は8〜9cmとした。
その4として、子どもの体重が1800g以上の場合は、U字状態に沿っての長さが50cm、各U字を構成する縦長部分の横幅6cm、厚さ7cmとし、間は9〜10cmとした。
なお、前記囲み用低反発マット2は、その高さを2タイプとしてあるが、実際には子どもの体重や伸長等の生育状況により前記敷用低反発マット1や前記囲み用低反発マット2の寸法は、上記寸法を考慮して子どもの大きさに応じてそれぞれの寸法を変更し数種類とすることも可能である。
【0027】
また、前記敷用低反発マット1や囲み用低反発マット2や筒型の柔軟なタオル3の材料としては、柔らかい木綿、ウレタン、ポリウレタン,ポリオレフィン等の発泡材が適当である。すなわち、子どもが足で前記囲み用低反発マット2の内壁を蹴ったり、押したりしても力を除去すれば元の状態に戻るような弾性を有することができる材料を使用する。尚、筒型の柔軟なタオル3は、柔らかい木綿が適当である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の低出生体体重児または早産児のポジショニング用具の構成の配置を示す図であって、全体を覆うシーツを除去した状態の斜視図である。
【図2】図2(A)は略T字形の敷用低反発マットの形状を示す平面図であり、図2(B)は側面図である。
【図3】本発明の低出生体体重児または早産児のポジショニング用具の構成する略T字形の敷用低反発マットと囲み用低反発マット部分の斜視図である。
【図4】本発明の低出生体体重児または早産児のポジショニング用具に子どもを置いた状態のおしりと足の部分の斜視図である。
【図5】本発明の低出生体体重児および早産児のポジショニング用具の上記実施の形態における敷用低反発マットと囲み用低反発マットの体重別の寸法例を示す図である。
【図6】本願発明のポジショニング用具を使用する対象となる未成熟の状態で生まれる子どもの「低出生体重児と早産児」の分類図である。
【図7】低出生体重児や早産児のポジショニングとして従来から使用される新生児用のNICU(新生児集中治療室)の中のポジショニング用具の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 低反発マット
1a 頭部載置部
1b 前胸部載置部
1c 切欠
2 囲み用低反発マット
2a 囲み用低反発マットの端部
2b 囲み用低反発マットの内壁面
2c 囲み用低反発マットの内壁面の凹凸
3 筒状の柔軟なタオル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子どもの頭部を置いたとき上方下側に傾斜する頭部載置部と前胸部を置く前胸部載置部とを有する略T字形の敷用低反発マットと、略U字形に曲げて囲んだとき両端部が子どもの両肩近傍に位置し且つ足の接触する内壁面が低反発の弾性を有する囲み用低反発マットと、前記囲み用低反発マットの両端部から頭部回りに前記敷用低反発マットを囲むように配置した筒型の柔軟なタオルと、を備えてなる低出生体重児または早産児用のポジショニング用具。
【請求項2】
前記囲み用低反発マットの足の接触する内壁面には凹凸が形成してあることを特徴とする請求項1に記載の低出生体重児または早産児用のポジショニング用具。
【請求項3】
前記敷用低反発マットの頭部を置く略T字形の頭部載置部には下側に切込みを設けてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低出生体重児または早産児用のポジショニング用具。
【請求項4】
前記敷用低反発マットの頭部載置部の縦と横の寸法と前胸部載置部の縦と横の寸法と前記囲み用低反発マットの寸法は、子どもの低出生体重児又は早産児の大きさに応じてそれぞれ数種類に変更することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の低出生体重児または早産児用のポジショニング用具

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−124848(P2010−124848A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299211(P2008−299211)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(506286928)地方独立行政法人 大阪府立病院機構 (13)
【Fターム(参考)】