説明

低収縮コンクリートの製造方法

【課題】乾燥収縮ひずみが500×10−6以下となる低収縮コンクリートを提供すると共に、かかる低収縮コンクリートの実現において使用可能な骨材種別を、骨材吸水率といった基本物性をパラメータとした定量指標から容易に判別し、選別された骨材を使用することで、低収縮コンクリートを得ることができる、低収縮コンクリートの製造方法を提供する。
【解決手段】低収縮コンクリートの製造方法は、水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/mとなるように水を配合


(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)を満足する骨材を選定して配合することを特徴とする、低収縮コンクリートの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物のひび割れ抑制に資する低収縮コンクリートの製造方法に関するものであり、特にコンクリート中に含む骨材を選別することで、低収縮コンクリートを製造することができる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは乾燥に伴ってその体積を減少させ、かかる現象は乾燥収縮と呼ばれている。コンクリート構造物にかかる乾燥収縮が生じると、ひび割れの発生原因となるため、乾燥収縮ひずみが規制されている。
コンクリート構造物のひび割れを抑制するにあたり、当該コンクリートの乾燥収縮もしくは自己収縮によるひずみを低減する対策が講じられている。
特にコンクリートに発生する収縮ひずみを低減するには、膨張材や収縮低減剤等のコンクリート用混和材をコンクリート中に含有させることが一般的となっている。また近年では、コンクリート中に使用する骨材として、石灰岩を岩種としたものを使用する事例が増えている。
【0003】
一方、コンクリートに発生する収縮ひずみを制限する対策として、日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5」では、計画供用期間に応じてコンクリートの乾燥収縮ひずみの制限値(JIS A 1129)を8×10−4以下と規定しており、更に、同学会が発行している「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」では、仕様レベルごとに乾燥収縮ひずみを制限し、特級仕様では制限値(JIS A 1129)を500×10−6以下と規定している。
【0004】
しかし、コンクリートの収縮ひずみを低減する対策として、膨張材や収縮低減剤等のコンクリート用混和材を使用する場合、収縮低減剤の標準添加量の範囲で低減できる乾燥収縮ひずみには限界がある。具体的には、収縮低減剤を添加しない場合と比較して、添加した場合には最大40%程度のひずみを低減することが可能となる。
従って、収縮低減剤を使用しない場合のコンクリートの乾燥収縮ひずみの制限値(JIS A 1129)が850×10−6を超えると、収縮低減剤を添加配合しても、上記特級仕様クラスのコンクリートを実現することはほぼ不可能となる。
【0005】
また、膨張材はコンクリート製造直後から7日目にかけてピークが発生する膨張ひずみによってコンクリートに生じる収縮ひずみを相殺する効果を有する混和材である。
それに対して、現状の乾燥収縮ひずみの制限値(JIS A 1129)に対する適否を評価する試験方法は、コンクリート供試体製造後7日間は20℃の水中で養生した後、温度20度、湿度60%の条件でコンクリート供試体を乾燥させて所定の材齢でコンクリートの長さ変化率(ひずみ)を測定している評価方法で、コンクリート供試体製造から7日目を基点として、所定の材齢のコンクリートの乾燥収縮ひずみを測定し、乾燥開始から182日後(6ヶ月目)の段階で生じた長さ変化率(ひずみ)を対象としている。
従って、膨張材による膨張ひずみは当該試験方法(JIS A 1129)では考慮されないため、乾燥収縮ひずみの制限値を満足するための収縮低減対策として、膨張材の効果は適切に評価されないのである。
【0006】
近年、乾燥収縮ひずみの低減において注目を集めている石灰岩を岩種とした骨材の使用では、骨材産地による影響が大きく、乾燥収縮ひずみの低減に大きな効果を示すものもあれば、そうでないものも存在する。このような判別を、定量的な評価に基づき実施できないことが大きな問題となっている。
従って、乾燥収縮ひずみの低減に有効とされる石灰岩を岩種とした骨材を使用骨材の一部として使用しただけでは効果的に乾燥収縮ひずみを低減できるかできないかが不明であり、実用的ではないのが現状である。
【0007】
収縮を抑制したセメント組成物として、特開2009−196855号公報(特許文献1)には、エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末とからなる水硬性結合材と、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、化学混和剤とを含有してなる、超高強度無収縮グラウト材が開示されている。
【0008】
また、コンクリートの乾燥収縮ひずみの早期推定方法として、特開2010−243472号公報(特許文献2)には、コンクリートの使用材料、調合条件の要因を加味したコンクリート乾燥収縮ひずみの推定式であって、コンクリートの短期材齢の乾燥収縮ひずみの実測値から、任意の長期材齢におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみを、高精度にかつ早期に判定することができる、コンクリート乾燥収縮ひずみの早期推定方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−196855号公報
【特許文献2】特開2010−243472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述した問題点を解消し、日本建築学会発行「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」に記載された特級仕様の低収縮コンクリートを提供できると共に、かかる低収縮コンクリートの実現において使用可能な骨材種別を、骨材吸水率といった基本物性をパラメータとした定量指標から容易に判別し、選別された骨材を使用することで、低収縮コンクリートを得ることができる、低収縮コンクリートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の低収縮コンクリートの製造方法は、水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/m3となるように水を配合するとともに、次の式(1)
【0012】
【数1】

【0013】
(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)
を満足する骨材を選定して配合する、低収縮コンクリートの製造方法である。
好適には、本発明の低収縮コンクリートの製造方法において、材齢26週目の乾燥収縮ひずみが、JISJ A 1129に準じた乾燥収縮試験において500×10−6以下である。
【0014】
本発明の他の低収縮コンクリートの製造方法は、水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/mとなるように水を配合するとともに、次の式(1)
【0015】
【数2】

【0016】
(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)
を満足する骨材を選定して配合し、さらに収縮低減剤を2.5〜7.5kg/m3配合する、低収縮コンクリートの製造方法である。
好適には、本発明の低収縮コンクリートの製造方法において、材齢26週目の乾燥収縮ひずみが、JIS A 1129に準じた乾燥収縮試験において300×10−6以下である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の低収縮コンクリートの製造方法は、骨材の吸水率をパラメータとした骨材の平均吸水率を指標とすることによって、低収縮コンクリートに含有させる骨材の選別が可能になると共に、かかる骨材の平均吸水率を数値限定することで、目標とする乾燥収縮ひずみを満足する低収縮コンクリートの製造が可能となる。
更に収縮低減剤を含有させることによって、さらに乾燥収縮低減を図ることができる低収縮コンクリートを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コンクリート中に含有される骨材の平均吸水率と材齢26週後の乾燥収縮ひずみとの関係を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の低収縮コンクリートの製造方法について、以下に詳細に説明する。
本発明の低収縮コンクリートは、水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/mとなるように水を配合するとともに、次の式(1)
【0020】
【数3】

【0021】
(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)
を満足する骨材を選定して配合する、低収縮コンクリートの製造方法である。
かかる方法により、材齢26週目の乾燥収縮ひずみが、JIS A 1129に準じた乾燥収縮試験において500×10−6以下である、低収縮コンクリートを実現することができる。
ここで、骨材の絶対容積(L)とは、コンクリート1m中に占める骨材の容積のことをいう。
【0022】
また、上記乾燥収縮ひずみの値が300×10−6以下の低収縮コンクリートを製造するには、水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/mとなるように水を配合するとともに、次の式(1)
【0023】
【数4】

【0024】
(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)
を満足する骨材を選定して配合し、さらに収縮低減剤を10kg/m以下、特に2.5〜7.5kg/m、好ましくは5〜7.5kg/m配合する。
収縮低減剤としては、例えば、住友大阪セメント社製のテスタF、太平洋セメント社製のテトラガード、竹本油脂社製のヒビダンB等を使用することができる。
【0025】
具体的には、まず、低収縮コンクリートの製造にあたり、含有させる骨材を選別するものであり、使用する骨材の判別に使用する定量指標は骨材吸水率をパラメータとした下記式(2)を用いて選別する。なお、かかる定量指標を骨材の平均吸水率(Qave)とする。
【0026】
【数5】

【0027】
上記式(2)中、Vsは細骨材の絶対容積(L),Vgnは粗骨材の絶対容積(L),Qsは細骨材の吸水率(%),Qgnは粗骨材の吸水率(%),m,nは使用骨材の種類の数を示す。
【0028】
具体的には、使用する細骨材もしくは粗骨材の骨材吸水率Qs(%),Qgn(%),コンクリート配合組成から算出されるそれぞれの絶対容積Vs(L),Vgn(L)から骨材全体の平均吸水率Qaveを求めるものである。
なお、細骨材の吸水率はJIS A 1109,粗骨材についてはJIS A 1110に従って測定した数値である。
【0029】
コンクリート中に配合する細骨材や粗骨材の種類が複数ある場合には、上記式2は、例えば、下式3に示すように、各骨材の吸水率と絶対容積とを乗じた数値の積算値を、絶対容積の積算値で除した値である、平均吸水率を求める。なお,下記式3の例は、細骨材が3種類,粗骨材が2種類とした場合である。
【0030】
【数6】

【0031】
本発明においては、上記式(2)に基づく骨材の平均吸水率が、0より大きく、且つ、0.94以下の数値限定とすることによって、乾燥収縮ひずみが500×10−6以下の低収縮コンクリートを実現させることができるものである。
かかる乾燥ひずみは、JIS A 1129に従って測定された乾燥材齢26週の長さ変化率を示す値である。
【0032】
特に、本発明の低収縮コンクリートの製造方法においては、水セメント質量比は25〜65%、好ましくは40〜65%であり、また単位水量が140〜180kg/m、好ましくは170〜180kg/mである場合に、上記式(1)を満足する骨材を選定して配合することで、乾燥収縮ひずみが500×10−6以下の低収縮コンクリートを実現させることができる。
ここで、使用するセメントの種類は特に限定されず、任意のセメントを使用することができ、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等が例示できる。
【0033】
また、コンクリートに用いる骨材の平均吸水率(Qave)を上記式(2)に従って算出するとともに、かかる骨材を含有させたコンクリートを調製し、かかるコンクリートのJIS A 1129による乾燥収縮ひずみ(乾燥材齢26週)を測定し、骨材の平均吸水率(Qave)と乾燥収縮ひずみの値の関係をプロットする。
種々のコンクリートを調製して、各コンクリートについて、同様に、骨材の平均吸水率(Qave)と乾燥収縮ひずみとの関係をプロットする。
水セメント質量比が25〜65%で、単位水量が140〜180kg/mである場合に、各プロット点より、骨材の平均吸水率(Qave)と26週乾燥収縮ひずみとの相関式が最小二乗法により得ることができる。
【0034】
かかる相関式が得られると、例えば、所望する所定材齢である26週目の、目標とする値の乾燥収縮ひずみを得るために、如何なる平均吸水率(Qave)の骨材をコンクリートに含有させることで、低収縮コンクリートを実現できるかを容易に判別することが可能となる。
【0035】
また必要に応じて、水セメント質量比が25〜65%で、単位水量が140〜180kg/mである場合のすべてのプロット点が、骨材の平均吸水率(Qave)と26週乾燥収縮ひずみとの関係式の下方に位置するように、上記最小二乗法により得られた相関式と傾きは同じで、並行移動させた誤差保証直線を用いて、目標とする乾燥収縮ひずみを満足するための骨材の平均吸水率の範囲を特定することができる。
【実施例】
【0036】
本発明を次の例により説明するが、これらに限定されるものではない。
コンクリートをおける骨材の平均吸水率(%)と乾燥収縮ひずみとの関係を検証するため、水の配合量を異ならせ、また平均吸水率の異なる骨材を用いて、合計43種類のコンクリートを調製した。
なお、コンクリートは以下の材料を用いて調製した。
・セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
・水:水道水
・細骨材: 陸砂・山砂、砂岩砕砂、石灰砕砂、
・粗骨材(砕石2005): 砂岩砕石、石灰砕石、砂利、安山岩砕石、花崗岩砕石
・収縮低減剤:商品名:製品名 テスタF、住友大阪セメント社製
【0037】
上記セメント、水、細骨材および粗骨材を用いて、下記表1及び表2に示す配合で、各コンクリートを製造した。
但し、表1及び表2中の骨材の平均吸水率(Qave)は、上記細骨材および粗骨材から適切に選定してコンクリートに配合する複数の細骨材(細骨材1:細骨材2)および粗骨材(粗骨材1:粗骨材2)の平均吸水率(Qave)(%)を、下記式(2)から算出した値である。
【0038】
【数7】

【0039】
なお、使用した細骨材の吸水率はJIS A 1109「細骨材の密度及び吸水率試験方法」に準じて、また粗骨材の吸水率はJIS A 1110「粗骨材の密度及び吸水率試験方法」に準じて測定した値である。
また、乾燥収縮ひずみは、JIS A 1129に従って測定した、各コンクリートの材齢7日の長さに対する乾燥材齢26週目の長さの変化率(乾燥収縮ひずみ)を示したものである。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
上記表1及び表2に示す、骨材の平均吸水率と乾燥収縮ひずみの関係を図1に示す。
図1より、水セメント質量比65%以下、好ましくは25〜65%で、且つ、単位水量180kg/m以下、好ましくは140〜180kg/mの配合条件(No.1〜34、44〜46)のコンクリートは、骨材の平均吸水率と乾燥収縮ひずみの間に相関性が認められることがわかる。
かかる相関関係は、乾燥収縮ひずみをyとし骨材の平均吸水率をxとすると、上記表1及び表2の各コンクリートの乾燥収縮ひずみと骨材の平均吸水率とをプロットし、最小二乗法により求めことで、y=498x−11との相関関係式が得られる。
【0043】
また、上記表1及び表2の各コンクリートの乾燥収縮ひずみと骨材の平均吸水率とをプロットして得られたy=498x−11の関係式に対していくつかのプロット点は該式より上方に位置するため、すべてのプロット点が下方に位置するように、前記y=498x−11の直線を傾きを変えないで並行移動させた直線を誤差保証直線とし、y=498+33の関係式を得ることができる。
【0044】
このように、本発明においては、水セメント比65%以下、単位水量180kg/m以下の条件における骨材の平均吸水率xと乾燥収縮ひずみyの関係式に誤差を考慮したy=498+33の式により、目標とする乾燥収縮ひずみを満足するための骨材の平均吸水率を特定することができる。
例えば、乾燥収縮ひずみが500×10−6以下の低収縮コンクリートを得るには、骨材の平均吸水率を0.94%以下{=(500−33)/498}とすればよいことがわかる。
かかる平均吸水率を満足するには吸水率が小さな骨材を可能な限り多く使用することが好ましく、例えば、石灰岩を岩種とした骨材は吸水率が小さい傾向にあるため、かかる骨材の使用は、低収縮コンクリートを得るのに特に効果的である。
【0045】
一方、水セメント比と単位水量の条件が上記範囲を外れたコンクリートの場合(No.35〜43)では、骨材の平均吸水率と乾燥収縮ひずみとの間の上記相関性とは異なった関係となることがわかる。
【0046】
図1より、骨材の平均吸水率が小さくなるに伴って乾燥収縮ひずみは小さくなる傾向があり、かかる相関性を活用することで、目標とする乾燥収縮ひずみを満足するための骨材の平均吸水率の範囲が特定できる。また、使用する骨材の吸水率に応じた骨材の使用量を求めることが可能となる。即ち、吸水率が極端に小さな骨材を使用する場合は、その骨材が占める容積割合が少なくても平均吸水率は小さくなるが、そうではない場合は、それ相応の容積割合を占めなければ平均吸水率は小さくならないことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/mとなるように水を配合するとともに、次の式(1)
【数8】

(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)
を満足する骨材を選定して配合することを特徴とする、低収縮コンクリートの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の低収縮コンクリートの製造方法において、材齢26週目の乾燥収縮ひずみが、JIS A 1129に準じた乾燥収縮試験において500×10−6以下であることを特徴とする、低収縮コンクリートの製造方法。
【請求項3】
水セメント質量比が25〜65%で且つ単位水量が140〜180kg/mとなるように水を配合するとともに、次の式(1)
【数9】

(但し、上記式(1)中、Vsは細骨材の絶対容積(L)、Vgnは粗骨材の絶対容積(L)、Qsnは細骨材の吸水率(%)、Qgnは粗骨材の吸水率(%)、m、nは使用する骨材の種類の数(整数)を示す)
を満足する骨材を選定して配合し、さらに収縮低減剤を2.5〜7.5kg/m配合することを特徴とする、低収縮コンクリートの製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の低収縮コンクリートの製造方法において、材齢26週目の乾燥収縮ひずみが、JIS A 1129に準じた乾燥収縮試験において300×10−6以下であることを特徴とする、低収縮コンクリートの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−229133(P2012−229133A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96881(P2011−96881)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【出願人】(500172302)東京エスオーシー株式会社 (8)
【Fターム(参考)】