低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置
【課題】リード線の表面のうちガラスバルブの外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブの封着部が破損するのを防止することを目的とする。また、内部に備える低圧放電ランプのリード線の表面のうちガラスバルブの外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブとリード線との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブの封着部が破損するのを防止することを目的とする。
【解決手段】ガラスバルブ101と、ガラスバルブ101の内部に配置された電極102と、一端部が電極102に接続され、他端部がガラスバルブ101の外部に導出されたリード線103とを備える低圧放電ランプ100において、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分であって、ガラスバルブ101の端部付近には、酸化膜106が形成されている。
【解決手段】ガラスバルブ101と、ガラスバルブ101の内部に配置された電極102と、一端部が電極102に接続され、他端部がガラスバルブ101の外部に導出されたリード線103とを備える低圧放電ランプ100において、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分であって、ガラスバルブ101の端部付近には、酸化膜106が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の低圧放電ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図16に示す。図16に示すように、従来の低圧放電ランプ(以下、「ランプ1」という)は、冷陰極放電ランプであって、ガラスバルブ2を備え、ガラスバルブ2内には、Niから構成されたスリーブ電極3が配設されており、またガラスバルブ2の端部からは、スリーブ電極3に給電するリード線4がガラスバルブ2内側に向けて突き出ている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−231942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ランプ1は、リード線4のガラスバルブ2の外側にある部分の電気的接続性を保つために、表面を半田で覆うことがある。
【0004】
しかしながら、リード線4の表面のうちガラスバルブ2の外側に位置する部分を半田で覆うために、ランプ1の端部を半田槽にランプ1の端部を浸けると、半田がガラスバルブ2とリード線4との間に入り込むことがあった。この場合、半田とガラスバルブとは、熱膨張係数が異なるため、ガラスバルブ2の封着部の破損の原因となる可能性があった。
【0005】
そこで、本発明に係る低圧放電ランプは、リード線の表面のうちガラスバルブの外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブの封着部が破損するのを防止することを目的とする。
【0006】
また、本発明に係る照明装置および画像表示装置は、内部に備える低圧放電ランプのリード線の表面のうちガラスバルブの外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブとリード線との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブの封着部が破損するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外部に導出されたリード線とを備える低圧放電ランプにおいて、前記リード線の表面のうち前記ガラスバルブの外側に位置する部分であって、前記ガラスバルブの端部付近には、酸化膜が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記酸化膜の前記低圧放電ランプの管軸方向の長さは、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線における前記ガラスバルブの外側表面であって、前記ガラスバルブ側と反対側の端部は、半田で覆われていることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの熱膨張係数は、3.0×10-6[K]以上10.0×10-6[K]以下の範囲内であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブに用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜3[wt%] 、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜10[wt%]、 CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜11[wt%]の組成を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線は、内部リード線と外部リード線との継線からなり、前記内部リード線は、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外側端部付近において前記外部リード線の一端部と接続されていることが好ましい。
【0013】
本発明に係る照明装置は、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像表示装置は、前記照明装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る低圧放電ランプは、リード線におけるガラスバルブの外側表面を半田で覆ってもガラスバルブの封着部が破損するのを防止することができる。
【0016】
本発明に係る照明装置および画像表示装置は、移動等により内部に備える低圧放電ランプが破損するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X100を含む断面図を図1に示す。本発明の第1の実施形態に係る冷陰極放電ランプ(以下、「ランプ100」という)は、冷陰極蛍光ランプであって、ガラスバルブ101と、ガラスバルブ101の内部に配置された電極102と、一端部が電極102に接続され、他端部がガラスバルブ101の外部に導出されたリード線103とを備える。
【0018】
ガラスバルブ101は、例えばタングステン線封着用のホウ珪酸ガラス製で、直管状であって、その管軸に対して垂直に切った断面が略円環形状である。具体的には、例えば外径が4.0[mm]、内径が3.0[mm]、全長が1000[mm]である。ガラスバルブ101の内部には、例えば3[mg]の水銀が封入され、またアルゴンやネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば40[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、例えばアルゴンとネオンとの混合ガスがAr=10[mol%]、Ne=90[mol%]の比率で用いられる。
【0019】
また、ガラスバルブ101の内面には蛍光体層104が形成されている。また、ガラスバルブ101の内面と蛍光体層104との間には例えば酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
【0020】
電極102は、例えば有底筒状であって、内径が2.3[mm]、外径が2.7[mm]、底部の肉厚が0.45[mm]、全長が8.5[mm]であって、ニッケル(Ni)製である。電極102の材料は、ニッケル、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)およびタングステン(W)のいずれか1種以上等を用いることができる。
【0021】
電極102は、リード線103の一端部と接続されている。具体的には、例えば電極102は、その外側底面の略中央部においてリード線103の一端面と接続されている。
【0022】
リード線103は、例えば電極102の外側底面と一端面が接続され、側面の一部においてガラスビード105に封着される内部リード線103aと、内部リード線103aの他端部と一端部とが接続される外部リード線103bとの継線からなる。なお、内部リード線103aの他端部と外部リード線103bの一端部との接続部は、ガラスビード105の端部付近に形成されている。また、内部リード線103aと外部リード線103bとの接続部には、接続痕103cが形成されている。
【0023】
内部リード線103aは、線径が0.8[mm]であって、タングステン製である。なお、内部リード線103aは、ガラスバルブ101やガラスビード105の材料として用いるガラスの熱膨張係数に併せた材料を用いることが好ましい。例えば、ガラスバルブ101がコバール線封着用のホウ珪酸ガラスの場合、鉄とニッケルとコバルトとの合金(コバール)を用いることが好ましい。また、ガラスバルブ101が鉛フリーガラスの場合、鉄とニッケルとの合金等を用いることが好ましい。
【0024】
外部リード線103bは、線径が0.6[mm]であって、ニッケル製である。なお、外部リード線の材料は、ニッケルに限らず、例えばニッケルとマンガンの合金、ジュメット線でもよい。
【0025】
リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分であって、ガラスバルブ101の端部付近には、酸化膜106が形成されている。図1では、接続痕103cおよび外部リード線103bの表面のうちガラスビード105の端部付近に酸化膜106が形成されている。酸化膜106により、ランプ100の端部を半田槽に浸した場合に、酸化膜106が半田となじみ難いため、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が侵入するのを抑制することができ、半田とガラスバルブ101との熱膨張係数の違いによりガラスバルブ101の端部が破損するのを防止することができる。なお、酸化膜106の管軸X100方向の長さは、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ランプ100の端部を半田槽に浸した場合においても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が侵入するのを抑制しやすく、リード線103の電気接続性のよい部分を適度に確保することができる。さらにより好ましくは、0.5[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内である。
【0026】
ガラスビード105は、略球形状であって、その略中心軸に沿って内部リード線103aを封着しており、ホウ珪酸ガラス製である。なお、ガラスビード105は、封着性の観点から、ガラスバルブ101と同一の材料、またはガラスバルブ101と熱膨張係数が同一または近似する材料からなることが好ましい。なお、図1では、リード線103は、ガラスビード105を介してガラスバルブ101に封着されている(ガラスバルブに間接的に封着されている)が、ピンチシール法等によりガラスバルブ101に直接封着されていてもよい。
【0027】
ランプ100の製造方法について以下に詳細に説明する。ランプ100は、公知の冷陰極蛍光ランプの製造方法を用いて作製し、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を酸化させた後に、不要な酸化膜の除去処理を行うことにより完成される。なお、リード線103におけるガラスバルブ101の外側表面の酸化は、ランプ100を長時間大気に放置していてもよいし、別途、部分加熱等による酸化工程によって酸化させてもよい。
【0028】
酸化膜除去工程のランプ100の管軸を含む断面図を図2(a)に、図2(a)のA−A’線で切った断面図を図2(b)にそれぞれ示す。なお、図2(a)については、説明の便宜上ランプ100の部分は正面図となっている。図2(a)および(b)に示す酸化膜除去処理は、電界研磨である。電界研磨は、ランプ100の端部を電界研磨装置107の電界研磨層108内に貯蔵されている電界液109に浸すことにより行われる。
【0029】
電解研磨装置107は、電解研磨槽108、第1の電極110および第2の電極111を備える。
【0030】
電解研磨槽108は、例えば上面に開口を有する箱形形状であって、塩化ビニル製である。電解研磨槽108には、電解液109として、40[wt%]のリン酸を含有するリン酸水溶液が貯蔵されている。なお、リン酸水溶液の濃度は40[wt%]に限定されないが、研磨処理の時間を短くするためには、リン酸水溶液の濃度が30[wt%]以上50[wt%]以下の範囲内であることが好ましい。また、電解液109は、リン酸水溶液に限定されず、電解研磨で使用される公知の電解液を適宜選択して使用することができる。例えば、硫酸水溶液や硝酸水溶液等が挙げられる。但し、リン酸水溶液は、医薬用外劇物適用外であるリン酸を使用しているため、安全に取り扱うことができ、廃液の処理も簡単である。また、リン酸水溶液は、汚れると着色するため、交換時期の見極めが容易である。
【0031】
また、電解研磨槽108の材質は、塩化ビニルに限定されず、電解液109の種類に応じて、電解液109に浸食されにくいものを適宜選択可能である。なお、電解液109をリン酸水溶液とした場合、リン酸水溶液は浸食性に乏しいため電解研磨槽108が浸食されにくい。
【0032】
第1の電極110は、電解研磨槽108に取り付けられている。第1の電極110は、電解研磨槽108の側板に固定された支持部112と、支持部112に支持された本体部113とを備える。
【0033】
本体部113は、タングステン製の板材を略L字形に折曲成形したものであって、支持部の一端部にネジ(図示せず)で固定される垂直部113aと、ランプ100のリード線103を接触させる接触部分としての水平部113bとを備えている。本体部113は、水平部113bが電解研磨槽108内に収納されるように、支持部112によって所定の高さ位置に支持されている。
【0034】
本体部113は、タングステンで形成されているため、電圧印加時の電解液109に浸漬させても電解研磨されにくい。なお、本体部113の材質は、タングステンに限定されず、電解研磨されにくい性質を有する材質であればよい。
【0035】
本体部113は、前述した通り略L字形に折り曲げられた板材であるため、それ自体が板ばね構造を有する弾性部となっている。したがって、水平部113bに荷重がかかると、水平部113bは垂直部113aとの連結部分を中心に回動する。例えば、水平部113bの上面に上方からリード線103を押し当てて接触させた場合、水平部113bには下向きの荷重が加わり、水平部113bは下方(図2(a)および(b)における矢印114で示す方向)に回動する。
【0036】
このように、水平部113bに荷重が加わると水平部113bが回動するため、水平部113bにリード線103を接触させた際に、リード線103に加わる荷重を低減させることができる。そのため、水平部113bにリード線103を強く押し当ててしまうようなことがあっても、リード線103が折れ曲がったり、ランプ100が折れて破損したりし難くすることができる。
【0037】
なお、本体部113の板ばね構造のばね圧は、ランプ100のサイズ、リード線103の径およびリード線103におけるガラスバルブ101の外側部分の長さ、ランプ100の下方へ移動する速度などに応じて、適宜調節することが好ましい。なお、ばね圧が強すぎると、ランプ100やリード線103が折れ曲がり、ばね圧が弱すぎると、水平部113bが所定の位置に戻らなくなる。
【0038】
また、本体部113が板ばね構造を有しているため、リード線103を水平部113bに接触させると、水平部113bがリード線103側へ弾発付勢されるため、水平部113bとリード線103との接触状態を安定維持することができる。したがって、リード線103に電流を安定して流すことができ、研磨処理を確実に行うことができる。
【0039】
第2の電極111は、略L字形に折り曲げられた鉛製の棒材であって、一方の端部が電解研磨槽108内に収まるようにして電解研磨槽108の側板に固定されている。
【0040】
第1の電極110は、電気配線115を介して、電源(図示せず)の陽極側に接続されており、また、第2の電極111は、電気配線116を介して、電源の陰極側に接続されている。支持部112および本体部113がそれぞれ導電性を有しているため、第1の電極110は、電源と電気的に導通している。また、第2の電極111も、導電性を有しているため、電源と電気的に導通している。
【0041】
以下に、電解研磨装置107を用いて行う電解研磨方法について説明する。
【0042】
まず、電解研磨槽108内に、少なくとも第1の電極110の水平部113bと第2の電極111の一端部とが浸漬する程度に、電解液109を注入する。
【0043】
次に、冷陰極蛍光ランプ100を移動させて、前記冷陰極蛍光ランプ100のリード線103を第3の電極3の水平部113bの上面に押し当て、前記リード線103と前記水平部113bとを接触させる。ランプ100のリード線103のガラスバルブ101の外側部分の付け根部分には、保護部材117が巻装されている。この保護部材は、例えば円環形状であって、タングステン製である。この保護部材117により、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分であって、ガラスバルブ101の端部付近が電界液に浸されたとしても、その部分の酸化膜106が除去されるのを防止することができる。なお、保護部材117を用いずに、リード線103を電界液に浸す程度によって、酸化膜106の除去範囲を管理してもよいが、保護部材117を用いたほうが酸化膜106の除去範囲と管理しやすくすることができる。
【0044】
次に、第1の電極110と第2の電極111との間に電圧を印加し、第1の電極110に接触させたリード線103と第2の電極111との間に電解液109を介して0.8[A]〜5.0[A]の電流を3[秒]以上流す。これにより、リード線103が陽極として機能し、第2の電極111が陰極として機能することで、リード線103の酸化膜が、電気化学的反応によって電解液109に溶解し、リード線103の表面のうち、保護部材117が巻装されていない部分が研磨される。
【0045】
これにより、ランプ100が完成される。
【0046】
上記のとおり、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100の構成によれば、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0047】
なお、ランプ100の両端部において、酸化膜の領域(位置、大きさ、形状等)が異なるように形成してもよい。この場合、ランプ100の一端部と他端部とを容易に識別することができる。ランプ100のような冷陰極蛍光ランプは、蛍光体層104の厚みが一端部と他端部で異なることが多い。このようなランプ100をバックライトユニット等の照明装置(図示せず)に組み込む際には、例えばランプ100の長手方向の向きが交互になるように配置する等して、照明装置全体として明るさにむらを抑制している。よって、照明装置の組み立て工程においては、ランプ100の一端部と他端部とを容易に識別できることが好ましい。そこで、酸化膜106の領域が異なるように形成されていることで、ランプ100の一端部と他端部に識別のためのマーキング等を施すことなくランプ100の一端部と他端部とを容易に識別することができる。具体的には、例えば一端部の酸化膜106と他端部の酸化膜106とをガラスバルブ101の管軸X100方向の長さが異なるように形成することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X200を含む要部拡大断面図を図3に示す。本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、「ランプ200」という)は、冷陰極蛍光ランプである。
【0049】
ランプ200は、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分のガラスバルブ101側と反対側の端部が半田201で覆われていることを除いては本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と実質的に同じ構成を有している。
【0050】
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200の構成によれば、ガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。さらに、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分(酸化膜106が形成されている部分を除く)が酸化するのを防止することができる。
【0051】
なお、図3に示すように、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分の酸化膜が形成されている部分を除いた領域に酸化膜が形成されていることがより好ましい。この場合、酸化膜が形成されていない部分について、不要な酸化膜が形成されることを防止することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X300を含む断面図を図4に示す。本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、「ランプ300」という)は、内部外部電極蛍光ランプである。
【0053】
ランプ300は、その一端部の外表面に外部電極301を有し、それに伴う構成を除いては本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、外部電極301とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については説明を省略する。
【0054】
外部電極301は、例えば、半田からなり、ガラスバルブ101の一端部の外表面を覆うように形成されている。
【0055】
また、外部電極301は、銀ペーストをガラスバルブ101の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ101の一端部に被せてもよい。さらに、アルミニウムの金属箔を、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ101の一端部全体の外周面を覆うように貼着したものであってもよい。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0056】
また、ガラスバルブ101の内面であって、外部電極301が形成された領域に例えば酸化イットリウム(Y2O3)の保護膜を設けてもよい。保護膜(図示せず)を設けることにより、ガラスバルブ101のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0057】
なお、保護膜は、酸化イットリウムに代えて、例えばシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、チタニア(TiO2)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
【0058】
もっとも、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、全く形成されていなくてもよいし、その一方で、ガラスバルブ101の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0059】
なお、ガラスバルブ101の一端部は、ガラスビード105を用いずに、ガラスバルブ101の一端部を加熱して溶融させることにより封着されていてもよい。
【0060】
上記のとおり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ300の構成によれば、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0061】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X400を含む断面図を図5に示す。本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、「ランプ400」という)は、熱陰極蛍光ランプであって、電極およびリード線の構成が異なる点を除いては、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプと実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電極401およびリード線402の構成について詳細に説明し、それ以外の点については説明を省略する。
【0062】
電極401は、タングステン製のフィラメントコイルであって、その両端部が一対のリード線402により架持されている。電極401の旋回している部分には、エミッタ(図示せず)が付着されている。エミッタとしては、例えば(Ba,Sr,Ca)O等を用いることができる。なお、電極は、1重巻きや2重巻きのフィラメントコイルであってもよいが、3重巻きまたは4重巻きのフィラメントコイルであることが好ましい。この場合、エミッタが電極401の旋回している部分にからまるように付着しやすく、エミッタを脱落しにくくすることができる。
【0063】
リード線402は、例えば、鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金製である。具体的には、50[wt%]以上52[wt%]以下の範囲内のニッケルと、残部の鉄との合金製であることが好ましい。リード線402は、ガラスビード105によって、2本の間隔を維持するように固定されている。
【0064】
リード線402におけるガラスバルブ101の外側表面であって、ガラスバルブ101側の端部には、ランプ400と同様に酸化膜106が形成されている。
【0065】
なお、リード線402は、ガラスビード105を介してガラスバルブ101に封着されているが、ガラスビード105を用いず、例えばピンチシール法等によりガラスバルブ101に直接封着されていてもよい。
【0066】
ランプ400の製造方法について以下に詳細に説明する。ランプ400は、公知の熱陰極蛍光ランプの製造方法を用いて作製し、リード線402の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を酸化させた後に、不要な酸化膜の除去処理を行うことにより完成される。なお、リード線402におけるガラスバルブ101の外側表面の酸化は、ランプ400を長時間大気に放置していてもよいし、別途部分加熱等による酸化工程によって酸化させてもよい。
【0067】
酸化膜除去工程のランプの管軸を含む断面図を図6(a)に、図6(a)のA−A’線で切った断面図を図6(b)にそれぞれ示す。なお、図6(a)については、説明の便宜上ランプ400の部分は正面図となっている。図6(a)および(b)に示す酸化膜除去処理は、電界研磨である。ランプ400の酸化膜除去工程は、保護部材403の構成を除いては、ランプ100の酸化膜除去工程と実質的に同じ構成を有する。よって、保護部材について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0068】
保護部材403は、一対のリード線402の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分の一部を共に覆うような構造となっている。なお、保護部材403は、導電性であることが好ましい。ランプ400のように熱陰極蛍光ランプの場合、図6(b)に示すように一対のリード線を共に水平部113bに接触させると、フィラメントに通電してしまい、エミッタが損傷してしまうおそれがある。そこで、保護部材に導電性の材料を用いることで、簡易的に短絡させてフィラメントに通電することを防止し、エミッタが損傷するのを防止することができる。
【0069】
上記のとおり、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400の構成によれば、リード線402の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0070】
なお、図7に示すような熱陰極蛍光ランプ(以下、「ランプ404」という)であってもよい。ランプ404は、電極405がガラスバルブ101の管軸X101を旋回軸とした二重螺旋構造をしている。この場合、ランプ400に比べてガラスバルブ101を細径化しやすくすることができる。リード線406は、直線形状であって、形状を除いてはリード線402と実質的に同じ構成を有する。
【0071】
なお、図7に示すように、電極405とリード線406とは、接続部材407を介して接続されていることが好ましい。この場合、電極405とリード線406との接続をより確実に行うことができる。接続部材407は、例えばニッケル製である。
【0072】
さらに、電極405の周囲をスリーブ408で覆うことが好ましい。この場合、電極405からエミッタが飛散するのを抑制することができる。スリーブ408は、例えばニッケルまたは鉄にニッケルメッキを施したものであって、接続部材407に接続されている。
【0073】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の分解斜視図を図8に示す。本発明の第5の実施形態に係る照明装置500は直下方式のバックライトユニットであり、一つの面が開口した直方体状の筐体501と、この筐体501の内部に収納された複数のランプ100と、ランプ100を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット502と、筐体501の開口部を覆う光学シート類503とを備えている。なお、ランプ100は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100である。
【0074】
筐体501は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面504が形成されている。なお、筐体501の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面504として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体501に貼付したものを用いてもよい。
【0075】
筐体501の内部には、ソケット502、絶縁体505およびカバー506が配置されている。具体的に、ソケット502は、ランプ100の配置に対応して筐体501の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット502は、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、外部リード線104bが嵌め込まれる嵌込部502aを有している。そして、外部リード線104bを嵌込部502aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部502aに嵌め込まれた外部リード線103bは、嵌込部502aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、外部リード線103bを嵌込部502aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
【0076】
ソケット502は、互いに隣り合うソケット502同士で短絡しないように絶縁体505で覆われている。絶縁体505は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で構成されている。なお、絶縁体505は、上記の構成に限定されない。ソケット502はランプ100の動作中に比較的高温となる電極103の近傍にあることから絶縁体505は耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁体505の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
【0077】
筐体501の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ507を設けてもよい。筐体501内側でのランプ100の位置を固定するランプホルダ507は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ100の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ100の長手方向の中央部付近のように、ランプ100が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ100のたわみを解消するために必要な場所である。
【0078】
カバー506は、ソケット502と筐体501の内側の空間とを仕切るものであり、例えばポリカーボネート(PC)樹脂で構成し、ソケット502の周辺を保温するとともに、少なくとも筐体501側の表面を高反射性とすることにより、ランプ100の端部の輝度低下を軽減することができる。
【0079】
筐体501の開口部は、透光性の光学シート類503で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類503は、拡散板508、拡散シート509およびレンズシート510を積層してなる。
【0080】
拡散板508は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体501の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート509は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート510は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類503は、それぞれ拡散板508に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0081】
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプのリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0082】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図を図9に示す。本発明の第6の実施形態に係る照明装置600(以下、「照明装置600」という)は、エッジライト方式のバックライトユニットで、反射板601、ランプ100、ソケット(図示せず)、導光板602、拡散シート603およびプリズムシート604から構成されている。
【0083】
反射板601は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板602の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部601bと、ランプ100の配置されている側を除く側面を覆う側面部601aと、ランプ100の周囲を覆う曲面状のランプ側面部601cとで構成されており、ランプ100から照射される光を導光板602から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板601は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
【0084】
ソケットは、本発明の第5の実施形態に係る照明装置500に用いられるソケット502と実質的に同じ構成を有している。なお、図9において、図示の便宜上により、ランプ100の端部については省略している。
【0085】
導光板602は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、照明装置600の底面に設けられた反射板601aの上に積層されている。なお、材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
【0086】
拡散シート603は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板602の上に積層されている。
【0087】
プリズムシート604は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート603の上に積層されている。なお、プリズムシート604の上にさらに拡散板が積層されていてもよい。
【0088】
なお、本実施形態の場合には、ランプ100の周方向における一部分(照明装置600に挿入した場合における導光板602側)を除き、ガラスバルブ101の外面に反射シート(図示せず)を設けたアパーチャ型のランプであってもよい。
【0089】
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係る照明装置600の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプ100のリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0090】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る照明装置の正面図を図10(a)に、図10(a)のA−A’線で切った断面図を図10(b)にそれぞれ示す。本発明の第7の実施形態に係る照明装置700(以下、「照明装置700」という)は、一般照明用の環状蛍光ランプを使用した照明器具である。
【0091】
照明装置700は、本体部701、盤状部702、ランプホルダ703、ソケット704、ランプ705から構成されている。
【0092】
本体部701は、その内部に点灯回路(図示せず)等を収納し、例えばその上部から電気接続部(図示せず)が導出しており、例えばその側面部からランプ705の口金706と電気的に接続するためのソケット704が導出している。
【0093】
盤状部702は、本体部701、ランプホルダ703を支持する部材であり、例えば円盤状の形状を有している。
【0094】
ランプホルダ703は、盤状部702の下面に取付けられており、その下端に設けられた例えばC字状の挟持片によりランプ705を保持し、ランプ705の落下を防止することができる。
【0095】
ランプ705は、環状の熱陰極蛍光ランプであり、形状が環状であることと口金706がランプ705の中間部に位置していることを除いては第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400と実質的に同じ構成を有している。
【0096】
上記のとおり、本発明の第7の実施形態に係る照明装置700の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプのリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0097】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置の概要を図11に示す。図11に示すように液晶表示装置800は、例えば32[inch]の液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット801と本発明の第5の実施形態に係る照明装置500と点灯回路802とを備える。
【0098】
液晶画面ユニット801は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0099】
点灯回路802は、照明装置500内部のランプ100を点灯させる。そして、ランプ100は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
【0100】
なお、図14では、液晶表示装置800の光源装置として本発明の第5の実施形態に係る照明装置500に第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200や本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ300や本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400、406を適用することもできる。また、照明装置についても、本発明の第6の実施形態に係る照明装置600も用いることができる。
【0101】
上記のとおり、本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプ100のリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0102】
(変形例)
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
【0103】
1.低圧放電ランプの変形例
(1)変形例1
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図12に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1(以下、「ランプ118」という)は、電極102に電子放射性物質層119が設けられている点を除いては、ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電子放射性物質層119について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0104】
電極102の表面には、電子放射性物質層119が設けられている。この場合、電子放射性物質層が設けられていないランプに比べてランプ電圧を下げることができる。具体的には、図12に示すように、電子放射性物質層119は、例えば電極102の内面に形成されている。電子放射性物質層119は、例えば希土類元素を含むことが好ましい。この場合、冷陰極放電ランプにおいて、ランプ電圧を下げるのに効果的である。さらに、希土類元素は、ランタン(La)およびイットリウム(Y)のうちいずれか1種以上であることがより好ましい。
【0105】
電子放射性物質層119は、さらに珪素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、硼素(B)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、リン(P)および錫(Sn)のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。この場合、ランプ電圧の低減効果をより持続させることができる。
【0106】
さらに、電子放射性物質層119に、セシウム(Cs)化合物が含まれていてもよい。この場合、ランプ118の暗黒始動特性を向上させることができる。また、電子放射性物質層119とは別に、電極102の内面や外面にセシウム化合物を別途付着させてもよい。
【0107】
なお、セシウム化合物は、例えば、硫酸セシウム、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タングステン酸セシウム、モリブデン酸セシウムおよび塩化セシウムのうちいずれか1種以上を用いることが好ましい。
【0108】
(2)変形例2
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2の要部拡大断面図を図13(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2(以下、「ランプ120」という)は、電子放射性物質層121の構造が異なる点を除いては、ランプ118と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電子放射性物質層121について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0109】
電子放射性物質層121は、電極102の少なくとも内側底面と内側側面との境界部に設けられている。この場合、電極102の内側側面に飛散されることで、ガラスバルブ101の内面や蛍光体層104に飛散するのを防止することができる。さらに、電子放射性物質層116は、電極102の内側底面に形成されていることが好ましい。この場合、電極102の開口部を上側にして、電極102の中に電子放射性物質層121の材料を塗布により形成しやすくすることができる。
【0110】
(3)変形例3
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3の要部拡大断面図を図13(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3(以下、「ランプ122」という)は、電子放射性物質層123の構造が異なる点を除いては、ランプ118と実質的に同一の構成を有する。よって、以下、電子放射性物質層123について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0111】
電子放射性物質層123は、電極102の内面に形成され、電極102の内側底面から開口部に向かうにしたがって厚みが薄くなっている。この場合、電極102の開口部付近の電子放射性物質層123がスパッタされても、電極102の内側底部付近からスパッタされた電子放射性物質層123が補充されるため、ランプ電圧を低下させる効果を持続させることができる。
【0112】
(4)変形例4
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4の要部拡大断面図を図14(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4(以下、「ランプ124」という)は、電極125の構造が異なる点を除いては、ランプ118と実質的に同一の構成を有する。よって、以下、電極125について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0113】
電極125は、有底筒状であって、その開口部側の端部125aが径方向の外側に広がっている。この場合、電極125の外側側面とガラスバルブ101の内面との間の隙間を小さくすることができ、放電が電極125の外側側面に回りこんで、電極125の外側側面がスパッタされるのを防止することができる。
【0114】
電子放射性物質層119は、少なくとも電極125の径方向の外側に広がっている開口部側の端部125aを除いて電極1125の内面に形成されている。これにより、電子放射性物質層119がガラスバルブ101の内面や蛍光体層104に飛散するのを防止することができる。
【0115】
(5)変形例5
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5の要部拡大断面図を図14(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5(以下、「ランプ126」という)は、電極127の構造が異なる点を除いては、ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電極127について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0116】
電極127は、有底筒状であって、その開口部側の端部127aが径方向の内側に狭まっている。そして、電子放射性物質層119は、少なくとも電極127の径方向の外側に広がっている開口部側の端部127aを除いて電極127の内面に設けられている。これにより、電極127の端部127aによって、電子放射性物質層119がスパッタされるのを抑制し、かつ電子放射性物質層119がスパッタされたとしても、飛散した電子放射性物質層119が電極127の端部127aに遮られることによって、ガラスバルブ101の内面や蛍光体層104に飛散するのを防止することができる。
【0117】
(6)変形例6
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6の正面図を図15(a)に、その管軸を含む要部拡大断面図を図15(b)にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6(以下、「ランプ128」という)は、ランプ100とは、口金129を備える点を除いては、ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、口金129について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0118】
口金129は、リード線103と電気的かつ機械的に接続されている。具体的には、口金は、ガラスバルブ101の端部を覆う胴体部129aと、胴体部129aの一端より延出し、リード線103と電気的かつ機械的に接続される延出部129bとで構成されている。このようなランプ128は、照明装置に組み込む際、口金129をヒューズソケット(図示せず)等に挿入するだけで電気的かつ機械的に接続できる。
【0119】
胴体部129aの側面には、ガラスバルブ101を保持するための保持部129cが設けられている。保持部129cは、例えば、胴体部129aの側面の一部を切り抜き、ガラスバルブ101側に折り曲げて形成されている。また、保持部129cの先端部129dは、ガラスバルブ101を傷付けないようにガラスバルブ101とは反対側に折り曲げられている。なお、保持部129cは、胴体部129aの周方向に略等間隔に3[箇所]以上設けられていることが好ましい。この場合、ガラスバルブ101をより安定して保持できるためである。さらに、保持部129cとガラスバルブ101との接触部は、電極102の対向部にあることが好ましい。この場合、電極102付近で発生する熱の放熱を、保持部129cを介して促進させることができる。
【0120】
なお、上述した変形例1〜5のように、電極102に電子放射性物質層(図示せず)が設けられている場合においても、電極102で発生する熱を口金129を通じて放熱させやすくすることができるため、電極102周辺の温度の過度の上昇を抑制し、電極102周辺において水銀が少なくなることを抑制することで、電子放射性物質層119のスパッタリングを抑制し、口金129が設けられていないランプに比べてランプ電圧の低減効果を持続させることができる。
【0121】
なお、ランプ128の両端部において、酸化膜の領域(位置、大きさ、形状等)が異なるように形成してもよい。この場合、ランプ128の一端部と他端部とを容易に識別することができる。ランプ128の場合、ランプ128の一端部と他端部とを識別するマーキングを口金129の胴体部129aに印すことが考えられるが、口金129の胴体部129aは、照明装置(図示せず)に組み込まれる際、電気的に接続するために、例えばソケットに挟まれる。この際、摩擦によりマーキングが消失してしまうおそれがある。これに対し、ランプ128の両端部において、酸化膜の領域(位置、大きさ、形状等)が異なるように形成する場合には、ソケットとの摩擦により消失することがないため、好適である。具体的には、例えば一端部の酸化膜106と他端部の酸化膜106とをガラスバルブ101の管軸X100方向の長さが異なるように形成することができる。
【0122】
2.ガラスバルブ101について
(1)ガラスバルブ101の熱膨張係数は、3.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内のものを用いることができる。特に、ガラスバルブ101の熱膨張係数は、8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスの強度が弱くなるため、本発明の作用効果を特に発揮できる。
【0123】
(2)紫外線吸収について
ガラスバルブ101の材料であるガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0124】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0125】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0126】
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0127】
(3)赤外線透過係数について
ガラスバルブ101の材料であるガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極放電ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0128】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
(数1)X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(4)鉛フリーガラスについて
ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極放電ランプを提供することができる。さらには、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0129】
また、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、CaOが1[wt%]〜7[wt%]、MgOが1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜5[wt%]、BaOが7[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
【0130】
さらに、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、 CaOが2[wt%]〜7[wt%]、MgOが2.1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜3[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが1[wt%]〜3[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜6[wt%]、Na2Oが7[wt%]〜10[wt%]、 CaOが3[wt%]〜6[wt%]、MgOが3[wt%]〜6[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜10[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0131】
(5)ガラスバルブ101の形状について
ガラスバルブ101の形状は、直管形状のものに限られず、例えばL字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。また、その管軸に対して略垂直に切った断面は、略円形状のものに限られず、例えばトラック形状や角丸形状のような扁平形状や楕円形状等であってもよい。
【0132】
3.蛍光体層の蛍光体について
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0133】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であることが好ましい。
【0134】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0135】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0136】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0137】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラスバルブ外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層104に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0138】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0139】
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極放電ランプや外部電極放電ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0140】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0141】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0142】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0143】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0144】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0.056)で構成されている。
【0145】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
【0146】
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んでできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0147】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
【0148】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである為、カラーフィルターとの組み合わせにより色再現範囲が上記値より前後する可能性がある。
【0149】
4.封入ガスについて
希ガスには、クリプトンが含まれていてもよい。この場合、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。例えば、アルゴンが0[mol%]以上9.5[mol%]以下の範囲内、ネオンが90[mol%]以上95.5[mol%]以下の範囲内、クリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
【0150】
5.ランプの種類について
上記の各実施形態においては、低圧放電ランプとして、冷陰極蛍光ランプ、内部外部電極蛍光ランプおよび熱陰極蛍光ランプを中心に説明したが、これに限られず、ガラスバルブの内面に蛍光体層の形成されていない紫外線ランプであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、低圧放電ランプ、照明装置および液晶表示装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図2】(a)酸化膜除去工程の概念図、(b)図2(a)のA−A’線で切った断面図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む要部拡大断面図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図5】本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図6】(a)酸化膜除去工程の概念図、(b)図6(a)のA−A’線で切った断面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例の管軸を含む断面図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る照明装置の分解斜視図
【図9】本発明の第5の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図
【図10】(a)本発明の第6の実施形態に係る照明装置の正面図、(b)同じくA−A’線で切った断面図
【図11】本発明の第7の実施形態に係る画像表示装置の斜視図
【図12】本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1の管軸を含む要部拡大断面図
【図13】(a)同じく低圧放電ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例3の管軸を含む要部拡大断面図
【図14】(a)同じく低圧放電ランプの変形例4の管軸を含む要部拡大断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例5の管軸を含む要部拡大断面図
【図15】(a)同じく低圧放電ランプの変形例6の要部拡大正面図、(b)同じく管軸を含む要部拡大断面図
【図16】従来の低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【符号の説明】
【0153】
100、118、120、122、124、126、128、200、300、400 低圧放電ランプ
101 ガラスバルブ
102、401 電極
103、402 リード線
103a 内部リード線
103b 外部リード線
106 酸化膜
500、600、700 照明装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の低圧放電ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図16に示す。図16に示すように、従来の低圧放電ランプ(以下、「ランプ1」という)は、冷陰極放電ランプであって、ガラスバルブ2を備え、ガラスバルブ2内には、Niから構成されたスリーブ電極3が配設されており、またガラスバルブ2の端部からは、スリーブ電極3に給電するリード線4がガラスバルブ2内側に向けて突き出ている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−231942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ランプ1は、リード線4のガラスバルブ2の外側にある部分の電気的接続性を保つために、表面を半田で覆うことがある。
【0004】
しかしながら、リード線4の表面のうちガラスバルブ2の外側に位置する部分を半田で覆うために、ランプ1の端部を半田槽にランプ1の端部を浸けると、半田がガラスバルブ2とリード線4との間に入り込むことがあった。この場合、半田とガラスバルブとは、熱膨張係数が異なるため、ガラスバルブ2の封着部の破損の原因となる可能性があった。
【0005】
そこで、本発明に係る低圧放電ランプは、リード線の表面のうちガラスバルブの外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブの封着部が破損するのを防止することを目的とする。
【0006】
また、本発明に係る照明装置および画像表示装置は、内部に備える低圧放電ランプのリード線の表面のうちガラスバルブの外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブとリード線との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブの封着部が破損するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外部に導出されたリード線とを備える低圧放電ランプにおいて、前記リード線の表面のうち前記ガラスバルブの外側に位置する部分であって、前記ガラスバルブの端部付近には、酸化膜が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記酸化膜の前記低圧放電ランプの管軸方向の長さは、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線における前記ガラスバルブの外側表面であって、前記ガラスバルブ側と反対側の端部は、半田で覆われていることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの熱膨張係数は、3.0×10-6[K]以上10.0×10-6[K]以下の範囲内であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブに用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜3[wt%] 、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜10[wt%]、 CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜11[wt%]の組成を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線は、内部リード線と外部リード線との継線からなり、前記内部リード線は、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外側端部付近において前記外部リード線の一端部と接続されていることが好ましい。
【0013】
本発明に係る照明装置は、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像表示装置は、前記照明装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る低圧放電ランプは、リード線におけるガラスバルブの外側表面を半田で覆ってもガラスバルブの封着部が破損するのを防止することができる。
【0016】
本発明に係る照明装置および画像表示装置は、移動等により内部に備える低圧放電ランプが破損するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X100を含む断面図を図1に示す。本発明の第1の実施形態に係る冷陰極放電ランプ(以下、「ランプ100」という)は、冷陰極蛍光ランプであって、ガラスバルブ101と、ガラスバルブ101の内部に配置された電極102と、一端部が電極102に接続され、他端部がガラスバルブ101の外部に導出されたリード線103とを備える。
【0018】
ガラスバルブ101は、例えばタングステン線封着用のホウ珪酸ガラス製で、直管状であって、その管軸に対して垂直に切った断面が略円環形状である。具体的には、例えば外径が4.0[mm]、内径が3.0[mm]、全長が1000[mm]である。ガラスバルブ101の内部には、例えば3[mg]の水銀が封入され、またアルゴンやネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば40[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、例えばアルゴンとネオンとの混合ガスがAr=10[mol%]、Ne=90[mol%]の比率で用いられる。
【0019】
また、ガラスバルブ101の内面には蛍光体層104が形成されている。また、ガラスバルブ101の内面と蛍光体層104との間には例えば酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
【0020】
電極102は、例えば有底筒状であって、内径が2.3[mm]、外径が2.7[mm]、底部の肉厚が0.45[mm]、全長が8.5[mm]であって、ニッケル(Ni)製である。電極102の材料は、ニッケル、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)およびタングステン(W)のいずれか1種以上等を用いることができる。
【0021】
電極102は、リード線103の一端部と接続されている。具体的には、例えば電極102は、その外側底面の略中央部においてリード線103の一端面と接続されている。
【0022】
リード線103は、例えば電極102の外側底面と一端面が接続され、側面の一部においてガラスビード105に封着される内部リード線103aと、内部リード線103aの他端部と一端部とが接続される外部リード線103bとの継線からなる。なお、内部リード線103aの他端部と外部リード線103bの一端部との接続部は、ガラスビード105の端部付近に形成されている。また、内部リード線103aと外部リード線103bとの接続部には、接続痕103cが形成されている。
【0023】
内部リード線103aは、線径が0.8[mm]であって、タングステン製である。なお、内部リード線103aは、ガラスバルブ101やガラスビード105の材料として用いるガラスの熱膨張係数に併せた材料を用いることが好ましい。例えば、ガラスバルブ101がコバール線封着用のホウ珪酸ガラスの場合、鉄とニッケルとコバルトとの合金(コバール)を用いることが好ましい。また、ガラスバルブ101が鉛フリーガラスの場合、鉄とニッケルとの合金等を用いることが好ましい。
【0024】
外部リード線103bは、線径が0.6[mm]であって、ニッケル製である。なお、外部リード線の材料は、ニッケルに限らず、例えばニッケルとマンガンの合金、ジュメット線でもよい。
【0025】
リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分であって、ガラスバルブ101の端部付近には、酸化膜106が形成されている。図1では、接続痕103cおよび外部リード線103bの表面のうちガラスビード105の端部付近に酸化膜106が形成されている。酸化膜106により、ランプ100の端部を半田槽に浸した場合に、酸化膜106が半田となじみ難いため、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が侵入するのを抑制することができ、半田とガラスバルブ101との熱膨張係数の違いによりガラスバルブ101の端部が破損するのを防止することができる。なお、酸化膜106の管軸X100方向の長さは、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ランプ100の端部を半田槽に浸した場合においても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が侵入するのを抑制しやすく、リード線103の電気接続性のよい部分を適度に確保することができる。さらにより好ましくは、0.5[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内である。
【0026】
ガラスビード105は、略球形状であって、その略中心軸に沿って内部リード線103aを封着しており、ホウ珪酸ガラス製である。なお、ガラスビード105は、封着性の観点から、ガラスバルブ101と同一の材料、またはガラスバルブ101と熱膨張係数が同一または近似する材料からなることが好ましい。なお、図1では、リード線103は、ガラスビード105を介してガラスバルブ101に封着されている(ガラスバルブに間接的に封着されている)が、ピンチシール法等によりガラスバルブ101に直接封着されていてもよい。
【0027】
ランプ100の製造方法について以下に詳細に説明する。ランプ100は、公知の冷陰極蛍光ランプの製造方法を用いて作製し、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を酸化させた後に、不要な酸化膜の除去処理を行うことにより完成される。なお、リード線103におけるガラスバルブ101の外側表面の酸化は、ランプ100を長時間大気に放置していてもよいし、別途、部分加熱等による酸化工程によって酸化させてもよい。
【0028】
酸化膜除去工程のランプ100の管軸を含む断面図を図2(a)に、図2(a)のA−A’線で切った断面図を図2(b)にそれぞれ示す。なお、図2(a)については、説明の便宜上ランプ100の部分は正面図となっている。図2(a)および(b)に示す酸化膜除去処理は、電界研磨である。電界研磨は、ランプ100の端部を電界研磨装置107の電界研磨層108内に貯蔵されている電界液109に浸すことにより行われる。
【0029】
電解研磨装置107は、電解研磨槽108、第1の電極110および第2の電極111を備える。
【0030】
電解研磨槽108は、例えば上面に開口を有する箱形形状であって、塩化ビニル製である。電解研磨槽108には、電解液109として、40[wt%]のリン酸を含有するリン酸水溶液が貯蔵されている。なお、リン酸水溶液の濃度は40[wt%]に限定されないが、研磨処理の時間を短くするためには、リン酸水溶液の濃度が30[wt%]以上50[wt%]以下の範囲内であることが好ましい。また、電解液109は、リン酸水溶液に限定されず、電解研磨で使用される公知の電解液を適宜選択して使用することができる。例えば、硫酸水溶液や硝酸水溶液等が挙げられる。但し、リン酸水溶液は、医薬用外劇物適用外であるリン酸を使用しているため、安全に取り扱うことができ、廃液の処理も簡単である。また、リン酸水溶液は、汚れると着色するため、交換時期の見極めが容易である。
【0031】
また、電解研磨槽108の材質は、塩化ビニルに限定されず、電解液109の種類に応じて、電解液109に浸食されにくいものを適宜選択可能である。なお、電解液109をリン酸水溶液とした場合、リン酸水溶液は浸食性に乏しいため電解研磨槽108が浸食されにくい。
【0032】
第1の電極110は、電解研磨槽108に取り付けられている。第1の電極110は、電解研磨槽108の側板に固定された支持部112と、支持部112に支持された本体部113とを備える。
【0033】
本体部113は、タングステン製の板材を略L字形に折曲成形したものであって、支持部の一端部にネジ(図示せず)で固定される垂直部113aと、ランプ100のリード線103を接触させる接触部分としての水平部113bとを備えている。本体部113は、水平部113bが電解研磨槽108内に収納されるように、支持部112によって所定の高さ位置に支持されている。
【0034】
本体部113は、タングステンで形成されているため、電圧印加時の電解液109に浸漬させても電解研磨されにくい。なお、本体部113の材質は、タングステンに限定されず、電解研磨されにくい性質を有する材質であればよい。
【0035】
本体部113は、前述した通り略L字形に折り曲げられた板材であるため、それ自体が板ばね構造を有する弾性部となっている。したがって、水平部113bに荷重がかかると、水平部113bは垂直部113aとの連結部分を中心に回動する。例えば、水平部113bの上面に上方からリード線103を押し当てて接触させた場合、水平部113bには下向きの荷重が加わり、水平部113bは下方(図2(a)および(b)における矢印114で示す方向)に回動する。
【0036】
このように、水平部113bに荷重が加わると水平部113bが回動するため、水平部113bにリード線103を接触させた際に、リード線103に加わる荷重を低減させることができる。そのため、水平部113bにリード線103を強く押し当ててしまうようなことがあっても、リード線103が折れ曲がったり、ランプ100が折れて破損したりし難くすることができる。
【0037】
なお、本体部113の板ばね構造のばね圧は、ランプ100のサイズ、リード線103の径およびリード線103におけるガラスバルブ101の外側部分の長さ、ランプ100の下方へ移動する速度などに応じて、適宜調節することが好ましい。なお、ばね圧が強すぎると、ランプ100やリード線103が折れ曲がり、ばね圧が弱すぎると、水平部113bが所定の位置に戻らなくなる。
【0038】
また、本体部113が板ばね構造を有しているため、リード線103を水平部113bに接触させると、水平部113bがリード線103側へ弾発付勢されるため、水平部113bとリード線103との接触状態を安定維持することができる。したがって、リード線103に電流を安定して流すことができ、研磨処理を確実に行うことができる。
【0039】
第2の電極111は、略L字形に折り曲げられた鉛製の棒材であって、一方の端部が電解研磨槽108内に収まるようにして電解研磨槽108の側板に固定されている。
【0040】
第1の電極110は、電気配線115を介して、電源(図示せず)の陽極側に接続されており、また、第2の電極111は、電気配線116を介して、電源の陰極側に接続されている。支持部112および本体部113がそれぞれ導電性を有しているため、第1の電極110は、電源と電気的に導通している。また、第2の電極111も、導電性を有しているため、電源と電気的に導通している。
【0041】
以下に、電解研磨装置107を用いて行う電解研磨方法について説明する。
【0042】
まず、電解研磨槽108内に、少なくとも第1の電極110の水平部113bと第2の電極111の一端部とが浸漬する程度に、電解液109を注入する。
【0043】
次に、冷陰極蛍光ランプ100を移動させて、前記冷陰極蛍光ランプ100のリード線103を第3の電極3の水平部113bの上面に押し当て、前記リード線103と前記水平部113bとを接触させる。ランプ100のリード線103のガラスバルブ101の外側部分の付け根部分には、保護部材117が巻装されている。この保護部材は、例えば円環形状であって、タングステン製である。この保護部材117により、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分であって、ガラスバルブ101の端部付近が電界液に浸されたとしても、その部分の酸化膜106が除去されるのを防止することができる。なお、保護部材117を用いずに、リード線103を電界液に浸す程度によって、酸化膜106の除去範囲を管理してもよいが、保護部材117を用いたほうが酸化膜106の除去範囲と管理しやすくすることができる。
【0044】
次に、第1の電極110と第2の電極111との間に電圧を印加し、第1の電極110に接触させたリード線103と第2の電極111との間に電解液109を介して0.8[A]〜5.0[A]の電流を3[秒]以上流す。これにより、リード線103が陽極として機能し、第2の電極111が陰極として機能することで、リード線103の酸化膜が、電気化学的反応によって電解液109に溶解し、リード線103の表面のうち、保護部材117が巻装されていない部分が研磨される。
【0045】
これにより、ランプ100が完成される。
【0046】
上記のとおり、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100の構成によれば、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0047】
なお、ランプ100の両端部において、酸化膜の領域(位置、大きさ、形状等)が異なるように形成してもよい。この場合、ランプ100の一端部と他端部とを容易に識別することができる。ランプ100のような冷陰極蛍光ランプは、蛍光体層104の厚みが一端部と他端部で異なることが多い。このようなランプ100をバックライトユニット等の照明装置(図示せず)に組み込む際には、例えばランプ100の長手方向の向きが交互になるように配置する等して、照明装置全体として明るさにむらを抑制している。よって、照明装置の組み立て工程においては、ランプ100の一端部と他端部とを容易に識別できることが好ましい。そこで、酸化膜106の領域が異なるように形成されていることで、ランプ100の一端部と他端部に識別のためのマーキング等を施すことなくランプ100の一端部と他端部とを容易に識別することができる。具体的には、例えば一端部の酸化膜106と他端部の酸化膜106とをガラスバルブ101の管軸X100方向の長さが異なるように形成することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X200を含む要部拡大断面図を図3に示す。本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、「ランプ200」という)は、冷陰極蛍光ランプである。
【0049】
ランプ200は、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分のガラスバルブ101側と反対側の端部が半田201で覆われていることを除いては本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と実質的に同じ構成を有している。
【0050】
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200の構成によれば、ガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。さらに、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分(酸化膜106が形成されている部分を除く)が酸化するのを防止することができる。
【0051】
なお、図3に示すように、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分の酸化膜が形成されている部分を除いた領域に酸化膜が形成されていることがより好ましい。この場合、酸化膜が形成されていない部分について、不要な酸化膜が形成されることを防止することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X300を含む断面図を図4に示す。本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、「ランプ300」という)は、内部外部電極蛍光ランプである。
【0053】
ランプ300は、その一端部の外表面に外部電極301を有し、それに伴う構成を除いては本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、外部電極301とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については説明を省略する。
【0054】
外部電極301は、例えば、半田からなり、ガラスバルブ101の一端部の外表面を覆うように形成されている。
【0055】
また、外部電極301は、銀ペーストをガラスバルブ101の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ101の一端部に被せてもよい。さらに、アルミニウムの金属箔を、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ101の一端部全体の外周面を覆うように貼着したものであってもよい。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0056】
また、ガラスバルブ101の内面であって、外部電極301が形成された領域に例えば酸化イットリウム(Y2O3)の保護膜を設けてもよい。保護膜(図示せず)を設けることにより、ガラスバルブ101のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0057】
なお、保護膜は、酸化イットリウムに代えて、例えばシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、チタニア(TiO2)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
【0058】
もっとも、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、全く形成されていなくてもよいし、その一方で、ガラスバルブ101の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0059】
なお、ガラスバルブ101の一端部は、ガラスビード105を用いずに、ガラスバルブ101の一端部を加熱して溶融させることにより封着されていてもよい。
【0060】
上記のとおり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ300の構成によれば、リード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0061】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X400を含む断面図を図5に示す。本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、「ランプ400」という)は、熱陰極蛍光ランプであって、電極およびリード線の構成が異なる点を除いては、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプと実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電極401およびリード線402の構成について詳細に説明し、それ以外の点については説明を省略する。
【0062】
電極401は、タングステン製のフィラメントコイルであって、その両端部が一対のリード線402により架持されている。電極401の旋回している部分には、エミッタ(図示せず)が付着されている。エミッタとしては、例えば(Ba,Sr,Ca)O等を用いることができる。なお、電極は、1重巻きや2重巻きのフィラメントコイルであってもよいが、3重巻きまたは4重巻きのフィラメントコイルであることが好ましい。この場合、エミッタが電極401の旋回している部分にからまるように付着しやすく、エミッタを脱落しにくくすることができる。
【0063】
リード線402は、例えば、鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金製である。具体的には、50[wt%]以上52[wt%]以下の範囲内のニッケルと、残部の鉄との合金製であることが好ましい。リード線402は、ガラスビード105によって、2本の間隔を維持するように固定されている。
【0064】
リード線402におけるガラスバルブ101の外側表面であって、ガラスバルブ101側の端部には、ランプ400と同様に酸化膜106が形成されている。
【0065】
なお、リード線402は、ガラスビード105を介してガラスバルブ101に封着されているが、ガラスビード105を用いず、例えばピンチシール法等によりガラスバルブ101に直接封着されていてもよい。
【0066】
ランプ400の製造方法について以下に詳細に説明する。ランプ400は、公知の熱陰極蛍光ランプの製造方法を用いて作製し、リード線402の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を酸化させた後に、不要な酸化膜の除去処理を行うことにより完成される。なお、リード線402におけるガラスバルブ101の外側表面の酸化は、ランプ400を長時間大気に放置していてもよいし、別途部分加熱等による酸化工程によって酸化させてもよい。
【0067】
酸化膜除去工程のランプの管軸を含む断面図を図6(a)に、図6(a)のA−A’線で切った断面図を図6(b)にそれぞれ示す。なお、図6(a)については、説明の便宜上ランプ400の部分は正面図となっている。図6(a)および(b)に示す酸化膜除去処理は、電界研磨である。ランプ400の酸化膜除去工程は、保護部材403の構成を除いては、ランプ100の酸化膜除去工程と実質的に同じ構成を有する。よって、保護部材について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0068】
保護部材403は、一対のリード線402の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分の一部を共に覆うような構造となっている。なお、保護部材403は、導電性であることが好ましい。ランプ400のように熱陰極蛍光ランプの場合、図6(b)に示すように一対のリード線を共に水平部113bに接触させると、フィラメントに通電してしまい、エミッタが損傷してしまうおそれがある。そこで、保護部材に導電性の材料を用いることで、簡易的に短絡させてフィラメントに通電することを防止し、エミッタが損傷するのを防止することができる。
【0069】
上記のとおり、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400の構成によれば、リード線402の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆ってもガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0070】
なお、図7に示すような熱陰極蛍光ランプ(以下、「ランプ404」という)であってもよい。ランプ404は、電極405がガラスバルブ101の管軸X101を旋回軸とした二重螺旋構造をしている。この場合、ランプ400に比べてガラスバルブ101を細径化しやすくすることができる。リード線406は、直線形状であって、形状を除いてはリード線402と実質的に同じ構成を有する。
【0071】
なお、図7に示すように、電極405とリード線406とは、接続部材407を介して接続されていることが好ましい。この場合、電極405とリード線406との接続をより確実に行うことができる。接続部材407は、例えばニッケル製である。
【0072】
さらに、電極405の周囲をスリーブ408で覆うことが好ましい。この場合、電極405からエミッタが飛散するのを抑制することができる。スリーブ408は、例えばニッケルまたは鉄にニッケルメッキを施したものであって、接続部材407に接続されている。
【0073】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の分解斜視図を図8に示す。本発明の第5の実施形態に係る照明装置500は直下方式のバックライトユニットであり、一つの面が開口した直方体状の筐体501と、この筐体501の内部に収納された複数のランプ100と、ランプ100を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット502と、筐体501の開口部を覆う光学シート類503とを備えている。なお、ランプ100は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100である。
【0074】
筐体501は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面504が形成されている。なお、筐体501の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面504として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体501に貼付したものを用いてもよい。
【0075】
筐体501の内部には、ソケット502、絶縁体505およびカバー506が配置されている。具体的に、ソケット502は、ランプ100の配置に対応して筐体501の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット502は、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、外部リード線104bが嵌め込まれる嵌込部502aを有している。そして、外部リード線104bを嵌込部502aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部502aに嵌め込まれた外部リード線103bは、嵌込部502aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、外部リード線103bを嵌込部502aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
【0076】
ソケット502は、互いに隣り合うソケット502同士で短絡しないように絶縁体505で覆われている。絶縁体505は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で構成されている。なお、絶縁体505は、上記の構成に限定されない。ソケット502はランプ100の動作中に比較的高温となる電極103の近傍にあることから絶縁体505は耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁体505の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
【0077】
筐体501の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ507を設けてもよい。筐体501内側でのランプ100の位置を固定するランプホルダ507は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ100の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ100の長手方向の中央部付近のように、ランプ100が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ100のたわみを解消するために必要な場所である。
【0078】
カバー506は、ソケット502と筐体501の内側の空間とを仕切るものであり、例えばポリカーボネート(PC)樹脂で構成し、ソケット502の周辺を保温するとともに、少なくとも筐体501側の表面を高反射性とすることにより、ランプ100の端部の輝度低下を軽減することができる。
【0079】
筐体501の開口部は、透光性の光学シート類503で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類503は、拡散板508、拡散シート509およびレンズシート510を積層してなる。
【0080】
拡散板508は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体501の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート509は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート510は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類503は、それぞれ拡散板508に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0081】
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係る照明装置500の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプのリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0082】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図を図9に示す。本発明の第6の実施形態に係る照明装置600(以下、「照明装置600」という)は、エッジライト方式のバックライトユニットで、反射板601、ランプ100、ソケット(図示せず)、導光板602、拡散シート603およびプリズムシート604から構成されている。
【0083】
反射板601は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板602の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部601bと、ランプ100の配置されている側を除く側面を覆う側面部601aと、ランプ100の周囲を覆う曲面状のランプ側面部601cとで構成されており、ランプ100から照射される光を導光板602から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板601は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
【0084】
ソケットは、本発明の第5の実施形態に係る照明装置500に用いられるソケット502と実質的に同じ構成を有している。なお、図9において、図示の便宜上により、ランプ100の端部については省略している。
【0085】
導光板602は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、照明装置600の底面に設けられた反射板601aの上に積層されている。なお、材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
【0086】
拡散シート603は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板602の上に積層されている。
【0087】
プリズムシート604は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート603の上に積層されている。なお、プリズムシート604の上にさらに拡散板が積層されていてもよい。
【0088】
なお、本実施形態の場合には、ランプ100の周方向における一部分(照明装置600に挿入した場合における導光板602側)を除き、ガラスバルブ101の外面に反射シート(図示せず)を設けたアパーチャ型のランプであってもよい。
【0089】
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係る照明装置600の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプ100のリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0090】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る照明装置の正面図を図10(a)に、図10(a)のA−A’線で切った断面図を図10(b)にそれぞれ示す。本発明の第7の実施形態に係る照明装置700(以下、「照明装置700」という)は、一般照明用の環状蛍光ランプを使用した照明器具である。
【0091】
照明装置700は、本体部701、盤状部702、ランプホルダ703、ソケット704、ランプ705から構成されている。
【0092】
本体部701は、その内部に点灯回路(図示せず)等を収納し、例えばその上部から電気接続部(図示せず)が導出しており、例えばその側面部からランプ705の口金706と電気的に接続するためのソケット704が導出している。
【0093】
盤状部702は、本体部701、ランプホルダ703を支持する部材であり、例えば円盤状の形状を有している。
【0094】
ランプホルダ703は、盤状部702の下面に取付けられており、その下端に設けられた例えばC字状の挟持片によりランプ705を保持し、ランプ705の落下を防止することができる。
【0095】
ランプ705は、環状の熱陰極蛍光ランプであり、形状が環状であることと口金706がランプ705の中間部に位置していることを除いては第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400と実質的に同じ構成を有している。
【0096】
上記のとおり、本発明の第7の実施形態に係る照明装置700の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプのリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0097】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置の概要を図11に示す。図11に示すように液晶表示装置800は、例えば32[inch]の液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット801と本発明の第5の実施形態に係る照明装置500と点灯回路802とを備える。
【0098】
液晶画面ユニット801は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0099】
点灯回路802は、照明装置500内部のランプ100を点灯させる。そして、ランプ100は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
【0100】
なお、図14では、液晶表示装置800の光源装置として本発明の第5の実施形態に係る照明装置500に第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200や本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ300や本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400、406を適用することもできる。また、照明装置についても、本発明の第6の実施形態に係る照明装置600も用いることができる。
【0101】
上記のとおり、本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置の構成によれば、内部に備える低圧放電ランプ100のリード線103の表面のうちガラスバルブ101の外側に位置する部分を半田で覆っても、ガラスバルブ101とリード線103との間に半田が入り込んで、点灯時にガラスバルブ101の封着部が破損するのを防止することができる。
【0102】
(変形例)
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
【0103】
1.低圧放電ランプの変形例
(1)変形例1
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図12に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1(以下、「ランプ118」という)は、電極102に電子放射性物質層119が設けられている点を除いては、ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電子放射性物質層119について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0104】
電極102の表面には、電子放射性物質層119が設けられている。この場合、電子放射性物質層が設けられていないランプに比べてランプ電圧を下げることができる。具体的には、図12に示すように、電子放射性物質層119は、例えば電極102の内面に形成されている。電子放射性物質層119は、例えば希土類元素を含むことが好ましい。この場合、冷陰極放電ランプにおいて、ランプ電圧を下げるのに効果的である。さらに、希土類元素は、ランタン(La)およびイットリウム(Y)のうちいずれか1種以上であることがより好ましい。
【0105】
電子放射性物質層119は、さらに珪素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、硼素(B)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、リン(P)および錫(Sn)のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。この場合、ランプ電圧の低減効果をより持続させることができる。
【0106】
さらに、電子放射性物質層119に、セシウム(Cs)化合物が含まれていてもよい。この場合、ランプ118の暗黒始動特性を向上させることができる。また、電子放射性物質層119とは別に、電極102の内面や外面にセシウム化合物を別途付着させてもよい。
【0107】
なお、セシウム化合物は、例えば、硫酸セシウム、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タングステン酸セシウム、モリブデン酸セシウムおよび塩化セシウムのうちいずれか1種以上を用いることが好ましい。
【0108】
(2)変形例2
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2の要部拡大断面図を図13(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2(以下、「ランプ120」という)は、電子放射性物質層121の構造が異なる点を除いては、ランプ118と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電子放射性物質層121について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0109】
電子放射性物質層121は、電極102の少なくとも内側底面と内側側面との境界部に設けられている。この場合、電極102の内側側面に飛散されることで、ガラスバルブ101の内面や蛍光体層104に飛散するのを防止することができる。さらに、電子放射性物質層116は、電極102の内側底面に形成されていることが好ましい。この場合、電極102の開口部を上側にして、電極102の中に電子放射性物質層121の材料を塗布により形成しやすくすることができる。
【0110】
(3)変形例3
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3の要部拡大断面図を図13(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3(以下、「ランプ122」という)は、電子放射性物質層123の構造が異なる点を除いては、ランプ118と実質的に同一の構成を有する。よって、以下、電子放射性物質層123について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0111】
電子放射性物質層123は、電極102の内面に形成され、電極102の内側底面から開口部に向かうにしたがって厚みが薄くなっている。この場合、電極102の開口部付近の電子放射性物質層123がスパッタされても、電極102の内側底部付近からスパッタされた電子放射性物質層123が補充されるため、ランプ電圧を低下させる効果を持続させることができる。
【0112】
(4)変形例4
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4の要部拡大断面図を図14(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4(以下、「ランプ124」という)は、電極125の構造が異なる点を除いては、ランプ118と実質的に同一の構成を有する。よって、以下、電極125について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0113】
電極125は、有底筒状であって、その開口部側の端部125aが径方向の外側に広がっている。この場合、電極125の外側側面とガラスバルブ101の内面との間の隙間を小さくすることができ、放電が電極125の外側側面に回りこんで、電極125の外側側面がスパッタされるのを防止することができる。
【0114】
電子放射性物質層119は、少なくとも電極125の径方向の外側に広がっている開口部側の端部125aを除いて電極1125の内面に形成されている。これにより、電子放射性物質層119がガラスバルブ101の内面や蛍光体層104に飛散するのを防止することができる。
【0115】
(5)変形例5
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5の要部拡大断面図を図14(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5(以下、「ランプ126」という)は、電極127の構造が異なる点を除いては、ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、電極127について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0116】
電極127は、有底筒状であって、その開口部側の端部127aが径方向の内側に狭まっている。そして、電子放射性物質層119は、少なくとも電極127の径方向の外側に広がっている開口部側の端部127aを除いて電極127の内面に設けられている。これにより、電極127の端部127aによって、電子放射性物質層119がスパッタされるのを抑制し、かつ電子放射性物質層119がスパッタされたとしても、飛散した電子放射性物質層119が電極127の端部127aに遮られることによって、ガラスバルブ101の内面や蛍光体層104に飛散するのを防止することができる。
【0117】
(6)変形例6
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6の正面図を図15(a)に、その管軸を含む要部拡大断面図を図15(b)にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6(以下、「ランプ128」という)は、ランプ100とは、口金129を備える点を除いては、ランプ100と実質的に同じ構成を有する。よって、以下、口金129について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【0118】
口金129は、リード線103と電気的かつ機械的に接続されている。具体的には、口金は、ガラスバルブ101の端部を覆う胴体部129aと、胴体部129aの一端より延出し、リード線103と電気的かつ機械的に接続される延出部129bとで構成されている。このようなランプ128は、照明装置に組み込む際、口金129をヒューズソケット(図示せず)等に挿入するだけで電気的かつ機械的に接続できる。
【0119】
胴体部129aの側面には、ガラスバルブ101を保持するための保持部129cが設けられている。保持部129cは、例えば、胴体部129aの側面の一部を切り抜き、ガラスバルブ101側に折り曲げて形成されている。また、保持部129cの先端部129dは、ガラスバルブ101を傷付けないようにガラスバルブ101とは反対側に折り曲げられている。なお、保持部129cは、胴体部129aの周方向に略等間隔に3[箇所]以上設けられていることが好ましい。この場合、ガラスバルブ101をより安定して保持できるためである。さらに、保持部129cとガラスバルブ101との接触部は、電極102の対向部にあることが好ましい。この場合、電極102付近で発生する熱の放熱を、保持部129cを介して促進させることができる。
【0120】
なお、上述した変形例1〜5のように、電極102に電子放射性物質層(図示せず)が設けられている場合においても、電極102で発生する熱を口金129を通じて放熱させやすくすることができるため、電極102周辺の温度の過度の上昇を抑制し、電極102周辺において水銀が少なくなることを抑制することで、電子放射性物質層119のスパッタリングを抑制し、口金129が設けられていないランプに比べてランプ電圧の低減効果を持続させることができる。
【0121】
なお、ランプ128の両端部において、酸化膜の領域(位置、大きさ、形状等)が異なるように形成してもよい。この場合、ランプ128の一端部と他端部とを容易に識別することができる。ランプ128の場合、ランプ128の一端部と他端部とを識別するマーキングを口金129の胴体部129aに印すことが考えられるが、口金129の胴体部129aは、照明装置(図示せず)に組み込まれる際、電気的に接続するために、例えばソケットに挟まれる。この際、摩擦によりマーキングが消失してしまうおそれがある。これに対し、ランプ128の両端部において、酸化膜の領域(位置、大きさ、形状等)が異なるように形成する場合には、ソケットとの摩擦により消失することがないため、好適である。具体的には、例えば一端部の酸化膜106と他端部の酸化膜106とをガラスバルブ101の管軸X100方向の長さが異なるように形成することができる。
【0122】
2.ガラスバルブ101について
(1)ガラスバルブ101の熱膨張係数は、3.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内のものを用いることができる。特に、ガラスバルブ101の熱膨張係数は、8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスの強度が弱くなるため、本発明の作用効果を特に発揮できる。
【0123】
(2)紫外線吸収について
ガラスバルブ101の材料であるガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0124】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0125】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0126】
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0127】
(3)赤外線透過係数について
ガラスバルブ101の材料であるガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極放電ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0128】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
(数1)X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(4)鉛フリーガラスについて
ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極放電ランプを提供することができる。さらには、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0129】
また、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、CaOが1[wt%]〜7[wt%]、MgOが1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜5[wt%]、BaOが7[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
【0130】
さらに、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、 CaOが2[wt%]〜7[wt%]、MgOが2.1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、ガラスバルブ101に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt%]、Al2O3が1[wt%]〜3[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが1[wt%]〜3[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜6[wt%]、Na2Oが7[wt%]〜10[wt%]、 CaOが3[wt%]〜6[wt%]、MgOが3[wt%]〜6[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜10[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0131】
(5)ガラスバルブ101の形状について
ガラスバルブ101の形状は、直管形状のものに限られず、例えばL字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。また、その管軸に対して略垂直に切った断面は、略円形状のものに限られず、例えばトラック形状や角丸形状のような扁平形状や楕円形状等であってもよい。
【0132】
3.蛍光体層の蛍光体について
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0133】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であることが好ましい。
【0134】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0135】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl10O17]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0136】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0137】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラスバルブ外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層104に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0138】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0139】
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極放電ランプや外部電極放電ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0140】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0141】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0142】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0143】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0144】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0.056)で構成されている。
【0145】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
【0146】
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んでできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0147】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
【0148】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである為、カラーフィルターとの組み合わせにより色再現範囲が上記値より前後する可能性がある。
【0149】
4.封入ガスについて
希ガスには、クリプトンが含まれていてもよい。この場合、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。例えば、アルゴンが0[mol%]以上9.5[mol%]以下の範囲内、ネオンが90[mol%]以上95.5[mol%]以下の範囲内、クリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
【0150】
5.ランプの種類について
上記の各実施形態においては、低圧放電ランプとして、冷陰極蛍光ランプ、内部外部電極蛍光ランプおよび熱陰極蛍光ランプを中心に説明したが、これに限られず、ガラスバルブの内面に蛍光体層の形成されていない紫外線ランプであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、低圧放電ランプ、照明装置および液晶表示装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図2】(a)酸化膜除去工程の概念図、(b)図2(a)のA−A’線で切った断面図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む要部拡大断面図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図5】本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図6】(a)酸化膜除去工程の概念図、(b)図6(a)のA−A’線で切った断面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例の管軸を含む断面図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る照明装置の分解斜視図
【図9】本発明の第5の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図
【図10】(a)本発明の第6の実施形態に係る照明装置の正面図、(b)同じくA−A’線で切った断面図
【図11】本発明の第7の実施形態に係る画像表示装置の斜視図
【図12】本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1の管軸を含む要部拡大断面図
【図13】(a)同じく低圧放電ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例3の管軸を含む要部拡大断面図
【図14】(a)同じく低圧放電ランプの変形例4の管軸を含む要部拡大断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例5の管軸を含む要部拡大断面図
【図15】(a)同じく低圧放電ランプの変形例6の要部拡大正面図、(b)同じく管軸を含む要部拡大断面図
【図16】従来の低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【符号の説明】
【0153】
100、118、120、122、124、126、128、200、300、400 低圧放電ランプ
101 ガラスバルブ
102、401 電極
103、402 リード線
103a 内部リード線
103b 外部リード線
106 酸化膜
500、600、700 照明装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外部に導出されたリード線とを備える低圧放電ランプにおいて、
前記リード線の表面のうち前記ガラスバルブの外側に位置する部分であって、前記ガラスバルブの端部付近には、酸化膜が形成されていることを特徴とする低圧放電ランプ。
【請求項2】
前記酸化膜の前記低圧放電ランプの管軸方向の長さは、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項3】
前記リード線の表面のうち前記ガラスバルブの外側に位置する部分であって、前記ガラスバルブ側と反対側の端部は、半田で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項4】
前記ガラスバルブの熱膨張係数は、3.0×10−6[K]以上10.0×10−6[K]以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプ。
【請求項5】
前記ガラスバルブに用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt]%、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜3[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜10[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜11[wt%]の組成を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項6】
前記リード線は、内部リード線と外部リード線との継線からなり、
前記内部リード線は、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外側端部付近において前記外部リード線の一端部と接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に係る低圧放電ランプを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7に係る照明装置を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項1】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外部に導出されたリード線とを備える低圧放電ランプにおいて、
前記リード線の表面のうち前記ガラスバルブの外側に位置する部分であって、前記ガラスバルブの端部付近には、酸化膜が形成されていることを特徴とする低圧放電ランプ。
【請求項2】
前記酸化膜の前記低圧放電ランプの管軸方向の長さは、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項3】
前記リード線の表面のうち前記ガラスバルブの外側に位置する部分であって、前記ガラスバルブ側と反対側の端部は、半田で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項4】
前記ガラスバルブの熱膨張係数は、3.0×10−6[K]以上10.0×10−6[K]以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプ。
【請求項5】
前記ガラスバルブに用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt]%、Al2O3が1[wt%]〜5[wt%]、B2O3が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜3[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜10[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜11[wt%]の組成を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項6】
前記リード線は、内部リード線と外部リード線との継線からなり、
前記内部リード線は、一端部が前記電極に接続され、他端部が前記ガラスバルブの外側端部付近において前記外部リード線の一端部と接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に係る低圧放電ランプを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7に係る照明装置を備えることを特徴とする画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−212124(P2010−212124A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57725(P2009−57725)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]