説明

低慣性ローラー

【課題】樹脂フィルム、金属薄板、紙などからなるウェブの搬送に用いられるフリーローラーであって、特に、ウェブとの滑りに起因するスリップ傷の発生を解消することが可能な低慣性ローラーの提供を課題とする。
【解決手段】円筒状軸体の外周に円筒状軸体の外形よりも大きな内径を有する円筒状殻体が配置され、且つ、円筒状軸体の端部からはその内部に高圧気体が供給できるようになっており、円筒状軸体に供給されてきた高圧気体は円筒状軸体の外周部に設けられている複数の貫通口を介して円筒状殻体との微小な間隙に送り込まれることにより、円筒状殻体が円筒状軸体の外周部と所定の間隙を保ちながら浮上して回転できるようになっていることを特徴とする低慣性ローラー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルム、金属薄板、紙等からなるウェブの搬送に際して使用されるフリーローラーであって、ウェブの搬送に支障のない曲げ剛性を有しながら、慣性モーメントが小さく、且つ回転負荷が小さく、しかもメンテナンス性も大幅に向上させたことを特徴とする低慣性ローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブの搬送装置には、多数のフリーローラーが使用されている。従来のフリーローラーとしては、ローラー胴体の両端に軸を固定し、この軸を軸受によって保持させるようにしたものや、ローラー胴体の両端の中心部に設けられている軸受けを介して軸に保持させるようにしたもの等が使用されている。
【0003】
これらのフリーローラーには、それによって搬送されるウェブの滑りによるスリップ傷や、ウェブの搬送速度の加速や減速にローラーの回転が追従できないことによるスリップ傷等が発生し、問題となっている。そのような状況のもと、これらを避けるために慣性モーメントのより小さいフリーローラーが求められている。また、ローラー支持部軸受の回転負荷が大きいことによるウェブにおけるしわ発生や破断を避けるために、回転負荷トルクのより小さい軸受構造のフリーローラーも求められている。
【0004】
以上の問題を解決するためには、ローラー径の小径化、ローラーの薄肉化、軽量構成材料の採用、軸受けの回転負荷の低減化等が有効である。しかしながら、ローラーのたわみもウェブ搬送に影響を与えるため、大きな曲げ剛性を有していることも必要であり、上記したローラーの小径化や薄肉化等による解決方法にはある程度の制限が加わってしまっている。
【0005】
そこで、必要な曲げ剛性を保ちながら、慣性モーメントの低減化を図るため、非弾性率の大きな炭素繊維強化樹脂(CFRP)等がローラーの構成材料として利用されることがあるが、このような工夫による性能向上にも限度があり、また、ローラー胴体の軽量化や、ローラー径の大径化に従って、ボス部分の慣性モーメントの比率が高くなり、大幅な軽量化が図りにくいという問題があった。
【0006】
一方、ウェブの搬送に支障のない曲げ剛性を有しながら慣性モーメントを小さくした軽回転性ローラーも種々提案されている。例えば、特許文献1には、ウェブの搬送に支障のない曲げ剛性を有しながら小さい慣性モーメントをも有する軽回転性ローラーとして、円筒状内面を有する円筒状殻体を、外周に前記円筒状殻体とほぼ同じ長さの円筒状支持面を備えた軸体の前記円筒状支持面に回転自在に嵌め合わさせてなるローラーにおいて、前記軸体を高弾性率の材料を用いてローラーに必要とされる曲げ剛性を備えた形状、寸法に形成すると共に、前記殻体を樹脂材料を用いて薄肉状に形成し、その殻体と軸体の間隙を10〜100μmとして殻体に作用する荷重を前記軸体に支持させる構成としたことを特徴とする軽回転性ローラーが提案されている。
【0007】
しかし、この提案に係る軽回転性ローラーは、軸体と殻体との間隙を一定に、例えば軸体の間隙を10μmとした場合には、軸体と殻体の製作には非常に高精度な加工が要求され、また、軸体と殻体を組付ける場合、隙間が微小であるために組付け性が悪いという問題があった。
【特許文献1】特開平1−303260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記したような従来の問題点を解決すべくなされたものであり、ウェブの搬送に際して使用されるフリーローラーであって、ウェブの搬送に支障のない曲げ剛性を有しながら、慣性モーメントが小さく、且つ回転負荷が小さく、しかもメンテナンス性も大幅に向上させ、さらには円筒状軸体と円筒状殻体との組み付け性をも良好にしたことを特徴とする低慣性ローラーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、所定の外径を有する円筒状軸体を囲い込むようにその外径よりも大きな内径を有する円筒状殻体が所定の間隙を隔てて配置されていると共に、円筒状軸体の内部にはその端部から高圧気体が供給されるようになっていて、円筒状軸体内に供給された高圧気体は円筒状軸体の外周部に開口されている複数の貫通口から円筒状軸体と円筒状殻体との境界の間隙に送り込まれることにより、円筒状殻体が円筒状軸体の外周部と所定の間隙を保ちながら浮上して回転できるようになっていることを特徴とする低慣性ローラーである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の低慣性ローラーにおいて、前記円筒状軸体の外周部の所定部分には多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされていると共に、この多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされた部分に対応する円筒状軸体の部分にのみ複数の貫通口が開口されていて、円筒状軸体の内部に供給されてきた高圧気体がその貫通口を介して多孔質焼結金属製リングから円筒状軸体と円筒状の殻体の境界の間隙に送り込まれるようになっていることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の低慣性ローラーにおいて、前記円筒状殻体の内周部の所定部分には多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされていると共に、円筒状軸体の多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされている部分に対峙する部分には複数の貫通口が開口されていて、円筒状軸体の内部に供給されてきた高圧気体がその貫通口を介して多孔質焼結金属製リングに向かって送り込まれるようになっていることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の低慣性ローラーにおいて、前記円筒状軸体の中心部には高圧気体供給量調整用の円筒体が円筒状軸体の中心軸に沿うように付設されている共に、その外周部の全域には複数の貫通口がその開口径が端部から中央部に向かって段階的に大きくなるように開口されており、円筒状軸体の端部から供給されてくる高圧気体がこの高圧気体流入調整用の円筒体を介してその複数の貫通口から円筒状軸体内に送り込まれるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上に説明したように、本発明の低慣性ローラーは、円筒状軸体の外側に前期円筒状軸体の外径よりも大きい内径を有する円筒状殻体が配置されていて、円筒状軸体の外周部に、その内側より外側へ高圧気体を送り込むための貫通口が開口されているので、円筒状軸体の内部より高圧気体を送り込むことにより、円筒状殻体が高圧気体上を浮上して回転できるようになっているので、円筒状殻体と円筒状軸体との摩擦が気体の摩擦力のみとなり、以下の諸効果が得られる。
【0014】
第1番目の効果としては、本発明の低慣性ローラーは、慣性モーメントが非常に小さいため、ウェブ追従性が非常に良好である。
【0015】
また、ウェブ追従性が向上したことで、ウェブの搬送速度の加速・減速時間を短くして
も、ウェブの動きにローラーの回転が追従することが可能となったため、加速・減速時間を短くすることが可能となる。
【0016】
一方、ローラーの軸端部のボスを軸受けにより受けるこれまでのタイプのものでも、軸受けの負荷を減らすための工夫はされていたが、自動調心のベアリングに動粘度の低い潤滑油を用いた油浴潤滑を組み合わせて負荷を減らすものが限界であり、多少なりとも回転負荷があり、それがローラーの回転不良の原因の一つであった。しかし、本発明の低慣性ローラーは、圧縮空気等の高圧気体により、殻体を浮上させて回転させる構成となっているので、回転負荷を大幅に減らすことが可能となり、搬送されているウェブによるスリップ傷の発生を大幅に抑制することが可能となる。
【0017】
他方、従来のローラーは、軸端部に軸受を使用していたため、寿命を考慮した定期的なメンテナンスとしての軸受け交換をしなくてはならなかった。そして、搬送装置等が具備する全ての軸受を交換をすることで大変な時間とコストを要していた。しかし、本発明の低慣性ローラーにおいては、メンテナンスフリーとなることから、半永久的に使用できるようになる。
【0018】
また、殻体に傷が入り、ローラーの交換が必要となった場合でも、従来ではローラー全体を再製作する必要があったが、本発明の低慣性ローラーにおいては、殻体のみの交換で済むことになり、修理に係る時間の削減やコストの低減化が可能となる。
【0019】
また、前記円筒状軸体の外周部に、多孔質焼結金属製リングを嵌め合わせることで、殻体が浮上して回転できるために必要な高圧気体の消費量を極力抑えることが可能となる。
【0020】
そして、円筒状軸体でローラーに必要な剛性を確保し、殻体の剛性は、自重と搬送されるウェブの張力に耐えうるもので十分なので、円筒状殻体の厚みを薄くすることが可能となり、従来困難であった撓み量を抑え、且つ慣性モーメントを小さくするというトレードオフの関係を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の低慣性ローラーを図面を参照にして詳細に説明する。
【0022】
図1から図6には、本発明の低慣性ローラーの概略の断面構成がそれぞれ示してある。これらの低慣性ローラーは、基本的には、所定の外径を有する円筒状軸体1、21、31、41、51、61の外周部に近接してこの円筒状軸体1、21、31、41、51、61の外径よりも大きな内径を有する円筒状殻体2、22、32、42、52、62が配置されていると共に、円筒状軸体1、21、31、41、51、61の内部にはその端部から高圧気体4が供給されるようになっていて、円筒状軸体1、21、31、41、51、61に供給されてきた高圧気体4は円筒状軸体1、21、31、41、51、61の外周部に開口されている複数の貫通口8、28、38、48、58、68から円筒状軸体1、21、31、41、51、61と円筒状殻体2、22、32、42、52、62との境界の間隙に送り込まれることにより、円筒状殻体2、22、32、42、52、62が円筒状軸体1、21、31、41、51、61の外周部と所定の間隙を保ちながら浮上して回転できるようになっている。
【0023】
従って、高圧気体4により浮上した円筒状殻体2、22、32、42、52、62は回転負荷が殆ど無い状態で円筒状軸体1、21の周りを回転することが可能となる。
【0024】
円筒状軸体1、21、31、41、51、61は、例えばアルミニウムにより構成され、その両端において、フランジ(図示せず)に固定され、さらには支持体3、23、33、43、53、63に固定されることで、調整代を持ち、他のローラーとの間隔や位置調整の精度を出すことが可能となっている。図2の26はベアリングを示している。また、9、29、39、49、59、69は、円筒状殻体2、22、32、42、52、62が円筒状軸体1、21、31、41、51、61上の所定位置で浮上しながら回転できるようにするための固定用リングである。
【0025】
円筒状軸体1、21、31、41、51、61は、両端部にカバー(図示せず)がされており、円筒状軸体1、21、31、41、51、61の内部に供給されてくる高圧気体(例えば、圧縮空気)4が漏れないように密閉されている。
【0026】
円筒状軸体1、21、31、41、51、61への高圧気体4の供給には種々の方法があるが、具体的には、図2に示すように、軸体両端部のカバー中央部にエアー継ぎ手25を接続させ、このエアー継ぎ手25を介して高圧気体4を円筒状軸体21の内部へ供給する方法を挙げることができる。
【0027】
前記軸体21の端部に接続されたこのエアー継ぎ手5には、エアーコンプレッサーから高圧気体4が供給され、その気体圧力を0.4〜0.5MPa程度の範囲に調整させながら円筒状軸体21の外周部に開口されている貫通口28のそれぞれを介して円筒状軸体21と円筒状殻体22との境界の間隙に送り込むことで、円筒状殻体22が円筒状軸体21の外周部と所定の間隙を保ちながら浮上して回転できるようになっている。
【0028】
また、円筒状軸体61の中心部には高圧気体供給量調整用の円筒体60を円筒状軸体61の中心軸に沿うように付設すると共に、その外周部の全域に複数の貫通口68を開口させ、且つその開口径は端部から中心部に向かって段階的に大きくなるようにし、円筒状軸体61の端部から供給されてくる高圧気体4がこの高圧気体供給量調整用の円筒体60を介してその複数の貫通口68からバランスよく円筒状軸体61内に送り込まれるようにしてもよい(図6参照)。
【0029】
このような構成であると、円筒状軸体61の内部より外部へ送り込まれる高圧気体の流量が均一となり、円筒状殻体62の浮上バランスが損なわれなくなる。
【0030】
また、円筒状軸体31、41の外周部の所定部分には多孔質焼結金属製リング37、47を嵌め合わせると共に、この多孔質焼結金属製リング37、47が嵌め合わされた部分に対応する円筒状軸体31、41の部分にのみ複数の貫通口38、48を開口させるようにしておき、円筒状軸体31、41の内部に供給されてきた高圧気体がその貫通口38、48を介して多孔質焼結金属製リング37、47から円筒状軸体31、41の外部へ送り込まれるようにしてもよい(図3及び図4参照)。
【0031】
このような構成であると、円筒状殻体32、42の高圧気体の上での浮上回転に必要な高圧気体の消費流量を抑えることが可能となる。
【0032】
図3には、円筒状軸体31の外周部には、多孔質焼結金属製リング37が締まりバメにより固定されており、多孔質焼結金属製リング37の軸方向における幅は、円筒状殻体32の軸長と等しくなるよう設定されているものの例が示してある。多孔質焼結金属製リング37の円筒状軸体31の外周部への嵌め合わせは図3に示すようなものに限定されるものではなく、図4に示すように、複数の多孔質焼結金属製リング47が適宜の間隔を隔てて円筒状軸体41の外周部分に嵌め合わされた構成としてもよい。
【0033】
このような構成であると、嵌め合い面のみを精度よく加工すればよく、加工時の手間を低く抑えて、製作費用を低くすることが可能となる。また、本発明の低慣性ローラーは、
円筒状殻体を組付ける時、円筒状軸体内部より高圧気体を噴出させながら嵌め合わせることができるため、円筒状殻体をスムーズに挿入することが可能となり、軸体と殻体との組付け性が向上する。
【0034】
なお、多孔質焼結金属製リング37、47は、そこを高圧気体4が通過して円筒状殻体32、42との境界における間隙に送り込まれることにより円筒状殻体32、42を浮上させ、且つ、搬送させるウェブの張力により円筒状殻体32、42に圧力が働いた場合でも円筒状軸体31、41と接触しない程度に高圧気体を送り込める透気率を有している必要がある。
【0035】
前記多孔質焼結金属製リング37、47両端部の外側には、円筒状軸体31、41と適宜の間隙を保ちながら浮上して回転する円筒状殻体32、42の位置固定のために固定用リング39、49が設置されている。この固定用リング39、49は、円筒状殻体32、42との間隔が0.5mm程度となるように取り付けてあり、円筒状軸体31、41の内側から多孔質焼結金属リング37、47を経由し、殻体32、42を円筒状軸体31、41上の所望の位置に浮上させるべく送り込まれてくる高圧気体が、これと円筒状殻体32、42との間を通って放出されるようになっている。その結果として、円筒状殻体32、42は、固定用リング39、49に接触することなく極めて小さい負荷で回転することが可能となっている。
【0036】
また、円筒状殻体52の内周部の所定部分に金属製リング57を嵌め合わせると共に、円筒状軸体51の金属製リング57が嵌め合わせている部分に対峙する部分に複数の貫通口58を開口させ、円筒状軸体51の内部に供給されてきた高圧気体がその貫通口58を介して金属製リング57に向かって送り込まれるように構成にしてもよい(図5参照)。
【0037】
一方、円筒状殻体2、12、22、32、42、52、62は、例えば軽量金属であるアルミニウムにより構成され、その内面の多孔質焼結金属製リング37、47と対峙する部分や円筒状軸体1、21、61と対峙する部分の間隙が10〜20μm程度となるように製作されている。さらに、円筒状殻体32、42の内面の多孔質焼結金属製リング37、47と対峙しない部分に関しては、粗加工としている。
【0038】
これらの円筒状殻体2、22、32、42、52、62の外周部は、ウェブと接触することから、ハードクロムメッキが施されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例に係るの概略の断面構成を示す説明図である。
【図2】本発明に他の実施例に係る概略の断面構成を示す説明図である。
【図3】円筒状軸体に多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされている本発明の低慣性ロールの概略の断面構成を示す説明図である。
【図4】円筒状軸体に多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされている本発明の他の低慣性ロールの概略の断面構成を示す説明図である。
【図5】円筒状殻体に金属製リングが嵌め合わされている本発明の低慣性ロールの概略の断面構成を示す説明図である。
【図6】高圧気体供給量調整用の円筒体が円筒状軸体に付設されているの本発明の低慣性ロールの概略の断面構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1、21、31、41、51、61・・・円筒状軸体
2、22、32、42、52、62・・・円筒状殻体
3、23、33、43、53、63・・・支持体
4・・・高圧気体
8、28、38、48、58、68…貫通口
25・・・ロータリージョイント
26・・・ベアリング
37、47・・・多孔質焼結金属製リング
58・・・金属リング
9、29、39、49,59、69・・・固定用リング
60・・・高圧気体流入調整用の円筒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の外径を有する円筒状軸体を囲い込むようにその外径よりも大きな内径を有する円筒状殻体が所定の間隙を隔てて配置されていると共に、円筒状軸体の内部にはその端部から高圧気体が供給されるようになっていて、円筒状軸体内に供給されてきた高圧気体が円筒状軸体の外周部に開口されている複数の貫通口から円筒状軸体と円筒状殻体との境界の間隙に送り込まれることにより、円筒状殻体が円筒状軸体の外周部と所定の間隙を保ちながら浮上して回転できるようになっていることを特徴とする低慣性ローラー。
【請求項2】
前記円筒状軸体の外周部の所定部分には多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされていると共に、この多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされた部分に対応する円筒状軸体の部分にのみ複数の貫通口が開口されていて、円筒状軸体の内部に供給されてきた高圧気体がその貫通口を介して多孔質焼結金属製リングから円筒状軸体と円筒状殻体との境界の間隙に送り込まれるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の低慣性ローラー。
【請求項3】
前記円筒状殻体の内周部の所定部分には多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされていると共に、円筒状軸体の多孔質焼結金属製リングが嵌め合わされている部分に対峙する部分には複数の貫通口が開口されていて、円筒状軸体の内部に供給されてきた高圧気体がその貫通口を介して多孔質焼結金属製リングに向かって送り込まれるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の低慣性ローラー。
【請求項4】
前記円筒状軸体の中心部には高圧気体供給量調整用の円筒体が円筒状軸体の中心軸に沿うように付設されている共に、その外周部の全域には複数の貫通口がその開口径が端部から中央部に向かって段階的に大きくなるように開口されており、円筒状軸体の端部から供給されてくる高圧気体がこの高圧気体供給量調整用の円筒体を介してその複数の貫通口から円筒状軸体内に送り込まれるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低慣性ローラー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate