説明

低減された寸法収縮を示す固体ポリウレタンエラストマー

本発明は、低減された寸法収縮を示す固体エラストマー、およびこれらのエラストマーの製造方法に関する。これらのエラストマーは、ポリイソシアネート成分またはプレポリマーと、17重量%未満のEOキャップを有する高分子量成分と、鎖延長剤および必要に応じて架橋剤を含んでなるイソシアネート反応性成分を、少なくとも一つの触媒の存在下、反応させた反応生成物を含んでなる。これらの固体エラストマーは、反応射出成形法によって密閉鋳型中で、好ましくはイソシアネート指数約70〜約130にて製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低減された寸法収縮を示す固体ポリウレタンエラストマーおよびこれらのエラストマーの製造方法に関する。これらのエラストマーは、ポリイソシアネート成分またはプレポリマーと、約17重量%未満のEOキャップを有する高分子量成分、鎖延長剤、および必要に応じて架橋剤を含んでなるイソシアネート反応性成分を、少なくとも一つの触媒の存在下、反応させた生成物を含んでなる。これらの固体エラストマーは、反応射出成形法によって密閉鋳型中で、イソシアネート指数約70〜約130にて製造される。
【背景技術】
【0002】
反応射出成形品(すなわち、RIM)技術によるポリウレタン成形品の製造は、よく知られており、例えば、米国特許4,218,543に記載されている。RIM法は、型に充填する技術を含む。この技術によって、高反応性液体出発成分は、いわゆる「積極的に制御された混合ヘッド」中で混合された後、高アウトプット高圧注入装置によって、非常に短時間内に型に射出される。
【0003】
RIM法によるポリウレタン成形品の製造において、該反応混合物は、通常、ポリイソシアネートに基づくA面、および、適当な鎖延長剤、触媒、発泡剤、および他の添加剤に加えて、イソシアネート反応性水素原子を含有する有機化合物に基づくB面を含んでなる。商業的RIM法に典型的に使用されるポリイソシアネートは、芳香族イソシアネート、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(すなわち、MDI)などである。
【0004】
RIM法およびその方法により製造されたポリウレタンインテグラルスキンフォームが米国特許4,243,760に開示されている。これらのインテグラルスキンフォームは、芳香族イソシアネート、高分子量ポリエーテルトリオールおよび鎖延長剤の反応生成物を含んでなる。高分子量ポリエーテルは、内部混合プロピレンオキシド/エチレンオキシドセグメント、および第1級ヒドロキシル基含量>50%(通常>90%)を生じさせるのに十分なEOキャップを有することを特徴とする。これらのインテグラルスキンフォームは、コンパクトスキンまたは表面および発泡コアを有し、および発泡剤を必要とする。
【0005】
高温で寸法安定性であるRIMエラストマーおよびそれらの製造方法は、米国特許4,297,444に記載されている。これらは、ポリエーテルポリオール、少なくとも2つの活性水素基を含有する比較的低分子量の化合物およびポリイソシアネートの反応生成物を含んでなる。該ポリイソシアネートおよび少なくとも約30%の該ポリエーテルポリオールを予備反応させてプレポリマーを形成し、およびポリエーテルポリオールのバランス(もしあれば)を該低分子量化合物と混合し、次いで、これを該プレポリマーに添加して反応させる。該ポリイソシアネート成分は、プレポリマーおよびポリイソシアネートのブレンドであってもよい。また、該444特許には、疑似プレポリマーの形成において、より多くのポリオールがA面に導入される場合、収縮因子は250°Fのポストキュアおよび325°Fのポストキュア後と同様であることが開示されている。
【0006】
米国特許4,440,705は、好ましくはRIM法による、発泡および非発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法を記載する。該方法は、触媒、発泡剤、および種々の添加剤の存在下、有機イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、鎖延長剤および/または架橋剤を反応させることを含む。該ポリエーテルポリオールは、末端ヒドロキシエチレン基をエトキシル化度1〜12(好ましくは2〜8)で有し、および第1級ヒドロキシル基を高含量で有する。全ての実施例は、発泡剤(ジクロロジフルオロメタン)を用いて製造された発泡エラストマーである。得られたインテグラルスキンフォームは、良好な伸びおよび曲げ安定性と共に、より短い離型時間を示し、および良好な寸法安定性(すなわち、収縮または膨張しない)を示した。
【0007】
米国特許5,238,973は、RIM法による密閉鋳型中での、必要に応じて発泡状である弾性成形品の製造方法を開示している。この方法は、MDI系イソシアネート成分の反応生成物を含んでなるプレポリマーと、ポリエーテルポリオール(MW=1000〜6000およびOH官能価2.4以下)を、少なくとも3.2:1の当量比にて反応させてセミプレポリマーを形成させ、次いで、RIM法によって、該プレポリマーと、10%までのポリオールb)およびc)アミノ基に対する少なくとも一つのオルト位にアルキル置換基を有する芳香族ジアミン、および必要に応じてd)低分子量脂肪族ポリオールまたは脂肪族アミノポリエーテルから本質的になるB)を反応させることを含む。最初の工程において、少なくとも90重量%の高分子量ポリオールを使用してプレポリマーを製造する。
【0008】
NCO末端プレポリマーと、無機充填剤を含有する一以上のNCO反応性成分を反応させることを含むRIM法は、米国特許5,504,179に開示されている。酸性基を含有する化合物は、典型的に、NCO反応性成分中に含まれる。適当なプレポリマーとしては、任意のイソシアネートと、MW1500〜12,000および少なくとも2のOH官能価を有するポリオールとのプレポリマーが挙げられる。適当なイソシアネート反応性成分は、(1)アミノ基(例えば、DETDA)に対してオルト位に少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族ジアミンおよび(2)OHまたはNH官能価2〜6およびMW230〜12,000を有し、および5〜20当量%の量でOHおよび/または第1級NH基を含有するポリエーテルまたはポリエステルである脂肪族反応性成分を含んでなる。驚くべきことに、該発明は酸性成分に起因する収縮低減効果を示すことが開示されている。該発明における酸性成分による収縮は、一段階方法において見られるものと本質的に同じである。また、これらのエラストマー中の充填剤の使用も収縮を低減することが知られている。
【0009】
高性能RIMポリウレタン(尿素)エラストマーは、米国特許6,765,080に記載されている。これらは、(A)NCO基含量5〜20%を有するアロファネート変性ジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマーと、(B)(1)官能価2〜5を有する高分子量ATPE、(2)分子量100〜500を有する芳香族ジアミン鎖延長剤、(3)必要に応じて、分子量200〜600、官能価1.5〜6を有する鎖延長剤および/または架橋剤を含んでなり、および脂肪族アミン末端ポリエーテルポリオールまたは脂肪族ヒドロキシル末端ポリエーテルポリオールのいずれかであるイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の利点は、特別な添加剤、例えば、米国特許5,238,973に記載の無機充填剤および/または米国特許5,504,179に記載の酸性添加剤を、添加または含有させることなく、固体ポリウレタンエラストマーの収縮を、制御および/または低減することができることを含む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、低減された寸法収縮を示す固体ポリウレタンエラストマーおよびこれらの固体ポリウレタンエラストマーの製造方法に関する。これらの固体エラストマーは、反応射出成形法によって密閉鋳型中でイソシアネート指数約70〜約130にて製造される。これらのエラストマーは、
(A)イソシアネート官能価約2〜約2.5を有する少なくとも一つのポリイソシアネート成分、または該ポリイソシアネートと、分子量1,000未満、好ましくは500未満および最も好ましくは300未満、およびヒドロキシル官能価約2〜約4、好ましくは約2〜約3および最も好ましくは約2.2を有するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるプレポリマーと、
(B)(1)官能価約2〜約3、OH価約28〜約35、分子量約4000〜約6000を有し、および17重量%未満(好ましくは15重量%未満、より好ましくは13重量%以下および好ましくは少なくとも約1重量%およびより好ましくは少なくとも約2重量%)の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する少なくとも一つのイソシアネート反応性成分約75重量%〜約90重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(2)ヒドロキシル官能価約2および分子量約60から約250未満を有する鎖延長剤約4重量%〜約25重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分0重量%〜約6重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
(C)一以上の触媒の存在下、
反応させた反応生成物を含んでなる。
【0012】
これらの固体ポリウレタンエラストマーの製造方法は、
(I)(A)イソシアネート官能価約2〜約2.5を有する少なくとも一つのポリイソシアネート成分、または該ポリイソシアネートと、分子量1,000未満、好ましくは500未満および最も好ましくは300未満、およびヒドロキシル官能価約2〜約4、好ましくは約2〜約3および最も好ましくは約2.2を有するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるプレポリマーと、
(B)(1)官能価約2〜約3、OH価約28〜約35、分子量約4000〜約6000を有し、および17重量%未満(好ましくは15重量%未満、より好ましくは13重量%以下および好ましくは少なくとも約1重量%およびより好ましくは少なくとも約2重量%)の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する一以上のイソシアネート反応性成分約75重量%〜約90重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(2)ヒドロキシル官能価約2および分子量約60から約250未満を有する鎖延長剤約4重量%〜約25重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分0重量%〜約6重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
(C)一以上の触媒の存在下、
反応させることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明において成分(A)として使用され得る適当なポリイソシアネートとしては、ポリウレタン系の製造に一般的に使用されるもの、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−および/または−2,4’−および/または−2,2’−ジイソシアネート(MDI);およびアニリン−ホルムアルデヒド縮合物をホスゲン化することにより得られ、および例えば、英国特許874,430および848,671に記載される工業的ポリフェニル−ポリメチレンポリイソシアネート(MDI含有多核ポリイソシアネート)が挙げられる。MDIの変性により得られる変性ポリイソシアネート、例えば、ウレタン基を介してポリオールで変性されたポリイソシアネート、カルボジイミドポリイソシアネート、イソシアヌレートポリイソシアネート、ビウレット化ポリイソシアネート、アロファネート化ポリイソシアネートまたはウレトジオンポリイソシアネートが適当な工業的変性イソシアネートの例である。
【0014】
本発明に適当であるアロファネート変性ポリイソシアネートとしては、例えば、既知であり、および例えば、米国特許4,810,820、5,124,427、5,208,334、5,235,018、5,444,146、5,614,605、5,663,272、5,783,652、5,789,519、5,859,163、6,028,158、6,063,891に記載されているものが挙げられる(それらの開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0015】
本発明の別の実施態様において、ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートのNCO末端を含んでなる。適当なNCO末端プレポリマーは、上記のようなポリイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応生成物を含んでなる。適当なイソシアネート反応性化合物は、分子量約1,000未満、好ましくは約500未満およびより好ましくは約300未満を有し、かつ、ヒドロキシル官能価約2〜約4を有するものである。好ましくは、これらのプレポリマーは、MDI/PMDIとイソシアネート反応性成分を、NCO含量が約10〜30%、好ましくは約15〜30%および最も好ましくは約20〜30%になるような量で反応させることによって形成される。
【0016】
本発明のイソシアネート反応性成分(B)は、
(1)官能価約2〜約3、OH価約28〜約35、分子量約4000〜約6000を有し、および17重量%未満(好ましくは15重量%未満、より好ましくは13重量%以下および好ましくは少なくとも1重量%およびより好ましくは少なくとも2重量%)の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する一以上のイソシアネート反応性成分75〜90重量%、好ましくは80〜90重量%および最も好ましくは80〜85重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(2)ヒドロキシル官能価2および分子量約60から約250未満を有する少なくとも一つの鎖延長剤約4重量%〜約25重量%、好ましくは約10重量%〜約20重量%および最も好ましくは約10〜15重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分0〜6重量%、好ましくは2〜5重量%および最も好ましくは2〜4重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]
を含んでなる。
【0017】
本発明において成分(B)(1)として使用される適当なイソシアネート反応性化合物としては、成分(A)のイソシアネート基と反応し得る約2個〜約3個のヒドロキシル基、OH価約28〜約35、分子量約4,000〜約6,000を含有し、および約17重量%未満(好ましくは15重量%未満、より好ましくは13重量%以下)の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する化合物が挙げられる。外部キャップとしてのエチレンオキシドの重量基準は、100重量%のアルキレンオキシド基に基づく。
【0018】
これらの比較的高分子量のポリオールとしては、分子量約4,000〜約6,000、好ましくは約4,800〜約6,000を有する、直鎖状または分枝状の、ジ−、トリ−、テトラ−またはより高い官能価のポリオキシアルキレンポリオール(ポリアルキレンオキシドポリオール)が挙げられる。該ポリオールは、好ましくはOH価約28〜約35を有する。これらのポリオキシアルキレンポリオールは、アルキルオキシラン(例えば、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2−または2,3−ブチレンオキシドおよび/またはスチレンオキシド)の二官能性または三官能性出発物質(例えば、水、ジオール、トリオール)への付加により得ることができる。また、アルキルオキシランの混合物(例えば、プロピレンオキシドおよびエピクロロヒドリンの混合物)も、ポリオキシアルキレンポリオールを製造するために使用することができる。
【0019】
本発明にしたがって成分(B)(1)として使用される適当なイソシアネート反応性成分としては、例えば、17重量%未満の外部キャップとしてのエチレンオキシド、および好ましくは15重量%未満の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有するものが挙げられる。イソシアネート反応性成分(B)(1)として使用される化合物は、典型的に17重量%未満、好ましくは15重量%未満、およびより好ましくは13重量%以下のエチレンオキシドの外部キャップを有する。また、これらの化合物は、典型的に、好ましくは少なくとも約1重量%およびより好ましくは少なくとも約2重量%のエチレンオキシドの外部キャップを有する。これらの化合物は、エチレンオキシドの外部キャップを、これらの上限値(この値も含む)および下限値(この値も含む)の任意の組合せの間の範囲内で有していてもよい。外部キャップとしてのエチレンオキシドの重量は、イソシアネート反応性成分(B)(1)中に存在する合計または全てのオキシアルキレン単位に基づく。残りのオキシアルキレン基は、好ましくはオキシプロピレン基である。
【0020】
これらのイソシアネート反応性成分は、典型的に、ヒドロキシル官能価約2〜約3を有する。技術的に最も重要なイソシアネート反応性成分は、17重量%未満、好ましくは1重量%から15重量%未満、およびより好ましくは2重量%から約13重量%以下の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有するポリオキシプロピレンポリオールである。
また、ポリアルキレンポリエーテルポリオールは、混合物の形態で使用することもできる。
【0021】
上記の好ましいポリエーテルポリオールにおいて、オキシエチレン含量は、該ポリエーテルポリオールが室温で液体であるようにすべきであり、または、該ポリエーテルポリオール中の非オキシエチレン含量は、液体が得られるように選択されるべきである。
【0022】
本発明の(B)(1)に適当なイソシアネート反応性成分は、既知の様式で、アルキルオキシランまたはそれらの混合物の重合によって、または、それらを、反応性水素含有出発物質成分(例えば、水、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−または3,6−ジアンヒドロ−ソルビトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン)に、必要に応じて酸性触媒または好ましくは塩基性触媒の存在下、付加することによって、製造することができる。該重合方法は、必要に応じてエチレンオキシドとの混合物の状態で行うが、最終段階にてエチレンオキシドの付加を伴う段階的に行うことが好ましく、または段階的反応で、上記ポリオールが形成されるような様式で行うことが好ましい。
【0023】
このタイプのポリエーテルの製造、特性および具体例は、Ullmanns Enzyklopadie der Technischen Chemie、Verlag Chemie、ワインハイム、第4版第19巻(1981年)、ポリアルキレングリコールに関する章(第31〜38頁)およびポリウレタンに関する章(第301〜341頁、さらに特に第304〜308頁)に記載されている。また、それらは、Kunststoff−Handbuch、Vol.VII、ポリウレタン、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン、第1版(1966年)第61〜75頁および第2版(1983年)第42〜54頁および第75〜77頁において議論されている。
【0024】
本発明の成分(B)(2)として使用される適当な化合物としては、約2個のヒドロキシル基を有し、および分子量約60から約250未満を有する鎖延長剤が挙げられる。
【0025】
適当な低分子量鎖延長剤の例としては、例えば、ジオールまたはジオール混合物、好ましくは直鎖または分枝鎖(シクロ)アルキレンジオール、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、3−クロロ−2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−,4−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。好ましい鎖延長剤は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびそれらの混合物である。
【0026】
本発明にしたがって存在する場合、(B)(3)として使用される適当なイソシアネート反応性成分としては、
(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850、および数平均分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分が挙げられる。
【0027】
通常、成分(B)(3)に適当な2つの主要な化合物群が存在する。これらとしては、ヒドロキシル官能価を有する成分(B)(3)(a)として記載された化合物、およびアミン官能価および必要に応じてヒドロキシル官能価を有する成分(B)(3)(b)として記載された化合物が挙げられる。
【0028】
成分(B)(3)(a)としては、ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および数平均分子量約200〜約400を有するイソシアネート反応性化合物が挙げられる。(B)(3)(a)として使用される適当な化合物としては、例えば、少なくとも2つのアミン基を含有する化合物と、アルキレンオキシド(例えば、プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドなど)との反応生成物、ならびに、イソシアネート反応性第3級アミンポリエーテルのような化合物が挙げられる。
【0029】
イソシアネート反応性第3級アミンポリエーテル、すなわち、本発明の成分(B)(3)(a)として使用される適当な化合物のなかでも、式:
R[NR
〔式中、Rは、飽和または不飽和のC〜C脂肪族または−OH、−SH、または−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されたC〜C脂肪族;飽和または不飽和のC〜C脂環族またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキレン、−OH、−SHまたは−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されたC〜C脂環族;またはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキレン、−OH、−SH、または−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されていてもよい5員または6員の芳香族またはヘテロ芳香族を表し、
およびRは、各々独立して、−OH、−SHおよび−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)から選択されるイソシアネート反応性基で末端化されたポリエーテル基を表し、および
mは、1〜4の整数を表す〕
で示される化合物が挙げられる。
【0030】
成分(B)(3)(a)の基Rに適用される用語「飽和または不飽和のC〜C脂肪族」は、1〜4個の−NR基に(好ましくは炭素原子が2個の窒素原子に結合しないように)結合した、および必要に応じて炭素−炭素二重結合を含有する(ただし、二重結合炭素原子は窒素原子に直接結合しない)、2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。例えば、mが2である場合、飽和または不飽和のC〜C脂肪族基としては、直鎖状エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、およびオクチレン基、ならびにそれらの異性体の分枝状形態が挙げられる。成分(B)(3)(a)の基Rに適用される用語「飽和または不飽和のC〜C脂環族」は、環炭素原子に直接的に、または任意のC〜Cアルキレン置換基を介して間接的に(好ましくは炭素原子が2個の窒素原子に直接結合しないように)−NR基に結合し、および必要に応じて環部分に炭素−炭素二重結合を(好ましくは二重結合炭素原子が窒素原子に直接結合しないように)含有する、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、およびシクロオクタン基、ならびにそれらのC〜Cアルキル誘導体を意味する。例えば、mが2である場合、好ましい飽和または不飽和のC〜C脂環族基としては、種々の異性体シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、およびシクロオクチレン基が挙げられる。適当であるが、余り好ましくない飽和または不飽和のC〜C脂環族基としては、少なくとも一つの環炭素原子が任意のC〜Cアルキレン置換基を介して−NR基に間接的に結合したもの、例えば、mが2である式:
【0031】
【化1】

【0032】
で示される基などが挙げられる。成分(B)(2)(a)の基Rに適用される用語「5員または6員の芳香族またはヘテロ芳香族」は、ベンゼン、少なくとも一つの環窒素原子を含有する6員のヘテロ環式基(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンなど)、少なくとも一つの環窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を含有する5員のヘテロ環式基(例えば、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾールなど)を意味する。これらの各々は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、またはC〜Cアルキレンで置換され得る。該置換基がC〜Cアルキレンである場合、該芳香族またはヘテロ芳香族基は、該アルキレン置換基を介して−NR基に間接的に結合し得る。
【0033】
各基Rは、必要に応じて、特にmが1である場合、さらなるイソシアネート反応性部位を与えるために、−OH、−SH、または−NHR基〔式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニル(好ましくは二重結合炭素原子が窒素原子に直接結合しないアルケニル)である〕で置換され得る。mが1である場合の適当なこのような基Rの例としては、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルが挙げられる。このような基は、通常、mが2、3または4である場合、好ましくない。
【0034】
成分(B)(3)(a)の基RおよびRに適用される用語「イソシアネート反応性基で末端化されたポリエーテル基」は、例えば、イソシアネート反応性成分(B)(1)を製造するための上記一般法によって製造されるポリエーテルを意味する。ただし、各ポリエーテル鎖の一つの末端は、上記式中に示される窒素原子に結合し、および他の末端は、少なくとも一つの−OH、−SH、または−NHR基によって末端化され、および得られる第3級アミンポリエーテル(B)(3)(a)の分子量は、約200〜約400の範囲内にある。適当なポリエーテルとしては、ヒドロキシ末端ポリオキシアルキレンポリエーテル、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、またはポリテトラメチレン基、とりわけヒドロキシ末端ポリオキシプロピレン基を有するものが挙げられる。
【0035】
特に好ましいイソシアネート反応性第3級アミンポリエーテル(B)(3)(a)は、Rが二官能性飽和C〜C脂肪族基であり、RおよびRが、独立してポリプロピレンオキシド単位を専ら含有するヒドロキシ末端ポリエーテルであり、およびmが2であり、および分子量が200〜400であるものである。
【0036】
本発明において成分(B)(3)(b)として使用される適当な化合物としては、官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する有機アミン化合物が挙げられる。弱小化反応性アミノ基の反応性は、立体効果および/または電子的効果によって抑制され得る。
【0037】
成分(B)(3)(b)に適当な有機アミンは、
(1)一以上の芳香環置換基がアミノ基に対してオルト位にある立体障害芳香族アミン、
(2)アミン基の少なくとも一つが、立体的因子よりはむしろ電子的効果が主な原因で低減された反応性を示す、アミン(B)(3)(b)(1)以外の芳香族アミン
(3)第2級アミン基を有する芳香族または非芳香族アミン、
(4)立体障害第1級アミン基を有する非芳香族アミン、および
(5)それらの混合物
からなる群から選択される。
【0038】
適当なアミンとしては、一以上の芳香環置換基(好ましくはC〜Cアルキル基)がアミノ基に対してオルト位にある立体障害芳香族アミン(B)(3)(b)(1)が挙げられる。もちろん、このような化合物は、電子的効果によって反応性を阻害する置換基を含むことができる。このような立体障害芳香族アミンの例としては、ジアミン、例えば、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−および/または−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−および/または2,6−ジアミノベンゼン(DETDA)、4,6−ジメチル−2−エチル−1,3−ジアミノベンゼン、3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、および3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。
【0039】
また、適当な化合物(B)(3)(b)としては、反応性が立体的因子よりはむしろ電子的効果によって主に決定される他の芳香族アミン(B)(3)(b)(2)が挙げられる。もちろん、このような化合物は、同様に、立体障害アミノ基を含み得る。適当な芳香族アミンの例としては、不活性化置換基(例えば、ハロゲン、ニトロまたはカルボニル基)を含有するもの、とりわけ、ジアミン、例えば、ハロゲン化ジアミノジフェニルメタン(例えば、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)および3−クロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(塩素化芳香環に結合したアミノ基は、無防備のままである))、および4−(4’−アミノベンジル)シクロヘキシルアミン(1/2 PACM)が挙げられる。
【0040】
第2級アミノ基を有する芳香族または非芳香族アミン(B)(3)(b)(3)の例としては、N,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアルキルアミノジフェニルメタン、およびピペラジンまたはその立体障害誘導体が挙げられる。
【0041】
立体障害第1級アミノ基を有する成分(B)(3)(b)(4)として適当な非芳香族アミンの例としては、2−メチル−2−アミノ−プロパノールが挙げられる。
【0042】
本発明に適当な触媒としては、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、イソシアネート反応性化合物のイソシアネート反応性基との間の反応を促進することができる当該分野で既知の触媒が挙げられる。適当な触媒の幾つかの例としては、第3級アミン、有機金属化合物、特に有機錫触媒、例えば、カルボン酸錫およびカルボン酸ビスマス、錫硫黄触媒などが挙げられる。
【0043】
触媒に加えて、他の添加剤も必要に応じて本発明の処方物中に存在させてもよい。このような添加剤としては、限定されないが、セル調整剤、難燃剤、可塑剤、染料、顔料、外部離型剤などが挙げられる。好ましい顔料は、カーボンブラックである。本発明の処方物中に存在する場合、カーボンブラックは、典型的に、少量のイソシアネート反応性成分(例えば、ポリエーテルポリオールなど)中に分散される。
【0044】
本発明の組成物は、約70〜130(好ましくは90〜110)の範囲のイソシアネート指数にて、従来の加工技術を使用して成形され得る。本明細書中で用語「イソシアネート指数」(「NCO指数」とも一般的に呼ばれる)は、イソシアネート反応性水素含有材料の合計当量で除し、100を乗じたイソシアネートの当量と定義される。本発明の反応系中に水が存在する場合、存在する水の量は、イソシアネート指数の計算において考慮されない。
【0045】
本明細書中に使用されるように、用語「分子量」は、末端基分析によって決定されるような数平均分子量を意味する。また、本明細書中に使用されるように、用語「数平均官能価」は、異なる官能価のポリイソシアネートまたはポリオールのブレンドの総重量に対して平均した該ブレンドの官能価を意味する。
【0046】
以下の実施例は、本発明の組成物および本発明の組成物の製造方法をさらに詳細に説明する。上記の開示中に記載された本発明は、これらの実施例によって精神または範囲のいずれも限定されるべきではない。当業者は、以下の製造手順の条件および工程の既知の変形を、これらの組成物を製造するために使用できることを容易に理解するであろう。他に示さない限り、全ての温度は、摂氏温度であり、および全ての部および百分率は、それぞれ重量部および重量%である。
【実施例】
【0047】
以下の成分を実施例に使用した。
ポリイソシアネートA:NCO基含量約23%、粘度約500mPa・s(25℃)と約800mPa・s(25℃)との間を有し、およびNCO基含量約33.6%および官能価約2を有する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート約86.5重量%と、トリプロピレングリコール約13.5重量%との反応生成物を含んでなるイソシアネートプレポリマー、
ポリオールA:OH価約28および官能価約3を特徴とする、内部プロピレンオキシドブロック含量約83%および外部エチレンオキシドキャップ約17%を有するグルセリン開始ポリエーテルポリオール、
ポリオールB:OH価約28および官能価約3を特徴とする、内部プロピレンオキシドブロック含量約87%および外部エチレンオキシドキャップ約13%を有するグルセリン開始ポリエーテルポリオール、
鎖延長剤A:エチレングリコール
鎖延長剤B:1,4−ブタンジオール
架橋剤A:OH価約630および官能価約4を有する、エチレンジアミン開始プロピレンオキシドのポリエーテルポリオール
界面活性剤A:GE SiliconeからL 1000として市販されるシリコーン界面活性剤
触媒A:Air ProductsからFomrez UL−38として市販される有機錫触媒
DR−0217:ポリエーテルポリオール中に分散したカーボンブラック
【0048】
〔RIM実施例〕
表1に示す4つの処方物を使用して、反応射出成形品を製造した。該ポリウレタン発泡系を、シンシナティハイプレッシャーシリンダー機を使用して射出した。該イソシアネート反応性材料および種々の添加剤を、該機械のB側に入れ、および適当量の特定のプレポリマーを、A側に充填した。該シンシナティハイプレッシャーシリンダーは、シンシナティミックスヘッドを備えていた。B側を30℃に予備加熱し、およびA側を30℃に予備加熱した。該材料を、射出圧力約2,000psiおよび射出速度3500g/秒にて射出した。該材料を、約3フィート×4フィートのプラーク型に射出した。該型を、約49℃、65℃または74℃の温度に加熱した。1分、2分または3分後、該プラークを離型した。
【0049】
【表1】

【0050】
部分収縮に影響を与える幾つかの鍵となる加工パラメーターが存在することが経験上知られている。2つの主要なパラメーターは、離型時間および成形温度である。さらに、型中の該材料の流れ方向は、特に充填剤を含有する系において違いを示す。
【0051】
上記4つの処方物を、表2A、2B、2Cおよび2Dに示す3つの異なる成形温度および3つの異なる離型時間でこれらの処方物の各々のプラークを成形することにより評価した。部分測定は、成形から少なくとも1日後に行った。部分は、流れと平行方向および流れと垂直方向の両方向で測定した。
【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
上記データは、約74℃、約65℃および約49℃の成形温度での流れと平行の収縮(%)および流れと垂直の収縮(%)を示す。(各々上記成形温度での)3分、2分、および1分の離型時間も試験した。傾向は、非常に一貫しており、そして驚くべきことに、エチレングリコールをブタンジオールに代えることによって、より低い収縮が得られないことが示された。しかしながら、ブタンジオールおよびエチレングリコールのいずれかによって、使用する成形温度、離型時間および/または流れ方向に関わらず、外部キャップとしてより少ない量のEOを有する高分子量ポリエーテルポリオールを使用する場合、より低い収縮が得られることが見出された。
【0057】
本発明を上記で例示の目的をもって詳細に説明したが、このような詳説が単にその目的のためであって、本発明は、特許請求の範囲によって限定され得る場合を除いて、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によって変形がなされ得ると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)イソシアネート官能価約2〜約2.5を有する少なくとも一つのポリイソシアネート成分、または該ポリイソシアネートと、分子量1,000未満およびヒドロキシル官能価約2〜約4を有するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるプレポリマーと、
(B)(1)官能価約2〜約3、OH価約28〜約35、分子量約4000〜約6000を有し、および17重量%未満の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する少なくとも一つのイソシアネート反応性成分約75重量%〜約90重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(2)官能価約2および分子量約60から約250未満を有する鎖延長剤約4重量%〜約25重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分0重量%〜約6重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
(C)一以上の触媒の存在下、
反応射出成形法によって密閉鋳型中でイソシアネート指数約70〜約130にて反応させた反応生成物を含んでなる、
低収縮性固体ポリウレタンエラストマー。
【請求項2】
(A)上記ポリイソシアネート成分は、ジフェニルメタンジイソシアネートと、分子量500未満およびヒドロキシル官能価約2〜約3を有するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるイソシアネートプレポリマーを含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項3】
(B)上記イソシアネート反応性成分は、
(B)(1)官能価約2〜約3、分子量約4,000〜約6,000を有し、および15重量%未満の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する一以上のイソシアネート反応性成分約80重量%〜約90重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(B)(2)少なくとも一つの鎖延長剤約10重量%〜約20重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(B)(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分約2〜5重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と
を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項4】
(B)(2)は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項5】
(B)(3)は、(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400、および式:
R[NR
〔式中、Rは、飽和または不飽和のC〜C脂肪族または−OH、−SH、または−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されたC〜C脂肪族;飽和または不飽和のC〜C脂環族またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキレン、−OH、−SHまたは−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されたC〜C脂環族;またはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキレン、−OH、−SH、または−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されていてもよい5員または6員の芳香族またはヘテロ芳香族を表し、
およびRは、各々独立して、−OH、−SHおよび−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)から選択されるイソシアネート反応性基で末端化されたポリエーテル基を表し、および
mは、1〜4の整数を表す〕
で示されるイソシアネート反応性化合物を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項6】
(B)(3)は、(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有し、および
(1)一以上の芳香環置換基がアミノ基に対してオルト位にある立体障害芳香族アミン、
(2)アミン基の少なくとも一つが、立体的因子よりはむしろ電子的効果が主な原因で低減された反応性を示す、アミン(B)(3)(b)(1)以外の芳香族アミン、
(3)第2級アミン基を有する芳香族または非芳香族アミン、
(4)立体障害第1級アミン基を有する非芳香族アミン、および
(5)それらの混合物
からなる群から選択される少なくとも一つの有機アミン化合物
を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項7】
(B)(1)は、約13重量%以下の外部キャップとしてのエチレンオキシドを有する、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項8】
低収縮性固体ポリウレタンエラストマーの製造方法であって、
(I)(A)イソシアネート官能価約2〜約2.5を有する有機ポリイソシアネート成分、または該ポリイソシアネートと、分子量1,000未満およびヒドロキシル官能価約2〜約4を有するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるプレポリマーと、
(B)(1)官能価約2〜約3、OH価約28〜約35および分子量約4,000〜約6,000を有し、および17重量%未満の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する一以上のイソシアネート反応性成分約75重量%〜約90重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(2)官能価約2および分子量約60から約250未満を有する鎖延長剤約4重量%〜約25重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物、
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分0重量%〜約6重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]
とを含んでなるイソシアネート反応性成分を、
(C)一以上の触媒の存在下、
イソシアネート指数を約70〜約130として、反応射出成形法によって密閉鋳型中で反応させることを含む、方法。
【請求項9】
(A)上記ポリイソシアネート成分は、ジフェニルメタンジイソシアネートと、分子量500未満およびヒドロキシル官能価約2〜約3を有するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるイソシアネートプレポリマーを含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(B)上記イソシアネート反応性成分は、
(B)(1)官能価約2〜約3、分子量約4,000〜約6,000、および15重量%未満の外部キャップとしてのエチレンオキシドを含有する一以上のイソシアネート反応性成分約80重量%〜約90重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(B)(2)少なくとも一つの鎖延長剤約10重量%〜約20重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と、
(B)(3)(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400を有する少なくとも一つのイソシアネート反応性化合物、
および
(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有する少なくとも一つの有機アミン化合物
からなる群から選択されるイソシアネート反応性成分約2〜5重量%[(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の総合重量100%に基づく]と
を含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
(B)(2)は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
(B)(3)は、(a)ヒドロキシル官能価約3〜約4、OH価約400〜約850および分子量約200〜約400、および式:
R[NR
〔式中、Rは、飽和または不飽和のC〜C脂肪族または−OH、−SH、または−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されたC〜C脂肪族;飽和または不飽和のC〜C脂環族またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキレン、−OH、−SHまたは−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されたC〜C脂環族;またはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキレン、−OH、−SH、または−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)で置換されていてもよい5員または6員の芳香族またはヘテロ芳香族を表し、
およびRは、各々独立して、−OH、−SHおよび−NHR(式中、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルである)から選択されるイソシアネート反応性基で末端化されたポリエーテル基を表し、および
mは、1〜4の整数を表す〕
で示されるイソシアネート反応性化合物を含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
(B)(3)は、(b)官能価2〜4および分子量約60〜約400を有し、および
(1)一以上の芳香環置換基がアミノ基に対してオルト位にある立体障害芳香族アミン、
(2)アミン基の少なくとも一つが、立体的因子よりはむしろ電子的効果が主な原因で低減された反応性を示す、アミン(B)(3)(b)(1)以外の芳香族アミン、
(3)第2級アミン基を有する芳香族または非芳香族アミン、
(4)立体障害第1級アミン基を有する非芳香族アミン、および
(5)それらの混合物
からなる群から選択される少なくとも一つの有機アミン化合物
を含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
(B)(1)は、約13重量%以下の外部キャップとしてのエチレンオキシドを有する、請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2008−527146(P2008−527146A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551304(P2007−551304)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/000643
【国際公開番号】WO2006/076278
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】